説明

喘息、アレルギー性鼻炎および皮膚障害の治療方法

5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸および類似体の使用が、喘息、アレルギー性鼻炎、ならびにアレルギー性皮膚炎、接触過敏症、蕁麻疹(urticaria)(蕁麻疹(hive))、酒さおよび乾癬からなる群より選択される皮膚障害を治療するために、開示されている。一実施形態において、5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸または類似体は、喘息を治療するために、経口または吸入送達を介し、患者に投与される。本発明のさらなる実施形態では、5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸または類似体は、アレルギー性鼻炎を治療するために、経口または局所鼻腔送達を介し、患者に投与される。さらに、本発明のさらに別の実施形態では、5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸または類似体は、アレルギー性皮膚炎、乾癬および酒さなどの皮膚障害を治療するために、局所送達を介し、患者に投与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喘息、アレルギー性鼻炎および皮膚障害の治療を対象とする。特に、本発明は、5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸およびその類似体を使用して、これらの状態を治療することを対象とする。
【背景技術】
【0002】
リポキシンAは、アラキドン酸から生合成される抗炎症エイコサノイドであり、好中球と血小板との相互作用、またはその他の白血球と上皮細胞との相互作用を介し、炎症部位で局所的に産生される。リポキシンAは、炎症組織への好中球の流入を阻害し、マクロファージによる活性化好中球の貪食/清掃を誘導することにより、内生的に作用して、炎症を消散させると考えられている。リポキシンAは、少なくとも2つの受容体に、nMの親和性で結合する。第1の受容体は、ALXRと呼ばれるリポキシンA同族受容体である。これはホルミルペプチド受容体FPRL−1と同一である。第2の受容体は、システイニルロイコトリエンLTDの高親和性受容体、cysLTである。リポキシンは、ALXRアゴニストおよびcysLT受容体アンタゴニストとして機能すると考えられている(非特許文献1)。
【0003】
【化1】

数人の研究者が、リポキシンAの構造類似体の投与によって、アレルゲン誘導性の好酸球浸潤を阻害し、システイニルロイコトリエン、IL−5およびエオタキシンのような炎症性アレルギーメディエーターの産生が減少し、組織浮腫が縮小することを、アレルギー性喘息のマウスモデル(非特許文献2)、マウスおよびモルモットにおけるアレルゲン誘導性の皮膚炎症(非特許文献3)、ならびにラットにおけるアレルゲン誘導性胸膜炎(非特許文献4)を含むいくつかの動物モデルで、報告した。
【0004】
Leeらは、化合物1および2が、リポキシンAと同程度に強力に、好中球のLTB誘導走化性を阻害することを開示した(非特許文献5)。この著者らが明言した目的は、このバイオアッセイの読取値と、彼らが合成したリポキシンA類似体の構造との間の関係を調査することであったので、結論の1つは、化合物1、2およびリポキシンAが、同じメカニズム、すなわちALXRの活性化によって、好中球のLTB誘導走化性を阻害することであると思われる。
【0005】
【化2】

しかし、この理論は、妥当でないと言っても過言ではない。この理論を検証するために不可欠な実験は、これら3種の化合物の走化性阻害効果が、選択的なALXR抗体または低分子アンタゴニストによって阻止し得るか否かを確認することであろう。Leeらが開示した時には、ALXRタンパク質もその関連mRNAも、配列が決定されていなかったために、これは実行されなかった(これが実行されたのは1994年である:非特許文献6)。1、2およびリポキシンAによって示される好中球の走化性の阻害に対する、この開示に等しく矛盾しない説明は、1および2はロイコトリエンB受容体アンタゴニズムを介して作用するが、リポキシンAはALXRアゴニズムおよび/またはおそらくロイコトリエンD(LTD)受容体cysLTでのアンタゴニズムを介して作用することと思われる(非特許文献7)。さらに、リポキシンAの生物学的活性は、15位のヒドロキシの存在に決定的に左右されることが知られており、カルボニルへの酸化(非特許文献8)または水素との置換(非特許文献9)は、生物学的活性を著しく減少させる。しかし、1および2はこのヒドロキシを欠いており、実際にこれらのトリオール配列の一級ヒドロキシ基を超えたところには、まったく原子が存在しない。本発明者が知る限りでは、これまでのところ、1、2いずれの生物学的活性についても、その後は報告がない。このように受容体関連の機能データが欠けているため、当業者が、好中球のLTB誘導走化性のこれらの化合物による阻害が、ALXRのアゴニズムに起因していることを疑うのも無理ないことと思われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Fronertら、Am.J.Pathol.、2001年、158巻、1号、3〜8頁
【非特許文献2】Levyら、Nat.Med.、2002年、8巻、9号、1018〜1023頁
【非特許文献3】Schottelieusら、J.Immun.、2002年、169巻、12号、1029〜1036頁
【非特許文献4】Bandeira−Meloら、J.Immun.、2000年、164巻、5号、2267〜2271頁
【非特許文献5】Leeら、Biochemical and Biophysical Research Communications、1991年、180巻、3号、1416〜21頁
【非特許文献6】Leeら、J.Exp.Med.、1994年、180巻、1号、253〜260頁
【非特許文献7】Gronertら、Am.J.Path.、2000年、158巻、1号、3〜9頁
【非特許文献8】Petasisら、Prostaglandins Leukot.Essent.Fatty Acids、2005年、73巻、3〜4号、301〜321頁
【非特許文献9】Jozsefら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、2002年、99巻、20号、13266〜13271頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、喘息、アレルギー性鼻炎および皮膚障害の治療方法を対象とする。本発明の方法によれば、5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸または類似体は、喘息を治療するために、経口または吸入送達を介し、患者に投与される。本発明のさらなる実施形態では、5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸または類似体は、アレルギー性鼻炎を治療するために、経口または局所鼻腔送達を介し、患者に投与される。さらに、本発明のさらに別の実施形態では、5,6,7−トリヒドロキシヘプタン酸または類似体は、アレルギー性皮膚炎、乾癬および酒さなどの皮膚障害を治療するために、局所送達を介し、患者に投与される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
他に指示がない限り、すべての成分量は、%(w/v)を基準に表される。
【0009】
本発明の方法によれば、式Iの化合物を含む組成物は、これを必要とする哺乳動物に投与される。
【0010】
【化3】

[式中、
は、C、COR、CONR、CHOR、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、もしくはCHNRであり、ここで、
Rは、H、C1〜6直鎖もしくは分岐鎖アルキル、C3〜6シクロアルキル、もしくはフェニルであり
またはRは、式COのカルボン酸塩であり、ここで、Rは、Li、Na、Kもしくは式NR10111213のアンモニウム部分であり、
、Rは、R、Rのうちの多くとも1つだけが、OH、OCHもしくはOCであるという条件で、独立してH、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、OH、OCHもしくはOCであり、
は、H、C(O)R14、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジルもしくはフェニルであり、
、Rは、R、Rのうちの多くとも1つだけが、OH、OCHもしくはOCであるという条件で、独立してH、C(O)R14、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、OH、OCHもしくはOCであり、
、RおよびRは、独立してH、CH、C、C(O)R14もしくはCO15であり、
または、RおよびR、もしくはRおよびRは、一緒になってカルボニル基(C=O)を構成し、したがって環状カーボネートを形成し、
または、ORは、一緒になって環状エステル(ラクトン)を形成し、
10〜R13は、独立してHもしくはC1〜6アルキルであり、各アルキル基は場合によって置換基OHもしくはOCHを有し、
14は、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジルもしくはフェニルであり、
15は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジルもしくはフェニルであり、
および
【0011】
【化4】

は、OR置換基が、RもしくはSの絶対配置:
【0012】
【化5】

を与えるように配置できることを示す]。
【0013】
式Iの好ましい化合物は、
が、C、COR、CHOR、1,3,4−オキサジアゾール−2−イルもしくは式COのカルボン酸塩であり、
は、Li、Na、KもしくはNHであり、
Rは、H、CH、C、n−Cもしくはi−Cであり、
は、H、COCHもしくはCHであり、
、R、Rは、独立してH、CHもしくはCHCOであり、
または、RおよびR、もしくはRおよびRは、一緒になってカルボニル基(C=O)を構成し、したがって環状カーボネートを形成し、
または、ORは、一緒になって環状エステル(ラクトン)を形成する、
化合物である。
【0014】
とりわけ好ましいのは、化合物1〜6である。化合物1は、Biomol Research Laboratories、Plymouth Meeting、ペンシルベニアより市販されており、化合物2は、Leeら、Biochemical and Biophysical Research communications、1991年、180巻、3号、1416〜21頁に詳述されているように、調製可能である。化合物3〜6は、下記の実施例1〜4に記載されているように、調製可能である。
【0015】
【化6】

【実施例】
【0016】
(実施例1)
化合物3の合成
【0017】
【化7】

1M LiOH(0.5mL、0.5mmol)を含むMeOH(2.1mL)中のメチルエステル1(20mg、0.104mmol)溶液をマイクロ波加熱器中、120℃で6分間加熱した。反応物を濃縮し、残存物を直径10mm×高さ18cmのC18逆相シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに掛け、0.05M HCl:アセトニトリル(7:3 v:v)で溶出し、濃縮した後に粗製白色固体を得た(40.9mg)。固体を熱CHCN(2×2mL)ですすぎ、ろ液を濃縮して、ラクトン3を得た(7.8mg、47%)。
【0018】
【化8】

(実施例2)
化合物4の合成
【0019】
【化9】

水性MeOH中のメチルエステル1溶液を3当量の水酸化リチウムの存在下、加熱して還流する。6時間後に反応物を室温に冷却し、70−9メッシュのスルホン酸樹脂MP(Novabiochem/EMD Biosciences、10394 Pacific Center Court、サンディエゴ、カリフォルニア92121より市販されている)を添加して、溶液のpHを6に調整する。溶液を0.2μMのポリテルフルオロエチレン(poly−terfluoroehylene)シリンジフィルターでろ過し、濃縮して、リチウムカルボン酸塩4を白色固体として得る。
【0020】
【化10】

(実施例3)
化合物8の合成
【0021】
【化11】

2−デオキシ−D−リボースを、酢酸エチル中、2−メトキシプロペンおよび触媒のp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)で処理し、アセトナイド保護ラクトール10に変換する。THF中、触媒の安息香酸の存在下でのPhP=CHCOEtとのウィッティヒ反応により、エノエート(enoate)11を得、これをエタノール中、触媒のPd/Cの存在下、水素雰囲気下で12に還元する。エタノール中の0.1N HClを使用して、5分間12を脱保護し、続いてNaHCO水溶液でクエンチし、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した後に、8を得る。
【0022】
(実施例4)
化合物9の合成
【0023】
【化12】

THF中、触媒の安息香酸の存在下、ラクトール10とPhP=CHCOEtのウィティッヒ反応によりエノエート13を得、これをイソプロパノール中、触媒のPd/C存在下、水素雰囲気下で14に還元する。イソプロパノール中で0.1N HClを使用して14を5分間脱保護し、続いてNaHCO水溶液でクエンチし、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した後に、9を得る。
【0024】
本発明の方法によれば、式Iの化合物は、薬学的に受容可能な担体中で投与される。組成物は、当該技術分野ではよく知られている方法に従って、製剤化される。さらに、組成物は、式Iの化合物以外の第2の薬剤を含んでもよい。
【0025】
本発明の組成物は、式Iの化合物の、薬学的有効量を含む。本明細書で使用する場合、「薬学的有効量」とは、喘息、アレルギー性鼻炎および皮膚障害の症状が緩和、または除去されるのに十分な量を意味する。一般的に、本発明の組成物には、0.001〜5%の式Iの化合物が含まれよう。好ましくは、本発明の組成物には、0.1〜5%の式Iの化合物が含まれよう。
【0026】
本発明に従って投与される組成物は、以下に限定されないが、界面活性剤、等張剤(tonicity agent)、緩衝剤、保存剤、共溶媒および増粘剤(viscosity building agent)を含む、他の多様な成分も含んでよい。
【0027】
組成物の張度を調整するために、多様な等張剤が使用され得る。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、デキストロースおよび/またはマンニトールが、生理的張度に近づけるために、組成物に添加され得る。等張剤のこのような量は、添加される特定の薬剤によって変化しよう。しかし、一般的に、組成物は、最終的な組成物が許容可能な重量オスモル濃度(一般的に約150〜450mOsm、好ましくは250〜350mOsm)を有するのに十分な量の等張剤を含むことになろう。
【0028】
組成物に適切な緩衝系(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸)を添加して、貯蔵条件下におけるpH変化を防止し得る。使用する緩衝剤によって、個々の濃度は変化しよう。しかし緩衝剤は、好ましくは標的pHを、pH5.5〜8の範囲で維持するように、選択されよう。
【0029】
局所製品は、典型的には多回用量形態に包装される。典型的には、使用中の細菌による汚染を防ぐため、保存剤が必要である。適切な保存剤は、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、臭化ベンゾドデシニウム(benzododecinium bromide)、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、ポリクオタニウム−1または当業者に知られているその他の薬剤を含む。このような保存剤は、典型的には、0.001〜1.0%w/vの濃度で使用される。本発明の単位用量組成物は無菌となろうが、典型的には保存剤を含まず、保存されることもなかろう。
【0030】
本発明の組成物は、治療される障害に応じて、多様な所望の剤形に製剤化することができる。例えば、組成物は、喘息を治療するために、例えば噴霧器を使用した吸入を介して、組成物を送達するように製剤化し得る。あるいは、組成物は、アレルギー性鼻炎を治療するための局所的な鼻スプレーとして、製剤化し得る。もう1つの実施形態では、組成物はアレルギー性皮膚炎、接触過敏症、蕁麻疹(urticaria)(蕁麻疹(hive))、酒さまたは乾癬などの皮膚障害を治療するためのローション、クリームまたは軟膏として製剤化し得る。
【0031】
代表的な製剤を、以下の実施例6〜9に示す。
【0032】
(実施例6)
本発明の方法に従った喘息の治療に有用な、本発明の化合物を含む噴霧形態の代表的な医薬品製剤を、以下に例示する。
【0033】
【表1】

(実施例7)
本発明の方法に従った喘息の治療に有用な、本発明の化合物を含む経口投与用の製剤を、以下に例示する。
【0034】
【表2】

(実施例8)
本発明の方法に従ったアレルギー性鼻炎の治療のための局所的な投与用の点鼻液を、以下に例示する。
【0035】
【表3】

(実施例9)
本発明の方法に従ったアレルギー性皮膚炎、接触過敏症、蕁麻疹(urticaria)(蕁麻疹(hive))、酒さまたは乾癬などの皮膚障害の治療のための局所投与用の軟膏を、以下に例示する。
【0036】
【表4】

鼻用製品の好ましい容器は、鼻スプレーポンプを備えた高密度ポリエチレン容器である。
【0037】
本発明について、特定の好ましい実施形態に言及することによって記載してきたが、その特別または必須の特性から逸脱することなく、他の特定の形態またはその変形で具体化し得ることを理解されたい。したがって、上述の実施形態は、あらゆる観点で例示的であって限定的なものではないと思料され、本発明の範囲は、前記の記載よりも添付の特許請求の範囲によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の喘息、アレルギー性鼻炎または皮膚障害の治療方法であって、薬学的に受容可能な担体および式Iの化合物の薬学的有効量を含む組成物を該哺乳動物に投与すること含み、
【化13】

[式中
は、C、COR、CONR、CHOR、1,3,4−オキサジアゾール−2−イルもしくはCHNRであり、ここで、
Rは、H、C1〜6直鎖もしくは分岐鎖アルキル、C3〜6シクロアルキル、もしくはフェニルであり、
またはRは、式COのカルボン酸塩であり、ここで、Rは、Li、Na、Kもしくは式NR10111213のアンモニウム部分であり、
、Rは、R、Rの多くとも1つだけが、OH、OCHもしくはOCであるという条件で、独立してH、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、OH、OCHもしくはOCであり、
は、H、C(O)R14、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジルもしくはフェニルであり、
、Rは、R、Rの多くとも1つだけが、OH、OCHもしくはOCであるという条件で、独立してH、C(O)R14、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、OH、OCHもしくはOCであり、
、RおよびRは、独立してH、CH、C、C(O)R14もしくはCO15であり、
または、RおよびR、もしくはRおよびRは、一緒になってカルボニル基(C=O)を構成し、したがって環状カーボネートを形成し、
または、ORは、一緒になって環状エステル(ラクトン)を形成し、
10〜R13は、独立してHもしくはC1〜6アルキルであり、各アルキル基は場合によって置換基OHもしくはOCHを有し、
14は、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジルもしくはフェニルであり、
15は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、ベンジルもしくはフェニルであり、
【化14】

は、OR置換基が、次式のRもしくはSの絶対配置
【化15】

を与えるように配置できることを示す]
該皮膚障害が、アレルギー性皮膚炎、接触過敏症、蕁麻疹、酒さおよび乾癬からなる群より選択される方法。
【請求項2】
式Iの化合物について、
が、C、COR、CHOR、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、もしくは式COのカルボン酸塩であり、
が、Li、Na、KもしくはNHであり、
Rが、H、CH、C、n−Cもしくはi−Cであり、
が、H、COCHもしくはCHであり、
、R、Rが、独立してH、CHもしくはCHCOであり、
または、RおよびR、もしくはRおよびRが、一緒になってカルボニル基(C=O)を構成し、したがって環状カーボネートを形成し、
または、ORが、一緒になって環状エステル(ラクトン)を形成する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式Iの化合物が立体配置:
【化16】

を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式Iの化合物が立体配置:
【化17】

を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
式Iの化合物が、喘息を治療するために使用される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
式Iの化合物が、アレルギー性鼻炎に使用される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
式Iの化合物が、
【化18】

からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物の薬学的有効量が0.001%から5%(w/v)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記薬学的有効量が、0.1から5%(w/v)である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記薬学的に受容可能な担体が、界面活性剤、等張剤、緩衝剤、保存剤、共溶媒および増粘剤からなる群より選択される1種または複数の成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
喘息を治療するための方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
アレルギー性鼻炎を治療するための方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
アレルギー性皮膚炎、接触過敏症、蕁麻疹、酒さおよび乾癬からなる群より選択される皮膚障害を治療するための方法である、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2010−509240(P2010−509240A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535499(P2009−535499)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/083695
【国際公開番号】WO2008/058098
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【Fターム(参考)】