固体酸化物形燃料電池装置
【課題】アノードとカソードとの間におけるガスリークに対するシール性を確保させる固体酸化物形燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料電池装置は、電解質膜とアノードおよびカソードを有するセルと、セルをこれの厚み方向に挟むセパレータと、アノードガス流路と、カソードガス流路と、セルを挟む二つのセパレータの間に介在して設けられアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるシールガスケット8とを有する。シールガスケット8は、シールガスケット8の厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板81および第2絶縁板82と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部83とを有する。
【解決手段】燃料電池装置は、電解質膜とアノードおよびカソードを有するセルと、セルをこれの厚み方向に挟むセパレータと、アノードガス流路と、カソードガス流路と、セルを挟む二つのセパレータの間に介在して設けられアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるシールガスケット8とを有する。シールガスケット8は、シールガスケット8の厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板81および第2絶縁板82と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部83とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中温領域または高温領域に加熱された状態で使用される固体酸化物形燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)は、固体酸化物の電解質膜と電解質膜をこれの厚み方向に挟むアノードおよびカソードを有するセルと、セルをこれの厚み方向に挟む位置に設けられたセパレータと、アノードガスをセルのアノードに供給させるアノードガス流路と、カソードガスをセルのカソードに供給させるカソードガス流路とを有する。かかる燃料電池装置によれば、特許文献1に開示されているように、アノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるシール部が設けられているものが知られている。シール部は、電解質膜の上に金属板をろう付けし、アノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えている。また特許文献2に開示されているように、金属製のフレームを電解質膜にろう付けしてアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−99308号公報
【特許文献2】特開2010−021038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来技術によれば、いずれも、金属板をセルの電解質膜にろう付けし、アノードとカソードとの間におけるガスリークに対するシール性を確保させている。しかし金属板とセルの電解質膜とでは熱膨張係数が相違するため、熱サイクル時において熱応力により電解質膜ひいてはセルが割れるおそれがあり、セルの長寿命化には限界があった。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、アノードとカソードとの間におけるガスリークに対するシール性を確保させるのに有利な固体酸化物形燃料電池装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の様相1に係る固体酸化物形燃料電池装置は、イオン伝導性をもつ電解質膜と電解質膜をこれの厚み方向に挟むアノードおよびカソードを有するセルと、セルをこれの厚み方向に挟む位置に設けられた二つのセパレータと、アノードガスをセルのアノードに供給させるアノードガス流路と、カソードガスをセルのカソードに供給させるカソードガス流路と、セルを挟む二つのセパレータの間に介在して設けられアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるシールガスケットとを具備する固体酸化物形燃料電池装置において、シールガスケットは、シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを具備する。
【0007】
本発明に係る燃料電池装置によれば、シールガスケットは、シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを備える。このためシールガスケットはこれの厚み方向において電気絶縁性をもつ。
【0008】
更に、バネ部は、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シールガスケットのバネ弾性によりシール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。
【0009】
(2)本発明の様相2に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、上記した様相において、バネ部は、当該厚み方向において互いに対向する第1対向板および第2対向板と、第1対向板および第2対向板のうちの少なくとも一方に設けられ当該厚み方向において他方に向けて突出する複数のバネ突起とで形成されている。バネ部は、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。
【0010】
(3)本発明の様相3に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、上記した様相において、第1対向板および第2対向板は金属板であり、バネ突起は、金属板にプレス成形により突設されたディンプルである。バネ突起を形成するディンプルは、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。ディンプルは金属板にプレス成形させることにより形成されているため、シールガスケットの厚み方向におけるバネ弾性を確保させつつシール性を高めることができる。更に、ディンプルは金属板にプレス成形させることにより形成されているため、多数のディンプルを金属板に簡単に形成することができる。ディンプルとは、球状面または疑似球状面等の丸み突面をもつドーム形の突起を意味する。なお、複数のディンプルは、間隔を隔てて互いに対向板に分離して形成されるため、対向板ひいてはシールガスケットの変形のムラが軽減される。もしディンプルに代えて、長さが長いリブ突起が形成されていると、対向板ひいてはシールガスケットの変形のムラが増加する。
【0011】
(4)本発明の様相4に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、上記した様相において、シールガスケットの外縁部に沿って第1対向板と第2対向板との間には外縁シール部が介在している。第1対向板と第2対向板との間は、外縁シール部でシールされているため、シールガスケットの内部にはガスが進入することが抑制されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、シールガスケットは、シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを備える。このためシールガスケットは、これの厚み方向において電気絶縁性をもつ。更に、バネ部は、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】固体酸化物形燃料電池の概念を模式的に示す斜視図である。
【図2】固体酸化物形燃料電池の1つのセル付近の概念を模式的に示す断面図である。
【図3】固体酸化物形燃料電池の1つのセル付近の概念を模式的に示す断面図である。
【図4】シールガスケットの製造過程の概念を模式的に示す断面図である。
【図5】組み付けられたシールガスケットの概念を模式的に示す断面図である。
【図6】単数のディンプルの概念を模式的に示す断面図である。
【図7】単数のディンプルの概念を模式的に示す平面図である。
【図8】シールガスケットの概念を模式的に示す平面図である。
【図9】シールガスケットの一部を模式的に示す断面図である。
【図10】実施形態2に係り、シールガスケットの概念を模式的に示す断面図である。
【図11】実施形態2に係り、孔71x付近を示す断面図である。
【図12】実施形態3に係り、第1対向板および第2対向板に形成されているディンプルの概念を模式的に示す断面図である。
【図13】実施形態4に係り、固体酸化物形燃料電池の1つのセル付近の概念を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について説明する。
【0015】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1〜図9を参照して説明する。図1に示す燃料電池装置は平板型の固体酸化物形燃料電池であり、多数のセルを厚み方向に積層した平板型のセル積層体1と、セル積層体1をこれの厚み方向つまり積層方向において挟む平板型の第1エンドプレート11および第2エンドプレート12と、セル積層体1、第1エンドプレート11および第2エンドプレート12を締結するボルトを備える締結具13とを有する。図1に示すように、第1エンドプレート11は、アノードガス入口17、アノードオフガス出口18と、空気であるカソードガスが供給されるカソードガス入口15、空気オフガスであるカソードオフガスが排出されるカソードオフガス出口16とをもつ。オフガスとは発電反応を経たガスを意味する。セル2は四角形をなし、X方向およびY方向の双方に延びる。
【0016】
図2はセル積層体1を構成する一つのセル構造の概念を模式的に示す。図2に示すように、セル構造を形成すセル2は、平板型をなしており、固体酸化物形の電解質膜21と電解質膜21をこれの厚み方向に挟むアノード22(燃料極)およびカソード23(酸化剤極)を有する。更にセル構造は、セル2をこれの厚み方向に挟む位置に設けられたセパレータ3(材質:鉄−クロム合金等の金属)と、一方のセパレータ3とアノード22との間に設けられたアノード用の多孔質集電体4と、他方のセパレータ3とカソード23との間に設けられたカソード用の多孔質集電体5とをもつ。セパレータ3は、アノードガスを分配させる流路3xをもつ。
【0017】
アノード用の多孔質集電体4は連続的な細孔をもつ導電材料で形成されており、集電性機能と、アノードガスをアノード22に分配させて供給させるガス透過機能を有する。カソード用の多孔質集電体5は連続的な細孔をもつ導電材料で形成されており、集電性機能と、カソードガスをカソード23に分配させて供給させるガス透過機能を有する。カソード用多孔質集電体5は、セル使用温度域において導電性を有する導電材料で形成されているメッシュ集電体で形成されている。カソード用多孔質集電体5を形成する導電材料としては鉄系合金、クロム系合金、ニッケル系合金が例示される。鉄系合金としては鉄−クロム合金、鉄−クロム−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金が挙げられる。これに限定されるものではない。
【0018】
アノード22を形成する材料としては、金属酸化物および安定化ジルコニア系が例示される。金属酸化物としては酸化ニッケルが例示できる。カソード23を形成する材料としては、LaおよびSrを含有する酸化物セラミックスが挙げられる。かかるセラミックスとしてはLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3)が例示されるが、これに限定されるものではない。
【0019】
図2に示すように、互いに対向するセパレータ3間の外周縁には、主シール部6(材質:例えばマイカガスケット)が介在しており、シールされている。図2に示すように、セル構造はカソードガス流路6Aをもつ。カソードガス流路6Aは、厚み方向に貫通するように形成されたカソードガスマニホルド通路61と、カソードガスマニホルド通路61のカソードガス(空気等の酸素含有ガス)をカソード23に向けて供給させるカソードガス連通孔62と、発電反応に使用されたカソードオフガスをカソード23から排出させるカソードオフガス連通孔63と、厚み方向に貫通するように形成されたカソードオフガスマニホルド通路64とをもつ。
【0020】
図3に示すように、セル構造はアノードガス流路7Aをもつ。アノードガス流路7Aは、厚み方向に貫通するように形成されたアノードガスマニホルド通路71と、アノードガスマニホルド通路71のアノードガス(水素含有ガス)をアノード22に向けて供給させるアノードガス連通孔72と、発電反応に使用された燃料オフガスであるアノードオフガスをアノード22から排出させるアノードオフガス連通孔73と、厚み方向に貫通するように形成されたアノードオフガスマニホルド通路74とをもつ。
【0021】
図2及び図3に示すように、シールガスケット8は、主シール部6の端面6eとカソード側のセパレータ3の壁面3eとの間に介在する。図4はシールガスケット8の組み付け過程の概念を模式的に示す。図5は、シールガスケット8の厚み方向に沿って切断したシールガスケット8の断面の概念を模式的に示す。図5は図8のV−V線にほぼ相当する。
【0022】
図4および図5に示すように、シールガスケット8は、シールガスケット8の厚み方向(矢印T方向)において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料(マイカ等)で形成された第1絶縁板81および第2絶縁板82と、当該厚み方向(矢印T方向,セル積層体1の積層方向)において第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられ当該厚み方向(矢印T方向)にバネ弾性を発揮するバネ部83とを備えている。厚み方向の外側には、第1絶縁板81および第2絶縁板82が設けられているため、シールガスケット8はこれの厚み方向(矢印T方向)において電気絶縁性をもつ。バネ部83は、厚み方向において互いに対向する金属を母材とする第1対向板84および第2対向板85と、第1対向板84および第2対向板85の双方に設けられた複数のバネ突起86とを有する。金属としては、炭素鋼、合金鋼(ステンレス鋼を含む)等が例示される。ステンレス鋼としてはフェライト系、オーステナイト系、マルテンサイト系が挙げられる。なお、第1絶縁板81および第2絶縁板82は、対向板84,85に無機接着材等の耐熱性をもつ接着材で接着させても良いし、接着せずに接触させておくだけでも良い。
【0023】
バネ突起86は、当該厚み方向において他方に向けてほぼ半球状に突出する。このようにバネ部83は、シールガスケット8の厚み方向において、第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セル2およびセパレータ3が主シール部6と共に厚み方向に積層されるとき、セパレータ3と主シール部6との間におけるシール性を高めることができる。殊に、第1対向板84および第2対向板85は板状であるため、高い可撓性をもち、高い変形能をもつ。更に、第1絶縁板81および第2絶縁板82も電気絶縁材料で形成されているものの、薄板状であるため、電気絶縁性を示しつつ、変形性をもつ。このような本実施形態に係るシールガスケット8は、厚み方向の高いバネ性を発揮でき、ひいては高いシール性を発揮でき、従って、アノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0024】
ここで、バネ突起86は、金属板にプレス成形により加圧成形されて突設されたディンプル86dである。バネ突起86を形成するディンプル86dは、シールガスケット8の厚み方向において、第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられており、当該厚み方向(矢印T方向)にバネ弾性を発揮する。ディンプル86dの頂部86fは、相手側の対向板84,85に当接していることが好ましい。但しこれに限定されるものではなく、セル積層体1の積層初期では、場合によっては、ディンプル86dの頂部86fは、相手側の対向板84,85に非接触でも良い。
【0025】
図6に示すように、ディンプル86dの頂部86fの裏側には空間86vが形成されており、空間86vによりディンプル86dの周壁の弾性変形性が確保されている。ここで、ディンプル86dの頂部86fに荷重FAが作用すると、ディンプル86dの周壁に沿って荷重FAを効率よく分散できる。更にディンプル86dは平面視(図7)では、ほぼ円形であるため、周方向(矢印S方向)においても、効率よく荷重分散性を高めることができる。このため、セル2およびセパレータ3が厚み方向に積層されてセル積層体1が組み付けられるとき、シールガスケット8によりシール性を高めることができる。シールガスケット8はアノード22とカソード23との間に介在するため、アノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0026】
なお本実施形態によれば、図5から理解できるように、第1対向板84に形成されているディンプル86dと、第2対向板85に形成されているディンプル86dとは、互いに衝突しない位置に間隔を隔てて設けられている。ディンプル86dの弾性変形性が良好に確保される。図8に示すように、平面視では、複数のディンプル86dは間隔を隔てて分離されているため、長いリブ突起が所定長さで連続している形態に比較して、過剰な方向性を軽減できる。よって対向板84,85の各部位における可撓性の均一化を図るのに有利であり、ひいてはシールガスケット8の可撓性の均一化を図るのに有利である。
【0027】
本実施形態によれば、ディンプル86dは、金属板をプレス成形型で加圧成形させることにより形成されている。このため、シールガスケット8の厚み方向(矢印T方向)におけるバネ弾性を良好に確保させつつ、第1対向板84および第2対向板85の板厚方向へガスをリークさせることが無く、シール性を高めることができる。更に、ディンプル86dは金属板にプレス成形させることにより形成されているため、多数のディンプル86dを金属板に簡単に少ない工程で(一般的には1度)に形成することができる。
【0028】
プレス成形は冷間成形、温間成形、熱間成形のいずれでも良い。冷間成形であれば、ディンプル86dを加工硬化により強化することを期待できる。温間成形または熱間成形であれば、ディンプル86dの成形性を高めることができる。ディンプル86dとは、球状面または疑似球状面等の丸み突面をもつドーム形の突起を意味する。各ディンプル86dはプレス成形型により厚み方向に加圧成形されて成形されているため、組織の緻密化が進行し、強化されて強度確保上有利である。
【0029】
本実施形態によれば、シールガスケット8はこれの厚み方向(矢印T方向)に弾性的な圧縮性を示すため、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるとき、シールガスケット8は高いシール性を実現しつつ、厚み方向に弾性収縮できる。このため予め、シールガスケット8の厚みTA(図2,図5参照)を大きめに設定しておけば、図2および図3に示すように、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるように組み付けられたとき、カソード23の表面23sとカソード用多孔質集電体5の表面5sとの電気的接触性を高めることができる。同様に、セパレータ3の表面3kとカソード用多孔質集電体5の表面5kとの電気的接触性を高めることができる。このため高いシール性を確保しつつ、高い集電性を実現できる。
【0030】
図4及び図5に示すように、シールガスケット8の外縁部に沿って第1対向板84と第2対向板85との間には、ガラス系シール材料を母材とするリング状の外縁シール部87が当該外縁部を1周するように介在している。このためシールガスケット8において第1対向板84と第2対向板85との間は、外縁シール部87でシールされている。換言すると、第1絶縁板81と第2絶縁板82との間は、外縁シール部87でシールされている。従って、アノードガスやカソードガスは、第1対向板84と第2対向板85との間の空間に進入することが抑止されている。即ち、アノードガスやカソードガスは、シールガスケット8の内部に進入できない。更に、燃料電池装置の組付時においては、第1絶縁板81と第1対向板84とは互いに密着するため、第1絶縁板81と第1対向板84との間にガスが進入することは抑えられる。同様に、第2絶縁板82と第2対向板85とは互いに密着するため、第2絶縁板82と第2対向板85との間にガスが進入することは抑えられる。
【0031】
図8は、絶縁板81,82が取り除かれた状態において、シールガスケット8の平面視の概念を模式的に示す。図8に示すように、シールガスケット8には、ドーム状の多数のディンプル86dの他に、締結具13を挿入するための複数の孔13xが形成され、カソードガスマニホルド通路61を形成するための孔61x、カソードオフガスマニホルド通路64を形成するための孔64x、アノードガスマニホルド通路71を形成するための孔71x、アノードオフガスマニホルド通路74を形成するための孔74x、カソード用多孔質集電体5を挿入するための孔5xが、シールガスケット8をこれの厚み方向に貫通するようにそれぞれ分散された状態で形成されている。
【0032】
更に図8、図9(A)に示すように、孔71xの外縁をシールすべく、孔71xを1周するようにリング状の外縁シール部71mが当該外縁部を1周するように介在している。同様に、孔13xの外縁をシールすべく、孔13xを1周するようにリング状の外縁シール部13mが当該外縁部を1周するように介在している。孔61xの外縁をシールすべく、孔61xを1周するようにリング状の外縁シール部61mが当該外縁部を1周するように介在している。孔64xの外縁をシールすべく、孔64xを1周するようにリング状の外縁シール部64mが当該外縁部を1周するように介在している。孔74xの外縁をシールすべく、孔74xを1周するようにリング状の外縁シール部74mが当該外縁部を1周するように介在している。孔5xの外縁をシールすべく、孔5xを1周するようにリング状の外縁シール部5mが当該外縁部を1周するように介在している。
【0033】
リング状の外縁シール部13m,61m,64m,71m,74m,5mはガラス系シール材料であることが好ましく、対向板84,85で挟持されて対向板84,85間をシールする。このガラス系シール材料は、燃料電池装置の使用温度領域(例えば400〜1000℃の範囲)において軟化するため、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるとき、積層の際の加圧力を吸収しつつ、高いシール性を実現できる。
【0034】
また図9(B)に示す例のように、孔71xの外縁をシールすべく、孔シール部71mに代えて、孔71xを1周するように孔シール部71mが塗布されて積層されていることにしても良い。孔シール部71mは、塗布可能なガラス系シール材料であることが好ましい。このガラス系シール材料は、燃料電池装置の使用温度領域(例えば400〜1000℃の範囲)において軟化するため、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるとき、積層の際の加圧力を吸収しつつ、高いシール性を実現できる。孔シール部13m,61m,64m,74m,5mについても、図9(B)に示す例のように、孔シール部71mの形態としても良い。
【0035】
以上説明した本実施形態によれば、シールガスケット8は、シールガスケット8の厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板81および第2絶縁板82と、当該厚み方向において第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部83とを備える。このためシールガスケット8は、これの厚み方向において電気絶縁性をもつ。更に、バネ部83は、シールガスケット8の厚み方向において、第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セル2、セパレータ3が厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0036】
(試験例)
上記した実施形態に係る燃料電池装置に係る試験片を作製し、試験片を試験した。試験片では、セパレータの母材は鉄−クロム合金 で形成されており、ZMG232L(日立金属 株式会社)とし、厚み1.0ミリメートル、長さおよび幅はそれぞれ200ミリメールとされていた。シールガスケット8については、第1絶縁板および第2絶縁板はマイカとされており、マイカの厚みは0.3ミリメートル、内径は100ミリメートとされていた。外縁シール部についてはガラス系シール材料とし、厚みは3.0ミリメートル、長さおよび幅は200ミリメートルとされていた。アノード用の多孔質集電体5については、初期厚みは1.4ミリメートルとされ、気孔率は95%(体積比)、外径は100ミリメートルとされていた。更に、アノード22については、母材はNi+YSZであり、厚みは1.0ミリメートル、外径は100ミリメートルとされていた。電解質膜21については、母材はYSZであり、厚みは0.02ミリメートル、外径は100ミリメートルとされていた。カソード23については、母材はLSCF、厚みは0.05ミリメートル、外径は80ミリメートルとされていた。試験の結果、発電運転が長時間実施されたとしても、アノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができた。
【0037】
(実施形態2)
図10および図11は実施形態2の概念を模式的に示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用および効果を示す。図10に示すように、シールガスケット8の外輪郭部を1周するようにシール部8rがリング状に形成されている。シール部8rは、シールガスケット8の厚み方向において外方に向けて突出量Δtで突出する。図11に示すように、シール部71mも、シールガスケット8の厚み方向において外方に向けて突出量Δtで突出する。孔シール部13m,61m,64m,74m,5mも、同様に、シールガスケット8の厚み方向において外方に向けて突出量Δtで突出する。
【0038】
(実施形態3)
図12は実施形態3の概念を模式的に示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用および効果を示す。図12に示すように、第1対向板84に形成されているディンプル86dの高さh1は、第2対向板85に形成されているディンプル86dの高さh2よりも低くされている。図12に示すように、第2対向板85に形成されているディンプル86dの頂部86fは第1対向板84に当接する。しかし、セル積層体1を積層方向に加圧させる加圧力が高くないときには、第1対向板84に形成されているディンプル86dの頂部86fは第2対向板85に非接触であり、隙間S1を形成している。従って、セル積層体1の積層初期では、シールガスケット8の厚み方向のバネ性は柔らかめである。
【0039】
これに対して、セル積層体1を積層方向に加圧させる加圧力が次第に高くなり、閾値を超えると、第1対向板84に形成されているディンプル86dの頂部86fは第2対向板85に当接するため、シールガスケット8の厚み方向のバネ性は硬めとなる。このようにディンプル86dの高さを調整すれば、シールガスケット8の厚み方向のバネ定数を調整できる。
【0040】
(実施形態4)
図13は実施形態4の概念を模式的に示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用および効果を示す。図13に示すように、シールガスケット8は主シール部6とセパレータ3との間に介在している。シールガスケット8は電解質膜21に直接接触しているのではなく、シール部6のうち、電解質21の端部21pを被覆する被覆部6wに接触する。本実施形態においても、シールガスケット8は、これの厚み方向において高い電気絶縁性および高いバネ性をもつ。このため、セル2、セパレータ3が厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0041】
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。外縁シール部87,孔シール部13m,61m,64m,71m,74mはガラス系シール材料とされているが、これに限られるものではなく、要するに燃料電池装置の使用温度領域においてシール性をもつものであれば何でも良い。絶縁板81,82はマイカに限定されず、要するに燃料電池装置の使用温度領域において電気絶縁性をもつものであれば何でも良い。バネ突起86はディンプルに限定されず、バネ性をもつものであれば良い。第1対向板84および第2対向板85の双方にディンプル86dが形成されているが、いずれか一方のみに形成しても良い。
【符号の説明】
【0042】
1はセル積層体、11,12はエンドプレート、13は締結具、2はセル、21は電解質膜、22はアノード、23はカソード、3はセパレータ、4は多孔質集電体、5は多孔質集電体、6は主シール部、6Aはカソードガス流路、7Aはアノードガス流路、8はシールガスケット、81は第1絶縁板、82は第2絶縁板、83はバネ部、84は第1対向板、85は第2対向板、86はバネ突起、86dはディンプル、87は外縁シール部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は中温領域または高温領域に加熱された状態で使用される固体酸化物形燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)は、固体酸化物の電解質膜と電解質膜をこれの厚み方向に挟むアノードおよびカソードを有するセルと、セルをこれの厚み方向に挟む位置に設けられたセパレータと、アノードガスをセルのアノードに供給させるアノードガス流路と、カソードガスをセルのカソードに供給させるカソードガス流路とを有する。かかる燃料電池装置によれば、特許文献1に開示されているように、アノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるシール部が設けられているものが知られている。シール部は、電解質膜の上に金属板をろう付けし、アノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えている。また特許文献2に開示されているように、金属製のフレームを電解質膜にろう付けしてアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−99308号公報
【特許文献2】特開2010−021038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来技術によれば、いずれも、金属板をセルの電解質膜にろう付けし、アノードとカソードとの間におけるガスリークに対するシール性を確保させている。しかし金属板とセルの電解質膜とでは熱膨張係数が相違するため、熱サイクル時において熱応力により電解質膜ひいてはセルが割れるおそれがあり、セルの長寿命化には限界があった。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、アノードとカソードとの間におけるガスリークに対するシール性を確保させるのに有利な固体酸化物形燃料電池装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の様相1に係る固体酸化物形燃料電池装置は、イオン伝導性をもつ電解質膜と電解質膜をこれの厚み方向に挟むアノードおよびカソードを有するセルと、セルをこれの厚み方向に挟む位置に設けられた二つのセパレータと、アノードガスをセルのアノードに供給させるアノードガス流路と、カソードガスをセルのカソードに供給させるカソードガス流路と、セルを挟む二つのセパレータの間に介在して設けられアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えるシールガスケットとを具備する固体酸化物形燃料電池装置において、シールガスケットは、シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを具備する。
【0007】
本発明に係る燃料電池装置によれば、シールガスケットは、シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを備える。このためシールガスケットはこれの厚み方向において電気絶縁性をもつ。
【0008】
更に、バネ部は、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シールガスケットのバネ弾性によりシール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。
【0009】
(2)本発明の様相2に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、上記した様相において、バネ部は、当該厚み方向において互いに対向する第1対向板および第2対向板と、第1対向板および第2対向板のうちの少なくとも一方に設けられ当該厚み方向において他方に向けて突出する複数のバネ突起とで形成されている。バネ部は、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。
【0010】
(3)本発明の様相3に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、上記した様相において、第1対向板および第2対向板は金属板であり、バネ突起は、金属板にプレス成形により突設されたディンプルである。バネ突起を形成するディンプルは、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。ディンプルは金属板にプレス成形させることにより形成されているため、シールガスケットの厚み方向におけるバネ弾性を確保させつつシール性を高めることができる。更に、ディンプルは金属板にプレス成形させることにより形成されているため、多数のディンプルを金属板に簡単に形成することができる。ディンプルとは、球状面または疑似球状面等の丸み突面をもつドーム形の突起を意味する。なお、複数のディンプルは、間隔を隔てて互いに対向板に分離して形成されるため、対向板ひいてはシールガスケットの変形のムラが軽減される。もしディンプルに代えて、長さが長いリブ突起が形成されていると、対向板ひいてはシールガスケットの変形のムラが増加する。
【0011】
(4)本発明の様相4に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、上記した様相において、シールガスケットの外縁部に沿って第1対向板と第2対向板との間には外縁シール部が介在している。第1対向板と第2対向板との間は、外縁シール部でシールされているため、シールガスケットの内部にはガスが進入することが抑制されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る固体酸化物形燃料電池装置によれば、シールガスケットは、シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを備える。このためシールガスケットは、これの厚み方向において電気絶縁性をもつ。更に、バネ部は、シールガスケットの厚み方向において、第1絶縁板および第2絶縁板の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セルおよびセパレータが厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノードとカソードとの間におけるガスリークを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】固体酸化物形燃料電池の概念を模式的に示す斜視図である。
【図2】固体酸化物形燃料電池の1つのセル付近の概念を模式的に示す断面図である。
【図3】固体酸化物形燃料電池の1つのセル付近の概念を模式的に示す断面図である。
【図4】シールガスケットの製造過程の概念を模式的に示す断面図である。
【図5】組み付けられたシールガスケットの概念を模式的に示す断面図である。
【図6】単数のディンプルの概念を模式的に示す断面図である。
【図7】単数のディンプルの概念を模式的に示す平面図である。
【図8】シールガスケットの概念を模式的に示す平面図である。
【図9】シールガスケットの一部を模式的に示す断面図である。
【図10】実施形態2に係り、シールガスケットの概念を模式的に示す断面図である。
【図11】実施形態2に係り、孔71x付近を示す断面図である。
【図12】実施形態3に係り、第1対向板および第2対向板に形成されているディンプルの概念を模式的に示す断面図である。
【図13】実施形態4に係り、固体酸化物形燃料電池の1つのセル付近の概念を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について説明する。
【0015】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1〜図9を参照して説明する。図1に示す燃料電池装置は平板型の固体酸化物形燃料電池であり、多数のセルを厚み方向に積層した平板型のセル積層体1と、セル積層体1をこれの厚み方向つまり積層方向において挟む平板型の第1エンドプレート11および第2エンドプレート12と、セル積層体1、第1エンドプレート11および第2エンドプレート12を締結するボルトを備える締結具13とを有する。図1に示すように、第1エンドプレート11は、アノードガス入口17、アノードオフガス出口18と、空気であるカソードガスが供給されるカソードガス入口15、空気オフガスであるカソードオフガスが排出されるカソードオフガス出口16とをもつ。オフガスとは発電反応を経たガスを意味する。セル2は四角形をなし、X方向およびY方向の双方に延びる。
【0016】
図2はセル積層体1を構成する一つのセル構造の概念を模式的に示す。図2に示すように、セル構造を形成すセル2は、平板型をなしており、固体酸化物形の電解質膜21と電解質膜21をこれの厚み方向に挟むアノード22(燃料極)およびカソード23(酸化剤極)を有する。更にセル構造は、セル2をこれの厚み方向に挟む位置に設けられたセパレータ3(材質:鉄−クロム合金等の金属)と、一方のセパレータ3とアノード22との間に設けられたアノード用の多孔質集電体4と、他方のセパレータ3とカソード23との間に設けられたカソード用の多孔質集電体5とをもつ。セパレータ3は、アノードガスを分配させる流路3xをもつ。
【0017】
アノード用の多孔質集電体4は連続的な細孔をもつ導電材料で形成されており、集電性機能と、アノードガスをアノード22に分配させて供給させるガス透過機能を有する。カソード用の多孔質集電体5は連続的な細孔をもつ導電材料で形成されており、集電性機能と、カソードガスをカソード23に分配させて供給させるガス透過機能を有する。カソード用多孔質集電体5は、セル使用温度域において導電性を有する導電材料で形成されているメッシュ集電体で形成されている。カソード用多孔質集電体5を形成する導電材料としては鉄系合金、クロム系合金、ニッケル系合金が例示される。鉄系合金としては鉄−クロム合金、鉄−クロム−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金が挙げられる。これに限定されるものではない。
【0018】
アノード22を形成する材料としては、金属酸化物および安定化ジルコニア系が例示される。金属酸化物としては酸化ニッケルが例示できる。カソード23を形成する材料としては、LaおよびSrを含有する酸化物セラミックスが挙げられる。かかるセラミックスとしてはLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3)が例示されるが、これに限定されるものではない。
【0019】
図2に示すように、互いに対向するセパレータ3間の外周縁には、主シール部6(材質:例えばマイカガスケット)が介在しており、シールされている。図2に示すように、セル構造はカソードガス流路6Aをもつ。カソードガス流路6Aは、厚み方向に貫通するように形成されたカソードガスマニホルド通路61と、カソードガスマニホルド通路61のカソードガス(空気等の酸素含有ガス)をカソード23に向けて供給させるカソードガス連通孔62と、発電反応に使用されたカソードオフガスをカソード23から排出させるカソードオフガス連通孔63と、厚み方向に貫通するように形成されたカソードオフガスマニホルド通路64とをもつ。
【0020】
図3に示すように、セル構造はアノードガス流路7Aをもつ。アノードガス流路7Aは、厚み方向に貫通するように形成されたアノードガスマニホルド通路71と、アノードガスマニホルド通路71のアノードガス(水素含有ガス)をアノード22に向けて供給させるアノードガス連通孔72と、発電反応に使用された燃料オフガスであるアノードオフガスをアノード22から排出させるアノードオフガス連通孔73と、厚み方向に貫通するように形成されたアノードオフガスマニホルド通路74とをもつ。
【0021】
図2及び図3に示すように、シールガスケット8は、主シール部6の端面6eとカソード側のセパレータ3の壁面3eとの間に介在する。図4はシールガスケット8の組み付け過程の概念を模式的に示す。図5は、シールガスケット8の厚み方向に沿って切断したシールガスケット8の断面の概念を模式的に示す。図5は図8のV−V線にほぼ相当する。
【0022】
図4および図5に示すように、シールガスケット8は、シールガスケット8の厚み方向(矢印T方向)において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料(マイカ等)で形成された第1絶縁板81および第2絶縁板82と、当該厚み方向(矢印T方向,セル積層体1の積層方向)において第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられ当該厚み方向(矢印T方向)にバネ弾性を発揮するバネ部83とを備えている。厚み方向の外側には、第1絶縁板81および第2絶縁板82が設けられているため、シールガスケット8はこれの厚み方向(矢印T方向)において電気絶縁性をもつ。バネ部83は、厚み方向において互いに対向する金属を母材とする第1対向板84および第2対向板85と、第1対向板84および第2対向板85の双方に設けられた複数のバネ突起86とを有する。金属としては、炭素鋼、合金鋼(ステンレス鋼を含む)等が例示される。ステンレス鋼としてはフェライト系、オーステナイト系、マルテンサイト系が挙げられる。なお、第1絶縁板81および第2絶縁板82は、対向板84,85に無機接着材等の耐熱性をもつ接着材で接着させても良いし、接着せずに接触させておくだけでも良い。
【0023】
バネ突起86は、当該厚み方向において他方に向けてほぼ半球状に突出する。このようにバネ部83は、シールガスケット8の厚み方向において、第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セル2およびセパレータ3が主シール部6と共に厚み方向に積層されるとき、セパレータ3と主シール部6との間におけるシール性を高めることができる。殊に、第1対向板84および第2対向板85は板状であるため、高い可撓性をもち、高い変形能をもつ。更に、第1絶縁板81および第2絶縁板82も電気絶縁材料で形成されているものの、薄板状であるため、電気絶縁性を示しつつ、変形性をもつ。このような本実施形態に係るシールガスケット8は、厚み方向の高いバネ性を発揮でき、ひいては高いシール性を発揮でき、従って、アノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0024】
ここで、バネ突起86は、金属板にプレス成形により加圧成形されて突設されたディンプル86dである。バネ突起86を形成するディンプル86dは、シールガスケット8の厚み方向において、第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられており、当該厚み方向(矢印T方向)にバネ弾性を発揮する。ディンプル86dの頂部86fは、相手側の対向板84,85に当接していることが好ましい。但しこれに限定されるものではなく、セル積層体1の積層初期では、場合によっては、ディンプル86dの頂部86fは、相手側の対向板84,85に非接触でも良い。
【0025】
図6に示すように、ディンプル86dの頂部86fの裏側には空間86vが形成されており、空間86vによりディンプル86dの周壁の弾性変形性が確保されている。ここで、ディンプル86dの頂部86fに荷重FAが作用すると、ディンプル86dの周壁に沿って荷重FAを効率よく分散できる。更にディンプル86dは平面視(図7)では、ほぼ円形であるため、周方向(矢印S方向)においても、効率よく荷重分散性を高めることができる。このため、セル2およびセパレータ3が厚み方向に積層されてセル積層体1が組み付けられるとき、シールガスケット8によりシール性を高めることができる。シールガスケット8はアノード22とカソード23との間に介在するため、アノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0026】
なお本実施形態によれば、図5から理解できるように、第1対向板84に形成されているディンプル86dと、第2対向板85に形成されているディンプル86dとは、互いに衝突しない位置に間隔を隔てて設けられている。ディンプル86dの弾性変形性が良好に確保される。図8に示すように、平面視では、複数のディンプル86dは間隔を隔てて分離されているため、長いリブ突起が所定長さで連続している形態に比較して、過剰な方向性を軽減できる。よって対向板84,85の各部位における可撓性の均一化を図るのに有利であり、ひいてはシールガスケット8の可撓性の均一化を図るのに有利である。
【0027】
本実施形態によれば、ディンプル86dは、金属板をプレス成形型で加圧成形させることにより形成されている。このため、シールガスケット8の厚み方向(矢印T方向)におけるバネ弾性を良好に確保させつつ、第1対向板84および第2対向板85の板厚方向へガスをリークさせることが無く、シール性を高めることができる。更に、ディンプル86dは金属板にプレス成形させることにより形成されているため、多数のディンプル86dを金属板に簡単に少ない工程で(一般的には1度)に形成することができる。
【0028】
プレス成形は冷間成形、温間成形、熱間成形のいずれでも良い。冷間成形であれば、ディンプル86dを加工硬化により強化することを期待できる。温間成形または熱間成形であれば、ディンプル86dの成形性を高めることができる。ディンプル86dとは、球状面または疑似球状面等の丸み突面をもつドーム形の突起を意味する。各ディンプル86dはプレス成形型により厚み方向に加圧成形されて成形されているため、組織の緻密化が進行し、強化されて強度確保上有利である。
【0029】
本実施形態によれば、シールガスケット8はこれの厚み方向(矢印T方向)に弾性的な圧縮性を示すため、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるとき、シールガスケット8は高いシール性を実現しつつ、厚み方向に弾性収縮できる。このため予め、シールガスケット8の厚みTA(図2,図5参照)を大きめに設定しておけば、図2および図3に示すように、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるように組み付けられたとき、カソード23の表面23sとカソード用多孔質集電体5の表面5sとの電気的接触性を高めることができる。同様に、セパレータ3の表面3kとカソード用多孔質集電体5の表面5kとの電気的接触性を高めることができる。このため高いシール性を確保しつつ、高い集電性を実現できる。
【0030】
図4及び図5に示すように、シールガスケット8の外縁部に沿って第1対向板84と第2対向板85との間には、ガラス系シール材料を母材とするリング状の外縁シール部87が当該外縁部を1周するように介在している。このためシールガスケット8において第1対向板84と第2対向板85との間は、外縁シール部87でシールされている。換言すると、第1絶縁板81と第2絶縁板82との間は、外縁シール部87でシールされている。従って、アノードガスやカソードガスは、第1対向板84と第2対向板85との間の空間に進入することが抑止されている。即ち、アノードガスやカソードガスは、シールガスケット8の内部に進入できない。更に、燃料電池装置の組付時においては、第1絶縁板81と第1対向板84とは互いに密着するため、第1絶縁板81と第1対向板84との間にガスが進入することは抑えられる。同様に、第2絶縁板82と第2対向板85とは互いに密着するため、第2絶縁板82と第2対向板85との間にガスが進入することは抑えられる。
【0031】
図8は、絶縁板81,82が取り除かれた状態において、シールガスケット8の平面視の概念を模式的に示す。図8に示すように、シールガスケット8には、ドーム状の多数のディンプル86dの他に、締結具13を挿入するための複数の孔13xが形成され、カソードガスマニホルド通路61を形成するための孔61x、カソードオフガスマニホルド通路64を形成するための孔64x、アノードガスマニホルド通路71を形成するための孔71x、アノードオフガスマニホルド通路74を形成するための孔74x、カソード用多孔質集電体5を挿入するための孔5xが、シールガスケット8をこれの厚み方向に貫通するようにそれぞれ分散された状態で形成されている。
【0032】
更に図8、図9(A)に示すように、孔71xの外縁をシールすべく、孔71xを1周するようにリング状の外縁シール部71mが当該外縁部を1周するように介在している。同様に、孔13xの外縁をシールすべく、孔13xを1周するようにリング状の外縁シール部13mが当該外縁部を1周するように介在している。孔61xの外縁をシールすべく、孔61xを1周するようにリング状の外縁シール部61mが当該外縁部を1周するように介在している。孔64xの外縁をシールすべく、孔64xを1周するようにリング状の外縁シール部64mが当該外縁部を1周するように介在している。孔74xの外縁をシールすべく、孔74xを1周するようにリング状の外縁シール部74mが当該外縁部を1周するように介在している。孔5xの外縁をシールすべく、孔5xを1周するようにリング状の外縁シール部5mが当該外縁部を1周するように介在している。
【0033】
リング状の外縁シール部13m,61m,64m,71m,74m,5mはガラス系シール材料であることが好ましく、対向板84,85で挟持されて対向板84,85間をシールする。このガラス系シール材料は、燃料電池装置の使用温度領域(例えば400〜1000℃の範囲)において軟化するため、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるとき、積層の際の加圧力を吸収しつつ、高いシール性を実現できる。
【0034】
また図9(B)に示す例のように、孔71xの外縁をシールすべく、孔シール部71mに代えて、孔71xを1周するように孔シール部71mが塗布されて積層されていることにしても良い。孔シール部71mは、塗布可能なガラス系シール材料であることが好ましい。このガラス系シール材料は、燃料電池装置の使用温度領域(例えば400〜1000℃の範囲)において軟化するため、セル積層体1の積層方向においてセル積層体1が加圧されるとき、積層の際の加圧力を吸収しつつ、高いシール性を実現できる。孔シール部13m,61m,64m,74m,5mについても、図9(B)に示す例のように、孔シール部71mの形態としても良い。
【0035】
以上説明した本実施形態によれば、シールガスケット8は、シールガスケット8の厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板81および第2絶縁板82と、当該厚み方向において第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部83とを備える。このためシールガスケット8は、これの厚み方向において電気絶縁性をもつ。更に、バネ部83は、シールガスケット8の厚み方向において、第1絶縁板81および第2絶縁板82の間に設けられており、当該厚み方向にバネ弾性を発揮する。このため、セル2、セパレータ3が厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0036】
(試験例)
上記した実施形態に係る燃料電池装置に係る試験片を作製し、試験片を試験した。試験片では、セパレータの母材は鉄−クロム合金 で形成されており、ZMG232L(日立金属 株式会社)とし、厚み1.0ミリメートル、長さおよび幅はそれぞれ200ミリメールとされていた。シールガスケット8については、第1絶縁板および第2絶縁板はマイカとされており、マイカの厚みは0.3ミリメートル、内径は100ミリメートとされていた。外縁シール部についてはガラス系シール材料とし、厚みは3.0ミリメートル、長さおよび幅は200ミリメートルとされていた。アノード用の多孔質集電体5については、初期厚みは1.4ミリメートルとされ、気孔率は95%(体積比)、外径は100ミリメートルとされていた。更に、アノード22については、母材はNi+YSZであり、厚みは1.0ミリメートル、外径は100ミリメートルとされていた。電解質膜21については、母材はYSZであり、厚みは0.02ミリメートル、外径は100ミリメートルとされていた。カソード23については、母材はLSCF、厚みは0.05ミリメートル、外径は80ミリメートルとされていた。試験の結果、発電運転が長時間実施されたとしても、アノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができた。
【0037】
(実施形態2)
図10および図11は実施形態2の概念を模式的に示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用および効果を示す。図10に示すように、シールガスケット8の外輪郭部を1周するようにシール部8rがリング状に形成されている。シール部8rは、シールガスケット8の厚み方向において外方に向けて突出量Δtで突出する。図11に示すように、シール部71mも、シールガスケット8の厚み方向において外方に向けて突出量Δtで突出する。孔シール部13m,61m,64m,74m,5mも、同様に、シールガスケット8の厚み方向において外方に向けて突出量Δtで突出する。
【0038】
(実施形態3)
図12は実施形態3の概念を模式的に示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用および効果を示す。図12に示すように、第1対向板84に形成されているディンプル86dの高さh1は、第2対向板85に形成されているディンプル86dの高さh2よりも低くされている。図12に示すように、第2対向板85に形成されているディンプル86dの頂部86fは第1対向板84に当接する。しかし、セル積層体1を積層方向に加圧させる加圧力が高くないときには、第1対向板84に形成されているディンプル86dの頂部86fは第2対向板85に非接触であり、隙間S1を形成している。従って、セル積層体1の積層初期では、シールガスケット8の厚み方向のバネ性は柔らかめである。
【0039】
これに対して、セル積層体1を積層方向に加圧させる加圧力が次第に高くなり、閾値を超えると、第1対向板84に形成されているディンプル86dの頂部86fは第2対向板85に当接するため、シールガスケット8の厚み方向のバネ性は硬めとなる。このようにディンプル86dの高さを調整すれば、シールガスケット8の厚み方向のバネ定数を調整できる。
【0040】
(実施形態4)
図13は実施形態4の概念を模式的に示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用および効果を示す。図13に示すように、シールガスケット8は主シール部6とセパレータ3との間に介在している。シールガスケット8は電解質膜21に直接接触しているのではなく、シール部6のうち、電解質21の端部21pを被覆する被覆部6wに接触する。本実施形態においても、シールガスケット8は、これの厚み方向において高い電気絶縁性および高いバネ性をもつ。このため、セル2、セパレータ3が厚み方向に積層されるとき、シール性を高めることができる。ひいてはアノード22とカソード23との間におけるガスリークを抑えることができる。
【0041】
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。外縁シール部87,孔シール部13m,61m,64m,71m,74mはガラス系シール材料とされているが、これに限られるものではなく、要するに燃料電池装置の使用温度領域においてシール性をもつものであれば何でも良い。絶縁板81,82はマイカに限定されず、要するに燃料電池装置の使用温度領域において電気絶縁性をもつものであれば何でも良い。バネ突起86はディンプルに限定されず、バネ性をもつものであれば良い。第1対向板84および第2対向板85の双方にディンプル86dが形成されているが、いずれか一方のみに形成しても良い。
【符号の説明】
【0042】
1はセル積層体、11,12はエンドプレート、13は締結具、2はセル、21は電解質膜、22はアノード、23はカソード、3はセパレータ、4は多孔質集電体、5は多孔質集電体、6は主シール部、6Aはカソードガス流路、7Aはアノードガス流路、8はシールガスケット、81は第1絶縁板、82は第2絶縁板、83はバネ部、84は第1対向板、85は第2対向板、86はバネ突起、86dはディンプル、87は外縁シール部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン伝導性をもつ電解質膜と前記電解質膜をこれの厚み方向に挟むアノードおよびカソードを有するセルと、
前記セルをこれの厚み方向に挟む位置に設けられた二つのセパレータと、
アノードガスを前記セルの前記アノードに供給させるアノードガス流路と、
カソードガスを前記セルの前記カソードに供給させるカソードガス流路と、
前記セルを挟む二つの前記セパレータの間に介在して設けられ前記アノードと前記カソードとの間におけるガスリークを抑えるシールガスケットとを具備する燃料電池装置において、
前記シールガスケットは、
前記シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において前記第1絶縁板および前記第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを具備する固体酸化物形燃料電池装置。
【請求項2】
請求項1において、前記バネ部は、当該厚み方向において互いに対向する第1対向板および第2対向板と、前記第1対向板および前記第2対向板のうちの少なくとも一方に設けられ当該厚み方向において他方に向けて突出する複数のバネ突起とで形成されている固体酸化物形燃料電池装置。
【請求項3】
請求項2において、前記第1対向板および前記第2対向板は金属板であり、前記バネ突起は、金属板にプレス成形により突設されたディンプルである固体酸化物形燃料電池装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記シールガスケットの外縁部に沿って前記第1対向板と前記第2対向板との間には、外縁シール部が介在している固体酸化物形燃料電池装置。
【請求項1】
イオン伝導性をもつ電解質膜と前記電解質膜をこれの厚み方向に挟むアノードおよびカソードを有するセルと、
前記セルをこれの厚み方向に挟む位置に設けられた二つのセパレータと、
アノードガスを前記セルの前記アノードに供給させるアノードガス流路と、
カソードガスを前記セルの前記カソードに供給させるカソードガス流路と、
前記セルを挟む二つの前記セパレータの間に介在して設けられ前記アノードと前記カソードとの間におけるガスリークを抑えるシールガスケットとを具備する燃料電池装置において、
前記シールガスケットは、
前記シールガスケットの厚み方向において互いに対向する電気絶縁性をもつ電気絶縁材料で形成された第1絶縁板および第2絶縁板と、当該厚み方向において前記第1絶縁板および前記第2絶縁板の間に設けられ当該厚み方向にバネ弾性を発揮するバネ部とを具備する固体酸化物形燃料電池装置。
【請求項2】
請求項1において、前記バネ部は、当該厚み方向において互いに対向する第1対向板および第2対向板と、前記第1対向板および前記第2対向板のうちの少なくとも一方に設けられ当該厚み方向において他方に向けて突出する複数のバネ突起とで形成されている固体酸化物形燃料電池装置。
【請求項3】
請求項2において、前記第1対向板および前記第2対向板は金属板であり、前記バネ突起は、金属板にプレス成形により突設されたディンプルである固体酸化物形燃料電池装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記シールガスケットの外縁部に沿って前記第1対向板と前記第2対向板との間には、外縁シール部が介在している固体酸化物形燃料電池装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−51128(P2013−51128A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188468(P2011−188468)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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