固形物分離システム
【課題】分離効率を向上して処理時間を短縮するとともに、設置スペースを縮小する。
【解決手段】原水に、原水に含まれる固形物を凝集してフロックを形成する凝集剤を注入する凝集剤注入装置6と、水流を利用して、凝集剤が注入された原水を攪拌して送出する凝集剤攪拌装置7と、攪拌された原水を流入すると、流入した原水を滞留してフロックを形成するとともに、水流を利用して送出するフロック形成槽15と、フロックを含む原水を流入すると、水流を利用して流入した原水を旋回するとともに、遠心力によって固形物であるフロックと処理水とに分離する遠心分離装置16と、遠心分離機で分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽18と、スラッジ貯留槽で貯留されたスラッジを凝集剤注入装置が凝集剤を注入する前の原水に混合する循環ラインLとを備える。
【解決手段】原水に、原水に含まれる固形物を凝集してフロックを形成する凝集剤を注入する凝集剤注入装置6と、水流を利用して、凝集剤が注入された原水を攪拌して送出する凝集剤攪拌装置7と、攪拌された原水を流入すると、流入した原水を滞留してフロックを形成するとともに、水流を利用して送出するフロック形成槽15と、フロックを含む原水を流入すると、水流を利用して流入した原水を旋回するとともに、遠心力によって固形物であるフロックと処理水とに分離する遠心分離装置16と、遠心分離機で分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽18と、スラッジ貯留槽で貯留されたスラッジを凝集剤注入装置が凝集剤を注入する前の原水に混合する循環ラインLとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理や浄水処理等の水処理で固形物を含む原水から固形物を分離する固形物分離システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水処理では、懸濁物質や濁度成分等の固形物の分離処理には、凝集剤及び凝集助剤を利用するフロック形成と、重力沈降槽における沈降分離とを組み合わせた固形物分離システムが多く利用されている。重力沈降を利用するシステムでは、フロックが沈降するために必要な時間、原水を重力沈降槽に滞留させる必要がある。したがって、重力沈降槽は、容量を大きくする必要がある。これに対し、重力沈降槽の容量を縮小するとともに、分離効率を向上する目的で、傾斜管や傾斜板を利用して処理速度の向上することができるが、処理速度の短縮や重力沈降槽の容量の縮小には限界があった。
【0003】
この重力沈降の利用による処理速度の短縮や重力沈降槽の容量の縮小の課題を解決する有効な手段として、液体サイクロンのような遠心分離装置がある(例えば、特許文献1参照)。液体サイクロンでは内部で砂分を含む原水を旋回させ、遠心力を利用して所定の粒径以上の砂分を、原水から分離する。このような液体サイクロンでは、重力よりも加速度の大きな遠心力を利用するため、重力を利用する場合よりも短時間で固形物である砂分を分離することができるとともに、液体サイクロンの容量を重力沈降槽の容量よりも縮小することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−313900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、液体サイクロンでは、原水を高速で旋回させるため、結合力の小さいフロックのように旋回流で破壊されやすい物質の分離には液体サイクロンを利用することはできなかった。したがって、原水からフロックのように破壊されやすい物質を分離するためには処理速度が長くて容量が大きい重力沈降槽の使用が避けられなかった。また、液体サイクロンでは、原水の流入による旋回流で遠心力を生み出すため、一定以上の流入流速を常に与える必要があり、流入水量負荷変動に対応することが困難であった。さらに、流入固形物量についても一定以上の負荷をかけると、分離効率が低下して固形物回収能力が低下するため、流入固形物負荷の変動に対応することが困難であった。
【0006】
したがって、本発明によれば、結合力の大きいフロックの生成を促進するとともに、流入水量負荷や流入固形物負荷を一定にして分離効率を向上して処理時間を短縮するとともに、設置スペースを縮小する固形物分離システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、原水ポンプを介して固形物を含む原水を流入し、この原水を固形物と処理水とに分離する固形物分離システムであって、前記原水ポンプで発生した水流を利用して流れる原水に、原水に含まれる固形物を凝集してフロックを形成する凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、前記水流を利用して、凝集剤が注入された原水を攪拌して送出する凝集剤攪拌装置と、攪拌された原水を流入すると、流入した原水を滞留してフロックを形成するとともに、前記水流を利用して送出するフロック形成槽と、フロックを含む原水を流入すると、前記水流を利用して流入した原水を旋回するとともに、遠心力によって固形物であるフロックと処理水とに分離する遠心分離装置と、前記遠心分離機で分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽と、前記スラッジ貯留槽で貯留されたスラッジを前記凝集剤注入装置が凝集剤を注入する前の原水に混合する循環ラインとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、固形物分離システムにおける分離効率を向上して処理時間を短縮するとともに、設置スペースを縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図2】第2の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図3】第3の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図4】第4の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図5】第5の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図6】第6の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図7】第7の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図8】第8の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図9】第9の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図10】第10の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図11】第11の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を用いて本発明の各実施形態に係る固形物分離システムについて説明する。以下の説明において、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
〈第1の実施形態〉
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る固形物分離システム100aは、処理対象となる原水を第1ラインL1を介して原水タンク1から導入する原水ポンプ4と、第2ラインL2を流れる原水に凝集剤を注入する凝集剤注入装置6と、凝集剤が注入された原水を攪拌する凝集剤攪拌装置7と、原水に含まれる固形物をフロックに成長させるフロック形成槽15と、遠心力を利用して原水をフロックとなった固形物と処理水とに分離する遠心分離装置16と、分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽18とを備えている。また、スラッジ貯留槽23で貯留されたスラッジは、循環ラインLを介して第1ラインL1を流れる原水に循環される。
【0012】
原水ポンプ4は、固形物分離システム100aに導入する原水を遠心分離装置16にまで送水されるような水流で送水する。
【0013】
凝集剤注入装置6は、第2ラインL2を流れる原水に、原水に含まれる固形物を凝集させる凝集剤を注入する。この凝集剤注入装置6は、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸バンド、ポリ硫酸鉄等の無機系の凝集剤から、原水に含まれる固形物に応じて選択された適当な種類及び量の凝集剤を注入する。
【0014】
凝集剤攪拌装置7は、第2ラインL2上に設けられ、ラインミキサ等、水流のみを利用して他の動力を必要とせずに原水と凝集剤とを攪拌する装置である。凝集剤攪拌装置7で原水と凝集剤を攪拌することにより、フロック形成槽15内でフロックを成長しやすくする。
【0015】
フロック形成槽15では、凝集剤攪拌装置7で攪拌された原水が流入すると、内部に滞留中に原水に含まれる固形物が凝集し、フロックが形成される。フロック形成槽15は密閉形状であり、形成されたフロックを含む原水は、原水ポンプ4で発生した水流によって新たに流入する原水によって押し出され、遠心分離装置16に送水される。
【0016】
フロック形成槽15に流入する原水には、溶解性のガス、凝集剤供給の際に侵入したガスが含まれることがある。このフロック形成槽15は、密閉型であるため、原水に含まれて侵入したガス(気体)を排出する機構がないと、フロック形成槽15内でガスやスカムが残存し、フロック形成の効率を低下させることがある。したがって、フロック形成槽15には、フロック形成槽15内で残存しているガスを排出するガス抜き機構(図示せず)と、スカムを排出するスカム抜き機構(図示せず)を備えることが望ましい。ガス抜き機構やスカム抜き機構を備えたフロック形成槽では、内部でのフロックの残存を防止することができる。ここで、凝集剤撹拌装置7で凝集剤を均一に混合させるとともに、フロック形成槽15で水流による撹拌をフロックに与えるといった撹拌による混合効果と、滞留時間を稼ぐことで、フロックは遠心分離が可能な程度に強化される。
【0017】
遠心分離装置16は、内部で旋回させるように原水を流入し、流入する原水の旋回で遠心力を発生させ、この遠心力によってフロックに重力よりも大きい加速度を与え、沈降速度を高めながらフロックを沈降させて原水を処理水と固形物(フロック)に分離する。
【0018】
スラッジ貯留槽18は、遠心分離装置16で分離したフロックをスラッジとして貯留する。スラッジ貯留槽18は循環ラインLを介して第1ラインL1と接続されており、スラッジ貯留槽18で貯留されているスラッジの一部は循環水として、遠心分離装置における流入水量負荷や流入固形物負荷の変動を防止するため、循環ラインLを介して第1ラインL1を流れる原水に混合される。また、第1循環ラインLを介して第1ラインL1に循環されない残りのスラッジは、脱水装置(図示せず)に送出されて脱水処理を経て廃棄物等として処理される。
【0019】
上述したように、第1の実施形態に係る固形物分離システム100aでは、流入水量負荷や流入固形物負荷の変動を防止するため、循環ラインLを介して原水に循環水を混合している。したがって、固形物分離システム100aでは、循環ラインLによってスラッジを循環させるという簡易な構成によって原水ポンプ4で一定の水流を保っていても、システム内における水流を安定させることができる。
【0020】
また、固形物分離システム100aでは、従来の固形物分離システムで利用していた混和槽を備えず、原水ポンプ4からフロック形成槽15に原水を送水する第2ラインL1上に混和槽よりも小型の凝集剤攪拌装置7を設置している。加えて、固形物分離システム100aでは、従来の固形物分離システムで利用していた重力沈降槽に代えて、重力沈降槽よりも小型の遠心分離装置16を有している。したがって、固形物分離システム100aによれば、システムを簡易化してコンパクトにし、設置スペースを縮小することができる。
【0021】
さらに、固形物分離システム100aでは、遠心分離装置16が旋回流を発生して重力とともに遠心力を利用してフロックを沈降させる。したがって、固形物分離システム100aによれば、従来の重力のみを利用する場合と比較して短時間でフロックを沈降させるため、分離効率を向上することができる。
【0022】
また、固形物分離システム100aでは、原水ポンプ4のみによって遠心分離装置16にまで原水を送水しており、凝集剤攪拌装置7及び遠心分離装置16は水流の動力のみによって攪拌又は分離することができる。したがって、固形物分離システム100aは、原水ポンプ4以外の動力を必要としないため、低エネルギを実現することができる。例えば、固形物分離システム100aでは、従来の固形物分離システムで利用していた混和装置、混合装置及び重力沈降槽で沈降したフロックを収集する手段等の動力を利用しないため、低エネルギを実現することができる。
【0023】
〈第2の実施形態〉
図2に示すように、本発明の第2の実施形態に係る固形物分離システム100bは、図1を用いて上述した第1の実施形態に係る固形物分離システム100aと比較して、原水ポンプ4、凝集剤注入装置6、凝集剤攪拌装置7、フロック形成槽15、遠心分離装置16及びスラッジ貯留槽18の他に、第1凝集助剤注入装置11、第1凝集助剤攪拌装置12、第2凝集助剤注入装置13及び第2凝集助剤攪拌装置14を備えている点で異なる。この固形物分離システム100bでのフロック形成槽15には、凝集剤攪拌装置7で凝集剤が攪拌された後、さらに第1凝集助剤攪拌装置12及び第2凝集助剤攪拌装置14で凝集助剤が攪拌された原水が送水される。
【0024】
第1凝集助剤注入装置11は、凝集剤攪拌装置7で攪拌された原水が流れる第3ラインL3を流れる原水に、凝集剤によって形成されるフロックを強固に又は大きく形成させる凝集助剤を注入する。この第1凝集助剤注入装置11は、ポリアクリルアミド等の有機高分子凝集剤やポリシリカ等の無機高分子凝集剤から、原水に含まれる固形物に応じて選択された適当な種類及び量の凝集助剤を注入する。
【0025】
すなわち、遠心分離装置16に流入したフロックの結合力が小さく、フロックが軟らかい場合、原水の水流で生じるせん断力により、フロックは微細化して回収しにくくなる。また、遠心分離装置16に流入したフロックの径が小さい場合、遠心力によってフロックを回収しにくくなる。したがって、第1凝集助剤注入装置11でフロックを強固に又は大きく形成する凝集助剤を注入し、フロックを回収しやすい性質にすることで、原水中の固形物の回収率が向上する。
【0026】
第1凝集助剤攪拌装置12は、第3ラインL3上に設けられ、ラインミキサ等、水流のみを利用して他の動力を必要とせずに原水と凝集助剤とを攪拌する装置である。第1凝集助剤攪拌装置12で原水と凝集助剤を攪拌することにより、フロック形成槽15内でフロックを回収しやすい性質に形成しやすくする。
【0027】
第2凝集助剤注入装置13は、第1凝集助剤攪拌装置12で攪拌された原水が流れる第4ラインL4を流れる原水に、凝集剤によって形成されるフロックを強固に又は大きく形成させる凝集助剤を注入する。この第2凝集助剤注入装置13は、第1凝集助剤注入装置11で注入した凝集助剤と異なる凝集助剤を注入する。例えば、原水中に含まれる固形物がアルミニウムや鉄を原料とした凝集剤と親和性が高く硬いフロックが形成される無機化合物である場合には、遠心分離装置16でフロックが容易に粉砕されることはないが、原水中に含まれる固形物が凝集剤と親和性が高くない場合には、遠心分離装置16の内部の旋回流によるせん断応力でフロックが粉砕されるおそれがある。そのため、予めジャーテスト等で実験を行い、硬いフロックが形成される凝集助剤(例えば、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダなど)を選定し、第2凝集助剤注入装置13は、選定した凝集助剤を注入する。
【0028】
第2凝集助剤攪拌装置14は、第4ラインL4上に設けられ、ラインミキサ等、水流のみを利用して他の動力を必要とせずに原水と凝集助剤とを攪拌する装置である。第2凝集助剤攪拌装置14で原水と凝集助剤を攪拌することにより、フロック形成槽15内でフロックを回収しやすい性質に形成することができる。
【0029】
なお、ここでは、第1凝集助剤注入装置11と第2凝集助剤注入装置13で異なる凝集助剤を注入する例で説明したが第1凝集助剤注入装置11と第2凝集助剤注入装置13が同一の凝集助剤を注入してもよい。同一の凝集助剤を2回に分けて注入した場合、一旦、小粒径のフロックを形成した後に、再び凝集助剤を注入することでフロック同士を凝集し、より大粒径のフロックへと成長させるため、、フロックを回収しやすい性質に形成しやすくなる。また、原水に含まれる固形物がフロックを形成しやすい性質である場合、第2凝集助剤注入装置13は有さず、第1凝集助剤注入装置11のみで凝集助剤を注入してもよい。
【0030】
上述したように、第2の実施形態に係る固形物分離システム100bでは、凝集助剤注入装置11,13によって凝集助剤を注入してフロックを遠心分離装置16で回収しやすい性質に形成させる。したがって、固形物分離システム100bによれば、フロックの分離効率の向上により原水からの固形物の回収率を向上し、処理水の清澄を安定させることができる。
【0031】
また、第2の実施形態に係る固形物分離システム100bによれば、第1の実施形態に係る固形物分離システム100aと同様に、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0032】
〈第3の実施形態〉
図3に示すように、本発明の第3の実施形態に係る固形物分離システム100cは、図2を用いて上述した第2の実施形態に係る固形物分離システム100bと比較して、原水流量計5、循環流量制御装置24、循環流量計25及び循環流量演算装置27を備えている点で異なる。
【0033】
原水流量計5は、第2ラインL2を流れる原水の流量を測定する。また、循環流量計25は、循環ラインLを流れる循環水の流量を測定する。
【0034】
循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定される原水の流量を入力し、循環流量計25で測定される循環水の流量を入力する。また、循環流量演算装置27は、原水流量計5の指示値と循環流量計25の指示値を入力とし、双方の和から原水ポンプ4で送水している流量を算出し、予め定めた所定の流量との差から循環水量を算出し、循環流量制御装置24を制御する制御信号を出力する。
【0035】
循環流量制御装置24は、循環ラインLに設けられており、循環流量演算装置27から入力する制御信号に従って、第1ラインL1に循環する循環水の流量を制御する。
【0036】
具体的には、第2ラインL2を流れる原水の流量が変化すると、その後の攪拌装置7,13,14、フロック形成槽15及び遠心分離装置16において要求されている水流を保つことができず、その後の攪拌装置7,13,14、フロック形成槽15及び遠心分離装置16が正常に動作することができなくなるおそれがある。また、第2ラインL2を流れる原水の流量が変化すると、その後の第3ラインL3及び第4ラインL4を流れる原水の流量も変動し、凝集剤注入装置6や凝集助剤注入装置11,13が原水に注入する薬品の量が適量ではなくなり、フロックが適正に形成されず、固形物の回収率が低下するおそれがある。
【0037】
したがって、例えば、原水流量計5で測定された原水の水流が予め定めた所定の流量より低い場合、循環流量演算装置27は、循環水の流量を増加させる制御信号を循環流量制御装置24に出力する。一方、原水流量計5で測定された原水の水流が予め定めた所定の流量よりも高い場合、循環流量演算装置27は、循環水の流量を低減させる制御信号を循環流量制御装置24に出力する。
【0038】
上述したように、第3の実施形態に係る固形物分離システム100cでは、循環流量制御装置24によって循環水の流量を調整することができる。したがって、固形物分離システム100cによれば、適切な水流を発生して流入水量負荷を低減し、固形物の回収率の向上及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0039】
また、第3の実施形態に係る固形物分離システム100cによれば、上述した固形物分離システム100a,100bと同様にシステムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0040】
〈第4の実施形態〉
図4に示すように、本発明の第4の実施形態に係る固形物分離システム100dは、図3を用いて上述した第3の実施形態に係る固形物分離システム100cと比較して、原水タンク1の水位を測定する液位センサ2を備えている点で異なる。
【0041】
循環流量演算装置27は、原水タンク1における原水の液位を考慮して、原水に混合する循環水の適切な流量を求め、循環流量制御装置24に制御信号を出力する。このとき、循環流量演算装置27は、液位センサで2で測定された液位とともに、原水流量計5で測定する原水の流量と循環流量計25で測定される循環水の流量とを考慮してもよい。
【0042】
例えば、循環流量演算装置27は、原水タンク1の液位が低い場合には、原水の流量を増やすことはできないから循環水の流量を増やすようにし、原水タンク1の液位が高い場合には、原水の流量を増やすことができるために循環水よりも原水の流量を増やすようにすることができる。
【0043】
上述したように、第4の実施形態に係る固形物分離システム100dでは、循環流量制御装置24で原水タンク1の液位に応じて原水と循環水の流量のバランスを調整することにより、原水を過剰に流入したり、原水が不足したりすることなく、流入水量負荷を安定させることができる。
【0044】
また、第4の実施形態に係る固形物分離システム100dでも、上述した固形物分離システム100a〜100cと同様に固形物の回収率を向上と処理水の安定した清澄を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0045】
〈第5の実施形態〉
図5に示すように、本発明の第5の実施形態に係る固形物分離システム100eは、図4を用いて上述した第4の実施形態に係る固形物分離システム100dと比較して、第3ラインL3を流れる原水にpH調整剤を注入するpH調整剤注入装置8と、pH調整剤が注入された原水を攪拌する調整剤攪拌装置9を備えている点で異なる。
【0046】
pH調整剤注入装置8は、原水のpH値を、原水に注入される凝集剤や凝集助剤が適切な凝集を行なうことができる範囲にするため、酸やアルカリ等のpH調整剤を注入する。pH調整剤を注入して原水のpH値を適切にすることで、フロックをより硬く、回収しやすい性質に形成することができる。
【0047】
上述したように、第5の実施形態に係る固形物分離システム100eでは、pH調整剤注入装置8でpH調整剤を注入して原水のpH値を凝集に最適にすることで、遠心分離処理装置16で回収しやすいフロックに形成させる。したがって、固形物分離システム100bによれば、フロックの分離効率の向上により原水からの固形物の回収率を向上し、処理水の清澄を安定させることができる。
【0048】
また、第5の実施形態に係る固形物分離システム100eでも、上述した固形物分離システム100a〜100dと同様に、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0049】
なお、図5に示す固形物分離システム100eでは、循環流量演算装置27、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25を有しているが、これらは必須の構成ではない。
【0050】
〈第6の実施形態〉
図6に示すように、本発明の第6の実施形態に係る固形物分離システム100fは、図5を用いて上述した第5の実施形態に係る固形物分離システム100eと比較して、調整剤攪拌装置9で攪拌された原水のpH値を測定するpH測定装置10と、pH測定装置10で測定された原水のpH値によってpH調整剤注入装置を制御する調整剤演算装置26を備えている点で異なる。
【0051】
調整剤演算装置26は、pH測定装置10で測定されたpH調整剤を注入後の原水のpH値を入力すると、凝集剤や凝集助剤によってフロックが形成される最適なpH値であるか否かを判定し、pH値が最適でない場合、最適なpH値にするために必要な量のpH調整剤を注入させる制御信号をpH調整剤注入装置8に出力する。
【0052】
上述したように、第6の実施形態に係る固形物分離システム100fでは、pH測定装置10で測定したpH値に応じてpH調整剤の注入量を制御することができる。したがって、固形物分離システムfによれば、原水のpH値の変動に関わらずpH値を一定に保って固形物の分離効率を安定させ、固形物の回収率の向上及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0053】
また、第6の実施形態に係る固形物分離システム100fによれば、上述した固形物分離システム100a〜100eと同様にシステムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0054】
なお、図6に示す例では、調整剤演算装置26は、pH調整剤を注入後の原水のpH値を利用してフィードバック制御しているが、pH調整剤を注入前の原水のpH値を利用してフィードフォワード制御することもできる。
【0055】
また、図6に示す固形物分離システム100fでも、循環流量演算装置27、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25を有しているが、これらは必須の構成ではない。
【0056】
〈第7の実施形態〉
図7に示すように、本発明の第7の実施形態に係る固形物分離システム100gは、図6を用いて上述した第6の実施形態に係る固形物分離システム100fと比較して、スラッジ貯留槽18の汚泥界面の高さを測定する汚泥界面センサ20を備えている点で異なる。
【0057】
スラッジ貯留槽18内のスラッジは、上方は固形物の濃度が低く、下方(底)になるにしたがって固形物の濃度が高くなる傾向にあり、スラッジ貯留槽18内では、汚泥界面が存在する。固形物の濃度が高い循環水を原水に混合させた場合、凝集剤や凝集助剤の注入量を増加させないと適切にフロックが生成できない問題が生じたり、固形物分離システム100gで固形物負荷の増大による処理不能が生じるおそれがある。
【0058】
したがって、循環流量演算装置27は、汚泥界面センサ20で測定された汚泥界面の高さが予め定める所定の高さよりも高い場合には、循環水の流量を減少したり、循環水の原水への混合を中止する制御信号を循環流量制御装置24に循環させる。
【0059】
上述したように、第7の実施形態に係る固形物分離システム100gでは、循環流量演算装置27が汚泥界面センサ20の測定する高さを利用して循環水の循環流量を制御する。したがって、固形物分離システム100gによれば、濁度高い循環水の原水への混合を抑制して流入固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0060】
また、第7の実施形態に係る固形物分離システム100gでも、上述した固形物分離システム100a〜100fと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0061】
〈第8の実施形態〉
図8に示すように、本発明の第8の実施形態に係る固形物分離システム100hは、図7を用いて上述した第7の実施形態に係る固形物分離システム100gと比較して、汚泥界面センサ20で測定された汚泥界面の高さを利用してスラッジ貯留槽18からスラッジを引き抜く高さを求める引抜位置演算装置21と、引抜位置演算装置21から入力する制御信号に従ってスラッジ貯留槽18から引抜位置を制御する引抜位置制御装置22を備えている点で異なる。
【0062】
すなわち、上述したように、スラッジ貯留槽18内のスラッジは、汚泥界面の上と下とで、汚泥の濁度や固形物濃度が異なるが、汚泥の濁度や固形物濃度の高いスラッジを循環水として原水に混合すると、固形物負荷を増大させることになる。引抜位置制御装置22は、固形物分離システム100hにおける固形物負荷の増大を防止するため、スラッジを引き抜く高さを制御する。反対に、原水の固形物負荷が低い場合は、凝集剤注入装置6、pH調整剤注入装置8、第1凝集助剤注入装置11、第2凝集助剤注入装置13での注入量を一定に保ち、遠心分離装置16で処理される原水の水質を一定に保つため、引抜制御装置22の引抜高さを制御して、固形物濃度の高いスラッジを循環させても良い。
【0063】
上述したように、第8の実施形態に係る固形物分離システム100hでは、引抜位置制御装置22が、汚泥界面の高さに応じてスラッジを引き抜く高さを制御する。したがって、固形物分離システム100hによれば、流入固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0064】
また、第8の実施形態に係る固形物分離システム100hでも、上述した固形物分離システム100a〜100gと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0065】
なお、図8に示す固形物分離システム100hでも、循環流量演算装置27、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25を有しているが、これらは必須の構成ではない。
【0066】
〈第9の実施形態〉
図9に示すように、本発明の第9の実施形態に係る固形物分離システム100iは、図8を用いて上述した第8の実施形態に係る固形物分離システム100hと比較して、スラッジ貯留槽18内のスラッジの上澄水の濁度又は固形物濃度を測定するスラッジセンサ19を備えている点で異なる。
【0067】
循環流量演算装置27は、スラッジセンサ19で測定された上澄水の濁度又は固形物濃度を考慮して循環水の流量を演算する。例えば、スラッジ貯留槽18の上澄水の濁度が高い場合や固形物濃度が高い場合、循環流量演算装置27は、固形物負荷の増大を防止するため、原水へ混合する循環水の流量を減少させることができる。このとき、循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定された原水の流量、循環流量計25で測定された循環水の流量及び液位センサ2で測定された原水タンク1における原水の水位を考慮することができる。
【0068】
上述したように、第9の実施形態に係る固形物分離システム100iでは、循環流量演算装置27は、スラッジセンサ19の測定結果である上澄水の濁度や固形物濃度に応じて原水へ混合する循環水の流量を調整する。したがって、固形物分離システム100iによれば、流入固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0069】
また、第9の実施形態に係る固形物分離システム100iでも、上述した固形物分離システム100a〜100hと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0070】
なお、図9に示す固形物分離システム100hでも、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25は必須の構成ではなく、汚泥界面センサ20、引抜位置演算装置21及び引抜位置制御装置22も必須の構成ではない。
【0071】
〈第10の実施形態〉
図10に示すように、本発明の第10の実施形態に係る固形物分離システム100jは、図9を用いて上述した第9の実施形態に係る固形物分離システム100iと比較して、遠心分離装置16から流出する処理水の濃度を測定する処理水センサ17を有している点で異なる。
【0072】
凝集プロセスに問題がある場合、処理水の濁度又は固形物の濃度が高くなる。したがって、循環流量演算装置27は、処理水センサ17で測定された処理水の濁度又は固形物の濃度が高くなった場合、固形物の濃度に応じて、原水タンク1から流入する原水の流量や原水に混合する循環水の流量を調整する。例えば、処理水の濁度又は固形物の濃度が高い場合、循環流量演算装置27は、固形物負荷の増大を防止するため、原水へ混合する循環水の流量を減少させ、原水タンク1から流入する原水の流量を増加させることができる。このとき、循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定された原水の流量、循環流量計25で測定された循環水の流量、液位センサ2で測定された原水タンク1における原水の水位及びスラッジセンサ19で測定された上澄水の濁度や固形物濃度を考慮することができる。
【0073】
上述したように、第10の実施形態に係る固形物分離システム100jでは、循環流量演算装置27は、処理水センサ17の測定結果である遠心分離装置16で得られた処理水の濁度や固形物濃度に応じて原水と循環水のバランスを調整する。したがって、固形物分離システム100jによれば、流入水量負荷の増大や固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0074】
また、第10の実施形態に係る固形物分離システム100jでも、上述した固形物分離システム100a〜100iと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0075】
なお、図10に示す固形物分離システム100jでも、液位センサ2、原水流量計5、循環流量計25及びスラッジセンサ19は必須の構成ではなく、汚泥界面センサ20、引抜位置演算装置21及び引抜位置制御装置22も必須の構成ではない。
【0076】
〈第11の実施形態〉
図11に示すように、本発明の第11の実施形態に係る固形物分離システム100kは、図10を用いて上述した第10の実施形態に係る固形物分離システム100jと比較して、第1ラインL1を流れる原水の濃度を測定する原水濃度センサ3を有している点で異なる。
【0077】
循環流量演算装置27は、凝集剤や凝集助剤の不足、固形物負荷の増大等を防止するため、原水センサ3で測定された原水の濁度又は固形物の濃度を考慮して循環水の流量を演算する。例えば、原水の濁度や固形物濃度が高い場合、循環流量演算装置27は、固形物負荷の増大を防止するため、原水へ混合する循環水の流量を減少させることができる。このとき、循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定された原水の流量、循環流量計25で測定された循環水の流量及び液位センサ2で測定された原水タンク1における原水の水位、スラッジセンサ19で測定された濁度や固形物濃度、処理水センサ17で測定された濁度や固形物濃度を考慮することができる。
【0078】
上述したように、第10の実施形態に係る固形物分離システム100kでは、循環流量演算装置27は、原水センサ3の測定結果である原水タンク1から流入する原水の濁度や固形物濃度に応じて原水と循環水のバランスを調整する。したがって、固形物分離システム100kでは、流入水量負荷の増大や固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0079】
また、第11の実施形態に係る固形物分離システム100kでも、上述した固形物分離システム100a〜100jと同様に固形物の回収率を向上と処理水の安定した清澄を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0080】
なお、図11に示す固形物分離システム100kでも、液位センサ2、原水流量計5、循環流量計25、スラッジセンサ19及び処理水センサ17は必須の構成ではなく、汚泥界面センサ20、引抜位置演算装置21及び引抜位置制御装置22も必須の構成ではない。
【符号の説明】
【0081】
100a〜100i…固形物分離システム
1…原水タンク
2…液位センサ
3…原水センサ
4…原水ポンプ
5…原水流量計
6…凝集剤注入装置
7…凝集剤攪拌装置
8…pH調整剤注入装置
9…調整剤攪拌装置
10…pH測定装置
11…第1凝集助剤注入装置(凝集助剤注入装置)
12…第1凝集助剤攪拌装置(凝集助剤攪拌装置)
13…第2凝集助剤注入装置(凝集助剤注入装置)
14…第2凝集助剤攪拌装置(凝集助剤攪拌装置)
15…フロック形成槽
16…遠心分離装置
17…処理水センサ
18…スラッジ貯留槽
19…スラッジセンサ
20…汚泥界面センサ
21…引抜位置演算装置
22…引抜位置制御装置
24…循環流量制御装置
25…循環流量計
26…調整剤演算装置
27…循環流量演算装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理や浄水処理等の水処理で固形物を含む原水から固形物を分離する固形物分離システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水処理では、懸濁物質や濁度成分等の固形物の分離処理には、凝集剤及び凝集助剤を利用するフロック形成と、重力沈降槽における沈降分離とを組み合わせた固形物分離システムが多く利用されている。重力沈降を利用するシステムでは、フロックが沈降するために必要な時間、原水を重力沈降槽に滞留させる必要がある。したがって、重力沈降槽は、容量を大きくする必要がある。これに対し、重力沈降槽の容量を縮小するとともに、分離効率を向上する目的で、傾斜管や傾斜板を利用して処理速度の向上することができるが、処理速度の短縮や重力沈降槽の容量の縮小には限界があった。
【0003】
この重力沈降の利用による処理速度の短縮や重力沈降槽の容量の縮小の課題を解決する有効な手段として、液体サイクロンのような遠心分離装置がある(例えば、特許文献1参照)。液体サイクロンでは内部で砂分を含む原水を旋回させ、遠心力を利用して所定の粒径以上の砂分を、原水から分離する。このような液体サイクロンでは、重力よりも加速度の大きな遠心力を利用するため、重力を利用する場合よりも短時間で固形物である砂分を分離することができるとともに、液体サイクロンの容量を重力沈降槽の容量よりも縮小することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−313900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、液体サイクロンでは、原水を高速で旋回させるため、結合力の小さいフロックのように旋回流で破壊されやすい物質の分離には液体サイクロンを利用することはできなかった。したがって、原水からフロックのように破壊されやすい物質を分離するためには処理速度が長くて容量が大きい重力沈降槽の使用が避けられなかった。また、液体サイクロンでは、原水の流入による旋回流で遠心力を生み出すため、一定以上の流入流速を常に与える必要があり、流入水量負荷変動に対応することが困難であった。さらに、流入固形物量についても一定以上の負荷をかけると、分離効率が低下して固形物回収能力が低下するため、流入固形物負荷の変動に対応することが困難であった。
【0006】
したがって、本発明によれば、結合力の大きいフロックの生成を促進するとともに、流入水量負荷や流入固形物負荷を一定にして分離効率を向上して処理時間を短縮するとともに、設置スペースを縮小する固形物分離システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、原水ポンプを介して固形物を含む原水を流入し、この原水を固形物と処理水とに分離する固形物分離システムであって、前記原水ポンプで発生した水流を利用して流れる原水に、原水に含まれる固形物を凝集してフロックを形成する凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、前記水流を利用して、凝集剤が注入された原水を攪拌して送出する凝集剤攪拌装置と、攪拌された原水を流入すると、流入した原水を滞留してフロックを形成するとともに、前記水流を利用して送出するフロック形成槽と、フロックを含む原水を流入すると、前記水流を利用して流入した原水を旋回するとともに、遠心力によって固形物であるフロックと処理水とに分離する遠心分離装置と、前記遠心分離機で分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽と、前記スラッジ貯留槽で貯留されたスラッジを前記凝集剤注入装置が凝集剤を注入する前の原水に混合する循環ラインとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、固形物分離システムにおける分離効率を向上して処理時間を短縮するとともに、設置スペースを縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図2】第2の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図3】第3の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図4】第4の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図5】第5の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図6】第6の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図7】第7の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図8】第8の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図9】第9の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図10】第10の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【図11】第11の実施形態に係る固形物分離システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を用いて本発明の各実施形態に係る固形物分離システムについて説明する。以下の説明において、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
〈第1の実施形態〉
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る固形物分離システム100aは、処理対象となる原水を第1ラインL1を介して原水タンク1から導入する原水ポンプ4と、第2ラインL2を流れる原水に凝集剤を注入する凝集剤注入装置6と、凝集剤が注入された原水を攪拌する凝集剤攪拌装置7と、原水に含まれる固形物をフロックに成長させるフロック形成槽15と、遠心力を利用して原水をフロックとなった固形物と処理水とに分離する遠心分離装置16と、分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽18とを備えている。また、スラッジ貯留槽23で貯留されたスラッジは、循環ラインLを介して第1ラインL1を流れる原水に循環される。
【0012】
原水ポンプ4は、固形物分離システム100aに導入する原水を遠心分離装置16にまで送水されるような水流で送水する。
【0013】
凝集剤注入装置6は、第2ラインL2を流れる原水に、原水に含まれる固形物を凝集させる凝集剤を注入する。この凝集剤注入装置6は、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸バンド、ポリ硫酸鉄等の無機系の凝集剤から、原水に含まれる固形物に応じて選択された適当な種類及び量の凝集剤を注入する。
【0014】
凝集剤攪拌装置7は、第2ラインL2上に設けられ、ラインミキサ等、水流のみを利用して他の動力を必要とせずに原水と凝集剤とを攪拌する装置である。凝集剤攪拌装置7で原水と凝集剤を攪拌することにより、フロック形成槽15内でフロックを成長しやすくする。
【0015】
フロック形成槽15では、凝集剤攪拌装置7で攪拌された原水が流入すると、内部に滞留中に原水に含まれる固形物が凝集し、フロックが形成される。フロック形成槽15は密閉形状であり、形成されたフロックを含む原水は、原水ポンプ4で発生した水流によって新たに流入する原水によって押し出され、遠心分離装置16に送水される。
【0016】
フロック形成槽15に流入する原水には、溶解性のガス、凝集剤供給の際に侵入したガスが含まれることがある。このフロック形成槽15は、密閉型であるため、原水に含まれて侵入したガス(気体)を排出する機構がないと、フロック形成槽15内でガスやスカムが残存し、フロック形成の効率を低下させることがある。したがって、フロック形成槽15には、フロック形成槽15内で残存しているガスを排出するガス抜き機構(図示せず)と、スカムを排出するスカム抜き機構(図示せず)を備えることが望ましい。ガス抜き機構やスカム抜き機構を備えたフロック形成槽では、内部でのフロックの残存を防止することができる。ここで、凝集剤撹拌装置7で凝集剤を均一に混合させるとともに、フロック形成槽15で水流による撹拌をフロックに与えるといった撹拌による混合効果と、滞留時間を稼ぐことで、フロックは遠心分離が可能な程度に強化される。
【0017】
遠心分離装置16は、内部で旋回させるように原水を流入し、流入する原水の旋回で遠心力を発生させ、この遠心力によってフロックに重力よりも大きい加速度を与え、沈降速度を高めながらフロックを沈降させて原水を処理水と固形物(フロック)に分離する。
【0018】
スラッジ貯留槽18は、遠心分離装置16で分離したフロックをスラッジとして貯留する。スラッジ貯留槽18は循環ラインLを介して第1ラインL1と接続されており、スラッジ貯留槽18で貯留されているスラッジの一部は循環水として、遠心分離装置における流入水量負荷や流入固形物負荷の変動を防止するため、循環ラインLを介して第1ラインL1を流れる原水に混合される。また、第1循環ラインLを介して第1ラインL1に循環されない残りのスラッジは、脱水装置(図示せず)に送出されて脱水処理を経て廃棄物等として処理される。
【0019】
上述したように、第1の実施形態に係る固形物分離システム100aでは、流入水量負荷や流入固形物負荷の変動を防止するため、循環ラインLを介して原水に循環水を混合している。したがって、固形物分離システム100aでは、循環ラインLによってスラッジを循環させるという簡易な構成によって原水ポンプ4で一定の水流を保っていても、システム内における水流を安定させることができる。
【0020】
また、固形物分離システム100aでは、従来の固形物分離システムで利用していた混和槽を備えず、原水ポンプ4からフロック形成槽15に原水を送水する第2ラインL1上に混和槽よりも小型の凝集剤攪拌装置7を設置している。加えて、固形物分離システム100aでは、従来の固形物分離システムで利用していた重力沈降槽に代えて、重力沈降槽よりも小型の遠心分離装置16を有している。したがって、固形物分離システム100aによれば、システムを簡易化してコンパクトにし、設置スペースを縮小することができる。
【0021】
さらに、固形物分離システム100aでは、遠心分離装置16が旋回流を発生して重力とともに遠心力を利用してフロックを沈降させる。したがって、固形物分離システム100aによれば、従来の重力のみを利用する場合と比較して短時間でフロックを沈降させるため、分離効率を向上することができる。
【0022】
また、固形物分離システム100aでは、原水ポンプ4のみによって遠心分離装置16にまで原水を送水しており、凝集剤攪拌装置7及び遠心分離装置16は水流の動力のみによって攪拌又は分離することができる。したがって、固形物分離システム100aは、原水ポンプ4以外の動力を必要としないため、低エネルギを実現することができる。例えば、固形物分離システム100aでは、従来の固形物分離システムで利用していた混和装置、混合装置及び重力沈降槽で沈降したフロックを収集する手段等の動力を利用しないため、低エネルギを実現することができる。
【0023】
〈第2の実施形態〉
図2に示すように、本発明の第2の実施形態に係る固形物分離システム100bは、図1を用いて上述した第1の実施形態に係る固形物分離システム100aと比較して、原水ポンプ4、凝集剤注入装置6、凝集剤攪拌装置7、フロック形成槽15、遠心分離装置16及びスラッジ貯留槽18の他に、第1凝集助剤注入装置11、第1凝集助剤攪拌装置12、第2凝集助剤注入装置13及び第2凝集助剤攪拌装置14を備えている点で異なる。この固形物分離システム100bでのフロック形成槽15には、凝集剤攪拌装置7で凝集剤が攪拌された後、さらに第1凝集助剤攪拌装置12及び第2凝集助剤攪拌装置14で凝集助剤が攪拌された原水が送水される。
【0024】
第1凝集助剤注入装置11は、凝集剤攪拌装置7で攪拌された原水が流れる第3ラインL3を流れる原水に、凝集剤によって形成されるフロックを強固に又は大きく形成させる凝集助剤を注入する。この第1凝集助剤注入装置11は、ポリアクリルアミド等の有機高分子凝集剤やポリシリカ等の無機高分子凝集剤から、原水に含まれる固形物に応じて選択された適当な種類及び量の凝集助剤を注入する。
【0025】
すなわち、遠心分離装置16に流入したフロックの結合力が小さく、フロックが軟らかい場合、原水の水流で生じるせん断力により、フロックは微細化して回収しにくくなる。また、遠心分離装置16に流入したフロックの径が小さい場合、遠心力によってフロックを回収しにくくなる。したがって、第1凝集助剤注入装置11でフロックを強固に又は大きく形成する凝集助剤を注入し、フロックを回収しやすい性質にすることで、原水中の固形物の回収率が向上する。
【0026】
第1凝集助剤攪拌装置12は、第3ラインL3上に設けられ、ラインミキサ等、水流のみを利用して他の動力を必要とせずに原水と凝集助剤とを攪拌する装置である。第1凝集助剤攪拌装置12で原水と凝集助剤を攪拌することにより、フロック形成槽15内でフロックを回収しやすい性質に形成しやすくする。
【0027】
第2凝集助剤注入装置13は、第1凝集助剤攪拌装置12で攪拌された原水が流れる第4ラインL4を流れる原水に、凝集剤によって形成されるフロックを強固に又は大きく形成させる凝集助剤を注入する。この第2凝集助剤注入装置13は、第1凝集助剤注入装置11で注入した凝集助剤と異なる凝集助剤を注入する。例えば、原水中に含まれる固形物がアルミニウムや鉄を原料とした凝集剤と親和性が高く硬いフロックが形成される無機化合物である場合には、遠心分離装置16でフロックが容易に粉砕されることはないが、原水中に含まれる固形物が凝集剤と親和性が高くない場合には、遠心分離装置16の内部の旋回流によるせん断応力でフロックが粉砕されるおそれがある。そのため、予めジャーテスト等で実験を行い、硬いフロックが形成される凝集助剤(例えば、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダなど)を選定し、第2凝集助剤注入装置13は、選定した凝集助剤を注入する。
【0028】
第2凝集助剤攪拌装置14は、第4ラインL4上に設けられ、ラインミキサ等、水流のみを利用して他の動力を必要とせずに原水と凝集助剤とを攪拌する装置である。第2凝集助剤攪拌装置14で原水と凝集助剤を攪拌することにより、フロック形成槽15内でフロックを回収しやすい性質に形成することができる。
【0029】
なお、ここでは、第1凝集助剤注入装置11と第2凝集助剤注入装置13で異なる凝集助剤を注入する例で説明したが第1凝集助剤注入装置11と第2凝集助剤注入装置13が同一の凝集助剤を注入してもよい。同一の凝集助剤を2回に分けて注入した場合、一旦、小粒径のフロックを形成した後に、再び凝集助剤を注入することでフロック同士を凝集し、より大粒径のフロックへと成長させるため、、フロックを回収しやすい性質に形成しやすくなる。また、原水に含まれる固形物がフロックを形成しやすい性質である場合、第2凝集助剤注入装置13は有さず、第1凝集助剤注入装置11のみで凝集助剤を注入してもよい。
【0030】
上述したように、第2の実施形態に係る固形物分離システム100bでは、凝集助剤注入装置11,13によって凝集助剤を注入してフロックを遠心分離装置16で回収しやすい性質に形成させる。したがって、固形物分離システム100bによれば、フロックの分離効率の向上により原水からの固形物の回収率を向上し、処理水の清澄を安定させることができる。
【0031】
また、第2の実施形態に係る固形物分離システム100bによれば、第1の実施形態に係る固形物分離システム100aと同様に、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0032】
〈第3の実施形態〉
図3に示すように、本発明の第3の実施形態に係る固形物分離システム100cは、図2を用いて上述した第2の実施形態に係る固形物分離システム100bと比較して、原水流量計5、循環流量制御装置24、循環流量計25及び循環流量演算装置27を備えている点で異なる。
【0033】
原水流量計5は、第2ラインL2を流れる原水の流量を測定する。また、循環流量計25は、循環ラインLを流れる循環水の流量を測定する。
【0034】
循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定される原水の流量を入力し、循環流量計25で測定される循環水の流量を入力する。また、循環流量演算装置27は、原水流量計5の指示値と循環流量計25の指示値を入力とし、双方の和から原水ポンプ4で送水している流量を算出し、予め定めた所定の流量との差から循環水量を算出し、循環流量制御装置24を制御する制御信号を出力する。
【0035】
循環流量制御装置24は、循環ラインLに設けられており、循環流量演算装置27から入力する制御信号に従って、第1ラインL1に循環する循環水の流量を制御する。
【0036】
具体的には、第2ラインL2を流れる原水の流量が変化すると、その後の攪拌装置7,13,14、フロック形成槽15及び遠心分離装置16において要求されている水流を保つことができず、その後の攪拌装置7,13,14、フロック形成槽15及び遠心分離装置16が正常に動作することができなくなるおそれがある。また、第2ラインL2を流れる原水の流量が変化すると、その後の第3ラインL3及び第4ラインL4を流れる原水の流量も変動し、凝集剤注入装置6や凝集助剤注入装置11,13が原水に注入する薬品の量が適量ではなくなり、フロックが適正に形成されず、固形物の回収率が低下するおそれがある。
【0037】
したがって、例えば、原水流量計5で測定された原水の水流が予め定めた所定の流量より低い場合、循環流量演算装置27は、循環水の流量を増加させる制御信号を循環流量制御装置24に出力する。一方、原水流量計5で測定された原水の水流が予め定めた所定の流量よりも高い場合、循環流量演算装置27は、循環水の流量を低減させる制御信号を循環流量制御装置24に出力する。
【0038】
上述したように、第3の実施形態に係る固形物分離システム100cでは、循環流量制御装置24によって循環水の流量を調整することができる。したがって、固形物分離システム100cによれば、適切な水流を発生して流入水量負荷を低減し、固形物の回収率の向上及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0039】
また、第3の実施形態に係る固形物分離システム100cによれば、上述した固形物分離システム100a,100bと同様にシステムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0040】
〈第4の実施形態〉
図4に示すように、本発明の第4の実施形態に係る固形物分離システム100dは、図3を用いて上述した第3の実施形態に係る固形物分離システム100cと比較して、原水タンク1の水位を測定する液位センサ2を備えている点で異なる。
【0041】
循環流量演算装置27は、原水タンク1における原水の液位を考慮して、原水に混合する循環水の適切な流量を求め、循環流量制御装置24に制御信号を出力する。このとき、循環流量演算装置27は、液位センサで2で測定された液位とともに、原水流量計5で測定する原水の流量と循環流量計25で測定される循環水の流量とを考慮してもよい。
【0042】
例えば、循環流量演算装置27は、原水タンク1の液位が低い場合には、原水の流量を増やすことはできないから循環水の流量を増やすようにし、原水タンク1の液位が高い場合には、原水の流量を増やすことができるために循環水よりも原水の流量を増やすようにすることができる。
【0043】
上述したように、第4の実施形態に係る固形物分離システム100dでは、循環流量制御装置24で原水タンク1の液位に応じて原水と循環水の流量のバランスを調整することにより、原水を過剰に流入したり、原水が不足したりすることなく、流入水量負荷を安定させることができる。
【0044】
また、第4の実施形態に係る固形物分離システム100dでも、上述した固形物分離システム100a〜100cと同様に固形物の回収率を向上と処理水の安定した清澄を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0045】
〈第5の実施形態〉
図5に示すように、本発明の第5の実施形態に係る固形物分離システム100eは、図4を用いて上述した第4の実施形態に係る固形物分離システム100dと比較して、第3ラインL3を流れる原水にpH調整剤を注入するpH調整剤注入装置8と、pH調整剤が注入された原水を攪拌する調整剤攪拌装置9を備えている点で異なる。
【0046】
pH調整剤注入装置8は、原水のpH値を、原水に注入される凝集剤や凝集助剤が適切な凝集を行なうことができる範囲にするため、酸やアルカリ等のpH調整剤を注入する。pH調整剤を注入して原水のpH値を適切にすることで、フロックをより硬く、回収しやすい性質に形成することができる。
【0047】
上述したように、第5の実施形態に係る固形物分離システム100eでは、pH調整剤注入装置8でpH調整剤を注入して原水のpH値を凝集に最適にすることで、遠心分離処理装置16で回収しやすいフロックに形成させる。したがって、固形物分離システム100bによれば、フロックの分離効率の向上により原水からの固形物の回収率を向上し、処理水の清澄を安定させることができる。
【0048】
また、第5の実施形態に係る固形物分離システム100eでも、上述した固形物分離システム100a〜100dと同様に、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0049】
なお、図5に示す固形物分離システム100eでは、循環流量演算装置27、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25を有しているが、これらは必須の構成ではない。
【0050】
〈第6の実施形態〉
図6に示すように、本発明の第6の実施形態に係る固形物分離システム100fは、図5を用いて上述した第5の実施形態に係る固形物分離システム100eと比較して、調整剤攪拌装置9で攪拌された原水のpH値を測定するpH測定装置10と、pH測定装置10で測定された原水のpH値によってpH調整剤注入装置を制御する調整剤演算装置26を備えている点で異なる。
【0051】
調整剤演算装置26は、pH測定装置10で測定されたpH調整剤を注入後の原水のpH値を入力すると、凝集剤や凝集助剤によってフロックが形成される最適なpH値であるか否かを判定し、pH値が最適でない場合、最適なpH値にするために必要な量のpH調整剤を注入させる制御信号をpH調整剤注入装置8に出力する。
【0052】
上述したように、第6の実施形態に係る固形物分離システム100fでは、pH測定装置10で測定したpH値に応じてpH調整剤の注入量を制御することができる。したがって、固形物分離システムfによれば、原水のpH値の変動に関わらずpH値を一定に保って固形物の分離効率を安定させ、固形物の回収率の向上及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0053】
また、第6の実施形態に係る固形物分離システム100fによれば、上述した固形物分離システム100a〜100eと同様にシステムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0054】
なお、図6に示す例では、調整剤演算装置26は、pH調整剤を注入後の原水のpH値を利用してフィードバック制御しているが、pH調整剤を注入前の原水のpH値を利用してフィードフォワード制御することもできる。
【0055】
また、図6に示す固形物分離システム100fでも、循環流量演算装置27、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25を有しているが、これらは必須の構成ではない。
【0056】
〈第7の実施形態〉
図7に示すように、本発明の第7の実施形態に係る固形物分離システム100gは、図6を用いて上述した第6の実施形態に係る固形物分離システム100fと比較して、スラッジ貯留槽18の汚泥界面の高さを測定する汚泥界面センサ20を備えている点で異なる。
【0057】
スラッジ貯留槽18内のスラッジは、上方は固形物の濃度が低く、下方(底)になるにしたがって固形物の濃度が高くなる傾向にあり、スラッジ貯留槽18内では、汚泥界面が存在する。固形物の濃度が高い循環水を原水に混合させた場合、凝集剤や凝集助剤の注入量を増加させないと適切にフロックが生成できない問題が生じたり、固形物分離システム100gで固形物負荷の増大による処理不能が生じるおそれがある。
【0058】
したがって、循環流量演算装置27は、汚泥界面センサ20で測定された汚泥界面の高さが予め定める所定の高さよりも高い場合には、循環水の流量を減少したり、循環水の原水への混合を中止する制御信号を循環流量制御装置24に循環させる。
【0059】
上述したように、第7の実施形態に係る固形物分離システム100gでは、循環流量演算装置27が汚泥界面センサ20の測定する高さを利用して循環水の循環流量を制御する。したがって、固形物分離システム100gによれば、濁度高い循環水の原水への混合を抑制して流入固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0060】
また、第7の実施形態に係る固形物分離システム100gでも、上述した固形物分離システム100a〜100fと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0061】
〈第8の実施形態〉
図8に示すように、本発明の第8の実施形態に係る固形物分離システム100hは、図7を用いて上述した第7の実施形態に係る固形物分離システム100gと比較して、汚泥界面センサ20で測定された汚泥界面の高さを利用してスラッジ貯留槽18からスラッジを引き抜く高さを求める引抜位置演算装置21と、引抜位置演算装置21から入力する制御信号に従ってスラッジ貯留槽18から引抜位置を制御する引抜位置制御装置22を備えている点で異なる。
【0062】
すなわち、上述したように、スラッジ貯留槽18内のスラッジは、汚泥界面の上と下とで、汚泥の濁度や固形物濃度が異なるが、汚泥の濁度や固形物濃度の高いスラッジを循環水として原水に混合すると、固形物負荷を増大させることになる。引抜位置制御装置22は、固形物分離システム100hにおける固形物負荷の増大を防止するため、スラッジを引き抜く高さを制御する。反対に、原水の固形物負荷が低い場合は、凝集剤注入装置6、pH調整剤注入装置8、第1凝集助剤注入装置11、第2凝集助剤注入装置13での注入量を一定に保ち、遠心分離装置16で処理される原水の水質を一定に保つため、引抜制御装置22の引抜高さを制御して、固形物濃度の高いスラッジを循環させても良い。
【0063】
上述したように、第8の実施形態に係る固形物分離システム100hでは、引抜位置制御装置22が、汚泥界面の高さに応じてスラッジを引き抜く高さを制御する。したがって、固形物分離システム100hによれば、流入固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0064】
また、第8の実施形態に係る固形物分離システム100hでも、上述した固形物分離システム100a〜100gと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0065】
なお、図8に示す固形物分離システム100hでも、循環流量演算装置27、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25を有しているが、これらは必須の構成ではない。
【0066】
〈第9の実施形態〉
図9に示すように、本発明の第9の実施形態に係る固形物分離システム100iは、図8を用いて上述した第8の実施形態に係る固形物分離システム100hと比較して、スラッジ貯留槽18内のスラッジの上澄水の濁度又は固形物濃度を測定するスラッジセンサ19を備えている点で異なる。
【0067】
循環流量演算装置27は、スラッジセンサ19で測定された上澄水の濁度又は固形物濃度を考慮して循環水の流量を演算する。例えば、スラッジ貯留槽18の上澄水の濁度が高い場合や固形物濃度が高い場合、循環流量演算装置27は、固形物負荷の増大を防止するため、原水へ混合する循環水の流量を減少させることができる。このとき、循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定された原水の流量、循環流量計25で測定された循環水の流量及び液位センサ2で測定された原水タンク1における原水の水位を考慮することができる。
【0068】
上述したように、第9の実施形態に係る固形物分離システム100iでは、循環流量演算装置27は、スラッジセンサ19の測定結果である上澄水の濁度や固形物濃度に応じて原水へ混合する循環水の流量を調整する。したがって、固形物分離システム100iによれば、流入固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0069】
また、第9の実施形態に係る固形物分離システム100iでも、上述した固形物分離システム100a〜100hと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0070】
なお、図9に示す固形物分離システム100hでも、液位センサ2、原水流量計5及び循環流量計25は必須の構成ではなく、汚泥界面センサ20、引抜位置演算装置21及び引抜位置制御装置22も必須の構成ではない。
【0071】
〈第10の実施形態〉
図10に示すように、本発明の第10の実施形態に係る固形物分離システム100jは、図9を用いて上述した第9の実施形態に係る固形物分離システム100iと比較して、遠心分離装置16から流出する処理水の濃度を測定する処理水センサ17を有している点で異なる。
【0072】
凝集プロセスに問題がある場合、処理水の濁度又は固形物の濃度が高くなる。したがって、循環流量演算装置27は、処理水センサ17で測定された処理水の濁度又は固形物の濃度が高くなった場合、固形物の濃度に応じて、原水タンク1から流入する原水の流量や原水に混合する循環水の流量を調整する。例えば、処理水の濁度又は固形物の濃度が高い場合、循環流量演算装置27は、固形物負荷の増大を防止するため、原水へ混合する循環水の流量を減少させ、原水タンク1から流入する原水の流量を増加させることができる。このとき、循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定された原水の流量、循環流量計25で測定された循環水の流量、液位センサ2で測定された原水タンク1における原水の水位及びスラッジセンサ19で測定された上澄水の濁度や固形物濃度を考慮することができる。
【0073】
上述したように、第10の実施形態に係る固形物分離システム100jでは、循環流量演算装置27は、処理水センサ17の測定結果である遠心分離装置16で得られた処理水の濁度や固形物濃度に応じて原水と循環水のバランスを調整する。したがって、固形物分離システム100jによれば、流入水量負荷の増大や固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0074】
また、第10の実施形態に係る固形物分離システム100jでも、上述した固形物分離システム100a〜100iと同様に固形物の回収率の向上を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0075】
なお、図10に示す固形物分離システム100jでも、液位センサ2、原水流量計5、循環流量計25及びスラッジセンサ19は必須の構成ではなく、汚泥界面センサ20、引抜位置演算装置21及び引抜位置制御装置22も必須の構成ではない。
【0076】
〈第11の実施形態〉
図11に示すように、本発明の第11の実施形態に係る固形物分離システム100kは、図10を用いて上述した第10の実施形態に係る固形物分離システム100jと比較して、第1ラインL1を流れる原水の濃度を測定する原水濃度センサ3を有している点で異なる。
【0077】
循環流量演算装置27は、凝集剤や凝集助剤の不足、固形物負荷の増大等を防止するため、原水センサ3で測定された原水の濁度又は固形物の濃度を考慮して循環水の流量を演算する。例えば、原水の濁度や固形物濃度が高い場合、循環流量演算装置27は、固形物負荷の増大を防止するため、原水へ混合する循環水の流量を減少させることができる。このとき、循環流量演算装置27は、原水流量計5で測定された原水の流量、循環流量計25で測定された循環水の流量及び液位センサ2で測定された原水タンク1における原水の水位、スラッジセンサ19で測定された濁度や固形物濃度、処理水センサ17で測定された濁度や固形物濃度を考慮することができる。
【0078】
上述したように、第10の実施形態に係る固形物分離システム100kでは、循環流量演算装置27は、原水センサ3の測定結果である原水タンク1から流入する原水の濁度や固形物濃度に応じて原水と循環水のバランスを調整する。したがって、固形物分離システム100kでは、流入水量負荷の増大や固形物負荷の増大を防止して固液分離の安定及び処理水の清澄の安定を図ることができる。
【0079】
また、第11の実施形態に係る固形物分離システム100kでも、上述した固形物分離システム100a〜100jと同様に固形物の回収率を向上と処理水の安定した清澄を図るとともに、システムの簡易化、省エネルギ化、省スペース化を実現することができる。
【0080】
なお、図11に示す固形物分離システム100kでも、液位センサ2、原水流量計5、循環流量計25、スラッジセンサ19及び処理水センサ17は必須の構成ではなく、汚泥界面センサ20、引抜位置演算装置21及び引抜位置制御装置22も必須の構成ではない。
【符号の説明】
【0081】
100a〜100i…固形物分離システム
1…原水タンク
2…液位センサ
3…原水センサ
4…原水ポンプ
5…原水流量計
6…凝集剤注入装置
7…凝集剤攪拌装置
8…pH調整剤注入装置
9…調整剤攪拌装置
10…pH測定装置
11…第1凝集助剤注入装置(凝集助剤注入装置)
12…第1凝集助剤攪拌装置(凝集助剤攪拌装置)
13…第2凝集助剤注入装置(凝集助剤注入装置)
14…第2凝集助剤攪拌装置(凝集助剤攪拌装置)
15…フロック形成槽
16…遠心分離装置
17…処理水センサ
18…スラッジ貯留槽
19…スラッジセンサ
20…汚泥界面センサ
21…引抜位置演算装置
22…引抜位置制御装置
24…循環流量制御装置
25…循環流量計
26…調整剤演算装置
27…循環流量演算装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水ポンプを介して固形物を含む原水を流入し、この原水を固形物と処理水とに分離する固形物分離システムであって、
前記原水ポンプで発生した水流を利用して流れる原水に、原水に含まれる固形物を凝集してフロックを形成する凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、
前記水流を利用して、凝集剤が注入された原水を攪拌して送出する凝集剤攪拌装置と、
攪拌された原水を流入すると、流入した原水を滞留してフロックを形成するとともに、前記水流を利用して送出するフロック形成槽と、
フロックを含む原水を流入すると、前記水流を利用して流入した原水を旋回するとともに、遠心力によって固形物であるフロックと処理水とに分離する遠心分離装置と、
前記遠心分離機で分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽と、
前記スラッジ貯留槽で貯留されたスラッジを前記凝集剤注入装置が凝集剤を注入する前の原水に混合する循環ラインと、
を備えることを特徴とする固形物分離システム。
【請求項2】
凝集剤が注入された後に前記水流を利用して流れる原水に、原水に含まれるフロックを硬化し又は大きくする凝集助剤を注入する凝集助剤注入装置と、
前記水流を利用して、凝集助剤が注入された原水を攪拌する凝集助剤攪拌装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の固形物分離システム。
【請求項3】
スラッジが混合された後、かつ、凝集剤が注入される前の原水の流量を測定する原水流量計と、
原水に混合されるスラッジの流量を測定する循環流量計と、
前記原水流量計の測定結果及び前記循環流量計の測定結果に応じて、原水に混合するスラッジの量をフィードバック制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項4】
固形物分離システムに流入する原水を貯留する原水タンクの液位を測定する液位センサと、
前記液位センサの測定結果に応じて、原水に混合するスラッジの量を制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項5】
固形物分離システムに流入する原水を貯留する原水タンクの液位を測定する液位センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記液位センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3に記載の固形物分離システム。
【請求項6】
前記凝集助剤が注入される前の原水に、原水のpH値を調整する調整剤を注入する調整剤注入装置をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の固形物分離システム。
【請求項7】
凝集助剤が注入される前又は凝集助剤が注入された後の原水のpH値を測定するpH測定装置と、
前記pH測定装置で測定されたpH値に応じて前記調整剤注入装置が注入する調整剤の注入量を制御するpH調整制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の固形物分離システム。
【請求項8】
前記スラッジ貯留槽の汚泥界面高さを測定する汚泥界面センサと、
前記汚泥界面センサの測定結果に応じて、原水に混合するスラッジの量を制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項9】
前記スラッジ貯留槽の汚泥界面高さを測定する汚泥界面センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記汚泥界面センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3又は5に記載の固形物分離システム。
【請求項10】
前記スラッジ貯留槽の汚泥界面高さを測定する汚泥界面センサと、
前記汚泥界面センサの測定結果に応じて、前記スラッジ貯留槽からスラッジを引き抜く位置を制御する引抜位置制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の固形物分離システム。
【請求項11】
前記スラッジ貯留槽の上澄液の濁度又は固形物濃度を測定するスラッジセンサと、
前記スラッジセンサの測定結果に応じてスラッジの量を制御する前記循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項12】
前記スラッジ貯留槽の上澄液の濁度又は固形物濃度を測定するスラッジセンサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、前記スラッジセンサの測定結果に応じてスラッジの量を制御することを特徴とする請求項3、5、8又は9のうちいずれか1に記載の固形物分離システム。
【請求項13】
前記遠心分離装置で得られた処理水の濃度を測定する処理水センサと、
前記処理水センサの測定結果に応じて原水に混合するスラッジの量を制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項14】
前記遠心分離装置で得られた処理水の濃度を測定する処理水センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記処理水センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3、5、8、9又は12のうちいずれか1に記載の固形物分離システム。
【請求項15】
スラッジが混合される前の原水の濁度又は固形物濃度を測定する原水センサと、
前記原水センサの測定結果に応じて原水に混合するスラッジの量を制御する前記循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項16】
スラッジが混合される前の原水の濁度又は固形物濃度を測定する原水センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記原水センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3、5、8、9、12又は14のうちいずれか1に記載の固形物分離システム。
【請求項1】
原水ポンプを介して固形物を含む原水を流入し、この原水を固形物と処理水とに分離する固形物分離システムであって、
前記原水ポンプで発生した水流を利用して流れる原水に、原水に含まれる固形物を凝集してフロックを形成する凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、
前記水流を利用して、凝集剤が注入された原水を攪拌して送出する凝集剤攪拌装置と、
攪拌された原水を流入すると、流入した原水を滞留してフロックを形成するとともに、前記水流を利用して送出するフロック形成槽と、
フロックを含む原水を流入すると、前記水流を利用して流入した原水を旋回するとともに、遠心力によって固形物であるフロックと処理水とに分離する遠心分離装置と、
前記遠心分離機で分離されたフロックをスラッジとして貯留するスラッジ貯留槽と、
前記スラッジ貯留槽で貯留されたスラッジを前記凝集剤注入装置が凝集剤を注入する前の原水に混合する循環ラインと、
を備えることを特徴とする固形物分離システム。
【請求項2】
凝集剤が注入された後に前記水流を利用して流れる原水に、原水に含まれるフロックを硬化し又は大きくする凝集助剤を注入する凝集助剤注入装置と、
前記水流を利用して、凝集助剤が注入された原水を攪拌する凝集助剤攪拌装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の固形物分離システム。
【請求項3】
スラッジが混合された後、かつ、凝集剤が注入される前の原水の流量を測定する原水流量計と、
原水に混合されるスラッジの流量を測定する循環流量計と、
前記原水流量計の測定結果及び前記循環流量計の測定結果に応じて、原水に混合するスラッジの量をフィードバック制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項4】
固形物分離システムに流入する原水を貯留する原水タンクの液位を測定する液位センサと、
前記液位センサの測定結果に応じて、原水に混合するスラッジの量を制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項5】
固形物分離システムに流入する原水を貯留する原水タンクの液位を測定する液位センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記液位センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3に記載の固形物分離システム。
【請求項6】
前記凝集助剤が注入される前の原水に、原水のpH値を調整する調整剤を注入する調整剤注入装置をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の固形物分離システム。
【請求項7】
凝集助剤が注入される前又は凝集助剤が注入された後の原水のpH値を測定するpH測定装置と、
前記pH測定装置で測定されたpH値に応じて前記調整剤注入装置が注入する調整剤の注入量を制御するpH調整制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の固形物分離システム。
【請求項8】
前記スラッジ貯留槽の汚泥界面高さを測定する汚泥界面センサと、
前記汚泥界面センサの測定結果に応じて、原水に混合するスラッジの量を制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項9】
前記スラッジ貯留槽の汚泥界面高さを測定する汚泥界面センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記汚泥界面センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3又は5に記載の固形物分離システム。
【請求項10】
前記スラッジ貯留槽の汚泥界面高さを測定する汚泥界面センサと、
前記汚泥界面センサの測定結果に応じて、前記スラッジ貯留槽からスラッジを引き抜く位置を制御する引抜位置制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の固形物分離システム。
【請求項11】
前記スラッジ貯留槽の上澄液の濁度又は固形物濃度を測定するスラッジセンサと、
前記スラッジセンサの測定結果に応じてスラッジの量を制御する前記循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項12】
前記スラッジ貯留槽の上澄液の濁度又は固形物濃度を測定するスラッジセンサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、前記スラッジセンサの測定結果に応じてスラッジの量を制御することを特徴とする請求項3、5、8又は9のうちいずれか1に記載の固形物分離システム。
【請求項13】
前記遠心分離装置で得られた処理水の濃度を測定する処理水センサと、
前記処理水センサの測定結果に応じて原水に混合するスラッジの量を制御する循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項14】
前記遠心分離装置で得られた処理水の濃度を測定する処理水センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記処理水センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3、5、8、9又は12のうちいずれか1に記載の固形物分離システム。
【請求項15】
スラッジが混合される前の原水の濁度又は固形物濃度を測定する原水センサと、
前記原水センサの測定結果に応じて原水に混合するスラッジの量を制御する前記循環流量制御装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物分離システム。
【請求項16】
スラッジが混合される前の原水の濁度又は固形物濃度を測定する原水センサをさらに備え、
前記循環流量制御装置は、原水に混合するスラッジの量の制御に前記原水センサの測定結果を利用することを特徴とする請求項3、5、8、9、12又は14のうちいずれか1に記載の固形物分離システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−83707(P2011−83707A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238686(P2009−238686)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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