土壌改良装置および土壌改良方法
【課題】パイプを土中に貫入するための装置を、小型で可搬式の装置とし、且つ、動力源装置を小型化することによって、隣接ビルの基礎補強、家屋基礎注入工事などの狭い場所での施工を可能とすること。
【解決手段】本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置。
前記の土壌改良装置を、薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作することを特徴とする土壌改良施工方法。
【解決手段】本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置。
前記の土壌改良装置を、薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作することを特徴とする土壌改良施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、家屋基礎改善、圃場改善等のための、土壌改良用薬剤を土中に供給するところのための土壌改良施工に関するものである。また、土盛高架道路側面、傾斜面等の補強対策としての地中構造物の施工、工場跡地等の化学汚染物質の除去にあたり近隣宅地と隔離するための、その他地下室施工に際して近隣建造物の宅地と隔離するための、地中隔壁構造物の施工に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の土壌改良施工に際し、貫入装置(杭打ち機)により土中に貫入したパイプを介して、薬剤供給装置から供給された薬剤を土中に注入している。
【0003】
【特許文献1】特開2006-1304110号
【特許文献2】特開2004-261811号
【特許文献3】特開平6-945905号
【特許文献4】特開平9-242057号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知技術は、土中にパイプを貫入するにあたり、杭打ち機で杭(パイプ)を地中に回転圧入している。
前記の杭打ち機は、大型機械であるため、隣接ビルの基礎補強、家屋基礎注入工事などの狭い場所での使用が困難である問題点がある。
【0005】
よって、本考案は、パイプを土中に貫入すめための装置を、小型で可搬式の装置とし、且つ、動力源装置を小型化することによって、隣接ビルの基礎補強、家屋基礎注入工事などの狭い場所での施工を可能とすることを課題とする。
【0006】
また、傾斜面その他大型土木機械の搬入の困難な施工環境、騒音・振動等の施工公害を回避する必要のある施工環境でのパイプの土中貫入作業を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を提供する。
【0008】
請求項2の発明は、前記第1発明の土壌改良装置を用いて土壌改良施工を行うものであり、薬剤供給用パイプを駆動ドラムに固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作する。
【0009】
請求項3の発明は、前記請求項2の発明に加えて、支持アームの支持台が接地することで、降下ストロークを規制する。
【0010】
請求項4の発明は、前記請求項3の発明に加えて、支持アームの支持台が接地する毎に、セット状態を解除して、土壌改良装置を上昇させたのち、セット状態として、再び薬剤供給用パイプを降下させ、上記動作の繰返しによる複数回の降下ストロークの達成により、所定深さのパイプ降下を終了する。
【0011】
請求項5の発明は、前記請求項5の発明に加えて、所定数の降下ストロークの達成により、降下を終了したのち、薬剤供給用パイプに薬剤等を供給しつつ薬剤供給用パイプを引上げる。
【0012】
請求項6の発明は、前記請求項5の発明に加えて、薬剤供給用パイプを二重管で構成し、降下時にはパイプ先端への削孔水の供給とパイプ先端よりの回収を行い、上昇時には薬剤Aと薬剤Bと区別してパイプ先端に供給する。
【0013】
請求項7の発明は、前記請求項1ないし6の発明において、パイプ径を直径40.5mmとする薬剤供給用パイプを使用する。
【0014】
請求項8の発明は、前記請求項5の発明による薬剤等の供給操作を、所定間隔で隣接施工することにより、地中隔壁構造物を施工する。
【0015】
(発明の作用)
本願発明は、回転駆動ドラムに、薬剤供給用パイプを挿入し、回転ドラムの内周面の爪を前記薬剤供給用パイプの外周面に接当させてセツトを完了する。
本体ケースを水平状態に維持して、施工箇所の地面に前記薬剤供給用パイプの先端部を挿入することで、前記薬剤供給用パイプを垂直状態に保持する。
モータを起動させ、前記モータの回転を、減速伝動装置、駆動ギヤを介して回転駆動ドラムに伝動することで、前記薬剤供給用パイプは回転する。
薬剤供給用パイプの回転させるとともに、本体ケースを押下げることで、薬剤供給用パイプは昇降する。
所定深さに降下した薬剤供給用パイプに土壌改良用薬剤を供給する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、土壌改良用薬剤の供給パイプの支持・回転駆動機構と小型化した動力源装置を装備した本体ケースを可搬式とするとともに、低振動、低騒音とするものであるから、隣接ビルの基礎補強、家屋基礎注入工事などの狭い場所での施工を可能とする効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に示す実施例にもとづいて、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図5を参照して、モータ2、減速伝動装置3を内装した本体ケース1を設ける。
【0018】
前記モータ2について、実施例においては、家庭用電源である交流100Vで使用できるAC100Vモータとしたが、動力用200V電源を使用するAC200Vモータを使用することもできる。更に、移動電源装置によるAC100V、AC200V、DC100V、DC200Vとすることもできる。更に、油圧装置を動力源とする油圧モータ、コンプレッサー装置を動力源とする空圧モータとすることもできる。
【0019】
本体ケース1に支持フレーム7を固定して一体化し、作業者は支持フレーム7を介して土壌改良装置を支持して、土壌改良装置の移動。操作等を自在とする。
【0020】
支持フレーム7には、垂直フレーム7Aと水平フレーム7Bと支持台フレーム7Cとを形成する。
【0021】
本体ケース1の側部に、軸支部4を形成し、該軸支部4に、駆動ドラム6の下端部を回転自在に装備する。
【0022】
駆動ドラム6の下部に角柱部を形成し、該角柱部と嵌合する角孔を有する駆動ギヤ5を、駆動ドラム6の下部に装備して、駆動ギヤ5と駆動ドラム6とを回転方向に一体化する。
【0023】
駆動ギヤ5を、減速伝動装置3の出力ギヤ3Aと伝導させる。
【0024】
駆動ドラム6を、減速伝動装置3および駆動ギヤ5を介して、前記モータにより高トルク(超低速)で回転駆動すべく構成する。
【0025】
図6および図7を参照して、駆動ドラム6の上部に爪付き回転体10を装備する。
【0026】
駆動ドラム6の上部に角穴を形成し、爪付き回転体10の外周面を角柱形状として、駆動ドラム6の上部と爪付き回転体10とを、角穴嵌合により、回転方向に一体化する。
【0027】
爪付き回転体10は、図7に示すごとく、薬剤供給用パイプPの外周面と対接する多数の爪12を内周面に配置した一対の半円筒体10A、10Bで構成する。
【0028】
半円筒体10A、10Bは、実施例ではセラミック製品としたが、アルミダイキャスト製品その他の金属製品としてもよいことは勿論である。
【0029】
ボルト9およびリング円板9Aにより半円筒体10A、10Bの上方離脱を阻止する。
【0030】
締付けボルト8により、前記爪付き回転体10の爪12を薬剤供給用パイプPに圧接自在とする。
【0031】
ボルト8を締め付けることで、薬剤供給用パイプPのセット状態とし、前記駆動ギヤ5よりの回転動力を薬剤供給用パイプPに伝達して、薬剤供給用パイプPを回転させるべく構成する。
【0032】
ボルト8を緩めることで、薬剤供給用パイプPの非セット状態とし、前記爪付き回転体10の爪12を薬剤供給用パイプPの外周面より離脱させ、駆動ドラム6と薬剤供給用パイプPとのロック状態を解除する。その結果、薬剤供給用パイプPに対し駆動ドラム6を含む装置を昇降自在とする。
【0033】
前記爪付き回転体10は、図7に示すごとく、薬剤供給用パイプの外周面に接当する多数の爪12を内周面に配置した一対の半円筒体10A、10Bで構成する。
【0034】
半円筒体10A、10Bは、実施例ではセラミック製品としたが、アルミダイキャスト製品その他の金属製品としてもよいことは勿論である。
【0035】
薬剤供給用パイプのセット状態では、爪付き回転体10を放射方向(横方向)に貫通するボルト13により、爪12を薬剤供給用パイプPの外周面に圧接させる構造とするとともに、回転方向には、爪付き回転体10(半円筒体10A、10B)と駆動ドラム本体6Aとを一体化している。
【0036】
以下図8ないし図16を参照して、本発明の土壌改良方法を説明する。
【0037】
本体ケース1を横方向に倒して 駆動ドラムの中心貫通孔を土表面と間隔をおいて平行(横方向)とする。
【0038】
駆動ドラムの 中心貫通孔に薬剤供給用パイプPを挿入して、図8の状態とする。
【0039】
この状態で、ボルト9を締め付けることにより、回転ドラムの内周面の爪を前記薬剤供給用パイプPの外周面に接当させることで、前記薬剤供給用パイプPの回転ドラムへのセツトを完了する。
【0040】
つぎに、図9を参照して、本体ケースを水平状態に維持して、施工箇所の地面に前記薬剤供給用パイプの先端部を挿入することで、前記薬剤供給用パイプを垂直状態に保持することで、作業準備が完了する。
【0041】
モータを起動させ、前記モータの回転を、減速伝動装置、駆動ギヤを介して駆動ドラムに伝動することで、前記薬剤供給用パイプを回転させる。
【0042】
薬剤供給用パイプPを回転させつつ、作業者は、装置の重量と作業者の重量とを支持フレーム7の水平フレーム7Bを介して薬剤供給用パイプPに加えつつ、支持フレーム7の水平フレーム7Bを押下げ操作することにより、イの位置より薬剤供給用パイプPは降下する。この際、スイベル(接続部)13を介して削孔水Wの供給源に接続して、薬剤供給用パイプPに削孔水Wの供給して薬剤供給用パイプPの先端より削孔水Wを吐出することにより薬剤供給用パイプPは降下を容易とする。
【0043】
ロの位置まで、薬剤供給用パイプPが降下すると、支持フレーム7の支持台フレーム7Cが接地することで、薬剤供給用パイプPの降下は阻止される。
【0044】
この間に、Rの長さだけ、薬剤供給用パイプPは降下する。
【0045】
ロの位置で、ボルト9を緩めて、回転ドラムの内周面の爪と前記薬剤供給用パイプPの外周面とのロック状態を解除することで、装置は前記薬剤供給用パイプPに対して昇降自由とし、作業者は装置をイの位置へ引上げたのち、ボルト9を締めることで、最初のセット状態となる。
【0046】
上記作業の繰り返して、薬剤供給用パイプPは「R」の長さの降下を繰り返すこととなる。
【0047】
回転ドラムの内周面の爪を前記薬剤供給用パイプPの外周面に接当させることで、前記薬剤供給用パイプPの回転ドラムへのセツトを完了する。
【0048】
かくして、図10に示すごとく、削孔工程においては、上記の図9の作業の繰り返しで、図10のa、b、c、と、「R」の長さの降下を繰り返して、d図の所定深さの削孔が完了する。
【0049】
つぎに、図11を参照して、所定深さに降下した薬剤供給用パイプPに土壌改良用薬剤(A剤、B剤)を供給する。この際、モータ2を逆転させることで、図9の動作と逆となり、一工程毎に「Q」の長さの上昇を繰り返す。よって、図10のa、b、c、と、の長さの上昇の繰り返しで、所定薬剤注入範囲へ薬剤等の供給を完了する。
【0050】
なお、薬剤供給用パイプPの先端部に、オーガー装置を装備してもよいものである。
【0051】
粘土・砂地等の既存宅地基礎の補強・強化のためには、パイプPを人力で押下げることができるので、低振動、低騒音の作業環境を提供するためには、オーガー装置を省くことがのぞましいものである。
【0052】
図10ないし図12に示す実施例において、本発明は、小型搬送式で小出力のモータを使用するものであるから、直径約50mm以下に限定され、供給能力を確保するためには直径約30mm以上とすることがのぞましい。
【0053】
請求項7の発明においては、薬剤供給用パイプPについて、外管の直径を40.5mmとする二重管ロッドの規格品を使用することを特徴とする。内管は直径13mmまたは直径16mmを使用する。
【0054】
削孔時(降下時)には、内側に高圧削孔水を高圧削孔水供給装置(図示省略)より供給し、内側に回収水を通して、パイプ先端より高圧削孔水の吐出によりパイプ先端の土壌を無くしてパイプ降下を促進した。
上昇時には、内側にA液、外側にB液を供給した。
【0055】
また、図10の削孔時(降下時)について、降下ストロークRを400mmとし、図12の薬剤注入工程においては、上昇ストロークQを500mmとした。図11の(c)に示す注入完了時の薬剤注入深さは1m50cmである。上昇ストロークQの値、ステップアップ回数の選択により、薬剤注入深さは適宜設定できるものである。
【0056】
実施例の土壌改良装置について、具体的な数値例を以下に示す。
モータ: 100V交流電動機、750W
重 量: 7.5kg
装置寸法: 530×100×140mm
回転ドラム回転数: 24r.p.m
削孔能力: 6m(砂・粘性土)
【0057】
つぎに、請求項8の発明における地中隔壁構造物Dを説明する。
薬剤供給用パイプを使用して土壌改良施工することにより地中隔壁構造物Dが形成される。地中隔壁構造物Dとして、土壌改良薬剤の供給により、土壌の一部が地盤改良されて柱状構造物、薬剤供給用パイプにより供給された第1薬剤Aと第2薬剤Bとに形成された柱状構造物(たとえば、第1薬剤Aとしてセメント、モルタル等、第2薬剤Bとセメント硬化促進剤を薬剤供給用パイプPにより地中に供給しパイプ先端による削孔で生じた砂と、前記セメント等、セメント硬化促進剤とによって土中に形成されたコンクリート構造物)dを横方向に連続して形成される地中隔壁である。
【0058】
図13は土盛高架道路Eの側部E1に形成された場合を示す。
【0059】
図14は、工場跡地等Fの汚染物質除去作業にあたり、隣接住宅地等F1との境界部分に形成された場合を示す。
【0060】
上記実施例においては、薬剤供給用パイプPを外管P1と内管P2との二重管構造とし、削孔時(降下時)には、内側に高圧削孔水W1を、内側に回収水W2を通し、上昇時には、内側にA液、外側にB液を供給したが、内管P2を省いて単一管の通常パイプ構造とし、削孔時(降下時)には、削孔水の供給を無くすか、回収水の無くし削孔水のみを供給し、上昇時には、2液式に代えて単液式土壌改良剤を供給することでも、請求項2ないし5の本願発明を実施できるものである。
【0061】
また、図12ないし図14に示す実施例において、本願発明による地中隔壁構造物Dの上方に、地上よりのコンクリート流込み等の適宜の施工方法で、上方延長隔壁構造物(図示省略)を設けて、請求項8の本願発明の地中隔壁構造物Dを、上方延長隔壁構造物に対する基礎として利用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本願発明は、家屋基礎改善、圃場改善等のための、土壌改良用薬剤を土中に供給するための装置を製造するための製造業の発展に寄与するものである。また、土壌改良用薬剤を土中に供給するための施工作業を行う土木建築業の発展に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本願発明の実施例を示す土壌改良装置の平面視の斜視図である。
【図2】同じく背面視の斜視図である
【図3】同じく正面図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】同じく右側面図である。
【図6】回転駆動機構を示し、a図は縦面図、b図はa図S1−S1線による横断面図、c図はa図S2−S2線による横断面図である。
【図7】爪付き回転体を示し、a図は斜視図、b図は平面図である。
【図8】作業状態を説明する正面図である。
【図9】本願考案装置のセット作業状態を示し、a図は平面図、b図は側面図である。
【図10】削孔作業の説明図である。
【図11】薬剤供給作業の説明図である。
【図12】薬剤供給パイプPによる作業の説明図で、a図は薬剤供給パイプPの説明、b図は薬剤供給パイプPの削孔作業時の説明、c図は薬剤供給作業時の説明である。
【図13】土盛高架道路の側部等の傾斜面に形成された地中隔壁構造物Dを示し、a図は地中隔壁構造物Dの平面図(土盛高架道路は横断面)、b図は同じく正面図(同縦断面)である。
【図14】隣接住宅地等との境界部分に形成された地中隔壁構造物Dを示し、a図は地中隔壁構造物Dの平面図(宅地等は横断面)、b図は同じく正面図(同縦断面)である。
【符号の説明】
【0064】
1 本体ケース
2 モータ(AC100Vモータ)
3 減速伝動装置
5 駆動ギヤ
6 駆動ドラム
7 支持フレーム
7A 垂直フレーム
7B 水平フレーム
7C 支持台フレーム
8 締付けボルト
10 爪付き回転体
P 薬剤供給用パイプ
D 地中隔壁構造物
【技術分野】
【0001】
本願発明は、家屋基礎改善、圃場改善等のための、土壌改良用薬剤を土中に供給するところのための土壌改良施工に関するものである。また、土盛高架道路側面、傾斜面等の補強対策としての地中構造物の施工、工場跡地等の化学汚染物質の除去にあたり近隣宅地と隔離するための、その他地下室施工に際して近隣建造物の宅地と隔離するための、地中隔壁構造物の施工に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の土壌改良施工に際し、貫入装置(杭打ち機)により土中に貫入したパイプを介して、薬剤供給装置から供給された薬剤を土中に注入している。
【0003】
【特許文献1】特開2006-1304110号
【特許文献2】特開2004-261811号
【特許文献3】特開平6-945905号
【特許文献4】特開平9-242057号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知技術は、土中にパイプを貫入するにあたり、杭打ち機で杭(パイプ)を地中に回転圧入している。
前記の杭打ち機は、大型機械であるため、隣接ビルの基礎補強、家屋基礎注入工事などの狭い場所での使用が困難である問題点がある。
【0005】
よって、本考案は、パイプを土中に貫入すめための装置を、小型で可搬式の装置とし、且つ、動力源装置を小型化することによって、隣接ビルの基礎補強、家屋基礎注入工事などの狭い場所での施工を可能とすることを課題とする。
【0006】
また、傾斜面その他大型土木機械の搬入の困難な施工環境、騒音・振動等の施工公害を回避する必要のある施工環境でのパイプの土中貫入作業を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を提供する。
【0008】
請求項2の発明は、前記第1発明の土壌改良装置を用いて土壌改良施工を行うものであり、薬剤供給用パイプを駆動ドラムに固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作する。
【0009】
請求項3の発明は、前記請求項2の発明に加えて、支持アームの支持台が接地することで、降下ストロークを規制する。
【0010】
請求項4の発明は、前記請求項3の発明に加えて、支持アームの支持台が接地する毎に、セット状態を解除して、土壌改良装置を上昇させたのち、セット状態として、再び薬剤供給用パイプを降下させ、上記動作の繰返しによる複数回の降下ストロークの達成により、所定深さのパイプ降下を終了する。
【0011】
請求項5の発明は、前記請求項5の発明に加えて、所定数の降下ストロークの達成により、降下を終了したのち、薬剤供給用パイプに薬剤等を供給しつつ薬剤供給用パイプを引上げる。
【0012】
請求項6の発明は、前記請求項5の発明に加えて、薬剤供給用パイプを二重管で構成し、降下時にはパイプ先端への削孔水の供給とパイプ先端よりの回収を行い、上昇時には薬剤Aと薬剤Bと区別してパイプ先端に供給する。
【0013】
請求項7の発明は、前記請求項1ないし6の発明において、パイプ径を直径40.5mmとする薬剤供給用パイプを使用する。
【0014】
請求項8の発明は、前記請求項5の発明による薬剤等の供給操作を、所定間隔で隣接施工することにより、地中隔壁構造物を施工する。
【0015】
(発明の作用)
本願発明は、回転駆動ドラムに、薬剤供給用パイプを挿入し、回転ドラムの内周面の爪を前記薬剤供給用パイプの外周面に接当させてセツトを完了する。
本体ケースを水平状態に維持して、施工箇所の地面に前記薬剤供給用パイプの先端部を挿入することで、前記薬剤供給用パイプを垂直状態に保持する。
モータを起動させ、前記モータの回転を、減速伝動装置、駆動ギヤを介して回転駆動ドラムに伝動することで、前記薬剤供給用パイプは回転する。
薬剤供給用パイプの回転させるとともに、本体ケースを押下げることで、薬剤供給用パイプは昇降する。
所定深さに降下した薬剤供給用パイプに土壌改良用薬剤を供給する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、土壌改良用薬剤の供給パイプの支持・回転駆動機構と小型化した動力源装置を装備した本体ケースを可搬式とするとともに、低振動、低騒音とするものであるから、隣接ビルの基礎補強、家屋基礎注入工事などの狭い場所での施工を可能とする効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に示す実施例にもとづいて、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図5を参照して、モータ2、減速伝動装置3を内装した本体ケース1を設ける。
【0018】
前記モータ2について、実施例においては、家庭用電源である交流100Vで使用できるAC100Vモータとしたが、動力用200V電源を使用するAC200Vモータを使用することもできる。更に、移動電源装置によるAC100V、AC200V、DC100V、DC200Vとすることもできる。更に、油圧装置を動力源とする油圧モータ、コンプレッサー装置を動力源とする空圧モータとすることもできる。
【0019】
本体ケース1に支持フレーム7を固定して一体化し、作業者は支持フレーム7を介して土壌改良装置を支持して、土壌改良装置の移動。操作等を自在とする。
【0020】
支持フレーム7には、垂直フレーム7Aと水平フレーム7Bと支持台フレーム7Cとを形成する。
【0021】
本体ケース1の側部に、軸支部4を形成し、該軸支部4に、駆動ドラム6の下端部を回転自在に装備する。
【0022】
駆動ドラム6の下部に角柱部を形成し、該角柱部と嵌合する角孔を有する駆動ギヤ5を、駆動ドラム6の下部に装備して、駆動ギヤ5と駆動ドラム6とを回転方向に一体化する。
【0023】
駆動ギヤ5を、減速伝動装置3の出力ギヤ3Aと伝導させる。
【0024】
駆動ドラム6を、減速伝動装置3および駆動ギヤ5を介して、前記モータにより高トルク(超低速)で回転駆動すべく構成する。
【0025】
図6および図7を参照して、駆動ドラム6の上部に爪付き回転体10を装備する。
【0026】
駆動ドラム6の上部に角穴を形成し、爪付き回転体10の外周面を角柱形状として、駆動ドラム6の上部と爪付き回転体10とを、角穴嵌合により、回転方向に一体化する。
【0027】
爪付き回転体10は、図7に示すごとく、薬剤供給用パイプPの外周面と対接する多数の爪12を内周面に配置した一対の半円筒体10A、10Bで構成する。
【0028】
半円筒体10A、10Bは、実施例ではセラミック製品としたが、アルミダイキャスト製品その他の金属製品としてもよいことは勿論である。
【0029】
ボルト9およびリング円板9Aにより半円筒体10A、10Bの上方離脱を阻止する。
【0030】
締付けボルト8により、前記爪付き回転体10の爪12を薬剤供給用パイプPに圧接自在とする。
【0031】
ボルト8を締め付けることで、薬剤供給用パイプPのセット状態とし、前記駆動ギヤ5よりの回転動力を薬剤供給用パイプPに伝達して、薬剤供給用パイプPを回転させるべく構成する。
【0032】
ボルト8を緩めることで、薬剤供給用パイプPの非セット状態とし、前記爪付き回転体10の爪12を薬剤供給用パイプPの外周面より離脱させ、駆動ドラム6と薬剤供給用パイプPとのロック状態を解除する。その結果、薬剤供給用パイプPに対し駆動ドラム6を含む装置を昇降自在とする。
【0033】
前記爪付き回転体10は、図7に示すごとく、薬剤供給用パイプの外周面に接当する多数の爪12を内周面に配置した一対の半円筒体10A、10Bで構成する。
【0034】
半円筒体10A、10Bは、実施例ではセラミック製品としたが、アルミダイキャスト製品その他の金属製品としてもよいことは勿論である。
【0035】
薬剤供給用パイプのセット状態では、爪付き回転体10を放射方向(横方向)に貫通するボルト13により、爪12を薬剤供給用パイプPの外周面に圧接させる構造とするとともに、回転方向には、爪付き回転体10(半円筒体10A、10B)と駆動ドラム本体6Aとを一体化している。
【0036】
以下図8ないし図16を参照して、本発明の土壌改良方法を説明する。
【0037】
本体ケース1を横方向に倒して 駆動ドラムの中心貫通孔を土表面と間隔をおいて平行(横方向)とする。
【0038】
駆動ドラムの 中心貫通孔に薬剤供給用パイプPを挿入して、図8の状態とする。
【0039】
この状態で、ボルト9を締め付けることにより、回転ドラムの内周面の爪を前記薬剤供給用パイプPの外周面に接当させることで、前記薬剤供給用パイプPの回転ドラムへのセツトを完了する。
【0040】
つぎに、図9を参照して、本体ケースを水平状態に維持して、施工箇所の地面に前記薬剤供給用パイプの先端部を挿入することで、前記薬剤供給用パイプを垂直状態に保持することで、作業準備が完了する。
【0041】
モータを起動させ、前記モータの回転を、減速伝動装置、駆動ギヤを介して駆動ドラムに伝動することで、前記薬剤供給用パイプを回転させる。
【0042】
薬剤供給用パイプPを回転させつつ、作業者は、装置の重量と作業者の重量とを支持フレーム7の水平フレーム7Bを介して薬剤供給用パイプPに加えつつ、支持フレーム7の水平フレーム7Bを押下げ操作することにより、イの位置より薬剤供給用パイプPは降下する。この際、スイベル(接続部)13を介して削孔水Wの供給源に接続して、薬剤供給用パイプPに削孔水Wの供給して薬剤供給用パイプPの先端より削孔水Wを吐出することにより薬剤供給用パイプPは降下を容易とする。
【0043】
ロの位置まで、薬剤供給用パイプPが降下すると、支持フレーム7の支持台フレーム7Cが接地することで、薬剤供給用パイプPの降下は阻止される。
【0044】
この間に、Rの長さだけ、薬剤供給用パイプPは降下する。
【0045】
ロの位置で、ボルト9を緩めて、回転ドラムの内周面の爪と前記薬剤供給用パイプPの外周面とのロック状態を解除することで、装置は前記薬剤供給用パイプPに対して昇降自由とし、作業者は装置をイの位置へ引上げたのち、ボルト9を締めることで、最初のセット状態となる。
【0046】
上記作業の繰り返して、薬剤供給用パイプPは「R」の長さの降下を繰り返すこととなる。
【0047】
回転ドラムの内周面の爪を前記薬剤供給用パイプPの外周面に接当させることで、前記薬剤供給用パイプPの回転ドラムへのセツトを完了する。
【0048】
かくして、図10に示すごとく、削孔工程においては、上記の図9の作業の繰り返しで、図10のa、b、c、と、「R」の長さの降下を繰り返して、d図の所定深さの削孔が完了する。
【0049】
つぎに、図11を参照して、所定深さに降下した薬剤供給用パイプPに土壌改良用薬剤(A剤、B剤)を供給する。この際、モータ2を逆転させることで、図9の動作と逆となり、一工程毎に「Q」の長さの上昇を繰り返す。よって、図10のa、b、c、と、の長さの上昇の繰り返しで、所定薬剤注入範囲へ薬剤等の供給を完了する。
【0050】
なお、薬剤供給用パイプPの先端部に、オーガー装置を装備してもよいものである。
【0051】
粘土・砂地等の既存宅地基礎の補強・強化のためには、パイプPを人力で押下げることができるので、低振動、低騒音の作業環境を提供するためには、オーガー装置を省くことがのぞましいものである。
【0052】
図10ないし図12に示す実施例において、本発明は、小型搬送式で小出力のモータを使用するものであるから、直径約50mm以下に限定され、供給能力を確保するためには直径約30mm以上とすることがのぞましい。
【0053】
請求項7の発明においては、薬剤供給用パイプPについて、外管の直径を40.5mmとする二重管ロッドの規格品を使用することを特徴とする。内管は直径13mmまたは直径16mmを使用する。
【0054】
削孔時(降下時)には、内側に高圧削孔水を高圧削孔水供給装置(図示省略)より供給し、内側に回収水を通して、パイプ先端より高圧削孔水の吐出によりパイプ先端の土壌を無くしてパイプ降下を促進した。
上昇時には、内側にA液、外側にB液を供給した。
【0055】
また、図10の削孔時(降下時)について、降下ストロークRを400mmとし、図12の薬剤注入工程においては、上昇ストロークQを500mmとした。図11の(c)に示す注入完了時の薬剤注入深さは1m50cmである。上昇ストロークQの値、ステップアップ回数の選択により、薬剤注入深さは適宜設定できるものである。
【0056】
実施例の土壌改良装置について、具体的な数値例を以下に示す。
モータ: 100V交流電動機、750W
重 量: 7.5kg
装置寸法: 530×100×140mm
回転ドラム回転数: 24r.p.m
削孔能力: 6m(砂・粘性土)
【0057】
つぎに、請求項8の発明における地中隔壁構造物Dを説明する。
薬剤供給用パイプを使用して土壌改良施工することにより地中隔壁構造物Dが形成される。地中隔壁構造物Dとして、土壌改良薬剤の供給により、土壌の一部が地盤改良されて柱状構造物、薬剤供給用パイプにより供給された第1薬剤Aと第2薬剤Bとに形成された柱状構造物(たとえば、第1薬剤Aとしてセメント、モルタル等、第2薬剤Bとセメント硬化促進剤を薬剤供給用パイプPにより地中に供給しパイプ先端による削孔で生じた砂と、前記セメント等、セメント硬化促進剤とによって土中に形成されたコンクリート構造物)dを横方向に連続して形成される地中隔壁である。
【0058】
図13は土盛高架道路Eの側部E1に形成された場合を示す。
【0059】
図14は、工場跡地等Fの汚染物質除去作業にあたり、隣接住宅地等F1との境界部分に形成された場合を示す。
【0060】
上記実施例においては、薬剤供給用パイプPを外管P1と内管P2との二重管構造とし、削孔時(降下時)には、内側に高圧削孔水W1を、内側に回収水W2を通し、上昇時には、内側にA液、外側にB液を供給したが、内管P2を省いて単一管の通常パイプ構造とし、削孔時(降下時)には、削孔水の供給を無くすか、回収水の無くし削孔水のみを供給し、上昇時には、2液式に代えて単液式土壌改良剤を供給することでも、請求項2ないし5の本願発明を実施できるものである。
【0061】
また、図12ないし図14に示す実施例において、本願発明による地中隔壁構造物Dの上方に、地上よりのコンクリート流込み等の適宜の施工方法で、上方延長隔壁構造物(図示省略)を設けて、請求項8の本願発明の地中隔壁構造物Dを、上方延長隔壁構造物に対する基礎として利用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本願発明は、家屋基礎改善、圃場改善等のための、土壌改良用薬剤を土中に供給するための装置を製造するための製造業の発展に寄与するものである。また、土壌改良用薬剤を土中に供給するための施工作業を行う土木建築業の発展に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本願発明の実施例を示す土壌改良装置の平面視の斜視図である。
【図2】同じく背面視の斜視図である
【図3】同じく正面図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】同じく右側面図である。
【図6】回転駆動機構を示し、a図は縦面図、b図はa図S1−S1線による横断面図、c図はa図S2−S2線による横断面図である。
【図7】爪付き回転体を示し、a図は斜視図、b図は平面図である。
【図8】作業状態を説明する正面図である。
【図9】本願考案装置のセット作業状態を示し、a図は平面図、b図は側面図である。
【図10】削孔作業の説明図である。
【図11】薬剤供給作業の説明図である。
【図12】薬剤供給パイプPによる作業の説明図で、a図は薬剤供給パイプPの説明、b図は薬剤供給パイプPの削孔作業時の説明、c図は薬剤供給作業時の説明である。
【図13】土盛高架道路の側部等の傾斜面に形成された地中隔壁構造物Dを示し、a図は地中隔壁構造物Dの平面図(土盛高架道路は横断面)、b図は同じく正面図(同縦断面)である。
【図14】隣接住宅地等との境界部分に形成された地中隔壁構造物Dを示し、a図は地中隔壁構造物Dの平面図(宅地等は横断面)、b図は同じく正面図(同縦断面)である。
【符号の説明】
【0064】
1 本体ケース
2 モータ(AC100Vモータ)
3 減速伝動装置
5 駆動ギヤ
6 駆動ドラム
7 支持フレーム
7A 垂直フレーム
7B 水平フレーム
7C 支持台フレーム
8 締付けボルト
10 爪付き回転体
P 薬剤供給用パイプ
D 地中隔壁構造物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置。
【請求項2】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を使用した土壌改良施工方法であって、
薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作することを特徴とする土壌改良施工方法。
【請求項3】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を使用した土壌改良施工方法であって、
薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作するとともに、
支持アームの支持台が接地することで、降下ストロークを規制することを特徴とする土壌改良施工方法。
【請求項4】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を使用した土壌改良施工方法であって、
薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作するとともに、
支持アームの支持台が接地することで、降下ストロークを規制し、
さらに、支持アームの支持台が接地する毎に、セット状態を解除して、土壌改良装置を上昇させたのち、セット状態として、再び薬剤供給用パイプを降下させ、所定数の降下ストロークの達成により、降下を終了することを特徴とする土壌改良施工方法。
【請求項5】
所定数の降下ストロークの達成により、降下を終了したのち、薬剤供給用パイプに薬剤等を供給しつつ薬剤供給用パイプを引上げることを特徴とする請求項2、3、または4に記載する土壌改良施工方法。
【請求項6】
薬剤供給用パイプを二重管で構成し、降下時にはパイプ先端への削孔水の供給とパイプ先端よりの回収を行い、上昇時には薬剤Aと薬剤Bと区別してパイプ先端に供給することを特徴とする請求項5に記載する土壌改良施工方法。
【請求項7】
パイプ径を直径40.5mmとする薬剤供給用パイプを使用することを特徴とする請求項5に記載する土壌改良施工方法。
【請求項8】
削孔および薬剤等の供給操作を、所定間隔で隣接施工することにより、地中隔壁構造物を施工することを特徴とする請求項2、3、または4に記載する土壌改良施工方法。
【請求項1】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置。
【請求項2】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を使用した土壌改良施工方法であって、
薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作することを特徴とする土壌改良施工方法。
【請求項3】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を使用した土壌改良施工方法であって、
薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作するとともに、
支持アームの支持台が接地することで、降下ストロークを規制することを特徴とする土壌改良施工方法。
【請求項4】
本体ケースに、モータ、減速伝動装置を内装し、前記モータにより減速伝動装置を介してモータ駆動される駆動ドラムを設けて、土壌改良用薬剤が供給される薬剤供給用パイプを回転昇降させるための回転駆動機構を構成し、
本体ケースに、可搬式とするための支持アームが付設したことを特徴とする土壌改良装置を使用した土壌改良施工方法であって、
薬剤供給用パイプと駆動ドラムと固定したセット状態で、作業者は、支持アームを把持し、モータを起動することにより、薬剤供給用パイプを昇降操作するとともに、
支持アームの支持台が接地することで、降下ストロークを規制し、
さらに、支持アームの支持台が接地する毎に、セット状態を解除して、土壌改良装置を上昇させたのち、セット状態として、再び薬剤供給用パイプを降下させ、所定数の降下ストロークの達成により、降下を終了することを特徴とする土壌改良施工方法。
【請求項5】
所定数の降下ストロークの達成により、降下を終了したのち、薬剤供給用パイプに薬剤等を供給しつつ薬剤供給用パイプを引上げることを特徴とする請求項2、3、または4に記載する土壌改良施工方法。
【請求項6】
薬剤供給用パイプを二重管で構成し、降下時にはパイプ先端への削孔水の供給とパイプ先端よりの回収を行い、上昇時には薬剤Aと薬剤Bと区別してパイプ先端に供給することを特徴とする請求項5に記載する土壌改良施工方法。
【請求項7】
パイプ径を直径40.5mmとする薬剤供給用パイプを使用することを特徴とする請求項5に記載する土壌改良施工方法。
【請求項8】
削孔および薬剤等の供給操作を、所定間隔で隣接施工することにより、地中隔壁構造物を施工することを特徴とする請求項2、3、または4に記載する土壌改良施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−46823(P2009−46823A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211629(P2007−211629)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(503469267)大長特殊土木株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(503469267)大長特殊土木株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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