説明

回転レバーの位置保持装置および該回転レバーの位置保持装置を備える車両用ドアロック装置

【課題】回転レバーの位置保持装置にて、回転レバーがストッパ部材に当接する際の当接音を低減すること。
【解決手段】回転レバーの位置保持装置は、回転レバー(25)とトーションスプリング(26)を備えていて、回転レバー(25)を第1位置((a)の位置)と第2位置((c)の位置)の2つの位置で弾性的に保持することが可能である。トーションスプリング(26)は、巻回部分(26a)と、該巻回部分から延在し回転レバー(25)の係合部(25g)を挟んで互いに対向し合う第1腕部分(26b)および第2腕部分(26c)を有している。第1腕部分(26b)には、その中間部位に山部(26b1)が形成されている。第2腕部分(26c)には、付勢部(直線部26c1)が形成されている。このため、付勢部(26c1)による付勢力を、山部(26b1)による付勢力に抗したブレーキ力として、回転レバー(25)に作用させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転レバーを2つの位置(第1位置と第2位置)で弾性的に保持することが可能な回転レバーの位置保持装置および該回転レバーの位置保持装置を備える車両用ドアロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の位置保持装置としては、下記特許文献1に示されるものが知られている。これは、第1ストッパ部材と当接して第1位置に保持され且つ第2ストッパ部材と当接して第2位置に保持されるようベース部材に回転自在に支持された回転レバーと、この回転レバーと前記ベース部材間に介装されて前記第1位置では前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し且つ前記第2位置では前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢するトーションスプリングを備えていて、前記回転レバーを前記第1位置と前記第2位置の2つの位置で弾性的に保持することが可能な回転レバーの位置保持装置である。
【0003】
この従来装置においては、前記トーションスプリングとして、前記ベース部材に立設されたボス部周りに回転可能に装着される巻回部分と、該巻回部分から前記ボス部の軸方向とは略直交する径方向に延在し前記回転レバーに形成された係合部を挟んで互いに対向し合う第1腕部分および第2腕部分を有しているものが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4277441号公報
【発明の概要】
【0005】
(発明が解決しようとする課題)
上記した従来装置では、前記トーションスプリングにおける前記第1腕部分および前記第2腕部分のそれぞれに、前記回転レバーの前記第1位置と前記第2位置間での回転に伴う円弧軌跡の中間部位で前記係合部が頂部を乗り越えながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する山部(凸状屈曲部)が形成されている。
【0006】
このため、前記トーションスプリングにおける前記第1腕部分および前記第2腕部分が前記第1位置と前記第2位置のそれぞれにおいて同様に機能し、回転レバーが各ストッパ部材に当接する際には、第1腕部分による付勢力と第2腕部分による付勢力が同方向に作用する。したがって、回転レバーが各ストッパ部材に当接する際の当接音を低減するためには、回転レバーの各ストッパ部材と当接する部位と各ストッパ部材との間に緩衝材をそれぞれ設けるか、回転レバーの各ストッパ部材と当接する部位の素材または各ストッパ部材の素材を緩衝機能を有する素材に変更する必要がある。そのため、部品数増加や材料コストアップの問題があった。
【0007】
(課題を解決するための手段)
本発明は、上記した問題を解決すべくなされたものであり、
第1ストッパ部材と当接して第1位置に保持され且つ第2ストッパ部材と当接して第2位置に保持されるようベース部材に回転自在に支持された回転レバーと、この回転レバーと前記ベース部材間に介装されて前記第1位置では前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し且つ前記第2位置では前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢するトーションスプリングを備えていて、前記回転レバーを前記第1位置と前記第2位置の2つの位置で弾性的に保持することが可能な回転レバーの位置保持装置であり、
前記トーションスプリングが、前記ベース部材に立設されたボス部周りに回転可能に装着される巻回部分と、該巻回部分からその径方向に延在し前記回転レバーに形成された係合部を挟んで互いに対向し合う第1腕部分および第2腕部分を有していて、
前記第1腕部分には、前記回転レバーの前記第1位置から前記第2位置への回転に伴う円弧軌跡の中間部位で前記係合部が頂部を乗り越えながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する山部(凸状屈曲部)が形成され、
前記第2腕部分には、前記回転レバーの少なくとも前記中間部位から前記第1位置にて前記係合部が係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記第1腕部分による前記第1ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する付勢部が形成されている(請求項1に係る発明)。
【0008】
この場合において、前記付勢部は、前記回転レバーの前記第1位置から前記第2位置への回転に伴う円弧軌跡で前記係合部が常に下りながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記第1腕部分による前記第1ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する直線部であることも可能である(請求項2に係る発明)。この場合には、付勢部を直線部に変更するという簡素な構成で実施することが可能である。
【0009】
(発明の作用効果)
上記した本発明によれば、回転レバーの第1位置から第2位置への回転時と第2位置から第1位置への回転時において、回転レバーの係合部が円弧軌跡の中間部位でトーションスプリングの第1腕部分に形成した山部の頂部を乗り越えるため、回転レバーに節度感を与えることができる。また、回転レバーの第2位置から第1位置への回転時において、回転レバーの係合部がトーションスプリングの第1腕部分に形成した山部の頂部を乗り越えた後で、回転レバーが第1ストッパ部材と当接する前において、回転レバーの係合部が、トーションスプリングの第2腕部分に形成した付勢部(直線部)により、トーションスプリングの第1腕部分による第1ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で、第2ストッパ部材に向けて付勢される。
【0010】
このため、トーションスプリングの第2腕部分に形成した付勢部(直線部)による第2ストッパ部材に向けた付勢力が、トーションスプリングの第1腕部分に形成した山部による第1ストッパ部材に向けた付勢力に抗したブレーキ力として、回転レバーに作用する。したがって、回転レバーが第1ストッパ部材に当接する際の当接音を低減することができる。これにより、同当接音の低減対策(回転レバーの第1ストッパ部材と当接する部位と第1ストッパ部材との間に緩衝材を設けることや、回転レバーの第1ストッパ部材と当接する部位の素材または第1ストッパ部材の素材を緩衝機能を有する素材に変更すること等)が不要となり、当該当接音低減対策のための部品数増加や材料コストアップを無くすことが可能である。
【0011】
また、本発明の実施に際して、前記付勢部は、前記回転レバーの前記中間部位から前記第1位置にて前記係合部が係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記第1腕部分による前記第1ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する第1付勢部と、前記回転レバーの前記中間部位から前記第2位置にて前記係合部が係合して、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記第1腕部分による前記第2ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢する第2付勢部と、を有すること(請求項3に係る発明)も可能である。
【0012】
この本発明によれば、前記付勢部が第1付勢部と第2付勢部を有しているため、回転レバーが第1ストッパ部材と当接する前において、第1付勢部によりブレーキ力が得られるとともに、回転レバーが第2ストッパ部材と当接する前において、第2付勢部によりブレーキ力が得られる。したがって、回転レバーが第1ストッパ部材に当接する際の当接音を低減することができるとともに、回転レバーが第2ストッパ部材に当接する際の当接音を低減することができる。
【0013】
また、本発明の実施に際して、前記トーションスプリングの付勢力よりも小さい付勢力にて前記回転レバーを前記第1位置に向けて常に付勢するスプリングを備えること(請求項4に係る発明)も可能である。
【0014】
この発明によれば、回転レバーが第1ストッパ部材と当接する前において、トーションスプリングにおける第2腕部分の付勢部によってブレーキ力が得られるとともに、回転レバーが第2ストッパ部材と当接する前において、スプリングの付勢力によってブレーキ力が得られる。したがって、回転レバーが第1ストッパ部材に当接する際の当接音を低減することができるとともに、回転レバーが第2ストッパ部材に当接する際の当接音を低減することができる。
【0015】
この場合において、当該回転レバーの位置保持装置と、ドアを車体に対して閉じた状態で保持可能なラッチ機構と、このラッチ機構が有するリフトレバーと、このリフトレバーに対して係合可能なロック位置から係合不能なアンロック位置に移行することで前記ドアをロック状態からアンロック状態にするオープンリンクとを備え、前記回転レバーは、前記第1位置にて前記オープンリンクを前記アンロック位置とし、前記第2位置にて前記オープンリンクを前記ロック位置とするアクティブレバーであって、前記スプリングは前記オープンリンクを前記アンロック位置に向けて付勢するリターンスプリングである、車両用ドアロック装置を構成すること(請求項5に係る発明)も可能である。この場合には、当該車両用ドアロック装置にてロック操作時(アクティブレバーがアンロック位置(第1位置)からロック位置(第2位置)に回転するとき)とアンロック操作時(アクティブレバーがロック位置(第2位置)からアンロック位置(第1位置)に回転するとき)に生じる異音(当接音)を低減することが可能である。
【0016】
また、本発明の実施に際しては、上記したトーションスプリングに代えて下記のトーションスプリング(第2腕部分の形状・機能のみが異なるもの)を採用することも可能であり、同トーションスプリングの前記第2腕部分には、前記回転レバーの前記第1位置から前記第2位置への回転に伴う円弧軌跡で前記係合部が常に上りながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記第1腕部分による前記第2ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢する直線部が形成されている(請求項6に係る発明)。
【0017】
この発明によれば、回転レバーの第1位置から第2位置への回転時と第2位置から第1位置への回転時において、回転レバーの係合部が円弧軌跡の中間部位でトーションスプリングの第1腕部分に形成した山部の頂部を乗り越えるため、回転レバーに節度感を与えることができる。また、回転レバーの第1位置から第2位置への回転時において、回転レバーの係合部がトーションスプリングの第1腕部分に形成した山部の頂部を乗り越えた後で、回転レバーが第2ストッパ部材と当接する前において、回転レバーの係合部が、トーションスプリングの第2腕部分に形成した直線部により、トーションスプリングの第1腕部分による第2ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で、第1ストッパ部材に向けて付勢される。
【0018】
このため、トーションスプリングの第2腕部分に形成した直線部による第1ストッパ部材に向けた付勢力が、トーションスプリングの第1腕部分に形成した山部による第2ストッパ部材に向けた付勢力に抗したブレーキ力として、回転レバーに作用する。したがって、回転レバーが第2ストッパ部材に当接する際の当接音を低減することができる。これにより、同当接音の低減対策(回転レバーの第2ストッパ部材と当接する部位と第2ストッパ部材との間に緩衝材を設けることや、回転レバーの第2ストッパ部材と当接する部位の素材または第2ストッパ部材の素材を緩衝機能を有する素材に変更すること等)が不要となり、当該当接音低減対策のための部品数増加や材料コストアップを無くすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による回転レバーの位置保持装置を車両用ドアロック装置の一実施形態に実施した一例を示す側面図である。
【図2】図1に示した車両用ドアロック装置のアウトサイドオープンレバー、スプリング、オープンリンク、アクティブレバーおよびリフトレバーとハウジングのカバーに設けたアンロック保持ガイドの車幅方向での関係を示したアンロック状態の図である。
【図3】図2に示したアウトサイドオープンレバー、スプリング、オープンリンク、アクティブレバーおよびリフトレバーとアクティブレバーに設けたロック保持ガイドの車幅方向での関係を示したロック状態の図である。
【図4】図1に示したトーションスプリング単体の自由状態での側面図である。
【図5】図1に示したアクティブレバー(回転レバー)と両ストッパ部(ストッパ部材)とトーションスプリングの関係を示した作動説明図である。
【図6】図5の(a)に示したトーションスプリングの第1腕部分からアクティブレバーの係合部に作用するバネ力とトーションスプリングの第2腕部分からアクティブレバーの係合部に作用するバネ力の関係を示した図である。
【図7】図1に示したトーションスプリングの変形実施形態を示す図5(a)相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明による回転レバーの位置保持装置を車両用ドアロック装置に実施した一実施形態を示していて、この車両用ドアロック装置は、車両の前方右側に装備されるドア(図示省略)に装着されるものであり、図1〜図3に示したように、ラッチ機構10と、インサイドオープンレバー21と、アウトサイドオープンレバー22を備えるとともに、オープンリンク23と、スプリング24と、アクティブレバー25を備えている。また、車両用ドアロック装置は、ハウジング90(ベース部材)のカバー(図1では本体91から取り外されていて図示されていない)に設けたアンロック保持ガイド92a(図2参照)と、アクティブレバー25に設けたロック保持ガイド25aおよび押動アーム部25bを備えている。
【0021】
ラッチ機構10は、周知のように、ドアをボデー(図示省略の車体)に対して閉じた状態で保持するためのものであり、本体91とカバー(図示省略)を備えたハウジング90に組付けられていて、ハウジング90とともにドアに組付けられる。このラッチ機構10は、ボデーに固定されたストライカ(図示省略)に対して係合・離脱可能なラッチ(図示省略)と、このラッチに対して係合・非係合可能でラッチのストライカに対する係合を維持・解放可能なポール(図示省略)と、このポール(図示省略)と一体的なリフトレバー12(図2参照)を備えている。
【0022】
リフトレバー12は、図2に示したように、取付孔12aにてポール(図示省略)の回転軸13に一体的に組付けられていて、ポール(図示省略)と一体的に回転する。このリフトレバー12は、オープンリンク23の押動頭部23aと係合・離脱可能な係合アーム部12bを有するとともに、オープンリンク23の受動胴部23bと係合・離脱可能な押動脚部12cを有していて、その主体部(回転軸13に嵌合されている部分)が回転する平面は図2の紙面に対して略平行となっている。
【0023】
上記したラッチ機構10において、ラッチがストライカに係合して維持されることで、ドアが閉じた状態(ラッチ状態)に保持される。また、ラッチ機構10において、ラッチがストライカから係合を解かれて離脱することで、ドアが閉じた状態から開いた状態(アンラッチ状態)に移行する。
【0024】
インサイドオープンレバー21は、ドアの内側に設けたインサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴って、初期位置(図1に示した復帰位置)から作動位置(アウトサイドオープンレバー22とオープンリンク23を図1に示した位置から所定量持ち上げる位置)に回転駆動されるものであり、図1に示したように、支持孔21aにてハウジング90に支持軸93を介して回転可能に組付けられている。このインサイドオープンレバー21は、インサイドドアハンドルに操作ケーブル(図示省略)を介して連係される操作アーム部21bと、アウトサイドオープンレバー22の係合アーム部22dに係合・離脱可能な第1の押動アーム部21cと、アクティブレバー25の受動部25cに係合・離脱可能な第2の押動アーム部21dを備えている。
【0025】
アウトサイドオープンレバー22は、ドアの外側に設けたアウトサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴って、初期位置(図2、図3に示した復帰位置)から作動位置(復帰位置から図2、図3の時計回転方向に所定量回転した位置)に回転駆動されるものであり、インサイドオープンレバー21の支持孔21aに対して略直交するように配置された支持孔22aにてハウジング90に支持軸94を介して回転可能に組付けられている。このアウトサイドオープンレバー22は、アウトサイドドアハンドルに例えばリンク等の操作力伝達部材(図示省略)を介して連係される操作部22bと、オープンリンク23と連結された連結孔部(連結部位)22cと、インサイドオープンレバー21の第1の押動アーム部21cに係合・離脱可能な係合アーム部22dを備えている。
【0026】
また、アウトサイドオープンレバー22は、スプリング27によって初期位置に向けて付勢されている。スプリング27は、ハウジング90に対してアウトサイドオープンレバー22を所定の付勢力にて初期位置(図2、図3に示した位置)に向けて付勢している。また、スプリング27は、ハウジング90に支持軸94に組付けられるコイル部27aと、このコイル部27aの各端部から径外方に延びる一対のアーム部27b、27cを備えていて、一方のアーム部27bにてアウトサイドオープンレバー22に係合し、他方のアーム部27cにてハウジング90に係合している。
【0027】
オープンリンク23は、上記した押動頭部23aと受動胴部23bを有するとともに、連結脚部23cと支持部23dを有していて、連結脚部23cにてアウトサイドオープンレバー22の連結孔部(連結部位)22cに図2の左右方向にて所定量傾動可能に組付けられ、支持部23dにてスプリング24を支持しており、その主体部(押動頭部23a、受動胴部23b等)が傾動する平面は、図2の紙面に対して略平行であり、リフトレバー12の主体部が回転する平面に対して並列に配置されている。また、オープンリンク23は、アクティブレバー25の押動アーム部25bと係合・離脱可能な係合脚部23eと、ハウジング90のアンロック保持ガイド92aと係合・離脱可能な係合アーム部23fと、アクティブレバー25のロック保持ガイド25a(図1、図3参照)と係合・離脱可能な係合胴部23gを有している。
【0028】
このオープンリンク23は、インサイドオープンレバー21の初期位置から作動位置への回転駆動時またはアウトサイドオープンレバー22の初期位置から作動位置への回転駆動時に図2または図3に示した初期位置からリフトレバー12に向けて押動されて作動位置に移動されるとともに、アクティブレバー25のロック位置(図5(c)に示した位置)からアンロック位置(図5(a)に示した位置)への移動時にアンロック状態(図2に示した状態)に切り替えられかつアクティブレバー25のアンロック位置からロック位置への移動時にロック状態(図3に示した状態)に切り替えられるように構成されている。
【0029】
なお、オープンリンク23がアンロック状態にあるとき、各ドアハンドルのドア開操作に伴う各オープンレバー21,22のドア開方向作動は、オープンリンク23を介してリフトレバー12に伝えられる。一方、オープンリンク23がロック状態にあるとき、各ドアハンドルのドア開操作に伴う各オープンレバー21,22のドア開方向作動は、オープンリンク23に伝えられるものの、オープンリンク23からリフトレバー12に伝えられない。
【0030】
スプリング24は、アウトサイドオープンレバー22とオープンリンク23間に介装されたリターンスプリングであり、アウトサイドオープンレバー22に対してオープンリンク23をアンロック状態(図2に示した状態)に向けて付勢しており、オープンリンク23がアクティブレバー24と係合している状態では、アクティブレバー24をアンロック位置に向けて常に付勢している。また、スプリング24は、オープンリンク23の支持部23dに組付けられるコイル部24aと、このコイル部24aの各端部から径外方に延びる一対のアーム部24b、24cを備えていて、一方のアーム部24bにてアウトサイドオープンレバー22に係合し、他方のアーム部24cにてオープンリンク23に係合している。なお、スプリング24の付勢力は、上述したスプリング27の付勢力に比して小さく設定されている。
【0031】
このため、スプリング24の機能により、ドアロック状態(ドアの施錠状態)において、図示省略のドアハンドルと施解錠操作部材(ドアの内側に設けたロックノブ(図示省略)、ドアの外側から操作可能なキーシリンダ(図示省略)、駆動機構30の電気モータ31(図1参照)を作動させるためのリモコン等)が同時に操作されてパニック状態となったときに、オープンリンク23が、アンロック状態に向けて付勢されてリフトレバー12の係合アーム部12bに対して弾性的かつ相対移動可能に保持され、図2に示した初期位置への復帰が許容される。
【0032】
アクティブレバー25は、施解錠操作部材のロック操作により図1および図5(a)に示したアンロック位置から図5(c)に示したロック位置に切り替えられてオープンリンク23を図3に示したロック状態とするとともに、施解錠操作部材のアンロック操作によりロック位置からアンロック位置に切り替えられてオープンリンク23をアンロック状態とするものであり、ボス部に設けた支持孔25dにてハウジング90に支持軸95を介して回転自在に組付けられて支持されている。
【0033】
このアクティブレバー25は、上記したロック保持ガイド25a、押動アーム部25b、受動部25c、支持孔25dを備えるとともに、ドアの内側に設けたロックノブ(図示省略)に操作ケーブル(図示省略)を介して連結される操作部25eと、駆動機構30と連係する駆動部25fと、位置決め用のトーションスプリング26と連係する係合ピン部25g(図1参照)と、ドアの外側に設けたキーシリンダ(図示省略)にロッキングコントロールレバー41、キースイッチレバー42、アウトサイドロッキングレバー43等を介して連係する係合ピン部25hを備えている。
【0034】
また、アクティブレバー25は、ハウジング90の本体91に設けた第1ストッパ部(第1ストッパ部材)91aと第2ストッパ部(第2ストッパ部材)91b間に配設されている突出部25iと、ハウジング90内に組付けられてアクティブレバー25に設けた係合ピン部25g(図1参照)に係合する位置決め用のトーションスプリング26によって、アンロック位置(図1と図5(a)に示したように突出部25iが第1ストッパ部91aと当接する位置)またはロック位置(図5(c)に示したように突出部25iが第2ストッパ部91bと当接する位置)にて弾性的に保持されるように構成されている。
【0035】
トーションスプリング26の保持力(アクティブレバー25をロック位置に保持する力)は、スプリング27の付勢力(アウトサイドオープンレバー22を初期位置に向けて付勢する力)に比して大きく設定されている。このため、ドアロック状態では、アウトサイドオープンレバー22、オープンリンク23、アクティブレバー25等が、図3に示した状態に保持される。
【0036】
押動アーム部25bは、アクティブレバー25がアンロック位置にある際において、アンロック状態にあるオープンリンク23に対してはアクティブレバー25のアンロック位置(図2の位置)からロック位置(図3の位置)の切り替えによってオープンリンク23を傾動させるべくオープンリンク23の係合脚部23eと係合するとともに、アクティブレバー25がロック位置にある際において、ロック状態にあるオープンリンク23に対してはオープンリンク23のアンロック状態への移動を許容すべくオープンリンク23から離脱可能である。
【0037】
ところで、この実施形態においては、上記した突出部25i、第1ストッパ部91a、第2ストッパ部91bと、係合ピン部25g、トーションスプリング26等によって、アクティブレバー25(回転レバー)の位置保持装置が構成されている。なお、図5および図6では、アクティブレバー25の係合ピン部25gとトーションスプリング26との係合を明確とするために、係合ピン部25gとトーションスプリング26が実線で示されている。
【0038】
トーションスプリング26は、アクティブレバー25とハウジング90の本体91間に介装されていて、アクティブレバー25がアンロック位置(第1位置)にあるとき、アクティブレバー25の突出部25i(アクティブレバー25)を第1ストッパ部91aに向けて付勢し、アクティブレバー25がロック位置(第2位置)にあるとき、アクティブレバー25の突出部25i(アクティブレバー25)を第2ストッパ部91bに向けて付勢するものである。このトーションスプリング26は、バネ鋼の線材よりなるもので、巻回部分26aと、第1腕部分26bおよび第2腕部分26cを有していて、自由状態では図4に示したように第1腕部分26bと第2腕部分26cが交差している。
【0039】
巻回部分26aは、ハウジング90の本体91に立設されたボス部91c周りに回転可能に装着されている。第1腕部分26bと第2腕部分26cは、図1に示したように組付けられた状態にて、巻回部分26aからボス部91cの軸方向とは略直交する径方向に延在していて、アクティブレバー25に形成された係合ピン部25gを挟んで互いに対向し合っている。なお、図1に示した第1腕部分26bと第2腕部分26c間には、突部91dが配されている。この突部91dは、ハウジング90の本体91に設けられていて、トーションスプリング26をボス部91c周りに支持する際に第1腕部分26bと第2腕部分26cに当接して両者間の間隔が広がる方向に撓ませてトーションスプリング26の組付初期状態を設定している。
【0040】
第1腕部分26bには、アクティブレバー26の第1位置から第2位置への回転に伴う円弧軌跡の中間部位でアクティブレバー25の係合ピン部25gが頂部を乗り越えながら係合して、アクティブレバー25が第1位置にある時(図5(a)のとき)にアクティブレバー25を第1ストッパ部91aに向けて図6に示したバネ力F1の回転方向分力F1aの付勢力で付勢し、且つ、アクティブレバー25が第2位置にある時(図5(c)のとき)にアクティブレバー25を第2ストッパ部91bに向けて付勢する山部(凸状屈曲部)26b1が形成されている。
【0041】
なお、アクティブレバー25の係合ピン部25gが、図5(a)に示した位置と図5(b)に示した位置間を移行するときにも、アクティブレバー25が第1位置にある時と同様に、アクティブレバー25は第1腕部分26bによって第1ストッパ部91aに向けて付勢されている。また、アクティブレバー25の係合ピン部25gが、図5(b)に示した位置と図5(c)に示した位置間を移行するときにも、アクティブレバー25が第2位置にある時と同様に、アクティブレバー25は第1腕部分26bによって第2ストッパ部91bに向けて付勢されている。
【0042】
一方、第2腕部分26cには、アクティブレバー25の第1位置から第2位置への回転に伴う円弧軌跡でアクティブレバー25の係合ピン部25gが常に下りながら(第2腕部分26cの先端に向けた回転方向分力の付勢力を受けながら)係合して、アクティブレバー25が第1位置にある時にアクティブレバー25を第2ストッパ部91bに向けて図6に示したバネ力F2の回転方向分力F2aの付勢力(上記した第1腕部分26bによる第1ストッパ部91aに向けた付勢力(F1a)より小さい付勢力)で付勢し、且つ、アクティブレバー25が第2位置にある時にアクティブレバー25を第2ストッパ部91bに向けて付勢する直線部(付勢部)26c1が形成されている。なお、アクティブレバー25の係合ピン部25gが直線部26c1に係合しているときには、アクティブレバー25は第2腕部分26cによって常に第2ストッパ部91bに向けて付勢されている。
【0043】
上記のように構成したこの実施形態では、アクティブレバー25の第1位置から第2位置への回転時と第2位置から第1位置への回転時において、アクティブレバー25の係合ピン部25gが円弧軌跡の中間部位でトーションスプリング26の第1腕部分26bに形成した山部26b1の頂部を乗り越えるため、アクティブレバー25に節度感を与えることができる。また、アクティブレバー25の第2位置から第1位置への回転時において、アクティブレバー25の係合ピン部25gがトーションスプリング26の第1腕部分26bに形成した山部26b1の頂部を乗り越えた後で、アクティブレバー25の突出部25iが第1ストッパ部91aと当接する前において、アクティブレバー25の係合ピン部25gが、トーションスプリング26の第2腕部分26cに形成した直線部26c1により、トーションスプリング26の第1腕部分26bによる第1ストッパ部91aに向けた付勢力より小さい付勢力(F2a<F1a)で、第2ストッパ部91bに向けて付勢される。
【0044】
このため、トーションスプリング26の第2腕部分26cに形成した直線部26c1による第2ストッパ部91bに向けた付勢力(F2a)が、トーションスプリング26の第1腕部分26bに形成した山部26b1による第1ストッパ部91aに向けた付勢力(F1a)に抗したブレーキ力として、アクティブレバー25に作用する。したがって、アクティブレバー25が第1ストッパ部91aに当接する際の当接音を低減することができる。これにより、同当接音の低減対策(アクティブレバー25の第1ストッパ部91aと当接する部位と第1ストッパ部91aとの間に緩衝材を設けることや、アクティブレバー25の第1ストッパ部91aと当接する部位の素材または第1ストッパ部91aの素材を緩衝機能を有する素材に変更すること等)が不要となり、当該当接音低減対策のための部品数増加や材料コストアップを無くすことが可能である。
【0045】
また、この実施形態においては、トーションスプリング26の第2腕部分26cに形成される従来の山部(凸状屈曲部)を直線部26c1に変更すること(簡素な構成)により実施することが可能であり、トーションスプリング26における第2腕部分26cの形状変更により実施することが可能であるため、既存の構成を有効に活かしながら安価に実施することが可能である。
【0046】
上記実施形態においては、上記したトーションスプリング26を採用して実施したが、上記したトーションスプリング26に代えて、図7に示したトーションスプリング126を採用して実施することも可能である。図7に示したトーションスプリング126は、バネ鋼の線材よりなるもので、巻回部分126aと、第1腕部分126bおよび第2腕部分126cを有していて、第2腕部分126cの中間部分に谷部(凹状屈曲部)126c1が形成されていることを除いて、上記実施形態のトーションスプリング26と同じ構成である。
【0047】
谷部(凹状屈曲部)126c1は、上記実施形態の直線部(付勢部)26c1に代わるものであり、巻回部分126aから谷底部分までの第1付勢部と、谷底部分から先端部分までの第2付勢部を有している。第1付勢部は、アクティブレバー25の中間部位から第1位置までの移行時に係合ピン部25gが係合して、アクティブレバー25が第1位置にある時に第1腕部分126bによる第1ストッパ部91aに向けた付勢力より小さい付勢力でアクティブレバー25を第2ストッパ部91bに向けて付勢する。第2付勢部は、アクティブレバー25の中間部位から第2位置までの移行時に係合ピン部25gが係合して、アクティブレバー25が第2位置にある時に第1腕部分126bによる第2ストッパ部91bに向けた付勢力より小さい付勢力でアクティブレバー25を第1ストッパ部91aに向けて付勢する。
【0048】
このため、図7に示した変形実施形態では、アクティブレバー25が第1ストッパ部91aと当接する前において、第1付勢部によりブレーキ力が得られるとともに、アクティブレバー25が第2ストッパ部91bと当接する前において、第2付勢部によりブレーキ力が得られる。したがって、アクティブレバー25が第1ストッパ部91aに当接する際の当接音を低減することができるとともに、アクティブレバー25が第2ストッパ部91bに当接する際の当接音を低減することができる。
【0049】
また、上記実施形態においては、上記したトーションスプリング26を採用して実施したが、上記したトーションスプリング26に代えて下記のトーションスプリング(第2腕部分(26c)の形状・機能のみが異なるもの)を採用することも可能であり、同トーションスプリングの前記第2腕部分には、回転レバー(アクティブレバー25)の第1位置から第2位置への回転に伴う円弧軌跡で前記係合部(係合ピン部25g)が常に上りながら(上記実施形態における第2腕部分26cの基端(巻回部分26a側端部)に向けた回転方向分力の付勢力を受けながら)係合して、前記回転レバー(25)が第1位置にある時に前記回転レバー(25)を前記第1ストッパ部材(91a)に向けて付勢し、且つ、前記回転レバー(25)が第2位置にある時に前記第1腕部分(26b)による前記第2ストッパ部材(91b)に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバー(25)を前記1ストッパ部材(91a)に向けて付勢する直線部(26c1)が形成されている。
【0050】
この実施形態では、回転レバーの第1位置から第2位置への回転時と第2位置から第1位置への回転時において、回転レバーの係合部が円弧軌跡の中間部位でトーションスプリングの第1腕部分に形成した山部の頂部を乗り越えるため、回転レバーに節度感を与えることができる。また、回転レバーの第1位置から第2位置への回転時において、回転レバーの係合部がトーションスプリングの第1腕部分に形成した山部の頂部を乗り越えた後で、回転レバーが第2ストッパ部材と当接する前において、回転レバーの係合部が、トーションスプリングの第2腕部分に形成した直線部により、トーションスプリングの第1腕部分による第2ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で、第1ストッパ部材に向けて付勢される。
【0051】
このため、トーションスプリングの第2腕部分に形成した直線部による第1ストッパ部材に向けた付勢力が、トーションスプリングの第1腕部分に形成した山部による第2ストッパ部材に向けた付勢力に抗したブレーキ力として、回転レバーに作用する。したがって、回転レバーが第2ストッパ部材に当接する際の当接音を低減することができる。これにより、同当接音の低減対策(回転レバーの第2ストッパ部材と当接する部位と第2ストッパ部材との間に緩衝材を設けることや、回転レバーの第2ストッパ部材と当接する部位の素材または第2ストッパ部材の素材を緩衝機能を有する素材に変更すること等)が不要となり、当該当接音低減対策のための部品数増加や材料コストアップを無くすことが可能である。
【0052】
また、この実施形態においても、トーションスプリングの第2腕部分に形成される従来の山部(凸状屈曲部)を直線部に変更することにより実施することが可能であり、トーションスプリングにおける第2腕部分の形状変更により実施することが可能であるため、既存の構成を有効に活かしながら安価に実施することが可能である。なお、この実施形態は、上記した実施形態におけるトーションスプリング26の第2腕部分26cの形状(アクティブレバー25の係合ピン部25gに対する直線部26c1の係合形態)を変更することによっても実施可能であるが、上記した実施形態のトーションスプリング26の配置をアクティブレバー25の回転方向にて反転することによっても実施することが可能である。
【0053】
また、上記した各実施形態においては、回転レバーが車両用ドアロック装置のアクティブレバーである実施形態について説明したが、この回転レバーは、第1ストッパ部材と当接して第1位置に保持され且つ第2ストッパ部材と当接して第2位置に保持されるようベース部材に回転自在に支持されたものであればよく、本発明は、種々な回転レバーの位置保持装置として採用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
25…アクティブレバー(回転レバー)、25i…突出部、25g…係合ピン部(係合部)、26…トーションスプリング、26a…巻回部分、26b…第1腕部分、26b1…山部(凸状屈曲部)、26c…第2腕部分、26c1…直線部(付勢部)、90…ハウジング(ベース部材)、91a…第1ストッパ部(第1ストッパ部材)、91b…第2ストッパ部(第2ストッパ部材)、91c…ボス部、91d…突部、95…ピン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ストッパ部材と当接して第1位置に保持され且つ第2ストッパ部材と当接して第2位置に保持されるようベース部材に回転自在に支持された回転レバーと、この回転レバーと前記ベース部材間に介装されて前記第1位置では前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し且つ前記第2位置では前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢するトーションスプリングを備えていて、前記回転レバーを前記第1位置と前記第2位置の2つの位置で弾性的に保持することが可能な回転レバーの位置保持装置であり、
前記トーションスプリングが、前記ベース部材に立設されたボス部周りに回転可能に装着される巻回部分と、該巻回部分からその径方向に延在し前記回転レバーに形成された係合部を挟んで互いに対向し合う第1腕部分および第2腕部分を有していて、
前記第1腕部分には、前記回転レバーの前記第1位置から前記第2位置への回転に伴う円弧軌跡の中間部位で前記係合部が頂部を乗り越えながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する山部が形成され、
前記第2腕部分には、前記回転レバーの少なくとも前記中間部位から前記第1位置にて前記係合部が係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記第1腕部分による前記第1ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する付勢部が形成されている、回転レバーの位置保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転レバーの位置保持装置において、
前記付勢部は、前記回転レバーの前記第1位置から前記第2位置への回転に伴う円弧軌跡で前記係合部が常に下りながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記第1腕部分による前記第1ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する直線部である、回転レバーの位置保持装置。
【請求項3】
請求項1に記載の回転レバーの位置保持装置において、
前記付勢部は、
前記回転レバーの前記中間部位から前記第1位置にて前記係合部が係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記第1腕部分による前記第1ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する第1付勢部と、
前記回転レバーの前記中間部位から前記第2位置にて前記係合部が係合して、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記第1腕部分による前記第2ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢する第2付勢部と、
を有する回転レバーの位置保持装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の回転レバーの位置保持装置において、
前記トーションスプリングの付勢力よりも小さい付勢力にて前記回転レバーを前記第1位置に向けて常に付勢するスプリングを備える、回転レバーの位置保持装置。
【請求項5】
請求項4に記載の回転レバーの位置保持装置と、
ドアを車体に対して閉じた状態で保持可能なラッチ機構と、
このラッチ機構が有するリフトレバーと、
このリフトレバーに対して係合可能なロック位置から係合不能なアンロック位置に移行することで前記ドアをロック状態からアンロック状態にするオープンリンクとを備え、
前記回転レバーは、前記第1位置にて前記オープンリンクを前記アンロック位置とし、前記第2位置にて前記オープンリンクを前記ロック位置とするアクティブレバーであって、
前記スプリングは前記オープンリンクを前記アンロック位置に向けて付勢するリターンスプリングである、車両用ドアロック装置。
【請求項6】
第1ストッパ部材と当接して第1位置に保持され且つ第2ストッパ部材と当接して第2位置に保持されるようベース部材に回転自在に支持された回転レバーと、この回転レバーと前記ベース部材間に介装されて前記第1位置では前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し且つ前記第2位置では前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢するトーションスプリングを備えていて、前記回転レバーを前記第1位置と前記第2位置の2つの位置で弾性的に保持することが可能な回転レバーの位置保持装置であり、
前記トーションスプリングが、前記ベース部材に立設されたボス部周りに挿入支持される巻回部分と、該巻回部分から前記ボス部の軸方向とは略直交する径方向に延在し前記回転レバーに形成された係合部を挟んで互いに対向し合う第1腕部分および第2腕部分を有していて、
前記第1腕部分には、前記回転レバーの前記第1位置から前記第2位置への回転に伴う円弧軌跡の中間部位で前記係合部が頂部を乗り越えながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記回転レバーを前記第2ストッパ部材に向けて付勢する山部が形成され、
前記第2腕部分には、前記回転レバーの前記第1位置から前記第2位置への回転に伴う円弧軌跡で前記係合部が常に上りながら係合して、前記回転レバーが前記第1位置にある時に前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢し、且つ、前記回転レバーが前記第2位置にある時に前記第1腕部分による前記第2ストッパ部材に向けた付勢力より小さい付勢力で前記回転レバーを前記第1ストッパ部材に向けて付勢する直線部が形成されている、回転レバーの位置保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−225112(P2012−225112A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95737(P2011−95737)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000100827)アイシン機工株式会社 (122)
【Fターム(参考)】