説明

圧縮梱包体製造システム

【課題】各工程を一連の連続工程として自動化することにより、低コストで高い生産性を実現することが可能な圧縮梱包体製造システムの提供。
【解決手段】被成形材を収容するホッパー3と、ホッパー3から供給される被成形材を所定形状に圧縮成形する成形装置4と、成形装置4から送出される圧縮成形体を梱包する梱包装置5と、梱包装置5から送出される圧縮梱包体を搬送し、その終端部に起立させる搬送装置6と、を備える圧縮梱包体製造システムにおいて、搬送装置6に、終端部に起立させた圧縮梱包体を検知する検知部62を設け、検知部62により圧縮梱包体が検知された場合、梱包装置5からの圧縮梱包体の送出を停止するよう自動制御させた圧縮梱包体製造システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料作物などの被成形材を所定形状に圧縮成形して梱包する圧縮梱包体製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
牛の飼育に際して、給餌作業は、排泄物処理作業と並び、農家にとって最も大きな負担を強いられる労働となっている。
【0003】
牛に給餌される飼料は、一般に粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料の3種類に大別される。このうち、粗飼料は、粗繊維含量が多く容積が多い割には可消化栄養分が少ない飼料を指す。粗飼料には、生草や乾草、青刈飼料作物(青刈トウモロコシ等)、わら類などが用いられている。また、濃厚飼料は、比較的養分含量が高く水分や粗繊維含量の低い飼料を指す。濃厚飼料には、穀類や穀物副産物(糠類)、油粕類などが用いられている。
【0004】
現在、一般に普及している給餌方法には、分離給餌法とTMR(Total Mixed Ration)法の2種類がある。
【0005】
分離給餌法は、粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料の給餌を別々に行う方法である。例えば、朝に粗飼料及びこの粗飼料を食べ終わる頃に濃厚飼料を与え、昼は粗飼料のみを、そして夜は朝と同様に給餌するといった方法が採用されている。この分離給餌法は、特別な機械や設備を必要としないため、古くから行われてきており、現在も主に中小規模農家で採用されている。しかし、分離給餌法では、各飼料を与える時刻が固定されてしまうため、牛の胃の働きが給餌時刻に依存して偏り、第一胃発酵にムラが生じて十分な栄養を吸収させることができないという問題があった。
【0006】
そこで、粗飼料と濃厚飼料とを予め混合して給餌する方式が行われるようになった。しかし、この方法では、給餌の度に粗飼料と濃厚飼料とを混合しなくてはならず、大変な手間がかかる。この作業負担を軽減するため、開発されてきたのがTMR法である。
【0007】
TMRは、粗飼料、濃厚飼料及びミネラル、ビタミン等の特殊飼料を予め混合して均質なものとした飼料であり、完全混合飼料や完全飼料とも呼ばれている。TMR法は、このTMRを絶えず少しずつ給餌し、いつでも牛が食べられるようにしておくことで、牛の胃の働きを一定に保ち、第一胃発酵をムラなく行わせて効率的に栄養を吸収させるものである。
【0008】
図8に、一般的なTMRの製造方法を示す。まず、粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料の各々を配合比率に従って計量した後、ミキサーで攪拌混合する。次いで、この混合物をトランスバッグに袋詰めし、真空ポンプで脱気して圧縮を行い、圧力封袋機で密封する。その後、密封状態で1ヶ月程度保管して発酵熟成させ、最終的にTMRを得る。特許文献1には、このTMR製造方法に関連して、取り扱いが便利で、かつ食品製造に伴う副産物、例えば、ビール粕などの活用による牛の完全給飼ができる醗酵飼料の製造方法が開示されている。
【0009】
TMRの製造には、攪拌混合や袋詰、脱気、密封等の各工程で大がかりな機械や設備が必要となるため、TMR法は大規模農家中心の導入に留まり、いまだ中小規模農家での導入は進んでいないのが現状である。
【0010】
近年、中小規模農家においても、一層の効率化のため、飼育頭数や牧草地面積を拡大する農家が増えている。その一方で、中小規模農家では、労働力不足のため、牧草の適期収穫や良質な粗飼料の調整が困難になっている。このため、給餌作業の負担を軽減できるTMR法の一層の普及が望まれており、さらにTMRの製造を請け負うコントラクターへの要請が高まっている。
【0011】
ここで、本発明に関連して、従来、飼料作物等の被成形材を円柱状のロールベールに圧縮成形するために用いられている「ベール成形装置」と、圧縮成形されたロールベールの外周にフィルムを巻きつけて気密に包装するために用いられている「ベール梱包装置」について説明する。
【0012】
「ベール成形装置」、いわゆるロールベーラは、飼料作物等の被成形材を円柱状のロールベールに圧縮成形する装置である。ロールベーラには、トラクタ等の牽引車に連結牽引されて走行し、牽引車からの回転動力の供給を受けて駆動する被牽引型のものと、自力での走行及び駆動が可能な自走型のものとがある。また、刈倒された飼料作物等の被成形材を拾い上げるピックアップ装置を有するものと、ピックアップ装置に替えてハーベスタにより収穫された被成形材を受け入れるホッパーを有するものとがある。
【0013】
ピックアップ装置又はホッパーから供給される被成形材は、機体に装架された成形室内に送り込まれ、成形室内で円柱状のロールベールに圧縮成形される。被成形材は、成形室内で成形されるロールベールの成形圧が所定の設定圧力に達するまで成形室内へ継続して定量的に搬送される。成形室内の成形圧が設定圧力に達し、ロールベールの成形が終了すると、成形室内への被成形材の供給が停止され、開放された成形室から成形されたロールベールが放出される。
【0014】
特許文献2には、ホッパーを備える被牽引型のベール成形装置が開示されている。このロールベーラは、ホッパー本体の前面側に、傾斜回動する回動ホッパーをその回動によりホッパー本体の内容量が増減するように接続させて装架するとともに、回動ホッパーを傾斜回動させる作動機構を装設し、ホッパーから供給される被成形材が少なくなると、作動機構を伸縮作動させるよう自動制御するものである。このロールベーラは、熟練を要する回動ホッパーの回動操作を自動化したものである。
【0015】
「ベール梱包装置」、いわゆるラッピングマシンは、ロールベーラによって圧縮成形されたロールベールの外周にフィルムを巻きつけて気密に包装する装置である。ラッピングマシンにも、ロールベーラと同様に被牽引型のものと自走型のものとがあり、またロールベールを拾い上げるピックアップ装置を有するものと有しないものがある。
【0016】
特許文献3には、ラップ作業を行なうためにロールベールを転動自在に支承せしめる載置部を、それからラッピングを終えたロールベールを地表に向け転落させるときの落差を小さくするように機体フレーム上に装設して、ロールベールを転落放出させるときの衝激を小さくしてラップしたフィルムに生じる裂傷を少なくし、かつ、載置部の高さ位置を低くしてラップ作業を安定させるようにしたラッピングマシンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2002−218914号公報
【特許文献2】特開2006−14657号公報
【特許文献3】特開2001−258385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述の通り、中小規模農家を中心に一層の効率化が求められるなか、給餌作業の負担を軽減できるTMR法の普及のため、より低コストでTMRを製造するための技術が求められている。
【0019】
そこで、本発明は、従来、攪拌混合や袋詰、脱気、密封等の各工程で大がかりな機械や設備を必要としていたTMR製造の各工程を一連の連続工程として自動化することにより、低コストで高い生産性を実現することが可能な圧縮梱包体製造システムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題解決のため、本発明は、被成形材を収容するホッパーと、ホッパーから供給される被成形材を所定形状に圧縮成形する成形装置と、成形装置から送出される圧縮成形体を梱包する梱包装置と、梱包装置から送出される圧縮梱包体を搬送し、その終端部に起立させる搬送装置と、を備える圧縮梱包体製造システムにおいて、搬送装置に、終端部に起立させた圧縮梱包体を検知する検知部を設け、該検知部により圧縮梱包体が検知された場合、梱包装置からの圧縮梱包体の送出を停止するよう自動制御させた圧縮梱包体製造システムを提供する。さらに、この圧縮梱包体製造システムにおいて、搬送装置は、検知部により圧縮梱包体が検知されないことを条件に、梱包装置からの圧縮梱包体の送出を検知して作動するよう自動制御される。
これらの制御によって、本圧縮梱包体製造システムでは、圧縮梱包体製造システムの終端部に圧縮梱包体が滞留することを防止し、同時に、圧縮梱包体がシステム外へ搬出されるとすぐに次の圧縮梱包体の製造を開始するようにすることができる。
【0021】
この圧縮梱包体製造システムにおいて、搬送装置には、搬送される圧縮梱包体の重量を自動的に測定し、測定値を出力する計量部を設けることができる。これにより、製造される圧縮梱包体の重量を厳密に管理することができる。
また、被成形材をホッパー上へ搬送し、ホッパー内へ落下投入する被成形材投入装置と、被成形材を貯蔵し、被成形材投入装置へ供給する貯蔵槽と、ホッパー及び成形装置の下方を経て貯蔵槽上へわたって配設され、ホッパー及び成形装置から飛散した被成形材を回収して貯蔵槽内に返送する被成形材回収装置と、を設けることができる。これにより、圧縮梱包体製造システムの設置面に被成形材が溜まることを防止し、被成形材の汚染防止及び有効活用を図ることができる。
【0022】
この圧縮梱包体製造システムは、貯蔵槽に、内部の被成形材の重量を自動的に測定し、所定重量の被成形材を前記被成形材投入装置へ供給する排出装置を設け、排出装置の作動に連動して、被成形材投入装置及びホッパーを作動させるよう自動制御させるよう構成することができる。この場合、貯蔵槽を複数設け、一の貯蔵槽から供給される被成形材の重量が所定重量に満たない場合、他の一の貯蔵槽から不足重量分の被成形材を連続的に供給するよう自動制御させたることも可能である。
このような構成とすることにより、予め計量された所定重量の被成形材を、絶やすことなく、成形装置へ送り込むことが可能となる。また、この場合には、貯蔵槽に被成形材の攪拌混合機能を付与することが好適となる。
【0023】
さらに、この圧縮梱包体製造システムは、ホッパーに、内部の被成形材が所定量に到達したことを検知する被成形材検知部を設け、その検知信号により被成形材投入装置及び貯蔵槽の作動が停止するよう自動制御させるよう構成することもできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、各工程を一連の連続工程として自動化することにより、低コストで高い生産性を実現することが可能な圧縮梱包体製造システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る圧縮梱包体製造システムの第一実施形態(圧縮梱包体製造システムA)を示す上面図(A)及び側方図(B)である。
【図2】成形装置4により円柱形状に圧縮成形された圧縮成形体(A)と、この圧縮成形体を梱包して得られる圧縮梱包体(B)を示す簡略斜視図である。
【図3】成形装置4により直方体形状に圧縮成形された圧縮成形体(A)と、この圧縮成形体を梱包して得られる圧縮梱包体(B)を示す簡略斜視図である。
【図4】搬送装置6の終端部61の構成を説明する上面図(A)及び側方図(B)である。
【図5】圧縮梱包体製造システムAの構成を模式的に示したブロック図(A)と、システム全体の自動制御方法を示すフローチャート(B)である。
【図6】本発明に係る圧縮梱包体製造システムの第二実施形態(圧縮梱包体製造システムB)を示す上面図(A)及び側方図(B)である。
【図7】圧縮梱包体製造システムBの構成を模式的に示したブロック図(A)と、システム全体の自動制御方法を示すフローチャート(B)である。
【図8】一般的なTMRの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0027】
1.第一実施形態
(1)システム構成
図1は、本発明の第一実施形態に係る圧縮梱包体製造システムAの構成を説明する上面図(A)及び側方図(B)である。
【0028】
図1中、符号11,12は飼料作物などの被成形材を貯蔵する貯蔵槽を示す。貯蔵槽11,12は混合攪拌機能を備えた構成とすることが望ましい。これにより、圧縮梱包体製造システムAを用いてTMRを製造する場合、貯蔵槽11,12内へ所定量の粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料を投入後、これらを均一に混合攪拌することが可能となる。混合攪拌機能を有する貯蔵槽11,12としては、例えば、従来公知のミキサーワゴンを好適に採用できる。
【0029】
また、貯蔵槽11,12は内部に投入された被成形材の重量を測定できるように構成することが望ましい。これにより、例えば貯蔵槽11,12内へ粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料を投入する際、TMRの配合比率に従って各々の重量を測定しながら投入することが可能となる。投入された被成形材の重量測定は、例えばロードセルを用いて行うことができる。
【0030】
貯蔵槽11,12内に貯蔵された被成形材は、貯蔵槽11,12に設けられた排出装置111,121から、符号2で示す被成形材投入装置へ供給される。このとき、貯蔵槽11,12は上述したロードセル等によって内部の被成形材の重量を自動的に測定し、予め設定された所定重量の被成形材を、排出装置111,121から被成形材投入装置2へ供給する。これにより、圧縮梱包体製造システムAを用いてTMRを製造する場合、貯蔵槽11,12内で貯蔵された粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料の混合物を、例えば梱包体1つ分ずつ被成形材投入装置2へ供給することが可能となる。
【0031】
貯蔵槽11,12から被成形材投入装置2への被成形材の供給は、貯蔵槽11及び貯蔵槽12から同時に行うことができる。この場合、貯蔵槽11,12は、ロードセルによる重量測定によって、排出装置111から供給される被成形材料と排出装置121から供給される被成形材料との重量の合計が所定重量となるよう排出装置111,121を自動制御する。
【0032】
また、貯蔵槽11,12から被成形材投入装置2への被成形材の供給は、より好適には、貯蔵槽11又は12のいずれか一方から優先的に行うこともできる。例えば貯蔵槽11から優先的に被成形材の供給を行う場合、ロードセルによって所定重量の被成形材が計量され、排出装置111から継続的に被成形材投入装置2へ供給される。そして、貯蔵槽11内の被成形材の残存量が所定重量に不足し、排出装置111から供給される被成形材の重量が所定重量に満たなくなった場合、貯蔵槽12が不足重量分の被成形材を自動的に計量して、排出装置121から供給を行う。貯蔵槽11及び貯蔵槽12から合計で所定重量となる被成形材料が被成形材投入装置2に供給された後は、今度は貯蔵槽12内の被成形材の残存量が所定重量に不足するまでは、貯蔵槽12から優先的に被成形材の供給が行われることとなる。
【0033】
このように、貯蔵槽を複数設けて、一の貯蔵槽から供給される被成形材の重量が所定重量に満たない場合、他の一の貯蔵槽から不足重量分の被成形材を連続的に供給するよう自動制御を行うことで、被成形材投入装置2への被成形材の供給を絶やすことなく、圧縮梱包体の製造を効率良く行うことが可能となる。圧縮梱包体製造システムAを用いてTMRを製造する場合には、このように常時一方の貯蔵槽からのみ優先的に混合物の供給を行わせることで、一の貯蔵槽から供給を行っている間に、他の貯蔵槽において粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料の投入・攪拌混合作業を行うことが可能となる。従って、投入・攪拌混合作業に要する時間のために、被成形材投入装置2への被成形材の供給が停止することがなく、一層圧縮梱包体の製造効率を高めることが可能となる。
【0034】
なお、圧縮梱包体製造システムAでは、貯蔵槽11,12を2つ配設した場合を示したが、設置する貯蔵槽は必要に応じて3以上とすることもできる。特に、貯蔵槽の容積が大きく、投入・攪拌混合作業に長時間を要するような場合には、被成形材投入装置2への被成形材の供給を絶やさないため、貯蔵槽を3以上配設することが有効となる。また、圧縮梱包体製造システムAの設置スペースに制約がある場合には、貯蔵槽を1つとすることも当然に可能である。
【0035】
図1中、符号3は被成形材を収容するホッパーを、符号4は成形装置を、符号5は梱包装置を示す。
【0036】
貯蔵槽11,12の排出装置111,121から供給される被成形材は、被成形材投入装置2によってホッパー3上へ搬送され、ホッパー3内へ落下投入される。被成形材投入装置2は、被成形材を連続的に搬送できるものであれば特に限定されず、通常使用されるベルトコンベアやローラコンベヤなどを採用できる。
【0037】
成形装置4は、ホッパー3から供給される被成形材を、機体に装架された成形室(不図示)内に取り込み、成形室内で所定形状に圧縮成形する。成形装置4には、例えば、従来用いられているロールベーラ又はこれを適宜改良したものを採用できる。従来のロールベーラとしては、例えば、無端状に配置された多数本の成形バーの両端部をそれぞれ連結したベール成形体を、一部が欠落された環状走行路を連続走行させる間に、ホッパー3から該環状走行路の内部の成形室に投入された被成形材を半径方向及び軸方向の双方から圧縮・減容して成形するものを採用できる。この従来のロールベーラを採用した成形装置4では、被成形材を円柱形状に圧縮成形することができる。図2(A)に、円柱形状に圧縮成形された圧縮成形体を示す。
【0038】
また、成形装置4としては、例えば、ホッパー3から所定形状(例えば、直方体形状)に形成された成形枠内に投入された被成形材を、シリンダ装置の伸縮動作によって往復動する加圧板によって圧縮・減容して成形するものを採用することもできる。この成形装置4では、被成形材を成形枠に沿う形状(例えば、直方体形状)に圧縮成形することができる。図3(A)に、直方体形状に圧縮成形された圧縮成形体を示す。
【0039】
成形装置4は、ホッパー3からの被成形材を、成形室又は成形枠内で圧縮される成形体の圧縮圧が所定の設定圧力に達するまで継続的に成形室内に取り込む。そして、成形室等内の成形圧が設定圧力に達し、圧縮成形体の成形が終了すると、成形室内への被成形材の供給を停止し、成形室を開放して成形された圧縮成形体を送出する。このため、特に嵩高な被成形材を成形する場合には、成形室等内へ被成形材が比較的疎に充填された結果、重量の少ない被成形材を圧縮した段階で成形圧が設定圧力に達し、重量の少ない圧縮成形体が送出されてくる場合と、成形室等内へ被成形材が比較的密に充填された結果、重量の大きい圧縮成形体が送出される場合とが生じ、製造される圧縮梱包体の重量にばらつきが生じることがある。
【0040】
そこで、圧縮成形体製造システムAにおいては、上述の通り、貯蔵槽11,12によって予め計量された所定重量の被成形材が排出装置111,121から被成形材投入装置2に供給され、ホッパー3を経て成形室等内へ取り込まれるようにしている。これにより、圧縮成形体製造システムAでは、予め梱包体1つ分の重量とした被成形材を成形室内へ送り込むことができ、製造される圧縮成形体の重量のばらつきを抑制することが可能となる。
【0041】
梱包装置5は、成形装置4から送出される圧縮成形体の外周にフィルムを巻きつけて気密に包装を行う。梱包装置5には、例えば、従来用いられているラッピングマシン又はこれを適宜改良したものを採用できる。従来のラッピングマシンとしては、例えば、円柱形状の圧縮成形体の軸心をほぼ水平にして回転テーブルに支持し、圧縮成形体を周方向に低速自転させながら、回転テーブルを垂直軸を中心にして連続回転させて、圧縮成形体の全面を梱包フィルムで巻回して密封梱包する構成のものを採用できる。図2(B)に、円柱形状に圧縮成形された圧縮成形体を梱包して得られた圧縮梱包体を示す。
【0042】
また、圧縮成形体が直方体形状に圧縮成形されている場合の梱包装置5には、例えば、次のような構成のものを採用することができる。すなわち、成形装置4から送出された圧縮成形体をコンベヤ機構により下流側へ搬送しながら、コンベヤ機構ごと圧縮成形体の周囲にフィルムを巻装する。このとき、コンベヤ機構は、圧縮成形体を下流へ搬送すると同時に、コンベヤ機構の下側に巻装されたフィルムも圧縮成形体と同じ速度で下流へ送る。これにより、圧縮成形体を移動させながらフィルムを延伸して、圧縮成形体の4面にらせん状にフィルムを巻装する。次に、4面を巻装した圧縮成形体を、一度フィルムを切断した後、水平方向に90度回転させ、コンベヤ機構上を逆走させる。そして、再度、圧縮成形体をコンベヤ機構により下流側へ搬送しながら、コンベヤ機構ごと圧縮成形体の周囲にフィルムを巻装し、残る2面にもらせん状にフィルムを巻装する。図3(B)に、このようにして直方体形状に圧縮成形された圧縮成形体にフィルムを巻装して得られた圧縮梱包体を示す。
【0043】
図3(B)に示したような直方体形状の圧縮梱包体は、例えば、次のような構成の梱包装置5により得ることもできる。すなわち、まず、フィルムを直方体形状のダイスに巻き付けて筒状の袋を成形する。そして、成形装置4の成形枠内に圧縮された圧縮成形体を、シリンダ装置の伸縮動作によって往復動する加圧板によって押し出し、筒の開口から袋内に押し込むようにして圧入する。そして、袋内に圧入された圧縮成形体を回転テーブル状に移送し、回転させながら、筒の開口2面を塞ぐようにして周囲にフィルムを巻装する。
【0044】
本発明に係る圧縮成形体製造システムにおいて、成形装置4及び梱包装置5は、上述のように別体に構成される装置であってもよく、また一体に構成される装置であってもよい。
【0045】
本発明に係る圧縮成形体製造システムをTMR製造のために用いる場合、梱包装置5では、腐敗やカビの発生を防止して発酵を促進するため、被成形材である飼料を気密に包装することが必要である。なお、本発明に係る圧縮成形体製造システムにより、紙や木材、プラスチック等の製品もしくは廃棄物を圧縮梱包する場合には、梱包装置5による梱包は必ずしも気密に行われる必要はなく、圧縮成形体の形状が維持されるような梱包であれば十分である。
【0046】
図1中、符号6は、梱包装置5から送出される圧縮梱包体を搬送する搬送装置を示す。梱包装置5によって梱包された圧縮梱包体は、梱包装置5が備えるダンプ装置51によって、搬送装置6上へ乗せかえられる。
【0047】
搬送装置6には、被成形材投入装置2と同様に、通常のベルトコンベアやローラコンベヤなどの圧縮梱包体を連続的に搬送できるものが採用される。この搬送装置6は、その終端部において搬送する圧縮梱包体を起立させることが可能な構成とされている。
【0048】
搬送装置6の終端部61の構成を、図4に示す。図4(A)は終端部61の上面図、(B)は側方図である。図に示す終端部61は、図2に示したように円柱形状に圧縮成形された梱包体に対し、特に好適に適用され得るものであるが、例えば、直方体形状等の他の形状に圧縮された梱包体に対しても適用し得る。
【0049】
終端部61は、図1(B)に示されるように、搬送装置6において一段低い平面として構成されている。そして、終端部61の該平面には、この段差に基づいて傾斜したガイドパイプ611が配設されている。ガイドパイプ611は、図4(A)中矢印で示される圧縮梱包体の搬送方向に延設されており、終端部61に搬送されてくる圧縮梱包体(図4中点線で示す)の一部を受け止めることができるよう構成されている。
【0050】
ガイドパイプ611は、図4(A)に示すように、圧縮梱包体の搬送方向の中央(図中矢印参照)から一端に偏心された位置に配設されている。このため、終端部61に搬送された圧縮梱包体は、一端がガイドパイプ611上に、他端が終端部61の平面上に位置する斜めの状態となって、ガイドパイプ611の傾斜に従って滑走することとなる。
【0051】
ガイドパイプ611には、ガイドパイプ611上を滑走する圧縮梱包体の一端を止めるストッパー612が設けられている。傾斜した状態で滑走してくる圧縮梱包体がこのストッパー612に当たると、その衝撃により付勢されて、圧縮梱包体は終端部61の平面上において起立する。
【0052】
このように、搬送装置6では、その終端部61において圧縮梱包体が起立するように構成されているため、円柱形状に圧縮成形された梱包体であっても、終端部61に円柱軸方向に起立させてロールクランプ等の作業機械によって容易に掴むことができ、圧縮梱包体をシステム外へ搬出する際に、作業を効率良く行うことが可能である。
【0053】
搬送装置6には、終端部61に起立させた圧縮梱包体を検知する検知部62(不図示)が設けられている。検知部62については、図5を用いた圧縮梱包体製造システムAの自動制御方法の説明において詳しく述べる。
【0054】
また、搬送装置6には、搬送される圧縮梱包体の重量を自動的に測定する計量部63が設けられている。計量部63は、例えばロードセルを用いて構成し、圧縮梱包体重量の測定結果を出力する出力機能を付与することが望ましい。上述の通り、圧縮梱包体製造システムAにおいては、貯蔵槽11,12のロードセルによって予め計量された所定重量の被成形材を被成形材投入装置2に供給することにより、成形装置4から送出されてくる圧縮梱包体の重量のばらつきを抑制することが可能である。これに加えて、搬送装置6に設けた計量部63によって圧縮梱包体の重量を自動的に測定し、測定結果を出力させることで、製造される圧縮梱包体の重量をより厳密に管理することができる。
【0055】
計量部63の出力機能の例には、各圧縮梱包体に対応するバーコードシールの印刷出力と、このバーコードに対応する重量データのコンピュータ出力が考えられる。印刷されたバーコードシールは、自動又は手動により各圧縮梱包体に貼付され、製造後の圧縮梱包体の保管流通管理に用いられる。バーコードに対応する重量データには、製造年月日や、ロット番号、原材料及び配合比率等のデータを付加してもよい。各圧縮梱包体にこれらのデータを記録したバーコードシールを貼付することで、製造後の保管流通管理において梱包体製品のトレーサビリティーを担保することができ、梱包体製品としてTMRを製造する場合において、配合原材料に起因した品質上・安全上の問題が発生したような場合に、迅速に製品を回収することが可能となる。なお、計量部63の出力機能は様々な仕様とすることができ、最も簡便には各圧縮梱包体の重量データそのものをシール印刷で出力する仕様が採用される。
【0056】
なお、図1では、図示を省略したが、圧縮梱包体製造システムAには、図6において後述する被成形材回収装置7を配設することができる。
【0057】
(2)システム制御
図5は、圧縮梱包体製造システムAの構成を模式的に示したブロック図(A)と、システム全体の自動制御方法を示すフローチャート(B)である。
【0058】
図1で説明したように、圧縮梱包体製造システムAにおいて、被成形材又は圧縮梱包体は、図5(A)中太線矢印に従って、貯蔵槽11,12の排出装置111,121から被成形材投入装置2に供給され、ホッパー3、成形装置4、梱包装置5を経て、最終的に搬送装置6の終端部61に搬送される。
【0059】
始めに排出装置111,121が作動すると、その作動信号は、被成形材投入装置2及びホッパー3に出力される(図5(A)中矢印(a)参照)。被成形材投入装置2及びホッパー3は、この作動信号(a)の出力を受け、排出装置111,121の作動に連動して作動するよう自動制御される。
【0060】
被成形材投入装置2及びホッパー3の作動により、被成形材は、成形装置4の成形室内に取り込まれ成形される。そして、成形室内の成形圧が設定圧力に達すると、被成形材投入装置2及びホッパー3は作動を停止し、圧縮成形体の成形が完了する。成形された圧縮成形体は、開放された成形室から梱包装置5へ送出され梱包される。
【0061】
梱包された圧縮梱包体は、梱包装置5が備えるダンプ装置51によって、搬送装置6上へ乗せかえられる。ダンプ装置51の作動信号は貯蔵槽11,12及び搬送装置6に出力される(図5(A)中矢印(b)参照)。搬送装置6は、この作動信号(b)の出力を受け、梱包装置5からの圧縮梱包体の送出を検知して作動するよう自動制御される。また、同時に、排出装置111,121が、ダンプ装置51の作動信号(b)を受け、次の圧縮梱包体製造のための作動を開始するよう自動制御される。
【0062】
なお、梱包装置5から送出される圧縮梱包体の検知は、ダンプ装置51の作動信号によらず、搬送装置6に送出されてくる圧縮梱包体を直接検出するためのセンサーを設けて行うこともできる。このセンサーは、例えば、赤外センサー等の光学的に梱包体を検知する手段や、梱包体の荷重を検知する手段とすることができる。センサーは、梱包装置5からダンプ装置51によって送出された圧縮梱包体が搬送装置6に着地する部分に設置されることが望ましい。この場合、搬送装置6は、センサーからの信号出力を受け、梱包装置5からの圧縮梱包体の送出を検知して作動するよう自動制御される。また、排出装置111,121についても、同様に、センサーからの信号出力を受け、次の圧縮梱包体製造のための作動を開始するよう自動制御されることとなる。
【0063】
搬送装置6には、終端部61に起立させた圧縮梱包体を検知する検知部62が設けられている。検知部62についても、例えば、搬送装置6の終端部61に起立する圧縮梱包体を赤外センサー等の光学センサーにより検知する構成や、圧縮梱包体の荷重を検知する構成とすることができる。
【0064】
検知部62の検知信号は、梱包装置5のダンプ装置51に出力される(図5(A)中矢印(c)参照)。ダンプ装置51は、この検知信号(c)の出力を受け、一定の条件下(詳しくは後述)で作動するよう自動制御される。
【0065】
続いて、図5(B)に基づいて、圧縮梱包体製造システムAの自動制御方法についてさらに説明する。
【0066】
梱包装置5による梱包工程が終了した段階で、検知部62によって、搬送装置6の終端部61に起立する圧縮梱包体が検知され、検知信号(c)がダンプ装置51に出力されている場合、ダンプ装置51は作動を停止する。これにより、梱包後の圧縮成形体の梱包装置5からの送出は停止された状態となる。また、同時に、ダンプ装置51の作動に連動する排出装置111,121及び搬送装置6も作動を停止した状態となる。従って、搬送装置6の終端部61に圧縮梱包体が存在し、検知部62からの検知信号(c)が出力されている間は、システム全体が停止することとなる。
【0067】
仮に、終端部61に圧縮梱包体が存在している間にシステムを作動させた場合、圧縮梱包体が搬送装置6の終端部61に滞留する事態をまねき、梱包装置5や成形装置4からの圧縮成形体の送出が妨げられ、システム故障の原因となる。検知部62は、これを防止するための安全装置として機能するものである。
【0068】
搬送装置6の終端部61の圧縮梱包体がシステム外へ搬出され、検知部62からの検知信号(c)の出力がなくなると、ダンプ装置51は停止状態を解除し、作動を開始する。これにより、梱包後の圧縮成形体が梱包装置5から搬送装置6へ移しかえられる。そして、搬送装置6が、ダンプ装置51の作動信号(b)の出力を受けて作動を開始し、圧縮梱包体の搬送が行われる。また、同時に、排出装置111,121が、ダンプ装置51の作動信号(b)を受け、次の圧縮梱包体製造のための作動を開始する。
【0069】
圧縮梱包体が搬送装置6の終端部61にまで搬送されると、検知部62によって終端部61に起立された圧縮梱包体が検知され、検知信号(c)がダンプ装置51に出力され、ダンプ装置51及びこれに連動する排出装置111,121、搬送装置6が停止し、再度システム全体が停止する。この停止状態は、搬送装置6の終端部61の圧縮梱包体がシステム外へ搬出されるまで継続し、かつ搬出が行われた場合には即解除される。
【0070】
以上のように、圧縮梱包体製造システムAでは、搬送装置6の終端部61に起立された圧縮梱包体を搬出することにより、すぐに次の圧縮梱包体の製造が開始されるよう自動制御される。これにより、圧縮梱包体の製造効率を最大限に高めることが可能となる。また、終端部61の圧縮梱包体を搬出するまでは次の圧縮梱包体の搬出を開始しないことで、システム故障を防止することが可能とされている。
【0071】
1.第二実施形態
(1)システム構成
図6は、本発明の第二実施形態に係る圧縮梱包体製造システムBの構成を説明する上面図(A)及び側方図(B)である。
【0072】
図6中、被成形材投入装置2、ホッパー3、成形装置4及び梱包装置5及び搬送装置6の基本構成は、図1で説明した圧縮梱包体製造システムAの構成と同様である。
【0073】
符号13は、飼料作物などの被成形材を貯蔵する貯蔵槽を示す。ただし、圧縮梱包体製造システムAの貯蔵槽11,12とは異なり、ここでは混合攪拌機能を有さないものを採用している。従って、圧縮梱包体製造システムBを用いてTMRを製造する場合、貯蔵槽13内へは、予めミキサーを用いて粗飼料、濃厚飼料及び特殊飼料を所定配合で混合した混合物を投入する。
【0074】
貯蔵槽13内への被成形物の投入方法は特に限定されないが、例えば、ミキサーなどから直接投入する方法や、図に示す搬送エレベータ131により落下投入させる方法を採用することができる。後者の方法による場合、貯蔵槽13には、フロアコンベア、ビーター、クロスコンベア等の移送装置を配することが望ましい。これにより、搬送エレベータ131から投入される被成形物を、貯蔵槽13内において投入部位近辺から順次遠方へ移送しながら、効率的に充填を行なうことができる。また、このとき、貯蔵槽13の容積に応じて、搬送エレベータ131の単位時間当たりの被成形材の搬送量及び搬送時間を予め設定しておくことにより、貯蔵槽13への被成形材の満量充填を簡便に行なうことが可能となる。
【0075】
貯蔵槽13内に貯蔵された被成形材は、貯蔵槽13に設けられた排出口132から、被成形材投入装置2へ供給される。このとき、貯蔵槽13は、圧縮梱包体製造システムAで説明した貯蔵槽11,12と異なり、ここでは被成形材の重量を測定することなく、ほぼ一定量の被成形材を持続的に排出口131から被成形材投入装置2へ供給する方式を採用している。なお、図6では、貯蔵槽13を1つ配設した場合を示したが、設置する貯蔵槽は必要に応じて2以上とすることも当然に可能である。
【0076】
貯蔵槽13の排出口132から供給される被成形材は、被成形材投入装置2によってホッパー3上へ搬送され、ホッパー3内へ落下投入される。ホッパー3には、内部の被成形材が所定量に到達したことを検知する被成形材検知部31(不図示)が設けられている。被成形材検知部31は、例えば、ホッパー3内に所定容積まで堆積された被成形材を赤外センサー等の光学センサーにより検知する構成や、所定重量まで堆積された被成形材の荷重をロードセル等により検知する構成とすることができる。
【0077】
図6中、符号7は、ホッパー3及び成形装置4の下方を経て貯蔵槽13上へわたって配設され、ホッパー3及び成形装置4から飛散した被成形材を回収して貯蔵槽13内に返送する被成形材回収装置を示す。成形装置4における被成形材の圧縮成形時や成形室内からの圧縮成形体放出時には、被成形材が飛散して設置面にこぼれ落ちる。被成形材回収装置7は、この飛散する被成形材を受け止めて回収し、貯蔵槽13内へ返送することにより、設置面に被成形材が溜まることを防止する。これにより、被成形材の汚染防止し、被成形材を有効に活用して、圧縮梱包体の製造効率を向上させることが可能となる。
【0078】
被成形材回収装置7には、被成形材投入装置2と同様に、通常のベルトコンベアやチェンコンベヤなどの被成形材を連続的に搬送できるものを採用できる。なお、図1では、図示を省略したが、この被成形材回収装置7は、圧縮梱包体製造システムAにおいても配設されるものである。
【0079】
(2)システム制御
図7は、圧縮梱包体製造システムBの構成を模式的に示したブロック図(A)と、システム全体の自動制御方法を示すフローチャート(B)である。
【0080】
圧縮梱包体製造システムBにおいて、被成形材又は圧縮梱包体は、図7(A)中太線矢印に従って、貯蔵槽13から被成形材投入装置2に供給され、ホッパー3、成形装置4、梱包装置5を経て、最終的には搬送装置6の終端部に搬送される。
【0081】
貯蔵槽13の排出口132及び被成形材投入装置2からは、ほぼ一定量の被成形材が持続的にホッパー3内へ投入される。ホッパー3には、内部の被成形材が所定量に到達したことを検知する被成形材検知部31が設けられている。被成形材検知部31からの検知信号は、貯蔵槽13及び被成形材投入装置2に出力される(図7(A)中矢印(a)参照)。貯蔵槽13及び被成形材投入装置2は、この検知信号(a)を受け、作動を停止するよう自動制御される。
【0082】
ホッパー3の作動により、被成形材は、成形装置4の成形室内に取り込まれ成形される。そして、成形室内の成形圧が設定圧力に達すると、ホッパー3は作動を停止し、圧縮成形体の成形が完了する。
【0083】
被成形材が成形室内へ取り込まれて、ホッパー3内の被成形材が減少すると、被成形材検知部31からの検知信号(a)の出力がなくなり、貯蔵槽13及び被成形材投入装置2は停止状態を解除され、作動を再開し、減少した被成形材を補給する。
【0084】
成形された圧縮成形体は、開放された成形室から梱包装置5へ送出され梱包され、梱包装置5が備えるダンプ装置51によって、搬送装置6上へ乗せかえられる。ダンプ装置51の作動信号はホッパー3及び搬送装置6に出力される(図7(A)中矢印(b)参照)。搬送装置6は、この作動信号(b)の出力を受け、梱包装置5からの圧縮梱包体の送出を検知して作動するよう自動制御される。また、同時に、ホッパー3が、ダンプ装置51の作動信号(b)を受け、次の圧縮梱包体製造のための作動を開始するよう自動制御される。
【0085】
なお、梱包装置5から送出される圧縮梱包体の検知は、ダンプ装置51の作動信号によらず、搬送装置6に送出されてくる圧縮梱包体を直接検出するためのセンサーを設けて行うこともできる点は縮梱包体製造システムAで説明した通りである。また、搬送装置6に設けられた検知部62の構成、検知信号(c)の出力先についても、圧縮梱包体製造システムAに同様である。
【0086】
続いて、図7(B)に基づいて、圧縮梱包体製造システムBの自動制御方法についてさらに説明する。
【0087】
まず、圧縮梱包体製造システムBにおいても、検知部62は、安全装置として機能するものである。すなわち、梱包装置5による梱包工程が終了した段階で、検知部62によって、搬送装置6の終端部61に起立する圧縮梱包体が検知され、検知信号(c)がダンプ装置51に出力されている場合、ダンプ装置51は作動を停止する。これにより、梱包後の圧縮梱包体の梱包装置5からの送出は停止された状態となる。また、同時に、ダンプ装置51に連動するホッパー3及び搬送装置6も作動を停止した状態となる。従って、搬送装置6の終端部61に圧縮梱包体が存在し、検知部62からの検知信号(c)が出力されている間は、システム全体が停止することとなる。
【0088】
搬送装置6の終端部61の圧縮梱包体がシステム外へ搬出され、検知部62からの検知信号(c)の出力がなくなると、ダンプ装置51は停止状態を解除し、作動を開始する。これにより、梱包後の圧縮梱包体が梱包装置5から搬送装置6へ移しかえられる。そして、搬送装置6が、ダンプ装置51の作動信号(b)の出力を受けて作動を開始し、圧縮梱包体の搬送が行われる。また、同時に、ホッパー3が、ダンプ装置51の作動信号(b)を受け、次の圧縮梱包体製造のための作動を開始する。
【0089】
圧縮梱包体が搬送装置6の終端部61にまで搬送されると、検知部62によって終端部に起立された圧縮梱包体が検知され、検知信号(c)がダンプ装置51に出力され、システム全体が再度停止する。この停止状態は、搬送装置6の終端部61の圧縮梱包体がシステム外へ搬出されるまで継続し、かつ搬出が行われた場合には即解除される。
【0090】
以上のように、圧縮梱包体製造システムBにおいても、搬送装置6の終端部61に起立された圧縮梱包体を搬出することにより、すぐに次の圧縮梱包体の製造が開始されるよう自動制御される。これにより、圧縮梱包体の製造効率を最大限に高めることが可能となる。また、終端部61の圧縮梱包体を搬出するまでは次の圧縮梱包体の製造を開始しないことで、システム故障を防止することが可能とされている。
【符号の説明】
【0091】
A,B 圧縮梱包体製造システム
f フィルム
m 被成形材
11,12,13 貯蔵槽
111,121 排出装置
132 排出口
2 被成形材投入装置
3 ホッパー
4 成形装置
5 梱包装置
51 ダンプ装置
6 搬送装置
63 計量部
7 被成形材回収装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被成形材を収容するホッパーと、
ホッパーから供給される被成形材を所定形状に圧縮成形する成形装置と、
成形装置から送出される圧縮成形体を梱包する梱包装置と、
梱包装置から送出される圧縮梱包体を搬送し、その終端部に起立させる搬送装置と、を備える圧縮梱包体製造システムにおいて、
搬送装置に、終端部に起立させた圧縮梱包体を検知する検知部を設け、
該検知部により圧縮梱包体が検知された場合、梱包装置からの圧縮梱包体の送出を停止するよう自動制御させた圧縮梱包体製造システム。
【請求項2】
前記搬送装置は、前記検知部により圧縮梱包体が検知されないことを条件に、前記梱包装置からの圧縮梱包体の送出を検知して作動するよう自動制御させたことを特徴とする請求項1記載の圧縮梱包体製造システム。
【請求項3】
前記搬送装置に、搬送される圧縮梱包体の重量を自動的に測定し、測定値を出力する計量部を設けたことを特徴とする請求項2記載の圧縮梱包体製造システム。
【請求項4】
さらに、被成形材を前記ホッパー上へ搬送し、ホッパー内へ落下投入する被成形材投入装置と、
被成形材を貯蔵し、被成形材投入装置へ供給する貯蔵槽と、
ホッパー及び前記成形装置の下方を経て貯蔵槽上へわたって配設され、ホッパー及び成形装置から飛散した被成形材を回収して貯蔵槽内に返送する被成形材回収装置と、を有することを特徴とする請求項3記載の圧縮梱包体製造システム。
【請求項5】
前記貯蔵槽に、内部の被成形材の重量を自動的に測定し、所定重量の被成形材を前記被成形材投入装置へ供給する排出装置を設け、
排出装置の作動に連動して、被成形材投入装置及び前記ホッパーを作動させるよう自動制御させたことを特徴とする請求項4記載の圧縮梱包体製造システム。
【請求項6】
前記貯蔵槽を複数設け、
一の貯蔵槽から供給される被成形材の重量が所定重量に満たない場合、他の一の貯蔵槽から不足重量分の被成形材を連続的に供給するよう自動制御させたことを特徴とする請求項5記載の圧縮梱包体製造システム。
【請求項7】
前記貯蔵槽に被成形材の攪拌混合機能を付与したことを特徴とする請求項6記載の圧縮梱包体製造システム。
【請求項8】
前記ホッパーに、内部の被成形材が所定量に到達したことを検知する被成形材検知部を設け、
その検知信号により前記被成形材投入装置及び前記貯蔵槽の作動が停止するよう自動制御させたことを特徴とする請求項4記載の圧縮梱包体製造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−219485(P2009−219485A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34917(P2009−34917)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000115360)ヨシモトポール株式会社 (27)
【出願人】(000148999)株式会社大宮製作所 (2)
【Fターム(参考)】