説明

回転電機

【課題】回転電機において、ケースが傾斜した場合でも、簡単な構成で、ケース内に貯留される潤滑用流体の液面を適切な状態とすることである。
【解決手段】回転電機10は、ケース12内に取り付けて配置されるステータコア16と、ステータコア16の内周面と、エアギャップ26を介して外周面が対向して配置されるロータコア22と、ケース12内の底部に貯留される潤滑用流体38と、ケース12のエアギャップ26の高さ位置に設けられる潤滑用流体38の通常排出口30と、通常排出口30よりも高い位置で、回転電機10が予め定めた傾斜条件のときに、潤滑用流体38の液面42が最も高くなる位置に設けられる潤滑用流体38の傾斜排出口32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に係り、特に、ケース内に潤滑用流体が貯留される回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、ケース内に、固定子と回転子を配置して構成される。固定子には、動作によって発熱する巻線コイルが含まれるので、その冷却をする必要がある。そのために、軸受等の潤滑に用いられる潤滑用流体を、巻線コイルの上方からかけて冷却することが行われる。巻線コイルにかけられた潤滑用流体はケース内の底部に貯まるので、例えば、オイルポンプで循環させる。その際に、ケース内に貯留されている潤滑用流体にロータが浸かると、ロータの回転によって潤滑用流体を撹拌することが生じ、撹拌抵抗による回転損失が発生するので、潤滑用流体の液面の高さの管理が必要になる。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両駆動装置の潤滑装置に関し、アスクルケースに貯留された潤滑油の油面に電動機のロータが浸漬されるとロータの回転抵抗が増大するので、適切な油面位置管理が必要であることが述べられている。ここでは路面勾配によって油面位置が変化することを、オイルポンプの流量調整で抑制することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−321927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術によれば、ケースが傾斜した場合でも、オイルポンプの流量調整で潤滑油の油面の高さの管理を行うことが述べられている。この場合、傾斜の検出と、油面の検出と、検出された油面の位置に応じたオイルポンプの流量制御等が必要で、複雑な構成となる。
【0006】
本発明の目的は、ケースが傾斜した場合でも、簡単な構成で、ケース内に貯留される潤滑用流体の液面を適切な状態とすることができる回転電機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る回転電機は、ケース内に取り付けて配置されるステータと、ステータの内周面と、エアギャップを介して外周面が対向して配置されるロータと、ケース内の底部に貯留される潤滑用流体と、ケースのエアギャップの高さ位置に設けられる潤滑用流体の通常排出口と、通常排出口よりも高い位置で、回転電機が予め定めた傾斜条件のときに、潤滑用流体の液面が最も高くなる位置に設けられる潤滑用流体の傾斜排出口と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る回転電機において、通常排出口は、ロータの中心軸を通る鉛直方向に沿って下方の位置に設けられ、傾斜排出口は、ロータの中心軸を通る鉛直方向からオフセットした位置であって、ロータの回転に干渉しない位置で、傾斜条件によって潤滑用流体の液面が最も高くなる位置に配置されることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る回転電機において、予め定めた傾斜条件は、回転電機が搭載される車両の走行時における傾斜角度に基づいて設定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
上記構成により、回転電機は、ケースのエアギャップの高さ位置に設けられる潤滑用流体の通常排出口と、通常排出口よりも高い位置で、回転電機が予め定めた傾斜条件のときに、潤滑用流体の液面が最も高くなる位置に設けられる潤滑用流体の傾斜排出口とを備える。これにより、通常時の場合も、傾斜時でも、液面を適切な状態とすることができる。
【0011】
また、回転電機において、傾斜排出口は、通常排出口が設けられるロータの中心軸を通る鉛直方向からオフセットした位置であって、ロータの回転に干渉しない位置で、傾斜条件によって潤滑用流体の油面が最も高くなる位置に配置される。このように傾斜排出口の位置を設定するだけで、通常時の場合も、傾斜時でも、液面を適切な状態とすることができる。
【0012】
また、回転電機において、予め定めた傾斜条件は、回転電機が搭載される車両の走行時における液面の傾斜角度に基づいて設定される。潤滑用流体は流体であるので、液面は、ケースの傾斜と同じ傾斜角度となる他に、車両の旋回時の加速度の変化等によって傾斜することが生じ得る。傾斜条件は、このような車両の走行時における液面の傾斜角度に適合したものとできるので、車両の走行時において、液面を適切な状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施の形態の回転電機の断面図等である。
【図2】本発明に係る実施の形態の回転電機において、通常排出口の配置関係を示す図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の回転電機において、傾斜排出口の配置関係を示す図である。
【図4】比較例としての排出口を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、車両に搭載される回転電機を述べるが、これは説明のための例示であって、車両搭載用でなくても、傾斜することがある回転電機であればよい。また、電磁鋼板を積層したステータコアと、電磁鋼板を積層し、内部に永久磁石が埋め込まれたロータコアを説明するが、これは例示であって、電磁鋼板以外のコア片を積層するものであってもよい。また、これ以外の構成のステータコア、ロータコアであってもよい。例えば、電磁鋼板の積層型でなく、鋼材を加工した一体型コアでもよく、磁粉を成形したコアであってもよい。ステータコアは分割型コアであってもよい。ロータコアにおいて、永久磁石は電磁鋼板の表面に配置されてもよく、また、永久磁石を用いないリラクタンス型コアであってもよい。
【0015】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0016】
図1は、車両に搭載される回転電機10の正面図と側面図である。正面図は、回転軸の軸方向から見た図で、一部が断面図で示されている。側面図は、回転軸の軸方向を側面から見た図で、断面図で示されている。
【0017】
回転電機10は、ケース12と、ケース12に対し回転自在に支持される回転軸14と、ケース12に取り付け固定されるステータコア16と、ステータコア16に巻回された巻線コイルがステータコア16の軸方向端部から突き出すコイルエンド18,20と、回転軸14に取り付け固定されるロータコア22と、ロータコア22に埋め込まれる永久磁石24を含んで構成される。ここで、ケース12の内部空間には、潤滑用流体38が貯留され、ケース12には、潤滑用流体38の排出のために通常排出口30と傾斜排出口32が設けられる。なお、図1には、通常排出口30を挟んで、傾斜排出口32と傾斜排出口33が対称的に配置される様子が示されるが、回転電機10の仕様によっては、傾斜排出口33を設けても設けなくてもよいので、以下では、特に断らない限り、傾斜排出口32について説明する。
【0018】
ケース12は、内部に回転電機10のステータとロータを収容し、その潤滑と冷却のための潤滑用流体を貯留する筐体であって、通常排出口30と傾斜排出口32を除いて、液密とされる構造を有する。
【0019】
回転軸14は、回転電機10の出力軸である。回転軸14は、その両端部が図示されていない軸受機構によって、ケース12に対し、回転自在に支持される。回転軸14の軸方向がケース12を含めて、回転電機10の軸方向であって、重力に対し、水平方向に配置されるように設定される。したがって、ケース12内の底部に貯留される潤滑用流体38の通常時の液面は、回転軸14の軸方向に平行である。
【0020】
ステータコア16は、回転電機10の固定子であるステータを構成する部材で、所定の形状に成形された電磁鋼板を軸方向に沿って複数枚積層したものが用いられる。ステータコア16の外周部は、ケース12の内壁に取り付けられ固定される。
【0021】
ステータコア16にはステータの磁極となるティースと呼ばれる突出部と、隣接するティースの間で巻線コイルが巻回される空間であるスロットが設けられる。コイルエンド18,20は、巻線コイルがステータコア16の軸方向の両端に突き出した部分である。
【0022】
ロータコア22は、回転電機10の回転子であるロータを構成する部材で、所定の形状に成形された電磁鋼板を軸方向に沿って複数枚積層したものが用いられる。ロータコア22の内周部は、回転軸14に取り付けられ固定される。永久磁石24は、ロータコア22の内部に埋め込まれ、ロータの磁極を形成する磁石である。
【0023】
エアギャップ26は、ステータコア16の内周面と、ロータコア22の外周面とが対向する間の隙間である。エアギャップ26は、ステータコア16の磁極とロータコア22の磁極の間に磁束が流れる磁気隙間であると共に、ステータコア16に対しロータコア22が回転するときに接触しないための回転隙間でもある。エアギャップ26の大きさは、回転電機10の仕様によって異なるが、例えば、数mm程度の間隔距離である。
【0024】
ケース12の底部に貯留される潤滑用流体38は、回転軸14を回転自在に支持する軸受機構を潤滑する流体であるが、回転電機10の動作によって発熱するコイルエンド18,20、ステータコア16等に供給することで、これらを冷却する機能を有する。
【0025】
潤滑用流体38は、図示されていないがケース12に設けられる供給口から回転電機10の外部より供給され、コイルエンド18,20の上方から重力を利用して、コイルエンド18,20にかかるように滴下される。これによってコイルエンド18,20を冷却し、ケース12の底部に貯まる。貯留された潤滑用流体38は、通常排出口30または傾斜排出口32から排出される。ここで、潤滑用流体38が貯留されると述べたが、貯留とは、ケース12の底部に収容されるという程度の意味で、常に静止しているわけではなく、効率的な冷却のために、適当な流動が行われている。
【0026】
潤滑用流体38としては、回転電機10と共に車両に搭載される他の機構部品の潤滑に用いられる流体を利用することができる。例えば、車両に搭載される動力伝達機構の潤滑に用いられるATF(Automatic Transmission Fluid)と呼ばれる潤滑油を潤滑用流体38として用いることができる。この場合には、ケース12に設けられる供給口が動力伝達機構の排油口と接続され、通常排出口30および傾斜排出口32が動力伝達機構の給油口に接続され、動力伝達機構と回転電機10との間をATFが循環する。
【0027】
ケース12には、潤滑用流体38を外部に排出する開口部として、通常排出口30と、傾斜排出口32が設けられる。2種類の排出口が設けられる。まず通常排出口30について説明する。図2は、もっぱら通常排出口30を説明するための図で、図1から傾斜排出口32の図示を省略したものである。図2では、重力方向をY方向とし、水平方向をX方向として示した。
【0028】
通常排出口30は、回転電機10の中心軸を通り鉛直方向に沿って下方の位置に設けられる開口部である。具体的には、回転軸14の中心点からY軸に平行におろしたC線と、エアギャップ26の交わる交点に設けられる開口部である。すなわち、通常排出口30は、ケース12のエアギャップ26の高さ位置に設けられる潤滑用流体38の通常時における排出口である。通常時とは、車両が停止時、あるいは平坦な路面を走行中のように、ケース12内の潤滑用流体38の液面40がほぼ水平状態のときである。通常排出口30は、通常時における潤滑用流体38の液面40の高さ位置が、エアギャップ26の高さ位置以上とならないように、具体的には、ロータコア22の外周側先端部が液面40よりも上方にくるように、液面40の位置を一定化する機能を有する。
【0029】
潤滑用流体38の液面40の高さ位置を、エアギャップ26の高さ位置に合わせる理由は、これより低いと、場合によってはコイルエンド18,20を潤滑用流体38に十分浸漬できないことが生じ得ることと、これより高いと、ロータコア22の外周先端部が潤滑用流体38に浸かり、ロータコア22が回転するときの損失が増大するためである。エアギャップ26は、上記の例では数mmの隙間間隔であるので、エアギャップ26の高さ位置とは、この数mmの幅があることになる。エアギャップ26の高さ位置に合わせる目的の1つは、ロータコア22の回転損失を抑制することであるので、ロータコア22が回転したときに、ロータコア22の回転によって潤滑用流体38が撹拌されて、撹拌抵抗による回転損失が生じる前に、潤滑用流体38を排出できる高さ位置を、通常排出口30の高さ位置であるエアギャップ26の高さ位置とする。
【0030】
具体的には、ロータコア22の外周先端部がわずかに潤滑用流体38の液面40の上となるように、通常排出口30の開口部の最低位置を設定する。わずかに、とは、1mm程度でよい。このようにすることで、ロータコア22が回転して潤滑用流体38がそれにつれて流動し、液面が波立つが、その波立ち量が約1mmまではロータコア22の外周先端部は潤滑用流体に漬からない。それまでの間に、波立ちによる分が通常排出口30から外部に排出される。これによって、ロータコア22の回転によって潤滑用流体38が大きく波立って撹拌されることで撹拌抵抗による回転損失が増大する前に、潤滑用流体38が外部に排出されるので、ロータコア22の回転抵抗の増大を抑制できる。
【0031】
このようにして、ロータコア22の外周先端部を潤滑用流体38に漬からないようにしながら、コイルエンド18,20の冷却を効率的に行うことができる。
【0032】
以上で、通常排出口30の説明が終了するので、次に、傾斜排出口32について説明する。車両は平坦な路面を走行するだけでなく、坂道を登り、あるいは下ることもあり、また、凹凸路面を走行することもある。また、右折左折等のために旋回することもある。また、加速減速を行うこともある。これらのように、車両の走行状態によって、車体が傾斜し、あるいは、加速度の変化が生じると、回転電機10のケース12内の潤滑用流体38の液面が傾斜する。
【0033】
図3は、このような車両の走行時の傾斜条件によって傾斜した液面42に対応して設けられる傾斜排出口32を示す図である。傾斜した液面42は重力の影響で曲面となるが、近似的な傾斜面の方向がX方向で示されている。車両の走行時の傾斜条件は、車両の走行仕様によって、予めその範囲を定めることができる。例えば、液面42の最大傾斜角度を±30度と定めることができる。勿論、車両の走行仕様によっては、これ以外の設定とすることができる。
【0034】
図3では、1つの例として、ロータコア22の撹拌抵抗が最も影響すると考えられる車両の登坂時の場合に、液面42が−30度傾斜した場合が示されている。この例では、車両の前後方向がX方向である。車両の登坂時において、傾斜角度が一定の坂道が続くと、この−30度に傾斜した液面42の状態が継続することになる。
【0035】
このように、潤滑用流体38について、水平状態の液面40から傾斜した液面42となると、図2の通常排出口30では、潤滑用流体38の排出が間に合わず、エアギャップ26がかなりの部分で潤滑用流体38に浸かる。これによって、ロータコア22が回転するときの撹拌抵抗が増大し、回転損失が増大する。傾斜排出口32は、液面42が傾斜して、液面42の一部が通常排出口30よりも高くなったときに、ロータコア22の回転による撹拌抵抗の増大の前に、潤滑用流体38を外部に排出する機能を有する。
【0036】
傾斜排出口32は、回転電機10の中心軸を通る鉛直方向からオフセットした位置であって、ロータコア22の回転に干渉しない位置で、傾斜条件によって潤滑用流体38の液面42が最も高くなる位置に配置される。具体的には、傾斜条件で定められる液面42の曲面がエアギャップ26と交わる最高点の高さ位置に傾斜排出口32が設けられる。その高さ位置を、回転軸14の中心点から鉛直方向におろしたC線から測ったオフセット距離Bと、通常時の液面40から鉛直方向に沿ったオフセット距離Cで示すことができる。オフセット距離B,Cは、傾斜条件が定まれば予め計算で求めることができる。
【0037】
このようにすることで、液面42が傾斜して、液面42の一部が通常排出口30よりも高くなったときでも、迅速に潤滑用流体38を外部に排出できるので、ロータコア22の回転による撹拌抵抗の増大を抑制できる。
【0038】
上記では、車両が登坂時に傾斜する液面42について説明した。同じ車両が降坂するときは、液面の傾斜角度の方向が逆となる。その場合には、図1に示すように、通常排出口30に対し、傾斜排出口32と対称の位置に配置される傾斜排出口33を設けるものとできる。車両の仕様上、回転電機10の駆動によって登坂する場合には、回転電機10の回転損失はできるだけ抑制したいが、回転電機10の制動によって降坂する場合には、回転電機10の回転損失が多少あってもよいとされるときには、傾斜排出口33を省略して、傾斜排出口32のみとすることができる。
【0039】
また、上記では、Y方向に平行な方向を車両の前後方向としたが、回転電機10の軸方向に平行な方向を車両の前後方向とする場合でも、同様に、通常排出口と傾斜排出口とを設けるものとできる。もっとも、軸方向に沿ったエアギャップ26の長さが長いときは、液面が傾斜したときに、ロータコア22が液面の下となる部分が多くなるので、傾斜排出口の排出能力を大きくすることが好ましい。
【0040】
図4は、比較例として、傾斜した液面42に対し、傾斜排出口を設けずに、1つの排出口で対応する回転電機50の構成を示す図である。この場合には、図1の通常排出口30と傾斜排出口32を連続的に接続し、場合によってはさらに傾斜排出口33も連続的に接続した開口部を有する1つの排出口52を設けることになる。これを図1の構成と比較すると、図4の場合には、複雑な形状の排出口52をケース12に加工する必要があるのに対し、図1の構成では、単に、2つの穴を開けて、これを通常排出口30と傾斜排出口32とできるので、簡単な加工で、同様の効果を得ることができる。穴を丸穴とすれば、加工もさらに簡単となる。
【0041】
このように、図1の構成によれば、液面42が傾斜する場合でも、開口部を1つ設けるのみの簡単な処理で、潤滑用流体38の液面40,42の高さ位置を適切なものとできる。そして、コイルエンド18,20を潤滑用流体38の液面40,42の下に漬けることができるので、潤滑用流体38の冷却性能を最大限利用することができる。また、通常排出口30、傾斜排出口32の開口部からの放熱も期待できる。また、通常排出口30、傾斜排出口32の高さ位置を、予めエアギャップ位置および傾斜条件に合わせて設定するので、特別な傾斜検出手段、液面検出手段を用いる必要がない。したがって、少ないコストで、潤滑用流体38の液面40,42を適切なものとできる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る回転電機は、車両に搭載される回転電機等として利用できる。
【符号の説明】
【0043】
10,50 回転電機、12 ケース、14 回転軸、16 ステータコア、18,20 コイルエンド、22 ロータコア、24 永久磁石、26 エアギャップ、30 通常排出口、32,33 傾斜排出口、38 潤滑用流体、40,42 液面、52 排出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に取り付けて配置されるステータと、
ステータの内周面と、エアギャップを介して外周面が対向して配置されるロータと、
ケース内の底部に貯留される潤滑用流体と、
ケースのエアギャップの高さ位置に設けられる潤滑用流体の通常排出口と、
通常排出口よりも高い位置で、回転電機が予め定めた傾斜条件のときに、潤滑用流体の液面が最も高くなる位置に設けられる潤滑用流体の傾斜排出口と、
を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
通常排出口は、ロータの中心軸を通る鉛直方向に沿って下方の位置に設けられ、
傾斜排出口は、ロータの中心軸を通る鉛直方向からオフセットした位置であって、ロータの回転に干渉しない位置で、傾斜条件によって潤滑用流体の液面が最も高くなる位置に配置されることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1に記載の回転電機において、
予め定めた傾斜条件は、回転電機が搭載される車両の走行時における傾斜角度に基づいて設定されることを特徴とする回転電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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