説明

土壌汚染測定方法及び装置

【課題】粘性土を含む広範囲の土質に適応可能なレーザープラズマ分光分析による土壌汚染測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】微細な窪み又は孔2が穿たれた硬質体1の表面に土壌10を付着させ、その微細な窪み又は孔2に跨るビーム径の炭酸ガスパルスレーザー光4を土壌10に照射してプラズマ発光6を誘起させ、そのプラズマ発光6の分光分析により土壌10中の汚染物質11を測定する。好ましくは、微細な窪み又は孔2を、硬質体1の表面に所要深さ及び幅で穿った所要間隔の複数条の線状溝とし、その線状溝の深さ、幅及び/又は間隔を土壌10の性状に応じて選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土壌汚染測定方法及び装置に関し、とくに土壌にレーザー光を照射して生じたプラズマ発光の分光分析(以下、レーザープラズマ分光分析ということがある)により土壌中の汚染物質を測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、土壌中の汚染(銅・鉛・カドミウム・水銀等の重金属汚染、砒素等の非金属汚染、トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物汚染、有機塩素化合物汚染、石油やタールその他の石油系有機物汚染等)は、ボーリング等で採取したサンプリングコアを化学分析して調査する方法が一般的であり、綿密な調査を行う場合は多大な費用と時間を要し、限られた地点の土壌汚染しか調査できない問題点があった。土壌汚染のリスクを適切に管理するためにはできる限り早い段階で汚染の拡がりや程度の概況を把握することが必要であり、また土壌汚染に対する的確な対策措置を実施するためにも汚染の範囲や程度を迅速に把握することが重要であることから、土壌汚染をオンサイトでリアルタイムに調査できる技術の開発が望まれている。
【0003】
これに対し本発明者等は、レーザープラズマ分光分析法により土壌中の汚染物質を調査する方法を開発し、特許文献1に開示した。従来から、固体試料にパワーの大きなパルスレーザー光を照射すると表面近傍の物質が急激な加熱により溶融・気化するアブレーション(ablation)が起こり、固体試料の表面からプラズマが誘起されることが知られている(例えば非特許文献1参照)。土壌のレーザープラズマ分光分析法は、パルスレーザー光の照射により誘起された土壌のプラズマ発光の分光分析により土壌中の汚染物質を分析する方法であり、従来の化学分析のように溶媒への抽出といった前処理なしに固体試料を直接分析することが可能であり、また多種類の汚染物質を同時に分析することが可能であり、オンサイトにおけるリアルタイムでの土壌分析に適した特長を有している。
【0004】
特許文献1は、図10に示すように、地盤51の被調査部位52にレーザー装置55からのレーザー光56を直接照射してプラズマ57を発生させ、プラズマ57の発光を分光光度計58に入力してスペクトル強度分布60を求め、そのスペクトル強度分布60中の汚染物質の波長成分により被調査部位52の汚染物質を検出する方法を開示する。図示例では、地盤51にボーリング孔53を穿ち、ボーリング孔53の入口から孔内の被調査部位52まで導波路59a、59bを挿入し、導波路59a経由でレーザー光56を被調査部位52に照射し、被調査部位52で発生したプラズマ57の発光を導波路59b経由でボーリング孔53の入口まで導いて分光光度計58に入力している。導波路59a、59bのボーリング孔53内への挿入長さを変えながら、ボーリング孔53内の異なる深さの被調査部位52における汚染状況をコンピュータ61で調査することができる。また、スペクトル強度分布60中の汚染物質成分のスペクトル強度と汚染物質以外の特定地盤成分(例えばケイ素(Si)やカルシウム(Ca)成分)のスペクトル強度との相互比較(地盤成分強度による汚染物質成分強度の正規化)により、被調査部位52における土壌汚染の濃度を検出することも可能である。
【0005】
特許文献1のように地盤51中の汚染物質をプラズマ分光分析法で検出する場合は、プラズマ発光中の汚染物質のスペクトル強度(信号成分S)と不要なノイズ成分のスペクトル強度(雑音成分B)との比(S/B比)を大きくし、検出感度を高めることが重要である。一般に固体試料のプラズマ分光分析法における信号成分S及び雑音成分Bは次のように説明することができる。すなわち、パルスレーザー光の照射直後に試料の近傍に発生する高温プラズマ中には大きな運動エネルギーを有する自由電子やイオンが高い確率で含まれ、この自由電子がイオンに補足されて束縛準位に遷移する過程で放出される光は広い波長範囲にわたって連続的な光強度分布(連続スペクトル)を有しており、その光が雑音成分B(バックグランド発光)となる。このため雑音成分Bは、レーザー照射直後の時間帯で特に強く、プラズマの温度低下により急速に弱まる。他方、信号成分S(検出対象成分の発光)はレーザー照射直後の高温プラズマによって直接的に誘起されるものではなく、レーザー照射によって試料から周囲のガス体中に広がっていく衝撃波の中で励起された原子が発するものであるため、プラズマの温度が低下した後でも発光の減衰は比較的緩やかである。従って、プラズマ57の発光を分光光度計58に入力するタイミングに時間遅れを設け、信号成分Sと雑音成分Bとの比が最大となる時間帯のプラズマ発光のスペクトル強度分布を求めることにより、S/B比をある程度改善することができる。
【0006】
更に本発明者は、土壌のプラズマ分光分析においては、従来一般的なYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー光等よりも炭酸ガスレーザー光(TEA-CO2レーザー光)が適していることを見出した。比較的波長の短いYAGパルスレーザー光(波長1064nm)は、土壌に対する光吸収率が小さいので、土壌にプラズマを発生させるためにエネルギー密度を大きくする必要があり、エネルギー密度を大きくするとノイズ成分のスペクトル強度(B)も大きくなってS/B比が低下してしまう。これに対し比較的波長の長い炭酸ガスパルスレーザー光(波長10.6μm)は、土壌に対する光吸収率が大きいので、比較的小さなエネルギー密度で土壌にプラズマを発生させることができ、ノイズ成分のスペクトル強度(B)を小さく抑えてS/B比を改善することができる。またエネルギー密度が比較的小さい炭酸ガスパルスレーザー光を用いることにより、微粒子状の土壌の飛散を小さく抑え、分析感度の向上を図ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−296189号公報
【特許文献2】特開2004−301573号公報
【非特許文献1】山中一司「レーザー超音波法の原理と応用」非破壊検査、第49巻5号、p292-299
【非特許文献2】久馬一剛編「最新土壌学」株式会社朝倉書店、1997年3月15日初版、pp.75-82
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、土壌は複雑で不均質な微粒子(鉱物)の集合体であり、その粒径や含水率も様々であるため、特許文献1のように土壌にレーザー光を直接照射する方法では、土壌の性状(種類)によって汚染物質を感度よく分析できない場合がある。本発明者の実験によれば、特許文献1のレーザープラズマ分光分析法では、粒径の大きな砂質土中の汚染物質は感度よく検出できるものの、粒径が小さく多様な鉱物を含む粘性土中の汚染物質(とくに重金属汚染物質)を感度よく検出することが難しい。
【0009】
図9(A)は、重金属汚染物質である鉛(Pb)を1500mg/kg含む粘性土(関東ローム)の土壌試料に対し、パルスエネルギー750mJ、繰り返し周波数10Hzで炭酸ガスパルスレーザー光を照射したときのプラズマ発光のスペクトル強度分布の実験結果を示す。また同図(B)〜(D)は、その粘性土に混入率30%、60%、及び90%の割合で砂を混入させた土壌試料に対し、同じくパルスエネルギー750mJ、繰り返し周波数10Hzで炭酸ガスパルスレーザー光を照射したときのプラズマ発光のスペクトル強度分布の実験結果を示す。同図(A)〜(D)の実験結果から、土壌試料中のPb含有割合が低下するにも拘わらず、砂が混入されることでPbの発光スペクトル強度(405.7nm)が増大し、S/B比も増加することが分かる。また同様に、地盤成分である鉄(Fe)の発光スペクトル強度(406.3nm)も砂を混入することで増大することが分かる。同図(A)から分かるように、特許文献1のレーザープラズマ分光分析法では、軟らかい粘性土中の汚染物質の発光スペクトル強度が極めて小さく、汚染物質が微量であるとノイズ成分に埋もれて検出できない場合も想定される。
【0010】
そこで本発明の目的は、粘性土を含む広範囲の土質に適応可能なレーザープラズマ分光分析による土壌汚染測定方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
特許文献1のレーザープラズマ分光分析法において、図9に示したように粘性土に比し砂質土の発光スペクトル強度が大きくなる理由は、土壌試料の平均的な硬度が増加し、発生する衝撃波(上述した信号成分Sを励起する衝撃波)の速度が増大することで断熱圧縮により高温プラズマが生成されて、土壌中に吸着された汚染物質の解離・励起の大きなエネルギーが得られ、汚染物質のプラズマ発光が強くなる効果が作用するからと推察される。このように粘性土中の汚染物質の分析感度を向上させるためには土壌試料の硬度を増加することが有効であるが、分析の都度、土壌試料に砂等の硬質材料を混入することは手間がかかり、砂等の混合状態を一定に保つことも容易でなく、コスト面からも適当でない。
【0012】
本発明者は、例えば特許文献2が開示するように、土壌試料を硬質プローブ(例えば銅板、ニッケル板等の金属板)に付着させてレーザープラズマ分光分析法を適用する方法に注目した。特許文献2は、図11に示すように、試料が付着した硬質プローブ41の付着部42に、その硬質プローブ41に対するアブレーション閾値以下で試料に対するアブレーション閾値以上の属性のレーザー光4を照射し、誘起された試料のプラズマ発光6の分光分析により試料の構成物質を測定する方法を開示する。アブレーション閾値とは、固体表面にアブレーションを発生させるレーザー光の照射エネルギー密度のことである。比較的波長の短いYAGパルスレーザー光を照射した場合は、土壌試料だけでなくプローブ41のアブレーションも発生するため、ノイズ成分のスペクトル強度(B)が大きくなり、却って分析感度が低下するおそれがある。しかし、比較的波長の長い炭酸ガスパルスレーザー光は、硬質プローブ41に対するアブレーション閾値が大きいため、プローブ41自体のアブレーションを抑えつつ、その表面に付着した土壌試料のアブレーションのみを選択的に誘起することが可能である。しかも、土壌試料を硬質プローブ41に付着することで発生する衝撃波の速度を大きくし、汚染物質の分析感度を向上させることが期待できる。
【0013】
しかし、本発明者の予備的実験によれば、金属板等の硬質プローブ41に土壌試料を付着させただけでは、レーザー光4の照射時に発生する衝撃波によって付着した土壌試料が飛散しやすく、また重金属汚染物質を感度よく検出することが難しいとの知見が得られた。このように重金属汚染物質の検出が難しい理由として、上述した土壌の硬度不足の他に、土壌中の重金属がナノオーダーの粘土鉱物に吸着されて容易に解離しないことも影響していると考えられる。従来の粘土鉱物の物理・化学的性質に関する研究(例えば非特許文献2参照)において、層状のケイ酸塩鉱物(スメクタイト等)や中空状の非晶質鉱物(アロフェン等)等の粘土鉱物は陽イオンを吸着することが知られている。ある種の粘土鉱物は銅、鉛等の重金属を選択的に吸着するため、土壌に含まれる重金属の含有量を測定しても、分析方法によっては真の含有量と異なる結果が得られることがしばしばである。レーザープラズマ分光分析法によって粘性土の重金属汚染を測定するためには、土壌中のナノ粒子に強固に吸着された重金属をも効率よく解離し、励起・発光させることが必要である。本発明は、この知見に基づく研究開発の結果、完成に至ったものである。
【0014】
図1の実施例を参照するに、本発明による土壌汚染測定方法は、微細な窪み又は孔2が穿たれた硬質体1の表面に土壌10(図2参照)を付着させ、その微細な窪み又は孔2に跨るビーム径の炭酸ガスパルスレーザー光4を土壌10に照射してプラズマ発光6を誘起させ、そのプラズマ発光6の分光分析により土壌10中の汚染物質11(図2参照)を測定してなるものである。
【0015】
また図1のブロック図を参照するに、本発明による土壌汚染測定装置は、土壌10(図2参照)を付着させる表面に微細な窪み又は孔2が穿たれた硬質体1、その微細な窪み又は孔2に跨るビーム径の炭酸ガスパルスレーザー光4を土壌10に照射してプラズマ発光6を誘起させるレーザー装置3、及びそのプラズマ発光3の分光分析により土壌10中の汚染物質11(図2参照)を測定する分光分析装置8を備えてなるものである。
【0016】
好ましくは、微細な窪み又は孔2を硬質体1の表面に所要深さ及び幅で穿った所要間隔の複数条の線状溝とし、その線状溝2の深さ、幅及び/又は間隔を土壌10の性状に応じて選択する。更に好ましくは、図5に示すように、硬質体1をスリット13付き外管12に回転可能に遊嵌し且つそのスリット13と位置合わせ可能な外面部位に微細な窪み又は孔2が穿たれた内管1aとする。図5(C)に示すように、外管12のスリット13と位置合わせ可能な内管1aの外面部位に外向きに偏奇する硬質片14を取り付け、その硬質片14に微細な窪み又は孔2を穿つことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による土壌汚染測定方法及び装置は、微細な窪み又は孔2が穿たれた硬質体1の表面に土壌10を付着させ、その微細な窪み又は孔2に跨るビーム径の炭酸ガスパルスレーザー光4を土壌10に照射してプラズマ発光6を誘起させるので、次の顕著な効果を奏する。
【0018】
(イ)硬質体1の微細な窪み又は孔2に付着した土壌10にレーザー光を照射するので、照射時に発生する衝撃波の反作用を硬質体1で受け止めて十分な速度の衝撃波を発生させることができ、分析に必要な強度のプラズマ発光を得ることができる。
(ロ)付着した土壌10が微細な窪み又は孔2の内側に閉じ込められるので、レーザー光4の照射時に微細な土壌粒子が飛散しにくく、土壌汚染を感度よく検出することができる。
(ハ)また、微細な窪み又は孔2の内側に土壌10を閉じ込めることで、誘起されたプラズマを一定時間維持することができ、土壌中のナノ粒子に強固に吸着された重金属等の汚染物質を効率よく解離、励起発光させ、重金属汚染の検出感度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明による土壌汚染測定装置の一例のブロック図を示す。図示例の測定装置は、微細な窪み又は孔2が表面に穿たれた硬質体1と、その微細な窪み又は孔2に跨るビーム径のレーザー光4を照射するレーザー装置3と、レーザー光4の照射により励起されたプラズマ発光6を受光して分光分析する分光分析装置8とを有する。硬質体1の一例は銅、ニッケル等の金属製のものであるが、金属製に限らず十分な硬度を有し且つレーザー光4の照射によりアブレーションが起こりにくい材料製のものとすることができる。例えば金属板である硬質体1の片面に、カッター等により所要間隔で複数条の線状溝を穿って微細な窪み又は孔2とする。例えば各線状溝2の深さ及び幅を数十μmとし、各線状溝2の間隔を0.5mm程度とするが、線状溝2の幅、深さ及び/又は間隔は測定対象の土壌10の性状(例えば粘性土・砂質土等の種類、含水率等)に応じて選択することができる。また、窪み又は孔2の形状は溝状に限定されず、例えば所要間隔で所要径及び深さの複数の窪み又は孔(有底孔又は貫通孔)が表面に穿たれた硬質体1を用いることができ、その窪み又は孔の径、深さ及び/又は間隔を測定対象の土壌10の性状に応じて選択することができる。硬質体1の表面に土壌が付着し易い粗面処理を施して微細な窪み又は孔2としてもよい。
【0020】
レーザー装置3として、例えば波長10.6μm程度、パルス幅数十ns〜数百ns程度以上の炭酸ガスパルスレーザー光4を出力する炭酸ガスレーザー装置を用いる。レーザー装置3の出力(レーザー光4のパルスエネルギー)は、土壌の性状や光学系に依存する照射面積によって必要な値が変化するが、例えば750mJ〜1.5J 程度とすることができる。一般にレーザー光4のパルスエネルギーはピーク値(尖頭値)とパルス幅(パルス光の持続時間)とで定まるが、本発明者の実験によれば、土壌汚染のレーザープラズマ分光分析法においてパルスエネルギーを大きくする場合は、ピーク値ではなくパルス幅を大きくすることが望ましい。パルス幅が小さくピーク値の大きなパルスレーザー光では、汚染成分のスペクトル強度だけでなくノイズ成分のスペクトル強度も大きくなり、S/B比が低下して汚染成分の検出感度を高くすることが難しい。これに対しパルス幅の大きなパルスレーザー光は、S/B比を低下させずに汚染成分のスペクトル強度を大きくすることができ、とくに粘性土中の重金属汚染物質等の高感度検出に適している。パルスレーザー光4の繰り返し周波数は適当に選択できるが、例えば繰り返し周波数10Hz程度とすることができる。
【0021】
また炭酸ガスパルスレーザー光4は、硬質体1の微細な窪み又は孔2に跨るビーム径φを有するものとし、例えば微細な窪み又は孔2の間隔を0.5mm程度とした場合は、照射点におけるビーム径φを2〜3mm程度以上、好ましくは10mm程度以上とする。土壌は不均質な材料であり、土壌中の汚染物質の含有量も一様ではないため、レーザー光4のビーム径φが小さ過ぎると測定値が不均質性の影響を大きく受けてしまい、高感度分析が難しくなる。比較的大きなビーム径のレーザー光4を用いることにより、土壌の不均質性の影響を受けにくい汚染測定が可能となる。また、ビーム径φを微細な窪み又は孔2に跨る大きさとすることにより、図2に示すように、土壌10を窪み又は孔2に閉じ込めたままレーザー光4を照射することができ、その閉じ込め効果によってプラズマを一定時間維持すると共に発生する衝撃波の速度を増大させ、土壌10中に吸着された汚染物質の解離・励起の大きなエネルギーが得られる。本発明によりオンサイトにおける土壌汚染測定を実現するためには、レーザー装置3を車両やドリルマシンに搭載可能とするため、できるだけコンパクトで軽量のレーザー装置3を用いることが望ましい。
【0022】
図示例では、微細な窪み又は孔2が穿たれた硬質体1の表面に土壌10を付着させた上で、その表面にレーザー装置3を対向させ、その硬質体1の表面に付着した土壌10にレーザー装置3で発生させたパルスレーザー光4を照射する。例えば、硬質体1を土壌中に差し込み可能な形状とし、硬質体1を地中所定深度に貫入させて所定深度の土壌を窪み又は孔2に付着させることができる。必要に応じて、レーザー装置3と硬質体1の表面との間に、レーザー光4を伝搬する光ファイバ又は金属製中空パイプ等の導波路を設けてもよい。また図示例のように、レーザー装置3に適当な光学系(集光レンズ等)3aを含め、レーザー光4の照射域の面積を光学系3aで絞ることにより、照射点におけるレーザー光4のエネルギー密度E及びビーム径φを調節してもよい。例えば出力点においてビーム径φ=30mm程度のレーザー光4を、光学系3aにより照射点におけるビーム径φを10mm程度とする。照射点におけるエネルギー密度は0.75〜1.5J/cm2程度とすることが望ましい。
【0023】
硬質体1の表面で発生したプラズマ発光6の一部を例えば集光レンズ等を介して受光器7に取り入れ、受光器7から分光分析装置8までプラズマ発光6を導波路8aにより伝搬する。導波路8aの一例は、光ファイバ又は金属製中空パイプである。プラズマ発光6を取り入れるため、受光器7に凹面鏡等の集光装置を含めてもよい。分光分析装置8の一例はマルチチャンネル分光器であり、取り入れたプラズマ発光6を例えば回折格子等を用いてスペクトルに分解し、更に撮像素子等を用いてスペクトル強度分布を測定することにより土壌中の汚染物質の有無又は濃度を測定する。分光分析装置8にコンピュータを含め、コンピュータ内蔵のプログラムにより汚染物質を測定してもよい。図示例の分光分析装置8は、土壌汚染の測定結果を表示するディスプレイ等の表示装置9を有する。
【0024】
[実験例1]
硬質体1として表面に深さ数十μm、間隔0.5mm程度の複数条の線状溝2を穿った金属板を用いて図1の土壌汚染測定装置を試作し、本発明による土壌汚染測定方法の効果を確認する実験を行った。鉛(Pb)を1500mg/kg含む粘性土(関東ローム)の土壌試料を硬質体1の表面に付着させ、パルスエネルギー750mJ、繰り返し周波数10Hz、ビーム径φ=30mm(照射点のビーム径φ10mm以上)の炭酸ガスパルスレーザー光を照射して発生したプラズマ発光の分光分析を行った。実験結果のプラズマ発光スペクトルを図6に示す。
【0025】
図6のグラフでは、Pbの発光線(405.7nm)を明瞭に確認することができる。上述したように図9(A)は同じ粘性土に対して炭酸ガスパルスレーザー光を直接照射したときのプラズマ発光スペクトルを示しており、同図と図6との比較から、硬質体1を用いる本発明により汚染物質(Pb)の発光強度が大幅に増加していることが分かる。また、図9(A)におけるS/B比は0.2程度であるのに対し、図6におけるS/B比は0.8程度であり、硬質体1を用いることにより約4倍のS/B比改善効果が得られることが分かる。なお、図6の実験結果では雑音成分Bが比較的大きくなっているが、これは硬質体1(線状溝2の外側等)に付着した土壌試料の一部がレーザー光4の照射時に飛び散って雰囲気ガスのプラズマ発光が増大した影響と考えられる。本発明者は、硬質体1の線状溝2の形状(溝2の幅、深さ、間隔等)を調節して土壌の付着性を高めることにより、S/B比を更に改善して汚染物質(Pb)の検出感度が向上することを実験的に確認することができた。
【0026】
図2は、本発明により粘性土中の汚染物質(Pb)の検出感度が向上する原理を図式的に示す。すなわち、表面に微細な窪み又は孔2が穿たれた硬質体1は、次の3つの効果を提供するものである。
1)微細な窪み又は孔2に粘性土を閉じ込めることで、レーザー光4の照射時の衝撃波によって微細な土壌粒子が飛散することを防ぐ。
2)微細な粒子が緩く集合した状態の粘性土にレーザー光4を照射しても、硬さの不足から高速の衝撃波を得ることは難しいが、硬質体1に粘性土を付着させ、土壌粒子の背後に硬質体1を配置することで、高速の衝撃波を容易に発生させることができ、分析に必要な大きな強度のプラズマ発光を得ることができる。
3)ナノオーダーの微細な粘土鉱物の間隙や内部に入り込み、結合・吸着されている重金属を分析にかけるために、粘性土中の鉱物と重金属との結合・吸着を解離させ且つ励起・発光させるに必要なプラズマ温度とその保持時間を確保することができる。
【0027】
[実験例2]
本発明が粘性土の分析に有効であることを確認できたので、更に高含水状態の土壌汚染の測定に対する本発明の有効性を確認する実験を行った。本実験では、粘性土(関東ローム)に汚染物質として1000mg/kgの銅(Cu)を混入させた模擬汚染土壌試料を用い、乾燥状態と含水状態(含水率40%程度)とでそれぞれ発光スペクトルを比較した。硬質体1として、ニッケル板の表面にカッターでヤスリ状の微細溝2を付したものを用いた。微細溝2の間隔は約0.5mm、溝の深さは数十μm程度である。パルスエネルギー1.0J、繰り返し周波数10Hz、照射点のビーム径φ=10mm以上の炭酸ガスパルスレーザー光を照射したときのプラズマ発光スペクトルの実験結果を図7に示す。同図(A)は乾燥状態の土壌の分析結果、同図(B)は含水状態の土壌の分析結果である。
【0028】
図7(A)及び同図(B)におけるCuの発光線(324.7nm)を比較すると、乾燥状態に比し含水状態では発光強度が半分程度に低下するが、S/B比で比較するとほぼ同等であることが分かる。このことから、本発明は高含水状態の土壌汚染の測定にも有効であることが確認できた。すなわち、水分を多く含む土壌に対して重金属の発光を強めようとする場合、レーザー光を直接照射する従来方法ではエネルギー密度を大きくする必要があるが、その際に雑音成分(B)の増大が避けられず、分析感度(S/B比)の低下が問題となる。これに対し本発明では、レーザー光4のエネルギー密度を増加させずに重金属の発光スペクトル強度を大きくすることが可能であるため、分析感度(S/B比)の低下が生じない。
【0029】
[実験例3]
更に、本発明の測定方法で実際の工場跡地等から採取した汚染土壌(実汚染土)を分析し、化学分析で求めた全量分析(強酸分解−全含有量分析)の結果と比較する実験を行った。本実験では、実験例2と同様にニッケル板の表面にカッターでヤスリ状の微細溝2を付した硬質体1を用い、汚染土壌として鉛その他の化合物を汚染物質として含む含水状態の砂質実汚染土A、及び鉛その他の化合物を汚染物質として含む乾燥状態の粘性実汚染土Bを用いた。化学分析による砂質実汚染土Aの汚染物質含有量(強酸分解−全含有量分析)は4800mg/kg、粘性汚染土Bの汚染物質含有量は1400mg/kgであった。これらの実汚染土A及びBをそれぞれ少量ずつニッケル板の微細溝2に指で薄く付着させ、レーザー光4の照射時に飛散しやすい余剰の汚染土及び粒径の大きい砂分を指で払い落としたのち、ニッケル板の表面にパルスエネルギー1.5J、繰り返し周波数10Hz、照射点のビーム径φ=10mm以上の炭酸ガスパルスレーザー光を繰り返し照射し、プラズマ発光スペクトルの8回の加算平均を求めた。なお、デフォーカス距離は4.5mm(レンズ焦点距離は100mm)とした。図8(A)は実汚染土Aの分析結果を示し、同図(B)は実汚染土Bの分析結果を示す。
【0030】
図8の実験結果から、鉛(Pb)の発光線(405.7nm)は実汚染土A、B共に良好に検出されており、高濃度に汚染された実汚染土Aでは発光強度が大きく、比較的低濃度の実汚染土Bでは発光強度が小さな値となっていることが分かる。図8(C)は、化学分析で求めた汚染物質含有量(強酸分解−全含有量分析)と本発明により求めた図8の鉛(405.7nm)の発光強度との相関関係をプロットしたグラフを示す。同図(C)において化学分析で求めた汚染物質含有量と本発明により求めた発光強度とは原点付近を通る直線状に乗っており、本発明による発光強度と化学分析による汚染物質含有量との間には強い相関があることを確認できた。化学分析は、硝酸や硫酸といった強酸や強アルカリを使用する分析法であり、3週間程度の期間がかかる。これに対し本発明の土壌汚染測定方法によれば、更に多くの性状の土壌により検証を行う必要があるものの、例えば同図(C)の相関関係を分光分析装置8(図1参照)に記憶しておくことにより、粘性土を含む広範囲な土壌中の汚染物質含有量を迅速に且つ簡易に測定することが期待できる。
【0031】
こうして本発明の目的である「粘性土を含む広範囲の土質に適応可能なレーザープラズマ分光分析による土壌汚染測定方法及び装置」の提供が達成できる。
【実施例1】
【0032】
図5は、本発明で用いる硬質体1を2重管構造とした実施例を示す。例えば硬質体1を、同図(B)に示すような軸方向スリット13付き外管12に回転可能に遊嵌する同図(A)のような内管1aとし、その外管12のスリット13と位置合わせ可能な内管1aの外面部位に微細な窪み又は孔2を設ける。例えば内管1aを銅、ニッケル等の金属管とする。本発明では硬質体1の微細な窪み又は孔2に付着した土壌を分析するため、例えば硬質体1を地中に貫入させて土壌を付着させる場合に、貫入時及び回収時等に硬質体1の表面に付着した土壌が撹乱されないことが必要となる。例えば図5において、内管1aの微細な窪み又は孔2を設けた外面部位(付着用外面部位)と外管12のスリット13とをずらした上で内管1aを外管12と共に地中所定深度に貫入させたのち、例えば図4(B)の矢印R1のように外管12に対して内管1aを回転させることにより外管12のスリット13と内管1aの付着用外面部位とを位置合わせして所定深度の土壌を内管1aの微細な窪み又は孔2に付着させる。その後、例えば図4(C)の矢印R2のように外管12に対して内管1aを回転させることにより外管12のスリット13と内管1aの付着用外面部位とをずらした上で、内管1aを外管12と共に又は外管12から引き抜いて地表に引き上げることによりレーザープラズマ分光分析に供する。このように硬質体1を2重管構造とすることにより、地中への貫入時及び回収時における付着土壌の撹乱を防止することができる。
【0033】
図5(C)は、外管12のスリット13と位置合わせ可能な内管1aの外面部位に外向きに偏奇する硬質片14を取り付け、その硬質片14に微細な窪み又は孔2を穿った硬質体1の他の実施例を示す。2重管構造の硬質体1を地中に貫入させる場合、2重管の周縁部の地層は貫入時に撹乱されることがある。図示例のように内管1aの外周に外向きに偏奇する硬質片(例えば金属片)14を取り付けることにより、例えば図4(B)に示すように、外管12のスリット13との位置合わせ時に内管1aの硬質片14をスリット13から外側に突出させて所定深度の土壌を微細な窪み又は孔2に付着させることができ、2重管周縁の撹乱された土壌ではなくその外側の地層中の土壌を微細な窪み又は孔2に付着させてレーザープラズマ分光分析に供することができる。図示例では、硬質片14を外向きに偏奇するヒンジ14によって内管1aの外面に取り付けているが、硬質片14の取り付け方法は図示例に限定されるものではない。
【実施例2】
【0034】
図3及び図4は、図5に示した2重管構造の硬質体1を、地中貫入装置20及び内管回転装置21と組み合わせた本発明の土壌汚染測定装置の実施例を示す。図示例の測定装置は、2重管構造の硬質体1を支持する支柱23と、その支柱23に沿って硬質体1を地中に貫入させる貫入装置20a、20bと、硬質体1の内管1aを外管12に対して回転させる内管回転装置21と、レーザー装置3及び分光分析装置8とを有する。例えば同図(A)に示すように土壌汚染測定装置をベースマシン22の一端部に取り付けてオンサイトの測定地点まで搬送し、同図(B)に示すように地中貫入装置20によって2重管構造の硬質体1の内管1aを外管12と共に地中の所定深度に貫入させる。2重管構造の硬質体1は、例えば打撃・回転を伴う掘削等により地中に貫入させることができ、図10のように精密な光学機器を内蔵するため打撃・回転を嫌う方法に比し、掘進効率・掘削に要する時間の点で有利である。また、地下水や粉塵の流入がある場合でも、地中貫入部に光学機器を備えていない図示例の2重管構造が有利である。
【0035】
2重管構造の硬質体1を地中の所定深度に掘削貫入させたのち(図4(A)参照)、上述したように外管12のスリット13と内管1aの付着用外面部位とを位置合わせして所定深度の土壌を内管1aの微細な窪み又は孔2に付着させ(同図(B)参照)、更に外管12のスリット13と内管1aの付着用外面部位とをずらした上で内管1aを地表に引き抜く(同図(C)参照)。図3(C)に示すように、内管1aを地表に引き上げながら、地表に露出した内管1aの外面部位に付着した土壌の分布に対して、レーザー光4を照射して分光分析を行うことにより、地中貫入方向における異なる深さの汚染分布を測定することができる。図示例の土壌汚染測定装置によれば、掘削、引き抜き、測定といった一連の作業を迅速に行うことができ、ベースマシン22を少しずつ移動させながらそれらの作業を繰り返すことにより、オンサイトにおいて地中の土壌汚染分布を迅速に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の土壌汚染測定装置の一実施例のブロック図である。
【図2】本発明による土壌汚染測定方法の原理を示す説明図である。
【図3】本発明の土壌汚染測定装置の他の実施例の説明図である。
【図4】図3の測定装置による土壌採取方法の説明図である。
【図5】図3の測定装置における硬質体の説明図である。
【図6】本発明による土壌汚染測定結果の一例を示すグラフである。
【図7】本発明による土壌汚染測定結果の他の一例を示すグラフである。
【図8】本発明による土壌汚染測定結果の更に他の一例を示すグラフである。
【図9】従来のレーザープラズマ分光分析法による土壌汚染測定結果の一例を示すグラフである。
【図10】従来のレーザープラズマ分光分析法の一例の説明図である。
【図11】従来のレーザープラズマ分光分析法の他の一例の説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1…硬質体 2…微細な窪み又は孔(線状溝)
3…レーザー装置 3a…光学系
4…レーザー光 5…プラズマ
6…プラズマ発光 7…受光器
8…分光分析装置 8a…導波路
9…表示装置 10…土壌
11…汚染物質 12…外管
13…スリット 14…硬質片
15…ヒンジ 20…地中貫入装置
21…内管回転装置 22…ベースマシン(移動装置)
23…支柱
41…プローブ 42…試料付着部
51…地盤 52…被調査部位
53…ボーリング孔 54…地盤調査装置
55…レーザー装置 56…レーザー光
57…プラズマ 58…分光光度計
59…導波路 59a…レーザー光の導波路
59b…プラズマ光の導波路 60…スペクトル強度分布
61…コンピュータ 62…スペクトル分析装置
64…記憶装置
66…データ管理手段 70…導波路終端装置
71…ディスプレイ 72…プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細な窪み又は孔が穿たれた硬質体の表面に土壌を付着させ、その微細な窪み又は孔に跨るビーム径の炭酸ガスパルスレーザー光を土壌に照射してプラズマ発光を誘起させ、そのプラズマ発光の分光分析により土壌中の汚染物質を測定してなる土壌汚染測定方法。
【請求項2】
請求項1の測定方法において、前記微細な窪み又は孔を、前記硬質体の表面に所要深さ及び幅で穿った所要間隔の複数条の線状溝としてなる土壌汚染測定方法。
【請求項3】
請求項2の測定方法において、前記線状溝の深さ、幅及び/又は間隔を土壌の性状に応じて選択してなる土壌汚染測定方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの測定方法において、前記硬質体を、スリット付き外管に回転可能に遊嵌し且つそのスリットと位置合わせ可能な外面部位に微細な窪み又は孔が穿たれた内管とし、前記内管の外面部位と外管のスリットとをずらした上で内管を外管と共に地中所定深度に貫入させ、前記内管の外面部位と外管のスリットとを位置合わせして所定深度の土壌を微細な窪み又は孔に付着させたのち、前記内管の外面部位と外管のスリットとをずらした上で内管を地表に引き上げてなる土壌汚染測定方法。
【請求項5】
請求項4の測定方法において、前記外管のスリットと位置合わせ可能な内管の外面部位に外向きに偏奇する硬質片を取り付け、その硬質片に微細な窪み又は孔を穿ち、前記外管のスリットとの位置合わせ時に内管の硬質片をスリットから外側に突出させて所定深度の土壌を微細な窪み又は孔に付着させてなる土壌汚染測定方法。
【請求項6】
土壌を付着させる表面に微細な窪み又は孔が穿たれた硬質体、その微細な窪み又は孔に跨るビーム径の炭酸ガスパルスレーザー光を土壌に照射してプラズマ発光を誘起させるレーザー装置、及びそのプラズマ発光の分光分析により土壌中の汚染物質を測定する分光分析装置を備えてなる土壌汚染測定装置。
【請求項7】
請求項6の測定装置において、前記微細な窪み又は孔を、前記硬質体の表面に所要深さ及び幅で穿った所要間隔の複数条の線状溝としてなる土壌汚染測定装置。
【請求項8】
請求項7の測定装置において、前記線状溝の深さ、幅及び/又は間隔を土壌の性状に応じて選択してなる土壌汚染測定装置。
【請求項9】
請求項6から8の何れかの測定装置において、前記硬質体を、スリット付き外管に回転可能に遊嵌し且つそのスリットと位置合わせ可能な外面部位に微細な窪み又は孔が穿たれた内管としてなる土壌汚染測定装置。
【請求項10】
請求項9の測定装置において、前記外管のスリットと位置合わせ可能な内管の外面部位に外向きに偏奇する硬質片を取り付け、その硬質片に微細な窪み又は孔を穿ってなる土壌汚染測定装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−14843(P2008−14843A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187271(P2006−187271)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月 財団法人機械システム振興協会発行の「土壌環境汚染計測モニタリング機械システムの開発に関するフィージビリティスタディ 報告書 −要旨−」に発表
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(591052239)財団法人エンジニアリング振興協会 (8)
【Fターム(参考)】