説明

固体物と気体との間における化学的及び/又は物理的な反応を行う装置およびその方法、および、セメント製造用プラント

遠心力により気体及び固体物の混合体を固体流と気体流へ分離するヘリカル及び/又はスパイラル状パイプと、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプの終端部に接続されて、固体流を放出する固体物用パイプおよび気体流を放出する気体用パイプを相互に接続する分離領域とを実質的に備えた、固体物と気体との化学的及び/又は物理的な反応を行う装置、特に、細粒材の余熱、冷却、及び/又は、焼成装置。
分離領域は、気体用パイプの下側領域に形成され、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプとの接続部分内における分離領域と、分離領域の上側に位置して分離領域に隣接する気体用パイプの一部分とが、同一の直径を有している。
渦巻流を形成するために、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプが、水平面に対して少なくとも30°の角度で接線状に、分離領域に対して開口している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体物と気体との間における化学的及び/又は物理的な反応を行う装置および方法に関し、特に、細粒材の余熱、冷却、及び/又は、焼成装置およびその方法、及び、セメント製造用プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、細粒材の余熱、冷却、及び/又は、焼成用の、特に、DC熱交換器とサイクロン式の分離器とを備えたシステムが、知られている。
通常、このような装置は、積層された複数の段階(ステージ)を備え、気体流が、全ての段階を通して底部から頂部へと方向付けられ、一方、固体物が、反対方向で各段階に供給されるように設計されている。
【0003】
このようなシステムでは、巨大なヘッドルーム(headroom)、すなわち、特に上下方向における巨大な空間を必要するという問題があり、また、サイクロン式分離器による分離度合(すなわち、分離の程度)が必ずしも満足のいく水準に達していないという問題があった。
例えば、このサイクロンでは、制御不能な流れがしばしば発生し、この制御不能な流れは、サイクロン内で形成される渦巻流(swirling flow)上における流入した気体流の重なり(superimposition)を原因として、または、サイクロンのコーン(cone)内における気体流の流れ方向の反転を原因として、例えば、サイクロンの吸気口で発生するようになっている。
さらに、サイクロンの縁に常に堆積する粒子が、サイクロンの流入する気体流に、再び導入される(すなわち、再び混ざり込む)恐れがあった。
【0004】
異なる大きさの構成に起因して、遠心力は同じ流入速度を有した状態で変化し、その結果、異なる分離状況を生じるという他の問題があった。
【0005】
それゆえ、US4318692では、セメント原材料用の多段階(マルチステージ)構成の予熱器が提案されており、各段階は、上昇パイプと、隣接するヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(helical and/or spiral conduit)とから構成されている。
ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプは、矩形断面を有し、また、ブロック形状の収集チャンバー(block-form collection chamber)の一側面に接続されている。
接続箇所は、ブロック形状の収集チャンバーの全ての側面に亘って延びている。
収集チャンバーの下側部分は、漏斗状に先細るように形成されて、固体物の放出機能を有し、一方、気体は、上方に向けて誘導されるようになっている。
しかしながら、この収集チャンバーの分離度合は、満足のいく水準に達していない。
【0006】
DE10309575A1は、気体および粒子の混合体から粒子を分離するサイクロンを開示しており、このサイクロンは、斜めに流入させる吸引チャネルを備えている。
粒子は、下方に向けて放出され、一方、気体は、サイクロンに向けて開口する浸漬パイプ(immersion conduit)を介して誘導されるようになっている。
【0007】
本発明の目的は、分離チャンバー内における分離度合を改善することである。
【0008】
本発明の目的は、請求項1および請求項13の特徴により達成される。
【0009】
本発明の固体物と気体との間における化学的及び/又は物理的な反応を行う装置、特に、細粒材の余熱、冷却、及び/又は、焼成装置は、気体及び固体物の混合体を遠心力により固体流および気体流に分離する少なくとも1つのヘリカル及び/又はスパイラル状パイプと、このヘリカル及び/又はスパイラル状パイプの終端に接続される少なくとも1つの分離領域とから実質的に構成され、この分離領域は、固体流を放出する固体物用パイプと気体流を放出する気体用パイプとを接続している。
分離領域は、気体用パイプの下側領域により形成され、また、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプの接続部分の領域内における分離領域と、分離領域2aの上側に位置して分離領域2aに隣接する気体用パイプの一部分とは、同一の直径を有している。
渦巻流を形成するため、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプは、水平面に対して少なくとも30°の角度をなした状態かつ接線状に、分離領域2aに対して開口している。
【0010】
本発明で用いられる用語「ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ」は、少なくとも部分的にヘリカル及び/又はスパイラル状を呈するパイプを意味している。
ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプの捻れは、特に、例えば90°の比較的小さな角度範囲のみに亘って延びている。
【0011】
従来の解決方法との間の本質的な違いは、サイクロン式の分離器が、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプに続く(続いて設けられる)のではなく、取り付けられた固体物用パイプを有する気体用パイプのみが、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプに続く(続いて設けられている)ことである。
ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプを気体用パイプに接続することにより、事前に気体流から分離された固体物を直接的に固体用パイプに供給し、また、気体流を渦巻流に変換することが可能であるように設計されている。
これにより、マテリアル(すなわち、固体物)が気体流により再び上昇し、放出されることを防止できる。
【0012】
本発明の基礎を形成する実験では、渦巻流を形成することにより、固体流と気体流とを非常に効率的に分離することが可能であることが判明している。
そうすることにより、気体及び固体物の混合体から、マテリアルの特に70%〜100%を分離することができる。
【0013】
本発明の他の実施形態は、従属する請求項の主題である。
【0014】
本発明に係る方法では、渦巻流が気体用パイプ内で生成されるとともに、固体物が直接的に下方に向けて放出されるように、気体及び固体物の混合体が、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプを介して、気体用パイプに導入される。
【0015】
本発明では、渦巻流を形成するために、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプは、後続する気体用パイプに向けて接線状(tangentially)に開口している。
本発明で用いられる用語「接線(tangential)」は、勿論、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプのこれらの接続が、ほぼ接線状(すなわち、接線方向)に方向づけられていることを意味している。
【0016】
本発明の好適な実施形態では、渦巻流を促進するために、気体用パイプが円形、すなわち、円筒形状を呈している。
さらに、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプが、水平面に対して30°から60°の間の角度をなした状態で、気体用パイプに接続されているのが好ましい。
このように設計することにより、固体物用パイプに向けて固体物を下方に向けて直接的にガイドできるとともに、一方、気体流を上方に向けて放出することができる。
【0017】
渦巻流の形成を促進するために、水平方向に見た場合に、分離チャンバー(すなわち、気体用パイプ)との接続部分におけるヘリカル及び/又はスパイラル状パイプの幅(width)は、分離チャンバーの幅よりも小さく設定され、分離チャンバーの幅の50%よりも小さく設定されているのが好ましい。
【0018】
本発明の好適な実施形態では、気体用パイプの下側部分は、漏斗状に先細るように形成され、固体物用パイプは、漏斗状に先細った気体用パイプの部分に接続されている。
気体用パイプの連続(continuation)、すなわち、前述した気体用パイプの下側部分に連続する部分は、気体流の流れ方向内で比較的小さな直径または比較的大きな直径を有していてもよい。
このように設計することにより、圧力損失や分離度合などの本発明に係る方法の詳細なパラメータに影響に与えて最適化することができる。
【0019】
そして、現実には、装置は、複数のヘリカル及び/又はスパイラル状パイプおよび関連する複数の気体用パイプを備えた多段階(マルチステージ)及び/又は多重列(マルチストリング、multi-string)構成で設計されているのが好ましい。
同時に、特に気体及び固体物の混合体用のパイプが設けられ、この気体及び固体物の混合体用のパイプは、上昇パイプと下降用のヘリカル及び/又はスパイラル状パイプとから構成され、これらパイプは、誘導ヘッド(diverter head)、すなわち、方向変換ヘッドにより相互に接続されている。
【0020】
多段階構成では、1つの段階上に他の段階を重ねた多数の段階が設けられ、各段階は、(a)ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプを用いて気体及び固体物の混合体を誘導する気体及び固体物の混合体用のパイプと、(b)分離領域と、(c)分離された固体物を放出する固体物用パイプと、(d)分離された気体を放出する気体用パイプとを備え、各段階の気体用パイプが、1つ上側に位置する段階の気体及び固体物の混合体用のパイプに連結されているとともに、各段階の固体物用パイプが、1つ下側に位置する段階の気体及び固体物の混合体用のパイプに向けて開口している。
【0021】
以下に、図面および記載を基に、本発明の更なる効果と実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例であるヘリカル及び/又はスパイラル状パイプおよび気体用パイプを備えた装置を正面から見た状態を示す説明図。
【図2】図1から90°回転させた状態の装置を示す説明図。
【図3】図1に示す装置を示す平面図。
【図4】多段階構成を側方から見た状態を示す説明図。
【図5】図4に示す多段階構成を示す平面図。
【図6】セメント製造用プラントを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
固体物4と気体5との間における化学的及び/又は物理的な反応を行う装置、特に、細粒材の余熱、冷却、及び/又は、焼成装置は、図1乃至図3に示すように、少なくとも1つのヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(helical and/or spiral conduit)1と、このヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1の終端に接続されて気体流を放出する少なくとも1つの気体用パイプ2と、この気体用パイプ2に接続されて固体物を放出する固体物用パイプ3と、から実質的に構成されている。
【0024】
気体用パイプ2の下側領域は、分離領域2aを形成し、また、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1は、この気体用パイプ2の下側領域(分離領域2a)に向けて開口し、そして、分離領域2aと、この分離領域2aの上側に位置して分離領域2aに隣接する気体用パイプ2の一部分とは、同一の直径を有している。
ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1は、水平面に対して少なくとも30°の角度をなした状態かつ接線状(tangentially)に、分離領域2aに対して開口している。
この角度αは、30°〜60°の間で設定されているのが好ましい。
【0025】
気体用パイプ2(すなわち、気体用パイプ2の分離領域2a)は、さらに、下側に位置して漏斗状に先細る下側部分2bで、固体物用パイプ3に接続されている。
漏斗状に先細った下側部分2bは、これらの接続部分(すなわち、気体用パイプ2とヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1との接続部分)の直ぐ下側で、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1に隣接している。
本発明では、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1の接続部分(すなわち、気体用パイプ2とヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1との接続部分)の底部と漏斗状に先細った下側部分2bとの間に小さな距離を設けてもよく、しかしながら、これ(すなわち、この小さな距離)は、接続部分における気体用パイプ2の半径より小さく設定されている必要があり、さらに、接続部分における気体用パイプ2の半径の半分より小さく設定されているのが好ましい。
【0026】
固体物および気体の間における化学的及び/又は物理的な反応を行うために、気体及び固体物の混合体は、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1を介して、気体用パイプ2へ入ることを許可されている、すなわち、導入される。
これが起こる際(すなわち、気体及び固体物の混合体が気体用パイプ2へ導入された時)、気体及び固体物の混合体は、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1内の遠心力により、固体流4と気体流5へ事前に分離(pre-separation)される。
【0027】
ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1が気体用パイプ2に接続されていることにより、事前に気体流から分離された固体流4は、固体物用パイプ3に向けて、漏斗状に先細った下側部分2bにより直接的にガイドされる。
気体流5は、追加的に渦巻流(swirling flow)に変換され、気体用パイプ2を通して上方に向けて放出される。
これにより、マテリル(すなわち、固体物)が気体流により再び上昇し、運び去られることを防止できる。
【0028】
また、固体物が斜め下側に方向付けられた状態で気体用パイプ2へ送り込まれることにより、気体用パイプ2内で形成された渦巻流が、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1の開口部の領域において、固体流に重なり合う(すなわち、固体流を巻き込む)ことを防止できる。
本発明に基づいて行われた試験では、この渦巻流の発生により、固体流と気体流との効果的な分離が可能であることが判明している。
【0029】
本発明の他の実施例では、接続部分(すなわち、気体用パイプ2とヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1との接続部分)における気体用パイプ2の横断面は、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1の横断面の0.5倍〜1.5倍の大きさで設定されている。
このような横断面の比率(すなわち、このような横断面の比率の設定)は、渦巻流の形成を促進するようになっている。
【0030】
本装置の幾つかの適用分野、例えば、細粒材の熱処理装置では、図面に示された典型的な実施例のように、気体及び固体物の混合体用のパイプが設けられてもよく、この気体及び固体物の混合体用のパイプは、上昇パイプ6と下降用のヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1とから構成され、更に、上昇パイプ6とヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1とを接続する誘導ヘッド(diverter head)7、すなわち、方向変換ヘッド7が設けられている。
気体及び固体物の混合体用のパイプの上昇用および下降用のブランチ(すなわち、上昇パイプ6と下降用のヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1)は、気体と固体物との間における適切な接触時間を保証している。
また、このような構成を採用することにより、全高が比較的低く、非常にコンパクトな構成を実現できる。
【0031】
本発明では、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1の半径、及び/又は、傾斜、及び/又は、横断面の形状、及び/又は、横断面の大きさを気体及び固体物の混合体の流れ方向内で変化させても何ら構わない。
このように、一方で、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1の領域における気体及び固体物の混合体の事前の分離は、影響を受けてもよく、他方で、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1を外部環境に適応させてもよい。
このことは、複数の段階(ステージ)が相互に入れ子状に配置され、かつ、相互の上に配置された場合に、特に効果的である。
【0032】
流れ方向内、及び/又は、少なくとも1つのセクションで、また、連続的に、半径、傾斜、断面形状、及び/又は、断面の寸法が、急激に変化するように設計しても何ら構わない。
そのため、例えば、半径の減少は、遠心力の増加を引き起こし、他方、半径の増加は、遠心力の低減に対応する(すなわち、遠心力の低減を引き起こす)ようになっている。
断面形状と寸法を変化させることにより、流れの速度は影響を受ける。
【0033】
通常、前述した装置は、複数のヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ及び関連する複数の気体用パイプを備えた多段階(マルチステージ)及び/又多重列(マルチストリング、multi-string)構成の態様を呈している。
図4および図5には、3段階構成が、概略的に示されている。
この構成、すなわち、3段階構成は、特に、下側段階Iと中央段階IIと上側段階IIIとから構成され、下側に位置する段階(すなわち、下側段階Iまたは中央段階II)の各気体用パイプ2は、上側に配置された段階(すなわち、中央段階IIまたは上側段階III)のヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1に連結されている。
最上部に位置する上側段階IIIの気体用パイプ2は、例えば粉塵除去用の、フィルターまたは下流側に設けられた高性能な分離器に連結されている。
そして、固体物用パイプ3の場合、前述した状態が逆になる。
すなわち、最上部に位置する上側段階IIIの固体物用パイプ3は、中央段階IIのヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1’に通じる気体用パイプ2に接続され、一方、中央段階IIの固体物用パイプは、下側段階Iのヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1に通じる気体用パイプに接続されている。
最下部に位置する下側段階Iの固体物用パイプ3は、後続する装置、例えば、焼成炉または回転炉に接続されている。
このように、最上部に位置する上側段階IIIのヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1’’に通じる気体用パイプ内へ導入された固体物は、高温の気体流内で熱処理されるようになっている。
【0034】
特に、図4および図5から明らかなように、ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ1の長所により(長所を活かして)、多段階構成の各段階は、相互に入れ子状に構成され、その結果、垂直方向に非常にコンパクトな全体構成を実現している。
【0035】
図6は、セメント製造時における細粒材の熱処理用のプラントの斜視図を示しており、このプラントは、回転炉10と焼成炉20と予熱器30とを備えている。
焼成炉20及び/又は予熱器30は、図1乃至図5に示された装置に従って構成されても何ら構わない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心力により気体及び固体物の混合体を固体流(4)と気体流(5)へ分離する少なくとも1つのヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)と、
該ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)の終端部に接続されて前記固体流(4)を放出する固体物用パイプ(3)と前記気体流(5)を放出する気体用パイプ(2)とを相互に接続する少なくとも1つの分離領域(2a)と
を備えた固体物と気体との間における化学的及び/又は物理的な反応を行う装置、特に、細粒材の余熱、冷却、及び/又は、焼成装置であって、
前記分離領域が、気体用パイプ(2)の下側領域に形成され、
前記ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)との接続部分における分離領域と、該分離領域の上側に位置して分離領域に隣接する気体用パイプ2の一部分とが、同一の直径を有し、
渦巻流を形成するために、前記ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)が、水平面に対して少なくとも30°の角度をなした状態かつ接線状に、分離領域2aに対して開口していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)が、前記気体用パイプ(2)に対して水平面に30°〜60°の角度をなした状態で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記気体用パイプ(2)との接続部分におけるヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)の水平方向の幅が、気体用パイプ(2)の水平方向の幅よりも小さく設定され、特に、気体用パイプ(2)の水平方向の幅の50%よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記接続部分における気体用パイプ(2)の横断面が、前記ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)の横断面の0.5倍から1.5倍の大きさで設定されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記固体物用パイプ(3)が、前記分離領域(2a)より下側で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記気体用パイプ(2)の下側部分(2b)が、漏斗状に先細るように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記固体物用パイプが、前記気体用パイプ(2)の漏斗状に先細った下側部分(2b)に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)の接続部分の底部と前記漏斗形状に先細った下側部分(2b)との間の距離が、半径よりも小さく設定され、特に、前記接続部分における気体用パイプ(2)の半径の半分よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記漏斗状に先細った下側部分(2b)が、前記接続部分の直ぐ下側でヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)に隣接していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)と関連する気体用パイプ(2)とをそれぞれ複数備えた多段階及び/又は多重列構成で設計されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記上昇パイプ(6)と下降用のヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)とから構成される気体及び固体物の混合体用のパイプが設けられているとともに、
前記上昇パイプ(6)とヘリカル及び/又はスパイラル状パイプ(1)とを接続する誘導ヘッド(7)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
1つの段階上に他の段階を重ねた複数の段階(I、II、III)が設けられ、
各段階が、
(a)前記気体及び固体物の混合体を誘導する気体及び固体物の混合体用のパイプと、
(b)前記分離領域(2a)と、
(c)分離された前記固体物を放出する固体物用パイプ(3)と、
(d)分離された前記気体を放出する気体用パイプ(2)と
備え、
前記各段階の気体用パイプ(2)が、1つ上側に位置する段階の気体及び固体物の混合体用のパイプに連結されているとともに、
前記各段階の固体物用パイプ(3)が、1つ下側に位置する段階の気体及び固体物の混合体用のパイプに向けて開口していることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
予熱器(30)と、焼成炉(20)と、炉(10)とを備え、
前記予熱器(30)及び/又は焼成炉(20)が、請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の装置を有している特徴とするセメント製造用プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−535687(P2010−535687A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519392(P2010−519392)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058100
【国際公開番号】WO2009/019070
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(504043934)ポリシウス アクチェンゲゼルシャフト (21)
【Fターム(参考)】