説明

回転式コンプレッサー油組成物

【課題】 永久せん断安定性を向上させ、省電力効果を向上させる回転式コンプレッサー油組成物を提供する。
【解決手段】 (A)40℃動粘度が4〜30mm/sである炭化水素系潤滑油基油、及び(B)重量平均分子量が20,000〜60,000であるエチレン/プロピレン共重合体を含有する組成物であって、該組成物の40℃における動粘度が13〜30mm/sであることを特徴とする回転式コンプレッサー油組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式コンプレッサー油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球規模での温暖化が進行し、温室効果ガスの一つである二酸化炭素排出量削減が急務となっている。わが国でも、2006年にエネルギーの使用の合理化に関する法律、地球温暖化対策の推進に関する法律がそれぞれ改正施行され、工場、輸送事業者等はこれまで以上に電力消費量の削減が求められるようになってきた。電力消費量削減の一つの方法として、産業機械や輸送機械で使用される潤滑油側からの省電力化が図られている。
【0003】
各種産業分野で用いられるコンプレッサーについても同様に省電力化が求められており、機械自体やそこで用いられる潤滑油について、種々の検討がなされている。例えば、機械面からは圧力損失を低減するよう適切な配管や空気槽を設置することや、エア漏れ無くすこと、圧縮機の容量性制御方式を負荷の少ないものにすることなどによる省電力化が図られている(例えば、非特許文献1、2参照)。また、潤滑油面からは、回転式コンプレッサーに用いられる潤滑油についての検討がなされており、特定の基油や摩擦調整剤等の添加剤を配合する検討がなされている(特許文献1、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−179679号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】油空圧技術、45巻、2号、32−37頁(2006年)
【非特許文献2】潤滑経済、7月号、34−37頁(2008年)
【非特許文献3】潤滑経済、7月号、38−42頁(2008年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、コンプレッサーの中でも特に回転式コンプレッサーに用いられる潤滑油について、永久せん断安定性を向上させ、省電力効果を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定範囲の40℃動粘度を有する炭化水素系潤滑油基油、特定の重量平均分子量を有するエチレン/プロピレン共重合体を配合し、得られる組成物の40℃における動粘度を特定の範囲にすることで、永久せん断安定性に優れた回転式コンプレッサー油組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)40℃動粘度が4〜30mm/sである炭化水素系潤滑油基油、及び(B)重量平均分子量が20,000〜60,000であるエチレン/プロピレン共重合体を含有する組成物であって、該組成物の40℃における動粘度が13〜30mm/sであることを特徴とする回転式コンプレッサー油組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物は、永久せん断安定性に優れている。また、本発明の回転式コンプレッサー油組成物を用いた回転式コンプレッサーの省電力化を図ることができる。なお、回転式コンプレッサー油は、せん断力がかかることで化学構造の不可逆的な変化が生じ、せん断力を解除した条件に戻しても粘度が元に戻らない、すなわち永久的な粘度低下を起こすことがある。このせん断力による永久的な粘度低下に対する耐性を「永久せん断安定性」という。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)基油
本発明の回転式コンプレッサー油組成物に用いられる基油としては、特に制限はなく、鉱油系潤滑油基油や合成系潤滑油基油やその混合物を使用することができる。鉱油系潤滑油基油としては、例えば、原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製、水素化分解精製、水素化脱蝋などの精製法を適宜組合せて精製したものが挙げられる。合成系潤滑油基油としては、例えば、α−オレフィンオリゴマーや、メタン等の天然ガス等を原料としてフィッシャー−トロプシュ合成によって得られたワックスを原料として製造される基油等が挙げられる。
【0011】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物に用いる炭化水素系潤滑油基油の40℃動粘度は、JIS K2283動粘度試験方法において、4〜30mm/sである。40℃動粘度が4mm/s未満であると、適当な油膜厚さが保たれなくなり、十分な摩耗防止性を得づらくなる。40℃動粘度が30mm/sを超えると、省電力効果が得づらくなる。炭化水素系潤滑油基油の40℃動粘度は、好ましくは4〜25mm/sであり、より好ましくは8〜20mm/sである。なお、複数の基油成分を混合した基油を用いる場合には、混合後の基油の40℃動粘度が上記の範囲内であればよく、各基油成分の40℃動粘度が上記範囲内であることがより好ましい。
【0012】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油は、40℃動粘度が上記範囲を満たすものであれば、どのような性状のものでもよく、特に制限はないが、より良好な性能を確保するという観点からは以下の性状を有することが好ましい。
本発明の回転式コンプレッサー油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油の粘度指数は、JIS K2283動粘度試験方法において、80以上であることがより好ましい。粘度指数を80以上とすることで、低温粘度を低く抑えやすく、低温始動時の電力消費量を抑制し、より高い省電力効果を得やすい傾向にあるため好ましい。炭化水素系潤滑油基油の粘度指数は、好ましくは85〜140であり、より好ましくは90〜130である。
【0013】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油の密度は、JIS K2249密度試験方法(15℃)において、0.80〜0.85g/cmであることがより好ましい。15℃密度を0.80g/cm以上とすることで、添加剤の適度な溶解性を確保しやすい傾向にあるため好ましい。15℃密度を0.85g/cm以下とすることで、配管等の圧力損失を抑制しやすく、より高い省電力効果を得やすい傾向にあるため好ましい。炭化水素系潤滑油基油の15℃密度は、好ましくは0.81〜0.84g/cmであり、より好ましくは0.82〜0.84g/cmである。
【0014】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油の芳香族分は、ASTM D3238環分析方法による%CAで1.5以下であることがより好ましい。%CAを1.5%以下とすることでより熱酸化安定性の高い組成物を得ることができる。
本発明の回転式コンプレッサー油組成物には、本発明の目的を害さない範囲内で、前記基油以外の他の基油を含んでもよいが、前記基油の含有割合は、基油全量に対して70%質量以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
【0015】
(2)エチレン/プロピレン共重合体(粘度指数向上剤)
本発明に用いる(B)成分は粘度指数向上剤として用いられるエチレン/プロピレン共重合体であり、その重量平均分子量は20,000〜60,000であり、好ましくは25,000〜55,000であり、より好ましくは28,000〜50,000であり、特に好ましくは30,000〜45,000である。重量平均分子量を20,000以上とすることで、高せん断条件下での一時せん断粘度の低下が大きくなり、省電力効果をより得やすくできる傾向にある。重量平均分子量を60,000以下とすることで、より良好な永久せん断安定性を得やすい傾向にある。
【0016】
また、本発明で用いるエチレン/プロピレン共重合体の数平均分子量は特に制限はないが、好ましくは10,000〜35,000であり、より好ましくは14,000〜31,000であり、さらに好ましくは16,000〜28,000であり、特に好ましくは17,000〜26,000である。数平均分子量を10,000以上とすることで、高せん断条件下での一時せん断粘度の低下が大きくなり、省電力効果をより得やすくできる傾向にある。数平均分子量を35,000以下とすることで、より良好な永久せん断安定性を得やすい傾向にある。
【0017】
なお、重量平均分子量及び数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーで測定され、ポリスチレン換算による値である。
なお、複数のエチレン/プロピレン共重合体を用いる場合には、混合後のエチレン/プロピレン共重合体の重量平均分子量が上記の範囲であればよいが、ただし永久せん断安定性をより良好なものとするためには、各エチレン/プロピレン共重合体の重量平均分子量が上記範囲内であることがより好ましい。
【0018】
また、複数のエチレン/プロピレン共重合体を用いる場合、混合後のエチレン/プロピレン共重合体の数平均分子量は特に制限はないが、好ましくは上記の範囲内であり、永久せん断安定性をより良好なものとするためには、各エチレン/プロピレン共重合体の数平均分子量が上記範囲内であることがより好ましい。
【0019】
エチレン/プロピレン共重合体のエチレンとエチレン以外のモノマーのモル比は特に制限されないが、好ましくは80:20〜20:80であり、より好ましくは70:30〜30:70であり、さらに好ましくは65:35〜35:65である。エチレンの割合が80を超えると、基油へ溶解しにくくなる傾向にある。
【0020】
エチレン/プロピレン共重合体は、規則的交互重合体、ランダム重合体、ブロック重合体またはグラフト重合体のいずれであっても良い。
エチレン/プロピレン共重合体は、分散型、非分散型のいずれであってもよいが、熱酸化安定性の観点から、非分散型エチレン/プロピレン共重合体であることが好ましい。
エチレン/プロピレン共重合体の回転式コンプレッサー油組成物全量に対する配合量は、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜8質量%であり、特に好ましくは1.5〜6質量%である。配合量を0.5質量%以上とすることで、高せん断条件下での一時せん断粘度の低下が大きくなり、省電力効果をより得やすくできる傾向にある。配合量を10質量%以下とすることで、より良好な永久せん断安定性を得やすい傾向にある。
【0021】
上記のエチレン/プロピレン共重合体は、1種を単独使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。ただし2種以上を併用する場合は、合計量が上記配合量である必要がある。
また、本発明の回転式コンプレッサー油組成物には、本発明の効果を損ねない範囲内であれば、前記エチレン/プロピレン共重合体以外の他の粘度指数向上剤を含んでもよい。前記エチレン/プロピレン共重合体以外の他の粘度指数向上剤としては、たとえば、スチレン系粘度指数向上剤、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、などが挙げられる。
【0022】
(3)その他の添加剤
本発明の回転式コンプレッサー油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の公知の添加剤を配合することができる。例えば、酸化防止剤、極圧剤、油性剤、清浄分散剤、さび止め剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、泡消剤、抗乳化剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤、アルキル化ジフェニルアミン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、ホスホン酸エステル等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0023】
極圧剤としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル等のリン系極圧剤、硫化オレフィン、ポリサルファイド、硫化油脂等の硫黄系極圧剤、ジチオリン酸誘導体や前記硫黄系極圧剤とリン系極圧剤の混合物等のリン−硫黄系極圧剤、ZnDTP、ZnDTC等の有機金属系極圧剤が挙げられる。
油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイルアルコール等の高級アルコール、オレイルアミン等のアミン、ブチルステアレート等のエステルが挙げられる。
清浄分散剤としては、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル等の無灰系清浄分散剤、アルカリ土類金属系清浄分散剤が挙げられる。
【0024】
さび止め剤としては、カルボン酸、金属セッケン、カルボン酸アミン塩、スルホン酸の金属塩、多価アルコールの部分エステル等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾ−ルおよびその誘導体、アルキルコハク酸誘導体が挙げられる。
流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリブテン、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート、ポリアルキルアクリレート等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン油やエステル系消泡剤等が挙げられる。
抗乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の抗乳化剤が挙げられる。
【0025】
(4)組成物の性状
本発明の回転式コンプレッサー油組成物の40℃動粘度は、JIS K2283動粘度試験方法において、18〜30mm/sである。40℃動粘度が18mm/s未満であると、適当な油膜厚さが保たれなくなり、十分な摩耗防止性が得にくくなる傾向にある。40℃動粘度が30mm/sを超えると、省電力効果を十分に得づらくなる。本発明の回転式コンプレッサー油組成物の40℃動粘度は、好ましくは19〜28mm/sであり、より好ましくは20〜26mm/sである。
【0026】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物の粘度指数は、特に制限はないが、JIS K2283動粘度試験方法において、好ましくは150以上である。粘度指数が150以上とすることで、低温粘度を抑制しやすいため、低温始動時の電力消費量を抑制しやすく、より高い省電力効果を得やすい傾向にある。本発明の回転式コンプレッサー油組成物の粘度指数は、好ましくは155〜200であり、より好ましくは160〜180である。
【0027】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物の密度は、特に制限はないが、JIS K2249密度試験方法(15℃)において、0.80〜0.85g/cmである。15℃密度を0.80以上とすることで、添加剤の適度な溶解性を確保しやすい傾向にあり、15℃密度を0.85以下とすることで、配管等の圧力損失を抑制しやすく、より高い省電力効果を得やすい傾向にあるため好ましい。本発明の回転式コンプレッサー油組成物の15℃密度は、好ましくは0.81〜0.85g/cmであり、より好ましくは0.82〜0.85g/cmである。
【実施例】
【0028】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。各実施例、比較例においてスクリューコンプレッサー油の調製に用いた基油、添加剤成分は次のとおりである。
【0029】
(A)基油
(A−1)水素化精製鉱油
40℃動粘度:12.2mm/s、100℃動粘度:2.9mm/s、粘度指数:94、15℃における密度:0.834g/cm、%CA:0.3
(A−2)水素化分解鉱油
40℃動粘度:31.6mm/s、100℃動粘度:5.52mm/s、粘度指数:112、15℃における密度:0.860g/cm、%CA:0.0
【0030】
40℃動粘度、100℃動粘度、粘度指数はJIS K2283動粘度試験方法、密度はJIS K2249密度試験方法により測定した。%CAはASTM
D3238環分析により測定した。分子量は、ASTM D2502分子量試験方法にて測定した。
【0031】
(B)粘度指数向上剤
(B−1)エチレン/プロピレン共重合体
重量平均分子量が33,000、Mw/Mnが1.9である、非分散型エチレン/プロピレン共重合体 (希釈油含有量 40質量%)
(B−2)エチレン/プロピレン共重合体
重量平均分子量が16,000、Mw/Mnが2.2である、非分散型エチレン/プロピレン共重合体 (希釈油なし)
【0032】
(B−3)エチレン/プロピレン共重合体
重量平均分子量が125,000、Mw/Mnが2.0である、非分散型エチレン/プロピレン共重合体 (希釈油含有量 80質量%)
(B−4)エチレン/プロピレン共重合体
重量平均分子量が180,000、Mw/Mnが2.3である、非分散型エチレン/プロピレン共重合体 (希釈油含有量 86質量%)
(B−5)ポリメタクリレート
重量平均分子量が26,000、Mw/Mnが1.8である、ポリメタクリレート系粘度指数向上剤 (希釈油含有量 30質量%)
【0033】
※(B−1)〜(B−5)の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーにて測定し、ポリスチレン換算にて算出した。ゲル浸透クロマトグラフィーはカラムにShodex
GPC LF−804を3本、移動層にTHF、検出器に示差屈折検出器を用いた。
(C)摩擦調整剤
オレイン酸
(D)その他添加剤
酸化防止剤、腐食防止剤、消泡剤等
【0034】
(評価方法)
スクリューコンプレッサー油の永久せん断安定性、および省電力効果について、下記の評価方法により評価した。
<永久せん断安定性試験>
超音波法(JPI−5S−29準拠、高出力法)にて行い、60分超音波照射後の40℃動粘度を測定した。超音波照射前の40℃動粘度を基準として、40℃動粘度低下率(%)を評価した。
【0035】
<省電力効果>
スクリューコンプレッサー運転時の消費電力を測定、省電力効果を評価した。
北越工業株式会社製スクリューコンプレッサーSASG4P−50/60を用い、24時間、吐出圧力0.5MPaでの消費電力を測定した。なお、電力計は日置電機株式会社製 3168クランプオンパワーハイテスタを用いた。
比較例5の消費電力を基準とした場合の、各実施例と比較例の消費電力の変化率を省電力効果(%)として評価した。
【0036】
(実施例1、比較例1〜7)
表1に記載されている成分を、表1に記載されている配合量で、混合して、回転式コンプレッサー油組成物を製造した。
【0037】
【表1】

【0038】
表中、エチレン/プロピレン共重合体の配合量を示す数値の下段に記載されている( )内の数値は、希釈油を除いた有効成分量である。
【0039】
以上の結果から、本発明のスクリューコンプレッサー油である実施例1は高い省電力効果を有しており、永久せん断安定性も良好であることがわかる。
一方、本発明で規定する分子量よりも低い分子量を有するエチレン/プロピレン共重合体を配合した比較例1では、せん断安定性は良好であっても、十分な省電力効果が得られない。また、本発明で規定する分子量よりも高い分子量を有するエチレン/プロピレン共重合体を配合した比較例2、3では、せん断安定性が極めて悪く実用的ではない。また、粘度指数向上剤の分子量が本発明と同程度であってもポリメタクリレート系粘度指数向上剤を配合した比較例4では、ある程度の省電力効果が得られるものの、本発明よりは効果が劣り、永久せん断安定性も劣る。さらに、粘度指数向上剤に変えて摩擦調整剤を配合した比較例5でも省電力効果は得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の回転式コンプレッサー油組成物は、スクリュー式コンプレッサー、スクロール式コンプレッサー、ベーン式コンプレッサー、ターボ式コンプレッサーなどの回転式コンプレッサーに用いることができるが、その中でも特にスクリュー式コンプレッサーに最適に用いることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)40℃動粘度が4〜30mm/sである炭化水素系潤滑油基油、及び(B)重量平均分子量が20,000〜60,000であるエチレン/プロピレン共重合体を含有する組成物であって、該組成物の40℃における動粘度が13〜30mm/sであることを特徴とする回転式コンプレッサー油組成物。





【公開番号】特開2011−46901(P2011−46901A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199075(P2009−199075)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(398053147)コスモ石油ルブリカンツ株式会社 (123)
【Fターム(参考)】