説明

圧力検出装置用パッケージおよび圧力検出装置

【課題】 圧力検出装置の検出精度を向上させる。
【解決手段】圧力検出装置用パッケージ1は、絶縁基板11と、絶縁基板11の上面に設けられた第1電極2と、絶縁基板11の上面に第1電極2を囲むように設けられた枠体12と、枠体12上に絶縁基板11および枠体12とともに空間15を形成するように設けられたダイヤフラム13と、ダイヤフラム13の下面に設けられた、第1電極2とともに静電容量を形成する第2電極3と、ダイヤフラム13の上面のうち枠体12と上下に重なり合う部分に互いに離して設けられた複数の柱状部材14とを備えている。複数の柱状部材14を備えていることにより、検出精度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力を検出するための圧力検出装置として、静電容量型の圧力検出装置が知られている。このような圧力検出装置に用いられる圧力検出装置用パッケージ(以下、単にパッケージとも言う)としては、例えば、特許文献1に記載の圧力検出装置用パッケージが挙げられる。
【0003】
特許文献1に記載のパッケージにおいては、外圧に起因する静電容量の変化を測定して、セラミック板にかかる圧力の大きさが検知される。
【0004】
従来のパッケージでは、製造時においてセラミック板が撓んでしまうことがあり、その場合、使用時におけるセラミック板が撓む量を精度よく検出することが難しい。そこで、特許文献1に記載のパッケージでは、セラミック板の上面に枠状の補助セラミック枠体を設けることにより、焼成前にセラミック板に積層されるセラミック枠体および補助セラミック枠体によって上下から略均等に押圧力が加わるようにして、セラミック板に撓みが発生する可能性を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−323392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のパッケージは、パッケージの検出精度を向上させることが困難であった。具体的には、外圧によってセラミック板が内側に撓もうとしても、セラミック板に枠状に接合されている補助セラミック枠体があることから、ダイヤフラムが撓みにくくなることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る圧力検出装置用パッケージは、絶縁基板と、絶縁基板の上面に設けられた第1電極と、絶縁基板の上面に第1電極を囲むように設けられた枠体と、枠体上に絶縁基板および枠体とともに密閉空間を形成するように設けられたダイヤフラムと、ダイヤフラムの下面に設けられた、第1電極とともに静電容量を形成する第2電極と、ダイヤフラムの上面のうち枠体と上下に重なり合う部分に互いに離して設けられた複数の柱状部材とを備えている。
【0008】
本発明の一実施形態に係る圧力検出装置は、上記の圧力検出装置用パッケージと、第1電極および第2電極に電気的に接続された半導体素子とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置によれば、ダイヤフラムの上面に複数の柱状部材が設けられていることから、パッケージの製造時にダイヤフラムが絶縁基板側に撓む可能性を抑制できる。一方で、パッケージの使用時において、外圧によってダイヤフラムが内側に撓んだ場合であっても、柱状部材が互いに離して設け
られていることによって柱状部材が内側に変位し易いことから、柱状部材がダイヤフラムの撓みを阻害してしまう可能性を低減できる。その結果、パッケージの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置を示す断面図である。
【図2】図1に示す圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置をA−A’線で切って上方向から見た断面図である。
【図3】図1に示す圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置をB−B’線で切って下方向から見た断面図である。
【図4】図1に示す圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置を示す平面図である。
【図5】圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置の変形例1を示す断面図である。
【図6】圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置の変形例2を示す断面図である。
【図7】圧力検出装置用パッケージおよびこれを用いた圧力検出装置の変形例3を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る圧力検出装置100および圧力検出装置用パッケージ1について図面を参照して説明する。
【0012】
<圧力検出装置の構成>
図1〜4に示すように、本発明の一実施形態の圧力検出装置100は、圧力検出装置用パッケージ1と、圧力検出装置用パッケージ1に設置された半導体素子4とを備えている。圧力検出装置100は、気体の圧力を検出するのに用いることができる。具体的には、例えば、タイヤの空気圧を検出するため、あるいは、エンジンのような燃焼機関の内部の圧力を検出するために圧力検出装置が用いられる。タイヤの空気圧を検出する場合には、圧力検出装置はタイヤの内部に設けられる。また、燃焼機関の内部の圧力を検出する場合には、圧力検出装置は、燃焼機関の内部に設けられる。
【0013】
<圧力検出装置用パッケージ1の構成>
本発明の一実施形態の圧力検出装置用パッケージ1は、絶縁基板11と、絶縁基板11の上面に設けられた第1電極2と、絶縁基板11の上面に設けられた枠体12と、枠体12上に設けられたダイヤフラム13と、ダイヤフラム13の下面に設けられた第2電極3と、ダイヤフラム13の上面に設けられた複数の柱状部材14とを備えている。
【0014】
本実施形態における絶縁基板11は、板状の部材であって、平面視したときの形状が四角形状である。絶縁基板11は、枠体12を介してダイヤフラム13を支持するために設けられている。また、絶縁基板11の下面には、半導体素子4を収納するための凹部16が形成されている。凹部16は、平面視したときの内周の形状が四角形状である。
【0015】
絶縁基板11の材料としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミックスのような絶縁材料を用いることができる。
【0016】
枠体12は、絶縁基板11の上面に設けられている。これにより、絶縁基板11とダイヤフラム13との間に所定の間隔を確保することができる。その結果、ダイヤフラム13
に外部から圧力が加わったときに、ダイヤフラム13を絶縁基板11に向かって(図においては下方に向かって)撓ませることが可能になる。
【0017】
本実施形態における枠体12は、平面視したときの内周の形状が円形状であって、外周の形状が四角形状である。このように、平面視したときの枠体12の内周の形状が円形状であることから、ダイヤフラム13に外部からの圧力が加わった際に枠体12に伝わる力を分散させて絶縁基板11に伝えることができる。詳しくは、枠体12の内周の形状が多角形状の場合、ダイヤフラム13に外部からの圧力が加わった際に枠体12の内周の角部に応力が集中する可能性がある。枠体12の内周の形状が円形状であることによって、このように応力が集中することを抑制できる。その結果、絶縁基板11に部分的に圧力が集中する可能性を低減することができるので、圧力検出装置用パッケージ1の信頼性を向上させることができる。
【0018】
枠体12の材料としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミックスのような絶縁材料を用いることができる。本実施形態においては、枠体12は絶縁基板11とともに一体的に形成されている。
【0019】
本実施形態における第1電極2は、絶縁基板11の上面であって、枠体12に囲まれるように枠体12の内側に設けられている。第1電極2は枠体12の内側に位置している。第1電極2と後述する第2電極3との間には静電容量が形成される。ダイヤフラム13が外部から圧力を受けたときに、この圧力によってダイヤフラム13が撓むので、第1電極2と第2電極3との間隔が変化する。これにより、第1電極2と第2電極3との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を測定して、演算を行なうことによって、圧力の大きさを求めることができる。
【0020】
圧力の大きさを求めるための演算は、例えば、絶縁基板11の下面の凹部16に収納される半導体素子4を設け、この半導体素子4を用いて行なうことができる。図1に示す圧力検出装置100では、凹部16に設けた半導体素子4を凹部16に充填した樹脂8で気密封止した状態を示している。
【0021】
また、圧力検出装置用パッケージ1の外部に別途装置を設け、この装置を用いて同様の演算を行なうこともできる。圧力検出装置用パッケージ1の外部に別途装置を設ける場合、半導体素子4は圧力の大きさを求めるための演算を行なうためのものではなく、単に第1電極2および第2電極3から送られた信号を増幅するだけの機能を有しているものであってもよい。
【0022】
第1電極2は、平面透視したときの形状が円形状である。第1電極2の外周の形状が、枠体12の内周の形状と相似であることにより、第1電極2を広い範囲に形成することができる。そのため、第2電極3との間に形成される静電容量を大きくすることができる。結果として、圧力検出装置用パッケージ1の外部からの圧力の変化を検出する精度を向上させることができる。
【0023】
第1電極2としては、導電性の良好な材料を用いることが望ましい。具体的には、例えば、タングステン、モリブデン、銅もしくは銀等の金属材料またはそれらを用いた合金を用いることができる。
【0024】
ダイヤフラム13は、板状の部材であって、平面視したときの形状が四角形状である。ダイヤフラム13は、絶縁基板11と枠体12とともに気密封止された空間15を形成するように枠体12の上面に接合されている。
【0025】
ダイヤフラム13は、絶縁材料によって形成される。具体的には、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミックスのような絶縁材料を用いることができる。本実施形態においては、ダイヤフラム13は枠体12とともに一体的に形成されている。
【0026】
また、ダイヤフラム13、絶縁基板11および枠体12によって囲まれた領域に気密封止された空間15が形成されていることによって、第1電極2および第2電極3が外気の影響を受けて変質する可能性を抑制できる。その結果、圧力検出装置用パッケージ1の信頼性を向上させることができる。空間15の内部には、不活性気体を充填することができる。不活性気体としては、窒素またはアルゴンを用いることができる。これにより、第1電極2および第2電極3が変質する可能性をさらに抑制することができる。
【0027】
圧力検出装置用パッケージ1における第2電極3は、ダイヤフラム13の内面に設けられている。第2電極3は、平面透視したときに第1電極23と重なる領域に位置している。第2電極3と第1電極2との間に静電容量が形成される。
【0028】
第2電極3は、平面透視したときの形状が円形状である。第2電極3の外周の形状が、枠体12の内周の形状と相似であることにより、第2電極3を広い領域に形成することができる。そのため、第1電極2との間に形成される静電容量を大きくすることができる。結果として、圧力検出装置用パッケージ1の外部からの変化を検出する精度を向上させることができる。
【0029】
第2電極3としては、導電性の良好な材料を用いることが望ましい。具体的には、例えば、タングステン、モリブデン、銅もしくは銀等の金属材料またはそれらを用いた合金を用いることができる。
【0030】
柱状部材14は、平面視したときの形状が略円形の形状である柱状の部材である。柱状部材14は、ダイヤフラム13の上面のうち枠体12と上下に重なり合う部分に互いに離して複数設けられている。ダイヤフラム13の上面に複数の柱状部材14が設けられていることから、製造時にダイヤフラム13が絶縁基板11側に撓む可能性を抑制できる。詳しくは、ダイヤフラム13が枠体12と柱状部材14とに挟まれて位置させることによって、焼成前に枠体12、ダイヤフラム13および柱状部材14を積層する際に、ダイヤフラム13には枠体12による下方向からの押圧力だけでなく、柱状部材14による上方向からの押圧力も加わる。そのため、ダイヤフラムに上下から加わる押圧力のばらつきを低減できる。このため、ダイヤフラム13に撓みが発生する可能性を抑制することができる。
【0031】
さらに、パッケージ1の使用時において、外圧によってダイヤフラム13が内側に撓んだ場合であっても、柱状部材14が互いに離して設けられていることによって柱状部材14が内側に変位し易いことから、柱状部材14がダイヤフラム13の撓みを阻害してしまう可能性を低減できる。その結果、パッケージ1の検出精度を向上させることができる。
【0032】
柱状部材14は、全体が枠体12の内周面よりも外側に位置している。これにより、製造時に柱状部材14からダイヤフラム13に対して押圧力が加わったときに、空間15側にダイヤフラム13が撓んでしまう可能性をさらに抑制できる。
【0033】
一方で、パッケージ1の使用時において、外圧によってダイヤフラム13が内側に撓んだ場合であっても、柱状部材14が互いに離して設けられていることによって柱状部材14が内側に変位し易いことから、柱状部材14がダイヤフラム13の撓みを阻害してしま
う可能性を低減できる。その結果、パッケージ1の検出精度を向上させることができる。
【0034】
柱状部材14は、隣接するもの同士がそれぞれ等しい間隔で配置されている。具体的には、柱状部材14は、平面視したときに絶縁基板11の外周に沿って等しい間隔で配置されている。これにより、力の測定時に外圧によってダイヤフラム13が内側に撓んだ際に柱状部材14が内側に引っ張られるときに、それぞれの柱状部材14が内側に引っ張られる力に偏りが生じることを抑制できる。
【0035】
柱状部材14としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミックスのような絶縁材料を用いることができる。本実施形態においては、柱状部材14はダイヤフラム13とともに一体的に形成されている。
【0036】
パッケージ1は、さらに第1接続導体5、第2接続導体6および外部接続導体7を備えている。第1接続導体5は、第1電極2および絶縁基板11の凹部16に設けられる半導体素子4を電気的に接続するために設けられている。また、第2接続導体6は第2電極3および半導体素子4を電気的に接続するために設けられている。また、外部接続導体7は、半導体素子4および外部回路を電気的に接続するために設けられている。第1接続導体5は、絶縁基板11の内部に設けられており、絶縁基板11の上面と絶縁基板11の凹部16に引き出されている。第2接続導体6は、枠体12および絶縁基板11の内部に設けられており、枠体12の上面および絶縁基板11の凹部16に引き出されている。外部接続導体7は、凹部16から絶縁基板11の下面のうち凹部16以外の領域に引き出されている。第1接続導体5、第2接続導体6および外部接続導体7は、短絡することがないようにそれぞれ離して設けられている。
【0037】
第1接続導体5、第2接続導体6および外部接続導体7としては、例えば、タングステン、モリブデン、銅もしくは銀等の金属材料またはそれらを用いた合金を用いることができる。
【0038】
ここで、パッケージ1の寸法の一例を示すと、絶縁基板11および枠体12の外径は7mm、枠体12の内径は4mm、ダイヤフラム13の肉厚は0.2mm、第1電極2および第2電極3の直径はそれぞれ3mm、柱状部材14の外径は1mm、厚さは0.2mmとして作製することができる。
【0039】
<半導体素子の構成>
半導体素子4は、第1接続導体5、第2接続導体6および外部接続導体7に接続されている。半導体素子4は、第1接続導体5および第2接続導体6を介して伝達された第1電極2と第2電極3との間の静電容量の変化から、ダイヤフラム13に加えられた圧力を算出し、その結果を外部接続導体7に出力する機能を備えている。具体的には、ダイヤフラム13に加えられた圧力の大きさと圧力が加えられたときの静電容量の大きさとの関係のデータを半導体素子4にあらかじめ記録させておき、このデータと検出された静電容量の大きさとを照合することによって、ダイヤフラム13に加えられた圧力の大きさを求めることができる。このように、圧力の大きさと静電容量の大きさとの関係のデータを半導体素子4にあらかじめ記録させておくことから、ダイヤフラム13に加えられた圧力の大きさの変化と静電容量の大きさの変化が正比例の関係でなくても、正確に圧力の測定を行なうことができる。
【0040】
半導体素子4は、絶縁基板11の下面の凹部16に設けられており、樹脂8によって気密封止されている。半導体素子4が絶縁基板11の下面に設けられていることにより、別部材に半導体素子4が設けられている場合と比較して、第1電極2および第2電極3と半
導体素子4との間の配線長さを短くすることができる。これにより、第1接続導体5および第2接続導体6の間で形成される不要な静電容量を低減できる。その結果、圧力検出装置100は、ダイヤフラム13に加えられた外部からの圧力の大きさを精度よく検知することができる。また、半導体素子4は、樹脂8によって気密封止されていることにより、耐久性が向上されている。
【0041】
第1接続導体5、第2接続導体6、および外部接続導体7と半導体素子4との接続方法としては、例えば、はんだバンプ、金バンプ、導電性樹脂またはボンディングワイヤを用いることができる。
【0042】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、本実施形態においては、絶縁基板11を平面視したときの形状が四角形状であるが、円形状、楕円形状または多角形状であってもよい。また、本実施形態においては、枠体12の内周は円形状であるが、四角形状、楕円形状または多角形状であってもよい。本実施形態においては、絶縁基板11、枠体12、ダイヤフラム13および柱状部材14が一体的に形成されているが、枠体12は絶縁基板11と別々に形成されていてもよく、また枠体12と絶縁基板11とが異なる材料によって形成されていてもよい。本実施形態においては、第1電極2は平面視したときの形状が円形状であるが、四角形状、楕円形状または多角形状であってもよい。本実施形態においては、第2電極3は平面視したときの形状が円形状であるが、四角形状、楕円形状または多角形状であってもよい。本実施形態においては、平面視したときに柱状部材14の形状が円形状であるが、四角形状、楕円形状または多角形状であってもよく、さらには帯状であってもよい。
【0043】
<変形例1>
圧力検出装置100の変形例1について説明する。なお、本変形例1の各構成において、前述の圧力検出装置100と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0044】
上述した実施形態に係る圧力検出装置100は、平面視したときに、柱状部材14がダイヤフラム13の外周面に沿って四角形の辺状に等しい間隔で配置されていたが、これに限られない。例えば、図5に示すように枠体12の内周面に沿って配置されていてもよい。
【0045】
本変形例1では、柱状部材14が枠体12の内周面に沿って配置されている。言い換えると、枠体12の内周面と同心円上に配置されている。これにより、平面視したときに、枠体12の内周とそれぞれの柱状部材14との距離を一定にすることができる。これにより、柱状部材14が力の測定時に外圧によってダイヤフラム13が内側に撓んだ際に柱状部材14が内側に引っ張られるときに、それぞれの柱状部材14が内側に引っ張られる力に偏りが生じることを抑制できる。このため、一部の柱状部材14に応力が集中する可能性を抑制でき、パッケージ1の外部の圧力の検出精度を向上させることができる。
【0046】
<変形例2>
圧力検出装置100の変形例2について説明する。なお、本変形例2の各構成において、前述の圧力検出装置100と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0047】
上述した実施形態に係る圧力検出装置100は、平面視したときに、ダイヤフラム13の外周が四角形状であるとともに枠体12の内周が円形状であったが、これに限られない。例えば、図6に示すように、ダイヤフラム13の外周と枠体12の内周が相似形状であ
ってもよい。
【0048】
本変形例2では、ダイヤフラム13の外周が円形状であるとともに枠体12の内周が円形状に形成されている。これにより、外圧によってダイヤフラム13が撓んだときに柱状部材14が内側に引っ張られる力のばらつきを抑制することができる。具体的には、本変形例2のようにダイヤフラム13の外形と枠体12の内周が相似形状である場合には、外圧によってダイヤフラム13に撓みが生じた際に、ダイヤフラム13のうち枠体12と重なり合う部分におけるダイヤフラム13の撓みの場所によるばらつきを抑制できる。これにより、外圧によってダイヤフラム13が撓んだときに柱状部材14が内側に引っ張られる力のばらつきを抑制することができる。このため、一部の柱状部材14に応力が集中する可能性を抑制でき、パッケージ1の検出精度を向上させることができる。
【0049】
<変形例3>
圧力検出装置100の変形例3について説明する。なお、本変形例3の各構成において、前述の圧力検出装置100と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0050】
上述した実施形態に係る圧力検出装置100は、平面視したときに、柱状部材14が円形状であったが、これに限られない。具体的には、三角形状および四角形状を含む多角形状であってもよい。さらに、帯形状であってもよい。
【0051】
本変形例3では、平面視したときに、柱状部材14が四角形状であるとともに、それぞれの柱状部材14のうち枠体12の最も近くに位置する側面がダイヤフラム13の中心に面するように配置されている。これにより、外圧によってダイヤフラム13が撓んだときに柱状部材14が内側に引っ張られる力が、柱状部材14の角に集中してしまう可能性を抑制できる。これにより、柱状部材14をより強固にダイヤフラム13に固定することができる。
【0052】
<圧力検出装置の製造方法>
まず、圧力検出装置用パッケージ1の製造方法について説明する。圧力検出装置用パッケージ1において、例えば、絶縁基板11が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤および分散剤を添加混合してペースト状とし、これをドクタブレード法によってシート状に成形することで、セラミックグリーンシートが形成される。このセラミックグリーンシートを所定形状で打ち抜いて積層し、焼成することによって絶縁基板11、枠体12、ダイヤフラム13および柱状部材14を作製することができる。なお、柱状部材14については、柱状部材14部分に貫通孔を開けた積層用冶具を使用することにより積層したり、打ち抜き密着法により所定位置に積層したりすることも可能である。
【0053】
第1電極2、第2電極3、第1接続導体5、第2接続導体6および外部接続導体7は、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤および分散剤等を添加混合して得たメタライズペーストをスクリーン印刷法によって絶縁基板11用、枠体12用またはダイヤフラム13用のセラミックグリーンシートに所定のパターンに印刷塗布し、これを絶縁基板11用、枠体12用またはダイヤフラム13用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって所定のパターンに形成される。
【0054】
最後に、圧力検出装置用パッケージ1に半導体素子4を搭載することで圧力検出装置100とすることができる。
【0055】
なお、好ましくは、上下方向に複数の圧力検出装置用パッケージ1用のグリーンシートを積層して、焼成後にこれを切断して圧力検出装置用パッケージ1を製造してもよい。具体的には、一端から絶縁基体11用グリーンシート、枠体12用グリーンシート、ダイヤフラム13用グリーンシート、柱状部材14用グリーンシートを順次積層し、さらに別のダイヤフラム13用グリーンシート、別の枠体12用グリーンシート、別の絶縁基体11用グリーンシートを積層した後に、これを焼成する。最後に柱状部材14を切断することで2つの圧力検出装置用パッケージ1を製造することができる。
【符号の説明】
【0056】
11:絶縁基板
12:枠体
13:ダイヤフラム
14:柱状部材
15:空間
16:凹部
2:第1電極
3:第2電極
4:半導体素子
5:第1接続導体
6:第2接続導体
7:外部接続導体
8:樹脂
1:圧力検出装置用パッケージ
100:圧力検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
該絶縁基板の上面に設けられた第1電極と、
前記絶縁基板の上面に前記第1電極を囲むように設けられた枠体と、
該枠体上に前記絶縁基板および前記枠体とともに密閉空間を形成するように設けられたダイヤフラムと、
該ダイヤフラムの下面に設けられた、前記第1電極とともに静電容量を形成する第2電極と、
前記ダイヤフラムの上面のうち前記枠体と上下に重なり合う部分に互いに離して設けられた複数の柱状部材とを備えたことを特徴とする圧力検出装置用パッケージ。
【請求項2】
前記柱状部材は、全体が前記枠体の内周面よりも外側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の圧力検出装置用パッケージ。
【請求項3】
前記複数の柱状部材は、隣接するもの同士がそれぞれ等しい間隔で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力検出装置用パッケージ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の圧力検出装置用パッケージと、前記第1電極および前記第2電極に電気的に接続された半導体素子とを備えた圧力検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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