説明

嚢胞性線維症およびその他のIL−8依存性疾患治療用の強心配糖体

【課題】IL-8および他の前炎症性サイトカインを高レベルで分泌する細胞からの、これらの化合物の分泌を抑制する方法を提供する。
【解決手段】該方法には、オレアンドリンなどの強心配糖体を含む化合物に該細胞を接触させることが含まれる。強心配糖体は、自発的に分泌されるIL-8および他の前炎症性サイトカインのレベルを低減することにより、嚢胞性線維症および他のIL-8依存性疾患を治療するために使用することが可能である。ナノモル濃度の範疇のオレアンドリンが、CF上皮細胞の培養物からのIL-8の分泌を抑制するということが発見された。また、強心配糖体に対する構造活性相関(SAR)も解明されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にIL-8を高レベルで分泌する細胞からのIL-8分泌を抑制する、オレアンドリン等の強心配糖体の使用に関する。本件は、2002年5月28日に出願された米国仮出願第60/383,117号に基づく優先権を主張する出願である。この仮出願の全文は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
嚢胞性線維症(CF)は、米国における常染色体劣性の致死性疾患の中で最も一般的である(ウェルシュ(Welsh)ら、1995)。患者集団の約5%が突然変異体遺伝子CFTRを保有しており(ローメンズ(Rommens)ら1989、リオダン(Riordan)ら1989、ケレム(Kerem)ら1989)、本疾患は出生数2500名に対して1名の頻度で発症するものである。統計学上は、患者の過半数は28歳に至るまでに死亡している。現在のところ、呼吸困難ならびに続発する炎症および肺感染の合併症は、90%を超えるCF患者が最終的に死に至ることに対する直接的な原因となっている。対照患者では、十分に特徴づけられた情報伝達経路によって炎症が制御される。しかしながら、CFにおける炎症は制御不能であり、最終的に肺の損傷が引き起こされる。肺の移植が不可能である場合、予後は死に至るものとなる。
【0003】
出生当初には、顕微鏡観察上、CF肺は正常と記録されるとともに、非常に早い時期に粘液分泌におけるわずかな異常が観察されてきている(ピレウスキー(Pilewski)ら、1999)。細菌感染および炎症に関する他覚的な徴候は、それぞれの主要病原菌による明確な時間的展開を遂げながら後期に発症する。例えば、黄色ブドウ球菌およびインフルエンザ菌は早期にCF気道に寄生し、陽性を示す培養齢の平均値は12.4ヶ月である(アブマン(Abman)ら、1991)。対照的に、緑膿菌感染は実質的に前者よりも後となる時期に続発し、初めて陽性を示す培養齢の平均値は20.8ヶ月である。緑膿菌による持続的なコロニー形成は、年齢の高いCF患者の特徴であり、炎症に関する激しく持続的な細胞性の徴候は、患者を本疾患の末期に至らしめる持続性の感染を伴うものである。
【0004】
CF患者が年齢を重ねるに連れて、CF肺は白血球値の上昇により特徴付けられるようになる。これらには多形核白血球、マクロファージ、単球、リンパ球および好酸球が含まれる。高レベルのインターロイキン-8(IL-8)および他の前炎症性因子であるIL-1β、IL-6、ロイコトリエンB4、RANTESおよびTNFα等により、これらの細胞は、循環から気道へと集められるとの仮説が立てられる。これらの因子は、CF内腔環境の性質を特徴付けるものである(ボンフィールド(Bonfield)ら1995a、同著者ら1995b)。これらの因子の中で、IL-8は最も一般的かつ強力なものとして位置付けられる。IL-8は8キロダルトン(kDa)のケモカインタンパク質であり、好中球およびT細胞に対する主要な遊走因子である(クルーズ(Cruse)ら1995)。このケモカインは、CF患者の気管支肺胞洗浄液、唾液および血清中で非常に高値を示すため、嚢胞性線維症に対して特に重要である(ディーン(Dean)ら1993、リッチマン−アイゼンスタット(Richman-Eisenstat)ら1993、フランクール(Francoeur)ら1995、アームストロング(Armstrong)ら1977)。IL-8が高値であることは、慢性および持続的な感染症に対して二次的なものであるとの可能性があると考え続けられていた。しかしながら、CFに罹患した生後4週の乳児由来の気管支肺胞洗浄液では、IL-8伝達物質およびタンパク質の双方が上昇する(カーン(Khan)ら1995)。重要なことは、IL-8の分泌過多は、ウィルス、菌類あるいは代表的なCF病原菌による感染の他覚的な根拠に先立って発現する(カーン(Khan)ら1995)。CF上皮組織に関する前炎症状態の一般的なコンセプトは、CF児の糞便におけるIL-8のレベルは、非CF対照群に対して約1000倍上昇しているという事実により、さらに明確なものになっている(ブリアーズ(Briars)ら1995)。糞便中のIL-8のレベルは、肺機能とは相関性を有しているが(FEV1;一秒量[1秒間努力呼気容量])、確立された緑膿菌感染症とは、いくらかの相関性を有しているに過ぎない。肺移植を受けたCF患者由来の気管支生検に対する最近の研究では、粘膜下腺細胞においてIL-8の発現が継続的に増加することが示された(タバリー(Tabary)ら1998)。したがって、これらの臨床基準に鑑み、IL-8の高値はCF肺に固有に見られるものと考えられる。
【0005】
CF患者から単離された気道上皮細胞は、非CF患者由来の培養細胞に比べて多量のIL-8を常に分泌する(ベダール(Bedard)ら1993、リュエフ(Ruef)ら1993、ディマンゴ(Dimango)ら1998)。興味深いことに、気道よりも上部に由来する、例えば鼻上皮組織等に由来する培養細胞では、対照およびCF患者の間にはこのような差異は見られない(ブラック(Black)ら1998)。さらに、緑膿菌細胞および毒素に対する(マッション(Massion)ら1994、ディマンゴ(Diamango)ら1998)、あるいはTNFαとINFγの組み合わせに対する(シュワイベール(Schweibert)ら1999)IL-8の分泌に関し、CF気道上皮細胞は非常に敏感である。ヒトの肺におけるCFTRの値は、粘膜下腺で最も高い。CF患者から採取したこれらの組織では、体内および体外の双方においてIL-8のmRNAおよびタンパク質が高レベルで観察された(タバリー(Tabary)ら1998)。後者の研究では、IL-1βおよびIL-6等の他の前炎症性サイトカインは、CF症状による影響を受けることはなかった。未知のメカニズムによりIκBの活性化を介してNFκBを活性化する小胞体中においてCFTR突然変異体を保持するためにCF上皮細胞による高レベルのIL-8産生が提唱されてきている(ディマンゴ(DiMango)ら1999)。活性化されたNFκBが細胞質ゾルから細胞核へと集まり、IL-8プロモータに結合した場合、正常な上皮細胞内でIL-8遺伝子の転写が活性化されることが知られていることから、NFκBシステムが注目されている。感染を引き起こす用量の緑膿菌を同時に植え付けた場合に、CF細胞系(“CFTE”)およびマウス肺(MIP2)の双方に由来するIL-8分泌を抑制するためには、IkBαを過剰に分泌するアデノウィルスが採用されてきた(グリーセンバッハ(Griesenbach)ら1999、同著者ら2000)。
【0006】
IL-8およびその他の前炎症性サイトカインを高レベルで分泌する細胞に由来するこれらの成分の分泌を抑制するような組成物を開発することが切望されていると考えられる。これらの組成物はこれらの成分が高レベルであることにより特徴付けられる病状の治療に有用であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−99894号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、第一に、強心配糖体を含む組成物に細胞を接触させることを含む、高レベルのIL-8を分泌する細胞からの(細胞に由来する)IL-8の分泌を抑制する方法を提供する。本願発明によれば、この細胞はCF肺上皮細胞であってもよい。また、本願発明によれば、この強心配糖体は、オレアンドリン、ジギトキシン、ジゴキシン、ウアバイン、ジゴキシゲニン、ジギトキシゲニン、およびアセチル−ストロパンチジン(acetyl-stropanthidin)からなる群より選択され得るものである。
本願発明は、第二に、強心配糖体を含有する組成物の有効量を、本疾患を患う哺乳動物に対して投与することを含む、高レベルのIL-8に特徴付けられる病状を治療する方法を提供する。本願発明によれば、この哺乳類がヒトであってもよい。また、本願発明によれば、高レベルのIL-8は、心肺バイパス手術、心肺停止、炎症性大腸炎、肺疾患および肺の状態、外傷性脳損傷、脳卒中、移植組織不適合性、アルツハイマー病、パーキンソン病、HIV、ウィルス感染症、ならびにシクロオキシゲナーゼ阻害薬抵抗性の発熱、からなる群より選択される状態に起因するものであり得る。
本願発明は、第三に、強心配糖体を含有する組成物の有効量を、嚢胞性線維症を患うヒトに対して投与することを含む、高レベルのIL-8に特徴付けられる状態(病状)を治療する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】IL-8の合成に至るNFκB活性化経路を図示したものである。
【図2】NFκBおよび他のシス活性転写因子によるIL-8プロモータの活性化を図示したものである。
【図3】嚢胞性線維症肺上皮細胞であるIB-3からのIL-8分泌に対するオレアンドリンの効果を示すグラフである。
【図4A】これらの試験で使用されたオレアンドリンの核磁気共鳴(NMR)スペクトルを図示したものである。
【図4B】これらの試験で使用されたオレアンドリンの質量スペクトルを図示したものである。
【図5A】種々のオレアンドリン類似体の構造を図示したものである。
【図5B】種々のオレアンドリン類似体の構造を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
CF気道上皮細胞系IB-3によるIL-8の分泌は、野生型CFTRを用いて回収した同一の細胞系によるIL-8の分泌に比べて上昇する(エイデルマン(Eidelman)ら2001a)。したがって、高レベルのIL-8分泌は突然変異型CFTRにより引き起こされている可能性があり、ΔF508-CFTRのトラフィッキング異常を修正することが可能な薬剤または遺伝子もまた、IL-8の分泌を低減する可能性がある。
本願発明者は、IB-3細胞によるIL-8の分泌は、野生型CFTRのみならず、CPXおよびリン脂質修飾剤MEA(メチルエチルアミン)により抑制されることを発見した。本願発明者は、CFTE細胞からのIL-8の過剰分泌は、CPXによって抑制されることもまた発見した。この知見は、IL-8の分泌が、CF上皮細胞の機能不全の観点から嚢胞性線維症の病理学の理解に関連するものであるというコンセプトを支持するものである。
【0011】
先に記載した通り、NFκB情報伝達経路はIL-8に関与してきた。しかしながら、この経路における実質的あるいは潜在的な構成要素の数は莫大である。図1に示されるように、TNFα、IL-1および細菌性リポ多糖体(LPS)を含む初期独立経路は、NIKまたはMAP6Kファミリーへと集まるものと仮説付けられており、次にIκBキナーゼ複合体(IKKα、βおよびγ)を活性化する。p65およびp50コンポーネントにより構成されるNFκB複合体は、IκBと複合体を形成することにより不活性となる。しかしながら、活性化されたIKKがIκBをリン酸化した場合、プロテオソームはリン酸-IκBを攻撃し、剰余のp65/p50複合体を放出する。このNFκBヘテロ二量体は核内に入り込み、IL-8、IκB、TNFα、IL-1および種々のその他の炎症性情報伝達分子に対するプロモータ上のκB部位へと結合する。このようにして、IL-8が転写され、最終的に分泌される。核内で一旦、細胞質ゾル由来の新たなIκB分子によりNFκB複合体はκB部位から除去され、これがp65/p50/IκB複合体として核外に移動し、次の活性化に備える。
【0012】
図1に示されるように、p50コンポーネントはより大きなp105前駆体として合成されるが、これはp65に結合することが可能である。P65に結合した場合、p105はp65に対するp50リガンドとして作用するばかりでなく、抗IκB様リガンドとしても作用する。この後者の働きにより、IKKはNFκB複合体に対して活性化作用を持たない。
さらに図1に示されるように、TNFαR1受容体は、TRADD(TNF Receotpr-1 Associated Deth Domain protein;TNF受容体結合性細胞死ドメインタンパク)、TRAF2(TNF Receptor Associated Factor;TNF受容体関連因子)、RIP(TNF Receptor Interacting Protein;TNF受容体相互作用タンパク質)およびCIAP1/2(Inhibitor of Apotpsis Protein 1;抗アポトーシスタンパク1)を含む遺伝子産物の複合体を通じて、TNFαシグナルをIκBキナーゼシステムへと変換する。これらの名称が示唆するように、このシステムは炎症の調節だけではなく、アポトーシス経路の調節にも密接に関連している。例えば、TRADDアダプターはTNFαRと、下流のアポトーシスコンポーネントであるカスパーゼ7、FLICE、FAS抗原、FANおよびTRAMP(図示せず)等との間の相互作用を変換する。細胞にとって可能な、単純な「分裂または死」の選択という状況において、TNF関連遺伝子産生物の一群というものが、双方の目的に用いられるものであると当初は考えられていた。しかしながら、CF細胞の場合、前炎症性経路と前アポトーシス経路との間の相互作用の潜在性は意味のない推測以上のものであるかもしれないということを十分に理解することが重要である。例えば、CF患者の十二指腸生検で観察される腺窩の腸細胞では、断片化DNAを標識するTUNELにおいて10倍の上昇が報告された(マイウリ(Maiuri)ら1997)。さらに、アポトーシスのマーカーであるFASおよびFASリガンド発現は、CF気管支上皮組織およびCF気管支細胞系の培養物において、非CF対照群に対して著しく上昇した(デュリュー(Durieu)ら1999)。アポトーシスの無秩序な制御は、ΔF508-CFTRを発現する異種C127細胞でも観察された(ゴットリエブ(Gottlieb)ら1996)。
【0013】
IL-8プロモータにおける、既知のシス活性化要素となる配列を図2にまとめた。これらの要素の幾つかは、NFκBおよびAP-1等の本質的な調節物質の原因となっているが、その他は各病原体に個別に対応している。したがって、これらの要因の特定の組み合わせが、CF細胞においてIL-8を本質的に高いレベルで発現し、分泌する原因となっている可能性がある。さらに、これらの組み合わせは、野生型CFTRまたはCPXの存在下におけるIL-8分泌のベースライン値の抑制の原因、および緑膿菌に対する生理学的反応の原因ともなっている可能性がある。実験的に確認したシス活性化要素の特性を次のようにまとめた:(i)RSVRE(結合部位:-162〜-132位)は、新たに発見されたRSウイルス反応因子であり、これはRSウィルス感染における、激性のIL-8依存性肺炎症疾患の原因である(カソーラ(Casola)ら2000);(ii)IFNRF1、すなわちインターフェロン調節因子1はRSVREに結合するとともに、さらにこれを活性化する(カソーラ(Casola)ら2000);(iii)AP-1(結合部位:-126〜-120位)は、JunD/CFosのヘテロ二量体により活性化され、これは(iv)CMVRE1(CMV反応因子)により、サイトメガロウィルス(CMV)感染において超活性化される;(v)NF-IL-6(結合部位:-94〜-81位)は、IL-8の転写活性剤であり、C/EBPα(CCAAT boxエンハンサー結合タンパク質α)と相互に作用する重複部位である可能性がある;(vi)NFκB(結合部位:-80〜-70位)は、NF B/Rel転写因子のファミリーにより活性化され、CMV1E1により超活性化される;(vii)C/EBPα(結合部位は-91〜-81)は、部分的にNFκB部位と重複しており、状況にしたがってIL-8転写を活性化あるいは阻害する(ビクター(Victor)ら1996)、ステイン(Stein)ら1993);(viii)GC(糖質コルチコイド受容体)は、NFκBに結合して転写を阻害する(ボールドウィン(Baldwin)1996に要約されている);(ix)OCT-1はホメオドメイン因子であり、NF-IL-6に作用することによって、IL-8転写を抑制する(ウー(Wu)ら1997);(x)NF-AT(活性化T細胞の核因子)は、NFκB部位またはその近辺に結合して転写を活性化する(ローバック(Roebuck)1999);(xi)HTLV-1によりコードされたTAXは、NFκBに結合して転写を促進する(スズキ(Suzuki)ら1994);(xii)NRF(結合部位:NFκBと部分的に重複)は、主に塩基抑制の原因となる一方で、全長IL-8 mRNA産生にも必要な、NFκB抑制因子である(ヌーバクシュ(Nourbakhsh)ら2000);および(xiii)TATA box(結合部位:-20〜-13)は、TF-IIDおよびTBPに結合するが、これはIL-8転写に必須であると考えられている。コンピュータ内におけるアルゴリズムでは、はるかに多くの可能性を有する部位が推測されたが、上述のものだけが実験により確認された。
【0014】
16β-(アセチルオキシ)-3β-[2,6-ジデオキシ-3-O-メチル-L-アラビノ-(へキソピラノシル)オキシ]-14ヒドロキシカルド-2O-(22)エノリド(メルクインデックス(Merck Index)#6786、第11版、1989)の構造を持つオレアンドリンは、一般的にオレアンダーあるいはローリエローズとして知られている、植物源のセイヨウキョウチクトウであるリンネ(Linn驀)に由来する強心配糖体である。
オレアンダーは有毒植物として知られており、オレアンドリンおよびオレアンドロゲニン(oleandrogenin)関連化合物等ならびにその他の関連化合物は、全植物の毒性の原因となる(キングズベリー(Kingsbury)1964)。メルクインデックスによれば、ネコに対する静脈注射におけるLD50値は0.3mg/kgである。LD50値とは、50%(この場合は、ネコ)が死に至る用量を意味する。体重が全て水によって占められ、分布が均質であると仮定すれば、これは、0.6μMの濃度に相当する。これらの仮定は見かけの濃度を最小限としているため、多分、LD-50値はより高いものであろう。死のメカニズムは強心配糖体構造およびオレアンドリンの特性による心肺毒性である。セイヨウキョウチクトウの葉を熱湯で抽出した、一種のお茶は、アンビルゼル(Anvirzel)(登録商標)の商品名でサリュドインテグラル(Salud Integral)(衛生登録番号M-07708)、(ホンジュラス共和国)より、「がん、AIDS、C型肝炎およびその他の免疫系関連疾患の治療」の目的で販売されている。容積10mlのバイアルの組成物には150mgのセイヨウキョウチクトウ抽出物が含まれている。抽出物の詳細は、衛生登録証には記載されていないものの、未知の成分が多数含有されているものと思われる(http://www.saludintegral/hn/company_health_registration.htm)。マンナ(Manna)ら(2000)は、1μM濃度のオレアンドリンが、NFκB含有キナーゼ(NIK)周辺を活性化することにより、種々のがん細胞培養物において、腫瘍壊死因子(TNFα)依存性のNFκB活性化を抑制することを報告している。しかしながら、腫瘍細胞は死滅しない。
【0015】
IL-8は、嚢胞性線維症に加え、その他の疾患および病状に対して役割を担っていると考えられている。たとえば、心肺バイパス手術は、循環するIL-8および他のサイトカインの一時的な上昇を伴う(ナンデイト(Nandate)ら1999)。手術後には、一部の患者で脳機能障害が発生するが、そのメカニズムには、脳における炎症過程の活性化が含まれている可能性がある。この仮説を支持するものとして、ナンデイト(Nandate)ら(1999)は、バイパス手術中および術後には、一組の動脈サンプルにおける場合と比べて、脳から心臓に向かう血液を含む頚静脈球においてIL-8のレベルが継続的に高値であることを示している。したがって、特有かつ重要なIL-8産生は、手術中および術後に脳血管床において作り出されることがわかるであろう。また、この著者らにより、少なくとも一回以上の介入(低体温)が、この変化を抑制することも報告された。したがって、IL-8産生を阻害する薬剤は、心肺バイパス手術に関連する罹患率および死亡率の改善に有用であると思われる。
【0016】
ドラーブ(Drabe)ら(2001)は、心肺バイパス手術中のIL-8産生の増加に関連する遺伝成分の追跡を行なった。従来、アポリポタンパク質E4アレル体は、アテローム硬化症、リポタンパク質(a)、および初期のアルツハイマー病を増加させる傾向を伴っている。ドラーブ(Drabe)ら(2001)は、アポリポタンパク質E4アレル体を保有する患者のIL-8のベースライン値およびTNFXが、このアレル体を保有しない患者に比べて高値であることを示している。また、心肺バイパス手術後のアポリポタンパク質E4患者(患者集団の27%)でも、このアレル体を保有しない患者に比べ、IL-8およびTNFα双方の放出が増加した。E4遺伝子型を持つ患者は、異常に増加した体系的な炎症性反応に対する周術期治療をさらに受けるべきであることが示唆される。したがって、IL-8産生を阻害する薬剤は、心肺バイパス術に関連する罹患率および死亡率の改善において有用であると思われる。
心肺停止(CPA)となった後、病院の救急救命室に運ばれた患者もまた、高レベルの血清のIL-8およびTNFαを有していた。これらの値は入室後12時間以内、あるいは心拍再開(ROSC)から6時間以内にピークを迎える(イトウ(Ito)ら2001)。また、イトウ(Ito)ら(2001)は、顕著に高レベルのIL-8を有するこれらの患者において、血清IL-8レベルが死をもたらす、あるいは心拍再開後の1週間以内に脳死をもたらす傾向にあることを報告している。エピネフリンの過剰な投与もまた、心拍再開後の顕著に上昇したIL-8に関連している。血清中のIL-8の起源は特定されていない。しかしながら、ナンデイト(Nandate)ら(1999)のデータを考慮すると、中枢起源を疑うことができるであろう。起源が何であれ、ROSCに続くIL-8産生を阻害する薬剤は、心配停止に関連する罹患率および死亡率の改善に有用である可能性がある。
【0017】
また、IL-8およびその他のケモカインは、炎症性腸疾患の病因にも関連していた(イマダ(Imada)ら2001)。急性潰瘍性大腸炎を患う患者の急性臓器培養におけるIL-8のレベルは特に上昇していた。イマダ(Imada)ら(2001)は、IL-8情報の発現の増加は、マクロファージ、ペリクリプト(pericrypt)の筋線維芽細胞、および上皮組織において検出することができることを示した。食物脂肪が、腸内の炎症を悪化させると考えられており、大腸上皮細胞単層に関する研究では、オレイン酸などの中鎖脂肪酸がIL-8の分泌を5倍上昇させることが示された(タナカ(Tanaka)ら2001)。脂肪酸は先端側に加わり、一方IL-8産生は基底外側で発生することから、この過程は消化解剖学に従うものである。IL-8産生を阻害する薬剤は、炎症性腸疾患の治療において有用であると思われる。
【0018】
従来、炎症過程はアテローム性動脈硬化の病因と関連しており、高レベルのIL-8はアテロームプラーク中に発見されていた(ワング(Wang)ら1996)。高IL-8はこのメカニズム中に直接的に関与しており、IL-8合成を調節する過程について、ヒト大動脈内皮細胞の培養物における体外の研究を行うことが可能である。IL-8は多数の収束経路を介してこれらの細胞で合成される(タナカ(Tanaka)ら2001)。例えば、プレバスタチン(1,3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル コエンザイムA還元酵素阻害剤)はコレステロールを下げるだけではなく、高グルコース培地で培養されたこれらの細胞中でトロンビンにより誘導されたIL-8産生をも抑制する。嚢胞性線維症において重大な問題であるIL-8のベースライン値に対して効果を発揮するだけでなく、トロンビンにより誘導された刺激レベルに対しても効果を発揮する。このメカニズムには、トロンビンにより誘導される細胞質ゾルから原形質膜へのラス(ras)転移の抑制が含まれる。結果はras-MAP(p44/42)キナーゼ経路の活性化の抑制であり、キナーゼそのものの抑制ではない。したがって、IL-8産生を特異的な標的とする薬剤は、アテローム硬化症の炎症面における治療に有用であると思われる。
【0019】
対照群に比べ、CF肺におけるIL-8レベルは、要因によっては1000倍以上、またIL-8の上昇が非常に緩やかである場合には2〜10倍の範囲で、継続的に上昇することがその他の肺疾患および障害において観察された。緩やかではあるが顕著なIL-8の上昇が、非好酸球性喘息において報告されている(ギブソン(Gibson)ら2001)。喘息児おけるIL-8レベルは検出可能であり、症状との相関関係を有している(マーゲット(Marguet)ら2001)。幾らかのIL-8レベルの上昇から、無症候性の非特定の気道過敏反応性(BHR)が観察された(ベッツ(Betz)ら2001)。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者らは、嚢胞性線維症に対する理論対照群として時に利用されるが、彼らもまた高レベルのIL-8を有している(ベッツ(Betz)ら2001)。無症候性のBHRがCOPDへと発展すると考えられることから、二つの問題が一時的に関係するものと思われる。緊急性の観点からは、複数の外傷性傷害を有する患者は、院内肺炎(NP)を発現する頻度が高く、新規入院患者の気管支肺胞洗浄液中のIL-8が通常よりも高レベルである場合、NPの発現が疑われる(ミュエルステッド(Muehlstedt)ら2001)。これらの理由から、IL-8産生を特異的な標的とする薬剤は、喘息、BHR、COPDおよびNPの治療または予防に有用であると思われる。
【0020】
熱傷(つまり、やけど)は、体循環、正常および熱傷を負った皮膚ならびに肺におけるTNF、IL-6およびIL-8等のサイトカインの増加と密接に関連している(ロドリゲス(Rodriguez)ら1993、ヴィンデーンズ(Vindenes)ら1995)。急性熱傷に対する肺のサイトカイン反応は、局部的な臓器不全を引き起こす原因であると考えられている。最高レベルのIL-8は、死亡した敗血症患者と関連している(イェン(Yeh)ら1997)。高レベルのIL-8は、線維芽細胞の複製の抑制およびミオシンATPアーゼの阻害を含むメカニズムによる熱傷の治癒の遅延をも伴う(イオコノ(Iocono)ら2000)。したがってやけど患者においてIL-8産生を抑制することが、治療への貢献となることが期待され得る。
【0021】
ヒトにおける急性膵炎は、しばしば多臓器不全症候群(MODS)を伴うが、これは主に肺に影響を及ぼす(バーティア(Bhatia)ら2001)。正確な実験上の急性膵炎モデルとして、ウサギにおける研究が行なわれたが、ここでIL-8は血清および肺で上昇し、急性肺障害が観察された(オスマン(Osman)ら1998、オスマン(Osman)ら1999)。急性肺障害の治療中にIL-8抗体を注射することは、肺における好中球湿潤の減少によって立証されるように肺損傷を予防するが、膵臓壊死および膵酵素の放出には影響を与えなかった(オスマン(Osman)ら1998)。急性膵炎の間のIL-8産生の抑制は、特に肺に重点を置いたMODS抑制に有用であろう。
【0022】
火事の被害者あるいは負傷した消防士に見られる気道熱傷は、肺の内皮損傷および肺浮腫の形成を引き起こす。ラフォン(Laffon)ら1999は、冷却煙によって、肺胞上皮透過性の顕著な増大および肺上皮を横断するタンパク質の双方向性の輸送の顕著な抑制が引き起こされるウサギモデルを構築した。しかしながら、ラフォン(Laffon)ら(1999)は、抗IL-8抗体の投与によって肺胞上皮透過性が通常のレベルに戻されるとともに、タンパク質の双方向性の輸送を顕著に増大させることを示した。したがって、IL-8の増加は気道熱傷に続いて起きる肺損傷の重要な仲介物質であり、IL-8を抑制することが可能な薬剤は、肺機能に影響を与える気道熱傷の疾患に対する有用な治療薬であると思われる。
【0023】
酸による肺損傷は、タンパク質に対する肺胞上皮透過性の増大および正味の肺胞液クリアランスの抑制に関連している(モデルスカ(Modelska)ら1999)。しかしながら、抗IL-8抗体を予め投与することにより、酸の仲介による肺上皮を横断するタンパク質の双方向性の輸送の増大を顕著に低減させるとともに、肺胞液クリアランスが正常値に戻される(モデルスカ(Modelska)ら1999)。したがって、IL-8を抑制することが可能な薬剤は、酸による肺損傷に対する有用な治療薬であると思われる。
再膨張性の肺水腫(REPE)は、増加する微小血管透過性および炎症性細胞の蓄積のメカニズムによる、虚脱した肺の再膨張にしばしば付随する(ナカムラ(Nakamura)ら2000)。IL-8の局所的な過剰生産が、このプロセスの原因である。抗IL-8抗体の予備投与は、気管支肺胞洗浄(BAL)液における好中球数を減少させるとともにREPEを抑制する。したがって、IL-8を抑制することが可能な薬剤は、肺における再膨張性の肺水腫に対する有用な治療薬であると思われる。
【0024】
続く外傷性脳損傷は、IL-8およびその他の前炎症性サイトカインの増加を引き起こす(オット(Ott)ら1994)。頭部損傷が重度である子供において、外傷性脳損傷後の存命と脳脊髄液(CSF)中のIL-8のレベルとの間には、顕著な関連性が見られる(ワーレン(Whalen)ら2000、シェーウッド(Sherwood)ら2000もまた参照のこと)。オット(Ott)ら(1994)がまとめているように、IL-8および関連物質は、発熱、好中球増加、筋損傷、アミノ酸代謝の変化、血清中の亜鉛濃度の低下、肝臓の急性期反応の生成、内皮透過性の増大、ならびに内皮接着分子の発現を誘導することにより、中枢および末梢の双方で、損傷部の細胞のカスケードにおいて、中心的な役割を果たしている。また、オット(Ott)ら(1994)は、IL-8、ならびにIL-1、IL-6およびTNFα等、その他の脳由来サイトカインによる腸、肝臓および肺における特定の疾患が認められたことを強調した。コスマン(Kossmann)ら(1997)およびメイエー(Maier)ら(2001)はIL-8、IL-1およびIL-6の循環に関する脳における起原を確認した。脳損傷後、これらのインターロイキンは、血清中よりも脳脊髄液(CSF)中に多いことを、彼らが立証した。CSF中のIL-8の最高値は、血液脳関門の損傷にも関連する(コスマン(Kossmann)ら1997、メイエー(Maier)ら2001)。脳内の刺激修復において、NGF経路によるIL-8に対する役割が存在するようであり(コスマン(Kossmann)ら1997、シェーウッド(Sherwood)ら2000)、外傷性脳損傷で見られる非常に高レベルのIL-8は、外傷性脳損傷による有害な結果に対する強力で正反対の病態生理学的な関連に影響を与えるようである。したがって、IL-8の産生を抑制することが可能な薬剤は、外傷性脳損傷後の罹患率および死亡率の減少において有用であるはずであり、これにより低レベルのIL-8による全ての陽性反復作用の発生が容認されるということを、これらのデータが示唆するものであると我々は解釈する。
【0025】
脳に対する局所的な虚血性外傷である脳卒中は、脳脊髄液(CSF)中のIL-8およびその他の関連因子のレベルを顕著に引き上げる。脳卒中の後、直ちにIL-8のレベルは増大し、2日目にはピークに到達する(タルコフスキー(Tarkowski)ら1997)。CSFにおけるより高レベルのIL-8は、大脳灰白質よりも大脳白質における脳卒中後に観察される。コスチュラス(Kostulas)ら(1999)は、脳卒中後、末梢血の好中球におけるIL-8 mRNA値は、脳卒中後30日目までの間は増加を続けるが、他のサイトカインは正常に戻ることを報告した。脳卒中の動物モデルでは、IL-8に対する遮断抗体の嚢胞内投与は、脳における再潅流傷害および急性呼吸促迫症候群(ARDS)様の肺傷害を予防することが発見されている(松本(Matsumoto)ら1997a、ムカイダ(Mukaida)ら1998)。嚢胞内を中和するIL-8抗体が、実験による一過性で限局性の虚血後のウサギ脳における脳水腫および梗塞の大きさを低減することもまた報告されている(松本(Matsumoto)ら1997b)。これらのデータは、IL-8の脳内レベルを低減するための抗体様の能力を持つ薬剤が、脳卒中の治療および予防に有用であるという可能性を示すと我々は解釈する。
【0026】
人口の7%が罹患している糖尿病は、罹患者の血清IL-8の約4倍の上昇に関与している(ゾズリンスカ(Zozulinska)ら1999)。この増加はI型およびII型糖尿病の双方に認められ、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1C)のレベルに顕著に相関する。本試験は、急性または慢性の感染症、腎不全またはケトアシドーシスの徴候のない一組の糖尿病患者、および年齢を一致させた一組の対照群について行なった。支持的なデータは、ユウキ(Yuuki)ら(2001)により報告されている。IL-8シグナルは、多形核白血球に対する強力な標識であり、その関係は糖尿病に対する前炎症性の表現型に一致している。したがって、IL-8のベースライン値を低減する薬剤は糖尿病の合併症の治療に有効であると思われる。
【0027】
糖尿病の主要な合併症の一つは、高血糖による網膜の血管損傷である。実際、増殖糖尿病網膜症(PDR)は、欧米の人々において失明の最も代表的な原因である。エルナー(Elner)ら(1995)は、PDRを有する糖尿病患者の硝子体液中で非常に高レベルのIL-8が発現することを報告した。対照的に、糖尿病とは無関係な類似した症候群である増殖糖尿病網膜症を有する非糖尿病患者の硝子体のIL-8は、正常な眼球における対照値と同等であった。加えて、特発性黄斑円孔、特発性黄斑パッカー、硝子体出血、または単純性網膜剥離などの他の症状は、硝子体において正常なIL-8値の表現型を有している。ユウキ(Yuuki)ら(2001)もまた、硝子体液中のIL-8のレベルは、非炎症性の網膜症よりも増殖糖尿病網膜症(PDR)の場合により増大していることを報告している。
【0028】
より近年の研究では、エルナー(Elner)ら(1998)が、IL-8レベルの上昇はPDRが亢進した患者のみに観察され、PDRが緩慢な患者からは観察されないことを報告している。テマル(Temaru)ら(1997)は、高グルコース濃度により、平滑筋細胞中ではなくヒト大動脈内皮細胞培養物中の、IL-8 mRNA発現の上昇が誘発されることを示した。これらのデータは、糖尿病性大血管障害は平滑筋と動脈内膜との間のIL-8のグルコース依存性勾配により引き起こされることを示唆するものと解釈される。このデータは、IL-8が増殖性糖尿病網膜症の病因に関わっていることを示唆するものである、とエルナー(Elner)ら(1995および1998)は解釈している。これらの理由から、IL-8産生を特異的に抑制する薬剤は、糖尿病網膜症などの糖尿病合併症の治療に有効性があると思われる。
【0029】
腎臓、肺および他の臓器の移植術の成功は、移植を受ける側により拒絶される傾向のない、質の高いドナー臓器に依存している。高レベルのIL-8によって実証されるドナー臓器の炎症は、移植を受ける側のグラフト拒絶反応の可能性の増大に関与している(ジブナ(Zivna)ら1999)。
腎臓移植24時間後の移植患者における血清および尿中のIL-8濃度の増加は、その後の拒絶症状の前兆であることを、この著者らは報告している。肺移植の場合、ドナーの気管支肺胞洗浄(BAL)液中のIL-8増加の値は、重篤な初期段階における移植機能障害および初期段階における移植患者の死亡に関連している(フィッシャー(Fisher)ら2001)。フィッシャー(Fisher)ら(2001)は、しばしば移植用肺の源となる、重度の外傷性傷害を受けた患者では、IL-8ならびにIL-8が誘引する好中球が増加レベルにあることが多いことを示唆している。スタングル(Stangl)ら(2001)は、死体腎臓に比べて、非関連の生体腎臓移植ではIL-8レベルが10倍低いことを示している。このことは、生体腎移植からの長期間に渡る成果が優れたものとなる原因である、と著者らは結論付けている。これらのデータは、臓器そのものの治療または移植患者の治療のいずれかにより、移植片によるIL-8の内因的な産生を低減することが可能な薬剤または健康状態は、拒絶反応の発生率および移植患者の死亡発生率を低減すると思われる。
【0030】
高齢者の中に占める罹患者の割合がこれまでに増加を続けているアルツハイマー病は、脳由来βアミロイドタンパク質(AβP)の毒性の影響によるものであると考えられている。ニューロンに対するAβPの作用の病理学的基盤は、AβP自身により形成されるカルシウムチャンネルを介した細胞内Ca2+の増加である(アリスペ(Arispe)ら1993、1996)。この作用の結果に共通することは、脳内の被影響領域のIL-8に関連する免疫/炎症性経路の増加である(ギッター(Gitter)ら1995)。このような被影響領域には、大脳皮質および海馬が含まれる。ギッター(Gitter)ら(1995)は、AβPがヒトのアストロチトーム細胞からのIL-8分泌を刺激することを示した。さらに、IL1bは、星状細胞によるIL-8分泌に対するAβPの作用をEGTAなどのカルシウムキレート剤により全体をブロックするプロセスにより、10倍に増強する。分泌されたIL-8の直接の標的はIL-8受容体であり、これは中枢神経系に多数存在する。IL-8RBは、アルツハイマー病の脳中のAβP陽性の神経突起とは共局在するが、対合(ペアをなす)螺旋状フィラメント(PHF)または異常リン酸化タウ(AT8)とは共局在しないことを、Xiaら(1997)が報告している。したがって、正常な脳ではニューロンとグリアの間の情報伝達のためにIL-8は重要となりうるが、アルツハイマー病の脳における作用は、ニューロンの免疫機構の破壊を増強するものである可能性がある。これらのデータは脳内のIL-8分泌に介入することが可能な薬剤はアルツハイマー病の治療薬として有用性があることを示している。
【0031】
中脳の黒質ち密部の破壊により発症するパーキンソン病は、高齢者において発症が増加傾向にある神経変性障害のひとつということからアルツハイマー病に加えられる。前炎症性TNFα経路に関連する遺伝子の多型が発見されるとともに、これらは散発性のパーキンソン病に対する免疫調節効果を示すものであると解釈されている(クルーガー(Kruger)ら2000、ニシムラ(Nishimura)ら2001)。ニシムラ(Nishimura)ら(2001)は、脳内の黒質レベルにおける作用を暗示する、パーキンソン病への毒性作用をTNFαが有している可能性があることを示唆している。MPTP(N-メチル-1-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン)は、金魚や人類のように系統発生学的に多岐にわたる臓器にパーキンソン病症候群を惹起する神経毒である(ポラール(Pollard)ら1992、ゴーピング(Goping)ら1995)。MPTPによりマウス脳における炎症経路に関連する遺伝子が誘導されることが示された(グランブラット(Grunblatt)ら2001、マンデル(Mandel)ら2000)。パーキンソン病のプロセスにおいてIL-8を特異的に実証するような報告は今だ見られないものの、図2に示されるように、TNFα経路はIL-8プロモータで終結している。したがってIL-8分泌を抑制する薬剤は、パーキンソン病の治療において有用である。
【0032】
マクロファージのHIV感染は、感染細胞によるインターロイキン−8の合成およびIL−8の分泌が増加を引き起こす。逆に、IL−8自体はマクロファージおよびTリンパ球におけるHIV−1の複製を刺激する(レーン(Lane)ら2001)。続いて、レーン(Lane)ら(2001)は、高レベルのIL−8がAIDS患者のリンパ系組織中に存在していることを示している。さらに、IL-8受容体を遮断する化合物は、Tリンパ球およびマクロファージの双方におけるHIV-1の複製をも阻害する。したがって、IL-8分泌を阻害することが可能な薬剤はHIV-1感染およびAIDSの治療薬として有用であることも考えられる。
HIV-1に感染した患者は、しばしば神経疾患およびHIV-1に関連する痴呆に続き、活性化T細胞および感染したマクロファージによる脳の浸潤を発現する。クッシュ(Kutsch)ら(2000)は、HIV-1 Tat(72アミノ酸)ペプチドが、星状細胞中のIL-8および関連サイトカインを強力に誘導することを示している。IL-8伝達物質は一時間以内に観察され、IL-8が産生される。IL-8がHIV-1感染を増強するという事実から、IL-8分泌に介入することが可能な薬剤は、HIV-1関連の痴呆を引き起こす中枢神経系におけるHIV-1感染の予防または抑制に有用であるかもしれない。
【0033】
その他のウィルス性物質は、直接的または間接的のいずれかの形で標的細胞によるIL-8産生に影響を与える。アデノウィルスの場合(ギルモア(Gilmour)ら2001)、アデノウィルス遺伝子産物であるE1Aは、直径が10ミクロン未満である周囲の粒状物質(例えば、PM(10)または過酸化水素(H))に暴露した場合に、肺胞上皮細胞をプライムして、高レベルのIL-8を産生する。ヒトライノウィルスの場合(HRV-14;スバウスト(Subauste)ら2001)、成長因子であるTNFαおよびEGFが細胞を誘導し、ヒト気管支上皮細胞系において増加レベルのIL-8を合成するとともにウィルス複製の増加を助けた。呼吸器多核体ウィルス(RSV)の場合、IL-8プロモータ上に既知のRSVに対する反応要素(すなわちRSVRE)が存在するが、これはRSV感染による非常に高レベルのIL-8産生を補助している。この論点に関してはウィルス関連文献が多岐に渡っているため、ウィルス感染中のIL-8の産生を阻害することが可能な薬剤は、数種のウィルス感染の阻害、または関連する炎症性の症状の抑制、のいずれかの能力を有すると思われる、とのみ結論付けることができる。
【0034】
数種の腫瘍細胞の成長をIL-8が抑制することに対する理論的根拠はまだ解明されていない。しかしながら、IL-8に対するアンチセンスを用いたアデノウィルス遺伝子治療では、ヌードマウスの皮下で培養したヒト膀胱腫瘍細胞の成長を抑制することに成功している(イノウエ(Inoue)ら2001)。アデノウィルス構築物は、体内の腫瘍に直接投与されたが、対照群の能力との比較では成長率の阻害のみを生じた。IL-8産生に介入することが可能な薬剤は、腫瘍の成長、進行または転移のいずれかを阻害する能力を有しているかもしれない、とのみ結論付けることができる。
ある種の発熱はシクロオキシゲナーゼ阻害剤に対して耐性があることが知られており、IL-8の脳血管内投与により引き起こされるタイプの熱は、このカテゴリーに属する(ザンプロニオ(Zampronio)ら1994)。これらのデータは、脳内のIL-8分泌に介入することが可能な薬剤が、シクロオキシゲナーゼ阻害剤への耐性による発熱に対する解熱剤として有用性があることを示唆している。
【0035】
乾癬は、全身におけるリンパ球の上昇(ホクスターマン(Hoxtermann)ら1998)およびサイトカインの異常な産生についてのその他の徴候(ストゥーフ(Stoof)ら2001)に関連付けられる障害性、増殖性の皮膚疾患である。ストゥーフ(Stoof)ら(2001)は、乾癬治療薬であるジメチルフマレート(DMF)の作用機序の研究において、ヒトケラチノサイトによるIL-8および関連サイトカインのインターフェロンガンマ刺激性の産生を5〜50μMの範囲にあるDMFが抑制することを示している。これらのサイトカインは乾癬病変の永久化の原因となると考えられている。DMFはヒト真皮の繊維芽細胞におけるサイトカイン誘導性のNFκB1/p50の核内への集中を引き起こすことから、IL-8産生に対するDMFの作用機序が、NFκB経路を経由している可能性がある(ヴァンデメーレン(Vandermeeren)ら2001)。真皮細胞におけるIL-8分泌に介入することが可能な薬剤は、抗乾癬剤として有用性があることを、これらのデータは示唆している。
【0036】
人口の約1%が罹患する関節リウマチは、主に対称性の末梢関節における、原因不明の慢性の多重システム疾患であり、持続性炎症による滑膜炎により特徴付けられる(リプスキー(Lipsky)2001)。IL-8のベースラインの高値は滑液中および滑膜細胞中で観察される(トロートン(Troughton)ら1996、ローズ(Rothe)ら1998、ローデンバーグ(Rodenburg)ら1999、オルスザウスキー(Olszawski)ら2001、ナンキ(Nanki)ら2001、ハヤシダ(Hayashida)ら2001)。リウマチ様疾患の初期段階における滑膜病変にはIL-8が関与している、との提言があり(タカハシ(Takahashi)ら1999)、その症状はIL-8合成の増加と同時に起こる(クラーン(Kraan)ら2001)。滑膜によるIL-8の合成は、末梢血単球の進入を誘導し(ハヤシダ(Hayashida)ら2001)、これは血管新生と同様に、慢性の炎症状態をサポートしている可能性がある(コッホ(Koch)ら2001)。滑膜細胞によるIL-8合成のメカニズムは、NFκB経路を含み(モレル(Morel)ら2001)、IL-8 mRNAを増加させる。ある種の他のカテゴリーに属する関節炎もまた、高レベルのIL-8により特徴付けられるが、これにはベーチェット症候群(アーテンリ(Ertenli)ら2001)、乾癬(コニグ(Konig)ら1997)およびシェーグレン症候群(アミン(Amin)ら2001)が含まれる。メトトレキサート(ガオ(Gao)ら1998)またはアウロチオグルコース(ヨシダ(Yoshida)ら1999)のいずれかによる関節リウマチの治療は、作用を受ける関節におけるIL-8のレベルを低下させる結果となる。これらのデータは滑膜組織におけるIL-8分泌に介入することが可能な薬剤は、リューマチおよびその他の類型のIL-8関連関節炎の治療に有用であると思われる。
【0037】
上記の通り、嚢胞性線維症は、高レベルで自発的なベースラインのIL-8分泌に特徴付けられる。この高ベースラインでの分泌のメカニズムは解明されていないが、TNFαR/NFκB経路に関連付けられる一連の遺伝子のアップレギュレーションに関連している可能性がある(エイデルマン(Eidelman)ら2001a)。したがって、もしもオレアンドリンが腫瘍細胞におけるTNFαにより活性化されるNFκBの活性化を抑制することができるのであれば、嚢胞性線維症(CF)細胞におけるIL-8の高ベースライン値をも抑制する可能性があるとの仮説が立てられる。この仮説を調査するため、CF肺上皮細胞系であるIB-3を、48時間を超える培養時間中、異なる濃度のオレアンドリンに曝した。
【0038】
このデータを図3に示しているが、自発的にIL-8を分泌するためのID50(50%阻害の用量)は約1nMであることが滴定により示されている。オレアンドリンはインドフィネケミカルズ(Indofine Chemicals)から購入した。オレアンドリンのID50は約1nMである。図3で座標を示したデータは3回の異なる実験の平均値である。検査する化合物がオレアンドリンであり、エタノールの濃度が0.001%であることを除き、エイデルマン(Eidelman)ら(2001a)の記載に忠実に従って検定を行なった。オレアンドリンの純度はNMRおよび質量分析によって確認された。図4Aおよび4Bはこれらの実験で使用されたオレアンドリンに対して、それぞれNMRおよび質量分析によって生成された座標を示している。
【0039】
この実験では、オレアンドリンのCF肺上皮由来細胞由来IL-8分泌の抑制に関する構造活性相関(SAR)の特定をも行なっている。オレアンドリンおよび関連する強心配糖体は、3-OH位に糖質が付随している可能性を有し、構造全体にわたる多様なキラル置換を有するコレステロール核により特徴付けられる。オレアンドリンの様々な改変体の能力を検討することによって、この実験から構造活性相関(SAR)が解明された。このようにして活性基を特定することが可能である。
7種の化合物がオレアンドリンの変異体として特定されるとともに、これらを試験に供して活性を求めた。このデータを表1に示す。試験に供した化合物の化学構造を図5Aおよび5Bに示す。
【0040】
【表1】

【0041】
先に記載したオレアンドリンと全く同様に分析を行った。上記のデータから判るように、試験に供した各化合物の活性順位は次の通りであることが判明した。
I,II>III,IV>V,VI>VII>>VIII
【0042】
以上の結果から、オレアンドリンによるCF細胞由来のIL-8の抑制のメカニズムは、その他報告された、異なる濃度感受性により表される活性のメカニズムに対して固有のものである。CF肺上皮細胞に由来する自発的なIL-8分泌は、1〜2nMといった非常に低濃度で発生する。これとは対照的に、LD-50により定義されたオレアンドリンの毒性は0.6μMと同等またはこれを超えるものである、と言われている。この高い濃度は、ヒト腫瘍細胞におけるTNFα誘導型のNFκB活性化の抑制を目的として、マンマ(Manna)ら(2001)が用いた範囲と本質的に同等の範囲である。アイズマン(Aizman)ら(2001)は、50μM〜250μMの濃度のウアバイン(化合物IV;ID50=8nM)がNFκBを活性化すると主張している。これは、CF細胞に由来するIL-8分泌に対する抑制効果に対して50,000〜250,000倍大きい。したがって、CF上皮細胞からのIL-8分泌に対するオレアンドリンの治療効果は、TNFα誘導型のNFκBの活性化または動物生体内の心臓毒性のいずれかに対して現れるものとは明らかに異なるメカニズムであるようである。先のデータを基に、治療/毒性の比率に関連付けた濃度の比率である、見かけの治療係数を算出することは可能である。オレアンドリンの場合、これは約600(すなわち「600nM/1nM」の産物)である。治療用量と毒性用量との間の濃度の比率を意味する、オレアンドリンに対する治療濃度域は約2.5 logsである。
【0043】
オレアンドリンの治療係数および溶解特性は、現在、嚢胞性線維症治療への採用が考慮されている、競合する候補薬剤群に対してオレアンドリンが優位であることを示している。CF肺上皮細胞に由来するIL-8分泌に作用するものとして知られている競合CF薬剤には、キサンチンであるCPX(ID50=5μM)およびDAX(ID50=0.5μM)が含まれる。これらの化合物の潜在的な価値を疑問視するまでもなく、これらの候補薬剤による効果を得るために必要な濃度は、オレアンドリンおよびその特定の類似体で必要とされる濃度に比べておよそ1000倍も高いものとなる。さらに、キサンチンは、その濃度が治療におけるバイオアベイラビリティを満さなければならないという部分で困難に直面している。最終的に、キサンチンはDMSOまたは生体適合性を持つ疎水性担体中で投与することが必要であるが、一方オレアンドリンおよびその活性を持つ類似体はエタノールに溶解することが可能である。
【0044】
オレアンドリンに関する構造活性相関(SAR)は、構造的類似体の相対活性を考慮することにより解明することが可能である。図5Aおよび5Bに示すように、最も活性の強い被験類似体(すなわち、種IおよびII)は、異種構造を持つ糖(糖質)により、ならびにC環の12位またはその付近に酸素原子を含む置換基を持たないことにより特徴付けられる。次に活性の強い類似体(すなわち、種IIIおよび種IV)もまた、異種構造の糖によって特徴付けられる。しかしながら、種IIIはC環の12位に水平方向の水酸基部分を有する一方、種IVはC環の11位周辺に垂直方向の水素基を有している。次に活性の強い類似体(すなわち、種Vおよび種VI)はいずれも糖を持たない。種Vもまた、C環の12位に水平方向の水酸基部分を有するが、種VIはこの環に置換基を持たない。次に活性の強い類似体(すなわち、種VII)もまた、3位の糖およびC環の置換基のいずれも持たない。しかしながら、AおよびB環の間の19位に水平方向のカルボニル基を有している。種IVを除くその他全種において、この位置は水平方向のメチル基で占められている。最後は種VIIIであるが、これは1000μM(1マイクロモル)濃度でも、完全に不活性のようであった。種VIIIはC環の12位の水平方向のアセチル基と共に、3位のアセチル基により特徴付けられる。他の種では、通常、この位置は糖(糖質)部分が占めている。
【0045】
以上のデータから、(i)コレステロール核の3位におけるグリコシル化部分の存在、および(ii)C環の12位またはその付近に酸素原子を含む置換基が存在しないこと、によってオレアンドリンおよびその類似体の活性が最適となるようにプロモートされているようである。(i)3位にグリコシル化部分が存在せず、(ii)C環の12位またはその付近に酸素原子を含む置換基が存在するような場合には、活性は低下するようである。さらに、巨大な水平方向のアセチル基が12位に置換された場合は、活性が全て失活するようである(つまり、種VIII)。したがって、水平方向である12位およびその周辺は、ネガティブな薬物作用上の重要性を有しており、3位におけるグリコシドの置換基は、CF肺上皮細胞に由来するIL-8調節に対して、ポジティブな薬物作用上の重要性を有している。
【0046】
しかしながら、ある薬剤におけるひとつの類似体が有する、その他の薬剤に対する優位性を考慮する場合、効力のみが問題であるわけではない。その他の考慮事項には、半減期、バイオアベイラビリティ、用量、配合、宿主遺伝子、および発現し得る副作用が含まれる。これらの強心配糖体の多くは、何世紀にも亘り人体に使用されてきているため、発現し得る副作用は比較的十分に確立されている。様々な種のCF治療用の強心配糖体のもつ相対的効力は、臨床レベルの試験により特定される。
【0047】
したがって、本願発明は、オレアンドリンなどの強心配糖体を使用して、CF肺上皮細胞からのIL-8の分泌を抑制する方法を提供するものである。また、本願発明は、オレアンドリンなどの強心配糖体を使用して、自発的に高レベルにある細胞からのIL-8の分泌を抑制する方法をも提供するものである。
高レベルのIL-8の分泌に特徴付けられる病状を治療する方法もまた提供される。高レベルのIL-8の分泌に特徴付けられる病状には、以下のものが含まれる:術後の心肺バイパスのリスク、心肺停止、炎症性大腸炎、アテローム性動脈硬化症、非好酸球性喘息、喘息、非特異性気道過敏症、慢性閉塞性肺疾患、院内肺炎、外傷性脳損傷、脳卒中、脳における再潅流傷害、内毒素血症により誘発される急性呼吸窮迫症候群、糖尿病、増殖性糖尿病網膜症、移植組織不適合(腎移植組織不適合、肺移植組織不適合、膵臓移植組織不適合、腸移植組織不適合、心臓移植組織不適合、膀胱移植組織不適合、多臓器移植組織不適合を含む)、アルツハイマー病、パーキンソン病、HIV-1感染、AIDS、HIV-1関連痴呆、ウィルス感染症、アデノウィルスによる感染、ヒトライノウィルスによる感染、インフルエンザウィルスによる感染、ヘルペスウィルスによる感染、がん、シクロオキシゲナーゼ耐性熱、乾癬、関節リウマチ、シェーグレン症候群、ベーチェット症候群、乾癬性関節炎、糸球体腎炎、熱傷(例えば、日焼けによる熱傷)、急性膵炎、気道熱傷、酸による肺損傷、再膨張性の肺水腫(REPE)。
【0048】
また、本願発明によれば、化合物が生体適合性、生分解性物質に固定化されている強心配糖体を投与する方法が提供される。本願発明による強心配糖体は、生体適合性、生分解性物質に固定化し、近接照射療法により局所に投与することが可能である。本願発明による強心配糖体は静脈注射用の溶液として製剤化することも可能である。代わりに、この強心配糖体を経口投与用(例えば、エリクサー(elixer)、粉末、錠剤またはカプセル)に製剤化することも可能である。この強心配糖体を、例えば、経口投与を目的として、酸安定性を有するカプセル内に製剤化することが可能である。
また、本願発明による強心配糖体を、注射による投与または気道への噴霧による投与を目的として製剤化することも可能である。
代替として、この強心配糖体を点鼻薬または鼻腔用スプレーとして製剤化することも可能である。
本願発明による強心配糖体を、座薬として、または経皮投与用に製剤化することもまた可能である。例えば、軟膏、または局所塗布用溶液、あるいは経皮的または超経皮的に制御しまたは自発的放出をおこなうパッチとして製剤化することが可能である。また、この強心配糖体を、点耳薬、点眼薬、うがい薬として製剤化することも可能である。
また、この強心配糖体を、中枢神経系内のインプラントとして製剤化することも可能である。
強心配糖体および医薬的に許容可能な担体を含む化合物、ならびに、このような化合物を用いて治療する方法もまた、本願発明により提供されるものである。
上記により、説明の目的で本発明の特定の態様を本明細書中に記載したものの、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な改良を行なうことができるであろうということを理解されたい。
【0049】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
高レベルのIL-8を分泌する細胞からのIL-8の分泌を抑制または低減する方法であって、強心配糖体を含有する化合物に該細胞を接触させることを含む方法。
【請求項2】
該細胞がCF肺上皮細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該強心配糖体がオレアンドリン、ジギトキシン、ジゴキシン、ウアバイン、ジゴキシゲニン、ジギトキシゲニン、およびアセチル−ストロパンチジン(acetyl-stropanthidin)からなる群より選択されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該強心配糖体がオレアンドリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該強心配糖体がジギトキシンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該強心配糖体がジゴキシンである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
高レベルのIL-8に特徴付けられる病状を治療する方法であって、本疾患を患う哺乳動物に有効量の強心配糖体を含有する化合物を投与することを含む方法。
【請求項8】
該哺乳動物がヒトである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該高レベルのIL-8が、心肺バイパス術、心肺停止、炎症性大腸炎、肺疾患および肺の不調、外傷性脳損傷、脳卒中、移植組織不適合、アルツハイマー病、パーキンソン病、HIV、ウィルス感染症、および発熱からなる群より選択される状態に起因するものである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該高レベルのIL-8が、シクロオキシゲナーゼ阻害薬抵抗性の発熱に起因するものである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
嚢胞性線維症を患うヒトにおける高レベルのIL-8に特徴付けられる病状を治療する方法であって、強心配糖体を含有する化合物の有効量をヒトに投与することを含む方法。
【請求項12】
該化合物が医薬的に許容できる担体をさらに含有するものである、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2010−70575(P2010−70575A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297924(P2009−297924)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【分割の表示】特願2004−506547(P2004−506547)の分割
【原出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【出願人】(504438266)ヘンリー エム.ジャクソン ファウンデーション フォー ジ アドバンスメント オブ ミリタリー メディシン、インク. (1)
【出願人】(305031475)
【Fターム(参考)】