説明

固有導電性高分子の有機溶媒分散液

【課題】電極材料や帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、電磁波吸収剤、センサ、電解コンデンサ用電解質、二次電池用電極など種々の用途に用いることのできる固有導電性高分子の有機溶媒分散液を提供すること。
【解決手段】有機溶媒がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびケトン類から選ばれる少なくとも1種を含有し、水分含量が1%以下である固有導電性高分子の有機溶媒分散液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固有導電性高分子の有機溶媒分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアニリン、ポリチオフェン及びポリピロールなどの芳香族系の導電性高分子は、優れた安定性及び導電率を有することから、その活用が期待されているものの、これらの導電性高分子はどの溶媒にも不溶で成形性に劣ることから、その応用分野は限られてきた。
近年、導電性高分子を微粒子として水や芳香族溶媒をはじめとする有機溶媒に分散させることにより、成形性を向上させることが可能であることが報告されている(特許文献1,2参照)。
しかし、上記導電性高分子にドーパントが付加された固有導電性高分子の有機溶媒分散液は、一般的に水性コロイド分散液や、水と親水性溶媒との混合溶媒の分散液として使用されている。このため、コーティング剤等として使用する場合には、その溶媒組成が複雑になる等の問題点があり、未だ導電性高分子の応用分野は限られている。
【0003】
これらの問題点を解決する方法として、溶媒置換法により他の溶媒に置換する手法が開発されている(特許文献3,4参照)。
しかし、特許文献3の方法では、溶媒置換中に強撹拌が必要であるなどの理由から、製造方法が非常に煩雑なものであるという問題があった。
また、より簡便な手法としてイオン交換体を用いて脱イオン処理後に溶媒置換を行う方法が報告されているが、固有導電性高分子粒子表面に強固に吸着したカチオンを除去することができず、有機溶媒中における固有導電性高分子の分散安定性が乏しいため、水分含量を1質量%以下にまで下げることは困難であった(特許文献4参照)。
したがって、このような従来技術における問題点を解決し、導電性高分子の応用分野を更に広げることが可能な、固有導電性高分子の有機溶媒分散液の簡便な製造方法が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−90060号公報
【特許文献2】特表平2−500918号公報
【特許文献3】特表2004−532292号公報
【特許文献4】特表2004−532298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電極材料や帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、電磁波吸収剤、センサ、電解コンデンサ用電解質、二次電池用電極など種々の用途に用いることのできる固有導電性高分子の有機溶媒分散液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、固有導電性高分子の水性コロイド分散液を通液法によって脱イオン処理した後、溶媒置換することにより、固有導電性高分子を有機溶媒へ分散させることが可能であり、これにより水分含量が1%以下である固有導電性高分子の有機溶媒分散液が得られることを見出した。
したがって、本発明は、下記(1)および(2)を提供する。
(1)有機溶媒がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびケトン類から選ばれる少なくとも1種を含有し、水分含量が1%以下である固有導電性高分子の有機溶媒分散液。
(2)前記固有導電性高分子が、ドーピングされたポリアニリン、ドーピングされたポリチオフェン、これらの混合物またはこれらの共重合体である(1)の固有導電性高分子の有機溶媒分散液。
【発明の効果】
【0007】
本発明の固有導電性高分子の有機溶媒分散液は、コーティング剤等として使用される場合に、その組成を簡便にすることができ、コーティング被膜に固有導電性高分子の有する特性、すなわち導電性及び/または熱線吸収能(赤外線吸収能)を十分に発揮させることができる。このため、本発明の固有導電性高分子の有機溶媒分散液は、電極材料や帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、電磁波吸収剤、センサ、電解コンデンサ用電解質、二次電池用電極などに好適に利用することができ、導電性高分子の応用分野を更に広げることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に係る固有導電性高分子の有機溶媒分散液の製造方法は、固有導電性高分子の水性コロイド分散液を通液法によって脱イオン処理して固有導電性高分子に吸着しているカチオンを除去する脱イオン処理工程と、この脱イオン処理工程後、水性コロイド分散液の水を有機溶媒で溶媒置換する溶媒置換工程と、を備えるものである。
ここで、固有導電性高分子とは、当業界において一般的にIntrinsically Conductive Polymers(ICPs)と呼ばれる高分子であり、ドーパントによるドーピングによって、ポリラジカルカチオニック塩またはポリラジカルアニオニック塩が形成された状態にある、それ自体導電性を発揮し得る高分子をいう。
【0009】
本発明で使用可能な固有導電性高分子としては特に限定はなく、例えば、アニリン、ピロール、チオフェン、アセチレン、またはこれらの誘導体のポリマーなど公知の各種高分子をドーパントによりドーピングしたものが挙げられる。なお、これらの高分子は、単独で用いることもでき、2種以上を混合して用いることもできる。また、ドーパントとしては、ポリスチレンスルホン酸やメタンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸などのスルホン酸化合物、酢酸などのカルボン酸化合物、塩酸や臭化水素酸などのハロゲン化水素等が挙げられる。
【0010】
これらの固有導電性高分子のうち、特開平7−90060号公報及び特表平2−500918号公報に記載された手法により製造することができ、また市販品として水性コロイド分散液を容易に入手可能なポリチオフェン(具体的にはポリ(3,4−エチレン)ジオキシチオフェン)、ポリアニリン、これらの混合物またはこれらの共重合体を用いることが好ましい。特に、非常に小さな分散粒子径を有する水性コロイド分散液として入手可能なポリアニリン、ポリアニリンとポリチオフェンとの混合物およびそれらの共重合体が最適である。
【0011】
これらの固有導電性高分子の水性コロイド分散液中には、製造時に使用される塩類(過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムなど)の分解生成物(アンモニウムイオンやカリウムイオン、硫酸イオンなど)や、余剰ドーパント(各種スルホン酸など)などのフリーな状態で存在するイオンが多量に含まれている。また、分散液中の固有導電性高分子粒子のドーパント部分にアンモニウムイオンやカリウムイオンなどのカチオンが強く吸着して存在している。
固有導電性高分子を有機溶媒に分散させる際に、これらのフリーイオン及び余剰ドーパントが悪影響を及ぼし、安定な分散液を得ることができないため、除去することが必要となる。
【0012】
[脱イオン処理工程]
本発明においては、脱イオン処理工程により、これらのフリーイオン及び余剰ドーパント、固有導電性高分子に吸着しているカチオン成分を取り除くことになる。
脱イオン処理としては、固有導電性高分子に吸着しているカチオン成分を除去可能な方法であれば制限はないが、特に、固有導電性高分子粒子に強く吸着しているカチオン成分を効率的に除去し得ることから、イオン交換法を使用して脱イオン処理することが好ましい。この場合、固有導電性高分子の水性コロイド分散液と、陽イオン交換樹脂及び/または陰イオン交換樹脂とを接触させることによりイオン交換することができる。その温度は、一般的に0〜100℃で行うことができるが、イオン交換樹脂の耐熱性や作業性を考慮すると、5〜50℃で行うことが好ましい。
【0013】
陽イオン交換樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の各種陽イオン交換樹脂を用いることができるが、水素型強酸性陽イオン交換樹脂が好ましい。その具体例としては商品名アンバーライトIR−120B(オルガノ製)などが挙げられる。陰イオン交換樹脂としても、特に限定されるものではなく、公知の各種陰イオン交換樹脂を用いることができるが、水酸基型強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。その具体例としては商品名アンバーライトIRA−410(オルガノ製)などが挙げられる。
【0014】
固有導電性高分子の水性コロイド分散液と、イオン交換樹脂とを接触させる手法は、カチオン成分を除去し得る手法であれば特に限定されるものではないが、上述したカチオン成分除去効果を高めるためには、固有導電性高分子の水性コロイド分散液を、イオン交換樹脂を充填したカラム中を通過させる通液法が最適である。この場合、固有導電性高分子の水性コロイド分散液を、カラム中を通過させる速度としては、1時間当たりの空間速度1〜10程度が好ましい。
【0015】
固有導電性高分子の水性コロイド分散液と、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂との接触においては、どちらか一方との接触のみでも良いが、双方と接触させることにより、より効果的に脱イオン処理を行うことができる。陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の双方と接触させる場合、接触させる順序は特に限定されないが、陰イオン交換により水性コロイド分散液のpHが高くなると、固有導電性高分子の脱ドーパントが起こり、導電率が著しく劣化する可能性があるため、はじめに陽イオン交換樹脂と接触させ、次いで陰イオン交換樹脂と接触させることが好ましい。
【0016】
イオン交換法を用いて脱イオン処理を行う際、水性コロイド分散液の固形分濃度は、0.001〜10.0質量%程度とすることができるが、操作性や生産効率を考慮すると、固形分濃度0.05〜5.0質量%程度とすることが好ましい。ここで、固有導電性高分子が、ポリアニリン、ポリアニリンとポリチオフェンとの混合物、またはそれらの共重合体の場合、固形分濃度が1.5質量%のときにpHが2以下であることが好ましい。
なお、イオン交換法を用いて脱イオン処理を行った固有導電性高分子の水性コロイド分散液は、導電性維持に必要なドーパントまでもが除去されてしまう可能性があるため、脱イオン処理後にドーパントの補充が必要となる場合がある。
【0017】
[ろ過工程]
また、前述のフリーイオン及び余剰ドーパントは、限外ろ過法を用いることによって効率的に除去することが可能であるため、限外ろ過法によるろ過工程を行った後に、上述した脱イオン処理工程を行うと、より不純物の少ない水性コロイド分散液とすることができる。
限外ろ過を行う場合、限外ろ過膜または限外ろ過チューブを使用し、それらの性質を損なわない温度、すなわち、0〜80℃程度でろ過することが好ましい。また、フリーイオンや余剰ドーパントを十分に除去するために、連続的若しくは断続的に注水しながらろ過することが好ましい。
【0018】
使用する限外ろ過膜または限外ろ過チューブの分画分子量については特に限定されないが、分画分子量が小さすぎる場合には工程に要する時間が著しく長くなり、反対に大きすぎる場合には原料として使用する固有導電性高分子までもが流出してしまう可能性がある。したがって、分画分子量が10,000〜200,000の限外ろ過膜またはチューブを使用することが好ましい。
限外ろ過の際には、固有導電性高分子の水性コロイド分散液の固形分濃度は、0.001〜10.0質量%程度とすることができるが、操作性や生産効率の面から0.05〜5.0質量%程度とすることが好ましい。ろ過時間については特に限定されないが、通常1〜50時間で行われる。
ここで、固有導電性高分子がポリアニリンの場合、固形分濃度が3質量%のときにpHが3以下であることが好ましく、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンの場合、固形分濃度が1.3質量%のときにpHが3以下であることが好ましい。
【0019】
限外ろ過後、さらにイオン交換法などで脱イオン処理工程を行った後の固有導電性高分子の水性コロイド分散液のpH値は、限外ろ過後のそれよりも小さくなるが、固有導電性高分子がポリアニリンの場合、固形分濃度が3質量%のときに2以下であることが好ましく、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンの場合、固形分濃度が1質量%のときに2.5以下であることが好ましい。
【0020】
[溶媒置換工程]
本発明では、上述の手法により脱イオン処理を行った固有導電性高分子の水性コロイド分散液中の水を、有機溶媒で置換して固有導電性高分子の有機溶媒分散液を得る。
溶媒置換法としては、特に限定されるものではなく、減圧下または常圧下で水を除去した後に有機溶媒を添加する方法、水性コロイド分散液に有機溶媒を加えた後に減圧下または常圧下で水を除去する方法、減圧下または常圧下で、水性コロイド分散液中に有機溶媒を徐々に添加しながら水を除去する方法などを採用することができる。
これらの中でも、得られた固有導電性高分子の有機溶媒分散液中の水分含有量をできる限り少なくするためには、減圧下または常圧下で、水性コロイド分散液中に有機溶媒を徐々に添加しながら水を除去する方法を用いることが好ましい。
【0021】
溶媒置換工程に用いられる有機溶媒としては、特に制限されないが、親水性有機溶媒であることが好ましい。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(以下、NMPという)などのアミド類;ジエチルエーテルなどのエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの炭素数1〜3のアルコール、NMPがより一層好ましい。なお、これらの有機溶媒は単独で使用しても良く、2種類以上混合して使用しても良い。
【0022】
溶媒置換時の温度は、使用する有機溶媒の沸点により異なるが、置換処理時の固有導電性高分子の安定性を考慮し、減圧下、かつ、できる限りの低温下で行うことが好ましい。溶媒置換時の固形分濃度については、操作性や生産性効率の面から0.05〜10.0質量%程度であることが好ましい。有機溶媒を徐々に添加しながら水を除去する場合、有機溶媒の添加速度は、固形分濃度が上記の範囲内になるように制御することが好ましい。
【0023】
以上のような一連の処理により、水分含量が2%以下、場合によっては1%以下という、従来の製法では達成し得ない程度まで水分含量が低減された固有導電性高分子の有機溶媒分散液を得ることができる。
このようにして得られた固有導電性高分子の有機溶媒分散液は、固有導電性高分子の分散性をさらに向上させるために、サンドグラインダー、ボールミル、ディスパー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどにより湿式粉砕することが好ましい。特に、装置の取扱性、処理に要する時間、処理後の分散性などの点から、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーにより湿式粉砕することが好ましい。
本発明の製法で得られる、水分含量の少ない固有導電性高分子の有機溶媒分散液は、導電性及び熱線吸収能(赤外線吸収能)という固有導電性高分子の特性を十分に発揮し得るために、電極材料や帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、電磁波吸収剤、センサ、電解コンデンサ用電解質、二次電池用電極など種々の用途に好適に用いることができる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各物性の測定法及び測定条件は、以下のとおりである。
[1]pH
デジタルpHメーターHM−50V(東亜電波工業(株)製)を用い、25℃にて測定した。
[2]電導度
電導度計CM−30G(東亜電波工業(株)製)を用い、25℃にて測定した。
[3]表面抵抗値
Loresta IP TCP−T250(三菱化学(株)製)により測定した。
[4]粘度
EL型回転粘度計((株)TOKIMEC製)を用い、25℃にて測定した。
[5]粒子径
マイクロトラックUPA250(マイクロトラック社製)により測定した。
[6]含水量
カールフィッシャー水分計MKA−3p(京都電子工業(株)製)により測定した。
【0025】
[実施例1]
ポリアニリンの水性コロイド分散液D1012W−1(ORMECON社製、固形分濃度3.9質量%、pH=2.7、電導度15.6mS/cm)2.00kgを、水131kgを使用して、限外ろ過法(ミリポア社製分画分子量100,000)により20℃でろ過処理して、ろ過処理されたポリアニリンの水性コロイド分散液1.29kgを得た。得られたろ過処理済みポリアニリンの水性コロイド分散液のpHは1.8、電導度は8.4mS/cm、固形分濃度は4.93質量%であった。また、このろ過処理済みポリアニリンの水性コロイド分散液の固形分濃度を3.1質量%に調製した際のpHは2.2、電導度は5.0mS/cmであった。
ろ過処理済みポリアニリンの水性コロイド分散液314gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)300mLを充填したカラム(カラム径45mm)に20℃で通液し(1時間当たりの空間速度10)、カチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液575gを得た。得られたカチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液のpHは1.6、電導度は8.3mS/cm、固形分濃度は2.7質量%であった。
【0026】
得られたカチオン交換水性コロイド分散液86gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、エタノール1.2Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体をエタノールに置換し、ポリアニリンのエタノール分散液74gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は2〜4質量%に保った)。得られたエタノール分散液の固形分濃度は3.2質量%、粘度は3.3mPa・s、粒子径は214nm、含水量は0.26質量%であった。このエタノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は3.5×105Ω/□であった。
【0027】
[実施例2]
実施例1で調製したカチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液85gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、2−プロパノール1.1Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体を2−プロパノールに置換し、ポリアニリンの2−プロパノール分散液73gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は2〜4質量%に保った)。得られた2−プロパノール分散液の固形分濃度は3.2質量%、粘度は11.3mPa・s、粒子径は419nm、含水量は0.14質量%であった。この2−プロパノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は4.5×105Ω/□であった。
【0028】
[実施例3]
実施例1で調製したカチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液86gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、1−プロパノール1.0Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体を1−プロパノールに置換し、ポリアニリンの1−プロパノール分散液70gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は2〜4質量%に保った)。得られた1−プロパノール分散液の固形分濃度は3.1質量%、粘度は5.8mPa・s、粒子径は215nm、含水量は0.11質量%であった。この1−プロパノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は1.7×105Ω/□であった。
【0029】
[実施例4]
ポリアニリンの水性コロイド分散液D1012W−1(ORMECON社製、固形分濃度3.9質量%、pH=2.7、電導度1.5mS/cm)300gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ(株)製IR−120B)300mLを充填したカラムに20℃で通液し(1時間当たりの空間速度10)、カチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液427gを得た。得られたカチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液のpHは1.3、電導度は20.7mS/cm、固形分濃度は2.5質量%であった。
得られたカチオン交換水性コロイド分散液100gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、1−プロパノール1.3Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体を1−プロパノールに置換し、ポリアニリンの1−プロパノール分散液70gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は2〜4質量%に保った)。得られた1−プロパノール分散液の固形分濃度は3.3質量%、粘度は12mPa・s、粒子径は434nm、含水量は0.09質量%であった。このエタノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は1.7×105Ω/□であった。
【0030】
[実施例5]
実施例4で調製したカチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液292gを、さらに水酸基型強塩基性アニオン交換樹脂(オルガノ(株)製IRA−410)300mLを充填したカラムに20℃で通液し(1時間当たりの空間速度10)、カチオン−アニオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液464gを得た。得られたカチオン交換ポリアニリン水性コロイド分散液のpHは1.8、電導度は4.7mS/cmであった。
得られたカチオン−アニオン交換水性コロイド分散液150gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、1−プロパノール0.8Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体を1−プロパノールに置換し、ポリアニリンの1−プロパノール分散液70gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は2〜4質量%に保った)。得られた1−プロパノール分散液の固形分濃度は3.3質量%、粘度は12mPa・s、粒子径は388nm、含水量は0.11質量%であった。このエタノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は1.5×105Ω/□であった。
【0031】
[実施例6]
ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の水性コロイド分散液Baytron−P(Bayer社製、固形分濃度1.3質量%、pH=1.7、電導度7.1mS/cm)500gを、水13.1kgを使用して、限外ろ過法(分画分子量:100,000)によりろ過処理を行い、ろ過処理済みPEDOTの水性コロイド分散液500gを得た。得られたろ過処理済みPEDOTの水性コロイド分散液のpHは1.9、電導度は4.5mS/cm、固形分濃度は1.3質量%であった。
この水性コロイド分散液250gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)300mLを充填したカラムに20℃で通液し(1時間当たりの空間速度10)、カチオン交換PEDOT水性コロイド分散液493gを得た。得られたカチオン交換PEDOT水性コロイド分散液のpHは2.2、電導度は2.1mS/cmであった。
【0032】
得られたカチオン交換水性コロイド分散液150gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、エタノール2.0Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体をエタノールに置換し、PEDOTのエタノール分散液73gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。得られたエタノール分散液の固形分濃度は1.3質量%、粘度は12mPa・s、粒子径は410nm、含水量は0.24質量%であった。このエタノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は5.1×103Ω/□であった。
【0033】
[実施例7]
実施例6で調製したカチオン交換PEDOT水性コロイド分散液150gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、1−プロパノール1.0Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体を1−プロパノールに置換し、ポリチオフェンの1−プロパノール分散液75gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。得られた1−プロパノール分散液の固形分濃度は1.2質量%、粘度は640mPa・s、粒子径は439nm、含水量は0.14質量%であった。この1−プロパノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は4.1×103Ω/□であった。
【0034】
[実施例8]
固有導電性高分子の水性コロイド分散液D1031W(ORMECON社製、固形分濃度2.2質量%、pH=1.8、電導度6.4mS/cm)709gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)250mLを充填したカラムに通液し(1時間当りの空間速度5)、カチオン交換水性コロイド分散液880gを得た。得られたカチオン交換水性コロイド分散液のpHは1.8、電導度は5.5mS/cm、固形分濃度は1.9質量%であった。
得られたカチオン交換水性コロイド分散液をエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用して515gへと濃縮し、次いでメタノール17Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体をメタノールに置換した(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。
さらに、得られたメタノール分散液を超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US−1200CCVP)にて処理することにより、固有導電性高分子のメタノール分散液1340gを得た。得られたメタノール分散液の固形分濃度は1.0質量%、粘度は3.6mPa・s、含水量は0.96質量%、粒子径は105nmであった。このメタノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は2.9×103Ω/□であった。
【0035】
[実施例9]
固有導電性高分子の水性コロイド分散液D1031W(ORMECON社製、固形分濃度2.2質量%、pH=1.8、電導度6.4mS/cm)703gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)250mLを充填したカラムに通液し(1時間当りの空間速度5)、カチオン交換水性コロイド分散液1011gを得た。得られたカチオン交換水性コロイド分散液のpHは1.9、電導度は4.6mS/cm、固形分濃度は1.5質量%であった。
得られたカチオン交換水性コロイド分散液をエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用して582gへと濃縮し、次いで1−プロパノール9Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で、水媒体を1−プロパノールに置換した(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。
さらに、得られた1−プロパノール分散液を超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US−1200CCVP)にて処理することにより、固有導電性高分子の1−プロパノール分散液1445gを得た。得られた1−プロパノール分散液の固形分濃度は1.0質量%、粘度は8.8mPa・s、含水量は0.55質量%、粒子径は175nmであった。この1−プロパノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は8.6×103Ω/□であった。
【0036】
[実施例10]
固有導電性高分子の水性コロイド分散液D1031W(ORMECON社製、固形分濃度1.9質量%、pH=1.8、電導度6.6mS/cm)300gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)250mLを充填したカラムに通液し(1時間当りの空間速度5)、カチオン交換水性コロイド分散液560gを得た。得られたカチオン交換水性コロイド分散液のpHは2.0、電導度は2.9mS/cm、固形分濃度は1.0質量%であった。
得られたカチオン交換水性コロイド分散液をエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用して560gへと濃縮し、次いでN−メチルピロリドン0.3Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で、水媒体をN−メチルピロリドンに置換した(溶媒置換中、固形分濃度は1〜3質量%に保った)。
さらに、得られたN−メチルピロリドン分散液を超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US−1200CCVP)にて処理することにより、固有導電性高分子のN−メチルピロリドン分散液345gを得た。得られたN−メチルピロリドン分散液の固形分濃度は1.6質量%、粘度は114mPa・s、含水量は0.99質量%、粒子径は156nmであった。このN−メチルピロリドン分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は1.7×103Ω/□であった。
【0037】
[実施例11]
固有導電性高分子の水性コロイド分散液D1032W(ORMECON社製、固形分濃度1.3質量%、pH=2.1、電導度3.9mS/cm)261gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)250mLを充填したカラムに通液し(1時間当りの空間速度2)、カチオン交換水性コロイド分散液503gを得た。得られたカチオン交換水性コロイド分散液のpHは2.3、電導度は2.1mS/cm、固形分濃度は0.6質量%であった。
得られたカチオン交換水性コロイド分散液をエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用して266gへと濃縮し、次いでメタノール8.5Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で、水媒体をメタノールに置換した(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。
さらに、得られたメタノール分散液を超音波ホモジナイザー(Dr.Hielscher社製UIP2000)にて処理することにより、固有導電性高分子のメタノール分散液145gを得た。得られたメタノール分散液の固形分濃度は1.0質量%、粘度は1.5mPa・s、含水量は0.86質量%、粒子径は283nmであった。このメタノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は1.6×103Ω/□であった。
【0038】
[実施例12]
固有導電性高分子の水性コロイド分散液D1032W(ORMECON社製、固形分濃度1.3質量%、pH=2.1、電導度3.9mS/cm)400gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)250mLを充填したカラムに通液し(1時間当りの空間速度2)、カチオン交換水性コロイド分散液740gを得た。得られたカチオン交換水性コロイド分散液のpHは2.3、電導度は2.6mS/cm、固形分濃度は0.7質量%であった。
得られたカチオン交換水性コロイド分散液をエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用して286gへと濃縮し、次いで1−プロパノール5Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で、水媒体を1−プロパノールに置換した(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。
さらに、得られた1−プロパノール分散液を超音波ホモジナイザー((Dr.Hielscher社製UIP2000)にて処理することにより、固有導電性高分子の1−プロパノール分散液409gを得た。得られた1−プロパノール分散液の固形分濃度は1.0質量%、粘度は15.5mPa・s、含水量は0.38質量%、粒子径は103nmであった。この1−プロパノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は3.0×103Ω/□であった。
【0039】
[実施例13]
固有導電性高分子の水性コロイド分散液D1032W(ORMECON社製、固形分濃度1.4質量%、pH=2.0、電導度3.8mS/cm)113gを、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)250mLを充填したカラムに通液し(1時間当りの空間速度2)、カチオン交換水性コロイド分散液443gを得た。得られたカチオン交換水性コロイド分散液のpHは2.6、電導度は0.9mS/cm、固形分濃度は0.4質量%であった。
得られたカチオン交換水性コロイド分散液をエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用して、N−メチルピロリドン0.1Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で、水媒体をN−メチルピロリドンに置換した(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。
さらに、得られたN−メチルピロリドン分散液を超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US−1200CCVP)にて処理することにより、固有導電性高分子のN−メチルピロリドン分散液345gを得た。得られたN−メチルピロリドン分散液の固形分濃度は1.0質量%、粘度は13mPa・s、含水量は0.93質量%、粒子径は337nmであった。このN−メチルピロリドン分散液をスピンコート(回転数1000rpm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は4.0×103Ω/□であった。
【0040】
[比較例1]
ポリアニリンの水性コロイド分散液D1012W−1(ORMECON社製、固形分濃度3.9質量%、pH=2.7、電導度15.6mS/cm)100gを、エバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、1−プロパノールを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体を1−プロパノールに置換することを試みた(溶媒置換中、固形分濃度は2〜4質量%に保った)。しかし、溶媒置換途中に多量の凝集物の発生及び二層分離が観察され、均一な1−プロパノール分散液を得ることはできなかった。
【0041】
[比較例2]
ポリアニリンの水性コロイド分散液D1012W−1(ORMECON社製、固形分濃度3.9質量%、pH=2.7、電導度15.6mS/cm)2.00kgを、水131kgを使用して、限外ろ過法(分画分子量100,000)によりろ過処理を行い、ろ過処理されたポリアニリンの水性コロイド分散液1.86kgを得た。得られたろ過処理済みポリアニリンの水性コロイド分散液のpHは2.0、電導度は6.2mS/cm、固形分濃度は3.51質量%であった。また、このろ過処理済みポリアニリンの水性コロイド分散液の固形分濃度を3.1重量%に調製した際のpHは2.2、電導度は5.0mS/cmであった。
【0042】
この水分散液104gをエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用し、1−プロパノール1.0Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で水媒体を1−プロパノールに置換し、ポリアニリンの1−プロパノール分散液119gを得た(溶媒置換中、固形分濃度は2〜4質量%に保った)。得られた1−プロパノール分散液の固形分濃度は3.2質量%、粘度は33mPa・s、粒子径841nm、含水量は0.14質量%であった。この1−プロパノール分散液をアプリケーター(ウェット膜厚25μm)によりガラス板上に製膜し、110℃にて10分間乾燥させた際の表面抵抗値は3.5×105Ω/□であった。このように限外ろ過法のみを使用した際には実施例3や実施例5により得られた1−プロパノール分散液に比べて、粒子径が大きく、ガラス板状に製膜した際の表面抵抗値も大きなものとなった。
【0043】
[比較例3]
ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の水性コロイド分散液Baytron−P(Bayer社製、固形分濃度1.3質量%、pH=1.7、電導度7.1mS/cm)215gに、水素型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ製IR−120B)10g、および水酸基型強塩基性アニオン交換樹脂(オルガノ(株)製IRA−410)10gを添加し、8時間攪拌した。
次いで各イオン交換樹脂をろ過して除去することにより、カチオン−アニオン交換PEDOT水性コロイド分散液206gを得た。得られたカチオン交換PEDOT水性コロイド分散液のpHは2.0、電導度は6.0mS/cmであった。
得られたカチオン−アニオン交換PEDOT水性コロイド分散液をエバポレーター(容器内圧力60Torr、外部ヒーター温度75℃)を使用して、メタノール9.0Lを徐々に添加しながら水を除去する方法で、水媒体をメタノールに置換することを試みた(溶媒置換中、固形分濃度は0.5〜2質量%に保った)。しかし、溶媒置換途中に多量の凝集物の発生と二層分離が観察され、均一なメタノール分散液を得ることはできなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶媒がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびケトン類から選ばれる少なくとも1種を含有し、水分含量が1%以下である固有導電性高分子の有機溶媒分散液。
【請求項2】
前記固有導電性高分子が、ドーピングされたポリアニリン、ドーピングされたポリチオフェン、これらの混合物またはこれらの共重合体である請求項1記載の固有導電性高分子の有機溶媒分散液。

【公開番号】特開2007−297637(P2007−297637A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168397(P2007−168397)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【分割の表示】特願2006−524149(P2006−524149)の分割
【原出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】