説明

回転機器及びその製造方法

【課題】回転機器のベースに取り付けられた軸受ユニットの傾きを抑え、薄型化しても軸受ユニットの取付精度の低下を抑えた回転機器を提供する。
【解決手段】記録ディスク8が載置されるべきロータ6と、ロータ6の回転軸を中心とする軸受孔と軸受孔を中心とする環状壁部4eとを有するベース4と、ロータ6をベース4に対して回転自在に支持し、軸受孔4hに接着固定される軸受ユニット12と、環状壁部4eに固着される円環部40aと突極40bとを有するコア40と、突極40bに巻回されたコイル42と、を備えた回転機器1の製造方法であって、軸受ユニット12とベース4の軸受孔4hとを嵌め合わせると共に軸受ユニット12と軸受孔4hの縁とに亘って硬化性樹脂54を介在させるステップと、硬化性樹脂54が介在する介在領域の周方向に別々に位置する複数の照射領域に複数の紫外線ビームを照射するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスク駆動装置等の回転機器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク駆動装置等の回転機器には薄型化の要請がある。例えば特許文献1にはベースの軸受孔に軸受ユニットが嵌め合わされて接着固定される回転機器が記載されている。このような回転機器を薄くするために、ベースに対する軸受ユニットの嵌合距離を短くする方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−8851号公報
【0004】
しかしながら、ベースに対する軸受ユニットの嵌合距離を短くすると、ベースに取り付けた軸受ユニットがベースに対して傾きを生じ易くなる。軸受ユニットが傾いて取り付けられると軸受ユニットに支持されるロータに載置される記録ディスクの傾きが大きくなる。記録ディスクの傾きが大きいとデータのリードライトエラーが増大する。
【0005】
特許文献1に記載の回転機器の製造方法では、軸受孔と軸受ユニットの端面とにはみ出した硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化させる。しかし、この方法ははみ出した硬化性樹脂に広範囲に紫外線を照射するため、当該樹脂の硬化が十分でない場合が生じる。硬化が十分でないままだと、回転機器の製造の作業中にロータに偏荷重が加わった際にロータを支持する軸受ユニットが傾く可能性が高くなる。硬化を促進するために紫外線を照射する時間を長くすると作業時間が長くなり作業効率が低下する。
【発明の概要】
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ベースに取り付けられた軸受ユニットの傾きを小さくて軸受ユニットの取付精度を向上した回転機器を提供することにある。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景から、回転機器のベースに取り付けられた軸受ユニットの傾きを抑え、薄型化しても軸受ユニットの取付精度の低下を軽減する回転機器を提供することが課題であると認識した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の回転機器の製造方法は、記録ディスクが載置されるべきロータと、前記ロータの回転軸を中心とする軸受孔と前記軸受孔を中心とする環状壁部とを有するベースと、前記ロータを前記ベースに対して回転自在に支持し、前記軸受孔に接着固定される軸受ユニットと、前記環状壁部に固着される円環部と前記円環部から半径方向に突出する突極とを有するコアと、前記突極にワイヤが巻回されて形成されたコイルと、を備えた回転機器の製造方法である。そして、前記軸受ユニットと前記ベースの前記軸受孔とを嵌め合わせると共に前記軸受ユニットの下端面と前記ベースの前記軸受孔の縁とに亘って硬化性樹脂を介在させるステップと、前記硬化性樹脂が介在する介在領域の周方向に別々に位置する複数の照射領域に複数の紫外線ビームを照射するステップと、を含むことを主要な特徴としている。
【0009】
この態様によると、周方向に離間して位置する複数の照射領域に紫外線を絞って照射して紫外線硬化部が形成されるから、紫外線硬化部は短時間で硬化して結合強度を増大しうる。
【0010】
また本発明の別の態様の回転機器は、記録ディスクが載置されるべきロータと、前記ロータの回転軸を中心とする軸受孔と前記軸受孔を中心とする環状壁部とを有するベースと、前記ロータを前記ベースに対して回転自在に支持し、前記軸受孔に接着固定される軸受ユニットと、前記環状壁部に固着される円環部と前記円環部から半径方向に突出する突極とを有するコアと、前記突極にワイヤが巻回されて形成されたコイルと、を備えている。また前記軸受ユニットは前記ベースの前記軸受孔に嵌め合わされて、前記軸受ユニットの下端面と前記ベースの前記軸受孔の縁とに亘って硬化性樹脂が介在し、前記硬化性樹脂には、前記軸受ユニットの前記端面の縁に沿って紫外線ビームが照射されて硬化した領域である紫外線硬化部が周方向に離間して少なくとも3カ所に形成されていることを主要な特徴としている。
【0011】
この態様によると、周方向に離間して位置する3カ所の照射領域に紫外線を絞って照射して紫外線硬化部が形成されているから、紫外線硬化部は結合強度を増大してベースに取り付けられた軸受ユニットの傾きを抑えうる。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、物、製造方法などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、回転機器のベースに取り付けられた軸受ユニットの傾きを抑えられるから、薄型化しても軸受ユニットの取付精度の低下を軽減する回転機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る回転機器を示す斜視図である。
【図2】図1の回転機器のA−A線断面図である。
【図3】図2の軸受ユニットとベースとに紫外線ビームを照射する工程を示す要部拡大斜視図である。
【図4】(A)は、図2の軸受ユニットとベースとに紫外線ビームを照射する工程を示す要部拡大平面図である。(B)は、図4(A)のB−R−B線断面図である。
【図5】図2の軸受ユニットとベースとに紫外線ビームを照射する比較例の工程を示す要部拡大斜視図である。
【図6】(A)は、図2の軸受ユニットとベースとに紫外線ビームを照射する比較例の工程を示す要部拡大平面図である。(B)は、図6(A)のC−C線断面図である。
【図7】図2のコイルを備えたコアをベースに固定する工程を示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る製造方法で製造された回転機器のロータの傾斜を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0016】
実施の形態に係る回転機器は、ディスク駆動装置、特に磁気的にデータを記録する記録ディスクを搭載するハードディスクドライブとして好適に用いられる。
【0017】
図1は、回転機器100を示す斜視図である。図1では、回転機器100の内側の構成を示すため、トップカバー(不図示)を外した状態が示される。回転機器100は、ベース4と、ロータ6と、記録ディスク8と、データリード/ライト部10と、を備える。
以降ベース4に対してロータ6が搭載される側を上側として説明する。
【0018】
記録ディスク8は、直径が65mmのガラス製の2.5インチ型記録ディスクであり、その中央の孔の直径は20mm、厚みは0.65mmである。
記録ディスク8は、ロータ6に載置され、ロータ6の回転に伴って回転する。ロータ6は、図1では図示しない軸受ユニット12を介してベース4に対して回転可能に取り付けられる。
【0019】
ベース4は、回転機器100の底部を形成する底板部と底板部の外周に沿って形成された外周壁部とを有する。外周壁部は記録ディスク8の載置領域を囲むように設けられる。外周壁部の上面には、ねじ穴が設けられる。ベース4は以下のようにして形成される。まず、アルミニウムの合金をダイカストにより所望の形状に成型する。次に、成型物の表面をエポキシ樹脂などによりコーティングする。その後、コーティングの一部を切削加工により除去される。
【0020】
データリード/ライト部10は、記録再生ヘッド(不図示)と、スイングアーム14と、ボイスコイルモータ16と、ピボットアセンブリ18と、を含む。記録再生ヘッドは、スイングアーム14の先端部に取り付けられ、記録ディスク8にデータを記録し、記録ディスク8からデータを読み取る。ピボットアセンブリ18は、スイングアーム14をベース4に対してヘッド回転軸Sの周りに揺動自在に支持する。ボイスコイルモータ16は、スイングアーム14をヘッド回転軸Sの周りに揺動させ、記録再生ヘッドを記録ディスク8の上面上の所望の位置に移動させる。ボイスコイルモータ16およびピボットアセンブリ18は、ヘッドの位置を制御する公知の技術を用いて構成される。
【0021】
図2は、図1のA−A線断面図である。回転機器100は、コア40と、コイル42と、をさらに備える。コア40は円環部40aとそこから半径方向(すなわち回転軸Rに直交する方向)外側に伸びる12本の突極40bとを有し、ベース4の上面側に固定される。コア40は、4枚の薄型電磁鋼板を積層しカシメにより一体化して形成される。コア40の表面には電着塗装や粉体塗装などによる絶縁塗装が施される。それぞれの突極40bにはコイル42が備えられる。コイル42は例えば銅線の表面にウレタン樹脂などの絶縁層を有するワイヤを巻回されて形成される。このコイル42に3相の略正弦波状の駆動電流が流れることにより突極40bに沿って駆動磁束が発生する。ベース4の上面には、ロータ6の回転軸Rを中心とする円環状の環状壁部4eが設けられる。コア40は、円環部40aが環状壁部4eの外周面に圧入されることによってベース4に固定される。円環部40aと環状壁部4eとに接着剤が介在してもよい。
【0022】
ベース4には、ロータ6の回転軸Rを中心とする軸受孔4hが設けられる。軸受ユニット12は、ハウジング44と、スリーブ46と、を含み、ロータ6をベース4に対して回転自在に支持する。ハウジング44はベース4の軸受孔4hに接着により固定される。ハウジング44は、円筒部と底部とが一体に形成された有底カップ形状を有し、その底部を下にしてベース4に対して接着固定される。
【0023】
ハウジング44の外周面は銅合金にニッケルメッキを施して形成される。スリーブ46は、ハウジング44の内側の側面に接着固定される円筒状の部材である。スリーブ46の上端には径方向外側に向けて張り出した張出部が形成されている。この張出部は、フランジ30と協働してロータ6の軸方向すなわち回転軸R方向の移動を制限する。
【0024】
スリーブ46にはシャフト26が収まる。シャフト26およびハブ28およびフランジ30と軸受ユニット12との間の空間には潤滑剤48が注入される。
スリーブ46の内周面には、上下に離間した1組のヘリングボーン形状のラジアル動圧溝(不図示)が形成される。ハウジング44の上面に対向するフランジ30の下面には、ヘリングボーン形状の第1スラスト動圧溝(不図示)が形成される。スリーブ46の張出部の下面に対向するフランジ30の上面には、ヘリングボーン形状の第2スラスト動圧溝(不図示)が形成される。ロータ6の回転時には、これらの動圧溝が潤滑剤48に生成する動圧によって、ロータ6は半径方向および回転軸R方向に支持される。
【0025】
なお、1組のヘリングボーン形状のラジアル動圧溝をシャフト26に形成してもよい。また、第1スラスト動圧溝をハウジング44の上面に形成してもよく、第2スラスト動圧溝をスリーブ46の張出部の下面に形成してもよい。
【0026】
ロータ6は、シャフト26と、ハブ28と、フランジ30と、円筒状マグネット32と、を含む。ハブ28のディスク載置面28a上に記録ディスク8が載置される。シャフト26の上面には回転軸Rと同軸にネジ孔26aが設けられている。クランパ36は、ネジ孔26aに螺合されるディスク固定用ねじ38によってハブ28の上面28bに圧着されると共に記録ディスク8をハブ28のディスク載置面28aに圧着させる。
【0027】
ハブ28は、軟磁性を有する例えばSUS430F等の鉄鋼材料から形成される。ハブ28は、鉄鋼板を例えばプレス加工や切削加工することにより形成され、略カップ状の所定の形状に形成される。
【0028】
シャフト26は、ハブ28の中心に設けられた孔であってロータ6の回転軸Rと同軸に設けられたハブ孔に圧入と接着とを併用した状態で固着される。フランジ30は円環形状を有し、フランジ30の断面は、逆L字形状を有する。フランジ30は、ハブ28の下垂部の内周面に接着により固定される。
【0029】
円筒状マグネット32は、略カップ形状のハブ28の内側の円筒面に相当する円筒状の内周面に接着固定される。円筒状マグネット32は、ネオジウム、鉄、ホウ素などの材料によって形成される希土類磁石である。コア40の12本の突極40bと径方向に対向する。円筒状マグネット32にはその周方向に16極の駆動用着磁が施される。円筒状マグネット32の表面には電着塗装やスプレー塗装などによる防錆処理が施される。
【0030】
(製造方法)
このような実施の形態の回転機器100の製造方法の概要を説明する。
まず、スリーブ46とシャフト26とに潤滑剤48が介在された軸受ユニット12と、コイル42を備えたコア40と、所定の磁極を有するマグネット32を備えるハブ28と、が準備される。次に、後に詳述する方法によってベース4にコア40が結合される。次に、後に詳述する方法によってベース4に軸受ユニット12が結合される。次に、ハブ28と軸受ユニット12は、ハブの孔にシャフト26が嵌め合わされて結合される。例えば、締り嵌め、接着又はこれらの組合せによって結合できる。次に、ベース4に設けた小孔(不図示)から細いニードルを挿入して潤滑剤48を補充し、当該小孔を塞ぐ。次に、ベース4と軸受ユニット12の導通を確保するために、軸受孔4hの下側の縁と軸受ユニット12の下端にかけて熱硬化型の導電性樹脂52が塗布される。次に、硬化性樹脂54や導電性樹脂52の硬化を促進する高温処理及び所定の性能検査が実行される。次に、ハブ28に記録ディスク8が結合され、ベース4にデータリード/ライト部10その他の部材が結合され、その後に別の性能検査を経て回転機器100が完成する。これらの工程はクリーンルーム内で実行される。
【0031】
次に、ベース4にコイル42を備えたコア40が結合される工程を説明する。コア40の突極40bにワイヤが巻かれてコイル42が形成される際に、コイル42は突極40bの周囲に膨らんだ膨張部を形成する。膨張部があると、コイル42の上面とハブ28の下面との隙間であるコイル隙間が小さくなる。コイル隙間が小さくなると、コイル42がハブ28の下面に接触する可能性がある。これらが接触するとハブ28が回転する際に擦り音を発する。最悪の場合は、コイル42が断線して正常な回転を阻害することがある。また、コイル隙間が少ないと製造した直後は接触していなくても、経時変化や輸送で振動・衝撃を受けることによってこれらが接触することがある。このため、コイル隙間を広くする方法が考えられるが、回転機器全体が厚くなり薄型化の要請に反する。
【0032】
また、コア40にコイル42が形成された後に、コイル42を上下方向に予備加圧力を加えて膨張部を軸方向に潰す方法が考えられる。しかしコア40は製造上のコア取付誤差によってベース4に上側に寄った位置に固定されることがある。したがって、所定のコイル隙間を維持するためには、全てのコイル42をコア取付誤差に対応する薄さに潰すことになる。より薄く潰すためには、より大きな予備加圧力が加えられることになる。コア取付誤差を最大限考慮した場合に、コイル42に加える予備加圧力は2000Nと大きくなるとの検討結果を得ている。予備加圧力が大きくなると、コイル42中の上下に隣接するワイヤ同士が強く接触して絶縁層が破れ、その部分でワイヤ同士が導通してしまういわゆるレアショート不良を生じる可能性が高くなる。また最悪断線を生じることもある。実験によると、コイル42に2000Nの予備加圧力を加えた場合、試料数10000台でレアショート不良が6台と断線不良が1台観察された。
【0033】
この課題に対応して、実施の形態ではコア40をベース4に結合する際にコイル42に加圧力Fを加えるようにしている。この方法では、コイル42の膨張部がベース4上の基準点から所定の高さ以下であればコイル隙間を確保しうる。このため、現実にコア取付誤差が大きく、且つ、コイル42の膨張部の高さが製造誤差の上限にある場合を除いて、小さな加圧力Fでコイル42のハブ28への接触を抑えるコイル隙間を確保できる。この結果、コイル42のレアショート不良や断線不良を生じる可能性を低減できる。
【0034】
図7はコイル42を備えたコア40をベース4に固定する工程700を示す要部拡大断面図である。コア40の円環部40aを加圧するコア押し部702aと、コイル42の上面を加圧するコイル押し部702bと、コイル押し部702bがコイル42に加える加圧力Fを制限する制限機構702cと、を備える装着治具702を用いる。コア押し部702aとコイル押し部702bはそれぞれ高さ方向に段差を有する同心の円環形状に形成されている。当該段差は、コイル42のコア40の上面から許容される最大高さとされる。コイル押し部702bがコア押し部702aに対して制限機構702cを介して結合されている。制限機構702cは、コイル42に加わる加圧力Fを所定の上限値以下に制限する。制限機構702cの構成に特別な制限はないが、例えばコイルスプリングなどの弾性体を備えることができる。
【0035】
コイル42を備えたコア40は、コア保持部702dに保持される。この状態で、コイル押し部702bはコイル42に接し、コア押し部702aは円環部40aに殆ど接していない(図7(A)参照)。コア40が下方に移動すると、まずコア40の円環部40aの下面の内周の縁が環状壁部4eの外周の上端に触れる。さらに装着治具702を押し下げるとコア押し部702aは円環部40aに接触する(図7(B)参照)。さらに装着治具702を押し下げるとコア押し部702aが円環部40aを押して、円環部40aが環状壁部4eの外周に圧入される。円環部40aは、下端がベース4に接する位置まで圧入される(図7(C)参照)。
【0036】
この間コイル42は、コイル押し部702bによって加圧力Fが加えられて、加圧部42aが形成される。制限機構702cによって加圧力Fは低く保たれるから、レアショート不良を生じる可能性が低減される。実験によると、加圧力Fの上限値を20Nに制限したケースでは、試料数10000台でレアショート不良は1台が観察され、大幅に改善された。さらに、加圧力Fの上限値を10Nに制限したケースでは、試料数10000台でレアショート不良は観察されなかった。また、加圧力Fが低すぎるとコイル42が十分に整形されず、高さ不良が発生する可能性が高くなる。加圧力Fの上限値を3Nに制限したケースでは、試料数10000台当たりでコイル42の高さ不良は観察されなかった。したがって、加圧力Fが3〜10Nの範囲で制限されることによって、コイル42の高さ不良を実用上問題のないレベルに押えながらレアショート不良を低減できる。
【0037】
ベース4とコア40とは、上記の圧入に加えて環状壁部4eの外周と円環部40aの内周とに接着剤を介在させて結合するようにしてもよい。ヒートショック試験後の結合力の低下を抑えうる点で有利である。
【0038】
次に、比較例1に係る軸受ユニット12をベース4に固定する工程500について説明する。図5は軸受ユニット12とベースと4に紫外線ビーム502を照射する工程500を示す要部拡大斜視図である。図5は、理解を容易にするため紫外線ヘッド510は軸受ユニット12から極端に離れた位置に描いている。図6(A)は、軸受ユニット12とベース4とに紫外線ビーム502を照射する工程500を示す要部拡大平面図である。図6(B)は、図6(A)のC−C線断面図である。
【0039】
まず、軸受孔4hに嫌気硬化性と紫外線硬化性とを有する硬化性樹脂54が塗布される。硬化性樹脂54としては、液状の樹脂であれば特別の制限はない。実施の形態では、例えばスリーボンド株式会社製のTB1354などのアクリル酸エステルを主成分とする液状の樹脂を用いている。アクリル酸エステルを主成分とする液状の樹脂は、収縮が少ないので、接触部(結合部)における隙間を生じにくく、空気のリークを防止するシール効果が高い点で好ましい。ベース4は、軸受孔4hが軸受ユニット12の下端面に嵌め込まれる。所定の時間例えば180秒間静置されて、軸受孔4hと軸受ユニット12との半径方向の隙間に介在する隙間部硬化性樹脂54aが嫌気硬化する。軸受孔4hの縁にはみ出た端部硬化性樹脂54bには紫外線ビーム502が照射される(図5参照)。具体的には、端部硬化性樹脂54bは軸受ユニット12の下端面の外径である11.5mmの円に沿って1〜2mmの幅の円形の帯状に介在する。紫外線ビーム502は1つの紫外線ヘッド510から照射される。紫外線ビーム502は、照射範囲502aが端部硬化性樹脂54bの介在する範囲をカバーする。照射範囲502aは直径約15mmの円形とされる。紫外線ビーム502は、その中心502bがほぼ回転軸Rに位置している。端部硬化性樹脂54bは、紫外線ビーム502が60秒間照射されて表面が硬化される。これによって端部硬化性樹脂54bの製造設備への付着が防止される。つまり比較例1では、軸受ユニット12のベース4に対する製造工程中における接合強度は、軸受ユニット12と軸受孔4hとの半径方向の隙間で嫌気硬化した隙間部硬化性樹脂54aによって確保される。
【0040】
比較例1では、例えば回転機器100の製造タクトが5秒である場合に180秒の静置時間を確保するためには、少なくとも同時に36台のワークを静置可能な設備を用いる。このため、製造設備の大型化と高額化の課題がある。また比較例1では、1つの紫外線ヘッド510から広い範囲に照射するから単位面積当たりの光量が低い。さらに紫外線ビーム502は、円形の中心部の光量が最大で、周辺部の光量は中心部の50%程度に低下する。端部硬化性樹脂54bは、照射範囲502aの中心部より光量が低い周辺部に位置する。このため、端部硬化性樹脂54bは60秒間照射を受けても表面が硬化する程度で、軸受ユニット12とベース4の接合強度に殆ど寄与しない。
【0041】
比較例1の結果から、製造設備の大型化と高額化を抑えるためには、軸受ユニット12とベース4の下面に介在する端部硬化性樹脂54bを短時間で硬化させて接合強度を確保することが課題であると認識した。
【0042】
発明者は、検討により端部硬化性樹脂54bを短時間で強固に硬化するために、以下のような方法や構成が有効であり、これらの方法を単独又は組合わせて用いることによって上記の課題を軽減できるとの知見を得た。
(1)複数の紫外線ヘッドから複数の紫外線ビームを照射する方法。
(2)紫外線ビームを複数の照射領域に分けて照射する方法。
(3)紫外線ビームの中心部を利用する方法。
(4)紫外線ビームの断面積を小さく絞る方法。
(5)紫外線ビームの中心軸を照射面に垂直な方向に近づける方法。
(6)複数の硬化領域が画定する多角形の面積が広くなるように複数の紫外線ビームを照射する方法。
【0043】
次に、実施の形態に係る軸受ユニット12をベース4に固定する工程300について説明する。図3は軸受ユニット12とベース4とに紫外線ビーム302を照射する工程300を示す要部拡大斜視図である。図3は、理解を容易にするため紫外線ヘッド310は軸受ユニット12から極端に離れた位置に描いている。図4(A)は、軸受ユニット12とベース4とに紫外線ビーム302を照射する工程300を示す要部拡大平面図である。図4(B)は、図4(A)のB−R−B線断面図である。まず、軸受孔4hに嫌気硬化性と紫外線硬化性とを有する硬化性樹脂54が塗布される。ベース4は、軸受孔4hが軸受ユニット12の下端面に嵌め込まれる。この状態で、軸受ユニット12のロータ6が設けられる側と反対側の端面とベース4の軸受孔4hの縁とに亘って端部硬化性樹脂54bが介在する。端部硬化性樹脂54bは、軸受孔4hの縁にはみ出して介在してもよく、また軸受孔4hの縁に追加して塗布されてもよい。実施の形態で工程300は、半径方向の隙間に介在する隙間部硬化性樹脂54bが嫌気硬化する前に実行される。嫌気硬化する時間を省くから作業時間が短くなる。
【0044】
端部硬化性樹脂54bは、軸受ユニット12の下端面の外径である11.5mmの円に沿って1〜2mmの幅の円形の帯状に介在する。端部硬化性樹脂54bの高さが高過ぎると内部を硬化させるに必要な紫外線ビーム302の照射時間が長くなり、低すぎると接合強度が低くなる。実施の形態では、端部硬化性樹脂54bの高さは0.2〜0.4mmの範囲としている。照射時間が実用上で問題のないレベルの範囲で所望する接合強度が得られている。
【0045】
紫外線ビーム302は端部硬化性樹脂54bの周方向に離間して複数の照射領域302a、302b、302cに照射される。紫外線ビーム302は、照射領域302a、302b、302cの中心が帯状の端部硬化性樹脂54bの介在範囲に含まれるように照射される。これによって、紫外線ビーム302の光量が最大である中心部を端部硬化性樹脂54bの硬化に作用させるから硬化時間を短くできる。紫外線ビーム302を照射する際に軸受ユニット12を抑え治具(不図示)で押えるようにしている。軸受ユニット12の浮き上がりを防止し得る。
【0046】
端部硬化性樹脂54bは、照射領域302a、302b、302cで硬化して紫外線硬化部54ba、54bb、54bcを形成する。実施の形態で、紫外線硬化部54ba、54bb、54bcは円周上に周方向に120度間隔で形成される。塗布された端部硬化性樹脂54bのうち紫外線硬化部54ba、54bb、54bcを除く部分は紫外線ビーム302の漏れ光により表面が硬化するようにしている。
【0047】
紫外線ビーム302は例えば紫外線ヘッド310から照射できる。紫外線ヘッド310は紫外線を発する例えばLEDと、照射口に光学系と、を備えている。LEDは電流が供給されて所定の波長の紫外線を発光する。光学系は、入力紫外線を所定形状に絞って紫外線ビーム302を出力する。光学系は例えば凸レンズを含んで構成される。照射領域302a、302b、302cのそれぞれに対応して紫外線ヘッド310a、310b、310cを備えて、それぞれ紫外線ビーム302を出力する。複数の紫外線ヘッドから紫外線を照射するから照射光量は紫外線ヘッドの数に応じて増大する。
【0048】
紫外線ビーム302の断面形状は、例えば略楕円形(略円形を含む。)または略矩形(略正方形を含む。)とされる。したがって、照射領域302a、302b、302cはそれぞれ略楕円形または略矩形を呈する。照射領域302a、302b、302cはそれぞれ、回転軸Rを中心とする接線方向の幅寸法Wと、法線方向の幅寸法Dとを有する。
【0049】
次に、紫外線硬化部を周方向に2箇所を180度間隔で形成したケース(以下、ケースAという。)と、3箇所を120度間隔で形成したケース(以下、ケースBという。)と、4箇所を90度間隔で形成したケース(以下、ケースCという。)とについてベース4からの軸受ユニット12の抜き方向の接合強度を説明する。当該接合強度が50N以上である場合、紫外線ビームを照射するステップに連続して、次の工程、例えばハブ28と軸受ユニット12とを嵌め合わせて結合する工程に進むようにしても、実用上問題がないことが確認されている。したがって、当該接合強度が50N以上になるような条件で以下のような試験をした。
共通の試験条件:接線方向幅寸法Wは6mm、試料数は各10、両者嵌め合わせて紫外線を照射した後、20秒以内に接合強度を検査した。
(1)ケースA(紫外線硬化部が2箇所の場合、紫外線照射時間=40秒)
平均=95N
最大=135N
最小=65N
(2)ケースB(紫外線硬化部が3箇所の場合、紫外線照射時間=15秒)
平均=358N
最大=680N
最小=140N
(3)ケースC(紫外線硬化部が4箇所の場合、紫外線照射時間=15秒)
平均=360N
最大=700N
最小=180N
上記の結果から、ケースA〜Cの何れも、40秒以下の短時間で所望の接合強度を得ることができた。またケースB、Cでは、さらに短い15秒で所望の接合強度を得ることができた。またケースB、Cでは、ケースAより一層高い接合強度が得られた。これは隣接する紫外線硬化部同士を結んで形成される多角形の面積が大きい方が高い結合強度が得られると考えられる。これらから、ケースA〜Cで、軸受孔4hと軸受ユニット12の外周面に介在する隙間部硬化性樹脂54aが嫌気硬化する前に次の工程に進むことが可能になる。
【0050】
次に、レンズの焦点距離を調整して照射領域の接線方向の幅寸法Wを変化させて、端部硬化性樹脂54bが所望の硬度を得るに必要な照射時間Tを検討した。
共通の試験条件:紫外線ヘッド310と端部硬化性樹脂54bとの距離Lは20mm。
(1)W=8mmである場合、T=30秒であった。
(2)W=6mmである場合、T=15秒であった。
(3)W=4mmである場合、T=10秒であった。
上記の結果から、幅寸法Wは小さい方が照射時間Tが短くなった。また、W=6である場合は、W=8である場合に比較して顕著に照射時間Tが短くなった。
【0051】
次に、紫外線ヘッド310と端部硬化性樹脂54bとの距離Lを変化させて、端部硬化性樹脂54bが所望の硬度を得るに必要な照射時間Tを検討した。
共通の試験条件:照射領域の接線方向の幅寸法Wは4mm。
(1)L=10mmである場合、T=15秒であった。
(2)L=15mmである場合、T=10秒であった。
(3)L=20mmである場合、T=10秒であった。
(4)L=25mmである場合、T=30秒であった。
上記の結果から、距離Lは15〜20mmの範囲で照射時間Tが最短となった。
【0052】
次に、紫外線ビームの進行軸と軸受ユニット12の回転軸とのなす角θを変化させて、照射領域の法線方向の幅寸法Dと接線方向の幅寸法Wの比であるD/W比と、端部硬化性樹脂54bが所望の硬度を得るに必要な照射時間Tを検討した。
共通の試験条件:照射領域の幅寸法Wは4mm、距離Lは20mm。
(1)0°である場合、D/W比=1.00で、T=10秒であった。
(2)10°である場合、D/W比=1.02で、T=10秒であった。
(3)20°である場合、D/W比=1.06で、T=10秒であった。
(4)30°である場合、D/W比=1.15で、T=15秒であった。
(5)40°である場合、D/W比=1.31で、T=15秒であった。
(6)50°である場合、D/W比=1.56で、T=20秒であった。
(7)60°である場合、D/W比=2.00で、T=20秒であった。
上記の結果から、角θは20°以下の範囲で、照射領域のDが接線方向の幅寸法Wとほぼ等しい略円形又は略正方形であり、照射時間Tが最短となった。つまり、照射領域の幅寸法Dが幅寸法Wとほぼ等しくなる角θが20°以下の範囲で、紫外線ビームを照射するようにすると、硬化に要する時間が短くなり作業効率が向上しうる。
【0053】
図8は、実施の形態の製造方法で製造された回転機器100のロータ6の傾斜の度数分布を示すグラフである。試料数15で、幅寸法W=4mm、角θ=20°、距離L=20mm、照射時間T=10〜15秒の条件で、紫外線硬化部を周方向に3箇所を120度間隔で形成している。ロータ6の傾斜としては、ハブ28の記録ディスク8が載置されるディスク載置面28aを周方向に沿って計測した高さ寸法の最大値と最小値の差を検出している。ハブ28に記録ディスク8が結合される前の状態で計測している。図8のグラフで横軸はハブ28の傾斜の大きさを示し、縦軸は度数を示している。例えば横軸の数字“5”の上方の数字“1”は、傾斜が0〜5μmであるもの度数が1であることを示している。また横軸の数字“10”の上方の数字“5”は、傾斜が6〜10μmであるもの度数が5であることを示している。このグラフから、傾斜の最大許容値の50μmに対して、推定不良率が十分に低く抑えられていることが理解される。
【0054】
これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。あるいはまた、実施の形態同士の組み合わせも可能である。
【0055】
実施の形態では、ベース4に結合された軸受ユニット12にハブ28が結合される例について説明したが、これに限られない。たとえば、ハブ28が結合した軸受ユニット12をベース4に結合するようにしてもよい。本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0056】
実施の形態では、複数の紫外線ビームの照射領域がそれぞれ不連続である例について説明したが、これに限られない。例えば複数の紫外線ビームの照射領域が周辺において重複して連続するようにしてもよい。また例えば紫外線ビームの照射領域が連続して略円環状を呈するようにしてもよい。
【0057】
実施の形態では、紫外線ビームの方向が接線方向に鉛直である例について説明したが、これに限られない。例えば、紫外線ビームの方向を接線方向に傾斜させるようにしてもよい。照射領域の接線方向の幅寸法Wが長くなる。また複数の紫外線ビームの照射領域同士を接続しうる。
【0058】
実施の形態では、制限機構を介してコイルのロータと対向する面を加圧しながら円環部を環状壁部に圧入する例について説明したが、これに限られない。コア押し部と所定の高さ方向の段差を維持するコイル押し部によってコイルのロータと対向する面を加圧しながら円環部を環状壁部に圧入するようにしてもよい。
【0059】
実施の形態では、いわゆるアウターロータ型の構成について説明したが、例えば、いわゆるインナーロータ型の構成であってもよい。実施の形態では、積層コアを用いる構成について説明したが、コアは積層コアでなくてもよい。実施の形態では、シャフトがロータに固定される構成について説明したが、たとえばシャフトがベースに固定されるようなシャフト固定型の構成であってもよい。実施の形態では、シャーシーがベースと一体に形成される構成について説明したが、たとえば、シャーシーがベースとは別途に形成された上でベースと結合される構成であってもよい。本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0060】
100 回転機器、4 ベース、6 ロータ、8 記録ディスク、10 データリード/ライト部、12 軸受ユニット、14 スイングアーム、16 ボイスコイルモータ、18 ピボットアセンブリ、26 シャフト、28 ハブ、30 フランジ、32 円筒状マグネット、36 クランパ、38 スクリュウ、40 コア、42 コイル、44 ハウジング、46 スリーブ、48 潤滑剤、52 導電性樹脂、54 硬化性樹脂、310、510 紫外線ヘッド、302、502 紫外線ビーム、702 装着治具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ディスクが載置されるべきロータと、前記ロータの回転軸を中心とする軸受孔と前記軸受孔を中心とする環状壁部とを有するベースと、前記ロータを前記ベースに対して回転自在に支持し、前記軸受孔に接着固定される軸受ユニットと、前記環状壁部に固着される円環部と前記円環部から半径方向に突出する突極とを有するコアと、前記突極にワイヤが巻回されて形成されたコイルと、を備えた回転機器の製造方法であって、
前記軸受ユニットと前記ベースの前記軸受孔とを嵌め合わせると共に前記軸受ユニットの下端面と前記ベースの前記軸受孔の縁とに亘って硬化性樹脂を介在させるステップと、
前記硬化性樹脂が介在する介在領域の周方向に別々に位置する複数の照射領域に複数の紫外線ビームを照射するステップと、を含むことを特徴とする回転機器の製造方法。
【請求項2】
前記紫外線ビームを照射するステップは、前記紫外線ビームの中心部が前記硬化性樹脂の介在領域の途中に位置するように実行されることを特徴とする請求項1記載の回転機器の製造方法。
【請求項3】
前記紫外線ビームを照射するステップは、前記紫外線ビームが前記照射領域のそれぞれに対応する複数の紫外線ヘッドから同時に照射されることを特徴とする請求項1記載の回転機器の製造方法。
【請求項4】
前記紫外線ビームを照射するステップは、軸受ユニットの回転軸を中心と定義した場合に、前記照射領域の法線方向の幅寸法が接線方向の幅寸法とほぼ等しくなるように前記紫外線ビームの進行軸の角度を調整して実行されることを特徴とする請求項1に記載の回転機器の製造方法。
【請求項5】
前記コイルの前記ロータと対向する面を加圧しながら、前記円環部を前記環状壁部に圧入するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の回転機器の製造方法。
【請求項6】
記録ディスクが載置されるべきロータと、前記ロータの回転軸を中心とする軸受孔と前記軸受孔を中心とする環状壁部とを有するベースと、前記ロータを前記ベースに対して回転自在に支持し、前記軸受孔に接着固定される軸受ユニットと、前記環状壁部に固着される円環部と前記円環部から半径方向に突出する突極とを有するコアと、前記突極にワイヤが巻回されて形成されたコイルと、を備え、
前記軸受ユニットは前記ベースの前記軸受孔に嵌め合わされて、前記軸受ユニットの下端面と前記ベースの前記軸受孔の縁とに亘って硬化性樹脂が介在し、
前記硬化性樹脂には、前記軸受ユニットの前記端面の縁に沿って紫外線ビームが照射されて硬化した領域である紫外線硬化部が周方向に別々に位置して少なくとも2カ所に形成されていることを特徴とする回転機器。
【請求項7】
前記硬化性樹脂には、前記紫外線硬化部が周方向に別々に位置して3又は4カ所に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の回転機器。
【請求項8】
前記コイルは、前記ロータの下面と対向する面に前記円環部が前記環状壁部に圧入される際に平坦に加圧された加圧面を有し、
前記加圧面は、その軸方向に最も高い部分の前記円環部を基準とした軸方向寸法が所定の最大許容値以下に形成されることを特徴とする請求項6に記載の回転機器。
【請求項9】
記録ディスクが載置されるべきロータと、 前記ロータの回転軸を中心とする軸受孔を有するベースと、
前記ロータを前記ベースに対して回転自在に支持し、前記軸受孔に接着固定される軸受ユニットと、を備えた回転機器の製造方法であって、
前記軸受ユニットと前記ベースの前記軸受孔とを嵌め合わせると共に、前記軸受ユニットの下端面と前記ベースの前記軸受孔の縁とに亘って硬化性樹脂を介在させるステップと、
紫外線ビームをその照射領域の中心部が前記硬化性樹脂の介在領域の途中に位置するように照射するステップと、を含むことを特徴とする回転機器の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−30237(P2013−30237A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164373(P2011−164373)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(508100033)アルファナテクノロジー株式会社 (100)
【Fターム(参考)】