説明

圧電センサー装置、および圧電センサー装置の駆動方法

【課題】圧電体の経年劣化を抑制できる圧電センサー装置、および圧電センサー装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】超音波センサー1は、受信素子10、検出回路20、分極処理回路30、および接続切替回路40を備えている。受信素子10は、圧電膜、および当該圧電膜を挟む一対の電極膜を有する。検出回路20は、各圧電膜から出力された電気信号を検出する検出処理を行う。分極処理回路30は、各受信素子10に分極用電圧を印加して分極処理を実施する。接続切替回路40は、この一対の電極膜および検出回路20が接続される第1接続状態と、この一対の電極膜および分極処理回路30が接続される第2接続状態とを切り替える。この構成により、第2接続状態で各圧電膜に対して分極処理を実施した後に、接続切替回路40により第1接続状態に切り替えることで、超音波センサー1の受信精度の向上を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電センサー装置、および圧電センサー装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電体を備えた圧電センサー装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の超音波探触子(圧電センサー装置)は、送信用圧電層、電極層、および受信用圧電層が順に積層された構造を有している。このような超音波探触子は、送信用圧電層上に電極層を形成し、当該送信用圧電層を分極処理する。この後、電極層上に受信用圧電層を積層し、さらに受信用圧電層上に剥離可能な誘電体層を積層して、受信用圧電層を分極処理し、当該受信用圧電層の分極処理後に誘電体層を剥離させて、超音波探触子が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/018278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の超音波探触子では、製造時にのみ圧電体(送信用圧電層および受信用圧電層)の分極処理を行い、その後、分極処理用の誘電体層を剥離している。
しかしながら、圧電体は、振動の蓄積等による残留応力、静電気等の影響を受けることで圧電特性が経年劣化してしまい、所望の圧電性能が得られなくなる、という問題がある。
【0005】
本発明は、圧電体の経年劣化を抑制できる圧電センサー装置、および圧電センサー装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の圧電センサー装置は、圧電体、および前記圧電体を挟む二つの電極を有する圧電素子と、前記圧電素子から出力された電気信号を検出する検出処理、および前記圧電素子へ駆動信号を入力して駆動させる駆動処理の少なくともいずれかの信号処理を実施する信号処理部と、前記圧電素子に分極用電圧を印加して分極処理を実施する分極処理部と、前記二つの電極および前記信号処理部が接続される第1接続状態と、前記二つの電極および前記分極処理部が接続される第2接続状態と、を切り替える接続切替部と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
なお、圧電素子としては、素子単体で駆動される構成であってもよく、複数の圧電素子がアレイ状に配列されて素子群を形成するものであってもよい。
【0007】
本発明によれば、圧電センサー装置は、圧電素子への信号の入出力を実施する信号処理部と、圧電素子の圧電体の分極処理を実施する分極処理部と、を備え、接続切替部により、圧電素子と、これらの信号処理部および分極処理部との接続状態を切り替えている。これにより、圧電素子と分極処理部とが接続される第2接続状態では、圧電素子に分極用電圧を印加することができ、圧電体の分極処理を行うことができる。従って、残留応力や静電気等の影響により圧電体の圧電特性が経年劣化した場合でも、上記分極処理を実施することで、圧電体の圧電特性を劣化前の状態に戻すことができる。
また、接続切替部が第1接続状態に切り替えられた場合では、圧電素子と信号処理部とが接続されるため、検出処理および駆動処理の少なくともいずれかの信号処理を行うことができ、圧電センサー装置を通常駆動させることができる。
したがって、接続切替部の接続状態を第2接続状態に切り替えて、圧電体の分極処理を行った後に、接続切替部の接続状態を第1接続状態に切り替えることで、分極処理された圧電体を用いて、検出処理や駆動処理を実施することができるので、圧電センサー装置の性能低下を防止することができる。
【0008】
本発明の圧電センサー装置では、前記接続切替部による接続状態の切り替えを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記信号処理部による信号処理を実施可能な信号処理モードと、前記分極処理部による分極処理を実施する校正モードとを切り替えるモード切替部と、前記モード切替部により、前記信号処理モードに切り替えられた際に、前記接続切替部を前記第1接続状態に切り替え、前記校正モードに切り替えられた際に、前記接続切替部を前記第2接続状態に切り替える接続制御部と、を備えることが好ましい。
本発明によれば、モード切替部により、校正モードに切り替えられると、接続制御部は、接続切替部を第2接続状態に切り替える。また、圧電素子に分極用電圧を印加して圧電体の分極処理を実施した後等において、モード切替部により信号処理モードに切り替えられると、接続制御部は、接続切替部を第1接続状態に切り替えて、当該圧電センサー装置は、信号処理部による信号処理が実施可能な状態となる。したがって、制御部により自動的に接続切替部が制御されるため、使用者は、接続切替部の接続状態を意識する必要がなく、容易に圧電体の分極処理を実施することができる。
【0009】
本発明の圧電センサー装置では、当該圧電センサー装置へ電力を供給する電力供給状態、および当該圧電センサー装置への電力の供給を遮断する電力非供給状態を切り替える電源スイッチを備え、前記モード切替部は、前記電源スイッチが前記電力供給状態に切り替わった際に、前記校正モードに切り替え、前記分極処理部による分極処理が終了すると、前記信号処理モードに切り替えることが好ましい。
本発明によれば、圧電センサー装置の電源スイッチが電力供給状態に切り替えられるたびに、モード切替部により校正モードに切り替えられる。したがって、圧電センサー装置の電源投入時に、必ず圧電素子に分極用電圧を印加して圧電体の分極処理を実施することになるので、モード切替部により信号処理モードに切り替えられた際、分極処理された圧電体を有する圧電素子を用いて信号処理を実施することができる。すなわち、圧電素子を用いて検出処理を実施する場合では、圧電素子での検出感度を向上させることができ、圧電素子を用いて駆動処理を実施する場合には、圧電素子を駆動信号に応じた所望の駆動量で駆動させることができる。
【0010】
本発明の圧電センサー装置では、前記制御部は、前記信号処理部による信号処理を実行させる旨の入力信号を取得する信号取得部を備え、前記モード切替部は、前記信号取得部が前記入力信号を取得すると、前記校正モードに切り替え、前記分極処理部による分極処理が終了すると、前記信号処理モードに切り替えることが好ましい。
ここで、信号取得部は、例えば、利用者により操作可能な操作部から入力される入力信号や、外部制御装置等から入力される入力信号等を取得し、この入力信号をトリガーとして信号処理部は、圧電素子の検出処理や駆動処理を実施する。
本発明によれば、入力信号が取得されるたび、すなわち、信号処理部での信号処理が実行される前に、圧電体の分極処理が実施される。このため、信号処理部による信号処理時に、確実に分極処理された圧電体を有する圧電素子を用いて信号処理を実施することができるため、信号処理における精度をより向上させることができる。
【0011】
本発明の圧電センサー装置では、前記制御部は、前記信号処理部による信号処理を実行させる旨の入力信号を取得する信号取得部と、前記信号処理部による信号処理が終了した処理停止時点からの経過時間を計測する計時部と、を備え、前記モード切替部は、前記処理停止時点からの所定の待機移行期間の間、前記信号取得部により前記入力信号が取得されなかった場合に、前記校正モードに切り替え、前記分極処理部による分極処理が終了すると、前記信号処理モードに切り替えることが好ましい。
本発明によれば、信号処理部による一連の信号処理が終了し、圧電センサー装置が待機状態である際に、分極処理部による分極処理が実施される。このような構成では、一連の信号処理が実施されている最中では、分極処理が実行されないため、分極処理により信号処理が中断されることがなく、迅速な信号処理を実施することができる。また、待機状態である際に分極処理が実施されるため、次に信号処理を実施する際には、圧電素子の圧電体が分極処理された状態となっており、信号処理における精度の低下を防止することができる。
【0012】
本発明の圧電センサー装置の駆動方法は、圧電体、および前記圧電体を挟む二つの電極を有する圧電素子を備えた圧電センサー装置の駆動方法であって、前記圧電センサー装置は、前記圧電素子から出力された電気信号を検出する検出処理、および前記圧電素子へ駆動信号を入力して駆動させる駆動処理の少なくともいずれかの信号処理を実施する信号処理部と、前記圧電素子に分極用電圧を印加して分極処理を実施する分極処理部と、前記二つの電極および前記信号処理部が接続される第1接続状態と、前記一対の電極および前記分極処理部が接続される第2接続状態と、を切り替える接続切替部と、を備え、当該圧電センサー装置の駆動方法は、前記接続切替部における接続状態を第2接続状態に切り替えて、前記分極処理部により前記圧電素子に分極用電圧を印加する分極工程と、前記分極工程後に、前記接続切替部における接続状態を第1接続状態に切り替えて、前記信号処理部により、前記検出処理および前記信号処理の少なくともいずれかの処理を実施する信号処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、前述した圧電センサー装置と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、圧電センサー装置は、圧電素子への信号の入出力を実施する信号処理部と、圧電素子の圧電体の分極処理を実施する分極処理部と、を備え、接続切替部により、圧電素子と、これらの信号処理部および分極処理部との接続状態を切り替えている。これにより、圧電素子と分極処理部とが接続される第2接続状態では、圧電素子に分極用電圧を印加することができ、圧電体の分極処理を行うことができる。従って、残留応力や静電気等の影響により圧電体の圧電特性が経年劣化した場合でも、上記分極処理を実施することで、圧電体の圧電特性を劣化前の状態に戻すことができる。
また、接続切替部が第1接続状態に切り替えられた場合では、圧電素子と信号処理部とが接続されるため、検出処理および駆動処理の少なくともいずれかの信号処理を行うことができ、圧電センサー装置を通常駆動させることができる。
そして、接続切替部の接続状態を第2接続状態に切り替えて、圧電体の分極処理を行った後に、接続切替部の接続状態を第1接続状態に切り替えるため、分極処理された圧電体を有する圧電素子を用いて、検出処理や駆動処理を実施するため、圧電センサー装置の性能低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波センサーの構成を示す図。
【図2】前記実施形態における受信素子の構成を示す図。
【図3】前記実施形態における超音波センサーの動作を示すフローチャート。
【図4】前記実施形態における分極処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
[超音波センサーの概略構成]
図1は、圧電センサー装置としての超音波センサー1の構成を示す図である。この超音波センサー1は、被検出体に対して送信され、被検出体で反射された超音波を受信することで、超音波センサー1と被検出体との距離、被検出体の状態を検出するセンサーである。このような超音波センサー1は、超音波の送受信により、例えば生体内の血管位置や、血流速度、血圧等を計測するための生体検査装置や、当該超音波センサー1の表面に設けられた弾性膜の動きを超音波により検出することで、弾性膜に作用する押圧力、剪断力を測定する応力測定装置、超音波により対象物との距離を測定し、測定された距離に応じた音圧で当該対象物を洗浄する超音波洗浄装置など、超音波を送信、または受信する様々な装置に適用することができる。
この超音波センサー1は、図1に示すように、複数の受信素子10(圧電素子)と、受信素子10から出力された検出信号を検出する検出回路20(信号処理部)と、分極処理回路30(分極処理部)と、接続切替回路40(接続切替部)と、電力供給部50と、操作部60と、制御部70とを備えている。
【0016】
〔受信素子の構成〕
図2は、受信素子10の概略構成を示す図である。具体的に、図2(A)は、受信素子10の断面図であり、図2(B)は、受信素子10の平面図である。
受信素子10は、超音波を受信して電気信号に変換する素子である。
この受信素子10は、支持部11の上に、互いに直交するX軸およびY軸のそれぞれの軸方向に沿って、等間隔で複数配置されており、これらの複数の受信素子10によりアレイ構造の受信素子群100が構成されている。
【0017】
各受信素子10は、図2に示すように、開口部12が形成された支持部11と、支持部11上を覆い、開口部12を閉塞する支持膜13と、支持膜13上に形成される積層体14とを備えている。
支持部11に形成される開口部12は、例えば、図2(B)に示すように平面視で円形状に形成されている。これにより、開口部12の内側の支持膜13であるダイアフラム131において、ダイアフラム131の撓みに対する応力を均一にすることができる。
【0018】
支持膜13は、支持部11上で、開口部12を閉塞する状態に成膜されている。この支持膜13は、例えばSiO層とZrO層との2層構造により構成される。ここで、SiO層は、支持部11がSi基板である場合、基板表面を熱酸化処理することで成膜することができる。また、ZrO層は、SiO層上に例えばスパッタリングなどの手法により成膜される。ここで、ZrO層は、後述する圧電膜142として例えばPZTを用いる場合に、PZTを構成するPbがSiO層に拡散することを防止するための層である。また、ZrO層は、圧電膜142の歪みに対する撓み効率が向上させるなどの効果もある。
【0019】
積層体14は、支持膜13の上層に積層される下部電極141と、下部電極141上に形成される圧電体としての圧電膜142と、圧電膜142上に形成される上部電極143とを備えている。つまり、積層体14は、一対の電極(下部電極141および上部電極143)によって圧電膜142が挟まれた構成を有している。
また、下部電極141には、図2に示すように、支持膜13に沿って下部電極線144が引き出されている。また、上部電極143には、支持膜13に沿って下部電極線144の引出方向とは反対側に向かって、上部電極線145が引き出されている。そして、下部電極線144は、隣に配置されている受信素子10の上部電極線145と平面視で重なっている。このように、各受信素子10の下部電極線144と上部電極線145とが重なって接続されることで、各受信素子10は、図1に示すように直列に接続されている。
【0020】
このような受信素子群100では、複数の受信素子10が直列に接続されていることで、各受信素子10から出力される検出信号が足し合わされるため、信号値の大きい検出信号を検出回路20に出力することができる。
また、詳しい図示は省略するが、本実施形態では、受信素子群100のうち、X軸方向に配列された素子群のみが直列に接続されて受信素子群100を構成し、このような受信素子群100がY軸に沿って並設されて各受信素子群100が個別に検出回路20に接続されるセンサー構成を例示するが、これに限らない。例えば、X軸方向の端部に配列された受信素子10が、Y軸方向に隣り合う受信素子10と直列に接続されることで、X軸方向およびY軸方向に配列された受信素子10が直列接続される構成などとしてもよい。
【0021】
圧電膜142は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛:lead zirconate titanate)を膜状に成膜することで形成される。なお、本実施形態では、圧電膜142としてPZTを用いるが、電圧を印加することで、面内方向に収縮することが可能な素材であれば、いかなる素材を用いてもよく、例えばチタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO)などを用いてもよい。
【0022】
このような受信素子10では、超音波をダイアフラム131で受信することでダイアフラム131が膜厚方向(図2(A)におけるZ軸方向)に振動する。これにより、圧電膜142の下部電極141側の面と上部電極143側の面とで電位差が発生し、上部電極143および下部電極141から圧電膜142の変位量に応じた検出信号(電流)が出力される。
【0023】
〔検出回路の構成〕
図1に示す検出回路20は、各受信素子10から出力される検出信号を検出(取得)する検出処理を実施する回路であり、接続切替回路40を介して前述した受信素子群100に接続されている。詳述すると、検出回路20は、受信素子群100の一端に配置された受信素子10(受信素子10A)の下部電極線144と、受信素子群100の他端に配置された受信素子10(受信素子10B)の上部電極線145に接続されている。そして、この検出回路20は、受信素子群100から入力された検出信号の電圧値を増幅して、制御部70に出力する。
【0024】
〔分極処理回路の構成〕
分極処理回路30は、前述した受信素子10に対して分極処理を行うための分極用電圧を出力可能な電圧源を備え、接続切替回路40を介して受信素子群100に接続されている。この分極処理回路30は、分極用電圧を受信素子群100に印加することで、各受信素子10の下部電極141及び上部電極143間に当該分極用電圧の分圧が印加される。これにより、下部電極141及び上部電極143間の圧電膜142の分極子の方向が一方向に揃えられる分極処理が実施される。なお、印加する電圧および時間は、例えば、圧電膜142の特性等によって予め設定されていた値で実行される。
【0025】
〔接続切替回路の構成〕
接続切替回路40は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子で構成され、受信素子群100および検出回路20間に設けられる第一スイッチ部40Aと、受信素子群100および分極処理回路30間に設けられる第二スイッチ部40Bを備えている。そして、第一スイッチ部40Aは、制御部70の制御により、受信素子群100と検出回路20との接続状態を切り替える。また、第二スイッチ部40Bは、制御部70の制御により、受信素子群100と分極処理回路30との接続状態を切り替える。
ここで、第一スイッチ部40Aにより、受信素子群100および検出回路20が接続され、第二スイッチ部40Bにより受信素子群100および分極処理回路30が切断される状態が本発明の第1接続状態となる。また、第一スイッチ部40Aにより、受信素子群100および検出回路20が切断され、第二スイッチ部40Bにより受信素子群100および分極処理回路30が接続される状態が本発明の第2接続状態となる。
【0026】
〔電力供給部の構成〕
電力供給部50は、超音波センサー1に電力を供給する。この電力供給部50としては、例えば、コンセント等の電力源に接続されることで、超音波センサー1に電力を供給するものであってもよく、電池や発電部等であってもよい。
【0027】
〔操作部の構成〕
操作部60は、超音波センサー1の図示しない外装部に設けられ、利用者により操作されることで、入力信号が入力される部分である。この操作部60としては、例えば、電力供給部50からの電力により超音波センサー1を起動させる電源スイッチ61や、超音波の受信処理(送受信処理)を実施させる処理開始ボタン62、分極処理のタイミングを設定する分極選択部(図示略)等を備えている。
【0028】
〔制御部の構成〕
制御部70は、前述の検出回路20、分極処理回路30、接続切替回路40、電力供給部50、および操作部60に接続されている。
この制御部70は、例えばIC(Integrated Circuit)等の集積回路等で構成され、超音波センサー1全体を制御する。具体的には、制御部70は、図1に示すように、モード切替部71、分極モード選択部72、信号取得部73、計時部74、および接続制御部75等を備えて構成されている。
【0029】
モード切替部71は、超音波センサー1の動作モードを切り替えて設定する。具体的には、モード切替部71は、検出回路20により、受信素子群100からの検出信号を検出可能な信号処理モードと、分極処理回路30により受信素子群100の分極処理を実施する校正モードと、を切り替える。
なお、このモード切替部71は、通常、信号処理モードに設定される。そして、後述する分極モード選択部72により選択される分極タイミングに対応して、適宜校正モードに切り替える。
【0030】
分極モード選択部72は、モード切替部71により校正モードに切り替えられた際に、どのタイミングで分極処理回路30による分極処理を実施するかを選択する。具体的には、分極モード選択部72は、前述した操作部60に設けられた分極選択部が利用者により操作されることで、分極タイミングを設定する。
ここで、選択される分極タイミングとしては、電源投入タイミング、毎受信タイミング、待機移行タイミング等が挙げられる。
電源投入タイミングは、電源スイッチ61がオン状態にされて電力供給部50から電力が供給されたタイミングである。すなわち、分極モード選択部72により電源投入タイミングが選択された場合、モード切替部71は、電源スイッチ61がオン状態になる毎に動作モードを校正モードに切り替え、分極処理が終了すると、信号処理モードに切り替える。
また、毎受信タイミングは、操作部60から検出処理を実施する旨の入力信号が入力されるタイミングである。すなわち、分極モード選択部72により毎受信タイミングが選択された場合、モード切替部71は、処理開始ボタン62がオンされる毎、すなわち検出回路20により検出処理を実施する前毎に、動作モードを校正モードに切り替え、分極処理が終了すると、信号処理モードに切り替える。
【0031】
また、待機移行タイミングは、超音波の検出処理が終了した後、所定の待機移行時間が経過したタイミングである。すなわち、分極モード選択部72により待機移行タイミングが選択された場合には、モード切替部71は、検出回路20により検出処理が実施された後、検出処理が実施されずに、所定の待機移行時間が経過すると、動作モードを校正モードに切り替え、分極処理が終了すると、信号処理モードに切り替える。
【0032】
信号取得部73は、操作部60から入力された入力信号を取得する。この入力信号としては、上述したように、電源スイッチ61がオン状態に切り替えられたことを示す入力信号や、処理開始ボタン62がオンされた旨、つまり受信素子群100による超音波の検出処理を開始させる旨の入力信号、分極タイミングを選択する旨の入力信号等が含まれる。
【0033】
計時部74は、時間を計測するタイマーを備えている。また、計時部74は、このタイマーを利用して検出回路20による検出処理が実施されてからの経過時間を計測する。
【0034】
接続制御部75は、モード切替部71により設定される動作モードに応じて、接続切替回路40の状態を適宜切り替える。
つまり、接続制御部75は、モード切替部71により信号処理モードが設定された場合、接続切替回路40を第1接続状態に切り替える。また、接続制御部75は、モード切替部71により校正モードが設定された場合、接続切替回路40を第2接続状態に切り替える。
【0035】
[超音波センサーの動作]
図3は、超音波センサー1の動作を示すフローチャートである。
電源スイッチ61がオンされると、信号取得部73は、操作部60からその旨の入力信号を取得し、モード切替部71にその結果を出力する(ステップS1)。
この結果を受けたモード切替部71は、分極モード選択部72により電源投入タイミングが分極タイミングとして設定されているか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2において、電源投入(図も修正要)タイミングが分極タイミングとして設定されていると判定された場合には、モード切替部71は、超音波センサー1の動作モードを校正モードに切り替える。これにより、以下に説明する分極処理が行われる(ステップS3)。
【0036】
図4は、分極処理のフローチャートである。
分極処理が開始すると、接続制御部75は、接続切替回路40の接続状態を第2接続状態に切り替える(ステップS11)。これにより、分極処理回路30から各受信素子10の下部電極141及び上部電極143間に分極用電圧が印加され、圧電膜142の分極処理が実施される。
次に、接続制御部75は、圧電膜142の分極処理が終了したかを判定する(ステップS12)。この判定は、例えば、タイマーで処理時間を計時することで行われる。
ステップS12で分極処理が終了していないと判定した場合には、接続制御部75は、第2接続状態を維持し、各圧電膜142の分極処理が終了するまで分極処理を実施する。
ステップS12で分極処理が終了したと判定した場合には、分極処理が終了する。
【0037】
このステップS3の分極処理が終了するか、前述したステップS2において電源投入タイミングが分極タイミングとして設定されていないと判定された場合には、モード切替部71は、超音波センサー1の動作モードを信号処理モードに切り替え、これにより、接続制御部75は、接続切替回路40の接続状態を第1接続状態に切り替える。
【0038】
そして、操作部60において処理開始ボタン62がオンされると、信号取得部73は、その旨の入力信号を取得し、接続制御部75にその結果を出力する(ステップS4)。
この結果を受けた接続制御部75は、分極モード選択部72により毎受信タイミングが分極タイミングとして設定されているか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、毎受信タイミングが分極タイミングとして設定されていると判定された場合には、前述したステップS3の分極処理が行われる。
【0039】
このステップS3の分極処理が終了するか、前述したステップS5において毎受信タイミングが分極タイミングとして設定されていないと判定された場合には、接続制御部75は、接続切替回路40の接続状態を第1接続状態に切り替える。これにより、以下のように、検出回路20による検出処理が実施される(ステップS6)。
【0040】
このステップS6では、図示しない超音波送信素子から超音波を発信させ、被検出体で反射された超音波を各受信素子10で受信させる。
受信素子10は、超音波をダイアフラム131(受動膜)で受信することでダイアフラム131が膜厚方向に振動し、振動により変形した圧電膜142から電気信号(検出信号)が下部電極141及び上部電極143を介して検出回路20へ出力される。検出回路20は、この検出信号の電圧値を増幅して、制御部70へ出力する。
そして、制御部70は、検出回路20から出力された検出信号を処理する。具体的に、制御部70では、超音波送信素子から超音波を発信した発信タイミングから、検出信号の受信タイミングまでの時間を算出し、例えば超音波センサー1から被検出体まで距離等を算出し、測定結果として出力装置(図示略)等に出力する。
【0041】
そして、処理開始ボタン62がオフされることなどにより、この検出処理が停止されると、計時部74が検出処理を停止した時点からの経過時間を計時し、接続制御部75は、待機移行時間を経過したかを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、待機移行時間を経過していないと判定した場合には、ステップS4の処理に戻され、処理開始ボタン62がオンされるのを待機する。
ステップS7において、待機移行時間を経過したと判定した場合には、接続制御部75は、分極モード選択部72により待機移行タイミングが分極タイミングとして設定されているか否かを判定する(ステップS8)。
ステップS8において、待機移行タイミングが分極タイミングとして設定されていると判定された場合には、前述したステップS3の分極処理が行われる。
ステップS8において、待機移行タイミングが分極タイミングとして設定されていないと判定されると、超音波センサー1の動作の終了が指示(電源スイッチ61がオフ)されたかを判定する(ステップS9)。
そして、ステップS9において、終了が指示されていないと判定された場合には、ステップS4の処理に戻され、処理開始ボタン62が再びオンされるのを待機する。
一方、ステップS9において、終了が指示されたと判定された場合には、超音波センサー1の動作を停止する。
【0042】
上述した一実施形態による超音波センサー1によれば、以下の効果を奏する。
超音波センサー1は、複数の受信素子10により構成された受信素子群100と、受信素子群100から出力された検出信号を検出する検出回路20と、受信素子群100の各受信素子10を分極処理する分極処理回路30と、受信素子群100および検出回路20の接続状態、受信素子群100および分極処理回路30の接続状態を切り替える接続切替回路40と、を備える。
このような超音波センサー1は、受信素子群100と分極処理回路30とが接続される第2接続状態では、各受信素子10に分極用電圧を印加することができ、圧電膜142の分極処理を行うことができる。従って、残留応力や静電気等の影響により圧電膜142の分極特性が経年劣化した場合でも、分極処理を実施することで、圧電膜142の分極方向を一方向に配向させることができ、分極特性を劣化前の状態に戻すことができる。
また、接続切替回路40が第1接続状態に切り替えられた場合では、受信素子群100と検出回路20とが接続されるため、検出処理を行うことができ、超音波センサー1を通常駆動させることができる。
したがって、接続切替回路40の接続状態を第2接続状態に切り替えて、各受信素子10の圧電膜142の分極処理を行った後に、接続切替回路40の接続状態を第1接続状態に切り替えることで、分極処理された圧電膜142(受信素子10)を用いて、検出処理を実施することができるので、超音波センサー1の性能低下を防止することができる。
【0043】
また、超音波センサー1の制御部70は、信号処理モードと、校正モードとを切り替えるモード切替部71を備える。そして、モード切替部71により、校正モードに切り替えられると、接続制御部75は、接続切替回路40を第2接続状態に切り替える。また、モード切替部71により信号処理モードに切り替えられると、接続制御部75は、接続切替回路40を第1接続状態に切り替えて、超音波センサー1は、検出回路20による検出処理が実施可能な状態となる。したがって、制御部70により自動的に接続切替回路40が制御されるため、使用者は、接続切替回路40の接続状態を意識する必要がなく、容易に受信素子群100(各受信素子10の圧電膜142)の分極処理を実施することができる。
【0044】
さらに、超音波センサー1の制御部70は、分極モード選択部72を備え、モード切替部71は、分極モード選択部72により設定された分極タイミングにより、信号処理モードから校正モードに切り替える。
そして、分極モード選択部72により、電源投入タイミングが設定されている場合、電源スイッチ61がオンされるたびに、モード切替部71により校正モードに切り替えられる。このため、超音波センサー1の電源投入時に、必ず受信素子群100の分極処理を実施することになるので、当該超音波センサー1の起動時に常に各受信素子10が分極された状態となり、受信素子群100での検出感度を向上させることができる。また、分極処理が実施されるタイミングは、電源投入時のみとなるため、検出回路20による検出信号の検出処理時に分極処理が実施されて、処理が中断されることがなく、迅速な検出処理を実施できる。
【0045】
また、分極モード選択部72により、毎受信タイミングが設定されている場合、検出処理を開始させる旨の入力信号が取得される度に、すなわち、検出回路20での検出処理が実行される前毎に、受信素子群100の分極処理が実施される。このため、検出回路20による検出処理時に、確実に分極処理された受信素子群100を用いて検出処理を実施することができるため、検出処理における精度をより向上させることができる。
【0046】
さらに、分極モード選択部72により、待機移行タイミングが設定されている場合、検出回路20による一連の検出処理が終了し、超音波センサー1が待機状態となる際に、分極処理回路30による分極処理が実施される。このような構成では、一連の検出処理が実施されている最中では、分極処理が実行されないため、分極処理により検出処理が中断されることがなく、迅速な検出処理を実施することができる。また、電源投入タイミングより高頻度に分極処理が実施されるため、検出処理における精度を向上させることができる。
【0047】
ここで、単素子(一つの受信素子)で構成される超音波センサーと比較して、複数の受信素子を直列に接続した構成を備える超音波センサーは、受信感度が小さくなる傾向がある。しかしながら、本実施形態の超音波センサー1では、複数の受信素子10を直列に接続して受信素子群100を構成していても、圧電膜142を分極処理し分極状態が揃うことで、受信感度が小さくなることを防止できる。
さらに、各受信素子10の積層体14を、薄膜状の圧電膜142と下部電極141および上部電極143とで構成しているため、バルク状の圧電素子を分極処理する場合と比較して、低い電圧の印加により分極処理を行うことができる。
【0048】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、分極タイミングとして、電源投入タイミング、毎受信タイミング、待機移行タイミングの三つを設定できる構成について例示したが、いずれか一つ以上を設定できる構成であればよい。また、分極タイミングについても、例示したタイミングに限らない。例えば、分極タイミングは、電源スイッチ61がオフされたタイミングであってもよいし、毎受信タイミングでなく、数回に1回の受信タイミングなどであってもよい。さらには、3日に1回等、定期的なタイミングであってもよいし、操作部60に分極処理を行うためのスイッチを設け、使用者が当該スイッチによって任意に指示したタイミングであってもよい。
【0049】
前記実施形態では、制御部70によって接続切替回路40を制御して第1接続状態と第2接続状態とを切り替える構成について例示したが、これに限らず、接続切替回路を手動スイッチ等によって構成し、使用者が手動で接続を切り替える構成であってもよい。
前記実施形態では、信号処理部として、圧電膜142から出力される電気信号を検出する検出回路20を備えることで、超音波を受信する構成について例示したが、これに限らず、信号処理部として、受信素子10に駆動信号を入力して受信素子10を送信素子として駆動させる駆動処理を実施する構成に採用してもよい。つまり、駆動信号の入力によって下部電極141及び上部電極143間に電圧を印加し、圧電膜142を振動させることで、超音波を送信する構成に採用してもよい。また、信号処理部が受信と送信の両方を行う構成であってもよい。さらに、本発明を適用した検出処理および駆動処理の双方を行う超音波センサーであってもよい。
前記実施形態では、複数の受信素子10を直列に接続した構成について例示したが、受信素子10の数は単数(単素子)であってもよいし、例えば、前述した超音波を送信する構成とした場合等において適した構成となるように、複数の受信素子10を並列に接続した構成としてもよい。
前記実施形態では、圧電素子として、薄膜状の圧電膜142、下部電極141および上部電極143とで構成された積層体14を備える受信素子10について説明したが、圧電素子は、バルク状のものであってもよい。
前記実施形態では、圧電膜142の分極処理を行い、分極処理後に検出回路20による検出を行う構成について例示したが、分極処理後に、当該検出回路20の検出結果等に基づいて、圧電膜142の使用可能状態を判定し、判定結果に応じた処理を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…超音波センサー(圧電センサー装置)、10…受信素子(圧電素子)、20…検出回路(信号処理部)、30…分極処理回路(分極処理部)、40…接続切替回路(接続切替部)、61…電源スイッチ、70…制御部、71…モード切替部、73…信号取得部、74…計時部、75…接続制御部、141…下部電極(電極)、142…圧電膜(圧電体)、143…上部電極(電極)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電体、および前記圧電体を挟む二つの電極を有する圧電素子と、
前記圧電素子から出力された電気信号を検出する検出処理、および前記圧電素子へ駆動信号を入力して駆動させる駆動処理の少なくともいずれかの信号処理を実施する信号処理部と、
前記圧電素子に分極用電圧を印加して分極処理を実施する分極処理部と、
前記二つの電極および前記信号処理部が接続される第1接続状態と、前記二つの電極および前記分極処理部が接続される第2接続状態と、を切り替える接続切替部と、を備える
ことを特徴とする圧電センサー装置。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電センサー装置において、
前記接続切替部による接続状態の切り替えを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記信号処理部による信号処理を実施可能な信号処理モードと、前記分極処理部による分極処理を実施する校正モードとを切り替えるモード切替部と、
前記モード切替部により、前記信号処理モードに切り替えられた際に、前記接続切替部を前記第1接続状態に切り替え、前記校正モードに切り替えられた際に、前記接続切替部を前記第2接続状態に切り替える接続制御部と、を備える
ことを特徴とする圧電センサー装置。
【請求項3】
請求項2に記載の圧電センサー装置において、
当該圧電センサー装置へ電力を供給する電力供給状態、および当該圧電センサー装置への電力の供給を遮断する電力非供給状態を切り替える電源スイッチを備え、
前記モード切替部は、前記電源スイッチが前記電力供給状態に切り替わった際に、前記校正モードに切り替え、前記分極処理部による分極処理が終了すると、前記信号処理モードに切り替える
ことを特徴とする圧電センサー装置。
【請求項4】
請求項2に記載の圧電センサー装置において、
前記制御部は、前記信号処理部による信号処理を実行させる旨の入力信号を取得する信号取得部を備え、
前記モード切替部は、前記信号取得部が前記入力信号を取得すると、前記校正モードに切り替え、前記分極処理部による分極処理が終了すると、前記信号処理モードに切り替える
ことを特徴とする圧電センサー装置。
【請求項5】
請求項2に記載の圧電センサー装置において、
前記制御部は、
前記信号処理部による信号処理を実行させる旨の入力信号を取得する信号取得部と、
前記信号処理部による信号処理が終了した処理停止時点からの経過時間を計測する計時部と、を備え、
前記モード切替部は、前記処理停止時点からの所定の待機移行期間の間、前記信号取得部により前記入力信号が取得されなかった場合に、前記校正モードに切り替え、前記分極処理部による分極処理が終了すると、前記信号処理モードに切り替える
ことを特徴とする圧電センサー装置。
【請求項6】
圧電体、および前記圧電体を挟む二つの電極を有する圧電素子を備えた圧電センサー装置の駆動方法であって、
前記圧電センサー装置は、
前記圧電素子から出力された電気信号を検出する検出処理、および前記圧電素子へ駆動信号を入力して駆動させる駆動処理の少なくともいずれかの信号処理を実施する信号処理部と、
前記圧電素子に分極用電圧を印加して分極処理を実施する分極処理部と、
前記二つの電極および前記信号処理部が接続される第1接続状態と、前記一対の電極および前記分極処理部が接続される第2接続状態と、を切り替える接続切替部と、を備え、
当該圧電センサー装置の駆動方法は、
前記接続切替部における接続状態を第2接続状態に切り替えて、前記分極処理部により前記圧電素子に分極用電圧を印加する分極工程と、
前記分極工程後に、前記接続切替部における接続状態を第1接続状態に切り替えて、前記信号処理部により、前記検出処理および前記信号処理の少なくともいずれかの処理を実施する信号処理工程と、
を備えることを特徴とする圧電センサー装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−5137(P2013−5137A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132884(P2011−132884)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】