説明

土木構築物用ユニットの製造方法及び土木用間詰め具

【課題】複数の塊状体(自然石)を並べることにより形成される区画空間内にコンクリートを充填する前に行われる間詰め作業の負担を軽減すると共に、その隣り合う塊状体間から充填コンクリートが漏れ出ることを確実に防止する。
【解決手段】複数の自然石2aを並べて区画空間6を形成し、その区画空間6内にコンクリート44を充填する土木構築物用ユニット1の製造方法において、一対の間詰めユニット22と、それらを連結する結束バンド23とを備えるものを用意し、コンクリート44充填前に、間詰めユニット22の覆い板25を、各隣り合う自然石2a間をその外側から跨ぐようにそれぞれ配置すると共に、その各対向する両間詰めユニット22を結束バンド23により締め上げ、各対向する両間詰めユニット22の覆い板25を隣り合う自然石2aに跨るようにしつつ撓ませて、隣り合う自然石2a間の隙間5をなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木構築物用ユニットの製造方法及び土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具に関する。
【背景技術】
【0002】
土木構築物としての護岸には、多数の土木構築物用ユニットを施工面に敷設したもの、複数の土木構築物用ユニットを階段状に積み上げたもの等がある。この土木構築物用ユニットには、例えば特許文献1に示すように、コンクリートブロック体の周囲に複数の塊状部材を配置し、その各塊状部材にアンカーを、その一端部をもって連結すると共に、該各アンカーの一端部よりも他端側をコンクリートブロック体内に埋め込んだものが提案されている。このものによれば、複数の塊状部材とコンクリートブロック体とにより重量安定性を確保できると共に、そのコンクリートブロック体を囲む複数の塊状部材の不規則な形状に基づき周囲の自然環境に調和させることができることになる。その一方、重量安定性を確保するための部品としてコンクリートブロック体を用いることから、籠等の収容容器を省くことができることになり、部品点数の低減を図ることができる。
【0003】
ところで、このような土木構築物用ユニットを製造するには、複数の塊状体(上記土木構築物用ユニットにおいてはアンカー付き塊状体)を作業面上に並べて区画空間を形成し、その区画空間内にコンクリートを充填することが行われる。この場合、隣り合う塊状体間に隙間が生じて充填コンクリートが漏れ出ることから、そのコンクリートの充填前に、各隣り合う塊状体間にその外側から割栗石や土嚢を積み上げて間詰め作業を行い、各隣り合う塊状体間の隙間が閉塞される。これにより、割栗石、土嚢等は、その質量をもって、区画空間内に充填されるコンクリートに抗し、区画空間内のコンクリートが区画空間外に漏れ出ることを防止する。
【特許文献1】特許第3737509号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記製造方法では、間詰め具として、重量物である土嚢等が用いられることになり、それらを用いた間詰め作業(積み上げ作業等)は、煩雑であるばかりか、作業者にとってかなりの負担となる。
また、土嚢等は、上述の通り、その質量だけにより区画空間内のコンクリートに抗しており、コンクリートに抗するには十分とはいえない。このため、コンクリートが漏れ出てコンクリートブロック体に不規則に盛り上がり部が形成される傾向にある。さらには、区画空間内に充填されたコンクリートをバイブレータを用いて締固めする場合には、バイブレータの振動により土嚢等が外側へ滑動、崩落し、間詰め効果が損なわれるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その第1の技術的課題は、複数の塊状体を並べることにより形成される区画空間内にコンクリートを充填する前に行われる間詰め作業の負担を軽減できると共に、その隣り合う塊状体間から充填コンクリートが漏れ出ることを確実に防止できる土木構築物用ユニットの製造方法を提供することにある。
第2の技術的課題は、上記土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
複数の塊状体を並べて区画空間を形成し、該区画空間内にコンクリートを充填して、少なくともコンクリートブロック体の周囲に塊状体が一体化された土木構築物用ユニットを製造する土木構築物用ユニットの製造方法において、
土木用間詰め具として、複数の可撓性覆い板と、該覆い板同士間を跨るように延びて該各覆い板を貫通する支持具と、該支持具の各外端部に着脱可能にそれぞれ取付けられ前記各覆い板が該支持具の外端部外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備えるものを用意し、
前記区画空間内への前記コンクリートの充填前に、前記土木用間詰め具の前記支持具を前記区画空間内に配設すると共に、該土木用間詰め具の前記各覆い板を各隣り合う塊状体に外側からそれぞれ跨らせた状態にして、該各覆い板を、前記支持具及び前記外側規制部材に基づき該区画空間内に向けて引っ張る状態とする構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2〜8の記載の通りとなる。
【0007】
前記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項9に係る発明)にあっては、
複数の塊状体が並べられることにより形成される区画空間内にコンクリートを充填するに際して、各隣り合う塊状体間を閉塞する土木用間詰め具であって、
前記各隣り合う塊状体間を該各隣り合う塊状体の外側から覆う複数の可撓性覆い板と、
前記覆い板同士間を跨るように延びて該各覆い板を貫通する支持具と、
前記支持具の各外端部に着脱可能にそれぞれ取付けられ前記各覆い板が該支持具の外端部外方に移動することを規制する外側規制部材と、
を備えている構成としてある。この請求項9の好ましい態様としては、請求項10以下の記載の通りとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、区画空間内への前記コンクリートの充填前に、土木用間詰め具の支持具を区画空間内に配設すると共に、土木用間詰め具の各覆い板を各隣り合う塊状体に外側からそれぞれ跨らせた状態にして、各覆い板を、支持具及び外側規制部材に基づき区画空間内に向けて引っ張る状態とすることから、当該土木用間詰め具を用いて、隣り合う塊状体間を閉塞できる。この場合、支持具が、コンクリート圧を覆い板を介して、その引張り強度として受け止めることになり、区画空間内のコンクリート圧に対して覆い板は十分に抗することができる。しかも、可撓性覆い板を、隣り合う塊状体に跨った状態で区画空間内に向けて引っ張る状態にすることから、覆い板を撓ませて隣り合う塊状体に沿わせる(馴染ませる)ことができ、覆い板による隣り合う塊状体間の閉塞状態を確実に維持して、その隣り合う塊状体間からコンクリートが漏れ出ることを確実に防止できる。これにより、コンクリートブロック体の形状を一定規格のものに形成できる。
また、土木用間詰め具を比較的軽量な部材を用いて形成でき、それらを簡単に搬送することができる。しかも、上記のように、コンクリートの充填前において、支持具を区画空間内に配設すると共に、各覆い板を各隣り合う塊状体に外側からそれぞれ跨らせた状態にして、各覆い板が区画空間内に向けて引っ張られる状態にセットするだけで、各隣り合う塊状体間の間詰め作業を終えることになり、重量物の積み上げ作業等を行う必要はなくなる。このため、作業者の作業負担を格段に軽減できる。
したがって、複数の塊状体を並べることにより形成される区画空間内にコンクリートを充填する前に行われる間詰め作業の負担を軽減できると共に、その各隣り合う塊状体間から充填コンクリートが漏れ出ることを確実に防止できる。
勿論この場合、コンクリートの硬化後に、外側規制部材を取り外すと共に、覆い板を引き抜くことができることから、覆い板等の間詰め具を簡単に除去できる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、土木用間詰め具として、可撓性覆い板と、覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて覆い板がねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備える間詰めユニットを一対有するものであって、一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を連結具により当接状態に保持することによって、土木用間詰め具の支持具を構成するものを用意し、その上で、区画空間内へのコンクリートの充填前に、隣り合う塊状体間のうち、対向するものの各外側に前記各間詰めユニットをそれぞれ配置して、各間詰めユニットのねじ棒を区画空間内に向けて延ばすと共に各間詰めユニットの覆い板を各隣り合う塊状体に跨がるようにし、次に、前記連結具を用いることにより、両間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を重なる範囲で当接状態をもって保持し、次に、一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の少なくともいずれか一方を、ねじ棒の軸心を中心として回転させて、一対の間詰めユニットにおける両ねじ棒を、該両ねじ棒の他端側外周面同士の当接領域(ねじ山同士が係合している領域)が増加する方向に移動させることから、各ねじ棒とその各ねじ棒上の外側規制部材とに基づき、各覆い板は区画空間に向けて引っ張られて、各隣り合う塊状体に沿って撓むことになる。このため、各覆い板により各隣り合う塊状体間の閉塞状態を確実に維持して、その各隣り合う塊状体間からコンクリートが漏れ出ることを確実に防止できる。
また、支持具が、連結具を用いることにより一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を当接状態に保持して該一対のねじ棒を連結状態とする構成であることから、支持具全体を、高い剛性を有する剛体として構成できることになり、各覆い板の撓み状態を保持しつつ充填コンクリート圧に十分に抗することができるばかりでなく、当該土木構築物用ユニットの完成後において、その土木構築物用ユニットの強度を高めることができる。
さらに、連結具を用いることにより、各間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を重なる範囲で当接状態に保持し、その上で、一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の少なくともいずれか一方を、ねじ棒の軸心を中心として回転させて、一対の間詰めユニットにおける両ねじ棒を、該両ねじ棒の他端側外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させる構成であることから、両ねじ棒の雄ねじ部同士の係合関係に基づいて該両ねじ棒の全長を微調整することができ、各覆い板の撓み状態を的確に調整できる。このため、各隣り合う塊状体間から充填コンクリートが漏れ出ることを、一層確実に防止できる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、土木用間詰め具として、可撓性覆い板と、覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、ねじ棒の一端側に着脱可能にそれぞれ設けられて覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備える間詰めユニットを複数有するものであって、複数の間詰めユニットにおける複数のねじ棒と、放射状に連結された複数の連結ねじ棒と、各ねじ棒の他端側外周面と各連結ねじ棒の外周面とをそれぞれ当接状態をもって保持する複数の連結具と、により、土木用間詰め具の前記支持具を構成するものを用意し、その上で、区画空間内へのコンクリートの充填前に、各隣り合う塊状体間の外側に前記間詰めユニットをそれぞれ配置して、各間詰めユニットのねじ棒を区画空間内に向けて延ばすと共に各間詰めユニットの覆い板を該各隣り合う塊状体に跨がるようにし、次に、連結具を用いることにより、各ねじ棒の外周面と各連結ねじ棒の外周面とを重なる範囲で当接状態をもって保持して、各ねじ棒及び連結ねじ棒を、区画空間の略中央から各隣り合う塊状体間に延びるようにし、次に、各間詰めユニットのねじ棒を、該各ねじ棒の軸心を中心として回転させて、各ねじ棒及び連結ねじ棒を、該ねじ棒及び連結ねじ棒の外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させることから、各ねじ棒、連結ねじ棒棒及びねじ棒上の外側規制部材に基づき、各覆い板は区画空間に向けて引っ張られて、各隣り合う塊状体に沿って区画空間内に向けて撓むことになる。このため、隣り合う塊状体間(の隙間)同士が対向する関係にない場合(隣り合う塊状体間の数が奇数の場合等)であっても、各覆い板により各隣り合う塊状体間を確実に閉塞状態にでき、その各隣り合う塊状体間からコンクリートが漏れ出ることを確実に防止できる。
また、各間詰めユニットにおけるねじ棒が複数の連結ねじ棒を介して互いに連結されることになり、支持具全体は、極めて高い剛性を有する剛体となる。このため、各覆い板の撓み状態を保持しつつ充填コンクリート圧に十分に抗することができるばかりでなく、当該土木構築物用ユニットの完成後において、その土木構築物用ユニットの強度を著しく高めることができる。
【0011】
請求項4に係る発明によれば、土木用間詰め具として、可撓性覆い板と、覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備える間詰めユニットを一対有するものであって、一対の間詰めユニットにおけるねじ棒と、各ねじ棒の他端側に設けられる連結部材と、両ねじ棒の連結部材同士を連結するための結束バンドと、により、土木用間詰め具の支持具を構成するものを用意し、その上で、区画空間内へのコンクリートの充填前に、隣り合う塊状体間のうち、対向するものの各外側に各間詰めユニットをそれぞれ配置して、各間詰めユニットのねじ棒を区画空間内に向けて延ばすと共に各間詰めユニットの覆い板を各隣り合う塊状体に跨がるようにし、次に、一対の間詰めユニットの連結部材同士を結束バンドにより結束して、各間詰めユニットの覆い板を前記区画空間に向けて引っ張ることから、区画空間内の結束バンドを締め上げるだけで、各覆い板を隣り合う塊状体に跨った状態で撓ませることができ、区画空間内に作業者が手を入れた状態で作業がしにくいときでも、簡単に覆い板に引っ張り力を作用させることができる。このため、隣り合う塊状体間からのコンクリートの漏れを確実に防止できると共に、その作業を、一層容易にできる。
【0012】
請求項5に係る発明によれば、支持具として、その各外端部に少なくとも雄ねじ部が形成された1本のねじ棒が用いられ、外側規制部材として、ねじ棒の外周に螺合されるナットが用いられ、各覆い板を区画空間内に向けて引っ張るに際し、ナットとねじ棒との螺合関係を利用して、ナットを、該ナットにより覆い板を押圧する位置に移動させることから、外側規制部材としてのナットの位置調整により簡単に覆い板を隣り合う塊状体に沿わせる(馴染ませる)ように撓ませることができ、隣り合う塊状体間からコンクリートが漏れ出ることを確実に防止できる。
【0013】
請求項6に係る発明によれば、ねじ棒として、覆い板よりも内方側において、覆い板の移動を規制する内側規制部材が設けられたものを用いることから、土木用間詰め具の搬送時、設置時等に、その覆い板が、支持具の内方側に移動することを規制して、当該土木構築物用ユニットの製造において、土木用間詰め具の取り扱い性を高めることができる。このため、土木用間詰め具のセット作業の負担を軽減できる。
【0014】
請求項7に係る発明によれば、覆い板として、材質が異なる複数の板材による積層構造をもって形成されたものを用いることから、各板材の可撓性の程度に基づきて全体としての覆い板の可撓性を調整することができ、隣り合う塊状体間に跨る覆い板の撓み(湾曲)状態を最適な撓み状態に簡単にできる。このため、隣り合う塊状体間からコンクリートが漏れ出ることを、一層確実に防止できる。
【0015】
請求項8に係る発明によれば、覆い板として、複数の板材による積層構造をもって形成されたものを用い、複数の板材のうち、最内方の板材として、最も薄くしたものを用いることから、コンクリートの充填を終えてコンクリートが硬化した後、覆い板と硬化コンクリートとが一体化して覆い板を完全な状態で取り外すことができない場合であっても、最内方の板材を除く他の板材を、硬化コンクリートの影響を受けることなく取外すことができ、それを、繰り返し使用することができる。このため、当該土木構築物用ユニットを製造するに際して、覆い板(複数の板材)のうち、使い捨てになる部分(量)を最小限に抑えることができる。
【0016】
請求項9に係る発明によれば、複数の塊状体が並べられることにより形成される区画空間内にコンクリートを充填するに際して、各隣り合う塊状体間を閉塞する土木用間詰め具であって、前記各隣り合う塊状体間を該各隣り合う塊状体の外側から覆う複数の可撓性覆い板と、前記覆い板同士間を跨るように延びて該各覆い板を貫通する支持具と、前記支持具の各外端部に着脱可能にそれぞれ取付けられ前記各覆い板が該支持具の外端部外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備えていることから、区画空間内へのコンクリートの充填前に、当該土木用間詰め具を用い、その土木用間詰め具の支持具を区画空間内に配設すると共に、その土木用間詰め具の各覆い板を各隣り合う塊状体に外側からそれぞれ跨らせた状態にして、各覆い板を、支持具及び外側規制部材に基づき該区画空間内に向けて引っ張る状態とすれば、各隣り合う塊状体間を閉塞できる。このため、前記請求項1に係る土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具を提供できる。
【0017】
請求項10に係る発明によれば、覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を有する間詰めユニットが、一対を一組として備えられ、支持具が、連結具を用いることにより一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を当接状態に保持する構成とされていることから、一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の少なくともいずれか一方をその軸心を中心として回転させて、一対の間詰めユニットにおける両ねじ棒を、該両ねじ棒の他端側外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させることができ、各ねじ棒とその各ねじ棒上の外側規制部材とに基づき、各覆い板を、隣り合う塊状体に跨った状態で撓ませることができる。このため、当該土木用間詰め具を用いることにより、前記請求項2に係る土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具を提供できる。
【0018】
請求項11に係る発明によれば、覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を有する間詰めユニットが複数備えられ、支持具が、複数の間詰めユニットにおける複数のねじ棒と、放射状に連結された複数の連結ねじ棒と、各連結ねじ棒の外周面と各ねじ棒の他端側外周面とをそれぞれ当接状態に保持する複数の連結具と、により構成されていることから、各間詰めユニットのねじ棒を、その各ねじ棒の軸心を中心として回転させて、各ねじ棒及び連結ねじ棒を、そのねじ棒及び連結ねじ棒の外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させることができ、各覆い板を、隣り合う塊状体に跨った状態で引っ張る状態(撓む状態)にできる。このため、当該土木用間詰め具を用いることにより、前記請求項3に係る土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具を提供できる。
【0019】
請求項12に係る発明によれば、覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて覆い板がねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を有する間詰めユニットが、一対を一組として備えられ、支持具が、一対の間詰めユニットにおけるねじ棒と、該各ねじ棒の他端側に設けられる連結部材と、該両ねじ棒の連結部材同士を連結するための結束バンドと、により構成されていることから、一対の間詰めユニットの連結部材同士を結束バンドにより結束して、各間詰めユニットの覆い板を区画空間に向けて引っ張ることができ、これにより、各覆い板を、隣り合う塊状体に跨った状態で引っ張る状態にできる。このため、当該土木用間詰め具を用いることにより、前記請求項4に係る土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具を提供できる。
【0020】
請求項13に係る発明によれば、支持具として、その各外端部に少なくとも雄ねじ部が形成された1本のねじ棒が用いられ、外側規制部材として、ねじ棒の外周に螺合されるナットが用いられていることから、ナットとねじ棒との螺合関係を利用して、ナットにより覆い板を隣り合う塊状体に跨った状態で撓ませることができる。このため、請求項5に係る土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具を提供できる。
【0021】
請求項14に係る発明によれば、外側規制部材が、ねじ棒に対して該ねじ棒の外端から一定範囲に限り螺合可能とされ、外側規制部材に、該外側規制部材に回動力を付与する回動力付与部が備えられていることから、回動力付与部を利用して、外側規制部材をねじ棒の外端から一定範囲を超えて螺合させようとすると、その後には、外側規制部材とねじ棒とが一体となって回動することになり、この一体的な回動により、一対の間詰めユニットにおける両ねじ棒(又はねじ棒と連結ねじ棒)を、その両雄ねじ部のねじ山の案内作用に基づき、その両外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させることができる。このため、外側規制部材と回動力付与部とを利用することにより、的確且つ容易に、各覆い板を、隣り合う塊状体に跨った状態で引っ張る状態にできる。
勿論、回動力付与部は、作業者が把持する把持部として、また、工具を係合させる係合部として、利用されることになり、その利用により作業を容易にすることができる。
【0022】
請求項15に係る発明によれば、ねじ棒の外周に、覆い板よりも内方側において、該覆い板の移動を規制する内側規制部材が設けられていることから、当該土木用間詰め具を用いることにより、土木構築物用ユニットの製造に際して、当該土木用間詰め具の搬送時、設置時等に、その覆い板がねじ棒の軸心延び方向内方側に移動することを内側規制部材により規制できる。このため、請求項6に係る土木構築物用ユニットの製造方法の実施に直接使用する土木用間詰め具を提供できる。
【0023】
請求項16に係る発明によれば、覆い板が、材質が異なる複数の板材による積層構造をもって形成されていることから、各板材の撓み程度を調整することにより全体としての覆い板の撓み性を調整できることになり、隣り合う塊状体間に跨った状態での覆い板の撓みを最適な状態にできる。このため、隣り合う塊状体間からコンクリートが漏れ出ることを、一層確実に防止できる。
【0024】
請求項17に係る発明によれば、覆い板が、複数の板材による積層構造をもって形成され、複数の板材のうち、最内方の板材が最も薄くされていることから、区画空間内へのコンクリートの充填後に、コンクリートと最内方の板材とが一体化したとしても、その薄い最内方の板材のみを使い捨てにすればよくなり、残りの板材については、繰り返し使用することができる。このため、当該土木構築物用ユニットを製造するに際して、覆い板を構成する板材の使い捨て量を最小限に抑えることができる。
【0025】
請求項18に係る発明によれば、覆い板が、複数の板材による積層構造をもって形成され、複数の板材として、木材、ウレタンフォームシート、厚手のヤシ繊維シート、薄手のヤシ繊維シートが備えられ、覆い板が、木材、ウレタンフォームシート、厚手のヤシ繊維シート、薄手のヤシ繊維シートを支持具の延び方向内方側に向けて順に、積層した構成とされ、木材の横幅が、隣り合う塊状体間の横幅よりも狭くされていることから、前述の請求項16及び17の作用効果を具体的に得ることができるばかりか、覆い板を撓ませるための引張力を木材を介して他の板材に的確に付与して、隣り合う塊状体間からのコンクリートの漏れ出しを防止する観点から、覆い板の可撓性、弾力性等を最良のものにできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る土木構築物用ユニットを示す平面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】第1実施形態に係る土木用間詰め具を示す正面図。
【図4】第1実施形態に係る土木用間詰め具を説明する一部破断拡大説明図。
【図5】第1実施形態に係る土木用間詰め具を、その覆い板の外方側から見た図。
【図6】第1実施形態に係るねじ棒の構造を説明する説明図。
【図7】図6の左側面図。
【図8】第1実施形態に係る結束バンドの使用状態を示す説明図。
【図9】第1実施形態に係る製造工程を説明する説明図。
【図10】図9の続きの工程を説明する説明図。
【図11】図10の続きの工程を説明する説明図。
【図12】図11の状態を平面的に示す図。
【図13】図12の続きの工程を説明する説明図。
【図14】図13の続きの工程を説明する説明図。
【図15】図14の続きの工程を説明する説明図。
【図16】図15の続きの工程を説明する説明図。
【図17】第2実施形態に係る土木構築物用ユニットを平面的に説明する説明図。
【図18】第1実施形態に係る間詰めユニットを隣り合う自然石間の外側に配置した状態を示す斜視図。
【図19】第3実施形態に係る土木用間詰め具を示す説明図。
【図20】一対の間詰めユニットにおける内側ねじ棒を連結具を用いて連結した状態を示す斜視図。
【図21】第3実施形態に係る土木用間詰め具を用いて、各隣り合う自然石間を間詰めした状態を示す平面図。
【図22】第4実施形態に係る土木用間詰め具を用いる態様を平面的に示す説明図。
【図23】第4実施形態における各間詰めユニット同士の連結を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
第1実施形態に係る土木構築物用ユニットの製造方法を説明する前に、その製造方法に基づき製造される土木構築物用ユニットについて説明する。
実施形態に係る土木構築物用ユニット1は、施工面に乱積みして護岸、護床機能等を発揮するものである。この土木構築物用ユニット1は、図1,図2に示すように、略立方体状のコンクリートブロック体4の周囲に4個の自然石2a(塊状体)が若干の隙間5をあけつつ囲むように配置され、そのコンクリートブロック体4の上側には上側自然石2b、そのコンクリートブロック体4の下側には下側自然石2cが配置されたものとなっている。このコンクリートブロック体4周囲の自然石2a、上側自然石2b、下側自然石2cには、アンカー3の一端部(本実施形態では2本のアンカー3の一端部)がそれぞれ取付けられており、その各他端部は、各自然石2a(2b,2c)から遠のく方向にそれぞれ延びている。コンクリートブロック体4周囲の各自然石2aのアンカー3は、そのアンカー3の一端部よりも他端側が側方からコンクリートブロック体4に進入されており、上側自然石2bのアンカー3は、そのアンカー3の一端部よりも他端側が上側からコンクリートブロック体4内に進入されており、下側自然石2cのアンカー3は、そのアンカー3の一端部よりも他端側が下側からコンクリートブロック体4内に進入されている。この各アンカー3には、図示を略す抜け止め部(拡張部等)が設けられており、この各アンカー3に基づき各自然石2a〜2cはコンクリートブロック体4に一体化されている。この場合、本実施形態においては、自然石2a,2b,2cに対してアンカー3の端部を連結するために、各自然石2a(2b,2c)に取付け孔が形成され、その取付け孔内に接着剤(図示略)と共にアンカー3端部が挿入されている。また、各自然石2a〜2cとしては、2ton〜6tonタイプにおいて、0.6〜0.8m前後の径のものが用いられる。
【0028】
このような土木構築物用ユニット1は、前記アンカー3を備えた自然石2a〜2c、コンクリートに加えて、土木用間詰め具21が用いて製造される。
【0029】
先ず、土木用間詰め具21について説明する。土木用間詰め具21は、本実施形態においては、図3,図4に示すように、一対の間詰めユニット22と、その一対の間詰めユニット22を連結する結束バンド23と、を具備している。
【0030】
前記各間詰めユニット22は、図3〜図7,18に示すように、ねじ棒24と、そのねじ棒24が摺動可能に貫通する覆い板25と、そのねじ棒24に着脱可能に取付けられる外側規制部材26と、を備えている。
ねじ棒24は、本実施形態においては、内側ねじ棒27と外側ねじ棒28とを有し、その内側ねじ棒27と外側ねじ棒28とは内側規制部材29を介して連結されている。内側規制部材29は、樹脂製の外筒部30と、その外筒部30内に一体的(相対回転不能及び相対変位動不能)に内蔵されるジョイント部31とにより構成されており、外筒部30は、外側ねじ棒28が存在する側(ねじ棒24の軸心延び方向外方)に向うに従ってその内径が拡径される円筒形状とされ、ジョイント部31は、その内部に雌ねじ孔32を有し、その雌ねじ孔32が、その軸心を外筒部30の軸心に合致させた状態で、外筒部30の軸心延び方向両側から開口されている。このジョイント部31は、外側ねじ棒28が存在する側である外端側の外周面が、非円形状である六角形状に形成されており(図7参照)、その外端側のジョイント部31と外筒部30の内周面との間には、環状空間33が形成されている。この環状空間33には、回転工具のソケット(図示略)を入り込ませることができることなっており、そのソケットを介してジョイント部31に回動力を付与できることになっている。
内側ねじ棒27には、少なくとも、その軸心延び方向両側に雄ねじ部が形成されており、その一端部は前記内側規制部材29のジョイント部31の内端側に螺合されている。この内側ねじ棒27の他端部には、連結部材34が取付けられており、その連結部材34は、ソケット部35と、リング部36とを一体的に備えている。ソケット部35には雌ねじ孔(図示略)が貫通した状態で形成されており、その雌ねじ孔には内側ねじ棒27の他端部が螺合されている。リング部36は、リング形状をなして引っ掛け部を構成しており、そのリング部36は、内側ねじ棒27とソケット部35との螺合関係により位置調整が可能となっている。
外側ねじ棒28には、少なくとも、その軸心延び方向両側に雄ねじ部が形成されており、その一端部は内側規制部材29におけるジョイント部31の外端側に螺合されている。これにより、この外側ねじ棒28と前記内側ねじ棒27とは、内側規制部材29を介して一体化することになり、これらは、ねじ棒24を構成することになる。
【0031】
前記覆い板25は、本実施形態においては、図3〜図5,図18に示すように、材質が異なる複数の板材25a〜25dを用いた積層構造とすることにより可撓性と弾力性とが確保されている。複数の板材25a〜25dは、その各材質が一方側から他方側に向けて可撓性を高める配置となっており、例えば、複数の板材25a〜25dとして、木材25a、ウレタンフォーム25b、厚手のヤシ繊維シート(又は厚手のスポンジ)25c、薄手のヤシ繊維シート25d(厚手のヤシ繊維シート又は厚手のスポンジ等25cよりも薄くされたもの)が用意され、その複数の板材25a〜25dが、その順で積層されている。この場合、可撓性、弾力性を適宜、調整するために、各板材25a〜25dの厚みを調整したり、さらに他の板材を加えるようにしてもよいが、最も内方となる板材(本実施形態ではヤシ繊維シート)25dに関しては、できるだけ薄くすることが好ましい。後述するように、最も内方となる板材25dは、コンクリートに接触又は馴染んでコンクリートと一体化し、繰り返し使用することができないこと(的確に剥がすことができないこと)から、使い捨てとなる部分をできるだけ少なくするためである。その一方、その薄手の板材25dの外方側に積層された板材25cについては、コンクリートと一体化することがないことから、可撓性及び弾力性を的確に確保するために厚手とされている。
この複数の板材25a〜25dは、その高さが、前述の土木構築物用ユニットにおける自然石2aの高さないしはそれ以上の高さとされている一方、その複数の板材25a〜25dの横幅に関しては、一方側最外方の板材25aが最も狭く、その一方側最外方の板材25aよりも他方側(内方側)の板材25c、25dは、その一方側最外方の板材25aの横幅よりも横方向両側に拡大されて、前述の土木構築物用ユニット1における隣り合う自然石2a間の隙間5を十分に跨ぐことができる横幅となっている。
この複数の板材25a〜25dには、上下2個所において貫通孔38が形成されている(図4参照)。その各貫通孔38には、前記外側ねじ棒28(ねじ棒24)がそれぞれ摺動可能に挿通されており、その際、覆い板25の複数の板材25a〜25dは、その他方側、すなわち、可撓性が高まる側が内側規制部材29側に向けられている。この場合、覆い板25は、その移動によりその貫通孔38周縁部が内側規制部材29に当接可能となっており、覆い板25は、内側規制部材29により、内側ねじ棒27側に移動することが規制されている。
【0032】
前記外側規制部材26として、フランジ付き有底筒状のソケット部材が用いられ、そのソケット部材の内周面には雌ねじが形成されている。外側規制部材26は、図4に示すように、外側ねじ棒28(ねじ棒)の外端側から螺合されており、この外側規制部材26のフランジ部26aと前記内側規制部材29とは前記覆い板25の貫通孔38周縁部を挟持している。この外側規制部材26には、扁平状の回動力付与部39が一体的に設けられている。この回動力付与部39は、外側ねじ棒28の軸心延び方向外方に向けて延びており、その回動力付与部39には、手作業を考慮して扁平形状にすることに加えて、ドライバー等の工具を差し込んで回動力を付与するための長孔40が形成されている。
【0033】
前記結束バンド23は、前記一対の間詰めユニット22を連結して該一対の間詰めユニット22の覆い板25間の間隔を調整する目的を有している。この結束バンド23は、既知の如く、図8に示すように、全体が細幅の帯状に形成され、その一端部41には、他端部42を通した任意の状態で固定するための固定部43が取付けられている。そして、この結束バンド23は、使用に際して、一対の間詰めユニット22における両内側ねじ棒27のリング部36(連結部)に掛け通すと共に、その結束バンド23の他端部42を固定部43に通して締め上げることが行われる。
【0034】
このように、本実施形態においては、土木用間詰め具21として、一対の間詰めユニット22と、それらを連結する結束バンド23とにより構成されたものを示しているが、その一対の間詰めユニット22のねじ棒24(外側ねじ棒28及び内側ねじ棒27)、その一対のねじ棒24にそれぞれ設けられる連結部材34及びその一対のねじ棒24の連結部材34を連結する結束バンド23が、長尺な支持具を構成することになる。
【0035】
上述の一対の土木用間詰め具21が複数組(本実施形態では2組)用意されると、図9に示すように、作業面13上に下側自然石2cを収納するための凹所12を形成する。この場合、作業面は、盛土により形成してもよいし、地面を平坦にすることにより形成してもよい。
【0036】
次に、図10に示すように、凹所12内に下側自然石2cを収納する。このとき、下側自然石2cのアンカー3は上方に向けられ、また、下側自然石2cと凹所12内壁との間の上部隙間には砂利等14が充填される。
【0037】
次に、図11,図12に示すように、作業面13上に、凹所12内の下側自然石2cを囲むようにして4個の自然石2aを配置する。これにより、作業面13上であって下側自然石2cの上側において、4個の自然石2aにより区画空間6が形成される。このとき、各自然石2aのアンカー3は、区画空間6内に向けて延びることになる。尚、本実施形態においては、区画空間6を形成する各隣り合う自然石2a間に多少の隙間5が形成される。
【0038】
次に、図13,図18に示すように、各組の土木用間詰め具21における間詰めユニット22を、その覆い板25が各隣り合う自然石2a間をその隣り合う自然石2aの外側から跨ぐようにそれぞれ配置する。このとき、各間詰めユニット22のねじ棒24は、隣り合う自然石間2aの隙間5から区画空間6内に延びるようにされる。またこのとき、隣り合う自然石2a間の隙間5が塞がり易くするべく、各間詰めユニット22の覆い板25は、その下側部分を外側に折り込んだ状態にしつつ隣り合う自然石2a間に押し込むのが好ましい。尚、図13においては、土木用間詰め具21を見易くするため、各自然石2aのアンカー3については、省略されている。
【0039】
次に、図14に示すように、各対向する両間詰めユニット22におけるリング部36に結束バンド23を掛け通して締め上げ、各対向する両間詰めユニット22(リング部36)を連結(結束)する。これにより、各結束バンド23は、緊張状態をもって一対のねじ棒24を連結し、一対のねじ棒24と、その一対のねじ棒24を連結する結束バンド23とは、支持具として、区画空間6内を横切って、各対向する自然石2a間を跨ぐ。これと同時に、各間詰めユニット22における覆い板25は、隣り合う自然石が不規則な形状にもかかわらず圧縮されつつ沿うようにして撓むことになり、その各覆い板25により各隣り合う自然石2a間の隙間5は的確に塞がれる。この場合、区画空間6内に各自然石2のアンカー3が進入して、その区画空間6内で作業がしずらい状況にあるが、区画空間6内で結束バンド23を締め上げるだけの作業となることから、両間詰めユニット22の連結、覆い板25の撓ませ作業を簡単に行うことができる。
尚、図14においても、土木用間詰め具21を見易くするため、各自然石2aのアンカーについては、省略されている。
【0040】
各隣り合う自然石2a間の隙間5が土木用間詰め具21(間詰めユニット22)を用いて塞がれると、図15に示すように、上記4つの自然石2aが形成する区画空間6内にコンクリート44が充填される。この充填コンクリート44の圧力は、隣り合う自然石2a間の隙間5から覆い板25に作用することになるが、そのコンクリート圧は、支持具たる一対のねじ棒24及び結束バンド23の引張り強度として受け止めることになる。また、覆い板25が可撓性と弾力性とを有して隣り合う自然石2aに沿うように圧縮されつつ撓み、各隣り合う自然石2a間の隙間5を的確に塞ぐことになり、各隣り合う自然石2a間の隙間5からコンクリート44が漏れ出ることが確実に防止される。
【0041】
コンクリート44が区画空間内に規定高さ(自然石2aの上端部高さ)まで充填されると、図15に示すように、そのコンクリート44が未硬化であるうちに、上側自然石2bが4つの自然石2aの上に配置される。このとき、上側自然石2bのアンカー3は、未硬化のコンクリート44内に進入される。
【0042】
区画空間6内のコンクリート44が硬化してコンクリートブロック体4が形成されると、各土木用間詰め具21において、外側規制部材26が取り外されると共に覆い板25が引き抜かれ、さらには、図16に示すように、外側ねじ棒28が内側規制部材29のジョイント部31から取り外されると共に内側規制部材29が内側ねじ棒27から取り外される。この内側規制部材29を内側ねじ棒27から取り外すに際しては、六角形状のジョイント部31に回動工具のソケットが嵌合され、その回動工具を回動させることが行われる。勿論この場合、内側規制部材29の外筒部30が、その内端側に向かうに従って縮径されていることから、内側規制部材29は、コンクリートブロック体4及び内側ねじ棒27から容易に取り外れる。
【0043】
内側規制部材29が取り外されると、その内側規制部材29が存在した空間が凹所45としてコンクリートブロック体4に形成されることになるが、その凹所45は、図16に示すように、モルタル等の充填材により埋められる。これにより、コンクリートブロック体4の表面から凹所45がなくなると共に、その凹所45内に存在していた内側ねじ棒27も外部に露出することはなくなる。これにより、土木構築物用ユニット1が完成されたことになる。
【0044】
したがって、上記土木構築物用ユニット1の製造方法においては、支持具としての一対のねじ棒24及び結束バンド23が、充填されたコンクリート44圧をそれらの延び方向両側の覆い板25を介して、その引張り強度として受け止めることになり、区画空間6内のコンクリート44圧に対して覆い板25は十分に抗することができる。しかも、覆い板25が可撓性及び弾力性を有することから、覆い板25を隣り合う自然石2aに押し付けた状態として撓ませることができ、覆い板25を隣り合う自然石2aに沿わせる(馴染ませる)ことができる。このため、覆い板25による隣り合う自然石2a間の閉塞状態を確実に維持して、その隣り合う自然石2a間からコンクリート44が漏れ出ることを確実に防止できる。
また、土木用間詰め具21が比較的軽量な部材を用いて形成されていることから、搬送性、取り扱い性等を高めることができる。しかも、上記のように、区画空間6内へのコンクリート44の充填前に、一対のねじ棒24及び結束バンド23を、支持具として、区画空間6内を横切るように延ばし、隣り合う自然石2a間のうち、対向するもの同士間を跨ぐようにすると共に、その対向する隣り合う自然石2a間をその隣り合う自然石2aの外側から一対の覆い板25により覆うようにセットするだけで、その対向する隣り合う自然石2a間の間詰め作業を終えることになり、重量物の積み上げ作業等をなくすことができる。
【0045】
図17は第2実施形態、図19〜図21は第3実施形態、図22,図23は第4実施形態を示す。この各実施形態において、第1実施形態又は該各実施形態の前に説明した実施形態と同一構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図17は、第2実施形態に係る土木用間詰め具21を示す。この第2実施形態に係る土木用間詰め具21は、前記第1実施形態の構成において、結束バンド23、連結部材34をなくし、一対の間詰めユニット22の内側ねじ棒27を連続させることにより、1本の支持軸46(支持具)を有するようにしている。この場合、支持軸46としては、その全長が、区画空間6内を横切って、対向する隣り合う自然石2a間を跨ぐ長さのものが必要となり、少なくともその延び方向両側には雄ねじ部を有していることが必要となる。また、覆い板25を撓ませるためには、内側規制部材29及び外側規制部材26としてのナットを回動させてそれらの位置を支持軸46の軸心延び方向内方に移動させることになる。
これにより、この第2実施形態においても、前記第1実施形態同様、充填コンクリート4が隣り合う自然石2a間から漏れ出ることを防止できる。また、支持軸46、覆い板25等を一体のものとして扱うことができ、搬送性、取り扱い性を高めることができる。
【0047】
図19〜図21に示す第3実施形態に係る土木用間詰め具21は、使用することにより当該土木構築物用ユニット1の剛性を高めるものを示している。このため、第3実施形態に係る土木用間詰め具21は、前記第1実施形態における構成において、結束バンド23、連結部材34をなくし、それに代えて、一対の間詰めユニット22における内側ねじ棒27の他端側外周面の雄ねじ部同士を噛み合わせ(当接状態)、その状態を連結具51により保持することになっている。そしてその上で、外側規制部材26をその軸心を中心として回動させることにより、その外側規制部材26と共に外側ねじ棒28及び内側ねじ棒27を一体的に回動させ、これにより、隣り合う自然石2aに跨った各覆い板25を区画空間6内に向けて引っ張ることになっている。
【0048】
具体的に説明する。外側規制部材26は、各間詰めユニット22における外側ねじ棒28に対してその外端から一定範囲を超える位置に達すると、その外側規制部材26の底部(ソケット部の底部)に外側ねじ棒28の端面が当接し、それ以上は、外側ねじ棒28に対して螺合できないことになっている。このため、引き続き、外側規制部材26を回動付与部39を介して回動させた場合には、外側ねじ棒28及び内側ねじ棒27は、外側規制部材26と共に一体的に回動することになる。また、一対の間詰めユニット22の内側ねじ棒27は、第1実施形態の場合よりも長くされており、一対の間詰めユニット22(覆い板25)が、隣り合う自然石2a間のうち、対向するものの外側にセットされたときには、図19に示すように、一対の間詰めユニット22における両内側ねじ棒27の他端側が重なる部分を有することになっている。この両内側ねじ棒27には、その外周面全長に亘って雄ねじ部が形成されており、その両内側ねじ棒27の他端側外周面を当接させたときには、その両内側ねじ棒27の雄ねじ部同士が互いに噛み合うことが可能となっている。
【0049】
本実施形態においては、上記両内側ねじ棒27の他端側外周面のねじ山に基づく案内作用を利用して、各覆い板25を引っ張る状態にするべく、連結具51が用いられる。連結具51は、図19,図20に示すように、ねじ孔52が形成された頂壁部53と、その頂壁部53から対向してそれぞれ垂下する一対の側壁部54と、その各側壁部54に対向するようにそれぞれ形成される一対の長孔55と、頂壁部53のねじ孔52にねじ込まれる締め具56と、を備えており、この連結具51を用いることにより、両内側ねじ棒27の他端側外周面同士は、その連結具51に当接状態をもって保持される。具体的には、図19,図20に示すように、両間詰めユニット22の各内側ねじ棒27の他端側が、相反する方向から上下配置をもって一対の長孔55に挿通され、その状態の下で締め具56が締付けられる。これにより、両内側ねじ棒27の他端側外周面は、上下配置の下で当接状態をもって長孔55内周面に押し付けられることになり、両内側ねじ棒27の他端側外周面における雄ねじ部同士は噛み合った状態(雄ねじ部同士における山と谷が係合した状態)に保持される。このため、このときには、両内側ねじ棒27は、その延び方向の引張力、圧縮力に対して変位動不能となる一方、外側規制部材26を回動させることにより、両内側ねじ棒27の他端側外周面同士の当接領域が増加する方向に移動できることになる。
尚、この第3実施形態においては、内側ねじ棒27,外側ねじ棒29(ねじ棒24)、連結具51が支持具を構成する。
【0050】
このような土木用間詰め具21を用いて当該土木構築物用ユニットを製造するに際しては、先ず、区画空間6内へのコンクリートの充填前に、隣り合う自然石2a間のうち、対向するものの各外側に各間詰めユニット22をそれぞれ配置して、その各間詰めユニット22の内側ねじ棒27を区画空間6内に向けて延ばすと共にその各間詰めユニット22の覆い板25を各隣り合う自然石2aに跨がるようにする。次に、連結具51を用いることにより、両間詰めユニット22における内側ねじ棒27の他端側外周面同士を重なる範囲で当接状態をもって保持する。そしてこの後、一対の間詰めユニット22における内側ねじ棒27の少なくともいずれか一方を、外側規制部材26の回動力付与部39を利用して回動させ、一対の間詰めユニット22における両内側ねじ棒27を、両内側ねじ棒27のねじ山同士の案内作用に基づき、それらの他端側外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させる。
【0051】
これにより、一対の間詰めユニット22の両内側ねじ棒27の全長が短縮(両内側ねじ棒27他端側の重なり部分が増大)され、各間詰めユニット22の覆い板25は、隣り合う自然石2aに跨った状態で引っ張られて、図21に示すように、撓み状態となる。勿論、このような作業は、他の隣り合う自然石2a間の隙間5においても、別の一対の間詰めユニット22等を用いて同様に行われる。このため、この後、コンクリートを区画空間6内に充填しても、前記各実施形態同様、隣り合う自然石2a間からコンクリートが漏れ出ることを簡単且つ確実に防止できる。
【0052】
この後、区画空間6内のコンクリートが硬化すると、前記第1実施形態同様、外側規制部材26、覆い板25、内側規制部材29等が取り除かれると共に、内側規制部材29の除去後の空間にモルタル等が充填され、製造工程を終えることになる。この場合、この製造された土木構築物用ユニット1(コンクリートブロック体4)内には、金属だけからなる内側ねじ棒27同士の結合体が残存されており、それを剛性の高い補強材として利用できることになる。このため、当該土木構築物用ユニット1の強度は著しく高くなる。
【0053】
図22,図23に示す第4実施形態は、隣り合う自然石2a間の隙間5の数が偶数でない場合(隣り合う自然石2a間の隙間5が対向するものでない場合)に用いられる土木用間詰め具21を示している。このため、この第4実施形態に係る土木用間詰め具21においては、隣り合う自然石2a間の隙間5の数の間詰めユニット22と、その間詰めユニット22の数に応じた数が放射状に連結された複数の連結ねじ棒61と、各間詰めユニット22の内側ねじ棒27の外周面と各連結ねじ棒61の外周面とを当接状態をもって保持する連結具51と、が備えられている。
【0054】
各間詰めユニット22としては、基本的に、前記第3実施形態に係る間詰めユニット22と同じ構成のものが用いられ、内側ねじ棒27の延び方向長さのみが、第3実施形態における内側ねじ棒27の長さに比べて短くされている。このため、図22に示すように、各間詰めユニット22の覆い板25を隣り合う自然石2aの外側に配置すると共に、その内側ねじ棒27を区画空間6に向けて延びるように配置した場合には、内側ねじ棒27の他端部は区画空間6の略中央部までに至らないことになっている。
【0055】
複数の連結ねじ棒61は、本実施形態においては、分岐用連結具62を用いることにより放射状に連結されている。分岐連結具62は、複数の連結ねじ棒61を連結すべく、複数(本実施形態においては3つ)の連結筒63を一体的に備えている。その各連結筒63は、その一端側が外部に開口されていると共に、その一端側内周面には雌ねじが形成されている。一方、各連結筒63の他端部は、扁平形状に形成されており、その扁平形状の各他端部は、積層状態をもって連結されている。この場合、本実施形態においては、各連結筒63の他端部を連結するために、ねじ64が、複数の連結筒63の積層された他端部を貫通するようにして用いられている。ねじ64は、頭部64aと軸部64bとを有しており、そのねじ64の軸部64bは、複数の連結筒63の積層された他端部のうち、最下層以外の他端部を貫通した後、最下層の他端部のねじ孔(図示略)にねじ込まれ、そのねじ64の頭部64aと連結筒63の最下層の他端部とにより、それ以外の他端部が挟持されている。このため、本実施形態に係る分岐用連結具62においては、最終的に、ねじ64の頭部64aと連結筒63の最下層の他端部とにより、最下層の他端部以外の他端部を強固に挟持する前に、各連結筒63(一端側開口)の向きを簡単に調整できるばかりか、分岐用連結具62において用いる連結筒63の数を、隣り合う自然石2a間の隙間5の数に応じて簡単に増減できる。この分岐用連結具62の各連結筒63(一端側)に、連結ねじ棒61の一端側がそれぞれ螺合され、複数の連結ねじ棒61の他端側は、分岐連結具62を中心として放射状に延びることになる。この分岐用連結具62に連結された複数の連結ねじ棒61が、作業時に、区画空間6の略中央に持ち込まれることになる。
【0056】
連結具51としては、前記第3実施形態に係る連結具51と同様のものが用いられている。この連結具51を用いて、第3実施形態と同様の方法を実施することにより、分岐用連結具62における各連結ねじ棒61の他端側外周面と各間詰めユニット22の内側ねじ棒27の他端側外周面とが、当接状態をもってそれぞれ保持(連結)されることになる。
尚、この第4実施形態においては、内側ねじ棒27,外側ねじ棒29(ねじ棒24)、複数の連結ねじ棒61,分岐用連結具62,連結具51が支持具を構成する。
【0057】
このような土木用間詰め具21を用いて当該土木構築物用ユニットを製造するに際しては、先ず、区画空間6内へのコンクリートの充填前に、各隣り合う自然石2a間の外側に間詰めユニット22をそれぞれ配置し、その各間詰めユニット22の内側ねじ棒27を区画空間6内に向けて延ばすと共にその各間詰めユニット22の覆い板25を各隣り合う自然石2aに跨がるようにする。次いで、連結具51を用いることにより、各内側ねじ棒27の外周面と各連結ねじ棒61の外周面とを重なる範囲で当接状態をもって保持する。そしてこの後、各間詰めユニット22の内側ねじ棒27を、回動付与部39を利用して回転させて、該各内側ねじ棒27及び連結ねじ棒61を、その両ねじ棒61,27のねじ山の案内作用に基づき、それらの外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させる。
【0058】
これにより、各内側ねじ棒27が外側規制部材26を利用して各覆い板25を区画空間6内に向けて引っ張ることになり、各覆い板25は、図22の仮想線に示すように、隣り合う自然石2aに跨った状態で撓んで、各隣り合う自然石2a間の間詰めが的確に行われる。したがって、この第4実施形態においては、区画空間6を区画する自然石2aが、対向関係にない隙間5を形成する場合であっても、分岐連結具62及び複数の連結ねじ棒61等を用いることにより、それらの隣り合う自然石2a間の間詰めを的確に行うことができる。
勿論この場合も、区画空間6内へのコンクリートの充填後、それが硬化すると、前記第1実施形態同様、外側規制部材26、覆い板25、内側規制部材29等が取り除かれると共に、内側規制部材29の除去後の空間にモルタル等が充填される。
【0059】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次のような態様を包含する。
(1)土木構築物用ユニット1として、上側自然石2b及び下側自然石2cが存在せず、コンクリートブロック体4の周囲にのみ自然石2aが存在する土木構築物用ユニット1に対して土木用間詰め具21を用いて間詰め作業を行うこと。
(2)隣り合う自然石2a間の数が奇数の場合には、土木用間詰め具21を用いると共に、既存の間詰め方法を複合的に用いること。
(3)塊状体として、自然石2の他に、擬石、ブロック等を用いること。
(4)各実施形態に係る土木構築物用ユニット1を、河川、湖等の護岸、根固め構造物、消波構造物等として適宜、用いること。
(5)自然石2にアンカー3を連結するに際して、接着剤だけでなく、打ち込み式アンカー3を用いて連結してもよいこと。
(6)自然石2aをアンカー3の両端部に取付けたものを用いて、コンクリートブロック体4の周囲に自然石2aが配置された土木構築物用ユニット1を製造すること。
(7)ねじ棒24が、内側ねじ棒27と外側ねじ棒28とをジョイント部31で一体化するものではなく、1本のねじ棒24自体であるときには、外側規制部材26、覆い板25の取り外し後、ねじ棒24のうちの突出している部分を、そのまま、他の土木構築物用ユニット1との連結具50として利用するか、又はそれを切断すること。
(8)支持具を、一対のねじ棒24及びそれらを結束する結束バンド23により構成するのではなく、一対のねじ棒24及びそれらを結束する結束バンド23を1本の支持軸により構成すること。この場合には、隣り合う自然石2a間に跨る覆い板25をその隣り合う自然石2aに沿うように撓ませるに際しては、外側規制部材26の変位動が利用される。外側規制部材26、覆い板25の取り外し後、支持軸の突出している部分については、上述のねじ棒24同様の処置を行うことができる。
(9)内側ねじ棒27の他端部に螺合する連結部材34として、蝶ナットを用いて、その形状を結束バンド23の引っ掛け部として利用したり、両端部に孔を有する板座金(例えばL字座金)を用意し、その一方側をナットを利用して内側ねじ棒27に保持する一方、他方側の孔を結束バンド23を巻回する孔として利用すること。
【符号の説明】
【0060】
1 土木構築物用ユニット
2 自然石(塊状体)
3 アンカー
4 コンクリートブロック体
6 区画空間
21 土木用間詰め具
22 間詰めユニット
23 結束バンド
24 ねじ棒
25 覆い板
26 外側規制部材
27 内側ねじ棒
28 外側ねじ棒
29 内側規制部材
30 外筒部
31 ジョイント部
34 連結部材
39 回動力付与部
44 コンクリート
51 連結具
61 連結ねじ棒
62 分岐用連結具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の塊状体を並べて区画空間を形成し、該区画空間内にコンクリートを充填して、少なくともコンクリートブロック体の周囲に塊状体が一体化された土木構築物用ユニットを製造する土木構築物用ユニットの製造方法において、
土木用間詰め具として、複数の可撓性覆い板と、該覆い板同士間を跨るように延びて該各覆い板を貫通する支持具と、該支持具の各外端部に着脱可能にそれぞれ取付けられ前記各覆い板が該支持具の外端部外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備えるものを用意し、
前記区画空間内への前記コンクリートの充填前に、前記土木用間詰め具の前記支持具を前記区画空間内に配設すると共に、該土木用間詰め具の前記各覆い板を各隣り合う塊状体に外側からそれぞれ跨らせた状態にして、該各覆い板を、前記支持具及び前記外側規制部材に基づき該区画空間内に向けて引っ張る状態とする、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記土木用間詰め具として、可撓性覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて前記覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備える間詰めユニットを一対有するものであって、該一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を連結具により当接状態に保持することによって、該土木用間詰め具の前記支持具を構成するものを用意し、
その上で、前記区画空間内への前記コンクリートの充填前に、隣り合う塊状体間のうち、対向するものの各外側に前記各間詰めユニットをそれぞれ配置して、該各間詰めユニットのねじ棒を前記区画空間内に向けて延ばすと共に該各間詰めユニットの覆い板を該各隣り合う塊状体に跨がるようにし、
次に、前記連結具を用いることにより、前記両間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を重なる範囲で当接状態をもって保持し、
次に、前記一対の間詰めユニットにおける前記ねじ棒の少なくともいずれか一方を、該ねじ棒の軸心を中心として回転させて、該一対の間詰めユニットにおける前記両ねじ棒を、該両ねじ棒の他端側外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させる、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記土木用間詰め具として、可撓性覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能にそれぞれ設けられて前記覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備える間詰めユニットを複数有するものであって、該複数の間詰めユニットにおける複数のねじ棒と、放射状に連結された複数の連結ねじ棒と、該各ねじ棒の他端側外周面と該各連結ねじ棒の外周面とをそれぞれ当接状態をもって保持する複数の連結具と、により、該土木用間詰め具の前記支持具を構成するものを用意し、
その上で、前記区画空間内への前記コンクリートの充填前に、各隣り合う塊状体間の外側に前記間詰めユニットをそれぞれ配置して、該各間詰めユニットのねじ棒を前記区画空間内に向けて延ばすと共に該各間詰めユニットの覆い板を該各隣り合う塊状体に跨がるようにし、
次に、前記連結具を用いることにより、前記各ねじ棒の外周面と前記各連結ねじ棒の外周面とを重なる範囲で当接状態をもって保持して、該各ねじ棒及び連結ねじ棒を、前記区画空間の略中央から各隣り合う塊状体間に延びるようにし、
次に、前記各間詰めユニットのねじ棒を、該各ねじ棒の軸心を中心として回転させて、該各ねじ棒及び連結ねじ棒を、該ねじ棒及び連結ねじ棒の外周面同士の当接領域が増加する方向に移動させる、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記土木用間詰め具として、可撓性覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて前記覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を備える間詰めユニットを一対有するものであって、該一対の間詰めユニットにおけるねじ棒と、該各ねじ棒の他端側に設けられる連結部材と、該両ねじ棒の連結部材同士を連結するための結束バンドと、により、該土木用間詰め具の前記支持具を構成するものを用意し、
その上で、前記区画空間内への前記コンクリートの充填前に、隣り合う塊状体間のうち、対向するものの各外側に前記各間詰めユニットをそれぞれ配置して、該各間詰めユニットのねじ棒を前記区画空間内に向けて延ばすと共に該各間詰めユニットの覆い板を該各隣り合う塊状体に跨がるようにし、
次に、前記一対の間詰めユニットの連結部材同士を前記結束バンドにより結束して、該各間詰めユニットの覆い板を前記区画空間に向けて引っ張る、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記支持具として、その各外端部に少なくとも雄ねじ部が形成された1本のねじ棒が用いられ、
前記外側規制部材として、前記ねじ棒の外周に螺合されるナットが用いられ、
前記各覆い板を前記区画空間内に向けて引っ張るに際し、前記ナットと前記ねじ棒との螺合関係を利用して、該ナットを、該ナットにより該覆い板を押圧する位置に移動させる、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項6】
請求項2〜4のいずれか1項において、
前記ねじ棒として、前記覆い板よりも内方側において、該覆い板の移動を規制する内側規制部材が設けられたものを用いる、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項において、
前記覆い板として、材質が異なる複数の板材による積層構造をもって形成されたものを用いる、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
前記覆い板として、複数の板材による積層構造をもって形成されたものを用い、
前記複数の板材のうち、最内方の板材として、最も薄くしたものを用いる、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項9】
複数の塊状体が並べられることにより形成される区画空間内にコンクリートを充填するに際して、各隣り合う塊状体間を閉塞する土木用間詰め具であって、
前記各隣り合う塊状体間を該各隣り合う塊状体の外側から覆う複数の可撓性覆い板と、
前記覆い板同士間を跨るように延びて該各覆い板を貫通する支持具と、
前記支持具の各外端部に着脱可能にそれぞれ取付けられ前記各覆い板が該支持具の外端部外方に移動することを規制する外側規制部材と、
を備えている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項10】
請求項9において、
前記覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて前記覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を有する間詰めユニットが、一対を一組として備えられ、
前記支持具が、連結具を用いることにより前記一対の間詰めユニットにおけるねじ棒の他端側外周面同士を当接状態に保持する構成とされている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項11】
請求項9において、
前記覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて前記覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を有する間詰めユニットが複数備えられ、
前記支持具が、前記複数の間詰めユニットにおける複数のねじ棒と、放射状に連結された複数の連結ねじ棒と、該各連結ねじ棒の外周面と前記各ねじ棒の他端側外周面とをそれぞれ当接状態に保持する複数の連結具と、により構成されている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項12】
請求項9において、
前記覆い板と、該覆い板を摺動可能に貫通するねじ棒と、該ねじ棒の一端側に着脱可能に設けられて前記覆い板が該ねじ棒の一端側外方に移動することを規制する外側規制部材と、を有する一対の間詰めユニットが備えられ、
前記支持具が、前記一対の間詰めユニットにおけるねじ棒と、該各ねじ棒の他端側に設けられる連結部材と、該両ねじ棒の連結部材同士を連結するための結束バンドと、により構成されている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項13】
請求項9において、
前記支持具として、その各外端部が少なくとも雄ねじ部に形成された1本のねじ棒が用いられ、
前記外側規制部材として、前記ねじ棒の外周に螺合されるナットが用いられている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項14】
請求項10又は11において、
前記外側規制部材が、前記ねじ棒に対して該ねじ棒の外端から一定範囲に限り螺合可能とされ、
前記外側規制部材に、該外側規制部材に回動力を付与する回動力付与部が備えられている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項15】
請求項10〜12のいずれか1項において、
前記ねじ棒の外周に、前記覆い板よりも内方側において、該覆い板の移動を規制する内側規制部材が設けられている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項16】
請求項9〜13のいずれか1項おいて、
前記覆い板が、材質が異なる複数の板材による積層構造をもって形成されている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項17】
請求項9〜13のいずれか1項おいて、
前記覆い板が、複数の板材による積層構造をもって形成され、
前記複数の板材のうち、最内方の板材が最も薄くされている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。
【請求項18】
請求項9〜13のいずれか1項おいて、
前記覆い板が、複数の板材による積層構造をもって形成され、
前記複数の板材として、木材、ウレタンフォームシート、厚手のヤシ繊維シート、薄手のヤシ繊維シートが備えられ、
前記覆い板が、前記木材、ウレタンフォームシート、厚手のヤシ繊維シート、薄手のヤシ繊維シートを前記支持具の延び方向内方側に向けて順に、積層した構成とされ、
前記木材の横幅が、前記隣り合う塊状体間の横幅よりも狭くされている、
ことを特徴とする土木用間詰め具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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