説明

商品関連アクセス情報提供装置および商品関連アクセス情報提供システムとサーバ装置

【課題】 購入した商品に関連する情報を商品購入者に即時的に提供する。
【解決手段】 商品情報を記録した商品タグ40から商品情報を読み取り、不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるURLと商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブル24を参照して、商品タグ40から読み取った商品情報に対応するURLを抽出し、このURLを携帯通信端末が読取り可能なバーコードあるいはQRコード等の態様でレシートに印刷する。商品購入者は自らが所有する携帯通信端末にURLを読み込ませるだけで、商品の購入後直ちに当該商品に関わる商品関連情報を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入した商品に関連する情報を商品購入者に即時的に提供するための商品関連アクセス情報提供装置および商品関連アクセス情報提供システムとサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品購入後、関連する商品の情報を入手したり或いは関連する商品を購入したりする場合は、店内を再度、関連する商品の情報を得るために廻ったり、販売員と口頭でコミュニケーションをとって商品の情報を得ていたが、再度店内を回って関連商品の情報を得るのは大変な手間であり、また、販売員とのコミュニケーションによっても、販売員の商品知識、商品売り込みスキルに依存するところが大きく、購入品に関連する充分な情報を得ることができず、販売者にとっては追加売り上げに繋がり難く、また、購入者にとっても容易に購入品に関連する情報が得られないといった不都合があった。
【0003】
この種の不都合を改善するために転用可能な技術としては、例えば、特許文献1に開示されるようなURL情報提供システムが既に提案されている。
【0004】
特許文献1に開示されたURL情報提供システムは、商品コードが記憶されたICタグからレジ端末のICタグリーダを介して商品コードを読み込み、この商品コードをレジ端末からサーバに送信し、サーバ側の処理によってデータベースを参照して商品コードに対応したURL、つまり、購入された商品に関連するキャンペーン情報の在り処を特定するためのURLを求め、このURLをサーバからレジ端末に送り返し、レジ端末のICカードリード&ライタによって商品購入者が所持するICカードにURL書き込み、このICカードを商品購入者が自宅に持ち帰った後、ICカードに記憶されているURLを自宅のパソコンに読み込ませて当該URLで指定されるホームページの情報すなわち購入した商品に関連するキャンペーンの情報をモニタで閲覧するというものである。
【0005】
従って、商品購入者は自宅に帰ってからでなくてはキャンペーンの情報を閲覧することができない。
【0006】
特許文献1に開示されたURL情報提供システムにおいてキャンペーン情報に代わる別の情報をWeb上の記憶装置等に記憶させることは技術的に容易ではあるが、キャンペーン情報に代えて商品関連情報を記憶させ、自宅のパソコンで商品関連情報を閲覧できるようにしたとしても、前述した通り、家に帰ってからでなければ商品関連情報を閲覧できず、従って、商品の購入後に同一店舗内で急いで関連商品を購入するような場合には即時性の点で問題が残る。
【0007】
【特許文献1】特開2005−309716号公報(段落0030)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の不都合を解消し、購入した商品に関連する情報を商品購入者に即時的に提供することのできる商品関連アクセス情報提供装置および商品関連アクセス情報提供システムとサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の商品関連アクセス情報提供装置および商品関連アクセス情報提供システムとサーバ装置は、
商品情報を記録した商品タグから商品情報を読み取り、不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるアクセス情報と前記商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを参照して、前記読み取った商品情報に対応するアクセス情報を抽出し、このアクセス情報を携帯通信端末が読取り可能な態様でレシートに印刷することにより前記課題を達成した。
商品タグから読み取られた商品情報に対応して対応関係テーブルに記憶されたアクセス情報、つまり、商品購入者が購入した商品に関わる商品関連情報の在り処を特定するためのアクセス情報が、商品の購入後レシートに直ちに印刷され、しかも、このアクセス情報は携帯通信端末が読取り可能な態様でレシートに印刷されているので、商品購入者は自らが所有する携帯通信端末にアクセス情報を読み込ませるだけで、商品の購入後直ちに当該商品に関わる商品関連情報を取得することができる。
【0010】
より具体的には、この商品関連アクセス情報提供装置は、例えば、
商品タグに記録されている価格と商品情報を読み取るタグリーダと、前記タグリーダを制御し前記タグリーダが読み取った価格と商品情報を受け取るタグリーダ用制御部と、該タグリーダ用制御部が受け取った商品情報をサーバ装置に送信する通信部と、レシートを印刷するレシートプリンタと、前記タグリーダ用制御部と通信部とレシートプリンタを制御し前記商品タグから読み取った価格および其の総計と前記通信部が前記サーバ装置から受信したアクセス情報の印刷を前記レシートプリンタに指示する主制御部とを備えた金銭登録器と、
不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるアクセス情報と前記商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを有する記憶部と、前記金銭登録器から商品情報を受信し、この商品情報に基づいて前記対応関係テーブルを参照して当該商品情報に対応するアクセス情報を抽出し前記金銭登録器に送信する通信部と、前記記憶部および前記通信部を制御する制御部を備えたサーバ装置とからなる商品関連アクセス情報提供システムとして構成することができる。
無論、金銭登録器それ自体に対応関係テーブルを記憶させ当該対応関係テーブルに基づいてアクセス情報を抽出する機能を持たせるように構成することも可能であるが、サーバ装置の側で対応関係テーブを管理することによって情報の更新操作を一括して行うことができるので、作業性が向上するメリットがある。
【0011】
タグリーダで読み取った商品情報を金銭登録器からサーバ装置に送信する処理は、リアルタイム、つまり、タグリーダで商品情報が読み取られる度に行うようにすることが可能である。この場合、サーバ装置は、金銭登録器から商品情報を受信する度に当該商品情報に基づいて対応関係テーブルから対応するアクセス情報を抽出し、金銭登録器に送信するように構成する。
従って、金銭登録器によって印刷されるレシートには商品購入者が購入した各商品に関連した商品情報のアクセス情報が各商品毎に個別に印刷されることになる。
【0012】
また、タグリーダで読み取った商品情報を金銭登録器に纏めて一時記憶しておき、この商品情報を一括してサーバ装置に送信するようにしてもよい。
このような構成を適用した場合、サーバ装置の側では、一回の取り引きによって得られる商品情報について総合的な分析を行うことが可能であるから、例えば、金銭登録器から受信した商品情報の種別を判定して種別毎の商品情報が全体の商品情報に対して占める割合を求め、割合の高い商品情報に対応するアクセス情報を対応関係テーブルから抽出して金銭登録器に送信するといったことができるようになる。
例えば、一回の取り引きで購入された商品のうち衣類の占める割合が高い場合には衣類関係の商品情報に対応するアクセス情報を抽出し、また、一回の取り引きで購入された商品のうち家庭用品の占める割合が高い場合には家庭用品関係の商品情報に対応するアクセス情報を抽出するといった具合である。
【0013】
また、金銭登録器から纏めて送られた商品情報の組み合わせに対応するアクセス情報を対応関係テーブルから抽出して金銭登録器に送信するようにしてもよい。
タグリーダで読み取った商品情報を金銭登録器から纏めてサーバ装置に送信する構成を適用した場合、サーバ装置の側では、一回の取り引きによって得られる商品情報について総合的な分析を行うことが可能であるから、商品情報の組み合わせに対応するアクセス情報を対応関係テーブルから抽出して金銭登録器に送信するといったことができるようになる。
例えば、一回の取り引きで購入された商品にジャケットとスラックスの商品情報があれば、商品購入者は更にネクタイ等を購入する可能性が高いので、サーバ装置がジャケットとスラックスの商品情報の組み合わせを確認した場合に、ネクタイ等の商品関連情報にアクセスするためのアクセス情報を抽出するといった具合である。
どのような商品情報の組み合わせに対応させてどのような商品関連情報を提供するかは対応関係テーブルの設計上の問題つまり人為的な取り決めに関わる問題に過ぎない。
【0014】
タグリーダで読み取った商品情報を金銭登録器に纏めて一時記憶しておき、この商品情報を一括してサーバ装置に送信するようにした場合であっても、一回の取り引きによって得られる商品情報をサーバ装置の側で各商品情報毎に分析することが可能である。
つまり、タグリーダで読み取った商品情報を一括してサーバ装置に送信するようにした場合であっても、金銭登録器によって印刷されるレシートには商品購入者が購入した各商品に関連した商品関連情報のアクセス情報を各商品毎個別に印刷することができる。
当然、各商品に関連した商品関連情報の他、商品情報の組み合わせに対応した商品関連情報を併せて提供してもよい。
【0015】
更に、商品情報の一部を構成する情報構成要素とアクセス情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを設け、金銭登録器から受信した商品情報から取り出した情報構成要素、つまり、商品情報の一部に対応するアクセス情報を対応関係テーブルから抽出して金銭登録器に送信するようにしてもよい。
例えば、商品の種別を特定する大分類,中分類,小分類といった情報構成要素によって商品情報を構成し、商品情報の一部、すなわち、大分類に対応するアクセス情報や中分類あるいは小分類に対応するアクセス情報を対応関係テーブルから抽出して金銭登録器に送信するといったことができるようになる。
つまり、情報構成要素のうちの一つ、例えば、大分類,中分類,小分類の何れか一つの情報構成要素のみに着目してアクセス情報を抽出したり、二以上の情報構成要素に着目してアクセス情報を抽出したり、あるいは、一つの情報構成要素のみを無視してアクセス情報を抽出したり、二以上の情報構成要素を無視してアクセス情報を抽出したりといったことが可能である。
【0016】
商品情報の一部を構成する情報構成要素に対応するアクセス情報を対応関係テーブルから抽出する処理は、具体的には、金銭登録器から受信した商品情報の情報構成要素と対応関係テーブルに記憶された商品情報の情報構成要素の比較に際し、比較が不要であることを明示する情報が情報構成要素に代えて記憶されている部分を除いた情報構成要素が一致した場合に前記金銭登録器から受信した商品情報と対応関係テーブルに記憶された商品情報とが一致したものと見做し、この商品情報に対応するアクセス情報を対応関係テーブルから抽出して金銭登録器に送信するといったことで実現しえる。
比較が不要であることを明示する情報としては所謂ワイルドカードが公知である。
【0017】
商品関連情報としては、文字列,画像,音声等のマルチメディアを利用することができる。
【0018】
また、アクセス情報としては、不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処(ロケーション)を示すURLを利用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の商品関連アクセス情報提供装置および商品関連アクセス情報提供システムとサーバ装置は、商品情報を記録した商品タグから商品情報を読み取り、不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるアクセス情報と商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを参照して、商品タグから読み取った商品情報に対応するアクセス情報を抽出し、このアクセス情報を携帯通信端末が読取り可能な態様でレシートに印刷するようにしたので、商品購入者は、自らが所有する携帯通信端末にアクセス情報を読み込ませるだけで、商品の購入後直ちに当該商品に関わる商品関連情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1はタグリーダ30および金銭登録器10とサーバ装置20から構成される商品関連アクセス情報提供システムの構成例について簡略化して示したブロック図である。
【0022】
タグリーダ30は商品タグ40に記録されている価格や商品情報を読み取るためのもので、商品タグ40の種別に応じ、バーコードリーダ,QR(二次元)コードリーダ,RF−ID(Radio Frequency IDentification)リーダ等を使用する。
【0023】
バーコード,QRコード,RF−ID等を利用して価格を記憶した商品タグ40を商品に取り付けてPOS(Point Of Sale)システムの一部として利用する点に関しては周知であり、バーコードリーダ,QRコードリーダ,RF−IDリーダ等を利用した価格の読み取りに関しても一般的な技術事項に過ぎない。また、価格や商品情報を文字列として商品タグ40に記載した場合であっても、タグリーダ30を文字認識用のスキャナで構成すれば価格や商品情報の読み取りは可能であり、コストの点さえ問題にしなければ技術的な困難性はない。
【0024】
金銭登録器10は商業用のレジスタであり、タグリーダ30を制御し、タグリーダ30が読み取った価格や商品情報を受け取るタグリーダ用制御部11と、タグリーダ用制御部11が受け取った商品情報をサーバ装置20に送信する通信部14と、レシートを印刷するレシートプリンタ12と、タグリーダ用制御部11と通信部14とレシートプリンタ12を制御し商品タグ40から読み取った価格および其の総計と通信部14がサーバ装置20から受信したアクセス情報の印刷をレシートプリンタ12に指示する主制御部13を備える。
【0025】
サーバ装置20は、携帯電話等を始めとする不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるアクセス情報と商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブル24を有する記憶部23と、金銭登録器10から商品情報を受信し、この商品情報に基づいて対応関係テーブル24を参照して当該商品情報に対応するアクセス情報を抽出し、このアクセス情報を金銭登録器10に送信する通信部21と、記憶部23および通信部21を制御する制御部22を備える。
【0026】
金銭登録器10とサーバ装置20との間の通信は有線あるいは無線のLANやインターネットあるいは他の公知手段を利用して容易に実現できる。
【0027】
タグリーダ30を介して金銭登録器10が読み込んだ商品情報は、タグリーダ30を利用した一回の読み取り操作毎にサーバ装置20にリアルタイムで送信してもよいし、あるいは、タグリーダ30を介して金銭登録器10が読み込んだ商品情報を一時的に金銭登録器10に記憶させておき、商品購入者毎の一回の取り引きが完了した清算の時点で纏めてサーバ装置20に送信するようにしても構わない。
【0028】
タグリーダ30を利用した一回の読み取り操作毎に商品情報を金銭登録器10からサーバ装置20にリアルタイムで送信する場合、サーバ装置20は、金銭登録器10から商品情報を受信する度に当該商品情報に基づいて対応関係テーブル24から当該商品情報に対応するアクセス情報を抽出して金銭登録器10に送信することができる。
【0029】
また、一回の取り引きが完了した清算の時点で商品情報を金銭登録器10からサーバ装置20に纏めて送信するようにすれば、サーバ装置20は、例えば、金銭登録器10から受信した商品情報の種別を判定して種別毎の商品情報が全体の商品情報に対して占める割合を求め、割合の高い商品情報に対応するアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出して金銭登録器10に送信することができる。
例えば、一回の取り引きで購入された商品のうち衣類の占める割合が高い場合には衣類関係の商品情報に対応するアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出し、また、一回の取り引きで購入された商品のうち家庭用品の占める割合が高い場合には家庭用品関係の商品情報に対応するアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出するといった具合である。
あるいは、商品情報の組み合わせとアクセス情報との対応関係を記憶した対応関係テーブル24を記憶部24に記憶させておけば、金銭登録器10から受信した商品情報の組み合わせに対応するアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出して金銭登録器10に送信することもできる。
例えば、一回の取り引きで購入された商品にジャケットとスラックスの商品情報があれば、商品購入者は更にネクタイ等を購入する可能性が高いので、サーバ装置20がジャケットとスラックスの商品情報の組み合わせを確認した場合に、ネクタイ等の商品関連情報にアクセスするためのアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出するといった具合である。
【0030】
これらの処理操作が可能となるのは、一回の取り引きが完了した清算の時点でバッジ処理的に商品情報を金銭登録器10からサーバ装置20に纏めて送信することにより、サーバ装置20の側で一回の取り引きによって得られる商品情報について総合的な分析を行うことができるようになるからであるが、タグリーダ30を利用した一回の読み取り操作毎に金銭登録器10からサーバ装置20にリアルタイムで商品情報を送信する場合であっても、これらの商品情報をサーバ装置20の側で逐次一時記憶することが可能であるから、実際には、一回の読み取り操作毎に金銭登録器10からサーバ装置20にリアルタイムで商品情報を送信する構成においても、一回の取り引きが完了した清算の時点でバッジ処理的に商品情報を金銭登録器10からサーバ装置20に纏めて送信する場合であっても、全く同様の処理操作を行うことが可能である。
【0031】
また、一回の取り引きが完了した清算の時点でバッジ処理的に商品情報を金銭登録器10からサーバ装置20に纏めて送信する場合であってもサーバ装置20の側では個々の商品情報を独立的に評価することが可能であるから、一回の取り引きが完了した清算の時点でバッジ処理的に商品情報を金銭登録器10からサーバ装置20に纏めて送信する場合であっても、タグリーダ30を介して金銭登録器10が読み込んだ商品情報をタグリーダ30を利用した一回の読み取り操作毎にサーバ装置20にリアルタイムで送信する場合と同様、個々の商品情報に基づいて対応関係テーブル24から各々の商品情報に対応するアクセス情報を抽出して金銭登録器10に送信することができる。
【0032】
更には、商品情報を複数の情報構成要素の集合として構成し、商品情報の一部を構成する情報構成要素とアクセス情報との対応関係を記憶した対応関係テーブル24を記憶部23に記憶させておくことで、金銭登録器10から受信した商品情報から取り出した情報構成要素つまり商品情報の一部に対応するアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出して金銭登録器10に送信するといったことができる。
例えば、商品の種別を特定する大分類,中分類,小分類といった情報構成要素によって商品情報を構成し、商品情報の一部、すなわち、大分類に対応するアクセス情報や中分類あるいは小分類に対応するアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出して金銭登録器10に送信するといったことが可能である。
この際、情報構成要素のうちの一つ、例えば、大分類,中分類,小分類の何れか一つの情報構成要素のみに着目してアクセス情報を抽出したり、二以上の情報構成要素に着目してアクセス情報を抽出したり、あるいは、一つの情報構成要素のみを無視してアクセス情報を抽出したり、二以上の情報構成要素を無視してアクセス情報を抽出したりといった処理操作が必要となるが、このような処理は、金銭登録器10から受信した商品情報の情報構成要素と対応関係テーブル24に記憶された商品情報の情報構成要素の比較に際し、比較が不要であることを明示する情報たとえばワイルドカードが情報構成要素に代えて記憶されている部分を除いた情報構成要素が一致した場合に金銭登録器10から受信した商品情報と対応関係テーブル24に記憶された商品情報とが一致したものと見做し、この商品情報に対応するアクセス情報を対応関係テーブル24から抽出して金銭登録器10に送信することで容易に実現されえる。なお、ここでいうワイルドカードとは比較対照の如何を問わず一致不一致の判定結果を一致として取り扱うための特殊文字「*」である。
【0033】
商品関連情報はサーバ装置20の記憶部23に対応関係テーブル24と共に格納してもよいし、あるいは、インターネット等を経由して携帯通信端末が接続可能な他のウェブサーバ等に格納しても構わない。
当然、サーバ装置20をインターネットに接続して商品関連情報を格納および配布するためのウェブサーバとして利用することが可能である。
記憶部23内に商品関連情報を格納する場合においては、アクセス情報を省略し、商品情報に対応させて商品関連情報の内容それ自体を対応関係テーブル24に記憶させるといったことも文言上は可能であるが、そうした場合であっても、実際には、記憶部23内の各商品関連情報を読み出すために必要とされる先頭アドレスと商品情報との対応関係を何らかの参照用ファイルに記憶させておく必要があるので、この参照用ファイルが対応関係テーブル24として機能していることになる。
【0034】
商品関連情報は、文字列,画像,音声等のマルチメディア情報によって構成することができる。この実施形態では、商品関連情報の在り処を特定するアクセス情報としてインターネット上のリソースのロケーションを指し示すURL(Uniform Resource Locator)を利用している。URLによって構成されるアクセス情報は直接的に商品関連情報の在り処を示すものであってもよいし、あるいは、商品関連情報を設置したホームページのURLであっても構わない。
当然、各商品情報に対応する商品関連情報は、1つのドメインに纏めて配置してもよいし、複数のドメインに分散して配置しても構わない。
【0035】
金銭登録器10から送信された商品情報を受け取ったサーバ装置20は、対応関係テーブル24を参照して当該商品情報にアクセスするために必要とされるアクセス情報つまりURLを抽出して、金銭登録器10に送信する。
【0036】
金銭登録器10は、このURLを商品関連情報にアクセスするためのURLとしてレシートに印刷する。
アクセス情報となるURLの印刷態様としては文字列,バーコード,QRコード等が利用できるが、携帯電話等の携帯通信端末が読取り可能なものとしてはバーコードやQRコードが一般的である。
【0037】
商品購入者は、レシートに印刷されたURLを携帯電話等の携帯通信端末に読み取らせ、携帯通信端末のウェブ・ブラウザ機能で指定のURLにアクセスし、携帯電話等の携帯通信端末のディスプレイに文字列や画像等の商品関連情報を表示させて閲覧する。携帯通信端末の構造によっては音声表示も可能である。
【0038】
バーコードやQRコード等で表記されたURLを携帯通信端末に付属のCCDカメラで撮影し、この画像を携帯通信端末のアプリケーションプログラムで解析してURLを求めることによって当該URLのホームページにアクセスする機能を備えた携帯電話は既に周知である。携帯電話等の携帯通信端末に文字認識用のスキャナを実装し、文字列として印刷されたURLを読み込むようにすることもコスト上の問題を度外視すれば可能である。
携帯電話等の携帯通信端末でホームページを閲覧することにより、商品購入者は、購入した商品に関わる商品関連情報を商品購入後直ちに入手することができる。
【0039】
商品関連情報の内容をどのようなものにするかは提示すべき情報の選択に関わる問題、つまり、人為的な取り決めに関わる問題に過ぎない。
【0040】
例えば、商品が食料品で有る場合、購入した食料品を利用したレシピ情報や購入品に関連する商品の情報を商品関連情報として利用することにより、購入漏れ食料品やさらに必要な食料品を商品購入者に知らせて追加購入につなげたり、商品割引の権利を提供して、他の商品の追加購入への動機付けを行い、他の商品の追加購入につなげることができる。
また、商品が衣類で有る場合、購入衣類に合わせたコーディネイト法や例を知らせて、他の衣類の追加購入につなげることができる。
更には、URLで示されるホームページを利用してネット上での購入につなげるようにしてもよい。
【0041】
商品情報は、その商品を表す情報、例えば、大分類,中分類,小分類といった階層的な商品の区分けに相当する情報構成要素の組み合わせによって構成される。例えば、衣類を例に取れば、衣類,女性用,春用,外出用,上着等といった種別,サイズ,色等を表す情報構成要素の組み合わせが可能である。
商品タグ40には商品情報の他にも商品価格や管理用商品コードおよび名称等の商品管理情報が記憶されている。
金銭登録器10による商品価格や価格総計の演算処理および管理用商品コード等の取り扱いに関しては従来型のPOSシステムと同様である。
【0042】
図2はサーバ装置20の記憶部23に記憶されている対応関係テーブル24の一例を示した概念図である。情報構成要素あるいは情報構成要素の組み合わせからなる商品情報は例えば図2の左欄のようにしてコード化されて商品タグ40に記憶されている。
【0043】
図2の例では商品情報のコードを英数字全12桁としており、商品情報のコードの先頭の英数字2桁が衣類,家庭用品,電気製品等の種別つまり大分類を表す情報構成要素であり、続く英数字2桁がジャケット,スラックス,アンダーシャツ等の衣類の種別つまり中分類を表す情報構成要素であって、更に、これに続く英数字1桁が衣類の着用に適した季節等の属性を表す情報構成要素として機能し、これに続く英数字3桁が衣類のサイズを特定する情報構成要素、そして、次の英数字2桁が色を示す色コードからなる情報構成要素、最後の英数字1桁が値下げ品の種別を表す情報構成要素である。
【0044】
従って、例えば、大分類が衣類,衣類の種別がジャケット,衣類の着用に適した季節が秋,サイズがYA5,色が紺,定価で販売すべき商品であれば、商品情報のコードは、01013YA5050である。
また、大分類が衣類,衣類の種別がスラックス,衣類の着用に適した季節が秋,サイズが76,色が紺,季節値下げ品として販売すべき商品であれば、商品情報のコードは、01023076052である。
また、大分類が衣類,衣類の種別がセータ,衣類の着用に適した季節が冬,サイズがM,色が紺,特売品として販売すべき商品であれば、商品情報のコードは、01034005051となる。
【0045】
図2に示されるように商品情報の一部を構成する情報構成要素の幾つかをワイルドカードである「*」によって置き換えた場合では、商品タグ40から読み取った商品情報と対応関係テーブル24に記憶された商品情報との比較に際し、「*」の部分に関する比較は無視され、ワイルドカードである「*」以外の情報構成要素のコードが一致すれば、サーバ装置20は、この商品情報に対応して対応関係テーブル24に記憶されたアクセス情報つまり商品関連情報の在り処を指し示すURLの値を金銭登録器10に返す。
例えば、http://www.abc.def.co.jp/mobile/a/01014zzzzz/は、関連衣類の商品提案を示すホームページのURLである。
http://www.abc.def.co.jp/mobile/a/010230zzzz/は、秋物衣類季節値下げ品情報を示すホームページのURLである。
http://www.abc.def.co.jp/mobile/b/1/は、冬用衣類特売品情報を示すホームページのURLである。
【0046】
なお、衣類のサイズ部分がワイルドカードとなっている場合でも、適合サイズが用意されていない場合にはアクセス情報となるURLを返さないようにしてもよい。
【0047】
また、URLで指定されるホームページにおいて、対象衣類だけでなく、関連衣類、例えば、ジャケットなら、お勧めのシャツのホームページを表示できるようにしてもよい。
【0048】
次に、図3を参照して、この実施形態の動作を説明する。
【0049】
図3は、タグリーダ30および金銭登録器10とサーバ装置20によって構成される本実施形態の商品関連アクセス情報提供システムの全体的な動作の概略を示したフローチャートである。
【0050】
まず、商品に取り付けられた商品タグ40からタグリーダ30が商品情報を読み取り(ステップS11)、読み取った商品情報を金銭登録器10に送る(ステップS12)。
【0051】
金銭登録器10は、タグリーダ用制御部11を介してタグリーダ30から商品情報を受け取り(ステップS21)、金銭登録器10の主制御部13が、この商品情報を通信部14を介してサーバ装置20へ送信する(ステップS22)。
【0052】
サーバ装置20は、金銭登録器10から送信された商品情報を通信部21を介して受信する(ステップS31)。
【0053】
そして、サーバ装置20の制御部22は、記憶部23に予め記憶させてある対応関係テーブル24を参照し、受信した商品情報と一致する商品情報に対応したアクセス情報つまりURLを抽出し、このURLを通信部21を介して金銭登録器10へ送信する。但し、商品情報にワイルドカードが含まれる場合はワイルドカード部分を除く他の情報構成要素が一致していればよい(ステップS32)。
【0054】
金銭登録器10は、通信部14を介してサーバ装置20からアクセス情報としてのURLを受信し(ステップS23)、レシートプリンタ12を駆動制御して当該URLをバーコードやQRコード等の形式でしてレシートに印刷する(ステップS24)。
【0055】
商品購入者は、携帯電話等の携帯通信端末に付属するバーコードリーダやQRコード用のアプリケーションプログラムを起動し、レシートにバーコードあるいはQRコードとして印刷されたURLを携帯電話等の携帯通信端末に付属するCCDカメラで撮影し、前述のアプリケーションプログラムによる画像解析でURLを求め、携帯電話等の携帯通信端末に付属するウェブ・ブラウザ機能で当該URLにアクセスすることにより、購入した商品と関連した商品関連情報のホームページにアクセスして、自らが購入した商品に関連した情報を閲覧する。
【0056】
以上、一実施形態としてタグリーダ30および金銭登録器10とサーバ装置20から構成される商品関連アクセス情報提供システムの構成例について説明したが、当然、タグリーダ30と金銭登録器10とを一体化して構成することも可能である。また、単一のコンピュータに金銭登録器10とサーバ装置20の機能を持たせて単独で機能する商品関連アクセス情報提供装置とすることも可能である。
金銭登録器10やサーバ装置20に必要とされる様々な機能を単一のコンピュータに実装したり、あるいは、金銭登録器10やサーバ装置20に必要とされる様々な機能を情報伝達可能に接続された複数のコンピュータに分散させたりすることは設計上の選択事項に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】タグリーダおよび金銭登録器とサーバ装置から構成される商品関連アクセス情報提供システムの構成例について簡略化して示したブロック図である。
【図2】サーバ装置の記憶部に記憶されている対応関係テーブルの一例を示した概念図である。
【図3】タグリーダおよび金銭登録器とサーバ装置からなる商品関連アクセス情報提供システムの全体的な動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 金銭登録器(レジスタ)
11 タグリーダ用制御部
12 レシートプリンタ
13 主制御部
14 通信部
20 サーバ装置
21 通信部
22制御部
23 記憶部
24 対応関係テーブル
30 タグリーダ
40 商品タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報を記録した商品タグから商品情報を読み取り、不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるアクセス情報と前記商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを参照して、前記読み取った商品情報に対応するアクセス情報を抽出し、このアクセス情報を携帯通信端末が読取り可能な態様でレシートに印刷する商品関連アクセス情報提供装置。
【請求項2】
商品タグに記録されている価格と商品情報を読み取るタグリーダと、前記タグリーダを制御し前記タグリーダが読み取った価格と商品情報を受け取るタグリーダ用制御部と、該タグリーダ用制御部が受け取った商品情報をサーバ装置に送信する通信部と、レシートを印刷するレシートプリンタと、前記タグリーダ用制御部と通信部とレシートプリンタを制御し前記商品タグから読み取った価格および其の総計と前記通信部が前記サーバ装置から受信したアクセス情報の印刷を前記レシートプリンタに指示する主制御部とを備えた金銭登録器と、
不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるアクセス情報と前記商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを有する記憶部と、前記金銭登録器から商品情報を受信し、この商品情報に基づいて前記対応関係テーブルを参照して当該商品情報に対応するアクセス情報を抽出し前記金銭登録器に送信する通信部と、前記記憶部および前記通信部を制御する制御部を備えたサーバ装置とから構成される商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項3】
不特定多数の携帯通信端末に対して情報を公開することが可能な環境下におかれた記憶装置に登録されている商品関連情報の在り処を携帯通信端末が特定する際に必要とされるアクセス情報と商品タグに記憶された商品情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを有する記憶部と、金銭登録器から商品情報を受信し、この商品情報に基づいて前記対応関係テーブルを参照して当該商品情報に対応するアクセス情報を抽出し前記金銭登録器に送信する通信部と、前記記憶部および前記通信部を制御する制御部を備えたサーバ装置。
【請求項4】
前記金銭登録器は、前記タグリーダから受け取った商品情報を、前記サーバ装置にリアルタイムで送信し、
前記サーバ装置は、前記金銭登録器から商品情報を受信する度に当該商品情報に基づいて前記対応関係テーブルから当該商品情報に対応するアクセス情報を抽出して前記金銭登録器に送信するものである請求項2記載の商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項5】
前記金銭登録器は、前記タグリーダから受け取った商品情報を前記サーバ装置に纏めて送信し、
前記サーバ装置は、前記金銭登録器から受信した商品情報の種別を判定して種別毎の商品情報が全体の商品情報に対して占める割合を求め、割合の高い商品情報に対応するアクセス情報を前記対応関係テーブルから抽出して前記金銭登録器に送信するものである請求項2記載の商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項6】
前記金銭登録器は、前記タグリーダから受け取った商品情報を前記サーバ装置に纏めて送信し、
前記サーバ装置は、商品情報の組み合わせとアクセス情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを有する記憶部を備え、前記金銭登録器から受信した商品情報の組み合わせに対応するアクセス情報を前記対応関係テーブルから抽出して前記金銭登録器に送信するものである請求項2記載の商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項7】
前記金銭登録器は、前記タグリーダから受け取った商品情報を前記サーバ装置に纏めて送信し、
前記サーバ装置は、前記金銭登録器から受信した個々の商品情報に対応したアクセス情報を前記対応関係テーブルから抽出して前記金銭登録器に送信するものである請求項2記載の商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、商品情報の一部を構成する情報構成要素とアクセス情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを有する記憶部を備え、前記金銭登録器から受信した商品情報から取り出した情報構成要素に対応するアクセス情報を前記対応関係テーブルから抽出して前記金銭登録器に送信するものである請求項2記載の商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項9】
前記サーバ装置は、情報構成要素の組み合わせによって構成される商品情報とアクセス情報との対応関係を記憶した対応関係テーブルを有する記憶部を備え、前記金銭登録器から受信した商品情報の情報構成要素と前記対応関係テーブルに記憶された商品情報の情報構成要素の比較に際し、比較が不要であることを明示する情報が情報構成要素に代えて記憶されている部分を除いた情報構成要素が一致した場合に前記金銭登録器から受信した商品情報と前記対応関係テーブルに記憶された商品情報とが一致したものと見做し、この商品情報に対応するアクセス情報を前記対応関係テーブルから抽出して前記金銭登録器に送信するものである請求項2,請求項4または請求項7記載の商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項10】
前記商品関連情報がマルチメディア情報である請求項2,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8または請求項9記載の商品関連アクセス情報提供システム。
【請求項11】
前記記憶装置がWebサイト上の記憶装置によって構成され、前記アクセス情報は、商品関連情報のロケーションを示すURLによって構成されている請求項2,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8,請求項9または請求項10記載の商品関連アクセス情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−241527(P2007−241527A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61127(P2006−61127)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】