説明

固体撮像装置及び内視鏡装置

【課題】内視鏡装置の挿入部の小型化を図りつつ、回路基板の接続端子に接続される信号ケーブル先端の導体露出部におけるノイズの放射及び混入を防止する。
【解決手段】固体撮像素子と、前記固体撮像素子が接続される回路基板本体と、前記回路基板本体に折り曲げ可能に連接され、シールドパターンが配設されるシールド片と、前記回路基板本体に接続され、前記固体撮像素子に対する入出力信号を伝送する信号ケーブルと、を備え、前記シールド片は前記接続端子が形成される領域の少なくとも一面側に折り曲げられていることを特徴とする固体撮像装置を提供することにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡挿入部の先端に内蔵される固体撮像装置及び内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、内視鏡装置(電子内視鏡)を利用した診断が広く行われている。内視鏡装置には、被検体内に挿入される挿入部先端に固体撮像素子(例えばCCD撮像素子)が内蔵されており、固体撮像素子が実装された回路基板に接続された信号ケーブルは挿入部の中を通ってプロセッサ装置(信号処理装置)に接続されるコネクタに繋げられている。固体撮像素子から出力された撮像信号に対してプロセッサ装置で信号処理を施すことで、モニタ装置で観察部位の画像(内視鏡画像)を観察することができる。また、内視鏡装置の挿入部には処置具が挿通される鉗子チャンネルが配設されており、この鉗子チャンネルの中に高周波メスなどの電気処置具が挿入されて使用されることがある。
【0003】
従来より、内視鏡装置の挿入部の小型化や高密度実装が図られており、挿入部内におけるノイズ対策は重要な技術的課題の1つとなっている。
【0004】
例えば、特許文献1には、固体撮像素子用伝送路から超音波信号伝送路に与えるノイズの影響を防止するために、固体撮像素子用伝送路のうち超音波信号伝送路とオーバーラップする部分にシールド部材を適用した技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には鉗子チャンネルに挿入された高周波メスが発する高周波ノイズから保護するために、鉗子チャンネルを構成する樹脂チューブを金属メッキ層で覆う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−237842号公報
【特許文献2】特開2010−35755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示される従来の技術では、回路基板の接続端子に接続される信号ケーブルの先端では導体が剥き出し状態となっており、この部分に対するノイズ対策は何ら検討されていない。このため、導体露出部から外部にノイズが放射されたり、外部から導体露出部にノイズが混入したりしやすいという問題がある。
【0008】
特に内視鏡装置の高画質化に伴って固体撮像素子の高画素化が図られており、固体撮像素子とプロセッサ装置との間で伝送される信号の高速化・大容量化が進んでいる。このため、信号ケーブルの導体露出部から生じる高周波ノイズの問題がより顕著になる。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡装置の挿入部の小型化を図りつつ、回路基板の接続端子に接続される信号ケーブル先端の導体露出部におけるノイズの放射及び混入を防止することができる固体撮像装置及び内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明に係る固体撮像装置は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子が接続される回路基板本体と、前記回路基板本体に折り曲げ可能に連接され、シールドパターンが配設されるシールド片と、前記回路基板本体に設けられる接続端子に接続され、前記固体撮像素子に対する入出力信号を伝送する信号ケーブルと、を備え、前記シールド片は前記接続端子が形成される領域の少なくとも一面側に折り曲げられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、回路基板本体の接続端子に接続される信号ケーブルの導体露出部で生じるノイズの放射や混入は、回路基板本体に連接されるシールド片のシールドパターンによって防止される。また、信号ケーブルの導体露出部に対するシールド性を簡易な構成で高めることが可能であり、ノイズの影響を受けることなく内視鏡挿入部先端の限られたスペースを有効活用することができ、内視鏡挿入部の小型化を図ることが可能となる。
【0012】
本発明に係る固体撮像装置は、前記シールド片に配設されるシールドパターンと同一平面上に前記接続端子を投影した場合に、前記シールドパターン内に前記接続端子が含まれることが好ましい。
【0013】
また、前記回路基板本体に対して前記シールド片が略平行になるように折り曲げられていることが好ましい。
【0014】
また、前記回路基板本体には少なくとも2つのシールド片が折り曲げ可能に連接され、前記2つのシールド片が互いに重なり合うように折り曲げられていることが好ましい。
【0015】
また、前記信号ケーブル側にシールド層が設けられ、前記シールド片には前記シールドパターンが露出している開口部が形成され、前記シールド片は前記開口部から露出している前記シールドパターンと前記シールド層が接触するように折り曲げられていることが好ましい。
【0016】
また、前記回路基板本体と前記シールド片を連接する連接部が設けられ、前記シールドパターンは、前記連接部の少なくとも一部に延設されていることが好ましい。
【0017】
また、前記回路基板本体と前記シールド片は可撓性を有するフレキシブル基板で一体的に形成されていることが好ましい。
【0018】
また、前記シールド片及び前記接続端子の周辺部は樹脂で封止固定されていることが好ましい。
【0019】
また前記目的を達成するために、本発明に係る内視鏡装置は、被検体内に挿入される挿入部先端に請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固体撮像装置を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る内視鏡装置は、前記挿入部先端に形成された鉗子出口に連通し、被検体への処置を施す処置具が挿入される鉗子チャンネルを備え、前記シールド片は前記接続端子と前記鉗子チャンネルとの間に配置されるように折り曲げられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回路基板本体の接続端子に接続される信号ケーブルの導体露出部で生じるノイズの放射や混入は、回路基板本体に連接されるシールド片のシールドパターンによって防止される。また、信号ケーブルの導体露出部に対するシールド性を簡易な構成で高めることが可能であり、ノイズの影響を受けることなく内視鏡挿入部先端の限られたスペースを有効活用することができ、内視鏡挿入部の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】電子内視鏡システムを示した全体構成図
【図2】軟性部の内部を示す断面図
【図3】先端部の先端面を示す平面図、
【図4】先端部の内部を側面から視た概略断面図
【図5】固体撮像素子の他の配置例を示した構成図
【図6】多芯ケーブルの内部を示す断面図
【図7】フレキシブル基板及びその周辺部の構成例を示した斜視図
【図8】フレキシブル基板が折り曲げられる前の状態を示した展開平面図
【図9】フレキシブル基板の他の構成例を示した展開平面図
【図10】図9に示したフレキシブル基板が折り曲げられたときに正面から視た断面図
【図11】フレキシブル基板の更に他の構成例を示した展開平面図
【図12】図10に示したフレキシブル基板が折り曲げられたときに正面から視た断面図
【図13】第2の実施形態に係るフレキシブル基板及びその周辺部の構成を示した側面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に従って本発明に係る固体撮像装置、及び内視鏡装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0024】
図1は内視鏡システムを示した全体構成図である。図1に示す内視鏡システムは、主として、本発明が適用される固体撮像装置が搭載される内視鏡装置(電子内視鏡)10、プロセッサ装置26、光源装置20、及びモニタ装置50を備えて構成される。
【0025】
内視鏡装置10は、患者(被検体)の体腔内に挿入される挿入部12と、挿入部12の基端部分に連設された手元操作部14とから主に構成される。
【0026】
手元操作部14には、送気・送水ボタン28、吸引ボタン30、シャッターボタン32、機能切替ボタン34、及び一対のアングルノブ36、36が設けられる。また、鉗子等の処置具が挿入される鉗子口46が設けられる。
【0027】
また、手元操作部14には、ユニバーサルケーブル16を介してLGコネクタ18が設けられており、LGコネクタ18は光源装置20に着脱自在に連結される。また、LGコネクタ18には、ケーブル22を介して電気コネクタ24が接続されており、電気コネクタ24はプロセッサ装置26に着脱自在に連結される。
【0028】
挿入部12は、先端(手元操作部14とは反対側)から順に、先端部44、湾曲部42、及び軟性部40から構成される。先端部44は、硬質な金属材料等で形成され、被検体内撮影用の固体撮像素子(図4に符号80で図示)などが内蔵される。
【0029】
湾曲部42は、複数の湾曲駒を連結して構成され、手元操作部14に設けられたアングルノブ36、36の操作に連動して、挿入部12内に挿設されたワイヤが押し引きされて上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部44が被検体内の所望の方向に向けられる。
【0030】
軟性部40は、手元操作部14と湾曲部42との間を繋ぐ細径で長尺状の部分であり、可撓性を有している。軟性部40は、先端部44が被観察部位に到達可能なように、且つ術者が手元操作部14を把持して操作する際に支障を来さない程度に患者との距離を保つために1〜数mの長さを有する。
【0031】
図2は軟性部40の内部を示す断面図である。図2に示すように、軟性部40の内部には、照明光を導くためのライトガイド52、52、鉗子チャンネル54、送気・送水チャンネル56、多芯ケーブル58等の複数本の内容物を遊挿した構成になっている。
【0032】
軟性部40は、内側より順に可撓性を保ちながら内部を保護するフレックスと呼ばれる螺管60と、この螺管60の上に被覆され螺管60の伸張を防止するブレードと呼ばれるネット62と、このネット62上に樹脂を被着した外層64との3層で構成されている。
【0033】
次に、先端部44の構造について説明する。図3は先端部44の先端面を示す平面図、図4は先端部44の内部を側面から視た概略断面図である。
【0034】
図3に示すように、先端部44の先端面44aには、観察窓66、照明窓68、68、鉗子出口70、送気・送水ノズル72などが露呈して設けられている。
【0035】
照明窓68、68の背後には、照明用レンズが組み込まれており、光源装置20から発する照明光をライトガイド52、52で導いて体腔内の被観察部位に照射する。鉗子出口70は、鉗子チャンネル54を介して手元操作部14に設けた鉗子口46と連通されている。送気・送水ノズル72は、手元操作部14に設けた送気・送水ボタン28を操作することによって観察窓66の汚れを落とすための洗浄水やエアーを噴射する。
【0036】
観察窓66の後方には、図4に示すように、観察窓66から取り込まれた観察部位の像光(入射光)を集光させるための対物光学系74が配設されている。対物光学系74は、不図示のレンズ鏡胴内に保持される複数枚のレンズ74a、74bで構成される。対物光学系74の後方には、対物光学系74を通過した入射光の光路を90度方向変換するプリズム76が設けられ、その下方には、カバーガラス78を備えた固体撮像素子80が設けられる。カバーガラス78は、固体撮像素子80の撮像面(受光部)82を保護するための透明保護部材であり、不図示のスペーサを介して撮像面82上に配置される。
【0037】
観察窓66から取り込まれた観察部位の像光は、対物光学系74、プリズム76、及びカバーガラス78を介して固体撮像素子80の撮像面82に結像される。
【0038】
固体撮像素子80は、例えばインターライン型のCCDからなり、パッケージングが行われていないベアチップの形態になっており、ワイヤボンディング、TAB(tape automated bonding)、フリップチップなどの方法によりチップ上の電極が可撓性を有するフレキシブル基板(FPC)84上の電極に接続されている。
【0039】
図4に示すように、フレキシブル基板84の後端側には、多芯ケーブル58を構成する複数の信号線86が半田付けされる入出力端子(接続端子)88が設けられている。なお、図4においては、図面の煩雑化を避けるため、信号線86は1本のみ図示している。
【0040】
なお、図4では、先端部44の軸方向と平行になるように固体撮像素子80の撮像面82が配置されているが、これに限らず、図5に示すように先端部44の軸方向に垂直に配置されていてもよい。
【0041】
図6は多芯ケーブルの内部を示す断面図である。図6に示すように、多芯ケーブル58は、複数の信号線86を束ね、この束ねた信号線86に絶縁体90を覆い、絶縁体90の上に電気シールド層として編組線92を覆い、さらにこの編組線92の上に外皮94を覆っている。信号線86としては同軸線86Aや絶縁線86Bがあり、使用周波数が高周波の場合には同軸線86Aが用いられ、低周波の場合には絶縁線86Bが用いられる。多芯ケーブル58は、フレキシブル基板84の近傍で絶縁体90、編組線92、外皮94が除去され、複数の信号線86を露呈している。フレキシブル基板84の入出力端子88には、信号線86の外皮である絶縁体を剥がした導体が接続される。
【0042】
ここで、フレキシブル基板84の構成について詳しく説明する。
【0043】
図7はフレキシブル基板及びその周辺部の構成を示した斜視図、図8は図7に示したフレキシブル基板が折り曲げられる前の状態を示した展開平面図である。
【0044】
図7及び図8に示すように、第1の実施形態のフレキシブル基板84(84A)は、固体撮像素子80が実装される基板本体部(回路基板本体)84aと、基板本体部84aと同等の幅を有し、基板本体部84aの後端よりも後方に突出して形成される小片部(シールド片)84bと、基板本体部84aと小片部84bを接続する連接部84cとから一体的に構成されている。なお、フレキシブル基板84上には、複数の電子部品81(例えば、IC、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ等)が設けられている。
【0045】
フレキシブル基板84の表裏面(端子部を除く)は可撓性を有する絶縁部材(例えばポリイミドフィルムなどの絶縁性フィルム)で構成されており、その内部には第1及び第2の導体パターンが埋設されている。
【0046】
第1の導体パターンは基板本体部84aの内部に配設され、その一端は固体撮像素子に電気的に接続されるとともに他端は入出力端子88に電気的に接続され、固体撮像素子80から入出力される電気信号を入出力端子88などに伝送するための配線パターンとして機能する。
【0047】
第2の導体パターンは小片部84bの内部に配設され、基板本体部84aの入出力端子88に接続される信号線86の先端の導体露出部におけるノイズの放射及び混入を防止するシールドパターンとして機能する。シールドパターンは小片部84bの全面にベタ状に形成されていてもよいし、メッシュ状に形成されていてもよい。シールドパターンの一端は小片部84bに設けられるシールド端子(不図示)に電気的に接続されている。シールドパターンは小片部84bに限らず、連接部84cの一部又は全面に延設されていてもよい。
【0048】
このように構成されるフレキシブル基板84は、基板本体部84aと小片部84bが略平行となるようにU字状(又はコ字状)に折り曲げられ、基板本体部84aと小片部84bに囲まれた領域内に複数の入出力端子88(即ち、多芯ケーブル58から露呈した複数の信号線86の先端部分)が配置されるようになっている。
【0049】
換言すれば、図7に示すようにフレキシブル基板84が折り曲げられた状態において、小片部84bと同一平面上に各入出力端子88を投影した場合、小片部84bに配設されるシールドパターンが形成される領域内に入出力端子88が含まれるようになっている。
【0050】
また、フレキシブル基板84が折り曲げられた状態において、少なくとも小片部84b及び入出力端子88を含む領域110(図4において点線で囲んだ領域)は樹脂で封止固定されていることが好ましい。小片部84bと入出力端子88との位置関係を確実に固定することができる。
【0051】
本実施形態によれば、多芯ケーブル58から露呈している複数の信号線86の先端部分(導体露出部)の上方にはフレキシブル基板84を構成する基板本体部84aと一体的に形成される小片部84bが配置されるので、信号線86の導体露出部におけるノイズの放射及び混入を小片部84bに形成されたシールドパターンで確実に防止することができる。これにより、ノイズの影響を受けることなく、小片部84bを挟んで入出力端子88側とは反対側(図4において上側)のスペースを有効活用することが可能となり、先端部44の小型化を図ることができる。
【0052】
本実施形態のフレキシブル基板84は、図7及び図8に示した構成に限定されるものではない。以下、フレキシブル基板84の他の構成例について説明する。
【0053】
図9はフレキシブル基板の他の構成例を示した展開平面図、図10は図9に示したフレキシブル基板が折り曲げられたときに正面から視た断面図である。
【0054】
図9に示したフレキシブル基板84Bは、基板本体部84aの片側だけでなく両側にそれぞれ連接部84cを介して小片部84bが接続されている。このため、図10に示すようにフレキシブル基板84が折り曲げられたとき、2つの小片部84b、84bに形成されるシールドパターンが上下に重なり合い、信号線86の先端部分(導体露出部)に対する遮蔽性(シールド性)がより高まり、ノイズの放射及び混入をより確実に防止することができる。
【0055】
図11はフレキシブル基板の更に他の構成例を示した展開平面図、図12は図11に示したフレキシブル基板が折り曲げられたときに正面から視た断面図である。
【0056】
図11に示したフレキシブル基板84Cは、小片部84bの後端側の所定位置にシールドパターンが表面に露出された開口部100が形成されている。この開口部100はシールド端子として機能し、図12に示すようにフレキシブル基板84が折り曲げられたとき、多芯ケーブル58の先端から露呈している編組線(電気シールド層)92に開口部100から露出しているシールドパターン102に直接的に接触させることにより電気的導通がとられるように構成されている。
【0057】
また、信号線86として同軸線86Aが用いられる場合には、多芯ケーブル58の編組線92に代えて、同軸線86Aに設けられる編組線(シールド層)を開口部100から露出しているシールドパターン102と直接的に接触させることにより電気的導通をとるようにしてもよい。
【0058】
本構成によれば、小片部84bのシールドパターンを接続するための配線が不要となるので、先端部44の内部構造を簡略化することができ、先端部44の小型化を図ることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0059】
図13は第2の実施形態に係るフレキシブル基板及びその周辺部の構成を示した側面図である。図13中、図4と共通又は類似する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0060】
図13に示すように、第2の実施形態のフレキシブル基板84Dは、基板本体部84a、小片部84b、及び連接部84cから構成される点は第1の実施形態と同様であるが、基板本体部84aがZ状に折り曲げられており、その折り曲げられた部分の表裏面には複数の電子部品104(例えばIC、コンデンサ、抵抗器、トランジスタ等)が高密度に実装されている。
【0061】
また、基板本体部84aの後端側に形成される入出力端子88は固体撮像素子80が実装される面とは反対側(裏面側)に形成されている。このため、多芯ケーブル58を構成する複数の信号線86は基板本体部84aの裏面側に接続されており、基板本体部84aに連接部84cを介して接続される小片部84bは、第1の実施形態とは反対側の基板本体部84aより下方に折り曲げられている。
【0062】
また、フレキシブル基板84Dが折り曲げられた状態において、少なくとも小片部84b及び入出力端子88を含む領域112(図13において点線で囲んだ領域)は封止で封止固定されることが好ましい。
【0063】
また、図13に示すように、フレキシブル基板84Dは第2の小片部(第2のシールド片)84dを更に備え、フレキシブル基板84Dの固体撮像素子80が配置される面とは反対側の面と鉗子チャンネル54との間に第2の小片部84dが配置されるようにしてもよい。
【0064】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、フレキシブル基板84を構成する基板本体部84aと一体的に形成される小片部84bが基板本体部84aの入出力端子88と鉗子チャンネル54との間に配置されるため、鉗子チャンネル54に挿入される電気メスなどの電気処置具から放射される高周波ノイズによる影響も防止することができる。
【0065】
以上、本発明の固体撮像装置及び内視鏡装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0066】
10…内視鏡装置、12…挿入部、14…手元操作部、20…光源装置、26…プロセッサ装置、40…軟性部、42…湾曲部、44…先端部、54…鉗子チャンネル、58…多芯ケーブル、66…観察窓、74…対物光学系、80…固体撮像素子、84…フレキシブル基板、84a…基板本体部、84b…小片部、84c…連接部、86…信号線、88…入出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子と、
前記固体撮像素子が接続される回路基板本体と、
前記回路基板本体に折り曲げ可能に連接され、シールドパターンが配設されるシールド片と、
前記回路基板本体に設けられる接続端子に接続され、前記固体撮像素子に対する入出力信号を伝送する信号ケーブルと、を備え、
前記シールド片は前記接続端子が形成される領域の少なくとも一面側に折り曲げられていることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記シールド片に配設されるシールドパターンと同一平面上に前記接続端子を投影した場合に、前記シールドパターン内に前記接続端子が含まれることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記回路基板本体に対して前記シールド片が略平行になるように折り曲げられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記回路基板本体には少なくとも2つのシールド片が折り曲げ可能に連接され、
前記2つのシールド片が互いに重なり合うように折り曲げられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記信号ケーブル側にシールド層が設けられ、
前記シールド片には前記シールドパターンが露出している開口部が形成され、
前記シールド片は前記開口部から露出している前記シールドパターンと前記シールド層が接触するように折り曲げられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記回路基板本体と前記シールド片を連接する連接部が設けられ、
前記シールドパターンは、前記連接部の少なくとも一部に延設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記回路基板本体と前記シールド片は可撓性を有するフレキシブル基板で一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記シールド片及び前記接続端子の周辺部は樹脂で封止固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
被検体内に挿入される挿入部先端に請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固体撮像装置を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項10】
前記挿入部先端に形成された鉗子出口に連通し、被検体への処置を施す処置具が挿入される鉗子チャンネルを備え、
前記シールド片は前記接続端子と前記鉗子チャンネルとの間に配置されるように折り曲げられていることを特徴とする請求項9に記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−212161(P2011−212161A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82254(P2010−82254)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】