説明

圧力容器用ライナ

【課題】 軽量化を図ることができるとともに低コストであり、さらに口金取付部の強度を十分に確保しうる圧力容器用ライナを提供する。
【解決手段】 圧力容器用ライナ1は、筒状の胴2と胴2の両端開口を閉鎖する鏡板3,4とよりなり、いずれか一方の鏡板3に筒状の口金取付部5が一体に形成されている。口金取付部5における長さ方向の一端側の一部分が鏡板3の内方に突出しているとともに、同じく他端側の一部分が鏡板3の外方に突出している。口金取付部5における鏡板3内方への突出長さをLi、鏡板3外方への突出長さをLo、鏡板3における口金取付部5の周囲の部分の肉厚をtとした場合、Li≧Lo、Lo<tという関係を満たしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、軍事産業、航空宇宙産業、医療産業等において、発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを充填する圧力容器、または酸素ガスを充填する圧力容器に用いられる圧力容器用ライナおよびその製造方法に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、大気汚染対策として、排気ガスのクリーンな天然ガス自動車や、燃料電池自動車の開発が進められている。これらの自動車は、燃料となる天然ガスや水素ガスを高圧で充填した圧力容器を搭載しているが、航続距離を延ばすために、充填されるガスのさらなる高圧化が求められている。
【0004】
従来、このような圧力容器に用いられる圧力容器用ライナとして、筒状の胴と胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、少なくともいずれか一方の鏡板に筒状の口金取付部が一体に形成されたものが知られている。この圧力容器用ライナは、その外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われ、圧力容器として用いられている。
【0005】
しかしながら、充填されるガスの高圧化が図られると、口金取付部の強度が不足し、ここから破壊が発生するおそれがある。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、口金取付部の周囲に、たとえば圧力容器用ライナの材質よりも高強度の材料からなる補強リングが取り付けられた圧力容器が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の圧力容器の場合、口金取付部の周囲に補強リングを取り付けているので、重量が大きくなるとともにコストが高くなるという問題がある。
【特許文献1】特開2004−197812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、軽量化を図ることができるとともに低コストであり、さらに口金取付部の強度を十分に確保しうる圧力容器用ライナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)筒状の胴と胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、少なくともいずれか一方の鏡板に筒状の口金取付部が一体に形成された圧力容器用ライナにおいて、
口金取付部における長さ方向の一端側の少なくとも一部分が鏡板の内方に突出している圧力容器用ライナ。
【0010】
2)口金取付部における長さ方向の一端側の一部分が鏡板の内方に突出しているとともに、同じく他端側の一部分が鏡板の外方に突出している上記1)記載の圧力容器用ライナ。
【0011】
3)口金取付部における鏡板内方への突出長さをLi、鏡板外方への突出長さをLo、鏡板における口金取付部の周囲の部分の肉厚をtとした場合、Li≧Lo、Lo<tという関係を満たす上記2)記載の圧力容器用ライナ。
【0012】
上記3)の圧力容器用ライナにおいて、当然のことながらLi>0である。
【0013】
4)口金取付部が鏡板の内方にのみ突出しており、口金取付部の外端面が鏡板の外面と面一になっている上記1)記載の圧力容器用ライナ。
【0014】
5)胴の長さ方向に分断したような形状となされた少なくとも2つのライナ構成部材を接合することにより形成されている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0015】
6)すべてのライナ構成部材がアルミニウム製である上記5)記載の圧力容器用ライナ。
【0016】
7)口金取付部が形成されている鏡板を有するライナ構成部材が、鍛造により一体成形されている上記6)記載の圧力容器用ライナ。
【0017】
8)すべてのライナ構成部材がプラスチック製である上記5)記載の圧力容器用ライナ。
【0018】
9)上記1)〜8)のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【0019】
10)繊維強化樹脂層が、補強繊維を両鏡板にかかるようにして胴の長さ方向に巻き付けてなるヘリカル巻繊維層および補強繊維を胴の周囲に巻き付けてなるフープ巻繊維層と、これらの繊維層に含浸させて硬化させた樹脂とよりなる上記9)記載の圧力容器。
【0020】
11)燃料水素充填用圧力容器、燃料電池、および燃料水素充填用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素充填用圧力容器が上記9)または10)記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【0021】
12)上記11)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0022】
13)上記11)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0023】
14)天然ガス充填用圧力容器および天然ガス充填用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス充填用圧力容器が上記9)または10)記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【0024】
15)上記14)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【0025】
15)上記14)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【0026】
16)酸素ガス充填用圧力容器および酸素ガス充填用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス充填用圧力容器が上記9)または10)記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【発明の効果】
【0027】
上記1)、2)および4)の圧力容器用ライナによれば、口金取付部における長さ方向の一端側の少なくとも一部分が鏡板の内方に突出しているので、口金取付部における鏡板の内方に突出した部分は、静水圧領域に存在することになり、当該内方突出部分の肉厚を薄くすることができるとともに、当該内方突出部の周囲には、特許文献1記載の圧力容器用ライナのような補強リングは不要になる。また、口金取付部の他端側の一部分が、上記2)の場合のように鏡板の外方に突出していたとしても、当該外方突出部の強度は、口金取付部の周囲の鏡板の肉厚により補強されることになるので、当該外方突出部の周囲には、特許文献1記載の圧力容器用ライナのような補強リングは不要になる。したがって、圧力容器用ライナの軽量化を図ることができるととともにコストが安くなり、さらに口金取付部の強度を十分に確保することができる。
【0028】
上記3)の圧力容器用ライナによれば、上記2)の場合のように鏡板の外方に突出していたとしても、口金取付部の周囲の鏡板の肉厚による当該外方突出部の補強効果が確実になる。
【0029】
上記7)の圧力容器用ライナによれば、口金取付部が形成されている鏡板を有するライナ構成部材を比較的簡単に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の説明において、各図面の左右を左右というものとする。
【0031】
実施形態1
この実施形態は図1〜図3に示すものである。
【0032】
図1は実施形態1の圧力容器用ライナの全体構成を示し、図2はその要部を示す。また、図3は図1の圧力容器用ライナを用いた圧力容器を示す。
【0033】
図1において、圧力容器用ライナ(1)は、円筒状の胴(2)と、胴(2)の両端開口を閉鎖する部分球面状鏡板(3)(4)と、一方の鏡板(3)に一体に形成された円筒状の口金取付部(5)とよりなる。口金取付部(5)には、その外端から貫通穴(6)が形成され、貫通穴(6)の内周面にめねじ(7)が形成されている。
【0034】
圧力容器用ライナ(1)は、両端が開口した真っ直ぐな円筒状体からなるアルミニウム製第1ライナ構成部材(10)と、略椀状体からなりかつ第1ライナ構成部材(10)の両端部に接合されたアルミニウム製第2および第3ライナ構成部材(11)(12)とにより形成されている。第1ライナ構成部材(10)は、胴(2)の大部分を構成する。第2ライナ構成部材(11)は、胴(2)の左端部および左側の鏡板(3)を構成する。第3ライナ構成部材(12)は、胴(2)の右端部および右側の鏡板(4)を構成する。第1ライナ構成部材(10)は、たとえば熱間押出により形成されたものであり、第2および第3ライナ構成部材(11)(12)は、たとえば熱間鍛造により形成されたものである。第1ライナ構成部材(10)と第2および第3ライナ構成部材(11)(12)との接合は、たとえばMIG、TIGなどの溶融溶接や、摩擦圧接や、ろう付や、摩擦攪拌接合により行われる。
【0035】
第2ライナ構成部材(11)に口金取付部(5)が一体に形成されている。口金取付部(5)の右端側の一部分は鏡板(3)の内方に突出するとともに、左端側の一部分は鏡板(3)の外方に突出している。口金取付部(5)における鏡板(3)内方への内方突出部を(5a)で示し、鏡板(3)外方への外方突出部を(5b)で示す。図2に示すように、内方突出部(5a)の突出長さをLi(mm)、外方突出部(5b)の突出長さをLo(mm)、鏡板(3)における口金取付部(5)の周囲の部分(3a)の肉厚をt(mm)とした場合、Li≧Lo、Lo<tという関係を満たすことが好ましい。Li<Loであるとともに、Lo>tであると、鏡板(3)における口金取付部(5)の周囲の部分(3a)による外方突出部(5b)の補強効果が不十分になるおそれがあるからである。ここで、LiとLoとtとを合計した長さは、口金取付部(5)に取り付けられる口金バルブの種類により決まるものであり、Li+Lo+t=一定である。なお、図2において、貫通穴(6)内周面のめねじ(7)の図示は省略されている。
【0036】
第1〜第3ライナ構成部材(10)(11)(12)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。これらのライナ構成部材(10)(11)(12)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは3つのうち少なくとも2つが異なる材料で形成されていてもよい。
【0037】
圧力容器用ライナ(1)は、図3に示すように、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(14)で覆われ、圧力容器(15)として用いられる。図示は省略したが、繊維強化樹脂層(14)は、補強繊維を胴(2)の長さ方向とほぼ直角をなすように巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたフープ巻補強層と、補強繊維を胴(2)の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻補強層とよりなる。各補強層を構成する繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。また、各補強層を構成する樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。各補強層は、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた補強繊維、あるいは樹脂を含浸させた補強繊維の束を巻き付けた後、樹脂を硬化させることにより形成される。
【0038】
圧力容器(15)は、燃料水素ガス充填用圧力容器、燃料電池、および燃料水素ガス充填用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えた燃料電池システムにおける燃料水素ガス充填用圧力容器として用いられる。燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される。また、燃料電池システムはコージェネレーションシステムにも用いられる。
【0039】
また、圧力容器(15)は、天然ガス充填用圧力容器および天然ガス充填用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えた天然ガス供給システムにおける天然ガス充填用圧力容器として用いられる。天然ガス供給システムは、発電機および発電機駆動装置とともにコージェネレーションシステムに用いられる。また、天然ガス供給システムは、天然ガスを燃料とするエンジンを備えている天然ガス自動車に用いられる。
【0040】
さらに、圧力容器(15)は、酸素ガス充填用圧力容器および酸素ガス充填用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えた酸素ガス供給システムにおける酸素ガス充填用圧力容器として用いられる。
【0041】
実施形態1において、図4に示すように、口金取付部が形成されていない右側の鏡板(4)、および胴(2)の大部分が一体に形成されたライナ構成部材(17)と、第2ライナ構成部材(11)とが接合されることによって、圧力容器用ライナ(16)が構成されていてもよい。また、図示は省略したが、口金取付部(5)が形成された左側の鏡板(3)、および胴(2)の大部分が一体に形成されたライナ構成部材と、第2ライナ構成部材(12)とが接合されることによって、圧力容器用ライナが構成されていてもよい。
【0042】
実施形態2
この実施形態は図5〜図7に示すものである。
【0043】
図5は実施形態2の圧力容器用ライナの要部を示し、図6は図5の圧力容器用ライナを用いた圧力容器を示す。また、図7は図6の圧力容器を製造する方法を示す。
【0044】
図5に示す圧力容器用ライナ(20)の場合、円筒状の口金取付部(21)が鏡板(3)の内方にのみ突出しており、口金取付部(21)の外端面(21a)が球面の一部分となり、鏡板(3)の外面と面一になって滑らかに連なっている。その他の構成は実施形態1の圧力容器用ライナ(1)と同じである。ここで、口金取付部(21)における鏡板(3)の内方への突出長さをLi2(mm)、鏡板(3)における口金取付部(21)の周囲の部分(3a)の肉厚をt2(mm)とした場合、Li2とt2とを合計した長さは、口金取付部(21)に取り付けられる口金バルブの種類により決まるものであり、Li2+t2=一定であり、実施形態1のLi+Lo+tと等しくなっている。
【0045】
なお、図5において、貫通穴(6)内周面のめねじ(7)の図示は省略されている。
【0046】
圧力容器用ライナ(20)は、図6に示すように、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(14)で覆われ、圧力容器(22)として用いられる。図示は省略したが、繊維強化樹脂層(14)は、実施形態1の場合と同様に、補強繊維を胴(2)の長さ方向とほぼ直角をなすように巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたフープ巻補強層と、補強繊維を胴(2)の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻補強層とよりなる。各補強層を構成する繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。また、各補強層を構成する樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。各補強層は、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた補強繊維、あるいは樹脂を含浸させた補強繊維の束を巻き付けた後、樹脂を硬化させることにより形成される。この圧力容器(22)において、口金取付部(21)の外端面(21a)における内周側部分、すなわち口金バルブを取り付ける際のシール座面(23)は繊維強化樹脂層(14)によっては覆われておらず、外部に露出している。
【0047】
圧力容器用ライナ(20)の口金取付部(21)の外端面(21a)にシール座面(23)を形成する方法は次の通りである。
【0048】
すなわち、図7に示すように、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた補強繊維を巻き付ける前の段階、あるいは樹脂を含浸させた補強繊維の束を巻き付ける前の段階において、貫通穴(6)内周面のめねじ(7)を利用し、口金取付部(21)にシール座面形成具(24)を取り付けておく。シール座面形成具(24)は、外周面におねじ(25a)が形成されかつ貫通穴(6)内ににねじ嵌められる軸部(25)と、軸部(25)に一体に形成され、かつ口金取付部(21)の外端面(21a)の内側部分に接する座面を有する頭部(26)とからなる。そして、シール座面形成具(24)の軸部(25)を、口金取付部(21)の貫通穴(6)内に、おねじ(25a)およびめねじ(7)を利用してねじ嵌めるとともに、頭部(26)の座面を口金取付部(21)の外端面(21a)の内周側部分に接触させておいた状態で、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた補強繊維を巻き付け、あるいは樹脂を含浸させた補強繊維の束を巻き付け、その後樹脂を硬化させる。その後、シール座面形成具(24)を口金取付部(21)から取り外す。こうして、圧力容器用ライナ(20)の口金取付部(21)の外端面(21a)にシール座面(23)を有する圧力容器(22)が製造される。
【0049】
この圧力容器(22)の用途は、実施形態1の圧力容器用ライナ(1)を用いた圧力容器(15)と同様である。
【0050】
実施形態2において、図示は省略したが、口金取付部(21)が形成されていない右側の鏡板(4)、および胴(2)の大部分が一体に形成されたライナ構成部材と、口金取付部(21)を有する第1ライナ構成部材(11)とが接合されることによって、圧力容器用ライナ(20)が構成されていてもよい。また、図示は省略したが、口金取付部(21)が形成された左側の鏡板(3)、および胴の大部分が一体に形成されたライナ構成部材と、実施形態1の第2ライナ構成部材(12)とが接合されることによって、圧力容器用ライナ(20)が構成されていてもよい。
【0051】
なお、上述した実施形態1および2の圧力容器用ライナ(1)(20)を用いた圧力容器内には、気体、液体または気液混合流体が充填される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の実施形態1の圧力容器用ライナの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の圧力容器用ライナの口金取付部を示す部分拡大断面図である。
【図3】図1の圧力容器用ライナを用いた圧力容器の全体構成を示す縦断面図である。
【図4】実施形態1の圧力容器用ライナの変形例を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施形態2の圧力容器用ライナの口金取付部を示す部分拡大断面図である。
【図6】図5の圧力容器用ライナを用いた圧力容器の一部分を示す部分縦断面図である。
【図7】図6の圧力容器を製造する方法を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0053】
(1)(16)(20):圧力容器用ライナ
(2):胴
(3):鏡板
(3a):鏡板における口金取付部の周囲の部分
(4):鏡板
(5):口金取付部
(5a):内方突出部
(5b):外方突出部
(10)(11)(12)(17):ライナ構成部材
(14):繊維強化樹脂層
(15)(22):圧力容器
(21):口金取付部
(21a):外端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴と胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、少なくともいずれか一方の鏡板に筒状の口金取付部が一体に形成された圧力容器用ライナにおいて、
口金取付部における長さ方向の一端側の少なくとも一部分が鏡板の内方に突出している圧力容器用ライナ。
【請求項2】
口金取付部における長さ方向の一端側の一部分が鏡板の内方に突出しているとともに、同じく他端側の一部分が鏡板の外方に突出している請求項1記載の圧力容器用ライナ。
【請求項3】
口金取付部における鏡板内方への突出長さをLi、鏡板外方への突出長さをLo、鏡板における口金取付部の周囲の部分の肉厚をtとした場合、Li≧Lo、Lo<tという関係を満たす請求項2記載の圧力容器用ライナ。
【請求項4】
口金取付部が鏡板の内方にのみ突出しており、口金取付部の外端面が鏡板の外面と面一になっている請求項1記載の圧力容器用ライナ。
【請求項5】
胴の長さ方向に分断したような形状となされた少なくとも2つのライナ構成部材を接合することにより形成されている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項6】
すべてのライナ構成部材がアルミニウム製である請求項5記載の圧力容器用ライナ。
【請求項7】
口金取付部が形成されている鏡板を有するライナ構成部材が、鍛造により一体成形されている請求項6記載の圧力容器用ライナ。
【請求項8】
すべてのライナ構成部材がプラスチック製である請求項5記載の圧力容器用ライナ。
【請求項9】
請求項1〜8のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【請求項10】
繊維強化樹脂層が、補強繊維を両鏡板にかかるようにして胴の長さ方向に巻き付けてなるヘリカル巻繊維層および補強繊維を胴の周囲に巻き付けてなるフープ巻繊維層と、これらの繊維層に含浸させて硬化させた樹脂とよりなる請求項9記載の圧力容器。
【請求項11】
燃料水素充填用圧力容器、燃料電池、および燃料水素充填用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素充填用圧力容器が請求項9または10記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【請求項12】
請求項11記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【請求項13】
請求項11記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【請求項14】
天然ガス充填用圧力容器および天然ガス充填用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス充填用圧力容器が請求項9または10記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【請求項15】
請求項14記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【請求項16】
請求項14記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【請求項17】
酸素ガス充填用圧力容器および酸素ガス充填用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス充填用圧力容器が請求項9または10記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−16807(P2007−16807A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196000(P2005−196000)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】