説明

回転調理装置

【課題】カッターが不用意に回転することが無い安全な回転調理装置を提供する。
【解決手段】本体1に着脱自在で、カッター(図示せず)と調理物を収納する容器部材(図示せず)からなる調理用収納容器(図示せず)と、カッターを駆動する電動機(図示せず)の通電を入り切りするスイッチ3と、調理用収納容器が本体1に取り付けられている状態を検知する容器部材検知手段5とを備え、容器部材検知手段5は、スイッチ3の制御用つまみ3aと連動したアーム部17を内包する可動領域部5aと、インターロック部5bを備え、容器部材検知手段5が調理用収納容器により移動すると、アーム部17がインターロック部5bから可動領域部5aに移動し、制御用つまみ3aが通電可能状態で調理用収納容器を本体1から外した時、アーム部17が可動領域部5aからインターロック部5bへ移動し、そこで機械的に保持されて、制御用つまみ3aが通電切り状態に規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ミキサー(ブレンダーともいう)、ミル等の、カッターで調理物を粉砕してジュース等を作成するための容器部材を本体に載置し、容器部材の載置を検知する安全装置を有する回転調理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の容器部材に連動した安全装置を有する回転調理装置について、図8を用いて説明する。図8は、従来の回転調理装置の断面図である。
【0003】
図8において、従来の回転調理装置の本体1は、本体側コネクター4と連結された電動機2とスイッチ3を内蔵している。スイッチ3には、容器部材検知手段5により通電の入り切りを行うマイクロスイッチ等で構成された安全装置6が電気的に接続されている。
容器部材9は、収納容器側コネクター7と直結しているカッター8を備えたカッター台10と組み合わせて調理用収納容器16となる。
【0004】
カッター台10の容器側嵌合部14が本体1の上部に設けられた本体側嵌合部13と嵌合することで調理用収納容器16は、本体1に対し着脱自在に構成されている。また、カッター台10には、容器部材凸部11が設けられており、容器部材9の螺着部9aが容器部材凸部11の容器接触部11aを押さえることで突出した状態になり、組み立てられた調理用収納容器16が本体1に載置された時に容器部材検知手段5を下方に付勢するように構成されている。
【0005】
更に、カッター台10に容器部材9が螺着されていない場合や、本体1に装着した調理用収納容器16から容器部材9を取り外した場合、カッター台10の容器部材凸部11は、容器部材検知手段5を上側に付勢しているバネ等により構成された付勢部材12によりカッター台10の内部へ押し込まれてしまう。よって容器部材凸部11が、容器部材検知手段5を押し込んでいないので、容器部材9が無いことを検知して、安全装置6は通電切りの状態になる。
【0006】
即ち、本体1に調理用収納容器16(カッター台10に容器部材9が螺着された状態)が載置され、容器部材凸部11が容器部材検知手段5を押し下げ、安全装置6を電気的に通電可能な状態に接続し、さらに、スイッチ3の制御用つまみ3aが使用者により回されることで通電状態になり、電動機2の回転力が収納容器側コネクター7を介して容器部材9内部のカッター8に伝達され、それを回転させることで安全に調理作業を行う事ができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−254798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の回転調理装置の構成では、スイッチ3の制御用つまみ3aが使用者によって通電可能な位置のままで放置された状態(使用後に、制御用つまみ3aを回してしまったり、または調理用収納容器16の着脱により電源の入り切りを行う、あるいは、子供等の第三者が興味本位等)であることを失念して、本体1に調理用収納容器16を載置することがあり得る。
【0009】
この場合、容器部材凸部11が容器部材検知手段5を押し下げてマイクロスイッチ等による安全装置6は、通電状態入り状態になるので、カッター8が不用意に回転してしまう。使用者が、調理用収納容器16の内部に無意識に手を入れていた場合の不安全課題、容器部材蓋15を閉じ忘れていた時に、調理用収納容器16に収納されていた食材が外に飛び出して硬い食材が顔に当る課題等があり、安全性が十分ではなかった。
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、調理用収納容器16を載置しただけで、不用意にカッター8が回転することのない、より一層安全性を高めた回転調理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するため、本発明の回転調理装置は、電動機を有する本体と、前記本体に着脱自在で、カッターを回転可能に支持するカッター台と前記カッターが内部に位置するように前記カッター台と一体又は着脱自在に取り付けられると共に調理物を収納する容器部材からなる調理用収納容器と、前記電動機の通電を入り切りするスイッチと、前記調理用収納容器が前記本体に取り付けられている状態を検知する容器部材検知手段とを備え、前記本体に前記調理用収納容器を取り付けたとき、前記電動機の回転動力が前記カッターに伝達される回転調理装置であって、前記容器部材検知手段は、前記スイッチへの通電を設定する制御用つまみと連動したアーム部を内包する可動領域部と、インターロック部を備え、前記容器部材検知手段が前記調理用収納容器により移動することで、前記アーム部が前記インターロック部から前記可動領域部へ位置が変更されるが、前記調理用収納容器を前記本体から外した場合は、前記アーム部が前記可動領域部から前記インターロック部へ移動し保持されるようにしたもので、調理用収納容器が本体に装着された場合は、容器部材検知手段が調理用収納容器を検知し移動することで、アーム部がインターロック部から可動領域部へ位置が変更され、アーム部は可動領域部を自由に移動できるので、使用者は、制御用つまみを操作して、スイッチをON・OFF・断続運転等に自由に設定できる。
【0012】
また、制御用つまみを通電可能状態で調理用収納容器を本体から外した場合は、即ち容器部材検知手段が調理用収納容器を検知しない場合は、アーム部が、可動領域部からインターロック部に移動し、そこで保持、すなわち機械的に保持されるので、スイッチの制御用つまみは、必ず通電切り状態に規制され、再び調理用収納容器を取り付ける時に、不用意にカッターが回転することを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の回転調理装置は、調理用収納容器が本体に装着された場合は、容器部材検知手段が調理用収納容器を検知し移動することで、アーム部がインターロック部から可動領域部へ位置が変更され、アーム部は可動領域部を自由に移動できるので、使用者は、制御用つまみを操作して、スイッチをON・OFF・断続運転等に自由に設定でき、制御用つまみを通電可能状態で調理用収納容器を本体から外した場合は、即ち容器部材検知手段が調理用収納容器を検知しない場合は、アーム部が、可動領域部からインターロック部に移動し、そこで保持、すなわち機械的に保持されるので、スイッチの制御用つまみは、必ず通電切り状態に規制され、再び調理用収納容器を取り付ける時に、不用意にカッターが回転することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における回転調理装置の断面図
【図2】(A)同回転調理装置の要部断面図、(B)同回転調理装置のスイッチ部の断面図、(C)同回転調理装置の容器部材検知手段を含む要部断面図
【図3】(A)同回転調理装置のスイッチOFF状態の容器部材検知手段を含む要部断面図、(B)同回転調理装置の調理用収納容器が載置され、スイッチが通電OFF状態の容器部材検知手段を含む要部断面図
【図4】(A)同回転調理装置の調理用収納容器が載置され、スイッチが通電ON状態の容器部材検知手段を含む要部断面図と制御用つまみの正面図、(B)同調理用収納容器が外された直後のスイッチが通電ON状態の容器部材検知手段を含む要部断面図、(C)同調理用収納容器が外されて、スイッチが通電OFF状態になった容器部材検知手段を含む要部断面図
【図5】(A)同回転調理装置の他の例の調理用収納容器が載置されていないスイッチOFF状態(初期状態)を示す要部断面図、(B)同回転調理装置の調理用収納容器が載置され、スイッチが通電OFF状態を示す要部断面図、(C)同回転調理装置の調理用収納容器が載置され、スイッチが通電ON状態を示す要部断面図、(D)同回転調理装置の調理用収納容器が外されて、スイッチが通電ON状態を示す要部断面図、(E)同回転調理装置の調理用収納容器が外されて、スイッチが通電OFF状態を示す要部断面図
【図6】同回転調理装置の他の例を示す断面図
【図7】同回転調理装置の他の例を示す断面図
【図8】従来の回転調理装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、電動機を有する本体と、前記本体に着脱自在で、カッターを回転可能に支持するカッター台と前記カッターが内部に位置するように前記カッター台と一体又は着脱自在に取り付けられると共に調理物を収納する容器部材からなる調理用収納容器と、前記電動機の通電を入り切りするスイッチと、前記調理用収納容器が前記本体に取り付けられている状態を検知する容器部材検知手段とを備え、前記本体に前記調理用収納容器を取り付けたとき、前記電動機の回転動力が前記カッターに伝達される回転調理装置であって、前記容器部材検知手段は、前記スイッチへの通電を設定する制御用つまみと連動したアーム部を内包する可動領域部と、インターロック部を備え、前記容器部材検知手段が前記調理用収納容器により移動することで、前記アーム部が前記インターロック部から前記可動領域部へ位置が変更されるが、前記調理用収納容器を前記本体から外した場合は、前記アーム部が前記可動領域部から前記インターロック部へ移動し保持されるようにしたもので、調理用収納容器が本体に装着された場合は、容器部材検知手段が調理用収納容器を検知し移動することで、アーム部がインターロック部から可動領域部へ位置が変更され、アーム部は可動領域部を自由に移動できるので、使用者は、制御用つまみを操作して、スイッチをON・OFF・断続運転等に自由に設定できる。
【0016】
また、制御用つまみを通電可能状態で調理用収納容器を本体から外した場合は、即ち容器部材検知手段が調理用収納容器を検知しない場合は、アーム部が、可動領域部からインターロック部に移動し、そこで保持、すなわち機械的に保持されるので、スイッチの制御用つまみは、必ず通電切り状態に規制され、再び調理用収納容器を取り付ける時に、不用意にカッターが回転することを防止することができる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明の容器部材検知手段を上方に付勢する付勢部材を備え、容器部材が装着されていない時は、前記付勢部材の付勢力でアーム部をインターロック部で保持するように構成したもので、一つの付勢部材で、容器部材が本体から外されたかどうかを検知すると共に、アームをインターロック部で保持することが可能になり、構造を簡素化することができる。
【0018】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の容器部材検知手段の可動領域部は、調理用収納容器を本体に載置した時に、アーム部の軌跡を阻害しない略扇型の領域を確保すると共に、インターロック部の左右側面を前記アーム部よりも上になるように凸部で囲うまた
は、前記インターロック部を最下部に構成したもので、スイッチの通電を設定する制御用つまみを、調理用収納容器が載置されていない状態で操作できない構造とすることができる。
【0019】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の可動領域部において、スイッチが通電入り状態にある時に、調理用収納容器を外した場合に、アーム部と接触する前記可動領域部の面を、前記アーム部が前記スイッチを通電切り状態になる位置、すなわちインターロック部に向かう向きに作用を与える方向に傾斜させて構成したもので、アーム部を、確実にスイッチが通電切り状態になる位置に向かわせることができる。
【0020】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明のアーム部の先端に、可動領域部内を移動すると共に調理用収納容器を本体から外した場合にインターロック部で保持される略円形状の接続部を設け、前記可動領域部又は前記接続部の少なくとも一方を摺動性の良い材料で構成したもので、アーム部が摺動性良く可動領域部を移動することができる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における回転調理装置の断面図、図2(A)は、同回転調理装置の要部断面図、図2(B)は、同回転調理装置のスイッチ部の断面図、図2(C)は、同回転調理装置の容器部材検知手段を含む要部断面図、図3(A)は、同回転調理装置のスイッチOFF状態の容器部材検知手段を含む要部断面図、図3(B)は、同回転調理装置の調理用収納容器が載置され、スイッチが通電OFF状態の容器部材検知手段を含む要部断面図、図4(A)は、同回転調理装置の調理用収納容器が載置され、スイッチが通電ON状態の容器部材検知手段を含む要部断面図と制御用つまみの正面図、図4(B)は、同調理用収納容器が外された直後のスイッチが通電ON状態の容器部材検知手段を含む要部断面図、図4(C)は、同調理用収納容器が外されて、スイッチが通電OFF状態になった容器部材検知手段を含む要部断面図である。
【0023】
なお、本実施の形態における回転調理装置の基本的な構成は、図8で示した従来の回転調理装置と実質的に同じなので、同一部品については同一符号を用いてその説明を省略する。
【0024】
図1において、本発明の回転調理装置は、本体1に着脱自在に取り付けられ、カッター8が内部に位置するようにカッター台10に着脱自在に取り付けられて調理用収納容器16を形成する容器部材9と、カッター台10に容器部材9が装着されたときに、調理用収納容器16の下方から外部に突出して固定された容器部材凸部11を備えている。
【0025】
本体1には、調理物を粉砕するカッター8を回転駆動する電動機2と、電動機2の駆動状態(ON:駆動可能状態及びOFF:駆動不可能状態)を切り換えるスイッチ3が内蔵されている。
【0026】
電動機2の出力軸2aは、本体1の筺体の上壁に設けられた貫通穴1aを通じて上方に突出しており、当該突出部分に、本体側コネクター4が固定されている。本体1の上部には、カッター台10を取り付ける(嵌合支持する)ための受け部13が設けられている。調理用収納容器16が本体1に載置されたことを検知する容器部材検知手段5は、本体1の筺体の上壁に設けられた貫通穴1bを通じて上方に突出しており、バネ等の付勢部材12により容器部材検知手段5は、常時上方に付勢されている。
【0027】
図2(A)及び図2(B)に示すように、本体1の前部には、スイッチ3には使用者の操作を可能とする制御用つまみ3aが、接点部3cの開閉を行うスイッチ軸部3bと連動して設けられている。更にスイッチ軸部3bを中心として回転するアーム部17が先端に略円形状のアーム接続部18を有して設けられている。
【0028】
図2(C)に示すように、容器部材検知手段5の本体1に収納されている側には、略扇型の領域を確保した可動領域部5aと、可動領域部5aの下側にインターロック部5bが設けられており、スイッチ3のアーム部17に設けられたアーム接続部18が内部に配置されている。
【0029】
インターロック部5bは、左右側面を保持用凸部5cで構成することで凹状になりアーム接続部18が確実に保持されるように構成されている。可動領域部5aとアーム接続部18は、容器部材検知手段5の動きによって接触するため、少なくともどちらか一方がPOM等の摺動性の良い材料で構成されている。
【0030】
次に、図3(A)〜図3(B)、図4(A)〜図4(C)を参照しつつ、調理用収納容器16を本体1に脱着した場合の回転調理装置の動作と容器部材検知手段5とスイッチ3の動作について説明する。
【0031】
まず、図3(A)に示すように、容器部材9とカッター台10を組み合わせて構成した調理用収納容器16の容器部材凸部11が本体1に装着されていない時は、容器部材検知手段5は、付勢部材12により押し上げられており、スイッチ3のアーム部17に設けられたアーム接続部18は、容器部材検知手段5のインターロック部5bに保持されており、更にインターロック部5bの左右の障壁である保持用凸部5cにより保持されるので、アーム部17と連動したスイッチ軸部3bは固定され、使用者は、スイッチ軸部3bと連動した制御用つまみ3aを動かすことができず、通電切り状態から通電入り状態に変えることができない。
【0032】
次に、図3(B)に示すように、容器部材9とカッター台10を組み合わせて構成した調理用収納容器16の容器部材凸部11が本体1に装着されている場合は、調理用収納容器16のカッター台10にあるカッター8に接続された収納容器側コネクター7と本体1の本体側コネクター4が連結されると共に、容器部材検知手段5は、容器部材凸部11により、付勢部材12の付勢力に抗して押し下げられ、スイッチ3のアーム部17に設けられたアーム接続部18は、容器部材検知手段5のインターロック部5bから外れて可動領域部5aに移動する。
【0033】
これにより、アーム接続部18は、容器部材検知手段5により制約を受けないので、アーム接続部18、アーム部17、スイッチ軸部3bと連動した制御用つまみ3aは、使用者により回転し、接点部3cを導通状態にすることができるので、回転調理装置は、回転調理を行うことができるようになる。なお、図4(A)は、制御用つまみ3aによりスイッチ3が通電可能状態になった状態である。
【0034】
次に、図4(A)の状態から、調理用収納容器16又は容器部材9を、スイッチ3が通電入り状態のまま本体1から外した場合の動作を説明する。
【0035】
調理用収納容器16又は容器部材9を、通電入り状態のまま本体1から外した場合は、図4(B)に示すように、カッター台10の容器部材凸部11が、容器部材検知手段5を下に押し下げなくなったので、容器部材検知手段5は、付勢部材12により上に押し上げられる。可動領域部5aに位置していたアーム接続部18は、可動領域部5aの付勢用傾斜面5dにより、制御用つまみ3aがスイッチOFF(すなわち、スイッチ3が通電切り
状態)になる方向(図内の矢印方向)に付勢される。
【0036】
可動領域部5aとアーム接続部18は、少なくともどちらか一方が摺動性の良い材料で、またアーム接続部18が略円形状に構成されているので、図4(B)に示すようにアーム接続部18は、可動領域部5aを滑らかに摺動してインターロック部5bに向かって移動し、図4(C)の位置で、スイッチ3の接点部3cは、電気的に切断されてスイッチ3はOFF状態になる。
【0037】
アーム接続部18は、インターロック部5bの保持用凸部5cを乗り越え、容器部材検知手段5が上に付勢された状態になると、インターロック部5bに保持される位置になると共に、制御用つまみ3aはスイッチOFF状態になる(すなわち、図3(A)の状態)。
【0038】
なお、容器部材検知手段5の可動領域部5a、インターロック部5b、保持用凸部5c、付勢用傾斜面5dの形状は、図2の形状に限定されるものではなく、図5(A)〜図5(E)に示すように、インターロック部5bの左右側面をインターロック部5bより上側になるように構成することでも、スイッチ3がOFF状態で、本体1に調理用収納容器16が装着されていない状況では、上記と同じくスイッチ3の制御用つまみ3aをインターロック部5bで動かないように機械式に保持することができる。
【0039】
図5(A)は、図3(A)と同様に容器部材検知手段5は、付勢手段12により押し上げられており、スイッチ3のアーム部17に設けられたアーム接続部18は、容器部材検知手段5のインターロック部5bに保持されており、更にインターロック部5bの左右の障壁で可動が阻害されるので、使用者は、制御用つまみ3aを動かすことができず、通電切り状態から通電入り状態に変えることができない。
【0040】
図5(B)に示すように、調理用収納容器16の容器部材凸部11が容器部材検知手段5を下に押し下げるので、容器部材検知手段5は、付勢手段12の付勢力に抗して押し下げられる。
【0041】
インターロック部5bに位置していたアーム接続部18は、可動領域部5aに位置することになり、図5(C)のようにスイッチ3を動かすことができる。図5(D)に示すように、調理用収納容器16を本体1から外すと、容器部材検知手段5は、付勢手段12により上に押し上げられ、可動領域部5aに位置していたアーム接続部18は、可動領域部5aの付勢用傾斜面5dにより制御用つまみ3aがスイッチOFF(すなわち、スイッチが通電切り状態)になる方向(図内の矢印方向)に付勢され、図5(D)に示す途中の状態を経て、スイッチ3の制御用つまみ3aがOFF状態の図5(A)の状態に戻る。
【0042】
また、図6に示すように、カッター8を内蔵する調理用収納容器16aが、図1に示す容器部材9、カッター台10、容器部材凸部11と一体を成す場合であっても同様な効果を発揮することができる。
【0043】
また、図7に示すように、カッター8を内蔵する調理用収納容器16bが、図1に示す容器部材9、カッター台10と一体を成し、容器部材凸部11が、容器部材9ではなく容器部材蓋15により押されて下側に凸を形成する構造であっても同様な効果を発揮することができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、容器部材検知手段5の調理用収納容器16(16a、16b)の検知によりスイッチ3に連動したアーム部17のアーム接続部18を、可動領域部5aとインターロック部5bに移動させ、調理用収納容器16(16a、16
b)が検知されないときは、スイッチ3の制御用つまみ3aと連動したアーム部17の一部であるアーム接続部18を、必ずインターロック部5bに移動させ保持する。
【0045】
これにより、機械式な安全装置を有すると共に、調理用収納容器16(16a、16b)が外された場合は、制御用つまみ3a(すなわち、スイッチ3)をスイッチOFF状態に戻してインターロックをかけることができるので、調理用収納容器16(16a、16b)を本体1に載置した場合、カッター8が不用意に突然回転することがない、より安全性の高い回転調理装置を提供することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明にかかる回転調理装置は、カッターの不用意な回転を防止して、より高い安全性を確保することができるので、ミキサー、ブレンダー、ジューサー、フードプロセッサーやミル等の各種回転装置全般の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 本体
2 電動機
3 スイッチ
3a 制御用つまみ
5 容器部材検知手段
5a 可動領域部
5b インターロック部
9 容器部材
16、16a、16b 調理用収納容器
17 アーム部
18 アーム接続部(接続部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機を有する本体と、前記本体に着脱自在で、カッターを回転可能に支持するカッター台と前記カッターが内部に位置するように前記カッター台と一体又は着脱自在に取り付けられると共に調理物を収納する容器部材からなる調理用収納容器と、前記電動機の通電を入り切りするスイッチと、前記調理用収納容器が前記本体に取り付けられている状態を検知する容器部材検知手段とを備え、前記本体に前記調理用収納容器を取り付けたとき、前記電動機の回転動力が前記カッターに伝達される回転調理装置であって、前記容器部材検知手段は、前記スイッチへの通電を設定する制御用つまみと連動したアーム部を内包する可動領域部と、インターロック部を備え、前記容器部材検知手段が前記調理用収納容器により移動することで、前記アーム部が前記インターロック部から前記可動領域部へ位置が変更されるが、前記調理用収納容器を前記本体から外した場合は、前記アーム部が前記可動領域部から前記インターロック部へ移動し保持されるようにした回転調理装置。
【請求項2】
容器部材検知手段を上方に付勢する付勢部材を備え、容器部材が装着されていない時は、前記付勢部材の付勢力でアーム部をインターロック部で保持するように構成した請求項1に記載の回転調理装置。
【請求項3】
容器部材検知手段の可動領域部は、調理用収納容器を本体に載置した時に、アーム部の軌跡を阻害しない略扇型の領域を確保すると共に、インターロック部の左右側面を前記アーム部よりも上になるように凸部で囲うまたは、前記インターロック部を最下部に構成した請求項1又は2に記載の回転調理装置。
【請求項4】
可動領域部において、スイッチが通電入り状態にある時に、調理用収納容器を外した場合に、アーム部と接触する前記可動領域部の面を、前記アーム部が前記スイッチを通電切り状態になる位置、すなわちインターロック部に向かう向きに作用を与える方向に傾斜させて構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転調理装置。
【請求項5】
アーム部の先端に、可動領域部内を移動すると共に調理用収納容器を本体から外した場合にインターロック部で保持される略円形状の接続部を設け、前記可動領域部又は前記接続部の少なくとも一方を摺動性の良い材料で構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転調理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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