喫煙品用のパック
紙巻きタバコなどの喫煙品用のパックは、複数の平面パネル、およびこのようなパックを形成するためのブランクを備える。これらのパネルの少なくとも1つは、複数のパネルの1つ以上の一表面から外側に延在する複数の微細構造を含む。この微細構造は、エンボス加工により形成され得る。この微細構造により、この後に実行される処理からパックの中身を保護できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に紙巻きタバコなどの喫煙品用のパックに関するが、それには限定されない。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどの喫煙品用の従来のパックは、厚紙などのブランクを用いて組み立てられる。これは、対向する側部パネルに接続された前部パネルおよび後部パネル、底部パネル、および蓋を備える。通常、このようなパックの表面は平坦である。蓋は、いわゆる押し上げ式構造により構成されてもよい。製造および梱包工程中、ポリプロピレンなどの透明なビニール包装を用いたパックの包装を伴う梱包工程の一段階でパックが加熱される。この包装は、包装材を加熱してパックの包装材を収縮包装するために、パックの表面上の包装材に押し付けられた発熱体、または発熱体を含む加熱ステーションにパック全体を通過させることによって、適切な位置で密封される。
【0003】
従来のパックの製造および梱包工程中、特にタバコを含む喫煙品は、パックに加えられる熱(例えば、包装材の密封により生じる熱など)により悪影響を受けることがある。この熱は、パック内部における喫煙品の水分蒸発、品質低下、および賞味期限の短縮を含む、喫煙品に悪影響を及ぼすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のパックの別の問題点は、パックの平坦な壁のために、消費者が、パックを開けてその後の使用中に、そのパックをつかみにくいことである。
【0005】
それ故、本発明の目的は、前述した問題を実質的に解決または克服する喫煙品用のパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、複数の平面パネルを備える喫煙品用のパックが提供される。このパネルの少なくとも1つは、そ(れら)のパネルの一表面から外側に延在する複数の微細構造を含む。
【0007】
このパックは、対向する側部パネルに接続された前部パネルおよび後部パネル、底部パネル、および上部パネルを備える。前部パネルおよび/または後部パネルの少なくともいずれかは、複数の微細構造を含んでもよい。
【0008】
前部パネルおよび後部パネルの両方が、前述の微細構造を含んでもよく、かつ/または側部パネルが、前述の微細構造を含んでもよい。さらに、上部パネルが、前述の微細構造を含んでもよく、かつ/または底部パネルが、前述の微細構造を含んでもよい。
【0009】
上部パネルは、蓋を備えてもよい。蓋は、押し上げ式の蓋でもよい。
【0010】
この微細構造は、エンボス加工により形成されてもよい。パックは、シート材料から組み立てられてもよい。この微細構造は、シート材料の厚み中に形成されてもよい。シート材料は、厚紙を含んでもよい。
【0011】
この微細構造は、1つ以上のパネルの表面領域の実質的に全体に形成されてもよい。または、1つ以上のパネルの表面領域の一部のみに形成されてもよい。
【0012】
この複数の微細構造は、そ(れら)のパネルの表面から突出する突起を備えてもよい。突起は、1つ以上のパネルの対応する外面、1つ以上のパネルの対応する内面、または1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方から突出してもよい。
【0013】
各パネルは、5〜2000個の突起を備えてもよく、10〜1000個の突起を備えてもよく、また50〜750個の突起を備えてもよい。
【0014】
全ての突起は、同一の間隔をおいて1つ以上のパネルの表面から突出してもよい。突起は、略円形の凸形状でもよい。
【0015】
突起は、1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で配置されてもよい。
【0016】
パックは、前述の突起によってパックの1つ以上のパネルの表面との隙間を介した外側包装材をさらに含んでもよい。
【0017】
複数の微細構造は、そ(れら)のパネルの表面に形成されるくぼみをさらに備えてもよい。くぼみは、1つ以上のパネルの対応する外面、1つ以上のパネルの対応する内面、または1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方に形成されてもよい。
【0018】
そ(れら)のパネルは、5〜2000個のくぼみを含んでもよく、10〜1000個のくぼみを含んでもよく、また50〜750個のくぼみを含んでもよい。
【0019】
全てのくぼみは、同一の間隔をおいて1つ以上のパネルの表面に形成されてもよい。くぼみは、略円形の凹形状でもよい。
【0020】
くぼみは、1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で形成されてもよい。
【0021】
パックは、パックの内部に内側フレームをさらに含んでもよい。パックは、内側フレームの一部を露出する切り欠き部を含む前部パネルを備えてもよい。内側フレームの露出部は、マークまたは図形が印刷されていてもよい。
【0022】
パックの前端部は、斜面、曲面、または直角でもよい。
【0023】
パックは、紙巻きタバコを含む喫煙品を収容できる。
【0024】
パックは、複数のパネルの1つ以上に形成された、前述の突起およびくぼみの両方を含んでもよい。
【0025】
本発明は、複数の平面パネル部を備える、喫煙品用のパックを組み立てるためのブランクをさらに提供する。少なくとも1つのパネル部は、そ(れら)のパネル部の一表面から外側に延在する複数の微細構造を含む。
【0026】
ブランクは、前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えてもよい。前部パネル部および/または後部パネル部の少なくともいずれかは、複数の微細構造を含んでもよい。
【0027】
複数の微細構造は、そ(れら)のパネル部の面から突出する突起を含んでもよく、かつ/またはそ(れら)のパネル部の面に形成されるくぼみを含んでもよい。
【0028】
本発明は、複数の平面パネル部を備えるブランクから喫煙品用のパックを組み立てる方法をさらに提供する。この方法は、少なくとも1つのパネル部において、そ(れら)のパネル部の一表面から外側に延在する複数の微細構造を形成することを含む。
【0029】
この方法は、微細構造を形成するための、ブランクのエンボス加工をさらに含む。
【0030】
この方法は、前述の微細構造を形成するために、マガジンから供給されるその連続的なブランクをエンボス加工ステーションに供給すること、および紙巻きタバコを充填するパックを形成するために、エンボス加工されたブランクを紙巻きタバコ包装機に供給することをさらに含んでもよい。
【0031】
この方法では、ブランクは、前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備え得る。この微細構造は、そ(れら)のパネル部の表面から突出する突起を含んでもよい。
【0032】
この方法は、パックが紙巻きタバコで充填された後に、外側包装材内にパックを包装すること、発熱体の熱を利用してパック上の包装材を密封すること、包装材をパックの表面から浮かせる複数の突起によって包装材とパックの表面との間に複数の空隙を形成することを含んでもよい。
【0033】
この方法では、ブランクは、前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備え得る。この微細構造は、そ(れら)のパネル部の面に形成されるくぼみを含んでもよい。
【0034】
この方法は、パックが紙巻きタバコで充填された後に、外側包装材内にパックを包装すること、発熱体の熱を利用してパック上の包装材を密封すること、包装材をパックの表面から浮かせる複数のくぼみ内部に、包装材とパックの表面との間の複数の空隙を形成することを含んでもよい。
【0035】
本明細書に用いられる用語「喫煙品」は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、またはタバコ代替え品、および非燃焼熱製品をベースにした紙巻きタバコ、シガー、シガリロなどの喫煙可能な製品を含むが、これらに限定されない。喫煙品には、喫煙者によって吸引される気体流用のフィルタが設けられている場合がある。
【0036】
本発明をより完全に理解するために、下記の添付図面を参照する図示した例示のみを用いて本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態による紙巻きタバコのパックの、パックの蓋が閉じている時の前面の一側面から示す概略斜視図である。
【図2】図1に示すパックの正面図である。
【図3】図1および図2に示すパックの背面図である。
【図4】図1〜図3に示すパックの側面図である。
【図5】図1〜図4に示すパックの組み立てに用いられるブランクの概略図である。
【図6】図5の線A−A´に沿った部分断面図である。
【図7】図1〜図4に示すパック内の紙巻きタバコを梱包する設備を示す概略図である。
【図8】図7に示す設備に利用されるエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図9】図6に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図11】図10に示す本発明の第2の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図12】図10に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図13】本発明の第3の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図14】図13に示す本発明の第3の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図15】図13に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図16】本発明の第4の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図17】図16に示す本発明の第4の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図18】図16に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図19】本発明の第5の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図20】図19に示す本発明の第5の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図21】図19に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図22】本発明の第6の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図23】図22に示す本発明の第6の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図24】図22に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図25】本発明の第7の実施形態による紙巻きタバコのパックの、パックの蓋が閉じている時の前面の一側面から示す斜視図である。
【図26】図25のパックの蓋が開いている時を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施形態による蓋が押し上げ式構造である紙巻きタバコ用のパック1は図5に示すブランクから形成され、前部パネル2、後部パネル3、側部パネル4,5、底部パネル6、並びにヒンジ式蓋7を備える。これらの全ては、厚紙などの紙原料シート材料により形成された、図5に示すブランクの選択された一部を折って接着することによって形成される。
【0039】
パックは、側部パネル4,5と、前部パネル2および後部パネル3との間の接合部に沿って縦方向に延在する面取りされた縁部8を有する。
【0040】
蓋7は、傾斜側端部9および前端部10を有する。傾斜側端部9および前端部10は、閉鎖位置では蓋用のヒンジ線11よりも低く位置する。蓋が閉じられるときにきっちりと閉鎖されるように、前部パネル2および側部パネル4,5の上端12,13は、合致する形状に形成される。図1〜図4に示すように、パックは、細長いまたは非常に細長い紙巻きタバコを収容するために設計された細長いパックである。しかしながら、本発明は、このような寸法のパックに限定されず、多数の喫煙品を収容するように設計されるだけでなく、他の喫煙品のような、異なる大きさの紙巻きタバコ用のパックにも同様に適用可能である。当業界で周知のように、提示の実施形態では蓋7は傾斜して配置されており、蓋を開けたときに、紙巻きタバコを容易に取り出せる。
【0041】
厚紙などの紙原料シート材料から形成された内側フレーム(不図示)は、接着などによって、容器の開口部の上部の内側に取り付けられる。また、内側フレームには、紙巻きタバコを消費者が容易に取り出すための凹部が形成される。内側フレームは、前部パネルに隣接する面取りされた縁部8に沿って前部パネル2および側部パネル3,4の内側を抑制する形状である。これにより、内側フレームは、パックが閉じられるときに、前部パネル2および側部パネル4,5と同一範囲の外面と共に蓋7を支える詰物として機能する。内側フレームは、パックが閉じられたときに、蓋7を保持するストップとして機能する依存フランジを備える。
【0042】
前部パネル2および後部パネル3は、隆起した半球状である複数の円形の突起18を含む。突起18は、各パネル2,3のベース表面2a,3aから外側に(パネル2,3の裏面から測定された距離「t」だけ)突出する。これは、前部パネル2の一部の断面を示す図6および図9に、より明確に示される。突起18は、行列に配置され、前部パネル2および後部パネル3の表面領域の実質的に全体に形成される。突起18は、下記に詳述するように、(ブランク形状のときに)パネル2,3の表面をエンボス加工することによって形成される。ただし、他の技術を用いて例えば、突起位置間で厚紙材料を圧縮して、パネル2,3の平担な表面から突出する複数の半球を形成することができる。
【0043】
突起は、図6および図9に図示した例示的な実施形態では、約1.0〜1.5mmの直径d、前部パネル2および後部パネル3のベース表面2a,3aから測定した距離が約0.1〜0.2mmの高さhを有するが、本発明の範囲内で大きさおよび形状は変更可能である。各パネルの突起の数もまた、本発明の範囲内で変更可能である。すなわち、5〜2000個でもよく、10〜1000個が好ましく、50〜750個がより好ましい。突起18は、パックの外側の包装材をパネル2,3のベース表面2a,3aから浮かせて、包装材の表面と、パネルの表面2a,3aとの間に空隙を形成する。パックの梱包中、ブランクを組み立てて、喫煙品を内部に収容してパックを閉じると、パックは、通常ポリプロピレンからなる包装材に包装される。包装工程中、パックの中身を可能な限り乾燥させないように、パックを覆うポリプロピレン包装材を密封するのに発熱体が用いられる。パック包装が密封される工程は、他の方法でもよい。一工程では、パックは、ポリプロピレン包装材によって包装され、パックを覆う包装材を密封するために、包装材のつなぎ目の表面に発熱体が直接適用される。別の工程では、パックは、ポリプロピレン包装材によって包装され、次に、それが収縮してパックに適合するように、加熱ステーションを通過させて加熱する。しかしながら、両方の工程において、発熱体から生じた熱は、パックに収容された喫煙品に悪影響を及ぼすことがある。例えば、この熱は、タバコを乾燥させることがあり、水分蒸発により喫煙品の品質が低下し、賞味期限が短くなる。
【0044】
平面パネルを用いた従来のパックでは、発熱体から生じた熱は、パックのパネルを通って容易に伝導し、パック内部に収容された喫煙品に直接伝わる。これは主に、パネルが平坦であるためパネル全体の表面領域が包装材の表面と接触し、発熱体からの熱が、包装材を通ってパネル全体の表面に伝導し易いからである。しかしながら、本発明のパックでは、突起18が、包装材をパネルの表面から浮かせて、それらの間に空隙を形成する。この空隙により、包装材が接触するパネル全体の表面領域を著しく減少させる。それ故、使用する表面領域においてパックに伝導する熱は著しく減少し、包装材の表面と、突起18間におけるパネルのベース表面2a、3aとの間の空隙は、断熱用の空隙としてより一層機能する。この結果、発熱体および周囲環境からパックに伝わる熱は著しく減少する。したがって、パック内部に収容された喫煙品に伝わる熱も減少し、熱により、パックに収容された喫煙品の品質に何らかの悪影響が及ぼされることは著しく制限される。実施形態に記載された突起は、全て同じ高さであり、その数が十分であるため、包装材が取り付けられるパネル2,3のベース表面2a、3aから包装材を浮かせて、不連続面ではあるが効果的な面を形成する。さらに、複数の突起により形成された不連続面は、従来の紙巻きタバコ包装機を用いたパックの容易な包装に悪影響を及ぼさない。
【0045】
前述の突起18による断熱の恩恵に加えて、突起18はさらに、パックの外面をつかむための触感を与える。この触感を利用して消費者は、容易にパックをつかみ、蓋7を開けることができる。
【0046】
パックに用いられる厚紙は、215g/m2、さらには200g/m2などのより軽い材料が用いられてもよいが、180〜300g/m2、より標準的には、240g/m2を含む200〜280g/m2の重量でもよい。厚紙は、通常、0.3mmの厚さであり、エンボス加工により形成される突起の深さは、エンボス加工されない部分の厚紙の50%の厚さでもよい。
【0047】
ここで、パック内の巻きタバコを包装する方法を、図7および図8を参照して説明する。図7に示すマガジン20は、図5に実質的に示すが突起18が形成されてない複数のブランク1´を収容する。ブランク1´は、当業界で公知の方法により、前印刷および折り目線により予備成形される。個々のブランクは、前印刷済みのブランク1´に突起18がエンボス加工されるエンボス加工ステーション21に連続的に供給される。次に、ブランク1´は、供給された紙巻きタバコと共に、紙巻きタバコ包装機22に送り込まれる。紙巻きタバコ包装機22は、ブランク1´を折ってパック1を形成し、ホイルにより包装された紙巻きタバコをそれに充填する(図示せず)。
【0048】
包装機22は、パックを形成するために、当業界で公知の方法で動作し、図5に示すブランクを、平行な折り目線に沿って折りパックを形成する。ブランク1´は、ベースパネル部6´により接続された前部パネル部2´および後部パネル部3´を備える。蓋は、内側に折られて図1〜図4に示す蓋構造体を作る蓋上部24、蓋後部パネル25、蓋前部パネル26、および凹部フラップ28〜30を有する蓋パネル部7´から形成される。
【0049】
パックの側壁4,5は、前部パネル部2´および後部パネル部3´にそれぞれ従属するパネル部4´,4´´,5´,5´´から形成される。パックが折られると、パネル部4´,4´´,5´,5´´は、互いに重なり、共に接着されて側部パネル4,5を形成する。
【0050】
面取りされた縁部8は、平行な折り目線31,32に沿って折ることにより、領域8´から形成される。組み立てられると、蓋7は、ヒンジ線11に沿ってヒンジ式に開閉する。
【0051】
最初に、ブランクに、突起を含まない顧客および消費者情報を前印刷してもよい。これらのブランクは、次に、図8に示すエンボス加工具34を利用できるエンボス加工ステーション21に供給される。ここで、印刷済みブランク1´は、エンボス加工具34(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具34が矢印Aの方向に移動してブランク1´の面をエンボス加工する。加工具34は、最終的にブランクに形成される突起18と重なる一連のくぼみまたは凹部35を備える。加工具34がブランク1´に接触して下向きに押されると、ブランクに突起18がエンボス加工され、図1〜図6および図9に示す微細構造が形成される。
【0052】
次に、エンボス加工されたブランク1´は、前述した組み立ておよび紙巻きタバコの充填のために、図7に示す紙巻きタバコ包装機22に供給される。
【0053】
前述の例示では、突起は、パックの表面と包装材との間に断熱用の空隙を形成するようにパックのパネルの外面から外側に突出し、その結果、熱による喫煙品の劣化を防ぐという技術的価値を与えるように図示および説明される。しかしながら、パックの1つ以上のパネルの対応する内面から内側に突出する突起も本発明の範囲内に意図される。このような代替案を本発明の第2の実施形態として図10〜図12に示すが、これらの図は図5に示す第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク101´の一部を示すものである。ただし、図10および図12に示す第2の実施形態のブランク101´には、本発明の第1の実施形態のブランク1´とは反対側の面に突起118が形成される。それ故、第2の実施形態のブランク101´が折られて、紙巻きタバコのパックが形成されると、突起118は内側に突出し、パック内部に収容されるホイル包装された紙巻きタバコをパックの内面から浮かせる。これにより、ホイル包装された紙巻きタバコとパックの内面との間に断熱用の空隙を形成する。この断熱用の空隙は、パックのパネルからパック内部のホイル包装された紙巻きタバコへの熱の伝導を抑制する効果がある。この微細構造はそれ故、熱による喫煙品の劣化という前述の問題を解決する。
【0054】
第1の実施形態の突起18と同様に、第2の実施形態の突起118は、図11に示すエンボス加工具134を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク101´は、エンボス加工具134(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具134が矢印Aの方向に移動してブランク101´の面をエンボス加工する。加工具134は、最終的にブランク101´に形成される突起118と重なる一連のくぼみまたは凹部135を備える。加工具134がブランク101´に接触して上向きに押されると、ブランク101´に突起118がエンボス加工され、図10および図12に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第2の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0055】
図10〜図12に示す第2の実施形態では、内側に突出する突起118は、第1の実施形態で図示および説明した外側に突出する突起18の代わりに配置される。ただし、内側に突出する突起118が、外側に突出する突起18と共に設けられていてもよい。このような実施形態、つまり本発明の第3の実施形態を図13〜図15に示すが、これは、図5に示す第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク201´の一部を示すものである。ただし、図13および図15に示す第3の実施形態におけるブランク201´には、パックが折られて組み立てられたときに、パックの前部パネルおよび後部パネルの内側と外側との両側から突出する突起218をパックが備えるように、その両側に突起218が形成される。これは、外部熱源から紙巻きタバコを断熱する2つの空隙によるさらなる技術的価値を本発明の第3の実施形態に与える。この2つの空隙はすなわち、本発明の第1の実施形態と同様の、外側に突出する突起によって与えられる、包装材とパネル外側のベース表面との間の第1の空隙、および本発明の第2の実施形態と同様の、内側に突出する突起によって与えられる、パネル内側のベース表面とホイル包装された紙巻きタバコとの間の第2の空隙である。
【0056】
第1および第2の実施形態の突起18,118と同様に、第3の実施形態の突起218は、図14に示すエンボス加工具234を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク201´は、エンボス加工具234(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具234が矢印Aの方向に移動してブランク201´の両面をエンボス加工する。加工具234の2つの部分は、最終的にブランク201´に形成される突起218と重なる一連のくぼみまたは凹部235を備える。加工具234がブランク201´に接触して上向きおよび下向きそれぞれに押されると、ブランク201´の両側に突起218がエンボス加工され、図13および図15に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第3の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0057】
本発明の第2または第3のいずれの実施形態でも、突起は、前述の本発明の第1の実施形態の突起に準拠して、形状、外形、大きさ、および寸法を任意に変更可能である。さらに、第1の実施形態の外側に突出する突起に関する前述のエンボス加工または他の形成方法は、突起を備える本発明の第2または第3の実施形態の形成方法にも同様に適用できる。
【0058】
前述の本発明の第1〜第3のいずれの実施形態でも、パックの1つ以上のパネルは、その外面および/または内面から突出する突起を備える。ただしそれに代えて、本発明の範囲内に、本発明のパックの1つ以上のパネルが突起ではなく、へこみまたは凹面などの1つ以上のパネルの表面に形成された複数のくぼみを含んでもよいとみなすことができる。このような実施形態を本発明の第4の実施形態として図16〜図18に示すが、これらの図は図5に示す第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク301´の一部を示すものである。ただし、図16および図18に示す第4の実施形態のブランク301´では、突起の代わりに、その片側のパネルに複数のくぼみまたはへこみ318が形成される。この本発明の第4の実施形態もまた、外部熱源から紙巻きタバコを断熱する空隙による技術的価値を提供する。すなわち、複数のくぼみ318各々は、包装材とパネルの外面との間の小さな空洞域となる。くぼみ318に含まれる小さな個々の空洞域の全てが全体として、パックの外側からパックの内側の喫煙品に伝導する熱を抑制する効果的な断熱空洞域となる。これにより、本発明の第1〜第3の実施形態と同様に熱によるパック内部の喫煙品の劣化を最小限にできる。第4の実施形態のくぼみ318はさらに、パックの外面をつかむための触感を与え、これにより消費者は、パックを開けてその後の使用中に、そのパックの外面を容易につかみことができる。
【0059】
第1〜第3の実施形態の突起と同様に、くぼみ318としてここに示す第4の実施形態の凹部は、図17に示すエンボス加工具334を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク301´は、エンボス加工具334(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具334が矢印Aの方向に移動してブランク301´の面をエンボス加工する。加工具334は、最終的にブランク301´に形成されるくぼみ318と重なる一連の半球または突起335を備える。加工具334がブランク301´に接触して下向きに押されると、ブランク301´にくぼみ318がエンボス加工され、図16および図18に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第4の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0060】
前述の第4の実施形態では、くぼみは、パックのパネルの外面から内側に形成されることにより、パックの表面と包装材との間に個々の断熱用の空隙または空洞域を形成し、熱による喫煙品の劣化を防ぐという技術的価値を与えるように図示および説明される。ただし、本発明の範囲にはくぼみが、パックのパネルの1つ以上の内面に形成されることが含まれる。このような代替案を本発明の第5の実施形態として図19〜図21に示すが、これらの図は第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク401´の一部を示すものである。ただし、図19および図21に示す第5の実施形態のブランク401´では、突起の代わりに、複数のくぼみまたは凹部418が形成される。また、くぼみは、第5の実施形態のブランク401´では略円形の凹面状418で、本発明の第4の実施形態のブランク301´とは反対側に形成される。それ故、第5の実施形態のブランク401´が折られて、紙巻きタバコのパックが形成されると、くぼみ418は、パックのパネルの内面に存在し、パック内部に収容されるホイル包装された紙巻きタバコと、パックの内面との間の個々の空洞域となる。これらの断熱空洞域は、パックのパネルからパック内部のホイル包装された紙巻きタバコへの熱の伝導を抑制する効果がある。この微細構造はそれ故、熱による喫煙品の劣化という前述の問題を解決する。
【0061】
第4の実施形態のくぼみ318と同様に、第5の実施形態のくぼみ418は、図20に示すエンボス加工具434を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク401´は、エンボス加工具434(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具434が矢印Aの方向に移動してブランク401´の面をエンボス加工する。加工具434は、最終的にブランク401´に形成されるくぼみ418と重なる一連の半球または突起435を備える。加工具434がブランク401´に接触して上向きに押されると、ブランク401´に突起418がエンボス加工され、図19および図21に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第5の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0062】
図19〜図21に示す第5の実施形態では、図16〜図18の第4の実施形態に図示および説明したパックの外側におけるくぼみ318の代わりに、パックの内側にくぼみ418が形成される。ただし、へこみなどのくぼみが、パックの外面と共にパックの内面に設けられていてもよい。このような実施形態、つまり本発明の第6の実施形態を図22〜図24に示すが、これは、第4および第5の実施形態のブランク301´および401´に類似するブランク501´の一部を示すものである。ただし、図22および図24に示す第6の実施形態におけるブランク501´には、パックが折られて組み立てられたときに、パネルの内面および外面の両方に形成されたへこみ形状のくぼみをパックが備えるように、その両側にくぼみ518が形成される。これは、外部熱源から紙巻きタバコを断熱する分離した複数の断熱空洞域を2組持つことによるさらなる技術的価値を本発明の第6の実施形態に与える。この2組の分離した空洞域はすなわち、本発明の第4の実施形態と同様の、パックのパネルの外面におけるくぼみ518によって与えられる、包装材とパネルの外面との間の第1の分離した空洞域、および本発明の第5の実施形態と同様の、パックのパネルの内面におけるくぼみ518によって与えられる、パネルの内面とホイル包装された紙巻きタバコとの間の第2の分離した空洞域である。
【0063】
第4および第5の実施形態の突起318,418と同様に、第6の実施形態のくぼみ518は、図23に示すエンボス加工具534を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク501´は、エンボス加工具534(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具534が矢印Aの方向に移動してブランク501´の面をエンボス加工する。加工具534の2つの部分は、最終的にブランク501´の両側に形成されるくぼみまたは凹部518と重なる一連の半球または突起535を備える。加工具534の2つの部分がブランク501´に接触して上向きおよび下向きそれぞれに押されると、ブランク501´の両側にくぼみ518がエンボス加工され、図22および図24に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第6の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0064】
本発明の第4〜第6のいずれの実施形態でも、くぼみは、本発明の範囲内で形状、外形、および大きさを変更可能である。例示的な実施形態では、図16、図18、図19、図21、図22、および図24に示すくぼみは、約1.0〜1.5mmの直径d、前部パネルおよび後部パネルのエンボス加工されていないベース表面から測定した距離が約0.1〜0.2mmの深さhを有する。パネルの厚さは、本発明の範囲内で変更可能であるが、通常、エンボス加工されていないパネルの厚さtは、約0.3mmである。各パネルにおけるくぼみの数も、本発明の範囲内で変更可能であるが、5〜2000個でもよく、10〜1000個が好ましく、50〜750個がより好ましい。
【0065】
図25および図26に示す本発明の第7の実施形態は、図1〜図4に示す第1の実施形態と概ね同じであり、同様の特性を有する部材には同一の参照番号が記載される。厚紙などの紙原料シート材料からなる内側フレーム15は、接着などによって、パックの開口部の上部の内側に取り付けられ、紙巻きタバコを消費者が容易に取り出すための凹部16を備える。内側フレーム15は、前部パネルに隣接する面取りされた縁部8に沿って前部パネル2および側部パネル4,5の内側を抑制する形状である。これにより、内側フレームは、パックが閉じられるときに、前部パネル2および側部パネル4,5と同一範囲の外面と共に蓋7を支える詰物として機能する。内側フレーム15は、パックが閉じられたときに、蓋7を保持するストップとして機能する依存フランジ(不図示)を備える。ただし、図25および図26に示す第7の実施形態は、以下の点で図1〜図4に示す第1の実施形態とは異なる。すなわち、前部パネル2は、蓋7が閉じられたときに内側フレーム15の一部を露出する上端13に切り出しまたは凹部17を備える。内側フレーム15の露出部は、マークまたは図形が印刷されていてもよい。さらに、内側フレーム15の凹部16は、前部パネル2の切り出しまたは凹部17の上側に配置される。内側フレーム15の凹部16により紙巻きタバコ上部の表面領域が大きく露出され、紙巻きタバコを容易につかめる。これにより、消費者は、パックから紙巻きタバコを容易に取り出せる。
【0066】
前述のパックの多くの変更および変形が、本発明の範囲内に含まれる。例えば、突起またはくぼみの数、およびパックの前部パネルおよび後部パネルにおける突起またはくぼみの配置は変更可能である。また、前部パネルの全てに突起またはくぼみが形成される必要は無く、それどころか、突起またはくぼみは、前述の利点を与えるように1つ以上のパネルの別々の領域に形成されていてもよい。
【0067】
さらに、突起またはくぼみの正確な直径dおよび高さhは、本発明の範囲内で変更可能である。突起またはくぼみは、円形に示したが、例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形などの種々の他の形状の突起またはくぼみも同様に適用可能である。さらに、突起またはくぼみの全てが、そのパックにおいて同一の大きさおよび/または形状である必要は無く、1つ以上のパネル全域で異なってもよい。このように変形した突起もまた、前述の円形の突起を備える本発明の実施形態による前述の技術的価値を与える隆起した外面および触感のある表面を有するパックを形成する。さらに、このように変形したくぼみもまた、前述の円形のくぼみを有する本発明の実施形態による前述の技術的価値を与える個々の断熱空洞域および触感のある表面を有するパックを形成する。
【0068】
さらに、前述のパックは、面取りされた縁部を有するが、この端部は、長方形または曲面など別の形状でもよい。
【0069】
例示の実施形態において図示および説明したパックは、細長いまたは非常に細長い紙巻きタバコを収容するように設計された細長いパックである。ただし、本発明は、このような寸法を有するパックには限定されず、キングサイズ紙巻きタバコ20本を収容する一般的な設計のキングサイズ紙巻きタバコ用の標準のパックサイズを含む、任意の他の形状のパックにも同様に適用できる。
【0070】
また、エンボス加工ステーションにおけるエンボス加工具は、回転式エンボス加工装置でもよく、突起またはくぼみの形成にエンボス加工を必要としない他の方法は当業者に明らかである。
【0071】
また、エンボス加工ステーションを必要としないように、マガジンに保持されているブランクが突起またはくぼみを既に備えるように、ブランク形成時に、突起またはくぼみを予備成形してもよい。
【0072】
前述の例示では、突起またはくぼみは、前部パネルおよび後部パネルの両方に形成される。ただし、これらは、前部パネルまたは後部パネルのいずれかのみ、または蓋に加えてベースパネルおよび/または側部パネルに形成されてもよい。または、その任意の組み合わせでもよい。
【0073】
第1の実施形態に関連する前述の厚紙の重量および寸法のいずれも、本発明の第2〜第7の実施形態に同様に適用できる。
【0074】
本発明は、蓋が押し上げ式構造のパックに関して記述したが、蓋が押し上げ式構造の紙巻きタバコ用のパックを複数保持する容器などの、必ずしも蓋を必要としない他の喫煙品用のパックにも適用できる。
【0075】
多くの他の変更および変形が、下記の請求項の範囲内に収まることは明らかである。
【0076】
この開示の全体(「カバーページ」、「発明の名称」、「項目」、「技術分野」、「背景技術」、「発明の概要」、「図面の簡単な説明」、「発明を実施するための形態」、「請求項」、「要約」、「図面」、および他の項目を含む)は、クレームされた発明を実施し得る例示的な種々の実施形態により説明される。開示における利点および特長は、実施形態のみの典型的な実例であり、包括的および/または排他的ではない。これらは、クレームされた原理の理解および教示のためにのみ提示される。これらが、クレームされた全ての発明の典型例ではないことはいうまでもない。このように、開示の特定の局面は、本明細書に記載されない。それらの別の実施形態は本発明の特定の一部としては提示されていないかもしれず、また記述されていない別のさらなる実施形態が本発明の一部として有効であるかもしれないので、これらの別の実施形態を放棄するとみなすべきではない。多くのこれらの記述されない実施形態が、本発明と同一の原理を組み入れ、他の形態も同等であることは当然である。それ故、他の実施形態を利用でき、機能的、論理的、組織的、構造的、および/または形態的な変更が、開示の範囲および/または精神から逸脱することなく達成されることが理解される。このように、全ての例示および/または実施形態は、この開示全体を制限しないように考慮される。また、紙面および繰り返しを低減する目的以外では、本明細書に記載しない実施形態に関連する本明細書に記載される実施形態についての推理はされないべきである。例えば、図面および/または明細書全体に提示された任意の部品、他の部品および/または任意の提示した特性のある装置の任意の組み合わせによる構造は、固定された順序および/または配置に限定されず、むしろ、任意の開示した順序が例示であり、全ての均等物が、順序にかかわらずに、開示により意図されることが理解される。このように、これらの特長の一部は、これらが単一の実施形態において同時に提示されないという点で相互に矛盾し得る。同様に、一部の特長は、本発明の一態様に適用可能であるが、他には適用されない。さらに、この開示は、現在クレームされていない他の発明を含む。出願人は、このような発明、追加出願、継続出願、一部継続出願、分割出願、および/または同類のものを請求する権利を含む、現在クレームされていない発明における全ての権利を保留する。このように、利点、実施形態、例示、機能、特長、論理、組織、構造、形態、および/または開示の他の態様が、請求項または請求項の均等物の限定により定義されるように、開示による限定解釈をすべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に紙巻きタバコなどの喫煙品用のパックに関するが、それには限定されない。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどの喫煙品用の従来のパックは、厚紙などのブランクを用いて組み立てられる。これは、対向する側部パネルに接続された前部パネルおよび後部パネル、底部パネル、および蓋を備える。通常、このようなパックの表面は平坦である。蓋は、いわゆる押し上げ式構造により構成されてもよい。製造および梱包工程中、ポリプロピレンなどの透明なビニール包装を用いたパックの包装を伴う梱包工程の一段階でパックが加熱される。この包装は、包装材を加熱してパックの包装材を収縮包装するために、パックの表面上の包装材に押し付けられた発熱体、または発熱体を含む加熱ステーションにパック全体を通過させることによって、適切な位置で密封される。
【0003】
従来のパックの製造および梱包工程中、特にタバコを含む喫煙品は、パックに加えられる熱(例えば、包装材の密封により生じる熱など)により悪影響を受けることがある。この熱は、パック内部における喫煙品の水分蒸発、品質低下、および賞味期限の短縮を含む、喫煙品に悪影響を及ぼすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のパックの別の問題点は、パックの平坦な壁のために、消費者が、パックを開けてその後の使用中に、そのパックをつかみにくいことである。
【0005】
それ故、本発明の目的は、前述した問題を実質的に解決または克服する喫煙品用のパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、複数の平面パネルを備える喫煙品用のパックが提供される。このパネルの少なくとも1つは、そ(れら)のパネルの一表面から外側に延在する複数の微細構造を含む。
【0007】
このパックは、対向する側部パネルに接続された前部パネルおよび後部パネル、底部パネル、および上部パネルを備える。前部パネルおよび/または後部パネルの少なくともいずれかは、複数の微細構造を含んでもよい。
【0008】
前部パネルおよび後部パネルの両方が、前述の微細構造を含んでもよく、かつ/または側部パネルが、前述の微細構造を含んでもよい。さらに、上部パネルが、前述の微細構造を含んでもよく、かつ/または底部パネルが、前述の微細構造を含んでもよい。
【0009】
上部パネルは、蓋を備えてもよい。蓋は、押し上げ式の蓋でもよい。
【0010】
この微細構造は、エンボス加工により形成されてもよい。パックは、シート材料から組み立てられてもよい。この微細構造は、シート材料の厚み中に形成されてもよい。シート材料は、厚紙を含んでもよい。
【0011】
この微細構造は、1つ以上のパネルの表面領域の実質的に全体に形成されてもよい。または、1つ以上のパネルの表面領域の一部のみに形成されてもよい。
【0012】
この複数の微細構造は、そ(れら)のパネルの表面から突出する突起を備えてもよい。突起は、1つ以上のパネルの対応する外面、1つ以上のパネルの対応する内面、または1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方から突出してもよい。
【0013】
各パネルは、5〜2000個の突起を備えてもよく、10〜1000個の突起を備えてもよく、また50〜750個の突起を備えてもよい。
【0014】
全ての突起は、同一の間隔をおいて1つ以上のパネルの表面から突出してもよい。突起は、略円形の凸形状でもよい。
【0015】
突起は、1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で配置されてもよい。
【0016】
パックは、前述の突起によってパックの1つ以上のパネルの表面との隙間を介した外側包装材をさらに含んでもよい。
【0017】
複数の微細構造は、そ(れら)のパネルの表面に形成されるくぼみをさらに備えてもよい。くぼみは、1つ以上のパネルの対応する外面、1つ以上のパネルの対応する内面、または1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方に形成されてもよい。
【0018】
そ(れら)のパネルは、5〜2000個のくぼみを含んでもよく、10〜1000個のくぼみを含んでもよく、また50〜750個のくぼみを含んでもよい。
【0019】
全てのくぼみは、同一の間隔をおいて1つ以上のパネルの表面に形成されてもよい。くぼみは、略円形の凹形状でもよい。
【0020】
くぼみは、1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で形成されてもよい。
【0021】
パックは、パックの内部に内側フレームをさらに含んでもよい。パックは、内側フレームの一部を露出する切り欠き部を含む前部パネルを備えてもよい。内側フレームの露出部は、マークまたは図形が印刷されていてもよい。
【0022】
パックの前端部は、斜面、曲面、または直角でもよい。
【0023】
パックは、紙巻きタバコを含む喫煙品を収容できる。
【0024】
パックは、複数のパネルの1つ以上に形成された、前述の突起およびくぼみの両方を含んでもよい。
【0025】
本発明は、複数の平面パネル部を備える、喫煙品用のパックを組み立てるためのブランクをさらに提供する。少なくとも1つのパネル部は、そ(れら)のパネル部の一表面から外側に延在する複数の微細構造を含む。
【0026】
ブランクは、前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えてもよい。前部パネル部および/または後部パネル部の少なくともいずれかは、複数の微細構造を含んでもよい。
【0027】
複数の微細構造は、そ(れら)のパネル部の面から突出する突起を含んでもよく、かつ/またはそ(れら)のパネル部の面に形成されるくぼみを含んでもよい。
【0028】
本発明は、複数の平面パネル部を備えるブランクから喫煙品用のパックを組み立てる方法をさらに提供する。この方法は、少なくとも1つのパネル部において、そ(れら)のパネル部の一表面から外側に延在する複数の微細構造を形成することを含む。
【0029】
この方法は、微細構造を形成するための、ブランクのエンボス加工をさらに含む。
【0030】
この方法は、前述の微細構造を形成するために、マガジンから供給されるその連続的なブランクをエンボス加工ステーションに供給すること、および紙巻きタバコを充填するパックを形成するために、エンボス加工されたブランクを紙巻きタバコ包装機に供給することをさらに含んでもよい。
【0031】
この方法では、ブランクは、前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備え得る。この微細構造は、そ(れら)のパネル部の表面から突出する突起を含んでもよい。
【0032】
この方法は、パックが紙巻きタバコで充填された後に、外側包装材内にパックを包装すること、発熱体の熱を利用してパック上の包装材を密封すること、包装材をパックの表面から浮かせる複数の突起によって包装材とパックの表面との間に複数の空隙を形成することを含んでもよい。
【0033】
この方法では、ブランクは、前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備え得る。この微細構造は、そ(れら)のパネル部の面に形成されるくぼみを含んでもよい。
【0034】
この方法は、パックが紙巻きタバコで充填された後に、外側包装材内にパックを包装すること、発熱体の熱を利用してパック上の包装材を密封すること、包装材をパックの表面から浮かせる複数のくぼみ内部に、包装材とパックの表面との間の複数の空隙を形成することを含んでもよい。
【0035】
本明細書に用いられる用語「喫煙品」は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、またはタバコ代替え品、および非燃焼熱製品をベースにした紙巻きタバコ、シガー、シガリロなどの喫煙可能な製品を含むが、これらに限定されない。喫煙品には、喫煙者によって吸引される気体流用のフィルタが設けられている場合がある。
【0036】
本発明をより完全に理解するために、下記の添付図面を参照する図示した例示のみを用いて本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態による紙巻きタバコのパックの、パックの蓋が閉じている時の前面の一側面から示す概略斜視図である。
【図2】図1に示すパックの正面図である。
【図3】図1および図2に示すパックの背面図である。
【図4】図1〜図3に示すパックの側面図である。
【図5】図1〜図4に示すパックの組み立てに用いられるブランクの概略図である。
【図6】図5の線A−A´に沿った部分断面図である。
【図7】図1〜図4に示すパック内の紙巻きタバコを梱包する設備を示す概略図である。
【図8】図7に示す設備に利用されるエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図9】図6に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図11】図10に示す本発明の第2の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図12】図10に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図13】本発明の第3の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図14】図13に示す本発明の第3の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図15】図13に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図16】本発明の第4の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図17】図16に示す本発明の第4の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図18】図16に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図19】本発明の第5の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図20】図19に示す本発明の第5の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図21】図19に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図22】本発明の第6の実施形態のブランクを示す、図6と同様の部分断面図である。
【図23】図22に示す本発明の第6の実施形態のブランクの形成に用いられる、図8と同様のエンボス加工ステーションを示す概略図である。
【図24】図22に示すブランクの断面を部分的に示す拡大図である。
【図25】本発明の第7の実施形態による紙巻きタバコのパックの、パックの蓋が閉じている時の前面の一側面から示す斜視図である。
【図26】図25のパックの蓋が開いている時を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施形態による蓋が押し上げ式構造である紙巻きタバコ用のパック1は図5に示すブランクから形成され、前部パネル2、後部パネル3、側部パネル4,5、底部パネル6、並びにヒンジ式蓋7を備える。これらの全ては、厚紙などの紙原料シート材料により形成された、図5に示すブランクの選択された一部を折って接着することによって形成される。
【0039】
パックは、側部パネル4,5と、前部パネル2および後部パネル3との間の接合部に沿って縦方向に延在する面取りされた縁部8を有する。
【0040】
蓋7は、傾斜側端部9および前端部10を有する。傾斜側端部9および前端部10は、閉鎖位置では蓋用のヒンジ線11よりも低く位置する。蓋が閉じられるときにきっちりと閉鎖されるように、前部パネル2および側部パネル4,5の上端12,13は、合致する形状に形成される。図1〜図4に示すように、パックは、細長いまたは非常に細長い紙巻きタバコを収容するために設計された細長いパックである。しかしながら、本発明は、このような寸法のパックに限定されず、多数の喫煙品を収容するように設計されるだけでなく、他の喫煙品のような、異なる大きさの紙巻きタバコ用のパックにも同様に適用可能である。当業界で周知のように、提示の実施形態では蓋7は傾斜して配置されており、蓋を開けたときに、紙巻きタバコを容易に取り出せる。
【0041】
厚紙などの紙原料シート材料から形成された内側フレーム(不図示)は、接着などによって、容器の開口部の上部の内側に取り付けられる。また、内側フレームには、紙巻きタバコを消費者が容易に取り出すための凹部が形成される。内側フレームは、前部パネルに隣接する面取りされた縁部8に沿って前部パネル2および側部パネル3,4の内側を抑制する形状である。これにより、内側フレームは、パックが閉じられるときに、前部パネル2および側部パネル4,5と同一範囲の外面と共に蓋7を支える詰物として機能する。内側フレームは、パックが閉じられたときに、蓋7を保持するストップとして機能する依存フランジを備える。
【0042】
前部パネル2および後部パネル3は、隆起した半球状である複数の円形の突起18を含む。突起18は、各パネル2,3のベース表面2a,3aから外側に(パネル2,3の裏面から測定された距離「t」だけ)突出する。これは、前部パネル2の一部の断面を示す図6および図9に、より明確に示される。突起18は、行列に配置され、前部パネル2および後部パネル3の表面領域の実質的に全体に形成される。突起18は、下記に詳述するように、(ブランク形状のときに)パネル2,3の表面をエンボス加工することによって形成される。ただし、他の技術を用いて例えば、突起位置間で厚紙材料を圧縮して、パネル2,3の平担な表面から突出する複数の半球を形成することができる。
【0043】
突起は、図6および図9に図示した例示的な実施形態では、約1.0〜1.5mmの直径d、前部パネル2および後部パネル3のベース表面2a,3aから測定した距離が約0.1〜0.2mmの高さhを有するが、本発明の範囲内で大きさおよび形状は変更可能である。各パネルの突起の数もまた、本発明の範囲内で変更可能である。すなわち、5〜2000個でもよく、10〜1000個が好ましく、50〜750個がより好ましい。突起18は、パックの外側の包装材をパネル2,3のベース表面2a,3aから浮かせて、包装材の表面と、パネルの表面2a,3aとの間に空隙を形成する。パックの梱包中、ブランクを組み立てて、喫煙品を内部に収容してパックを閉じると、パックは、通常ポリプロピレンからなる包装材に包装される。包装工程中、パックの中身を可能な限り乾燥させないように、パックを覆うポリプロピレン包装材を密封するのに発熱体が用いられる。パック包装が密封される工程は、他の方法でもよい。一工程では、パックは、ポリプロピレン包装材によって包装され、パックを覆う包装材を密封するために、包装材のつなぎ目の表面に発熱体が直接適用される。別の工程では、パックは、ポリプロピレン包装材によって包装され、次に、それが収縮してパックに適合するように、加熱ステーションを通過させて加熱する。しかしながら、両方の工程において、発熱体から生じた熱は、パックに収容された喫煙品に悪影響を及ぼすことがある。例えば、この熱は、タバコを乾燥させることがあり、水分蒸発により喫煙品の品質が低下し、賞味期限が短くなる。
【0044】
平面パネルを用いた従来のパックでは、発熱体から生じた熱は、パックのパネルを通って容易に伝導し、パック内部に収容された喫煙品に直接伝わる。これは主に、パネルが平坦であるためパネル全体の表面領域が包装材の表面と接触し、発熱体からの熱が、包装材を通ってパネル全体の表面に伝導し易いからである。しかしながら、本発明のパックでは、突起18が、包装材をパネルの表面から浮かせて、それらの間に空隙を形成する。この空隙により、包装材が接触するパネル全体の表面領域を著しく減少させる。それ故、使用する表面領域においてパックに伝導する熱は著しく減少し、包装材の表面と、突起18間におけるパネルのベース表面2a、3aとの間の空隙は、断熱用の空隙としてより一層機能する。この結果、発熱体および周囲環境からパックに伝わる熱は著しく減少する。したがって、パック内部に収容された喫煙品に伝わる熱も減少し、熱により、パックに収容された喫煙品の品質に何らかの悪影響が及ぼされることは著しく制限される。実施形態に記載された突起は、全て同じ高さであり、その数が十分であるため、包装材が取り付けられるパネル2,3のベース表面2a、3aから包装材を浮かせて、不連続面ではあるが効果的な面を形成する。さらに、複数の突起により形成された不連続面は、従来の紙巻きタバコ包装機を用いたパックの容易な包装に悪影響を及ぼさない。
【0045】
前述の突起18による断熱の恩恵に加えて、突起18はさらに、パックの外面をつかむための触感を与える。この触感を利用して消費者は、容易にパックをつかみ、蓋7を開けることができる。
【0046】
パックに用いられる厚紙は、215g/m2、さらには200g/m2などのより軽い材料が用いられてもよいが、180〜300g/m2、より標準的には、240g/m2を含む200〜280g/m2の重量でもよい。厚紙は、通常、0.3mmの厚さであり、エンボス加工により形成される突起の深さは、エンボス加工されない部分の厚紙の50%の厚さでもよい。
【0047】
ここで、パック内の巻きタバコを包装する方法を、図7および図8を参照して説明する。図7に示すマガジン20は、図5に実質的に示すが突起18が形成されてない複数のブランク1´を収容する。ブランク1´は、当業界で公知の方法により、前印刷および折り目線により予備成形される。個々のブランクは、前印刷済みのブランク1´に突起18がエンボス加工されるエンボス加工ステーション21に連続的に供給される。次に、ブランク1´は、供給された紙巻きタバコと共に、紙巻きタバコ包装機22に送り込まれる。紙巻きタバコ包装機22は、ブランク1´を折ってパック1を形成し、ホイルにより包装された紙巻きタバコをそれに充填する(図示せず)。
【0048】
包装機22は、パックを形成するために、当業界で公知の方法で動作し、図5に示すブランクを、平行な折り目線に沿って折りパックを形成する。ブランク1´は、ベースパネル部6´により接続された前部パネル部2´および後部パネル部3´を備える。蓋は、内側に折られて図1〜図4に示す蓋構造体を作る蓋上部24、蓋後部パネル25、蓋前部パネル26、および凹部フラップ28〜30を有する蓋パネル部7´から形成される。
【0049】
パックの側壁4,5は、前部パネル部2´および後部パネル部3´にそれぞれ従属するパネル部4´,4´´,5´,5´´から形成される。パックが折られると、パネル部4´,4´´,5´,5´´は、互いに重なり、共に接着されて側部パネル4,5を形成する。
【0050】
面取りされた縁部8は、平行な折り目線31,32に沿って折ることにより、領域8´から形成される。組み立てられると、蓋7は、ヒンジ線11に沿ってヒンジ式に開閉する。
【0051】
最初に、ブランクに、突起を含まない顧客および消費者情報を前印刷してもよい。これらのブランクは、次に、図8に示すエンボス加工具34を利用できるエンボス加工ステーション21に供給される。ここで、印刷済みブランク1´は、エンボス加工具34(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具34が矢印Aの方向に移動してブランク1´の面をエンボス加工する。加工具34は、最終的にブランクに形成される突起18と重なる一連のくぼみまたは凹部35を備える。加工具34がブランク1´に接触して下向きに押されると、ブランクに突起18がエンボス加工され、図1〜図6および図9に示す微細構造が形成される。
【0052】
次に、エンボス加工されたブランク1´は、前述した組み立ておよび紙巻きタバコの充填のために、図7に示す紙巻きタバコ包装機22に供給される。
【0053】
前述の例示では、突起は、パックの表面と包装材との間に断熱用の空隙を形成するようにパックのパネルの外面から外側に突出し、その結果、熱による喫煙品の劣化を防ぐという技術的価値を与えるように図示および説明される。しかしながら、パックの1つ以上のパネルの対応する内面から内側に突出する突起も本発明の範囲内に意図される。このような代替案を本発明の第2の実施形態として図10〜図12に示すが、これらの図は図5に示す第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク101´の一部を示すものである。ただし、図10および図12に示す第2の実施形態のブランク101´には、本発明の第1の実施形態のブランク1´とは反対側の面に突起118が形成される。それ故、第2の実施形態のブランク101´が折られて、紙巻きタバコのパックが形成されると、突起118は内側に突出し、パック内部に収容されるホイル包装された紙巻きタバコをパックの内面から浮かせる。これにより、ホイル包装された紙巻きタバコとパックの内面との間に断熱用の空隙を形成する。この断熱用の空隙は、パックのパネルからパック内部のホイル包装された紙巻きタバコへの熱の伝導を抑制する効果がある。この微細構造はそれ故、熱による喫煙品の劣化という前述の問題を解決する。
【0054】
第1の実施形態の突起18と同様に、第2の実施形態の突起118は、図11に示すエンボス加工具134を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク101´は、エンボス加工具134(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具134が矢印Aの方向に移動してブランク101´の面をエンボス加工する。加工具134は、最終的にブランク101´に形成される突起118と重なる一連のくぼみまたは凹部135を備える。加工具134がブランク101´に接触して上向きに押されると、ブランク101´に突起118がエンボス加工され、図10および図12に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第2の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0055】
図10〜図12に示す第2の実施形態では、内側に突出する突起118は、第1の実施形態で図示および説明した外側に突出する突起18の代わりに配置される。ただし、内側に突出する突起118が、外側に突出する突起18と共に設けられていてもよい。このような実施形態、つまり本発明の第3の実施形態を図13〜図15に示すが、これは、図5に示す第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク201´の一部を示すものである。ただし、図13および図15に示す第3の実施形態におけるブランク201´には、パックが折られて組み立てられたときに、パックの前部パネルおよび後部パネルの内側と外側との両側から突出する突起218をパックが備えるように、その両側に突起218が形成される。これは、外部熱源から紙巻きタバコを断熱する2つの空隙によるさらなる技術的価値を本発明の第3の実施形態に与える。この2つの空隙はすなわち、本発明の第1の実施形態と同様の、外側に突出する突起によって与えられる、包装材とパネル外側のベース表面との間の第1の空隙、および本発明の第2の実施形態と同様の、内側に突出する突起によって与えられる、パネル内側のベース表面とホイル包装された紙巻きタバコとの間の第2の空隙である。
【0056】
第1および第2の実施形態の突起18,118と同様に、第3の実施形態の突起218は、図14に示すエンボス加工具234を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク201´は、エンボス加工具234(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具234が矢印Aの方向に移動してブランク201´の両面をエンボス加工する。加工具234の2つの部分は、最終的にブランク201´に形成される突起218と重なる一連のくぼみまたは凹部235を備える。加工具234がブランク201´に接触して上向きおよび下向きそれぞれに押されると、ブランク201´の両側に突起218がエンボス加工され、図13および図15に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第3の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0057】
本発明の第2または第3のいずれの実施形態でも、突起は、前述の本発明の第1の実施形態の突起に準拠して、形状、外形、大きさ、および寸法を任意に変更可能である。さらに、第1の実施形態の外側に突出する突起に関する前述のエンボス加工または他の形成方法は、突起を備える本発明の第2または第3の実施形態の形成方法にも同様に適用できる。
【0058】
前述の本発明の第1〜第3のいずれの実施形態でも、パックの1つ以上のパネルは、その外面および/または内面から突出する突起を備える。ただしそれに代えて、本発明の範囲内に、本発明のパックの1つ以上のパネルが突起ではなく、へこみまたは凹面などの1つ以上のパネルの表面に形成された複数のくぼみを含んでもよいとみなすことができる。このような実施形態を本発明の第4の実施形態として図16〜図18に示すが、これらの図は図5に示す第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク301´の一部を示すものである。ただし、図16および図18に示す第4の実施形態のブランク301´では、突起の代わりに、その片側のパネルに複数のくぼみまたはへこみ318が形成される。この本発明の第4の実施形態もまた、外部熱源から紙巻きタバコを断熱する空隙による技術的価値を提供する。すなわち、複数のくぼみ318各々は、包装材とパネルの外面との間の小さな空洞域となる。くぼみ318に含まれる小さな個々の空洞域の全てが全体として、パックの外側からパックの内側の喫煙品に伝導する熱を抑制する効果的な断熱空洞域となる。これにより、本発明の第1〜第3の実施形態と同様に熱によるパック内部の喫煙品の劣化を最小限にできる。第4の実施形態のくぼみ318はさらに、パックの外面をつかむための触感を与え、これにより消費者は、パックを開けてその後の使用中に、そのパックの外面を容易につかみことができる。
【0059】
第1〜第3の実施形態の突起と同様に、くぼみ318としてここに示す第4の実施形態の凹部は、図17に示すエンボス加工具334を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク301´は、エンボス加工具334(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具334が矢印Aの方向に移動してブランク301´の面をエンボス加工する。加工具334は、最終的にブランク301´に形成されるくぼみ318と重なる一連の半球または突起335を備える。加工具334がブランク301´に接触して下向きに押されると、ブランク301´にくぼみ318がエンボス加工され、図16および図18に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第4の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0060】
前述の第4の実施形態では、くぼみは、パックのパネルの外面から内側に形成されることにより、パックの表面と包装材との間に個々の断熱用の空隙または空洞域を形成し、熱による喫煙品の劣化を防ぐという技術的価値を与えるように図示および説明される。ただし、本発明の範囲にはくぼみが、パックのパネルの1つ以上の内面に形成されることが含まれる。このような代替案を本発明の第5の実施形態として図19〜図21に示すが、これらの図は第1の実施形態のブランク1´に類似するブランク401´の一部を示すものである。ただし、図19および図21に示す第5の実施形態のブランク401´では、突起の代わりに、複数のくぼみまたは凹部418が形成される。また、くぼみは、第5の実施形態のブランク401´では略円形の凹面状418で、本発明の第4の実施形態のブランク301´とは反対側に形成される。それ故、第5の実施形態のブランク401´が折られて、紙巻きタバコのパックが形成されると、くぼみ418は、パックのパネルの内面に存在し、パック内部に収容されるホイル包装された紙巻きタバコと、パックの内面との間の個々の空洞域となる。これらの断熱空洞域は、パックのパネルからパック内部のホイル包装された紙巻きタバコへの熱の伝導を抑制する効果がある。この微細構造はそれ故、熱による喫煙品の劣化という前述の問題を解決する。
【0061】
第4の実施形態のくぼみ318と同様に、第5の実施形態のくぼみ418は、図20に示すエンボス加工具434を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク401´は、エンボス加工具434(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具434が矢印Aの方向に移動してブランク401´の面をエンボス加工する。加工具434は、最終的にブランク401´に形成されるくぼみ418と重なる一連の半球または突起435を備える。加工具434がブランク401´に接触して上向きに押されると、ブランク401´に突起418がエンボス加工され、図19および図21に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第5の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0062】
図19〜図21に示す第5の実施形態では、図16〜図18の第4の実施形態に図示および説明したパックの外側におけるくぼみ318の代わりに、パックの内側にくぼみ418が形成される。ただし、へこみなどのくぼみが、パックの外面と共にパックの内面に設けられていてもよい。このような実施形態、つまり本発明の第6の実施形態を図22〜図24に示すが、これは、第4および第5の実施形態のブランク301´および401´に類似するブランク501´の一部を示すものである。ただし、図22および図24に示す第6の実施形態におけるブランク501´には、パックが折られて組み立てられたときに、パネルの内面および外面の両方に形成されたへこみ形状のくぼみをパックが備えるように、その両側にくぼみ518が形成される。これは、外部熱源から紙巻きタバコを断熱する分離した複数の断熱空洞域を2組持つことによるさらなる技術的価値を本発明の第6の実施形態に与える。この2組の分離した空洞域はすなわち、本発明の第4の実施形態と同様の、パックのパネルの外面におけるくぼみ518によって与えられる、包装材とパネルの外面との間の第1の分離した空洞域、および本発明の第5の実施形態と同様の、パックのパネルの内面におけるくぼみ518によって与えられる、パネルの内面とホイル包装された紙巻きタバコとの間の第2の分離した空洞域である。
【0063】
第4および第5の実施形態の突起318,418と同様に、第6の実施形態のくぼみ518は、図23に示すエンボス加工具534を利用できるエンボス加工ステーションで形成される。ここで、印刷済みブランク501´は、エンボス加工具534(断面で示す)に位置を合わせて配置され、エンボス加工具534が矢印Aの方向に移動してブランク501´の面をエンボス加工する。加工具534の2つの部分は、最終的にブランク501´の両側に形成されるくぼみまたは凹部518と重なる一連の半球または突起535を備える。加工具534の2つの部分がブランク501´に接触して上向きおよび下向きそれぞれに押されると、ブランク501´の両側にくぼみ518がエンボス加工され、図22および図24に示す微細構造が形成される。本発明の第1の実施形態に関連する前述の紙巻きタバコを包装する方法の残りの工程は、本発明の第6の実施形態の包装にも同様に適用できる。
【0064】
本発明の第4〜第6のいずれの実施形態でも、くぼみは、本発明の範囲内で形状、外形、および大きさを変更可能である。例示的な実施形態では、図16、図18、図19、図21、図22、および図24に示すくぼみは、約1.0〜1.5mmの直径d、前部パネルおよび後部パネルのエンボス加工されていないベース表面から測定した距離が約0.1〜0.2mmの深さhを有する。パネルの厚さは、本発明の範囲内で変更可能であるが、通常、エンボス加工されていないパネルの厚さtは、約0.3mmである。各パネルにおけるくぼみの数も、本発明の範囲内で変更可能であるが、5〜2000個でもよく、10〜1000個が好ましく、50〜750個がより好ましい。
【0065】
図25および図26に示す本発明の第7の実施形態は、図1〜図4に示す第1の実施形態と概ね同じであり、同様の特性を有する部材には同一の参照番号が記載される。厚紙などの紙原料シート材料からなる内側フレーム15は、接着などによって、パックの開口部の上部の内側に取り付けられ、紙巻きタバコを消費者が容易に取り出すための凹部16を備える。内側フレーム15は、前部パネルに隣接する面取りされた縁部8に沿って前部パネル2および側部パネル4,5の内側を抑制する形状である。これにより、内側フレームは、パックが閉じられるときに、前部パネル2および側部パネル4,5と同一範囲の外面と共に蓋7を支える詰物として機能する。内側フレーム15は、パックが閉じられたときに、蓋7を保持するストップとして機能する依存フランジ(不図示)を備える。ただし、図25および図26に示す第7の実施形態は、以下の点で図1〜図4に示す第1の実施形態とは異なる。すなわち、前部パネル2は、蓋7が閉じられたときに内側フレーム15の一部を露出する上端13に切り出しまたは凹部17を備える。内側フレーム15の露出部は、マークまたは図形が印刷されていてもよい。さらに、内側フレーム15の凹部16は、前部パネル2の切り出しまたは凹部17の上側に配置される。内側フレーム15の凹部16により紙巻きタバコ上部の表面領域が大きく露出され、紙巻きタバコを容易につかめる。これにより、消費者は、パックから紙巻きタバコを容易に取り出せる。
【0066】
前述のパックの多くの変更および変形が、本発明の範囲内に含まれる。例えば、突起またはくぼみの数、およびパックの前部パネルおよび後部パネルにおける突起またはくぼみの配置は変更可能である。また、前部パネルの全てに突起またはくぼみが形成される必要は無く、それどころか、突起またはくぼみは、前述の利点を与えるように1つ以上のパネルの別々の領域に形成されていてもよい。
【0067】
さらに、突起またはくぼみの正確な直径dおよび高さhは、本発明の範囲内で変更可能である。突起またはくぼみは、円形に示したが、例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形などの種々の他の形状の突起またはくぼみも同様に適用可能である。さらに、突起またはくぼみの全てが、そのパックにおいて同一の大きさおよび/または形状である必要は無く、1つ以上のパネル全域で異なってもよい。このように変形した突起もまた、前述の円形の突起を備える本発明の実施形態による前述の技術的価値を与える隆起した外面および触感のある表面を有するパックを形成する。さらに、このように変形したくぼみもまた、前述の円形のくぼみを有する本発明の実施形態による前述の技術的価値を与える個々の断熱空洞域および触感のある表面を有するパックを形成する。
【0068】
さらに、前述のパックは、面取りされた縁部を有するが、この端部は、長方形または曲面など別の形状でもよい。
【0069】
例示の実施形態において図示および説明したパックは、細長いまたは非常に細長い紙巻きタバコを収容するように設計された細長いパックである。ただし、本発明は、このような寸法を有するパックには限定されず、キングサイズ紙巻きタバコ20本を収容する一般的な設計のキングサイズ紙巻きタバコ用の標準のパックサイズを含む、任意の他の形状のパックにも同様に適用できる。
【0070】
また、エンボス加工ステーションにおけるエンボス加工具は、回転式エンボス加工装置でもよく、突起またはくぼみの形成にエンボス加工を必要としない他の方法は当業者に明らかである。
【0071】
また、エンボス加工ステーションを必要としないように、マガジンに保持されているブランクが突起またはくぼみを既に備えるように、ブランク形成時に、突起またはくぼみを予備成形してもよい。
【0072】
前述の例示では、突起またはくぼみは、前部パネルおよび後部パネルの両方に形成される。ただし、これらは、前部パネルまたは後部パネルのいずれかのみ、または蓋に加えてベースパネルおよび/または側部パネルに形成されてもよい。または、その任意の組み合わせでもよい。
【0073】
第1の実施形態に関連する前述の厚紙の重量および寸法のいずれも、本発明の第2〜第7の実施形態に同様に適用できる。
【0074】
本発明は、蓋が押し上げ式構造のパックに関して記述したが、蓋が押し上げ式構造の紙巻きタバコ用のパックを複数保持する容器などの、必ずしも蓋を必要としない他の喫煙品用のパックにも適用できる。
【0075】
多くの他の変更および変形が、下記の請求項の範囲内に収まることは明らかである。
【0076】
この開示の全体(「カバーページ」、「発明の名称」、「項目」、「技術分野」、「背景技術」、「発明の概要」、「図面の簡単な説明」、「発明を実施するための形態」、「請求項」、「要約」、「図面」、および他の項目を含む)は、クレームされた発明を実施し得る例示的な種々の実施形態により説明される。開示における利点および特長は、実施形態のみの典型的な実例であり、包括的および/または排他的ではない。これらは、クレームされた原理の理解および教示のためにのみ提示される。これらが、クレームされた全ての発明の典型例ではないことはいうまでもない。このように、開示の特定の局面は、本明細書に記載されない。それらの別の実施形態は本発明の特定の一部としては提示されていないかもしれず、また記述されていない別のさらなる実施形態が本発明の一部として有効であるかもしれないので、これらの別の実施形態を放棄するとみなすべきではない。多くのこれらの記述されない実施形態が、本発明と同一の原理を組み入れ、他の形態も同等であることは当然である。それ故、他の実施形態を利用でき、機能的、論理的、組織的、構造的、および/または形態的な変更が、開示の範囲および/または精神から逸脱することなく達成されることが理解される。このように、全ての例示および/または実施形態は、この開示全体を制限しないように考慮される。また、紙面および繰り返しを低減する目的以外では、本明細書に記載しない実施形態に関連する本明細書に記載される実施形態についての推理はされないべきである。例えば、図面および/または明細書全体に提示された任意の部品、他の部品および/または任意の提示した特性のある装置の任意の組み合わせによる構造は、固定された順序および/または配置に限定されず、むしろ、任意の開示した順序が例示であり、全ての均等物が、順序にかかわらずに、開示により意図されることが理解される。このように、これらの特長の一部は、これらが単一の実施形態において同時に提示されないという点で相互に矛盾し得る。同様に、一部の特長は、本発明の一態様に適用可能であるが、他には適用されない。さらに、この開示は、現在クレームされていない他の発明を含む。出願人は、このような発明、追加出願、継続出願、一部継続出願、分割出願、および/または同類のものを請求する権利を含む、現在クレームされていない発明における全ての権利を保留する。このように、利点、実施形態、例示、機能、特長、論理、組織、構造、形態、および/または開示の他の態様が、請求項または請求項の均等物の限定により定義されるように、開示による限定解釈をすべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パックを形成するように構成された複数の平面パネルを備えた喫煙品用のパックであって、前記パネルの少なくとも1つが、前記複数のパネルの1つ以上の一表面から外側に延在する複数の微細構造を含む喫煙品用のパック。
【請求項2】
前記複数のパネルが対向する側部パネルに接続された前部パネルおよび後部パネルと、底部パネルと、上部パネルとを備えており、前記前部パネルおよび後部パネルの少なくともいずれかが、前記微細構造を含む、請求項1に記載のパック。
【請求項3】
前記前部パネルおよび後部パネルの両方が前記微細構造を含む、請求項2に記載のパック。
【請求項4】
前記側部パネルが前記微細構造を含む、請求項2または3に記載のパック。
【請求項5】
前記上部パネルが前記微細構造を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載のパック。
【請求項6】
前記底部パネルが前記微細構造を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載のパック。
【請求項7】
前記上部パネルが蓋を備える、請求項2〜7のいずれか1項に記載のパック。
【請求項8】
前記蓋が押し上げ式の蓋である、請求項7に記載のパック。
【請求項9】
前記微細構造がエンボス加工により形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパック。
【請求項10】
前記パックがシート材料から組み立てられており、前記微細構造が、前記シート材料の厚み中に形成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパック。
【請求項11】
前記シート材料が厚紙を含む、請求項10に記載のパック。
【請求項12】
前記微細構造が前記1つ以上のパネルの表面領域の実質的に全体に形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパック。
【請求項13】
前記微細構造が前記1つ以上のパネルの表面領域の一部のみに形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパック。
【請求項14】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネルの表面から突出する突起を含む、請求項の1〜13いずれか1項に記載のパック。
【請求項15】
前記突起が前記1つ以上のパネルの対応する外面から突出する、請求項14に記載のパック。
【請求項16】
前記突起が前記1つ以上のパネルの対応する内面から突出する、請求項14に記載のパック。
【請求項17】
前記突起が前記1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方から突出する、請求項14に記載のパック。
【請求項18】
前記1つ以上のパネルが5〜2000個の突起を備える、請求項14〜17のいずれか1項に記載のパック。
【請求項19】
前記突起が10〜1000個である、請求項18に記載のパック。
【請求項20】
前記突起が50〜750個である、請求項19に記載のパック。
【請求項21】
前記突起の全てが同一の間隔をおいて前記1つ以上のパネルの対応する表面から突出する、請求項14〜20のいずれか1項に記載のパック。
【請求項22】
前記突起が略円形の凸形状である、請求項14〜21のいずれか1項に記載のパック。
【請求項23】
前記突起が前記1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で配置される、請求項14〜22のいずれか1項に記載のパック。
【請求項24】
前記突起によって前記パックの前記1つ以上のパネルの表面との隙間を介した外側包装材をさらに備える、請求項14〜23のいずれか1項に記載のパック。
【請求項25】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネルの表面に形成されたくぼみを備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載のパック。
【請求項26】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの対応する外面に形成される、請求項25に記載のパック。
【請求項27】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの対応する内面に形成される、請求項25に記載のパック。
【請求項28】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方に形成される、請求項25に記載のパック。
【請求項29】
前記1つ以上のパネルが5〜2000個のくぼみを備える、請求項25〜28のいずれか1項に記載のパック。
【請求項30】
前記くぼみが10〜1000個である、請求項29に記載のパック。
【請求項31】
前記くぼみが50〜750個である、請求項30に記載のパック。
【請求項32】
前記くぼみの全てが同一の間隔をおいて前記1つ以上のパネルの対応する表面に形成される、請求項25〜31のいずれか1項に記載のパック。
【請求項33】
前記くぼみが略円形の凹形状である、請求項25〜32のいずれか1項に記載のパック。
【請求項34】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で形成される、請求項25〜33のいずれか1項に記載のパック。
【請求項35】
前記パックの内部に内側フレームをさらに備える、請求項1〜34のいずれか1項に記載のパック。
【請求項36】
前記パックが前記内側フレームの一部を露出する切り欠き部を含む前部パネルを備える、請求項35に記載のパック。
【請求項37】
前記内側フレームの前記露出部にマークまたは図形が印刷されている、請求項36に記載のパック。
【請求項38】
前記パックの前端部が斜面、曲面、または直角である、請求項1〜37のいずれか1項に記載のパック。
【請求項39】
喫煙品を収容する、請求項1〜38のいずれか1項に記載のパック。
【請求項40】
前記喫煙品が紙巻きタバコを含む、請求項39に記載のパック。
【請求項41】
複数の平面パネル部を備えている喫煙品用のパックを組み立てるためのブランクであって、前記パネル部の少なくとも1つが前記複数のパネル部の1つ以上の一表面から外側に延在する複数の微細構造を含むブランク。
【請求項42】
前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えており、前記前部パネル部および後部パネル部の少なくともいずれかが前記複数の微細構造を備える、請求項41に記載のブランク。
【請求項43】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネル部の表面から突出する突起を含む、請求項42に記載のブランク。
【請求項44】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネル部の表面に形成されたくぼみを含む、請求項42に記載のブランク。
【請求項45】
複数の平面パネル部を備えるブランクから喫煙品用のパックを組み立てる方法であって、前記複数のパネル部の1つ以上の一表面から外側に延在する複数の微細構造を少なくとも1つの前記パネル部に形成することを含む方法。
【請求項46】
前記微細構造を形成するために前記ブランクをエンボス加工することを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記微細構造を形成するためにマガジンから供給される連続的なブランクをエンボス加工ステーションに供給することと、紙巻きタバコを充填するパックを形成するために、前記エンボス加工されたブランクを紙巻きタバコ包装機に供給することとを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記ブランクが前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えており、前記微細構造が、前記1つ以上のパネル部の表面から突出する突起を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記パックが紙巻きタバコで充填された後に外側包装材内に前記パックを包装することと、発熱体の熱を利用して前記パック上の前記包装材を密封することと、前記包装材を前記パックの表面から浮かせる前記複数の突起によって前記包装材と前記パックの前記表面との間に空隙を形成することとを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ブランクが前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えており、前記微細構造が前記1つ以上のパネル部の表面に形成されるくぼみを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記パックが紙巻きタバコで充填された後に外側包装材内に前記パックを包装することと、発熱体の熱を利用して前記パック上の前記包装材を密封することと、前記包装材を前記パックの表面から浮かせる前記複数のくぼみ内部に前記包装材と前記パックの前記表面との間の複数の空隙を形成することとを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項1】
パックを形成するように構成された複数の平面パネルを備えた喫煙品用のパックであって、前記パネルの少なくとも1つが、前記複数のパネルの1つ以上の一表面から外側に延在する複数の微細構造を含む喫煙品用のパック。
【請求項2】
前記複数のパネルが対向する側部パネルに接続された前部パネルおよび後部パネルと、底部パネルと、上部パネルとを備えており、前記前部パネルおよび後部パネルの少なくともいずれかが、前記微細構造を含む、請求項1に記載のパック。
【請求項3】
前記前部パネルおよび後部パネルの両方が前記微細構造を含む、請求項2に記載のパック。
【請求項4】
前記側部パネルが前記微細構造を含む、請求項2または3に記載のパック。
【請求項5】
前記上部パネルが前記微細構造を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載のパック。
【請求項6】
前記底部パネルが前記微細構造を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載のパック。
【請求項7】
前記上部パネルが蓋を備える、請求項2〜7のいずれか1項に記載のパック。
【請求項8】
前記蓋が押し上げ式の蓋である、請求項7に記載のパック。
【請求項9】
前記微細構造がエンボス加工により形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパック。
【請求項10】
前記パックがシート材料から組み立てられており、前記微細構造が、前記シート材料の厚み中に形成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパック。
【請求項11】
前記シート材料が厚紙を含む、請求項10に記載のパック。
【請求項12】
前記微細構造が前記1つ以上のパネルの表面領域の実質的に全体に形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパック。
【請求項13】
前記微細構造が前記1つ以上のパネルの表面領域の一部のみに形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパック。
【請求項14】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネルの表面から突出する突起を含む、請求項の1〜13いずれか1項に記載のパック。
【請求項15】
前記突起が前記1つ以上のパネルの対応する外面から突出する、請求項14に記載のパック。
【請求項16】
前記突起が前記1つ以上のパネルの対応する内面から突出する、請求項14に記載のパック。
【請求項17】
前記突起が前記1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方から突出する、請求項14に記載のパック。
【請求項18】
前記1つ以上のパネルが5〜2000個の突起を備える、請求項14〜17のいずれか1項に記載のパック。
【請求項19】
前記突起が10〜1000個である、請求項18に記載のパック。
【請求項20】
前記突起が50〜750個である、請求項19に記載のパック。
【請求項21】
前記突起の全てが同一の間隔をおいて前記1つ以上のパネルの対応する表面から突出する、請求項14〜20のいずれか1項に記載のパック。
【請求項22】
前記突起が略円形の凸形状である、請求項14〜21のいずれか1項に記載のパック。
【請求項23】
前記突起が前記1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で配置される、請求項14〜22のいずれか1項に記載のパック。
【請求項24】
前記突起によって前記パックの前記1つ以上のパネルの表面との隙間を介した外側包装材をさらに備える、請求項14〜23のいずれか1項に記載のパック。
【請求項25】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネルの表面に形成されたくぼみを備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載のパック。
【請求項26】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの対応する外面に形成される、請求項25に記載のパック。
【請求項27】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの対応する内面に形成される、請求項25に記載のパック。
【請求項28】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの対応する外面と内面との両方に形成される、請求項25に記載のパック。
【請求項29】
前記1つ以上のパネルが5〜2000個のくぼみを備える、請求項25〜28のいずれか1項に記載のパック。
【請求項30】
前記くぼみが10〜1000個である、請求項29に記載のパック。
【請求項31】
前記くぼみが50〜750個である、請求項30に記載のパック。
【請求項32】
前記くぼみの全てが同一の間隔をおいて前記1つ以上のパネルの対応する表面に形成される、請求項25〜31のいずれか1項に記載のパック。
【請求項33】
前記くぼみが略円形の凹形状である、請求項25〜32のいずれか1項に記載のパック。
【請求項34】
前記くぼみが前記1つ以上のパネルの表面に規則正しい行列で形成される、請求項25〜33のいずれか1項に記載のパック。
【請求項35】
前記パックの内部に内側フレームをさらに備える、請求項1〜34のいずれか1項に記載のパック。
【請求項36】
前記パックが前記内側フレームの一部を露出する切り欠き部を含む前部パネルを備える、請求項35に記載のパック。
【請求項37】
前記内側フレームの前記露出部にマークまたは図形が印刷されている、請求項36に記載のパック。
【請求項38】
前記パックの前端部が斜面、曲面、または直角である、請求項1〜37のいずれか1項に記載のパック。
【請求項39】
喫煙品を収容する、請求項1〜38のいずれか1項に記載のパック。
【請求項40】
前記喫煙品が紙巻きタバコを含む、請求項39に記載のパック。
【請求項41】
複数の平面パネル部を備えている喫煙品用のパックを組み立てるためのブランクであって、前記パネル部の少なくとも1つが前記複数のパネル部の1つ以上の一表面から外側に延在する複数の微細構造を含むブランク。
【請求項42】
前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えており、前記前部パネル部および後部パネル部の少なくともいずれかが前記複数の微細構造を備える、請求項41に記載のブランク。
【請求項43】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネル部の表面から突出する突起を含む、請求項42に記載のブランク。
【請求項44】
前記複数の微細構造が前記1つ以上のパネル部の表面に形成されたくぼみを含む、請求項42に記載のブランク。
【請求項45】
複数の平面パネル部を備えるブランクから喫煙品用のパックを組み立てる方法であって、前記複数のパネル部の1つ以上の一表面から外側に延在する複数の微細構造を少なくとも1つの前記パネル部に形成することを含む方法。
【請求項46】
前記微細構造を形成するために前記ブランクをエンボス加工することを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記微細構造を形成するためにマガジンから供給される連続的なブランクをエンボス加工ステーションに供給することと、紙巻きタバコを充填するパックを形成するために、前記エンボス加工されたブランクを紙巻きタバコ包装機に供給することとを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記ブランクが前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えており、前記微細構造が、前記1つ以上のパネル部の表面から突出する突起を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記パックが紙巻きタバコで充填された後に外側包装材内に前記パックを包装することと、発熱体の熱を利用して前記パック上の前記包装材を密封することと、前記包装材を前記パックの表面から浮かせる前記複数の突起によって前記包装材と前記パックの前記表面との間に空隙を形成することとを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ブランクが前部パネル部および後部パネル部、側部パネル部、底部パネル、および蓋を形成する部分を備えており、前記微細構造が前記1つ以上のパネル部の表面に形成されるくぼみを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記パックが紙巻きタバコで充填された後に外側包装材内に前記パックを包装することと、発熱体の熱を利用して前記パック上の前記包装材を密封することと、前記包装材を前記パックの表面から浮かせる前記複数のくぼみ内部に前記包装材と前記パックの前記表面との間の複数の空隙を形成することとを含む、請求項50に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2012−513344(P2012−513344A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541270(P2011−541270)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065463
【国際公開番号】WO2010/072482
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(508371851)ブリティッシュ−アメリカン タバコ (ホールディングス) リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065463
【国際公開番号】WO2010/072482
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(508371851)ブリティッシュ−アメリカン タバコ (ホールディングス) リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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