説明

図形表示装置及びプログラム

【課題】面積の計算についての学習効果を高める。
【解決手段】関数電卓1は、面積計算の学習用の課題図300を表示させ、ユーザ操作に応じて面積計算用の補助線310を描画表示させるCPU11を備える。そして、CPU11は、ユーザ操作に応じて、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320から抽出可能な複数の図形の何れかが指定図形として指定されて、ユーザ操作に応じて四則演算記号の何れかが指定演算記号として指定されると、面積計算式として指定図形と指定演算記号とを並べて表示させるとともに、面積計算式による計算対象の図形を組み合わせ図形320内で識別表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図形表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図形の表示を行う図形表示装置では、面積の計算ができるようになっており、例えば、複数の図形の中から少なくとも1つの図形をユーザが指定すると、指定された図形の総面積が計算されて、計算結果が表示されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、複雑な形状の図形の面積を計算する場合、補助線を入れることによって面積が計算しやすくなることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−285249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の図形表示装置では、単に指定された図形の総面積が表示されるだけなので、補助線の入れ方や計算の過程をユーザに考えさせることができず、高い学習効果を期待することはできない。
【0006】
本発明の課題は、面積の計算についての学習効果を高めることができる図形表示装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、図形表示装置において、
面積計算の学習用の課題図を表示させる課題図表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて面積計算用の補助線を描画表示させる補助線描画制御手段と、
前記課題図と前記補助線とを組み合わせた組み合わせ図形から抽出可能な複数の図形の何れかを、ユーザ操作に応じて指定図形として指定する図形指定手段と、
ユーザ操作に応じて四則演算記号の何れかを指定演算記号として指定する演算記号指定手段と、
面積計算式として、前記指定図形と前記指定演算記号とを並べて表示させる数式表示制御手段と、
前記面積計算式による計算対象の図形を前記組み合わせ図形内で識別表示させる数式対応領域識別表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の図形表示装置において、
ユーザ操作に応じて乗数として自然数を入力する乗数入力手段を備え、
前記指定演算記号として乗算記号が入力されるとともに、前記乗数が入力されると、当該乗算の対象となる前記組み合わせ図形内の図形を乗算対象図形として特定し、当該乗算対象図形と合同の図形を前記組み合わせ図形内から検知する乗算合同図形検知手段を備え、
前記数式対応領域識別表示制御手段は、前記乗数から1を引いた値を乗算合同図形個数として特定し、前記乗算合同図形検知手段により検知された図形の個数が前記乗算合同図形個数以上である場合に、前記乗算対象図形と、前記乗算合同図形検知手段により検知された図形のうちの前記乗算合同図形個数分と、を識別表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の図形表示装置において、
ユーザ操作に応じて除数として自然数を入力する除数入力手段を備え、
前記指定演算記号として除算記号が入力されるとともに、前記除数が入力されると、当該除算の対象となる前記組み合わせ図形内の図形を除算対象図形として特定し、当該除算対象図形に抽出可能な複数の図形が含まれる場合に、当該除算対象図形から互いに合同な図形を検知する除算合同図形検知手段を備え、
前記数式対応領域識別表示制御手段は、前記除算合同図形検知手段により検知された図形の個数を前記除数で割った値を除算合同図形個数として特定し、前記除算合同図形個数が自然数である場合に、前記除算合同図形検知手段により検知された図形のうちの前記除数合同図形個数分を識別表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の図形表示装置において、
前記指定図形の面積を計算する指定図形面積計算手段と、
前記指定図形面積計算手段による計算結果を表示させる指定図形面積表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の図形表示装置において、
前記指定図形が指定されると、当該指定図形の面積を計算する際の補助となる計算補助情報を表示させる計算補助情報表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の図形表示装置において、
前記指定図形の面積を計算するための指定図形計算式を、ユーザ操作に応じて入力する計算式入力手段と、
前記指定図形計算式の正誤を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表示させる判定結果表示制御手段と、
前記判定手段により前記指定図形の面積を計算するための指定図形計算式が正解であると判定された場合に、当該指定図形の面積を計算した結果を表示させる正解図形面積表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、プログラムにおいて、
コンピュータに、
面積計算の学習用の課題図を表示させる課題図表示制御機能と、
ユーザ操作に応じて面積計算用の補助線を描画表示させる補助線描画制御機能と、
前記課題図と前記補助線とを組み合わせた組み合わせ図形から抽出可能な複数の図形の何れかを、ユーザ操作に応じて指定図形として指定する図形指定機能と、
ユーザ操作に応じて四則演算記号の何れかを指定演算記号として指定する演算記号指定機能と、
面積計算式として、前記指定図形と前記指定演算記号とを並べて表示させる数式表示制御機能と、
前記面積計算式による計算対象の図形を前記組み合わせ図形内で識別表示させる数式対応領域識別表示制御機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、面積計算の学習用の課題図が表示され、ユーザ操作に応じて面積計算用の補助線が描画表示され、課題図と補助線とを組み合わせた組み合わせ図形から抽出可能な複数の図形の何れかが、ユーザ操作に応じて指定図形として指定され、ユーザ操作に応じて四則演算記号の何れかが指定演算記号として指定され、面積計算式として指定図形と指定演算記号とが並べて表示され、面積計算式による計算対象の図形が組み合わせ図形内で識別表示されるようになっている。すなわち、ユーザに補助線を入力させることができるとともに、ユーザに指定図形や指定演算記号を指定させることができるため、補助線の入れ方や計算の過程をユーザに考えさせることができ、学習効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図形面積計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図形面積計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図形面積計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】計算補助情報作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)は課題図を示す図、(b)は図形表示データ記憶領域を示す図である。
【図8】(a)は組み合わせ図形を示す図、(b)は抽出図形データ記憶領域を示す図、(c)は計算補助情報記憶領域を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図10】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】(a)は課題図を示す図、(b)は図形表示データ記憶領域を示す図である。
【図13】(a)は組み合わせ図形を示す図、(b)は抽出図形データ記憶領域を示す図、(c)は計算補助情報記憶領域を示す図である。
【図14】(a)は組み合わせ図形を示す図、(b)は抽出図形データ記憶領域を示す図、(c)は計算補助情報記憶領域を示す図である。
【図15】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図16】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図17】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図18】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図19】(a)は課題図を示す図、(b)は図形表示データ記憶領域を示す図である。
【図20】(a)は組み合わせ図形を示す図、(b)は抽出図形データ記憶領域を示す図、(c)は計算補助情報記憶領域を示す図である。
【図21】(a)は組み合わせ図形を示す図、(b)は抽出図形データ記憶領域を示す図、(c)は計算補助情報記憶領域を示す図である。
【図22】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図23】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図24】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図25】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図26】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図27】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図28】ディスプレイの表示内容を示す図である
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0017】
[1.1 外観構成]
図1は、本発明に係る図形表示装置を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0018】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、DELキー24、EXITキー25、シフトキー26等を備えている。
【0019】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧、分数の括線、根号(√)、対数記号、定数(円周率「π」や光速度「c」等)、三角関数記号など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
【0020】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルCR1や矢印カーソルCR2(図9(a)等参照)を所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0021】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後には演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。DELキー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。EXITキー25は、関数電卓1における各種処理の終了指示の入力操作を受けるキーである。
【0022】
シフトキー26は、各キーの機能を切り替える場合などに他のキーと組み合わせて押下されるキーである。具体的には、例えば、テンキー20のうちの「・」キーは、シフトキー26と組み合わせて操作されることにより、「=」キーとして機能するようになっている。
【0023】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。また、図中、ディスプレイ3の表示画面において所定のパターンで網掛けされた領域は、この領域に対する符号の対応色(「B」:青色(Blue)、「M」:マゼンタ(Magenta)、「Y」:黄色(Yellow)、「S」:水色(Sky blue)、「G」:緑色(Green))によって当該領域内が塗り潰されていることを示している。
【0024】
[1.2 機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0025】
この図に示すように、関数電卓1は、キー入力部14と、表示部15と、記録媒体読取部50と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0026】
キー入力部14は、上述の入力キー群2を備えており、押下されたキーに対応する操作信号をCPU11に出力するようになっている。
【0027】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。また、この表示部15は、ディスプレイ3と一体的に設けられたタッチパネル30を備えており、表示画面に対する入力ペンの接触位置情報をCPU11に出力するようになっている。
【0028】
記録媒体読取部50は、プログラムやデータ等を記憶する記録媒体51からプログラムやデータ等を読み取るようになっている。この記録媒体51は、磁気的、光学的記憶媒体、若しくは半導体メモリにより構成されており、関数電卓1に対応する各種処理プログラムや、各種処理プログラムに基づいて処理されたデータ等を記憶している。なお、記録媒体51は、記録媒体読取部50に固定的に設けられたものでも良いし、着脱自在に装着されたものでも良い。
【0029】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。例えば、本実施の形態におけるRAM12は、ワークエリアとして図形表示データ記憶領域120、抽出図形データ記憶領域121及び計算補助情報記憶領域122を有している。
【0030】
図形表示データ記憶領域120には、後述の図形面積計算処理(図3〜図5参照)において面積計算の学習用の課題図300をディスプレイ3に表示するために必要なデータが記憶されるようになっている。
【0031】
本実施の形態において、図形表示データ記憶領域120には、例えば、図7(b)に示すように、課題図300を構成する図形の図形名と、その図形の位置と、その図形が面積計算図形に含まれるか否かに関する情報(以下「面積計算情報」という。)とが対応付けられて記憶される。なお、本実施の形態では、課題図300を、複数の図形が組み合わされて構成されるものとして説明するが、課題図300は、1つの図形により構成されるものであってもよい。
【0032】
ここで、「位置」とは、課題図300を構成する図形の頂点の座標や半径などである。具体的には、例えば、課題図300を構成する図形に正方形や長方形が含まれる場合、図形名「正方形」や「長方形」に対応付けて、位置「(x,y)−(x,y)」(何れか一方の対角線上で互いに対向する各頂点の座標)が記憶される。
【0033】
また、例えば、課題図300を構成する図形に直角三角形や直角三角形以外の三角形が含まれる場合、図形名「直角三角形」や「三角形」に対応付けて、位置「(x,y)−(x,y)−(x,y)」(各頂点の座標)が記憶される。
【0034】
また、例えば、課題図を構成する図形に円が含まれる場合、図形名「円」に対応付けて、位置「中心:O=(x,y)」(中心の座標)及び「半径:r=r」(半径の長さ)が記憶される。
【0035】
また、例えば、課題図300を構成する図形に扇形が含まれる場合、図形名「扇形」に対応付けて、位置「中心:O=(x,y)」(当該扇形の中心角をなす2本の辺の交点の座標)、「半径:r=r」(当該扇形の中心角をなす2本の辺それぞれの長さ)及び「(x,y)−(x,y)」(当該扇形の円弧部分の始点及び終点の座標)が記憶される。
【0036】
また、「面積計算図形」とは、課題図300に含まれる図形のうち、面積計算を行う計算対象の図形のことである。例えば、対応する図形が面積計算図形に含まれる場合には、面積計算情報として「含む」が記憶され、対応する図形が面積計算図形に含まれない場合には、面積計算情報として「除外」が記憶される。また、対応する図形が面積計算図形に含まれるか否か不明である場合には、面積計算情報がデフォルト設定のままとなる。
【0037】
具体的には、例えば、課題図300が図7(a)に示すような図形である場合、図形表示データ記憶領域120には、図7(b)に示すようなデータが記憶される。ここで、図7(a)においては、課題図300を太線で示し、面積計算図形をドットパターンで網掛けすることによって識別している。
【0038】
図7(a)に示す課題図300を構成する図形には、一辺の長さが「10」の正方形が含まれており、当該正方形は面積計算図形に含まれるため、図7(b)に示すように、図形表示データ記憶領域120には、図形名「正方形」と、位置「(0,0)−(10,10)」と、面積計算情報「含む」とが対応付けられて記憶される。
【0039】
また、図7(a)に示す課題図300を構成する図形には、中心の座標が(5,10)である半径が「5」の円が含まれており、当該円は面積計算図形に含まれるため、図7(b)に示すように、図形表示データ記憶領域120には、図形名「円」と、位置「中心:O=(5,10) 半径:r=5」と、面積計算情報「含む」とが対応付けられて記憶される。
【0040】
また、図7(a)に示す課題図300を構成する図形には、中心の座標が(5,10)である半径が「2.5」の円も含まれているが、当該円は面積計算図形に含まれないため、図7(b)に示すように、図形表示データ記憶領域120には、図形名「円」と、位置「中心:O=(5,10) 半径:r=2.5」と、面積計算情報「除外」とが対応付けられて記憶される。
【0041】
抽出図形データ記憶領域121には、後述の図形面積計算処理(図3〜図5参照)において課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320から抽出される抽出図形に関するデータが記憶されるようになっている。
【0042】
本実施の形態において、抽出図形データ記憶領域121には、例えば、図8(b)に示すように、抽出図形の図形番号と、その抽出図形の図形名と、その抽出図形の位置と、その抽出図形の識別色と、その抽出図形の面積計算情報とが対応付けられて記憶される。
【0043】
ここで、「図形番号」とは、抽出図形が抽出された順番を示す番号である。なお、本実施の形態では、組み合わせ図形320から面積が大きい順に抽出図形を抽出することとして説明するが、抽出図形を抽出する順番は任意であり、例えば、面積が小さい順に抽出することとしてもよい。
【0044】
また、「識別色」とは、対応する抽出図形を識別表示するために使用する色のことである。本実施の形態においては、図形番号が小さい順に、「青色」、「マゼンタ」、「黄色」、「水色」、「緑色」、…が設定されるようになっている。例えば、識別色として「青色」が記憶されている場合、対応する抽出図形は青色で塗り潰されることによって識別表示される。なお、本実施の形態では、各抽出図形を異なる色で塗り潰すことによって識別表示することとして説明するが、各抽出図形を識別できるのであれば、識別表示の仕方は任意であり、例えば、各抽出図形を異なる色の斜線で網掛けすることによって識別表示することとしてもよいし、各抽出図形を異なる色の線で囲うことによって識別表示することとしてもよい。また、識別表示の仕方は、色(有彩色)を用いたものに限定されず、各抽出図形を識別できるのであれば任意であり、例えば、明度(階調)の異なる無彩色を用いたものであってもよいし、異なる網掛けパターンを用いたものであってもよいし、線種が異なる囲み線を用いたものであってもよい。
【0045】
具体的には、ユーザは、入力キー群2を操作して、ディスプレイ3に表示されている課題図300に、面積計算用の補助線310を入力するようになっている。そして、補助線310が入力されると、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320から抽出可能な複数の図形が抽出図形として抽出されるようになっている。例えば、図7(a)に示す課題図300に対して、始点の座標が(0,10)で終点の座標が(10,10)である補助線310が入力された場合、組み合わせ図形320は、図8(a)にて太線で示すような図形となる。この場合、抽出図形データ記憶領域121には、図8(b)に示すようなデータが記憶される。
【0046】
図8(a)に示す組み合わせ図形320においては、一辺の長さが「10」の正方形と、半径が「5」の上半円と、半径が「2.5」の円と、半径が「2.5」の上半円と、半径が「2.5」の下半円とが抽出図形として抽出可能となっている。
【0047】
そして、各抽出図形の面積の大きさは、(一辺の長さが「10」の正方形)>(半径が「5」の上半円)>(半径が「2.5」の円)>(半径が「2.5」の上半円)=(半径が「2.5」の下半円)であるため、図8(b)に示すように、図形番号はその順になっている。なお、面積が同一の抽出図形同士については、抽出の順番は任意である。
【0048】
計算補助情報記憶領域122には、後述の計算補助情報作成処理(図6参照)において作成される計算補助情報が記憶されるようになっている。
【0049】
本実施の形態において、計算補助情報記憶領域122には、例えば、図8(c)に示すように、抽出図形の図形番号と、その抽出図形の面積を計算する際の補助となる計算補助情報と、その計算補助情報を表示する位置に関する位置情報とが対応付けられて記憶される。
【0050】
ここで、「計算補助情報」とは、図形内の直角部分を示す直角マーク、図形の中心点を示す中心マーク、図形の辺の長さ、図形の半径等である。また、「位置情報」とは、各計算補助情報を表示する位置の座標である。
【0051】
具体的には、例えば、組み合わせ図形320が図8(a)に示すような図形である場合、計算補助情報記憶領域122には、図8(c)に示すようなデータが記憶される。図8(c)に示すように、図形番号「1」の抽出図形は、正方形であるため(図8(b)参照)、図形番号「1」に対応付けて、その抽出図形の直角部分を示す直角マークや、その抽出図形の縦辺の長さ、その抽出図形の横辺の長さなどの計算補助情報が記憶されるとともに、当該直角マークや、縦辺の長さ、横辺の長さなどを表示する位置に関する位置情報が記憶される。
【0052】
また、図形番号「3」の抽出図形は、円であるため(図8(b)参照)、図形番号「3」に対応付けて、その抽出図形の中心点を示す中心マークや、その抽出図形の半径などの計算補助情報が記憶されるとともに、当該中心マークや半径などを表示する位置に関する位置情報が記憶される。
【0053】
また、図形番号「2」、「4」及び「5」の抽出図形は、上半円又は下半円であるため(図8(b)参照)、図形番号「2」、「4」及び「5」それぞれに対応付けて、その抽出図形の弧を円周に含む円の中心点を示す中心マークや、その抽出図形の半径などの計算補助情報が記憶されるとともに、当該中心マークや半径などを表示する位置に関する位置情報が記憶される。
【0054】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、例題図形データファイル群130と、本発明に係るプログラムとしての図形面積計算プログラム131とを記憶している。
【0055】
例題図形データファイル群130は、複数の例題図形データファイル130a,…を有している。例題図形データファイル130aには、ファイル名が付与されており、例題として登録されている課題図300をディスプレイ3に表示するために必要なデータが格納されている。本実施の形態において、例題図形データファイル130aには、課題図300を構成する図形の図形名と、その図形の位置と、その図形の面積計算情報とが対応付けられて格納されている。
【0056】
図形面積計算プログラム131は、後述の図形面積計算処理(図3〜図5参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0057】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0058】
[1.3 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
【0059】
図3〜図5は、図形面積計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この図形面積計算処理は、キー入力部14を介して、ユーザにより図形面積学習モードが選択された状態で、ユーザにより図形面積計算処理の実行指示が入力されると、記憶部13から図形面積計算プログラム131が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該図形面積計算プログラム131とCPU11との協働によって実行される。
【0060】
図3に示すように、図形面積計算処理においては、まずCPU11は、ユーザが入力キー群2を操作して、例題を例題図形データファイル群130から読み出すよう指示するか否かを判断する(ステップS1)。
【0061】
ステップS1で、ユーザにより例題を読み出すよう指示されていないと判断した場合(ステップS1;No)には、CPU11は、ユーザに入力キー群2を操作させて、所望の課題図300を構成する図形の図形名や位置を入力させ(ステップS2)、当該図形名や位置を図形表示データ記憶領域120に記憶させるとともに、当該図形名や位置に基づいて、ディスプレイ3の図形表示エリアR1(図9(a)等参照)に、課題図300を表示させる(ステップS3)。
【0062】
次に、CPU11は、ユーザに入力キー群2を操作させて、課題図300の中から面積計算図形を指定させ(ステップS4)、当該面積計算図形に基づき、課題図300を構成する各図形についての面積計算情報(「含む」、「除外」、「含む/除外」、「−」)を判定して、図形表示データ記憶領域120に記憶させるとともに、当該面積計算図形を課題図300内で識別表示させて(ステップS5)、後述のステップS8に移行する。なお、本実施の形態では、面積計算図形を、灰色等の所定の色で塗り潰すことによって識別表示することとして説明するが、面積計算図形の識別表示の仕方は任意であり、例えば、面積計算図形を所定の色の斜線で網掛けすることによって識別表示することとしてもよいし、面積計算図形を所定の色の線で囲うことによって識別表示することとしてもよい。
【0063】
また、ステップS1で、ユーザにより例題を読み出すよう指示されたと判断した場合(ステップS1;Yes)には、CPU11は、ユーザに入力キー群2を操作させて、ファイル名を指定させ(ステップS6)、当該ファイル名の付与された例題図形データファイル130aを例題図形データファイル群130から取得して、当該例題図形データファイル130aに格納されているデータを図形表示データ記憶領域120に記憶させるとともに、当該データに基づいて、ディスプレイ3の図形表示エリアR1に課題図300を表示させる(ステップS7)。ここで、本実施の形態においては、例題図形データファイル130aに格納されているデータには予め面積計算情報が含まれているため、CPU11は、このステップS7で面積計算図形を課題図300内で識別表示させるようになっている。
【0064】
次に、CPU11は、ユーザに入力キー群2を操作させて、課題図300上に補助線310を入力させた後(ステップS8)、補助線310を描画表示させる。これにより、ディスプレイ3の図形表示エリアR1には、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320が表示される。ここで、本実施の形態において、補助線310は、任意のタイミングで、ユーザが入力キー群2を操作することによって、取り消し可能となっている。
【0065】
次に、CPU11は、組み合わせ図形320から抽出可能な複数の図形を、面積が大きい順に抽出図形として抽出し(ステップS9)、当該抽出図形の図形名や位置、識別色、面積計算情報などを、当該抽出図形が抽出された順番を示す図形番号に対応付けて抽出図形データ記憶領域121に記憶させる。なお、本実施の形態では、互いに合同な抽出図形がある際、これらの図形同士が辺で接していない場合には、これらの図形に同一の識別色を設定することとして説明するが、これらの図形同士が辺で接しているか否かに関わらず、異なる識別色を設定することとしてもよい。
【0066】
次に、CPU11は、抽出図形データ記憶領域121を参照して、各抽出図形を対応する色でディスプレイ3に表示させる(ステップS10)。
【0067】
次に、CPU11は、ユーザが入力キー群2を操作して、計算補助情報を表示するよう指示するか否かを判断する(ステップS11)。
【0068】
ステップS11で、ユーザにより計算補助情報を表示するよう指示されていないと判断した場合(ステップS11;No)には、CPU11は、後述のステップS13に移行する。また、ステップS11で、ユーザにより計算補助情報を表示するよう指示されたと判断した場合(ステップS11;Yes)には、CPU11は、計算補助情報作成処理を行う(ステップS12)。
【0069】
具体的には、図6に示すように、この計算補助情報作成処理においてCPU11は、まず変数Nに「1」を設定し(ステップS121)、図形番号「N」の抽出図形は面積計算に関係するか否かを判断する(ステップS122)。ここで、CPU11は、抽出図形データ記憶領域121を参照して、図形番号「N」に対応する面積計算情報が「含む」、「除外」又は「含む/除外」である場合に、図形番号「N」の抽出図形は面積計算に関係すると判断することとする。
【0070】
ステップS122で、図形番号「N」の抽出図形は面積計算に関係しないと判断した場合(ステップS122;No)には、CPU11は、後述のステップS130に移行する。
【0071】
また、ステップS122で、図形番号「N」の抽出図形は面積計算に関係すると判断した場合(ステップS122;Yes)には、CPU11は、抽出図形データ記憶領域121を参照して、図形番号「N」に対応する図形名が「正方形」又は「長方形」であるか否かを判断する(ステップS123)。
【0072】
ステップS123で、「正方形」又は「長方形」であると判断した場合(ステップS123;Yes)には、CPU11は、図形番号「N」の抽出図形の計算補助情報として、直角マーク、縦辺の長さ及び横辺の長さを含む情報を作成するととともに、位置情報として、当該直角マーク、縦辺の長さ及び横辺の長さを表示する位置(座標)を含む情報を作成し、図形番号「N」と対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶させ(ステップS124)、後述のステップS130に移行する。
【0073】
また、ステップS123で、「正方形」又は「長方形」でないと判断した場合(ステップS123;No)には、CPU11は、図形番号「N」に対応する図形名が「直角三角形」であるか否かを判断する(ステップS125)。
【0074】
ステップS125で、「直角三角形」であると判断した場合(ステップS125;Yes)には、CPU11は、図形番号「N」の抽出図形の計算補助情報として、直角マーク、底辺の長さ及び高さを含む情報を作成するとともに、位置情報として、当該直角マーク、底辺の長さ及び高さを表示する位置(座標)を含む情報を作成し、図形番号「N」と対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶させ(ステップS126)、後述のステップS130に移行する。
【0075】
また、ステップS125で、「直角三角形」でないと判断した場合(ステップS125;No)には、CPU11は、図形番号「N」に対応する図形名が「円」であるか否かを判断する(ステップS127)。
【0076】
ステップS127で、「円」であると判断した場合(ステップS127;Yes)には、CPU11は、図形番号「N」の抽出図形の計算補助情報として、中心マーク及び半径を含む情報を作成するとともに、位置情報として、当該中心マーク及び半径を表示する位置(座標)を含む情報を作成し、図形番号「N」と対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶させ(ステップS128)、後述のステップS130に移行する。
【0077】
また、ステップS127で、「円」でないと判断した場合(ステップS127;No)には、CPU11は、図形番号「N」の抽出図形の形状等に応じて、適宜に計算補助情報及び位置情報を作成し、図形番号「N」と対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶させる(ステップS129)。具体的には、例えば、CPU11は、図形番号「N」の抽出図形が、所定の公式を用いて面積計算が可能な図形(以下「計算可能図形」という。)であるか否か判断し、計算可能図形であると判断した場合に、計算補助情報及び位置情報を作成して、図形番号「N」と対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶させる。また、計算可能図形でないと判断した場合は、計算補助情報及び位置情報を作成せずに、後述のステップS130に移行する。
【0078】
次に、CPU11は、抽出図形データ記憶領域121を参照して、次の図形番号があるか否かを判断し(ステップS130)、次の図形番号があると判断した場合(ステップS130;Yes)には、変数Nを1つ増やした後(ステップS131)、ステップS122に移行する。また、次の図形番号がないと判断した場合(ステップS130;No)には、計算補助情報作成処理を終了する。
【0079】
なお、本実施の形態では、図形番号「N」の抽出図形が面積計算に関係する場合に、計算補助情報を作成することとして説明したが、例えば、図形番号「N」の抽出図形が面積計算に関係するか否かに関わらず、当該抽出図形が計算可能図形である場合は、計算補助情報を作成することとしてもよい。
【0080】
以上の計算補助情報作成処理が終了したら、次にCPU11は、図3に示すように、ユーザが入力キー群2を操作して、組み合わせ図形320から複数の抽出図形の何れかを、指定図形として指定するか否かを判断する(ステップS13)。なお、本実施の形態では、ユーザは、カーソルキー22を操作して、ディスプレイ3に表示されている矢印カーソルCR2(図10(a)等参照)を所望の抽出図形に重なる位置まで移動させ、その後、EXEキー23を操作して、当該所望の抽出図形を指定図形として指定することとして説明するが、入力キー群2のうちのその他のキーを操作して矢印カーソルCR2を移動させたり指定図形を指定したりすることとしてもよい。
【0081】
ステップS13で、ユーザにより指定図形が指定されたと判断した場合(ステップS13;Yes)には、CPU11は、当該指定図形が選択状態である旨をディスプレイ3に表示させる(ステップS14)。なお、本実施の形態では、指定図形を赤線P1(図10(a)等参照)で囲うことによって当該指定図形が選択状態である旨を表示することとして説明するが、選択状態の表示の仕方は任意であり、例えば、指定図形を所定の色で塗り潰すことによって選択状態を表示することとしてもよいし、指定図形を点滅させることによって選択状態を表示することとしてもよい。
【0082】
ここで、本実施の形態においてCPU11は、複数の抽出図形が重なり合っている部分に矢印カーソルCR2が位置している状態で、EXEキー23が操作されると、EXEキー23が操作される度に、当該複数の抽出図形の中で面積の大きい順に指定図形を切り替えるようになっている。具体的には、CPU11は、EXEキー23が操作されると、当該複数の抽出図形のうちの面積が最も大きい抽出図形を指定図形として赤線P1で囲み、再度EXEキー23が操作されると、面積が次に大きい抽出図形を指定図形として赤線P1で囲むようになっている。但し、指定図形を切り替える順番は任意であり、例えば、面積が小さい順に切り替えることとしてもよい。
【0083】
次に、CPU11は、計算補助情報記憶領域122を参照して、指定図形に対応する計算補助情報があるか否かを判断する(ステップS15)。
【0084】
ステップS15で、指定図形に対応する計算補助情報がないと判断した場合(ステップS15;No)には、CPU11は、後述のステップS17に移行する。また、ステップS15で、指定図形に対応する計算補助情報があると判断した場合(ステップS15;Yes)には、CPU11は、当該計算補助情報に対応する位置情報に基づいて、当該計算補助情報をディスプレイ3に表示させる(ステップS16)。
【0085】
次に、CPU11は、ディスプレイ3の式表示エリアR2(図9(a)参照)内における現時点でのカーソルCR1の位置に、指定図形(より詳細には、指定図形のサムネイル)を面積計算式の数式構成要素として表示させる(ステップS17)。そして、CPU11は、指定図形計算式入力モードが設定されているか否かを判断する(ステップS18)。ここで、「指定図形計算式入力モード」とは、指定図形の面積を計算するための計算式(以下「指定図形計算式」という。)をユーザが入力可能なモードである。なお、本実施の形態において、指定図形計算式入力モードは、任意のタイミングで、ユーザが入力キー群2を操作することによって、設定可能となっている。
【0086】
ステップS18で、指定図形計算式入力モードが設定されていないと判断した場合(ステップS18;No)には、CPU11は、指定図形の面積を計算して、その計算結果を式表示エリアR2に表示されている当該指定図形のサムネイルに対応付けて表示させて(ステップS19)、ステップS13に移行する。なお、本実施の形態においては、計算補助情報作成処理(ステップS12)が行われた状態で、指定図形に対応する計算補助情報がない場合には、当該指定図形の面積計算結果を表示しないこととして説明するが、指定図形に対応する計算補助情報の有無に関わらず、当該指定図形の面積計算結果を表示することとしてもよい。
【0087】
また、ステップS18で、指定図形計算式入力モードが設定されていると判断した場合(ステップS18;Yes)には、CPU11は、ユーザに入力キー群2を操作させて、指定図形計算式を入力させ(ステップS20)、当該指定図形計算式の正誤を判定する(ステップS21)。
【0088】
ステップS21で、指定図形計算式が正解であると判定した場合(ステップS21;Yes)には、CPU11は、当該指定図形計算式が正解である旨の正解メッセージをディスプレイ3に表示させて(ステップS22)、ステップS19に移行して指定図形の面積を計算した結果を表示させる。
【0089】
また、ステップS21で、指定図形計算式が正解でないと判定した場合(ステップS21;No)には、CPU11は、当該指定図形計算式が不正解である旨の不正解メッセージをディスプレイ3に表示させて(ステップS23)、ステップS20に移行し、再度ユーザによる指定図形計算式の入力を受け付ける。
【0090】
また、ステップS13で、ユーザにより指定図形が指定されていないと判断した場合(ステップS13;No)には、CPU11は、図4に示すように、ユーザが入力キー群2を操作して、「+」(加算記号)、「−」(減算記号)又は「( )」(括弧)を入力するか否かを判断する(ステップS24)。
【0091】
ステップS24で、ユーザにより「+」、「−」又は「( )」が入力されたと判断した場合(ステップS24;Yes)には、CPU11は、ディスプレイ3の式表示エリアR2内における現時点でのカーソルCR1の位置に、該当する演算記号を面積計算式の数式構成要素として表示させて、面積計算式による計算対象の図形が組み合わせ図形320内で特定できないか否かを判断する(ステップS25)。
【0092】
具体的には、例えば、「+」又は「−」が入力されて、面積計算式として「『抽出図形Aのサムネイル』+『抽出図形Aのサムネイル』−」が表示された場合、同一の図形同士(抽出図形A同士)を加算した図形は組み合わせ図形320内で示すことができないため、この計算対象の図形は組み合わせ図形320内で特定できないと判断される。
【0093】
また、例えば、「(」又は「)」が入力されて、面積計算式として「(『抽出図形Aのサムネイル』+『抽出図形Aのサムネイル』)」が表示された場合、同一の図形同士(抽出図形A同士)を加算した図形は組み合わせ図形320内で示すことができないため、この計算対象の図形は組み合わせ図形320内で特定できないと判断される。
【0094】
ステップS25で、面積計算式による計算対象の図形が組み合わせ図形320内で特定できると判断した場合(ステップS25;No)には、CPU11は、面積計算式による計算対象の図形を、組み合わせ図形320内で赤色の斜線P2(図10(b)等参照)を用いて識別表示させて(ステップS26)、ステップS13に移行する。なお、本実施の形態では、計算対象の図形を、赤色の斜線P2で網掛けすることによって識別表示することとして説明するが、計算対象の図形を識別できるのであれば、識別表示の仕方は任意であり、例えば、計算対象の図形をその他の色の斜線P2で網掛けすることによって識別表示することとしてもよいし、計算対象の図形を所定の色で塗り潰すことによって識別表示することとしてもよいし、計算対象の図形を所定の色の線で囲うことによって識別表示することとしてもよい。
【0095】
また、ステップS25で、面積計算式による計算対象の図形が組み合わせ図形320内で特定できないと判断した場合(ステップS25;Yes)には、CPU11は、面積計算式が不正解である旨の不正解メッセージをディスプレイ3に表示させて(ステップS27)、直前に表示させた数式構成要素(「+」、「−」又は「( )」)を取り消して(ステップS28)、ステップS13に移行する。
【0096】
また、ステップS24で、ユーザにより「+」、「−」又は「( )」が入力されていないと判断した場合(ステップS24;No)には、CPU11は、ユーザが入力キー群2を操作して、「×」(乗算記号)及び自然数を入力するか否かを判断する(ステップS29)。
【0097】
ステップS29で、ユーザにより「×」及び自然数が入力されたと判断した場合(ステップS29;Yes)には、CPU11は、ディスプレイ3の式表示エリアR2内における現時点でのカーソルCR1の位置に「×」及び自然数(乗数)を面積計算式の数式構成要素として表示させて、乗算の対象となる組み合わせ図形320内の図形を乗算対象図形として特定し、当該乗算対象図形と合同の図形を組み合わせ図形320内から検知する(ステップS30)。
【0098】
具体的には、「×」及び「2」が入力されたと判断した場合には、CPU11は、面積計算式において「×2」される図形を乗算対象図形として特定する。より具体的には、例えば、「×」及び「2」が入力されて、面積計算式に「・・・+『抽出図形Aのサムネイル』×2」が表示された場合、「抽出図形A」を乗算対象図形として特定する。また、例えば、「×」及び「2」が入力されて、面積計算式として「・・・+(『抽出図形Aのサムネイル』−『抽出図形Bのサムネイル』)×2」が表示された場合、「抽出図形A」から「抽出図形B」を除外した図形を乗算対象図形として特定する。ここで、乗算対象図形は、1つの抽出図形であってもよいし、複数の抽出図形が組み合わされた複合図形であってもよい。
【0099】
次に、ステップS30において当該乗算対象図形と合同の図形が組み合わせ図形320内から検知できないか否かを判断する(ステップS31)。
【0100】
ステップS31で、当該乗算対象図形と合同の図形が組み合わせ図形320内から検知できると判断した場合(ステップS31;No)には、CPU11は、ユーザにより入力された乗数から1を引いた値(乗数−1)を乗算合同図形個数として特定し、検知した図形の個数が当該乗算合同図形個数以上であるか否かを判断する(ステップS32)。
【0101】
ステップS32で、検知した合同の図形の個数が乗算合同図形個数以上であると判断した場合(ステップS32;Yes)には、CPU11は、当該乗算対象図形と、検知した合同の図形のうちの乗算合同図形個数分とを赤色の斜線P2を用いて識別表示させて(ステップS33)、ステップS13に移行する。
【0102】
また、ステップS31で、当該乗算対象図形と合同の図形が組み合わせ図形320内から検知できないと判断した場合(ステップS31;Yes)、或いは、ステップS32で、検知した合同の図形の個数が乗算合同図形個数以上でないと判断した場合(ステップS32;No)には、CPU11は、面積計算式が不正解である旨の不正解メッセージをディスプレイ3に表示させて(ステップS34)、直前に表示させた数式構成要素(「×」及び自然数)を取り消して(ステップS35)、ステップS13に移行する。
【0103】
また、ステップS29で、ユーザにより「×」及び自然数が入力されていないと判断した場合(ステップS29;No)には、CPU11は、図5に示すように、ユーザが入力キー群2を操作して、「÷」(除算記号)及び自然数を入力するか否かを判断する(ステップS36)。
【0104】
ステップS36で、ユーザにより「÷」及び自然数が入力されたと判断した場合(ステップS36;Yes)には、CPU11は、ディスプレイ3の式表示エリアR2内における現時点でのカーソルCR1の位置に「÷」及び自然数(除数)を面積計算式の数式構成要素として表示させて、除算の対象となる組み合わせ図形320内の図形を除算対象図形として特定し、当該除算対象図形に抽出可能な複数の図形が含まれる場合に、当該除算対象図形から互いに合同な抽出図形を検知する(ステップS37)。なお、当該除算対象図形に抽出可能な複数の図形が含まれない場合、CPU11は、ステップS41の処理に移行する。
【0105】
具体的には、「÷」及び「2」が入力されたと判断した場合には、CPU11は、面積計算式において「÷2」される図形を除算対象図形として特定する。より具体的には、例えば、「÷」及び「2」が入力されて、面積計算式に「・・・+『抽出図形Aのサムネイル』÷2」が表示された場合、「抽出図形A」を除算対象図形として特定する。また、例えば、「÷」及び「2」が入力されて、面積計算式として「・・・+(『抽出図形Aのサムネイル』−『抽出図形Bのサムネイル』)÷2」が表示された場合、「抽出図形A」から「抽出図形B」を除外した図形を除算対象図形として特定する。ここで、除算対象図形は、1つの抽出図形であってもよいし、複数の抽出図形が組み合わされた複合図形であってもよい。
【0106】
次に、ステップS37において当該除算対象図形から互いに合同な抽出図形が検知できないか否かを判断する(ステップS38)。
【0107】
ステップS38で、当該除算対象図形から互いに合同な抽出図形が検知できると判断した場合(ステップS38;No)には、CPU11は、検知した図形の個数を、ユーザにより入力された除数で割った値(検知個数/除数)を除算合同図形個数として特定し、除算合同図形個数が自然数であるか否か否かを判断する(ステップS39)。
【0108】
ステップS39で、除算合同図形個数が自然数であると判断した場合(ステップS39;Yes)には、CPU11は、検知した互いに合同な抽出図形のうちの除算合同図形個数分を、赤色の斜線P2を用いて識別表示させて(ステップS40)、ステップS13に移行する。
【0109】
また、ステップS38で、当該除算対象図形から互いに合同な抽出図形が検知できないと判断した場合(ステップS38;Yes)、或いは、ステップS39で、除算合同図形個数が自然数でないと判断した場合(ステップS39;No)には、CPU11は、当該面積計算式が不正解である旨の不正解メッセージをディスプレイ3に表示させて(ステップS41)、直前に表示させた数式構成要素(「÷」及び自然数)を取り消して(ステップS42)、ステップS13に移行する。
【0110】
また、ステップS36で、ユーザにより「÷」及び自然数が入力されていないと判断した場合(ステップS36;No)には、CPU11は、ユーザが入力キー群2を操作して、「=」(等号記号)を入力するか否かを判断する(ステップS43)。
【0111】
ステップS43で、ユーザにより「=」が入力されたと判断した場合(ステップS43;Yes)には、CPU11は、ディスプレイ3の式表示エリアR2内における現時点でのカーソルCR1の位置に「=」を面積計算式の数式構成要素として表示させて、面積計算式による計算対象の図形を組み合わせ図形320内で赤色の斜線P2を用いて識別表示させる(ステップS44)。そして、ディスプレイ3の式表示エリアR2内における現時点でのカーソルCR1の位置に、組み合わせ図形320内で赤色の斜線P2を用いて識別表示されている図形のサムネイルを面積計算式の計算結果として表示させ(ステップS45)、この計算結果の数値を算出して、当該サムネイルに対応付けて表示させて(ステップS46)、ステップS13に移行する。
【0112】
また、ステップS43で、ユーザにより「=」が入力されていないと判断した場合(ステップS43;No)には、CPU11は、ユーザが入力キー群2を操作して、「戻る」を指示するか否かを判断する(ステップS47)。なお、本実施の形態では、ユーザは、EXITキー25を操作して、「戻る」を指示することとして説明するが、入力キー群2のうちのその他のキーを操作して「戻る」を指示することとしてもよい。
【0113】
ステップS47で、ユーザにより「戻る」が指示されていないと判断した場合(ステップS47;No)には、CPU11は、ステップS13の処理に移行する。また、ステップS47で、ユーザにより「戻る」が指示されたと判断した場合(ステップS47;Yes)には、CPU11は、図形表示エリアR1に表示されている組み合わせ図形320の全部及び式表示エリアR2に表示されている面積計算式の全部を取り消すとともに、図形表示データ記憶領域120、抽出図形データ記憶領域121及び計算補助情報記憶領域122内のデータ全部をクリアして、図形面積計算処理を終了する。
【0114】
なお、本実施の形態では、「=」が入力された場合、面積計算式による計算対象の図形が組み合わせ図形320内で特定できるか否か判断せずに、ステップS44以降の処理を行うこととして説明するが、面積計算式による計算対象の図形が組み合わせ図形320内で特定できるか否か判断し、できると判断した場合に、ステップS44以降の処理を行い、できないと判断した場合には、ステップS44以降の処理は行わずに、面積計算式が不正解である旨の不正解メッセージをディスプレイ3に表示させて、面積計算式の数式構成要素を取り消して、ステップS13に移行することとしてもよい。なお、この場合、面積計算式の数式構成要素のうち、直前に表示させた数式構成要素(「=」)を取り消すこととするが、直前に表示させた数式構成要素を含む複数の数式構成要素を取り消すこととしてもよいし、全ての数式構成要素を取り消すこととしてもよい。
【0115】
また、本実施の形態では、ステップS28、ステップS35及びステップS42で、面積計算式の数式構成要素のうち、直前に表示させた数式構成要素を取り消すこととして説明するが、直前に表示させた数式構成要素を含む複数の数式構成要素を取り消すこととしてもよいし、全ての数式構成要素を取り消すこととしてもよい。
【0116】
[1.4 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1の動作を具体的に説明する。なお、以下の動作例では、説明の簡略化のため、組み合わせ図形320から抽出可能な図形のうち、面積計算図形の面積の計算に関連する主要なもののみを抽出図形として抽出し、図形番号に対応付けていることとして説明する。また、以下の動作例では、当該抽出した抽出図形のうち、面積計算図形の面積の計算に必要なもののみに識別色を設定して識別表示することとして説明する。
【0117】
(動作例1)
動作例1における課題図300は、図7(a)にて太線で示す図形であるとする。なお、図7(a)に示す課題図300では、面積計算図形をドットパターンで網掛けすることによって識別している。また、動作例1においては、指定図形計算式入力モードが設定されない場合について説明する。
【0118】
まず、ユーザが、例題を例題図形データファイル群130から読み出すよう指示せずに(ステップS1;No)、所望の課題図300を構成する図形の図形名や位置を入力すると(ステップS2)、図7(b)に示すように、当該図形名や位置が図形表示データ記憶領域120に記憶されるとともに、当該図形名や位置に基づいて、図形表示エリアR1に課題図300が表示される(ステップS3)。
【0119】
次に、ユーザが、課題図300の中から面積計算図形を指定すると(ステップS4)、図7(b)に示すように、面積計算情報が図形表示データ記憶領域120に記憶されるとともに、図9(a)に示すように、当該面積計算図形が図形表示エリアR1に表示されている課題図300内で識別表示される(ステップS5)。
【0120】
次に、ユーザが、課題図300上に補助線310を入力すると(ステップS8)、補助線310が描画表示されて、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320が図形表示エリアR1に表示される。ここで、ユーザは、図8(a)に示すように、課題図300(図7(a))に対し、補助線310として、始点の座標が(0,10)で終点の座標が(10,10)である直線を入力したとする。
【0121】
次に、組み合わせ図形320から、面積が大きい順に抽出図形が抽出され(ステップS9)、図8(b)に示すように、当該抽出図形に関するデータが抽出図形データ記憶領域121に記憶されて、図9(b)に示すように、抽出図形が対応する色で図形表示エリアR1に表示される(ステップS10)。
【0122】
次に、ユーザが、計算補助情報を表示するよう指示せずに(ステップS11;No)、組み合わせ図形320から“半径が「5」の上半円”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、図10(a)に示すように、“半径が「5」の上半円”が赤線P1で囲まれて、選択状態である旨が図形表示エリアR1に表示される(ステップS14)。
【0123】
次に、計算補助情報作成処理(ステップS12)が行われなかったため、“半径が「5」の上半円”に対応する計算補助情報がないと判断され(ステップS15;No)、図10(a)に示すように、“半径が「5」の上半円”のサムネイルが式表示エリアR2に表示される(ステップS17)。
【0124】
次に、指定図形計算式入力モードが設定されていないと判断された後(ステップS18;No)、図10(a)に示すように、“半径が「5」の上半円”の面積計算結果「39.25」が式表示エリアR2に表示されている“半径が「5」の上半円”のサムネイルに対応付けて表示される(ステップS19)。
【0125】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「+」を入力すると(ステップS24;Yes)、図10(b)に示すように、「+」が式表示エリアR2に表示される。そして、計算対象の図形である“半径が「5」の上半円”が組み合わせ図形320内で特定できると判断され(ステップS25;No)、図10(b)に示すように、“半径が「5」の上半円”が斜線P2で網掛けされて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS26)。
【0126】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“一辺の長さが「10」の正方形”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、上述した、ユーザが“半径が「5」の上半円”を指定図形として指定した場合と同様にして、“一辺の長さが「10」の正方形”が赤線P1で囲まれ(ステップS14)、図11(a)に示すように、“一辺の長さが「10」の正方形”のサムネイルが式表示エリアR2に表示され(ステップS17)、当該サムネイルに対応付けて面積計算結果「100」が表示される(ステップS19)。
【0127】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「−」を入力すると(ステップS24;Yes)、図11(a)に示すように、「−」が式表示エリアR2に表示される。そして、計算対象の図形である“『半径が「5」の上半円』+『一辺の長さが「10」の正方形』”が組み合わせ図形320内で特定できると判断され(ステップS25;No)、図11(a)に示すように、“一辺の長さが「10」の正方形”が斜線P2で網掛けされて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS26)。
【0128】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“半径が「2.5」の円”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、上述した、ユーザが“半径が「5」の上半円”を指定図形として指定した場合と同様にして、“半径が「2.5」の円”が赤線P1で囲まれ(ステップS14)、図11(b)に示すように、“半径が「2.5」の円”のサムネイルが式表示エリアR2に表示され(ステップS17)、当該サムネイルに対応付けて面積計算結果「19.63」が表示される(ステップS19)。
【0129】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「=」を入力すると(ステップS43;Yes)、図11(b)に示すように、「=」が式表示エリアR2に表示される。そして、図11(b)に示すように、“半径が「2.5」の円”に対応する部分の斜線P2が消去されて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示され(ステップS44)、組み合わせ図形320内で斜線P2を用いて識別表示されている図形のサムネイルが計算結果として式表示エリアR2に表示され(ステップS45)、この計算結果の数値「119.62」が当該サムネイルに対応付けて表示される(ステップS46)。
【0130】
なお、本実施の形態においては、図10(a)や、図11(a)、(b)に示すように、指定図形のサムネイルとして、当該指定図形と重なる抽出図形の外形が破線で示されたサムネイルを式表示エリアR1に表示することとして説明しているが、このような破線のないサムネイルを表示することとしてもよい。
【0131】
(動作例2)
動作例2における課題図300は、図12(a)にて太線で示す図形であるとする。なお、図12(a)に示す課題図300では、面積計算図形をドットパターンで網掛けすることによって識別している。また、動作例2においては、指定図形計算式入力モードが設定される場合について説明する。
【0132】
まず、ユーザが、例題を例題図形データファイル群130から読み出すよう指示して(ステップS1;Yes)、ファイル名「例題1」を指定すると(ステップS6)、ファイル名として「例題1」の付与された例題図形データファイル130aが例題図形データファイル群130から取得されて、図12(b)に示すように、当該例題図形データファイル130aに格納されているデータが図形表示データ記憶領域120に記憶されるとともに、図15(a)に示すように、当該データに基づいて、面積計算図形が識別表示された課題図300が図形表示エリアR1に表示される(ステップS7)。
【0133】
ここで、図12(b)に示すように、ディスプレイ3に表示されている課題図300(図12(a)参照)は、点O(0,0)、点P(0,y)、点Q(x,y)、点R(x,0)、点S(x,0)、点T(x,y)とすると、直角三角形ORPと三角形SRPと直角三角形QPRと三角形TPRとにより構成されている。また、三角形SRPと三角形TPRとは面積計算図形に含まれている。
【0134】
次に、ユーザが、課題図300上に補助線310を入力すると(ステップS8)、補助線310が描画表示されて、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320が図形表示エリアR1に表示される。ここで、ユーザは、図13(a)に示すように、課題図300(図12(a))に対し、補助線310として直線STを入力したとする。
【0135】
次に、組み合わせ図形320から、面積が大きい順に抽出図形が抽出され(ステップS9)、図13(b)に示すように、当該抽出図形に関するデータが抽出図形データ記憶領域121に記憶されて、図15(b)に示すように、抽出図形が対応する色で図形表示エリアR1に表示される(ステップS10)。
【0136】
ここで、図13(b)に示すように、図13(a)に示す組み合わせ図形320からは、直角三角形OSPと直角三角形RQTと三角形TSPと三角形SRTとが抽出図形として抽出可能である。また、三角形TSPと三角形SRTとには識別色が設定されている。
【0137】
次に、ユーザが、計算補助情報を表示するよう指示すると(ステップS11;Yes)、計算補助情報の作成が行われる(ステップS12)。
【0138】
具体的には、まず、変数Nに「1」が設定される(ステップS121)。そして、図形番号「1」に対応する面積計算情報はデフォルトであるため(図13(b)参照)、図形番号「1」の抽出図形は、面積計算に関係しないと判断される(ステップS122;No)。
【0139】
また、図形番号「2」の抽出図形についても、図形番号「1」の抽出図形の場合と同様、面積計算に関係しないと判断される。
【0140】
次に、次の図形番号があると判断されて(ステップS130;Yes)、変数Nに「3」が設定される(ステップS131)。そして、図形番号「3」に対応する面積計算情報は「含む」であるため(図13(b)参照)、図形番号「3」の抽出図形は、面積計算に関係すると判断される(ステップS122;Yes)。
【0141】
図形番号「3」に対応する図形名は「三角形」であるため(図13(b)参照)、図形番号「3」の抽出図形は、「正方形」又は「長方形」でないと判断され(ステップS123;No)、「直角三角形」でないと判断され(ステップS125;No)、「円」でないと判断される(ステップS127;No)。そして、図形番号「3」の抽出図形は、所定の公式を用いて面積計算が可能な計算可能図形でないと判断されて、計算補助情報及び位置情報が作成されずに、次の図形番号があるか否かが判断される(ステップS130)。
【0142】
また、図形番号「4」の抽出図形についても、図形番号「3」の抽出図形の場合と同様、計算補助情報及び位置情報が作成されずに、次の図形番号があるか否かが判断される。
【0143】
次に、次の図形番号がないと判断されて(ステップS130;No)、計算補助情報の作成が終了する。このように、図13(a)に示す組み合わせ図形320においては、各抽出図形に対応する計算補助情報及び位置情報が作成されなかったため、図13(c)に示すように、計算補助情報記憶領域122の計算補助情報及び位置情報の欄は全てデフォルトのままになっている。
【0144】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“三角形SRT”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、図16(a)に示すように、“三角形SRT”が赤線P1で囲まれて、選択状態である旨が図形表示エリアR1に表示される(ステップS14)。
【0145】
次に、計算補助情報記憶領域122(図13(c)参照)に基づき“三角形SRT”に対応する計算補助情報がないと判断された後(ステップS15;No)、図16(a)に示すように、“三角形SRT”のサムネイルが式表示エリアR2に表示される(ステップS17)。
【0146】
次に、指定図形計算式入力モードが設定されていると判断されて(ステップS18;Yes)、図16(a)に示すように、指定図形計算式入力欄R3がディスプレイ3に表示される。
【0147】
この場合、“三角形SRT”に対応する計算補助情報が表示されておらず、指定図形計算式を入力することができないため、ユーザは、補助線310の入れ方を間違えたと判断して、当該補助線310を削除するよう指示する。これに応じて、当該補助線310が取り消されて、再び図15(a)に示すように、面積計算図形が識別表示された課題図300が図形表示エリアR1に表示される(ステップS7)。
【0148】
次に、ユーザが、課題図300上に補助線310を入力すると(ステップS8)、補助線310が描画表示されて、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320が図形表示エリアR1に表示される。ここで、ユーザは、図14(a)に示すように、課題図300(図12(a))に対し、補助線310として直線PRを入力したとする。
【0149】
次に、組み合わせ図形320から、面積が大きい順に抽出図形が抽出され(ステップS9)、図14(b)に示すように、当該抽出図形に関するデータが抽出図形データ記憶領域121に記憶されて、図16(b)に示すように、抽出図形が対応する色で図形表示エリアR1に表示される(ステップS10)。
【0150】
ここで、図14(b)に示すように、図14(a)に示す組み合わせ図形320からは、直角三角形QPRと直角三角形ORPと直角三角形OSPと直角三角形RQTと三角形TPRと三角形SRPとが抽出図形として抽出可能である。また、三角形TPRと三角形SRPとには識別色が設定されている。
【0151】
次に、ユーザが、計算補助情報を表示するよう指示すると(ステップS11;Yes)、計算補助情報の作成が行われる(ステップS12)。
【0152】
具体的には、まず、変数Nに「1」が設定される(ステップS121)。そして、図形番号「1」に対応する面積計算情報はデフォルトであるため(図14(b)参照)、図形番号「1」の抽出図形は、面積計算に関係しないと判断される(ステップS122;No)。
【0153】
また、図形番号「2」〜「4」の抽出図形についても、図形番号「1」の抽出図形の場合と同様、面積計算に関係しないと判断される。
【0154】
次に、次の図形番号があると判断されて(ステップS130;Yes)、変数Nに「5」が設定される(ステップS131)。そして、図形番号「5」に対応する面積計算情報は「含む」であるため(図14(b)参照)、図形番号「5」の抽出図形は、面積計算に関係すると判断される(ステップS122;Yes)。
【0155】
図形番号「5」に対応する図形名は「三角形」であるため(図14(b)参照)、図形番号「5」の抽出図形は、「正方形」又は「長方形」でないと判断され(ステップS123;No)、「直角三角形」でないと判断され(ステップS125;No)、「円」でないと判断される(ステップS127;No)。そして、図形番号「5」の抽出図形は、所定の公式を用いて面積計算が可能な計算可能図形であると判断され、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図14(c)に示すように、図形番号「5」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される(ステップS129)。
【0156】
また、図形番号「6」の抽出図形についても、図形番号「5」の抽出図形の場合と同様、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図14(c)に示すように、図形番号「6」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される。
【0157】
次に、次の図形番号がないと判断されて(ステップS130;No)、計算補助情報の作成が終了する。
【0158】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“三角形TPR”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、図17(a)に示すように、“三角形TPR”が赤線P1で囲まれて、選択状態である旨が図形表示エリアR1に表示される(ステップS14)。
【0159】
次に、計算補助情報記憶領域122(図14(c)参照)に基づき“三角形TPR”に対応する計算補助情報があると判断されて(ステップS15;Yes)、図17(a)に示すように、当該計算補助情報が図形表示エリアR1に表示され(ステップS16)、“三角形TPR”のサムネイルが式表示エリアR2に表示される(ステップS17)。
【0160】
次に、指定図形計算式入力モードが設定されていると判断されて(ステップS18;Yes)、図17(a)に示すように、指定図形計算式入力欄R3がディスプレイ3に表示される。
【0161】
次に、ユーザが、指定図形計算式入力欄R3に指定図形計算式「5×8÷2」を入力すると(ステップS20)、当該指定図形計算式が正解であると判定されて(ステップS21;Yes)、図17(b)に示すように、正解メッセージ([正解])がディスプレイ3に表示されるとともに(ステップS22)、“三角形TPR”の面積計算結果「20」が式表示エリアR2に表示されている“三角形TPR”のサムネイルに対応付けて表示される(ステップS19)。
【0162】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「+」を入力すると(ステップS24;Yes)、図18(a)に示すように、「+」が式表示エリアR2に表示される。そして、計算対象の図形である“三角形TPR”が組み合わせ図形320内で特定できると判断されて(ステップS25;No)、図18(a)に示すように、“三角形TPR”が斜線P2で網掛けされて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS26)。
【0163】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“三角形SRP”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、上述した、ユーザが“三角形TPR”を指定図形として指定した場合と同様にして、“三角形SRP”が赤線P1で囲まれ(ステップS14)、図18(a)に示すように、“三角形SRP”に対応する計算補助情報が図形表示エリアR1に表示され(ステップS16)、“三角形SRP”のサムネイルが式表示エリアR2に表示され(ステップS17)、指定図形計算式入力欄R3がディスプレイ3に表示される。
【0164】
次に、ユーザが、指定図形計算式入力欄R3に指定図形計算式「4×6÷2」を入力すると(ステップS20)、当該指定図形計算式が正解であると判定されて(ステップS21;Yes)、図18(a)に示すように、正解メッセージ([正解])がディスプレイ3に表示されるとともに(ステップS22)、“三角形SRP”の面積計算結果「12」が式表示エリアR2に表示されている“三角形SRP”のサムネイルに対応付けて表示される(ステップS19)。
【0165】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「=」を入力すると(ステップS43;Yes)、図18(b)に示すように、「=」が式表示エリアR2に表示される。そして、図18(b)に示すように、“三角形SRP”が斜線P2で網掛けされて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示され(ステップS44)、組み合わせ図形320内で斜線P2を用いて識別表示されている図形のサムネイルが計算結果として式表示エリアR2に表示され(ステップS45)、この計算結果の数値「32」が当該サムネイルに対応付けて表示される(ステップS46)。
【0166】
(動作例3)
動作例3における課題図300は、図19(a)にて太線で示す図形であるとする。なお、図19(a)に示す課題図300では、面積計算図形をドットパターンで網掛けすることによって識別している。また、動作例3においては、指定図形計算式入力モードが設定されない場合について説明する。
【0167】
まず、ユーザが、例題を例題図形データファイル群130から読み出すよう指示して(ステップS1;Yes)、ファイル名「例題2」を指定すると(ステップS6)、ファイル名として「例題2」の付与された例題図形データファイル130aが例題図形データファイル群130から取得されて、図19(b)に示すように、当該例題図形データファイル130aに格納されているデータが図形表示データ記憶領域120に記憶されるとともに、図22(a)に示すように、当該データに基づいて、面積計算図形が識別表示された課題図300が図形表示エリアR1に表示される(ステップS7)。
【0168】
ここで、図19(b)に示すように、ディスプレイ3に表示されている課題図300(図19(a)参照)は、点O(0,0)、点A(−7.07,7.07)、点B(−7.07,−7.07)、点C(7.07,−7.07)、点D(7.07,7.07)とすると、円Oと直角三角形ODAと直角三角形OCBと扇形OABと扇形OCDとにより構成されている。また、直角三角形ODAと直角三角形OCBと扇形OABと扇形OCDとは面積計算図形に含まれている。
【0169】
次に、ユーザが、課題図300上に補助線310を入力すると(ステップS8)、補助線310が描画表示されて、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320が図形表示エリアR1に表示される。ここで、ユーザは、図20(a)に示すように、課題図300(図19(a))に対し、補助線310として直線ACと直線DBとを入力したとする。
【0170】
次に、組み合わせ図形320から、面積が大きい順に抽出図形が抽出され(ステップS9)、図20(b)に示すように、当該抽出図形に関するデータが抽出図形データ記憶領域121に記憶されて、図22(b)に示すように、抽出図形が対応する色で図形表示エリアR1に表示される(ステップS10)。
【0171】
ここで、図20(b)に示すように、図20(a)に示す組み合わせ図形320からは、円Oと扇形OABと扇形OCDと直角三角形ODAと直角三角形OCBとが抽出図形として抽出可能である。また、扇形OABと扇形OCDと直角三角形ODAと直角三角形OCBとには識別色が設定されている。なお、この場合、扇形OABと扇形OCDとは互いに合同な図形であり、これらの図形同士は辺で接していないので、同一の識別色(青色)が設定されている。また、直角三角形ODAと直角三角形OCBとは互いに合同な図形であり、これらの図形同士は辺で接していないので、同一の識別色(マゼンタ)が設定されている。
【0172】
次に、ユーザが、計算補助情報を表示するよう指示すると(ステップS11;Yes)、計算補助情報の作成が行われる(ステップS12)。
【0173】
具体的には、まず、変数Nに「1」が設定される(ステップS121)。そして、図形番号「1」に対応する面積計算情報はデフォルトであるため(図20(b)参照)、図形番号「1」の抽出図形は、面積計算に関係しないと判断される(ステップS122;No)。
【0174】
次に、次の図形番号があると判断されて(ステップS130;Yes)、変数Nに「2」が設定される(ステップS131)。そして、図形番号「2」に対応する面積計算情報は「含む」であるため(図20(b)参照)、図形番号「2」の抽出図形は、面積計算に関係すると判断される(ステップS122;Yes)。
【0175】
図形番号「2」に対応する図形名は「扇形」であるため(図20(b)参照)、図形番号「2」の抽出図形は、「正方形」又は「長方形」でないと判断され(ステップS123;No)、「直角三角形」でないと判断され(ステップS125;No)、「円」でないと判断される(ステップS127;No)。そして、図形番号「2」の抽出図形は、所定の公式を用いて面積計算が可能な計算可能図形であると判断され、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図20(c)に示すように、図形番号「2」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される(ステップS129)。
【0176】
また、図形番号「3」の抽出図形についても、図形番号「2」の抽出図形の場合と同様、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図20(c)に示すように、図形番号「3」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される。
【0177】
次に、次の図形番号があると判断されて(ステップS130;Yes)、変数Nに「4」が設定される(ステップS131)。そして、図形番号「4」に対応する面積計算情報は「含む」であるため(図20(b)参照)、図形番号「4」の抽出図形は、面積計算に関係すると判断される(ステップS122;Yes)。
【0178】
図形番号「4」に対応する図形名は「直角三角形」であるため(図20(b)参照)、図形番号「4」の抽出図形は、「正方形」又は「長方形」でないと判断され(ステップS123;No)、「直角三角形」であると判断されて(ステップS125;Yes)、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図20(c)に示すように、図形番号「4」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される(ステップS126)。
【0179】
また、図形番号「5」の抽出図形についても、図形番号「4」の抽出図形の場合と同様、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図20(c)に示すように、図形番号「5」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される。
【0180】
次に、次の図形番号がないと判断されて(ステップS130;No)、計算補助情報の作成が終了する。
【0181】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“直角三角形ODA”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、図23(a)に示すように、“直角三角形ODA”が赤線P1で囲まれて、選択状態である旨が図形表示エリアR1に表示される(ステップS14)。
【0182】
次に、計算補助情報記憶領域122(図20(c)参照)に基づき“直角三角形ODA”に対応する計算補助情報があると判断されて(ステップS15;Yes)、図23(a)に示すように、当該計算補助情報が図形表示エリアR1に表示され(ステップS16)、“直角三角形ODA”のサムネイルが式表示エリアR2に表示される(ステップS17)。
【0183】
次に、指定図形計算式入力モードが設定されていないと判断された後(ステップS18;No)、図23(a)に示すように、“直角三角形ODA”の面積計算結果「50」が式表示エリアR2に表示されている“直角三角形ODA”のサムネイルに対応付けて表示される(ステップS19)。
【0184】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「×2」を入力すると(ステップS29;Yes)、図23(b)に示すように、「×2」が式表示エリアR2に表示される。そして、乗算対象図形である“直角三角形ODA”と合同の図形が組み合わせ図形320内から検知される(ステップS30)。
【0185】
組み合わせ図形320からは、乗算対象図形である“直角三角形ODA”と合同の図形として、“直角三角形OCB”が検知できるため、乗算対象図形と合同の図形が検知できると判断され(ステップS31;No)、検知した合同の図形の個数が乗算合同図形個数「1」(=乗数−1)以上であると判断される(ステップS32;Yes)。そして、図23(b)に示すように、乗算対象図形である“直角三角形ODA”と、検知した合同の図形のうちの乗算合同図形個数分(すなわち、“直角三角形OCB”の1つ)とが斜線P2で網掛けされて、識別表示される(ステップS33)。
【0186】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「+」を入力すると(ステップS24;Yes)、図23(b)に示すように、「+」が式表示エリアR2に表示される。そして、計算対象の図形である“『直角三角形ODA』×2”(=“『直角三角形ODA』+『直角三角形OCB』”)が組み合わせ図形320内で特定できると判断され(ステップS25;No)、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS26)。なお、この場合、識別表示は「+」が入力される前と後とで変化しない。
【0187】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“扇形OCD”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、上述した、ユーザが“直角三角形ODA”を指定図形として指定した場合と同様にして、“扇形OCD”が赤線P1で囲まれ(ステップS14)、“扇形OCD”に対応する計算補助情報が図形表示エリアR1に表示され(ステップS16)、図24に示すように、“扇形OCD”のサムネイルが式表示エリアR2に表示され(ステップS17)、当該サムネイルに対応付けて面積計算結果「78.55」が表示される(ステップS19)。
【0188】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「×2」を入力すると(ステップS29;Yes)、上述した、ユーザが「×2」を入力した場合と同様にして、図24に示すように、「×2」が式表示エリアR2に表示され、乗算対象図形である“扇形OCD”と、検知した合同の図形のうちの乗算合同図形個数分(すなわち、“扇形OAB”の1つ)とが斜線P2で網掛けされて、識別表示される(ステップS33)。
【0189】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「=」を入力すると(ステップS43;Yes)、図24に示すように、「=」が式表示エリアR2に表示されて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS44)。なお、この場合、識別表示は「=」が入力される前と後とで変化しない。
【0190】
次に、図24に示すように、組み合わせ図形320内で斜線P2を用いて識別表示されている図形のサムネイルが計算結果として式表示エリアR2に表示され(ステップS45)、この計算結果の数値「257.1」が当該サムネイルに対応付けて表示される(ステップS46)。
【0191】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「戻る」を指示すると(ステップS47;Yes)、図形表示エリアR1に表示されている組み合わせ図形320の全部及び式表示エリアR2に表示されている面積計算式の全部が取り消されるとともに、図形表示データ記憶領域120、抽出図形データ記憶領域121及び計算補助情報記憶領域122内のデータ全部がクリアされる。
【0192】
その後、ユーザが、例題を例題図形データファイル群130から読み出すよう指示して(ステップS1;Yes)、ファイル名「例題2」を指定すると(ステップS6)、ファイル名として「例題2」の付与された例題図形データファイル130aが例題図形データファイル群130から取得されて、図19(b)に示すように、当該例題図形データファイル130aに格納されているデータが図形表示データ記憶領域120に記憶されるとともに、図25(a)に示すように、当該データに基づいて、面積計算図形が識別表示された課題図300が図形表示エリアR1に表示される(ステップS7)。
【0193】
次に、ユーザが、課題図300上に補助線310を入力すると(ステップS8)、補助線310が描画表示されて、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320が図形表示エリアR1に表示される。ここで、ユーザは、図21(a)に示すように、課題図300(図19(a))に対し、補助線310として直線ABと直線DCとを入力したとする。
【0194】
次に、組み合わせ図形320から、面積が大きい順に抽出図形が抽出され(ステップS9)、図21(b)に示すように、当該抽出図形に関するデータが抽出図形データ記憶領域121に記憶されて、図25(b)に示すように、抽出図形が対応する色で図形表示エリアR1に表示される(ステップS10)。
【0195】
ここで、図21(b)に示すように、図21(a)に示す組み合わせ図形320からは、円Oと、正方形ABCDと、扇形ODAから直角三角形ODAを除外することにより得られる弓形DAと、扇形OBCから直角三角形OBCを除外することにより得られる弓形BCと、扇形OBAから直角三角形OBAを除外することにより得られる弓形BAと、扇形OCDから直角三角形OCDを除外することにより得られる弓形CDとが抽出図形として抽出可能である。また、各抽出図形には識別色が設定されている。なお、この場合、弓形DAと弓形BCと弓形BAと弓形CDとは互いに合同な図形であり、これらの図形同士は辺で接していないので、同一の識別色(黄色)が設定されている。
【0196】
次に、ユーザが、計算補助情報を表示するよう指示すると(ステップS11;Yes)、計算補助情報の作成が行われる(ステップS12)。
【0197】
具体的には、まず、変数Nに「1」が設定される(ステップS121)。そして、図形番号「1」に対応する面積計算情報は「含む/除外」であるため(図21(b)参照)、図形番号「1」の抽出図形は、面積計算に関係すると判断される(ステップS122;Yes)。
【0198】
図形番号「1」に対応する図形名は「円」であるため(図21(b)参照)、図形番号「1」の抽出図形は、「正方形」又は「長方形」でないと判断され(ステップS123;No)、「直角三角形」でないと判断され(ステップS125;No)、「円」であると判断されて(ステップS127;Yes)、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図21(c)に示すように、図形番号「1」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される(ステップS128)。
【0199】
次に、次の図形番号があると判断されて(ステップS130;Yes)、変数Nに「2」が設定される(ステップS131)。そして、図形番号「2」に対応する面積計算情報は「含む」であるため(図21(b)参照)、図形番号「2」の抽出図形は、面積計算に関係すると判断される(ステップS122;Yes)。
【0200】
図形番号「2」に対応する図形名は「正方形」であるため(図20(b)参照)、図形番号「2」の抽出図形は、「正方形」又は「長方形」であると判断されて(ステップS123;Yes)、計算補助情報及び位置情報が作成されて、図21(c)に示すように、図形番号「2」に対応付けて計算補助情報記憶領域122に記憶される(ステップS124)。
【0201】
次に、次の図形番号があると判断されて(ステップS130;Yes)、変数Nに「3」が設定される(ステップS131)。そして、図形番号「3」に対応する面積計算情報は「除外」であるため(図21(b)参照)、図形番号「3」の抽出図形は、面積計算に関係すると判断される(ステップS122;Yes)。
【0202】
図形番号「3」に対応する図形名は「弓形」であるため(図21(b)参照)、図形番号「3」の抽出図形は、「正方形」又は「長方形」でないと判断され(ステップS123;No)、「直角三角形」でないと判断され(ステップS125;No)、「円」でないと判断される(ステップS127;No)。そして、図形番号「3」の抽出図形は、所定の公式を用いて面積計算が可能な計算可能図形でないと判断され、計算補助情報及び位置情報が作成されずに、次の図形番号があるか否かが判断される(ステップS130)。
【0203】
また、図形番号「4」〜「6」の抽出図形についても、図形番号「3」の抽出図形の場合と同様、計算補助情報及び位置情報が作成されずに、次の図形番号があるか否かが判断される。
【0204】
次に、次の図形番号がないと判断されて(ステップS130;No)、計算補助情報の作成が終了する。
【0205】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“弓形DA”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、図26(a)に示すように、“弓形DA”が赤線P1で囲まれて、選択状態である旨が図形表示エリアR1に表示される(ステップS14)。
【0206】
次に、計算補助情報記憶領域122(図21(c)参照)に基づき“弓形DA”に対応する計算補助情報がないと判断された後(ステップS15;No)、“弓形DA”のサムネイルが式表示エリアR2に表示される(ステップS17)。
【0207】
次に、指定図形計算式入力モードが設定されていないと判断された後(ステップS18;No)、面積計算結果の表示(ステップS19)が行われずに、指定図形が指定されたか否かが判断される(ステップS13)。ここで、計算補助情報作成処理(ステップS12)が行われた場合、対応する計算補助情報があれば、面積計算結果の表示(ステップS19)が行われる。これに対し、“弓形DA”は、計算補助情報作成処理(ステップS12)が行われたにも関わらず、対応する計算補助情報がない(デフォルトである)ため(図21(c)参照)、面積計算結果が表示されることなく、指定図形が指定されたか否かが判断される(ステップS13)。これにより、ユーザは、指定図形として指定する抽出図形を間違えたと判断して、“弓形DA”の指定を解除するよう指示する。これに応じて、“弓形DA”を囲う赤線P1が取り消されて、“弓形DA”のサムネイルが面積計算式から取り消される。
【0208】
そして、ユーザが、組み合わせ図形320から“円O”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、“円O”が赤線P1で囲まれて、選択状態である旨が図形表示エリアR1に表示される(ステップS14)。
【0209】
次に、計算補助情報記憶領域122(図21(c)参照)に基づき“円O”に対応する計算補助情報があると判断され(ステップS15;Yes)、図26(b)に示すように、当該計算補助情報が図形表示エリアR1に表示され(ステップS16)、“円O”のサムネイルが式表示エリアR2に表示される(ステップS17)。
【0210】
次に、指定図形計算式入力モードが設定されていないと判断された後(ステップS18;No)、図26(b)に示すように、“円O”の面積計算結果「314.2」が式表示エリアR2に表示されている“円O”のサムネイルに対応付けて表示される(ステップS19)。
【0211】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「−」を入力すると(ステップS24;Yes)、図26(b)に示すように、「−」が式表示エリアR2に表示される。そして、計算対象の図形である“円O”が組み合わせ図形320内で特定できると判断され(ステップS25;No)、図26(b)に示すように、“円O”が斜線P2で網掛けされて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS26)。
【0212】
次に、ユーザが、組み合わせ図形320から“正方形ABCD”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、上述した、ユーザが“円O”を指定図形として指定した場合と同様にして、“正方形ABCD”が赤線P1で囲まれ(ステップS14)、図27(a)に示すように、“正方形ABCD”に対応する計算補助情報が図形表示エリアR1に表示され(ステップS16)、“正方形ABCD”のサムネイルが式表示エリアR2に表示され(ステップS17)、当該サムネイルに対応付けて面積計算結果「200」が表示される(ステップS19)。
【0213】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、カーソルCR1の位置を面積計算式の先頭に移動させて「(」を入力した後に、当該カーソルCR1の位置を面積計算式の末尾に移動させて「)」を入力(或いは、カーソルCR1の位置を面積計算式の末尾に移動させて「)」を入力した後に、当該カーソルCR1の位置を面積計算式の先頭に移動させて「(」を入力)すると(ステップS24;Yes)、図27(a)に示すように、「( )」が式表示エリアR2に表示される。そして、計算対象の図形である“『円O』−『正方形ABCD』”が組み合わせ図形320内で特定できると判断され(ステップS25;No)、図27(a)に示すように、“正方形ABCD”に対応する部分の斜線P2が消去されて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS26)。
【0214】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「÷2」を入力すると(ステップS36;Yes)、図27(b)に示すように、「÷2」が式表示エリアR2に表示される。そして、除算対象図形である“弓形DAと弓形BCと弓形BAと弓形CDとが組み合わされた複合図形”は、抽出可能な複数の図形が含まれるため、当該除算対象図形から互いに合同な抽出図形が検知される(ステップS37)。
【0215】
除算対象図形からは、互いに合同な“弓形DA”と“弓形BC”と“弓形BA”と“弓形CD”とが検知できるため、除算対象図形から互いに合同な抽出図形が検知できると判断され(ステップS38;No)、除算合同図形個数「2」(=検知個数/除数)は自然数である判断される(ステップS39;Yes)。そして、図27(b)に示すように、検知した互いに合同な抽出図形のうちの除算合同図形個数分(すなわち、“弓形DA”と“弓形BC”との2つ)が斜線P2で網掛けされて、識別表示される(ステップS40)。
【0216】
次に、ユーザが、カーソルCR1の位置を面積計算式の先頭に移動させて、組み合わせ図形320から“円O”を指定図形として指定すると(ステップS13;Yes)、上述した、ユーザが“円O”を指定図形として指定した場合と同様にして、“円O”が赤線P1で囲まれ(ステップS14)、“円O”に対応する計算補助情報が図形表示エリアR1に表示され(ステップS16)、図28に示すように、“円O”のサムネイルが式表示エリアR2に表示され(ステップS17)、当該サムネイルに対応付けて面積計算結果「314.2」が表示される(ステップS19)。この場合、カーソルCR1の位置が面積計算式の先頭にあるため、“円O”のサムネイル及び面積計算結果は面積計算式の先頭に表示される。
【0217】
次に、ユーザが、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「−」を入力すると(ステップS24;Yes)、図28に示すように、「−」が式表示エリアR2に表示される。そして、計算対象の図形である“『円O』−(『円O』−『正方形ABCD』)÷2”が組み合わせ図形320内で特定できると判断され(ステップS25;No)、図28に示すように、“円O”から“弓形DA”と“弓形BC”とを除いた部分が斜線P2で網掛けされて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS26)。
【0218】
次に、ユーザが、カーソルCR1の位置を面積計算式の末尾に移動させて、指定図形を指定せずに(ステップS13;No)、「=」を入力すると(ステップS43;Yes)、図28に示すように、「=」が式表示エリアR2に表示されて、計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示される(ステップS44)。なお、この場合、識別表示は「=」が入力される前と後とで変化しない。
【0219】
次に、図28に示すように、組み合わせ図形320内で斜線P2を用いて識別表示されている図形のサムネイルが計算結果として式表示エリアR2に表示され(ステップS45)、この計算結果の数値「257.1」が当該サムネイルに対応付けて表示される(ステップS46)。
【0220】
以上、本実施の形態によれば、図3〜図5のステップS3、S7、S8、S13、S17、S24、S29、S36に示したように、面積計算の学習用の課題図300がディスプレイ3に表示され、ユーザ操作に応じて面積計算用の補助線310がディスプレイ3に描画表示され、課題図300と補助線310とを組み合わせた組み合わせ図形320から抽出可能な複数の図形の何れかが、ユーザ操作に応じて指定図形として指定され、ユーザ操作に応じて四則演算記号の何れかが指定演算記号として指定され、面積計算式として指定図形と指定演算記号とが並んでディスプレイ3に表示されるようになっている。すなわち、ユーザに補助線310を入力させることができるとともに、ユーザに指定図形や指定演算記号を指定させることができるため、補助線310の入れ方や計算の過程をユーザに考えさせることができ、学習効果を高めることができる。
【0221】
また、図4〜図5のステップS24、S26、S29、S33、S36、S40、S44に示したように、面積計算式として指定図形と指定演算記号とがディスプレイ3に表示されるとともに、面積計算式による計算対象の図形が組み合わせ図形320内で識別表示されるようになっている。したがって、面積計算式からも、組み合わせ図形320からも、計算の過程を把握させることができる。また、面積計算式中の指定図形と、組み合わせ図形320内の指定図形との対応関係を的確に認識させることができる。
【0222】
さらに、図4のステップS29〜S33に示したように、ユーザ操作に応じて乗数として自然数が入力され、指定演算記号として乗算記号(「×」)が入力されるとともに、乗数が入力されると、当該乗算の対象となる組み合わせ図形320内の図形が乗算対象図形として特定されて、当該乗算対象図形と合同の図形が組み合わせ図形320内から検知され、乗数から1を引いた値が乗算合同図形個数として特定され、当該検知された図形の個数が当該乗算合同図形個数以上である場合に、乗算対象図形と、当該検知された図形のうちの当該乗算合同図形個数分と、が識別表示されるようになっている。また、図5のステップS36〜S40に示したように、ユーザ操作に応じて除数として自然数が入力され、指定演算記号として除算記号(「÷」)が入力されるとともに、除数が入力されると、当該除算の対象となる組み合わせ図形320内の図形が除算対象図形として特定されて、当該除算対象図形に抽出可能な複数の図形が含まれる場合に、当該除算対象図形から互いに合同な図形が検知され、当該検知された図形の個数を除数で割った値が除数合同図形個数として特定され、当該除数合同図形個数が自然数である場合に、当該検知された図形のうちの当該除数合同図形個数分が識別表示されるようになっている。したがって、乗除算を用いた場合であっても、面積計算式からも、組み合わせ図形320からも、計算の過程を把握させることができる。また、乗除算を用いた場合であっても、面積計算式中の指定図形と、組み合わせ図形320内の指定図形との対応関係を的確に認識させることができる。
【0223】
さらに、図3のステップS19に示したように、指定図形の面積が計算され、当該計算結果がディスプレイ3に表示されるようになっている。したがって、ユーザに指定図形の面積を提示できるため、学習効果を高めることができる。
【0224】
さらに、図3のステップS16に示したように、指定図形が指定されると、当該指定図形の面積を計算する際の補助となる計算補助情報が表示されるようになっている。したがって、指定図形の面積の計算の仕方についてユーザに考えさせることができるため、学習効果を高めることができる。
【0225】
さらに、図3のステップS19〜S23に示したように、指定図形の面積を計算するための指定図形計算式がユーザ操作に応じて入力され、当該指定図形計算式の正誤が判定され、当該判定結果が表示され、当該指定図形計算式が正解であると判定された場合に、当該指定図形の面積を計算した結果が表示されるようになっている。したがって、指定図形の面積の計算をユーザに実行させることができるため、学習効果を高めることができる。
【0226】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0227】
例えば、本発明に係る図形表示装置を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る数式演算プログラム131は、図形表示装置に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0228】
また、ユーザは、入力キー群2を操作して、数値や演算記号等の数式構成要素の入力を行ったり、各種処理の指示を行ったりすることとして説明したが、タッチパネル30を操作して、入力を行ったり指示を行ったりすることとしてもよい。
【0229】
また、ユーザは、面積計算式として面積計算図形の面積を計算するための式を入力することとして説明したが、入力される面積計算式は必ずしも面積計算図形の面積を計算するための式でなくてもよい。すなわち、面積計算式の計算結果として、面積計算式における「=」の後に表示される図形は、組み合わせ図形320から抽出される図形のうち、面積計算図形とは異なる図形であってもよい。
【0230】
また、指定図形の計算結果を、面積計算式における当該指定図形のサムネイルに対応付けて表示することとして説明したが、当該計算結果の表示位置は任意である。
【符号の説明】
【0231】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 キー入力部
15 表示部
131 数式演算プログラム
300 課題図
310 補助線
320 組み合わせ図形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面積計算の学習用の課題図を表示させる課題図表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて面積計算用の補助線を描画表示させる補助線描画制御手段と、
前記課題図と前記補助線とを組み合わせた組み合わせ図形から抽出可能な複数の図形の何れかを、ユーザ操作に応じて指定図形として指定する図形指定手段と、
ユーザ操作に応じて四則演算記号の何れかを指定演算記号として指定する演算記号指定手段と、
面積計算式として、前記指定図形と前記指定演算記号とを並べて表示させる数式表示制御手段と、
前記面積計算式による計算対象の図形を前記組み合わせ図形内で識別表示させる数式対応領域識別表示制御手段と、
を備えることを特徴とする図形表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の図形表示装置において、
ユーザ操作に応じて乗数として自然数を入力する乗数入力手段を備え、
前記指定演算記号として乗算記号が入力されるとともに、前記乗数が入力されると、当該乗算の対象となる前記組み合わせ図形内の図形を乗算対象図形として特定し、当該乗算対象図形と合同の図形を前記組み合わせ図形内から検知する乗算合同図形検知手段を備え、
前記数式対応領域識別表示制御手段は、前記乗数から1を引いた値を乗算合同図形個数として特定し、前記乗算合同図形検知手段により検知された図形の個数が前記乗算合同図形個数以上である場合に、前記乗算対象図形と、前記乗算合同図形検知手段により検知された図形のうちの前記乗算合同図形個数分と、を識別表示させることを特徴とする図形表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の図形表示装置において、
ユーザ操作に応じて除数として自然数を入力する除数入力手段を備え、
前記指定演算記号として除算記号が入力されるとともに、前記除数が入力されると、当該除算の対象となる前記組み合わせ図形内の図形を除算対象図形として特定し、当該除算対象図形に抽出可能な複数の図形が含まれる場合に、当該除算対象図形から互いに合同な図形を検知する除算合同図形検知手段を備え、
前記数式対応領域識別表示制御手段は、前記除算合同図形検知手段により検知された図形の個数を前記除数で割った値を除算合同図形個数として特定し、前記除算合同図形個数が自然数である場合に、前記除算合同図形検知手段により検知された図形のうちの前記除数合同図形個数分を識別表示させることを特徴とする図形表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の図形表示装置において、
前記指定図形の面積を計算する指定図形面積計算手段と、
前記指定図形面積計算手段による計算結果を表示させる指定図形面積表示制御手段と、
を備えることを特徴とする図形表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の図形表示装置において、
前記指定図形が指定されると、当該指定図形の面積を計算する際の補助となる計算補助情報を表示させる計算補助情報表示制御手段を備えることを特徴とする図形表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の図形表示装置において、
前記指定図形の面積を計算するための指定図形計算式を、ユーザ操作に応じて入力する計算式入力手段と、
前記指定図形計算式の正誤を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表示させる判定結果表示制御手段と、
前記判定手段により前記指定図形の面積を計算するための指定図形計算式が正解であると判定された場合に、当該指定図形の面積を計算した結果を表示させる正解図形面積表示制御手段と、
を備えることを特徴とする図形表示装置。
【請求項7】
コンピュータに、
面積計算の学習用の課題図を表示させる課題図表示制御機能と、
ユーザ操作に応じて面積計算用の補助線を描画表示させる補助線描画制御機能と、
前記課題図と前記補助線とを組み合わせた組み合わせ図形から抽出可能な複数の図形の何れかを、ユーザ操作に応じて指定図形として指定する図形指定機能と、
ユーザ操作に応じて四則演算記号の何れかを指定演算記号として指定する演算記号指定機能と、
面積計算式として、前記指定図形と前記指定演算記号とを並べて表示させる数式表示制御機能と、
前記面積計算式による計算対象の図形を前記組み合わせ図形内で識別表示させる数式対応領域識別表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−203883(P2011−203883A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69035(P2010−69035)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】