説明

回転電機

【課題】発熱部を効率的に冷却可能な小型で低コストの回転電機の提供。
【解決手段】電動モータ1は、モータハウジング2に固定されたステータ3と、ステータ3に対して半径方向外方に配置され、モータハウジング2内に回転可能に取り付けられたロータ4を備えている。ロータ4を形成する回転ボデー41のスリーブ41cの内周面には、ロータコア42を介して複数のマグネット43が円周上に固着されている。スリーブ41cには、ロータコア42を避けるように、ロータコア42の両端部に対する回転軸方向の外側に、スリーブ41cを貫通するオイル流入孔41fと冷却羽41gが形成されている。冷却羽41gは、ロータ4の回転方向に対して、オイル流入孔41fの直後に位置するとともに半径方向外方へ突出している。ロータ4が回転すると、冷却羽41gがモータハウジング2内の冷却オイルCを撥ね上げ、オイル流入孔41fを介してスリーブ41cの内方に流入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータに対して半径方向外方に対向するように配置されたロータを備えた回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクホイル内に配置されて車輪を回転させるインホイールモータによってポンプを駆動し、ポンプから吐出したオイルによりステータコイルを冷却するインホイールモータの冷却構造に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された冷却構造においては、ポンプから吐出されたオイルを、インホイールモータに供給するとともに冷却部材へと導き、冷却部材においてオイルの有する熱を大気によって奪っている。これにより、上述した冷却構造においては、車輪を駆動するインホイールモータを効率的に冷却することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−292184号公報(第8頁、図1および図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された冷却構造は、インホイールモータを冷却するためにポンプおよびそれに付随したオイル通路等を必要とし、装置が大型化するとともにコストの増大が避けられない。また、ポンプを駆動するために、インホイールモータの駆動力において、損失が発生するという問題もある。
ポンプを使用せずに、回転されたロータによってリザーバ内のオイルを撥ね上げ、モータの発熱部にオイルを供給するという冷却方法もある。しかし、当該方法をロータがステータに対して半径方向外方に配置されたアウタロータ型のモータに適用した場合、撥ね上げられたオイルが遠心力によって外方へと飛散し、モータの発熱部にオイルを供給することは困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発熱部を効率的に冷却可能な小型で低コストの回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る回転電機の発明の構成は、冷却油が貯蔵されたハウジングと、ハウジングに対して固定されたステータボデーを有するステータと、ハウジング内に回転可能に取り付けられ、ステータに対して半径方向外方に対向するロータ円筒部を有する回転ロータと、を備え、ステータボデーの外周面およびロータ円筒部の内周面のうちの一方には、半径方向外方または半径方向内方に突出するとともに、それぞれコイルが巻回された複数のティースが互いの間に所定の間隔を有して円周上に並設され、ステータボデーの外周面およびロータ円筒部の内周面のうちの他方には、互いの間に所定の間隔を有するように円周上に配置された複数の磁石が設けられており、ロータ円筒部には、内外を連通する貫通孔と、回転ロータの回転方向に対して、貫通孔の直後に位置するとともに半径方向外方へ突出し、回転ロータの駆動により冷却油を撥ね上げ可能なオイルキャッチ片と、が形成されたことである。
尚、上述した貫通孔は周囲が閉じられた孔のみではなく、ロータ円筒部の端部に形成されることにより、その一部が開口したスリット状を呈するものも含まれるものとする。
【0006】
請求項2に係る発明の構成は、請求項1の回転電機において、ロータ円筒部の内周面には、積層鋼板を介して磁石が取り付けられており、貫通孔およびオイルキャッチ片は、ロータ円筒部において積層鋼板が設けられていない回転軸方向の外側に形成されたことである。
【0007】
請求項3に係る発明の構成は、請求項1の回転電機において、貫通孔およびオイルキャッチ片は、ロータ円筒部の磁石同士の間において回転軸方向に延在していることである。
【0008】
請求項4に係る発明の構成は、請求項1乃至3のうちのいずれかの回転電機において、オイルキャッチ片および貫通孔は、ロータ円筒部を半径方向外方へ切り起こすことにより形成されたことである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る回転電機によれば、ロータ円筒部には、内外を連通する貫通孔と、回転ロータの回転方向に対して、貫通孔の直後に位置するとともに半径方向外方へ突出し、回転ロータの駆動により冷却油を撥ね上げ可能なオイルキャッチ片と、が形成されたことにより、回転ロータが駆動されると、オイルキャッチ片によってハウジング内に貯蔵された冷却油が撥ね上げられて、貫通孔を介してロータ円筒部の内方へと供給されるため、ロータ円筒部の内方において飛散した冷却油により、発熱部を効率的に冷却することができる。また、ポンプ等を必要としないため、小型で低コストの回転電機にすることができる。
尚、上述した構成において、「貫通孔の直後に位置する」とは、撥ね上げられた冷却油が、貫通孔を介してロータ円筒部の内方へと供給され得るオイルキャッチ片の位置範囲を全て含むものとする。
【0010】
請求項2に係る回転電機によれば、貫通孔およびオイルキャッチ片が、ロータ円筒部において積層鋼板が設けられていない回転軸方向の外側に形成されたことにより、磁石による磁力が大きいために積層鋼板が設けられた回転ロータにおいても、オイルキャッチ片による冷却機能を備わせることができる。
【0011】
請求項3に係る回転電機によれば、貫通孔およびオイルキャッチ片は、ロータ円筒部の磁石同士の間において回転軸方向に延在していることにより、ステータあるいは回転ロータを広範囲に冷却することが可能になる。
【0012】
請求項4に係る回転電機によれば、オイルキャッチ片および貫通孔は、ロータ円筒部を半径方向外方へ切り起こして形成されたことにより、プレス工程によってロータ円筒部にオイルキャッチ片および貫通孔を同時に形成することができ、低コストの回転電機にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1による電動モータの軸方向断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図2に示したロータのスリーブを下方から見た場合の部分拡大図
【図4】実施形態2による電動モータの軸方向断面図
【図5】図4のB−B断面図
【図6】図5に示したロータのスリーブを下方から見た場合の部分拡大図
【図7】実施形態3による電動モータの軸方向断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
図1乃至図3に基づき、本発明の実施形態1による電動モータ1(回転電機に該当する)について説明する。尚、説明中において半径方向または円周方向といった場合、ロータ4の回転軸φ(図1示)を中心とした半径方向または円周方向を意味しているものとする。また、説明中において回転軸といった場合、特に断らなければ、上述した回転軸φを意味している。
【0015】
図1に示したように、電動モータ1はモータハウジング2(ハウジングに該当する)に固定されたステータ3と、モータハウジング2内に回転可能に取り付けられたロータ4(回転ロータに該当する)とを備えている。電動モータ1は、ロータ4がステータ3に対して半径方向外方に対向するように配置されているアウタロータ型の同期モータである。
モータハウジング2は、椀状のハウジングケース21と、ハウジングケース21の開口21aを封止する円板状のハウジングカバー22とにより形成されている。ハウジングケース21とハウジングカバー22とは液密的に固着しており、モータハウジング2内の下方には、冷却オイルC(冷却油に該当する)が貯留している。
【0016】
図1に示すように、ハウジングケース21には、回転軸φを中心としてハウジングカバー22に向けて突出した凸部21bが形成されている。凸部21bの外周面は真円状に形成されており、周上にはステータ3に含まれるステータコア31が嵌着されている(図2示)。
ステータコア31は、回転軸方向に複数の電磁鋼板が積層されて形成されており、凸部21bに固着された軸部31a(ステータボデーに該当する)と、軸部31aの外周面から半径方向外方に突出した複数のコアティース31b(ティースに該当する)を有している。コアティース31bは、互いの間に所定の間隔を有して円周上に並ぶように設けられている。
図2に示すように、それぞれのコアティース31bには、ステータコイル32(コイルに該当する)が巻回されている。各々のステータコイル32は、各給電相ごとに外部から交流電流が印加可能に構成されている。本実施形態においては、ステータコア31とステータコイル32とによってステータ3が形成されている。
【0017】
一方、ハウジングカバー22の中心部には、シャフト支持孔22aが貫通している。シャフト支持孔22aには、軸受23を介してロータ4の回転ボデー41が、回転軸を中心に回転可能に取り付けられている。
回転ボデー41は、ハウジングカバー22に支持された支持部41aと、支持部41aから半径方向に延びた拡張部41bと、拡張部41bから回転軸方向に延びる円筒形状のスリーブ41c(ロータ円筒部に該当する)とにより形成されている。図1に示すように、スリーブ41cはステータ3に対して半径方向外方に対向するように配置されている。支持部41aの内部には駆動軸41dが固着されており、ロータ4の回転が駆動軸41dを介して外部へと伝達可能に形成されている。
スリーブ41cには薄肉部41eが形成されており、薄肉部41eの内周面にはロータコア42(積層鋼板に該当する)が圧入されている。ロータコア42は、回転軸方向に複数のケイ素鋼板(電磁鋼板)が積層されて形成されている。
【0018】
さらに、ロータコア42の内周面には、複数のマグネット43(磁石に該当する)が接着剤等により固着されている。マグネット43は、互いの間に所定の間隔を有するように円周上に配置されている(図2示)。本実施形態においては、回転ボデー41、ロータコア42およびマグネット43によりロータ4が形成されている。
上述した構成を有する電動モータ1において、外部からステータコイル32に交流電流が流入することにより、ステータ3において回転磁界が発生し、半径方向に対向するロータ4が図2において反時計回り(図2における矢印方向)に回転する。
【0019】
スリーブ41cには、回転ボデー41の内外を連通する矩形状のオイル流入孔41f(貫通孔に該当する)が形成されている(図3示)。オイル流入孔41fは、スリーブ41cにおいてロータコア42が設けられていない部位である、ロータコア42の両端部に対する回転軸方向の外側に形成されている。
尚、回転軸方向に並んだ一対のオイル流入孔41fの内、スリーブ41cの端部側に形成されたものは、その一部(図1における左端)が開口しており、スリット状に形成されている(図3示)。図2に示したように、オイル流入孔41fは、スリーブ41cの円周上において対向する2か所に形成されており、したがって、本実施形態によるロータ4においては合計4個設けられている。
また、スリーブ41cには、ロータ4の回転方向に対して、オイル流入孔41fの直後に位置するように、冷却羽41g(オイルキャッチ片に該当する)が形成されている。冷却羽41gは、スリーブ41cの外周面から半径方向外方へ突出するとともに、ロータ4の回転方向に傾斜しており、オイル流入孔41fの外方に被っている(図2示)。
冷却羽41gはオイル流入孔41fと同様に、スリーブ41cにおいてロータコア42が設けられていない部位である、ロータコア42の両端部に対する回転軸方向の外側に形成されている。また、オイル流入孔41fと同様に、冷却羽41gは、スリーブ41cの円周上において対向する2か所に形成されており、ロータ4において合計4個設けられている。
オイル流入孔41fおよび冷却羽41gは、スリーブ41cの薄肉部41eを半径方向外方に切り起こすことにより形成されている。
【0020】
以上、説明した電動モータ1において、ロータ4が回転すると、スリーブ41cに設けられた冷却羽41gによって、モータハウジング2内に貯蔵された冷却オイルCが撥ね上げられ、オイル流入孔41fを介してスリーブ41cの内方へと供給される。
スリーブ41c内部において飛散した冷却オイルCは、ステータコイル32のコイルエンドの隙間に入り込んで、ステータコイル32を効率的に冷却する。また、スリーブ41cの内方へと供給された冷却オイルCは、ロータ4のマグネット43も冷却することが可能である。発熱部を冷却した冷却オイルCは、モータハウジング2に対して放熱することにより再度冷却される。
【0021】
本実施形態によれば、ポンプ等を必要とせずに、冷却羽41gによって撥ね上げられた冷却オイルCによって、発熱部を効率的に冷却することができるため、小型で低コストの電動モータ1にすることができる。
また、オイル流入孔41fおよび冷却羽41gがスリーブ41cにおいてロータコア42が設けられていない部位である、ロータコア42の両端部に対する回転軸方向の外側に形成されたことにより、マグネット43による磁力が大きいためにロータコア42が設けられたロータ4においても、冷却羽41gによる冷却機能を備わせることができる。
【0022】
すなわち、マグネット43による磁力が大きいために、渦電流損を低減することを目的としてスリーブ41cの内周面にロータコア42が設けられている場合、積層されたケイ素鋼板であるロータコア42を貫通させることができないため、冷却オイルCをスリーブ41c内に流入させることが困難になる。しかしながら、本実施形態においては、オイル流入孔41fおよび冷却羽41gが回転軸方向の外側に形成されたことにより、ロータコア42を貫通させずに冷却オイルCをスリーブ41c内に流入させることができる。
また、オイル流入孔41fおよび冷却羽41gは、スリーブ41cを半径方向外方へ切り起こして形成されたことにより、プレス工程によってスリーブ41cにオイル流入孔41fおよび冷却羽41gを同時に形成することができ、低コストの電動モータ1にすることができる。
【0023】
<実施形態2>
図4乃至図6に基づき、本発明の実施形態2による電動モータ1A(回転電機に該当する)について説明する。尚、本実施形態において、実施形態1の場合と同様の構成については同じ符号を付している。
図4に示したように、本実施形態による電動モータ1Aにおいて、モータハウジング2およびステータ3については、実施形態1の場合と同様に形成されている。
【0024】
本実施形態のロータ4Aは、実施形態1の場合と異なりロータコア42を備えておらず、回転ボデー41Aの薄肉部41e上に、複数のマグネット43が接着剤等により固着されている。マグネット43は、互いの間に所定の間隔を有するように円周上に配置されている(図5示)。本実施形態においては、回転ボデー41Aおよびマグネット43によりロータ4Aが形成されている。
【0025】
マグネット43同士の間において、薄肉部41eは半径方向外方に切り起こされ、オイル流入孔41h(貫通孔に該当する)および冷却羽41i(オイルキャッチ片に該当する)が形成されている。オイル流入孔41hおよび冷却羽41iは、ともにスリーブ41c上のマグネット43同士の間において回転軸方向に延びている(図6示)。
オイル流入孔41hは、その一端(図4における左端)がスリーブ41cの端部において開口しており、スリット状に形成されている。図5に示したように、オイル流入孔41hおよび冷却羽41iは、スリーブ41cの円周上において対向する2か所に形成されており、本実施形態によるロータ4Aにおいてはそれぞれ合計2個設けられている。
【0026】
本実施形態による電動モータ1Aにおける、その他の構成および作動方法については実施形態1の場合と同様であるため、説明は省略する。
本実施形態によれば、オイル流入孔41hおよび冷却羽41iは、スリーブ41cのマグネット43同士の間において回転軸方向に延びていることにより、ステータ3あるいはロータ4Aを広範囲に冷却することが可能になる。
【0027】
<実施形態3>
図7に基づき、本発明の実施形態3による電動モータ1B(回転電機に該当する)について説明する。尚、本実施形態において、実施形態1の場合と同様の構成については同じ符号を付している。
図7に示したように、本実施形態による電動モータ1Bにおけるステータ3Bは、ハウジングケース21の凸部21b上に固着されたステータコア33(ステータボデーに該当する)を備えている。ステータコア33は、複数の電磁鋼板が回転軸方向に積層され円環状に形成されている。
【0028】
ステータコア33の外周面上には、複数のマグネット34(磁石に該当する)が接着剤等により固着されている。マグネット34は、互いの間に所定の間隔を有するように円周上に配置されている。本実施形態においては、ステータコア33およびマグネット34によりステータ3Bが形成されている。
【0029】
一方、本実施形態によるロータ4Bは、実施形態1の場合と同様に、スリーブ41cを具備した回転ボデー41を備えている。スリーブ41cの薄肉部41e上には、複数のコアティース44(ティースに該当する)が固着されている。各々のコアティース44は、複数の電磁鋼板が回転軸方向に積層されて形成されており、互いの間に所定の間隔を有するように円周上に配置されている。
【0030】
また、それぞれのコアティース44には、ロータコイル45(コイルに該当する)が巻回されている。各々のロータコイル45には、図示しないブラシを介して、各給電相ごとに外部から交流電流が印加され、ロータ4Bが回転される。本実施形態においては、回転ボデー41、コアティース44およびロータコイル45によりロータ4Bが形成されている。
【0031】
スリーブ41cの薄肉部41eには、実施形態1の場合と同様に、回転ボデー41の内外を連通するオイル流入孔41fと、ロータ4Bの回転方向に対して、オイル流入孔41fの直後に位置する冷却羽41gとが形成されている。オイル流入孔41fおよび冷却羽41gは、スリーブ41cにおいてコアティース44が設けられていない部位である、コアティース44の両端部に対する回転軸方向の外側に形成されている。
本実施形態による電動モータ1Bにおける、その他の構成および作動方法については実施形態1の場合と同様であるため、説明は省略する。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
実施形態1または実施形態3による電動モータ1、1Bにおいて、オイル流入孔41fおよび冷却羽41gは、スリーブ41c上において、ロータコア42またはコアティース44の一方の端部の外側のみに形成してもよい。
【0033】
また、実施形態3による電動モータ1Bにおいて、オイル流入孔41fおよび冷却羽41gは、スリーブ41c上のコアティース44同士の間において回転軸方向に延在するように形成してもよい。
また、本発明は、同期モータ、誘導モータあるいはそれ以外のあらゆる電動モータもしくは発電機といった回転電機に適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
図面中、1,1A,1Bは電動モータ(回転電機)、2はモータハウジング(ハウジング)、3,3Bはステータ、4,4A,4Bはロータ(回転ロータ)、31aは軸部(ステータボデー)、31b,44はコアティース(ティース)、32はステータコイル(コイル)、33はステータコア(ステータボデー)、34,43はマグネット(磁石)、41cはスリーブ(ロータ円筒部)、41f,41hはオイル流入孔(貫通孔)、41g,41iは冷却羽(オイルキャッチ片)、42はロータコア(積層鋼板)、45はロータコイル(コイル)、Cは冷却オイル(冷却油)、φは回転軸を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却油が貯蔵されたハウジングと、
前記ハウジングに対して固定されたステータボデーを有するステータと、
前記ハウジング内に回転可能に取り付けられ、前記ステータに対して半径方向外方に対向するロータ円筒部を有する回転ロータと、
を備え、
前記ステータボデーの外周面および前記ロータ円筒部の内周面のうちの一方には、半径方向外方または半径方向内方に突出するとともに、それぞれコイルが巻回された複数のティースが互いの間に所定の間隔を有して円周上に並設され、
前記ステータボデーの外周面および前記ロータ円筒部の内周面のうちの他方には、互いの間に所定の間隔を有するように円周上に配置された複数の磁石が設けられており、
前記ロータ円筒部には、
内外を連通する貫通孔と、
前記回転ロータの回転方向に対して、前記貫通孔の直後に位置するとともに半径方向外方へ突出し、前記回転ロータの駆動により前記冷却油を撥ね上げ可能なオイルキャッチ片と、
が形成された回転電機。
【請求項2】
前記ロータ円筒部の前記内周面には、積層鋼板を介して前記磁石が取り付けられており、前記貫通孔および前記オイルキャッチ片は、前記ロータ円筒部において前記積層鋼板が設けられていない回転軸方向の外側に形成された請求項1記載の回転電機。
【請求項3】
前記貫通孔および前記オイルキャッチ片は、前記ロータ円筒部の前記磁石同士の間において前記回転軸方向に延在している請求項1記載の回転電機。
【請求項4】
前記オイルキャッチ片および前記貫通孔は、前記ロータ円筒部を半径方向外方へ切り起こすことにより形成された請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の回転電機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−46463(P2013−46463A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181650(P2011−181650)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】