説明

固定陽極型X線管および一体型X線発生装置

【課題】固定陽極型X線管の陽極に取り付けられる冷却フィンが高い耐電圧性能を有する一体型X線発生装置を提供する。
【解決手段】一体型X線発生装置は、主要部の固定陽極型X線管11および高電圧発生器12を絶縁油13で充填された一つのハウジング14内に収納した構造になっている。固定陽極型X線管11から放射するX線27は放射窓15から取り出される。固定陽極型X線管11は、例えばガラス製の真空外囲器16内において、陰極側に陰極フィラメント17と集束電極18、陽極側に陽極ターゲット19が配置されている。そして、外部に延出した陽極20の端部に熱伝導特性および耐電圧特性が優れたセラミックス材料により形成された冷却フィン21が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定陽極型X線管および一体型X線発生装置に係り、特に、その固定した陽極ターゲットで発生する熱の放熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
X線管は、高真空下で陰極側から放出し加速した電子ビームを陽極側に配置の陽極ターゲットに衝突させ、陽極ターゲットからX線を放射させる電子管であって、例えば医療診断、非破壊検査、分析評価などの種々の用途におけるX線発生手段として使用されている。このX線管には、大別して、瞬時的に大負荷に耐えられる回転陽極型X線管と、一般に短時間の許容負荷は比較的に小さく長時間にわたって使用できる固定陽極型X線管がある。そして、その用途に応じて陽極および陰極間に数10kV〜200kV程度の高電圧が印加され、エネルギー供給がなされる。
【0003】
X線管に供給される上記エネルギーは、X線の他にその大部分例えば99%以上は熱に変わり、X線が高出力になるに従いX線管からの発熱量が増加することから、X線管およびそれを装着したX線発生装置に対する放熱機構が、その用途に応じて種々に施される。そして、固定陽極型X線管を使用した一体型X線発生装置は、X線の高出力化と共に、装置の小型軽量化、低コスト化、信頼性向上等が強く求められ、その放熱の仕方が種々に検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、従来からよく使用されている一体型X線発生装置の一例の概略構成について図6を参照して説明する。図6に示したX線発生装置は、例えば医療用としてコンパクト化されたモノタンク式と呼ばれる一体型X線発生装置であり、主要部となる固定陽極型X線管101および高電圧発生器102を絶縁油103で充填された一つのハウジング104内に収納した構成になっている。なお、固定陽極型X線管101から放射するX線はハウジング104の一部に設けられた放射窓105から取り出されるようになっている。通常、このハウジング104は導電体材により形成され、あるいはその内壁にX線遮蔽材が取り付けられている。
【0005】
固定陽極型X線管101は、図6においてその管の一部を切截して示しているように、ガラス製の真空外囲器106内の陰極側に配置の陰極フィラメント107と集束電極108、陽極側に配置の陽極ターゲット109、真空外囲器106から外部に延出した例えば銅(Cu)製の陽極110、および陽極110の端部に取り付けられた金属材から成る冷却フィン111を有する。
【0006】
そして、高電圧発生器102は、例えば高圧トランス、フィラメント用トランスを備え、低圧用ケーブル112を通した低圧の交流入力から高電圧を生成する。また、高圧用ケーブル113を通して陽極110に所望の高電圧が供給され、フィラメント用ケーブル114を通して陰極側に所要の電圧が供給される。
【0007】
一体型X線発生装置の動作では、陰極フィラメント107から放出し集束電極108により集束された電子ビーム115は、高電圧が印加された陽極ターゲット109に衝突しX線116と熱117を発生させる。ここで、X線116は放射窓105から外部に取り出される。そして、陽極ターゲット109で発生した熱117は、陽極110を伝導しその端部の例えば銅製の冷却フィン111からの輻射、伝導により絶縁油103に伝達され、更に絶縁油103の対流によりハウジング104に伝達される。ハウジング104に伝達された熱は、ハウジング104から外気に放熱され、あるいは、図示しないがハウジング104を連結支持するX線装置の支持アームに伝達されて固定陽極型X線管101が冷却されるようになっている。
【特許文献1】特開2002−25792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、例えば外科用あるいは歯科用に使用されるX線装置、産業用X線検査装置は、現在益々、固定陽極型X線管におけるX線の高出力化と共に、装置の小型軽量化、低コスト化、信頼性向上等が強く求められている。そこで、例えばX線の高出力化のために、陽極および陰極間の印加電圧が高圧化されたり、真空外囲器106とハウジング104の放射窓105間の離間距離が縮小化されて、X線出力の向上が図られる。
【0009】
しかしながら、図6で説明したような従来の固定陽極型X線管および一体型X線発生装置では、陽極110と一体の金属材料から成る冷却フィン111は、接地電位にあるハウジング104との間で放電を起こし易く、その耐電圧が低い。このために、冷却フィン111とハウジング104との間の離間距離の縮小は制限されてきた。そして、陽極および陰極間の高電圧化と一体型X線発生装置のコンパクト化の両立が難しいものになっていた。また、冷却フィン111の各フィンの拡大が制約を受け、冷却効率を向上させることが難しいという問題があった。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、固定陽極型X線管の陽極に取り付けられる冷却フィンが高い耐電圧性能を有し、その冷却効率が高くなるX線管およびそれを用いた一体型X線発生装置を提供することを主目的とする。そして、一体型X線発生装置において、そのX線の高出力化、小型軽量化、低コスト化あるいは信頼性向上を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明にかかる固定陽極型X線管は、陰極フィラメントおよび陽極ターゲットが真空外囲器内に収納され、前記陽極ターゲットに連結する陽極の一部が前記真空外囲器の外まで延出した固定陽極型X線管において、前記陰極フィラメントから放出される電子ビームが前記陽極ターゲットに衝突して発生するX線および熱のうち、該熱を前記固定陽極型X線管の外に放熱する冷却フィンが、セラミックス材を有して成り、前記真空外囲器の外に延出した前記陽極の端部に形成されている、構成になっている。
【0012】
そして、本発明にかかる一体型X線発生装置は、上記発明の固定陽極型X線管と、前記固定陽極型X線管で使用する高電圧を発生させるための電圧発生回路とを、絶縁油が充填されたハウジング内に収納し、前記冷却フィンと前記ハウジングの間の耐電圧を向上させた構成になっている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、固定陽極型X線管の陽極に取り付けられる冷却フィンが高い耐電圧性能を有し、その冷却効率が高くなるX線管およびそれを用いた一体型X線発生装置を提供することができる。そして、一体型X線発生装置において、そのX線の高出力化、小型軽量化、低コスト化、信頼性向上等が容易に実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の好適な実施形態のいくつかについて図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は一部省略される。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる固定陽極型X線管およびそれを用いた一体型X線発生装置について図1および図2を参照して説明する。ここで、図1は一体型X線発生装置の一例を示す概略構成図であり、図2は上記X線管に取り付けられた冷却フィンの一例を示す図1のX−X矢視の一部拡大断面図である。
【0015】
図1に示すように、例えば医療用に使用されるモノタンク式と呼ばれる一体型X線発生装置は、主要部となる固定陽極型X線管11および高電圧発生器12を絶縁油13で充填された一つのハウジング14内にコンパクトに収納した構造になっている。ここで、固定陽極型X線管11から放射したX線は放射窓15から取り出される。なお、ハウジング14は導電体材により形成され接地電位に固定されている。あるいは、その内壁にはX線遮蔽材が取り付けられている。
【0016】
固定陽極型X線管11は、例えばガラス管球のような真空外囲器16内において、その陰極側に陰極フィラメント17と集束電極18、陽極側に陽極ターゲット19が配置されている。陽極ターゲット19は一体の陽極20になり真空外囲器16から外部へ真空気密に延出される。ここで、陽極ターゲット19は、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属から成り、陽極20は例えば銅から成る。
【0017】
そして、外部に延出した陽極20の端部に熱伝導特性および耐電圧特性に優れたセラミックス材料により形成された冷却フィン21が取り付けられている。ここで、冷却フィン21は、所要の枚数の円盤状フィン(図では3枚)を有し、図2に示すように、真空外囲器16から延出した陽極20にボルト22が螺合することにより結合している。
【0018】
その他に、上記冷却フィン21の陽極20への結合は、一体型X線発生装置の動作において陽極20が例えば200〜300℃程度の温度に加熱されることを考慮し、耐熱性のある樹脂接着剤による接着、あるいはハンダ接合、ロウ付け等によっても行うことができる。ここで、樹脂接着剤としては、例えば銀(Ag)粉末入りのポリイミド樹脂あるいはシリコン樹脂が好適に使用できる。ここで、上記結合においては適宜に金属コバールを介在させても構わない。
【0019】
上記セラミックス材料としては、酸化アルミニウム(Al)が代表的であるが、例えば窒化アルミニウム(AlN)あるいはベリリア等の熱伝導率が高く電気絶縁性のあるセラミックスが好適である。ここで、AlNを使用する場合その熱伝導率は150W/m・K以上になる。また、ベリリア材料では、母材である酸化ベリリウム(BeO)に酸化マグネシウム(MgO)と酸化アルミニウム(Al)を適度に添加し高温焼成したものが好ましい。この場合の熱伝導率は200W/m・K以上になりアルミニウム(Al)等の金属並みになる。しかし、銅の場合の390W/m・K程度よりも小さい。
【0020】
その他に使用できるセラミックス材料としては、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(SiN)、酸化アルミニウムあるいは窒化ホウ素(BN)のようなセラミックスが挙げられる。
【0021】
このようなセラミックス材料から構成された冷却フィン21であると、冷却フィン21を構成している各フィンがその電気絶縁性による高い耐電圧を有することから、ハウジング14との離間距離は従来に較べて大きく低減できる。このために、冷却フィン21の寸法を大きくし、その表面面積を拡張し絶縁油13との接触面積を増大させることが容易になる。そして、この接触面積の増加により冷却効率が大幅に向上するようになる。
【0022】
なお、高電圧発生器12は、従来技術で説明したのと同じように例えば高圧トランス、フィラメント用トランスを備え、低圧用ケーブル23を通した低圧の交流入力から高電圧を生成し、高圧用ケーブル24を通して陽極20に所望の高電圧を供給し、フィラメント用ケーブル25を通して陰極側に所要電圧を供給する。
【0023】
本実施形態の一体型X線発生装置の動作では、電子ビーム26が陽極ターゲット19に衝突し、X線27が放射窓15から外部に取り出され、陽極ターゲット19で発生した熱28は、陽極20を伝導しその端部のセラミックス材料から成る冷却フィン21からの輻射、伝導により絶縁油13に伝達され、更に絶縁油13の対流によりハウジング14に伝達される。ハウジング14に伝達された熱は、ハウジング14から外気に放熱され、あるいは、図示しないがハウジング14を連結支持するX線装置の支持アームに伝達されるようになっている。ここで、ハウジング14の外壁に例えば多数のフィン状のヒートシンクである放熱板が取り付けられてもよい。
【0024】
本実施形態では、固定陽極型X線管の陽極ターゲット19で発生する熱は、X線管の陽極端部に結合する熱伝導特性が優れたセラミックス材料から成る冷却フィン21を通して、ハウジング14内の絶縁油13と効率的に熱交換され、最終的にハウジング14から外部に安定的に放熱される。また、冷却フィン21は耐電圧特性に優れたセラミックス材料から成ることから、X線管の高信頼性および高電圧の動作が可能になりX線の安定した高出力化が容易になる。あるいは、ハウジング14との離間距離を縮小することができるようになり、冷却フィン21の各フィンを大きくしその表面積を増大させることにより、固定陽極型X線管の冷却効率は簡便に向上できるようになる。この冷却効率の向上もX線の高出力化を容易にする。
【0025】
あるいは、X線管11とハウジング14との離間距離を容易に縮小化できることから、固定陽極型X線管の高電圧化および一体型X線発生装置のコンパクト化が可能になる。このようにして、X線の高出力化、小型軽量化、低コスト化あるいは信頼性向上が容易な一体型X線発生装置が簡便に実現される。
【0026】
上記実施形態の冷却フィン21としては種々の形状のものが考えられる。例えば、冷却フィン21は、円盤状のフィンに換えて矩形盤状、多角形盤状あるいはこれ等を組み合わせた複数枚のフィンを有するように構成されていてもよい。
【0027】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる固定陽極型X線管およびそれを用いた一体型X線発生装置について図3および図4を参照して説明する。ここで、図3は一体型X線発生装置の他の例を示す概略構成図であり、図4は上記X線管に取り付けられた冷却フィンの一例を示す図3のX−X矢視の一部拡大断面図である。
【0028】
図3に示すように、固定陽極型X線管11aはサイドウインド型のX線管である。このX線管では、その真空外囲器16の一部に筒状の開口部29が設けられ、その縁端がフランジ部30によりハウジング14の所定の領域に固設できX線出力を向上させるようになっている。なお、このフランジ部30には例えばベリリウム(Be)から成る放射窓15が取り付けられ、真空外囲器16は高真空に保持されている。そして、この場合のモノタンク式の一体型X線発生装置においても、固定陽極型X線管11aおよび高電圧発生器12は絶縁油13で充填されたハウジング14内に収納される。ここで、固定陽極型X線管11aから放射したX線は放射窓15から高効率に取り出される。
【0029】
固定陽極型X線管11aは、例えばセラミックス製の真空外囲器16内の陰極側に陰極フィラメント17と集束電極18、陽極側に陽極ターゲット19が配置されている。そして、陽極ターゲット19は一体の陽極20になり真空外囲器16から外部へ真空気密に延出されている。
【0030】
そして、外部に延出した陽極20の端部に熱伝導特性および耐電圧特性が優れたセラミックス材料により表面をコーティングした冷却フィン21aが取り付けられている。この冷却フィン21aは、図3に示すように所要の枚数の円盤状フィン(図では3枚)を有し、金属材から成るフィン基体部31の表面がセラミックス材料から成るコーティング層32により被覆されている。ここで、コーティング層32は、例えば所望のセラミックス材料のプラズマ溶射、あるいはセラミックス板の接着等により形成される。この接着では、耐熱性の樹脂接着剤としては、例えば銀(Ag)粉末入りのポリイミド樹脂あるいはシリコン樹脂が好適に使用できる。あるいは、コーティング層32の形成においては適宜に金属コバールを介在させても構わない。
【0031】
そして、フィン基体部31は、真空外囲器16から延出した陽極20にボルト22の螺合により結合している。この冷却フィン21aの陽極20への結合は、第1の実施形態で説明したように、耐熱性のある樹脂接着剤による接着、あるいはハンダ接合、ロウ付け等によっても行うことができる。
【0032】
上記セラミックス材料としては、例えば窒化アルミニウムあるいはベリリア等が挙げられる。その他に、炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウムあるいは窒化ホウ素等も好適に使用できる。
【0033】
このようなセラミックス材料で表面が覆われた冷却フィン21aであると、冷却フィン21a表面の上記コーティング層32が耐電圧性を有することから、ハウジング14との離間距離を従来に較べて低減させることができる。このため、冷却フィン21aの寸法を大きくしその表面面積を増大させることができる。そして、簡便に面積増加による冷却効率が向上するようになる。
【0034】
高電圧発生器12は、第1の実施形態で説明したように、例えば同じ高圧トランス、フィラメント用トランスを備え、低圧用ケーブル23を通した低圧の交流入力から高電圧を生成し、高圧用ケーブル24を通して陽極20に所望の高電圧を供給し、フィラメント用ケーブル25を通して陰極側に所要の電圧を供給する。
【0035】
なお、第2の実施形態の一体型X線発生装置の動作は、第1の実施形態の場合とほぼ同様になるので説明は省略する。
【0036】
本実施形態では、第1の実施形態で説明したのと同様の効果が生じる。そして、このサイドウインド型の固定陽極型X線管において、陽極ターゲット19のX線が出射する位置から放射窓15の間の距離を小さくすることが容易になり、放射窓15から放射されるX線27の放射角度を増大させ、その照射範囲を拡大することが可能になる。
【0037】
次に、上記実施形態の変形例について図5を参照して説明する。図5は上述したような固定陽極型X線管に取り付ける冷却フィンの変形例を示した一部拡大断面図である。図5に示すように、冷却フィン21bは、セラミックス材料から成る複数枚の板状フィン33(図5では3枚)と、これ等を連接する金属材料から成る連接部材34から成り、これ等がボルト22により一体化され連設して陽極20に結合される構造になっている。
【0038】
ここで、板状フィン33のセラミックス材料としては、例えば窒化アルミニウム、ベリリア、炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウムあるいは窒化ホウ素等が好適に使用できる。また、連接部材34の金属材料としては、例えば銅、アルミニウム合金等が好適に使用される。
【0039】
本実施形態の変形例においても、冷却フィン21bは第1の実施形態あるいは第2の実施形態の場合と同様に固定陽極型X線管に取り付けられ、それ等で説明したのと同様の効果を奏する。
【0040】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる一体型X線発生装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる固定陽極型X線管に取り付けられた冷却フィンの一例を示す図1のX−X矢視の一部拡大断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかる一体型X線発生装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる固定陽極型X線管に取り付けられた冷却フィンの一例を示す図3のX−X矢視の一部拡大断面図である。
【図5】本発明の実施形態における固定陽極型X線管に取り付けられる冷却フィンの変形例を示す一部拡大断面図である。
【図6】従来の技術における一体型X線発生装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0042】
11,11a…固定陽極型X線管,12…高電圧発生器,13…絶縁油,14…ハウジング,15…放射窓,16…真空外囲器,17…陰極フィラメント,18…集束電極,19…陽極ターゲット,20…陽極,21,21a,21b…冷却フィン,22…ボルト,23…低圧用ケーブル,24…高圧用ケーブル,25…フィラメント用ケーブル,26…電子ビーム,27…X線,28…熱,29…開口部,30…フランジ部,31…フィン基体部,32…コーティング層,33…板状フィン,34…連接部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰極フィラメントおよび陽極ターゲットが真空外囲器内に収納され、前記陽極ターゲットに連結する陽極の一部が前記真空外囲器の外まで延出した固定陽極型X線管において、
前記陰極フィラメントから放出される電子ビームが前記陽極ターゲットに衝突して発生するX線および熱のうち、該熱を前記固定陽極型X線管の外に放熱する冷却フィンが、セラミックス材を有して成り、前記真空外囲器の外に延出した前記陽極の端部に形成されていることを特徴とする固定陽極型X線管。
【請求項2】
前記冷却フィンは、金属部材の表面がセラミックス層で被覆された構造になっていることを特徴とする請求項1に記載の固定陽極型X線管。
【請求項3】
前記冷却フィンは、複数枚のセラミックス材から成る板状フィンを有し、隣接する前記板状フィンが金属材により連設された構造になっていることを特徴とする請求項1に記載の固定陽極型X線管。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の固定陽極型X線管と、前記固定陽極型X線管で使用する高電圧を発生させるための電圧発生回路とを、絶縁油が充填されたハウジング内に収納してなり、前記冷却フィンと前記ハウジングの間の耐電圧を向上させたことを特徴とする一体型X線発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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