説明

回転電機および回転電機の製造方法

【課題】コアバックやコイルエンドの小型化を図ることができる回転電機の提供。
【解決手段】周方向に並んだ複数のスロットが形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心のスロット内に挿入された絶縁被膜付き固定子コイルを有する固定子と、固定子鉄心に対して所定隙間を介して回転可能に配置された回転子と、を備える回転電機において、固定子コイルは、矩形断面の導体を予め略U字形状に成形したセグメントコイル28が複数接続された主コイルと、スロットから引き出されて交流端子が取り付けられる口出し線500U1を含み、主コイルの一方の端部に接続される副コイル701U1と、スロットから引き出される中性線を含み、主コイルの他方の端部に接続される副コイルと、を備え、口出し線500U1および中性線は、複数の直線部Sおよび屈曲部Bから構成された折り曲げ構造の導体で構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機および回転電機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機では、固定子巻線に交流電力を供給することで回転磁界を発生させ、この回転磁界により回転子を回転させる。また、回転子に加わる機械エネルギーを電気エネルギーに変換してコイルから交流電力を出力することもできる。このように、回転電機は、電動機または発電機として作動する。このような回転電機の固定子として、外部接続側口出し部を固定子鉄心の上部で軸方向に延長させ配置し、その両側に中性線を配置した構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−015459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の回転電機を自動車に搭載する場合、狭く限られた空間に取り付けられるため、小型化が要求される。コイルエンドの上部はミッション部との隙間を確保するため、中性線の引き回しなどの凸部領域を狭くすることが望ましい。しかし、この種の回転電機では、コアバックやコイルエンドが大きくなってしまい軸方向や径方向に突出してしまうといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、周方向に並んだ複数のスロットが形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心のスロット内に挿入された絶縁被膜付き固定子コイルを有する固定子と、固定子鉄心に対して所定隙間を介して回転可能に配置された回転子と、を備える回転電機において、固定子コイルは、矩形断面の導体を予め略U字形状に成形したセグメントコイルが複数接続された複数相の主コイルと、スロットから引き出されて交流端子が取り付けられる口出し線を含み、各主コイルの一方の端部に接続される第1の副コイルと、スロットから引き出される中性線を含み、各主コイルの他方の端部に接続される第2の副コイルと、を備え、口出し線および中性線は、複数の直線部および屈曲部から構成された折り曲げ構造の導体で構成されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1に記載の回転電機の製造方法であって、導体に成形ピンを当接させつつ該導体を曲げるフォーミング加工を順に複数回行うことにより、複数の屈曲部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コアバックやコイルエンドの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回転電機の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
【図3】固定子鉄心132の斜視図である。
【図4】電磁鋼板133を示す図である。
【図5】回転子150および固定子130の断面を示す図である
【図6】固定子コイル138を示す斜視図である。
【図7】スター結線を示す図である。
【図8】固定子コイル138Uを示す斜視図である。
【図9】固定子コイル138U1を示す斜視図である。
【図10】固定子コイル138U2を示す斜視図である。
【図11】セグメントコイル28の接続方法を説明する図である。
【図12】図9に示す口出し線500U1の部分の拡大図である。
【図13】口出し線500U1のフォーミング加工を説明する図であり、口出し線500U1を固定子鉄心132の中心側から見た図である。
【図14】出し線500U1のフォーミング加工を説明する図であり、口出し線500U1を軸方向に沿って見た図である。
【図15】U1相コイルの口出し線500U1とU2相コイルの口出し線500U2とを示す図である。
【図16】図6の中性線接続部712の部分を示す図である。
【図17】交流端子41Uに接続されたU1相およびU1相の口出し線を示す図である。
【図18】中性線接続部712で接続された中性線712U2,712V2,712W2を示す図である。
【図19】第2の実施の形態における固定子コイルの結線構造を示す図である。
【図20】ブリッジ線400Uを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
(回転電機の全体構成)
本実施形態に係る回転電機は、自動車の走行に使用するのが好適な回転電機である。ここで、回転電機を使用するいわゆる電気自動車には、エンジンと回転電機の両方を備えるハイブリッドタイプの電気自動車(HEV)と、エンジンを用いないで回転電機のみで走行する純粋な電気自動車(EV)とがあるが、以下に説明する回転電機は両方のタイプに利用できるので、ここでは代表してハイブリッドタイプの自動車に用いられる回転電機に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機100の全体構成を示す模式図である。図1では、回転電機100の一部分を断面とすることで、回転電機100の内部を示している。回転電機100は、図1に示すように、ケース10の内部に配設されるものであり、ハウジング112と、ハウジング112に固定される固定子鉄心132を有する固定子130と、この固定子内に回転自在に配設される回転子150と、を備えている。ケース10は、エンジンのケースや変速機のケースによって構成される。
【0010】
この回転電機100は、永久磁石内蔵型の三相同期モータである。回転電機100は、固定子鉄心132に巻回される固定子コイル138に三相交流電流が供給されることで、回転子150を回転させる電動機として作動する。また、回転電機100は、エンジンによって駆動されると、発電機として作動して三相交流の発電電力を出力する。つまり、回転電機100は、電気エネルギーに基づいて回転トルクを発生する電動機としての機能と、機械エネルギーに基づいて発電を行う発電機としての機能の両方を有しており、自動車の走行状態によって上記機能を選択的に利用することができる。
【0011】
固定子130はハウジング112に固定されている。固定子130は、ハウジング112に設けられたフランジ115がボルト12によりケース10に締結されることで、ケース10内に固定保持されている。シャフト118に固定された回転子150は、ケース10の軸受け14A、14Bにより支承され、固定子鉄心132の内側において回転可能に保持されている。
【0012】
図2はハウジング112に取り付けられた固定子130を示す斜視図である。ハウジング112は、厚さ2〜5mm程度の鋼板(高張力鋼板など)を絞り加工により円筒形状に形成されている。ハウジング112の軸方向一端にはフランジ115が設けられて折り、上述したようにケース10にボルト固定される(図1参照)。フランジ115は、絞り加工によってハウジング112と一体に形成される。なお、ハウジング112を設けずに、固定子130をケース10に直接固定するようにしても良い。
【0013】
固定子130はハウジング112の内周側に固定され、円筒状の固定子鉄心132と、この固定子鉄心132に装着される固定子コイル138と、を有している。図3は固定子鉄心132の斜視図である。固定子鉄心132は、図4に示すような電磁鋼板133を複数積層して形成される。電磁鋼板133は厚さが0.05〜1.0mm程度であり、打ち抜き加工またはエッチング加工により成形される。積層された電磁鋼板133は溶接により固定される。図3に示す例では、溶接部200がそれを示す。この溶接により積層された各電磁鋼板133が接続されるとともに、ハウジング112に圧入した際の締め付け力に起因する電磁鋼板133の変形が抑制される。
【0014】
固定子鉄心132には、軸方向に延在する複数のスロット420が周方向に等間隔となるように形成されている。スロット420の数は、例えば本実施の形態では72個である。スロット420には、図2に示すように固定子コイル138が収容される。図3に示す例では、スロット420は開スロットであり、固定子鉄心内周側には開口が形成されている。この開口の周方向の幅は、固定子コイル138が装着される各スロット420のコイル装着部とほぼ同等もしくは、コイル装着部よりも若干小さくなっている。
【0015】
なお、各スロット420内には、絶縁紙300が配置されている。絶縁紙300は、スロット420やコイルエンド140a,140bに配設されるものである。絶縁紙300(いわゆるスロットライナー)をスロット420に配設することにより、スロット420に挿通されるコイルの相互間およびコイルとスロット420の内面との間に配設されて、コイル間やコイルとスロット420の内面との間の絶縁耐圧の向上を図っている。
【0016】
また、コイルエンド140a,140bに配設される絶縁紙300は、コイルエンド140a,140bにおける相間絶縁、導体間絶縁のためにコイル間に環状に配設される。このように、本実施形態に係る回転電機100は、スロット420の内側やコイルエンド140a,140bにおいて絶縁紙300が配設されているため、コイルの絶縁被膜が傷ついたり劣化したりしても、必要な絶縁耐圧を保持できる。なお、絶縁紙300は、例えば耐熱ポリアミド紙の絶縁シートであり、厚さは0.1〜0.5mm程である。
【0017】
スロット420間にはティース430が形成されており、それぞれのティース430は環状のコアバック440と一体となっている。固定子鉄心132は、各ティース430とコアバック440とが一体成形された一体型コアとされている。ティース430は、固定子コイル138によって発生した回転磁界を回転子150に導き、回転子150に回転トルクを発生させる働きをする。
【0018】
図3に示す固定子鉄心132は、上記した円筒状のハウジング112の内側に焼嵌めにより嵌合固定される。具体的な組み立て方としては、例えば、先ず固定子鉄心132を配置しておき、この固定子鉄心132に予め加熱して熱膨張により内径を広げておいたハウジング112を嵌め込む。次に、ハウジング112を冷却して内径を収縮させることで、その熱収縮により固定子鉄心132の外周部を締め付ける。
【0019】
固定子鉄心132は、運転時における回転子150のトルクによる反作用によってハウジング112に対して空転しないように、ハウジング112の内径寸法を、固定子鉄心132の外径寸法よりも所定値だけ小さくなるように設定する。その結果、焼嵌め嵌合により固定子鉄心132がハウジング112内に強固に固定される。常温における固定子鉄心132の外径とハウジング112の内径との差は締め代と呼ばれ、この締め代を回転電機100の最大トルクを想定して設定することで、ハウジング112は所定の締め付け力により固定子鉄心132を保持することができる。なお、固定子鉄心132は焼嵌めにより嵌合固定する場合に限定されることなく、圧入によりハウジング112に嵌合固定することとしてもよい。
【0020】
図5は回転子150を説明する図であり、回転子150および固定子130の断面を示す図である。なお、煩雑さを避けるために、シャフト118やスロット420の内部に収容されている固定子コイル138、絶縁紙300は省略している。図5に示すように、回転子150は、回転子鉄心152と、この回転子鉄心152に形成された磁石挿入孔に保持されている永久磁石154と、を有している。
【0021】
回転子鉄心152には、直方体形状の磁石挿入孔が外周部近傍において周方向に等間隔で形成されている。各磁石挿入孔には永久磁石154が埋め込まれ、接着剤などで固定されている。磁石挿入孔の円周方向の幅は、永久磁石154の円周方向の幅よりも大きく形成されており、永久磁石154の両側には磁気的空隙156が形成されている。この磁気的空隙156は接着剤を埋め込んでもよいし,樹脂で永久磁石154と一体に固めてもよい。
【0022】
永久磁石154は、回転子150の界磁極を形成するものである。なお、本実施形態では、一つの永久磁石154で一つの磁極を形成する構成としているが、一つの磁極を複数の永久磁石によって構成してもよい。各磁極を形成するための永久磁石を複数に増やすことで、永久磁石が発する各磁極の磁束密度が大きくなり、磁石トルクを増大することができる。
【0023】
永久磁石154の磁化方向は径方向を向いており、界磁極毎に磁化方向の向きが反転している。すなわち、ある磁極を形成するための永久磁石154の固定子側の面がN極、シャフト側の面がS極に磁化されていたとすると、隣の磁極を形成する永久磁石154の固定子側の面はS極、シャフト側の面はN極となるように磁化されている。本実施形態では、12個の永久磁石154が、円周方向に等間隔で磁極毎に交互に磁化方向が変わるように磁化されて配置されることで、回転子150は12の磁極を形成している。
【0024】
なお、永久磁石154は、磁化した後に回転子鉄心152の磁石挿入孔に埋め込んでもよいし、磁化する前に回転子鉄心152の磁石挿入孔に挿入し、その後に強力な磁界を与えて磁化するようにしてもよい。
【0025】
ただし、磁化後の永久磁石154は磁力が強力であり、回転子150に永久磁石154を固定する前に磁石を着磁すると、永久磁石154の固定時に回転子鉄心152との間に強力な吸引力が生じ、この吸引力が作業の妨げとなる。また、強力な吸引力により、永久磁石154に鉄粉などのごみが付着するおそれがある。そのため、永久磁石154を回転子鉄心152の磁石挿入孔に挿入した後に磁化する方が、回転電機100の生産性を向上させる上で望ましい。ここで、永久磁石154には、ネオジウム系、サマリウム系の焼結磁石やフェライト磁石、ネオジウム系のボンド磁石などを用いることができるが、永久磁石154の残留磁束密度は、0.4〜1.3T程度が望ましく、ネオジウム系の磁石がより適している。
【0026】
本実施形態では、磁極を形成する各永久磁石154間に補助磁極160が形成されている。この補助磁極160は、固定子コイル138が発生するq軸の磁束の磁気抵抗が小さくなるように作用する。そして、この補助磁極160により、q軸の磁束の磁気抵抗がd軸の磁束の磁気抵抗に比べて非常に小さくなるため、大きなリラクタンストルクが発生することになる。
【0027】
三相交流電流が固定子コイル138に供給されることにより固定子130に回転磁界が発生すると、この回転磁界が回転子150の永久磁石154に作用して磁石トルクが発生する。回転子150には、この磁石トルクに加えて、上述のリラクタンストルクが発生するので、回転子150には上述の磁石トルクとリラクタンストルクとの両方のトルクが回転トルクとして作用し、大きな回転トルクを得ることができる。
【0028】
(固定子コイルの説明)
図6は、三相分の固定子コイル138を示す斜視図である。固定子コイル138は図7に示すようなスター結線の構成で接続されている。本実施の形態では、2つにスター結線が並列接続された2スター構成の固定子コイル138が採用されている。すなわち、U1相、V1相およびW1相のスター結線と、U2相、V2相およびW2相のスター結線とを備えており、U1およびU2相の口出し線は交流端子41Uにより1つに纏められ、V1およびV2相の口出し線は交流端子41Vにより1つに纏められ、W1およびW2相の口出し線は交流端子41Wにより1つに纏められている。N1およびN2はそれぞれのスター結線の中性点である。
【0029】
また、固定子コイル138は分布巻の方式で巻かれている。分布巻とは、複数のスロット420を跨いで離間した二つのスロット420に相巻コイルが収納されるように、相巻コイルが固定子鉄心132に巻かれる巻線方式である。本実施形態では、巻線方式として分布巻を採用しているので、形成される磁束分布は集中巻きに比べて正弦波に近く、リラクタンストルクを発生しやすい特徴を有している。そのため、この回転電機100は、弱め界磁制御やリラクタンストルクを活用する制御の制御性が向上し、低回転速度から高回転速度までの広い回転速度範囲に亘って利用が可能であり、電気自動車に適した優れたモータ特性を得ることができる。
【0030】
固定子コイル138は、断面が丸形状であっても、四角形状であってもよい。ただし、スロット420の内部の断面をできるだけ有効に利用し、スロット内の空間が少なくなるような構造とすることが効率の向上につながる傾向にあるため、断面が四角形状の方が効率向上の点で望ましい。なお、固定子コイル138の断面の四角形状は、固定子鉄心132の周方向が短く、径方向が長い形状をしていてもよいし、逆に周方向が長く、径方向に短い形状をしていてもよい。本実施形態では、固定子コイル138は、各スロット420内で固定子コイル138の長方形断面が固定子鉄心132の周方向について長く、固定子鉄心132の径方向について短い形状とされる平角コイルが使用されている。また、この平角コイルは、外周が絶縁被膜で覆われている。
【0031】
図6に示す固定子コイル138は、図2に示すように、全体で6系統(U1、U2、V1、V2、W1、W2)のコイルが固定子鉄心132に密着して装着されている。そして、固定子コイル138を構成する6系統のコイルは、スロット420によって相互に適正な間隔をもって配列される。図6に示すように、固定子コイル138における一方のコイルエンド140a側には、UVW三相それぞれの入出力用端子である交流端子41U,41V,41Wと、中性線接続部711,712とが配置されている。
【0032】
なお、回転電機100の組み立てにおける作業性向上のために、三相交流電力を受けるための交流端子41U、42V、43Wは、コイルエンド140aから固定子鉄心132の軸方向外方に突出するように配置されている。そして、固定子130は、この交流端子41U、42V、43Wを介して図示しない電力変換装置に接続されることで、交流電力が供給されるようになっている。
【0033】
図2および図6に示すように、固定子鉄心132から軸方向外方に飛び出した部分であるコイルエンド140a,140bは、全体として整然とした配置となっており、回転電機全体の小型化につながる効果がある。また、コイルエンド140a,140bが整然としていることは、絶縁特性に対する信頼性向上の観点からも望ましい。
【0034】
図8は、固定子鉄心132に巻回されるU相の固定子コイル138Uを示す斜視図である。図9,10は、固定子コイル138Uを構成するU1相の固定子コイル138U1およびU2相の固定子コイル138U2を示す斜視図である。図9,10からも分かるように、固定子コイル138は、U字形状の複数のセグメントコイル28が互いに接続されることで形成されるセグメント型コイルとされる。セグメントコイル28は、頭頂部28cが一方のコイルエンド140aに配置されている。また、セグメントコイル28の両端部28E,28Eは、他方のコイルエンド140bにおいて他のセグメントコイル28に接続されている。
【0035】
図11はセグメントコイル28の接続方法を説明する図である。固定子鉄心132のスロット420に装着する前のセグメントコイル28は、図示上側に示すように山形の頭頂部28cと直線部28bとから成るU字形状に予め成形されている。各セグメントコイル28は、固定子鉄心132のコイルエンド140a側(図2参照)からスロット420内に挿入される。スロット420内に挿入後、固定子鉄心132の反対側(図2のコイルエンド140b側)に突出している直線部28bを、接続すべき隣接のセグメントコイル方向に折り曲げ、さらに端部28Eを図示下方へと折り曲げる。そして、その端部28Eとその隣のセグメントコイル28の端部28Eとを溶接等により接続する。
【0036】
このようにして複数のセグメントコイル28が接続された主コイルが形成される。そして、セグメントコイル28で構成される主コイルの両端に口出し線を含む副コイルと、中性線を含む副コイルとが接続されて、1つの相コイルが形成される。このように、主コイルにおいては、予め成形された導体であるセグメントコイル28を用いることで、導体間の絶縁を確保し、絶縁皮膜に負担をかけない構成となっている。
【0037】
図9に示すU1相の固定子コイル138U1において、交流端子41Uが接続される副コイル701U1は、固定子鉄心132のスロットに収められる部分と、スロットから引き出される口出し線500U1とを有している。本実施の形態における固定子コイル138では、副コイル701U1は、スロットの最も外周側のレイヤーに収められる。口出し線500U1は、湾曲するように折り曲げられた折り曲げ部501U1と、交流端子41Uが接続される端子部502U1とを有している。副コイル701U1は、コイルエンド140b側において、U1相の主コイルの一端に設けられたセグメントコイル28の端部28Eに接続されている。また、主コイルの他端に設けられたセグメントコイル28には、中性線711U1を有する副コイル702U1が接続されている。
【0038】
一方、図10に示すU2相の固定子コイル138U2の場合も、交流端子41Uが接続される副コイル701U2は、固定子鉄心132のスロットに収められる部分と、スロットから引き出される口出し線500U2とを有している。副コイル701U2は、スロットの最も内周側のレイヤーに収められる。口出し線500U2は、湾曲するように折り曲げられた折り曲げ部501U2と、交流端子41Uが接続される端子部502U2とを有している。折り曲げ部501U2は、U1相の折り曲げ部501U1とは逆方向に向けて引き出されている。副コイル701U2は、コイルエンド140b側において、U2相の主コイルの一端に設けられたセグメントコイル28の端部28Eに接続されている。また、主コイルの他端に設けられたセグメントコイル28には、中性線712U2を有する副コイル702U2が接続されている。
【0039】
端子部502U1,502U2は、コイルエンド140aから固定子鉄心132の外周方向に、コイルエンド140aに対してほぼ垂直となるように折り曲げられている。説明は省略するが、U相,V相およびW相の固定子コイルもU相コイルと同一構成を有しており、U相,V相およびW相の固定子コイルは周方向に所定スロットピッチずつずれて配置されている。図6に示すように、交流端子41U、41V、41Wは、ケーブルと接続するために1箇所に集約して配置され、全て同一方向(コイルエンド140aに対してほぼ垂直な方向)を向くように互いに平行に配置されている。
【0040】
交流端子41U、41V、41Wは、固定子鉄心132の所定スロット数以内の周方向幅に集約される。例えば、互いの絶縁を確保するために1相につき3スロット分を確保した場合には、全体で9スロット程度の間に集約することも可能であるが、9スロットに限られるものではない。図6に示すように、交流端子41U、41V、41Wは各相同士が略平行となるように各端子部が曲げられている。U,V,Wの各相に関して、端子部が平行に揃うように配置されるため、端子部における剛性をあげることができる。このとき、過大な張力や圧縮力が加わる端子部が互いに隣り合うことで張力圧縮力が吸収され、端子部における疲労破壊の発生を抑制することができる。
【0041】
図6に示すように、交流端子41U、41V、41Wが設けられた部分をケーブルと接続するため1箇所に集約し、コイルエンド140aの上部の中性コイル引き回しなどの凸部領域を狭くすることで、ミッション部との隙間を確保する。また、それらを1箇所に集中させながらも導体間の絶縁確保と製作上の作業性を考慮したシンプルな構造となっている。
【0042】
さらに、図2に示すように、コイルエンド140a上における中性線711U1,712U2の引き回しの凸部領域を狭くすることで、コイルエンド140aを低くするようにしている。そのために、U1相、V1相およびW1相の中性線711U1,711V,711Wは、コイルエンド140a上において交流端子41U,41V,41Wの図示左側に引き回して接続され、一方、U2相、V2相およびW2相の中性線712U2は、コイルエンド140a上において交流端子41U,41V,41Wの図示右側に引き回して接続されるようにしている。
【0043】
本実施の形態では、コイルエンド140aから引き出された口出し線500U1,500U2や中性線711U1,712U2を、コイルエンド140a上の這い回しがより短い経路となるように折り曲げることで、コイルエンド140aやコアバック440を小さくし、巻線抵抗を低減するようにしている。以下では、口出し線500U1,500U2における曲げ形状、および、中性線711U1,712U2の曲げ形状について説明する。
【0044】
図12は、図9に示した口出し線500U1の部分の拡大図である。なお、交流端子41Uは図示を省略した。図12に示した口出し線500U1は、第1導体部511U1と、第2導体部512U1と、上述した端子部502U1とで構成されている。第1導体部511U1は、副コイル701U1の直線部(スロット420内に挿入される部分)から斜め上方に立ち上がり、セグメントコイル28の頭頂部28cの上方までの部分であり、頭頂部28cに沿って弧を描いている。
【0045】
また、第2導体部512U1は、複数の頭頂部28cの上を這い回される導体部分である(図6参照)。なお、図12ではセグメントコイルが2つしか図示されていないので頭頂部28cも2つであるが、実際には、図6に示すように、コイルエンド140aには多数の頭頂部28cが円弧状に整列している。さらに、端子部502U1は、第2導体部512U1からコイルエンド140aの外周方向へほぼ直角に曲がるように折り曲げられている。なお、図12に示す例では、端子部502U1において平角線の幅広の面が上下を向くように、第2導体部512U1からいったん上方に立ち上げてから、外周方向へ折り曲げるようにしている。
【0046】
本実施の形態では、図12に示すように複雑な形状を有する口出し線500U1の成形に、フォーミング加工(自動フォーミング加工)を用いるようにした。従来は、絶縁被膜を有する平角線の成形にフォーミング加工が用いられることはなく、型成形を使用してより省略された形状に成形していた。なお、セグメントコイル28の成形については、従来と同様に型を用いた成形が用いられる。
【0047】
図13,14は、口出し線500U1のフォーミング加工を説明する図である。図13は固定子鉄心132の中心側から見た図であり、図14はコイルエンド140aの上方から軸方向に沿って見た図である。図13,14から分かるように、口出し線500U1は立体的に(三次元的)折り曲げられており、このような形状の型を用いて成形するのは非常に難しい。
【0048】
図13,14に示す例では、フォーミング加工による曲げ加工は、図13,図14(a)、図14(b)の順に行われる。なお、P1〜P12はフォーミング加工を行う際の成形ピンの位置を示しており、P1〜P12の順に曲げ加工が行われる。図13では、平角線の幅が狭い面にピンを当てて曲げ加工が行われる。ピン位置P1,P2,P3の順に副コイル701U1が折り曲げられ、第1導体部511U1、第2導体部512U1および端子部502U1とされる部分が形成される。
【0049】
次いで、図14では、平角線の幅が広い面にピンを当てて曲げ加工が行われる。ピン位置P4,P5,P6,P7,P8の順に折り曲げることによって、第1導体部511U1の最終形状が形成される。第1導体部511U1は、コイルエンド径方向に湾曲している。次いで、ピン位置P9,P10,P11の順に折り曲げることにより、第2導体部512U1の最終形状が形成される。最後に、ピン位置P12において90度折り曲げて、端子部502U1の部分を形成する。
【0050】
このように、口出し線500U1はフォーミング加工により折り曲げられるため、図12に示すように、成形ピンが当接した複数の屈曲部Bと、屈曲部Bと隣接する屈曲部Bとの間の直線部Sとから構成されている。屈曲部Bのピン当接部分には、成形ピンの圧痕が形成される。このように複数の折り曲げを行うことにより、折り曲げ部501U1が複雑な曲線形状であっても、折れ線で精度良く近似することができる。なお、コイルエンド140aの頂部付近で湾曲するように這い回される第2導体部512U1には、理想的形状に対してよりよく近似されるよう、少なくとも2以上の屈曲部Bが形成される。
【0051】
図15は、U1相コイルの口出し線500U1とU2相コイルの口出し線500U2とを示す図である。口出し線500U1の端子部502U1と口出し線500U2の端子部502U2とは、共通の交流端子41Uに接続されている。交流端子41Uの配置の関係上、口出し線500U1,500U2の長さは異なっている。また、折り曲げ部501U1と折り曲げ部501U2とでは這い回す位置が異なるので、折り曲げ形状も異なっている。図15に示すように、U1相コイルの口出し線500U1とU2相コイルの口出し線500U2とを交流端子41Uで接続したときの形状が台形になるので剛性をあげることができる。それにより、片持ち構造に比べてコイル自体の固有振動数を下げることができる。
【0052】
図16は、図6の中性線接続部712の部分を示す図である。中性線接続部712は、U2相の中性線712U2と、V2相の中性線712V2と、W2相の中性線712W2とが接続されている部分であり、図7の中性点N2に対応する部分である。U2,V2,W2相の副コイル702U2,702V2,702W2が挿入されるスロットは所定スロット間隔ずつずれているため、それに応じて中性線712U2,712V2,712W2の長さが異なっており、形状も互いに異なっている。
【0053】
図15に示すように交流端子41Uを接続したならば、図17のように副コイル701U1,701U2のスロットから引き出された部分である折り曲げ部501U1,501U2に絶縁膜600を形成することで、それらの部分において充分な絶縁耐圧が保証されるようにする。絶縁膜600としては、例えば、絶縁粉体塗装膜が適している。絶縁粉体塗装に用いられる塗装材料(粉体)には、電気絶縁用エポキシ樹脂等が用いられる。同様に、図16に示すように3本の中性線712U2,712V2,712W2を接続したならば、図18のようにそれら引き出された部分に絶縁膜600を施す。
【0054】
−第2の実施の形態−
図19,20は、本発明の第2の実施の形態を説明する図である。上述した第1の実施の形態では固定子コイル138を2スター結線構造としたが、第2の実施の形態では、同様のセグメントコイル28を用いて図19に示すように1スター結線構造とした。U相コイルを見た場合、符号U1,U2で示すコイルは図7に示したU1相コイルおよびU2相コイルと同じ構成のもので、コイルU1とコイルU2とをブリッジ線400Uで接続したものである。V相およびW相に関しても同様である。ブリッジ線400U,400V,400Wで接続されたU相、V相およびW相コイルは、中性点Nで接続されている。
【0055】
図20は、ブリッジ線400Uを示してものであるが、ブリッジ線400Uおよび400Wも同様の構造である。ここでは、代表してブリッジ線400Uを例に説明する。ブリッジ線400Uは、スロット内に挿入される直線導体部703a,703bと、それら直線導体部703a,703bを繋ぐ連結部500とを備えている。また、連結部500はスロット外に引き出される部分であり、スロットからの引出部分である斜行部500a,500bと、コイルエンド上を這い回される這い回し部500cを備えている。斜行部500a,500bはセグメントコイル28群の隙間に配置される。
【0056】
直線導体部703bから斜行部500bのように引き出された導体は、反対方向に折り曲げられた後に、斜行部500aに接続される。本実施の形態では、第1の実施の形態で記載した口出し線および中性線に加えて、ブリッジ線400Uの連結部500の成形に、フォーミング加工が適用される。このように複雑な形状のブリッジ線400Uであって、フォーミング加工で成形することにより、理想曲線に近い折れ曲がり線で形成される連結部500を容易に得ることができる。すなわち、連結部500は、直線部と屈曲部とで構成されている。
【0057】
上述した実施の形態においては、以下に示すような作用効果を奏する。
(1)図6,8,9,10に示すように、固定子コイル138U1は、矩形断面の導体を予め略U字形状に成形したセグメントコイル28が複数接続された主コイルと、スロット420から引き出されて交流端子41Uが取り付けられる口出し線500U1を含み、主コイルの一方の端部に接続される副コイル701U1と、スロットから引き出される中性線711U1を含み、主コイルの他方の端部に接続される副コイル702U1と、を備えている。図6に示す固定子コイル138はこのような相コイルがU1,U2,V1,V2,W1,W2の6組設けられている。そして、例えば、副コイル701U1の口出し線500U1および第2の副コイル702U1の中性線711U1は、複数の直線部Sおよび屈曲部Bから構成された折り曲げ構造の導体で構成されている。
【0058】
口出し線500U1および中性線711U1を折り曲げ構造の導体とすることで、口出し線500U1および中性線711U1の形状を理想形状により近づけることが容易となる。それにより、無駄な這い回しを抑制することができ、コイル使用量の低減および巻線抵抗の低減を図ることができる。また、コイルエンド140a上の這い回しの小型化が図れ、コイルエンド140aやコアバック440を小さくすることができる。
【0059】
(2)さらに、口出し線500U1は、スロットから引き出されてセグメントコイル28の頭頂部28cに到るまでの第1導体領域である第1導体部511U1と、口出し線先端部に設けられた端子接続領域である端子部502U1と、端子部502U1と第1導体部511U1との間のコイルエンド這い回し領域である第2導体部512U1とを有する。そして、屈曲部Bが2以上形成されるように第2導体部512U1を立体的に折り曲げることで、コイルエンド140a上を這い回っている第2導体部512U1の形状を理想的な形状に近づけることができる。その結果、口出し線500U1を這い回すことによるコイルエンド全体の高さ増加を抑制することができる。
【0060】
(3)また、図19に示すようなブリッジ線400U〜400Wを用いる巻線構造の場合に、図20に示すように、連結部500を複数の直線部および屈曲部から構成された折り曲げ構造の導体で構成することで、コイルエンド上を這い回される導体の形状を理想的な形状により近づけることができ、コイルエンド全体が大型化するのを抑制することができる。
【0061】
(4)屈曲部は、導体に成形ピンを当接させつつ該導体を曲げるフォーミング加工により形成される。そして、自動フォーミング加工機を使用することで容易に折り曲げ構造を形成刷ることができる。フォーミング加工を行うと、導体表面に成形ピンによる圧痕が屈曲部に形成される。セグメントコイル28は総数は多いが、数種類の形状に分類される。また、形状が比較的簡単な形状であるため、セグメントコイル28の成形には、従来のように型を用いた成形を用いるのがコスト面からも適している。一方、口出し線や中性線の数は2スター結線の固定子コイルであっても12本しかなく、形状がそれぞれ異なっており、形状が複雑である。そのため、それぞれを型で成形するのは非常にコスト高となる。
【0062】
一方、フォーミング加工により口出し線や中性線を曲げ加工する場合には、どのような形状であっても対応が容易であり、自在に任意の形状に成形することができる。さらに、NCフォーミングを用いて口出し線や中性線を成形する工程と、複数のセグメントコイルを型で成形する工程に分けることで生産性を高めることができる。また、型の削減と安定した形状のコイルを製作することができる。
【0063】
(5)なお、屈曲部の曲げ半径を全て同一寸法とすることで、同一の成形ピンで連続的に曲げ加工が行うことができ、ピン交換の段取りを省くことができることから生産性の向上を図ることができる。また、折り曲げ部は同じ曲げであることでコイルのエナメル皮膜にダメージを均一にすることができ絶縁性に優れたコイルとなる。
【0064】
(6)さらに、直線部および屈曲部が形成されている導体領域に絶縁膜600を形成することで、導体の絶縁被膜と相俟って充分な絶縁耐圧が得られる。
【0065】
(7)また、固定子コイル138に関して、口出し線および中性線がスロットの最内周側または最外周側から引き出されるような巻線構造とすることで、口出し線および中性線の這い回しが行いやすくなるとともに長さを抑えることができ、コイルエンド140aやコアバック440を小さくすることができる。本実施形態では、口出し線の口出し線41U,口出し線41V1,口出し線41Wは、軸方向と垂直の位置で平行に整列配置させ、中性線711,中性線712を口出し線41U,口出し線41V1,口出し線41Wの周方向外側相反方向に配置するような巻線構造としている。そうすることで、口出し線および中性線がスロットの最内周側または最外周側から引き出されるような構造とし、また、引き回しの凸部領域を狭くしてミッション部との隙間を確保すると共に、口出し線を1箇所に集中させながらも導体間の絶縁確保と製作上の作業性を考慮したシンプルな構造としている。
【0066】
なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。例えば、上述した実施の形態では回転子に永久磁石を備えた回転電機を例に説明したが、本発明は、誘導モータ等の回転電機の固定子にも同様に適用することができる。また、車両駆動用回転電機以外にも適用できる。
【符号の説明】
【0067】
28:セグメントコイル、28c:頭頂部、41U,41V,41W:交流端子、100:回転電機、130:固定子、132:固定子鉄心、138,138U,138U1,138U2:固定子コイル、140a140b:コイルエンド、150:回転子、400U:ブリッジ線、420:スロット、500:連結部、500U1,500U2:口出し線、501U1,501U2:折り曲げ部、502U1,502U2:端子部、511U1:第1導体部、512U1:第2導体部、600:絶縁膜、701U1,701U2,702U1,702U2:副コイル、711U1,711V1,711W1,712U2,712V2,712W2:中性線、B:屈曲部、S:直線部、P1〜P12:ピン位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に並んだ複数のスロットが形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心の前記スロット内に挿入された絶縁被膜付き固定子コイルを有する固定子と、
前記固定子鉄心に対して所定隙間を介して回転可能に配置された回転子と、を備える回転電機において、
前記固定子コイルは、
矩形断面の導体を予め略U字形状に成形したセグメントコイルが複数接続された複数相の主コイルと、
前記スロットから引き出されて交流端子が取り付けられる口出し線を含み、前記各主コイルの一方の端部に接続される第1の副コイルと、
前記スロットから引き出される中性線を含み、前記各主コイルの他方の端部に接続される第2の副コイルと、を備え、
前記口出し線および前記中性線は、複数の直線部および屈曲部から構成された折り曲げ構造の導体で構成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記口出し線は、前記スロットから引き出されて前記セグメントコイルの頭頂部に到るまでの第1導体領域と、口出し線先端部に設けられた前記交流端子が取り付けられる端子接続領域と、該端子接続領域と前記第1導体領域との間のコイルエンド這い回し領域とを有し、
前記コイルエンド這い回し領域の導体には前記屈曲部が2以上形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回転電機において、
前記各相の主コイルは、2つの分割主コイルをブリッジコイルで接続したものであって、
前記ブリッジコイルは、2つの前記スロットを跨ぐようにスロット外に引き出された連結領域を有し、
前記連結領域は、複数の直線部および屈曲部から構成された折り曲げ構造の導体で構成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回転電機において、
前記屈曲部は、導体に成形ピンを当接させつつ該導体を曲げるフォーミング加工により形成された屈曲部であって、成形ピンによる圧痕が前記屈曲部に形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項5】
請求項4に記載の回転電機において、
前記屈曲部の曲げ半径が全て同一寸法であることを特徴とする回転電機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回転電機において、
前記直線部および屈曲部が形成されている導体領域に絶縁塗膜を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回転電機において、
前記固定子コイルは、前記口出し線および前記中性線が前記スロットの最内周側または最外周側から引き出されるような巻線構造を備えていることを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項1に記載の回転電機の製造方法であって、
導体に成形ピンを当接させつつ該導体を曲げるフォーミング加工を順に複数回行うことにより、前記複数の屈曲部を形成することを特徴とする回転電機の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−70518(P2013−70518A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207403(P2011−207403)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】