説明

回転工具用の工具ヘッド

【課題】回転工具用の工具ヘッドを提供する。
【解決手段】中央軸線6と端面とを有する基体8と、基体8の端面に配置されかつ空洞22を囲む環状部分12と、内側から前記環状部分12に作用し、かつシャンク34と調整スリーブ20とを有する調整ねじ32を備える調整装置18とを有し、調整ねじ32のシャンク34が、基体8の付設されたねじ付き孔44内に係合する第1のシャンク部分と、第1の雄ねじとを有し、調整スリーブ20が、調整ねじ32のシャンク34を囲み、かつ空洞22に配置され、調整ねじ32によって中央軸線6の方向に変位可能であり、調整ねじ32がねじ付き孔44にねじ込まれるときに環状部分12が調整スリーブ20によって広がるように、環状部分12の付設された内面28と相互作用する円錐形の外面30を有する回転工具2用の工具ヘッド10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の拡張可能な工具ヘッドに関する。この工具ヘッドは、回転工具用の工具ヘッド、特にリーマ、フライス工具又は他の種類の組み合わせ工具である。1つ以上の工具ヘッドを、所望に応じて工具ヘッドに取り付けることができ、例えば接着、鑞付け又はクランプすることができる。工具ヘッドに一体化された調整装置によって、工具ヘッドを拡げるか又は拡張することができ、その結果、切削本体の半径方向の位置を設定することができる。結果として、一方で、切削本体の基準位置を微調整式に固定することができ、他方で、摩耗補償のために再調整が可能である。
【背景技術】
【0002】
リーマに使用するための上述の種類の工具ヘッドは、例えば、特許文献1から公知である。この文献に提供された調整装置は、浮動取付部の形態の調整ねじを囲む円錐形の調整スリーブを備え、調整スリーブの外面は、環状部分を拡げるための楔形の機構が全体的に実装されるように、工具ヘッドの環状部分と相互作用する。調整ねじから調整スリーブへの設定目的のために必要な力伝達は、調整ねじに設けられたねじ頭の軸受面を介して行われる。調整装置が取り外されているとき、調整スリーブを、それを囲む環状部分から簡単に取り除くことができるように、調整ねじには、ねじ付きスリーブ、環状カラー又はクロスピンの形態の引出し補助部が設けられる。したがって、調整装置は、比較的大きな数の個々の構成要素を有し、製造が比較的複雑である。
【0003】
さらに、楔形機構によって可能になる手段と比較して、特にμm範囲の精度の微調整として知られる枠組み内で、拡張可能な工具ヘッドの調整可能性を向上させることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/155104A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、可能な限り少ない構成要素を有し、組み立てが簡単であり、また特に精密な半径方向の拡大の微調整を可能にする冒頭に述べた種類の工具ヘッドを規定することである。さらに、このために工具ヘッドに設けられた調整装置に必要な設置空間は、工具ヘッドが必要に応じて著しくコンパクトな設計を有することができるように、可能な限り小さくあるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明に従って、請求項1の特徴によって達成される。
【0007】
したがって、工具ヘッドは、
−調整スリーブに雌ねじが設けられ、
−調整ねじが、調整スリーブの雌ねじと係合している第2の雄ねじを有する第2のシャンク部分を有し、
次のいずれか、すなわち、
−2つの雄ねじが同一の進行方向(dieselbe Gangrichtung)を有し、第1の雄ねじが第2の雄ねじよりも大きなリードを有するか、
あるいは、
−2つの雄ねじが異なる進行方向を有することを特徴とする。
【0008】
したがって、調整ねじは、差動ねじの形態で設計され、異なる種類の2つのねじ山領域を有する。第1のねじ山領域は、取付状態において、工具ヘッドの基体の関連のねじ付き孔と係合している。ねじ付き孔は、第1のねじ付き部分の領域に調整ねじ用の受口を形成し、調整ねじを基体に固定する。調整ねじの第2のねじ山領域は、調整スリーブの調整ねじと調和した雌ねじと係合している。
【0009】
第1の変形例では、調整ねじの2つのねじ山領域、相応して、基体内及び調整スリーブ内のねじ付き孔も、同一の進行方向(例えば、右回り)を有する。この場合、基体のねじ付き孔に付設された調整ねじの第1のねじ山領域は、調整スリーブのねじ付き孔に付設された第2のねじ山領域よりも大きなリード(ねじ山ピッチとしても示される)を有する。
【0010】
この種類の差動ねじの基本的な動作原理に従って、差動機構が既知のようにしたがって実装され、この差動機構では、結果として生じる調整スリーブの軸方向ストロークは、調整ねじが基体のねじ付き孔にねじ込まれるときに常に調整ねじの軸方向ストロークよりも小さい。結果として生じる調整スリーブの軸方向ストロークは、2つのねじ山領域のリードの間の差に関係し、非常に小さなリード差の極端な例では、調整ねじの回転中に引き起こされる調整スリーブのストロークを非常に小さく維持することができる。ねじ山のステップアップ(Gewindeubersetzung)のため、調整スリーブの軸方向位置の特に精密な微調整が、調整スリーブの外面の円錐形状とは無関係に可能になり、したがって、それ自体公知の方法で、調整スリーブの楔効果の結果として半径方向の工具ヘッドの所望の拡開又は拡張(Aufspreizung oder Dehnung)が行われる。言い換えれば、本発明では、公知の楔形機構に加えて、設定可能性を伸ばしかつ高める別の機構も、差動ねじによって実装される。
【0011】
第2の変形例では、調整ねじの2つのねじ付き部分は異なる進行方向を有する。すなわち、一方のねじ付き部分は左回りであり、他方は右回りである。工具の基体内及び調整スリーブ内の受口の関連の雌ねじは、当然、この構造に適応される。この変形例では、軸方向の調整スリーブの有効なストローク移動は、2つのねじ山領域のリードの和に関係するので、相応して高いステップアップを設けることができ、この結果、調整ねじにおける比較的小さな回転運動によって、拡開円錐として作用する調整スリーブを介して、比較的高い力成分を工具ヘッドの環状部分に導入することができる。
【0012】
両方の例では、差動ねじによっても、調整装置を容易に解放することが可能である。実際に、環状部分が広がる(Aufspreizen des Ringabschnitts)とき、作動スリーブは、通常、導入された高い力のため、受口で、すなわち環状部分で著しく緊締される。しかし、差動ねじが張力方向に対抗して回転されるとき、差動ねじはこの緊張状態から容易に解放されるが、この理由は、ステップアップ比の結果として、差動ねじにより、調整スリーブが受口から再び移動して外されるからである。
【0013】
差動ねじを囲む調整スリーブと環状部分との間の基体の緊締状態の解放後に、調整ねじが、さらに基体のねじ付き孔から回して外されるとき、調整スリーブも環状部分から簡単に移動して外されるが、この理由は、調整スリーブが第2のねじ付き部分を介して調整ねじに確実に接続されるからである。上述の従来技術に好ましくは提供されているような引出し補助部(Ausziehhilfe)は、不要である。
【0014】
従来技術から公知のように、調整ねじによって引き起こされる調整スリーブの軸方向の移動は、調整スリーブの円錐形の外側輪郭によって半径方向外側に作用する拡開力に変換され、これにより、ある限度内で弾性変形可能である環状部分の拡開又は拡張がもたらされる。この関連で、「円錐形」という用語は広い意味で理解されるべきであり、また断面で見て、調整スリーブの外面が、環状部分の内面と相互作用するように意図された相互作用領域内で、軸方向に見て工具ヘッドの端部に向かって連続的に拡大する半径を有する一般的な場合を網羅する。言い換えれば、調整スリーブによって形成された円錐はまた、ベルの形状で僅かに隆起させてもよいか又はトランペット(円環)の形状で凹設されてもよい。
【0015】
特に有利な形態では、調整ねじ及び調整スリーブは、基体の環状部分によって囲まれた空洞に配置され、完全に埋没され、すなわち、工具ヘッドの端面の領域の環状部分に対し突出しない。工作物内の盲孔及び段部は、したがって、難なく機械加工することができる。
【0016】
さらに有利な形態では、調整ねじは頭なしピン(Gewindestift)として設計され、すなわち、シャンクから半径方向に突出するヘッドを有しない。これによって、半径方向の著しくコンパクトな変形例が可能であるので、非常に小さな呼び径を有する工具を実装することができる。このことが可能であるのは、最初に言及した従来技術と対照的に、調整ねじから調整スリーブに軸方向の推力を伝達するために、ねじ頭の内側に軸受面の必要がないからである。本例では、このことは、その代わりに、調整ねじの調整スリーブと協働するねじ付き部分によって達成される。
【0017】
適切に、頭なしピンの端面に、例えば六角ソケットの形態のねじ形状が設けられる。当然、例えばスロット付き、多数歯付き等の他の通例の内部形状部も使用することができる。
【0018】
有利な形態では、調整スリーブは、特に盲孔を機械加工するために、調整スリーブを通して、したがって工具ヘッドを通して冷却液及び/又は潤滑油を導くことができるように、軸方向及び/又は半径方向の孔(流体管路)によって穿孔することが可能である。同じことが、中心及び/又は横方向の孔を有する調整ねじに当てはまる。
【0019】
有利な発展形態では、目盛、例えば線目盛が、取付状態で外側から見ることができる調整スリーブ及び/又は環状部分の環状端面に設けられる。この線目盛は、特定の数の線にわたるねじ留め移動が定義された直径の増大に対応するように、ねじ端面の基準点と協働することができる。
【0020】
環状部分は、基体の一体部分であることが好ましい。しかし、環状部分は、別個に製造し、例えば溶接によって、工具ヘッド又は工具の残部と接合してもよい。例えば、非負荷状態における基準直径の半分の割合の箇所に達し得る環状部分の直径の所望の拡張又は増大を達成するために、この領域の工具ヘッドは、相応して拡張可能な材料、例えば鉄鋼、粉末又は重金属から構成されなければならない。工具の真の動作精度は、例えば、調整装置の補助による設定の前後に共に3μmであるべきである。したがって、非常に高い精密さが必要である。
【0021】
適切に、リーマ、フライス工具等としての工具の設計に応じて、いくつかの切削エッジ又は切削要素が環状部分の外側に設けられ、これらの半径方向の位置は、調整装置によって上述の方法で調整可能である。この場合、切削要素は、所望に応じて取り付けてもよく、例えば接着、鑞付け、溶接又は締め付けてもよい。
【0022】
本発明によって達成される利点は、特に、円錐形の調整スリーブを有する調整装置の一部として差動ねじを使用することにより、拡張可能な工具ヘッドの半径方向の拡張の特に精密な微調整が可能になることである。調整スリーブを使用することによって、何の摩擦力も、緊締中に工具ヘッドの環状部分に伝達されない。正確には、囲む受口で、すなわち環状部分で、調整スリーブが面一に支承され、緊締されると、前記調整スリーブはそれ以上回転せず、その代わりに、調整ねじがさらに貫通するとき、軸方向にのみ変位され、同時に、その円錐形の外側輪郭の結果、工具ヘッドを拡張する。従来公知の解決方法と比較して、本発明による工具ヘッドは、より少ない部品で済み、より容易に取り付けることができる。
【0023】
本発明の例示的な実施形態について、図面によってより詳細に以下に説明するが、各々の場合に単純化しかつ概略的に示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】拡張可能な工具ヘッドを有する工具の縦断面図である。
【図2】図1による工具ヘッドの調整ねじの縦断面図である。
【図3】図1による工具ヘッドの調整スリーブの縦断面図(左側)及びこの端面の頂面図(右側)である。
【0025】
すべての図において、同一の部分には同一の参照符号が付与される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1の縦断面図に詳細が示されている工具2は、特に金属部品の孔を微細に機械加工するためのリーマである。しかし、工具2はまた、フライス工具又は他の種類の組み合わせ工具であることができるであろう。工具2は、中央軸線6に対し本質的に半径方向に対称的に設計された基体8を有する細長い工具シャンク4を備え、同様に、工具シャンク4の端面(ここでは右)に設けられた工具ヘッド10も備える。工具ヘッド10は、基体8に一体形成される環状部分12を有し、環状部分12の外側に、いくつかの切削要素14が取り付けられるか、又は公知の方法で一体形成される(ここでは概略的にのみ図示)。さらに、工作物の機械加工中に生じるチップを搬送して出すための空間として機能する凹部を基体8の外側に設けてもよい。左側端部において、ここでは図示していないが、工具シャンク4は、工具2、したがって、切削要素14を特に中央軸線6を中心に回転させる工作機械に結合してもよい。
【0027】
工作物の精密機械加工では、切削要素14の外側切削エッジ16が、μm範囲の精度で中央軸線6から所定の半径方向距離を維持することが重要である。初期の基本設定を実施するために、同時に、摩耗補償目的の再調整のために、工具ヘッド10は、調整装置18を有し、これによって、切削要素14の半径方向の位置を必要に応じてある限度内で調整することができる。
【0028】
調整装置18は、本質的に円錐形の外側輪郭を有する調整スリーブ20を備え、ここに示した取付状態では、環状部分12によって囲まれた本質的に円筒状の構造の空洞22に配置される。調整スリーブ20の外側輪郭に適切に適応して、空洞22が外側部分(ここでは右)で僅かに漏斗形状に拡がるようにしてもよい。図3に別個に示した調整スリーブ20の外径は、圧入方向24と反対側に連続的に増大し、この結果、圧入方向24の軸方向変位の間、調整スリーブ20は、接触領域26で環状部分12の内面28を支承する外面30によって、環状部分12をゆっくりと、連続的に内側から拡張する。調整スリーブ20が、空洞22に圧入方向24に押入されると、楔効果の結果、弾性変形可能な環状部分12の直径がそれだけ大きくなり、またそれだけ、切削要素14の切削エッジ16は半径方向に外側に移動する。調整スリーブ20が引き続き圧入方向24と反対側に空洞22から引き出されると共に、環状部分12の領域で以前に拡張された工具ヘッド10は、前記環状部分の材料の弾性回復力の結果、再び収縮する。
【0029】
特に簡単にかつ精密に作用する調整機構は、本例では、ここでは差動ねじとして作用する「頭なし」ピンの特別な形態の調整ねじ32を使用することによって設けられる。調整ねじ32は、図2に拡大して別個に示されている。調整ねじ32は、第1のシャンク部分36を有するシャンク34(ここでは左)と、第2のシャンク部分38(ここでは右)とを備える。第1のシャンク部分36には、第1の雄ねじ40が設けられ、この雄ねじは、ねじパラメータ(特に呼び径、進行方向及びリード)に関し、基体8に導入された第1のねじ付き孔44の関連の雌ねじ42と調和される。いわば、ねじ付き孔44は、より広い直径の空洞22を圧入方向24に延長させ、取付状態で、調整ねじ32の第1のシャンク部分36を受容する。これに対して、第2のシャンク部分38の第2の雄ねじ46は、ねじパラメータ(特に呼び径、進行方向及びリード)に関し、調整スリーブ20に導入された第2のねじ付き孔52の第2の雌ねじ50と適合する。調整スリーブ20は、取付状態で、第2のシャンク部分38の領域の調整ねじ32を囲み、さらに上に既述したように、調整ねじ32の外面30は、少なくとも環状接触領域26で、環状部分12の内面28を面一に支承する。
【0030】
調整ねじ32は、一方で、基体8に対し調整スリーブ20を固定するために使用される。他方で、調整ねじ32は、調整スリーブ20の軸方向位置、結果として、環状部分12に及ぼされる拡開力を調整するために使用される。第1の変形例では、第1の雄ねじ40及び第2の雄ねじ46(相応して、それぞれ付設されたねじ付き孔44と52の雌ねじ42及び雌ねじ50)は、同一の進行方向を有し、すなわち、例えば右回りのねじ山としてすべて設計される。この場合、第1の雄ねじ40の選択されたリードhは、第2の雄ねじ46のリードgよりも大きい。調整ねじ32は、関連の受口に、すなわち基体8のねじ付き孔44にねじ込まれるとき、調整スリーブ20がそれを囲む環状部分12で緊締され、もはや回転しないと、前記調整ねじは、1回転当たり圧入方向24の移動hの量だけ変位され、一方、調整スリーブ20は、圧入方向24の移動h−gの量のみだけ(理想的に)変位される。選択されたステップアップ、すなわちリードhとgの間の差に応じて、調整ねじ32の軸方向移動が早期に遮断されないことを確実にする程度に、基体8のねじ付き孔44の選択された深さが十分に大きい限り、結果として環状部分12を特に微細に広げることができる。
【0031】
第2の変形例では、2つの雄ねじ40、46(相応して、付設された雌ねじ42、50も)は、異なる進行方向を有する。したがって、雄ねじ40、46の一方は、右回りのねじ山として設計され、他方は、左回りのねじ山として設計される。調整ねじ32が、ねじ付き孔44にねじ留めされるときに圧入方向24の移動hの量だけ変位される場合、調整スリーブ20は、圧入方向24の移動h+gの量だけ(理想的に)変位される。したがって、調整ねじ32の比較的小さな回転によっても、環状部分12に対し比較的大きな拡開力を及ぼすことが可能である。しかし、両方の変形例では、当然、調整スリーブ20によって形成される円錐面のピッチも、調整装置18の実際の全体的なステップアップ比に、すなわち拡開の結果としての環状部分12の直径の増大に対する調整ねじ32の回転数の比率に役割を果たす。
【0032】
少なくとも調整ねじ32の端面54では、頭なしピンとして設計された調整ねじ32は、例えば六角ソケットの形態の内部形状部を有し、この内側形状は、スクリュ形状56として作用し、かつ調整装置18によって及ぼされる拡開力を調整するためにねじ回し、レンチ、ビット等と相互作用するために設けられる。目盛、特に線目盛を、調整スリーブ20の環状端面58に又は環状部分12の環状端面60に適用するか又は彫ってもよく、目盛は、例えば、ねじパラメータの所定の組み合わせのために、特定の数の線にわたる調整ねじ32の回転運動が環状部分12の定義された直径の増大に対応するように較正される。
【0033】
図1から明らかなように、調整ねじ32及び調整スリーブ20の両方は、取付状態で空洞22に配置され、完全に埋没され、すなわち、環状部分12の縁取り部に対し軸方向に突出しない。したがって、工具2は、盲孔又は段部を工作物に機械加工するためにも特に適している。
【符号の説明】
【0034】
2 工具
4 工具シャンク
6 中央軸線
8 基体
10 工具ヘッド
12 環状部分
14 切削要素
16 エッジ
18 調整装置
20 調整スリーブ
22 空洞
24 圧入方向
26 環状接触領域
28 内面
30 外面
32 調整ねじ
34 シャンク
36 第1のシャンク部分
38 第2のシャンク部分
40 第1の雄ねじ
42 雌ねじ
44 ねじ付き孔
46 第2の雄ねじ
50 第2の雌ねじ
52 第2のねじ付き孔
54 端面
56 スクリュ形状
58 環状端面
60 環状端面
h リード
g リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転工具(2)用の工具ヘッド(10)であって、
−中央軸線(6)と端面とを有する基体(8)と、
−前記基体(8)の端面に配置されかつ空洞(22)を囲む環状部分(12)と、
−内側から前記環状部分(12)に作用し、かつシャンク(34)と調整スリーブ(20)とを有する調整ねじ(32)を備える調整装置(18)とを有し、
−前記調整ねじ(32)の前記シャンク(34)が、前記基体(8)の付設されたねじ付き孔(44)内に係合する第1のシャンク部分(36)と、第1の雄ねじ(40)とを有し、
かつ、前記調整スリーブ(20)が、
−前記調整ねじ(32)の前記シャンク(34)を囲み、かつ少なくとも部分的に前記空洞(22)に配置され、
−前記調整ねじ(32)によって前記中央軸線(6)の方向に変位可能であり、
−前記調整ねじ(32)が前記ねじ付き孔(44)にねじ込まれるときに前記環状部分(12)が前記調整スリーブ(20)によって広がるように、前記環状部分(12)の付設された内面(28)と相互作用する円錐形の外面(30)を有し、
−前記調整スリーブ(20)に雌ねじ(50)が設けられ、
−前記調整ねじ(32)が、前記調整スリーブ(20)の前記雌ねじ(50)と係合している第2の雄ねじ(46)を有する第2のシャンク部分(38)を有し、
次のいずれか、すなわち、
−前記2つの雄ねじ(40、46)が同一の進行方向を有し、前記第1の雄ねじ(40)が前記第2の雄ねじ(46)よりも大きなリードを有するか(h>g)、
あるいは、
−前記2つの雄ねじ(40、46)が異なる進行方向を有する、
工具ヘッド(10)。
【請求項2】
前記調整ねじ(32)及び前記調整スリーブ(20)が、空洞(22)に配置され、完全に埋没される(versenkt angeordnet)、請求項1に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項3】
前記調整ねじ(32)が頭なしピンとして設計される、請求項1又は2に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項4】
前記頭なしピンの端面に、例えば六角ソケットの形態のねじ形状(56)が設けられる、請求項3に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項5】
前記調整スリーブ(20)が、1つ以上の軸方向の孔及び/又は半径方向の孔によって穿孔される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項6】
前記調整スリーブ(20)及び/又は前記環状部分(12)が、線目盛が設けられる端面(58、60)と、前記環状部分(12)の定義された直径の増大に対応する特定の数の線にわたる調整ねじ(32)の回転運動とを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項7】
前記環状部分(12)が前記基体(8)の一体部分である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項8】
いくつかの切削エッジ(14)が前記環状部分(12)の外側に設けられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項9】
前記工具(2)がリーマ又はフライス工具である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の工具ヘッド(10)。
【請求項10】
前記調整ねじ(32)が中央及び/又は横方向の孔で設計される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の工具ヘッド(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−218553(P2011−218553A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86950(P2011−86950)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】