説明

回路基板検査装置および回路基板検査方法

【課題】プローブに接続されているケーブルの誤接続に起因して誤った検査結果が出続ける事態を防止する。
【解決手段】複数の導体パターン(102a〜102c)上に規定された各接触点(P1〜P44)にプロービングされた各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、各接触点間の導通状態の良否を判定する第1検査および各導体パターン間の絶縁状態の良否を判定する第2検査を実行する検査部を備え、検査部は、第1検査および第2検査の双方において不良と判定した不良導体パターンが複数存在し、かつ1つの不良導体パターン上における各接触点の中に他の接触点との間の導通状態が不良と判定した不良接触点が存在する不良導体パターンが複数存在するときには、各不良導体パターンの不良接触点にプロービングされているプローブに付された識別情報同士が予め決められた条件を満たすときに報知処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板における各導体パターンの導通状態および各導体パターン間の絶縁状態を検査する回路基板検査装置および回路基板検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の回路基板検査装置として、特開2001−66351号公報に開示された回路基板検査装置が知られている。この回路基板検査装置は、フィクスチャおよび接続計測部を備えて、回路基板を検査可能に構成されている。この場合、フィクスチャは、回路基板の各導体パターンに対応する複数のプローブピンがその上面に突出形成された下側フィクスチャと、回路基板の他面に実装された各電子部品間の隙間に対応して複数の当接ピンがその下面に形成されると共に昇降機構によって上下方向に移動させられる上側フィクスチャとで構成されている。この回路基板検査装置では、下側フィクスチャと上側フィクスチャとの間に回路基板を挟み込むことによって下側フィクスチャのプローブピンを各導体パターンに接触させて所定のプローブピンに信号を供給した状態で、接続計測部がプローブピンを介して入力する信号に基づいて回路基板の電気的特性(導体パターンの導通状態など)の検査を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−66351号公報(第3−5頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の回路基板検査装置を含む従来の回路基板検査装置には、解決すべき以下の課題がある。すなわち、従来のこの種の回路基板検査装置では、複数のプローブピンを備えたフィクスチャを用いて検査を行う。一方、近年の回路基板の高密度化に伴って回路基板に形成されている導体パターンも膨大な数となっており、このような回路基板の検査に用いられるフィクスチャは、導体パターンの数に応じて数多くのプローブピンを備えている。この場合、各プローブピンと接続計計測部とは、ケーブルが接続されたコネクタを両者に連結することによって電気的に結ばれるが、プローブピンの数が多いほどコネクタに配設されたケーブル接続用の端子の数や端子間の間隔も狭くなる。このため、このような数多くのプローブピンを備えたフィクスチャに用いられるコネクタの各端子にケーブルを接続する際には、ケーブルが誤接続される可能性が高くなる。ここで、ケーブルが誤接続されたコネクタを用いて回路基板の検査を行ったときには、その回路基板における導体パターンの導通状態や導体パターン間の絶縁状態が良好であるにも拘わらず、これらが不良であるとの誤った検査結果が出されるおそれがある。しかしながら、従来の回路基板検査装置では、電気的特性が不良であるとの判定をしたときに、それがケーブルの誤接続に起因するものであるか否かを検出する機能を備えていないため、このような誤った検査結果が出続けるおそれがあり、この点の解決が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、プローブに接続されているケーブルの誤接続に起因して誤った検査結果が出続ける事態を防止し得る回路基板検査装置および回路基板検査方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板検査装置は、複数の導体パターン上にそれぞれ規定された各接触点にプローブがそれぞれプロービングされた状態で当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、同一の前記導体パターンにおける前記各接触点間の導通状態の良否を判定する第1検査および前記各導体パターン間の絶縁状態の良否を判定する第2検査を実行する検査部を備えた回路基板検査装置であって、前記検査部は、前記第1検査においていずれかの接触点間の導通状態が不良と判定すると共に前記第2検査において他のいずれかの導体パターンとの間の絶縁状態が不良と判定した不良導体パターンが複数存在し、かつ1つの前記不良導体パターン上における前記各接触点の中に他の接触点との間の導通状態が不良と判定した不良接触点が存在する前記不良導体パターンが複数存在するときには、1つの前記不良導体パターンにおける1つの前記不良接触点にプロービングされている1つの前記プローブに付された識別情報と他の前記不良導体パターンにおける前記不良接触点にプロービングされている他の前記プローブに付された識別情報とが予め決められた条件を満たすときに、予め決められた報知内容を報知する報知処理を実行する。
【0007】
また、請求項2記載の回路基板検査装置は、請求項1記載の回路基板検査装置において、前記識別情報として互いに異なる番号が前記各プローブに付されており、前記検査部は、前記1つのプローブに付された番号と前記他の1つのプローブに付された番号との差の絶対値が予め規定された規定値以下のときおよび当該差の絶対値が予め規定された規定値のときのいずれかのときに、前記予め決められた条件を満たすとして前記報知処理を実行する。
【0008】
また、請求項3記載の回路基板検査方法は、複数の導体パターン上にそれぞれ規定された各接触点にプローブがそれぞれプロービングされた状態で当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、同一の前記導体パターンにおける前記各接触点間の導通状態の良否を判定する第1検査および前記各導体パターン間の絶縁状態の良否を判定する第2検査を実行する回路基板検査方法であって、前記第1検査においていずれかの接触点間の導通状態が不良と判定すると共に前記第2検査において他のいずれかの導体パターンとの間の絶縁状態が不良と判定した不良導体パターンが複数存在し、かつ1つの前記不良導体パターン上における前記各接触点の中に他の接触点との間の導通状態が不良と判定した不良接触点が存在する前記不良導体パターンが複数存在するときには、1つの前記不良導体パターンにおける1つの前記不良接触点にプロービングされている1つの前記プローブに付された識別情報と他の前記不良導体パターンにおける前記不良接触点にプロービングされている他の前記プローブに付された識別情報とが予め決められた条件を満たすときに、予め決められた報知内容を報知する報知処理を実行する。
【0009】
また、請求項4記載の回路基板検査方法は、請求項3記載の回路基板検査方法において、前記識別情報として互いに異なる番号が前記各プローブに付されており、前記1つのプローブに付された番号と前記他の1つのプローブに付された番号との差の絶対値が予め規定された規定値以下のときおよび当該差の絶対値が予め規定された規定値のときのいずれかのときに、前記予め決められた条件を満たすとして前記報知処理を実行する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の回路基板検査装置、および請求項3記載の回路基板検査方法では、不良接触点が存在する不良導体パターンが複数存在し、1つの不良導体パターンにおける不良接触点にプロービングされているプローブに付された識別情報と他の不良導体パターンにおける不良接触点にプロービングされているプローブに付された識別情報とが予め決められた条件を満たしたときに予め決められた報知内容を報知する報知処理を実行する。このため、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、第1検査および第2検査における不良との判定がプローブに接続されているケーブルの誤接続に起因する誤った判定である可能性があることを使用者に容易に把握させることができる。したがって、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、使用者にケーブルの接続を確認させ、実際にケーブルが誤接続がされているときにはその誤接続を解消させることで、このような誤った検査結果が出続ける事態を確実に防止することができる。
【0011】
また、請求項2記載の回路基板検査装置、および請求項4記載の回路基板検査方法では、1つのプローブに付された番号と他の1つのプローブに付された番号との差の絶対値が予め規定された規定値以下のときおよび差の絶対値が予め規定された規定値のときのいずれかのときに、予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行する。この場合、ケーブルを各プローブに接続するコネクタに設けられているケーブル接続用の端子は、番号順に配列されているため、各端子に対するケーブルの誤接続の形態の中で、隣接する2つの端子にケーブルが入れ替わって接続される誤接続の形態(例えば、上下に隣接する2つの端子が入れ替わる誤接続の形態、左右に隣接する2つの端子が入れ替わる誤接続の形態、および斜めに隣接する2つの端子が入れ替わる誤接続の形態)が一般的に多い。このため、入れ替わって接続されることの多い隣接する2つの端子の番号の差の絶対値(発生する可能性が高い誤接続の形態が複数存在するときには、各形態における上記の絶対値の中で最も大きい絶対値)を規定値として規定して、上記した絶対値がその規定値以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行することで、誤接続に起因する誤った判定である可能性が低いとき(正しい判定である可能性が高いとき)には報知処理を実行せずに、誤接続に起因する誤った判定である可能性が高いときには、可能性が高い全ての誤接続の形態を対象として報知処理を確実に実行することができる。また、例えば、隣接する2つの端子の番号の差の絶対値が大きい値であるために、その値を規定値として規定して、上記した絶対値がその規定値以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行したのでは、導通状態および絶縁状態が不良との判定が正しい判定である場合においても報知処理が実行されるケースが多発することがある。このようなときには、上記した絶対値が規定値と同じ値のときにのみ報知処理を実行することで、このようなケースの発生を少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】回路基板検査装置1の構成を示す構成図である。
【図2】回路基板100の構成を示す構成図である。
【図3】検査処理50のフローチャートである。
【図4】回路基板検査方法を説明する第1の説明図である。
【図5】回路基板検査方法を説明する第2の説明図である。
【図6】誤接続検出処理60のフローチャートである。
【図7】ケーブル32の誤接続の状態を説明する第1の説明図である。
【図8】ケーブル32の誤接続の状態を説明する第2の説明図である。
【図9】ケーブル32の誤接続の状態を説明する第3の説明図である。
【図10】ケーブル32の誤接続の状態を説明する第4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る回路基板検査装置および回路基板検査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
最初に、回路基板検査装置1の構成について説明する。図1に示す回路基板検査装置1は、回路基板検査装置の一例であって、後述する回路基板検査方法に従って回路基板100を検査可能に構成されている。この場合、回路基板100には、一例として、図2に示すように、複数の導体パターン102が形成された基板101を備えて構成されている。また、各導体パターン102上には、検査の際にプローブユニット12の各プローブ21(図1参照)をそれぞれプロービング(接触)させる接触点Pが予め規定されている。なお、図2では、各導体パターン102の一部としての導体パターン102a〜102cを図示し、接触点Pの一部としての接触点P1,P3,P4,P9,P10,P25,P32,P36,P42,P44を図示している。
【0015】
一方、回路基板検査装置1は、図1に示すように、基板保持部11、プローブユニット12、移動機構13、検査用信号出力部14、スキャナ部15、測定部16、記憶部17、表示部18および制御部19を備えて構成されている。この場合、測定部16および制御部19によって検査部が構成される。
【0016】
基板保持部11は、保持板と、保持板に取り付けられて回路基板100の端部を挟み込んで固定するクランプ機構(いずれも図示せず)とを備えて、回路基板100を保持可能に構成されている。プローブユニット12は、図1に示すように、複数のプローブ21を備えて治具型に構成されている。この場合、プローブユニット12は、回路基板100の各導体パターン102上に規定された各接触点Pに各プローブ21がそれぞれ対向するように構成されている。また、プローブユニット12には、同図に示すように、コネクタ22が配設され、コネクタ22における図外の接続端子と各プローブ21とが図外のケーブル(内部接続ケーブル)を介して接続されている。また、プローブユニット12のコネクタ22には、電気信号の入出力用のケーブル32がプローブ21と同数接続されたコネクタ31a(図7も参照)が連結され、各ケーブル32が、コネクタ31a、コネクタ22、およびプローブユニット12の内部接続ケーブルを介して各プローブ21にそれぞれ接続されている。
【0017】
移動機構13は、制御部19の制御に従い、プローブユニット12を上下方向に移動させることにより、回路基板100の各導体パターン102上の各接触点Pに各プローブ21をそれぞれプロービングさせる。検査用信号出力部14は、制御部19の制御に従い、検査対象に応じた検査用信号S(電気信号の一例であって、例えば、直流電流信号)を出力する。
【0018】
スキャナ部15は、複数のスイッチ(図示せず)を備えて構成されている。また、スキャナ部15には、図1に示すように、コネクタ71が配設され、コネクタ71における図外の接続端子と各スイッチとが図外のケーブル(内部接続ケーブル)を介して接続されている。また、スキャナ部15のコネクタ71には、上記した電気信号の入出力用のケーブル32が接続されたコネクタ31b(図7も参照:以下、コネクタ31a,31bを区別しないときには「コネクタ31」ともいう)が連結され、プローブユニット12の内部接続ケーブル、コネクタ22、コネクタ31a、ケーブル32、コネクタ31b、コネクタ71、およびスキャナ部15の内部接続ケーブルを介してプローブユニット12の各プローブ21とスキャナ部15の各スイッチとが電気的に結ばれている。このスキャナ部15は、制御部19の制御に従って各スイッチをオン状態またはオフ状態に移行させることにより、導体パターン102にプロービングされている状態の各プローブ21と検査用信号出力部14との接断(接続および接続解除(切断))、および各プローブ21と測定部16との接断を行う。
【0019】
測定部16は、制御部19の制御に従い、プローブ21を介して入出力する電気信号に基づいて導体パターン102における接触点P間の抵抗値、および各導体パターン102間の抵抗値を測定する測定処理を実行する。
【0020】
記憶部17は、基板データDcを記憶する。この基板データDcは、測定対象の回路基板100に形成されている各導体パターン102を特定する情報、導体パターン102上に規定されている接触点Pを特定する情報などを含んで構成されている。この場合、各接触点Pプローブ21には互いに異なる番号が付され、この番号を示す情報が接触点Pを特定する情報として基板データDcに含まれている。
【0021】
また、記憶部17は、プローブユニット12の各プローブ21を識別する識別情報Ddを記憶する。この識別情報Ddには、各プローブ21にそれぞれ付された互いに異なる番号を示す情報が含まれている。また、記憶部17は、導体パターン102における各接触点P間の導通状態の良否判定に用いる基準値や、導体パターン102間の絶縁状態の良否判定に用いる基準値を記憶する。さらに、記憶部17は、測定部16によって測定される測定値、および制御部19によって実行される第1検査および第2検査の結果を記憶する。
【0022】
表示部18は、制御部19の制御に従い、制御部19によって実行される検査処理50(図3参照)の結果などを表示する。また、表示部18は、制御部19によって実行される誤接続検出処理60(図6参照)において後述する報知画像の表示指示があったときには、その報知画像を表示する。
【0023】
制御部19は、図外の操作部から出力される操作信号に従って回路基板検査装置1を構成する各構成要素を制御する。具体的には、制御部19は、移動機構13を制御して、回路基板100における導体パターン102の各接触点Pにプローブユニット12のプローブ21をプロービング(接触)させる。また、制御部19は、検査用信号出力部14を制御して検査用信号Sを出力させると共に、スキャナ部15を制御して、プローブ21と検査用信号出力部14との接断、およびプローブ21と測定部16との接断を行わせる。また、制御部19は、測定部16を制御して、測定処理を実行させる。
【0024】
また、制御部19は、図3に示す検査処理50を実行する。この検査処理50では、制御部19は、測定部16によって測定された抵抗値に基づき、同一の導体パターン102上における各接触点P間の導通状態の良否を判定する第1検査、および各導体パターン102間の絶縁状態の良否を判定する第2検査を実行する。また、制御部19は、検査処理50を実行して、全ての導体パターン102についての第1検査および第2検査を実行した後に、誤接続検出処理60を実行する。この誤接続検出処理60では、制御部19は、第1検査および第2検査において導通状態および絶縁状態が共に不良と判定した導体パターン102が存在するときに、その不良がコネクタ31を介してプローブ21に接続されているケーブル32の誤接続に起因する可能性があるか否かを第1検査の結果および第2検査の結果に基づいて判定し、ケーブル32の誤接続に起因する可能性があると判定したときにはその旨(予め決められた報知内容の一例)を報知する報知画像を表示部18に表示させる報知処理を実行する。
【0025】
次に、回路基板検査装置1を用いて回路基板100を検査する回路基板検査方法、およびその際の回路基板検査装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、この例では、接触点Pに付された番号と同じ番号が付されたプローブ21がその接触点Pにプロービングされるものとする。
【0026】
まず、検査対象の回路基板100を基板保持部11における保持板(図示せず)に載置し、次いで、基板保持部11のクランプ機構(図示せず)で回路基板100の端部を挟み込んで固定することにより、回路基板100を基板保持部11に保持させる。続いて、図外の操作部を用いて検査開始操作を行う。この際に、制御部19が、操作部から出力された操作信号に従い、移動機構13を制御してプローブユニット12を下向きに移動させる。これにより、プローブユニット12の各プローブ21の先端部が、回路基板100における導体パターン102上の各接触点Pにそれぞれプロービングされる。
【0027】
次いで、制御部19は、検査処理50を実行する。検査処理50では、まず第1検査を実行する(ステップ51)。制御部19は、このステップ51(第1検査)において、記憶部17に記憶されている基板データDcに基づき、各導体パターン102の中の1つとして、例えば、図2に示す導体パターン102aを選択する。続いて、制御部19は、導体パターン102a上に予め規定された4つの接触点P1,P3,P42,P44を特定する。
【0028】
次いで、制御部19は、スキャナ部15を制御して、各接触点Pのうちの2つの接触点P(例えば、接触点P1,P3)にプロービングされているプローブ21と検査用信号出力部14および測定部16とを接続させる。続いて、制御部19は、検査用信号出力部14を制御して、検査用信号S(例えば、直流電流信号)を出力させる。また、制御部19は、測定部16を制御して、検査用信号Sと、検査用信号Sの供給によってプローブ21を介して入力する電気信号(電圧信号)とに基づいて、導体パターン102aにおける2つの接触点P間の抵抗を測定させる。
【0029】
次いで、制御部19は、測定部16によって測定された抵抗の測定値と記憶部17に記憶されている基準値とを比較して、接触点P1,P3間の導通状態の良否を判定する。この場合、制御部19は、測定値が基準値以下のときには、接触点P1,P3間の導通状態が良好と判定し、測定値が基準値を超えるときには、接触点P1,P3間の導通状態が不良と判定する。続いて、次いで、制御部19は、導通状態の各判定結果(図4参照)を記憶部17に記憶させる。
【0030】
続いて、制御部19は、同様にして、導体パターン102aにおける各接触点P間の導通状態の良否判定を実行すると共に、各判定結果を記憶部17に記憶させる。これにより、導体パターン102aについての第1検査が終了する。次いで、制御部19は、上記した各処理(制御)を実行して、他の導体パターン102における各接触点P間の導通状態の良否判定を実行して、各判定結果(図4参照)を記憶部17に記憶させる。
【0031】
続いて、制御部19は、全ての導体パターン102についての第1検査が終了したときには、第2検査を実行する(ステップ52)。制御部19は、このステップ52(第2検査)において、各導体パターン102についての絶縁状態の良否判定を例えばバルクショート方式で実行する。
【0032】
具体的には、制御部19は、基板データDcに基づき、各導体パターン102の1つとして、例えば、導体パターン102aを選択する。次いで、制御部19は、スキャナ部15を制御して、導体パターン102a上の各接触点Pにプロービングされているプローブ21と検査用信号出力部14における一方の電位側(例えば、高電位側)とを接続させ、導体パターン102aを除く他の全ての導体パターン102上の各接触点Pにプロービングされているプローブ21と検査用信号出力部14における他方の電位側(例えば、低電位側)とを接続させる。つまり、1つの導体パターン102を検査用信号出力部14における一方の電位側に接続し、他の全ての導体パターン102を同電位としつつ検査用信号出力部14における他方の電位側に接続する。また、制御部19は、各プローブ21と測定部16とを接続させる。
【0033】
続いて、制御部19は、検査用信号出力部14を制御して、検査用信号Sを出力させると共に、測定部16を制御して、導体パターン102aと他の導体パターン102との間の抵抗を測定させる。次いで、制御部19は、測定部16によって測定された抵抗の測定値と記憶部17に記憶されている基準値とを比較して、導体パターン102aと他の導体パターン102との間の絶縁状態の良否を判定する。この場合、制御部19は、測定値が基準値以上のときには、導体パターン102aと他の導体パターン102との間の絶縁状態が良好と判定し、測定値が基準値を未満のときには、その絶縁状態が不良と判定する。続いて、次いで、制御部19は、絶縁状態の各判定結果(図5参照)を記憶部17に記憶させる。
【0034】
続いて、制御部19は、同様にして、導体パターン102bと他の導体パターン102との間の絶縁状態の良否判定、および導体パターン102cと他の導体パターン102との間の絶縁状態の良否判定を実行し、各判定結果(図5参照)を記憶部17に記憶させる。これにより、各導体パターン102についての第2検査が終了するため、制御部19は、検査処理50を終了する。
【0035】
次いで、制御部19は、図6に示す誤接続検出処理60を実行する。この誤接続検出処理60では、制御部19は、第1検査においていずれかの接触点P間の導通状態が不良と判定し、かつ第2検査において他のいずれかの導体パターン102との間の絶縁状態が不良と判定した導体パターン102(以下、この導体パターン102を「不良導体パターン」ともいう)が複数存在するか否かを判別する(ステップ61)。
【0036】
この例では、図4,5に示すように、制御部19は、第1検査において、導体パターン102aにおける接触点P1,P3間、接触点P3,P42間、および接触点P3,P44間の導通状態が不良と判定し、かつ第2検査において、導体パターン102aと他の導体パターン102との間の絶縁状態が不良と判定している。また、制御部19は、第1検査において、導体パターン102bにおける接触点P4,P9間、および接触点P4,P25間の導通状態が不良と判定し、かつ第2検査において、導体パターン102bと他の導体パターン102との間の絶縁状態が不良と判定している。
【0037】
このため、制御部19は、上記したステップ61において、不良導体パターンが複数(この例では2つ)存在すると判別し、続いて、1つの不良導体パターン上における各接触点Pの中に他の接触点Pとの間の導通状態がいずれも不良と判定した接触点P(以下、この接触点Pを「不良接触点」ともいう)が存在するか否かを判別し、そのような不良接触点が存在する不良導体パターンが複数存在するか否かを判別する(ステップ62)。
【0038】
この場合、図4に示すように、制御部19は、不良導体パターンとしての導体パターン102aにおける接触点P3について、他の接触点Pとの間の導通状態がいずれも不良と判定している。また、制御部19は、不良導体パターンとしての導体パターン102bにおける接触点P4について、他の接触点Pとの間の導通状態がいずれも不良と判定している。このため、制御部19は、上記したステップ62において、不良接触点が存在する不良導体パターンが複数存在すると判別し、次いで、ステップ63を実行する。
【0039】
制御部19は、ステップ63において、1つの不良導体パターンにおける1つの不良接触点にプロービングされている1つのプローブ21に付された番号と、他の不良導体パターンにおける不良接触点にプロービングされている他のプローブ21に付された番号とが予め決められた条件を満たすか否かを判別する。
【0040】
具体的には、制御部19は、このステップ63において、不良導体パターンとしての導体パターン102aの接触点P3にプロービングされているプローブ21に付された番号と、他の不良導体パターンとしての導体パターン102bの接触点P4にプロービングされているプローブ21に付された番号との差の絶対値が、予め規定された規定値としての「1」以下であるとの条件(予め決められた条件)を満たすか否かを判別する。
【0041】
この場合、この例では、接触点Pに付された番号と同じ番号が付されたプローブ21がその接触点Pにプロービングされる。このため、接触点P3にプロービングされているプローブ21に付された番号としての「3」と、接触点P4にプロービングされているプローブ21に付された番号としての「4」との差の絶対値(つまり「1」)が規定値の「1」以下であるため、ステップ63においてその旨を判別し、続いて、ステップ64を実行する。
【0042】
ここで、上記したように各プローブ21とスキャナ部15の各スイッチとは、電気信号の入出力用のケーブル32およびこのケーブル32が接続されたコネクタ31a,31bを介して電気的に結ばれている。一方、コネクタ31a,31bに設けられているケーブル接続用の端子41(図7参照)は、一般的に、番号順に配列されているため、各端子41に対するケーブル32の誤接続が発生すると仮定したときに、その誤接続の形態の中で、隣接する(付された番号が連続する)2つの端子41にケーブル32が入れ替わって接続される誤接続の形態が多いと考えられる。そして、仮に、このような形態で、コネクタ31a,31bの端子41にケーブル32が誤接続されているときには、導通状態および絶縁状態が良好であるにも拘わらず、第1検査および第2検査においてこれらが不良であるとの誤った検査結果が出されるおそれがある。
【0043】
具体的には、例えば、図7に示すように、コネクタ31a,31bの各端子41が上下2段に配列され、各端子41に対して左端から右側に向かって上下、上下・・・の順に「1」から「128」まで1づつ増加する番号が付されている場合において、上下に隣接する2つの端子41(例えば、同図において、「3」の番号が付された端子41、および「4」の番号が付された端子41)が入れ替わって接続された状態を想定する。
【0044】
より具体的には、プローブユニット12に連結されるコネクタ31a(図7における下側のコネクタ31)における番号が「4」のプローブ21に対応する端子41(同図に示す「4」の番号が付された端子41)と、スキャナ部15に連結されるコネクタ31b(同図における上側のコネクタ31)における番号が「3」のプローブ21に対応する端子41(同図に示す「3」の番号が付された端子41)とがケーブル32によって接続されると共に、プローブユニット12に連結されるコネクタ31aにおける番号が「3」のプローブ21に対応する端子41と、スキャナ部15に連結されるコネクタ31bにおける番号が「4」のプローブ21に対応する端子41とがケーブル32によって接続された誤接続の状態を想定する。
【0045】
このような誤接続の状態では、第1検査において、番号が「1」のプローブ21および番号が「3」のプローブ21と検査用信号出力部14とを接続させるようにスキャナ部15を制御したとしても、実際には、番号が「1」のプローブ21および番号が「4」のプローブ21に検査用信号Sが供給されることとなる。このため、接触点P1,P3の間には検査用信号Sが流れない結果、たとえ接触点P1,P3間の導通状態が良好であっても、この間の導通状態が不良と判定されることとなる。
【0046】
また、上記したような誤接続の状態では、第2検査において、例えば、導体パターン102aの各接触点P1,P3,P42,P44に対応するプローブ21であって、番号が「1」、「3」、「42」および「44」のプローブ21と検査用信号出力部14の高電位側および測定部16とを接続させ、導体パターン102bの各接触点P4,P9,P25に対応するプローブ21であって、番号が「4」、「9」および「25」のプローブ21と検査用信号出力部14の低電位側および測定部16とを接続させるようにスキャナ部15を制御したとしても、実際には、番号が「1」、「4」、「42」および「44」のプローブ21と検査用信号出力部14の高電位側とが接続され、「3」、「9」および「25」のプローブ21と検査用信号出力部14の低電位側とが接続されることとなる。
【0047】
このため、番号が「1」、「42」および「44」のプローブ21を介して検査用信号出力部14の高電位側に接続された導体パターン102aの接触点P1,P42,P44と、番号が「3」のプローブ21を介して検査用信号出力部14の低電位側に接続された導体パターン102aの接触点P3の間に検査用信号Sが流れる。同様にして、番号が「9」および「25」のプローブ21を介して検査用信号出力部14の低電位側に接続された導体パターン102bの接触点P9,P25と、番号が「4」のプローブ21を介して検査用信号出力部14の高電位側に接続された導体パターン102bの接触点P4の間に検査用信号Sが流れる。この結果、たとえ導体パターン102a,102b間の絶縁状態が良好であっても、この間の絶縁状態が不良と判定されることとなる。
【0048】
このように、上記した形態でコネクタ31の端子41にケーブル32が誤接続されているときには、導通状態および絶縁状態が不良と誤って判定されることとなる。言い換えると、導通状態および絶縁状態の双方が不良と判定されかつ不良接触点が存在する不良導体パターンが複数存在し、さらに1つの不良導体パターンにおける1つの不良接触点にプロービングされている1つのプローブ21に付された番号と他の不良導体パターンにおける不良接触点にプロービングされている他のプローブ21に付された番号との差の絶対値が規定値としての1以下であるとの条件を満たすときには、導通状態および絶縁状態が不良との判定がプローブ21とスキャナ部15とを結ぶケーブル32の誤接続に起因する可能性がある。このため、制御部19は、上記の条件を満たしたときには、ステップ64において、第1検査および第2検査における不良との判定がプローブ21に接続されているケーブル32の誤接続に起因する可能性がある旨(予め決められた報知内容の一例)を報知する報知画像を表示部に表示させる報知処理を実行する。続いて、制御部19は、報知処理(ステップ64)を予め決められた時間だけ継続した後に、誤接続検出処理60を終了する。
【0049】
この場合、この回路基板検査装置1の使用者は、回路基板検査装置1において上記した誤接続検出処理60で実行される報知処理によって第1検査および第2検査における不良との判定がプローブ21に接続されているケーブル32の誤接続に起因する誤った判定である可能性があることを容易に把握することができる。このため、使用者は、ケーブル32の接続状態を確認して、実際にケーブル32が誤接続されているときには、その誤接続を解消することで、このような誤った判定(誤った検査結果)が出続ける事態を確実に防止することが可能となる。
【0050】
一方、制御部19は、上記した誤接続検出処理60のステップ61において、不良導体パターンが複数存在しないと判別したとき、上記したステップ62において、不良接触点が存在する不良導体パターンが複数存在しないと判別したとき、および上記したステップ62において、番号の差分値の絶対値が規定値を超えていると判別したときには、ステップ64の報知処理を実行することなく誤接続検出処理60を終了する。
【0051】
このように、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、不良接触点が存在する不良導体パターンが複数存在し、1つの不良導体パターンにおける不良接触点にプロービングされているプローブ21に付された番号と他の不良導体パターンにおける不良接触点にプロービングされているプローブ21に付された番号とが予め決められた条件を満たしたときに予め決められた報知内容を報知する報知処理を実行する。このため、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、第1検査および第2検査における不良との判定がプローブ21に接続されているケーブル32の誤接続に起因する誤った判定である可能性があることを使用者に容易に把握させることができる。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、使用者にケーブル32の接続を確認させ、実際にケーブル32が誤接続がされているときにはその誤接続を解消させることで、このような誤った検査結果が出続ける事態を確実に防止することができる。
【0052】
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、1つのプローブ21に付された番号と他の1つのプローブ21に付された番号との差の絶対値が予め規定された規定値としての1以下のときに、予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行する。この場合、ケーブル32を各プローブ21に接続するコネクタ31に設けられているケーブル接続用の端子41は、番号順に配列されているため、各端子41に対するケーブル32の誤接続の形態の中で、隣接する2つの端子41にケーブル32が入れ替わって接続される誤接続の形態が一般的に多い。このため、入れ替わって接続されることの多い隣接する2つの端子41の番号の差の絶対値を規定値として規定して、上記した絶対値がその規定値以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行することで、誤接続に起因する誤った判定である可能性が低いとき(正しい判定である可能性が高いとき)には報知処理を実行せずに、誤接続に起因する誤った判定である可能性が高いときには報知処理を確実に実行することができる。
【0053】
なお、回路基板検査装置および回路基板検査方法は、上記した構成および方法に限定されない。例えば、「1」を規定値とした例について上記したが、規定値は「2」以上の任意の値に規定することができる。具体的には、図8に示すように、上記したコネクタ31a,31bの各端子41のうちの左右に隣接する2つの端子41(例えば、同図において、「1」の番号が付された端子41、および「3」の番号が付された端子41)が入れ替わって接続(誤接続)されたときには、上記した絶対値が「2」となる。このため、このような誤接続の可能性があるときには、規定値を「2」に規定して、上記した絶対値が「2」以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行する構成および方法を採用することができる。
【0054】
また、上記したコネクタ31a,31bの各端子41のうちの斜めに隣接する2つの端子41(例えば、図8において、「1」の番号が付された端子41、および「4」の番号が付された端子41)が入れ替わって接続(誤接続)されたときには、上記した絶対値が「3」となる。このため、このような誤接続の可能性があるときには、規定値を「3」に規定して、上記した絶対値が「3」以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行する構成および方法を採用することができる。
【0055】
この場合、規定値を「3」に規定して、上記した絶対値が「3」以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行する構成および方法では、上記した3つの形態での誤接続(上下に隣接する2つの端子41が入れ替わる誤接続、左右に隣接する2つの端子41が入れ替わる誤接続、および斜めに隣接する2つの端子41が入れ替わる誤接続)の全てが報知処理の対象となる。このように、発生する可能性がある誤接続の形態が複数存在するときには、各形態における上記した絶対値の中で最も大きい絶対値を規定値として規定し、上記した絶対値がその規定値以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行することで、発生する可能性がある誤接続の形態の全てを報知処理の対象とすることができる。
【0056】
また、図9に示すように、各端子141が上下2段に配列され、上段に配列された各端子141に対して左端から右側に向かって「1」から「64」まで1づつ増加する番号が付され、下段に配列された各端子141に対して左端から右側に向かって「65」から「128」まで1づつ増加する番号が付された2つのコネクタ131a,131bの各端子141をケーブル32で接続する際に誤接続が発生すると仮定したときには、次のような誤接続の形態が多いと考えられる。まず、1つの誤接続の形態として、左右に隣接する2つの端子141(例えば、同図において、「1」の番号が付された端子141、および「2」の番号が付された端子141)が入れ替わって接続(誤接続)される形態が考えられる。この誤接続の形態では、上記した絶対値が「1」となる。また、他の1つの誤接続の形態として、上下に隣接する2つの端子141(例えば、図10において、「1」の番号が付された端子141、および「65」の番号が付された端子141)が入れ替わって接続(誤接続)される形態が考えられる。この誤接続の形態では、上記した絶対値が「64」となる。
【0057】
この場合、規定値を「64」と規定して、上記した絶対値が規定値としての「64」以下のときを予め決められた条件を満たすとして報知処理を実行することも考えられる。しかしながら、この構成では、規定値が大きい値であるため、導通状態および絶縁状態が不良との判定がケーブル32の誤接続に起因する誤った判定ではなく、正しい判定である場合(つまり、実際に不良である場合)においても報知処理が実行されるケースが多発し、利便性が低下することがある。このため、このようなコネクタ131a,131bを用いるときには、上記した絶対値が規定値以下のときに報知処理を実行する構成および方法に代えて、上記した絶対値が規定値と同じ値のとき(この例では、「1」および「64」を規定値として規定し、絶対値が「1」または「64」のとき)にのみ報知処理を実行する構成および方法を採用することができる。
【0058】
また、プローブ21を識別する識別情報として互いに異なる番号が各プローブ21に付された構成および方法について上記したが、番号に代えて、互いに異なる文字や記号が識別情報として各プローブ21に付された構成および方法を採用することもできる。この場合、例えば、互いに異なる文字が識別情報として付された構成および方法では、各不良接触点にそれぞれプロービングされている各プローブ21に付された文字同士がアルファベット順や五十音順などの規則的な文字配列における隣り合った文字同士であるときに、予め決められた条件が満たされたとして、報知処理を実行させることができる。
【0059】
また、各導体パターン102についての絶縁状態の良否判定をバルクショート方式で実行する構成および方法について上記したが、絶縁状態の良否判定を1つの導体パターン102と他の1つの導体パターン102毎に行う1対1方式で実行する構成および方法を採用することもできる。
【0060】
また、報知処理として報知画像を表示部18に表示させる例について上記したが、報知用の音声を出力したり、報知用の発光体を発光させたりする構成および方法、およびこれらを組み合わせた構成および方法を採用することもできる。
【0061】
また、3つの導体パターン102を有する回路基板100に対する検査を行う例について上記したが、より多くの導体パターン102を有する回路基板100を検査することができるのは勿論である。
【0062】
さらに、3つの接触点Pが規定された導体パターン102、および4つの接触点Pが規定された導体パターン102を有する回路基板100に対する検査を行う例について上記したが、2つまたは5つ以上の接触点Pが規定された導体パターン102を有する回路基板100検査することができるのも勿論であり、この場合においても上記した各効果を実現することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 回路基板検査装置
12 プローブユニット
16 測定部
18 表示部
19 制御部
21 プローブ
32 ケーブル
100 回路基板
102 導体パターン
Dd 識別情報
P 接触点
S 検査用信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導体パターン上にそれぞれ規定された各接触点にプローブがそれぞれプロービングされた状態で当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、同一の前記導体パターンにおける前記各接触点間の導通状態の良否を判定する第1検査および前記各導体パターン間の絶縁状態の良否を判定する第2検査を実行する検査部を備えた回路基板検査装置であって、
前記検査部は、前記第1検査においていずれかの接触点間の導通状態が不良と判定すると共に前記第2検査において他のいずれかの導体パターンとの間の絶縁状態が不良と判定した不良導体パターンが複数存在し、かつ1つの前記不良導体パターン上における前記各接触点の中に他の接触点との間の導通状態が不良と判定した不良接触点が存在する前記不良導体パターンが複数存在するときには、1つの前記不良導体パターンにおける1つの前記不良接触点にプロービングされている1つの前記プローブに付された識別情報と他の前記不良導体パターンにおける前記不良接触点にプロービングされている他の前記プローブに付された識別情報とが予め決められた条件を満たすときに、予め決められた報知内容を報知する報知処理を実行する回路基板検査装置。
【請求項2】
前記識別情報として互いに異なる番号が前記各プローブに付されており、
前記検査部は、前記1つのプローブに付された番号と前記他の1つのプローブに付された番号との差の絶対値が予め規定された規定値以下のときおよび当該差の絶対値が予め規定された規定値のときのいずれかのときに、前記予め決められた条件を満たすとして前記報知処理を実行する請求項1記載の回路基板検査装置。
【請求項3】
複数の導体パターン上にそれぞれ規定された各接触点にプローブがそれぞれプロービングされた状態で当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、同一の前記導体パターンにおける前記各接触点間の導通状態の良否を判定する第1検査および前記各導体パターン間の絶縁状態の良否を判定する第2検査を実行する回路基板検査方法であって、
前記第1検査においていずれかの接触点間の導通状態が不良と判定すると共に前記第2検査において他のいずれかの導体パターンとの間の絶縁状態が不良と判定した不良導体パターンが複数存在し、かつ1つの前記不良導体パターン上における前記各接触点の中に他の接触点との間の導通状態が不良と判定した不良接触点が存在する前記不良導体パターンが複数存在するときには、1つの前記不良導体パターンにおける1つの前記不良接触点にプロービングされている1つの前記プローブに付された識別情報と他の前記不良導体パターンにおける前記不良接触点にプロービングされている他の前記プローブに付された識別情報とが予め決められた条件を満たすときに、予め決められた報知内容を報知する報知処理を実行する回路基板検査方法。
【請求項4】
前記識別情報として互いに異なる番号が前記各プローブに付されており、
前記1つのプローブに付された番号と前記他の1つのプローブに付された番号との差の絶対値が予め規定された規定値以下のときおよび当該差の絶対値が予め規定された規定値のときのいずれかのときに、前記予め決められた条件を満たすとして前記報知処理を実行する請求項3記載の回路基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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