説明

嗜好性が優れた混合茶飲料組成物及びその製造方法

【課題】嗜好性が優れた混合茶飲料組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、色差計の明度L値50〜60を有する20〜35重量部の焙煎タータリー・バックワートと、1〜8重量部のマンネンタケ、1〜8重量部のメシマコブ及び1〜8重量部のチャーガを原料とする抽出物を含むことを特徴とし、20〜30重量部の決明子、10〜20重量部の烏龍茶、3〜10重量部の緑茶、1〜5重量部の甘野老、2〜7重量部の枸杞、1〜4重量部のプーアル茶、0.5〜1.5重量部の高麗人参、0.3〜1.5重量部の陳皮、0.3〜2.5重量部の半夏生、0.3〜1.7重量部の桑の葉、及び0.3〜1.5重量部の柿の葉からなる群から選択された少なくとも1種を原料とする抽出物を更に含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は嗜好性が優れた混合茶飲料組成物及びその製造方法に係り、より詳しくは、ルチンを含有する蕎麦の一種であるタータリー・バックワート、決明子、烏龍茶、緑茶、甘野老、枸杞と、酸化ストレス抑制効果を有するマンネンタケ、メシマコブ、チャーガ、プーアル茶、高麗人参、陣皮、桑の葉、柿の葉、半夏生など飲用可能な原料の熱水抽出物組成物である嗜好性が優れた混合茶飲料組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
蕎麦に含まれるルチンは、抗腫瘍性、免疫力強化、血液中の脂肪数値と血糖値、コレステロール数値の低減作用などの機能を持っているが、蕎麦は穀類という特性上加工方法が限定的である。一方、マンネンタケ、メシマコブ、チャーガは、フリーラジカル除去活性(非特許文献1、非特許文献2)、還元効果、Fe2+イオンのキレート効果などの機能を持っているが、その嗜好性は優れていない。このため本発明では、高濃度のルチンが含有された蕎麦抽出物とマンネンタケ、メシマコブ、チャーガの抽出物を含みながら嗜好性が優れた混合茶飲料組成物とその製造方法を提供するものである。
【背景技術】
【0003】
最近、韓国では、経済成長によって生活環境の改善、豊かな食生活、医療制度及び施設の恩恵などにより平均寿命が急激に延びているが、一方では、栄養の過多摂取などがその原因と推定される癌、高血圧、脳卒中、糖尿病、動脈硬化などの慢性成人病疾患及び老化が増加している趨勢である。その中でも、高血圧及び脳血管疾患、体内活性酸素による老化などは深刻な社会問題として台頭しており、これら高血圧及び脳血管疾患、活性酸素による老化の予防は非常に重要となっている。
【0004】
一方、韓国の伝統食品中、蕎麦麺や蕎麦ゼリー(buckwheat jelly)は、民間療法により高血圧などの予防及び治療の効果があることが知られているが、これは、蕎麦に少量含有されている化1で表わされるルチンという生理活性物質によることが明らかになっている。
【0005】
【化1】

【0006】
化1で表わされるルチンはビタミンPとしても知られており、蕎麦のルチンは、血管の抵抗性を強くして、脳出血を予防する重要なビタミンの一種であり、ルチンは血管系疾患の治療剤として血管の過剰な透過性を抑制する薬理効果を有している(非特許文献3)。
【0007】
更に、大気中の酸素は、人体の生命現象を維持するために体内の酸素90%を除いて約7%は活性酸素に変わるが、この活性酸素は現代社会で農薬、殺虫剤、排気ガス、有害な化学物質、破壊されたオゾン層を通した紫外線、水質汚染などで発生する大量の活性酸素と共に、体内の組織と細胞を攻撃して老化させる。一方、マンネンタケ、メシマコブ、チャーガ内のフェノール成分は、体内の活性酸素を除去する効果を有することが報告されている。
【0008】
蕎麦を利用した食品に対する従来技術として、特許文献1に、発芽蕎麦緑茶混合茶飲料の製造方法が開示されており、特許文献2には、タータリー・バックワート混合緑茶組成物の製造方法が開示されており、マンネンタケ、メシマコブ及びチャーガについては、特許文献3に、マンネンタケを利用した健康飲料の製造方法が開示されており、特許文献4に、メシマコブを含有するティーバッグ及びその製造方法が開示されており、特許文献5に、チャーガ飲料の製造方法が開示されている。
しかし、これら蕎麦、マンネンタケ、メシマコブ及びチャーガは、その摂取方法が難しく、嗜好性が優れていないため、摂取方法が簡単であり、嗜好性が優れた食品の開発が要請されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記問題点を解決し要請に応えるために、本発明の発明者らは研究、努力した結果、血管の抵抗性を強くして、脳出血を予防する効果があるルチンが含有された焙煎蕎麦と、抗ストレス機能があるマンネンタケ、メシマコブ、チャーガとを原料とする混合及び製造工程における適正抽出温度及び抽出倍数を設定して製造した嗜好性が優れ、誰でも自由に、またいつどこでも容易で気軽に飲むことができ、生活疾病から体を事前に保護することができる混合茶飲料組成物を開発するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、色差計の明度L値50〜60を有する20〜35重量部の焙煎タータリー・バックワートと、1〜8重量部のマンネンタケ、1〜8重量部のメシマコブ及び1〜8重量部のチャーガを原料とする抽出物を含むことを特徴とする。
【0013】
20〜30重量部の決明子、10〜20重量部の烏龍茶、3〜10重量部の緑茶、1〜5重量部の甘野老、2〜7重量部の枸杞、1〜4重量部のプーアル茶、0.5〜1.5重量部の高麗人参、0.3〜1.5重量部の陳皮、0.3〜2.5重量部の半夏生、0.3〜1.7重量部の桑の葉、及び0.3〜1.5重量部の柿の葉からなる群から選択された少なくとも1種を原料とする抽出物を更に含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、色差計の明度L値50〜60を有する焙煎タータリー・バックワートを25〜35重量倍の水で55℃から95℃まで等間隔で段階的に上昇させ、2〜4回の循環式抽出を行う工程と、マンネンタケ、メシマコブ及びチャーガからなる原料と、70〜80℃の前記原料の25〜35重量倍の水で浸漬式抽出を行う工程を含むことを特徴とする。
【0015】
前記原料は、決明子、烏龍茶、緑茶、甘野老、枸杞、プーアル茶、高麗人参、陳皮、半夏生、桑の葉及び柿の葉からなる群から選択された少なくとも1種を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ルチンを含む蕎麦抽出物と、マンネンタケ、メシマコブ及びチャーガの抽出物を含む混合茶飲料組成物及びその製造方法に関し、血管の抵抗性を強くして脳出血を予防する効果と抗ストレス機能を有するだけでなく、嗜好性も優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の混合茶飲料製造工程に関する構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
蕎麦とマンネンタケ、メシマコブ及びチャーガを使用した、嗜好性が優れた混合茶飲料及びその製造方法に関し、以下、詳細に説明する。
本発明は、色差計の明度L値50〜60を有する20〜35重量部の焙煎タータリー・バックワートと、1〜8重量部のマンネンタケ、1〜8重量部のメシマコブ及び1〜8重量部のチャーガの抽出物を含む混合茶飲料組成物に関する。ここでの抽出物は熱水で抽出した抽出液を意味する。
蕎麦は、一年生双子葉植物であり、植物分類学的に、蕎麦(Fagopyrum esculentum、一般蕎麦)とタータリー・バックワート(Fagopyrum tataricum)に分けられる。韓国では一般蕎麦が栽培されているが、タータリー・バックワートは、中国、ネパール、ブータン、内蒙古をはじめとする高山地帯で栽培されている。一般蕎麦は主に、蕎麦麺、蕎麦ゼリー、パン、チヂミ、煎餅、餅、茶などを作るのに利用され、タータリー・バックワートは、蕎麦粥、パン、ビスケット、しょうゆ、酢、機能性麺などを作るのに主に使用されてきた。
【0019】
蕎麦は食品栄養学的に有用な作物でありながら、機能性成分を含んでいる。蕎麦内には、フェノール化合物であるルチン、ヘパリン、ケルセチン、ケルシトリンなどのフラボノールと、ビテキシン、ビテキシン異性体、オリエンチン、オリエンチン異性体などのフラボンと、その他に多くのフラボノイドが存在し、この中で蕎麦のルチンは、動脈硬化、高血圧の予防と治療、糖尿病の予防、抗酸化効果、心血管系疾患の予防など様々な生理活性機能を有している。一般蕎麦とタータリー・バックワートのルチン含有量を比較すると、下記表1に示すように、タータリー・バックワートは一般蕎麦に比べて、蕎麦の種皮の場合、5.5倍、皮を剥いていない種子の場合、69倍、蕎麦米の場合は159倍のルチンを含有している(非特許文献4)。
【0020】
【表1】

【0021】
焙煎タータリー・バックワートは、色差計(Chromameter CR-30、ミノルタ製、日本)のL値(明度値)が50〜60であることを特徴とし、このような混合茶飲料組成物は高いルチンを含有し、味が香ばしい。20〜35重量部の焙煎タータリー・バックワート抽出物を含む場合に、嗜好性が優れている。
【0022】
マンネンタケ(Ganoderma lucidum)は、担子菌類サルノコシカケ目マンネンタケ科のキノコであり、肉質はコルク質で、上下2層となっており、上層はほぼ白色であり、管孔部分の下層は淡褐色である。不老草と呼ばれるほど、昔から漢方で健胃、健脳、健腸、健心、利尿、解毒、抗菌、免疫、鎮咳、腎痛、神経衰弱、不眠症、急・慢性肝炎、胃潰瘍、血圧降下などの効果が知られているが、その味は非常に苦いため、水に煎じて蜂蜜などを添加して飲料水として服用するのが一般的である。25〜35重量倍の水で抽出した場合を基準として、マンネンタケが1重量部未満の場合、その効能はわずかしか表れず、8重量部以上の場合、その苦味により嗜好性が低下するため、マンネンタケを1〜8重量部使用する。
【0023】
メシマコブ(Phellinus linteus)は、担子菌類サルノコシカケ目タバコウロコタケ科のキノコであり、黒光りを帯びた褐色の隆起帯があり、縦横に細かい亀裂がある。ふちは鮮黄色であり、下面は黄褐色であり、肉も黄褐色である。柄がなく、胞子は淡黄色で球状である。B−セル機能向上と共に、メシマコブから抽出された多糖体が体液性及び細胞性免疫を促進し、サイトキニンの調節を通した抗癌効果、免疫調節作用、抗酸化効果、抗高血圧効果及び抗関節炎効果を持つ。メシマコブは最近、米国食品医薬品局(FDA)で食品として承認を受け、毒性はないが、自然産メシマコブは、少量でも韓方医学上の現象として、服薬後に一時的に表れる明賢現象が強く表れるため、体質によって異なるが、一度に非常に多くの量を服用することは控えなければならない。野生メシマコブ3〜5gが体重70kgである成人の1日服用量であり、一定量以上の服用は好ましくない。また、熱い器に長時間煎じて飲む場合が一般的であるため、その服用法は非常に制限的である。25〜35重量倍の水で抽出した場合を基準として、メシマコブが1重量部未満の場合、その効能はわずかしか表れず、8重量部以上の場合、その明賢現象が表れるため、メシマコブを1〜8重量部使用する。
【0024】
カバノアナタケ(Inonotus obliquus)は、β−グルカン、トリテルペノイド、ホロマドゲン、ポリフェノール、オキシフェノールカルボン酸(oxyphenolic carboxylic acid)、フィノチン、チャーガ酸(60%)、バニラ酸、パラベン、プテリン、ステロール、リグニンなどの多くの生理活性成分を含有しており、DPPHフリーラジカルの陽イオン消去能、リノール酸自動酸化阻害効果があり、抗酸化効果があるが、味がほろ苦いため、嗜好性が低下する。25〜35重量倍の水で抽出する場合を基準として、チャーガが1重量部未満の場合、その効能はわずかであり、8重量部以上の場合、そのほろ苦い味により嗜好性が低下するため、チャーガを1〜8重量部使用する。
【0025】
更に、本発明は、決明子、烏龍茶、緑茶、甘野老、枸杞、プーアル茶、高麗人参、陳皮、半夏生、桑の葉及び柿の葉とからなる群から選択された少なくとも1種の抽出物を更に含有することを特徴とする。
決明子は、マメ科に属する一年草であるエビスグサの種子を乾燥させたものであり、甘く苦く、しょっぱい性質を持っており、主要成分としては、クリソファノール、エモジン、ルブロフサリン、ゲンチオビオシド、オブツシン、アントラキノン、グリコシドを含有しており、視力減退、夜盲症、頭痛、めまい及び便秘などに対する生理活性機能を有している。
烏龍茶の葉は主に、中国台湾省、福建省で生産されており、生産量は、中国茶全体の約9%程度であり、利尿作用、解毒作用、肥満防止効果、ビタミン類の腸内滞留促進、過酸化脂質の抑制、血液循環促進及びコレステロールの蓄積防止などの医学的、薬理的機能を有している。
【0026】
緑茶は、チャ(Thea sinensis L., Theaceae)の葉を乾かしたものであり、緑茶中のカテキン類には、血圧強化作用、抗酸化作用、癌発生予防作用、虫歯予防、血小板凝集阻害活性などの多様な生理活性がある。また、緑茶由来抗酸化性物質などは、がん予防効果、緑茶抽出物の水酸基ラジカルと超酸化物陰イオン消去活性、緑茶カテキン類の過酸化脂質に対する抑制効果、水酸基ラジカルによるDNA切断に対する抑制効果、1,2−ジメチルヒドラジン誘導酸化的DNA損傷に対する保護効果がある。
枸杞は、水分と糖を多く含有しており、主要成分としては、ベタイン、ゼアキサンチン、β−シトステロール、フィサリエン、コリンなどであり、これらのうちベタインは、水溶性であり、体内の強壮、筋肉や骨の形成、美白肌の機能性効果がある。
甘野老は、糖尿病治療のために広く使用されて、肝臓、心臓及び肺の脂質過酸化物組織の酸化的損傷に対してセレン(Se)の抗酸化効果がある。
【0027】
プーアル茶は、中国の文献である本草綱目拾遺によると、二日酔いの解消、中性脂肪分解、胃を洗浄し、喉の渇きを癒す効果がある。
高麗人参は、インシュリンの分解抑制作用を増強、抗脂肪分解作用、糖尿病随伴症状の改善機能を持っており、高血圧と低血圧を正常化させる効能があり、血管を拡張させて血液の循環を改善させるなど、動脈硬化症の発生抑制と血管内皮細胞の損傷を防御する効果がある。
陳皮中の天然フェノール化合物には、抗癌効果だけでなく、抗アレルギー、抗ウイルス、抗炎などの多様な生理機能を有している。
【0028】
桑の葉は、マルトース、サッカラーゼなどの二糖類分解酵素の活性を阻害する血糖低下作用を有し、カルシウム、カリウム、ビタミンA、カロチンのようなビタミンを含有している。
柿の葉は、ビタミンCの含有量が100g中100mgもなり、ビタミンCが多いことで知られているレモンの約20倍分量であり、壊血病、貧血、高血圧に著しい効果があり、カルシウムもまた多いため、妊婦や幼児に効果がある。
【0029】
本発明は、蕎麦、マンネンタケ、メシマコブ、チャーガを含む混合茶飲料の製造方法に関し、本発明に使用される蕎麦はタータリー・バックワートに限定し、これら蕎麦、マンネンタケ、メシマコブ、チャーガの水抽出物を一定の比率で配合することで、嗜好性が優れた混合茶飲料を製造することができる。
【0030】
以下、本発明の混合茶飲料の製造方法について詳細に説明する。
本発明は、色差計の明度L値50〜60を有する焙煎タータリー・バックワートを25〜35重量倍の水で55℃から95℃まで等間隔で段階的に上昇させ、2〜4回の循環式抽出を行う工程と、マンネンタケ、メシマコブ及びチャーガからなる原料と70℃〜80℃の25〜35重量倍の水で浸漬式抽出を行う工程を含む混合茶飲料組成物の製造方法に関する。
原料は、決明子、烏龍茶、緑茶、甘野老、枸杞、プーアル茶、高麗人参、陳皮、半夏生、桑の葉及び柿の葉とからなる群から選択された少なくとも1種を更に含むことを特徴とする。
【0031】
ここで、色差計(Chromameter CR-30、ミノルタ製、日本)のL値(明度値)50〜60である焙煎タータリー・バックワートを使用するのは、ルチン含有量が高い混合茶飲料を得るためであり、焙煎タータリー・バックワートを基準として25〜35重量部の水で抽出するのは、有効成分及び嗜好性を有する適合した濃度の抽出物を得るためである。
糊化とは、澱粉に水を入れて加熱するとき、体積が増えて、粘性が生じ、糊のようにねばねばになることを言うが、蕎麦はこのような糊化特性を有しており、効率的な抽出のために水を55℃から95℃まで等間隔で段階的に上昇させ、循環式抽出工程を2〜4回行うことで抽出物を得る。これは、55℃以下の温度では抽出効果が低下し、高温になるほど抽出効果が良いためである。
【0032】
マンネンタケ、メシマコブ、チャーガ、決明子、烏龍茶、緑茶、甘野老、枸杞、プーアル茶、高麗人参、陳皮、半夏生、桑の葉及び柿の葉の場合は、循環式抽出工程による抽出物の方が収率が良いが、本発明の方式では、収率は落ちるが嗜好性が優れている浸漬式抽出工程を通して抽出物を得る。浸漬式抽出は、水に原料を浸けて煎じる方式を言い、原料基準25〜35重量部の水に抽出するのは、有効成分及び嗜好性を有する適合した濃度の抽出物を得ることができるためである。このとき、70℃〜80℃の水を使用するが、これは、嗜好性が優れているマンネンタケ、烏龍茶、緑茶などの抽出温度が70℃〜80℃として知られているためである。
各々の抽出物を冷却したろ液を、定めた標準配合比で配合し、嗜好性が優れた混合茶飲料を製造する。
図1に本発明の混合茶飲料の製造工程を示す。
【0033】
以下、実施例を通して本発明について更に詳細に説明するが、下記実施例が本発明の権利範囲を限定するわけではない。
【0034】
製造例1:タータリー・バックワート抽出物の製造
タータリー・バックワートを乾燥させて脱皮させた後、熱風乾燥機で220℃〜300℃、3分〜10分間焙煎工程を行って、色差計の明度L値50の焙煎タータリー・バックワートを製造する。
ルチン含有量が高い蕎麦抽出物を得るために、良く焙煎された明度L値50の焙煎タータリー・バックワート100kgを循環式抽出機100の原料抽出タンク102に入れ、原料重量対比30倍数の55℃の水を抽出タンクに準備しておき、熱交換器101を利用して、1次抽出を55℃で6分間、2次抽出を75℃で6分間、3次抽出を95℃で6分間行い、3次抽出が終了すると同時に、1分当り500Lずつ排出して15℃の冷却器を介して冷却し、遠心分離機120で遠心分離を行った後、3μmフィルターでろ過し、熱水により得た抽出液である抽出物を抽出物貯蔵タンク130に貯蔵保管した。
【0035】
製造例2:マンネンタケ、メシマコブ、チャーガなどの抽出物の製造
酸化ストレス抑制効果があるマンネンタケ、メシマコブ、チャーガと、嗜好性が優れた決明子、烏龍茶、緑茶、甘野老、枸杞、プーアル茶、高麗人参、陳皮、桑の葉、柿の葉、半夏生原料を一定の配合比により配合した原料100kgを浸漬式抽出機200に原料基準30倍数の70℃〜80℃の熱水をあらかじめ準備し、原料を投入して10分間浸漬した後、膜分離して15℃の冷却器210を介して冷却し、遠心分離機220で遠心分離した後、3μmフィルターでろ過し、熱水により得た抽出液である抽出物を抽出物貯蔵タンク230に貯蔵保管した。
【0036】
実施例1-4:多様な配合比による混合茶飲料組成物
前記製造例の各々の抽出物貯蔵タンク130,230に貯蔵された抽出物は、一定の配合比に従って配合タンク300に移送され、15rpmの速度で配合タンク300で5分間攪拌し、添加物溶解タンクを利用して、水25.0〜70.0重量%に炭酸水素ナトリウムなどを適当量完全溶解して、これを配合液に添加し、下記表2に示すような配合比にて配合液を完成させて混合茶飲料組成物を得た。
【0037】
【表2】

【0038】
試験例1:混合茶飲料組成物の一般蕎麦とタータリー・バックワートのルチン含有量
【表3】

【0039】
実施例1〜4に対して、タータリー・バックワートの代りに一般蕎麦を使用して製造した混合茶飲料のルチン含有量を測定して、表3に示した。表3によると、一般蕎麦のルチン含有量は、数値上意味のない極少量であるのに対し、タータリー・バックワートのルチン含有量ははるかに高いことが分かった。
【0040】
試験例2:タータリー・バックワートの明度L値による抽出物のルチン含有量
【表4】

【0041】
タータリー・バックワートの焙煎程度を変化させ、実施例1による製造例による抽出物を得た後、明度L値によるルチン含有量を測定して表4に示した。
表4の結果、L値が40及び50であるタータリー・バックワートのルチン含有量が高いことが確認されたが、40の場合は嗜好性が良くなかった。L値が60であるタータリー・バックワートは嗜好性も優れており、ルチン含有量も比較的高かった。
【0042】
試験例3:水の温度による抽出物のルチン含有量
【表5】

【0043】
焙煎タータリー・バックワートを温度を異にして25質量倍の水で抽出し、タータリー・バックワートの温度変化によるルチン含有量を測定して表5に示した。表5によると、温度が上昇するに従ってルチン含有量が増加することが分かり、これによってタータリー・バックワート特有の風味もまた優れていることを予測することができた。
【0044】
試験例4:混合茶飲料の嗜好性に対する官能試験
実施例1〜4で製造した組成物について嗜好性が優れたルチンが含有されたタータリー・バックワートと酸化ストレス抑制効果があるマンネンタケ、メシマコブ、チャーガを使用した混合茶飲料を製造するために、熱水温度と原料を基準として熱水抽出比率27〜32倍で抽出を行い、10人の訓練された専門要員により官能検査を実施して、その結果を下記表6に各々示した。
【0045】
【表6】

【0046】
表6に示した官能検査結果によると、全体的に嗜好性が優れており、特に、70℃〜80℃の熱水で抽出した混合茶飲料の嗜好性が優れていた。その結果、抽出に使用される熱水の温度は、70℃〜80℃が適当であることが分かった。特に、実施例3と実施例4の配合比の混合茶飲料の嗜好性が優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色差計の明度L値50〜60を有する20〜35重量部の焙煎タータリー・バックワートと、1〜8重量部のマンネンタケ、1〜8重量部のメシマコブ及び1〜8重量部のチャーガを原料とする抽出物を含むことを特徴とする混合茶飲料組成物。
【請求項2】
20〜30重量部の決明子、10〜20重量部の烏龍茶、3〜10重量部の緑茶、1〜5重量部の甘野老、2〜7重量部の枸杞、1〜4重量部のプーアル茶、0.5〜1.5重量部の高麗人参、0.3〜1.5重量部の陳皮、0.3〜2.5重量部の半夏生、0.3〜1.7重量部の桑の葉、及び0.3〜1.5重量部の柿の葉からなる群から選択された少なくとも1種を原料とする抽出物を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の混合茶飲料組成物。
【請求項3】
色差計の明度L値50〜60を有する焙煎タータリー・バックワートを25〜35重量倍の水で55℃から95℃まで等間隔で段階的に上昇させ、2〜4回の循環式抽出を行う工程と、マンネンタケ、メシマコブ及びチャーガからなる原料と、70〜80℃の前記原料の25〜35重量倍の水で浸漬式抽出を行う工程を含むことを特徴とする混合茶飲料組成物の製造方法。
【請求項4】
前記原料は、決明子、烏龍茶、緑茶、甘野老、枸杞、プーアル茶、高麗人参、陳皮、半夏生、桑の葉及び柿の葉からなる群から選択された少なくとも1種を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の浸漬式抽出工程を含むことを特徴とする混合茶飲料組成物の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−183285(P2009−183285A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21358(P2009−21358)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(503031684)ロッテ七星飲料株式会社 (3)
【氏名又は名称原語表記】Lotte Chilsung Beverage Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1322−1,Seocho 2dong,Seochogu,Seoul,Korea
【出願人】(390002990)株式会社ロッテホールディングス (24)
【Fターム(参考)】