説明

圧力容器用ライナの製造方法

【課題】 ライナ本体と樹脂被覆層との接着性を向上させることができる圧力容器用ライナの製造方法を提供する。
【解決手段】 圧力容器用ライナの製造方法は、筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖する鏡板よりなり、かつ一方の鏡板に口金取付部を有するアルミニウム製ライナ本体と、ライナ本体における少なくとも胴の外周面を覆う樹脂被覆層とを備えた圧力容器用ライナを製造する方法である。この製造方法は、ライナ本体に対し、リン酸濃度3〜20質量%、浴温25℃以上でかつ40℃未満の電解液中で陽極酸化処理を施して、少なくとも胴の外周面に陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化工程と、陽極酸化皮膜に対し、150〜300℃の温度で0.5時間以上加熱する加熱乾燥工程と、陽極酸化皮膜の表面に樹脂被覆層を形成する樹脂積層工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、輸送機械産業等において、燃料となる水素ガスや天然ガスを貯蔵したり、酸素ガス供給システムにおいて酸素ガスを貯蔵したり、あるいは工業用ガスを貯蔵したりする圧力容器に用いられる圧力容器用ライナの製造方法に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【背景技術】
【0003】
上述した圧力容器に入れられる高圧ガスの圧力は主として20〜35MPa程度であるが、将来的には70MPa程度になると考えられている。
【0004】
従来、この種の圧力容器に用いられる圧力容器用ライナとして、筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖する鏡板よりなり、かつ一方の鏡板に口金取付部を有するアルミニウム製ライナ本体と、ライナ本体の外周面を覆う樹脂被覆層とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の圧力容器用ライナにおいては、ライナ本体と樹脂被覆層との接着性が十分ではないという問題がある。
【特許文献1】特開2003−139296号公報(段落0006、0007および0013)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記問題を解決し、ライナ本体と樹脂被覆層との接着性を向上させることができる圧力容器用ライナの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖する鏡板よりなり、かつ一方の鏡板に口金取付部を有するアルミニウム製ライナ本体と、ライナ本体における少なくとも胴の外周面を覆う樹脂被覆層とを備えた圧力容器用ライナを製造する方法であって、
ライナ本体に対し、リン酸濃度3〜20質量%、浴温25℃以上でかつ40℃未満の電解液中で陽極酸化処理を施して、少なくとも胴の外周面に陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化工程と、陽極酸化皮膜に対し、150〜300℃の温度で0.5時間以上加熱する加熱乾燥工程と、陽極酸化皮膜の表面に樹脂被覆層を形成する樹脂積層工程とを含む圧力容器用ライナの製造方法。
【0009】
上記1)の方法において、陽極酸化工程における電解液のリン酸濃度を3〜20重量%に限定したのは、下限値未満であると陽極酸化皮膜を十分に形成できないことがあり、上限値を超えると陽極酸化皮膜の生長度合を高精度で制御するのが難しく、所望の立体網目構造を得ることができず、樹脂被覆層との間で安定した接着性を得ることができないばかりか、リン酸の酸化皮膜への吸着による汚染が発生することがあるからである。また、陽極酸化工程における電解液の浴温を25℃以上でかつ40℃未満に限定したのは、25℃未満であると所望の陽極酸化皮膜を形成することができず、40℃以上であると酸化皮膜の生長度合を制御するのが困難になって、樹脂被覆層との間で安定した接着性を得ることができないからである。また、加熱乾燥工程における加熱温度を150〜300℃に限定し、加熱時間を0.5時間以上に限定したのは、次の理由による。すなわち、加熱乾燥工程は、陽極酸化工程により形成された陽極酸化皮膜に吸着した水分、特に陽極酸化処理時に吸着した水分を放出させて、後の樹脂積層工程で形成される樹脂被覆層との接着性を向上させるためのものであるが、加熱温度が150℃未満であり、加熱時間が0.5時間未満であると陽極酸化皮膜に吸着した水分の放出を十分に行うことができず、残留水分の影響により樹脂被覆層との接着性が低下し、加熱温度が300℃を超えると熱によって陽極酸化皮膜が破壊されたり、陽極酸化皮膜にクラックが発生したりして、樹脂被覆層との接着性が低下するからである。
【0010】
2)ライナ本体の胴の肉厚を1mm以下としておく上記1)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0011】
上記2)の方法において、ライナ本体の胴の肉厚を1mm以下としたのは、1mmを超えるとライナ本体の重量が大きくなるおそれがあるからである。なお、ライナ本体の胴の肉厚の下限は、0.3mm程度であることが好ましい。その理由は、0.3mm未満であると、製造された圧力容器用ライナの外周面を繊維強化樹脂層で被覆して水素ガス用圧力容器に使用した場合、ライナ本体の内表面から侵入した水素が、拡散によって外表面に達し、樹脂被覆層および繊維強化樹脂層を通過して大気中へ漏洩するおそれがあるからである。
【0012】
3)カップ状ブランクの胴部に、フローフォーミングによって軸方向のしごき加工を施すことにより、胴および胴の一端開口を閉鎖する鏡板を構成する筒状の中間ブランクを形成し、中間ブランクの胴の開口端部にスピニング加工を施すことにより、胴の他端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を形成することを含む方法によってライナ本体を製造する上記1)または2)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0013】
4)両端が開口したアルミニウム製筒状素材の一端部にスピニング加工を施すことにより、胴の一端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を形成すること、および筒状素材の他端部にスピニング加工を施すことにより胴の他端開口を閉鎖する鏡板を形成することを含む方法によってライナ本体を製造する上記1)または2)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0014】
5)胴の一端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を構成するアルミニウム製第1構成部材と、胴および胴の他端開口を閉鎖する鏡板を構成する有底筒状のアルミニウム製第2構成部材とを用意し、両構成部材を相互に接合することによってライナ本体を製造する上記1)または2)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0015】
6)胴を構成する両端が開口した筒状のアルミニウム製第1構成部材と、胴の一端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を構成するアルミニウム製第2構成部材と、胴の他端開口を閉鎖する鏡板を構成するアルミニウム製第3構成部材とを用意し、第1構成部材の両端部に第2構成部材および第3構成部材を接合することによってライナ本体を製造する上記1)または2)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0016】
7)樹脂被覆層により構成部材どうしの接合部を覆う上記5)または6)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0017】
8)陽極酸化工程における電解液のリン酸濃度を8〜12質量%とする上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0018】
上記8)の方法において、陽極酸化工程における電解液のリン酸濃度を8〜12質量%とするのは、上記1)で述べたような、陽極酸化皮膜を十分に形成すること、陽極酸化皮膜の生長度合を高精度で制御するのを容易にして所望の立体網目構造を得ること、およびリン酸の酸化皮膜への吸着による汚染の発生を抑制することを、より効果的に行いうるからである。
【0019】
9)陽極酸化工程における電解液の浴温を28〜32℃とする上記1)〜8)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0020】
上記9)の方法において、陽極酸化工程における電解液の浴温を28〜32℃とするのは、上記1)で述べたような、所望の陽極酸化皮膜を形成すること、および酸化皮膜の生長度合を制御することを、より効果的に行いうるからである。
【0021】
10)陽極酸化工程における陽極酸化皮膜形成時の浴電圧を8〜40Vとする上記1)〜9)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0022】
上記10)の方法において、陽極酸化工程における陽極酸化皮膜形成時の浴電圧を8〜40Vとするのは、8V未満であると皮膜生成速度が低下するおそれがあり、40Vを超えると電圧コントロールが困難になるおそれがあるからである。
【0023】
11)陽極酸化工程における陽極酸化皮膜形成時の浴電圧を10〜15Vとする上記10)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0024】
上記11)の方法において、陽極酸化工程における陽極酸化皮膜形成時の浴電圧を10〜15Vとするのは、上記10)で述べたような、皮膜生成速度の低下を効果的に抑制することができるとともに、電圧コントロールをより簡単に行うことができるからである。
【0025】
12)加熱乾燥工程における加熱温度を200〜250℃とする上記1)〜11)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0026】
上記12)の方法において、加熱乾燥工程における加熱温度を200〜250℃とするのは、上記1)で述べたような、陽極酸化皮膜に吸着した水分の放出を効果的に行うことができるとともに、陽極酸化皮膜の破壊および陽極酸化皮膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができるからである。
【0027】
13)加熱乾燥工程における加熱時間を3時間以内とする上記1)〜12)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0028】
上記13)の方法において、加熱乾燥工程における加熱時間を3時間以内にするのは、加熱時間が3時間を超えてもそれ以上の効果が期待されず、却ってエネルギ損失の増大や、生産性の低下を来すおそれがあるからである。
【0029】
14)加熱乾燥工程における加熱時間を1〜2時間とする上記13)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0030】
上記14)の方法において、加熱乾燥工程における加熱時間を1〜2時間とするのは、陽極酸化皮膜に吸着した水分の放出効果と、エネルギ損失の増大および生産性の低下を防止する効果とのバランスを考慮した上で、最も好ましいからである。
【0031】
15)陽極酸化皮膜の厚さを0.01〜1μmに調整する上記1)〜14)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0032】
上記15)の方法において、陽極酸化皮膜の厚さを0.01〜1μmに調整するのは、後の樹脂積層工程で形成される樹脂被覆層との接着性を向上させるためである。
【0033】
16)樹脂被覆層を熱可塑性プラスチックにより形成する上記1)〜15)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0034】
17)樹脂被覆層の厚みを5〜15mmとする上記16)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0035】
上記17)の方法において、樹脂被覆層の厚みを5〜15mmとするのは、5mm未満であると落下試験時に圧力容器用ライナの変形が生じるおそれがあり、15mmを超えると外形が大きくなり、圧力容器として使用する場合に外周面を被覆する繊維強化樹脂層を形成する補強繊維の量が多くなり過ぎるからである。
【0036】
18)樹脂積層工程が、ライナ本体を射出成形用金型内に入れた後、射出成形用金型内に流動状態の樹脂を射出することにより、ライナ本体の少なくとも胴の外周面の陽極酸化皮膜の表面に樹脂被覆層を形成することを含む上記1)〜17)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【0037】
19)上記1)〜18)のうちのいずれかに記載された方法により製造された圧力容器用ライナ。
【0038】
20)上記19)記載の圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【0039】
21)繊維強化樹脂層が、補強繊維を胴の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維を胴の周囲に巻き付けてなるフープ巻繊維層を備えている上記20)記載の圧力容器。
【0040】
22)内部に水素吸蔵物質が入れられている上記20)または21)記載の圧力容器。
【0041】
23)燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が上記20)〜22)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【0042】
24)天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が上記20)または21)記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【0043】
25)酸素ガス用圧力容器および酸素ガス用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス用圧力容器が上記20)または21)記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【発明の効果】
【0044】
上記1)の製造方法によれば、ライナ本体の少なくとも胴の外周面に、特有の条件で陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成しているので、ボア径の大きい所望の網目構造の陽極酸化皮膜を確実に形成することができる。したがって、ライナ本体の陽極酸化皮膜の表面に樹脂被覆層を形成した際、樹脂被覆層の樹脂が陽極酸化皮膜の穴内部まで深く含浸して陽極酸化皮膜のセルと複雑に絡み合うことにより、良好な接着性を安定して得ることができる。しかも、樹脂被覆層を形成する前に、特有の条件で陽極酸化皮膜を加熱乾燥しているので、陽極酸化皮膜に吸着した水分が除去され、樹脂被覆層を形成する際に、陽極酸化皮膜の残留水分の影響によって樹脂被覆層の接着性が低下することが防止され、陽極酸化皮膜への樹脂被覆層の接着性が一層向上する。
【0045】
さらに、製造された圧力容器用ライナにおいては、樹脂被覆層により強度が増大するので、アルミニウム製ライナ本体の胴の肉厚を比較的薄肉にすることができ、圧力容器用ライナの軽量化を図ることが可能になる。しかも、この圧力容器用ライナを水素ガスを充填する圧力容器に使用した場合、ライナ本体の働きにより水素ガスの漏れを防止することができる。
【0046】
上記2)の製造方法によれば、ライナ本体の軽量化を図ることができ、その結果製造される圧力容器用ライナの軽量化を図ることが可能になる。
【0047】
上記7)の製造方法によれば、ライナ本体における各構成部材の接合部を樹脂被覆層により覆うことによって、製造された圧力容器用ライナにおけるライナ本体の接合部での強度低下を防止することができる。
【0048】
上記8)の製造方法によれば、陽極酸化皮膜の形成を一層確実に行うことができるとともに、陽極酸化皮膜の生長度合を高精度で制御するのを容易にして所望の立体網目構造を効果的に得ることができ、しかもリン酸の酸化皮膜への吸着による汚染の発生を確実に抑制することができるので、樹脂被覆層の接着性が向上する。
【0049】
上記9)の製造方法によれば、所望の陽極酸化皮膜を形成すること、および酸化皮膜の生長度合を制御することを、より効果的に行うことができるので、樹脂被覆層の接着性が向上する。
【0050】
上記10)および11)の製造方法によれば、皮膜生成速度の低下を防止することができるとともに、電圧コントロールが容易になるので、生産性が向上する。
【0051】
上記12)の製造方法によれば、陽極酸化皮膜に吸着した水分の放出を効果的に行うことができるとともに、陽極酸化皮膜の破壊および陽極酸化皮膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができるので、樹脂被覆層の接着性が向上する。
【0052】
上記13)の製造方法によれば、エネルギ損失の増大や、生産性の低下を抑制することができる。
【0053】
上記14)の製造方法によれば、陽極酸化皮膜に吸着した水分の放出効果と、エネルギ損失の増大および生産性の低下を防止する効果とが優れたものになる。
【0054】
上記15)の製造方法によれば、樹脂積層工程で形成される樹脂被覆層との接着性を向上させることができる。
【0055】
上記16)の製造方法により製造された圧力容器用ライナは、水素ガス用圧力容器に使用することができる。なぜならば、熱可塑性プラスチックは、水素ガス用容器を形成する材料として認められているからである。
【0056】
上記20)および21)の圧力容器によれば、耐圧性を確保した上で、軽量化を図ることが可能になる。しかも、水素ガスを充填する圧力容器の場合、水素ガスの漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の説明において、各図面の左右を左右というものとする。
【0058】
図1はこの発明による方法で製造された圧力容器用ライナを示し、図2は圧力容器ライナの製造方法を示す。
【0059】
図1において、圧力容器用ライナ(1)は、円筒状の胴(3)、胴(3)の両端開口を閉鎖する鏡板(4)(5)、および左側の鏡板(4)に一体に形成された円筒状口金取付部(6)からなるライナ本体(2)と、ライナ本体(2)の胴(3)の外周面、左側の鏡板(4)における口金取付部(6)を除いた部分の外面および右側の鏡板(5)の外面を覆う樹脂被覆層(7)とよりなる。
【0060】
胴(3)の肉厚は、圧力容器用ライナ(1)の軽量化を図るために、1mm以下とすることが好ましい。左側の鏡板(4)の口金取付部(6)には、圧力容器ライナ(1)の内外を通じさせる貫通穴(6a)が形成され、貫通穴(6a)の内周面には口金バルブを取り付けるためのめねじ(8)が形成されている。
【0061】
ライナ本体(2)は、胴(3)を構成する両端が開口した円筒状のアルミニウム製第1構成部材(10)と、第1構成部材(10)の左端部に接合され、かつ左側の鏡板(4)および口金取付部(6)を構成するドーム状のアルミニウム製第2構成部材(11)と、第1構成部材(10)の右端部に接合され、かつ右側の鏡板(5)を構成するドーム状のアルミニウム製第3構成部材(12)とからなる。第1構成部材(10)は、たとえば押出により形成され、第2および第3構成部材(11)(12)は、たとえば鍛造、ダイカストまたは切削により形成されている。なお、第1構成部材(10)は、板状素材を円筒状に成形し、その突き合わせ縁部どうしをレーザビーム溶接、電子ビーム溶接、高周波溶接などの溶接法により接合することにより形成してもよい。第1構成部材(10)と第2および第3構成部材(11)(12)との接合は、たとえばレーザビーム溶接、電子ビーム溶接、高周波溶接、MIG、TIGなどの溶接法により行われる。
【0062】
第1〜第3構成部材(10)(11)(12)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金などの熱処理型アルミニウムのうちのいずれかにより形成されている。これらの構成部材(4)(5)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは3つのうち少なくとも2つが異なる材料で形成されていてもよい。
【0063】
樹脂被覆層(7)は、たとえば高密度ポリエチレンなどの熱可塑性プラスチックからなり、その厚みは圧力容器用ライナ(1)に十分な剛性を持たせるために、5〜15mmであることが好ましい。図1においては、樹脂被覆層(7)は、ライナ本体(2)の胴(3)の外周面、左側の鏡板(4)における口金取付部(6)の先端部を除いた部分の外面および右側の鏡板(5)の外面を覆っているが、これに限定されるものではなく、少なくとも胴(3)の外周面を覆っていればよく、望ましくは第1構成部材(10)と第2および第3構成部材(11)(12)との接合部を含んで胴(3)の外周面を覆っていればよい。
【0064】
図示は省略したが、圧力容器用ライナ(1)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、圧力容器として用いられる。繊維強化樹脂層は、補強繊維を胴(3)の長さ方向とほぼ直角をなすように巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたフープ巻補強層と、補強繊維を胴(3)の長さ方向に対して傾斜するように3〜15度の傾斜角度で巻き付けてなるヘリカル巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻補強層とよりなる。各補強層を構成する繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。また、各補強層を構成する樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。各補強層は、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた補強繊維、あるいは樹脂を含浸させた補強繊維の束を巻き付けた後、樹脂を硬化させることにより形成される。
【0065】
圧力容器は、燃料水素ガス用圧力容器、燃料電池、および燃料水素ガス用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えた燃料電池システムにおける燃料水素ガス用圧力容器として用いられる。燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される。また、燃料電池システムはコージェネレーションシステムにも用いられる。
【0066】
また、圧力容器は、天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えた天然ガス供給システムにおける天然ガス用圧力容器として用いられる。天然ガス供給システムは、発電機および発電機駆動装置とともにコージェネレーションシステムに用いられる。また、天然ガス供給システムは、天然ガスを燃料とするエンジンを備えている天然ガス自動車に用いられる。
【0067】
さらに、圧力容器は、酸素ガス用圧力容器および酸素ガス用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えた酸素ガス供給システムにおける酸素ガス用圧力容器として用いられる。
【0068】
以下、図2を参照して、圧力容器用ライナ(1)の製造方法について説明する。
【0069】
まず、アルミニウムビレットから第1構成部材(10)を押出成形するとともに、アルミニウム製素材に熱間鍛造加工を施して第2構成部材(11)および第3構成部材(12)をつくる(図2(a)参照)。
【0070】
ついで、第1構成部材(10)と第2および第3構成部材(11)(12)とを適当な溶接法により接合して、ライナ本体(2)をつくる(図2(b)参照)。
【0071】
ついで、ライナ本体(2)に対し、リン酸濃度3〜20質量%、浴温25℃以上でかつ40℃未満の電解液中で陽極酸化処理を施して、胴(3)の外周面、両鏡板(4)(5)の外面および口金取付部(6)の外周面に陽極酸化皮膜を形成する(陽極酸化工程)。この陽極酸化工程において、電解液のリン酸濃度は8〜12質量%であることが好ましく、浴温は28〜32℃であることが好ましい。また、陽極酸化工程において、皮膜形成時の浴電圧は8〜40Vにすることが好ましく、10〜15Vにすることが望ましい。浴電圧が8V未満であると皮膜生成速度が低下するおそれがあり、40Vを超えると電圧コントロールが困難になるおそれがある。なお、電解電流としては、直流、交流、交直重畳、矩形波交流などを用いることができる。陽極酸化工程により形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、樹脂被覆層(7)との接着性を十分に確保するために、0.01〜1μmに調整することが好ましい。
【0072】
ついで、ライナ本体(2)に形成された陽極酸化皮膜に対し、150〜300℃の温度で0.5時間以上加熱する加熱乾燥処理を施す(加熱乾燥工程)。この加熱乾燥工程において、加熱温度は200〜250℃にすることが好ましい。また、加熱乾燥工程における加熱時間は3時間以内にすることが好ましく、1〜2時間にすることが望ましい。
【0073】
ついで、ライナ本体(2)における口金取付部(6)の先端部を除いた部分を射出成形用金型(13)内に入れた後、射出成形用金型(13)内に流動状態の樹脂、たとえば高密度ポリエチレンを射出することにより、胴(3)の外周面、左側の鏡板(4)における口金取付部(6)の先端部を除いた部分の外面および右側の鏡板(5)の外面を覆う樹脂被覆層(7)を形成する(樹脂積層工程)(図2(c)参照)。樹脂積層工程において形成される樹脂被覆層(7)の厚みは、高密度ポリエチレンなどの熱可塑性プラスチックの場合、5〜15mmであることが好ましい。
【0074】
こうして、圧力容器用ライナ(1)が製造される。
【0075】
次に、この発明による方法の実施例を比較例とともに説明する。
【0076】
実施例1〜7および比較例1〜4
JIS A6061からなり、かつ1辺100mmで肉厚1mmの正方形状基板を用意した。ついで、各基板に、表1に示す条件で陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成した後(陽極酸化工程)、表1に示す条件で陽極酸化皮膜の加熱乾燥処理を施した(加熱乾燥工程)。その後、各基板を射出成形用金型内に入れ、射出成形用金型内に流動状態の高密度ポリエチレンを射出することにより、各基板の表面に樹脂被覆層を形成し(樹脂積層工程)、試片を得た。
【0077】
比較例5〜8
JIS A6061からなり、かつ1辺100mmで肉厚1mmの正方形状基板に、表1に示す条件で陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成した後(陽極酸化工程)、各基板を射出成形用金型内に入れ、射出成形用金型内に流動状態の高密度ポリエチレンを射出することにより、各基板の表面に樹脂被覆層を形成し(樹脂積層工程)、試片を得た。
【0078】
評価試験
上記実施例1〜7および比較例1〜8の試片における基板に対する樹脂被覆層のピール強度を測定することにより、樹脂被覆層の基板への接着性を評価した。
【0079】
実施例1〜7および比較例1〜8の陽極酸化工程における処理条件、加熱乾燥工程における処理条件およびピール強度を表1に示す。
【表1】

【0080】
表1に示すように、実施例1〜7の試片における基板に対する樹脂被覆層のピール強度は、比較例1〜8の試片における基板に対する樹脂被覆層のピール強度よりも明らかに大きくなっている。
【0081】
図3〜図5は、圧力容器用ライナ(1)を製造するのに用いるライナ本体の変形例を示す。
【0082】
図3に示すライナ本体(20)は、胴(3)および右側の鏡板(5)を構成する有底円筒状の第1構成部材(21)と、第1構成部材(21)に接合され、かつ左側の鏡板(4)および口金取付部(6)を構成するドーム状のアルミニウム製第2構成部材(22)とからなる。第1構成部材(21)は、カップ状ブランクの胴部に、フローフォーミングによって軸方向のしごき加工を施すことにより形成されている。また、第1構成部材(21)は、両端が開口したアルミニウム製筒状素材の一端部にスピニング加工を施すことにより形成されていてもよい。第2構成部材(22)は、たとえば鍛造、ダイカストまたは切削により形成されている。第1構成部材(21)と第2構成部材(22)との接合は、たとえばレーザビーム溶接、電子ビーム溶接、高周波溶接、MIG、TIGなどの溶接法により行われる。
【0083】
第1および第2構成部材(21)(22)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金などの熱処理型アルミニウムのうちのいずれかにより形成されている。これらの構成部材(21)(22)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは異なる材料で形成されていてもよい。
【0084】
図4に示すライナ本体(25)は、胴(3)、両鏡板(4)(5)および口金取付部(6)が一体に形成されたものである。このようなライナ本体(25)は、カップ状ブランクの胴部に、フローフォーミングによって軸方向のしごき加工を施すことにより、胴(3)および胴(3)の右端開口を閉鎖する鏡板(5)を構成する筒状の中間ブランクを形成し、中間ブランクの胴(3)の開口端部にスピニング加工を施すことにより、左側の鏡板(4)および口金取付部(6)を形成することを含む方法によって製造される。また、ライナ本体(25)は、両端が開口したアルミニウム製筒状素材の一端部にスピニング加工を施すことにより、左側の鏡板(4)および口金取付部(6)を形成すること、および筒状素材の他端部にスピニング加工を施すことにより右側の鏡板(5)を形成することを含む方法により製造される。
【0085】
図5に示すライナ本体(30)は、胴(3)、左側の鏡板(4)および口金取付部(6)を構成する有底円筒状のアルミニウム製第1構成部材(31)と、第1構成部材(31)に接合され、かつ右側の鏡板(5)を構成するドーム状のアルミニウム製第2構成部材(32)とよりなる。第1構成部材(31)は、たとえば両端が開口したアルミニウム製筒状素材の一端部にスピニング加工を施すことにより形成されている。第2構成部材(32)は、たとえば鍛造、ダイカストまたは切削により形成されている。第1構成部材(31)と第2構成部材(32)との接合は、たとえばレーザビーム溶接、電子ビーム溶接、高周波溶接、MIG、TIGなどの溶接法により行われる。
【0086】
第1および第2構成部材(31)(32)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金などの熱処理型アルミニウムのうちのいずれかにより形成されている。これらの構成部材(31)(32)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは異なる材料で形成されていてもよい。
【0087】
図3〜図5に示すライナ本体(20)(25)(30)の場合にも、図1に示すライナ本体(2)の場合と同様に、少なくとも胴(3)の外周面が樹脂被覆層(7)で覆われて圧力容器用ライナとして用いられる。この圧力容器用ライナも、図1に示す圧力容器用ライナの場合と同様に、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、圧力容器として用いられる。圧力容器は、燃料電池自動車やコージェネレーションシステムに用いられる燃料電池システムの燃料水素ガス用圧力容器として用いられる。また、圧力容器は、天然ガス自動車やコージェネレーションシステムに用いられる天然ガス供給システムの天然ガス用圧力容器として用いられる。さらに、圧力容器は、酸素ガス供給システムの酸素ガス用圧力容器として用いられる。
【0088】
上記実施形態および変形例において、ライナ本体の胴は円筒状であるが、これに限定されるものではなく、たとえば横断面だ円形状の筒状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】この発明の方法により製造された圧力容器用ライナを示す縦断面図である。
【図2】図1に示す圧力容器用ライナの製造方法を示す図である。
【図3】ライナ本体の変形例を示し、(a)は第1および第2構成部材を接合する前の斜視図、(b)は同じく接合後の斜視図である。
【図4】ライナ本体の他の変形例を示す斜視図である。
【図5】ライナ本体のさらに他の変形例を示し、(a)は第1および第2構成部材を接合する前の斜視図、(b)は同じく接合後の斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
(1):圧力容器用ライナ
(2)(20)(25)(30):ライナ本体
(3):胴
(4)(5):鏡板
(6):口金取付部
(7):樹脂被覆層
(10):第1構成部材
(11):第2構成部材
(12):第3構成部材
(13):射出成形用金型
(21)(31):第1構成部材
(22)(32):第2構成部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴および胴の両端開口を閉鎖する鏡板よりなり、かつ一方の鏡板に口金取付部を有するアルミニウム製ライナ本体と、ライナ本体における少なくとも胴の外周面を覆う樹脂被覆層とを備えた圧力容器用ライナを製造する方法であって、
ライナ本体に対し、リン酸濃度3〜20質量%、浴温25℃以上でかつ40℃未満の電解液中で陽極酸化処理を施して、少なくとも胴の外周面に陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化工程と、陽極酸化皮膜に対し、150〜300℃の温度で0.5時間以上加熱する加熱乾燥工程と、陽極酸化皮膜の表面に樹脂被覆層を形成する樹脂積層工程とを含む圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項2】
ライナ本体の胴の肉厚を、1mm以下としておく請求項1記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項3】
カップ状ブランクの胴部に、フローフォーミングによって軸方向のしごき加工を施すことにより、胴および胴の一端開口を閉鎖する鏡板を構成する筒状の中間ブランクを形成し、中間ブランクの胴の開口端部にスピニング加工を施すことにより、胴の他端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を形成することを含む方法によってライナ本体を製造する請求項1または2記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項4】
両端が開口したアルミニウム製筒状素材の一端部にスピニング加工を施すことにより、胴の一端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を形成すること、および筒状素材の他端部にスピニング加工を施すことにより胴の他端開口を閉鎖する鏡板を形成することを含む方法によってライナ本体を製造する請求項1または2記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項5】
胴の一端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を構成するアルミニウム製第1構成部材と、胴および胴の他端開口を閉鎖する鏡板を構成する有底筒状のアルミニウム製第2構成部材とを用意し、両構成部材を相互に接合することによってライナ本体を製造する請求項1または2記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項6】
胴を構成する両端が開口した筒状のアルミニウム製第1構成部材と、胴の一端開口を閉鎖する鏡板および口金取付部を構成するアルミニウム製第2構成部材と、胴の他端開口を閉鎖する鏡板を構成するアルミニウム製第3構成部材とを用意し、第1構成部材の両端部に第2構成部材および第3構成部材を接合することによってライナ本体を製造する請求項1または2記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項7】
樹脂被覆層により構成部材どうしの接合部を覆う請求項5または6記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項8】
陽極酸化工程における電解液のリン酸濃度を8〜12質量%とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項9】
陽極酸化工程における電解液の浴温を28〜32℃とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項10】
陽極酸化工程における陽極酸化皮膜形成時の浴電圧を8〜40Vとする請求項1〜9のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項11】
陽極酸化工程における陽極酸化皮膜形成時の浴電圧を10〜15Vとする請求項10記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項12】
加熱乾燥工程における加熱温度を200〜250℃とする請求項1〜11のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項13】
加熱乾燥工程における加熱時間を3時間以内とする請求項1〜12のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項14】
加熱乾燥工程における加熱時間を1〜2時間とする請求項13記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項15】
陽極酸化皮膜の厚さを0.01〜1μmに調整する請求項1〜14のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項16】
樹脂被覆層を熱可塑性プラスチックにより形成する請求項1〜15のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項17】
樹脂被覆層の厚みを5〜15mmとする請求項16記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項18】
樹脂積層工程が、ライナ本体を射出成形用金型内に入れた後、射出成形用金型内に流動状態の樹脂を射出することにより、ライナ本体の少なくとも胴の外周面の陽極酸化皮膜の表面に樹脂被覆層を形成することを含む請求項1〜17のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
【請求項19】
請求項1〜18のうちのいずれかに記載された方法により製造された圧力容器用ライナ。
【請求項20】
請求項19記載の圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【請求項21】
繊維強化樹脂層が、補強繊維を胴の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維を胴の周囲に巻き付けてなるフープ巻繊維層を備えている請求項20記載の圧力容器。
【請求項22】
内部に水素吸蔵物質が入れられている請求項20または21記載の圧力容器。
【請求項23】
燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が請求項20〜22のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【請求項24】
天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が請求項20または21記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【請求項25】
酸素ガス用圧力容器および酸素ガス用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス用圧力容器が請求項20または21記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−316834(P2006−316834A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138135(P2005−138135)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】