説明

土木用の暗渠排水処理材

【課題】繋ぎ目に隙間が生じないようにして導水路の切断を回避しその繋ぎ目から導水路を流れる水が溢れるといった事故を防ぐようにした土木用の暗渠排水処理材を提供する。
【解決手段】帯状に形成され一定の長さを有する処理材本体1の長手方向における少なくともいずれか一方の端部とその端部に突き合う隣接する処理材本体A1の端部に、これら処理材本体A,A1を繋ぎ目に隙間が生じないように連接するため互いに係合する係合部18と被係合部19を設けた構成からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの内周壁、盛土、コンクリート製の擁壁裏側などの土中に埋設され導水路として使用される土木用の暗渠排水処理材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばトンネルの掘削や盛土、コンクリート製の擁壁の構築といった土木工事にあっては、湧水や浸透水などの不要な地下水が発生することが多く、これら湧水や浸透水が溜まると、トンネルでは内周壁に形成したコンクリート壁の崩落が起きる危険性が有り、また、盛土内や擁壁の裏側ではそれらが崩れる恐れがある。そこで、これら問題を解決すべく湧水や浸透水などの地下水を通水させて排出するために、本出願人が先に出願したような導水路としての土木用の暗渠排水処理材(特許文献1参照。)が使用されている。該暗渠排水処理材は、主に硬質合成樹脂製の多数本のモノフィラメントをランダムなループ状に堆積して形成されるモノフィラメント積層体に樹脂製のシート本体を重ねて構成されている。該暗渠排水処理材は通常4〜12mの長さ寸法の間で適宜選択して決められ、現場では必要に応じ長手方向に沿って一列になるように複数個を継ぎ足して使用している。
【0003】
そこで、例えばトンネルを構築する場合、トンネルの内周壁面に一次覆工コンクリートを吹き付けると共に該一次覆工コンクリート壁にその周方向に沿って多数本のロックボルトを打ち込む。また、一次覆工コンクリート壁の両側下端部に、トンネルの中心軸線方向と同じ方向に沿って暗渠排水処理材が配置され、コンクリート釘を打ち込むことによりこれら暗渠排水処理材が取り付けられる。更に、該一次覆工コンクリート壁面に、不織布が一側面に貼着された止水シートを該不織布が一次覆工コンクリート側にくるようにして配置し、該止水シートを介して二次覆工コンクリートを打設する。これにより、一次覆工コンクリート壁と二次覆工コンクリート壁との間に染み出る地下水は不織布内に滲みて徐々に下方へ流れ、その下端部で前記暗渠排水処理材に取り入れられる。そして、該暗渠排水処理材が導水路として機能し染み出る水を排出するようにしている。該暗渠排水処理材は、その長さが通常4〜12mの長さ寸法の間で適宜選択して決められる。現場では、複数本の暗渠排水処理材を一列に連なるように配置して取り付けることになる。
【0004】
また、前記一次覆工コンクリート壁に打ち込んだロックボルト部分から湧水が生じる場合は、トンネルの内周壁面の周方向に沿ってかつ該ロックボルトを覆うようにして暗渠排水処理材を取り付ける。この場合も、必要であれば複数の暗渠排水処理材を一列に連なるように配置して取り付ける。その下端部は、前記一次覆工コンクリート壁の両側下端部に取り付けられた暗渠排水処理材に連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−54396号公報(第3−4頁、図1乃至5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記トンネルの内周壁面であってその両側下端部に配置される暗渠排水処理材やその周方向に沿って配置される暗渠排水処理材は、通常、複数個を一列に連なるように配置して取り付けられるが、互いに突き合わさる暗渠排水処理材の繋ぎ目は多数本のモノフィラメントをランダムなループ状に堆積して形成されるモノフィラメント積層体を単純に切断しただけの荒い形状をしており、しかも、繋ぎ目を隙間のできないようにしっかり連結する策は何ら採られていなかった。このため、ともすると暗渠排水処理材の繋ぎ目に無用な隙間が開くことが有る。ところが、このようにモノフィラメント積層体の繋ぎ目に無用な隙間が開くということは、その隙間に二次覆工コンクリートが介入して邪魔し、暗渠排水処理材により形成された導水路が切断されることを意味し、この部位に導水路内を流れる水が溜まる恐れがある。
【0007】
仮に、前記暗渠排水処理材の繋ぎ目部分に水が溜まると、その水圧により二次覆工コンクリート壁に亀裂が起きたり、そこから溢水するばかりか二次覆工コンクリートが剥がれてしまう危険性が生ずるという課題が有る。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、処理材本体の繋ぎ目に隙間ができないようにして導水路の切断を回避し、該導水路内の水が溢れるといった事故を防ぐようにした土木用の暗渠排水処理材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため本発明に係る土木用の暗渠排水処理材は、帯状に形成され一定の長さを有する処理材本体の長手方向における少なくともいずれか一方の端部とその端部に突き合う隣接する処理材本体の端部に、これら処理材本体を繋ぎ目に隙間が生じないように連接するため互いに係合する係合部と被係合部を設けたことを特徴とする。
【0010】
この際、前記係合部は伸縮する環状の弾性部材であり、かつ、前記被係合部は該環状の弾性部材が係合する掛止突起である構成が選択される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る土木用の暗渠排水処理材は、帯状に形成され一定の長さを有する処理材本体の長手方向における少なくともいずれか一方の端部とその端部に突き合う隣接する処理材本体の端部に、これら処理材本体を繋ぎ目に隙間が生じないように連接するため互いに係合する係合部と被係合部を設けたので、複数の暗渠排水処理材を土中に一列に連なるように埋設する際も、各処理材本体の係合部と被係合部を係合させることにより、これら処理材本体の繋ぎ目に隙間の生じることがなくなる。よって、このようにして暗渠排水処理材を土中に埋設したり、コンクリートを打設して埋設させても、これら暗渠排水処理材の繋ぎ目はしっかりと連結されたままとなって、導水路が切断されることがなく、暗渠排水処理材の繋ぎ目部分で無用に水が溢れるといった事故を防ぐことができるという効果を有する。
【0012】
前記係合部を伸縮する環状の弾性部材としかつ被係合部を該環状の弾性部材が係合する掛止突起とすれば、弾性部材を掛止突起に係合した状態では伸びた弾性部材の収縮力により互いの処理材本体が引き寄せられて、繋ぎ目がしっかりと当接し緩むようなことがない。よって、その繋ぎ目に隙間の生じる余裕が全くなくなり、前記所期の目的が十分に達成される。また、暗渠排水処理材を配置して取り付ける際に、環状の弾性部材を掛止突起に係合するのみで済み、例えば軍手などの作業手袋をしたままでも連結作業が簡単に行なえる。更に、環状の弾性部材と掛止突起が共に暗渠排水処理材に設けられていることから、暗渠排水処理材とは別にこれら弾性部材や掛止突起といった連結具を用意する必要がなく、取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る暗渠排水処理材の一部の斜視図。
【図2】図1のX−X線断面図。
【図3】モノフィラメント積層体の斜視図。
【図4】同横断面図。
【図5】構築中のトンネルの横断面図。
【図6】暗渠排水処理材の取付状態を示す拡大正面図。
【図7】図6のY−Y線断面図。
【図8】図6のZ−Z線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る土木用の暗渠排水処理材を実施するための最良の形態を図面に従って説明する。暗渠排水処理材は、主として硬質剛性樹脂製の多数のモノフィラメントをランダムなループ形状に堆積して形成されるモノフィラメント積層体からなり、例えば、トンネルの内周壁面の周方向またはその両側下端部であって中心軸線方向と同じ方向に沿って取り付けられる場合、盛土内に埋設される場合、コンクリート製の擁壁裏側に埋設される場合のいずれも使用される。これらの暗渠排水処理材は、それぞれモノフィラメント積層体と一緒に重ねられるシート本体が材質的に異なるだけである。
【0015】
そこで、本発明は、その一例としてトンネルの構築過程において、その内周壁面に一次覆工コンクリートを吹き付けた後に、その一次覆工コンクリート壁面の両側下端部に取り付ける暗渠排水処理材について説明する。図1は本発明に係る暗渠排水処理材の一部の斜視図、図2は図1のX−X線断面図である。この暗渠排水処理材Aは、帯状のモノフィラメント積層体2と二つ折された中に該モノフィラメント積層体2を収納するシート本体3とを組み合わせた処理材本体1から構成される。
【0016】
図3、図4に示すようにモノフィラメント積層体2は、硬質合成樹脂、例えばポリプロピレン樹脂が使用され、多数本のモノフィラメント4aをランダムなループ状に堆積して縦長平板状に形成される。モノフィラメント積層体2は幅が例えば約20cm、厚さが例えば約3cm、長さが例えば4〜12mの寸法に設定されており、使用する長さはその寸法の間で適宜選択して決められる。そして、その厚み部内に、長手方向に沿って複数の筒状空洞部5が形成される。また、筒状空洞部5の外周面の一側に、同じくモノフィラメント4bにより形成される被覆層部6が設けられている。この被覆層部6は筒状空洞部5の長手方向に沿った両側縁を回り込んでモノフィラメント積層体2の厚みのほぼ半分位置まで達している。
【0017】
太径モノフィラメント4aにより形成される筒状空洞部5は、図4に示すようにその長手方向に沿ってほとんど障害物がなく、しかも、該太径モノフィラメント4a間にできる隙間は比較的広く形成される。一方、被覆層部6は、細径モノフィラメント4bにより形成されていることから、太径モノフィラメント4aの場合に比べ略円形部の半径が小さく、しかも、長手方向に沿って幾重にも重なっているので、細径モノフィラメント4b間にできる隙間は比較的狭い。前記厚み部内は通水性に優れ、容易に水が流入できる構造である。この場合、特に筒状空洞部5を形成する太径モノフィラメント4aが略円形状をなす、すなわち外部圧力に対し筒状空洞部5の中心軸が直交することになるので、多くの略円形部により強度的に頑強な構成となる。
【0018】
シート本体3は、ポリエチレン樹脂からなり、編目が一辺4mm程度の正方形状の網状に形成されている。また、シート本体3は、モノフィラメント積層体2と同じ長さを有すると共に短手方向に沿って二つ折され、その間にモノフィラメント積層体2が介装される。そして、該シート本体3とモノフィラメント積層体2とは、所定個所を超音波接着により接着し一体に形成されている。シート本体3における短手方向であって2枚のシート本体3,3が重ね合わされる端部は、その端部に沿って平行な一対の縫い糸13,13により2枚のシート本体3,3が一体に縫着され、その間に筒状部14が形成される。該筒状部14内には合成樹脂材、ゴムまたは合成ゴムといった軟弾性材料からなる取付ベルト15が挿通され、ステイプラー12止めして固定されている。
【0019】
本発明にあっては、前記処理材本体1における被覆層部6と同じ側の一側面に、その長手方向の両端部に位置させて隣接する暗渠排水処理材A1における処理材本体1aと連結するための係合部と被係合部が設けられる。すなわち、ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂材からなる所定大の基板16が超音波接着によりモノフィラメント積層体2と共にシート本体3の一側面に接着されている。該基板16の一側縁すなわち処理材本体1の長手方向の端部側に取付孔17が開設され、該取付孔17に係合部として環状の弾性部材である輪ゴム18が挿通して取り付けられている。また、基板16の外側面に、被係合部としての掛止突起19が突設されている。掛止突起19は、短筒状に形成されると共にその周側面における処理材本体1の長手方向の端部とは反対側が、先端に鍔片19aを残して切り欠かれており、該掛止突起19に係合させた輪ゴム18が鍔片19aにより外れ難くしている。
【0020】
前記隣接する暗渠排水処理材A1の処理材本体1aにおける一側面の端部にも、前記処理材本体1の各端部の係合部及び被係合部と対応させて、同じく基板16が超音波接着により接着される。該基板16に、係合部と被係合部である輪ゴム18と掛止突起19が一体に設けられている。これら暗渠排水処理材A,A1を同じ向きでかつ長手方向に沿って端部同士を連接するには、互いの処理材本体1,1aをつき合わせた状態で、互いの輪ゴム18,18を他方の掛止突起19,19に互いに係合させる。これによって、両輪ゴム18,18の収縮力により両処理材本体1,1aが共に引き合い、その長手方向の両端面である繋ぎ目20がしっかりと当接して、その繋ぎ目20に無用な隙間が生じなくなる。隣接する暗渠排水処理材A1は、本暗渠排水処理材Aの一端部又は両端部に連接されることになる。長手方向の両端部に係合部と被係合部を設けた本発明に係る暗渠排水処理材Aは、必要であれば、更に複数個用意しても良い。
【0021】
本発明に係る土木用の暗渠排水処理材Aは上記構成からなり、次にその使用方法について説明する。図5は、構築中のトンネルの横断面図である。一般に、トンネルTの構築にはその内周壁に一次覆工コンクリートを吹き付けると共にその上に二次覆工コンクリートを打設するが、本発明の暗渠排水処理材Aはその一次覆工コンクリート壁C1面に取り付けられる。
【0022】
掘削したトンネルTの内周壁面に一次覆工コンクリートを吹き付け、該一次覆工コンクリート壁C1面にその周方向に沿って多数本のロックボルトRを打設し一次覆工コンクリート壁C1をしっかりと固定させる。そして、この状態で一次覆工コンクリート壁C1面であってトンネルTの内周壁面の両側下端部に、トンネルTの中心軸線と同じ方向に沿って本発明の暗渠排水処理材A,A1が直線状に複数連接して取り付けられる。
【0023】
また、前記トンネルTの内周壁面の両側下端部に取り付けた暗渠排水処理材A,A1にはその長手方向に沿って例えば50mの間隔を離した位置に、トンネルTの中心軸線に対し直交しかつ中心線軸側に延びる集水支管21が配置される。これら集水支管21はトンネルTの中心軸線と平行に埋設される中央の集水本管22に接続されている。また、前記トンネルTの内周壁面である一次覆工コンクリート壁C1面に、型枠(図示せず。)を構築すると共に止水シート(図示せず。)を介して二次覆工コンクリートを打設し二次覆工コンクリート壁C2を形成することにより作業を終了する。
【0024】
これにより、例えば一次覆工コンクリート壁C1から染み出る地下水は止水シートの内側の不織布を伝って下方へ運ばれ、暗渠排水処理材A,A1内に入る。そして、これら連結される暗渠排水処理材A,A1内を通る地下水は、各所の集水支管21に流入すると共にその中央の集水本管22に導かれてトンネルTの外部へ排出されることになる。
【0025】
そこで、本発明の暗渠排水処理材Aの取付方法を詳しく説明する。まず、図6、図7に示すように一次覆工コンクリート壁C1面に取付ベルト15が上部に位置し、かつ、被覆層部6が一次覆工コンクリート壁C1面とは反対側に位置するようにして暗渠排水処理材Aをほぼ水平に配置する。次に、取付ベルト15を介して一次覆工コンクリート壁C1面にコンクリート釘Nを打ち込む。この際、図7に示すように剛性のある被覆層部6が一次覆工コンクリート壁C1面とは反対側に位置することから、仮に、一次覆工コンクリート壁C1の取付面に凹凸があっても、暗渠排水処理材Aはその形状に追随して屈曲し易く、暗渠排水処理材Aの取付が容易になる。しかも、被複層部6側に二次覆工コンクリート壁C2が覆うように位置するので、逆に、被覆層部6によりモノフィラメント積層体2が二次覆工コンクリート壁C2の圧力で潰れるのを防いでいる。モノフィラメント積層体2が潰れると、これにより形成される導水路が潰れることになり、地下水の排出機能が損なわれるという危険性がある。
【0026】
そして、暗渠排水処理材Aに暗渠排水処理材A1を直線状に接続する場合は、一方の暗渠排水処理材Aにおける処理材本体1の端部とこれと対向する隣接した暗渠排水処理材A1における処理材本体1aの端部からそれぞれ輪ゴム18,18を引き出し、共に相手の処理材本体1,1aの掛止突起19,19に係合させる。これによって、両輪ゴム18,18の収縮力により互いに引き合い、各処理材本体1,1aの端部間である繋ぎ目20に隙間が生じなくなる。よって、この状態で両暗渠排水処理材A,A1を二次覆工コンクリート壁C2により埋設させても、図8に示すようにこれら暗渠排水処理材A,A1の繋ぎ目20はしっかりと連結されたままとなって、モノフィラメント積層体2による導水路が切断されることがなくなる。本発明に係る暗渠排水処理材Aに隣接する暗渠排水処理材A1を連接する時点は、本発明に係る暗渠排水処理材AをトンネルTの内周面に取り付けた後であっても、該暗渠排水処理材Aを取り付ける前であっても良い。
【0027】
前記係合部と被係合部である輪ゴム18と掛止突起19とを処理材本体1の両端部に設けるようにしたが、そのいずれか一端部のみに設けても良い。また、処理材本体1の一端部に係合部である輪ゴム18を1個設け、他端部に該輪ゴム18が係合する被係合部である掛止突起19を1個設けるようにしても良い。
【0028】
前記トンネルTの内周壁面であって一次覆工コンクリート壁C1に打設したロックボルトRの部分から湧水が出る場合は、図5に示すようにこれら湧水が出るロックボルトRを覆うようにして一次覆工コンクリート壁C1面にその周方向に沿って別途用意された暗渠排水処理材Dが取り付けられる。この暗渠排水処理材Dは、その下端が前記内周壁面の両側下端部に設けられた暗渠排水処理材A,A1にほぼT字型に連結される。これにより、前記ロックボルトRの部分から出る湧水は、周方向に取り付けられた暗渠排水処理材D内を流下して内周壁面の両側下端部の暗渠排水処理材A,A1内に入る。そして、前記と同様にこれら連結される暗渠排水処理材A,A1内を通る地下水は、各所の集水支管21を介して中央の集水本管22に導かれトンネルTの外部へ排出される。
【0029】
前記別途用意された暗渠排水処理材Dの詳しい説明は省略するが、該暗渠排水処理材Dも帯状をなし、ポリエチレン樹脂からなる非通水性の帯状のシート本体の一側面に前記モノフィラメント積層体2が固定される。また、シート本体の長手方向に沿った両側縁部に合成樹脂材、ゴムまたは合成ゴムといった軟弾性材料からなる取付ベルト15を設けて構成される。この暗渠排水処理材Dは、通常10〜12mの長さを有する。
【0030】
本発明では、トンネルの内周壁裏側からの湧水、盛土内やコンクリート製の擁壁裏側の浸透水といった不要な地下水を排水処理する暗渠排水用の集排水処理材について説明したが、暗渠用であって主に硬質合成樹脂製の多数本のモノフィラメントをランダムなループ状に堆積して形成されるモノフィラメント積層体2を備えた暗渠排水処理材であれば、前記説明したもの以外のものであっても適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
1 処理材本体
1a 処理材本体
18 係合部(輪ゴム)
19 被係合部(掛止突起)
20 繋ぎ目
A 暗渠排水処理材
A1 暗渠排水処理材
T トンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に形成され一定の長さを有する処理材本体の長手方向における少なくともいずれか一方の端部とその端部に突き合う隣接する処理材本体の端部に、これら処理材本体を繋ぎ目に隙間が生じないように連接するため互いに係合する係合部と被係合部を設けたことを特徴とする土木用の暗渠排水処理材。
【請求項2】
前記係合部は伸縮する環状の弾性部材でありかつ前記被係合部は該環状の弾性部材が係合する掛止突起である請求項1記載の土木用の暗渠排水処理材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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