固定螺旋構造を有する小型化した心臓リードを植え込む構成
植え込み部位にリード(10)を位置決めし、固定係合させる導入器システムおよび方法であって、近位端から遠位端へと延長し、リードを受け取るトルク伝達被覆(102、202)、遠位端を有し、トルク伝達被覆内に位置決めされたリードを受け取る外部被覆(80、180)、および取っ手を通るリードの前進および後退を可能にする第1位置と、取っ手内にリードの近位端を固定係合させる第2位置との間で動作可能である取っ手(110、210)を含む。リードは、外部被覆を通って前進して、外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長し、固定螺旋構造(70)は、第2位置にある取っ手の回転および前進を通してリードおよびトルク伝達被覆が同時に回転し、前進するのに応答して、植え込み部位にて固定係合するために所定の距離にわたって回転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は心室内または心室に隣接する心臓血管の植え込み部位に、または心外膜から心筋へと位置決めした1つまたは複数の電極を通して、電気刺激を加え、かつ/または心臓の電気的活動を感知したりするために心臓リードを植え込むことに関し、特に蛇行する通路を通ってトルク付与能力および押し出し能力が低いこのような心臓リードを導入し、心臓リードの固定螺旋構造(fixation helix)を植え込み部位に取り付けるための構成(arrangement)に関する。
【背景技術】
【0002】
植え込み可能な医療用の永久的および一時的電気刺激および/または感知リードは、心臓ペーシングおよびカルジオバージョン/除細動を含む心臓刺激および監視の領域で、および電気信号または他の生理学的パラメータの電気刺激または監視の他の領域でよく知られている。心臓刺激および監視の領域では、心外膜または心内膜心臓リードの電極が、それぞれ心外膜または心内膜を通して心臓壁の心筋に取り付けられるか、それぞれ心外膜または心内膜に当たるか、冠状血管に収容される。
【0003】
永久的または一時的心臓リードのリード本体は通常、絶縁外部被覆に囲まれた1本または複数の絶縁導線を含む。各導線は、近位側のリードコネクタ要素を遠位側の刺激および/または感知電極に結合する。リードの遠位端にある1つの刺激および/または感知電極、1つの導体、および1つのコネクタ要素を有する一時的および永久的心臓リードを、単極心臓リードと呼ぶ。リードの遠位端にある2つ以上の刺激および/または感知電極、2つ以上の個々の導体、および2つ以上の個々のコネクタ要素を有する一時的および永久的心臓リードを、それぞれ双極または多極リードと呼ぶ。
【0004】
心外膜または心筋の永久的および一時的心臓リード、または単純に心外膜リードは、心臓の心外膜を通常は制限された海峡術または他の矯正措置を実行するために実行するさらに包括的な外科的露出を通して露出させることによって植え込まれる。永久的および一時的な心内膜心臓リード、または単純に心内膜リードは、経静脈的経路を通して植え込まれ、心室内または心臓の血管にある所望の植え込み部位にリードに沿って、またはその遠位端に1つまたは複数の感知および/または刺激電極を配置する。植え込み部位では、心内膜に当てて、または心筋または冠状血管内に電極表面を正確に位置決めする必要がある。
【0005】
一時的心外膜または心内膜心臓リードは、患者の皮膚を通して外部モニタまたはペーシングパルス発生装置へと延長し、一時的ペーシングを提供し、一時的ペーシングが停止すると、患者の身体から取り出されるように設計される。永久的心外膜および心内膜心臓リードは、ペースメーカまたは除細動器の植え込み可能なパルス発生器(IPG)または植え込んだモニタに結合され、患者の身体に慢性的に植え込まれるように設計される。このような永久的心臓リードの近位端には通常、IPGまたはモニタの端子に接続する1つまたは複数のリードコネクタ要素が形成される。
【0006】
リードの複雑さ、共通の路に植え込まれるリードの数、および冠状静脈洞リードが冠状静脈内に深く前進することから、信頼性および使用可能性を犠牲にすることなく心臓リード本体の全体的直径を少なくとも増加させず、最適には減少させるための努力を要することになる。より最近では、剛化スタイレットを受ける内腔を削除し、コイル状線導体のゲージおよびコイル直径を削減するか、これを導電性の高い束状フィラメント線またはケーブルと交換することによって、リード本体をさらに縮小することが提案されている。双極または多極リードでは、このようなケーブルがそれぞれ、リード本体の別個の内腔を通って延長し、電気的隔離を維持する。
【0007】
この30年にわたって、心内膜リード本体の直径を10ないし12フレンチ(3.3〜4.0mm)から現在の2フレンチ(0.66mm)まで、導体および絶縁体材料の様々な改善および製造技術を通して減少させることが可能になった。2フレンチというこのような小さい直径の心内膜リードのリード本体は、植え込み中に、および慢性的植え込み中にリード本体が軸方向に力を加えられた場合、リードの遠位端の固定機構および電極が心筋を穿孔する原因となる円柱強度が、あっても小さくなければならない。その結果、小さい直径のリード本体は「押し出し能力」、つまりリードの近位端を軸方向に押す場合、特にリード本体が蛇行性の経静脈的通路を通って延長する場合に、リードの遠位端を軸方向に前進させる能力に欠ける。
【0008】
このような小さい直径の心内膜リードは通常、1つまたは複数の電極を所望の植え込み部位に維持するために、遠位側を固定する必要がある。リード本体と位置合わせした状態で尖鋭化した遠位先端へと軸方向に延長し、リード本体の直径とほぼ等しい螺旋の直径を有する能動固定螺旋構造が好ましい。固定機構が、心内膜リードの全体的直径を増加させる必要がなく、螺旋構造を心筋にねじ込むと、比較的頑丈だからである。必然的ではないが、通常、固定螺旋構造は、リード導体に電気的に接続され、ペーシング/感知電極として機能する。場合によっては、リード本体は、1つまたは複数の螺旋のコイル状または束状線導体を囲み、内腔がない。
【0009】
このような小さい直径の心内膜ねじ込みリードのリード本体は、非常に柔軟かつ可撓性であり、したがってリード本体が比較的直線上に維持され、血管壁との接触によって限定されない場合を除き、リードの近位端に回転トルクを加えることによってリードの遠位端を回転させることは困難である。このような「トルク付与能力」の低下は、リード本体が蛇行性通路を通って前進し、血管壁との接触によって限定されると、リード遠位端における固定螺旋構造の回転を防止するか、回転を不確実なものにする。回転トルクをリード近位端からリード遠位端へと伝達できる程度まで、リード遠位端における能動固定螺旋構造を余分に回転させて、心筋を通してねじ込むか、回転不足にして、心筋に十分にねじ込まない。したがって、リード本体の押し出し能力およびトルク付与能力の欠如を補償する植え込み器具を使用する必要があることが判明した。
【0010】
このような小型化して可撓性が高い心内膜ねじ込みリードを植え込み第1技術は、最初に蛇行性の経静脈通路を通って前進する誘導線を使用することを含む。次に、心内膜リードは、例えば米国特許第5003990号、第5304218号、第5902331号、第6132456号および第6185464号で開示されているような誘導線に沿ったまたは誘導線上の通路を通って前進する。これらの技術には、線上接続を提供し、誘導線上で前進するために十分な円柱強度を有するようにリード本体を設計する必要があるものもある。リード本体の遠位端に対して加えられ、リード本体に沿って誘導線上を延長する十分な円柱強度を有する細長い押し出し器工具を使用する技術もある。これらの技術は、実行するのが比較的複雑である。さらに、アセンブリを回転させてリード遠位端にて能動固定螺旋構造を回転させることは、なお問題があることがある。
【0011】
共通に譲渡された米国特許第5246014号では、導入器の遠位端とリードの遠位端とが、相互に連結するか、係合するように構成される。カテーテル、導入器および被覆リード本体が、蛇行性の経静脈的通路を通って一緒に前進し、右心房、右心室、冠状静脈洞、または心静脈の植え込み部位付近に固定螺旋構造を配置する。固定螺旋構造を、カテーテル内腔の遠位端から押し出して、導入器カテーテルを回転させ、カテーテル内腔から近位側に延長する導入器の近位端を患者の体外で押して、回転させることによって、固定螺旋構造を心筋にねじ込む。この方法で、内部導入器は、使用時にカテーテルの遠位端まで全面的に延長する。したがって、カテーテルの遠位区画が剛化され、蛇行性通路を通って前進することが困難なことがある。連結機構の特定の実施形態は、リード遠位端の直径も増加させる。
【0012】
共通に譲渡された米国特許第5897584号で開示された、このような小型化(miniaturized)した心内膜ねじ込みリードを植え込むさらなる技術は、蛇行性通路を通って前進できるほど十分な押し出し能力および捻れ抵抗を有するカテーテル本体を有する可撓性案内カテーテルを使用する。カテーテル遠位端および固定螺旋構造が植え込み部位へと前進する間に、リード本体をカテーテル内腔に挿入する。次に、固定螺旋構造をアセンブリの近位端から回転させて、これを植え込み部位の心筋にねじ込む必要がある。固定螺旋構造の遠位方向への前進および回転は、案内カテーテルのハブの外側で近位方向に延長し、そこからある距離で固定螺旋構造固定螺旋構造を遠位方向に前進させて回転させ、心筋に入れる距離に対応するか、その一部だけ延長するリード本体の近位区画上に、トルク伝達装置を一時的に取り付けることによって容易になる。
【0013】
トルク伝達装置は、リード本体区画と機能的に係合し、片手で操作して、固定螺旋構造を案内カテーテル内腔から遠位方向に前進させ、植え込み部位にて心筋にねじ込むことができる。トルク伝達装置は、細長いスロットを通して近位リード本体区間上を側方に滑動して、そこから外され、設置/取り出しおよび保持特徴は、スロットの相対的幅およびリード本体の直径によって決定される。
【0014】
この技術は、カテーテル本体材料を選択する必要があり、カテーテル内腔は直径が一定であり、カテーテルが蛇行性通路の捻れおよび曲がりを通って前進するにつれ、方向が急変しないことを保証する特徴を必要とする。リード本体の直径および材料は、捻れおよび曲がりにてカテーテル側壁に対するリード本体の結合を最小限に抑えるように選択しなければならない。概して、カテーテルの内腔直径が増加するほど、カテーテル内腔を通してリード本体を前進させることが容易になる。しかし、カテーテル本体内腔が増加すると、案内カテーテルが捻れおよび曲がりを通して前進し、小さい直径の冠状血管に入ることが、さらに困難になる。
【0015】
上述した第’584号特許で記載されているように、案内カテーテルには通常、カテーテルハブに取り付けた止血弁、およびカテーテル内腔を洗浄して、潤滑するために塩水および凝固阻止薬を導入することができる側口を供給する。しかし、リード本体に沿った漏れを解消するために止血弁を締めると、トルク伝達装置を操作することによってリード本体の押し出し能力およびトルク付与能力にマイナスの影響を及ぼすことがある。
【0016】
別の方法では、リード本体がさらなる被覆または導入器の内腔の中に封入され、リードおよび導入器が案内カテーテルの内腔の中に配置される。固定螺旋構造は、リード遠位端の固定螺旋構造が蛇行性通路および心室または冠状血管を通って前進し、固定螺旋構造を植え込み部位の付近に配置する間、カテーテル内腔の中に配置される。
【0017】
共通に譲渡されたさらなる米国特許第6408214号では、内部被覆と呼ばれる内部導入器、および外部被覆と呼ばれる外部カテーテルがそれぞれ、遠位被覆区画に形成された予備形成曲線を有し、したがって内部および外部被覆を相互に対して軸方向に調節するにつれ、複数の曲線を誘発することができる。内部および外部被覆の材料および寸法は、内部被覆の内腔内に配置された小さい直径のリード本体で、アセンブリの押し出し能力およびトルク付与能力を提供するように選択される。内部被覆は外部被覆より長く、したがって外部被覆の内腔から選択的に出て、その遠位先端を植え込み部位へと前進させることができる。この場合も、固定螺旋構造をカテーテル内腔の遠位端から押し出し、次に患者の体外でカテーテルの内腔から近位方向に延長する導入器の近位端を押して回転させることにより、固定螺旋構造を回転させて心筋にねじ込む。
【0018】
上述した第’214号および第’584号特許で開示されたこれらの方法は、外科医がリード本体の近位区画を回転させるにつれ、リード本体が内部被覆または導入器の側壁と摩擦係合し、結合することがある。内部被覆の内腔を、このような結合を回避するためにリード本体の直径より比較的大きい直径にすると、リード本体が回転時に内部被覆の内腔内で巻き取られる傾向がある。近位区画を回転させる場合に、リード本体を通して外科医へ送られる遠位固定螺旋構造の回転の触覚フィードバックが、被覆の内腔内の結合または巻き取りのために失われる。リード本体の遠位区画をちょうどどこまで前進させたか、および固定螺旋構造が実際に何回転したか、外科医が判断することが困難である。
【0019】
通常、螺旋構造を心筋に十分に埋め込むには、固定螺旋構造を数回転、例えば完全に2回転させるだけでよい。しかし、加えたトルクがリード本体の巻き取りを克服し、遠位側の固定螺旋構造を必要な2回転だけ回転させるために、リードの長さおよび通路の蛇行性に応じて、例えば約4回転から9回転など、複数回リード本体の近位区画を回転させる必要があることがある。外科医は、遠位側の固定螺旋構造が必要な2回転だけ回転しているか、余分に回転し、場合によっては閾値を引き上げ、穿孔しているか、心筋を穿孔する危険があるか確信することができない。
【0020】
さらに、案内カテーテルの内腔を通って前進した心臓リード、誘導線、バルーンカテーテルのような器具は通常、案内カテーテルのハブに組み込まれ、穿孔可能で再密封可能な止血弁を通過する。止血弁は、器具の本体に寄りかかって、案内カテーテルの内腔中の流体が漏出するのを防止する。誘導線およびバルーンカテーテルおよび円柱強度を有する他の器具の前進は、止血弁との接触によって妨害されない。しかし、相当な円柱の押し出し能力およびトルク付与能力がない上述のタイプの心臓リードを、このような止血弁に通すことは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、押し出し能力およびトルク付与能力がない小さい直径のねじ込みリードのために、固定螺旋構造を蛇行性通路に通して、心室または左心室の冠状血管の多種多様な植え込み部位へと前進させ、選択した植え込み部位に確実に固定することができる導入器システムに対する要求がある。固定螺旋構造を心筋に入れるために必要な回転数だけ回転させるために、リード本体を回転させる回転数の積極的フィードバックを外科医に提供するこのようなシステムが必要である。案内カテーテル止血弁を心臓リードが通過することに伴う上記の問題を解消する必要がある。
【0022】
このようなリード導入器システムは、最小侵襲性アプローチを通して、胸部を通して心臓の心外膜へ、特に左心室の植え込み部位へと小さい直径の心外膜ねじ込みリードを植え込むのにも有用であることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、心臓リードの遠位側の固定螺旋構造(fixation helix)を心室または心臓血管または心外膜に導入して固定するために使用でき、これらの要求を満足する導入器システム(introducer system)を提供する。導入器システムは、1つまたは複数のリード導体を囲み、1つまたは複数のリードコネクタ近位要素と1つまたは複数の遠位電極との間に延長するリード本体と、固定螺旋構造とを有する小さい直径の心臓リードを、蛇行性通路に通して心臓へと導入するような構成であり、リード本体は、固定螺旋構造を所望の植え込み部位(implantation site)に配置して、取り付けるために、蛇行性通路を通って自身で容易に前進するには押し出し能力およびトルク付与能力が不十分である。
【0024】
本発明の実施形態では、導入器システムは、近位端から遠位端へと延長し、リードを受け取るトルク伝達被覆(torque transfer sheath)と、遠位端を有し、トルク伝達被覆内に位置決めされたリードを受け取る外部被覆(outer sheath)、および取っ手(handle)とを含み、取っ手は、取っ手を通るリードの前進および後退を可能にする第1取っ手位置と、取っ手内のリードの近位端と固定係合する第2取っ手位置との間で動作可能である。リードは、外部被覆を通って前進し、外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長し、固定螺旋構造は、取っ手の第2取っ手位置での回転および前進を通して、リードおよびトルク伝達被覆が同時に回転し、前進するのに応答して、所定の距離を回転し、植え込み部位にて固定係合(fixedly engaged)する。
【0025】
本発明の別の実施形態では、導入器システムは、近位端から遠位端へと延長し、リードを受け取るトルク伝達被覆と、遠位端を有して、トルク伝達被覆内に位置決めされたリードを受け取る外部被覆と、近位方向に延長して自身上に位置決めされたねじ部分を有する部分から接続部分へと延長するハブ本体とを含み、外部被覆およびハブ本体は、外部被覆とハブ本体の接続部分との間に形成された対合ねじのねじ相互作用を通して固定係合する。軸方向の内腔を有する取っ手シャフトが、取っ手シャフトの長さを通って近位部分から、ハブ本体の近位方向に延長する部分を受け取るように形成された遠位部分まで延長する。第1係合部材が、軸方向内腔の近位部分に位置決めされ、キャップが取っ手シャフトに向かって遠位方向に前進し、第1係合部材をリードに当てて係合して、キャップを、取っ手シャフト内のリードと固定係合する第1キャップ位置に位置決めし、取っ手シャフトから近位方向に後退して、第2係合部材をリードから係合解除して、キャップを、取っ手シャフトを通るリードの前進を可能にする第2キャップ位置に位置決めする。
【0026】
最後に、第2係合部材は、軸方向内腔の遠位部分内に位置決めされ、取っ手シャフトが近位方向に延長する部分の周囲で回転するにつれ、キャップが第1キャップ位置にある場合、ハブ本体のねじ部分によって形成された溝を通って前進して、取っ手シャフトを遠位方向に前進させる。トルク伝達被覆の近位端は、取っ手シャフトの近位部分内に固定状態で位置決めされ、キャップが第1キャップ位置にある場合に、取っ手シャフトがハブ本体の近位方向に延長する部分の周囲で回転すると、トルクがトルク伝達被覆を通してリードに伝達され、外部被覆本体の遠位端から延長する固定螺旋構造を植え込み部位にねじ込む。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態では、リードの遠位固定螺旋構造を患者の体内の植え込み部位に位置決めし、固定係合させる方法は、取っ手が第1取っ手位置にある間に、取っ手およびトルク伝達被覆を通してリードを挿入して、取っ手を通したリードの前進および後退、およびリードの遠位固定螺旋構造が外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長することを可能にすることと、リード本体を取っ手内に固定係合させることと、外部被覆内で固定螺旋構造を前進させるために、外部被覆内でリードおよびトルク伝達被覆を後退させることと、植え込み部位で外部被覆を位置決めすること、リードおよびトルク伝達被覆を同時に回転させて、外部被覆を通して前進させ、固定螺旋構造を外部被覆の端部から所定の距離だけ外側に延長させて、固定螺旋構造を所定の距離だけ回転させて植え込み部位にて固定係合させるために、取っ手を回転させることとを含む。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態では、リードの遠位固定螺旋構造を植え込み部位に位置決めし、固定係合させ、キャップを含む導入器システムは、リードを取っ手の第1部分内に選択的固定状態で位置決めする手段と、固定螺旋構造を前進させて、外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長させ、固定螺旋構造を所定の回転数だけ回転させるために、第1部分と同時に取っ手の第2部分の回転を制御する手段と、固定螺旋構造を所定の回転数だけ回転させるために、制御手段による取っ手の第1部分および第2部分の回転に対応するトルクをリードの遠位部分に伝達する手段とを含む。
【0029】
本発明の以上の要約およびその利点および特徴は、単に、本発明が先行技術で提示された困難を克服する方法の幾つかを指摘して、本発明を先行技術から区別するために提示されたものであり、特許出願で最初に提示され、最終的に承認される請求の範囲の解釈を制限するものとしてはいかなる意味でも働かないものとする。本発明の他の利点および特徴は、以下の詳細な説明を添付図面との組み合わせで考察することによって、さらによく理解されるので、容易に明白になり、図面では、同様の参照番号は図面を通して同様の部品を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図面は、必ずしも同じ縮尺ではないことが理解される。以下の詳細な説明では、本発明を実行するための例示的実施形態に言及する。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用できることが理解される。本発明およびその好ましい実施形態は、1つまたは複数のペーシング/感知電極または1つまたは複数の感知電極をそれぞれリード遠位端に、またはそれに隣接して有する単極、双極または多極性心外膜、心臓ペーシングまたは監視リード内で実現することができる。同様に、本発明およびその好ましい実施形態は、少なくとも1つのカルジオバージョン/除細動電極を含み、任意選択で1つまたは複数のペーシング/感知電極をリード遠位端に、またはそれに隣接して含む心臓除細動/カルジオバージョンリード内で実現することができる。
【0031】
さらに、生理学的パラメータを感知する他のセンサを、リード本体に組み込むことができる。このようなペーシング/感知電極、感知電極、カルジオバージョン/除細動電極およびセンサをそれぞれ、リード本体を通ってリード近位端のコネクタアセンブリへと近位方向に延長する絶縁された電気導体に結合する。コネクタ近位端アセンブリは、外部ペースメーカまたはモニタを含む外部医療器具のコネクタアセンブリ、またはペーシング、カルジオバージョン/除細動または両方のためのIPGを含む植え込み可能な医療器具、または植え込み可能なモニタに結合するような構成である。したがって、本発明の心臓リードを導入する配置構成を使用して、このようなタイプの永久的に植え込み可能な心臓リードおよび一時的な心臓リードを導入することができる。
【0032】
本発明の配置構成は、このような小さい直径の心臓リードを導入する際に特に有用であり、これはスタイレットルーメンがなく、リード遠位端を経静脈的に前進させ、補助なく所望の植え込み部位に位置決めすることができないほど可撓性で、円柱強度、押し出し能力およびトルク付与能力が低い。さらに、本発明の配置構成の1つの特定の使用法は、1つまたは複数の束状線導体を使用して形成したような心臓リードを、上記で組み込んだ共通譲渡の第’014号特許に記載されたタイプの約0.010〜0.035インチ(0.254〜0.889mm)の直径のリード本体内に導入することである。リード本体の外径は、このような導体を使用し、剛化スタイレットを受け取るためのルーメンを削除することによって最小になる。しかし、本発明の配置構成は、剛化スタイレットを受け取るためのルーメンがある、またはない状態で、コイル状の線導体を使用する心臓リードを導入するために使用することもできる。後者の場合は、導入するために剛化スタイレットを使用する必要がない。
【0033】
図1および図2は、右心室の、または冠状静脈洞(CS)から分岐した冠状血管の植え込み部位に導入した心臓リード10の略図である。心臓リード10は、蛇行性通路を通して皮膚の切開部および静脈系を通して作成した静脈切開部、例えば右または左の橈側皮静脈、他の鎖骨下枝または外または内頚動脈から、当技術分野でよく知られた方法で心臓血管または心室14の植え込み部位に導入する。
【0034】
リードコネクタ近位要素は、各場合に上述したタイプのいずれかの植え込み可能な医療器具(IMD)16に結合した状態で概略的に図示されている。図1および図2では、心臓14が上部心室、右心房(RA)および左心房(LA)、および下部心室、右心室(RV)および左心室(LV)を含む。冠状静脈洞(CS)も図2には概略的に図示され、RAの開口42から延長し、心静脈44として心房の周囲を横方向に延長して、LVに沿って下方向に下降する前室間静脈46に入る。
【0035】
IMD16(部分的に図示)は、1つまたは複数のリードコネクタ要素に接続された後に、皮下的に、つまり皮膚の下に植え込まれ、ハウジング26およびコネクタブロック27に囲まれた電気的構成要素および電源を含む。コネクタブロック27は、右心室またはCSに導入した心臓リード10の1つまたは複数のリードコネクタ近位要素を受け取るために、1つまたは複数の内腔を有する。これらの図は、本発明の方法および装置により可能な植え込み部位の幾つか、および心臓リード10の心臓電極を植え込み部位に導入する経路を示す。
【0036】
図示の右心およびCS心臓リード10は、心臓14の植え込み部位に植え込み、適切なIMD16のコネクタブロック27に結合してよいことが理解される。図示の心臓リード10は、単極、双極または多極形状を有し、ペーシング/感知および/またはカルジオバージョン/除細動電極で作成することができる。あるいは、心臓リード10は単純に、EGM感知電極および/または生理学的センサを担持することができる。本発明は、心臓電極および/または生理学的センサを図示の部位および他の適切な植え込み部位の1つに導入する導入構成および方法に関する。
【0037】
単純にするために、図1には、上大静脈(SVC)22を通って延長し、下方向にRAおよびRVを通り、遠位電極34および固定螺旋構造70を心臓14のRV尖部の植え込み部位24に引っかける単極右心室リード10が図示されている。リード本体近位端にあるコネクタ要素(IMDコネクタブロック27の内腔に挿入されて図示)と、リード本体遠位端から遠位方向に延長する遠位固定螺旋構造70との間に延長する細長いリード本体を有する心臓リード10が形成される。リード本体の遠位端に延長するか、それに隣接する電極34も支持され、リード導体が、コネクタ要素と電極34との間でリード本体内にて延長する。心臓遠位電極34は、遠位固定螺旋構造70と組み合わせるか、リード本体に沿って固定螺旋構造70の近位側に配置することができる。したがって、心臓遠位電極34は、リード本体の遠位端にあるか、それに隣接してよい(つまり、それと近接する)。
【0038】
図1では、遠位固定螺旋構造70は、心筋にねじ込まれ、以降で説明するような本発明の導入構成および方法を使用することにより、心筋に能動的固定を提供するような構成である。例えば、図1は、固定螺旋構造70をRV尖部の深い植え込み部位24に、またはリード10がRVに埋め込まれている場合は、RV室とLV室の間の隔膜にある他の植え込み部位19および18に取り付けられることを示す。あるいは、固定螺旋構造70は、例えば外部右心房膜または右心耳などのRAの比較的厚い区域の植え込み部位20に固定螺旋構造70をねじ込んだ状態で、RAに植え込むことができる。固定螺旋構造70は、単純に心臓リード10の遠位端を、RVの図示の植え込み部位18、19および24、およびRAの植え込み部位20(またはRAおよびRVの他の選択された植え込み部位)に取り付けることもでき、別個の心臓電極34をリード本体に設けることができる。
【0039】
図2は、SVCおよびRA室、およびCSの口を通して心臓リード10を導入し、LA室およびLVに沿って延長させることを示す。1つまたは複数の遠位電極34を、図示のように、LVの刺激および/または感知用途のためにLVに隣接するLV植え込み部位38にて前室間静脈46内の深い位置に配置するか、1つまたは複数の遠位電極34を、例えばLA刺激および/または感知用途を提供するために、LAに隣接する植え込み部位48の心静脈47に配置することができる。遠位固定螺旋構造70は、植え込み部位38、48で、または冠状血管内の他の部位で冠状血管にねじ込み、以降で説明するような本発明の導入構成および方法を使用することにより、それとの能動的固定を提供するような構成である。
【0040】
例えば図1および図2で示した部位に植え込み可能な例示的単極心臓リード10を、図3および図4に示す。図3および図4で示すように、心臓リード10は、リード本体近位端62にあるコネクタ要素72と、リード本体遠位端64にある固定螺旋構造70との間に延長する細長いリード本体60を含む。固定螺旋構造70は、この図示の例では電極34を含み、リード導体66がリード本体60内でコネクタ要素72と遠位固定螺旋構造70との間に延長する。図3には、リード近位区画LPS、リード中間区画LIS、および螺旋構造長さHLを有する遠位固定螺旋構造70を含むリード遠位区画LDSを有する心臓リード10が図示されている。
【0041】
本発明の導入方法およびシステムによって、1フレンチ(0.33mm)から3フレンチ(1.00mm)の範囲の直径が小さいリード本体60を植え込むことができるが、導入器システムは、直径が3フレンチを超えるより大きい直径のリード本体の植え込みを容易にするサイズにしてもよい。リード本体60は、多様な方法で形成することができ、一例が図4に図示されている。図示された例示的なリード本体60は、糸が1本または糸が複数の螺旋形導体66を含み、これはリード本体の近位端および遠位端62および64に機械的に取り付けた可撓性導体ケーブルまたは非導体張力繊維74に巻き付けられている。ケーブルまたは繊維74は、リード本体60に引っ張り強度を提供する。しかし、リード本体60は可撓性が高く、図1および図2で示した蛇行性通路を通って固定螺旋構造を押すのに十分な円柱強度、またはリード近位区画LPSを回転させることによって固定螺旋構造70を回転させ、患者の体外の切開部から心筋または血管壁に入れるのに十分なトルク付与能力を有していないことがある。
【0042】
本明細書で開示する使用法の導入器システムおよび方法を使用して、遠位固定螺旋構造70のように遠位方向に延長するか、例えば米国特許第3835864号および第4233992号で開示された遠位固定螺旋構造の方法でリード本体から側方に延長する任意の形態の遠位固定螺旋構造を導入し、固定できることが理解される。
【0043】
患者の体外から例えば図1および図2で図示した植え込み部位まで蛇行性通路を通って前進するような構成である例示的な細長い案内カテーテルまたは外部被覆80を、図5に示す。好ましい実施形態では、導入器システムの外部被覆80は、近位側の外部被覆ハブ本体90から外部被覆遠位端88まで延長する外部被覆本体82を含む。外部被覆本体82は、皮膚の切開部から身体を通って植え込み部位までの選択された通路に応じて、約25cmから120cmの長さを有する任意の既知の形態をとることができ、外部被覆本体のルーメン84が、外部被覆本体の遠位端88にあるルーメン遠位端開口89まで、外部被覆本体82の長さだけ延長する。外部被覆80は、上記で言及した共通譲渡の第’584号特許に記載されたタイプ、および当技術分野で知られている他のタイプの案内カテーテルの形態をとることができる。
【0044】
外部被覆ハブ本体90は、ハブ本体90の長さを通って延長するハブルーメン92を含み、ハブルーメン92の枝が側口94を通って延長する。側口94は、吸引源または注入源と結合するか、キャップを形成するか、当技術分野でよく知られた方法でハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84から流体を吸引するか、そこへ流体を注入するために選択的に開閉できる弁を含む。貫通可能な隔壁96がキャップ98に閉じ込められ、ハブ本体90の近位端にあるハブルーメン92を通って延長し、当技術分野でよく知られた方法でそれを通って延長する器具に沿って血液または流体が失われるのを阻止する従来のルアータイプの止血弁として機能する。ハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84は、軸方向に位置合わせされ、外部被覆ルーメン84を構成する。
【0045】
図3のリード10は、図6から図9の導入器システムのトルク伝達ツール100とのサブアセンブリ、および図10から図12のトルク伝達ツール100および外部被覆80とのアセンブリにて図示されている。図6から図12で示すように、本発明によるトルク伝達ツール100は、細長いトルク伝達被覆102およびトルク伝達ツール用取っ手110を含む。トルク伝達被覆102は、例えばポリイミドまたはPEEK、ポリエーテルイミドなどのポリマ、または所望の剛性、捻り抵抗、および可撓性を有し、サイズ、可撓性、およびトルク性能を強調する約0.0025インチ(0.063mm)などの肉厚を有する他のポリマで形成された、ある長さの薄肉管を含むトルク伝達被覆本体104で形成することが好ましい。
【0046】
トルク伝達被覆本体104を通って延長するトルク伝達被覆本体ルーメン106の直径は、リード本体60を支持するためにリード本体60をぴったり覆うように選択され、リード本体の直径とトルク伝達被覆本体ルーメン106の表面との間に、リードの固定後に容易に外すことができるクリアランス、例えば0.002〜0.010インチ(2.6フレンチまたは0.286mmの直径のリードでは0.051〜0.254mmのクリアランス)を提供する。トルク伝達被覆本体104のために選択する材料は、外部被覆本体ルーメン84内に制限され、場合によっては外部被覆本体ルーメン84の内面と滑動状態で接触したまま、トルク伝達被覆本体長さISLを通してトルクを伝達する能力を提供する肉厚、直径、長さおよび硬度を有していなければならない。トルク伝達被覆102は、リード本体中間区画LISを外部被覆本体ルーメン84の表面との接触から隔離すると有利である。
【0047】
図6から図12で示した本発明の実施形態では、トルク伝達被覆102は、細長いトルク伝達被覆本体104が隔膜96、ハブルーメン92を通って外部被覆本体ルーメン84内へと十分に前進すると、図5で示した被覆近位区画SPSを通って延長する外部被覆本体ルーメン84内に配置されるような構成である。トルク伝達被覆本体104の外径と外部被覆本体ルーメン84の表面との間のクリアランスは、トルク被覆本体104が外部被覆本体ルーメン84内で回転し、軸方向に移動できるように選択される。例えば0.010mmと0.200mmの間である。トルク伝達被覆本体104の周囲に約0.005インチ(0.012mm)のクリアランスがあると満足できることが判明した。十分に挿入したトルク伝達被覆本体104の遠位端108に対して遠位側にある外部被覆本体82の螺旋構造長さHIを含む被覆遠位区画SDSも、図5に図示されている。
【0048】
したがって、細長いトルク伝達被覆102はトルク伝達被覆本体104を含み、これは外部被覆本体82より短く、トルク伝達取っ手110からトルク伝達被覆本体の遠位端108まで延長する。トルク伝達被覆本体104は、隔膜96を通して被覆近位区画SPSへと遠位方向に、およびそこから近位方向に前進することができる。トルク伝達被覆長さISLは、トルク伝達被覆本体104を外部被覆本体ルーメン84に十分に挿入した場合、外部被覆近位区画SPSの長さに対応する。リード本体60は、トルク伝達被覆本体ルーメン106を通って軸方向に前進し、以下でさらに説明するように、リード本体60とトルク伝達取っ手110とを一緒に締め付けることによって、所定の位置にロックすることができる。
【0049】
トルク伝達取っ手110は、トルク伝達被覆本体104の近位区画に取り付けた取っ手シャフト112と、取っ手シャフト112に調節自在に取り付けたキャップ114とで形成することが好ましい。ツールルーメン116は、図6から図12で示すようにツールルーメン116およびトルク伝達被覆本体ルーメン106を通ってリード本体60を挿入するために、トルク伝達被覆本体ルーメン106と軸方向に位置合わせされた取っ手シャフト112とキャップ114とを通って延長する。ツールルーメン116は、取っ手シャフト112に対してキャップ114を調節することによって選択的に狭くするように構成され、したがってツール取っ手110はリード本体60の一部を把持し、それによってリード本体60を損傷することなく、トルク伝達取っ手110を回転させることによってトルク伝達被覆102およびリード本体60がトルク伝達被覆本体ルーメン106内で回転することができる。好ましい実施形態では、弾性把持リング130をリード本体60の一部の周囲で選択的に圧縮し、取っ手シャフト112に対してキャップ114を調節することによってリード本体60を把持する。
【0050】
図7および図9で示すように、取っ手シャフト112は、例えば剛性熱可塑性材料の外部管状シェル122で形成され、これはトルク伝達被覆本体104の近位区画の周囲に配置された比較的可撓性の歪み解放管118を囲む。歪み解放管118は、接着剤132によって管状シェル122の内腔内に維持され、そこから近位方向に延長する。管状シェル122は、弾性把持リング130(の少なくとも一部)も支持して、囲み、トルク伝達被覆本体104の最も近位側の区画125がその中に延長し、ツールルーメン116がそれを通って延長する。弾性把持リング130は、シリコンゴムなどの弾性材料で形成することができ、これは非圧縮時に図7で示す形状をとり、それによってリード本体60はツールルーメン116を自由に通過することができ、リード本体60の周囲で圧縮すると、図9で示す形状をとる。
【0051】
キャップ114は、管状シェル122の近位端および弾性把持リング130上で遠位方向に延長するカップ形内部スペース126を形成する端壁117と、ツールルーメン116の近位端開口を形成する端部開口とを含む外部剛性シェル124で形成される。シェル122および124は、図7および図9で示すような結合機構128を通って相互に結合され、それによってキャップ114は、コレット機構の方法で図6および図7で示すように取っ手シャフト121から近位方向に後退するか、図8および図9で示すように取っ手シャフト112上を遠位方向に前進するか、さらにそれに近接し、弾性把持リング130がコレットとして作用する。
【0052】
例えば、キャップ114がシャフト112の周囲で回転するにつれ、キャップ114は取っ手シャフト112に向かって遠位方向に前進しいて、端壁117に当たり、したがってカップ形の内部スペース126は図9で示すように最小になり、それにより弾性把持リング130がリード本体60の近位部分129の周囲で圧縮されて、リード本体60をきつく把持し、リード本体を損傷することなく、トルク伝達被覆本体104に対するリード本体60の回転または軸方向の動作を防止する。カップ形の内部スペース126は、キャップ114が図7で示すように取っ手シャフト112から近位方向に前進するにつれて最大になり、これによって弾性把持リング130が非圧縮形状をとり、リード本体60の近位部分129が解放されて、トルク伝達被覆本体104に対してリード本体60が回転するか、軸方向に動作できるようにする。
【0053】
弾性把持リング130は、弾性把持リング130がリード本体60の一部に対して圧迫される植え込み措置中の時間に、トルク伝達被覆本体ルーメン106内で流体の漏れを阻止する止血機能を提供すると有利である。したがって、リード本体60は別個の止血弁を通って前進する必要がない。
【0054】
結合機構128は、対合ねじ山または差し込みピン機構を含むことができ、これによってキャップ114の回転により取っ手シャフト112に対してキャップ114を締め付けるか、緩めて、軸方向に移動することができる。あるいは、結合機構128は、取っ手シャフト112に対するキャップ114の押し引き動作を可能にする対合スプラインなどを含むことができる。キャップ114は、単に図示の便宜上、取っ手シャフト112に対してキャップ114を遠位方向に前進させるか、キャップ114を近位方向に後退させるために回転させるように図示されている。
【0055】
使用時には、リード本体60および被覆80および102を比較的直線で植え込む前に、植え込み可能な心臓リード10と、外部被覆80およびトルク伝達ツール100を含む導入器システムとを、患者の体外の無菌領域で一緒に組み立てる。外部被覆本体82は、図10から図12では、トルク伝達被覆本体104およびリード本体60とを外部被覆ルーメン84内で見られるように概略的に図示されている。
【0056】
リード本体60は、キャップ114が図6および図7で示す位置にある間に、トルク伝達ツールルーメン116を通って挿入され、遠位固定螺旋構造70をトルク伝達被覆本体ルーメン106内に配置する。トルク伝達被覆本体の遠位端108は、隔膜96を通って前進し、次にハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84を通る。リード本体60は、トルク伝達被覆ルーメン106内に配置され、したがって隔膜96と接触しないことが有利である。トルク伝達被覆本体104は、十分な押し出し能力を有し、したがってトルク伝達被覆本体104は、隔膜96を通って容易に前進または後退することができ、それによって心臓リード本体60を遠位方向に前進させることができる。
【0057】
次に、心臓リード本体60のリード遠位区画LDSを、トルク伝達被覆本体104の遠位端108から外側に前進させ、外部遠位端とトルク伝達被覆本体遠位端88と108の間に延長する外部被覆ルーメン84の被覆遠位区画SDS内に配置する。リード本体近位区画LPSを押して、螺旋コイルの巻線をほぼ螺旋構造長さHLだけ露出させることにより、遠位固定螺旋構造70を、外部被覆遠位端88から延長させる。心臓リード本体60のリード中間区画LISを、トルク伝達被覆本体104のトルク伝達被覆本体ルーメン106内に配置し、これを外部被覆ルーメン84の被覆近位区画SPS内に配置する。心臓リード本体60の近位区画は、外部被覆ハブ90から近位方向に延長して、トルク伝達ツールルーメン116を通る。トルク伝達被覆本体104の全長を、図10で示すようにハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84内に配置する。
【0058】
図11を参照すると、リード本体60をトルク伝達ツールのトルク伝達被覆本体104内で位置決めし、リード本体60およびトルク伝達ツール100を外部被覆80内に挿入したら、次に図8および図9に関して上述したように、トルク伝達取っ手110をリード本体60にロックする。次に、リード本体60を近位方向に引っ張って、遠位固定螺旋構造70を外部被覆ルーメン84内に後退させるのに十分なほど、少なくとも固定螺旋構造長さHLを含む軸方向並進距離だけ、トルク伝達ツール100およびリード10を近位方向に後退させる。これで、被覆本体遠位端88と108の間の距離は、図11で示すようにほぼSDS+HLと等しい。外科医は、アセンブリが患者の体外にあるので、この後退を観察することができる。
【0059】
次に、導入器システムおよび心臓リード10のアセンブリを皮膚の切開部および経静脈的通路に通して挿入し、外部被覆本体の遠位端88を、例えば図1または図2の所望の植え込み部位に配置する。トルク伝達被覆本体104のトルク伝達被覆長さISLは、外部被覆本体82の遠位区画SDSが、所望の植え込み部位に到達すると、比較的直線になるように選択される。外部被覆本体82の近位区画SPSは通常、蛇行性通路の複数の曲線に折り曲げられる。トルク伝達被覆本体104および心臓リード本体60の中間区画LISの大部分も、蛇行性通路の捻れおよび曲がりに配置される。しかし、中間区画LISは、トルク伝達被覆ルーメン106内に限定され、トルク伝達被覆本体104によって剛化されて、捻れおよび曲がりを通るリード本体60の押し出し能力およびトルク付与能力を向上させる。
【0060】
外部被覆本体82のルーメン直径は、きつい曲がりの圧力でわずかに変化することがあるが、トルク伝達被覆本体104は、一定直径のトルク伝達被覆ルーメン106を維持する。したがって、図12で示すように、少なくとも螺旋構造の長さHLに対応する軸方向の並進距離だけ、トルク伝達取っ手110を遠位方向に前進させることにより、リード本体60の遠位区画LDSを外部被覆ルーメン84内で遠位方向に押して、固定螺旋構造70を外部被覆本体82の遠位端88から排出することができる。
【0061】
トルク伝達取っ手110はなお、リード本体の近位部分129にロックされ、遠位固定螺旋構造70はこれで、図12で示すように回転し、近位ツール取っ手110を適切な方向に回転させることを通して、リード本体60およびトルク伝達被覆本体104を同時に回転させることにより、遠位固定螺旋構造70を心臓組織または血管壁にねじ込むことができる。トルクは、トルク伝達被覆本体104およびリード本体60の中間区画LISを通して有意の損失なく伝達することができるが、リード本体60の遠位区画LDSを、外部被覆ルーメン84の直径が大きい方の遠位区画SDS内で巻き取ることができる。固定螺旋構造70の必要な巻き数Nは、トルクツール取っ手をN+X回転だけ回転させることによって、繰り返し達成できることが判明し、ここでXはねじ込みリード10および導入器システムの任意の設計および特徴について経験的に求める。トルクツール取っ手110は、マーク134で印され、したがって外科医はN+X回転を数えることができる。外科医は、トルク伝達被覆遠位端108が外部被覆壁に対して回転し、特に外部被覆本体82をトルク伝達被覆遠位端108にて、またはその付近で通路内で曲げるか、湾曲させた場合に、360°回転するごとにトルク伝達被覆102から伝達された触覚フィードバックも経験することができる。
【0062】
固定螺旋構造70を心臓組織または血管壁内に適切に位置決めしたら、キャップ114を図9で示した係合位置から図7で示す非係合位置へと前進させることによって、トルク伝達取っ手110をリード本体60からロック解除し、次に閾値および保持力が許容可能であれば、外部被覆80およびトルク伝達ツール100を含む導入器システムを、リード本体60上で近位方向に後退させる。取り付けは、リード本体自体を後退させずに、導入器システムがリード本体上で近位方向に後退可能であることを観察するか、蛍光透視検査でリードの動作を観察することによって検証することができる。ペーシングおよび感知の閾値測定は、先行技術でよく知られた方法で1つまたは複数のペーシング/感知用遠位電極で、または導入器システムの後退後に実行する。
【0063】
本発明のさらなる実施形態は、トルク伝達ツールを外部被覆と組み合わせて、結合導入器システム150にし、その近位部分が図13から図18に図示されている。結合導入器システム150では、図27で図示した特定のステップ中に、図13および図14で図示したロック解除し、近位方向に後退した位置または形状と、図15および図16で図示したロックして遠位方向に拡張した位置または形状と、図17および図18で図示したロックして近位方向に後退した位置または形状との間で選択的に回転および軸方向の調節を実行するために、外部被覆近位ハブとトルク伝達取っ手を結合する。結合機構は、遠位固定螺旋構造70が前進する軸方向の並進距離、さらにトルク伝達ツールが近位方向に後退した形状および遠位方向に拡張した形状からの動作で回転する回転数を支配する。図13から図18で示すように、本発明による導入器システムは、トルク伝達ツール200および外部被覆180を含む。
【0064】
トルク伝達ツール200は、自身上に位置決めされた対合ねじ山197を有して近位方向に延長するねじ部分199から接続部分190へと延長するトルク伝達ツールハブ本体193と、図19から図21でさらに詳細に図失された取っ手キャップ214および回転式取っ手シャフト212を含むトルク伝達取っ手210とを含む。外部被覆180とハブ本体193の接続部分との間に形成された対合ねじ山198のねじ相互作用を通して、外部被覆180およびハブ本体193を相互に取り付ける。外部被覆180はさらに外部被覆本体182を含み、これは外部被覆ハブ本体191から遠位方向に延長する螺旋構造の歪み解放管195を通って図13および図14に示す外部被覆遠位端188へと延長する外部被覆本体182を含む。外部被覆本体182は、上述したように、例えば外部被覆本体82と同じ材料で形成され、その寸法を有する。
【0065】
ハブルーメン192は、ハブ本体193および外部被覆ハブ本体191の長さを通って軸方向に延長し、ハブルーメン192の枝は、ハブ本体193から横方向に延長する側口194を通って延長する。ハブルーメン192は、外部被覆本体182を通って軸方向に延長する外部被覆本体ルーメン184と軸方向に位置合わせされ、それと流体連絡する。側口194は、吸引源または注入源と結合し、キャップを形成するか、当技術分野でよく知られた方法でハブルーメン192および外部被覆本体ルーメン184から流体を吸引するか、そこへ流体を注入するために選択的に開閉できる弁を含む。可撓性環状シール196を、ハブ本体193内のハブルーメン192の環状溝に配置する。環状シール196は、単体のOリング、リブまたはワイパなどを含む任意の形態をとることができるか、側口194の近位側でハブルーメン192に沿って列状になった一連の可撓性環状リブまたはワイパなどを含んでよく、これはハブルーメン192内で近位方向への流体の漏れを阻止する。
【0066】
図13から図18に図示された本発明の導入器システム150はさらに、細長いトルク伝達被覆202を含み、これは材料の薄肉管の長さ、トルク伝達被覆本体104に関して上述した特徴および寸法を含むトルク伝達被覆本体204で形成することが好ましく、トルク伝達被覆本体204を通って軸方向に延長するトルク伝達被覆本体ルーメン206を含む。
【0067】
トルク伝達被覆本体ルーメン206の直径は、リード本体の直径および上記で規定したクリアランスに依存し、トルク伝達被覆本体204の外径は、これらの要因に依存し、トルク伝達被覆本体204の肉厚の2倍である。外部被覆本体ルーメン184の直径は、トルク伝達被覆本体204の外径、および外部被覆本体ルーメン184内のトルク伝達被覆本体204の規定クリアランスとに依存する。これで、外部被覆本体182の直径は、外部被覆本体ルーメン184の直径に外部被覆本体182の肉厚の2倍を加えた値に依存する。
【0068】
トルク伝達被覆本体204は、外部被覆本体182より短く、図10から図12で示したのと同じ方法でハブルーメン192および外部被覆本体ルーメン184を通って延長するように配置される。トルク伝達被覆本体204は、被覆本体遠位端、つまり図10および図12で示した被覆遠位区間SDSの間の距離を画定する遠位方向に前進した位置と、以下でさらに説明する近位方向に後退した位置との間で移動可能である。トルク伝達被覆本体204は、ハブルーメン192と、ハブルーメン192内に配置された弾性環状シール196のルーメンとを通って延長する。
【0069】
リード本体60は、トルク伝達被覆ルーメン206内に配置され、したがってこの弾性環状シール196と接触しないと有利である。トルク伝達被覆本体204は十分な押し出し能力を有し、したがってトルク伝達被覆本体204は、弾性環状シール196の環を通って容易に前進または後退することができる。というのは、トルク伝達取っ手210およびハブ本体193が、図15および図16のロックして遠位方向に延長した位置と、図17および図18のロックして近位方向に後退した位置との間で調節され、それによって以下で説明するように、心臓リード本体60の遠位方向および近位方向それぞれの前進および後退が可能になるからである。この方法で、トルク伝達被覆本体204は、リード本体60をシール196から隔離し、ハブルーメン192内で近位方向への流体の漏れを阻止する密封表面を提供する。
【0070】
トルク伝達被覆本体204は、トルク伝達被覆本体204の近位端229に沿って取っ手シャフト212内を延長して、それに取り付けられ、取っ手キャップ214は、図19から図21でさらに詳細に示すように、管状取っ手シャフト212の近位部分239に沿って、取っ手キャップ214内に配置された対応する対合ねじ山228を通して、取っ手シャフト212の近位端に調節自在に取り付けられる。管状取っ手シャフト212は、例えば剛性熱可塑性材料で形成され、近位部分211、中間部分225から遠位部分213へと取っ手シャフト212の長さにわたって延長する軸方向内腔222を有する。軸方向内腔222の遠位部分213は、ハブ本体193の軸方向に延長するねじ部分199を受けるように形成され、軸方向内腔222の近位部分211は、リング形の弾性把持リング230を受けるように形成される。
【0071】
図14、図16および図18で示すように、トルク伝達被覆本体204は、取っ手シャフト212の近位部分211内に位置決めされた近位端229から、取っ手シャフト212、ハブ本体193、外部被覆ハブ191、歪み解放管195を通って、外部被覆本体の外部被覆ルーメン184内を延長し、外部被覆遠位端188の近位側で終了する。トルク伝達被覆本体204の近位区画は、軸方向内腔222の中間部分225に沿って塗布した接着剤によって、取っ手シャフト212の軸方向内腔222内に固定状態で維持される。
【0072】
図22は、本発明によるトルクツールハブ本体の略図である。図22で示すように、ハブ本体193は可変ピッチで外方向に延長するスパイラルねじ197を含み、これはハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の周囲に軸方向に延長する。取っ手シャフト212の遠位部分213は、管状の近位ハブ本体193のスパイラルねじ197と、内側に延長する取っ手シャフト212に沿って位置決めされ、内側に延長する歯227との相互作用を通してハブ本体193の近位方向に延長する部分199に結合され、取っ手シャフト212がハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の周囲で回転するにつれて、スパイラルねじ197によって形成された溝に寄りかかり、それを通して前進する。取っ手シャフト212を回転させて、図17および図18で示した最も近位側の位置と、図13から図16で示した最も遠位側の位置との間で遠位側へと軸方向に並進させるために、図27に関して以下で説明する導入器システム150の使用方法の特定ステップで、取っ手シャフトへのトルク印加を容易にする4つの把持リブ215、217、219、221(全て図21に図示)を取っ手シャフト212上に形成する。
【0073】
図23は、歯227が係合位置にある状態で遠位部分213内に位置決めしたハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の断面図である。図24は、歯227が非係合位置にある状態で遠位部分213内に位置決めされたハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の断面図である。図25は、本発明の管状取っ手シャフトの端面図である。本発明によると、取っ手シャフト212は、スパイラルねじ108によって形成された溝を通して歯を回転させるのではなく、取っ手シャフト212をスパイラルねじ197上で近位方向に引っ張ることにより、図13から図16で示す最も遠位側の位置から図17および図18で示す最も近位側の位置へと回転せずに、近位側へと軸方向に並進する。特に、図20、図21および図23から図25で示すように、取っ手シャフト212は切り取り部分250を含み、これは取っ手シャフト212の壁の中でタブ支持端部223aからタブなし端部223bへと遠位方向に延長する、細い可動フィンガまたは片持ち式タブ223の切り取り部を形成する。
【0074】
タブなし端部223bは、図21および図23で示す係合位置にある。つまり、ツール取っ手210の前進中にツール取っ手210が回転する間、内側に撓み、したがって内側に延長する歯227がスパイラルねじ197によって形成された溝201の中で位置決めされ、スパイラルねじ197に当たり、その回転を追跡する。しかし、内側に延長する歯227は傾斜部分203を含み、それによって片持ち式タブ223のタブなし端部223bは飛び出すことができ、したがってタブなし端部223bが図24および図25に示す非係合位置になる。つまり内側に延長する歯227が、スパイラルねじ197から外側に延長し、したがって歯227がもはや溝201内に位置せず、したがって図24の矢印Aで示すように、ツール取っ手210を近位方向に後退させて、外部被覆180から離し、遠位固定螺旋構造70を後退させて、外部被覆ルーメン184に入れるように力を加えると、歯227がスパイラルねじ197に乗り上げて、取っ手シャフト212が図17および図18で示す位置へと近位方向に引っ張ることができる。
【0075】
単一の歯227を使用するように図示し、以上で説明してきたが、本発明は2つ以上の歯、または溝201内に係合するために、対応する傾斜部分を有し、タブ223に沿って位置決めされる他の係合部材を含んでよいことが理解される。
【0076】
図13から図19で示すように、ツールルーメン216は、図6から図12で示したのと同じ方法でリード本体60をツールルーメン216およびトルク伝達被覆本体ルーメン206に通して挿入するために、トルク伝達被覆本体ルーメン206と軸方向に位置合わせした状態で取っ手シャフト212およびキャップ214を通って延長する。ツールルーメン216は、取っ手シャフト212の近位部分211の周囲でキャップ214を回転させることによって、選択的に細くなるような構成であり、したがってツール取っ手210は、弾性把持リング230を使用してリード本体60の一部を把持し、トルク伝達キャップ210を回転させることによって、リード本体60を損傷する異なるトルク伝達被覆本体ルーメン206内でトルク伝達被覆本体204およびリード本体60の回転を可能にする。
【0077】
取っ手キャップ214は、剛性の熱可塑性材料で形成され、取っ手シャフト212の近位端211上で遠位方向に延長するツールルーメン216の近位端開口を形成するキャップの近位端開口から延長するキャップ内腔226を画定する。取っ手シャフト212とキャップ214とは、結合ねじ山228を通して相互に結合され、これによってキャップ214は、キャップ214が回転することにより、図13および図14で示すように近位方向に後退して、取っ手シャフト212から離れるか、図15から図18で示すように遠位方向に前進するか、取っ手シャフト212にさらに近接することができる。キャップ214の翼240および242は、キャップ214を回転させて、取っ手シャフト214に対して遠位方向または近位方向に並進させるために、キャップ214へのトルク印加を容易にする。
【0078】
再び図14、図16、図18および図19を参照すると、管状取っ手シャフト212の近位端239にある軸方向内腔222の近位部分211は、トルク伝達被覆本体204の近位端229のすぐ近位側でツールルーメン216の周囲に配置された弾性把持リング230を受け取り、それを囲むように形成される。取っ手キャップ214には遠位方向に延長する管状プランジャ238を形成し、これは弾性把持リング230の近位側に当たるツールルーメンの近位部分を画定するプランジャルーメンを有する。弾性把持リング230は、弾性シリコンゴム、または非圧縮時に図14および図19で示す弛緩形状をとり、リード本体60がツールルーメン216を自由に通過できるようにし、長手方向に圧縮された場合は、図16および図18で示す圧縮形状をとり、把持リング230を通って延長するリード本体60をしっかり把持して、リード本体60を損傷せずにリード10を所定の位置にロックする同様の材料で形成することができる。加える力の量は、弾性把持リングの形状および特性、さらにキャップ214を回転させられる回転数を選択することによって制御する。この場合も、弾性把持リング230は、これが押しつけられるリード本体60の一部の周囲で止血弁として機能し、したがってトルク伝達被覆ルーメン206内の流体は近位方向に漏れない。
【0079】
本発明によると、ハブ本体193のスパイラルねじ197は、導入器システム150の特定の実施例で使用する特定の心臓リード10のトルク伝達特性との組み合わせで、リード本体60の巻き取り傾向を補償し、回転に抵抗するように設計される。図22で示すように、スパイラルねじ197は、間隔が狭い近位トルク予荷重回転の8または9などの数に対応する第1部分260、1または2巻の細長いスパイラル並進回転に対応する第2部分261、および心臓組織への固定螺旋構造70の固定を支配する、間隔が狭い遠位ねじ込み固定回転の5または6のようなさらなる数に対応する第3部分を含む。遠位固定螺旋構造70は、以下でさらに説明するように、心臓リード10を導入器システム150に装填し、それによってロックされた場合に、外部被覆ルーメン184の遠位端内に配置される。
【0080】
したがって、スパイラルねじ197の第1部分260は、第1選択数のねじ回転または予荷重回転を含み、これは、回転トルクが遠位固定螺旋構造70に伝達させるのを防止する外部被覆ルーメン184内のリード本体60の巻き取りを克服するように選択されたピッチを有し、スパイラルねじ197の第2部分261は、外部被覆ルーメン184から遠位固定螺旋構造70を排出するために、軸方向並進距離にわたって外部被覆180に対するトルク伝達ツール取っ手210の遠位方向の前進を支配するようにピッチおよび回転数を選択した第2ねじ回転数を含み、スパイラルねじ197の第3部分は、遠位固定螺旋構造70を心臓組織にねじ込むために遠位固定螺旋構造70の回転を実行するように選択された第3ねじ回転数を含む。
【0081】
図13に示す外部被覆本体遠位端188を植え込み部位へと前進させ、取っ手シャフト212が回転して遠位方向に移動し、スパイラルねじ197の回転を追跡するように、取っ手210をハブ本体193に対して回転させる。取っ手シャフト212のこの回転および遠位方向への移動は、トルク伝達被覆202およびリード60を回転させ、外部被覆180を通って遠位方向に前進させる。リード本体60は、スパイラルねじ193の第1部分260の予荷重回転を通して回転し、螺旋構造70を遠位方向にそれほど移動させずに、リード本体60内捻れを蓄積させる。取っ手210は回転し、さらにねじ螺旋構造197の第2部分261に対応する間隔が広い回転上を遠位方向に前進して、固定螺旋構造70を並進距離にわたって遠位方向に前進させるか、外部被覆ルーメン184から排出させる。スパイラルねじ197の第3部分262に対応する間隔が狭い回転にわたって取っ手210をさらに回転させると、固定螺旋構造が回転して、組織に固定されるか、ねじ込まれる。回転数は、固定螺旋構造70が十分にねじ込まれるが、回転しすぎないように選択される。
【0082】
この特定の例では、ハブ本体193に対する取っ手210の回転の大部分は、固定螺旋構造の回転に対して効果がない。限定的なトルク伝達被覆本体202によって補助されていても、リード本体がトルクをその長さにわたって伝達する能力が低いからである。したがって、トルク伝達被覆本体204は、ギア部被覆本体ルーメン184内で軸方向並進距離にわたって遠位方向に移動することができる。取っ手シャフト212を図13から図16で示す最も遠位側の位置へと遠位方向に移動すると、トルク伝達被覆本体ルーメン206内のリード本体60が遠位方向に移動して、リード10の遠位固定螺旋構造70を外部被覆遠位区画SDSから排出できることを確実にするために、軸方向並進距離は、この実施形態の螺旋構造長さHLを上回る。
【0083】
したがって、内側に延長する歯227およびスパイラルねじ197の回転のピッチおよび回転数を含む結合機構は、遠位固定螺旋構造70が前進または後退する軸方向並進距離、さらにトルク伝達ツール200が近位方向に後退し、遠位方向に延長する位置または形状から動作する際に回転する回転数を支配する。遠位固定螺旋構造70の遠位方向の前進および回転は、取っ手シャフト212の回転と同時に実行されると有利である。遠位固定螺旋構造の軸方向並進距離および回転数は、心臓リード本体、固定螺旋構造、および植え込み部位の特定の特性について経験的に確立することができる。
【0084】
図26は、本発明の代替実施形態によるトルク伝達ツールの断面図である。トルク伝達被覆本体は、上記では外部被覆本体より短いものと説明され、さらに長さが外部被覆ルーメンの被覆近位区画の長さに対応することが好ましいが、本発明のトルク伝達被覆本体は、上述した長さに制限されるものではなく、関連するリードの特定の用途およびタイプに応じて、所望通りに他の長さを含んでよいことが理解される。例えば、図26で示し、上記の実施形態で説明したように、トルク伝達被覆本体204は、トルク伝達被覆本体204の近位端229に沿って取っ手シャフト212内に延長し、それに取り付けられる。しかし、図26の本発明の代替実施形態のトルク伝達被覆202は、上述したようなトルク伝達被覆202とは異なる。代替実施形態のトルク伝達被覆本体204は、外部被覆180の外部被覆ルーメン184内ではなく、取っ手シャフト212の近位部分211内に位置決めされた近位端229から、取っ手シャフト212およびハブ本体193内に位置決めされたトルク伝達被覆本体遠位端308まで延長するのである。
【0085】
上述したのと同じ方法で、トルク伝達被覆本体204の近位区画は、軸方向内腔222の中間部分225に沿って塗布した接着剤によって、取っ手シャフト212の軸方向内腔222内に固定状態で維持される。図26で示した本発明の実施形態によって例示されるこのような配置構成は、例えばより大きい直径のリードが、必要な量のトルク付与能力をリードの与える物理的特徴を有して、押し出し可能であり、したがってトルク伝達被覆202がこれらの特徴を提供する必要がない状況で使用可能である。また、リードの特徴および関連する導入のタイプに応じて、トルク伝達被覆本体の遠位端308は、本発明のトルク伝達ツール200の取っ手シャフト212、ハブ本体193および外部被覆180内の任意の位置に沿って位置決めすることができる。
【0086】
また、図26で示すように、取っ手シャフト212が遠位方向に十分に前進し、したがって固定螺旋構造70が心臓組織または血管と十分に係合したら、止めタブ310および312を突き当てて、リード本体60および固定螺旋構造70の回転過剰を防止することによって、遠位方向での取っ手シャフト212のさらなる回転を防止する。
【0087】
本発明のトルク伝達ツールおよび導入器システムを使用する好ましいステップを、図27で示す。ステップS100では、導入器システムを図13および図14で示す形状に配置する。リード10を導入器システムのルーメン116、216内に装填して、トルク伝達被覆ルーメン106、206および外部被覆ルーメンの被覆遠位区画SDSを通して延長させ、リード本体の一部を弾性把持リング230のルーメン内に配置し、外部被覆遠位端188から遠位方向に延長する遠位固定螺旋構造70を配置する。ステップS102では、取っ手キャップ214を回転させて、図13および図14に示した非係合位置または形状から、図15および図16で示した係合位置へと前進させ、上述したようにトルク伝達ツール100、200内にリード本体60を固定状態で位置決めする。次に、ツール取っ手210を外部被覆ハブ190に対して図15および図16で示した位置または形状から図17および図18で示した位置へと近位方向に引っ張り、同時に外部被覆本体88、108内でリード本体60およびトルク伝達被覆102、202を後退させる。これによって遠位固定螺旋構造70が、図11で示した方法で外部被覆本体遠位端188に対して近位側で外部被覆遠位区画SDSに引き込まれる。
【0088】
次に、リードおよび導入器システム150のアセンブリを、ステップS106で皮膚の切開部および通路、例えば図1で示す通路に通して、図2の右心室、さらに冠状静脈洞および心臓静脈、さらには経胸腔通路から心臓の心外膜へと導入し、外部被覆本体の遠位端188を所望の植え込み部位に配置する。側口194を、吸引用の真空源および/または潅注用の潅注源に結合する。
【0089】
ステップS108では、ツール取っ手210を回転させ、図17および図18で示した位置または形状から外部被覆ハブ190上を図15および図16で示した位置または形状まで遠位方向に前進させて、リード本体にトルクを事前に装填し、遠位固定機構70を外部被覆本体ルーメン188から排出して、次に上述したように遠位固定螺旋構造70を植え込み部位で心臓組織にねじ込む。トルク伝達被覆102、202は、それぞれ取っ手シャフト112およびハブ本体193内に固定状態で位置決めされ、リード本体60は、上述したようにキャップ114、214によってトルク伝達ツール100、200内に固定係合しているので、ツール取っ手110、210が前進すると、リード本体60およびトルク伝達被覆102、202が外部被覆本体82、182内で同時に回転して前進する。
【0090】
外科医は回転数を数える必要がなく、遠位固定螺旋構造70が、過剰に回転したり、組織をかじることなく、必要な回転数だけ組織にねじ込まれるので有利である。図13から図18で示した本発明の実施形態では、外科医は、図6から図9で示した本発明の実施形態を実践する際に必要なのとは異なり、リード本体60にトルクを予め装填することを覚えている必要がない。遠位固定螺旋構造70は、ステップS108の1回の動作で、軸方向並進距離にわたって前進する上に、心臓組織内にねじ込まれ、この動作は、植え込み部位での一貫した固定を確保するために、スパイラルねじ197のピッチおよび回転数によって制限され、支配される。
【0091】
取っ手キャップ214は、ステップS110で図15および図16で示す形状から図13および図14で示す形状までロック解除方向に回転して、弾性ロックリング230の圧縮を解除し、ツールルーメン116、216内でリード本体60を解放する。これで、ステップS112にて導入器システム150をリード本体上で引き出すことができる。ペーシングおよび感知閾値の測定値は、ステップS112の前または後に求められ、測定値が許容不能の場合は、遠位固定螺旋構造70のねじを外し、再配置することができる。リード近位端コネクタアセンブリは、植え込まれるIPGまたはモニタの植え込み部位まで経路指示される。リード近位端をIPGまたはモニタと結合して、IPGまたはモニタを従来の方法で皮下的に植え込む。本明細書で識別した全ての特許および出版物は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0092】
本発明の特定の実施形態について本明細書で詳細に開示してきたが、これは例示のみを目的として実行され、請求の範囲で定義されるような本発明の範囲を制限するものではない。請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に様々な置換、変更、または改造を実行できることを理解されたい。上述した実施例は、単に現在好ましいか、本発明者が想定したものであり、開示された実施形態に本発明を制限するものとは見なされない。したがって、請求の範囲内で、本発明は、実際に本発明の精神および範囲から逸脱することなく、特に記載されたものとは異なる方法で実践してよいことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】右心室の図示された幾つかの植え込み部位のうち1つに導入された少なくとも1つの心臓電極を担持し、リードコネクタ近位端にて植え込み可能な医療器具と結合した右心リードの略図である。
【図2】左心室に隣接する心臓血管内で可能な1つの植え込み部位に導入された少なくとも1つの心臓電極を担持し、リードコネクタ近位端で植え込み可能な医療器具と結合した冠状静脈洞心臓リードの略図である。
【図3】例えば図1および図2で図示した植え込み部位のいずれかに植え込んだ右心リードまたは冠状静脈洞リードとして使用可能であり、本発明の導入器システムを使用する例示的心臓リードの平面図である。
【図4】図3の心臓リードのリード本体の構造の拡大詳細図である。
【図5】蛇行性通路を通って患者の体外から例えば図1および図2で示した植え込み部位へと前進するような構成である導入器システムの外部被覆または細長い案内カテーテルの平面図である。
【図6】延長する図3の心臓リードが通る導入器システムのトルク伝達ツールであって、図5の外部被覆の外部被覆内腔の近位区間に配置されるような構成である細長いトルク伝達被覆本体と、解放位置で図示された近位トルク伝達取っ手とを備え、それによって心臓リードをツールの内腔内で近位方向または遠位方向に移動することができるトルク伝達ツールの平面図である。
【図7】線7−7に沿って切り取った図6のトルク伝達ツールの断面図であり、ツール内腔内でのリード本体の解放を示す図である。
【図8】ロックした位置で示した図6のトルク伝達ツールであって、これによって心臓リードを把持し、ツール内腔内で近位方向または遠位方向に移動するのを防止し、ツール取っ手に加えたトルクをトルク伝達被覆本体の内腔内で心臓リード本体に与えて、遠位固定螺旋構造を植え込み部位内へと回転させることができるようにするトルク伝達ツールの平面図である。
【図9】線9−9に沿って切り取った図8のトルク伝達ツールの断面図であり、ツール内腔内でのリード本体の一部の把持を示す図である。
【図10】図6のトルク伝達ツールおよび心臓リードのサブアセンブリと図5の外部被覆とのアセンブリの平面図であり、トルク伝達被覆本体が外部被覆の内腔に十分に挿入され、心臓リード本体がトルク伝達被覆本体の内腔および外部被覆内腔の遠位区間を通って前進し、遠位固定螺旋構造を露出させてから、トルク伝達ツールをロックして、心臓リード本体を把持することを示す図である。
【図11】図6のトルク伝達ツールのサブアセンブリと図5の外部被覆とのアセンブリのさらなる平面図であり、トルク伝達ツールがロック位置にあって、心臓リード本体を把持し、トルク伝達被覆本体は、例えば図1および図2の植え込み部位まで蛇行性通路を通って前進する間に、少なくとも遠位固定螺旋構造の長さだけ近位方向に後退して、遠位固定螺旋構造を外部被覆内腔の遠位区画内に後退させることを示す図である。
【図12】図6のトルク伝達ツールのサブアセンブリと図5の外部被覆とのアセンブリのさらなる平面図であり、トルク伝達ツールはロック位置にあって、心臓リード本体を把持し、トルク伝達被覆本体は、少なくとも遠位固定螺旋構造の長さだけ遠位方向に前進して、遠位固定螺旋構造を外部被覆内腔の遠位区間から延長させ、したがって遠位固定螺旋構造を、トルク伝達ツールの取っ手に加えたトルクを通して植え込み部位にて心臓組織に固定させることができることを示す図である。
【図13】本発明のさらなる実施形態の近位部分の平面図であり、トルク伝達ツールと外部被覆とが組み合わせられて、結合導入器システムになり、ロック解除して遠位方向に延長した形状を示す図である。
【図14】図13の線14−14に沿って切り取った結合トルク伝達ツールおよび外部被覆の近位部分の断面図である。
【図15】結合導入器システムの近位部分の平面図であり、トルク伝達ツールおよび外部被覆をロックして遠位方向に延長した形状で示す図である。
【図16】図15の線16−16に沿って切り取った結合トルク伝達ツールおよび外部被覆の近位部分の断面図である。
【図17】結合導入器システムの近位部分の平面図であり、トルク伝達ツールおよび外部被覆をロック解除して近位方向に後退した位置で示す図である。
【図18】図17の線18−18に沿って切り取った結合トルク伝達ツールおよび外部被覆の近位部分の断面図である。
【図19】管状遠位取っ手シャフト、弾性把持リングおよび近位取っ手キャップを備えた結合導入器システムのトルク伝達ツールの構成要素の組立分解断面拡大図である。
【図20】管状遠位取っ手シャフトの拡大平面図である。
【図21】管状遠位取っ手シャフトの拡大端面図である。
【図22】本発明によるトルクツールハブ本体の略図である。
【図23】取っ手シャフトの歯が係合位置にある、本発明によるハブ本体およびトルク伝達ツールの取っ手シャフトの歯の断面図である。
【図24】取っ手シャフトの歯が非係合位置にある、本発明によるハブ本体およびトルク伝達ツールの取っ手シャフトの歯の断面図である。
【図25】本発明の管状取っ手シャフトの端面図である。
【図26】本発明の代替実施形態によるトルク伝達ツールの断面図である。
【図27】結合導入器システムを使用して心臓リードを外科的に植え込むステップを示す流れ図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は心室内または心室に隣接する心臓血管の植え込み部位に、または心外膜から心筋へと位置決めした1つまたは複数の電極を通して、電気刺激を加え、かつ/または心臓の電気的活動を感知したりするために心臓リードを植え込むことに関し、特に蛇行する通路を通ってトルク付与能力および押し出し能力が低いこのような心臓リードを導入し、心臓リードの固定螺旋構造(fixation helix)を植え込み部位に取り付けるための構成(arrangement)に関する。
【背景技術】
【0002】
植え込み可能な医療用の永久的および一時的電気刺激および/または感知リードは、心臓ペーシングおよびカルジオバージョン/除細動を含む心臓刺激および監視の領域で、および電気信号または他の生理学的パラメータの電気刺激または監視の他の領域でよく知られている。心臓刺激および監視の領域では、心外膜または心内膜心臓リードの電極が、それぞれ心外膜または心内膜を通して心臓壁の心筋に取り付けられるか、それぞれ心外膜または心内膜に当たるか、冠状血管に収容される。
【0003】
永久的または一時的心臓リードのリード本体は通常、絶縁外部被覆に囲まれた1本または複数の絶縁導線を含む。各導線は、近位側のリードコネクタ要素を遠位側の刺激および/または感知電極に結合する。リードの遠位端にある1つの刺激および/または感知電極、1つの導体、および1つのコネクタ要素を有する一時的および永久的心臓リードを、単極心臓リードと呼ぶ。リードの遠位端にある2つ以上の刺激および/または感知電極、2つ以上の個々の導体、および2つ以上の個々のコネクタ要素を有する一時的および永久的心臓リードを、それぞれ双極または多極リードと呼ぶ。
【0004】
心外膜または心筋の永久的および一時的心臓リード、または単純に心外膜リードは、心臓の心外膜を通常は制限された海峡術または他の矯正措置を実行するために実行するさらに包括的な外科的露出を通して露出させることによって植え込まれる。永久的および一時的な心内膜心臓リード、または単純に心内膜リードは、経静脈的経路を通して植え込まれ、心室内または心臓の血管にある所望の植え込み部位にリードに沿って、またはその遠位端に1つまたは複数の感知および/または刺激電極を配置する。植え込み部位では、心内膜に当てて、または心筋または冠状血管内に電極表面を正確に位置決めする必要がある。
【0005】
一時的心外膜または心内膜心臓リードは、患者の皮膚を通して外部モニタまたはペーシングパルス発生装置へと延長し、一時的ペーシングを提供し、一時的ペーシングが停止すると、患者の身体から取り出されるように設計される。永久的心外膜および心内膜心臓リードは、ペースメーカまたは除細動器の植え込み可能なパルス発生器(IPG)または植え込んだモニタに結合され、患者の身体に慢性的に植え込まれるように設計される。このような永久的心臓リードの近位端には通常、IPGまたはモニタの端子に接続する1つまたは複数のリードコネクタ要素が形成される。
【0006】
リードの複雑さ、共通の路に植え込まれるリードの数、および冠状静脈洞リードが冠状静脈内に深く前進することから、信頼性および使用可能性を犠牲にすることなく心臓リード本体の全体的直径を少なくとも増加させず、最適には減少させるための努力を要することになる。より最近では、剛化スタイレットを受ける内腔を削除し、コイル状線導体のゲージおよびコイル直径を削減するか、これを導電性の高い束状フィラメント線またはケーブルと交換することによって、リード本体をさらに縮小することが提案されている。双極または多極リードでは、このようなケーブルがそれぞれ、リード本体の別個の内腔を通って延長し、電気的隔離を維持する。
【0007】
この30年にわたって、心内膜リード本体の直径を10ないし12フレンチ(3.3〜4.0mm)から現在の2フレンチ(0.66mm)まで、導体および絶縁体材料の様々な改善および製造技術を通して減少させることが可能になった。2フレンチというこのような小さい直径の心内膜リードのリード本体は、植え込み中に、および慢性的植え込み中にリード本体が軸方向に力を加えられた場合、リードの遠位端の固定機構および電極が心筋を穿孔する原因となる円柱強度が、あっても小さくなければならない。その結果、小さい直径のリード本体は「押し出し能力」、つまりリードの近位端を軸方向に押す場合、特にリード本体が蛇行性の経静脈的通路を通って延長する場合に、リードの遠位端を軸方向に前進させる能力に欠ける。
【0008】
このような小さい直径の心内膜リードは通常、1つまたは複数の電極を所望の植え込み部位に維持するために、遠位側を固定する必要がある。リード本体と位置合わせした状態で尖鋭化した遠位先端へと軸方向に延長し、リード本体の直径とほぼ等しい螺旋の直径を有する能動固定螺旋構造が好ましい。固定機構が、心内膜リードの全体的直径を増加させる必要がなく、螺旋構造を心筋にねじ込むと、比較的頑丈だからである。必然的ではないが、通常、固定螺旋構造は、リード導体に電気的に接続され、ペーシング/感知電極として機能する。場合によっては、リード本体は、1つまたは複数の螺旋のコイル状または束状線導体を囲み、内腔がない。
【0009】
このような小さい直径の心内膜ねじ込みリードのリード本体は、非常に柔軟かつ可撓性であり、したがってリード本体が比較的直線上に維持され、血管壁との接触によって限定されない場合を除き、リードの近位端に回転トルクを加えることによってリードの遠位端を回転させることは困難である。このような「トルク付与能力」の低下は、リード本体が蛇行性通路を通って前進し、血管壁との接触によって限定されると、リード遠位端における固定螺旋構造の回転を防止するか、回転を不確実なものにする。回転トルクをリード近位端からリード遠位端へと伝達できる程度まで、リード遠位端における能動固定螺旋構造を余分に回転させて、心筋を通してねじ込むか、回転不足にして、心筋に十分にねじ込まない。したがって、リード本体の押し出し能力およびトルク付与能力の欠如を補償する植え込み器具を使用する必要があることが判明した。
【0010】
このような小型化して可撓性が高い心内膜ねじ込みリードを植え込み第1技術は、最初に蛇行性の経静脈通路を通って前進する誘導線を使用することを含む。次に、心内膜リードは、例えば米国特許第5003990号、第5304218号、第5902331号、第6132456号および第6185464号で開示されているような誘導線に沿ったまたは誘導線上の通路を通って前進する。これらの技術には、線上接続を提供し、誘導線上で前進するために十分な円柱強度を有するようにリード本体を設計する必要があるものもある。リード本体の遠位端に対して加えられ、リード本体に沿って誘導線上を延長する十分な円柱強度を有する細長い押し出し器工具を使用する技術もある。これらの技術は、実行するのが比較的複雑である。さらに、アセンブリを回転させてリード遠位端にて能動固定螺旋構造を回転させることは、なお問題があることがある。
【0011】
共通に譲渡された米国特許第5246014号では、導入器の遠位端とリードの遠位端とが、相互に連結するか、係合するように構成される。カテーテル、導入器および被覆リード本体が、蛇行性の経静脈的通路を通って一緒に前進し、右心房、右心室、冠状静脈洞、または心静脈の植え込み部位付近に固定螺旋構造を配置する。固定螺旋構造を、カテーテル内腔の遠位端から押し出して、導入器カテーテルを回転させ、カテーテル内腔から近位側に延長する導入器の近位端を患者の体外で押して、回転させることによって、固定螺旋構造を心筋にねじ込む。この方法で、内部導入器は、使用時にカテーテルの遠位端まで全面的に延長する。したがって、カテーテルの遠位区画が剛化され、蛇行性通路を通って前進することが困難なことがある。連結機構の特定の実施形態は、リード遠位端の直径も増加させる。
【0012】
共通に譲渡された米国特許第5897584号で開示された、このような小型化(miniaturized)した心内膜ねじ込みリードを植え込むさらなる技術は、蛇行性通路を通って前進できるほど十分な押し出し能力および捻れ抵抗を有するカテーテル本体を有する可撓性案内カテーテルを使用する。カテーテル遠位端および固定螺旋構造が植え込み部位へと前進する間に、リード本体をカテーテル内腔に挿入する。次に、固定螺旋構造をアセンブリの近位端から回転させて、これを植え込み部位の心筋にねじ込む必要がある。固定螺旋構造の遠位方向への前進および回転は、案内カテーテルのハブの外側で近位方向に延長し、そこからある距離で固定螺旋構造固定螺旋構造を遠位方向に前進させて回転させ、心筋に入れる距離に対応するか、その一部だけ延長するリード本体の近位区画上に、トルク伝達装置を一時的に取り付けることによって容易になる。
【0013】
トルク伝達装置は、リード本体区画と機能的に係合し、片手で操作して、固定螺旋構造を案内カテーテル内腔から遠位方向に前進させ、植え込み部位にて心筋にねじ込むことができる。トルク伝達装置は、細長いスロットを通して近位リード本体区間上を側方に滑動して、そこから外され、設置/取り出しおよび保持特徴は、スロットの相対的幅およびリード本体の直径によって決定される。
【0014】
この技術は、カテーテル本体材料を選択する必要があり、カテーテル内腔は直径が一定であり、カテーテルが蛇行性通路の捻れおよび曲がりを通って前進するにつれ、方向が急変しないことを保証する特徴を必要とする。リード本体の直径および材料は、捻れおよび曲がりにてカテーテル側壁に対するリード本体の結合を最小限に抑えるように選択しなければならない。概して、カテーテルの内腔直径が増加するほど、カテーテル内腔を通してリード本体を前進させることが容易になる。しかし、カテーテル本体内腔が増加すると、案内カテーテルが捻れおよび曲がりを通して前進し、小さい直径の冠状血管に入ることが、さらに困難になる。
【0015】
上述した第’584号特許で記載されているように、案内カテーテルには通常、カテーテルハブに取り付けた止血弁、およびカテーテル内腔を洗浄して、潤滑するために塩水および凝固阻止薬を導入することができる側口を供給する。しかし、リード本体に沿った漏れを解消するために止血弁を締めると、トルク伝達装置を操作することによってリード本体の押し出し能力およびトルク付与能力にマイナスの影響を及ぼすことがある。
【0016】
別の方法では、リード本体がさらなる被覆または導入器の内腔の中に封入され、リードおよび導入器が案内カテーテルの内腔の中に配置される。固定螺旋構造は、リード遠位端の固定螺旋構造が蛇行性通路および心室または冠状血管を通って前進し、固定螺旋構造を植え込み部位の付近に配置する間、カテーテル内腔の中に配置される。
【0017】
共通に譲渡されたさらなる米国特許第6408214号では、内部被覆と呼ばれる内部導入器、および外部被覆と呼ばれる外部カテーテルがそれぞれ、遠位被覆区画に形成された予備形成曲線を有し、したがって内部および外部被覆を相互に対して軸方向に調節するにつれ、複数の曲線を誘発することができる。内部および外部被覆の材料および寸法は、内部被覆の内腔内に配置された小さい直径のリード本体で、アセンブリの押し出し能力およびトルク付与能力を提供するように選択される。内部被覆は外部被覆より長く、したがって外部被覆の内腔から選択的に出て、その遠位先端を植え込み部位へと前進させることができる。この場合も、固定螺旋構造をカテーテル内腔の遠位端から押し出し、次に患者の体外でカテーテルの内腔から近位方向に延長する導入器の近位端を押して回転させることにより、固定螺旋構造を回転させて心筋にねじ込む。
【0018】
上述した第’214号および第’584号特許で開示されたこれらの方法は、外科医がリード本体の近位区画を回転させるにつれ、リード本体が内部被覆または導入器の側壁と摩擦係合し、結合することがある。内部被覆の内腔を、このような結合を回避するためにリード本体の直径より比較的大きい直径にすると、リード本体が回転時に内部被覆の内腔内で巻き取られる傾向がある。近位区画を回転させる場合に、リード本体を通して外科医へ送られる遠位固定螺旋構造の回転の触覚フィードバックが、被覆の内腔内の結合または巻き取りのために失われる。リード本体の遠位区画をちょうどどこまで前進させたか、および固定螺旋構造が実際に何回転したか、外科医が判断することが困難である。
【0019】
通常、螺旋構造を心筋に十分に埋め込むには、固定螺旋構造を数回転、例えば完全に2回転させるだけでよい。しかし、加えたトルクがリード本体の巻き取りを克服し、遠位側の固定螺旋構造を必要な2回転だけ回転させるために、リードの長さおよび通路の蛇行性に応じて、例えば約4回転から9回転など、複数回リード本体の近位区画を回転させる必要があることがある。外科医は、遠位側の固定螺旋構造が必要な2回転だけ回転しているか、余分に回転し、場合によっては閾値を引き上げ、穿孔しているか、心筋を穿孔する危険があるか確信することができない。
【0020】
さらに、案内カテーテルの内腔を通って前進した心臓リード、誘導線、バルーンカテーテルのような器具は通常、案内カテーテルのハブに組み込まれ、穿孔可能で再密封可能な止血弁を通過する。止血弁は、器具の本体に寄りかかって、案内カテーテルの内腔中の流体が漏出するのを防止する。誘導線およびバルーンカテーテルおよび円柱強度を有する他の器具の前進は、止血弁との接触によって妨害されない。しかし、相当な円柱の押し出し能力およびトルク付与能力がない上述のタイプの心臓リードを、このような止血弁に通すことは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、押し出し能力およびトルク付与能力がない小さい直径のねじ込みリードのために、固定螺旋構造を蛇行性通路に通して、心室または左心室の冠状血管の多種多様な植え込み部位へと前進させ、選択した植え込み部位に確実に固定することができる導入器システムに対する要求がある。固定螺旋構造を心筋に入れるために必要な回転数だけ回転させるために、リード本体を回転させる回転数の積極的フィードバックを外科医に提供するこのようなシステムが必要である。案内カテーテル止血弁を心臓リードが通過することに伴う上記の問題を解消する必要がある。
【0022】
このようなリード導入器システムは、最小侵襲性アプローチを通して、胸部を通して心臓の心外膜へ、特に左心室の植え込み部位へと小さい直径の心外膜ねじ込みリードを植え込むのにも有用であることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、心臓リードの遠位側の固定螺旋構造(fixation helix)を心室または心臓血管または心外膜に導入して固定するために使用でき、これらの要求を満足する導入器システム(introducer system)を提供する。導入器システムは、1つまたは複数のリード導体を囲み、1つまたは複数のリードコネクタ近位要素と1つまたは複数の遠位電極との間に延長するリード本体と、固定螺旋構造とを有する小さい直径の心臓リードを、蛇行性通路に通して心臓へと導入するような構成であり、リード本体は、固定螺旋構造を所望の植え込み部位(implantation site)に配置して、取り付けるために、蛇行性通路を通って自身で容易に前進するには押し出し能力およびトルク付与能力が不十分である。
【0024】
本発明の実施形態では、導入器システムは、近位端から遠位端へと延長し、リードを受け取るトルク伝達被覆(torque transfer sheath)と、遠位端を有し、トルク伝達被覆内に位置決めされたリードを受け取る外部被覆(outer sheath)、および取っ手(handle)とを含み、取っ手は、取っ手を通るリードの前進および後退を可能にする第1取っ手位置と、取っ手内のリードの近位端と固定係合する第2取っ手位置との間で動作可能である。リードは、外部被覆を通って前進し、外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長し、固定螺旋構造は、取っ手の第2取っ手位置での回転および前進を通して、リードおよびトルク伝達被覆が同時に回転し、前進するのに応答して、所定の距離を回転し、植え込み部位にて固定係合(fixedly engaged)する。
【0025】
本発明の別の実施形態では、導入器システムは、近位端から遠位端へと延長し、リードを受け取るトルク伝達被覆と、遠位端を有して、トルク伝達被覆内に位置決めされたリードを受け取る外部被覆と、近位方向に延長して自身上に位置決めされたねじ部分を有する部分から接続部分へと延長するハブ本体とを含み、外部被覆およびハブ本体は、外部被覆とハブ本体の接続部分との間に形成された対合ねじのねじ相互作用を通して固定係合する。軸方向の内腔を有する取っ手シャフトが、取っ手シャフトの長さを通って近位部分から、ハブ本体の近位方向に延長する部分を受け取るように形成された遠位部分まで延長する。第1係合部材が、軸方向内腔の近位部分に位置決めされ、キャップが取っ手シャフトに向かって遠位方向に前進し、第1係合部材をリードに当てて係合して、キャップを、取っ手シャフト内のリードと固定係合する第1キャップ位置に位置決めし、取っ手シャフトから近位方向に後退して、第2係合部材をリードから係合解除して、キャップを、取っ手シャフトを通るリードの前進を可能にする第2キャップ位置に位置決めする。
【0026】
最後に、第2係合部材は、軸方向内腔の遠位部分内に位置決めされ、取っ手シャフトが近位方向に延長する部分の周囲で回転するにつれ、キャップが第1キャップ位置にある場合、ハブ本体のねじ部分によって形成された溝を通って前進して、取っ手シャフトを遠位方向に前進させる。トルク伝達被覆の近位端は、取っ手シャフトの近位部分内に固定状態で位置決めされ、キャップが第1キャップ位置にある場合に、取っ手シャフトがハブ本体の近位方向に延長する部分の周囲で回転すると、トルクがトルク伝達被覆を通してリードに伝達され、外部被覆本体の遠位端から延長する固定螺旋構造を植え込み部位にねじ込む。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態では、リードの遠位固定螺旋構造を患者の体内の植え込み部位に位置決めし、固定係合させる方法は、取っ手が第1取っ手位置にある間に、取っ手およびトルク伝達被覆を通してリードを挿入して、取っ手を通したリードの前進および後退、およびリードの遠位固定螺旋構造が外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長することを可能にすることと、リード本体を取っ手内に固定係合させることと、外部被覆内で固定螺旋構造を前進させるために、外部被覆内でリードおよびトルク伝達被覆を後退させることと、植え込み部位で外部被覆を位置決めすること、リードおよびトルク伝達被覆を同時に回転させて、外部被覆を通して前進させ、固定螺旋構造を外部被覆の端部から所定の距離だけ外側に延長させて、固定螺旋構造を所定の距離だけ回転させて植え込み部位にて固定係合させるために、取っ手を回転させることとを含む。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態では、リードの遠位固定螺旋構造を植え込み部位に位置決めし、固定係合させ、キャップを含む導入器システムは、リードを取っ手の第1部分内に選択的固定状態で位置決めする手段と、固定螺旋構造を前進させて、外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長させ、固定螺旋構造を所定の回転数だけ回転させるために、第1部分と同時に取っ手の第2部分の回転を制御する手段と、固定螺旋構造を所定の回転数だけ回転させるために、制御手段による取っ手の第1部分および第2部分の回転に対応するトルクをリードの遠位部分に伝達する手段とを含む。
【0029】
本発明の以上の要約およびその利点および特徴は、単に、本発明が先行技術で提示された困難を克服する方法の幾つかを指摘して、本発明を先行技術から区別するために提示されたものであり、特許出願で最初に提示され、最終的に承認される請求の範囲の解釈を制限するものとしてはいかなる意味でも働かないものとする。本発明の他の利点および特徴は、以下の詳細な説明を添付図面との組み合わせで考察することによって、さらによく理解されるので、容易に明白になり、図面では、同様の参照番号は図面を通して同様の部品を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図面は、必ずしも同じ縮尺ではないことが理解される。以下の詳細な説明では、本発明を実行するための例示的実施形態に言及する。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用できることが理解される。本発明およびその好ましい実施形態は、1つまたは複数のペーシング/感知電極または1つまたは複数の感知電極をそれぞれリード遠位端に、またはそれに隣接して有する単極、双極または多極性心外膜、心臓ペーシングまたは監視リード内で実現することができる。同様に、本発明およびその好ましい実施形態は、少なくとも1つのカルジオバージョン/除細動電極を含み、任意選択で1つまたは複数のペーシング/感知電極をリード遠位端に、またはそれに隣接して含む心臓除細動/カルジオバージョンリード内で実現することができる。
【0031】
さらに、生理学的パラメータを感知する他のセンサを、リード本体に組み込むことができる。このようなペーシング/感知電極、感知電極、カルジオバージョン/除細動電極およびセンサをそれぞれ、リード本体を通ってリード近位端のコネクタアセンブリへと近位方向に延長する絶縁された電気導体に結合する。コネクタ近位端アセンブリは、外部ペースメーカまたはモニタを含む外部医療器具のコネクタアセンブリ、またはペーシング、カルジオバージョン/除細動または両方のためのIPGを含む植え込み可能な医療器具、または植え込み可能なモニタに結合するような構成である。したがって、本発明の心臓リードを導入する配置構成を使用して、このようなタイプの永久的に植え込み可能な心臓リードおよび一時的な心臓リードを導入することができる。
【0032】
本発明の配置構成は、このような小さい直径の心臓リードを導入する際に特に有用であり、これはスタイレットルーメンがなく、リード遠位端を経静脈的に前進させ、補助なく所望の植え込み部位に位置決めすることができないほど可撓性で、円柱強度、押し出し能力およびトルク付与能力が低い。さらに、本発明の配置構成の1つの特定の使用法は、1つまたは複数の束状線導体を使用して形成したような心臓リードを、上記で組み込んだ共通譲渡の第’014号特許に記載されたタイプの約0.010〜0.035インチ(0.254〜0.889mm)の直径のリード本体内に導入することである。リード本体の外径は、このような導体を使用し、剛化スタイレットを受け取るためのルーメンを削除することによって最小になる。しかし、本発明の配置構成は、剛化スタイレットを受け取るためのルーメンがある、またはない状態で、コイル状の線導体を使用する心臓リードを導入するために使用することもできる。後者の場合は、導入するために剛化スタイレットを使用する必要がない。
【0033】
図1および図2は、右心室の、または冠状静脈洞(CS)から分岐した冠状血管の植え込み部位に導入した心臓リード10の略図である。心臓リード10は、蛇行性通路を通して皮膚の切開部および静脈系を通して作成した静脈切開部、例えば右または左の橈側皮静脈、他の鎖骨下枝または外または内頚動脈から、当技術分野でよく知られた方法で心臓血管または心室14の植え込み部位に導入する。
【0034】
リードコネクタ近位要素は、各場合に上述したタイプのいずれかの植え込み可能な医療器具(IMD)16に結合した状態で概略的に図示されている。図1および図2では、心臓14が上部心室、右心房(RA)および左心房(LA)、および下部心室、右心室(RV)および左心室(LV)を含む。冠状静脈洞(CS)も図2には概略的に図示され、RAの開口42から延長し、心静脈44として心房の周囲を横方向に延長して、LVに沿って下方向に下降する前室間静脈46に入る。
【0035】
IMD16(部分的に図示)は、1つまたは複数のリードコネクタ要素に接続された後に、皮下的に、つまり皮膚の下に植え込まれ、ハウジング26およびコネクタブロック27に囲まれた電気的構成要素および電源を含む。コネクタブロック27は、右心室またはCSに導入した心臓リード10の1つまたは複数のリードコネクタ近位要素を受け取るために、1つまたは複数の内腔を有する。これらの図は、本発明の方法および装置により可能な植え込み部位の幾つか、および心臓リード10の心臓電極を植え込み部位に導入する経路を示す。
【0036】
図示の右心およびCS心臓リード10は、心臓14の植え込み部位に植え込み、適切なIMD16のコネクタブロック27に結合してよいことが理解される。図示の心臓リード10は、単極、双極または多極形状を有し、ペーシング/感知および/またはカルジオバージョン/除細動電極で作成することができる。あるいは、心臓リード10は単純に、EGM感知電極および/または生理学的センサを担持することができる。本発明は、心臓電極および/または生理学的センサを図示の部位および他の適切な植え込み部位の1つに導入する導入構成および方法に関する。
【0037】
単純にするために、図1には、上大静脈(SVC)22を通って延長し、下方向にRAおよびRVを通り、遠位電極34および固定螺旋構造70を心臓14のRV尖部の植え込み部位24に引っかける単極右心室リード10が図示されている。リード本体近位端にあるコネクタ要素(IMDコネクタブロック27の内腔に挿入されて図示)と、リード本体遠位端から遠位方向に延長する遠位固定螺旋構造70との間に延長する細長いリード本体を有する心臓リード10が形成される。リード本体の遠位端に延長するか、それに隣接する電極34も支持され、リード導体が、コネクタ要素と電極34との間でリード本体内にて延長する。心臓遠位電極34は、遠位固定螺旋構造70と組み合わせるか、リード本体に沿って固定螺旋構造70の近位側に配置することができる。したがって、心臓遠位電極34は、リード本体の遠位端にあるか、それに隣接してよい(つまり、それと近接する)。
【0038】
図1では、遠位固定螺旋構造70は、心筋にねじ込まれ、以降で説明するような本発明の導入構成および方法を使用することにより、心筋に能動的固定を提供するような構成である。例えば、図1は、固定螺旋構造70をRV尖部の深い植え込み部位24に、またはリード10がRVに埋め込まれている場合は、RV室とLV室の間の隔膜にある他の植え込み部位19および18に取り付けられることを示す。あるいは、固定螺旋構造70は、例えば外部右心房膜または右心耳などのRAの比較的厚い区域の植え込み部位20に固定螺旋構造70をねじ込んだ状態で、RAに植え込むことができる。固定螺旋構造70は、単純に心臓リード10の遠位端を、RVの図示の植え込み部位18、19および24、およびRAの植え込み部位20(またはRAおよびRVの他の選択された植え込み部位)に取り付けることもでき、別個の心臓電極34をリード本体に設けることができる。
【0039】
図2は、SVCおよびRA室、およびCSの口を通して心臓リード10を導入し、LA室およびLVに沿って延長させることを示す。1つまたは複数の遠位電極34を、図示のように、LVの刺激および/または感知用途のためにLVに隣接するLV植え込み部位38にて前室間静脈46内の深い位置に配置するか、1つまたは複数の遠位電極34を、例えばLA刺激および/または感知用途を提供するために、LAに隣接する植え込み部位48の心静脈47に配置することができる。遠位固定螺旋構造70は、植え込み部位38、48で、または冠状血管内の他の部位で冠状血管にねじ込み、以降で説明するような本発明の導入構成および方法を使用することにより、それとの能動的固定を提供するような構成である。
【0040】
例えば図1および図2で示した部位に植え込み可能な例示的単極心臓リード10を、図3および図4に示す。図3および図4で示すように、心臓リード10は、リード本体近位端62にあるコネクタ要素72と、リード本体遠位端64にある固定螺旋構造70との間に延長する細長いリード本体60を含む。固定螺旋構造70は、この図示の例では電極34を含み、リード導体66がリード本体60内でコネクタ要素72と遠位固定螺旋構造70との間に延長する。図3には、リード近位区画LPS、リード中間区画LIS、および螺旋構造長さHLを有する遠位固定螺旋構造70を含むリード遠位区画LDSを有する心臓リード10が図示されている。
【0041】
本発明の導入方法およびシステムによって、1フレンチ(0.33mm)から3フレンチ(1.00mm)の範囲の直径が小さいリード本体60を植え込むことができるが、導入器システムは、直径が3フレンチを超えるより大きい直径のリード本体の植え込みを容易にするサイズにしてもよい。リード本体60は、多様な方法で形成することができ、一例が図4に図示されている。図示された例示的なリード本体60は、糸が1本または糸が複数の螺旋形導体66を含み、これはリード本体の近位端および遠位端62および64に機械的に取り付けた可撓性導体ケーブルまたは非導体張力繊維74に巻き付けられている。ケーブルまたは繊維74は、リード本体60に引っ張り強度を提供する。しかし、リード本体60は可撓性が高く、図1および図2で示した蛇行性通路を通って固定螺旋構造を押すのに十分な円柱強度、またはリード近位区画LPSを回転させることによって固定螺旋構造70を回転させ、患者の体外の切開部から心筋または血管壁に入れるのに十分なトルク付与能力を有していないことがある。
【0042】
本明細書で開示する使用法の導入器システムおよび方法を使用して、遠位固定螺旋構造70のように遠位方向に延長するか、例えば米国特許第3835864号および第4233992号で開示された遠位固定螺旋構造の方法でリード本体から側方に延長する任意の形態の遠位固定螺旋構造を導入し、固定できることが理解される。
【0043】
患者の体外から例えば図1および図2で図示した植え込み部位まで蛇行性通路を通って前進するような構成である例示的な細長い案内カテーテルまたは外部被覆80を、図5に示す。好ましい実施形態では、導入器システムの外部被覆80は、近位側の外部被覆ハブ本体90から外部被覆遠位端88まで延長する外部被覆本体82を含む。外部被覆本体82は、皮膚の切開部から身体を通って植え込み部位までの選択された通路に応じて、約25cmから120cmの長さを有する任意の既知の形態をとることができ、外部被覆本体のルーメン84が、外部被覆本体の遠位端88にあるルーメン遠位端開口89まで、外部被覆本体82の長さだけ延長する。外部被覆80は、上記で言及した共通譲渡の第’584号特許に記載されたタイプ、および当技術分野で知られている他のタイプの案内カテーテルの形態をとることができる。
【0044】
外部被覆ハブ本体90は、ハブ本体90の長さを通って延長するハブルーメン92を含み、ハブルーメン92の枝が側口94を通って延長する。側口94は、吸引源または注入源と結合するか、キャップを形成するか、当技術分野でよく知られた方法でハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84から流体を吸引するか、そこへ流体を注入するために選択的に開閉できる弁を含む。貫通可能な隔壁96がキャップ98に閉じ込められ、ハブ本体90の近位端にあるハブルーメン92を通って延長し、当技術分野でよく知られた方法でそれを通って延長する器具に沿って血液または流体が失われるのを阻止する従来のルアータイプの止血弁として機能する。ハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84は、軸方向に位置合わせされ、外部被覆ルーメン84を構成する。
【0045】
図3のリード10は、図6から図9の導入器システムのトルク伝達ツール100とのサブアセンブリ、および図10から図12のトルク伝達ツール100および外部被覆80とのアセンブリにて図示されている。図6から図12で示すように、本発明によるトルク伝達ツール100は、細長いトルク伝達被覆102およびトルク伝達ツール用取っ手110を含む。トルク伝達被覆102は、例えばポリイミドまたはPEEK、ポリエーテルイミドなどのポリマ、または所望の剛性、捻り抵抗、および可撓性を有し、サイズ、可撓性、およびトルク性能を強調する約0.0025インチ(0.063mm)などの肉厚を有する他のポリマで形成された、ある長さの薄肉管を含むトルク伝達被覆本体104で形成することが好ましい。
【0046】
トルク伝達被覆本体104を通って延長するトルク伝達被覆本体ルーメン106の直径は、リード本体60を支持するためにリード本体60をぴったり覆うように選択され、リード本体の直径とトルク伝達被覆本体ルーメン106の表面との間に、リードの固定後に容易に外すことができるクリアランス、例えば0.002〜0.010インチ(2.6フレンチまたは0.286mmの直径のリードでは0.051〜0.254mmのクリアランス)を提供する。トルク伝達被覆本体104のために選択する材料は、外部被覆本体ルーメン84内に制限され、場合によっては外部被覆本体ルーメン84の内面と滑動状態で接触したまま、トルク伝達被覆本体長さISLを通してトルクを伝達する能力を提供する肉厚、直径、長さおよび硬度を有していなければならない。トルク伝達被覆102は、リード本体中間区画LISを外部被覆本体ルーメン84の表面との接触から隔離すると有利である。
【0047】
図6から図12で示した本発明の実施形態では、トルク伝達被覆102は、細長いトルク伝達被覆本体104が隔膜96、ハブルーメン92を通って外部被覆本体ルーメン84内へと十分に前進すると、図5で示した被覆近位区画SPSを通って延長する外部被覆本体ルーメン84内に配置されるような構成である。トルク伝達被覆本体104の外径と外部被覆本体ルーメン84の表面との間のクリアランスは、トルク被覆本体104が外部被覆本体ルーメン84内で回転し、軸方向に移動できるように選択される。例えば0.010mmと0.200mmの間である。トルク伝達被覆本体104の周囲に約0.005インチ(0.012mm)のクリアランスがあると満足できることが判明した。十分に挿入したトルク伝達被覆本体104の遠位端108に対して遠位側にある外部被覆本体82の螺旋構造長さHIを含む被覆遠位区画SDSも、図5に図示されている。
【0048】
したがって、細長いトルク伝達被覆102はトルク伝達被覆本体104を含み、これは外部被覆本体82より短く、トルク伝達取っ手110からトルク伝達被覆本体の遠位端108まで延長する。トルク伝達被覆本体104は、隔膜96を通して被覆近位区画SPSへと遠位方向に、およびそこから近位方向に前進することができる。トルク伝達被覆長さISLは、トルク伝達被覆本体104を外部被覆本体ルーメン84に十分に挿入した場合、外部被覆近位区画SPSの長さに対応する。リード本体60は、トルク伝達被覆本体ルーメン106を通って軸方向に前進し、以下でさらに説明するように、リード本体60とトルク伝達取っ手110とを一緒に締め付けることによって、所定の位置にロックすることができる。
【0049】
トルク伝達取っ手110は、トルク伝達被覆本体104の近位区画に取り付けた取っ手シャフト112と、取っ手シャフト112に調節自在に取り付けたキャップ114とで形成することが好ましい。ツールルーメン116は、図6から図12で示すようにツールルーメン116およびトルク伝達被覆本体ルーメン106を通ってリード本体60を挿入するために、トルク伝達被覆本体ルーメン106と軸方向に位置合わせされた取っ手シャフト112とキャップ114とを通って延長する。ツールルーメン116は、取っ手シャフト112に対してキャップ114を調節することによって選択的に狭くするように構成され、したがってツール取っ手110はリード本体60の一部を把持し、それによってリード本体60を損傷することなく、トルク伝達取っ手110を回転させることによってトルク伝達被覆102およびリード本体60がトルク伝達被覆本体ルーメン106内で回転することができる。好ましい実施形態では、弾性把持リング130をリード本体60の一部の周囲で選択的に圧縮し、取っ手シャフト112に対してキャップ114を調節することによってリード本体60を把持する。
【0050】
図7および図9で示すように、取っ手シャフト112は、例えば剛性熱可塑性材料の外部管状シェル122で形成され、これはトルク伝達被覆本体104の近位区画の周囲に配置された比較的可撓性の歪み解放管118を囲む。歪み解放管118は、接着剤132によって管状シェル122の内腔内に維持され、そこから近位方向に延長する。管状シェル122は、弾性把持リング130(の少なくとも一部)も支持して、囲み、トルク伝達被覆本体104の最も近位側の区画125がその中に延長し、ツールルーメン116がそれを通って延長する。弾性把持リング130は、シリコンゴムなどの弾性材料で形成することができ、これは非圧縮時に図7で示す形状をとり、それによってリード本体60はツールルーメン116を自由に通過することができ、リード本体60の周囲で圧縮すると、図9で示す形状をとる。
【0051】
キャップ114は、管状シェル122の近位端および弾性把持リング130上で遠位方向に延長するカップ形内部スペース126を形成する端壁117と、ツールルーメン116の近位端開口を形成する端部開口とを含む外部剛性シェル124で形成される。シェル122および124は、図7および図9で示すような結合機構128を通って相互に結合され、それによってキャップ114は、コレット機構の方法で図6および図7で示すように取っ手シャフト121から近位方向に後退するか、図8および図9で示すように取っ手シャフト112上を遠位方向に前進するか、さらにそれに近接し、弾性把持リング130がコレットとして作用する。
【0052】
例えば、キャップ114がシャフト112の周囲で回転するにつれ、キャップ114は取っ手シャフト112に向かって遠位方向に前進しいて、端壁117に当たり、したがってカップ形の内部スペース126は図9で示すように最小になり、それにより弾性把持リング130がリード本体60の近位部分129の周囲で圧縮されて、リード本体60をきつく把持し、リード本体を損傷することなく、トルク伝達被覆本体104に対するリード本体60の回転または軸方向の動作を防止する。カップ形の内部スペース126は、キャップ114が図7で示すように取っ手シャフト112から近位方向に前進するにつれて最大になり、これによって弾性把持リング130が非圧縮形状をとり、リード本体60の近位部分129が解放されて、トルク伝達被覆本体104に対してリード本体60が回転するか、軸方向に動作できるようにする。
【0053】
弾性把持リング130は、弾性把持リング130がリード本体60の一部に対して圧迫される植え込み措置中の時間に、トルク伝達被覆本体ルーメン106内で流体の漏れを阻止する止血機能を提供すると有利である。したがって、リード本体60は別個の止血弁を通って前進する必要がない。
【0054】
結合機構128は、対合ねじ山または差し込みピン機構を含むことができ、これによってキャップ114の回転により取っ手シャフト112に対してキャップ114を締め付けるか、緩めて、軸方向に移動することができる。あるいは、結合機構128は、取っ手シャフト112に対するキャップ114の押し引き動作を可能にする対合スプラインなどを含むことができる。キャップ114は、単に図示の便宜上、取っ手シャフト112に対してキャップ114を遠位方向に前進させるか、キャップ114を近位方向に後退させるために回転させるように図示されている。
【0055】
使用時には、リード本体60および被覆80および102を比較的直線で植え込む前に、植え込み可能な心臓リード10と、外部被覆80およびトルク伝達ツール100を含む導入器システムとを、患者の体外の無菌領域で一緒に組み立てる。外部被覆本体82は、図10から図12では、トルク伝達被覆本体104およびリード本体60とを外部被覆ルーメン84内で見られるように概略的に図示されている。
【0056】
リード本体60は、キャップ114が図6および図7で示す位置にある間に、トルク伝達ツールルーメン116を通って挿入され、遠位固定螺旋構造70をトルク伝達被覆本体ルーメン106内に配置する。トルク伝達被覆本体の遠位端108は、隔膜96を通って前進し、次にハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84を通る。リード本体60は、トルク伝達被覆ルーメン106内に配置され、したがって隔膜96と接触しないことが有利である。トルク伝達被覆本体104は、十分な押し出し能力を有し、したがってトルク伝達被覆本体104は、隔膜96を通って容易に前進または後退することができ、それによって心臓リード本体60を遠位方向に前進させることができる。
【0057】
次に、心臓リード本体60のリード遠位区画LDSを、トルク伝達被覆本体104の遠位端108から外側に前進させ、外部遠位端とトルク伝達被覆本体遠位端88と108の間に延長する外部被覆ルーメン84の被覆遠位区画SDS内に配置する。リード本体近位区画LPSを押して、螺旋コイルの巻線をほぼ螺旋構造長さHLだけ露出させることにより、遠位固定螺旋構造70を、外部被覆遠位端88から延長させる。心臓リード本体60のリード中間区画LISを、トルク伝達被覆本体104のトルク伝達被覆本体ルーメン106内に配置し、これを外部被覆ルーメン84の被覆近位区画SPS内に配置する。心臓リード本体60の近位区画は、外部被覆ハブ90から近位方向に延長して、トルク伝達ツールルーメン116を通る。トルク伝達被覆本体104の全長を、図10で示すようにハブルーメン92および外部被覆本体ルーメン84内に配置する。
【0058】
図11を参照すると、リード本体60をトルク伝達ツールのトルク伝達被覆本体104内で位置決めし、リード本体60およびトルク伝達ツール100を外部被覆80内に挿入したら、次に図8および図9に関して上述したように、トルク伝達取っ手110をリード本体60にロックする。次に、リード本体60を近位方向に引っ張って、遠位固定螺旋構造70を外部被覆ルーメン84内に後退させるのに十分なほど、少なくとも固定螺旋構造長さHLを含む軸方向並進距離だけ、トルク伝達ツール100およびリード10を近位方向に後退させる。これで、被覆本体遠位端88と108の間の距離は、図11で示すようにほぼSDS+HLと等しい。外科医は、アセンブリが患者の体外にあるので、この後退を観察することができる。
【0059】
次に、導入器システムおよび心臓リード10のアセンブリを皮膚の切開部および経静脈的通路に通して挿入し、外部被覆本体の遠位端88を、例えば図1または図2の所望の植え込み部位に配置する。トルク伝達被覆本体104のトルク伝達被覆長さISLは、外部被覆本体82の遠位区画SDSが、所望の植え込み部位に到達すると、比較的直線になるように選択される。外部被覆本体82の近位区画SPSは通常、蛇行性通路の複数の曲線に折り曲げられる。トルク伝達被覆本体104および心臓リード本体60の中間区画LISの大部分も、蛇行性通路の捻れおよび曲がりに配置される。しかし、中間区画LISは、トルク伝達被覆ルーメン106内に限定され、トルク伝達被覆本体104によって剛化されて、捻れおよび曲がりを通るリード本体60の押し出し能力およびトルク付与能力を向上させる。
【0060】
外部被覆本体82のルーメン直径は、きつい曲がりの圧力でわずかに変化することがあるが、トルク伝達被覆本体104は、一定直径のトルク伝達被覆ルーメン106を維持する。したがって、図12で示すように、少なくとも螺旋構造の長さHLに対応する軸方向の並進距離だけ、トルク伝達取っ手110を遠位方向に前進させることにより、リード本体60の遠位区画LDSを外部被覆ルーメン84内で遠位方向に押して、固定螺旋構造70を外部被覆本体82の遠位端88から排出することができる。
【0061】
トルク伝達取っ手110はなお、リード本体の近位部分129にロックされ、遠位固定螺旋構造70はこれで、図12で示すように回転し、近位ツール取っ手110を適切な方向に回転させることを通して、リード本体60およびトルク伝達被覆本体104を同時に回転させることにより、遠位固定螺旋構造70を心臓組織または血管壁にねじ込むことができる。トルクは、トルク伝達被覆本体104およびリード本体60の中間区画LISを通して有意の損失なく伝達することができるが、リード本体60の遠位区画LDSを、外部被覆ルーメン84の直径が大きい方の遠位区画SDS内で巻き取ることができる。固定螺旋構造70の必要な巻き数Nは、トルクツール取っ手をN+X回転だけ回転させることによって、繰り返し達成できることが判明し、ここでXはねじ込みリード10および導入器システムの任意の設計および特徴について経験的に求める。トルクツール取っ手110は、マーク134で印され、したがって外科医はN+X回転を数えることができる。外科医は、トルク伝達被覆遠位端108が外部被覆壁に対して回転し、特に外部被覆本体82をトルク伝達被覆遠位端108にて、またはその付近で通路内で曲げるか、湾曲させた場合に、360°回転するごとにトルク伝達被覆102から伝達された触覚フィードバックも経験することができる。
【0062】
固定螺旋構造70を心臓組織または血管壁内に適切に位置決めしたら、キャップ114を図9で示した係合位置から図7で示す非係合位置へと前進させることによって、トルク伝達取っ手110をリード本体60からロック解除し、次に閾値および保持力が許容可能であれば、外部被覆80およびトルク伝達ツール100を含む導入器システムを、リード本体60上で近位方向に後退させる。取り付けは、リード本体自体を後退させずに、導入器システムがリード本体上で近位方向に後退可能であることを観察するか、蛍光透視検査でリードの動作を観察することによって検証することができる。ペーシングおよび感知の閾値測定は、先行技術でよく知られた方法で1つまたは複数のペーシング/感知用遠位電極で、または導入器システムの後退後に実行する。
【0063】
本発明のさらなる実施形態は、トルク伝達ツールを外部被覆と組み合わせて、結合導入器システム150にし、その近位部分が図13から図18に図示されている。結合導入器システム150では、図27で図示した特定のステップ中に、図13および図14で図示したロック解除し、近位方向に後退した位置または形状と、図15および図16で図示したロックして遠位方向に拡張した位置または形状と、図17および図18で図示したロックして近位方向に後退した位置または形状との間で選択的に回転および軸方向の調節を実行するために、外部被覆近位ハブとトルク伝達取っ手を結合する。結合機構は、遠位固定螺旋構造70が前進する軸方向の並進距離、さらにトルク伝達ツールが近位方向に後退した形状および遠位方向に拡張した形状からの動作で回転する回転数を支配する。図13から図18で示すように、本発明による導入器システムは、トルク伝達ツール200および外部被覆180を含む。
【0064】
トルク伝達ツール200は、自身上に位置決めされた対合ねじ山197を有して近位方向に延長するねじ部分199から接続部分190へと延長するトルク伝達ツールハブ本体193と、図19から図21でさらに詳細に図失された取っ手キャップ214および回転式取っ手シャフト212を含むトルク伝達取っ手210とを含む。外部被覆180とハブ本体193の接続部分との間に形成された対合ねじ山198のねじ相互作用を通して、外部被覆180およびハブ本体193を相互に取り付ける。外部被覆180はさらに外部被覆本体182を含み、これは外部被覆ハブ本体191から遠位方向に延長する螺旋構造の歪み解放管195を通って図13および図14に示す外部被覆遠位端188へと延長する外部被覆本体182を含む。外部被覆本体182は、上述したように、例えば外部被覆本体82と同じ材料で形成され、その寸法を有する。
【0065】
ハブルーメン192は、ハブ本体193および外部被覆ハブ本体191の長さを通って軸方向に延長し、ハブルーメン192の枝は、ハブ本体193から横方向に延長する側口194を通って延長する。ハブルーメン192は、外部被覆本体182を通って軸方向に延長する外部被覆本体ルーメン184と軸方向に位置合わせされ、それと流体連絡する。側口194は、吸引源または注入源と結合し、キャップを形成するか、当技術分野でよく知られた方法でハブルーメン192および外部被覆本体ルーメン184から流体を吸引するか、そこへ流体を注入するために選択的に開閉できる弁を含む。可撓性環状シール196を、ハブ本体193内のハブルーメン192の環状溝に配置する。環状シール196は、単体のOリング、リブまたはワイパなどを含む任意の形態をとることができるか、側口194の近位側でハブルーメン192に沿って列状になった一連の可撓性環状リブまたはワイパなどを含んでよく、これはハブルーメン192内で近位方向への流体の漏れを阻止する。
【0066】
図13から図18に図示された本発明の導入器システム150はさらに、細長いトルク伝達被覆202を含み、これは材料の薄肉管の長さ、トルク伝達被覆本体104に関して上述した特徴および寸法を含むトルク伝達被覆本体204で形成することが好ましく、トルク伝達被覆本体204を通って軸方向に延長するトルク伝達被覆本体ルーメン206を含む。
【0067】
トルク伝達被覆本体ルーメン206の直径は、リード本体の直径および上記で規定したクリアランスに依存し、トルク伝達被覆本体204の外径は、これらの要因に依存し、トルク伝達被覆本体204の肉厚の2倍である。外部被覆本体ルーメン184の直径は、トルク伝達被覆本体204の外径、および外部被覆本体ルーメン184内のトルク伝達被覆本体204の規定クリアランスとに依存する。これで、外部被覆本体182の直径は、外部被覆本体ルーメン184の直径に外部被覆本体182の肉厚の2倍を加えた値に依存する。
【0068】
トルク伝達被覆本体204は、外部被覆本体182より短く、図10から図12で示したのと同じ方法でハブルーメン192および外部被覆本体ルーメン184を通って延長するように配置される。トルク伝達被覆本体204は、被覆本体遠位端、つまり図10および図12で示した被覆遠位区間SDSの間の距離を画定する遠位方向に前進した位置と、以下でさらに説明する近位方向に後退した位置との間で移動可能である。トルク伝達被覆本体204は、ハブルーメン192と、ハブルーメン192内に配置された弾性環状シール196のルーメンとを通って延長する。
【0069】
リード本体60は、トルク伝達被覆ルーメン206内に配置され、したがってこの弾性環状シール196と接触しないと有利である。トルク伝達被覆本体204は十分な押し出し能力を有し、したがってトルク伝達被覆本体204は、弾性環状シール196の環を通って容易に前進または後退することができる。というのは、トルク伝達取っ手210およびハブ本体193が、図15および図16のロックして遠位方向に延長した位置と、図17および図18のロックして近位方向に後退した位置との間で調節され、それによって以下で説明するように、心臓リード本体60の遠位方向および近位方向それぞれの前進および後退が可能になるからである。この方法で、トルク伝達被覆本体204は、リード本体60をシール196から隔離し、ハブルーメン192内で近位方向への流体の漏れを阻止する密封表面を提供する。
【0070】
トルク伝達被覆本体204は、トルク伝達被覆本体204の近位端229に沿って取っ手シャフト212内を延長して、それに取り付けられ、取っ手キャップ214は、図19から図21でさらに詳細に示すように、管状取っ手シャフト212の近位部分239に沿って、取っ手キャップ214内に配置された対応する対合ねじ山228を通して、取っ手シャフト212の近位端に調節自在に取り付けられる。管状取っ手シャフト212は、例えば剛性熱可塑性材料で形成され、近位部分211、中間部分225から遠位部分213へと取っ手シャフト212の長さにわたって延長する軸方向内腔222を有する。軸方向内腔222の遠位部分213は、ハブ本体193の軸方向に延長するねじ部分199を受けるように形成され、軸方向内腔222の近位部分211は、リング形の弾性把持リング230を受けるように形成される。
【0071】
図14、図16および図18で示すように、トルク伝達被覆本体204は、取っ手シャフト212の近位部分211内に位置決めされた近位端229から、取っ手シャフト212、ハブ本体193、外部被覆ハブ191、歪み解放管195を通って、外部被覆本体の外部被覆ルーメン184内を延長し、外部被覆遠位端188の近位側で終了する。トルク伝達被覆本体204の近位区画は、軸方向内腔222の中間部分225に沿って塗布した接着剤によって、取っ手シャフト212の軸方向内腔222内に固定状態で維持される。
【0072】
図22は、本発明によるトルクツールハブ本体の略図である。図22で示すように、ハブ本体193は可変ピッチで外方向に延長するスパイラルねじ197を含み、これはハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の周囲に軸方向に延長する。取っ手シャフト212の遠位部分213は、管状の近位ハブ本体193のスパイラルねじ197と、内側に延長する取っ手シャフト212に沿って位置決めされ、内側に延長する歯227との相互作用を通してハブ本体193の近位方向に延長する部分199に結合され、取っ手シャフト212がハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の周囲で回転するにつれて、スパイラルねじ197によって形成された溝に寄りかかり、それを通して前進する。取っ手シャフト212を回転させて、図17および図18で示した最も近位側の位置と、図13から図16で示した最も遠位側の位置との間で遠位側へと軸方向に並進させるために、図27に関して以下で説明する導入器システム150の使用方法の特定ステップで、取っ手シャフトへのトルク印加を容易にする4つの把持リブ215、217、219、221(全て図21に図示)を取っ手シャフト212上に形成する。
【0073】
図23は、歯227が係合位置にある状態で遠位部分213内に位置決めしたハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の断面図である。図24は、歯227が非係合位置にある状態で遠位部分213内に位置決めされたハブ本体193の近位方向に延長するねじ部分199の断面図である。図25は、本発明の管状取っ手シャフトの端面図である。本発明によると、取っ手シャフト212は、スパイラルねじ108によって形成された溝を通して歯を回転させるのではなく、取っ手シャフト212をスパイラルねじ197上で近位方向に引っ張ることにより、図13から図16で示す最も遠位側の位置から図17および図18で示す最も近位側の位置へと回転せずに、近位側へと軸方向に並進する。特に、図20、図21および図23から図25で示すように、取っ手シャフト212は切り取り部分250を含み、これは取っ手シャフト212の壁の中でタブ支持端部223aからタブなし端部223bへと遠位方向に延長する、細い可動フィンガまたは片持ち式タブ223の切り取り部を形成する。
【0074】
タブなし端部223bは、図21および図23で示す係合位置にある。つまり、ツール取っ手210の前進中にツール取っ手210が回転する間、内側に撓み、したがって内側に延長する歯227がスパイラルねじ197によって形成された溝201の中で位置決めされ、スパイラルねじ197に当たり、その回転を追跡する。しかし、内側に延長する歯227は傾斜部分203を含み、それによって片持ち式タブ223のタブなし端部223bは飛び出すことができ、したがってタブなし端部223bが図24および図25に示す非係合位置になる。つまり内側に延長する歯227が、スパイラルねじ197から外側に延長し、したがって歯227がもはや溝201内に位置せず、したがって図24の矢印Aで示すように、ツール取っ手210を近位方向に後退させて、外部被覆180から離し、遠位固定螺旋構造70を後退させて、外部被覆ルーメン184に入れるように力を加えると、歯227がスパイラルねじ197に乗り上げて、取っ手シャフト212が図17および図18で示す位置へと近位方向に引っ張ることができる。
【0075】
単一の歯227を使用するように図示し、以上で説明してきたが、本発明は2つ以上の歯、または溝201内に係合するために、対応する傾斜部分を有し、タブ223に沿って位置決めされる他の係合部材を含んでよいことが理解される。
【0076】
図13から図19で示すように、ツールルーメン216は、図6から図12で示したのと同じ方法でリード本体60をツールルーメン216およびトルク伝達被覆本体ルーメン206に通して挿入するために、トルク伝達被覆本体ルーメン206と軸方向に位置合わせした状態で取っ手シャフト212およびキャップ214を通って延長する。ツールルーメン216は、取っ手シャフト212の近位部分211の周囲でキャップ214を回転させることによって、選択的に細くなるような構成であり、したがってツール取っ手210は、弾性把持リング230を使用してリード本体60の一部を把持し、トルク伝達キャップ210を回転させることによって、リード本体60を損傷する異なるトルク伝達被覆本体ルーメン206内でトルク伝達被覆本体204およびリード本体60の回転を可能にする。
【0077】
取っ手キャップ214は、剛性の熱可塑性材料で形成され、取っ手シャフト212の近位端211上で遠位方向に延長するツールルーメン216の近位端開口を形成するキャップの近位端開口から延長するキャップ内腔226を画定する。取っ手シャフト212とキャップ214とは、結合ねじ山228を通して相互に結合され、これによってキャップ214は、キャップ214が回転することにより、図13および図14で示すように近位方向に後退して、取っ手シャフト212から離れるか、図15から図18で示すように遠位方向に前進するか、取っ手シャフト212にさらに近接することができる。キャップ214の翼240および242は、キャップ214を回転させて、取っ手シャフト214に対して遠位方向または近位方向に並進させるために、キャップ214へのトルク印加を容易にする。
【0078】
再び図14、図16、図18および図19を参照すると、管状取っ手シャフト212の近位端239にある軸方向内腔222の近位部分211は、トルク伝達被覆本体204の近位端229のすぐ近位側でツールルーメン216の周囲に配置された弾性把持リング230を受け取り、それを囲むように形成される。取っ手キャップ214には遠位方向に延長する管状プランジャ238を形成し、これは弾性把持リング230の近位側に当たるツールルーメンの近位部分を画定するプランジャルーメンを有する。弾性把持リング230は、弾性シリコンゴム、または非圧縮時に図14および図19で示す弛緩形状をとり、リード本体60がツールルーメン216を自由に通過できるようにし、長手方向に圧縮された場合は、図16および図18で示す圧縮形状をとり、把持リング230を通って延長するリード本体60をしっかり把持して、リード本体60を損傷せずにリード10を所定の位置にロックする同様の材料で形成することができる。加える力の量は、弾性把持リングの形状および特性、さらにキャップ214を回転させられる回転数を選択することによって制御する。この場合も、弾性把持リング230は、これが押しつけられるリード本体60の一部の周囲で止血弁として機能し、したがってトルク伝達被覆ルーメン206内の流体は近位方向に漏れない。
【0079】
本発明によると、ハブ本体193のスパイラルねじ197は、導入器システム150の特定の実施例で使用する特定の心臓リード10のトルク伝達特性との組み合わせで、リード本体60の巻き取り傾向を補償し、回転に抵抗するように設計される。図22で示すように、スパイラルねじ197は、間隔が狭い近位トルク予荷重回転の8または9などの数に対応する第1部分260、1または2巻の細長いスパイラル並進回転に対応する第2部分261、および心臓組織への固定螺旋構造70の固定を支配する、間隔が狭い遠位ねじ込み固定回転の5または6のようなさらなる数に対応する第3部分を含む。遠位固定螺旋構造70は、以下でさらに説明するように、心臓リード10を導入器システム150に装填し、それによってロックされた場合に、外部被覆ルーメン184の遠位端内に配置される。
【0080】
したがって、スパイラルねじ197の第1部分260は、第1選択数のねじ回転または予荷重回転を含み、これは、回転トルクが遠位固定螺旋構造70に伝達させるのを防止する外部被覆ルーメン184内のリード本体60の巻き取りを克服するように選択されたピッチを有し、スパイラルねじ197の第2部分261は、外部被覆ルーメン184から遠位固定螺旋構造70を排出するために、軸方向並進距離にわたって外部被覆180に対するトルク伝達ツール取っ手210の遠位方向の前進を支配するようにピッチおよび回転数を選択した第2ねじ回転数を含み、スパイラルねじ197の第3部分は、遠位固定螺旋構造70を心臓組織にねじ込むために遠位固定螺旋構造70の回転を実行するように選択された第3ねじ回転数を含む。
【0081】
図13に示す外部被覆本体遠位端188を植え込み部位へと前進させ、取っ手シャフト212が回転して遠位方向に移動し、スパイラルねじ197の回転を追跡するように、取っ手210をハブ本体193に対して回転させる。取っ手シャフト212のこの回転および遠位方向への移動は、トルク伝達被覆202およびリード60を回転させ、外部被覆180を通って遠位方向に前進させる。リード本体60は、スパイラルねじ193の第1部分260の予荷重回転を通して回転し、螺旋構造70を遠位方向にそれほど移動させずに、リード本体60内捻れを蓄積させる。取っ手210は回転し、さらにねじ螺旋構造197の第2部分261に対応する間隔が広い回転上を遠位方向に前進して、固定螺旋構造70を並進距離にわたって遠位方向に前進させるか、外部被覆ルーメン184から排出させる。スパイラルねじ197の第3部分262に対応する間隔が狭い回転にわたって取っ手210をさらに回転させると、固定螺旋構造が回転して、組織に固定されるか、ねじ込まれる。回転数は、固定螺旋構造70が十分にねじ込まれるが、回転しすぎないように選択される。
【0082】
この特定の例では、ハブ本体193に対する取っ手210の回転の大部分は、固定螺旋構造の回転に対して効果がない。限定的なトルク伝達被覆本体202によって補助されていても、リード本体がトルクをその長さにわたって伝達する能力が低いからである。したがって、トルク伝達被覆本体204は、ギア部被覆本体ルーメン184内で軸方向並進距離にわたって遠位方向に移動することができる。取っ手シャフト212を図13から図16で示す最も遠位側の位置へと遠位方向に移動すると、トルク伝達被覆本体ルーメン206内のリード本体60が遠位方向に移動して、リード10の遠位固定螺旋構造70を外部被覆遠位区画SDSから排出できることを確実にするために、軸方向並進距離は、この実施形態の螺旋構造長さHLを上回る。
【0083】
したがって、内側に延長する歯227およびスパイラルねじ197の回転のピッチおよび回転数を含む結合機構は、遠位固定螺旋構造70が前進または後退する軸方向並進距離、さらにトルク伝達ツール200が近位方向に後退し、遠位方向に延長する位置または形状から動作する際に回転する回転数を支配する。遠位固定螺旋構造70の遠位方向の前進および回転は、取っ手シャフト212の回転と同時に実行されると有利である。遠位固定螺旋構造の軸方向並進距離および回転数は、心臓リード本体、固定螺旋構造、および植え込み部位の特定の特性について経験的に確立することができる。
【0084】
図26は、本発明の代替実施形態によるトルク伝達ツールの断面図である。トルク伝達被覆本体は、上記では外部被覆本体より短いものと説明され、さらに長さが外部被覆ルーメンの被覆近位区画の長さに対応することが好ましいが、本発明のトルク伝達被覆本体は、上述した長さに制限されるものではなく、関連するリードの特定の用途およびタイプに応じて、所望通りに他の長さを含んでよいことが理解される。例えば、図26で示し、上記の実施形態で説明したように、トルク伝達被覆本体204は、トルク伝達被覆本体204の近位端229に沿って取っ手シャフト212内に延長し、それに取り付けられる。しかし、図26の本発明の代替実施形態のトルク伝達被覆202は、上述したようなトルク伝達被覆202とは異なる。代替実施形態のトルク伝達被覆本体204は、外部被覆180の外部被覆ルーメン184内ではなく、取っ手シャフト212の近位部分211内に位置決めされた近位端229から、取っ手シャフト212およびハブ本体193内に位置決めされたトルク伝達被覆本体遠位端308まで延長するのである。
【0085】
上述したのと同じ方法で、トルク伝達被覆本体204の近位区画は、軸方向内腔222の中間部分225に沿って塗布した接着剤によって、取っ手シャフト212の軸方向内腔222内に固定状態で維持される。図26で示した本発明の実施形態によって例示されるこのような配置構成は、例えばより大きい直径のリードが、必要な量のトルク付与能力をリードの与える物理的特徴を有して、押し出し可能であり、したがってトルク伝達被覆202がこれらの特徴を提供する必要がない状況で使用可能である。また、リードの特徴および関連する導入のタイプに応じて、トルク伝達被覆本体の遠位端308は、本発明のトルク伝達ツール200の取っ手シャフト212、ハブ本体193および外部被覆180内の任意の位置に沿って位置決めすることができる。
【0086】
また、図26で示すように、取っ手シャフト212が遠位方向に十分に前進し、したがって固定螺旋構造70が心臓組織または血管と十分に係合したら、止めタブ310および312を突き当てて、リード本体60および固定螺旋構造70の回転過剰を防止することによって、遠位方向での取っ手シャフト212のさらなる回転を防止する。
【0087】
本発明のトルク伝達ツールおよび導入器システムを使用する好ましいステップを、図27で示す。ステップS100では、導入器システムを図13および図14で示す形状に配置する。リード10を導入器システムのルーメン116、216内に装填して、トルク伝達被覆ルーメン106、206および外部被覆ルーメンの被覆遠位区画SDSを通して延長させ、リード本体の一部を弾性把持リング230のルーメン内に配置し、外部被覆遠位端188から遠位方向に延長する遠位固定螺旋構造70を配置する。ステップS102では、取っ手キャップ214を回転させて、図13および図14に示した非係合位置または形状から、図15および図16で示した係合位置へと前進させ、上述したようにトルク伝達ツール100、200内にリード本体60を固定状態で位置決めする。次に、ツール取っ手210を外部被覆ハブ190に対して図15および図16で示した位置または形状から図17および図18で示した位置へと近位方向に引っ張り、同時に外部被覆本体88、108内でリード本体60およびトルク伝達被覆102、202を後退させる。これによって遠位固定螺旋構造70が、図11で示した方法で外部被覆本体遠位端188に対して近位側で外部被覆遠位区画SDSに引き込まれる。
【0088】
次に、リードおよび導入器システム150のアセンブリを、ステップS106で皮膚の切開部および通路、例えば図1で示す通路に通して、図2の右心室、さらに冠状静脈洞および心臓静脈、さらには経胸腔通路から心臓の心外膜へと導入し、外部被覆本体の遠位端188を所望の植え込み部位に配置する。側口194を、吸引用の真空源および/または潅注用の潅注源に結合する。
【0089】
ステップS108では、ツール取っ手210を回転させ、図17および図18で示した位置または形状から外部被覆ハブ190上を図15および図16で示した位置または形状まで遠位方向に前進させて、リード本体にトルクを事前に装填し、遠位固定機構70を外部被覆本体ルーメン188から排出して、次に上述したように遠位固定螺旋構造70を植え込み部位で心臓組織にねじ込む。トルク伝達被覆102、202は、それぞれ取っ手シャフト112およびハブ本体193内に固定状態で位置決めされ、リード本体60は、上述したようにキャップ114、214によってトルク伝達ツール100、200内に固定係合しているので、ツール取っ手110、210が前進すると、リード本体60およびトルク伝達被覆102、202が外部被覆本体82、182内で同時に回転して前進する。
【0090】
外科医は回転数を数える必要がなく、遠位固定螺旋構造70が、過剰に回転したり、組織をかじることなく、必要な回転数だけ組織にねじ込まれるので有利である。図13から図18で示した本発明の実施形態では、外科医は、図6から図9で示した本発明の実施形態を実践する際に必要なのとは異なり、リード本体60にトルクを予め装填することを覚えている必要がない。遠位固定螺旋構造70は、ステップS108の1回の動作で、軸方向並進距離にわたって前進する上に、心臓組織内にねじ込まれ、この動作は、植え込み部位での一貫した固定を確保するために、スパイラルねじ197のピッチおよび回転数によって制限され、支配される。
【0091】
取っ手キャップ214は、ステップS110で図15および図16で示す形状から図13および図14で示す形状までロック解除方向に回転して、弾性ロックリング230の圧縮を解除し、ツールルーメン116、216内でリード本体60を解放する。これで、ステップS112にて導入器システム150をリード本体上で引き出すことができる。ペーシングおよび感知閾値の測定値は、ステップS112の前または後に求められ、測定値が許容不能の場合は、遠位固定螺旋構造70のねじを外し、再配置することができる。リード近位端コネクタアセンブリは、植え込まれるIPGまたはモニタの植え込み部位まで経路指示される。リード近位端をIPGまたはモニタと結合して、IPGまたはモニタを従来の方法で皮下的に植え込む。本明細書で識別した全ての特許および出版物は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0092】
本発明の特定の実施形態について本明細書で詳細に開示してきたが、これは例示のみを目的として実行され、請求の範囲で定義されるような本発明の範囲を制限するものではない。請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に様々な置換、変更、または改造を実行できることを理解されたい。上述した実施例は、単に現在好ましいか、本発明者が想定したものであり、開示された実施形態に本発明を制限するものとは見なされない。したがって、請求の範囲内で、本発明は、実際に本発明の精神および範囲から逸脱することなく、特に記載されたものとは異なる方法で実践してよいことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】右心室の図示された幾つかの植え込み部位のうち1つに導入された少なくとも1つの心臓電極を担持し、リードコネクタ近位端にて植え込み可能な医療器具と結合した右心リードの略図である。
【図2】左心室に隣接する心臓血管内で可能な1つの植え込み部位に導入された少なくとも1つの心臓電極を担持し、リードコネクタ近位端で植え込み可能な医療器具と結合した冠状静脈洞心臓リードの略図である。
【図3】例えば図1および図2で図示した植え込み部位のいずれかに植え込んだ右心リードまたは冠状静脈洞リードとして使用可能であり、本発明の導入器システムを使用する例示的心臓リードの平面図である。
【図4】図3の心臓リードのリード本体の構造の拡大詳細図である。
【図5】蛇行性通路を通って患者の体外から例えば図1および図2で示した植え込み部位へと前進するような構成である導入器システムの外部被覆または細長い案内カテーテルの平面図である。
【図6】延長する図3の心臓リードが通る導入器システムのトルク伝達ツールであって、図5の外部被覆の外部被覆内腔の近位区間に配置されるような構成である細長いトルク伝達被覆本体と、解放位置で図示された近位トルク伝達取っ手とを備え、それによって心臓リードをツールの内腔内で近位方向または遠位方向に移動することができるトルク伝達ツールの平面図である。
【図7】線7−7に沿って切り取った図6のトルク伝達ツールの断面図であり、ツール内腔内でのリード本体の解放を示す図である。
【図8】ロックした位置で示した図6のトルク伝達ツールであって、これによって心臓リードを把持し、ツール内腔内で近位方向または遠位方向に移動するのを防止し、ツール取っ手に加えたトルクをトルク伝達被覆本体の内腔内で心臓リード本体に与えて、遠位固定螺旋構造を植え込み部位内へと回転させることができるようにするトルク伝達ツールの平面図である。
【図9】線9−9に沿って切り取った図8のトルク伝達ツールの断面図であり、ツール内腔内でのリード本体の一部の把持を示す図である。
【図10】図6のトルク伝達ツールおよび心臓リードのサブアセンブリと図5の外部被覆とのアセンブリの平面図であり、トルク伝達被覆本体が外部被覆の内腔に十分に挿入され、心臓リード本体がトルク伝達被覆本体の内腔および外部被覆内腔の遠位区間を通って前進し、遠位固定螺旋構造を露出させてから、トルク伝達ツールをロックして、心臓リード本体を把持することを示す図である。
【図11】図6のトルク伝達ツールのサブアセンブリと図5の外部被覆とのアセンブリのさらなる平面図であり、トルク伝達ツールがロック位置にあって、心臓リード本体を把持し、トルク伝達被覆本体は、例えば図1および図2の植え込み部位まで蛇行性通路を通って前進する間に、少なくとも遠位固定螺旋構造の長さだけ近位方向に後退して、遠位固定螺旋構造を外部被覆内腔の遠位区画内に後退させることを示す図である。
【図12】図6のトルク伝達ツールのサブアセンブリと図5の外部被覆とのアセンブリのさらなる平面図であり、トルク伝達ツールはロック位置にあって、心臓リード本体を把持し、トルク伝達被覆本体は、少なくとも遠位固定螺旋構造の長さだけ遠位方向に前進して、遠位固定螺旋構造を外部被覆内腔の遠位区間から延長させ、したがって遠位固定螺旋構造を、トルク伝達ツールの取っ手に加えたトルクを通して植え込み部位にて心臓組織に固定させることができることを示す図である。
【図13】本発明のさらなる実施形態の近位部分の平面図であり、トルク伝達ツールと外部被覆とが組み合わせられて、結合導入器システムになり、ロック解除して遠位方向に延長した形状を示す図である。
【図14】図13の線14−14に沿って切り取った結合トルク伝達ツールおよび外部被覆の近位部分の断面図である。
【図15】結合導入器システムの近位部分の平面図であり、トルク伝達ツールおよび外部被覆をロックして遠位方向に延長した形状で示す図である。
【図16】図15の線16−16に沿って切り取った結合トルク伝達ツールおよび外部被覆の近位部分の断面図である。
【図17】結合導入器システムの近位部分の平面図であり、トルク伝達ツールおよび外部被覆をロック解除して近位方向に後退した位置で示す図である。
【図18】図17の線18−18に沿って切り取った結合トルク伝達ツールおよび外部被覆の近位部分の断面図である。
【図19】管状遠位取っ手シャフト、弾性把持リングおよび近位取っ手キャップを備えた結合導入器システムのトルク伝達ツールの構成要素の組立分解断面拡大図である。
【図20】管状遠位取っ手シャフトの拡大平面図である。
【図21】管状遠位取っ手シャフトの拡大端面図である。
【図22】本発明によるトルクツールハブ本体の略図である。
【図23】取っ手シャフトの歯が係合位置にある、本発明によるハブ本体およびトルク伝達ツールの取っ手シャフトの歯の断面図である。
【図24】取っ手シャフトの歯が非係合位置にある、本発明によるハブ本体およびトルク伝達ツールの取っ手シャフトの歯の断面図である。
【図25】本発明の管状取っ手シャフトの端面図である。
【図26】本発明の代替実施形態によるトルク伝達ツールの断面図である。
【図27】結合導入器システムを使用して心臓リードを外科的に植え込むステップを示す流れ図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の植え込み部位にリードの遠位固定螺旋構造を位置決めし、固定係合させる導入器システムであって、
近位端から遠位端まで延長し、前記リードを受け取るトルク伝達被覆と、
遠位端を有し、前記トルク伝達被覆内に位置決めされた前記リードを受け取る外部被覆と、
自身を通る前記リードの前進および後退を可能にする第1取っ手位置と、自身内の前記リードの近位端と固定係合する第2取っ手位置との間で動作可能である取っ手とを備え、前記リードが、前記外部被覆を通って前進し、前記外部被覆の前記遠位端から所定の距離だけ外側に延長し、前記固定螺旋構造は、前記取っ手の前記第2取っ手位置での回転および前進を通して、前記リードおよび前記トルク伝達被覆が同時に回転し、前進するのに応答して、前記所定の距離を回転して、前記植え込み部位にて固定係合する導入器システム。
【請求項2】
さらに、前記トルク伝達被覆を通る流体の近位方向への漏れを密封状態で阻止するシール部材を備える、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項3】
前記取っ手が取っ手シャフトおよびキャップを含み、前記キャップが、前記シール部材が前記リードに密封状態で係合せず、前記取っ手が前記第1取っ手位置にあることに対応する第1キャップ位置と、前記シール部材が前記リードに密封可能な状態で係合し、前記取っ手が前記第2取っ手位置にあることに対応する第2キャップ位置との間で前記取っ手シャフトに沿って軸方向に位置決め可能である、請求項2に記載の導入器システム。
【請求項4】
前記トルク伝達被覆が前記シール部材を通って延長し、前記第2取っ手位置で動作する前記取っ手の回転および前進中に、前記シール部材を通って密封可能な状態で前進する、請求項2に記載の導入器システム。
【請求項5】
さらに、前記固定螺旋構造を前進させて、前記外部被覆の前記遠位端から前記所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位にて所定の回転数だけ回転させるために、前記第2位置での前記取っ手の前記回転および前進を制御する手段を備える、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項6】
さらに、
近位方向に延長して、自身上に位置決めされたねじ部分を有する部分から、接続部分へと延長するハブ本体を備え、前記外部被覆および前記ハブ本体が、前記外部被覆と前記ハブ本体の前記接続部分との間に形成された対合ねじのねじ相互作用を通して固定係合され、さらに、
自身の長さを通して近位部分から中間部分、遠位部分へと延長する軸方向内腔を有する取っ手シャフトを備え、前記軸方向内腔の前記遠位部分が前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分を受け取るように形成され、さらに、
前記軸方向内腔の前記遠位部分内に位置決めされ、前記取っ手が前記第2取っ手位置にある場合は、前記取っ手シャフトが前記近位方向に延長する部分の周囲で回転するにつれて、前記ハブ本体の前記ねじ部分によって形成された溝を通って前進して、前記取っ手シャフトを遠位方向に前進させる第1係合部材と、
前記軸方向内腔の前記近位部分内に位置決めされた第2係合部材と、
前記第2取っ手位置にある前記取っ手に応答して、前記取っ手シャフトに向かって遠位方向に前進して、前記第2係合部材を前記リードに係合させ、前記第1取っ手位置にある前記取っ手に応答して、前記取っ手シャフトから近位方向に後退して、前記第2係合部材を前記リードから係合解除するキャップとを備え、前記トルク伝達被覆の前記近位端が、前記取っ手シャフトの前記近位部分内に固定状態で位置決めされ、前記取っ手が前記第2取っ手位置にある場合は、前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分の周囲で前記取っ手シャフトが回転すると、前記トルク伝達被覆を通って前記リードにトルクが伝達され、前記外部被覆本体の前記遠位端から延長する前記固定螺旋構造を前記植え込み部位にねじ込む、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項7】
前記ねじ部分が、第1回転ピッチおよび回転数を有する第1部分、第2回転ピッチおよび回転数を有する第2部分、および第3回転ピッチおよび回転数を有する第3部分を含み、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分が、前記リードのトルク伝達特性に対応する、請求項6に記載の導入器システム。
【請求項8】
前記第1回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造への回転トルクの伝達を阻止する前記外部被覆内の前記リードの巻き取りを克服するように選択され、前記第2回転ピッチおよび回転数が、前記外部被覆の前記遠位端からの前記固定螺旋構造の遠位方向前進を支配するように選択され、前記第3回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位で係合させるために前記固定螺旋構造の回転を実行するように選択される、請求項7に記載の導入器システム。
【請求項9】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第1係合部材が、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれ、前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項6に記載の導入器システム。
【請求項10】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第1係合部材が傾斜部分を含み、前記取っ手シャフトが、前記取っ手シャフトに沿ってタブ支持端部からタブなし端部へと遠位方向に延長する片持ち式タブを含み、前記タブなし端部が内側に撓み、したがって前記取っ手シャフトが前記近位方向後退位置から前記遠位方向延長位置へと前進する間に、前記取っ手シャフトが回転中にねじ部分によって形成された前記溝内に前記第1係合部材が位置決めされ、前記傾斜部分が前記タブなし端部を前記ねじ部分から外側に撓め、したがって前記第1係合部材が前記ねじ部分内に位置決めされず、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれて、前記第1係合部材が前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項6に記載の導入器システム。
【請求項11】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記外部被覆内に位置決めされる、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項12】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記取っ手内に位置決めされる、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項13】
患者の体内の植え込み部位にリードの遠位固定螺旋構造を位置決めし、固定係合させる導入器システムであって、
近位端から遠位端へと延長し、前記リードを受け取るトルク伝達被覆と、
遠位端を有し、前記トルク伝達被覆内に位置決めされた前記リードを受け取る外部被覆と、
近位方向に延長し、自身上に位置決めされたねじ部分を有する部分から接続部分へと延長するハブ本体とを備え、前記外部被覆および前記ハブ本体が、前記外部被覆と前記ハブ本体の接続部分との間に形成された対合ねじのねじ相互作用を通して固定係合し、さらに、
自身の長さを通して近位部分から遠位部分へと延長する軸方向内腔を有する取っ手シャフトを備え、前記軸方向内腔の前記遠位部分が前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分を受け取るように形成され、さらに、
前記軸方向内腔の前記近位部分内に位置決めされた第1係合部材と、
前記取っ手シャフトに向かって遠位方向に前進して、前記第1係合部材を前記リードに係合させて、前記取っ手シャフト内に前記リードを固定係合させる第1キャップ位置に自身を位置決めし、前記取っ手シャフトから近位方向に後退して、前記第2係合部材をリードから係合解除し、前記取っ手シャフトに通して前記リードが前進できるようにする第2キャップ位置に自身を位置決めするキャップと、
前記軸方向内腔の前記遠位部分内に位置決めされ、前記ハブ本体の前記ねじ部分によって形成された溝を通して前進し、前記取っ手シャフトが前記近位方向に延長する部分の周囲で回転するにつれて、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記取っ手シャフトを遠位方向に前進させる第2係合部材とを備え、前記トルク伝達被覆の前記近位端が、前記取っ手シャフトの前記近位部分内に固定状態で位置決めされ、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分の周囲で前記取っ手シャフトが回転すると、前記トルク伝達被覆を通って前記リードにトルクが伝達されて、前記外部被覆本体の前記遠位端から延長する前記固定螺旋構造を前記植え込み部位にねじ込む導入器システム。
【請求項14】
さらに、トルク伝達被覆を通る流体の近位方向への漏れを密封状態で阻止するシール部材を備え、前記トルク伝達被覆が前記シール部材を通って延長し、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記取っ手シャフトの回転および前進中に前記シール部材を通って密封可能な状態で前進する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項15】
さらに、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記取っ手の前記回転および前進を制御し、前記回転螺旋構造を前進させて、前記外部被覆の前記遠位端から所定の距離だけ外側に延長させ、前記植え込み部位で所定の回転数だけ前記固定螺旋構造を回転させる手段を備える、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項16】
前記ねじ部分が、第1回転ピッチおよび回転数を有する第1部分、第2回転ピッチおよび回転数を有する第2部分、および第3回転ピッチおよび回転数を有する第3部分を含み、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分が、前記リードのトルク伝達特性に対応する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項17】
前記第1回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造への回転トルクの伝達を阻止する前記外部被覆内の前記リードの巻き取りを克服するように選択され、前記第2回転ピッチおよび回転数が、前記外部被覆の前記遠位端からの前記固定螺旋構造の遠位方向前進を支配するように選択され、前記第3回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位に係合させるために前記固定螺旋構造の回転を実行するように選択される、請求項16に記載の導入器システム。
【請求項18】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第2係合部材が、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれ、前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項19】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第2係合部材が傾斜部分を含み、前記取っ手シャフトが、前記取っ手シャフトに沿ってタブ支持端部からタブなし端部へと遠位方向に延長する片持ち式タブを含み、前記タブなし端部が内側に撓み、したがって前記取っ手シャフトが前記近位方向後退位置から前記遠位方向延長位置へと前進する間に、前記取っ手シャフトが回転中にねじ部分によって形成された溝内に前記第2係合部材が位置決めされ、前記傾斜部分が前記タブなし端部を前記ねじ部分から外側に撓め、したがって前記第2係合部材が前記ねじ部分内に位置決めされず、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれて、前記第2係合部材が前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項20】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記外部被覆内に位置決めされる、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項21】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記取っ手内に位置決めされる、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項22】
患者の体内の植え込み部位にリードの遠位固定螺旋構造を位置決めし、固定係合させる方法であって、
取っ手が第1取っ手位置にある間に、前記取っ手およびトルク伝達被覆を通ってリードを挿入させ、前記取っ手を通って前記リードの前進および回転を可能にし、前記リードの遠位固定螺旋構造を外部被覆遠位端から所定の距離だけ外側に延長させるステップと、
前記取っ手内に前記リード本体を固定係合させるステップと、
前記外部被覆内で前記固定螺旋構造を前進させるために、前記外部被覆内で前記リードおよび前記トルク伝達被覆を後退させるステップと、
前記植え込み部位で前記外部被覆を位置決めするステップと、
前記外部被覆を通して前記リードおよび前記トルク伝達被覆を同時に回転させ前進させ、前記固定螺旋構造を前記外部被覆の前記端部から所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を前記所定の距離回転させて、前記植え込み部位に固定係合させるために、前記取っ手を回転させるステップとを含む方法。
【請求項23】
回転させる前記ステップがさらに、前記固定螺旋構造を前進させて前記外部被覆の遠位遠位端から前記所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位で所定の回転数だけ回転させるために、前記取っ手の前記回転を制御するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
回転させる前記ステップがさらに、
第1回転ピッチおよび回転数を有するねじ部分の第1部分、第2回転ピッチおよび回転数を有する第2部分、および第3回転ピッチおよび回転数を有する第3部分を通して係合部材を前進させるステップを含み、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分が、前記リードのトルク伝達特性に対応する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
さらに、前記取っ手が、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向に延長する位置から、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向に後退する位置へと前進するにつれ、前記ねじ部分にわたって前記係合部材を軸方向に並進させるステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
リードの遠位固定螺旋構造を植え込み部位に位置決めし固定状態で係合させキャップを含む導入器システムであって、
前記リードを取っ手の第1位置に選択的に固定状態で位置決めする手段と、
前記固定螺旋構造を前進させて、外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を所定の回転数だけ回転させるために、前記第1部分と同時に前記取っ手の第2部分の回転を制御する手段と、
前記固定螺旋構造を前記所定の回転数だけ回転させるために、制御手段による前記取っ手の前記第1部分および前記第2部分の前記回転に対応するトルクを、前記リードの遠位部分に伝達する手段とを備える導入器システム。
【請求項27】
さらに、前記取っ手の前記第1部分および前記第2部分を回転させずに、前記取っ手の前記第1部分および前記第2部分を、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向に延長する位置から、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内で位置決めされることに対応する近位方向に後退する位置へと軸方向に前進させる手段を備える、請求項26に記載の導入器システム。
【請求項1】
患者の体内の植え込み部位にリードの遠位固定螺旋構造を位置決めし、固定係合させる導入器システムであって、
近位端から遠位端まで延長し、前記リードを受け取るトルク伝達被覆と、
遠位端を有し、前記トルク伝達被覆内に位置決めされた前記リードを受け取る外部被覆と、
自身を通る前記リードの前進および後退を可能にする第1取っ手位置と、自身内の前記リードの近位端と固定係合する第2取っ手位置との間で動作可能である取っ手とを備え、前記リードが、前記外部被覆を通って前進し、前記外部被覆の前記遠位端から所定の距離だけ外側に延長し、前記固定螺旋構造は、前記取っ手の前記第2取っ手位置での回転および前進を通して、前記リードおよび前記トルク伝達被覆が同時に回転し、前進するのに応答して、前記所定の距離を回転して、前記植え込み部位にて固定係合する導入器システム。
【請求項2】
さらに、前記トルク伝達被覆を通る流体の近位方向への漏れを密封状態で阻止するシール部材を備える、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項3】
前記取っ手が取っ手シャフトおよびキャップを含み、前記キャップが、前記シール部材が前記リードに密封状態で係合せず、前記取っ手が前記第1取っ手位置にあることに対応する第1キャップ位置と、前記シール部材が前記リードに密封可能な状態で係合し、前記取っ手が前記第2取っ手位置にあることに対応する第2キャップ位置との間で前記取っ手シャフトに沿って軸方向に位置決め可能である、請求項2に記載の導入器システム。
【請求項4】
前記トルク伝達被覆が前記シール部材を通って延長し、前記第2取っ手位置で動作する前記取っ手の回転および前進中に、前記シール部材を通って密封可能な状態で前進する、請求項2に記載の導入器システム。
【請求項5】
さらに、前記固定螺旋構造を前進させて、前記外部被覆の前記遠位端から前記所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位にて所定の回転数だけ回転させるために、前記第2位置での前記取っ手の前記回転および前進を制御する手段を備える、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項6】
さらに、
近位方向に延長して、自身上に位置決めされたねじ部分を有する部分から、接続部分へと延長するハブ本体を備え、前記外部被覆および前記ハブ本体が、前記外部被覆と前記ハブ本体の前記接続部分との間に形成された対合ねじのねじ相互作用を通して固定係合され、さらに、
自身の長さを通して近位部分から中間部分、遠位部分へと延長する軸方向内腔を有する取っ手シャフトを備え、前記軸方向内腔の前記遠位部分が前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分を受け取るように形成され、さらに、
前記軸方向内腔の前記遠位部分内に位置決めされ、前記取っ手が前記第2取っ手位置にある場合は、前記取っ手シャフトが前記近位方向に延長する部分の周囲で回転するにつれて、前記ハブ本体の前記ねじ部分によって形成された溝を通って前進して、前記取っ手シャフトを遠位方向に前進させる第1係合部材と、
前記軸方向内腔の前記近位部分内に位置決めされた第2係合部材と、
前記第2取っ手位置にある前記取っ手に応答して、前記取っ手シャフトに向かって遠位方向に前進して、前記第2係合部材を前記リードに係合させ、前記第1取っ手位置にある前記取っ手に応答して、前記取っ手シャフトから近位方向に後退して、前記第2係合部材を前記リードから係合解除するキャップとを備え、前記トルク伝達被覆の前記近位端が、前記取っ手シャフトの前記近位部分内に固定状態で位置決めされ、前記取っ手が前記第2取っ手位置にある場合は、前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分の周囲で前記取っ手シャフトが回転すると、前記トルク伝達被覆を通って前記リードにトルクが伝達され、前記外部被覆本体の前記遠位端から延長する前記固定螺旋構造を前記植え込み部位にねじ込む、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項7】
前記ねじ部分が、第1回転ピッチおよび回転数を有する第1部分、第2回転ピッチおよび回転数を有する第2部分、および第3回転ピッチおよび回転数を有する第3部分を含み、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分が、前記リードのトルク伝達特性に対応する、請求項6に記載の導入器システム。
【請求項8】
前記第1回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造への回転トルクの伝達を阻止する前記外部被覆内の前記リードの巻き取りを克服するように選択され、前記第2回転ピッチおよび回転数が、前記外部被覆の前記遠位端からの前記固定螺旋構造の遠位方向前進を支配するように選択され、前記第3回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位で係合させるために前記固定螺旋構造の回転を実行するように選択される、請求項7に記載の導入器システム。
【請求項9】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第1係合部材が、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれ、前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項6に記載の導入器システム。
【請求項10】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第1係合部材が傾斜部分を含み、前記取っ手シャフトが、前記取っ手シャフトに沿ってタブ支持端部からタブなし端部へと遠位方向に延長する片持ち式タブを含み、前記タブなし端部が内側に撓み、したがって前記取っ手シャフトが前記近位方向後退位置から前記遠位方向延長位置へと前進する間に、前記取っ手シャフトが回転中にねじ部分によって形成された前記溝内に前記第1係合部材が位置決めされ、前記傾斜部分が前記タブなし端部を前記ねじ部分から外側に撓め、したがって前記第1係合部材が前記ねじ部分内に位置決めされず、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれて、前記第1係合部材が前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項6に記載の導入器システム。
【請求項11】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記外部被覆内に位置決めされる、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項12】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記取っ手内に位置決めされる、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項13】
患者の体内の植え込み部位にリードの遠位固定螺旋構造を位置決めし、固定係合させる導入器システムであって、
近位端から遠位端へと延長し、前記リードを受け取るトルク伝達被覆と、
遠位端を有し、前記トルク伝達被覆内に位置決めされた前記リードを受け取る外部被覆と、
近位方向に延長し、自身上に位置決めされたねじ部分を有する部分から接続部分へと延長するハブ本体とを備え、前記外部被覆および前記ハブ本体が、前記外部被覆と前記ハブ本体の接続部分との間に形成された対合ねじのねじ相互作用を通して固定係合し、さらに、
自身の長さを通して近位部分から遠位部分へと延長する軸方向内腔を有する取っ手シャフトを備え、前記軸方向内腔の前記遠位部分が前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分を受け取るように形成され、さらに、
前記軸方向内腔の前記近位部分内に位置決めされた第1係合部材と、
前記取っ手シャフトに向かって遠位方向に前進して、前記第1係合部材を前記リードに係合させて、前記取っ手シャフト内に前記リードを固定係合させる第1キャップ位置に自身を位置決めし、前記取っ手シャフトから近位方向に後退して、前記第2係合部材をリードから係合解除し、前記取っ手シャフトに通して前記リードが前進できるようにする第2キャップ位置に自身を位置決めするキャップと、
前記軸方向内腔の前記遠位部分内に位置決めされ、前記ハブ本体の前記ねじ部分によって形成された溝を通して前進し、前記取っ手シャフトが前記近位方向に延長する部分の周囲で回転するにつれて、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記取っ手シャフトを遠位方向に前進させる第2係合部材とを備え、前記トルク伝達被覆の前記近位端が、前記取っ手シャフトの前記近位部分内に固定状態で位置決めされ、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記ハブ本体の前記近位方向に延長する部分の周囲で前記取っ手シャフトが回転すると、前記トルク伝達被覆を通って前記リードにトルクが伝達されて、前記外部被覆本体の前記遠位端から延長する前記固定螺旋構造を前記植え込み部位にねじ込む導入器システム。
【請求項14】
さらに、トルク伝達被覆を通る流体の近位方向への漏れを密封状態で阻止するシール部材を備え、前記トルク伝達被覆が前記シール部材を通って延長し、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記取っ手シャフトの回転および前進中に前記シール部材を通って密封可能な状態で前進する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項15】
さらに、前記キャップが前記第1キャップ位置にある場合に、前記取っ手の前記回転および前進を制御し、前記回転螺旋構造を前進させて、前記外部被覆の前記遠位端から所定の距離だけ外側に延長させ、前記植え込み部位で所定の回転数だけ前記固定螺旋構造を回転させる手段を備える、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項16】
前記ねじ部分が、第1回転ピッチおよび回転数を有する第1部分、第2回転ピッチおよび回転数を有する第2部分、および第3回転ピッチおよび回転数を有する第3部分を含み、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分が、前記リードのトルク伝達特性に対応する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項17】
前記第1回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造への回転トルクの伝達を阻止する前記外部被覆内の前記リードの巻き取りを克服するように選択され、前記第2回転ピッチおよび回転数が、前記外部被覆の前記遠位端からの前記固定螺旋構造の遠位方向前進を支配するように選択され、前記第3回転ピッチおよび回転数が、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位に係合させるために前記固定螺旋構造の回転を実行するように選択される、請求項16に記載の導入器システム。
【請求項18】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第2係合部材が、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれ、前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項19】
前記取っ手が前記第2取っ手位置になると、前記取っ手シャフトを前記近位方向に延長する部分の周囲で回転させて、前記取っ手シャフトを、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向後退位置と、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向延長位置との間で前進させ、前記第2係合部材が傾斜部分を含み、前記取っ手シャフトが、前記取っ手シャフトに沿ってタブ支持端部からタブなし端部へと遠位方向に延長する片持ち式タブを含み、前記タブなし端部が内側に撓み、したがって前記取っ手シャフトが前記近位方向後退位置から前記遠位方向延長位置へと前進する間に、前記取っ手シャフトが回転中にねじ部分によって形成された溝内に前記第2係合部材が位置決めされ、前記傾斜部分が前記タブなし端部を前記ねじ部分から外側に撓め、したがって前記第2係合部材が前記ねじ部分内に位置決めされず、前記取っ手シャフトが前記遠位方向延長位置から前記近位方向後退位置へと前進するにつれて、前記第2係合部材が前記ねじ部分にわたって軸方向に並進する、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項20】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記外部被覆内に位置決めされる、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項21】
前記トルク伝達被覆の前記遠位端が前記取っ手内に位置決めされる、請求項13に記載の導入器システム。
【請求項22】
患者の体内の植え込み部位にリードの遠位固定螺旋構造を位置決めし、固定係合させる方法であって、
取っ手が第1取っ手位置にある間に、前記取っ手およびトルク伝達被覆を通ってリードを挿入させ、前記取っ手を通って前記リードの前進および回転を可能にし、前記リードの遠位固定螺旋構造を外部被覆遠位端から所定の距離だけ外側に延長させるステップと、
前記取っ手内に前記リード本体を固定係合させるステップと、
前記外部被覆内で前記固定螺旋構造を前進させるために、前記外部被覆内で前記リードおよび前記トルク伝達被覆を後退させるステップと、
前記植え込み部位で前記外部被覆を位置決めするステップと、
前記外部被覆を通して前記リードおよび前記トルク伝達被覆を同時に回転させ前進させ、前記固定螺旋構造を前記外部被覆の前記端部から所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を前記所定の距離回転させて、前記植え込み部位に固定係合させるために、前記取っ手を回転させるステップとを含む方法。
【請求項23】
回転させる前記ステップがさらに、前記固定螺旋構造を前進させて前記外部被覆の遠位遠位端から前記所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を前記植え込み部位で所定の回転数だけ回転させるために、前記取っ手の前記回転を制御するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
回転させる前記ステップがさらに、
第1回転ピッチおよび回転数を有するねじ部分の第1部分、第2回転ピッチおよび回転数を有する第2部分、および第3回転ピッチおよび回転数を有する第3部分を通して係合部材を前進させるステップを含み、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分が、前記リードのトルク伝達特性に対応する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
さらに、前記取っ手が、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向に延長する位置から、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内に位置決めされることに対応する近位方向に後退する位置へと前進するにつれ、前記ねじ部分にわたって前記係合部材を軸方向に並進させるステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
リードの遠位固定螺旋構造を植え込み部位に位置決めし固定状態で係合させキャップを含む導入器システムであって、
前記リードを取っ手の第1位置に選択的に固定状態で位置決めする手段と、
前記固定螺旋構造を前進させて、外部被覆の遠位端から所定の距離だけ外側に延長させ、前記固定螺旋構造を所定の回転数だけ回転させるために、前記第1部分と同時に前記取っ手の第2部分の回転を制御する手段と、
前記固定螺旋構造を前記所定の回転数だけ回転させるために、制御手段による前記取っ手の前記第1部分および前記第2部分の前記回転に対応するトルクを、前記リードの遠位部分に伝達する手段とを備える導入器システム。
【請求項27】
さらに、前記取っ手の前記第1部分および前記第2部分を回転させずに、前記取っ手の前記第1部分および前記第2部分を、前記固定螺旋構造が前記外部被覆の前記遠位端から十分に延長することに対応する遠位方向に延長する位置から、前記固定螺旋構造が前記外部被覆内で位置決めされることに対応する近位方向に後退する位置へと軸方向に前進させる手段を備える、請求項26に記載の導入器システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2006−516452(P2006−516452A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503043(P2006−503043)
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/002160
【国際公開番号】WO2004/069329
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(591007804)メドトロニック・インコーポレーテッド (243)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/002160
【国際公開番号】WO2004/069329
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(591007804)メドトロニック・インコーポレーテッド (243)
【Fターム(参考)】
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