説明

回転する投入ディスクを備えた容器移送装置

回転する投入ディスク(4)が容器(9)の上方の受け口領域を捕捉する容器移送装置を改良して、処理速度と加速度が速くても、移送の安全性を改善することができるようにする。それは、一緒に回転するガイド機器(11)が更に配備されており、そのガイド機器が、容器(9)の側面領域及び/又は下方領域に作用することによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念にもとづく容器移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置は、飲料産業における容器、例えば、PETボトルを容器処理設備、例えば、飲料充填設備に供給する役割を果たす。そして、容器は、PETボトルの場合には、頭部領域におけるボトルの口の下のカラー部の周囲を支えられて、例えば、空気式運搬システムによって、容器処理機に供給される。そこでは、処理機に送り込むのに十分な速度に容器を加速しなければならない。それは、従来技術では、ボトルの頭部領域を捕捉して、部分円の回転領域に渡って一緒に回転させることによって加速する投入ディスクを用いて行われていた。そして、そこでは、後続の移送システムが、速い速度のボトルを受け取って、機械に供給している。
【0003】
そのような投入ディスクは、多くの利点を提供する。特に、頭部領域での誘導によって、ボトルサイズに依存しない広範囲のボトルの確実な移送が可能である。
【0004】
しかし、この周知の解決策の欠点は、特に、速い加速度と速い処理速度を達成しなければならない場合には、ボトルが必ずしも確実に無傷で移送されないことである。その場合、ボトルが傾いたり折れたりすることが再三発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のことから、本発明の課題は、処理速度と加速度が速くても、移送の安全性を改善することができるように、周知の移送装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の特徴を有する装置によって、本課題を達成している。
【0007】
容器の頭部領域の捕捉以外に、更に、容器の側面領域及び/又は下方領域の誘導及び/又は支持を行うための一緒に回転するガイド機器を配備する。そのようなガイド機器を一緒に回転させることによって、専ら頭部領域に加わる唯一の力と、その結果生じる加速度及び慣性力とによって、容器が傾いたり、折れたりすることを防止している。容器は、むしろ高さ全体に渡って、一様に駆動、加速される。即ち、例えば、大きなPETボトルに関しても、確実な移送が保証されることとなる。
【0008】
本発明の別の利点は、従属請求項から明らかとなる。
【0009】
本発明の様々な実施形態において、この配備されたガイド機器は、追加の課題を引き受けることができる。即ち、このガイド機器は、移送プロセスにおいて、容器の誘導、支持、一層の駆動又は本装置から下方への落下防止を行うことができる。
【0010】
有利には、このガイド機器は、容器の側面下方の領域を捕捉するように構成される。場合によっては、本発明の目的に適うこととして、それに代わって、或いはそれに追加して、底部領域を捕捉することもできる。
【0011】
有利な実施形態では、このガイド機器は、ボトルを捕捉して、移送するためのホイールフランジを有する。それに代わって、或いはそれに追加して、このガイド機器は、容器の底部領域を捕捉する底面を備えることもできる。
【0012】
この場合、このガイド機器は、一つの実施形態において、例えば、植込みボルトを介して、投入ディスクと接続され、それによって、特に簡単かつ本発明の目的に適う形態を実現することができる。即ち、このガイド機器が、投入ディスクと共に回転し、そのようにして、容器の全長に渡っての一様な誘導を可能にするという機能が自動的に果たされることとなる。
【0013】
場合によっては、このガイド機器の高さ及び/又は直径を調整可能とすることが有利である。それは、本発明の目的に適うこととして、この設備とそのため本発明による装置を用いて、異なるサイズの容器を処理する場合である。結局のところ、このような設備は、頭部領域の一カ所で誘導することによって、その下に延びる容器の大きさに依存しない設備となっていた。そのことを本発明による装置でも実現するために、容器の大きさに対応して調整可能な形でガイド機器を構成して、異なる大きさの容器でも確実な誘導とそのため確実な移送を行うことができるようにすることは有意義である。
【0014】
本発明の更なる利点及び特徴は、添付図面から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来技術による容器移送装置の立体的な側面図
【図2】本発明による装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に詳しく図示されている通りの全般的に符号1で表示された従来技術による容器移送装置では、移送すべき容器9、例えば、飲料用のPETボトルは、側面の受渡位置2に供給される。容器は、その頭部領域を捕捉された状態で、例えば、図示されていない空気式運搬システムによって移送される。容器9の頭部は、受渡位置2への受け入れ後、ガイドレール3によって、回転する投入ディスク4の方に動かされる。電気モーター5が、伝動機構6を介して、この投入ディスクを回転させている。投入ディスク4は、容器9の頭部を捕捉して、それを加速させており、その結果、容器は、投入ディスク4の部分回転後には、その後に有る詳しくは図示されていない次の処理ステーションに引き渡すことができる。固定されたストップガイド7は、突き出たストップバー8と共に、容器が移送されている間下方に吊り下げられた容器を側方に対して支持している。
【0017】
このようにして、各容器9は、その後に有る機械に投入するのに必要な速度にまで加速される。
【0018】
本発明による装置10は、図2に詳しく図示されている通り、同じく受渡位置2と、ガイドレール3と、回転する投入ディスク4とを有し、投入ディスクの駆動部は、図2には詳しくは図示されていないが、図1に図示された部分と同様に構成されている。
【0019】
同様に、固定されたストップガイド7とここでは見えないストップバー8とが有る。
【0020】
本発明による装置は、更に、ガイド機器11を備えている。その機器は、ホイールフランジ12の形状に形成されており、回転シャフト15の方向に対して、容器9の側面下方の領域を支えるように構成されている。更に、ガイド機器11は、下方に対して容器9を支えるための環状の底面13を有する。
【0021】
ガイド機器11は、植込みボルト14を介して、投入ディスク4と接続されており、そのため投入ディスクと一緒に回転する。
【0022】
このようにして、多くの利点が得られる。特に、ホイールフランジ12と底面13は、回転時とそれに続く加速時に容器9を誘導するとともに、下方に対して支える役割を果たす。更に、それらは、容器9を一層駆動する。そのため、従来技術では頭部領域だけで行われていた加速のために容器が傾くことが防止される。更に、そのような支持によって、容器9の下方への落下が防止される。完全には垂直な姿勢になく、様々な傾いた姿勢で受渡位置2に供給されて来る容器は、ガイド機器11によって直立し、そのため立った姿勢で後続の処理機に投入される。そのようにして、設備全体での損傷し易さが大幅に低減される。
【0023】
本発明の詳しく図示されていない実施形態では、植込みボルト14とガイド機器11の両方が、調整可能な形で構成されており、その結果、投入ディスク4との間隔とホイールフランジ12の直径を変更することが可能である。このようにして、設備全体は、処理すべき容器9の異なる大きさに簡単に適合させることができる。
【0024】
本発明は、ここで述べた実施例に限定されず、本発明の技術思想を逸脱することなく、多様な観点から変更することが可能である。ガイド機器のサイズと実施形態及び投入ディスクとの固定方式は、実状と要件に適合させることができる。同じことが、使用する材料にも言える。当然のことながら、ガイド機器を別個に駆動したり、或いは例えば、容器の外側領域に対するガイド部材を追加することによって補完することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 従来技術による容器移送装置
2 受渡位置
3 ガイドレール
4 投入ディスク
5 電気モーター
6 伝動機構
7 ストップガイド
8 ストップバー
9 容器
10 本発明による装置
11 ガイド機器
12 ホイールフランジ
13 底面
14 植込みボルト
15 回転シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する投入ディスク(4)が容器(9)の上方の受け口領域を捕捉する容器移送装置において、
一緒に回転するガイド機器(11)が更に配備されており、そのガイド機器が、容器(9)の側面領域及び/又は下方領域に作用することを特徴とする装置。
【請求項2】
ガイド機器(11)が、容器(9)の誘導及び/又は支持を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ガイド機器(11)が、容器(9)を駆動するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
ガイド機器(11)が、本装置からの容器(9)の落下を防止するように構成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
ガイド機器(11)が、容器(9)を傾斜姿勢から直立させるように構成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
ガイド機器(11)が、容器(9)の側面下方の領域を捕捉することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
ガイド機器(11)が、容器(9)の底部領域を捕捉することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
ガイド機器(11)が、ホイールフランジ(12)を備えていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
ガイド機器(11)が、底面(13)を備えていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
ガイド機器(11)が、植込みボルト(14)を介して、投入ディスク(4)と接続されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
ガイド機器(11)が、その高さ及び/又は直径を調整することが可能な形に構成されていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項12】
容器(9)として、PETボトルが配備されることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載の装置。



【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−510148(P2010−510148A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537506(P2009−537506)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009691
【国際公開番号】WO2008/061637
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(598125028)カーハーエス・アクチエンゲゼルシヤフト (125)
【Fターム(参考)】