説明

回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法及び検定装置

【課題】使用開始後に、主軸2等の回転軸に加わるアキシアル荷重と、このアキシアル荷重を求める為に設けたセンサユニット7の出力信号との関係を検定する方法及び装置を実現する。
【解決手段】前記主軸2の先端面と、この先端面に対向する部分に設けた保持部材13との間に、荷重測定装置14と、保持ケース15と、複列玉軸受ユニット19等によりこの保持ケース15に回転自在に支持された荷重伝達軸16とを設ける。この荷重伝達軸16に前記主軸2の端部を押し付けつつこの主軸2を回転させた状態で、前記センサユニット7の出力信号を取得する。そして、この出力信号と前記荷重測定装置14の測定値との関係に基づき、この出力信号とアキシアル荷重との関係の適否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、旋盤、フライス盤、マシニングセンタ等の各種工作機械の主軸の如く、荷重を受けつつ高速で回転する回転軸に加わるアキシアル荷重を測定する回転軸用アキシアル荷重測定装置の測定精度を、長期間に亙って十分に確保できる検定方法及びその実施に使用する検定装置を実現すべく発明したものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械の主軸は、先端部に刃物等の工具を固定した状態で高速回転し、加工台上に固定した被加工物に、切削等の加工を施す。前記主軸を回転自在に支持したヘッドは、この被加工物の加工の進行に伴って、所定方向に所定量だけ移動し、この被加工物を、所定の寸法及び形状に加工する。この様な加工作業時、前記ヘッドの移動速度を適正にする事が、加工能率を確保しつつ、前記工具の耐久性及び前記被加工物の品質を確保する為に必要である。前記移動速度が速過ぎると、前記工具に無理な力が加わり、この工具の耐久性が著しく損なわれるだけでなく、前記被加工物の表面性状が悪化したり、著しい場合にはこの被加工物に亀裂等の損傷が発生する。逆に、前記移動速度が遅過ぎると、前記被加工物の加工能率が徒に悪化する。
【0003】
前記ヘッダの移動速度の適正値は一定ではなく、工具の種類(大きさ)、被加工物の材質や形状により大きく変わる為、前記移動速度を一定としたまま、この移動速度を適正値に維持する事は難しい。この為、前記工具を固定した回転軸に加わる荷重を測定する事により、前記移動速度を適正値に調節する事が、従来から知られている。即ち、工具により被加工物に切削等の加工を施す際には、加工抵抗により、この工具及びこの工具を固定した回転軸に荷重が加わる。この加工抵抗、延いてはこの回転軸に加わる荷重は、前記移動速度が速くなる程大きくなり、逆に、この移動速度が遅くなる程小さくなる。そこで、前記荷重が所定範囲に収まる様に、前記移動速度を調節すれば、この移動速度を適正範囲に収める事ができる。
【0004】
又、この移動速度等、他の条件を同じとした場合に前記荷重は、前記工具の切削性(切れ味)が劣化する程大きくなる。そこで、前記移動速度との関係で前記荷重の大小を観察すれば、前記工具が寿命に達した事を知る事ができて、寿命に達した不良工具で加工を継続する事による、歩留まりの悪化を防止できる。又、前記荷重を、前記移動速度等、他の加工条件と関連付けて継続的に観察する事により、最適な加工条件を見出して、省エネルギ化や工具の長寿命化に繋げる事もできる。更に、継続的観察により、工具破損等の事故発生時に、その原因を特定する事もできる。
【0005】
この様な目的で、工作機械の主軸等の回転軸に加わる荷重を測定する為の装置として、特許文献1に記載された発明装置が記載されている。この特許文献1に記載された発明装置は、水晶圧電式の荷重センサを複数個、荷重の作用方向に対して直列に配置し、この荷重センサの測定信号に基づいて、切削工具を支持固定した回転軸(スピンドル)に加わる荷重(切削抵抗)を測定する様に構成している。この様な特許文献1に記載された発明装置の場合、高価な水晶圧電式の荷重センサを使用する為、荷重測定装置全体としてのコストが嵩む事が避けられない。
【0006】
一方、特許文献2〜4には、水晶圧電式の荷重センサに比べて低コストで調達できる、磁気式のエンコーダとセンサとにより構成する、荷重測定装置付転がり軸受ユニットに関する発明が記載されている。更に、特許文献5〜6には、磁気式のエンコーダとセンサとにより構成した荷重測定装置により、工作機械の主軸に加わるアキシアル荷重を測定する、工作機械用のアキシアル荷重測定装置に関する発明が記載されている。図4〜9は、前記特許文献5〜6に記載した発明の構造とは異なるが、前記特許文献3の図8〜10、15及び明細書の段落[0059]〜[0060]、[0066]〜[0068]に記載された荷重測定装置を、工作機械用のアキシアル荷重測定装置に適用し、更に、信頼性及び測定精度の確保を可能にした先発明(特願2010−003207)に係る発明の構造を示している。先ず、この先発明に係るアキシアル荷重測定装置の構造及び作用に就いて説明する。
【0007】
工作機械のハウジング(主軸頭)1の内径側に、特許請求の範囲に記載した回転軸である主軸2を、多列転がり軸受ユニット3により回転自在に支持すると共に、電動モータ4により、前記主軸2を回転駆動自在としている。前記多列転がり軸受ユニット3を構成する複数個の転がり軸受5a〜5dのうち、先端寄りに配置した2個の転がり軸受5a、5bと、基端寄りに配置した2個の転がり軸受5c、5dとには、互いに逆向きの接触角を付与すると共に、これら各転がり軸受5a〜5dに、予圧を付与している。そして、前記主軸2を前記ハウジング1に対して、ラジアル荷重及び両方向のアキシアル荷重を支承する状態で、がたつきなく、回転自在に支持している。前記工作機械の運転時には、前記主軸2の先端部(図4の左端部)に固定した工具(図示省略)を、高速で回転しつつ被加工物に押し付け、この被加工物に、切削等の加工を施す。この様にして加工を施す際に、前記主軸2には、この被加工物に前記工具を押し付ける事の反作用として、各方向の荷重が加わる。図4に示した先発明構造では、このうち、前記主軸2の軸方向に一致する、アキシアル方向の荷重を求められる様にしている。
【0008】
この為に先発明構造の場合には、前記主軸2の中間部先端寄り部分で、前記多列転がり軸受ユニット3を構成する転がり軸受5b、5c同士の間に、図6に示す様なエンコーダ6を外嵌固定すると共に、前記ハウジング1に、図5、7、8に示す様なセンサユニット7を支持固定している。このうちのエンコーダ6は、内輪間座を兼ねるもので、鋼等の磁性金属により造り、全体を円筒状としている。そして、被検出面である前記エンコーダ6の外周面に、前記センサユニット7の検出部を構成するセンサ素子8を近接対向させ、このセンサユニット7の出力信号中に含まれる、位相に関する情報に基づいて、前記主軸2に作用するアキシアル荷重を求める様にしている。
【0009】
図4〜9に示した先発明に係る回転軸用アキシアル荷重測定装置の場合には、単一のセンサ素子8の出力信号のパルス周期比A/L(出力信号が1回変化する周期/出力信号が2回変化する周期)により、前記エンコーダ6(を固定した前記主軸2)に関するアキシアル荷重を求める様にしている。この為に使用する前記センサ素子8は、前記エンコーダ6の被検出面の性状に基づき、出力信号が1周期の途中で変化するもので、ホールIC、磁気抵抗素子等の磁気検出素子である前記センサ素子8の背面(前記エンコーダ6の外周面と対向する検出部と反対側の面)に、永久磁石9を配置し、これらセンサ素子8と永久磁石9とを、合成樹脂製のホルダ10の先端部に包埋保持して成る。この永久磁石9の着磁方向は、前記センサ素子8が前記エンコーダ6の被検出面に対向している方向としている。そして、これらセンサ素子8とエンコーダ6との相対変位に伴って、前記1周期の間で変化するタイミング(1周期の初めから途中で変化する瞬間迄の時間)がずれる様にしている。
【0010】
この為に、前記エンコーダ6の外周面に、複数の被検出用特性変化組み合わせ部11、11を、周方向に関して等間隔に、それぞれ前記アキシアル荷重の測定方向に一致する前記被検出面の幅方向である、前記エンコーダ6の軸方向に形成している。前記各被検出用特性変化組み合わせ部11、11は、この軸方向に対する傾斜方向が互いに異なる1対の特性変化部である、それぞれが直線状の凹溝12a、12bを、前記エンコーダ6の周方向に離隔した状態で設けている。この様な凹溝12a、12bを形成した、このエンコーダ6の外周面に検出部を近接対向させた、前記センサ素子8の出力信号は、このセンサ素子8の検出部が対向する部分(検出部の直前部分)を前記各凹溝12a、12bが通過する(前記センサ素子8の検出部がこれら各凹溝12a、12bを形成した、前記エンコーダ6の外周面を走査する)のに伴って変化する(パルス信号を出力する)。又、この変化のタイミング(パルスが発生する位相)は、前記センサ素子8の検出部が、前記エンコーダ6の外周面のうち、軸方向に関して何れの部分を走査するかによって変化する。そして、この変化に基づいて、前記エンコーダ6(を外嵌した前記主軸2)の軸方向変位量を求められる。この点に就いて、図9により説明する。
【0011】
例えば、前記エンコーダ6を外嵌した前記主軸2にアキシアル荷重が加わらず、このエンコーダ6が軸方向中立位置に存在する場合、前記センサ素子8の検出部は、図9の(A)に実線aで示す様に、前記エンコーダ6の外周面のうちで、ほぼ軸方向中央部を走査する。この結果、前記センサ素子8の出力信号は、例えば、図9の(B)に示す様に変化する。これに対して、前記エンコーダ6(を外嵌固定した前記主軸2)に、図9の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用し、前記エンコーダ6が、この図9の(A)で上方に変位すると、前記センサユニット7の検出部は、図9の(A)に鎖線bで示す様に、このエンコーダ6の外周面のうちで、軸方向片側{図9の(A)の下側}に偏った部分を走査する。この結果、前記センサ素子8の出力信号は、例えば、図9の(C)に示す様に変化する。アキシアル荷重の作用方向が逆向きの場合には、前記出力信号は、逆方向に変化する。尚、工作機械用の主軸2の場合、アキシアル荷重の作用方向は一定である場合が多い。そこで、アキシアル荷重が加わらない状態で、前記センサ素子8の検出部が前記エンコーダ6の外周面の軸方向一端側を走査し、前記アキシアル荷重が大きくなるに従って、前記センサ素子8の走査位置が軸方向他端側に変位する事にしても良い。
【0012】
これら図9の(B)(C)に記載した各周期A、B、Lのうち、全周期Lは、円周方向に隣り合う1対の被検出用特性変化組み合わせ部11、11に関する、前記センサユニット7の出力信号の周期である。具体的には、回転方向前側(図9の左側)の被検出用特性変化組み合わせ部11に関する所定部分(図示の例では、この被検出用特性変化組み合わせ部11を構成する1対の凹溝12a、12bのうち、回転方向前側の凹溝12aの回転方向後端縁)での、前記出力信号の立ち上がり部から、回転方向後側(図9の右側)の被検出用特性変化組み合わせ部11に関する同等部分での前記出力信号の立ち上がり部までの時間である。又、第一部分周期Aは、回転方向前側の被検出用特性変化組み合わせ部11を構成する1対の凹溝12a、12bのうち、回転方向前側の凹溝12aに関する(前記所定部分での)前記出力信号の立ち上がり部から、回転方向後側の凹溝12bに関する前記出力信号の立ち上がり部までの時間である。更に、第二部分周期Bは、回転方向前側の被検出用特性変化組み合わせ部11を構成する1対の凹溝12a、12bのうち、回転方向後側の凹溝12bに関する前記出力信号の立ち上がり部から、回転方向後側の被検出用特性変化組み合わせ部11を構成する1対の凹溝12a、12bのうち、回転方向前側の凹溝12aに関する(前記同等部分での)前記出力信号の立ち上がり部までの時間である。
【0013】
前記各周期A、B、Lのうちの全周期Lは、前記第一部分周期Aと前記第二部分周期Bとの和(L=A+B)になる。又、前記パルス周期比は、A/L(又はB/L)となる。尚、前記各周期のうちの全周期Lが、出力信号が2回変化する周期(2パルス分の周期)であり、前記エンコーダ6の回転速度が一定である限り、一定である。又、前記第一部分周期A及び前記第二部分周期Bが、前記出力信号が1回変化する周期(1パルス分の周期)であり、前記エンコーダ6の回転速度が一定であっても、このエンコーダ6の軸方向位置が変化すると変化する。
【0014】
図9から明らかな通り、前記パルス周期比A/L(出力信号が1回変化する周期/出力信号が2回変化する周期)は、前記エンコーダ6の軸方向位置に伴って変化し、このパルス周期比A/Lの変化量は、この軸方向位置の変化量(軸方向変位量)が大きくなる程大きくなる。又、この軸方向変位量は、前記エンコーダ6を外嵌固定した、前記主軸2に加わるアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。又、このアキシアル荷重に基づく前記軸方向変位量は、前記多列転がり軸受ユニット3を構成する前記各転がり軸受5a〜5dのうち、前記アキシアル荷重を支承する転がり軸受の剛性が大きくなる程小さくなる。又、このアキシアル荷重と前記軸方向変位量との関係(ゼロ点及びゲイン)は、この剛性を勘案した計算により、或いは既知のアキシアル荷重と軸方向変位量との関係を測定する実験により、予め求めておく事ができる。
【0015】
従って、図4〜6、9に示す様な構造を採用すれば、低コストで、しかも小型に構成できる構造で、工作機械の主軸2に加わるアキシアル荷重を求められる。即ち、前記センサユニット7の出力信号(から求められる前記パルス周期比A/L)と前記アキシアル荷重との関係を表す式或いはマップを組み込んだソフトウェアをインストールした演算器に前記出力信号を送り込めば、前記主軸2に加わるアキシアル荷重を求められる。この様にして求めた、この主軸2に加わるアキシアル荷重を利用すれば、最適な加工条件を見出して、省エネルギ化や工具の長寿命化に繋げたり、工具破損等の原因を特定できる。
【0016】
ところで、上述の様な構造により、工作機械の主軸2等の回転軸に加わるアキシアル荷重を求める場合、前記多列転がり軸受ユニット3等による、この回転軸の支持剛性が、所定値である事が必要である。この支持剛性が変化すると、この回転軸に加わるアキシアル荷重が同じであっても、この回転軸の軸方向の変位量が変化する。具体的には、アキシアル方向の支持剛性が高い程この変位量が少なくなり、低い程多くなる。従って、前記センサユニット7の出力信号から前記アキシアル荷重を、必要とする精度で求める為には、前記主軸2等の回転軸の支持剛性が、前記ソフトウェアに組み込まれた関係を満たすものである事が必要である。
【0017】
一方、前記多列転がり軸受ユニット3による前記主軸2の支持剛性は、環境温度により変わるだけでなく、長期間に亙る使用によっても変化する(一般的には低下する)。そして、前記支持剛性が変化すると、前記アキシアル荷重の測定精度が悪化する事が避けられない。長期間に亙る使用後に於いても、このアキシアル荷重の測定精度を確保する為には、前記出力信号とこのアキシアル荷重との関係(ゼロ点及びゲイン)を把握し、前記ソフトウェア中のこの関係を表した部分を修正する必要がある。但し、前述の特許文献2〜6に記載された発明を含めて、従来は、使用開始後のアキシアル荷重測定装置に関して、前記出力信号と前記アキシアル荷重との関係を検定し、更に必要に応じてこれを修正する方法に就いては知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2002−187048号公報
【特許文献2】特開2004−77159号公報
【特許文献3】特開2006−317420号公報
【特許文献4】特開2008−64731号公報
【特許文献5】特開2010−216654号公報
【特許文献6】特開2010−216655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、使用開始後の回転軸用アキシアル荷重測定装置に関して、この回転軸に加わるアキシアル荷重と、このアキシアル荷重を求める為に設けたセンサの出力信号との関係を検定する方法及びその方法の実施に使用する装置を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の検定方法及び検定装置による検定の対象となる回転軸用アキシアル荷重測定装置は、前述した先発明に係る回転軸用アキシアル荷重測定装置と同様に、ハウジングと、回転軸と、エンコーダと、センサと、演算器とを備える。
このうちのハウジングは、回転しない。
又、前記回転軸は、それぞれが予圧を付与された複数の転がり軸受により、前記ハウジングの内側に回転自在に支持されている。
又、前記エンコーダは、前記回転軸の一部に支持固定されたもので、この回転軸と同心の外周面を被検出面としている。
又、前記センサは、検出部を前記被検出面に対向させた状態で、前記ハウジングに支持されている。
更に、前記演算器は、前記センサの出力信号を処理するもので、予めインストールした、この出力信号とアキシアル荷重との関係を組み込んだソフトウェアにより、前記出力信号に基づいて前記回転軸に関するアキシアル荷重を求める機能を有する。
【0021】
本発明の検定方法は、この様な回転軸用アキシアル荷重測定装置に関して、前記各転がり軸受の剛性変化に伴う出力信号と、アキシアル荷重@との関係を修正する為、これら出力信号とアキシアル荷重との関係を求める。
この為に本発明の回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法では、保持ケースに対し回転自在に支持した荷重伝達軸に前記回転軸の端部を押し付けつつこの回転軸を回転させた状態で、前記センサの出力信号を取得する。そして、この出力信号と前記荷重伝達軸に前記回転軸の端部を押し付けているアキシアル荷重との関係に基づき、前記ソフトウェア中の出力信号とアキシアル荷重との関係の適否を判定する。
尚、この関係が適であると判定した場合には、前記回転軸用アキシアル荷重測定装置の使用をそのまま継続する。これに対して、不適と判定した場合には、前記ソフトウェアを修正する。具体的には、上述した様な検定方法を実施する過程で求めた、前記出力信号と前記アキシアル荷重との関係を、改めて前記ソフトウェア中に組み込む。
【0022】
上述の様な本発明の回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法を実施する場合、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、前記保持ケースとして、筒部の基端部を底板部により塞いで成り、前記回転軸側が開口した有底筒状のものを使用する。そして、前記荷重伝達軸はその基端部をこの保持ケースの内側に、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な転がり軸受により回転自在に支持する。そして、前記荷重伝達軸の先端部を前記回転軸の端部に、アキシアル荷重を伝達可能に係合させる。
【0023】
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記保持ケースの底板部と固定の部分との間に、この保持ケースに加わるアキシアル荷重を測定可能な荷重測定装置を設ける。そして、この荷重測定装置により測定したアキシアル荷重と前記センサの出力信号との関係を求めて、前記ソフトウェア中の出力信号とアキシアル荷重との関係の適否を判定する。
或いは、請求項4に記載した発明の様に、前記保持ケースの底板部と固定の部分との間に、軸方向に圧縮する事により既知のアキシアル荷重を発生させる圧縮ばねを設ける。そして、この圧縮ばねが発生するアキシアル荷重と前記センサの出力信号との関係を求めて、前記ソフトウェア中の出力信号とアキシアル荷重との関係の適否を判定する。
【0024】
又、上述の様な本発明の検定方法を実施する為の検定装置は、保持部材と、アキシアル荷重特定用部材と、保持ケースと、荷重伝達軸とを備える。
このうちの保持部材は、前記回転軸の先端面に対向する部分に設けられて、この回転軸の軸方向に加わるアキシアル荷重を支承可能である。
又、前記アキシアル荷重特定部材と、保持ケースと、荷重伝達軸とは、前記回転軸の先端部と保持部材との間に、この保持部材の側から互いに直列に設けている。
このうちのアキシアル荷重特定部材は、荷重測定装置(請求項6に記載した発明)或いは既知の弾力を有する(軸方向寸法及びばね定数が既知である)圧縮ばね(請求項7に記載した発明)の様に、前記回転軸の軸方向に加わるアキシアル荷重を知る事ができるものである。
又、前記保持ケースは、例えば筒部の基端部を底板部により塞いで成り、前記回転軸側が開口した有底筒状である。
更に、前記荷重伝達軸は、基端部をこの保持ケースに回転自在に支持されると共に、先端面を前記回転軸の先端部に突き当て自在としたものである。
【発明の効果】
【0025】
上述の様に構成する本発明の回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法及び検定装置によれば、センサの出力信号とアキシアル荷重との関係を把握し、演算器にインストールしたソフトウェア中の、この関係を表した部分を修正する事ができる。この為、長期間に亙る使用に伴って、回転軸を支持した各転がり軸受の剛性が変化した後に於いても、前記アキシアル荷重の測定精度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、工作機械の主軸に加わるアキシアル荷重の測定装置の断面図。
【図2】主軸に加わるアキシアル荷重と、この主軸のアキシアル方向の変位量との関係の1例を示す線図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。
【図4】本発明の検定方法による検定の対象となる構造の1例を示す断面図。
【図5】図4のX部拡大図。
【図6】エンコーダを取り出して示す斜視図。
【図7】センサユニットを取り出して、先端のセンサ装着部を被覆していない状態(A)と被覆した状態(B)とで示す斜視図。
【図8】センサの模式図。
【図9】アキシアル荷重に基づくエンコーダの変位によりセンサユニットの出力信号のパルス周期比が変化する状況を説明する為の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1〜3、5、6に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、多列転がり軸受ユニット3等の転がり軸受の剛性により定まる、アキシアル荷重とアキシアル方向の変位との関係を把握して、このうちのアキシアル荷重の測定精度を確保する点にある。回転軸である主軸2に加わるアキシアル荷重を求める為の回転軸用アキシアル荷重測定装置の構造及び作用に就いては、前述の図4〜9に示した先発明に係る構造と同様であるから、重複する説明は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0028】
本例の場合には、前記多列転がり軸受ユニット3の剛性変化に伴う、センサユニット7の出力信号と、前記主軸2に加わるアキシアル荷重との関係を修正すべく、これら出力信号とアキシアル荷重との関係を求める為に、前記主軸2を回転させつつ、この主軸2に加わるアキシアル荷重を測定可能としている。この為に本例の場合には、この主軸2の先端面(図1の左端面)に対向する状態で保持部材13を、この主軸2から加えられるアキシアル荷重を支承可能な状態で設置している。尚、この保持部材13は、本発明の特徴である検定方法を実施(前記関係を把握)する場合にのみ、被加工物を保持するテーブルの上面等の、前記主軸2の先端面に対向する部分に支持固定し、工作機械の使用時には取り除いておく。
【0029】
前記保持部材13と前記主軸2の先端部との間に、この保持部材13の側から順番に、荷重測定装置14と、保持ケース15と、荷重伝達軸16とを配置している。このうちの荷重測定装置14は、例えば圧電素子等のロードセルにより構成されるもので、前記主軸2と同心に配置され、この主軸2から加えられるアキシアル荷重を測定する。又、前記保持ケース15は、鋼材等の十分な強度及び剛性を有する金属材料により構成したもので、円筒部17の基端部(図1の左端部)を底板部18により塞いで成り、前記主軸2側が開口した有底円筒状である。更に、前記荷重伝達軸16は、その基端部(図1の左端部)を前記保持ケース15の内側に、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な転がり軸受である複列玉軸受ユニット19により、回転自在に支持している。又、前記荷重伝達軸16の先端部は、前記主軸2の先端部内側に、この主軸2の先端面に開口する状態で形成した、工具を保持固定する為の保持凹部20内に挿入し、挿入した状態で、前記主軸2から前記荷重伝達軸16への、アキシアル荷重の伝達を可能としている。
【0030】
エンコーダ6とセンサユニット7とを含む、回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定を行う際には、図1に示す様に、前記荷重伝達軸16の先端面(図1の右端面)を前記主軸2の保持凹部20の内側に形成した段部21等に突き当てる。この状態からこの主軸2を、前記保持部材13に向けて前進させ、前記荷重伝達軸16と、前記複列玉軸受ユニット19とを介して、前記保持ケース15を前記保持部材13に向けて押し付ける。この押し付け作業は、工作機械により被加工物を加工する場合と同様に、ハウジング1を前記主軸2の軸方向に変位させる事により行う。
【0031】
上述の様にして、前記主軸2を、前記保持部材13に向けて前進させると、前記荷重測定装置14が、前記保持ケース15の底板部18と前記保持部材13との間で挟持され、前記主軸2から加えられるアキシアル荷重を測定する。同時に、この主軸2に、前記荷重測定装置14に対する押し付け力の反力として、前記荷重測定装置14による測定値と同じ大きさのアキシアル荷重が、図1の右方向に加わる。そして、このアキシアル荷重(反力)により、前記主軸2が前記ハウジング1に対し、多列転がり軸受ユニット3の構成部材を弾性変形させつつ、図1の右方に変位する。この状態で前記主軸2を回転させれば、この変位に基づいて、前記センサユニット7の出力信号が変化するので、この出力信号に基づいて、前記反力(アキシアル荷重)の大きさ、又は、この反力に基づく、前記主軸2の軸方向変位量を求める。
【0032】
前記多列転がり軸受ユニット3の剛性が、演算器にインストールしたソフトウェア中に組み込んだ、前記アキシアル荷重と軸方向変位との関係に見合うものであれば、前記荷重測定装置14による測定値と、前記センサユニット7の出力信号による測定値とが見合うものになる。これに対して、前記剛性が前記ソフトウェア中の関係に見合わないものになっていると、前記両測定値同士の間に大きな差が生じる。この点に就いて、前記センサユニット7の出力信号に基づき、前記主軸2の軸方向変位量を求める場合に就いて、図2を参照しつつ説明する。尚、実際の場合には、この軸方向変位量から前記主軸2に加わるアキシアル荷重を求めるが、この点に就いては、先に説明した先発明の場合と同様であるから、説明は省略する。
【0033】
前記ソフトウェア中には、前記主軸2に加わるアキシアル荷重とこの主軸2の軸方向変位量とに就いて、図2の実線αで示す様な関係を組み込んでいる。この主軸2に加わるアキシアル荷重を測定する装置の検定を行う際には、前述の様にして前記荷重測定装置14を押し付け、この荷重測定装置14により前記主軸2に加わるアキシアル荷重を測定しつつ、前記センサユニット7の出力信号により、各アキシアル荷重の値に対応する、前記主軸2の軸方向変位量を測定する。この軸方向変位量が、図2に点a〜eに示す様に、前記実線α上若しくはその近傍に位置すれば、前記ソフトウェア中に組み込まれた、前記アキシアル荷重と前記軸方向変位量との関係は適正であると判定し、そのまま(荷重伝達軸16等を取り除いてから)使用を継続する。
【0034】
これに対して、前記多列転がり軸受ユニット3の剛性が初期の値から大きく変化(低下)すると、前記各アキシアル荷重の値に対応する、前記主軸2の軸方向変位量が、前記実線αから大きくずれる。この様な場合には、そのままでは前記センサユニット7の出力信号に基づくアキシアル荷重の測定を、必要とする精度を確保しつつ行う事はできない。そこで、この様な場合には、前記ソフトウェア中の出力信号とアキシアル荷重との関係が不適であると判定すると共に、このソフトウェアを修正する。具体的には、上述した様な検定方法を実施する過程で求めた、前記センサユニット7の出力信号と、前記荷重測定装置14により測定したアキシアル荷重との関係を、改めて前記ソフトウェア中に組み込む。この結果、前記多列転がり軸受ユニット3の剛性が変化した状態のまま、前記センサユニット7の出力信号に基づいて前記主軸2に加わるアキシアル荷重を、必要とする精度で測定できる。
【0035】
[実施の形態の第2例]
図3は、請求項1、2、4、5、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、保持ケース15の底板部18と保持部材13との間に、圧縮コイルばね22を設けている。この圧縮コイルばね22の軸方向長さ及びばね定数は既知である。荷重測定装置14(図1参照)をこの圧縮コイルばね22に変えた以外の構成は、上述した実施の形態の第1例と同様である。回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定を行う際には、ハウジング1を前記保持部材13に向け前進させて、前記圧縮コイルばね22を所定量だけ軸方向に圧縮する。工作機械の主軸頭である、前記ハウジング1は、移動量を高精度で規制できる為、前記圧縮コイルばね22の圧縮量を精度良く調節でき、この圧縮コイルばね22が発生するアキシアル荷重を所望値にできる。尚、このアキシアル荷重に基づいて、多列転がり軸受3の構成部品が弾性変形する事により、主軸2が前記ハウジング1に対して変位するが、この変位量は僅かであり、前記圧縮コイルばね22が発生するアキシアル荷重に及ぼす影響は無視できる。
【0036】
本例の場合には、上述の様にして、前記ハウジング1の移動量を調節する事により、前記圧縮コイルばね22が、保持ケース15、複列玉軸受ユニット19、荷重伝達軸16を介して前記主軸2を押圧するアキシアル荷重の値を調節できる。又、このアキシアル荷重は、前記ハウジング1の移動量と前記圧縮コイルばね22のばね定数とから求められる。そこで、求めたアキシアル荷重と、センサユニット7の出力信号とに基づいて、前述した実施の形態の第1例の場合と同様にして、エンコーダ6とセンサユニット7とを含む、回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定を行う。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の特徴は、工作機械の主軸等の回転軸に加わるアキシアル荷重と、この回転軸のアキシアル方向の変位の大きさとの関係が、この回転軸を支持している転がり軸受の経時変化により変化した場合にも、前記アキシアル荷重の測定精度を確保する点にある。前記回転軸のアキシアル方向の変位量を求める為の構造に就いては、図示の構造に限定するものではない。例えば、前述の特許文献3の図12〜13、図16〜21及びその説明文中に記載されている様な、単一のセンサのデューティ比により求める構造、図32〜41及びその説明文中に記載されている様な、1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差により求める構造も採用可能である。
【0038】
又、本発明の回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法及び検定装置は、工作機械の主軸等の回転軸を支持している転がり軸受の剛性の低下を知り、この転がり軸受の交換時期を知る為に利用する事もできる。例えば、工作機械を長期間使用すると、主軸支持用の転がり軸受の予圧が低下乃至は喪失し、この転がり軸受を構成する各転動体の転動面と相手軌道面との転がり接触部の面圧が低下し、これら各転がり接触部で過大な(不可避なスピン滑り以外の)滑りが発生し易くなる。この様な過大な滑りが発生すると、前記転がり軸受に焼き付等の重大な損傷が発生し易くなる。そこで、定期的に本発明を実施する事により、前記転がり軸受の剛性低下が著しいと判定した場合に、この転がり軸受を交換すべき旨の表示をする様にすれば、前記工作機械等に重大な故障が発生する事を未然に防止できる。
【符号の説明】
【0039】
1 ハウジング
2 主軸
3 多列転がり軸受ユニット
4 電動モータ
5a、5b、5c、5d 転がり軸受
6 エンコーダ
7 センサユニット
8 センサ素子
9 永久磁石
10 ホルダ
11 被検出用特性変化組み合わせ部
12a、12b 凹溝
13 保持部材
14 荷重測定装置
15 保持ケース
16 荷重伝達軸
17 円筒部
18 底板部
19 複列玉軸受ユニット
20 保持凹部
21 段部
22 圧縮コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転しないハウジングと、それぞれが予圧を付与された複数の転がり軸受により、このハウジングの内側に回転自在に支持された回転軸と、この回転軸の一部に支持固定された、この回転軸と同心の外周面を被検出面としたエンコーダと、検出部をこの被検出面に対向させた状態で前記ハウジングに支持されたセンサと、このセンサの出力信号を処理する演算器とを備え、この演算器は、予めインストールした、この出力信号とアキシアル荷重との関係を組み込んだソフトウェアにより、前記出力信号に基づいて前記回転軸に関するアキシアル荷重を求める機能を有するものである回転軸用アキシアル荷重測定装置に関して、前記各転がり軸受の剛性変化に伴う出力信号とアキシアル荷重との関係を修正する為、これら出力信号とアキシアル荷重との関係を求める回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法であって、保持ケースに対し回転自在に支持した荷重伝達軸に前記回転軸の端部を押し付けつつこの回転軸を回転させた状態で、前記センサの出力信号を取得し、この出力信号と前記荷重伝達軸に前記回転軸の端部を押し付けているアキシアル荷重との関係に基づき、前記ソフトウェア中の出力信号とアキシアル荷重との関係の適否を判定する回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法。
【請求項2】
前記保持ケースは、筒部の基端部を底板部により塞いで成り、前記回転軸側が開口した有底筒状であり、前記荷重伝達軸はその基端部をこの保持ケースの内側に、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な転がり軸受により回転自在に支持したものであり、前記荷重伝達軸の先端部を前記回転軸の端部に、アキシアル荷重を伝達可能に係合可能としている、請求項1に記載した回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法。
【請求項3】
前記保持ケースの底板部と固定の部分との間に、この保持ケースに加わるアキシアル荷重を測定可能な荷重測定装置を設け、この荷重測定装置により測定したアキシアル荷重と前記センサの出力信号との関係を求めて、前記ソフトウェア中の出力信号とアキシアル荷重との関係の適否を判定する、請求項2に記載した回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法。
【請求項4】
前記保持ケースの底板部と固定の部分との間に、軸方向に圧縮する事により既知のアキシアル荷重を発生させる圧縮ばねを設け、この圧縮ばねが発生するアキシアル荷重と前記センサの出力信号との関係を求めて、前記ソフトウェア中の出力信号とアキシアル荷重との関係の適否を判定する、請求項2に記載した回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法。
【請求項5】
回転しないハウジングと、それぞれが予圧を付与された複数の転がり軸受により、このハウジングの内側に回転自在に支持された回転軸と、この回転軸の一部に支持固定された、この回転軸と同心の外周面を被検出面としたエンコーダと、検出部をこの被検出面に対向させた状態で前記ハウジングに支持されたセンサと、このセンサの出力信号を処理する演算器とを備え、この演算器は、予めインストールした、この出力信号とアキシアル荷重との関係を組み込んだソフトウェアにより、前記出力信号に基づいて前記回転軸に関するアキシアル荷重を求める機能を有するものである回転軸用アキシアル荷重測定装置に関して、前記各転がり軸受の剛性変化に伴う出力信号とアキシアル荷重との関係を修正する為、これら出力信号とアキシアル荷重との関係を求める回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定装置であって、前記回転軸の先端面に対向する部分に設けられた、この回転軸の軸方向に加わるアキシアル荷重を支承可能な保持部材と、これら回転軸の先端部と保持部材との間に、この保持部材の側から互いに直列に設けられた、前記アキシアル荷重を知る事ができるアキシアル荷重特定用部材と、保持ケースと、その基端部をこの保持ケースに回転自在に支持されると共に、その先端面を前記回転軸の先端部に突き当て自在とした荷重伝達軸とを備えた回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定装置。
【請求項6】
前記アキシアル荷重特定用部材が、前記保持ケースと前記保持部材との間に加わるアキシアル荷重を測定可能な荷重測定装置である、請求項5に記載した回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定装置。
【請求項7】
前記アキシアル荷重特定用部材が、前記保持ケースと前記保持部材との間に挟持された、既知の弾力を有する圧縮ばねである、請求項5に記載した回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−157963(P2012−157963A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20924(P2011−20924)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】