説明

回転可能な、そして受け入れ可能なプラグを備える電気器具

【課題】この発明は回転可能な、そして受け入れ可能なプラグを備える電気器具に関する。
【解決手段】この電気器具は上部ケース100と下部ケース400を含む。下部ケース400は2つの貫通孔、2つのプラグ受け入れ溝401及びその中に形成された2つのコンセントを有し、上部ケース100と係合する。電気器具は更に第1端部及び第2端部を有するプラグを含む。第1端部は下部ケースの貫通孔へ挿入される。更に、プラグを隠れ位置へ回転する時、プラグの第1端部は下部ケースのプラグ受け入れ溝で受け、プラグの第2端部は下部ケースのコンセントで受ける。電気器具は更にプラグの第2端部が挿入されるそこに形成された2つの溝及びプラグを固定するその下面に形成された2つの固定具を有する取り付け部材200、及び下部ケース400上に取り付けられた回路基板を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプラグを備える電気器具、特に力の不必要な、受け入れ可能なそして回転可能なプラグを備える電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート、携帯端末(PDA)、携帯電話、MP3プレーヤ等のような消費者向け電子製品は絶えず小型化に向かっており、これにより例えば、電源、電池充電器又は変圧器などの運搬の容易な電力コネクタに対するより大きなニーズを促す。従って、消費者向け電子製品の電源コネクタはより小型軽量に製作され、そして出荷により便利である必要がある。更にそれらは長期間の所持と頻繁な使用を維持するために、耐久性がなければならない。消費者向け電子製品の各々はそれに電力を供給するため、電源コネクタ上又は製品自身の上にプラグが必要で、このためプラグは必要な器具である。最近、回転可能なプラグ、折り畳み可能なプラグ、又はコンセントプラグのような、持ち運びに便利な消費者向け電子製品や電源コネクタ用の各種プラグが出てきた。
【0003】
例えば、従来の電源コネクタは筐体とプラグを含む。筐体は更に、その上部近辺に凹んだ格納室を有する。プラグは主としてその各側面上にほぞを有する棒、2つの第1ピン及び2つの第2ピンから構成される。第1ピンと第2ピンは夫々第1ピンのコネクタ、第2ピン及び棒を作るため、ほぞ挿入のためのほぞに対応する孔を有する。凹んだ格納室の各側壁はバネを含むバネコンセントを有する。バネの端部は夫々バネコンセントの側面、及び固定要素により第1ピンの各々に配置される隙間と接触する。プラグはバネの弾力により凹んだ格納室に設置され、第2ピンを駆動し、棒を回転させるため第1ピンを調整することにより折り畳まれる。これにより、プラグは筐体内に設置される回路基板へ電気的に接続される。
【0004】
上記プラグに類似の多くの従来技術の折り畳み可能な、回転可能な又は格納可能なプラグは機械設計に大きな欠点がある。従来の折り畳み可能な又は回転可能な器具は通常プラグコネクタの筐体又は他の部材への取り付けにとって機械構造が弱い。弱い取り付け構造は折り畳み可能な又は回転可能な器具を壊れやすく信頼性のより低い、そしてユーザにとって危険でさえあるものにし、又良い電気接触の確立と維持に影響する。このため耐久性があり安全な、そして上記欠点を克服することができる回転可能な又は折り畳み可能なプラグの提供に対する要望が尚存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のプラグを壊れ易い、より信頼性の低い、そしてユーザに危険でさえあるものとする弱い機械構造のような従来プラグの上記欠点に照らして、この発明は回転可能な、受け入れ可能なそして耐久性のあるプラグを備える電気器具を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は回転可能でかつ受け入れ可能なプラグを備える電気器具を提供する。電気器具は上部ケースと下部ケースを含む。下部ケースは2つの貫通孔、2つのプラグ受け入れ溝及びその中に形成された2つのコンセントを有し、そして上部ケースと係合する。電気器具は更に第1端部と第2端部を有するプラグを含む。第1端部は下部ケースの貫通孔に挿入される。更に、プラグを隠れ位置へ回転すると、プラグの第1端部を下部ケースのプラグ受け入れ溝で受け、プラグの第2端部は下部ケースのコンセントで受ける。電気器具は更にプラグの第2端部により挿入されるその中に形成される2つの溝と、プラグを固定するためその下面に形成された2つの固定器具とを有する取り付け部材、及び下部ケース上に取り付けられた回路基板を含む。取り付け部材の受け入れ部及び溝の部分は、プラグが回転中、プラグの第2端部を受ける。下部ケースは更にプラグを支持するため、その中に形成された2つのノッチ及び2つの凹んだコンセントを含む。ノッチと凹んだコンセントはU型である。更に、下部ケースは貫通孔間に形成された凹んだ溝を含む。プラグは更に取り付け部材の固定具により固定される長方形ピボットを含む。
【発明の効果】
【0007】
この発明の1つの利点は電気器具へ都合よく受け入れられる回転可能なプラグである。
【0008】
この発明の別の利点は使用時に力を必要としない回転可能なプラグである。
【0009】
この発明の更に別の利点は安全要件に合致できる回転可能なプラグである。
【0010】
この発明の更に別の利点は下部ケースに結合された取り付け部材を利用することにより、耐久性があり、そして堅牢な、そして長期間所持と頻繁な使用を維持できる回転可能なプラグである。
【0011】
この発明の別の利点は回転可能なプラグは電気プラグを必要とする如何なる種類の電気器具にも適用可能であることである。
【0012】
これら及び他の利点は付属図面と付属の特許請求の範囲と共に好適実施形態についての以下の記述から明らかになるだろう。
【0013】
この発明は以下の明細書と付属図面のいくつかの好適実施形態及び詳細記述により理解される。図面での同一参照番号はこの発明における同一要素を指す。しかし本発明の好適実施形態は全て説明のためのみで、特許請求の範囲を限定するためではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
さて、本発明は好適実施形態及び態様で記述され、そしてこれらの記述は本発明の構造と手順の説明のためのみに行われ本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、明細書の好適実施形態を除き、この発明も他の実施形態で広く利用される。
【0015】
この発明は回転可能なプラグを備える電気器具を開示する。この発明の好適実施形態で、電気器具10は、上部ケース100、上部ケース100と連結する下部ケース400、下部ケース400により支持される回転可能なラック300、回転可能なラック300上に設置された取り付け部材200、及び図1と図10に示すような回転可能なラック300と電気的に接続するため、下部ケース400上に取り付けられたプリント回路基板(PCB)500を含む。図1と図5に示すように、下部ケース400の下面に画定された2つの溝401がある。溝401は平行に設定され、一端部はそこを通過し、そこに保持される回転可能なラック300用に開放されている。換言すると、回転可能ラック300は溝401に受け入れられそして隠れるように回転可能である。
【0016】
図6と7に関して、下部ケース400はベース402、プリント回路基板(PCB)500を取り付けるためベース402周辺に形成された2つの留め具403、下部ケース400を通して挿入された回転可能なラック300のためのベース402を通して形成された2つの貫通孔404、取り付け部材200により受けられる貫通孔404の周りにベース402上に形成された4つの上に突出した垂直壁405、ラック300が下部ケース400の下面に平行になるように回転する場合、回転可能ラック300を受けるように貫通孔404近辺に形成された2つの狭いコンセント、及び回転可能ラック300を支持するため垂直壁405の下部に隣接して形成された2つの凹んだコンセント407を含む。凹んだ溝408は2つの貫通孔404間に形成される。2つのノッチ409は凹んだ溝408の対向する端部上に形成され、ノッチ409の形状は凹んだコンセント407のそれに類似する。好ましくは、ノッチ409の形状と凹んだコンセント407はU型である。2つの突起410が下面の溝401に対向する下部ケース400の上面に形成される。
【0017】
図4に関して、回転可能ラック300はピボット302、ピボット302の対向する端部上に形成された2つのシート304、夫々シート304上に取り付けられた2つの突起301、及びピボット302の軸に沿って外側のシート304上に取り付けられた2つの円形突起303を含む。各シート304はピボット302の軸に垂直にそれを通して伸びる溝(表示なし)、及びピボット302の軸と平行にそれを通して伸び、そして溝(表示なし)と連通する開口(表示なし)を有する。各突起301の一端は溝(表示なし)で受けられ、取り付けられる一方、他端は外へ伸び、下部ケース400の対応する溝401を通過する。回転可能ラック300は下部ケース400上の4つの垂直壁405の内の2つの間の空間に設置され、そして突起301の長い方の端部は電気器具10が組み立てられる時、下部ケース400の2つの貫通孔404へ挿入される。更に、ラック300のピボット302が下部ケース400の2つのノッチ409により受けられ、支持される一方、ラック300の円形突起303は下部ケース400の凹んだコンセント407により受け、支持される。従って、ピボット302はピボット302の軸の周りで回転可能であり、下部ケース400の凹んだ溝408へ円滑に挿入及び取り出しが可能である一方、円形突起303は、ラック300が回転中は、ピボット302と共にピボット302の軸の周りで回転できる。
【0018】
図2と図3に関して、取り付け部材200は板207、板207から下方へ伸びる2つの固定具202、板207周辺に沿って形成された4つの溝204、円形突起303とラック300のピボット302に対応して板207の下面に形成された4つのブラケット203、及び板207の上面に形成された2つの受け入れ部201を含む。2つの溝205は板207上の2つの受け入れ部201の下及び前面に形成され、これにより溝205と受け入れ部201は、電気器具10が組み立てられ、突起301が回転中に、突起301の短い方の端部を受ける。4つの溝204が下部ケース400上で上方へ突出する垂直壁405を受けるため、取り付け部材200の板207に形成される一方、4つのブラケット203が回転可能ラック300の円形突起303とピボット302の両方の上に取り付けるため、取り付け部材200の板207下面に形成される。2つの孔206は下部ケース400の突起410を受けるため、4つの溝204の1つの対向する側に形成される。固定具202はラック300が所定位置から回転することを防止するため、回転可能ラック300のピボット302を固定する。2つの固定具202の端部間の距離は、固定具202が柔軟なため、回転可能ラック300が回転中はピボット302により変更できる。
【0019】
図8に関して、突起301は、それが下部ケース400の下面に平行な、そして対応する溝401で受けられる隠れ位置から、突起301が下部ケース400の下面に垂直で、そして下部ケース400から露出する垂直位置へ、およびその逆に、ピボット302の軸の周りで回転可能である。突起301を垂直位置から隠れ位置へと回転させる場合、突起301の短い方の端部は受け入れ部201を通過し、そして最初に取り付け部材200の溝205へ入り、次に下部ケース400の狭いコンセント406へ入りその中で受ける一方、突起301の長い方の端部は下部ケース400の下面の溝401へ入りその中で受ける。更に、ピボット302は本質的に長方形プリズムである。従って、2つの固定具202は突起301を定位置に保持し、突起301が垂直位置にある時、突起301が垂直位置から回転することを防止するため、長方形プリズムの2つの対向平面上へピボット302を固定できる。突起301が回転して隠れ位置へ戻る時、ピボット302のエッジは下部ケース400の凹んだ溝408へ滑り込みそこを通過する。固定具202の物理的柔軟性は、ピボット302と突起301が垂直位置から隠れ位置へ回転させることを容易にし、力を不必要とする。回転して隠れ位置へ戻った後、ピボット302は、突起301が下部ケース400の下面から回転して出ることを防止するため、長方形プリズムの他の2つの対向平面上に固定具202により固定される。同様に、突起301が垂直位置へ回転する場合、固定具202の物理的柔軟性がピボット302と突起301を隠れ位置から垂直位置へ回転させることを容易にし、力を不必要とする。
【0020】
更に、ピボット302と円形突起303は取り付け部材200のブラケット203及び下部ケース400のノッチ409と凹んだコンセント407の間に挟まれ、そして取り付け部材200の溝204と下部ケース400上の垂直壁405は、図9に示すように、この発明の一実施形態で超音波溶接又は熱溶接により結合される。従って、回転軸は所定位置から移動しないだろう。取り付け部材200と下部ケース400を溝204と垂直壁405により結合させるので、回転可能プラグの堅牢性を増加できる。従って、固定具202とこの発明の溝204と垂直壁405の間の組み合わせを利用する回転可能プラグ機構はバネを利用する従来技術より遥かに安定性があるだろう。更に、ブラケット203、ノッチ409、凹んだコンセント407、ピボット302及び円形突起303の接触面を研磨し、それらの間の摩擦を減らし、それにより回転可能ラック300をより円滑に回転させることができる。従って、この発明は安全要件に合致できる力の不必要な、受け入れ可能な耐久性のある、そして回転可能なプラグを備える電気器具10を提供する。この発明の一実施形態で、電気器具10は電気プラグを必要とする電源、電池充電器、変圧器、アダプタ又は他の如何なる種類の電気製品のような電源コネクタである。
【0021】
図10に関して、この発明の組み立て過程で、第1に下部ケース400は予め準備され、次に回転可能ラック300は下部ケース400の2つの貫通孔404へ垂直に挿入される。次に、ラック300の短い方の端部を取り付け部材200の2つの溝205へ挿入することにより、取り付け部材200を回転可能ラック300上へ取り付け、そして下部ケース400上の4つの上向きに突出した垂直壁405を取り付け部材200の4つの溝204へ挿入し、そして溝204と垂直壁405を安全要件に合致するように超音波溶接又は熱溶接により組み立てる。次に、プリント回路基板(PCB)500を下部ケース400上へ取り付ける。最後に、上部ケース100を電気器具10を形成するため超音波溶接により下部ケース400と組み合わせる。
【0022】
上記の記述はこの発明の好適実施形態である。この実施形態は説明目的のための記述で、限定のためではなく、多くの変更や修正は本発明の精神と範囲から離れることなく当業者により実施されることは理解されるべきである。このような修正と変更は全て、それらが請求されるか又はそれと同等物としての本発明の範囲内に入る限りにおいて、含まれることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明による電気器具の図である。
【図2】この発明による電気器具の取り付け部材の図である。
【図3】この発明による電気器具の取り付け部材の側面図である。
【図4】この発明による電気器具の回転可能なラックの図である。
【図5】この発明による電気器具の下部ケースの裏面図である。
【図6】この発明による電気器具の下部ケースの上面図である。
【図7】この発明による電気器具の図6のA‐A線に沿った断面である。
【図8】この発明による電気器具の回転可能なプラグの回転機構を示す。
【図9】この発明による電気器具の組み立て手順を示す。
【図10】この発明による電気器具の組み立て手順を示す。
【符号の説明】
【0024】
100:上部ケース
200:取り付け部材
201:受け部
202:固定具
203:ブラケット
204:溝
205:溝
206:溝
207:板
300:回転可能ラック
301:突起
302:ピボット
303:円形突起
304:シート
400:下部ケース
401:溝
402:ベース
403:ファスナ
404:貫通孔
405:垂直壁
406:コンセント
407:凹んだコンセント
408:凹んだ溝
409:ノッチ
410:突起
500:プリント回路基板(PCB)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部ケース;
2つの貫通孔、一端部が開放した2つのプラグ受け入れ溝、及びその中に形成された2つのコンセントを有し、前記上部ケースと係合した、下部ケース;
第1端部、及び第2端部を有するプラグであって、前記第1端部は前記下部ケースの前記貫通孔へ挿入され、前記プラグが隠れ位置へ回転する場合、前記プラグの前記第1端部は前記下部ケースの前記プラグ受け入れ溝で受けられ、そして前記プラグの前記第2端部は前記下部ケースの前記コンセントで受けられる、プラグ;
前記プラグの前記第2端部により挿入されるその中に形成された2つの溝と、前記プラグを固定するためその下面に形成された2つの固定具を有する取り付け部材;及び
前記下部ケース上に取り付けられた回路基板;
を備える電気器具の構造。
【請求項2】
前記電気器具は電源供給、バッテリ充電器、変圧器、又はアダプタを備えることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記下部ケースは更に、前記プラグを支持するためその中に形成された2つのノッチと、2つの凹んだコンセントを備え、そして凹んだ溝が前記貫通孔間に形成され、前記ノッチと前記凹んだコンセントはU型であることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【請求項4】
前記プラグは更に前記取り付け部材の前記固定具により固定された長方形のピボット、前記ピボットの対向する端部上に形成された2つのシート、及び前記シートに取り付けられた2つの円形突起を備えることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【請求項5】
前記取り付け部材は更に、その上面に形成された2つの受け入れ部であって、前記プラグが回転するとき、前記受け入れ部及び前記取り付け部材の前記溝の一部が前記プラグの前記第2端部を受ける、2つの受け入れ部を備え、前記取り付け部材は更に、前記プラグ上に取り付けるためその下面に形成された4つのブラケット、及び前記取り付け部材の周辺に形成された4つの壁受け入れ溝を備え、前記下部ケースは更に、その上に形成された前記壁受け溝へ挿入される4つの垂直壁を備え、前記壁受け入れ溝と前記垂直壁は超音波溶接又は熱溶接により連結されることを特徴とする、請求項1に記載の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−94043(P2009−94043A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316062(P2007−316062)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(507401155)フェイホン テクノロジー カンパニー,リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PHIHONG TECHNOLOGY CO.,LTD.
【Fターム(参考)】