説明

問い合わせ処理装置及びその方法

【課題】顧客からの問い合わせをオペレータに適切に処理させる問い合わせ処理技術を提供する。
【解決手段】問い合わせ処理装置が、各オペレータに関するオペレータ情報をそれぞれ保持するオペレータ情報保持手段と、各顧客に関する顧客情報をそれぞれ保持する顧客情報保持手段と、各問い合わせに関し、処理状態を含む問い合わせ情報をそれぞれ保持する問い合わせ情報保持手段と、上記問い合わせ情報に含まれる各問い合わせの処理状態に基づいて各オペレータにおける問い合わせの処理状況を決定し、この処理状況に応じて複数のオペレータの中から候補オペレータを選択し、上記オペレータ情報及び顧客情報に基づいて、選択された候補オペレータの中から、分配対象問い合わせの内容及び分配対象問い合わせの発信元の顧客の特性に適合するオペレータを特定し、この特定されたオペレータに分配対象問い合わせを割り当てる分配手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客からの問い合わせをオペレータに処理させる問い合わせ処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コールセンタシステムやコンタクトセンタシステムのような問い合わせ処理システムは、複数のオペレータ端末を備え、顧客からの問い合わせ等の窓口業務をサポートする。このような応対システムは、電話や電子メール等のような通信媒体で送られる顧客からの問い合わせを着信すると、この着信された問い合わせを特定のオペレータ端末に集中させないように分配する。これにより、着信された各問い合わせはそれぞれ出来る限り少ない待ち時間で処理される。このような問い合わせ処理システムでは、着信された問い合わせを効率よくオペレータ端末に分配することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−273310号公報
【特許文献2】特開2002−197260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の問い合わせ分配手法では、オペレータ毎に各問い合わせへの対応時間にバラツキが生じ、各オペレータにおいて未処理で滞留される問い合わせの数(仕掛かり数)が増加する傾向にあった。各オペレータにおける未処理で滞留される問い合わせの数が増加した場合、この滞留されている各問い合わせの回答時間がそれぞれ長くなり、サービスで保証している回答保障期間(例えば、24時間以内)を守れないという問題が生じていた。
【0005】
また、従来の問い合わせ処理システムでは、再問い合わせ時などのような早急の回答を望む顧客からの問い合わせについても他の問い合わせと同様に処理されてしまっていたため、顧客満足度を向上させることが難しかった。
【0006】
本発明の態様に係る課題は、このような問題点に鑑み、顧客からの問い合わせをオペレータに適切に処理させる問い合わせ処理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の各態様では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0008】
第1の態様によれば、顧客からの問い合わせを受け、この問い合わせを複数のオペレータのうちのいずれか一人に分配することにより処理させる問い合わせ処理装置が、各オペレータに関するオペレータ情報をそれぞれ保持するオペレータ情報保持手段と、各顧客に関する顧客情報をそれぞれ保持する顧客情報保持手段と、各問い合わせに関し、処理状態を含む問い合わせ情報をそれぞれ保持する問い合わせ情報保持手段と、上記問い合わせ情報に含まれる各問い合わせの処理状態に基づいて各オペレータにおける問い合わせの処理状況を決定し、この処理状況に応じて複数のオペレータの中から候補オペレータを選択し、上記オペレータ情報及び顧客情報に基づいて、選択された候補オペレータの中から、分配対象問い合わせの内容及び分配対象問い合わせの発信元の顧客の特性に適合するオペレ
ータを特定し、この特定されたオペレータに分配対象問い合わせを割り当てる分配手段と、を備える。
【0009】
なお、本発明の別態様としては、以上の構成をコンピュータ上で実行する方法であってもよいし、以上の構成をコンピュータに実行させるためのプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
上記態様によれば、顧客からの問い合わせをオペレータに適切に処理させる問い合わせ処理技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1におけるコンタクトセンタシステムのシステム構成の概略を示す図。
【図2】実施例1における分配サーバ4の構成を示す概念図。
【図3】実施例1における顧客DB56の顧客情報テーブルを示す図。
【図4】実施例1におけるオペレータDB58のオペレータ情報テーブルの例を示す図。
【図5】実施例1におけるオペレータDB58の対応言語テーブルの例を示す図。
【図6】実施例1におけるオペレータDB58の対応年齢テーブルの例を示す図。
【図7】実施例1におけるオペレータDB58の技術スキルテーブルの例を示す図。
【図8】実施例1におけるオペレータDB58の対応スキルテーブルの例を示す図。
【図9】実施例1におけるメールDB57のメール詳細テーブルの例を示す図。
【図10】実施例1におけるメールDB57のメール分配テーブルの例を示す図。
【図11】回答テンプレートDB59の回答テンプレートテーブルの例を示す図。
【図12】実施例1の分配サーバ4における着信メールのオペレータ割り当て処理を示すフローチャート。
【図13】実施例1における候補オペレータテーブルの例を示す図。
【図14】候補オペレータの抽出処理の詳細を示すフローチャート。
【図15】候補オペレータの優先順位の設定処理の詳細を示すフローチャート。
【図16】着信メールの処理優先度の設定処理の詳細を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態の具体例を説明する。以下に挙げた各実施例はそれぞれ例示であり、本実施形態は以下の各実施例の構成に限定されない。
【実施例1】
【0013】
以下、実施例1のコンタクトセンタシステムについて説明する。実施例1におけるコンタクトセンタシステムは、例えばコンタクトセンタやコールセンタで利用され、電話や電子メール等のような通信媒体で送られる顧客からの問い合わせの対応業務のサポートを行う。なお、実施例1では、顧客からの問い合わせを電子データで受け付ける態様を例に挙げる。しかしながら、本実施形態は、このような顧客からの問い合わせを受け付ける媒体を電子データに限定するものではなく、電話等の媒体で受け付ける態様を用いてもよい。
【0014】
[システム構成]
図1は、実施例1におけるコンタクトセンタシステムのシステム構成の概略を示す図である。実施例1におけるコンタクトセンタシステムは、受付サーバ3、分配サーバ4、WFM(Work Force Management)サーバ6、複数のオペレータ端末9等を備える。受付サ
ーバ3、分配サーバ4、WFMサーバ6、オペレータ端末9は、LAN(Local Area Net
work)やWAN(Wide Area Network)等のネットワーク8によりそれぞれ接続される。
各ノード間の通信のプロトコルには、例えば、IP(Internet Protocol)が利用される
。但し、本実施形態はこのような各ノード間の通信方式を限定するものではない。
【0015】
また、実施例1におけるコンタクトセンタシステムは、ゲートウェイ装置(図示せず)等を介してPSTN(Public Switched Telephone Networks)やインターネット等の公衆網1に接続する。顧客の問い合わせを電話で受け付ける場合には、そのゲートウェイ装置が、公衆網1の呼制御プロトコルと実施例1のコンタクトセンタシステム内の呼制御プロトコルとを相互に変換するようにしてもよい。
【0016】
[装置構成]
以下、実施例1のコンタクトセンタシステム内の各ノードについてそれぞれ詳細を説明する。なお、実施例1では、受付サーバ3、分配サーバ4及びWFMサーバ6が設けられるが、1つのコンピュータにより各サーバ3、4及び6の機能が実行されるようにしてもよい。本実施形態は、このようなサーバの数を限定するものではない。
【0017】
〔受付サーバ〕
受付サーバ3は、顧客と本コンタクトセンタシステムとのインタフェース機能を有する。受付サーバ3は、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ又は専用コンピュータにより実現される。
【0018】
受付サーバ3は、顧客からの問い合わせの受け付け及び当該問い合わせへの応答を行う。具体的には、受付サーバ3は、WEBサーバ機能を有し、問い合わせの入力画面となるWEBページを顧客へ提供し、このWEBページを介して入力されるデータを顧客からの問い合わせとして受け付ける。以降、この問い合わせとして受け付けられた顧客からの入力データを着信メール又はメールと表記する。なお、問い合わせという表記は、顧客の声が反映されたもの全般を意味し、要望、感想等を含む意味として用いる。受付サーバ3は、このように受け付けられたメールを分配サーバ4へ送る。
【0019】
メールデータには、タイトル、メール内容を示すカテゴリ及びメール本文に加えて、送信元情報、送信日時情報、着信日時情報、要求者である顧客を特定するための顧客ID等が含まれる。メールのカテゴリ及びそのメールの送信元の顧客を示す顧客IDは、例えば、受付サーバ3から顧客へ提供される入力画面上で顧客により選択されることにより設定される。送信元情報と顧客IDとはいずれか1方が送られるようにしてもよい。顧客IDが送られない場合には、メールアドレス等の送信元情報に基づいて分配サーバ4によりその送信元情報に対応する顧客IDが決定されるようにしてもよい。
【0020】
一方で、受付サーバ3は、顧客からのメールに対してオペレータにより作成された回答データを分配サーバ4から取得し、この回答データをWEBページとして公衆網1を介してその顧客へ提供する。顧客は、受付サーバ3へWEBブラウザ等を用いてアクセスすることによりその回答データを参照することができる。受付サーバ3は、この回答データが作成されたことを別途電子メールを用いて顧客に通知するようにしてもよい。
【0021】
この顧客と本コンタクトセンタシステムとの間のメールのやりとりは、上述のようなWEBサービスを用いて実現されてもよいし、POP、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等のプロトコルを用いた一般的な電子メールで実現されてもよい。以降、着信
メールに対してオペレータにより作成された回答を回答メールと表記する。
【0022】
また、受付サーバ3は、WEBサービスを用いて顧客登録処理を行う。この顧客登録処理では、顧客から顧客情報が取得され、この取得された顧客情報が分配サーバ4へ送られ
る。
【0023】
また、回答メールに対し同一顧客から再度送られるメールが、このWEBサービスで受け付けられる。具体的には、回答メール内に、この受付サーバ3上の再送信用WEBページへアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が記載される。顧客は、そのURLを用いて受付サーバ3にアクセスすることで表示される入力画面で再問い合わせに関する内容を入力する。以降、本コンタクトセンタシステムから送信される回答メールに対し再度送られる問い合わせを再問い合わせメールと表記する。この再問い合わせメールには、元の顧客メールを特定するためのメールIDが関連メールIDとして含まれる。
【0024】
〔WFMサーバ〕
WFMサーバ6は、オペレータの勤務管理を行う。WFMサーバ6は、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ又は専用コンピュータにより実現される。WFMサーバ6は、オペレータ端末9を用いたオペレータによる操作に応じて、各オペレータについての出勤及び退勤を検知し、各オペレータの出勤時間及び退勤時間をそれぞれ分配サーバ4へ送信する。
【0025】
〔オペレータ端末〕
オペレータ端末9は、分配サーバ4により分配された顧客メールに対し、回答メールを作成しこの回答メールを発信元の顧客へ返信する。オペレータ端末9は、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ又は専用コンピュータにより実現される。
【0026】
オペレータ端末9は、分配サーバ4にアクセスすることで対象オペレータに分配された顧客メールを参照し、この顧客メールへの回答メールを作成する。この顧客メールの参照及び回答メールの作成は、例えば、分配サーバ4により提供されるWEBサービスで実現される。なお、本実施形態は、オペレータ端末9におけるメールの参照方法及び回答メールの作成方法を限定するものではないため、メール及び回答メールを分配サーバ4とオペレータ端末9との間で一般的な電子メールとしてやりとりするようにしてもよい。
【0027】
〔分配サーバ〕
分配サーバ4は、顧客からの着信メール又は再問い合わせメールを受付サーバ3から受信すると、複数のオペレータのうち適切なオペレータに着信メール又は再問い合わせメールを割り当てる。分配サーバ4は、顧客メールに対してオペレータ端末9で作成された回答メールを受付サーバ3へ送る。
【0028】
図2は、実施例1における分配サーバ4の構成を示す概念図である。
【0029】
分配サーバ4は、図2に示されるように、バス40でそれぞれ接続される、制御部41、記憶部42、通信部45等を備える。記憶部42は、例えばハードディスクであり、制御部41で実行される処理で利用される各種情報を記憶する。制御部41は、CPU(Central Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサ、このプロセッサの処理に利用さ
れる周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)を有する。通信部45は、例えば、ハードウェアの構成要素として実現される([その他]の項参照)。通信部45は、IPネットワーク8に接続され、IPパケットの送受信を行う。
【0030】
分配サーバ4は、顧客管理部51、メール管理部52、オペレータ管理部53、分配処理部54、テンプレート管理部55、顧客データベース(DB)56、メールDB57、オペレータDB58、回答テンプレートDB59等を有する。顧客管理部51、メール管理部52、オペレータ管理部53、分配処理部54、及びテンプレート管理部55は、ハ
ードウェア構成要素として実現されてもよいし、記憶部42に格納されるプログラムが制御部41により実行されることによりソフトウェア構成要素として実現されてもよい([その他]の項参照)。
【0031】
顧客管理部51は、顧客登録時等に受付サーバ3から顧客情報を受け、この顧客情報を顧客DB56へ格納する。顧客情報は、顧客DB56内の顧客情報テーブルに格納される。図3は、実施例1における顧客DB56の顧客情報テーブルを示す図である。顧客情報テーブルには、顧客毎に、顧客ID、氏名、生年月日、性別、住所、習熟度等がそれぞれ格納される。顧客IDは、各顧客を特定するための識別情報であり、例えば、受付サーバ3の顧客登録処理により付与される。顧客ID以外の他の顧客情報は、受付サーバ3の顧客登録処理時に顧客により入力される。習熟度は、本コンタクトセンタシステムで扱われる問い合わせの対象となる製品、技術等に関する顧客の熟練度を示す。
【0032】
オペレータ管理部53は、オペレータDB58を用いて各オペレータについての特性、スキルのようなオペレータ情報をそれぞれ管理する。オペレータDB58には、オペレータ情報テーブル、対応言語テーブル、対応年齢テーブル、技術スキルテーブル、対応スキルテーブル等が含まれる。
【0033】
図4は、実施例1におけるオペレータDB58のオペレータ情報テーブルの例を示す図である。オペレータ情報テーブルには、オペレータ毎に、オペレータID、氏名、生年月日、性別、1時間当りの予定処理件数、出勤時間、退勤予定時間等が格納される。オペレータIDは、各オペレータを特定するための識別情報であり、例えば、レコード追加時にオペレータ管理部53により付与される。出勤時間には、WFMサーバ6から送られる情報が設定される。退勤予定時間には、そのオペレータにより予め決められているその日の予定退勤時間が設定される。1時間当りの予定処理件数は、1時間当りで処理される予定の顧客メールの数を示し、氏名等と同様に予め設定される。この1時間当りの予定処理件数は、そのオペレータの熟練度などに応じて更新されるようにしてもよい。
【0034】
図5は、実施例1におけるオペレータDB58の対応言語テーブルの例を示す図である。対応言語テーブルには、オペレータ毎に、対応可能な言語(地方訛り、外国語等)を特定する情報が格納される。図5の例では、各地方(東北、関東、関西、九州等)及び各外国語(英語、中国語、韓国語等)を示すフィールドがそれぞれ設けられ、オペレータにとって対応可能な地方訛り及び外国語を示すフィールドに「1」が設定され、それ以外のフィールドに「0」が設定される。図5の例によれば、オペレータIDが90000002に設定されているオペレータが、東北地方、関東地方の訛りに対応可能であり、外国語として英語に対応可能であることが示される。なお、ここでの対応可能とは、回答メールをその地方訛り又は外国語を用いて作成可能であることを意味する。
【0035】
図6は、実施例1におけるオペレータDB58の対応年齢テーブルの例を示す図である。対応年齢テーブルには、オペレータ毎に、対応可能な顧客の年齢層を特定する情報が格納される。図6の例では、各年齢層を示すフィールドがそれぞれ設けられ、オペレータにとって対応可能な年齢層を示すフィールドに「1」が設定され、それ以外のフィールドに「0」が設定される。図6の例によれば、オペレータIDが90000001に設定されているオペレータが、10代以下、20代、30代、40代、50代に対応可能であり、60代以上に対応不可能であることが示される。なお、ここでの対応可能とは、回答メールをその年齢層に合った文章を用いて作成可能であることを意味する。年齢層に合った文章とは、例えば、50代、60代以上の年齢層では書き出しで用いる時候の挨拶などが含まれる。
【0036】
図7は、実施例1におけるオペレータDB58の技術スキルテーブルの例を示す図である。技術スキルテーブルには、オペレータ毎に、顧客メールの内容を示す各カテゴリにつ
いて対応可能なカテゴリを特定する情報が格納される。顧客メールには、複数のカテゴリのうちの少なくとも1つのカテゴリを示す情報が含まれる。図7の例では、各カテゴリを示すフィールドがそれぞれ設けられ、オペレータにとって対応可能なカテゴリを示すフィールドに「1」が設定され、それ以外のフィールドに「0」が設定される。図7の例によれば、オペレータIDが90000003に設定されているオペレータが、修理相談、OS(Operating System)、コンピュータ本体、インターネットのカテゴリに対応可能であり、技術相談及びアプリケーションのカテゴリに対応不可能であることが示される。なお、ここでの対応可能とは、そのオペレータがそのカテゴリについて回答可能な程度の知識を有していることを意味する。
【0037】
図8は、実施例1におけるオペレータDB58の対応スキルテーブルの例を示す図である。対応スキルテーブルには、オペレータ毎に、対応可能な顧客の習熟度を特定する情報が格納される。図8の例では、顧客の習熟度を示す初級フィールド、中級フィールド、上級フィールドが設けられ、オペレータにとって対応可能な習熟度レベルを示すフィールドに「1」が設定され、それ以外のフィールドに「0」が設定される。図8の例によれば、オペレータIDが90000003に設定されているオペレータが、中級及び上級の習熟度を有する顧客のメールに対応可能であることが示される。なお、ここでの対応可能とは、そのオペレータが顧客の習熟度に応じた回答メールを作成可能であることを意味する。顧客の習熟度に応じた回答メールとは、例えば、上級の顧客のための専門用語が用いられた回答メールであり、初級の顧客のための平易な用語が用いられた回答メールである。
【0038】
オペレータ管理部53は、例えば、新たなオペレータの採用、オペレータの退職時等に、オペレータを管理する管理者からの操作に応じて、オペレータ情報テーブル、対応言語テーブル、対応年齢テーブル、技術スキルテーブル、対応スキルテーブルの更新を可能とする。例えば、オペレータ管理部53は、これら各テーブルの更新のためのWEBページを保持し、このWEBページを当該管理者の端末(図示せず)に提供することにより、各テーブルの更新を可能とする。
【0039】
メール管理部52は、受付サーバ3から着信メールデータを受け、この着信メールデータに含まれる各種メール情報をメールDB57に格納し、この着信メールのオペレータ分配を分配処理部54へ依頼する。当該メール情報は、メールDB57のメール分配テーブル及びメール詳細テーブルにそれぞれ格納される。
【0040】
図9は、実施例1におけるメールDB57のメール詳細テーブルの例を示す図である。メール詳細テーブルには、各顧客メールについて、メールID、タイトル、本文、回答、カテゴリ等が格納される。メールIDは、各顧客メールを特定するための識別情報であり、例えば、着信メールデータを受信した時点でメール管理部52により付与される。タイトル、本文及びカテゴリの各フィールドには、受付サーバ3から送られる着信メールデータに含まれる各データがそれぞれ設定される。回答フィールドには、その着信メールが割り当てられたオペレータにより回答が生成された際にその生成された回答データが設定される。
【0041】
図10は、実施例1におけるメールDB57のメール分配テーブルの例を示す図である。メール分配テーブルには、各顧客メールについて、メールID、顧客ID、オペレータID、受信日時、回答日時、ステータス、関連メールID、優先度等が含まれる。メールIDは、上述のメール詳細テーブルのメールIDと同様の値が設定される。顧客ID、受信日時及び関連メールIDの各フィールドには、受付サーバ3から送られる着信メールデータに含まれる各データがそれぞれ設定される。オペレータIDフィールドには、分配処理部54でその着信メールデータがオペレータに分配された時点で、その分配されたオペレータを示すオペレータIDが設定される。優先度は、その着信メールをオペレータが処
理する上での優先レベルを示し、分配処理部54により決定される。図9の例では、優先度フィールドに設定される数値が大きいメール程、高い優先度レベルのメールであることを示す。
【0042】
回答日時フィールドには、オペレータにより生成された回答データが受付サーバ3へ送られる際にそのときの日時が設定される。ステータスフィールドには、顧客メールの処理状況として、未割当て状態、処理待ち状態、回答済み状態等が設定される。未割当て状態とは、顧客メールが受信されてから分配処理部54でオペレータに割り振られる前までの状態を意味する。処理待ち状態とは、分配処理部54でオペレータに割り振られてからそのオペレータで回答が作成される前までの状態を意味する。回答済み状態とは、オペレータで作成された回答データが受付サーバ3へ送られた又は当該回答データが顧客へ送られた状態を意味する。
【0043】
メール管理部52は、オペレータからオペレータ端末9を用いてアクセスされた際に、そのオペレータに割り当てられている顧客メールの情報をメールDB57から抽出し、抽出されたメールのうち最も優先度の高い顧客メールを参照するための参照画面をオペレータに提供する。この参照画面では、上述のメール詳細テーブル及びメール分配テーブルに格納される情報が表示される。この参照画面は例えばWEBページで実現される。
【0044】
更に、メール管理部52は、参照される顧客メールの回答を作成するための入力画面をオペレータに提供する。このとき、メール管理部52は、テンプレート管理部55から回答テンプレートデータを得た場合には、この回答テンプレートデータをその入力画面に反映させる。メール管理部52は、当該入力画面を介してオペレータにより入力された回答データを取得し、この回答データを上記メール詳細テーブルに格納する。メール管理部52は、回答データをメール詳細テーブルに格納すると、その回答データを受付サーバ3へ送る。このとき、メール管理部52は、上記メール分配テーブルの回答日時フィールドに受付サーバ3へ送った日時を設定し、同テーブルのステータスフィールドに回答済みを示す値を設定する。
【0045】
分配処理部54は、メール管理部52からの依頼を受けると、対象着信メールのオペレータ割当て処理を実行する。この処理において、分配処理部54は、顧客DB56、メールDB57、オペレータDB58に格納される情報を用いて、対象着信メールを処理すべきオペレータを出勤中のオペレータの中から選択する。分配処理部54は、対象着信メールを処理すべきオペレータとして、メール処理状況が良好であり着信メールの内容に応じたスキルを有し着信メールの発信元の顧客の特性に見合うオペレータを選択する。この分配処理部54による対象着信メールのオペレータ割当て処理の詳細については、動作例の項で詳述する。
【0046】
分配処理部54は、対象着信メールを処理すべきオペレータを選択すると、この選択されたオペレータのオペレータIDをメールDB57のメール分配テーブルに設定し、同テーブルのステータスフィールドに処理待ちを示す値を設定する。
【0047】
テンプレート管理部55は、顧客メールの回答を作成するための入力画面をオペレータに提供する際に、その顧客メールに見合う回答テンプレートデータを回答テンプレートDB59から抽出し、その回答テンプレートデータを回答雛型としてメール管理部52へ送る。回答テンプレートDB59には、複数の回答テンプレートデータと、各回答テンプレートデータを管理するための回答テンプレートテーブルが含まれる。
【0048】
図11は、回答テンプレートDB59の回答テンプレートテーブルの例を示す図である。回答テンプレートテーブルには、各回答テンプレートにつき、テンプレートID、カテ
ゴリ、年齢層、スキル、使用回数等がそれぞれ格納される。テンプレートIDは、各回答テンプレートを特定するための識別番号であり、例えば、その回答テンプレートが回答テンプレートDB59に登録される際にテンプレート管理部55により付与される。カテゴリ、年齢層及びスキルの各フィールドには、その回答テンプレートが有する特性がそれぞれ格納される。カテゴリフィールドに格納され得るデータは、図9に示されるメール詳細テーブルのカテゴリフィールドに設定され得るデータと同様であり、年齢層フィールドに設定され得るデータは、図6に示される対応年齢テーブルの各年齢層フィールドと対応し、スキルフィールドに設定されるデータは、図8に示される対応スキルテーブルの各習熟度フィールドと対応する。
【0049】
カテゴリに応じた回答テンプレートとしては、例えば、技術相談及び修理相談に対応する回答テンプレートには各カテゴリに応じた連絡先が予め含まれる。また、修理相談に対応する回答テンプレートには、例えば、修理部品の名前や修理部品の代金などが予め含まれる。技術相談に対応する回答テンプレートには、アプリケーション名等が予め含まれる。また、スキルに対応する回答テンプレートにおいて、例えば、初級者向けの回答テンプレートには専門用語に対する注釈が予め含まれる。また、年齢層に対応する回答テンプレートにおいて、例えば、40代以上の顧客向けの回答テンプレートには時節の挨拶等が予め含まれる。
【0050】
テンプレート管理部55は、メール管理部52から顧客メールのメールID及びその発信元の顧客の顧客IDを受け、このメールIDを用いてメール詳細テーブルからその顧客メールのカテゴリを抽出する。更に、テンプレート管理部55は、顧客IDを用いて顧客情報テーブルからその顧客の年齢層、スキル等を抽出する。テンプレート管理部55は、このように抽出された顧客メールのカテゴリ、顧客の年齢層及びスキルを有する回答テンプレートのテンプレートIDを回答テンプレートテーブルから抽出する。テンプレート管理部55は、この抽出されたテンプレートIDに合致する回答テンプレートデータを回答テンプレートDB59から取得し、このデータをメール管理部52へ送る。
【0051】
テンプレート管理部55は、回答テンプレートデータを用いた場合には、回答テンプレートテーブルにおけるその回答テンプレートデータに該当するレコードの使用回数をインクリメントする。テンプレート管理部55は、この回答テンプレートテーブルの内容を他の端末からのアクセスに応じて提供するようにしてもよい。このようにすれば、管理者は、この回答テンプレートテーブルを参照することにより、各回答テンプレートの利用頻度を知ることができるため、適切な回答テンプレートを提供することができる。
【0052】
[動作例]
以下、実施例1におけるコンタクトセンタシステムの動作例について説明する。
【0053】
図12は、実施例1の分配サーバ4における着信メールのオペレータ割り当て処理を示すフローチャートである。
【0054】
受付サーバ3において顧客からのメールが取得されると、その着信メールのデータが分配サーバ4へ送られる。このデータには、タイトル、メール内容を示すカテゴリ及びメール本文に加えて、送信日時情報、着信日時情報、要求者である顧客を特定するための顧客ID等が含まれる。
【0055】
分配サーバ4では、メール管理部52がこの着信メールデータを取得する(S101)。メール管理部52は、この着信メールを特定するためのメールIDを決定し、メールDB57のメール詳細テーブル及びメール分配テーブルにこの決定されたメールIDが設定されたレコードを追加する。メール管理部52は、メール詳細テーブルのその追加された
レコードにタイトル、本文及びカテゴリを設定し、メール分配テーブルのその追加されたレコードに顧客ID、受信日時、ステータス及び関連メールIDを設定する。ステータスとしては、未割当てを示すデータが設定される。その着信メールが再問い合わせメールである場合には、関連メールIDとして、先に着信された顧客メールのメールIDが設定される。メール管理部52は、メール情報をメールDB57に格納すると、着信メールのオペレータ割り当て処理を行うように分配処理部54に依頼する。
【0056】
分配処理部54は、メール管理部52からの依頼を受けると、まず、出勤中のオペレータのうち対象着信メールを処理すべき候補オペレータを抽出する(S102)。分配処理部54は、候補オペレータを抽出すると、抽出された候補オペレータの情報を候補オペレータテーブルに格納する。候補オペレータテーブルは、記憶部42に格納されてもよいし、RAMに格納されるようにしてもよい。
【0057】
図13は、実施例1における候補オペレータテーブルの例を示す図である。候補オペレータテーブルには、上記候補オペレータ抽出処理(S102)において抽出されたオペレータについて、オペレータID、年齢、ポイント等が格納される。この候補オペレータテーブルの設定手法については後述する。
【0058】
分配処理部54は、対象着信メールについての候補オペレータの存在を確認する(S103)。分配処理部54は、候補オペレータが存在しない場合には(S103;NO)、WFMサーバ6へ警報を通知する(S104)。WFMサーバ6は、この通知に応じて、例えば、オペレータが不足していることを示す警報を出力する。分配処理部54は、その通知後、所定時間待ち、再度、候補オペレータの抽出処理を開始する(S102へ戻る)。
【0059】
分配処理部54は、候補オペレータが存在する場合には(S103;YES)、対象着信メールを処理すべきオペレータを絞るために、候補オペレータの各々に優先順位(ポイント)を付与する(S105)。この付与された優先順位は、候補オペレータテーブルのポイントフィールドに設定される。
【0060】
続いて、分配処理部54は、対象着信メールの処理優先度を付与する(S106)。メールの処理優先度とは、既にオペレータに割り当てられているメールのうち優先して処理すべきメールを特定するための情報である。このメールの処理優先度は、その対象着信メールが再問い合わせメールであるか否か、及び、再問い合わせメールの着信日等により決定される。
【0061】
分配処理部54は、対象着信メールに付与された処理優先度が通常の値よりも高いか否かを判定する(S107)。当該処理優先度が通常値である場合(S107;NO)、分配処理部54は、上記候補オペレータを更に絞り混む処理を行う。すなわち、分配処理部54は、候補オペレータのうち最新の状況に応じてオーバーフローしているオペレータを除外する(S108)。具体的には、分配処理部54は、候補オペレータのうち滞留メールの数が所定閾値を越すオペレータを除外する。このとき、(S102)における候補オペレータ抽出処理と同様の処理を候補オペレータに対して最新の状況で再度実行するようにしてもよい。
【0062】
一方で、対象着信メールに付与された処理優先度が通常の値よりも高い場合(S107;YES)、この(S108)の処理がパスされる。これは、対象着信メールの優先度が高いため、例え、滞留メールの数が所定閾値よりも多いオペレータにその対象着信メールが割り当てられた場合であっても、その対象着信メールを優先的に処理させることができるからである。
【0063】
分配処理部54は、ここまでの処理において候補オペレータが残っているか否かを判断する(S109)。候補オペレータが残っていない場合(S109;NO)、分配処理部54は、WFMサーバ6へ警報を通知し(S104)、所定時間待ち、再度、候補オペレータの抽出処理を開始する(S102へ戻る)。
【0064】
分配処理部54は、候補オペレータが残っている場合(S109;YES)、その候補オペレータの中から最も高いポイントが付与されているオペレータを対象着信メールを処理するオペレータに決定する(S110)。このように対象着信メールを処理するオペレータを決定すると、分配処理部54は、メールDB57のメール分配テーブルのステータスフィールドに処理待ちを示すデータを設定し、同テーブルのオペレータIDフィールドにその決定されたオペレータのオペレータIDを設定する。分配処理部54は、このような対象着信メールのオペレータ割り当て処理を完了すると、メール管理部52にその旨を通知する。
【0065】
メール管理部52は、この通知を受けると、対象着信メールが割り当てられたオペレータのためにその対象着信メールの参照画面及びその回答を作成するための入力画面を生成する。これにより、オペレータは、新たなメールが自身に割り当てられたことを知ることができる。もし、当該着信メールの処理優先度が通常よりも高く設定されている場合には、滞留している他のメールよりもその着信メールが優先的に処理されるように表示される。
【0066】
オペレータ端末9を用いてオペレータにより、割り当てられているメールに対する回答が作成されると、メールDB57のメール分配テーブルのステータスフィールドに回答済みを示すデータが設定される。そして、この作成された回答が受付サーバ3へ送られると、同テーブルの回答日時フィールドにその回答データが送信された日時が設定される。
【0067】
以下、上述の処理における、候補オペレータの抽出処理(S102)、候補オペレータの優先順位の設定処理(S105)、着信メールの処理優先度の設定処理(S106)について詳細を図14、15及び16を用いてそれぞれ説明する。
【0068】
図14は、候補オペレータの抽出処理の詳細を示すフローチャートである。
【0069】
分配処理部54は、オペレータDB58のオペレータ情報テーブルから勤務中のオペレータに関する情報(オペレータID、生年月日、1時間当りの予定処理件数等)を抽出する。分配処理部54は、オペレータ情報テーブルの出勤時間及び退勤予定時間に基づいて勤務中か否かを判定する。分配処理部54は、このように抽出された勤務中のオペレータの中から以下に示すように候補オペレータを抽出する。
【0070】
まず、分配処理部54は、勤務中の各オペレータについて回答されたメールの数を時間帯毎にそれぞれ集計する(S141)。具体的には、分配処理部54は、勤務中のオペレータを示すオペレータIDが設定されかつステータスが回答済みに設定されているレコードをメール分配テーブルから抽出する。分配処理部54は、抽出されたレコードを回答日時でソートすることにより、各時間帯(例えば1時間毎)に処理されたメール数を集計する。
【0071】
分配処理部54は、集計された各時間帯の処理件数とオペレータ情報テーブルから抽出された1時間当りの予定処理件数とを各オペレータについてそれぞれ比較する。分配処理部54は、勤務中のオペレータから、1時間当りの予定処理件数を超える処理件数となっている時間帯を有するオペレータを候補から外す(S142)。この比較では、直近の時
間帯のみを比較対象とするようにしてもよいし、直近の時間帯から所定数時間を比較対象とするようにしてもよい。
【0072】
この絞り込みにより、負荷の多いオペレータを対象着信メールの割り当て候補から外すことができるため、各オペレータの負荷を均等にすることができる。各オペレータの負荷が均等化されれば、或るオペレータは処理すべき顧客メールがなく、或るオペレータは膨大な滞留メールがあるといった状態をなくすことができるため、回答時間も均等にすることができる。これにより、更に、オペレータの稼働率も適正に保つことができる。
【0073】
次に、分配処理部54は、残っている各オペレータについて滞留メールの数をそれぞれ算出する(S143)。具体的には、分配処理部54は、残っているオペレータを示すオペレータIDが設定されかつステータスが処理待ちに設定されているレコードをメール分配テーブルから抽出する。分配処理部54は、この抽出されたレコードに基づいて、オペレータID毎のレコード数をそのオペレータの滞留メール数として取得する。
【0074】
続いて、分配処理部54は、残っている各オペレータについて残作業時間で処理されるメール数をそれぞれ予測する(S144)。具体的には、分配処理部54は、現在時刻とオペレータ情報テーブルから抽出された退勤予定時間とに基づいて、その日の残り作業時間を算出する。分配処理部54は、この算出された残り作業時間に1時間当りの予定処理件数を掛けることにより残作業時間で処理されるメール数を予測する。
【0075】
分配処理部54は、上述のように取得された各オペレータについての滞留メール数及び残作業時間で処理されるメール数に基づいて、滞留メール数が残作業時間で処理されるメール数を超えているオペレータを更に候補から外す(S145)。
【0076】
この絞り込みにより、その日の予測処理件数分、既にメールが割り当てられているオペレータを候補から除外できるため、オペレータの負荷を均等にすることができると共に、オペレータに計画以上の負荷を与えることを減らすことができる。これにより、オペレータの残業を減らすことができ、経費削減に繋がる。同様に、オペレータに計画以上の負荷を与えないということは、各問い合わせの回答時間が長くなるのを防ぐことにも繋がり、顧客満足度を向上させることができる。
【0077】
最後に、分配処理部54は、回答保証期限を越える可能性のある滞留メールを有するオペレータを更に候補から除外する(S146)。具体的には、分配処理部54は、残っているオペレータを示すオペレータIDが設定されかつステータスが処理待ちに設定されかつ現在時刻から所定期間よりも前の着信日時が設定されているレコードをメール分配テーブルから抽出する。回答保証期間が24時間の場合には、この所定期間は例えば23時間に設定される。
【0078】
分配処理部54は、抽出されたレコードをオペレータID毎に集計することにより、レコード数が1時間当りの予定処理件数を超えるオペレータIDに対応するオペレータを候補から除外する。言い換えれば、分配処理部54は、回答保証期限までの期間が一時間未満の滞留メールの数が1時間当りの予定処理件数を超えるオペレータを除外する。
【0079】
この絞り込みにより、回答保証期限を越える可能性のある滞留メールを有するオペレータが除外されるため、システムで保証している回答保証期間を守ることができ、顧客の満足度を向上させることができる。なお、実施例1における候補オペレータの抽出処理における、(S142)、(S145)及び(S146)の各絞り込み条件の実行順は、図14の例に限定されるものではなく、実行順を入替えてもよい。
【0080】
分配処理部54は、上述のように複数の条件で絞込みを行った結果残ったオペレータを候補オペレータとして、この候補オペレータに関する情報を候補オペレータテーブルに格納する(S147)。候補オペレータテーブルには、候補オペレータに関し、オペレータID、年齢などが設定される。分配処理部54は、オペレータ情報テーブルに格納されているオペレータの生年月日から年齢を算出し、算出された年齢をこの候補オペレータテーブルに設定する。
【0081】
図15は、候補オペレータの優先順位の設定処理の詳細を示すフローチャートである。分配処理部54は、候補オペレータの優先順位の設定処理において、以下に示すように、候補オペレータテーブルに格納されている各レコードのポイントをそれぞれ設定する。
【0082】
分配処理部54は、メール詳細テーブルに格納される対象着信メールのカテゴリを取得し(S151)、更に、顧客情報テーブルに格納される対象着信メールの発信元の顧客の住所、生年月日及び習熟度を取得する(S152)。
【0083】
分配処理部54は、顧客の住所情報と、オペレータDB58の対応言語テーブル中の地方及び外国語を示す各フィールドと、を比較することにより、顧客の住所に応じた言語を対応可能言語として設定されているオペレータのポイントを加算する(S153)。例えば、顧客の住所が青森県であった場合には、対応言語テーブルの東北フィールドに1が設定されているオペレータのポイントが加算される。また、顧客の住所が中国であった場合には、対応言語テーブルの中国語フィールドに1が設定されているオペレータのポイントが加算される。
【0084】
顧客は自身が住む地方の言葉(地方訛り)で作成された回答を受けた場合のほうが満足度が大きい。よって、実施例1では、地方毎にその地方で用いられる言葉(訛り)を使えるか否かの情報をオペレータ毎に保持するようにし、顧客の住所に応じた言葉を用いることができるオペレータが選択されるようにしている。
【0085】
分配処理部54は、生年月日情報に基づいて顧客の年齢を取得し、この年齢を対応可能年齢層として設定されているオペレータのポイントを加算する(S154)。例えば、顧客の年齢が55歳である場合には、対応年齢テーブルの50代フィールドに1が設定されているオペレータのポイントが加算される。
【0086】
分配処理部54は、顧客の習熟度を対応可能スキルとして設定されているオペレータのポイントをアップする(S155)。例えば、顧客の習熟度が初級である場合には、対応スキルテーブルの初級フィールドに1が設定されているオペレータのポイントが加算される。
【0087】
分配処理部54は、対象着信メールのカテゴリを技術スキルとして有するオペレータのポイントをアップする(S156)。例えば、対象着信メールのカテゴリが技術相談である場合に、技術スキルテーブルの技術相談フィールドに1が設定されているオペレータのポイントが加算される。
【0088】
このような処理により、対象着信メールのカテゴリを技術スキルとして有し、かつ、対象着信メールの発信元の顧客における言葉(地方訛り又は外国語)、年齢、習熟度に見合ったオペレータのポイントが高くなる。なお、図15に示すポイント加算条件の実行順は、図15の例に限定されるものではなく、実行順を入れ替えてもよい。
【0089】
結果、ポイントの最も高いオペレータが対象着信メールを処理するオペレータに決定される。
【0090】
従って、この処理により、対象着信メールの内容に応じて適切な回答ができるオペレータが選ばれるから回答内容の品質を向上させることができる。また、対象着信メールの送信元の顧客の年齢層、習熟度、言葉に応じて、その顧客にとって好ましい内容及び言葉遣いをすることができるオペレータが選ばれるため、その回答により顧客満足度を向上させることができる。
【0091】
また、各オペレータにとっては自身のスキルに応じたメールが割り当てられるため、各オペレータが比較的容易に回答を作成することができる。これによって、オペレータ毎に各問い合わせへの対応時間を均等化することができるため、各オペレータの滞留メールの数の増加を抑えることができ、ひいては、各問い合わせの回答時間を短くすることができる。
【0092】
図16は、着信メールの処理優先度の設定処理の詳細を示すフローチャートである。分配処理部54は、着信メールの処理優先度の設定処理において、以下に示すように、メール分配テーブルに格納される対象着信メールの優先度を設定する。
【0093】
分配処理部54は、まず、対象着信メールが再問い合わせメールであるか否かを判定する(S161)。具体的には、分配処理部54は、メール分配テーブルにおける対象着信メールを示すレコードの関連メールIDフィールドにメールIDが設定されているか否かを判断する。分配処理部54は、関連メールIDフィールドにメールIDが入っていない、即ち対象着信メールが再問い合わせメールでないと判定すると(S161;NO)、その対象着信メールの優先度に通常の優先度(例えば、1)を設定する(S164)。
【0094】
分配処理部54は、関連メールIDフィールドにメールIDが入っている、即ち対象着信メールが再問い合わせメールであると判定すると(S161;YES)、メール分配テーブルからその着信メールの着信日時情報と、その着信メールの先のメールに対する回答日時情報と、を取得する(S162)。その着信メールの先のメールとは、再問い合わせメールの元となる顧客メールである。再問い合わせメールは、その先の顧客メールの回答に対して送信されたメールである。
【0095】
分配処理部54は、着信メールの着信日時情報と、その着信メールの先のメールの回答日時情報とに基づいて、対象着信メール(再問い合わせメール)が先のメールの回答と同日に着信されたものであるか否かを判定する(S163)。分配処理部54は、対象着信メールが先のメールの回答と同日に着信されたものであると判定すると(S163;YES)、その対象着信メールの優先度に最も高い優先度(例えば、3)を設定する(S165)。これは、本システムからの回答とその回答に対する再問い合わせとの間が短いうことは顧客が急いでいると考えられるからである。
【0096】
一方で、分配処理部54は、対象着信メールが先のメールと同日に着信されたものでないと判定すると(S163;NO)、その対象着信メールの優先度に中位の優先度(例えば、2)を設定する(S165)。これは、再問い合わせされたということは顧客の関心度が高いと考えられるからである。
【0097】
このような処理により、先の回答に対してその日のうちに送信された再問い合わせメールについては最も優先的に処理される。更に、当該再問い合わせメールが先の回答に対して日を置いて送信された場合であっても、通常のメールよりも優先的に処理される。従って、緊急度の高いメールや顧客の関心度が高いメールを優先的に処理することができるため、顧客満足度を向上させることができる。
【0098】
[変形例]
上述のオペレータ管理部53は、メールDB57のメール分配テーブルの内容を他の端末からのアクセスにより提供する機能を有するようにしてもよい。この場合、オペレータ管理部53は、メール分配テーブルの内容に基づいて、各オペレータについての滞留メール数、時間帯毎のメール処理数等を算出して、これら情報を他の端末に更に提供するようにしてもよい。
【0099】
この変形例によれば、管理者は、オペレータ管理部53により提供される情報に基づいて、各オペレータのメール処理状況をリアルタイムに把握することができるため、オペレータの過不足等のようなオペレータ人員管理を正確に行うことができる。
【0100】
[その他]
〈ハードウェアの構成要素(Component)及びソフトウェアの構成要素(Component)について〉
ハードウェアの構成要素とは、ハードウェア回路であり、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ゲートアレイ、論理ゲートの組み合わせ、信号処理回路、アナログ回路等がある。
【0101】
ソフトウェアの構成要素とは、ソフトウェアとして上記処理を実現する部品(断片)であり、そのソフトウェアを実現する言語、開発環境等を限定する概念ではない。ソフトウェアの構成要素としては、例えば、タスク、プロセス、スレッド、ドライバ、ファームウェア、データベース、テーブル、関数、プロシジャ、サブルーチン、プログラムコードの所定の部分、データ構造、配列、変数、パラメータ等がある。これらソフトウェアの構成要素は、1又は複数のメモリ(1または複数のプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等)上で実現される。
【0102】
なお、上述の各実施形態は、上記各処理部の実現手法を限定するものではない。上記各処理部は、上記ハードウェアの構成要素又はソフトウェアの構成要素若しくはこれらの組み合わせとして、本技術分野の通常の技術者において実現可能な手法により構成されていればよい。
【0103】
〈付記〉
以上の本実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。各項に開示される態様は、必要に応じて可能な限り組み合わせることができる。
【0104】
(付記1)
顧客からの問い合わせを受け、該問い合わせを複数のオペレータのうちのいずれか一人に分配することにより処理させる問い合わせ処理装置において、
各オペレータに関するオペレータ情報をそれぞれ保持するオペレータ情報保持手段と、
各顧客に関する顧客情報をそれぞれ保持する顧客情報保持手段と、
各問い合わせに関し、処理状態を含む問い合わせ情報をそれぞれ保持する問い合わせ情報保持手段と、
前記問い合わせ情報に含まれる各問い合わせの処理状態に基づいて各オペレータにおける問い合わせの処理状況を決定し、該処理状況に応じて前記複数のオペレータの中から候補オペレータを選択し、前記オペレータ情報及び前記顧客情報に基づいて、該選択された候補オペレータの中から、分配対象問い合わせの内容及び該分配対象問い合わせの発信元の顧客の特性に適合するオペレータを特定し、該特定されたオペレータに該分配対象問い合わせを割り当てる分配手段と、
を備えることを特徴とする問い合わせ処理装置。
【0105】
(付記2)
前記問い合わせ情報は、オペレータへの分配が完了している問い合わせについては該オペレータを特定するための情報、回答が完了している問い合わせについては回答時間を含み、
前記オペレータ情報は、単位時間当りの予定処理件数に関する情報を含み、
前記分配手段は、前記問い合わせ情報に応じて決定される、未処理状態で滞留されている問い合わせの数が、前記オペレータ情報に応じて予測される、残作業時間で処理される問い合わせの数を超えているオペレータを前記候補オペレータから除外する、
ことを特徴とする付記1に記載の問い合わせ処理装置。
【0106】
(付記3)
前記問い合わせ情報は、問い合わせの着信時間を更に含み、
前記分配手段は、前記問い合わせ情報に含まれる着信時間及び所定の回答保証期間に応じて決定される回答保証期限までの期間と、前記単位時間当りの予定処理件数と、に基づいて、回答保証期限を越える可能性のある問い合わせを特定し、該特定された問い合わせを未処理状態で滞留させているオペレータを前記候補オペレータから除外する、
ことを特徴とする付記2に記載の問い合わせ処理装置。
【0107】
(付記4)
前記顧客情報は、顧客の年齢を含み、
前記オペレータ情報は、オペレータが対応可能な顧客年齢に関する情報、及び前記オペレータが対応可能な問い合わせ内容に関する情報を含み、
前記分配手段は、前記分配対象問い合わせの内容を対応可能な問い合わせ内容として有し、該分配対象問い合わせの発信元の顧客の年齢を対応可能な顧客年齢として設定されているオペレータを該分配対象問い合わせを割り当てるオペレータとして特定する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【0108】
(付記5)
前記顧客情報は、顧客の住所を含み、
前記オペレータ情報は、オペレータが対応可能な地域言語に関する情報を含み、
前記分配手段は、前記分配対象問い合わせの発信元の顧客の住所に対応する地域言語を対応可能な地域言語として設定されているオペレータを該分配対象問い合わせを割り当てるオペレータとして特定する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【0109】
(付記6)
前記問い合わせ情報は、前記分配対象問い合わせが既に処理された問い合わせに関連する再問い合わせであることを示す情報を更に含み、
前記分配手段は、前記問い合わせ情報に応じて前記分配対象問い合わせが再問い合わせであると判定した場合には、該分配対象問い合わせが滞留されている他の問い合わせより優先して処理されるように該分配対象問い合わせの優先度を他の問い合わせより高く設定する、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【0110】
(付記7)
問い合わせの内容及び問い合わせの送信元の顧客の特性に応じた複数の回答テンプレートを保持するテンプレート保持手段と、
前記分配対象問い合わせの内容及び該分配対象問い合わせの送信元の顧客の特性に応じた回答テンプレートを、前記分配手段により該分配対象問い合わせを割り当てられたオペレータに提供するテンプレート選択手段と、
を更に備えることを特徴とする付記1から6のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【0111】
(付記8)
コンピュータが、顧客からの問い合わせを受け、各オペレータに関するオペレータ情報、各顧客に関する顧客情報、及び各問い合わせに関する、処理状態を含む問い合わせ情報をそれぞれ保持するメモリを用いて、該問い合わせを複数のオペレータのうちのいずれか一人に分配することにより処理させる問い合わせ処理方法において、
前記問い合わせ情報に含まれる各問い合わせの処理状態に基づいて各オペレータにおける問い合わせの処理状況を決定するステップと、
前記処理状況に応じて前記複数のオペレータの中から候補オペレータを選択するステップと、
前記オペレータ情報及び前記顧客情報に基づいて、前記選択された候補オペレータの中から、分配対象問い合わせの内容及び該分配対象問い合わせの発信元の顧客の特性に適合するオペレータを特定するステップと、
前記特定されたオペレータに前記分配対象問い合わせを割り当てるステップと、
を実行することを特徴とする問い合わせ処理方法。
【0112】
(付記9)
前記問い合わせ情報は、オペレータへの分配が完了している問い合わせについては該オペレータを特定するための情報、回答が完了している問い合わせについては回答時間を含み、
前記オペレータ情報は、単位時間当りの予定処理件数に関する情報を含み、
前記候補オペレータを選択するステップは、前記問い合わせ情報に応じて決定される、未処理状態で滞留されている問い合わせの数が、前記オペレータ情報に応じて予測される、残作業時間で処理される問い合わせの数を超えているオペレータを前記候補オペレータから除外する、
ことを特徴とする付記8に記載の問い合わせ処理方法。
【0113】
(付記10)
前記問い合わせ情報は、問い合わせの着信時間を更に含み、
前記候補オペレータを選択するステップは、前記問い合わせ情報に含まれる着信時間及び所定の回答保証期間に応じて決定される回答保証期限までの期間と、前記単位時間当りの予定処理件数と、に基づいて、回答保証期限を越える可能性のある問い合わせを特定し、該特定された問い合わせを未処理状態で滞留させているオペレータを前記候補オペレータから除外する、
ことを特徴とする付記9に記載の問い合わせ処理方法。
【0114】
(付記11)
前記顧客情報は、顧客の年齢を含み、
前記オペレータ情報は、オペレータが対応可能な顧客年齢に関する情報、及び前記オペレータが対応可能な問い合わせ内容に関する情報を含み、
前記オペレータを特定するステップは、前記分配対象問い合わせの内容を対応可能な問い合わせ内容として有し、該分配対象問い合わせの発信元の顧客の年齢を対応可能な顧客年齢として設定されているオペレータを該分配対象問い合わせを割り当てるオペレータとして特定する、
ことを特徴とする付記8から10のいずれか1項に記載の問い合わせ処理方法。
【0115】
(付記12)
前記顧客情報は、顧客の住所を含み、
前記オペレータ情報は、オペレータが対応可能な地域言語に関する情報を含み、
前記オペレータを特定するステップは、前記分配対象問い合わせの発信元の顧客の住所に対応する地域言語を対応可能な地域言語として設定されているオペレータを該分配対象問い合わせを割り当てるオペレータとして特定する、
ことを特徴とする付記8から11のいずれか1項に記載の問い合わせ処理方法。
【0116】
(付記13)
前記問い合わせ情報は、前記分配対象問い合わせが既に処理された問い合わせに関連する再問い合わせであることを示す情報を更に含み、
前記問い合わせ情報に応じて前記分配対象問い合わせが再問い合わせであると判定した場合には、該分配対象問い合わせが滞留されている他の問い合わせより優先して処理されるように該分配対象問い合わせの優先度を他の問い合わせより高く設定するステップ、
を更に実行することを特徴とする付記8から12のいずれか1項に記載の問い合わせ処理方法。
【0117】
(付記14)
前記メモリには、問い合わせの内容及び問い合わせの送信元の顧客の特性に応じた複数の回答テンプレートが保持されており、
前記分配対象問い合わせの内容及び該分配対象問い合わせの送信元の顧客の特性に応じた回答テンプレートを、前記分配手段により該分配対象問い合わせを割り当てられたオペレータに提供するステップ、
を更に実行することを特徴とする付記8から13のいずれか1項に記載の問い合わせ処理方法。
【符号の説明】
【0118】
3 受付サーバ
4 分配サーバ
9 オペレータ端末
41 制御部
42 記憶部
45 通信部
51 顧客管理部
52 メール管理部
53 オペレータ管理部
54 分配処理部
55 テンプレート管理部
56 顧客データベース(DB)
57 メールデータベース(DB)
58 オペレータデータベース(DB)
59 回答テンプレートデータベース(DB)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客からの問い合わせを受け、該問い合わせを複数のオペレータのうちのいずれか一人に分配することにより処理させる問い合わせ処理装置において、
各オペレータに関するオペレータ情報をそれぞれ保持するオペレータ情報保持手段と、
各顧客に関する顧客情報をそれぞれ保持する顧客情報保持手段と、
各問い合わせに関し、処理状態を含む問い合わせ情報をそれぞれ保持する問い合わせ情報保持手段と、
前記問い合わせ情報に含まれる各問い合わせの処理状態に基づいて各オペレータにおける問い合わせの処理状況を決定し、該処理状況に応じて前記複数のオペレータの中から候補オペレータを選択し、前記オペレータ情報及び前記顧客情報に基づいて、該選択された候補オペレータの中から、分配対象問い合わせの内容及び該分配対象問い合わせの発信元の顧客の特性に適合するオペレータを特定し、該特定されたオペレータに該分配対象問い合わせを割り当てる分配手段と、
を備えることを特徴とする問い合わせ処理装置。
【請求項2】
前記問い合わせ情報は、オペレータへの分配が完了している問い合わせについては該オペレータを特定するための情報、回答が完了している問い合わせについては回答時間を含み、
前記オペレータ情報は、単位時間当りの予定処理件数に関する情報を含み、
前記分配手段は、前記問い合わせ情報に応じて決定される、未処理状態で滞留されている問い合わせの数が、前記オペレータ情報に応じて予測される、残作業時間で処理される問い合わせの数を超えているオペレータを前記候補オペレータから除外する、
ことを特徴とする請求項1に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項3】
前記問い合わせ情報は、問い合わせの着信時間を更に含み、
前記分配手段は、前記問い合わせ情報に含まれる着信時間及び所定の回答保証期間に応じて決定される回答保証期限までの期間と、前記単位時間当りの予定処理件数と、に基づいて、回答保証期限を越える可能性のある問い合わせを特定し、該特定された問い合わせを未処理状態で滞留させているオペレータを前記候補オペレータから除外する、
ことを特徴とする請求項2に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項4】
前記顧客情報は、顧客の年齢を含み、
前記オペレータ情報は、オペレータが対応可能な顧客年齢に関する情報、及び前記オペレータが対応可能な問い合わせ内容に関する情報を含み、
前記分配手段は、前記分配対象問い合わせの内容を対応可能な問い合わせ内容として有し、該分配対象問い合わせの発信元の顧客の年齢を対応可能な顧客年齢として設定されているオペレータを該分配対象問い合わせを割り当てるオペレータとして特定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項5】
前記顧客情報は、顧客の住所を含み、
前記オペレータ情報は、オペレータが対応可能な地域言語に関する情報を含み、
前記分配手段は、前記分配対象問い合わせの発信元の顧客の住所に対応する地域言語を対応可能な地域言語として設定されているオペレータを該分配対象問い合わせを割り当てるオペレータとして特定する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項6】
前記問い合わせ情報は、前記分配対象問い合わせが既に処理された問い合わせに関連する再問い合わせであることを示す情報を更に含み、
前記分配手段は、前記問い合わせ情報に応じて前記分配対象問い合わせが再問い合わせ
であると判定した場合には、該分配対象問い合わせが滞留されている他の問い合わせより優先して処理されるように該分配対象問い合わせの優先度を他の問い合わせより高く設定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項7】
問い合わせの内容及び問い合わせの送信元の顧客の特性に応じた複数の回答テンプレートを保持するテンプレート保持手段と、
前記分配対象問い合わせの内容及び該分配対象問い合わせの送信元の顧客の特性に応じた回答テンプレートを、前記分配手段により該分配対象問い合わせを割り当てられたオペレータに提供するテンプレート選択手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、顧客からの問い合わせを受け、各オペレータに関するオペレータ情報、各顧客に関する顧客情報、及び各問い合わせに関する、処理状態を含む問い合わせ情報をそれぞれ保持するメモリを用いて、該問い合わせを複数のオペレータのうちのいずれか一人に分配することにより処理させる問い合わせ処理方法において、
前記問い合わせ情報に含まれる各問い合わせの処理状態に基づいて各オペレータにおける問い合わせの処理状況を決定するステップと、
前記処理状況に応じて前記複数のオペレータの中から候補オペレータを選択するステップと、
前記オペレータ情報及び前記顧客情報に基づいて、前記選択された候補オペレータの中から、分配対象問い合わせの内容及び該分配対象問い合わせの発信元の顧客の特性に適合するオペレータを特定するステップと、
前記特定されたオペレータに前記分配対象問い合わせを割り当てるステップと、
を実行することを特徴とする問い合わせ処理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−8464(P2011−8464A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150544(P2009−150544)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】