説明

噴射ポンプ組立体のためのねじれ抑制

【課題】原子炉圧力容器壁と炉心シュラウド壁との間に配置されている噴射ポンプ組立体のねじれを抑制する拘束体構造を提供する。
【解決手段】噴射ポンプ組立体をねじれ抑制する種々のねじれ抑制システム1000が開示されており、噴射ポンプ組立体は、ライザ管30と、ライザ管30上の遷移組立体と、第1のインレットミキサ50A及び第2のインレットミキサ50Bをライザ管30に連結する拘束ブラケット100とを含む。ねじれ抑制システム1000は、噴射ポンプ組立体の側面に動作可能に取り付けられている第1の接触部材240と、噴射ポンプ組立体の側面に動作可能に取り付けられている、且つ第1の接触部材240から配設されている第2の接触部材240とを含み、第1及び第2の接触部材240は、ライザ管30がライザ管30の中心線を中心に回転しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、噴射ポンプ組立体を拘束するねじれ抑制に関する。
【背景技術】
従来の沸騰水型原子炉は、炉心シュラウドを取り巻く原子炉圧力容器(RPV:reactor pressure vessel)を含む。炉心シュラウドは、炉心を取り巻いている。一般に、炉心シュラウド及び原子炉圧力容器の各々は、炉心シュラウドの外径が原子炉圧力容器の内径より小さくなるように、円筒形に成形されている。原子炉圧力容器壁と炉心シュラウド壁との間に、通常は噴射ポンプ組立体が配置されている環状空間がある。
図1は、上記アニュラス部内に配置されている従来の噴射ポンプ組立体25を示す。図1に示されている通り、RPV20の側壁15を貫通して延出している注入ノズル10が、噴射ポンプ組立体25に連結されている。噴射ポンプ組立体25は、シュラウド35とRPV20の側壁15との間に延在しているライザ管30を含む。ライザ管30は、遷移組立体(transition assembly)40により、2つの噴射ポンプ35A及び35Bに連結されている。各噴射ポンプ35A及び35Bは、噴射ポンプノズル42と、吸引口45と、インレットミキサ(inlet mixer)と、ディフューザ55とを含む。例えば、第1の噴射ポンプ35Aは、第1のインレットミキサ50Aを含み、第2の噴射ポンプ35Bは、第2のインレットミキサ50Bを含む。噴射ポンプノズル42は、インレットミキサ50A及び50Bの第1の端部に配置されている吸引口45内に配置されている。ディフューザ55は、スリップジョイント65により、インレットミキサ50A及び50Bの第2の端部に連結されている。通常、インレットミキサ50A及び50Bとディフューザ55とはどちらも、複数の円筒形部分で形成されている。円周溶接部70により、円筒形部分が接合されている。
通常、支持部材75が、ライザ管30を取り巻いており、溶接部80を介してライザ管30に接続しており、溶接部80は、ライザ管30の円周の周りで約180度に及ぶ可能性がある。インレットミキサ50A及び50Bは、拘束ブラケット(restrainer bracket)100によりライザ管30に固定されている。
図2を参照すると、従来の拘束ブラケット100は、インレットミキサ50A及び50Bを取り巻いている第1の枠部材105Aと第2の枠部材105Bとを含む。従来の拘束ブラケット100はまた、枠部材105A及び105Bを貫通する、且つインレットミキサ50A及び50Bを圧迫する2つ以上の止めねじ110を含む。また、拘束ブラケット100がインレットミキサ50A及び50Bを止めねじ110と主ウェッジ115との間に確実に保持するように、通常、主ウェッジ115が、枠部材105A及び105Bとインレットミキサ50A及び50Bとの間の間隙内に設けられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
例示的実施形態は、噴射ポンプ組立体をねじれ抑制するシステムに関する。
第1の例示的実施形態は、噴射ポンプ組立体のためのねじれ抑制システムを提供し、噴射ポンプ組立体は、第1及び第2のインレットミキサと流体連通するライザ管を含む。ねじれ抑制システムは、噴射ポンプ組立体の側面に動作可能に取り付けられている第1の接触部材と、噴射ポンプ組立体の側面に動作可能に取り付けられている、且つ第1の接触部材から配設されている第2の接触部材とを含んでいてもよく、それにより第1及び第2の接触部材は、ライザ管がライザ管の中心線を中心に回転しないようにする。
本発明の第2の例示的実施形態が、ハードストップユニット(hard stop unit)を提供する。本例示的実施形態によれば、ハードストップユニットは、h形ブラケットの側面を貫通する雌ねじ穴部とh形ブラケットの底面から突出しているねじボルトとを有するh形ブラケットを含んでいてもよい。ハードストップユニットはまた、ねじボルトが通過する穴部を備えた係止キャップと、ねじボルトに係合しているナットとを含んでいてもよい。更に、ハードストップユニットは、h形ブラケットの雌ねじ穴部に係合している雄ねじを有するねじ付き接触部材を含んでいてもよい。
本発明の第3の例示的実施形態が、ハードストップユニットを含む。本例示的実施形態によれば、ハードストップユニットは、第1の部材と、第1の部材に平行な第2の部材と、第1の部材を第2の部材に連結させる第3の部材とを有するU形取付けプレートを含んでいてもよい。ハードストップユニットは、第1の部材の付近に配置されている第3の部材上に第1のブラケットを更に含んでいてもよく、第1のブラケットは、第1の雌ねじ穴部を含む。ハードストップユニットはまた、第2の部材の付近に配置されている第3の部材上に第2のブラケットを含んでいてもよく、第2のブラケットは、第2の雌ねじ穴部を含む。ハードストップユニットはまた、第1の雌ねじ穴部に係合している第1の雄ねじ付き接触部材と、第2の雌ねじ穴部に係合している第2の雄ねじ付き接触部材とを含んでいてもよい。ハードストップユニットはまた、第3の部材の下面上に設けられている第1のアクセサリ部材と第2のアクセサリ部材とを含んでいてもよく、第1のアクセサリ部材及び第2のアクセサリ部材の各々は、ピンチボルトに係合している穴部を含む。ハードストップユニットは、第1の部材の底面上に設けられている第1のJ形アクセサリ部材と、第2の部材の底面上に設けられている第2のJ形アクセサリ部材とを更に含んでいてもよい。
本発明の第4の例示的実施形態が、ハードストップユニットを含む。本例示的実施形態によれば、ハードストップユニットは、第1の部材と、第1の部材に平行な第2の部材と、第1の部材を第2の部材に連結させる第3の部材とを有するI形取付けプレートを含んでいてもよい。ハードストップユニットはまた、第1の部材上に第1のブラケットを含んでいてもよく、第1のブラケットは、第1の雌ねじ穴部を含む。ハードストップユニットはまた、第1の部材上に第2のブラケットを含んでいてもよく、第2のブラケットは、第2の雌ねじ穴部を含む。ハードストップユニットは、第1の雌ねじ穴部に係合している第1の雄ねじ付き接触部材と、第2の雌ねじ穴部に係合している第2の雄ねじ付き接触部材とを更に含んでいてもよい。ハードストップユニットは、第3の部材に取り付けられている2つのJ形取付けフックを更に含んでいてもよい。
本発明の例示的実施形態が、添付図面と共に示されている以下の詳細な説明からより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の噴射ポンプ組立体の図である。
【図2】 噴射ポンプ組立体の従来の拘束ブラケットの図である。
【図3】 本発明の第1の例示的実施形態によるねじれ抑制システムの上面図である。
【図4】 本発明の第1の例示的実施形態によるねじれ抑制システムの図である。
【図5】 本発明の第1の例示的実施形態によるハードストップユニットの図である。
【図6】 本発明の第1の例示的実施形態によるコンプライアントばね(compliant spring)ユニットの図である。
【図7】 本発明の第2の例示的実施形態によるねじれ抑制システムの図である。
【図8】 本発明の第2の例示的実施形態によるねじれ抑制システムの別の図である。
【図9】 本発明の第2の例示的実施形態によるねじれ抑制システムの別の図である。
【図10】 本発明の第3の例示的実施形態によるねじれ抑制システムの図である。
【図11】 本発明の第3の例示的実施形態によるねじれ抑制システムの別の図である。
【発明を実施するための形態】
ここで、例示的実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明の例示的実施形態がより完全に記載される。しかし、本発明は、異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載されている実施形態に限定されると見なされるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底したもの、完全なものになるように、また当業者に本発明の範囲を完全に知らせるように提供されている。図面では、構成要素の大きさが、分かり易いように誇張されている場合がある。
当然のことながら、要素若しくは層が別の要素若しくは層「の上にある」、「に連結されている」、又は「に結合されている」と言われている場合、それは、その他の要素若しくは層又は存在する可能性がある介在要素若しくは介在層の直接上にあり、それに連結されており、又はそれに結合されている可能性がある。それに対して、要素が別の要素若しくは層「の直接上にある」、「に直接連結されている」、又は「に直接結合されている」と言われている場合、介在要素若しくは介在層は存在していない。本明細書では、用語「及び/又は」は、関連する列挙した事項の1つ以上の任意の又は全ての組合せを含む。
当然のことながら、「第1の」、「第2の」等の用語が、種々の要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分を説明するために本明細書で使用されていることがあるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分は、これらの用語により限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分を別の要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分と区別するために使用されているに過ぎない。従って、以下に考察されている第1の要素、構成要素、領域、層、又は部分は、例示的実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、又は部分と称することができる。
「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」などの空間的関係の用語が、図に示されている、別の要素(単数若しくは複数)又は特徴(単数若しくは複数)に対する1つの要素又は特徴の関係を説明する記述をし易くするために、本明細書で使用されている場合がある。当然のことながら、空間的関係の用語は、図に示されている配置に加えて、使用中且つ動作中のデバイスの異なる配置を包含するものである。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素若しくは特徴の「下方に(below)」又は「下に(beneath)」と説明された要素が、他方の要素若しくは特徴の「上方に(above)」配置されることが考えられる。従って、例示的用語「下方に(below)」は、上方及び下方の配置の両方を包含し得る。デバイスは、別の方法で(90度回転して又は他の配向で)配置されていてもよく、本明細書で使用されている空間関係の記述語は、適宜解釈することができる。
本明細書に記載されている実施形態が、理想的な概略図として平面図及び/又は横断面図を参照することになる。適宜に、図は、製造技術及び/又は製造公差により修正されてもよい。従って、例示的実施形態は、図に示されているものに限定されず、製造工程に基づいて形成された構成の修正形態を含む。従って、図に例示されている領域は図の特性を有しており、図に示されている領域の形状は、要素の特定の形状又は領域を例示しているのであり、例示的実施形態を制限しない。
前段で考察された通り、噴射ポンプ組立体25の従来のライザ管30は、主として、ライザ管30に溶接されていてもよい支持部材75により支持されている。ライザ管30を支持部材75に取り付けている溶接部80は、様々な負荷条件下で噴射ポンプ組立体25を適切に支持するが、出願人らは、ライザ管30に比較的大きなねじれ負荷が掛けられた場合に、溶接部80が破損し易い可能性があることを知った。例えば、噴射ポンプ組立体25は、噴射ポンプのねじれモード振動(torshional mode of vibration)を励起することができる周波数の又は略その周波数の振動を受ける可能性がある。この状況では、溶接部80に比較的大きな応力が発生する可能性があり、溶接を破損させて、噴射ポンプが適切に支持されなくなる可能性がある。また、ねじれ振動により、主ウェッジ、止めねじ、及びディフューザのスリップジョイントに損耗及び/又は損傷が生じる可能性がある。
噴射ポンプ組立体が大きなねじれ力を生成するのを防止するために、出願人らは、溶接部80内で大きなせん断応力が生成しないように噴射ポンプ組立体25を拘束するための発明概念を展開させた。
例示的実施形態1
図3〜図6は、ハードストップユニット200が噴射ポンプ組立体25の拘束ブラケット100に取り付けられている、ねじれ抑制システム1000の第1の例示的実施形態を示す。図3に示されている通り、ハードストップユニット200は、原子炉圧力容器壁15に対向している拘束ブラケット100の側面上で拘束ブラケット100に取り付けられている。拘束ブラケット100に取り付けられた場合、ハードストップユニット200は、拘束ブラケット100が原子炉圧力容器壁15の方へ移動するのを防止するか又は遅延させる。従って、ライザ管30がねじれ運動を受けた場合、その運動は、ハードストップユニット200と原子炉圧力容器壁15との相互作用により、防止されるか又は遅延されることになる。
図3〜図6は、拘束ブラケット100に取り付けられているハードストップユニット200の例を示す。図3〜図6に示されている例示的ハードストップユニット200の各々は、拘束ブラケット100に連結されているh形ブラケット220を含む。図4及び図5に示されているh形ブラケット220は、ブラケット220の底部から突出しているねじボルト280を含んでいてもよい。例示的ハードストップユニット200は、h形ブラケット220に取り付けられている接触部材240を更に含む。接触部材240は、原子炉圧力容器壁15に接触するか又は略接触するように構成されている。例示的ハードストップユニット200はまた、ボルト280が通過してもよい穴部を備えた係止キャップ260を含む。例示的ハードストップユニット200は、ねじボルト280に係合して、ハードストップユニット200を拘束ブラケット100に固定するように構成されているナット270を更に含む。
図3〜図6に示されている通り、例示的ブラケット220は、h形ブラケット220の下面220Aと係止キャップ260の上面との間で拘束ブラケット100を締め付けることにより、拘束ブラケット100に取り付けられているが、例示的実施形態はそれに限定されない。例えば、例示的h形ブラケット220は、締付けではなく溶接又はボルト締めにより拘束ブラケット100に取り付けられていてもよい。更に、例示的ブラケット220はh形に限定されない。
図3〜図6に示されている例示的h形ブラケット220は、例えば、接触部材240とねじ式に係合する穴部を含む。接触部材240は、例えば、例えばねじボルトなどの雄ねじ部材であってもよく、接触部材が通って係合する穴部は、雌ねじを含んでいてもよい。接触部材240はh形ブラケット220とねじ式に係合している可能性があるため、接触部材240の長さは、ブラケット220と接触部材240と原子炉圧力容器壁15との間が確実に適切に嵌合されるように現場で調節することができる。
前述の例示的実施形態は、ハードストップユニット200が2つ以上の別個の部品220及び240を含むように記載しているが、本例示的実施形態はそれに限定されない。例えば、接触部材240とブラケット220とは、1つの一体型のハードストップ装置として設けられていてもよい。本例では、接触部材240は、接触部材240が接触部材240と原子炉圧力容器壁との間の適切な取付けを確実にするために現場で切断することができるように、必要以上に長く製造されてもよい。別の例として、接触部材240は、現場での調節が必要ないように、特定の寸法に作製され、ブラケットに剛着されていてもよい。上記例のいずれかでは、ハードストップユニット200の構成要素は、例えば316ステンレス鋼などのステンレス鋼から作製されてもよいが、当業者にはステンレス鋼の代替となる可能性がある種々の適切な材料が分かるように、例示的実施形態はそれに限定されない。
拘束ブラケット100と原子炉圧力容器壁15との間にハードストップユニット200を設けることに加えて、ねじれ抑制システム1000はまた、拘束ブラケット100とシュラウド壁16との間に設けられているコンプライアントばねユニット300を含んでいてもよい。図3に示されている通り、コンプライアントばねユニット300は、シュラウド壁16に対向している枠部材105A及び105Bの一部分に取り付けられていてもよい。コンプライアントばねユニット300は、ばね340と、ばねブラケット320と、ばね係止キャップ360と、ナット370とを含んでいてもよい。図3及び図6に示されている通り、ばねブラケット320は、h形であってもよく、ばねブラケット320の底面から突出しているねじボルト380を含んでいてもよい。ねじボルト380は、ナット370の雌ねじに係合するように構成されていてもよい。コンプライアントばねユニット300は、ばねブラケット320の底面320Aとばね係止キャップ360の上面との間に枠部材105A及び105Bを締め付けることにより、枠部材105A及び105Bに取り付けられていてもよい。一般に、コンプライアントばねユニット300構成要素は、例えば316ステンレス鋼などのステンレス鋼から作製されてもよい。しかし、当業者にはコンプライアントばねユニット300構成要素に適切である可能性があるいくつかの材料を容易に特定することができるように、例示的実施形態はそれに限定されない。
コンプライアントばねユニット300は、シュラウド壁16に接触するか又は略接触するように構成されていてもよい。当業者には容易に分かるように、原子炉圧力容器壁15の膨張より大きな割合でシュラウド壁16が熱膨張する条件がある。従って、出願人らは、拘束ブラケット100に相当な応力を掛けることなくシュラウド壁16の撓みを可能にするようにコンプライアントばねユニット300のばね340が構成されていてもよいことに特に言及している。従って、コンプライアントばねユニット300は、例えばX750などのニッケル基合金などの比較的可撓性の材料から作製されているばね340を含んでいてもよい。
図3〜図6に示されている通り、1つ以上のハードストップユニット200が、ライザ管30の異なる側面上にある枠部材105A及び105Bの各々に設けられている。従って、ライザ管30が噴射ポンプ組立体25のねじれ周波数で又は略その周波数で振動励起された(is vibrationally excited)場合、ハードストップ200は、噴射ポンプ組立体25が比較的大きな回転振動を受けるのを防止することになる。従って、ハードストップユニット200は、噴射ポンプ組立体25が溶接部80に比較的大きな応力を生成するのを防ぐことになる。
例示的実施形態2
図7〜図9は、ねじれ抑制システム2000の別の例を示す。拘束ブラケット100の枠部材105A及び105Bに別個のハードストップユニット200を取り付けるのではなく、図7〜図9に示されている通り、単一のハードストップユニット400が、インレットミキサ50Aとインレットミキサ50Bとの間に設けられていてもよい。図7〜図9に示されている通り、ハードストップユニット400は、第1の略水平且つ略平行な部材412A及び第2の略水平且つ略平行な部材412Bと、2つの略水平且つ略平行な部材412A及び412Bを連結している第3の略水平な部材414とを有するU形取付けプレート410を含んでいてもよい。2つの略水平且つ略平行な部材412A及び412Bの各々は、2つの略水平且つ略平行な部材412A及び412Bの一方がライザ管50の第1の側面上にあり、2つの略水平且つ略平行な部材412A及び412Bの他方がライザ管50の第2の側面上にあるように、拘束ブラケット100上に且つライザ管30とインレットミキサ50A及び50Bとの間に嵌合するように構成されていてもよい。第3の略水平な部材414は、原子炉圧力容器壁15に対向している、2つの略水平且つ略平行な部材412A及び412Bの端部に設けられていてもよい。従って、第3の略水平な部材414は、ライザ管と原子炉圧力容器壁15との間に設けられていてもよい。
U形取付けプレート410が、3つの部材412A、412B、及び414を有するように記載されているが、U形取付けプレート410が3つの部材412A、412B、及び414に対応する3つの領域を有する単一のプレートで構成されていてもよいことを、当業者は容易に理解するはずである。従って、部材412A、412B、及び414は、一体成形のU形取付けプレート又は結合されて単一のU形取付けプレート410を形成している別個のプレートのいずれかの領域に対応する。U形取付けプレート410が3つの別個のプレートで構成されている場合、プレートは、ボルト締め又は溶接により結合されてもよい。
取付けプレート410はまた、取付けプレート410が拘束ブラケット100に締め付けられるように、第1の部材412A及び第2の部材412B及び第3の部材414の底部に連結されているアクセサリ部材416A、416B、416C、及び416Dを含んでいてもよい。例えば、図7〜図9に示されている例示的ハードストップユニット400は、原子炉圧力容器壁15に対向している取付けプレート410の側面の下にアクセサリ部材416Aとアクセサリ部材416Bとを含み、L形アクセサリ部材416CとL形アクセサリ部材416Dとは、シュラウド壁16に対向している取付けプレート410の側面の下に設けられている。図7〜図9に示されている通り、L形アクセサリ416C及びL形アクセサリ416Dは、拘束ブラケット100の真下に嵌合するように構成されている下部を含み、アクセサリ416A及びアクセサリ416Bは、原子炉圧力容器壁15の付近で拘束ブラケット100の一部を覆っているアクセサリ416A及びアクセサリ416Bの穴部とねじ式に係合しているピンチボルト418で装着されている。従って、取付けプレート410は、ピンチボルト418が回転するにつれて、拘束ブラケット100に締め付けられる可能性がある。
取付けプレート410はまた、取付けプレート410の上面に、原子炉圧力容器壁15に対向している縁部付近に取り付けられているブラケット420を含んでいてもよい。ブラケット420は、接触部材440とねじ式に係合している穴部を含んでいてもよい。接触部材440は、例えば、ねじボルトであってもよい。例えば、ねじボルトは、雄ねじを備えた一部分を含んでいてもよく、接触部材440と係合しているブラケット420の穴部は、接触部材440の雄ねじと係合するように構成されている雌ねじを含んでいてもよい。
接触部材440はねじ付きである可能性があるため、ブラケット420から突出している接触部材440の長さは、ブラケット420と接触部材440と原子炉圧力容器壁15との間が確実に適切に嵌合されるように現場で調節することができる。例えば、ブラケット420から突出している接触部材440の部分の長さは、ブラケット420により支持されていると同時に接触部材が原子炉圧力容器壁15に接触するか又は略接触するように調節することができる。
前述の例示的実施形態は、ブラケット420と接触部材440とを2つ以上の別個の部品420及び440を含むように記載しているが、本例示的実施形態はそれに限定されない。例えば、接触部材440とブラケット420とは、1つの一体型の部材として設けられてもよい。本例では、接触部材440は、接触部材440が接触部材440と原子炉圧力容器壁15との間の適切な取付けを確実にするために現場で切断することができるように、必要以上に長く製造されていてもよい。別の例として、接触部材440は、現場での調節が必要ないように、特定の寸法に作製され、ブラケットに剛着されていてもよい。上記例のいずれかでは、例示的ハードストップユニット400の構成要素は、例えば316ステンレス鋼などのステンレス鋼から作製されてもよいが、当業者にはステンレス鋼の代替となる可能性がある種々の適切な材料が分かるように、いずれの例もそれに限定されない。
原子炉圧力容器15の壁に接触するか又は略接触するように構成されている接触部材440を設けることに加えて、簡単な例示的ねじれ抑制システム4000はまた、シュラウド壁16に対向している取付けプレート410の側面上に設けられているコンプライアントばね450を含んでいてもよい。図8及び図9に示されている通り、2つのコンプライアントばね450が、シュラウド壁16に対向している第1の部材412A及び第2の部材412Bの端部上に取り付けられていてもよい。図示の通り、ばね450は逆さの「U」に似ていてもよく、シュラウド壁16に接触するか又は略接触するように構成されていてもよい。前段で考察された通り、シュラウドが原子炉圧力容器壁15より速く熱膨張した場合、ばね450は、相当な応力を取付けプレート410に伝達することなく、シュラウド35の温度ムーブメントがあればそれを吸収するように十分に可撓性であるべきである。
図7〜図9に示されている通り、ハードストップユニット400には、ライザ管30の異なる側面上に配置されているブラケット420と接触部材440とが設けられている。従って、噴射ポンプ組立体25のねじれ周波数で又は略その周波数でライザ管30が振動励起された場合、ハードストップユニット400のブラケット420と接触部材440とは、噴射ポンプ組立体25が比較的大きなねじれ振動を受けるのを防止するか又は遅延させることになる。従って、ハードストップユニット400は、噴射ポンプ組立体25が溶接部80に比較的大きな応力を生成するのを防止するか又は遅延させることになる。
例示的実施形態3
図10〜図11は、ねじれ抑制システム5000の別の例を示す。ハードストップユニットを拘束ブラケット100上に又はそれに取り付けるのではなく、ハードストップユニット500が、遷移組立体40の頂部に設けられていてもよい。図10は、遷移組立体40に取り付けて、ライザ管30のねじれ回転を防止するか又は遅延させるように構成されている例示的ハードストップユニット500を示す。図10に示されている通り、例示的ハードストップユニット500は、原子炉圧力容器壁15に対向している第1の略水平な部材512Aと、シュラウド壁16に対向している第2の略水平な部材512Bと、第1の部材512Aを第2の部材512Bに連結している第3の略水平な部材514とを含むI形プレート510を含んでいてもよい。
I形取付けプレート510は、3つの部材512A、512B、及び514を有するように記載されているが、I形取付けプレート510は、3つの別々のプレートから形成された取付けプレートではなく、3つの部材512A、512B、及び514に対応する3つの領域を有する単一のプレートで構成されていてもよいことを、当業者は容易に理解するはずである。従って、部材512A、512B、及び514は、単一のプレートのいずれかの領域又は結合されて単一のI形取付けプレート510を形成している別個のプレートに対応していてもよい。I形取付けプレート510が3つの別個のプレートで構成されている場合、プレートは、ボルト締め又は溶接により結合されていてもよい。
図10及び図11に示されている通り、ねじれ抑制システム5000はまた、I形取付けプレート510を遷移組立体40に取り付けるための取付けフック560を含む。取付けフック560の各々は、「I」形取付けプレート510の部材514の穴部を通過するように構成されているねじ付き部材570を含む。ナット580が設けられて、取付けフック560と「I」形取付けプレート510との間の連結を確実にしてもよい。ナット580がしっかり締められるにつれて、取付けフック560は上向きに引き上げられ、遷移組立体40の一部分内に進入し、「I」形取付けプレートを遷移組立体40に締め付ける。
図10では、第1の水平部材512Aは、原子炉圧力容器壁15に対向しており、第2の水平部材512Bは、シュラウド壁16に対向している。第1の水平部材512Aは、接触部材540とそれぞれねじ式に係合している2つのブラケット520を含んでいてもよい。接触部材540は、例えば、例えばねじボルトなどのねじ付き部材であってもよい。例えば、接触部材540は、雄ねじを備えた一部分を含んでいてもよく、ブラケット520は、接触部材540の雄ねじに係合するための雌ねじを備えた穴部を含んでいてもよい。接触部材540は、ブラケット520とねじ式に係合している可能性があるため、ブラケット520から突出している接触部材540の長さは、ブラケット520と接触部材540と原子炉圧力容器壁15との間が確実に適切に嵌合されるように調節された領域であってもよい。例えば、ブラケット520から突出している接触部材540の長さは、原子炉圧力容器壁15に接触するか又は略接触するように調節することができる。
前述の例示的実施形態は、2つ以上の別個の部品520及び540を含むようにハードストップユニット500を記載しているが、本例示的実施形態はそれに限定されない。例えば、接触部材540の1つ以上とブラケット520の1つとが、1つの一体型のハードストップ装置として設けられていてもよい。本例では、接触部材540は、接触部材540が接触部材540と原子炉圧力容器15の壁との間の適切な取付けを確実にするために現場で切断することができるように、必要以上に長く製造されてもよい。別の例として、接触部材540は、現場での調節が必要ないように、特定の寸法に作製され、ブラケット520に剛着されていてもよい。上記例のいずれかでは、ハードストップユニット500の構成要素は、例えば316ステンレス鋼などのステンレス鋼から作製されてもよいが、当業者にはステンレス鋼の代替となる可能性がある種々の適切な材料が分かるように、本例示的実施形態はそれに限定されない。
図10及び11に示されている通り、ねじれ抑制システム5000は、第2の部材512Bに取り付けられているコンプライアントばね550を含んでいてもよい。コンプライアントばね550は、ボルト締め、締付け又は溶接により、部材512Bに取り付けられていてもよい。コンプライアントばね550は、例えば、例えばX750などのニッケル基合金から作製されてもよい。コンプライアントばね550は、シュラウド壁16に接触するか又は略接触するように構成されていてもよい。当業者には容易に分かるように、原子炉圧力容器壁15の膨張より大きな割合でシュラウド壁16が熱膨張する条件がある。従って、出願人らは、プレート510に相当な応力を掛けることなくシュラウド壁14が撓むことを可能にするようにコンプライアントばね550が構成されるべきであることに特に言及している。
図10〜図11に示されている通り、ハードストップユニット500には、ライザ管30の異なる側面上に配置されているブラケット520と接触部材540とが設けられている。従って、噴射ポンプ組立体25のねじれ周波数で又は略その周波数でライザ管30が振動励起された場合、ハードストップユニット500のブラケット520と接触部材540とは、噴射ポンプ組立体25が比較的大きなねじれ振動を受けるのを防止するか又は遅延させることになる。従って、ハードストップユニット500は、噴射ポンプ組立体25が溶接部80に比較的大きな応力を生成するのを防止するか又は遅延させることになる。
例示的実施形態が、その例示的実施形態を参照して詳細に示され記載されたが、当業者には当然のことながら、以下の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に様々な変更が施されてもよい。例えば、システム2000、4000、及び5000の各々は、独立して記載されたが、いずれのシステムも互いに相互排他的ではなく、上記システムの任意の組合せが本発明の範囲内と見なされる。
【符号の説明】
10 注入ノズル
15 原子炉圧力容器(側)壁
16 シュラウド壁
20 原子炉圧力容器
25 噴射ポンプ組立体
30 ライザ管
35 シュラウド
35A、35B 噴射ポンプ
40 遷移組立体
42 噴射ポンプノズル
45 吸引口
50A 第1のインレットミキサ
50B 第2のインレットミキサ
55 ディフューザ
65 スリップジョイント
70、80 溶接部
75 支持部材
100 拘束ブラケット
105A 第1の枠部材
105B 第2の枠部材
110 止めねじ
115 主ウェッジ
200、400、500 ハードストップユニット
220 h形ブラケット
220A h形ブラケット220の下面
240、440、540 接触部材
260 係止キャップ
270、370、580 ナット
280、380 ねじボルト
300 コンプライアントばねユニット
320 ばねブラケット
320A ばねブラケット320の底面
340 ばね
360 ばね係止キャップ
410 U形取付けプレート
412A (U形取付けプレートの)第1の略水平且つ略平行な部材
412B (U形取付けプレートの)第2の略水平且つ略平行な部材
414 (U形取付けプレートの)第3の略水平な部材
416A、416B アクセサリ部材
416C、416D L形アクセサリ部材
418 ピンチボルト
420、520 ブラケット
450、550 コンプライアントばね
510 I形プレート
512A (I形プレートの)第1の略水平な部材
512B (I形プレートの)第2の略水平な部材
514 (I形プレートの)第3の略水平な部材
560 取付けフック
570 ねじ付き部材
1000、2000、4000、5000 ねじれ抑制システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射ポンプ組立体(25)のためのねじれ抑制システム(1000、2000)であって、前記噴射ポンプ組立体(25)が、第1のインレットミキサ(50A)及び第2のインレットミキサ(50B)と流体連通するライザ管(30)を含む、ねじれ抑制システム(1000、2000)において、
前記噴射ポンプ組立体(25)の側面に動作可能に取り付けられている第1の接触部材(240、440)と
前記噴射ポンプ組立体(25)の前記側面に動作可能に取り付けられている、且つ前記第1の接触部材(240、440)から配設されている第2の接触部材(240、440)とを備え、それにより前記第1及び第2の接触部材(240、440)が、前記ライザ管(30)が前記ライザ管(30)の中心線を中心に回転しないようにする、システム(1000、2000)。
【請求項2】
前記第1の接触部材(240、440)を支持する第1のブラケット(220、420)と
前記第2の接触部材(240、440)を支持する第2のブラケット(220、420)と
を更に含む、請求項1記載のシステム(1000、2000)。
【請求項3】
前記噴射ポンプ組立体(25)が、前記第1のインレットミキサ(50A)及び前記第2のインレットミキサ(50B)を前記ライザ管(30)に締め付ける拘束ブラケット(100)を含み、
前記第1のブラケット(220)及び前記第2のブラケット(220)が、前記拘束ブラケット(100)の第1の枠部材(105A)及び第2の枠部材(105B)に取り付けられており、前記第1の枠部材(105A)及び前記第2の枠部材(105B)と原子炉圧力容器壁(15)との間に配置されている、
請求項2記載のシステム(1000)。
【請求項4】
前記拘束ブラケット(100)の前記第1の枠部材(105A)及び前記第2の枠部材(105B)に取り付けられている、且つ前記第1の枠部材(105A)及び前記第2の枠部材(105B)とシュラウド壁(16)との間に配置されている、第1及び第2のコンプライアントばねユニット(300)
を更に含む、請求項3記載のシステム(1000)。
【請求項5】
前記第1及び第2のブラケット(420)を支持するように構成されている、前記第1のインレットミキサ(50A)と前記第2のインレットミキサ(50B)との間にある取付けプレート(410)
を更に含む、請求項2記載のシステム(2000)。
【請求項6】
前記取付けプレート(410)が、
U形であり、
前記ライザ管(30)と前記第1のインレットミキサ(50A)との間にある第1の部材(412B)と、
前記ライザ管(30)と前記第2のインレットミキサ(50B)との間にある第2の部材(412A)と、
前記第1の部材(412B)と前記第2の部材(412A)とを連結している第3の部材(414)であり、前記ライザ管(30)と原子炉圧力容器壁(15)との間に配置されている、第3の部材(414)と
を含む、請求項5記載のシステム(2000)。
【請求項7】
前記第1及び第2のブラケット(420)が、前記第3の部材(414)上にある、請求項6記載のシステム(2000)。
【請求項8】
前記第1の部材(412B)が、前記第1の部材(412B)を前記拘束ブラケット(100)に取り付けるように構成されているアクセサリ部材(416C)を含み、
前記第2の部材(412A)が、前記第2の部材(412A)を前記拘束ブラケット(100)に取り付けるように構成されている第2のアクセサリ部材(416D)を含み、
前記第3の部材(414)が、ピンチボルト(418)を含む第3のアクセサリユニット(416A)と第4のアクセサリユニット(416B)とを含み、
前記第1、第2、第3、及び第4のアクセサリユニット(416D、416C、416A、416B)が、前記第1、第2、及び第3の部材(412B、412A、414)を前記拘束ブラケット(100)に協働して固定する、
請求項6記載のシステム(2000)。
【請求項9】
シュラウド壁(16)に対向している前記第1の部材(412B)の端部上の第1のコンプライアントばねユニット(450)と、
前記シュラウド壁(16)に対向している前記第2の部材(412A)の端部上の第2のコンプライアントばねユニット(450)と
を更に含む、請求項6記載のシステム(2000)。
【請求項10】
h形ブラケット(220)の側面を貫通する雌ねじ穴部及びh形ブラケット(220)の底面から突出しているねじボルト(280)を有するh形ブラケット(220)と、
前記ねじボルト(280)が通過する穴部を備えた係止キャップ(260)と、
前記ねじボルト(280)に係合しているナット(270)と、
前記h形ブラケット(220)の前記雌ねじ穴部に係合している雄ねじを有するねじ付き接触部材(240)と
を含む、ハードストップユニット(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−169315(P2011−169315A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−8505(P2011−8505)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
【Fターム(参考)】