説明

圧力容器用ライナおよびその製造方法

【課題】耐圧性の向上を図ることができるとともに、水素ガスの充填効率の低下を抑制しうる圧力容器用ライナの製造方法を提供する。
【解決手段】円筒状第1ライナ構成部材10と、部分球状部12を有する第2ライナ構成部材11とからなる圧力容器用ライナを製造する方法である。第2ライナ構成部材11の内面に、接合端部から部分球状部12の突出頂部までのびる複数の凹溝15を周方向に間隔をおいて形成する。第2ライナ構成部材11の接合端部に、第1ライナ構成部材10の接合端部を内側から支持する支持部14を形成する。支持部14を第1ライナ構成部材10の接合端部内に嵌め入れて、支持部14と第1ライナ構成部材10の接合端部とを重ね継手にし、さらに第1ライナ構成部材10の接合端部の端面を第2ライナ構成部材11における支持部14よりも外側の部分の端面に当接させ、当該当接部分を摩擦攪拌接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、軍事産業、航空宇宙産業、医療産業等において、発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを充填する圧力容器、または酸素ガスを充填する圧力容器に用いられる圧力容器用ライナおよびその製造方法に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「部分球状」という用語は、両面が球面状であり、かつ中空球体の壁の一部分を形成するような形状、およびこれに近似した形状を意味するものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、大気汚染対策として、排気ガスのクリーンな天然ガス自動車や、燃料電池自動車の開発が進められている。これらの自動車は、燃料となる天然ガスや水素ガスを高圧で充填した圧力容器を搭載しているが、航続距離を延ばすために、充填されるガスのさらなる高圧化が求められている。また、自動車においては、圧力容器内へのガスの高速充填が求められるが、水素ガスの場合、高速充填を行うと圧力容器内の温度が上昇し、その結果充填効率が著しく低下するという問題がある。
【0004】
従来、この種の圧力容器として、筒状の胴と胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、両端が開口しかつ胴を構成するアルミニウム製タンク円筒と、タンク円筒の両端部に接合されかつ鏡板を構成する2つのアルミニウム製ドームと、タンク円筒とドームの周壁部との当接部分の内側に両者に跨るように配置されたワゴン車輪状の支持構造部材とを備えており、タンク円筒、ドームおよび支持構造部材が摩擦攪拌接合されたものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1記載の圧力容器用ライナにおいて、支持部材は、タンク円筒とドームとを摩擦攪拌接合する際の両部材の変形を防止するとともに、圧力容器用ライナの耐圧性を向上させる働きをする。
【0006】
ところで、特許文献1記載の圧力容器用ライナにおいては、タンク円筒、ドームおよび支持構造部材の接合部を健全なものにするには、接合前の状態において、支持構造部材をタンク円筒およびドームの突き合わせ端部内に圧入する必要がある。しかしながら、支持構造部材をタンク円筒およびドームの突き合わせ端部内に圧入する場合、支持構造部材をタンク円筒およびドームに対して適正な位置にずれることなく配置することが困難である。したがって、支持構造部材がタンク円筒およびドームに対して位置ずれすることがあり、その結果接合部に接合欠陥が発生して耐圧性が低下するおそれがある。しかも、特許文献1記載の圧力容器用ライナを、水素ガスを充填する圧力容器に用いた場合、高速充填を行うと圧力容器内の温度が上昇し、その結果充填効率が著しく低下する。
【特許文献1】特開平10−160097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、上記問題を解決し、耐圧性の向上を図ることができるとともに、水素ガスを充填する圧力容器に適用した場合の充填効率の低下を抑制しうる圧力容器用ライナおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0009】
1)筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖するドーム状鏡板よりなり、少なくとも一端が開口した筒状体からなりかつ胴を構成する第1ライナ構成部材と、第1ライナ構成部材の開口端部に接合されかつ鏡板を構成するドーム状部を有する第2ライナ構成部材とにより形成された圧力容器用ライナであって、
第2ライナ構成部材の接合端部の肉厚が、第1ライナ構成部材の接合端部の肉厚よりも大きくなっており、第2ライナ構成部材の接合端部が段付き形状とされることにより、第2ライナ構成部材に、第1ライナ構成部材の接合端部を内側から支持する支持部が形成され、支持部と第1ライナ構成部材の接合端部とが重ね継手とされるとともに、第1ライナ構成部材の接合端部の端面が第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面に当接した状態で、両ライナ構成部材が摩擦攪拌接合され、第2ライナ構成部材の内面に、接合端部からドーム状部の突出頂部までのびる複数の凹溝が、周方向に間隔をおいて形成されている圧力容器用ライナ。
【0010】
2)第2ライナ構成部材の接合端部に直筒状部が設けられるとともに、当該直筒状部に支持部が設けられており、支持部内面での凹溝の深さをtmm、支持部の肉厚をTmmとした場合、t≦0.7Tという関係を満たす上記1)記載の圧力容器用ライナ。
【0011】
3)第1ライナ構成部材が円筒状体からなり、第2ライナ構成部材のドーム状部が部分球状部からなるとともに、同じく直筒状部が短円筒状部からなり、鏡板が部分球状である上記2)記載の圧力容器用ライナ。
【0012】
4)筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖するドーム状鏡板よりなり、少なくとも一端が開口した筒状体からなりかつ胴を構成する第1ライナ構成部材と、第1ライナ構成部材の開口端部に接合されかつ鏡板を構成するドーム状部を有する第2ライナ構成部材とにより形成された圧力容器用ライナを製造する方法であって、
第2ライナ構成部材の接合端部の肉厚を、第1ライナ構成部材の接合端部の肉厚よりも大きくするとともに、第2ライナ構成部材の接合端部を段付き形状とすることにより、第2ライナ構成部材に、第1ライナ構成部材の接合端部を内側から支持する支持部を形成し、第2ライナ構成部材の内面に、接合端部からドーム状部の突出頂部までのびる複数の凹溝を周方向に間隔をおいて形成しておき、第2ライナ構成部材の支持部を第1ライナ構成部材の接合端部内に嵌め入れることにより、支持部と第1ライナ構成部材の接合端部とを重ね継手にするとともに、第1ライナ構成部材の接合端部の端面を第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面に当接させ、当該当接部分に、摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後に、プローブを回転させつつ両ライナ構成部材とプローブとを相対的に移動させることによってプローブを上記当接部分の全周にわたって移動させ、両ライナ構成部材どうしを摩擦攪拌接合することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
【0013】
5)第2ライナ構成部材の接合端部に直筒状部を設けるとともに、当該直筒状部に支持部を設けておき、支持部内面での凹溝の深さをtmm、支持部の肉厚をTmmとした場合、t≦0.7Tという関係を満たす上記4)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0014】
6)支持部内面での凹溝の幅をWmm、摩擦攪拌接合用工具のプローブ径をdmm、摩擦攪拌接合用工具の円柱状回転子の端面におけるプローブの周囲に形成された肩部の直径をDmmとした場合、0.3d≦W≦0.7Dの条件を満たす上記4)または5)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0015】
7)第2ライナ構成部材の支持部と第1ライナ構成部材の接合端部との重ね代をLmm、摩擦攪拌接合用工具の円柱状回転子の端面におけるプローブの周囲に形成された肩部の直径をDmmとした場合、0.3D≦Lの条件を満たす上記4)〜6)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0016】
8)プローブの回転方向前方と、第1ライナ構成部材の接合端部の端面と第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面との当接部分に沿うプローブの移動方向とが一致する進行側に第1ライナ構成部材が来るように、プローブを回転させつつ上記当接部分の全周にわたって移動させる上記4)〜7)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0017】
9)第1ライナ構成部材が円筒状体からなり、第2ライナ構成部材のドーム状部が部分球状部からなるとともに、同じく直筒状部が短円筒状部からなる上記5)〜8)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0018】
10)上記1)〜3)のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【0019】
11)燃料水素充填用圧力容器、燃料電池、および燃料水素充填用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素充填用圧力容器が上記10)記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【0020】
12)上記11)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0021】
13)上記11)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0022】
14)天然ガス充填用圧力容器および天然ガス充填用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス充填用圧力容器が上記10)記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【0023】
15)上記14)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【0024】
16)上記14)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【0025】
17)酸素ガス充填用圧力容器および酸素ガス充填用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス充填用圧力容器が上記10)記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【発明の効果】
【0026】
上記1)の圧力容器用ライナによれば、第2ライナ構成部材の接合端部の肉厚が、第1ライナ構成部材の接合端部の肉厚よりも大きくなっており、第2ライナ構成部材の接合端部が段付き形状とされることにより、第2ライナ構成部材に、第1ライナ構成部材の接合端部を内側から支持する支持部が形成され、支持部と第1ライナ構成部材の接合端部とが重ね継手とされるとともに、第1ライナ構成部材の接合端部の端面が第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面に当接した状態で、両ライナ構成部材が摩擦攪拌接合されているので、接合前の状態において、両ライナ構成部材の位置ずれ、および第2ライナ構成部材の支持部に対する第1ライナ構成部材の位置ずれを簡単かつ確実に防止することができる。したがって、両ライナ構成部材を欠陥が生じることなく摩擦攪拌接合することが可能になり、その結果圧力容器用ライナの耐圧性が向上する。また、第2ライナ構成部材の内面に、接合端部からドーム状部の突出頂部までのびる複数の凹溝が、周方向に間隔をおいて形成されているので、凹溝が形成されていない場合に比べて第2ライナ構成部材の軽量化を図ることが可能になり、圧力容器用ライナ全体の重量増を抑制することができる。しかも、隣り合う凹溝間の部分が補強リブの働きをするので、第2ライナ構成部材の支持部に凹溝が形成されていたとしても、支持部の強度低下が防止され、両ライナ構成部材の摩擦攪拌接合時の両ライナ構成部材の変形を防止することができる。さらに、複数の凹溝が形成されることにより、第2ライナ構成部材の内面の伝熱面積が増大するので、この圧力容器用ライナを適用した水素ガス充填用圧力容器内に水素ガスを高速充填した際に熱が発生したとしても、発生した熱は速やかに第2ライナ構成部材に伝わって外部に逃がされる。したがって、圧力容器用ライナ内部の温度上昇が抑制され、水素ガスの充填効率の低下を抑制することが可能になる。
【0027】
上記2)の圧力容器用ライナによれば、両ライナ構成部材の摩擦攪拌接合時に、支持部の変形を抑制することができ、第1ライナ構成部材と第2ライナ構成部材の支持部との接合部での内部欠陥の発生を防止することができる。
【0028】
上記4)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、第2ライナ構成部材の接合端部の肉厚を、第1ライナ構成部材の接合端部の肉厚よりも大きくするとともに、第2ライナ構成部材の接合端部を段付き形状とすることにより、第2ライナ構成部材に、第1ライナ構成部材の接合端部を内側から支持する支持部を形成し、第2ライナ構成部材の支持部を第1ライナ構成部材の接合端部内に嵌め入れることにより、支持部と第1ライナ構成部材の接合端部とを重ね継手にするとともに、第1ライナ構成部材の接合端部の端面を第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面に当接させ、当該当接部分に、摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後に、プローブを回転させつつ両ライナ構成部材とプローブとを相対的に移動させることによってプローブを上記当接部分の全周にわたって移動させ、両ライナ構成部材どうしを摩擦攪拌接合するので、接合前の状態において、両ライナ構成部材の位置ずれ、および第2ライナ構成部材の支持部に対する第1ライナ構成部材の位置ずれを簡単かつ確実に防止することができる。したがって、両ライナ構成部材を欠陥が生じることなく摩擦攪拌接合することが可能になり、その結果製造される圧力容器用ライナの耐圧性が向上する。また、第2ライナ構成部材の内面に、接合端部からドーム状部の突出頂部までのびる複数の凹溝を周方向に間隔をおいて形成しているので、凹溝が形成されていない場合に比べて第2ライナ構成部材の軽量化を図ることが可能になり、製造される圧力容器用ライナ全体の重量増を抑制することができる。しかも、隣り合う凹溝間の部分が補強リブの働きをするので、第2ライナ構成部材の支持部に凹溝が形成されていたとしても、支持部の強度低下が防止され、両ライナ構成部材の摩擦攪拌接合時の両ライナ構成部材の変形を防止することができる。さらに、複数の凹溝が形成されることにより、第2ライナ構成部材の内面の伝熱面積が増大するので、製造される圧力容器用ライナを適用した水素ガス充填用圧力容器内に水素ガスを高速充填した際に熱が発生したとしても、発生した熱は速やかに第2ライナ構成部材に伝わって外部に逃がされる。したがって、圧力容器用ライナ内部の温度上昇が抑制され、水素ガスの充填効率の低下を抑制することが可能になる。
【0029】
上記5)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、両ライナ構成部材の摩擦攪拌接合時に、支持部の変形を抑制することができ、第1ライナ構成部材と第2ライナ構成部材の支持部との接合部での内部欠陥の発生を防止することができる。
【0030】
上記6)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、W≦0.7Dであるから、両ライナ構成部材の摩擦攪拌接合時に、支持部の変形を抑制することができ、第1ライナ構成部材と第2ライナ構成部材の支持部との接合部での内部欠陥の発生を防止することができる。しかも、0.3d≦Wであるから、凹溝を容易に成形することができる。また、製造される圧力容器用ライナを水素ガスを充填する圧力容器に適用した場合、水素ガスの高速充填の際に発生した熱の外部への放熱性が向上する。
【0031】
上記7)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、両ライナ構成部材の摩擦攪拌接合時に、支持部の変形を抑制することができ、第1ライナ構成部材と第2ライナ構成部材の支持部との接合部での内部欠陥の発生を防止することができる。
【0032】
上記8)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、プローブの回転方向前方と、第1ライナ構成部材の接合端部の端面と第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面との当接部分に沿うプローブの移動方向とが一致する進行側に第1ライナ構成部材が来るように、プローブを回転させつつ上記当接部分の全周にわたって移動させるので、第1ライナ構成部材の材料が両ライナ構成部材の接合部側に流動することが防止される。したがって、第1ライナ構成部材における第2ライナ構成部材と接合されていない非接合部の肉厚の減少が防止され、その結果両ライナ構成部材の接合強度が増大する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0034】
図1および図2はこの発明による圧力容器用ライナの全体構成を示し、図3はその要部の構成を示す。また、図4および図5はこの発明による圧力容器用ライナの製造方法を示す。
【0035】
図1および図2において、圧力容器用ライナ(1)は、真っ直ぐな円筒状の胴(2)と、胴(2)の両端開口を閉鎖する部分球状(ドーム状)の鏡板(3)とよりなる。一方の鏡板(3)には、圧力容器用ライナ(1)の内外を通じさせる口金取付部(4)が一体に形成されており、口金取付部(4)には、その外端から貫通穴(4a)が形成されるとともに、貫通穴(4a)の内周面にめねじ(5)が形成されている。
【0036】
圧力容器用ライナ(1)は、両端が開口した真っ直ぐな円筒状体からなるアルミニウム製第1ライナ構成部材(10)と、第1ライナ構成部材(10)の両端部に接合された略椀状のアルミニウム製第2ライナ構成部材(11)とにより形成されている。第1ライナ構成部材(10)は、胴(2)の大部分を構成する。両第2ライナ構成部材(11)は、それぞれ胴(2)の両端部および鏡板(3)を構成する。一方の第2ライナ構成部材(5)には口金取付部(4)が一体に形成されている。第1ライナ構成部材(10)は、たとえば熱間押出により形成されたものであり、第2ライナ構成部材(11)は、たとえば熱間鍛造により形成されたものである。
【0037】
両第2ライナ構成部材(11)は、それぞれ鏡板(3)を構成する部分球状部(12)(ドーム状部)と、部分球状部(12)の開口端部に一体に形成され、かつ胴(2)の端部を構成する短円筒状部(13)(直筒状部)とよりなる。両第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)の肉厚は、それぞれ第1ライナ構成部材(10)の接合端部(両端部)の肉厚よりも大きくなっている。なお、第2ライナ構成部材(11)の部分球状部(12)の肉厚は、短円筒状部(13)の肉厚と等しくてもよく、あるいは若干薄肉となっていてもよい。第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)には、その開口側端部(接合端部)の所定長さ部分を段付き形状とすることにより、第1ライナ構成部材(10)の接合端部を内側から支持する支持部(14)が形成されている。第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)における支持部(14)よりも径方向外側の部分の肉厚は、第1ライナ構成部材(10)の肉厚と等しくなっており、両ライナ構成部材(10)(11)の外周面が同一円筒面内に位置している。そして、第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)と第1ライナ構成部材(10)の接合端部とが重ね継手とされるとともに、第1ライナ構成部材(10)の接合端部の端面が第2ライナ構成部材(11)における支持部(14)よりも外側の部分の端面に当接した状態で、両ライナ構成部材(10)(11)が摩擦攪拌接合されている。また、第2ライナ構成部材(11)の内面に、短円筒状部(13)の開口側端部から部分球状部(12)の突出頂部までのびる複数の凹溝(15)が、周方向に間隔をおいて形成されている。第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)内面での凹溝(15)の深さ、すなわち凹溝(15)における短円筒状部(13)に存在する部分の深さは、全長にわたって等しくなっており、凹溝(15)における部分球状部(12)に存在する部分の深さは、短円筒状部(13)側の端部から部分球状部(12)の突出頂部に向かった徐々に浅くなっている。
【0038】
ここで、図3に示すように、第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)内面での凹溝(15)の深さをtmm、支持部(14)の肉厚をTmmとした場合、t≦0.7Tという関係を満たしていることが好ましい。t>0.7Tの場合、両ライナ構成部材(10)(11)の摩擦攪拌接合時に支持部(14)が変形し、第1ライナ構成部材(10)と第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)との接合部に内部欠陥が発生するおそれがあるからである。
【0039】
第1ライナ構成部材(10)および第2ライナ構成部材(11)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。これらのライナ構成部材(10)(11)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは3つのうち少なくとも2つが異なる材料で形成されていてもよい。
【0040】
図示は省略したが、圧力容器用ライナ(1)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧圧力容器として用いられる。繊維強化樹脂層は、補強繊維を両鏡板(3)にかかるようにして胴(2)の長さ方向に巻き付けてなるヘリカル巻補強層と、補強繊維を胴(2)の周りに周方向に巻き付けてなるフープ巻補強層と、これらの補強層に含浸硬化させられた樹脂とよりなる。樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が用いられる。
【0041】
高圧圧力容器は、燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えた燃料電池システムにおける燃料水素用圧力容器として用いられる。燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される。また、燃料電池システムはコージェネレーションシステムにも用いられる。
【0042】
また、高圧圧力容器は、天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えた天然ガス供給システムにおける天然ガス用圧力容器として用いられる。天然ガス供給システムは、発電機および発電機駆動装置とともにコージェネレーションシステムに用いられる。また、天然ガス供給システムは、天然ガスを燃料とするエンジンを備えている天然ガス自動車に用いられる。
【0043】
さらに、高圧圧力容器は、酸素用圧力容器および酸素用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えた酸素ガス供給システムにおける酸素用圧力容器として用いられる。
【0044】
なお、上述した圧力容器用ライナ(1)を用いた圧力容器内には、気体、液体または気液混合流体が充填される。
【0045】
以下、図4および図5を参照して、圧力容器用ライナ(1)の製造方法について説明する。
【0046】
まず、図4に示すような円筒状の第1ライナ構成部材(10)を押出成形する。また、部分球状部(12)、および部分球状部(12)の開口端部に一体に形成されかつ全長にわたって肉厚の等しい短円筒状部(13)からなる2つの第2ライナ構成部材半製品(図示略)を、それぞれ熱間鍛造加工によって形成する。第2ライナ構成部材半製品の内面には、短円筒状部(13)の開口側端部から部分球状部(12)の突出頂部までのびる複数の凹溝(15)が、周方向に間隔をおいて形成されている。ついで、両第2ライナ構成部材半製品の短円筒状部(13)の外周面における開口端部側の所定長さ部分をそれぞれ切削することによって、第1ライナ構成部材(10)の両端部を内側から支持する支持部(14)を形成し、これにより図4に示すような2つの第2ライナ構成部材(11)をつくる。第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)における支持部(14)よりも径方向外側の部分の肉厚は、第1ライナ構成部材(10)の肉厚と等しくなっている。また、口金取付部(4)を有する第2ライナ構成部材(11)には、口金取付部(4)の外端面から貫通穴(4a)を形成するとともに、貫通穴(4a)の内周面にめねじ(5)を形成する。
【0047】
ついで、両第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)を、それぞれ第1ライナ構成部材(10)の両端部内に嵌め入れて、第1ライナ構成部材(10)の両端面をそれぞれ第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)における支持部(14)よりも径方向外側部分の端面に当接させることにより、第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)と第1ライナ構成部材(10)の接合端部とを重ね継手とする(図5参照)。このとき、第1ライナ構成部材(10)の外周面と、第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)の外周面とは同一円筒面内に位置している。その後、第1ライナ構成部材(10)の両端面と、第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)における支持部(14)よりも径方向外側部分の端面との当接部分(16)において摩擦攪拌接合用工具(20)を用いて両ライナ構成部材(10)(11)を摩擦攪拌接合する。
【0048】
摩擦攪拌接合用工具(20)は、先端部にテーパ部を介して小径部(21a)が同軸上に一体に形成された円柱状回転子(21)と、回転子(21)の小径部(21a)の端面に小径部(21a)と同軸上に一体に形成されかつ小径部(21a)よりも小径であるピン状プローブ(22)とを備えている。回転子(21)およびプローブ(22)は、両ライナ構成部材(10)(11)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱性を有する材料で形成されている。
【0049】
ここで、第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)内面での凹溝(15)の深さ:tmmと、支持部(14)の肉厚:Tmmとの関係は、上述したとおりである。
【0050】
また、第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)内面での凹溝(15)の幅、すなわち凹溝(15)における支持部(14)に存在する部分の幅をWmm(図3参照)、摩擦攪拌接合用工具(20)のプローブ径をdmm、摩擦攪拌接合用工具(20)の円柱状回転子の端面におけるプローブの周囲に形成された肩部(21b)の直径をDmmとした場合、0.3d≦W≦0.7Dの条件を満たしていることが好ましい。W<0.3dの場合には、凹溝(15)の成形が困難になるとともに、第2ライナ構成部材(11)の内周面の伝熱面積を増大させる効果が不足して十分な放熱性能を得られないおそれがあり、W>0.7Dの場合には、両ライナ構成部材(10)(11)の摩擦攪拌接合時に支持部(14)が変形し、第1ライナ構成部材(10)と第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)との接合部に内部欠陥が発生するおそれがあるからである。
【0051】
さらに、第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)と第1ライナ構成部材(10)の接合端部との重ね代をLmm、摩擦攪拌接合用工具(20)の回転子(21)の小径部(21a)端面におけるプローブ(22)の周囲に形成された肩部(21b)の直径をDmmとした場合、0.3D≦Lの条件を満たしていることが好ましい。0.3D>Lの場合、両ライナ構成部材(10)(11)の摩擦攪拌接合時に第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)が下方に曲がるように変形して、第1ライナ構成部材(10)と第2ライナ構成部材(11)の支持部(14)との接合部に内部欠陥が生じ、その結果接合強度が低下する。
【0052】
ついで、摩擦攪拌接合用工具(20)を回転させながら、第1ライナ構成部材(10)の両端面と、第2ライナ構成部材(11)の短円筒状部(13)における支持部(14)よりも径方向外側部分の端面との当接部分(16)における長さ方向の1個所に、両ライナ構成部材(10)(11)に跨るように外側からプローブ(22)を埋入するとともに、工具(20)における小径部(21a)とプローブ(22)との間の肩部(21b)を、両ライナ構成部材(10)(11)の外周面に押し付ける。このとき、肩部(21b)の押し付けにより、接合開始時および接合途中に生じることのある軟化部の肉の飛散を防止して良好な接合状態を得ることができるとともに、両ライナ構成部材(10)(11)と肩部(21b)との摺動によって摩擦熱をさらに発生させてプローブ(22)と両ライナ構成部材(10)(11)との接触部およびその近傍の軟化を促進することができ、しかも接合部の表面へのバリ等の凹凸の発生を防止することができる。
【0053】
ついで、両ライナ構成部材(10)(11)と摩擦攪拌接合用工具(20)とを相対的に移動させることによって、プローブ(22)を当接部分(16)の周方向に移動させる。このとき、プローブ(22)の回転方向(X)前方と、プローブ(22)の当接部分(16)に沿う移動方向(Y)とが一致する進行側に第1ライナ構成部材(10)が来るように、プローブ(22)の回転方向(X)および移動方向(Y)を決める(図5参照)。
【0054】
すると、プローブ(22)の回転により発生する摩擦熱と、両ライナ構成部材(10)(11)と肩部(21b)との摺動により発生する摩擦熱とによって、当接部分(16)の近傍において両ライナ構成部材(10)(11)の母材となる金属は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(22)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(22)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(22)の移動に伴って繰り返されることにより、両ライナ構成部材(10)(11)どうしが接合されていく。このとき、支持部(14)(1a)は先端側の部分を除いて第1ライナ構成部材(10)に接合される。
【0055】
そして、プローブ(22)が当接部分(16)の全長にわたって移動したときに両ライナ構成部材(10)(11)が当接部分(16)において全長にわたって接合される。ついで、両ライナ構成部材(10)(11)の当接部分(16)の終端部に配置した当て部材(図示略)までプローブ(22)を移動させ、ここでプローブ(22)を引き抜く。こうして、両ライナ構成部材(10)(11)が摩擦攪拌接合される。
【0056】
上記実施形態においては、圧力容器用ライナ(1)は、1つの第1ライナ構成部材(10)と、2つの第2ライナ構成部材(11)とにより形成されているが、これに限定されるものではなく、一方の鏡板(3)は胴(2)と一体に形成されていてもよい。すなわち、第1ライナ構成部材として、一端が開口するとともに他端が閉鎖された有底筒状体からなりかつ胴(2)と一方の鏡板(3)を構成するものを用いてもよい。この場合、第1ライナ構成部材の開口端部に他方の鏡板(3)を構成する第2ライナ構成部材(11)を接合する。第2ライナ構成部材(11)として口金取付部の無いものを用いる場合には、第1ライナ構成部材の鏡板(3)に口金取付部を一体に形成しておく。有底筒状の第1ライナ構成部材は、たとえば鍛造によりつくられる。さらに、第1ライナ構成部材を、その長さ方向に分断された複数のライナ構成部材により構成しておいてもよい。
【0057】
さらに、上記実施形態においては、胴(2)、すなわち第1ライナ構成部材(10)は横断面円形であるが、これに限定されるものではなく、適当な形状、たとえば横断面だ円形であってもよい。この場合、当然のことながら、鏡板(3)は部分だ円球とされ、第2ライナ構成部材(11)は部分だ円球状部と、短だ円筒状部とからなるに変更される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明による方法で製造された圧力容器用ライナを示す斜視図である。
【図2】図1の圧力容器用ライナの縦断面図である。
【図3】図2のIII−III線拡大断面図である。
【図4】第1ライナ構成部材と第2ライナ構成部材とを示す分解斜視図である。
【図5】両ライナ構成部材を組み合わせた後の状態を示す部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0059】
(1):圧力容器用ライナ
(2):胴
(3):鏡板
(10):第1ライナ構成部材
(11):第2ライナ構成部材
(12):部分球状部(ドーム状部)
(13):短円筒状部(直筒状部)
(14):支持部
(15):凹溝
(16):当接部分
(20):摩擦攪拌接合用工具
(21):回転子
(21b):肩部
(22):プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖するドーム状鏡板よりなり、少なくとも一端が開口した筒状体からなりかつ胴を構成する第1ライナ構成部材と、第1ライナ構成部材の開口端部に接合されかつ鏡板を構成するドーム状部を有する第2ライナ構成部材とにより形成された圧力容器用ライナであって、
第2ライナ構成部材の接合端部の肉厚が、第1ライナ構成部材の接合端部の肉厚よりも大きくなっており、第2ライナ構成部材の接合端部が段付き形状とされることにより、第2ライナ構成部材に、第1ライナ構成部材の接合端部を内側から支持する支持部が形成され、支持部と第1ライナ構成部材の接合端部とが重ね継手とされるとともに、第1ライナ構成部材の接合端部の端面が第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面に当接した状態で、両ライナ構成部材が摩擦攪拌接合され、第2ライナ構成部材の内面に、接合端部からドーム状部の突出頂部までのびる複数の凹溝が、周方向に間隔をおいて形成されている圧力容器用ライナ。
【請求項2】
第2ライナ構成部材の接合端部に直筒状部が設けられるとともに、当該直筒状部に支持部が設けられており、支持部内面での凹溝の深さをtmm、支持部の肉厚をTmmとした場合、t≦0.7Tという関係を満たす請求項1記載の圧力容器用ライナ。
【請求項3】
第1ライナ構成部材が円筒状体からなり、第2ライナ構成部材のドーム状部が部分球状部からなるとともに、同じく直筒状部が短円筒状部からなり、鏡板が部分球状である請求項2記載の圧力容器用ライナ。
【請求項4】
筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖するドーム状鏡板よりなり、少なくとも一端が開口した筒状体からなりかつ胴を構成する第1ライナ構成部材と、第1ライナ構成部材の開口端部に接合されかつ鏡板を構成するドーム状部を有する第2ライナ構成部材とにより形成された圧力容器用ライナを製造する方法であって、
第2ライナ構成部材の接合端部の肉厚を、第1ライナ構成部材の接合端部の肉厚よりも大きくするとともに、第2ライナ構成部材の接合端部を段付き形状とすることにより、第2ライナ構成部材に、第1ライナ構成部材の接合端部を内側から支持する支持部を形成し、第2ライナ構成部材の内面に、接合端部からドーム状部の突出頂部までのびる複数の凹溝を周方向に間隔をおいて形成しておき、第2ライナ構成部材の支持部を第1ライナ構成部材の接合端部内に嵌め入れることにより、支持部と第1ライナ構成部材の接合端部とを重ね継手にするとともに、第1ライナ構成部材の接合端部の端面を第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面に当接させ、当該当接部分に、摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後に、プローブを回転させつつ両ライナ構成部材とプローブとを相対的に移動させることによってプローブを上記当接部分の全周にわたって移動させ、両ライナ構成部材どうしを摩擦攪拌接合することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項5】
第2ライナ構成部材の接合端部に直筒状部を設けるとともに、当該直筒状部に支持部を設けておき、支持部内面での凹溝の深さをtmm、支持部の肉厚をTmmとした場合、t≦0.7Tという関係を満たす請求項4記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項6】
支持部内面での凹溝の幅をWmm、摩擦攪拌接合用工具のプローブ径をdmm、摩擦攪拌接合用工具の円柱状回転子の端面におけるプローブの周囲に形成された肩部の直径をDmmとした場合、0.3d≦W≦0.7Dの条件を満たす請求項4または5記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項7】
第2ライナ構成部材の支持部と第1ライナ構成部材の接合端部との重ね代をLmm、摩擦攪拌接合用工具の円柱状回転子の端面におけるプローブの周囲に形成された肩部の直径をDmmとした場合、0.3D≦Lの条件を満たす請求項4〜6のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項8】
プローブの回転方向前方と、第1ライナ構成部材の接合端部の端面と第2ライナ構成部材における支持部よりも外側の部分の端面との当接部分に沿うプローブの移動方向とが一致する進行側に第1ライナ構成部材が来るように、プローブを回転させつつ上記当接部分の全周にわたって移動させる請求項4〜7のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項9】
第1ライナ構成部材が円筒状体からなり、第2ライナ構成部材のドーム状部が部分球状部からなるとともに、同じく直筒状部が短円筒状部からなる請求項5〜8のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項10】
請求項1〜3のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【請求項11】
燃料水素充填用圧力容器、燃料電池、および燃料水素充填用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素充填用圧力容器が請求項10記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【請求項12】
請求項11記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【請求項13】
請求項11記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【請求項14】
天然ガス充填用圧力容器および天然ガス充填用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス充填用圧力容器が請求項10記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【請求項15】
請求項14記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【請求項16】
請求項14記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【請求項17】
酸素ガス充填用圧力容器および酸素ガス充填用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス充填用圧力容器が請求項10記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−239966(P2007−239966A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66965(P2006−66965)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】