説明

圧縮機梱包装置

【課題】圧縮機の上部形状が異なっていても、底部形状が同じ圧縮機に対して共用可能な圧縮機梱包装置を提供する。
【解決手段】荷台11を有する収納容器10と、収納容器10の荷台11上に載置され、圧縮機60の底部が嵌入される嵌合部21を複数有する台座20と、台座20上に載置された圧縮機60に外挿装着され、圧縮機60の外周を覆う複数の筒状スリーブ30と、全ての筒状スリーブ30の上部を覆う天板40と、収納容器10と天板40との間に筒状スリーブ30及び圧縮機60を介在させた状態で全体を一体に結合するためのバンド50とを備え、筒状スリーブ30は、その上面が台座20上に載置された圧縮機60の最上端よりも高くなるように構成され、圧縮機60全体を内部の収容空間に収容するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧縮機の梱包に係わるものであり、複数個の圧縮機を集合させ、一括して取扱えるようにしたリターナブルな圧縮機梱包装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、繰り返し使用を目的としたリターナブルな圧縮機梱包装置として、荷台の上面に発泡スチロールで一体成形した台座を配置し、その台座の上面には、圧縮機の容器底部を収納する嵌合凹部を複数個設けて複数の圧縮機を載置し、更に台座の下面には、圧縮機の上部を収納する複数の嵌合凹部が圧縮機を載置した位置に合わせて設けてあり、もう一枚の同一形状の台座を、その下面の嵌合凹部で圧縮機の上部を上側より挟み込んで固定し、結束バンドにて全体を一体化した梱包装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-96876号公報(要約書)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧縮機は、通常、その上面に制御基板との接続を行うための端子や、熱交換器と接続するための配管等を備えており、その位置は圧縮機の種類によって様々である。このため、従来の圧縮機梱包装置では、端子や配管の配置が異なったり、圧縮機の容器底部の形状が異なるタイプの圧縮機に対しては、それ専用の台座を用意する必要があり、台座を共用できない。すなわち、圧縮機の上部側の端子や配管の位置と、圧縮機の容器底部の形状との組合せの数に応じて異なる台座が必要となる。このため、台座をリターナブル梱包として繰り返し使用する場合、圧縮機輸送完了後の保管場所を広く確保しなければならない。また、台座を成形するための金型も、その組合せの数だけ必要となるため、結果として梱包部材が高価になるなどの問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、圧縮機の上部形状が異なっていても、底部形状が同じ圧縮機に対して共用可能な圧縮機梱包装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る圧縮機梱包装置は、荷台を有する収納容器と、収納容器の荷台上に載置され、圧縮機の底部が嵌入される嵌合部を複数有する台座と、台座上に載置された圧縮機に外挿装着され、圧縮機の外周を覆う複数の筒状スリーブと、全ての筒状スリーブの上部を覆う天板と、収納容器と天板との間に筒状スリーブ及び圧縮機を介在させた状態で全体を一体に結合するためのバンドとを備え、筒状スリーブは、その上面が台座上に載置された圧縮機の最上端よりも高くなるように構成され、圧縮機全体を内部の収容空間に収容するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、圧縮機の外周に筒状スリーブを装着し、圧縮機の上面形状の違いを吸収するようにしたので、圧縮機の上部にある端子や配管の配置位置によらず、容器底部の形状が同じ圧縮機に対して共用可能な圧縮機梱包装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る圧縮機梱包装置の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る圧縮機梱包装置の分解斜視図である。
【図3】図1の圧縮機梱包装置の要部断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る圧縮機梱包装置の斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る圧縮機梱包装置の斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係る圧縮機梱包装置の分解斜視図である。
【図8】図6の収納容器の斜視図である。
【図9】図8の収納容器を折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る圧縮機梱包装置の斜視図である。図2は、この発明の実施の形態1に係る圧縮機梱包装置の分解斜視図である。図3は、図1の圧縮機梱包装置の要部断面図である。図4は、図3のA−A断面図である。
圧縮機梱包装置1は、収納容器10と、収納容器10の荷台11上に載置され、圧縮機60の配置位置を固定するための台座20と、台座20上に載置された圧縮機60に外挿装着され、圧縮機60の外周を覆う筒状スリーブ30と、天板40と、これらを一体に結合するためのバンド50とを備えている。
【0010】
収納容器10は、平面視で四角形の平板状の荷台11と、荷台11の四隅に立設された支柱12と、支柱12間を連結する横フレーム13とが一体的に固定された構成を有している。
【0011】
台座20は、圧縮機60の後述の脚部62が嵌め込まれる嵌合部21が複数間隔を空けて貫通形成されている。なお、嵌合部21は図2では貫通穴で形成した例を示しているが、凹部としても良い。台座20は、ポリプロピレン等のプラスチック製材料や、プラスチック製気泡ボード等により製作される。
【0012】
圧縮機梱包装置1に梱包される圧縮機60は、円筒状のシェル容器(密閉容器)61と、シェル容器61の底面に固定された脚部62とを有している。脚部62は曲げ加工された鋼板により構成されており、シェル容器61の底面よりも外方に突出するように形成されている。圧縮機60の脚部62の高さは、台座20の厚みと略同様の寸法とされ、圧縮機60の脚部62を台座20の嵌合部21に嵌め込んだ際、台座20の上面と脚部62の上面とが面一となるように構成されている。また、シェル容器61の側面にはホルダー63が固定されており、このホルダー63に吸入マフラー64が保持されている。また、シェル容器61の上面には、図示しない制御基板と接続するための端子65と、熱交換器等と接続するための配管66とが立設されている。
【0013】
筒状スリーブ30は、ここでは平面視六角形状の筒状を成しており、内側の収容空間に圧縮機60のシェル容器61が挿入可能に構成され、圧縮機60のシェル容器61の外周に装着されるものである。筒状スリーブ30の側面にはホルダー63との干渉を避けるための切欠き部31が設けられている。切欠き部31は、筒状スリーブ30の下端面から上方向に延びるスリット状を成しており、筒状スリーブ30をシェル容器61の外周に上から被せるだけで、ホルダー63と干渉することなく筒状スリーブ30をシェル容器61に装着できる構成となっている。
【0014】
また、筒状スリーブ30の内側寸法は圧縮機60のシェル容器61の外径よりも僅かに大きく構成され、輸送時にシェル容器61が筒状スリーブ30内で動くことを規制している。また、筒状スリーブ30は、その上面が、台座20に配置された圧縮機60の最上端、すなわちシェル容器61の上面に設けた端子65及び配管66の上端よりも高くなるように高さ方向の長さが設定されている。これにより、筒状スリーブ30は、筒状スリーブ30内にシェル容器61全体を収納可能な構成となっている。
【0015】
また、筒状スリーブ30は、台座20上に載置されたシェル容器61に装着された状態で、図4の平面図から明かなように、筒状スリーブ30の下端面が圧縮機60の脚部62と台座20との両方に接触するように構成されている。
【0016】
また、筒状スリーブ30は軸方向の折り目に沿って折りたためる構成となっており、返却時に適宜折りたたんで返却可能である。筒状スリーブ30の素材は、特に限定するものではないが、ポリプロピレン等のプラスチック製材料を用いて製作した場合、プラスチック製材料は耐水性を有するので、再使用回数が増加する。図4には、特にプラスチックダンボールを用いて製作した場合を例示している。筒状スリーブ30をプラスチックダンボールを用いて製作した場合は、プラスチックダンボールのフルート(段の山)の並設方向を筒状スリーブ30の周方向にした構成とする。これにより、筒状の形状を容易に形成することができる。また、荷重を受ける方向(図4の紙面に直交する方向)をフルート方向(山が延びる方向)としているため、バンド50にて天板40と収納容器10とを挟持した際の荷重を効率良く受けることができる。このため、筒状スリーブ30の軽量化が可能であり、その結果、部品コストと輸送費とが低減できる効果が得られる。
【0017】
以上のように構成された圧縮機梱包装置1に圧縮機60を積載する際には、まず、収納容器10の荷台11上に台座20を配置し、台座20の各嵌合部21にそれぞれ圧縮機60の脚部62を挿入する。そして、各圧縮機60それぞれのシェル容器61の外周に筒状スリーブ30を装着する。次に、筒状スリーブ30の上部に、台座20と略同様の外形寸法を有する天板40を全ての筒状スリーブ30を覆うように載置し、その状態でバンド50を装着して全体を一体に締結する。バンド50の装着方法は任意であるが、ここでは、1本のバンド50を、図1において天板40上面の奥側から手前に渡らせ、手前側の横フレーム13で折り返し、再度天板40の上面を手前側から奥側に渡らせる。そして、同様に奥側の横フレーム13(図示を省略している)で折り返し、折り返し部分をバンド50の他方の端部に熱溶着する。このようにして荷台11と天板40との間に圧縮機60と筒状スリーブ30とが挟持された状態で全体が一体化される。
【0018】
このように、シェル容器61の外周に、シェル容器61の最上端よりも高さのある筒状スリーブ30を装着し、シェル容器61の上面形状(上面に形成された端子65や配管66の配置パターン等)の違いを吸収するようにしたので、以下の利点がある。すなわち、台座20を構成するに際し、シェル容器61の上面形状への対応が不要となり、シェル容器61の底面形状に対応した構成とすればよく、シェル容器61の上面側には凹部等が無い平面状の天板40を載置すればよい。
【0019】
次に、輸送振動に対する圧縮機梱包装置1の圧縮機60の固定支持について説明する。
台座20の嵌合部21に圧縮機60の脚部62を嵌合させるため、圧縮機60の載置面方向(以下、横方向という)の動きが規制される。また、圧縮機60のシェル容器61に装着した筒状スリーブ30は、バンド50により収納容器10の荷台11と天板40との間に挟持固定されているので、横方向の振動に対して横ズレや転倒することが無い。これにより、圧縮機60の圧縮機梱包装置1に対する横方向の固定支持が実現されている。
【0020】
また、上述したように、天板40と収納容器10との間に筒状スリーブ30が挟持され、その筒状スリーブ30の下端面で圧縮機60の脚部62と台座20の両方を押さえるようにしているので、圧縮機60と台座20との両方において、載置面と直交する方向(以下、上下方向という)の動きが規制される。よって、上下方向の振動に対しても圧縮機60が移動することなく、固定支持が実現されている。
以上により、輸送振動に対し、圧縮機60の確実な固定支持が可能な圧縮機梱包装置1が得られている。
【0021】
以上説明したように実施の形態1では、圧縮機60のシェル容器61の外周に筒状スリーブ30を装着し、シェル容器61全体を筒状スリーブ30内に収納した状態で天板40を載せて全体を一体化している。このため、端子65や配管66の配置が異なる圧縮機60であっても、筒状スリーブ30を装着することによってその相違が吸収され、台座20の嵌合部21さえ圧縮機60の脚部62の形状に対応していればよい。よって、端子65や配管66の位置に合わせて台座20を構成しなくてもよく、従来構造に比べて台座20の種類を低減できる。すなわち、従来構造の場合、台座20の下面に、圧縮機60の上部の端子65や配管66を収容する凹部を圧縮機60を載置した位置に合わせて設けていたが、実施の形態1の構造ではこれが不要である。よって、単に圧縮機60の脚部62の形状に合った嵌合部21を有する構成とすれば良く、台座20の種類を従来に比べて低減でき、結果として梱包コストを低減することが可能となる。
【0022】
また、圧縮機60の頂部にある端子65や配管66の配置が異なる圧縮機60に対して共用可能な梱包装置になるので、部品点数を削減でき、それ故、返却時の保管場所の広さも抑制できる。また、台座20は単に脚部62の形状に合った嵌合部21を有していればよく、複雑な形状を必要としないため、安価な構成とできる。
【0023】
また、台座20の嵌合部21に圧縮機60の脚部62が嵌合するため、輸送時において横方向の動きが規制される。また、圧縮機60のシェル容器61に装着した筒状スリーブ30は、バンド50により収納容器10の荷台11と天板40との間に挟持固定されているため、横方向の振動に対して横ズレや転倒することが無い。これにより、圧縮機60の横方向の固定支持が実現されている。
【0024】
また、筒状スリーブ30の下端面で台座20と圧縮機60の脚部62との両方を押さえるようにしたので、簡単な構成で圧縮機60と台座20との両方の上下方向の動きを規制することができる。
【0025】
また、筒状スリーブ30と台座20をポリプロピレン等のプラスチック製材料を用いて製作した場合、プラスチック製材料は耐水性を有するので、再使用回数が増加する。これにより、部品コストが低減できるとともに手配頻度も低く抑えられる効果が得られる。
【0026】
また、筒状スリーブ30をプラスチックダンボールを用いて製作する場合は、プラスチックダンボールのフルート(段の山)の並設方向を筒状スリーブ30の周方向にした構成とする。これにより、筒状の形状を容易に形成することができる。また、荷重を受ける方向(図4の紙面に直交する方向)をフルート方向(山が延びる方向)としているため、バンド50にて天板40と収納容器10とを挟持した際の荷重を効率良く受けることができる。このため、筒状スリーブ30の軽量化が可能であり、その結果、部品コストと輸送費とが低減できる効果が得られる。
【0027】
また、台座20をプラスチック製気泡ボードを用いて製作した場合、圧縮機60の脚部62の厚みとほぼ等しい厚みの台座20を作製するにあたり、軽量化が可能である。
【0028】
なお、筒状スリーブ30の形状を略六角形状とした例を図示したが、この形状に限られたものではなく、任意の形状を採用できる。
【0029】
ところで、バンド50の素材は任意であるが、通常樹脂製が多用されており、樹脂製のバンド50の場合、多少の伸びが生じる。伸びが生じると、その分、締結状態が不安定となることから、締結時に使用するバンド50の長さは短い方が好ましい。このため、全体を締結する際、収納容器10の荷台11の下側を通さず、横フレーム13でバンド50を折り返して全体を締結するようにしている。
【0030】
実施の形態2.
実施の形態2は、梱包時と開梱時の手間軽減と時間短縮を可能とした梱包装置に関するものである。
【0031】
図5は、この発明の実施の形態2に係る圧縮機梱包装置の斜視図である。図5において図1と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態2の圧縮機梱包装置100は、図1に示した実施の形態1の圧縮機梱包装置1の筒状スリーブ30を複数個、互いの側面同士を固着して一体化した筒状スリーブ70を用いたもので、その他の構成は実施の形態1と同様である。なお、図5には2個の筒状スリーブ30を固着し、平面視略八の字形状に形成した例を示しているが、この数に限られたものではなく更に複数個固着した構成としてもよい。台座20には、筒状スリーブ70内の収容空間に合わせて各嵌合部21が配置され、各嵌合部21に脚部62を嵌合した状態の2個の圧縮機60に対し、筒状スリーブ70を一度に装着可能となっている。
【0032】
このように構成された実施の形態2の圧縮機梱包装置100では、実施の形態1と同様の作用効果が得られると共に、実施の形態1の筒状スリーブ30を複数個一体化した筒状スリーブ70を用いるようにしたので、以下の効果が得られる。すなわち、複数の圧縮機60に対して一度に筒状スリーブ70の装着及び脱着ができ、1個ずつ装着及び脱着する構成に比べて梱包と開梱の作業時間を短縮できる。また、筒状スリーブ70の使用個数を削減できるので、梱包部品の管理が容易となる。
【0033】
実施の形態3.
実施の形態3は、圧縮機60を多段に積載可能な圧縮機梱包装置200に関するものである。
【0034】
図6は、この発明の実施の形態3に係る圧縮機梱包装置の斜視図である。図7は、この発明の実施の形態3に係る圧縮機梱包装置の分解斜視図である。図8は、図6の収納容器の斜視図である。図9は、図8の収納容器を折りたたんだ状態を示す斜視図である。図6〜図9において図1及び図2と同一部分には同一符号を付す。以下、実施の形態3が実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態3に係る圧縮機梱包装置200は、収納容器10の上下方向の高さを低く調節できる構造としたもので、それ以外の基本的な構造は図1及び図2に示した実施の形態1と同様である。
【0035】
収納容器10の高さ調節構造は、図示の構造に限定されず、任意の構造を採用できるが、ここで、図6〜図8に示す構造について簡単に説明する。荷台11の周囲の4本の支柱12(12a〜12d)のうち、支柱12aと支柱12bとの間、支柱12cと支柱12dとの間には、それぞれ上下一対の横フレーム13が連結されて前面フレーム15と後面フレーム16とが形成されている。また、支柱12bと支柱12cとの間、及び支柱12dと支柱12aとの間には、それぞれ側面フレーム17、18が支柱12に対して着脱自在に装着されている。側面フレーム17、18は左右一対の縦フレーム17a、18aと縦フレーム17a、18a間を連結する上下一対の横フレーム17b、18bとを有し、上下方向に動かすことによって支柱12から着脱自在となっている。また、各支柱12は、収納容器10の内方側に向けてそれぞれ折りたたみ可能に構成され、側面フレーム17、18を支柱12から取り外し、支柱12を折りたたむことにより、収納容器10の高さを低くすることが可能となっている。
【0036】
実施の形態3の圧縮機梱包装置200は、実施の形態1と同様に図7に示すように収納容器10の荷台11上に台座20(20a)を配置し、台座20(20a)の各嵌合部21にそれぞれ圧縮機60の脚部62をはめ込む。ついで、筒状スリーブ30を各圧縮機60のシェル容器61の外周に各々装着する。そして、台座20と略同様の外形寸法を有する天板40(40a)を全ての筒状スリーブ30を覆うように筒状スリーブ30上に載置する。以上により1段目が完了する。
【0037】
続いて、1段目の上に、同一要領で更にもう1段積み重ねる。すなわち、台座20(20b)と、圧縮機60と、筒状スリーブ30と、天板40(40b)を順次載置する。そして、収納容器10の前面フレーム15の横フレーム13、後面フレーム16の横フレーム13及び最上段の天板40(40b)をバンド50により締結し、全体を一体化する。
【0038】
そして、圧縮機梱包装置200を用いて圧縮機60を目的の場所に輸送後、圧縮機梱包装置200を返却する際には、図9のように折りたたむ。すなわち、側面フレーム17、18を支柱12から取り外し、適宜支柱12を折りたたんで荷台11上に例えば側面フレーム17、前面フレーム15、側面フレーム18、後面フレーム16の順に積み重ねる。筒状スリーブ30は、折りたたんで数個ずつ袋詰めする(図示省略)。そして、図9に示すように折りたたんだ状態において横フレーム13、横フレーム17b及び横フレーム18bの隙間に形成される空間に、筒状スリーブ30を詰めた袋を収納する。台座20及び天板40は収納容器10の荷台11の下方に載置する。以上により返却状態とする。
【0039】
以上説明したように実施の形態3によれば、多段に積載する構成としたので、1梱包あたりの圧縮機梱包台数が増加する。すなわち、実施の形態1の圧縮機梱包装置1の例えば2台分の圧縮機梱包数を圧縮機梱包装置200の1台で梱包可能である。よって、開梱後の圧縮機梱包装置200の保管効率が向上する。また、梱包と開梱の作業時間も短縮できる。
【0040】
また、収納容器10の支柱12は上下方向の高さを調節可能としたので、開梱後、支柱12の高さを低くすることで、返却時の高さを梱包時よりも低くすることが可能である。また、筒状スリーブ30を折りたたみ可能としたので、開梱後の返却時には折りたたむことにより筒状スリーブ30自体の占有容積を小さくできる。
以上より、返却時のトラック荷台やコンテナ等に収容できる圧縮機梱包装置台数が増加し、輸送費の低減が可能である。
【0041】
なお、この実施の形態3では、実施の形態1と同様の筒状スリーブ30を図示したが、実施の形態2の筒状スリーブ70としてもよい。
【0042】
また、実施の形態3では、支柱12を上下方向に高さを調節可能な構成としたが、実施の形態1の1段構成の場合にも同様に高さ調節可能な構成とし、開梱後、返却する際には支柱12の長さを短くして図1の形状よりも更に高さが低くなるようにしてもよい。
【0043】
また、各実施の形態では、台座20を貫通させて嵌合部21を構成する例を示したが、貫通させずに凹状に形成してもよい。また、台座20の嵌合部21を凹部で形成した場合には、実施の形態3のように多段に積載する場合、図7の天板40aを省略可能である。この場合、更に部品点数を削減できる。
【0044】
また、上記各実施の形態では、シェル容器61の側面に吸入マフラー64が装着された圧縮機60の例を図示して説明したが、これに限られたものではなく、吸入マフラー64が装着されていない圧縮機にも、この発明の圧縮機梱包装置を適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 圧縮機梱包装置、10 収納容器、11 荷台、12 支柱、12a 支柱、12b 支柱、12c 支柱、12d 支柱、13 横フレーム、15 前面フレーム、16 後面フレーム、17 側面フレーム、17a 縦フレーム、17b 横フレーム、18 側面フレーム、18a 縦フレーム、18b 横フレーム、20 台座、21 嵌合部、30 筒状スリーブ、31 切欠き部、40 天板、50 バンド、60 圧縮機、61 シェル容器、62 脚部、63 ホルダー、64 吸入マフラー、65 端子、66 配管、70 筒状スリーブ、100 圧縮機梱包装置、200 圧縮機梱包装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台を有する収納容器と、
該収納容器の前記荷台上に載置され、圧縮機の底部が嵌入される嵌合部を複数有する台座と、
該台座上に載置された圧縮機に外挿装着され、圧縮機の外周を覆う複数の筒状スリーブと、
全ての筒状スリーブの上部を覆う天板と、
前記収納容器と前記天板との間に前記筒状スリーブ及び前記圧縮機を介在させた状態で全体を一体に結合するためのバンドとを備え、
前記筒状スリーブは、その上面が前記台座上に載置された圧縮機の最上端よりも高くなるように構成され、圧縮機全体を内部の収容空間に収容することを特徴とする圧縮機梱包装置。
【請求項2】
前記筒状スリーブは、圧縮機の外径よりも僅かに大きい内側寸法を有することを特徴とする請求項1記載の圧縮機梱包装置。
【請求項3】
前記筒状スリーブを数個、互いに固着して一体化したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧縮機梱包装置。
【請求項4】
前記台座と前記複数の筒状スリーブと前記天板との組を2段以上、前記収納容器の前記荷台上に順次積載し、全体をバンドで一体に結合することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の圧縮機梱包装置。
【請求項5】
前記筒状スリーブは折りたたみ可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の圧縮機梱包装置。
【請求項6】
前記収納容器は、四角形の平板状の荷台と、荷台の四隅に立設され、上下方向の高さを調節可能な支柱と、支柱間を連結する横フレームとが一体的に固定された構成を有し、前記支柱は、開梱後、梱包時よりも高さを低くすることを可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の圧縮機梱包装置。
【請求項7】
前記圧縮機は、シェル容器と、該シェル容器の外周に固定されたホルダーに保持された吸入マフラーとを有し、前記筒状スリーブは、前記シェル容器に外挿装着されるものであり、前記ホルダー及び前記吸入マフラーと干渉しない切欠き部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の圧縮機梱包装置。
【請求項8】
前記切欠き部は、前記筒状スリーブの下端面から上方向に延びるスリット状を成していることを特徴とする請求項7記載の圧縮機梱包装置。
【請求項9】
前記筒状スリーブと前記台座とをプラスチック製としたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の圧縮機梱包装置。
【請求項10】
前記筒状スリーブをプラスチックダンボールを用いて製作したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の圧縮機梱包装置。
【請求項11】
前記台座を、プラスチック製気泡ボードを用いて製作したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の圧縮機梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−6118(P2011−6118A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152296(P2009−152296)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】