地下障壁を構成するための方法
地下構造に障壁を形成するための方法は、引張部材によって互いに2本のパイプを連結することと、パイプおよび引張部材を用いて、地下構造を通る連続経路を切開することと、グラウトを経路に提供することとを含むことが記載される。そのような障壁を形成するための装置は、引張部材と、少なくとも2本のパイプとを備え、パイプは、引張部材に連結され、パイプは、グラウトを地下構造に送出するように構成され、少なくとも1つの掘削装置を備え、掘削装置、パイプおよびケーブルが、地下構造を通る経路を切開するように構成されることが記載される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じ込め、通常、固体廃棄物および液体廃棄物の閉じ込めの目的のための地下障壁を形成するための方法に関する。本明細書に記載される技術は、垂直障壁および水平障壁の両方に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
地下障壁は一般に、汚染防止、土木工事または地下水管理のために、地下水の移動を制限するために用いられる。垂直障壁は、スラリトレンチング、シートパイル、ジェットグラウティング、圧力注入およびその他の多くの方法によって一般に行われている。方法は、深さ機能、水圧特性および閉じ込め工程にさらされることができる土壌のタイプで異なる。
【0003】
障壁が必要とされる領域にわたって、最初に土を除去することなく、垂直障壁を構成する方法は多くあるが、水平障壁を構成する手段はほとんど実績がない。表土を除去することは、費用がかかるか、または危険である可能性があるため、現場における水平障壁の構成が、望ましい可能性がある。ごみ、地方自治体の廃棄物および採鉱廃棄物材料を含む多くの埋立地は、裏打ちが全くない状態で開発されており、底部障壁の構成によって改善されることができる地下水へ潜在的な脅威を表す。土塁および土手は多くあるが、小さな漏れのために決壊する危険性があり、柔軟であるが、中心線に沿って水密の垂直障壁を形成する安全かつ廉価な方法には得るところがある。
【0004】
米国特許第5,890,840号明細書(これにより本明細書に参照により組み込まれる)に記載されているように、汚染現場で水平の窪地形状の障壁を作成する方法が、検討されている。水平傾斜掘り孔は、現場で掘削され、パイプの長さを伸びる複数の交差していないケーブルを有するパイプが、各孔の中に取り付けられる。現場の縁で、パイプおよびケーブルが孔から出るところでは、各隣接孔からの1つのケーブルが選択され、隣接孔からケーブルに結合される。現場の他方の側でこれらの2つのケーブルの自由端は、ブルドーザ、ウインチまたはケーブルを引っ張るための他の引張手段に取り付けられ、2つの孔の間の土を切り込ませる。たとえば、ケーブルの通過によって形成される刈り跡または経路などの切削部を充填するために、高密度流体グラウトが連続的に孔に供給される。交差させることになるケーブルが最初に孔の中から引っ張られるとき、パイプは、ケーブルを指向し、ケーブルの回転を防止する目的のために機能する。交差ケーブルは、切削工程を妨げることになる。
【0005】
この方法に関する問題は、パイプおよびケーブルを孔の中に引き込むときにケーブルを交差しないようにすることと、障壁が孔の元の経路に従わないようにするために、孔の壁に食い込むように湾曲した穿孔に沿って延伸するケーブルの傾向とを含む。孔の垂直曲率および隣接孔の間の経路を切削するために必要なケーブル張力は、隣接孔に向かって水平方向に向けられる前に、孔から短距離だけ上方向に切開するケーブルを結果として生じることになる。切削のこの垂直部分は、高密度流体グラウトの浮力によって拡大されることはなく、したがって、他の点では一様な底部障壁における著しい欠点となる。
【0006】
図1aおよび図1bは、薄い垂直地下油圧障壁を形成するための従来技術の工程を示している。図1aは、ジェットグラウティングによる薄いダイヤフラム隔壁または「パネル」の構成を示す。この方法において、セメントグラウトは、セメントグラウトおよび土の混合物を形成するために、パイプ7が地面を通って上向きに移動するとき、ジェットノズル1から噴出され、土に衝突する。図1bにおける壁の中心線の断面図において、ノズル1からジェット噴流2が、「X」形状のパターンに向けられ、開先角度3が壁の連続性を確保するのに役立つように選択される。パイプ7は通常、下向きに向けられるパイプ7の先端でより大きなジェットノズル4を用いて、所望の深さまで地面の中に押し下げられる。パイプ7が深さに達した後、ボール5が、より大きなジェット4を塞ぐように落下され、その結果、グラウトは、噴射された壁または障壁6を形成するより小さなジェット1から流れ出る。グラウトされたソイルセメントパネルの交差は、適切に整列されるパイプと、隣接パイプ間で土によって完全に切削されるのに適したジェット1の動きのパワーおよび速度に左右される。
【0007】
市販用途において、薄い垂直または水平地下障壁は、回転することなく、掘削パイプ7を持ち上げる間、対向する方向における流体セメントグラウトの流れを噴出する2つまたは4つの対向するオリフィス1、「ジェット」または「ノズル」を用いた掘削パイプ7を用いることによって構成されてもよい。パイプ7の各側に2つのジェット1を用いる場合には、ジェット1はそれぞれ、隣接掘削パイプの位置の方向のいずれかの側に対して数度、10°から45°向けられ、隣のパイプからの噴出と少なくとも1回交差する噴出の可能性を改善する。グラウトの各流れは、土によって垂直の平坦な経路を切削し、平坦な垂直パネルに硬化するセメント質のグラウトおよび土の混合物を残す。複数の隣接パネルは、地面において現場の油圧障壁の壁を形成するために重ねるように構成されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの障壁は、図1aおよび図1bの場合のように、4つのジェットで構成されるとき、「Xパネル壁」2と呼ばれることが多く、または2つのみのジェットで構成されるとき、「薄いダイヤフラム隔壁」と呼ばれることが多い。そのような壁は、結合された円形コラムから構成されるジェットグラウト式壁に比べて、形成するのにかかる時間および材料がはるかに少なくて済む。しかしながら、これらの薄壁は、ジェットの浸透を妨害する下地の中の岩、固い土または障害物による漏れを生じやすい傾向がある。隣接パネルもまた、不正確な掘削パイプの向きまたは掘削パイプによって形成される孔の間の間隙の変動のために、交差に失敗する可能性がある。ジェットが、予想されるほど土を通って浸透しないか、または隣接パネルを適切に向けられず失敗することが時々ある。これらの問題は一般に、深さが深くなるにつれて増大する。
【0009】
計画通りに形成した場合であっても、土およびセメントから構成されるこれらの薄壁は、複数の理由によりあまりうまく機能しないことが時々ある。ジェットグラウト式土グラウト混合物の浸透性は、比較的高い。したがって、薄壁は、相互に連結されたコラムから構成されるより厚い壁ほど、水の移動を妨げない。また、そのような薄壁は、土の移動および乾燥収縮のために亀裂が生じる可能性がある。従来のセメントまたはセメントおよびベントナイトのスラリは、ジェットを部分的に詰まらせる塊を有し、作業員の知識がなければ、壁に欠陥を生じる事が多い。
【0010】
他の設置問題も存在する。ジェッティングは一般に、地面からの途中で行われるに過ぎない。セメントスラリを用いたジェッティングは通常、掘削パイプから2フィートまで離れたパネルを形成するが、ジェットの周囲に空気の同心的なジェットを加えることにより、掘削パイプから7フィートまで浸透を増大させることができ、幅14フィートのパネルを形成することが可能になると同時に、大容量の土、水およびグラウトを地表面に戻すことができる。また、ジェットグラウト式コラムは、回転掘削パイプ上にジェットノズルを用いた溶融ワックスにより形成されてもよい。この工程に関する1つの問題は、ワックスがセメントグラウトよりはるかに高コストであり、したがって、ジェットグラウト式コラムを形成するために必要な比較的大容量の溶融ワックスを利用することは、原子力産業以外の幅広い用途では高価すぎることである。
【0011】
したがって、地下構造に障壁を形成するための経済的かつ効率的な方法および装置が、必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、閉じ込め、通常、固体廃棄物および液体廃棄物の閉じ込めの目的のための地下障壁を形成するための方法に関する。本明細書に記載される技術は、垂直障壁および水平障壁の両方に適用可能である。
【0013】
本発明の一態様によれば、地下構造に障壁を形成するための方法は、引張部材によって互いに2本のパイプを連結することと、パイプおよび引張部材を用いて、地下構造を通る連続経路を切開することと、グラウトを経路に提供することとを含むことが記載される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、地下構造に障壁を形成するための種々の装置は、可撓性引張部材と、少なくとも2本のパイプとを備え、パイプは、可撓性引張部材に連結され、パイプは、グラウトを地下構造に送出するように構成され、さらに装置は少なくとも1つの掘削装置を備え、掘削装置、パイプおよびケーブルが、地下構造を通る経路を切開するように構成されることが記載される。
【0015】
本発明の特徴および利点は、当業者には容易に明白となる。種々の変更は当業者によって行われてもよく、そのような変更は本発明の精神内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】Xパネル地下障壁を形成するために用いられる従来のジェットグラウティング装置の従来技術の図である。
【図1b】Xパネル地下障壁を形成するために用いられる従来のジェットグラウティング装置の従来技術の図である。
【図1c】本発明の一実施形態によるパネル地下障壁を形成するためのジェットグラウティング装置の図である。
【図1d】本発明の一実施形態によるパネル地下障壁を形成するためのジェットグラウティング装置の図である。
【図2a】本発明の一実施形態による地面に垂直にケーブルに連結された2本のパイプを駆動する簡素なトラックマウント式デュアルパイプ駆動装置の図である。
【図2b】本発明の一実施形態による地面に垂直にケーブルに連結された2本のパイプを駆動する簡素なトラックマウント式デュアルパイプ駆動装置の図である。
【図3】本発明の一実施形態による1つの対向するジェットと、ワイヤロープケーブルとを有する1対のジェッティングパイプの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による2つの対向するジェットと、ワイヤロープケーブルとを有する1対のジェッティングパイプの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態によるグラウトのジェットを覆うために、圧縮空気の同心的なジェットを提供する同心的なパイプを備える1対の係留式ジェッティングパイプの概略図である。
【図6a】本発明の一実施形態による溶接プレートで覆われるミリング加工された長手方向の溝に配置されるケーブルの概略図である。
【図6b】本発明の一実施形態による溶接プレートで覆われるミリング加工された長手方向の溝に配置されるケーブルの概略図である。
【図7a】本発明の一実施形態によるパイプに外部フランジに装着したケーブル端部の概略図である。
【図7b】本発明の一実施形態によるパイプに外部フランジに装着したケーブル端部の概略図である。
【図7c】本発明の一実施形態によるパイプに外部フランジに装着したケーブル端部の概略図である。
【図8a】本発明の一実施形態によるジェッティングパイプにミリング加工された長手方向の溝を通ってピンによって取り付けられるケーブル閉口スエージ端部の概略図である。
【図8b】本発明の一実施形態によるジェッティングパイプにミリング加工された長手方向の溝を通ってピンによって取り付けられるケーブル閉口スエージ端部の概略図である。
【図8c】本発明の一実施形態によるジェッティングパイプにミリング加工された長手方向の溝を通ってピンによって取り付けられるケーブル閉口スエージ端部の概略図である。
【図9】本発明の一実施形態による不浸透性材料の「V」字型トレンチを形成するために用いられるデュアル係留式ジェッティングパイプを備えるパイプ駆動装置の概略図である。
【図10】本発明の一実施形態による水平傾斜掘り孔にパイプを押し込む2つの掘削装置の概略図である。
【図11】本発明の一実施形態による両端部でアクセス可能な予備掘削孔を通ってパイプを押し込む2つの掘削装置の概略図である。
【図12】本発明の一実施形態によるコラム間の間隔が係留ケーブルによって制御されるジェットグラウト式コラムの概略図である。
【図13a】本発明の一実施形態による係留ケーブルが2つの隣接孔の間に取り付けられて延在することを可能にするパイプのセクション間に接続される工具の概略図である。
【図13b】本発明の一実施形態による係留ケーブルが2つの隣接孔の間に取り付けられて延在することを可能にするパイプのセクション間に接続される工具の概略図である。
【図13c】本発明の一実施形態による係留ケーブルが2つの隣接孔の間に取り付けられて延在することを可能にするパイプのセクション間に接続される工具の概略図である。
【図14a】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図14b】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図14c】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図14d】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図15】本発明の一実施形態による障壁厚さを監視する地形測量を備える構成の下の弓形状の障壁の概略図である。
【図16】本発明の一実施形態によるケーブルに連結されるパイプを備える2つの明確な掘削リグを用いて、その中心線に沿って取り付けられた不浸透性の垂直障壁を有する土塁および土手の壁の断面の概略図である。
【図17】本発明の一実施形態による所与のグラウト密度、土壌密度およびトレンチ充填レベルを達成した浮遊リフトを予測する方法を示す浮遊土ブロックを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、閉じ込め、通常、固体廃棄物および液体廃棄物の閉じ込めの目的のための地下障壁を形成するための方法に関する。本明細書に記載される技術は、垂直障壁および水平障壁の両方に適用可能である。
【0018】
一般に、本発明によれば、地下構造において経済的かつ効率的な障壁が、形成される。各傾斜掘り孔に1つのみのパイプを用いた作業を行い、傾斜掘り孔の長さにわたって延在する従来技術のケーブルを除去することが、本発明の種々の実施形態の特徴である。
【0019】
パイプ自体は、孔を通って引っ張られるか、または押し込まれ、ケーブルなどの引張部材が、2つの隣接するパイプ間で切開要素として取り付けられる。切開経路を構成する引張部材に対するパイプのより大きな表面積により、パイプが、湾曲した孔の壁を食い込まないようにして、切開経路が、孔の間の最短経路に沿って、孔の間に略水平にまっすぐ延在するようにする。
【0020】
地面に配置された長いパイプは、比較的可撓性であり、所期の位置から空間および回転の両方に対して移動される可能性がある。本発明の種々の実施形態によれば、この配向性を制御することは、引張部材と共にパイプを係留することによって達成される。引張部材は、パイプ上に位置決めされるジェットによって形成される切開経路の後を追い、ジェットを適切な配列に維持し、パイプが遠すぎる位置に移動しないようにする。引張部材はまた、切開経路を物理的に通過しなければならないため、切開経路の連続性を確保するのに役立つ。ケーブルはまた、孔から抜け出て二度、切開経路を通過する。そのとき、その通過によって形成される切開経路は、グラウトによって直ちに充填される。
【0021】
一般に、2本の隣接パイプに対する引張部材の取り付けは、隣接パイプにおけるジェットの回転配向を互いに向かって維持するための切開方法および技術としてみなされることができる。引張部材はまた、交差するジェット噴流に関して略平行なパイプを遠すぎる位置に移動しないようにする。用語「平行」および「略平行」は、本出願では、略同一方向に進むが、2つの隣接孔の間の間隔および孔内部のパイプの間の間隔が、その長さに沿って、著しく変化する可能性がある孔および孔内部のパイプを指すために区別なく用いられる。たとえば、公称20フィート離れている孔は、離れている距離が5フィートから40フィートに変化する可能があり、同一の一般的な方向に進むため、依然として、本出願では「略平行」または「平行」であると見なされる。水平傾斜掘り孔は一般に、まっすぐではなく、位置測定および方向調整が連続的に行われるとき、不安的な軌道に従う。また、窪地を形成するとき、隣接孔は、一部の領域では、他の領域より大きい間隔を必要とする場合がある。
【0022】
掘削装置ベース係留式デュアルジェッティングパイプ(図1cおよび図1d)
図1aおよび図1bによって示される従来技術の方法を用いて形成されるパネルの深さ範囲は、深さが深くなるにつれて、隣接パネルが交差することがより困難になることが確実であるため、限定される。本発明の種々の実施形態によれば、図1cおよび図1dに示されているように、ワイヤロープケーブルなどの引張部材を備える機械的係留によって第1のジェッティングパイプに取り付けられる第2のジェッティングパイプの使用によって、1枚のジェットグラウト式パネルが隣接パネルと交差することの検証は容易に行われることができる。少なくとも2本のジェッティングパイプが、同時に用いられる。2本のパイプ122は、ばね、剛性バー、チェーンまたはケーブルなどの引張部材124と連係される。望ましくは、引張部材が、ある程度可撓性である。好ましい引張部材124は、好ましくは鋼ワイヤロープから構成されるケーブルである。便宜上、引張部材124は、本明細書では「係留ケーブル」と呼ばれてもよい。しかしながら、この語の使用は、任意の具体的な構成の引張部材の使用に本発明を限定することを意図しているわけではない。
【0023】
望ましくは、引張部材124は、対向するオリフィス121(たとえば、グラウティングジェット)の真上の位置で、ジェッティングパイプ122に取り付けられてもよい。この引張部材124は、検査計として作用し、連続切開部が隣接ジェッティングパイプ122からのジェット噴流の間で確立されることの検証に役立つ。引張部材124はまた、2つの明確なジェッティングパイプ122において対向するオリフィス121からのジェット噴流が、互いに向けられ、その結果、交差することができることを確保するのに役立つ。
【0024】
経路に沿って土壌の中へのジェッティングパイプ122の複数の貫通により、可撓性であるが水圧的に不浸透性であるグラウトを用いた一連の相互連結地下パネルを形成する。パネルは、垂直孔から垂直配向で形成されてもよく、またはパイプに関する水平傾斜掘り技術を用いて少なくとも部分的に水平であってもよい。
【0025】
記載したように、パイプの適切な向きおよび孔間の間隙は、2本のパイプ122間でグラウティングジェット121の回転の向きおよび配列を実質的に固定して、交差するようにする装置によって同時に好ましくは駆動される2本のパイプ122を用いることによって、強化されてもよい。これは、パイプ122が長くなればなるほどますます困難になり、したがって、比較的可撓性である。
【0026】
開示したように、単一薄いダイヤフラム隔壁用のグラウティングジェット121の配向は、共に用いられる2本の隣接パイプ122の間に引張部材124を取り付けることによって制御される。引張部材124はまた、ある程度の機械的切開行為を提供し、2本のパイプ122の間の土に向けられる対向するグラウティングジェット121の間の経路切開の連続性を確保するのに役立つ。
【0027】
この実施形態の利点は、二重「X」パネル壁が必ずしも必要とされないほど十分な品質の単一薄いダイヤフラム隔壁を作製することによって必要とされる高コストのグラウト材料の分量を削減することである。また、引張部材124が、パイプの動きの速度が経路全体を切開するほど十分であることを確実に示すため、連続壁を確保するために必要なジェッティング時間が、削減される。
【0028】
パイプ速度は、ジェッティング時間を最小限に抑えるために、必要に応じて増減されてもよい。この二重パイプおよび連結引張部材による手法は、ワックスから構成される地下壁の場合にきわめて有利であり、ベントナイトおよびセメント、溶融タールまたはケイ酸ナトリウムから構成される従来のグラウト材料を用いて形成されるパネルの品質を向上することもできる。
【0029】
少なくとも1つ以上のジェットノズルを備える掘削パイプ122または他の管路が、適切な掘削装置126によって、所望の位置に対して駆動、掘削または他の方法で地面に押し込まれる。地面における孔はあるいは、予め掘削されてもよく、または下向きに面するジェットノズル123を用いて、パイプが打ち込まれてもよく、または油圧ハンマによって地面に押し込まれてもよい。
【0030】
好ましい実施形態において、少なくともパイプが地面に打ち込まれるときも、任意に抜き出す途中も、ジェッティングが行われることができる。溶融ワックスが、グラウトとして用いられるときには、タンク車または他のコンテナ127から送出されることができ、加熱器、高圧ポンプ、高圧で掘削パイプを押し込むホースを介して循環され、グラウティングジェット121が出す強力な噴射を結果として生じる。
【0031】
トラックマウント式パイプ掘削装置ベースの係留式デュアルジェッティングパイプ(図2aおよび図2b)
図2aおよび図2bにおいて、グラウト/土混合物によって充填される切開経路を形成するために、ジェットグラウト式パネルの複数の断面が、同時に2本のジェッティングパイプ9を土壌を通り抜けさせることによって、形成される。グラウトは、地面に途中で注入され、任意にさらに、地面から抜き出される途中にも注入される。複数のパネルは、中心線断面図2bにも示されているように、パイプ間を切開するジェット噴流の重なり8により結合される。各ジェッティングパイプ9は、少なくとも1つのジェットノズル(たとえば、グラウティングジェット)17を有し、パネルを切開するのに役立つが、2本のパイプ9に延在するケーブル10などの引張部材によって連結もされ、ジェットが十分に離れて切開しない場合であっても、パネルが連結されることを確保する。Xパターンが壁の連続性を確保するために必要ではないため、ケーブルはまたジェットの配列も維持する。
【0032】
前述のように、好ましいグラウト成分は、タンク車11で送出され、さらに、高圧ポンプ13に入る前に加熱器12によって加熱されることができる溶融ワックスである。油圧ハンマ14を有するトラックマウント式掘削装置は、ジェットがない場合であっても、ケーブル10が土を切り開くことができるほど十分な力で、パイプ9を地面に押し込むために用いられることができる。掘削装置は、図示されているように、両方のパイプ9を扱ってもよく、または2本の明確なユニットから構成されてもよい。両方のパイプ9が、新たな孔を形成するために用いられてもよく、または一方のパイプ9が予め形成された孔に挿入されることができ、他方のパイプ9が新たな孔を構成する。望ましくは、各パネル8が形成された後、第2のパイプ9が新たな孔を構成している間、一方のパイプ9が前の孔の1つに再度入るように、トラックマウント式装置は、移動される。このように、パネルの連続性は、次から次に渡すことで確保される。
【0033】
パイプ操作機器は好ましくは、土へのジェットの予想浸透距離に関して調整されることができる距離だけ離隔された一度に少なくとも2本の平行なジェッティングパイプを作動する。2本の明確な掘削ユニットはまた、以下に記載される図11の場合のように、作業を行うために用いられてもよく、または図2aおよび図2bに示されているように1つの結合ユニットが用いられてもよい。パイプ操作機器は、両方のパイプを同時に地面に押し込む。対向するグラウティングジェット17は、ジェットが依然として地面の上にある間に電源が投入されるときに、はねおよび人間への危険を低減するために、わずかに(2から15°)下向きに向けられてもよい。
【0034】
係留ケーブル10は望ましくは、他のジェッティングパイプに対向するグラウティングジェット17の上でジェッティングパイプ9に連結される。係留ケーブル10が土の抵抗に遭遇したときに、2本のジェッティングパイプ9の間に懸垂円弧を形成することができるようにするために、係留ケーブル10における十分な緩みが望ましくは、許容される。ジェットが、2本のジェッティングパイプ9の間の完全な経路を作成するのに失敗したとき、係留ケーブル10は、ジェッティングパイプ9の下向きの進行を停止するか、または障害物に機械的に食い込む。抵抗が検出される場合には、パイプ9はまた、障害物が除去されるまで、この領域で上下に往復運動されてもよい。ジェッティングパイプ9における下向きの力は、係留ケーブル10を介在している土に食い込み、経路を形成させる。ジェッティングパイプ9が、戻り行程でこの領域を通って引き返されるため、グラウティングジェット17のこの領域にアクセスし、切開部を広げ、グラウトで隣接する土をさらに処理することができる。
【0035】
地下構造における構造物の形成(図9、図10、図11、図14、図15および図16)
本発明の種々の実施形態によって形成される障壁は、完全に垂直である必要はなく、水平であってもよく、水平構成要素を有してもよく、または窪地のような形状であってもよい。たとえば、障壁は、「V」字形の谷の形態であってもよい。垂直側面および平坦な底面を有する谷もまた、水平底パネルを垂直側壁に連結することによって形成されてもよい。
【0036】
より簡素な垂直障壁技術が最初に記載され、次に、概念が水平障壁に適用される。前述のように、パイプは、予め掘削された孔に下向きに押し込まれてもよく、または機械的に土壌を通り抜けるときに、孔を形成してもよい。水平傾斜掘り孔は、水平障壁を可変幾何構成によって構成することを可能にするために採用されてもよい。略平行な孔の間の間隔は、著しく変化してもよいが、取り付けられる可撓性ケーブルは、望ましくは間隔における変動に対して調整されることができるループで引っ張っている。
【0037】
障壁は、共に結合される複数のパネルから構成される。障壁は、地面における複数の略平行な孔から作成される。2本の隣接孔中のパイプが、パイプ間に延在する係留式ケーブルに取り付けられる。パイプが孔を通って長手方向に移動するとき、パイプ間の係留式ケーブルは、ナイフのように、孔の間の土壌に食い込む。経路が各隣接する対の孔の間で切開されるため、障壁の各パネルを形成するために、障壁形成グラウトで充填される。次のパネルは、前の断面からの1つの孔と1つの新たな孔とを用いて形成される。パネルは、まっすぐな孔の間に薄くて平坦に形成されてもよく、または、窪地などのさらに複雑な幾何構成を形成するために結合される湾曲した孔の間の複雑なリボン形状であってもよい。種々の実施形態において、2つのパネルが、それらの間に間隙を有するように形成されることが可能であり、次に、第3のパネルが、前のパネルの最も近い孔のそれぞれに1つのパイプを用いて結合するように形成されることも可能である。
【0038】
図9は、対向するノズル43によって溶融ワックスまたは他のグラウトを噴射している間に、装置を地面に反復的に押し込んで引っ張り挙げることにより、不浸透性材料の「V」字形のトレンチを形成するために用いられるデュアル係留式ジェッティングパイプを備えるパイプ駆動装置を示す。パイプ操作システムは、トラックの荷台上に示されているが、クローラトラックの上に装着されることもでき、またはユニットが次から次へとさらに迅速に位置を変えることも可能であるように、横向きに装着されることもできる。
【0039】
図9において、トラックマウント式ハンマドリル装置40が、係留式ケーブル39に連結されるパイプ41を地面の中に下向きに打ち込まれる。トラックからグラウトを形成する障壁が、高圧ポンプ44によって加圧され、係留式ケーブル39に整列されたジェット43から排出されて、パイプ41間の連続切開経路を形成し、地面に地下障壁42を形成する複数の相互連結パネルを作成する。
【0040】
図10は、水平傾斜掘り孔において動作する2本のドリル装置を示す。そのような実施形態において、ベントサブ傾斜操舵法(bent sub−directional steering method)を操作することは、薄いダイヤフラム隔壁を構成するためのその一定の配向に係留を維持することと相いれないため、孔は好ましくは、予め掘削される。パイプ操作手段もまた、予め掘削された孔において動作するためには、パイプにおける最小の推力のみが必要とされるため、2本のコイルチューブユニットからなる可能性がある。図12に関して本明細書において後述するように、予め掘削された孔の使用は、ジェット無しで切開を行うためにケーブルのみに依存し、パイプがケーブルに関係なく回転することができるように、パイプに取り付けられたケーブルを有することによって、克服されてもよい。
【0041】
図10において、溶融ワックスグラウトは、インライン加熱器44によって加熱され、高圧で、所望の障壁の経路を描く計算された経路に沿ってまたは予め掘削された孔を通じてパイプを地面に押し込む油圧ハンマを備える1対のパイプ駆動ユニット45に送り込まれる。パイプは、土を切開して、パイプ間の土壌にグラウトで満たされた経路を形成するジェット46を備える先端を有する。ケーブル47は、ジェット配列を維持し、切開経路の連続性を確保する。地下経路の総開先角度は、例示のために誇張されている。
【0042】
障害物に遭遇する場合には、パイプは、ジェットを障害物に集中させるために、数フィートまで後退されることができる。きわめて長いパネルの場合には、パネルにおける溶融ワックスまたは他のグラウトは、パイプを後退することができる前に凝固してもよい。そのような場合には、パイプが地表面(図10の場合)から出るときに、係留式ケーブルは、パイプを後退する前に除去されてもよい。1つのパネルが完成するとすぐに、パイプは、ドリル装置まで後退されて、完成したばかりの孔に1本のパイプを再位置決めし、1本のパイプが未掘削土壌の中に再位置決めする。このような方法で、パネルからパネルへの連続性が確保される。一連のそのような相互連結パネルが、埋立地などの廃棄物廃棄場所の下の閉じ込め障壁として作用することが可能である窪地形状構造を含む種々の地下障壁を形成してもよい。
【0043】
図11は、両端でアクセス可能な予め掘削された孔を示す。障壁経路は、予め掘削された孔49を通ってパイプ50を後退することによって切開され、ジェットが、障壁を切開し、係留式ケーブル48を引きずり、障壁の連続性を確保する。ジェッティングノズルおよび係留式ケーブル48は、パイプが孔を通って後退される直前に、隣接掘削パイプに取り付けられてもよく、したがって、取り付けられた係留式ケーブル48を引きずる長いパイプを押し進める必要性を回避する。この場合には、係留式ケーブル48は、図4によって示された実施形態などのパイプの固体部分にジェットノズルをたなびかせるように取り付けられることになる。
【0044】
図11において、別の方法が示されており、傾斜掘り孔が独立に配置され、ジェッティングが、後退行程でのみ行われる。この方法において、係留式ケーブル48は望ましくは、ジェットの他方の側に位置決めされ、ジェットが掘削装置端部に向かって孔49の末端からの経路を切開することができるようになっている。係留式ケーブル48は望ましくは、ジェッティングパイプが末端において地表面に既に現れた後に限って、取り付けられる。図10の方法は、初期パネルが噴出された後、係留ケーブルまたはジェットが、後退行程で図11の方法を実行するために移動されることが可能である。この二重切開は、向上した品質を提供することを可能にする。種々の別の実施形態において、後退行程はまた、合成裏打ち材料のシートを切開部に引き込むために用いられることも可能である。そのような裏打ち材料は、複数の地点で係留式ケーブル48に取り付けられることが可能であり、さらなる引張を提供し、パイプ間の間隔が変化する場合であっても、裏打ちをわずかにしわ寄せすることを可能にする。
【0045】
図14dは、水平障壁が予め穿孔された水平傾斜掘り孔を用いて形成される実施形態を示す。この実施形態において、孔は、ケーブルのみを用いて切開され、ジェッティングは用いられない。孔は、グラウト、望ましくは、グラウトが切開部に流れ込み、表土を浮かせて、水平切開部が閉鎖されないように土より密度の高い高密度ベントナイトグラウトで充填される。孔は、グレード65より上まで盛り上げられる可能性がある埋立地または他の汚染場所の下に浅い円弧を形成する大部分はグラウトで充填されるトレンチ64を通過する地面に入る。図14aおよび図14bは、図14dおよび図14cによって示される実施形態の断面図を提供する。引張部材113に連結されたパイプ112は、パイプ操作装置110によって引っ張られ、汚染場所11の周囲に障壁を形成する。
【0046】
図14cは、パイプ操作装置66、切開ケーブル67、ケーブルサブ68およびグラウトの充填されたトレンチ69が明らかに分かることができるように一定の縮尺で描かれていない図を示す。パイプ部分は、除去されて積み重ねられてもよく(71)、他端では再利用のために配置されていてもよい(70)。
【0047】
図15は、パイプ操作機器が見えない図14a、図14b、図14cおよび図14dと同一の実施例の別の図を示す。傾斜掘り孔は、現場の下に予め設置されており、いずれかの端部でトレンチ74に高密度グラウトからの静水圧の力によって開放状態を維持する。パイプ72および73は、傾斜掘り孔の中にあり、いずれかの方向に引っ張られることができる。パイプ72および73が孔を通って後退されるときに、最前面のパネル部分75または「リボン」は、ケーブル76によって切開されている。切開部の上の地面の表面は、測量標識の格子77で覆われ、切開による高さの変化を監視するために、地形測量78によって測定されている。
【0048】
図16は、設置された不浸透性中心線障壁を有する土手または土塁を示す。特殊なデュアルパイプ掘削装置ではなく、2本の標準的な掘削装置79が示されている。2本のパイプは、パイプが土を通って下向きに推進されるときに、経路を切開するケーブル80に取り付けられる。溶融ワックスまたは他のグラウトが、ケーブルが取り付けられる付近のパイプから注入されてもよい。任意に、ケーブルは、ここに示されているように、土を切開する唯一の手段として用いられてもよい。これは、高圧ジェッティング機器を排除する。バライトを充填した溶融ワックスまたはヘマタイトを充填したセメント/ベントナイトグラウトなどの高密度障壁を形成するグラウトは、土手または土塁の頂上に沿って浅いトレンチ81によって切開部に重力によって送り込まれてもよい。
【0049】
ケーブルおよびパイプの実施形態(図3から図8および図13)
係留ケーブルは、任意の適切な方法でパイプに取り付けられてもよい。種々の取り付け方法の非限定的な実施例が、図3から図8および図13に示されている。図3において、ワイヤロープ15は、ジェッティングパイプの外径にある広い溝16の周囲に巻き付けられる。ワイヤロープ15は、溝16の周囲にきつく引っ張られ、ワイヤロープのストランドの両端が、適切な締め付けデバイス18と共に固定される。すなわち、ケーブルは、パイプの減少した直径部分の周囲に巻きつけて、ケーブルスウェッジクリップなど巻きつけのケーブル内側に端部を固定することによって、パイプに取り付けられる。これらは、ケーブルに形成して、2本のケーブルを共に固定するために、油圧プレスによって圧迫される軟質金属に過ぎない。パイプはそれぞれ、互いに向けられる1つの掘削孔ジェット17を有する。ジェットオリフィス17は、グラウトを放出するパイプに開けられた孔である。摩擦は、ケーブルとジェットとの間の配列を維持するのに役立つ。この実施形態は、他の実施形態以外の分野では組立がより困難である可能性があるが、薄壁パイプの場合には適している。
【0050】
図4は、ケーブルをよじることなく、上下に自由に回転するようになっているパイプにおけるミリング加工されたスロットにピンによって連結される閉鎖ワイヤロープソケット端部を有するケーブル20の別の取り付け法を示す。ケーブル取り付け点の上のジェット19は、パイプが土壌の中に下向きに打ち込まれるため、ケーブルによって形成される切開部に向けられる。各パイプは、少なくとも1つのジェットを有するが、ここに示されているように2つ以上のジェットを有することも可能であり、ジェットは、ケーブルが取り付けられる点の上または下に位置することが可能である。ジェット推力は、地面の中に打ち込むときにパイプが近づきすぎないようにするのに役立つ。パイプの先端はまた、ケーブルにおける摩擦によってパイプが共に引き込まれないようにするために、さらなる横方向の力を生成するために、オフセット形状21で設計されてもよい。
【0051】
図5は、溶融ワックス22のジェットを覆うために、圧縮空気23の同心的なジェットを提供する同心的なパイプを備える1対の係留式ジェッティングパイプの概略図である。より小さな中心のパイプが、高圧で溶融ワックスを送出するのに対して、より大きな環状領域は、空気圧縮機によって送出されるようなはるかに低い圧力で圧縮空気を提供する。
【0052】
図6aおよび図6bは、パイプの外側にある長手方向の溝に収まるケーブル25を取り付ける別の方法を示す。ケーブルは、ケーブルを保持する止めねじ27を収容する溶接金属ストリップをかぶせるなど種々の方法でパイプに固定されることができる。これにより、作業者は、ケーブルを挿入して、ねじを締め付けケーブルを装着することが可能となる。この方法は、パイプの流線形状の最小の外部変化でケーブルを固定するが、ケーブルを上下に枢動することができないため、あまり望ましくない可能性がある。交換可能なジェットノズル28は、2本のパイプの間で、経路を少なくとも部分的に切開するために、グラウトのジェットを放出し、パイプが下向きにケーブルが打ち込まれると、2本のパイプの間の切開部をケーブルが終わらせる。
【0053】
図7a、図7bおよび図7cにおいて、閉鎖ワイヤロープソケット端部29を有するケーブル31が、図7aの断面A−Aにおいてパイプ32の外側に溶接される開放フランジ30にピン34によって取り付けられるか、またはあるいは図7bの断面B−Bにおいて開放ワイヤロープソケットが、類似のピンによって1つのフランジに取り付けられる。交換可能なジェット33は好ましくは、ジェットが地表面の上にあるときには、はねを最小限に抑えるために、わずかに下向きに向けられる。図7a、図7bおよび図7cの取り付け方法は、取り付け部30または33に溶接によって放出用ジェッティングパイプに容易に加えられるという利点を有する。この接続金具は、ジェッティングパイプが進行方向を逆にするときに、ケーブルの屈曲を回避するために、ケーブル端部を上下に回転することを可能にするピン34によって取り付けられる。ジェットオリフィスは好ましくは、ケーブル係留と一致して回転方向に位置付けられ、その結果、隣接ジェッティングパイプに実質的に向けられ、ケーブル用の経路を切開する。ジェット33の不平衡な推力は、ジェッティングパイプが地面への挿入中に近づきすぎないようにする傾向があると同時に、係留ケーブル自体が物理的に2本のパイプ間の最大距離を制限する。対向する外寄りの側のさらなるジェットもまた、用いられてもよいが、より多くのグラウトを廃棄する傾向があるため、パイプが係留されるときにはあまり望ましくない。図7a、図7bおよび図7cは、2つの共通タイプのいずれかの標準的なケーブルの輪を用いるはるかに堅牢なケーブル取り付け方法を示す。望ましくは、タングステンカーバイドインサートを備える交換可能なジェットノズルを有し、垂直孔から引き抜かれるときに、近くにいる人にはねないようにするために、数度下向きに角度をなしている。しかしながら、固体でない溶融ワックスグラウトが用いられる場合には、鋼パイプにおける掘削孔は、サービスを提供するほど十分に長い耐久力があるオリフィスを提供し、依然としてジェットノズルまたは「ジェット」と呼ばれてもよい。
【0054】
図8aおよび図8bは、パイプにケーブルを取り付ける別の手段を示す。閉鎖ワイヤロープソケット端部37を有するケーブル36は、打ち込まれるピン38によってミリング加工されたスロット35の内部に固定される。これは、パイプが土の中を切開した後で、地表面まで持ち上げられるときに、ねじることなくケーブルを上下に旋回することを可能にする。この設計には、パイプの直径の外側に突出部がなく、パイプを打ち込む力を削減することを可能にする。図8aは、ジェットに目を向けたパイプの外観図を示す。
【0055】
土の抵抗は、孔の経路を所期の経路より互いに近づけるようにそらせる傾向がある可能性がある力を係留ケーブルに形成する。係留ケーブルの拘束もまた、パイプ間の間隔が広くなりすぎないようにする。パイプが共に近くに引き寄せられることは、上述したように、不平衡なジェット推力により、またはジェッティングパイプの先端のさらに上に係留ケーブルを配置することによって、最小限に抑えられる可能性があり、その結果、この力は、ジェッティングパイプ先端を所期の平行な経路から偏向させない。ジェットオリフィスは、係留ケーブルの上または下の任意の場所に位置付けられてもよいが、(実施形態に応じて)好ましくは係留ケーブルの上または下に可能な限り近い。水平傾斜掘り用途において、このことは、ジェットオリフィスが掘削装置から孔の中へわずかに遠いことを意味することになる。パイプの円錐の先端もまた、地面に打ち込まれるときに、互いに引き離しがちにするために、わずかに非対称に構成されてもよく、または中心からずれた先端を有してもよい。図4も参照のこと。ジェッティングパイプの望ましくない偏向もまた、土壌に傾斜掘り穿孔を予め掘削することによって防止されてもよい。予め掘削することは、ジェッティングパイプを移動している間の過度の摩擦を回避するために、水平傾斜掘り穿孔にとって最も有益である。
【0056】
図13a、図13bおよび図13cは、予め掘削された孔が用いられるときの水平障壁概念に関して用いられてもよいケーブル取り付けの実施形態を示す。これが、先端が欠けている理由である。パイプの任意の2本の接合部の間に設置されてもよい。これにより、ケーブルにパイプ間の土を切開させるために、パイプがいずれかの端部から引っ張られることまたは押し進めることを可能にする。この「ケーブルサブ」59は、取り付けられるパイプのように、両端部にねじ山63を有する。ケーブル60は、任意の適切な方法によって取り付けられるが、好ましくは、ケーブルをねじることなく引っ張りから押し進めに移行することができるように、ケーブルをパイプの長さに沿って、ピン62の周囲に上下に枢動させることを可能にする方法によって取り付けられる。ケーブルは、他のパイプの取り付けられる他のケーブルサブまで延在する。ケーブルのいずれかの側にあるポート61は任意に、土のジェット支援による切開のために高圧で、またはグラウトで切開部を充填するために低圧でグラウトを注入するために用いられてもよい。
【0057】
トレンチおよび孔の構造
孔は、地面にある簡単な開口部であり、ケーブルループが所定の位置に配置され、土を切開するために引っ張られることを可能にする。実施形態に応じて、地面にあるこれらの開口部は、掘削穿孔、水平傾斜掘り孔または打ち込まれるパイプによって機械的に造られた孔であってもよい。開口部は、予め掘削されてもよく、または所定の場所に形成されてもよい。これらの開口部は、ケーブルが土壌を通って引っ張られることができるように、パイプを所望の断面の縁に沿って配置することを可能にする。孔は、土壌を通って、水平であってもよく、垂直であってもよく、または湾曲していてもよい。
【0058】
水平の窪地形状の障壁は、現場の下の土壌の中に下向きに角度を成し、次に、現場の他方の側に戻る一連の傾斜掘り孔から形成されることができる。ケーブルまたはパイプであっても、土壌における湾曲経路を通って引っ張られるとき、その長さに対して垂直方向に土に力がかかる。この力の大きさは、曲線の総弧度と、動きに対する摩擦の関数となる。単位面積当たりのこの力が土、ケーブルまたはパイプの剪断強度を超える場合には、ケーブルは、土に食い込む。列におけるそのような孔または経路の多くを結合して、より小さなパネルまたは部分の多くから構成される大きな障壁を形成してもよい。
【0059】
また、一定の水平障壁の構成の場合には、孔を開放トレンチまたは裏込めトレンチと置き変えることが可能であることも想定される。ケーブルが2つのトレンチの間の土壌に食い込むように引っ張られることを可能にする幾何構成を形成するために、パイプは、2つの平行なトレンチにあってもよい。トレンチは、重いグラウトで充填されることが可能であり、ケーブルが引っ張られる場合には、重力が、グラウトを水平切開部に流れ込ませる。
【0060】
地面の下で水平方向に土壌を切開することが可能であるが、切開部の上の土の覆土圧が、切開部を近づけて、切開部に配置され得るグラウト材料を挟みつぶす傾向がある。土壌において切開部を掘削することによって形成される垂直障壁はまた、土から横方向の土圧によって近寄る可能性がある。これを回避するために、切開部の寸法および構造の特性は、構造にかかる圧力が切開部に沿った構造の機械的強度未満であるようにしなければならない。1つの手法は、崩壊しないほど十分に小さいか、または狭い切開部を構成し、隣接領域を切開する前に、硬化する材料で充填することである。採鉱作業は通常、岩の強度のほか、切開部を開放し続けるための機械的支持材の強度に左右され、これは、土では非実用的である。
【0061】
現場の下に円弧を描く一連の傾斜掘り孔から水平障壁を形成する際には、目的は、孔の間の経路を切開することであるが、切開部に関して孔の元の経路に従い、孔の間の切開部が構成されている地点以外では、孔の側面を切開しないことが望ましい。これは、掘削孔の場合には、比較的小さな総弧度を用い、パイプに対して垂直なその力が、土の剪断強度を決して超えないように、孔では比較的大きなパイプを延ばすことによって達成されてもよい。たとえば、掘削は、水平から15から20°で地面に入り、所定深さまで下降し、類似の角度で地表面まで戻ってもよい。孔の中にベントナイトベースのグラウトなどの高潤滑性の泥を有することは、パイプにおける摩擦をさらに削減し、したがって、パイプをまっすぐにし、孔の壁に食い込もうとする力を最小限にする。ケーブルは、パイプに比べて、直径が比較的小さい。比較的小さいケーブルは、比較的高い程度の摩擦を有し、土の中を切開するように、180°までの円弧を通過することができる。
【0062】
他方のジェッティングパイプが下向きに同時に移動中である間に、一方のジェッティングパイプの上方向の動きによって作成される任意の往復運動は、係留ケーブルをケーブルソーのように作用させ、経路における任意の障害物を機械的に摩耗させる。
【0063】
2本の隣接パイプに取り付けられるケーブルループは、ジェットによる支援がない状態で、ナイフのように土を切開するために用いられてもよい。工程は、ジェット支援型切開の上記の記述ときわめて類似であるが、土を通過するときに、ケーブルによって形成される切開部を充填するためだけに、圧力がほとんどないか、または全くない状態で、流体グラウトが適用されることができる点が異なる。流体グラウトはまた、パイプと同一の穿孔を通って地表面から適用されてもよい。
【0064】
好ましい一実施形態において、2本の垂直掘削ユニットが、並んで配置され、回転を制限する係留ケーブルがユニット間に取り付けられる。ドリル先端は、ケーブルおよび土を切開するその引きずりが共に維持される傾向がある間、パイプが地面に打ち付けられるか、または地面の中で加振されるときに、互いから離れる傾向があるように、好ましくは角度をなす。パイプが土壌に打ち付けられるとき、ケーブルは、グラウトによって静水圧的に充填されるパイプ間の経路を切開する。
【0065】
明快な例示のためであって、本発明をなんら限定するわけではないが、衝撃振動、または共鳴加振を利用する掘削装置は、「ソニックドリル」として知られており、正味40,000ポンドを超える押し下げ力を有し、40,000ポンド最小の破損強度を有する直径5/8”の高強度ケーブルを用いて3”から4”の直径のパイプを用いて、500psi最大強度の土を切開するために、10フィート間隔で用いられることになることが想定される。
【0066】
パイプ特性
用語「パイプ」は、パイプを所定の位置に打ち込むかまたは掘削することによって、孔が予め掘削されているか、または所定の場所に形成されているかどうかに関係なく、孔の中の細長い部材を指す。「パイプ」は、中空である必要はなく、金属または複合材料から構成される中実ロッド、Iビームまたは平坦なバーであってもよい。垂直用途では、パイプは、下向きに押し込まれるが、孔が反対側の端部で地表面に戻る水平用途では、パイプは、取り付けたケーブルを土に食い込ませるために、いずれかの端部から引っ張られてもよい。パイプの経路は、孔が予め掘削されているか、または所定の場所に形成されているかどうかに関係なく、または孔がまっすぐであるか、または傾斜掘り技術によって案内されるかどうかに関係なく、または孔が土壌を通って水平であるか、垂直であるかまたは湾曲しているかに関係なく、「孔」と呼ばれる。
【0067】
列におけるそのような孔または経路の多くを結合して、より小さな部分またはパネルの多くから構成される大きな障壁を形成してもよい。新しい各障壁部分は、一方のパイプが前の孔に入り、一方のパイプが新しい孔に入った状態で形成される。あるいは、2つの部分は、次にその間に間隙を有するように形成されることが可能であり、次に、第3の部分が、前の部分の最も近い孔のそれぞれに1つのパイプを用いて結合するように形成されることも可能である。
【0068】
ジェットグラウティングパイプまたは「ジェッティングパイプ」は本質的に、ドリルビットまたは振動または直接の押し込みによって、機械的に地面に打ち込まれる先端部のみを有するパイプである。パイプの回転は、必要ではない。したがって、回転掘削装置および高圧旋回台は、必要ではない。図2aに示されているように、1つ以上の油圧ハンマが、トラックまたは掘削機に装着されてもよい。あるいは、パイプが、従来の掘削技術を用いて、地面に掘削されてもよい。パイプの前進もまた、実質的にパイプの前進方向をさす流体のジェットによって支援されてもよい。パイプの前進もまた機械的または油圧ドリルビットによって改善されてもよい。
【0069】
ケーブル特性
引張部材(または係留ケーブル)の長さは、実験データまたは公称の動作圧力およびジェッティングパイプ直線速度で土における通常の浸透距離に関する実験に基づいている。係留ケーブルは好ましくは、土を機械的に切開するほど十分に強い鋼ワイヤロープケーブルであり、パイプ操作機器の後退パワーは好ましくは、この作用を容易にするほど十分に強い。
【0070】
ジェット浸透およびグラウトの用途(図12および図5)
図12は、相互連結されるジェットグラウト式コラムに係留ケーブルを適用する手段を示す。係留によって、2本のジェッティングパイプを共に取り付ける概念もまた、予め掘削された孔の湾曲水平経路に沿って、または回転掘削によって形成される孔の場合には、きわめて深く相互に連結される垂直コラム(複数可)を形成する際に有用である可能性がある。そのような実施形態において、係留ケーブルの取り付けにより、ジェッティングパイプの回転を可能にする。ジェッティングパイプは、ジェッティングパイプで自由に回転するが、パイプの長さに沿ってその位置に固締される回転カラーまたはリングを備える。
【0071】
図12において、ケーブルまたは他の引張部材56は、従来の回転ジェットグラウティングパイプ54を、ジェット式コラムの直径53より少なくともわずかに小さい心出しばね52を有する第2のパイプ51に取り付けるために用いられ、したがって、土/セメントまたは他のグラウト混合物で充填される前の孔を見つけ出すことを可能にする。ベアリング55および57は、シャフトにおける制限された垂直距離内で、上下に移動することを可能にするほか、ジェットグラウティングパイプがケーブルを包むことなく自在に回転することを可能にするように回転することができる。ケーブルは、パイプが遠くに離れすぎないようにするのを避け、ジェット58の噴出が前のジェットグラウト式コラム53までの完全な経路を切開することを確保する。ジェッティングは望ましくは、上への途中ではなく、下への途中で行われる。
【0072】
取り付けの1つの方法は、ジェッティングパイプの低減した直径の首部分の周囲に緩く適合する鋼カラーリングから構成される。封止ベアリングもまた、用いられることが可能である。パイプは、リングの内側で回転自在であり、ケーブルは、リングに取り付けられることになる。回転パイプにおけるジェットは、はるかに大きな直径のコラムを形成するため、取り付け手段およびカラー自体は任意に、パイプより直径が大きくてもよい。係留ケーブルは、パイプの1つのみが回転する場合であっても、両方のパイプのカラーに取り付けられる。係留ケーブルは、ワイヤロープケーブル、チェーン、ばねまたは剛性バー部材でさえあってもよい。上述したように、係留ケーブルは、パイプ間の離隔距離を制限し、連続壁を形成するために、パイプ間の土が妨害されずに、グラウトと混合される場合には、さらに下への移動も防止する。係留ケーブルは、可撓性ケーブルである必要はないが、2つの対向する垂直側面に沿って、平行に溶接されるチューブと共に垂直に向けられる剛性の矩形鋼プレートから構成されることも可能である。2本のジェッティングパイプは、自在な回転を可能にするために、十分なクリアランスを有する平行なチューブを通って、垂直に延在する。これは、扱いやすいという利点と、パイプが共に近づきすぎることを制限するという利点を有する。本明細書に記載される他の係留式パイプ概念と同様に、この方法は、係留ケーブルに関して地表面まで完全に延在するために、少なくとも狭い切開を必要とする。
【0073】
この係留式パイプの方法に関する別の変形において、予め掘削された孔に降下されるか、または地中に押し込まれるジェッティングパイプ54に対して係留されている間、高圧でグラウトを排出し、地面に下降するときに回転しながら、弓状ばねまたは単なる屈曲端部などの心出し手段52または縁案内手段を備えるパイロットパイプ51は、前に形成されたジェットグラウト式コラム53の中に降下される。少なくともジェッティングパイプが回転することを可能にする係留ケーブル56は、2本のパイプを連結する。ジェッティングパイプ55への連結により、ジェッティングパイプが自在に回転することを可能にすると同時に、ケーブル取り付け部がパイプの軸に沿って移動しないようにする。パイロットパイプ51は、流体を伝導することはできず、または回転もしないため、掘削装置からのウインチラインによって固化しないコラムの中に単に下降する重鋼バーと大差ない可能性がある。パイロットパイプ心出しばねは、ジェット式コラムのサイズより小さくてもよいため、形成されたコラムの最も近い側に下りる。
【0074】
図5によって示されているように、本発明の種々の実施形態によれば、ジェット噴流の土切開浸透距離は、当該技術分野は知られているように、2相ジェットグラウティングのジェットノズルの近くで、流体に空気を導入することによって増大されてもよい。10フィートを超える浸透距離は、従来のセメントグラウトを用いて達成されている。空気は、溶融ワックスノズル212の周囲を覆う同心的なノズル213から流れて、溶融ワックス22のジェットの周囲に空気の境界層23を形成し、土/ワックス混合物と溶融ワックスの摩擦を低減してもよい。より大きな浸透もまた、ジェットが土の面に達するために通過しなければならない土/ワックス混合物の混入された空気24により、少なくとも部分的に量の削減したことによる結果である。溶融ワックスグラウトを用いるときには、この空気は好ましくは、加熱空気またはエンジン排気であってもよい。ジェットノズルを出るとさらに急速にジェット噴流を分散させる流体の乱流を削減するために、ジェットの浸透もまた、ジェットノズルの直前またはジェットノズルを通って、溶融ワックスの流れをまっすぐにすることによって強化されてもよい。より大きな直径のジェットおよびより高い圧力もまた、浸透距離を増大する。適切な流体の実施例としては、所望の密度を達成するために、砂、ヘマタイトまたはバライト増量剤などを添加した遅延凝固セメント系グラウトまたは前水和ベントナイトスラリが挙げられる。
【0075】
ジェット浸透距離はまた、注入前に、水の沸点を超える温度まで溶融ワックスを加熱することによって、増大されてもよい。高温ワックスは次に、土の中の水を沸騰させて、ジェットの経路における土/ワックス混合物の密度を低下する流れを生じさせ、グラウト土混合物の密度の低下により、ジェットをさらに浸透させることを可能にする。ワックスのより高い温度もまた、ワックスが未掘削土壌に達することができる浸透距離を増大する。溶融ワックスにさらに熱を加えるために、瞬間加熱器システムが、溶融ワックスタンカと注入地点との間に位置決めされてもよい。タンク車から来るワックスは通常、200°F未満であることから、地面への熱伝導を最大限にするため、または土壌水分を沸騰させるために、送出温度とワックスの通常の500°Fの引火点との間の温度にワックスを加熱するために、瞬間加熱器が、用いられてもよい。
【0076】
浸透効果は、濡れているか、またはきわめて浸透性の低い土の構造においても生じると考えられる。この隣接土が機械的に未掘削であるため、パネルの内部より大きな密度の土粒子を有し、より強固にして、寸法的にもより安定にするべきである。未掘削土壌への浸透距離は、土に導入される総熱エネルギの増大から判断して増大されてもよい。総熱エネルギを増大する主要な方法は、より多くの溶融ワックスがパネルに導入され、したがって、たとえ、このことが過剰な溶融ワックスが廃棄物として地表面に戻らせる原因となる可能性があったとしても、より多くの熱を蓄積するため、垂直移動を減速することである。これを行う別の方法は、温水、高温空気または蒸気によって、土を前処理することである。温水を用いてジェッティング作業を行うことはまた、土を通る経路を予め切開し、溶融ワックスのジェットにとって、土に噴出することを容易にすると同時に、ワックスがさらに浸透するように土も温めることになる。
【0077】
土のような非剛性土壌材料は、土壌の垂直切開部を近づける傾向があるなんらかの横方向の力を受ける。しかしながら、土の切開部が、十分に高密度の流体グラウトまたは粘土スラリで充填される場合には、流体の静水圧が、横方向の土壌の圧力の平衡を保つことを助け、切開部が近づかないようにする。地表面におけるグラウトの加圧もまた、この必要な平衡を保つ力を供給するが、流体が漏れ経路を見つけて逃れる場合には、孔が崩壊する可能性があるため、あまり好ましくない。適切な流体の実施例としては、所望の密度を達成するために、砂、ヘマタイトまたはバライト増量剤などを添加した遅延凝固セメント系グラウトまたは前水和ベントナイトスラリが挙げられる。
【0078】
別の手法は、切開部の表面に浸透し、すべての空洞を充填し、その表面を不浸透性にする流体で、切開部を充填することである。切開部が閉鎖されている場合であっても、不浸透性の表面は、障壁を形成する。これは、テキサス州ヒューストンのCarter Technologies Co.によって製造されているWAXFIX(TM)125などの溶融熱浸透性ワックスグラウト、Avanti InternationalによるAV100(TM)などのポリアクリルアミドゲルグラウトまたは弱酸性または酸性のピロリン酸ナトリウムなどの適切な一般的時間遅延活性剤を有する一般的なナトリウムケイ酸ゲルグラウトなどの材料を用いて、行われてもよい。界面活性剤が、グラウトに存在してもよい。これらのうちで、溶融熱浸透性ワックスグラウトが、その浸透が土の元の浸透性だけではなく、主に熱損失によって制御されることから、土にさらに浸透し、さらに一様であるために、好ましい。
【0079】
利用される流体グラウトのタイプに関係なく、障壁を形成することができる前には、切開部は、閉鎖されていないため、切開部が形成されると直ちに、グラウトが切開部に送出されることが一般に望ましい。これを行うための1つの方法は、パイプに沿って切開部の領域から地表面に戻る流体グラウトの連続静水圧コラムを有することである。流体グラウトはまた、パイプ自体を通って運搬され、切開部の領域、好ましくはケーブルがパイプに取り付けられる場所にきわめて近い領域に放出されてもよい。流体が2000psiから10,000psiの十分な高圧下で運搬され、「ジェット」として知られている小さなオリフィスを通って放出される場合には、パイプ間の完全な経路の切開に役立つために、有用な切開エネルギを加えるために、流体グラウトもまた、利用されてもよい。流体グラウトを用いたジェット切開は、土およびグラウトの流体スラリ混合物で充填される「切開部」を生成する。一般に、土粒子の間の間質空間または空洞に実際に適合することができるより多くの流体グラウトが、切開を行うために利用されることから、過剰な土/グラウト混合物が、廃棄物として地表面に戻るように流される。溶融ワックスは、従来のグラウトより高価である。したがって、溶融ワックスグラウトを用いる場合には、この廃棄物は、好ましくは捕捉されて、再利用のために土を除去してワックスを再加熱することによって、再利用される。
【0080】
流体グラウトは、圧力下で送出されてもよく、または、十分な密度からなってもよく、その静水圧頭のみが、切開部を開放状態に保つために十分な力を提供する。切開部にグラウトを封止する必要がないため、水平障壁の場合には、密度に依存することが好ましい。垂直障壁の場合には、地面は一般に、ある程度横方向の強度を有するため、流体グラウトがこの力の一部を供給するのに必要であるに過ぎない。しかしながら、水平障壁の場合には、相対的な密度のみによって、表土を浮遊させるためには、グラウト密度は一般に、土材料より高密度でなければならない。地表の一部が周囲のグレードより盛り上がっている場合には、より高いグラウト密度が必要とされる可能性があることを留意されたい。含まれることになっている場所が凹部であるか、または水域を含む場合には、低減したグラウト密度で十分である可能性がある。流体グラウトはあるいは、切開部の側面に染み込み、切開部が閉鎖されている場合であっても土を不浸透性にする溶融ワックスなどの浸透性物質であってもよい。
【0081】
パイプ間に係留される取り付けケーブルを用いた隣接パネルの連続性の確実性を期すことに加えて、改善したグラウト材料が用いられてもよい。溶融ワックスグラウトは、さらに不浸透性であり、土壌の移動を許容することができ、ジェットによって実際には掘削されない隣接土の浸透性もまた削減することができる。溶融ワックスグラウトはまた、土の崩壊およびグラウトの挟みつぶしによって生じる障壁における欠陥を防止することもできる。
【0082】
一部の実施形態において、「切開部」または「経路」は、高圧ジェットによる液圧切開と組み合わせたケーブルの切開行為によって形成されてもよい。これらのジェットは、水による切開を行ってもよいが、好ましくは障壁も形成する流体グラウトによる切開である。
【0083】
ジェッティングパイプにおける圧力は好ましくは、2,000psiから50,000psiであるが、種々の用途では、より高くてもよく、またはより低くてもよい。セメントスラリに対してワックスの密度がより低いために、同一のエネルギ伝達を達成するためにはより高い圧力が必要とされる。溶融ワックスは、高い運動エネルギでジェットノズルから出て、その経路においてある程度の距離から土を分解して浸食する。掘削パイプが、回転することなく地中にまたは地面から移動するときには、ジェットノズルからの噴流は、掘削パイプから数フィート伸びる可能性がある掘削した土材料と共にワックスの壁のようなパネルを形成する。溶融ワックスは、このパネルに沿って、およびこのパネルに隣接して、土に浸透し、この経路における固体物体をカプセル化し、その結果、ワックスが染み込んだパネルの厚さは、ジェット噴流によって切開される経路より十分に厚い。ワックスは、冷却して凝固するまで、土に浸透する傾向がある。一般的なタンク車が、200°Fまでの溶融ワックスを送出することができ、任意の電気瞬間加熱器ユニットが300°Fから400°Fに流れを加熱することができ、熱の利用可能性を増大し、それにより、土へのワックスの浸透を増大させる。
【0084】
溶融ワックスグラウトの圧力頭は、横方向の地面圧力によるパネルの崩壊を防止し、凝固前に地下水がワックスの上向きに移動するのを防止するために、地表面で浅いトレンチの中に維持されてもよい。地下水面が地表面付近に達する領域では、溶融ワックスの静水圧頭がジェット式パネル全体にわたる地下水頭に少なくとも等しいことを確保するために、地表面は、充填土砂またはグレードの上に設置される地表面パイプで高くしてもよい。地表面パイプは、各孔の一番上に詰め込まれ、次に、封止としてパイプのベースにわたって冷たい土を配置した後で、溶融ワックスで満杯にしてもよい。
【0085】
あるいは、金属プレートまたは冷水を保持するパイプなどの冷却手段が、封止として、切開部の上数フィートを凝固するために用いられることが可能である。圧力が静水圧頭を維持するために用いられてもよく、切開部の圧力および表面封止を必要としないように、より大きな密度を与えるために、ワックスと混合されるバライト、ベントナイト、乾燥ポルトランドセメント、シリカヒュームまたはヘマタイトなどの1つ以上の増量剤を用いることも可能である。10ミクロンから0.05ミクロンの多様な粒子サイズを用いることも可能である。長鎖ポリマーなどの懸濁化剤もまた、ワックスに追加されてもよいが、これらは、ワックスの浸透品質に影響を及ぼす。
【0086】
種々の実施形態において、パネルのジェッティングは、地中への途中または地面からの途中または地中への途中または地面からの途中の両方で行われてもよい。ケーブルなどの取り付けられる可撓性引張部材を用いて、ジェッティングは、少なくとも地中への途中で行われなければならない。
【0087】
グラウト
溶融ワックスのジェットを用いた薄いダイヤフラム隔壁の障壁を形成することは、ジェットグラウティングの態様と浸透グラウティングの態様を組み合わせることが多く、さらに、機械的な切開も用いる。そのようなワックスの強固な壁は、さらに経済的にするために、結合されたコラムを構成するために必要な溶融ワックスの容量の一部のみを用いる。グラウトの浸透品質は、ワックス壁が包囲して、障害物をカプセル化することを可能にし、ジェット噴流を遮断する。本明細書において、用語「溶融ワックス」は、その融点を超えるまで加熱されるワックスを表し、水またはベントナイトスラリ中の固体ワックスの大気温度エマルジョンではないことを留意されたい。好ましい溶融ワックスは、周囲地面温度で、可鍛プラスチックの固体であり、亀裂を生じることなく、土壌の移動に対して変形することができるが、あらゆるタイプの土に対して浸透する能力も有する。ある実施形態において、含水土と混合し、水を移動することが可能な界面活性剤特性を有するように、ワックスを化学的に改質することが望ましい場合がある。好ましいワックスの浸透性は、セメントおよびベントナイト系グラウトより数桁低い。したがって、厚さ1から2インチの薄い障壁が、セメント質のジェットグラウト式コラムから構成される2から4フィートの厚い障壁の油圧性能と等しいか、または超える可能性がある。
【0088】
パラフィン、鉱油、αオレフィン、セレシン、オゾラケイト(地ろう)およびモンタン亜炭石炭由来のワックス、植物の葉のワックス、蜜ろう、ポリエチレン、ホットメルト接着剤または他のワックスまたはワックスのブレンドを含み、90°Fから220°Fの温度で固体から液体に変化する明確な相転移をし、200°Fで300センチポイズ未満の粘度を有する溶融ワックスが、望ましい。ワックスは、タールまたはアスファルトの場合と同様に、広い温度範囲にわたって徐々に軟化するのではなく、明確な融点によって特徴付けられる。好ましいワックスは、50°Fから70°Fの通常の地温で可鍛性であり、180°Fを超える温度で、低粘性の液体である。
【0089】
記載したように、溶融ワックスは、水を移動して含水土と混合するその能力を改善する界面活性剤特性を与えるように化学的に改質されてもよい。界面活性剤特性は、土に対する溶融ワックスの接触角および湿潤特性を変化させ、一般に湿気および含水土への溶融ワックスのウィッキング浸透を向上する。染料、印刷およびコーティングなどの当該技術分野で知られている溶融ワックスの界面活性剤特性を改質することができる化学添加物は多くある。土壌材料への溶融ワックスの浸透は、熱伝達、粘性および毛管作用ウィッキング特性によって左右される。化学グラウトとは異なり、溶融ワックスは、熱損失がその凝固温度まで冷却させるまで、土に浸透し続け、粘性になる。溶融ワックスは、ガソリンまたはディーゼル燃料などの軽質炭化水素液体に匹敵する粘性を有する。予熱された土において、溶融ワックスは、長時間土の中に浸透し続け、したがって、進むことができる距離がはるかに増大する。
【0090】
溶融ワックスはまた、そのコストを削減し、ワックスの密度を増大させるために、ベントナイト、細砂、ポルトランドセメントまたはヒュームドシリカなどの1つ以上の微粉化した充填剤材料とブレンドされてもよい。これを行う別の手段は、ジェッティングパイプが引き抜かれるとすぐに、パネルに予熱微粒子材料を流し込むことである。これは潜在的に、障壁パネルの下部まで落下する粒子が、切開部を機械的に開放状態に維持するのに役立つ垂直障壁において有用である。溶融ワックススラリのより高い密度は、柔らかい土が近寄ることを液圧によって防止し、溶融ワックスが地表面に戻る際に有用である場合がある。より高密度のワックスもまた、水が壁に浸入しないようにするために水飽和土において、有用である場合がある。
【0091】
本発明の種々の基本的な実施形態において、溶融ワックスは、所定の場所の土と混合し、土粒子を充填した連続相結合剤材料となる。セメントなどの微粒子を含むグラウトスラリは、きわめて特殊な耐摩耗性高圧ポンプを必要とする。固体を添加してない純粋な相の溶融ワックスを用いることは、50,000psiまでの高圧水供給のために設計されるそれほど高価ではない高圧ポンプの使用を可能にする。固体粒子を含まないことにより、摩耗を削減し、ジェットオリフィスの詰まりの防止にも役立つ。
【0092】
グラウトは、障壁材料を形成するために、必要な密度を得るために十分なヘマタイトを充填し、それを硬化する前水和ベントナイトスラリなどのエンジニアリング材料であってもよい。そのようなグラウトは、数ヶ月にわたって土に対する水が徐々に消失する可能性があり、時間の経過と共に、粘性および不浸透性が増すが、常にある程度の可塑性を保持する。グラウトに乾燥土であっても湿度を維持させるために、グラウトはまた、その蒸気圧を減少させ、水消失平衡点を変化させる添加剤によって改質されてもよい。
【0093】
また、この構成において、従来のセメントグラウトを用いたジェッティングは、ジェットノズルがセメント固体またはホースおよびポンプからのデブリで頻繁に詰まる傾向があるため、常に注意する必要がある。溶融ワックスは、真の液体であり、ジェッティングノズルに詰まる微粒子またはホースおよびポンプの封止パッキングにおける摩耗を生じる微粒子を含まない。このことは、信頼性を増大する可能性があり、研磨材粒子グラウトを扱わなくて済む廉価なポンプシステムまたはより高圧のポンプシステムの使用を可能にする。
【0094】
埋立地水平障壁用のグラウト
埋立地障壁用のグラウトは、複数の要因に基づいて選択されてもよい。特殊な高比重掘削泥水が、高濃度の前水和高級ワイオミング等級ベントナイトで構成され、実際に、浸透性のきわめて低い障壁グラウトである。その半液体状態において、グラウトは実際に、活性液圧勾配障壁を形成する。その流体は、その流体を障壁の上ならびに下の構造に押し付けようとする静水圧力を受けている。数ヶ月にわたって、泥水は、地面にある程度の湿気を与え、ピーナッツバターの稠度(consistency)に達するまで、さらに粘性が増すようになる。グラウトの浸透性はまた、この平衡化工程が進行するにつれて、著しく減少し、毎秒1×10−9センチメートルに容易に達することができる。
【0095】
埋立地が多くの塩素系溶剤を含む場合には、グラウトは、著しい量のゼロ価鉄で改質されることが可能である。これは、地下水改善のために現在用いられる浸透切開反応障壁と同様に、溶剤と反応し、脱塩素反応を生じる。しかしながら、この障壁の浸透性はきわめて低いため、鉄は使い尽くされるのではなく、数百年にわたって機能し続ける。
【0096】
底部障壁厚さの監視および計算
図17は、グラウト対土の相対密度、トレンチの充填高さおよび下部切開部の深さに基づき、特定の地点で、底部障壁厚さを計算する方法を記述している。地面に立つと、地形観察者は実際には、ブロックの水中の厚さ(TS)を見ることはできない。図17において、ブロックの厚さ(Tb)とブロックの水中部分の厚さ(TS)との間の差は、底部障壁厚さ(TBB)に「余裕高」(F)またはトレンチにおける地面の高さから流体までの深さに等しい。
底部障壁厚さ
TBB=[Tb−{(Db/Dg)×Tb}]−F
以下の参照符号は、図17によって示される寸法を指す。
100=Tb=土壌のブロックの垂直厚さ
101=TS=グラウトに沈められた土壌のブロックの部分の垂直厚さ
102=Dg=グラウトの密度
103=Db=土壌のブロックの密度
104=F=余裕高(トレンチにおけるグラウトの高さの上の元の地面までの高度)
105=TBB=底部障壁の厚さ
106=F+TBB=浮力による土ブロックの高度の増大分
107=TBB=底部障壁の厚さ
107および106が常に等しいことは留意されたい。
【0097】
任意の所与の地点における泥水層の厚さは、泥水と埋立地の土との間の密度の差にその地点における切開部の深さを乗じたものの関数である。したがって、泥水層は、最も必要な場所である埋立地の中央ではさらに厚く、HDD孔が地表面まで戻るように曲線を描く縁で各側に沿ってより薄くなっている。多くの埋立地はまた、中心領域で土を盛り上げている。グレードの土の上のこの余分な重量は、この領域における障壁の厚さを削減する。実施例において、土がグレードの上に10フィートまで盛り上げられ、立方フィート当たり105ポンドの嵩密度を有し、グラウトは立方フィート当たり131ポンドの密度を有すると仮定する。深さ60フィートの障壁の上の土壌の余分な10フィートは、評価する地点において70フィート厚の土ブロックを構成する。地表面の3フィート以内までトレンチを充填する場合には、この地点における障壁の厚さは、0.89フィートである。
底部障壁の厚さ=TBB=[70ft−{(105pcf/131pcf)×70ft}]−13dt=.89ft
【0098】
障壁が深さ20フィートしかない縁付近では、地表面はグレードの高さであり、
底部障壁の厚さ=TBB=[20ft−{(105pcf/131pcf)×20ft}]−3dt=0.96ft
【0099】
より多くのグラウトでトレンチを充填することによって、この底部障壁の厚さは、同一の高度まで増大する。工事前に、水平傾斜掘り孔の深さ輪郭を適切に設計するために、初期の地形測量に基づいて、上記の式は、多くの地点を解析するために、簡単な表計算プログラムで用いられてもよい。この設計ステップは、ユーザが、所望の一様な障壁の厚さを達成することを可能にする。
【0100】
現場の自然高度が、一方の側から他方の側に傾斜している場合には、高い側は、低い側を溢れさせることなく、地表面まで完全に充填されることはできない。埋立地が本質的に、グラウトで浮遊しているため、高い端部におけるこの余分な重量を補償することが必要である。これを行う1つの方法は、元のHDD孔の深さ、したがって土切開部を形成し、表面上昇およびグレードの任意のキャッピングを補償するために、高い側では著しく深くする。これは、土壌のブロックが高さを浮遊し、比較的一様な底部障壁の厚さを有するようにするのに役立つ。これはまた、上記の同一の式から計算されることもできる。あるいは、現場の一方の側から他方の側への高度の変化は、作業を開始する前に、一様な周囲の高度を実現するために、地表面を再整形することによって単に排除されてもよい。
【0101】
水平障壁におけるグラウト密度ではなく圧力の使用(さらなる実施形態)
既存の埋立地の下に水平障壁を構成することはまた、グラウトを加圧することによって、セメント/ベントナイトグラウトなどのより低密度のグラウトを用いて行われてもよい。この動機は、高密度グラウトが比較的高価であり、水を多く含むセメント/ベントナイトグラウトが比較的安価であることにある。障壁を形成するための工程は、液体障壁が地表面になんらかの封止手段がないと地表面まで戻るように延在することができない点を除き、本質的に同一である。
【0102】
傾斜掘り孔は、高密度グラウトによる方法の場合と全く同じように、底部障壁の輪郭を形成するために、現場の下に設置される。現場の同一の側に沿って掘削されるトレンチは、10から20フィートの深さで、傾斜掘り孔の経路と交差し、このトレンチからの分岐は、パイプに沿って外向きに延在する。取り付けられたケーブルによるショートサブは、パイプの端部に取り付けられ、少量の高密度流体グラウトと共に、トレンチの底部に置かれる。ゴムワイパまたは詰め物箱装置などの封止手段は、ショートサブの外側でパイプの周囲に設置される。この装置は、グラウトが地表面までパイプの外側に流れ出ないようにするための封止を提供する。トレンチは次に、翌日まで、少なくとも元の土の強度および浸透性まで硬化する土/セメント混合物で裏込めされる。現場の反対側で、出口孔には、セメントのケーシングおよび類似の環状封止手段が用意され、現場の外側における圧力を保持する。
【0103】
裏込めが硬化した後、パイプは、セメント/ベントナイトグラウトと共に加圧され、現場の下の土を通って、ケーブルループを引っ張るために孔の中を移動し、他端の地面から引き出される前に停止する。切開部が完成した後、地表面の地形測量が行われ、必要に応じて、土が再度起伏を付けられて、所望の障壁の厚さを生成する。グラウト圧力もまた、所望の障壁の厚さを得るために調整される。グラウト圧力は通常、深さ1フィート当たり、1ポンド/平方インチ未満である。パイプおよびケーブルは、少なくともグラウトが硬化するまで所定の位置に残される。
【0104】
開放トレンチを掘る必要性を回避するより簡素な技術もまた実行可能であってもよく、さらにコスト効果がある可能性がある。この別の方法において、パイプおよびケーブル取り付けサブは、高密度グラウト方法の場合と同様に配置される。しかしながら、パイプは、鉱油またはグリースなどの粘性の潤滑剤からなる厚い層でコーティングされる。孔は、少なくとも土と同程度の強度まで、一晩で硬化するセメント/ベントナイトグラウトで充填される。ケーブルは、短距離で地面から引っ張られ、グラウトは硬化可能である。翌日、ケーブルは、切開部を形成するために、現場の下に引っ張られるが、ケーブルが他方の側で地面の表面付近に達する前に停止される。ケーブルが引っ張られているため、セメント/ベントナイト障壁グラウトは、ケーブルが取り付けられる場所付近のオリフィスから出るパイプを通じて注入され、構成されている切開経路に流れ込む。パイプにおける粘性潤滑剤コーティングにより、パイプは移動することが可能であるが、グラウトの漏れに対して低圧の封止を提供する。グラウトは、切開部を解放状態で維持し、上の土の表土重量を支えるほど十分な圧力下で注入される。この加圧グラウトは、その圧力が深さと共に増大するため、高密度グラウトとは異なる揚力特性を有し、2倍の密度であるグラウトで1フィート当たりわずか2分の1である。圧力によって生成される揚力の部分は、深さに関係がないため、浅い切開部にわたる土は、より深い切開部にわたる土と同程度に持ち上げる。しかしながら、グラウト密度がそれ自体で土を浮遊させるのに不十分である場合であっても、揚力の少なくとも一部は、グラウトの浮力から生じる。したがって、設計者は、所望の一様な揚力特性を達成するために、グラウト密度および圧力の最良の組み合わせを選択してもよい。
【0105】
上記の方法で用いられることが可能である低コストのセメント/ベントナイトグラウトの実施例は、粘性を低減するために、セメントを少量添加した前水和ベントナイトスラリおよびリグノスルホン酸ナトリウムを添加したスラグセメントである。適切に調合されたスラリは、8から24時間の硬化時間を有し、毎秒1×10−7センチメートルの浸透性で50psiの圧縮強度まで硬化することができる。
【0106】
また、予め掘削された孔は、ベントナイトまたは他の標準的な掘削泥水タイプで掘削可能であり、直接押す方法によって形成されてもよく、または空気によって掘削された乾燥孔であってもよい。孔が掘削泥水で充填される場合には、この流体は、溶融ワックスによって孔から急速に排出される。溶融ワックスは、泥水と接触して冷却し、部分的に凝固し、孔から泥水を一掃するのに役立つために、境界で詰まりを形成する。
【0107】
その上、係留ケーブルは任意に、2本の隣接孔の間の経路を切開する一次的な手段として用いられることができる。ジェットノズルは、先導するのではなく、係留ケーブルの後に従って位置決めされることが可能である。グラウトは次に、所定の場所でポンプで送り込まれることも可能であり、係留ケーブルの通過によって形成される空洞を充填するために加えられることも可能である。溶融ワックスまたは他のグラウト材料は、パイプによって送り込まれるのではなく、各パイプの周囲の開放孔の中に送り込まれてもよい。横方向の土の圧力による経路の近づきを防止するために、十分な圧力頭がグラウトに加えられることが可能である。地表面のトレンチから高密度グラウトを加えられることは、加圧グラウトによって障壁を形成する際の複雑さを最小限に抑えるが、グラウトがより高コストであることは、場合によっては、この利点を上回る可能性がある。
【0108】
埋立地用途
本発明の方法は、6インチより大きい岩がほとんどない砂土の地質学的環境に位置している約400フィート×600フィートの仮説的既存の地方自治による埋立地の下に簡素な前水和ベントナイトグラウト障壁を構成するために適用されてもよい。寸法に関するすべての参照は一例であり、理解を明確にするために過ぎず、本発明または好ましい実施形態に対する限定を構成するわけではない。この実施形態の方法は、現場の下に、水平から15から18°の角度で、最大深さ60フィートまでの地面に入る一列の水平傾斜掘り(HDD)穿孔を準備することから始まり、次に、図11の場合と同様に、類似の15から18°の角度で出るように地表面に向かって湾曲する。穿孔は、図12の場合と同様に互いに略平行であるが、総円弧が約36°の埋立地の下に、浅い円弧で20から40フィート離れるように容易に変更することは可能である。孔は、現場の一方の側で浅い溝から始まる。孔は、直径8インチまで掘削され、高比重掘削泥水で安定化される。この泥水は、最終的な障壁を形成するグラウトでもある。泥水の比重は、公称では、土の平均密度を20%超える。掘削泥水は、一方の側でHDD孔に泥水を追加し、それを他方の側まで孔に流し込むことによって、孔を通って循環されてもよい。各孔が構成された後、直径4インチの鋼パイプが、各孔に残される。湾曲した孔を通ってチュービングを引っ張るときに、摩擦を最小限に抑えるために、パイプは、好ましくはその長さにわたって一様な外径である。HYDRIL(TM)外部平張り油井掘削パイプ、チュービングおよびケーシングが、ねじ接続のこの種の実施例であり、長さは約30フィートに達する。必要に応じて、孔の中にさらなるパイプを引っ張るために、パイプが用いられてもよく、切開部を構成するために、パイプに取り付けられるケーブルを有する。
【0109】
高強度ワイヤロープの懸垂線長さは、「ケーブルサブ」によって連結される。これは、図13aから図13cに類似の特殊な工具接合部である。このケーブルサブは、孔の外側の2本の隣接パイプのそれぞれに連結される。ケーブルサブは、一端にピンねじを有し、他端に箱ねじを有する30フィートのパイプに類似の短いパイプであり、任意に、ケーブル取り付け地点付近にグラウト送出オリフィスを有してもよい。連結点は、パイプの移動が逆転するときに、ワイヤロープが損傷することなく、パイプに対して長手方向に旋回することを可能にするように設計される。水平傾斜掘り装置のような静止ウインチまたはラックアンドピニオン駆動などの機械的装置は、ワイヤロープが2本のHDD孔の間の土に食い込むように、孔を通って2本のパイプを引っ張る。適切な掘削装置の実施例は、American Auger Companyによって製作されたDD−210である。この装置は、200,000ポンドを超える引張力または押す力を加えることができる。ケーブルが地面に食い込むため、重力は、高比重掘削泥水を切開部の中に流れ込ませ、経路を通ってケーブルを引っ張ることによって形成された経路を拡張するために、浮揚力を提供する。パイプの部分は、出口端部から連続的に除去され、入口端部に追加される。したがって、パイプは常に、切開が完了した後であっても、HDD孔の中に依然として存在する。この工程は次に、一方の側から同一のパイプを用い、隣接孔から次のパイプを用いて、次の隣接部分に関して反復される。パイプは、一度に1つ以上のパイプ部分を引っ張る。
【0110】
孔の中に4インチのパイプが、HDD孔の36°の円弧曲線に対して支持されるが、より大きな支持表面積および比較的小さな接触角により、土を切開するほど十分な力を有していない。掘削泥水の潤滑性もまた、孔の中にパイプが容易に摺動することに役立つ。しかしながら、ワイヤロープケーブルの懸垂線ループは、180°の接触角を有し、土に食い込むほど十分な張力を受ける。直径3/4”のワイヤロープケーブルにおける通常の引張力は、ケーブル最小破損強度の約15%から80%または約15,000から80,000ポンドの力である。ケーブルの経路における岩は、周囲の土の抵抗に対する岩の強度に応じて、破壊されるか、または押し出される。きわめて大きな岩と結合したきわめて硬い土は、より大きくてより強いケーブルおよびウインチを必要とする可能性がある。158,000ポンドの強度を有する直径1−1/4”ケーブルが、必要とされる場合もある。パイプ間の間隔もまた、調整されてもよい。使用中のケーブルが、破損した場合には、別のケーブルがパイプに設置され、再び引っ張られる。所望であれば、反対方向に引っ張ることもできる。パイプにおける交互の引張りは、障害物に鋸引き作用を生じる可能性がある。ケーブルによるスライスまたは鋸引きのみでは障害物を破壊できない場合には、パイプにおけるジェットが、障害物の地点まで引き出され、障害物を切開するように作動させることも可能である。土に食い込む際には、鋼ケーブルは、チーズを切開するチーズスライサワイヤのように機能するように理論化される。鋸引き作用とは異なり、廃棄物または切開部がスライスによって生じない。
【0111】
様々に結合された部分が切開された後、埋立地は、その下に重い泥水からなる底部障壁層を有する。これは、実際には、ゆっくり硬化するグラウトであり、2つの端部で地表面付近まで上昇するが、側部は依然として切開も封止もされていない。窪地を完成するために、段階的により浅い深さを有するさらなるHDD孔が、図12bの場合のように、地表面付近まで側部に延在するように設置される。障壁の水平部分の側がアクセス制約のために地表面まで戻るように延在しないことになっている場合には、さらなる垂直障壁または急峻な角度をなす障壁が設置されてもよい。これらの垂直側切開部は、最も外側の傾斜掘り孔における1本のパイプと、地表面でトレンチに配置される1本のパイプを用いた場合と本質的に同一の方法によって形成されてもよい。パイプの引張りは、次に、他の部分の場合と同様に、ケーブルを引っ張る。地表面に比較的近いことが必要であるパイプの場合には、トレンチは、別の傾斜掘り孔より経済的である。任意に、この最後の部分は、底部障壁グラウトが完全に硬化され、もはや流れることができなくなった後まで、待つことも可能である。
【0112】
高密度流体グラウトは、水平切開部を開放状態に保つだけでなく、所期の位置から表土を上向に浮遊させることによって拡張するために用いられてもよい。作業者は、切開中、初期の泥水層厚さを数インチにしようとする。高比重掘削泥水の層の厚さは、埋立地の地表面に予め設置されたマーカから地形測量を行うことによって、容易に測定される。高度が増大すると、同様の距離だけ泥水の層の厚さが増大する。土は、埋立地における高度の変化を可能な限り一様に達成するために、再度起伏を付けられる。水平切開部の上の埋立地の土は、高密度の泥水に浮遊していることを留意されたい。このステップが完了した後、溝における泥水の高さは、必要に応じて増大してもよく、泥水層の厚さを増大し、上げ潮ですべてのボートが等しく持ち上がるように、埋立地全体を上昇させる。大部分の場合には、厚さ数インチの重いベントナイトグラウトが、十分に長い期間の障壁を提供するが、場合によっては、高密度ポリエチレン押出成形(HDPE)などの合成裏打ち材料を用いて、この障壁を強化することが望ましい場合がある。高密度流体グラウトと依然として所定の場所にあるパイプの上に浮遊する埋立地の場合には、障壁の経路に裏打ち材料のストリップを延伸することが可能である必要がある。複数の隣接切開部が構成され、底部障壁グラウトが著しい厚さまで増大した後、裏打ちのシートは、複数の地点で懸垂線ケーブルループに連結されてもよい。ケーブルが曲げられるとき、パイプ間の間隔における変化を許容することができるようになっているように、裏打ちは、好ましくはその長さに沿ってわずかにしわが寄せられる。裏打ちストリップは、巻かれて、トレンチにわたって懸架されるか、またはトレンチに置かれる。連結されるケーブルループは、パイプに取り付けられ、現場の下で、流体グラウトを通って引っ張られる。裏打ちストリップは、好ましくは縁で重なるようにするために、ケーブルループの後のパイプ間隔より少し広い。グラウトは、これらの重なった縁の間に封止を形成する。所望であれば、裏打ち材料のより広いシートが、シートの100%の重なりを達成するために、すべての第2のパイプのみを用いる所定の位置に引っ張られてもよい。
【0113】
実験の摩擦試験
切開部の曲線の周囲を通過するケーブルの摩擦は、総接触角および摩擦係数に関して、指数関数的に増大する。摩擦因子は、土との接触角に摩擦係数を乗じたものの指数関数である。抵抗摩擦は、地面において水平に置かれるケーブルの重量に摩擦係数を乗じたものである。この抵抗摩擦は、摩擦因子を適用した後に残っている切開力から減算され、きわめて広い切開部の場合には、ゼロ以下まで減少させることができ、これは、ぴんと張ったケーブルをさす。
ポンド総摩擦=eλα+Wh×λ
式中、λは、摩擦係数であり、
αはラジアン単位の接触角であり、
Whは、地面の表面および水平切開部に置かれているケーブルの重量である。
【0114】
鋼ケーブルおよび土などの表面間の摩擦の複雑さのために、これらの式が試験されたことは歴史的には知られていない。羽根車用の鋼ケーブルに関する試験スレッドが、構築され、種々のウエイトで装着され、3つの異なる土のタイプを引っ張った。3つの異なるタイプのグラウトは、乾燥したものと、濡れているものの両方であった。記録された摩擦係数の値は、0.5から1.0の範囲であり、上記の式は、実地試験の結果を予測することが実証された。
【0115】
直径1インチの鋼ケーブルが、幅24フィートの弓形の溝に配置され、土の間をケーブルが摺動し、土を専断するためにも必要な力を測定するために、機器搭載ブルドーザで引っ張る別の実地実験が行われた。ブルドーザは、ワイヤレスで遠隔読み出しするディジタルロードセルを装備していた。両方のブルドーザが協働して引っ張る場合に、種々の接触角で、直接剪断応力または「食い込み」において摩擦損失も測定された。また、一方のブルドーザによって測定された抵抗を保持し、他方のブルドーザによって引っ張ることによって、土壌を通るケーブルの鋸引き直線運動を生成した。類似の湾曲したトレンチが、土より約20%密度の高いグラウトを作成するために十分なヘマタイトを備える水和ベントナイトから構成された高密度流体グラウトで充填された。ケーブルは、半径約12フィートの180°の円弧の周囲に、トレンチの底部に位置決めされた。ブルドーザが引っ張ると、ケーブルは土および盛り上げた土に食い込み、グラウトに浮遊させた。ケーブルが延び、破損するときに大きなエネルギを解放することから、地表面において長さの長いケーブルを引っ張ることは、危険である。したがって、本発明において、ケーブルの引張部分は、地面の下にあり、今度は地表面から引っ張ったり押したりするパイプに取り付けられる。
【0116】
ベントナイトグラウトにおける実地試験―土ブロックの浮遊
直径3/4”のワイヤロープケーブルの引張ループを用いて、50トンの土壌ブロックの下で切開部を構成する実地試験が行われた。側面に沿い、切開部の経路に連結されたトレンチは、切開部が構成される前に、高密度のベントナイトグラウトで充填された。ケーブルループが引っ張られると、土ブロックの下で、土壌に食い込み、すべての側において土壌を自在に切開した。グラウトは、土ブロックの下でケーブルに即座に従った。土ブロックは次に、周囲の土より約4インチ高い高密度流体グラウトで浮遊された。トレンチを完全に充填するために、グラウトがさらに18インチ追加され、土ブロックの頂上は、18インチ高くなった。ブロックのより深い側がブロックのより浅い側より高く浮遊され、したがって、以下の浮力の公式が確認されたことに留意した。グラウトおよび浮遊ブロックは次に、覆われて、硬化するために放置された。6ヵ月後、障壁におけるグラウトは、湿潤粘土の稠度となり、掘削され、サンプルが収集された。ベントナイトグラウト材料は、6ヵ月後、1×10−9cm/秒の浸透性に達した。
【0117】
したがって、本発明は、記載された目的および利点のほか、本発明に固有である目的および利点を得るためによく適合している。上記で開示された特定の実施形態は、例示に過ぎず、本発明が異なるが等価な方法に修正されて実行される場合には、本発明の教示の利点を有することは当業者には明白である。さらに、以下の請求項に記載したもの以外は、本明細書において示された構成または設計の詳細に対する制限は、意図していない。したがって、上記で開示された具体的な例示の実施形態は、変更または修正されてもよく、そのような変形のすべてが本発明の範囲および精神に包含されると見なされることは明白である。下限および上限を有する数値範囲が開示されている限り、その範囲内に収まる任意の数字が、具体的に開示される。さらに、不定冠詞「a」または「an」は、請求項で用いるとき、導入される要素の1つまたは2つ以上を意味するために、本明細書において定義される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じ込め、通常、固体廃棄物および液体廃棄物の閉じ込めの目的のための地下障壁を形成するための方法に関する。本明細書に記載される技術は、垂直障壁および水平障壁の両方に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
地下障壁は一般に、汚染防止、土木工事または地下水管理のために、地下水の移動を制限するために用いられる。垂直障壁は、スラリトレンチング、シートパイル、ジェットグラウティング、圧力注入およびその他の多くの方法によって一般に行われている。方法は、深さ機能、水圧特性および閉じ込め工程にさらされることができる土壌のタイプで異なる。
【0003】
障壁が必要とされる領域にわたって、最初に土を除去することなく、垂直障壁を構成する方法は多くあるが、水平障壁を構成する手段はほとんど実績がない。表土を除去することは、費用がかかるか、または危険である可能性があるため、現場における水平障壁の構成が、望ましい可能性がある。ごみ、地方自治体の廃棄物および採鉱廃棄物材料を含む多くの埋立地は、裏打ちが全くない状態で開発されており、底部障壁の構成によって改善されることができる地下水へ潜在的な脅威を表す。土塁および土手は多くあるが、小さな漏れのために決壊する危険性があり、柔軟であるが、中心線に沿って水密の垂直障壁を形成する安全かつ廉価な方法には得るところがある。
【0004】
米国特許第5,890,840号明細書(これにより本明細書に参照により組み込まれる)に記載されているように、汚染現場で水平の窪地形状の障壁を作成する方法が、検討されている。水平傾斜掘り孔は、現場で掘削され、パイプの長さを伸びる複数の交差していないケーブルを有するパイプが、各孔の中に取り付けられる。現場の縁で、パイプおよびケーブルが孔から出るところでは、各隣接孔からの1つのケーブルが選択され、隣接孔からケーブルに結合される。現場の他方の側でこれらの2つのケーブルの自由端は、ブルドーザ、ウインチまたはケーブルを引っ張るための他の引張手段に取り付けられ、2つの孔の間の土を切り込ませる。たとえば、ケーブルの通過によって形成される刈り跡または経路などの切削部を充填するために、高密度流体グラウトが連続的に孔に供給される。交差させることになるケーブルが最初に孔の中から引っ張られるとき、パイプは、ケーブルを指向し、ケーブルの回転を防止する目的のために機能する。交差ケーブルは、切削工程を妨げることになる。
【0005】
この方法に関する問題は、パイプおよびケーブルを孔の中に引き込むときにケーブルを交差しないようにすることと、障壁が孔の元の経路に従わないようにするために、孔の壁に食い込むように湾曲した穿孔に沿って延伸するケーブルの傾向とを含む。孔の垂直曲率および隣接孔の間の経路を切削するために必要なケーブル張力は、隣接孔に向かって水平方向に向けられる前に、孔から短距離だけ上方向に切開するケーブルを結果として生じることになる。切削のこの垂直部分は、高密度流体グラウトの浮力によって拡大されることはなく、したがって、他の点では一様な底部障壁における著しい欠点となる。
【0006】
図1aおよび図1bは、薄い垂直地下油圧障壁を形成するための従来技術の工程を示している。図1aは、ジェットグラウティングによる薄いダイヤフラム隔壁または「パネル」の構成を示す。この方法において、セメントグラウトは、セメントグラウトおよび土の混合物を形成するために、パイプ7が地面を通って上向きに移動するとき、ジェットノズル1から噴出され、土に衝突する。図1bにおける壁の中心線の断面図において、ノズル1からジェット噴流2が、「X」形状のパターンに向けられ、開先角度3が壁の連続性を確保するのに役立つように選択される。パイプ7は通常、下向きに向けられるパイプ7の先端でより大きなジェットノズル4を用いて、所望の深さまで地面の中に押し下げられる。パイプ7が深さに達した後、ボール5が、より大きなジェット4を塞ぐように落下され、その結果、グラウトは、噴射された壁または障壁6を形成するより小さなジェット1から流れ出る。グラウトされたソイルセメントパネルの交差は、適切に整列されるパイプと、隣接パイプ間で土によって完全に切削されるのに適したジェット1の動きのパワーおよび速度に左右される。
【0007】
市販用途において、薄い垂直または水平地下障壁は、回転することなく、掘削パイプ7を持ち上げる間、対向する方向における流体セメントグラウトの流れを噴出する2つまたは4つの対向するオリフィス1、「ジェット」または「ノズル」を用いた掘削パイプ7を用いることによって構成されてもよい。パイプ7の各側に2つのジェット1を用いる場合には、ジェット1はそれぞれ、隣接掘削パイプの位置の方向のいずれかの側に対して数度、10°から45°向けられ、隣のパイプからの噴出と少なくとも1回交差する噴出の可能性を改善する。グラウトの各流れは、土によって垂直の平坦な経路を切削し、平坦な垂直パネルに硬化するセメント質のグラウトおよび土の混合物を残す。複数の隣接パネルは、地面において現場の油圧障壁の壁を形成するために重ねるように構成されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの障壁は、図1aおよび図1bの場合のように、4つのジェットで構成されるとき、「Xパネル壁」2と呼ばれることが多く、または2つのみのジェットで構成されるとき、「薄いダイヤフラム隔壁」と呼ばれることが多い。そのような壁は、結合された円形コラムから構成されるジェットグラウト式壁に比べて、形成するのにかかる時間および材料がはるかに少なくて済む。しかしながら、これらの薄壁は、ジェットの浸透を妨害する下地の中の岩、固い土または障害物による漏れを生じやすい傾向がある。隣接パネルもまた、不正確な掘削パイプの向きまたは掘削パイプによって形成される孔の間の間隙の変動のために、交差に失敗する可能性がある。ジェットが、予想されるほど土を通って浸透しないか、または隣接パネルを適切に向けられず失敗することが時々ある。これらの問題は一般に、深さが深くなるにつれて増大する。
【0009】
計画通りに形成した場合であっても、土およびセメントから構成されるこれらの薄壁は、複数の理由によりあまりうまく機能しないことが時々ある。ジェットグラウト式土グラウト混合物の浸透性は、比較的高い。したがって、薄壁は、相互に連結されたコラムから構成されるより厚い壁ほど、水の移動を妨げない。また、そのような薄壁は、土の移動および乾燥収縮のために亀裂が生じる可能性がある。従来のセメントまたはセメントおよびベントナイトのスラリは、ジェットを部分的に詰まらせる塊を有し、作業員の知識がなければ、壁に欠陥を生じる事が多い。
【0010】
他の設置問題も存在する。ジェッティングは一般に、地面からの途中で行われるに過ぎない。セメントスラリを用いたジェッティングは通常、掘削パイプから2フィートまで離れたパネルを形成するが、ジェットの周囲に空気の同心的なジェットを加えることにより、掘削パイプから7フィートまで浸透を増大させることができ、幅14フィートのパネルを形成することが可能になると同時に、大容量の土、水およびグラウトを地表面に戻すことができる。また、ジェットグラウト式コラムは、回転掘削パイプ上にジェットノズルを用いた溶融ワックスにより形成されてもよい。この工程に関する1つの問題は、ワックスがセメントグラウトよりはるかに高コストであり、したがって、ジェットグラウト式コラムを形成するために必要な比較的大容量の溶融ワックスを利用することは、原子力産業以外の幅広い用途では高価すぎることである。
【0011】
したがって、地下構造に障壁を形成するための経済的かつ効率的な方法および装置が、必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、閉じ込め、通常、固体廃棄物および液体廃棄物の閉じ込めの目的のための地下障壁を形成するための方法に関する。本明細書に記載される技術は、垂直障壁および水平障壁の両方に適用可能である。
【0013】
本発明の一態様によれば、地下構造に障壁を形成するための方法は、引張部材によって互いに2本のパイプを連結することと、パイプおよび引張部材を用いて、地下構造を通る連続経路を切開することと、グラウトを経路に提供することとを含むことが記載される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、地下構造に障壁を形成するための種々の装置は、可撓性引張部材と、少なくとも2本のパイプとを備え、パイプは、可撓性引張部材に連結され、パイプは、グラウトを地下構造に送出するように構成され、さらに装置は少なくとも1つの掘削装置を備え、掘削装置、パイプおよびケーブルが、地下構造を通る経路を切開するように構成されることが記載される。
【0015】
本発明の特徴および利点は、当業者には容易に明白となる。種々の変更は当業者によって行われてもよく、そのような変更は本発明の精神内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】Xパネル地下障壁を形成するために用いられる従来のジェットグラウティング装置の従来技術の図である。
【図1b】Xパネル地下障壁を形成するために用いられる従来のジェットグラウティング装置の従来技術の図である。
【図1c】本発明の一実施形態によるパネル地下障壁を形成するためのジェットグラウティング装置の図である。
【図1d】本発明の一実施形態によるパネル地下障壁を形成するためのジェットグラウティング装置の図である。
【図2a】本発明の一実施形態による地面に垂直にケーブルに連結された2本のパイプを駆動する簡素なトラックマウント式デュアルパイプ駆動装置の図である。
【図2b】本発明の一実施形態による地面に垂直にケーブルに連結された2本のパイプを駆動する簡素なトラックマウント式デュアルパイプ駆動装置の図である。
【図3】本発明の一実施形態による1つの対向するジェットと、ワイヤロープケーブルとを有する1対のジェッティングパイプの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による2つの対向するジェットと、ワイヤロープケーブルとを有する1対のジェッティングパイプの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態によるグラウトのジェットを覆うために、圧縮空気の同心的なジェットを提供する同心的なパイプを備える1対の係留式ジェッティングパイプの概略図である。
【図6a】本発明の一実施形態による溶接プレートで覆われるミリング加工された長手方向の溝に配置されるケーブルの概略図である。
【図6b】本発明の一実施形態による溶接プレートで覆われるミリング加工された長手方向の溝に配置されるケーブルの概略図である。
【図7a】本発明の一実施形態によるパイプに外部フランジに装着したケーブル端部の概略図である。
【図7b】本発明の一実施形態によるパイプに外部フランジに装着したケーブル端部の概略図である。
【図7c】本発明の一実施形態によるパイプに外部フランジに装着したケーブル端部の概略図である。
【図8a】本発明の一実施形態によるジェッティングパイプにミリング加工された長手方向の溝を通ってピンによって取り付けられるケーブル閉口スエージ端部の概略図である。
【図8b】本発明の一実施形態によるジェッティングパイプにミリング加工された長手方向の溝を通ってピンによって取り付けられるケーブル閉口スエージ端部の概略図である。
【図8c】本発明の一実施形態によるジェッティングパイプにミリング加工された長手方向の溝を通ってピンによって取り付けられるケーブル閉口スエージ端部の概略図である。
【図9】本発明の一実施形態による不浸透性材料の「V」字型トレンチを形成するために用いられるデュアル係留式ジェッティングパイプを備えるパイプ駆動装置の概略図である。
【図10】本発明の一実施形態による水平傾斜掘り孔にパイプを押し込む2つの掘削装置の概略図である。
【図11】本発明の一実施形態による両端部でアクセス可能な予備掘削孔を通ってパイプを押し込む2つの掘削装置の概略図である。
【図12】本発明の一実施形態によるコラム間の間隔が係留ケーブルによって制御されるジェットグラウト式コラムの概略図である。
【図13a】本発明の一実施形態による係留ケーブルが2つの隣接孔の間に取り付けられて延在することを可能にするパイプのセクション間に接続される工具の概略図である。
【図13b】本発明の一実施形態による係留ケーブルが2つの隣接孔の間に取り付けられて延在することを可能にするパイプのセクション間に接続される工具の概略図である。
【図13c】本発明の一実施形態による係留ケーブルが2つの隣接孔の間に取り付けられて延在することを可能にするパイプのセクション間に接続される工具の概略図である。
【図14a】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図14b】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図14c】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図14d】本発明の一実施形態による埋立地または他の汚染現場の下に構成される複数部分からなる水平窪地障壁の概略図を提供する。
【図15】本発明の一実施形態による障壁厚さを監視する地形測量を備える構成の下の弓形状の障壁の概略図である。
【図16】本発明の一実施形態によるケーブルに連結されるパイプを備える2つの明確な掘削リグを用いて、その中心線に沿って取り付けられた不浸透性の垂直障壁を有する土塁および土手の壁の断面の概略図である。
【図17】本発明の一実施形態による所与のグラウト密度、土壌密度およびトレンチ充填レベルを達成した浮遊リフトを予測する方法を示す浮遊土ブロックを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、閉じ込め、通常、固体廃棄物および液体廃棄物の閉じ込めの目的のための地下障壁を形成するための方法に関する。本明細書に記載される技術は、垂直障壁および水平障壁の両方に適用可能である。
【0018】
一般に、本発明によれば、地下構造において経済的かつ効率的な障壁が、形成される。各傾斜掘り孔に1つのみのパイプを用いた作業を行い、傾斜掘り孔の長さにわたって延在する従来技術のケーブルを除去することが、本発明の種々の実施形態の特徴である。
【0019】
パイプ自体は、孔を通って引っ張られるか、または押し込まれ、ケーブルなどの引張部材が、2つの隣接するパイプ間で切開要素として取り付けられる。切開経路を構成する引張部材に対するパイプのより大きな表面積により、パイプが、湾曲した孔の壁を食い込まないようにして、切開経路が、孔の間の最短経路に沿って、孔の間に略水平にまっすぐ延在するようにする。
【0020】
地面に配置された長いパイプは、比較的可撓性であり、所期の位置から空間および回転の両方に対して移動される可能性がある。本発明の種々の実施形態によれば、この配向性を制御することは、引張部材と共にパイプを係留することによって達成される。引張部材は、パイプ上に位置決めされるジェットによって形成される切開経路の後を追い、ジェットを適切な配列に維持し、パイプが遠すぎる位置に移動しないようにする。引張部材はまた、切開経路を物理的に通過しなければならないため、切開経路の連続性を確保するのに役立つ。ケーブルはまた、孔から抜け出て二度、切開経路を通過する。そのとき、その通過によって形成される切開経路は、グラウトによって直ちに充填される。
【0021】
一般に、2本の隣接パイプに対する引張部材の取り付けは、隣接パイプにおけるジェットの回転配向を互いに向かって維持するための切開方法および技術としてみなされることができる。引張部材はまた、交差するジェット噴流に関して略平行なパイプを遠すぎる位置に移動しないようにする。用語「平行」および「略平行」は、本出願では、略同一方向に進むが、2つの隣接孔の間の間隔および孔内部のパイプの間の間隔が、その長さに沿って、著しく変化する可能性がある孔および孔内部のパイプを指すために区別なく用いられる。たとえば、公称20フィート離れている孔は、離れている距離が5フィートから40フィートに変化する可能があり、同一の一般的な方向に進むため、依然として、本出願では「略平行」または「平行」であると見なされる。水平傾斜掘り孔は一般に、まっすぐではなく、位置測定および方向調整が連続的に行われるとき、不安的な軌道に従う。また、窪地を形成するとき、隣接孔は、一部の領域では、他の領域より大きい間隔を必要とする場合がある。
【0022】
掘削装置ベース係留式デュアルジェッティングパイプ(図1cおよび図1d)
図1aおよび図1bによって示される従来技術の方法を用いて形成されるパネルの深さ範囲は、深さが深くなるにつれて、隣接パネルが交差することがより困難になることが確実であるため、限定される。本発明の種々の実施形態によれば、図1cおよび図1dに示されているように、ワイヤロープケーブルなどの引張部材を備える機械的係留によって第1のジェッティングパイプに取り付けられる第2のジェッティングパイプの使用によって、1枚のジェットグラウト式パネルが隣接パネルと交差することの検証は容易に行われることができる。少なくとも2本のジェッティングパイプが、同時に用いられる。2本のパイプ122は、ばね、剛性バー、チェーンまたはケーブルなどの引張部材124と連係される。望ましくは、引張部材が、ある程度可撓性である。好ましい引張部材124は、好ましくは鋼ワイヤロープから構成されるケーブルである。便宜上、引張部材124は、本明細書では「係留ケーブル」と呼ばれてもよい。しかしながら、この語の使用は、任意の具体的な構成の引張部材の使用に本発明を限定することを意図しているわけではない。
【0023】
望ましくは、引張部材124は、対向するオリフィス121(たとえば、グラウティングジェット)の真上の位置で、ジェッティングパイプ122に取り付けられてもよい。この引張部材124は、検査計として作用し、連続切開部が隣接ジェッティングパイプ122からのジェット噴流の間で確立されることの検証に役立つ。引張部材124はまた、2つの明確なジェッティングパイプ122において対向するオリフィス121からのジェット噴流が、互いに向けられ、その結果、交差することができることを確保するのに役立つ。
【0024】
経路に沿って土壌の中へのジェッティングパイプ122の複数の貫通により、可撓性であるが水圧的に不浸透性であるグラウトを用いた一連の相互連結地下パネルを形成する。パネルは、垂直孔から垂直配向で形成されてもよく、またはパイプに関する水平傾斜掘り技術を用いて少なくとも部分的に水平であってもよい。
【0025】
記載したように、パイプの適切な向きおよび孔間の間隙は、2本のパイプ122間でグラウティングジェット121の回転の向きおよび配列を実質的に固定して、交差するようにする装置によって同時に好ましくは駆動される2本のパイプ122を用いることによって、強化されてもよい。これは、パイプ122が長くなればなるほどますます困難になり、したがって、比較的可撓性である。
【0026】
開示したように、単一薄いダイヤフラム隔壁用のグラウティングジェット121の配向は、共に用いられる2本の隣接パイプ122の間に引張部材124を取り付けることによって制御される。引張部材124はまた、ある程度の機械的切開行為を提供し、2本のパイプ122の間の土に向けられる対向するグラウティングジェット121の間の経路切開の連続性を確保するのに役立つ。
【0027】
この実施形態の利点は、二重「X」パネル壁が必ずしも必要とされないほど十分な品質の単一薄いダイヤフラム隔壁を作製することによって必要とされる高コストのグラウト材料の分量を削減することである。また、引張部材124が、パイプの動きの速度が経路全体を切開するほど十分であることを確実に示すため、連続壁を確保するために必要なジェッティング時間が、削減される。
【0028】
パイプ速度は、ジェッティング時間を最小限に抑えるために、必要に応じて増減されてもよい。この二重パイプおよび連結引張部材による手法は、ワックスから構成される地下壁の場合にきわめて有利であり、ベントナイトおよびセメント、溶融タールまたはケイ酸ナトリウムから構成される従来のグラウト材料を用いて形成されるパネルの品質を向上することもできる。
【0029】
少なくとも1つ以上のジェットノズルを備える掘削パイプ122または他の管路が、適切な掘削装置126によって、所望の位置に対して駆動、掘削または他の方法で地面に押し込まれる。地面における孔はあるいは、予め掘削されてもよく、または下向きに面するジェットノズル123を用いて、パイプが打ち込まれてもよく、または油圧ハンマによって地面に押し込まれてもよい。
【0030】
好ましい実施形態において、少なくともパイプが地面に打ち込まれるときも、任意に抜き出す途中も、ジェッティングが行われることができる。溶融ワックスが、グラウトとして用いられるときには、タンク車または他のコンテナ127から送出されることができ、加熱器、高圧ポンプ、高圧で掘削パイプを押し込むホースを介して循環され、グラウティングジェット121が出す強力な噴射を結果として生じる。
【0031】
トラックマウント式パイプ掘削装置ベースの係留式デュアルジェッティングパイプ(図2aおよび図2b)
図2aおよび図2bにおいて、グラウト/土混合物によって充填される切開経路を形成するために、ジェットグラウト式パネルの複数の断面が、同時に2本のジェッティングパイプ9を土壌を通り抜けさせることによって、形成される。グラウトは、地面に途中で注入され、任意にさらに、地面から抜き出される途中にも注入される。複数のパネルは、中心線断面図2bにも示されているように、パイプ間を切開するジェット噴流の重なり8により結合される。各ジェッティングパイプ9は、少なくとも1つのジェットノズル(たとえば、グラウティングジェット)17を有し、パネルを切開するのに役立つが、2本のパイプ9に延在するケーブル10などの引張部材によって連結もされ、ジェットが十分に離れて切開しない場合であっても、パネルが連結されることを確保する。Xパターンが壁の連続性を確保するために必要ではないため、ケーブルはまたジェットの配列も維持する。
【0032】
前述のように、好ましいグラウト成分は、タンク車11で送出され、さらに、高圧ポンプ13に入る前に加熱器12によって加熱されることができる溶融ワックスである。油圧ハンマ14を有するトラックマウント式掘削装置は、ジェットがない場合であっても、ケーブル10が土を切り開くことができるほど十分な力で、パイプ9を地面に押し込むために用いられることができる。掘削装置は、図示されているように、両方のパイプ9を扱ってもよく、または2本の明確なユニットから構成されてもよい。両方のパイプ9が、新たな孔を形成するために用いられてもよく、または一方のパイプ9が予め形成された孔に挿入されることができ、他方のパイプ9が新たな孔を構成する。望ましくは、各パネル8が形成された後、第2のパイプ9が新たな孔を構成している間、一方のパイプ9が前の孔の1つに再度入るように、トラックマウント式装置は、移動される。このように、パネルの連続性は、次から次に渡すことで確保される。
【0033】
パイプ操作機器は好ましくは、土へのジェットの予想浸透距離に関して調整されることができる距離だけ離隔された一度に少なくとも2本の平行なジェッティングパイプを作動する。2本の明確な掘削ユニットはまた、以下に記載される図11の場合のように、作業を行うために用いられてもよく、または図2aおよび図2bに示されているように1つの結合ユニットが用いられてもよい。パイプ操作機器は、両方のパイプを同時に地面に押し込む。対向するグラウティングジェット17は、ジェットが依然として地面の上にある間に電源が投入されるときに、はねおよび人間への危険を低減するために、わずかに(2から15°)下向きに向けられてもよい。
【0034】
係留ケーブル10は望ましくは、他のジェッティングパイプに対向するグラウティングジェット17の上でジェッティングパイプ9に連結される。係留ケーブル10が土の抵抗に遭遇したときに、2本のジェッティングパイプ9の間に懸垂円弧を形成することができるようにするために、係留ケーブル10における十分な緩みが望ましくは、許容される。ジェットが、2本のジェッティングパイプ9の間の完全な経路を作成するのに失敗したとき、係留ケーブル10は、ジェッティングパイプ9の下向きの進行を停止するか、または障害物に機械的に食い込む。抵抗が検出される場合には、パイプ9はまた、障害物が除去されるまで、この領域で上下に往復運動されてもよい。ジェッティングパイプ9における下向きの力は、係留ケーブル10を介在している土に食い込み、経路を形成させる。ジェッティングパイプ9が、戻り行程でこの領域を通って引き返されるため、グラウティングジェット17のこの領域にアクセスし、切開部を広げ、グラウトで隣接する土をさらに処理することができる。
【0035】
地下構造における構造物の形成(図9、図10、図11、図14、図15および図16)
本発明の種々の実施形態によって形成される障壁は、完全に垂直である必要はなく、水平であってもよく、水平構成要素を有してもよく、または窪地のような形状であってもよい。たとえば、障壁は、「V」字形の谷の形態であってもよい。垂直側面および平坦な底面を有する谷もまた、水平底パネルを垂直側壁に連結することによって形成されてもよい。
【0036】
より簡素な垂直障壁技術が最初に記載され、次に、概念が水平障壁に適用される。前述のように、パイプは、予め掘削された孔に下向きに押し込まれてもよく、または機械的に土壌を通り抜けるときに、孔を形成してもよい。水平傾斜掘り孔は、水平障壁を可変幾何構成によって構成することを可能にするために採用されてもよい。略平行な孔の間の間隔は、著しく変化してもよいが、取り付けられる可撓性ケーブルは、望ましくは間隔における変動に対して調整されることができるループで引っ張っている。
【0037】
障壁は、共に結合される複数のパネルから構成される。障壁は、地面における複数の略平行な孔から作成される。2本の隣接孔中のパイプが、パイプ間に延在する係留式ケーブルに取り付けられる。パイプが孔を通って長手方向に移動するとき、パイプ間の係留式ケーブルは、ナイフのように、孔の間の土壌に食い込む。経路が各隣接する対の孔の間で切開されるため、障壁の各パネルを形成するために、障壁形成グラウトで充填される。次のパネルは、前の断面からの1つの孔と1つの新たな孔とを用いて形成される。パネルは、まっすぐな孔の間に薄くて平坦に形成されてもよく、または、窪地などのさらに複雑な幾何構成を形成するために結合される湾曲した孔の間の複雑なリボン形状であってもよい。種々の実施形態において、2つのパネルが、それらの間に間隙を有するように形成されることが可能であり、次に、第3のパネルが、前のパネルの最も近い孔のそれぞれに1つのパイプを用いて結合するように形成されることも可能である。
【0038】
図9は、対向するノズル43によって溶融ワックスまたは他のグラウトを噴射している間に、装置を地面に反復的に押し込んで引っ張り挙げることにより、不浸透性材料の「V」字形のトレンチを形成するために用いられるデュアル係留式ジェッティングパイプを備えるパイプ駆動装置を示す。パイプ操作システムは、トラックの荷台上に示されているが、クローラトラックの上に装着されることもでき、またはユニットが次から次へとさらに迅速に位置を変えることも可能であるように、横向きに装着されることもできる。
【0039】
図9において、トラックマウント式ハンマドリル装置40が、係留式ケーブル39に連結されるパイプ41を地面の中に下向きに打ち込まれる。トラックからグラウトを形成する障壁が、高圧ポンプ44によって加圧され、係留式ケーブル39に整列されたジェット43から排出されて、パイプ41間の連続切開経路を形成し、地面に地下障壁42を形成する複数の相互連結パネルを作成する。
【0040】
図10は、水平傾斜掘り孔において動作する2本のドリル装置を示す。そのような実施形態において、ベントサブ傾斜操舵法(bent sub−directional steering method)を操作することは、薄いダイヤフラム隔壁を構成するためのその一定の配向に係留を維持することと相いれないため、孔は好ましくは、予め掘削される。パイプ操作手段もまた、予め掘削された孔において動作するためには、パイプにおける最小の推力のみが必要とされるため、2本のコイルチューブユニットからなる可能性がある。図12に関して本明細書において後述するように、予め掘削された孔の使用は、ジェット無しで切開を行うためにケーブルのみに依存し、パイプがケーブルに関係なく回転することができるように、パイプに取り付けられたケーブルを有することによって、克服されてもよい。
【0041】
図10において、溶融ワックスグラウトは、インライン加熱器44によって加熱され、高圧で、所望の障壁の経路を描く計算された経路に沿ってまたは予め掘削された孔を通じてパイプを地面に押し込む油圧ハンマを備える1対のパイプ駆動ユニット45に送り込まれる。パイプは、土を切開して、パイプ間の土壌にグラウトで満たされた経路を形成するジェット46を備える先端を有する。ケーブル47は、ジェット配列を維持し、切開経路の連続性を確保する。地下経路の総開先角度は、例示のために誇張されている。
【0042】
障害物に遭遇する場合には、パイプは、ジェットを障害物に集中させるために、数フィートまで後退されることができる。きわめて長いパネルの場合には、パネルにおける溶融ワックスまたは他のグラウトは、パイプを後退することができる前に凝固してもよい。そのような場合には、パイプが地表面(図10の場合)から出るときに、係留式ケーブルは、パイプを後退する前に除去されてもよい。1つのパネルが完成するとすぐに、パイプは、ドリル装置まで後退されて、完成したばかりの孔に1本のパイプを再位置決めし、1本のパイプが未掘削土壌の中に再位置決めする。このような方法で、パネルからパネルへの連続性が確保される。一連のそのような相互連結パネルが、埋立地などの廃棄物廃棄場所の下の閉じ込め障壁として作用することが可能である窪地形状構造を含む種々の地下障壁を形成してもよい。
【0043】
図11は、両端でアクセス可能な予め掘削された孔を示す。障壁経路は、予め掘削された孔49を通ってパイプ50を後退することによって切開され、ジェットが、障壁を切開し、係留式ケーブル48を引きずり、障壁の連続性を確保する。ジェッティングノズルおよび係留式ケーブル48は、パイプが孔を通って後退される直前に、隣接掘削パイプに取り付けられてもよく、したがって、取り付けられた係留式ケーブル48を引きずる長いパイプを押し進める必要性を回避する。この場合には、係留式ケーブル48は、図4によって示された実施形態などのパイプの固体部分にジェットノズルをたなびかせるように取り付けられることになる。
【0044】
図11において、別の方法が示されており、傾斜掘り孔が独立に配置され、ジェッティングが、後退行程でのみ行われる。この方法において、係留式ケーブル48は望ましくは、ジェットの他方の側に位置決めされ、ジェットが掘削装置端部に向かって孔49の末端からの経路を切開することができるようになっている。係留式ケーブル48は望ましくは、ジェッティングパイプが末端において地表面に既に現れた後に限って、取り付けられる。図10の方法は、初期パネルが噴出された後、係留ケーブルまたはジェットが、後退行程で図11の方法を実行するために移動されることが可能である。この二重切開は、向上した品質を提供することを可能にする。種々の別の実施形態において、後退行程はまた、合成裏打ち材料のシートを切開部に引き込むために用いられることも可能である。そのような裏打ち材料は、複数の地点で係留式ケーブル48に取り付けられることが可能であり、さらなる引張を提供し、パイプ間の間隔が変化する場合であっても、裏打ちをわずかにしわ寄せすることを可能にする。
【0045】
図14dは、水平障壁が予め穿孔された水平傾斜掘り孔を用いて形成される実施形態を示す。この実施形態において、孔は、ケーブルのみを用いて切開され、ジェッティングは用いられない。孔は、グラウト、望ましくは、グラウトが切開部に流れ込み、表土を浮かせて、水平切開部が閉鎖されないように土より密度の高い高密度ベントナイトグラウトで充填される。孔は、グレード65より上まで盛り上げられる可能性がある埋立地または他の汚染場所の下に浅い円弧を形成する大部分はグラウトで充填されるトレンチ64を通過する地面に入る。図14aおよび図14bは、図14dおよび図14cによって示される実施形態の断面図を提供する。引張部材113に連結されたパイプ112は、パイプ操作装置110によって引っ張られ、汚染場所11の周囲に障壁を形成する。
【0046】
図14cは、パイプ操作装置66、切開ケーブル67、ケーブルサブ68およびグラウトの充填されたトレンチ69が明らかに分かることができるように一定の縮尺で描かれていない図を示す。パイプ部分は、除去されて積み重ねられてもよく(71)、他端では再利用のために配置されていてもよい(70)。
【0047】
図15は、パイプ操作機器が見えない図14a、図14b、図14cおよび図14dと同一の実施例の別の図を示す。傾斜掘り孔は、現場の下に予め設置されており、いずれかの端部でトレンチ74に高密度グラウトからの静水圧の力によって開放状態を維持する。パイプ72および73は、傾斜掘り孔の中にあり、いずれかの方向に引っ張られることができる。パイプ72および73が孔を通って後退されるときに、最前面のパネル部分75または「リボン」は、ケーブル76によって切開されている。切開部の上の地面の表面は、測量標識の格子77で覆われ、切開による高さの変化を監視するために、地形測量78によって測定されている。
【0048】
図16は、設置された不浸透性中心線障壁を有する土手または土塁を示す。特殊なデュアルパイプ掘削装置ではなく、2本の標準的な掘削装置79が示されている。2本のパイプは、パイプが土を通って下向きに推進されるときに、経路を切開するケーブル80に取り付けられる。溶融ワックスまたは他のグラウトが、ケーブルが取り付けられる付近のパイプから注入されてもよい。任意に、ケーブルは、ここに示されているように、土を切開する唯一の手段として用いられてもよい。これは、高圧ジェッティング機器を排除する。バライトを充填した溶融ワックスまたはヘマタイトを充填したセメント/ベントナイトグラウトなどの高密度障壁を形成するグラウトは、土手または土塁の頂上に沿って浅いトレンチ81によって切開部に重力によって送り込まれてもよい。
【0049】
ケーブルおよびパイプの実施形態(図3から図8および図13)
係留ケーブルは、任意の適切な方法でパイプに取り付けられてもよい。種々の取り付け方法の非限定的な実施例が、図3から図8および図13に示されている。図3において、ワイヤロープ15は、ジェッティングパイプの外径にある広い溝16の周囲に巻き付けられる。ワイヤロープ15は、溝16の周囲にきつく引っ張られ、ワイヤロープのストランドの両端が、適切な締め付けデバイス18と共に固定される。すなわち、ケーブルは、パイプの減少した直径部分の周囲に巻きつけて、ケーブルスウェッジクリップなど巻きつけのケーブル内側に端部を固定することによって、パイプに取り付けられる。これらは、ケーブルに形成して、2本のケーブルを共に固定するために、油圧プレスによって圧迫される軟質金属に過ぎない。パイプはそれぞれ、互いに向けられる1つの掘削孔ジェット17を有する。ジェットオリフィス17は、グラウトを放出するパイプに開けられた孔である。摩擦は、ケーブルとジェットとの間の配列を維持するのに役立つ。この実施形態は、他の実施形態以外の分野では組立がより困難である可能性があるが、薄壁パイプの場合には適している。
【0050】
図4は、ケーブルをよじることなく、上下に自由に回転するようになっているパイプにおけるミリング加工されたスロットにピンによって連結される閉鎖ワイヤロープソケット端部を有するケーブル20の別の取り付け法を示す。ケーブル取り付け点の上のジェット19は、パイプが土壌の中に下向きに打ち込まれるため、ケーブルによって形成される切開部に向けられる。各パイプは、少なくとも1つのジェットを有するが、ここに示されているように2つ以上のジェットを有することも可能であり、ジェットは、ケーブルが取り付けられる点の上または下に位置することが可能である。ジェット推力は、地面の中に打ち込むときにパイプが近づきすぎないようにするのに役立つ。パイプの先端はまた、ケーブルにおける摩擦によってパイプが共に引き込まれないようにするために、さらなる横方向の力を生成するために、オフセット形状21で設計されてもよい。
【0051】
図5は、溶融ワックス22のジェットを覆うために、圧縮空気23の同心的なジェットを提供する同心的なパイプを備える1対の係留式ジェッティングパイプの概略図である。より小さな中心のパイプが、高圧で溶融ワックスを送出するのに対して、より大きな環状領域は、空気圧縮機によって送出されるようなはるかに低い圧力で圧縮空気を提供する。
【0052】
図6aおよび図6bは、パイプの外側にある長手方向の溝に収まるケーブル25を取り付ける別の方法を示す。ケーブルは、ケーブルを保持する止めねじ27を収容する溶接金属ストリップをかぶせるなど種々の方法でパイプに固定されることができる。これにより、作業者は、ケーブルを挿入して、ねじを締め付けケーブルを装着することが可能となる。この方法は、パイプの流線形状の最小の外部変化でケーブルを固定するが、ケーブルを上下に枢動することができないため、あまり望ましくない可能性がある。交換可能なジェットノズル28は、2本のパイプの間で、経路を少なくとも部分的に切開するために、グラウトのジェットを放出し、パイプが下向きにケーブルが打ち込まれると、2本のパイプの間の切開部をケーブルが終わらせる。
【0053】
図7a、図7bおよび図7cにおいて、閉鎖ワイヤロープソケット端部29を有するケーブル31が、図7aの断面A−Aにおいてパイプ32の外側に溶接される開放フランジ30にピン34によって取り付けられるか、またはあるいは図7bの断面B−Bにおいて開放ワイヤロープソケットが、類似のピンによって1つのフランジに取り付けられる。交換可能なジェット33は好ましくは、ジェットが地表面の上にあるときには、はねを最小限に抑えるために、わずかに下向きに向けられる。図7a、図7bおよび図7cの取り付け方法は、取り付け部30または33に溶接によって放出用ジェッティングパイプに容易に加えられるという利点を有する。この接続金具は、ジェッティングパイプが進行方向を逆にするときに、ケーブルの屈曲を回避するために、ケーブル端部を上下に回転することを可能にするピン34によって取り付けられる。ジェットオリフィスは好ましくは、ケーブル係留と一致して回転方向に位置付けられ、その結果、隣接ジェッティングパイプに実質的に向けられ、ケーブル用の経路を切開する。ジェット33の不平衡な推力は、ジェッティングパイプが地面への挿入中に近づきすぎないようにする傾向があると同時に、係留ケーブル自体が物理的に2本のパイプ間の最大距離を制限する。対向する外寄りの側のさらなるジェットもまた、用いられてもよいが、より多くのグラウトを廃棄する傾向があるため、パイプが係留されるときにはあまり望ましくない。図7a、図7bおよび図7cは、2つの共通タイプのいずれかの標準的なケーブルの輪を用いるはるかに堅牢なケーブル取り付け方法を示す。望ましくは、タングステンカーバイドインサートを備える交換可能なジェットノズルを有し、垂直孔から引き抜かれるときに、近くにいる人にはねないようにするために、数度下向きに角度をなしている。しかしながら、固体でない溶融ワックスグラウトが用いられる場合には、鋼パイプにおける掘削孔は、サービスを提供するほど十分に長い耐久力があるオリフィスを提供し、依然としてジェットノズルまたは「ジェット」と呼ばれてもよい。
【0054】
図8aおよび図8bは、パイプにケーブルを取り付ける別の手段を示す。閉鎖ワイヤロープソケット端部37を有するケーブル36は、打ち込まれるピン38によってミリング加工されたスロット35の内部に固定される。これは、パイプが土の中を切開した後で、地表面まで持ち上げられるときに、ねじることなくケーブルを上下に旋回することを可能にする。この設計には、パイプの直径の外側に突出部がなく、パイプを打ち込む力を削減することを可能にする。図8aは、ジェットに目を向けたパイプの外観図を示す。
【0055】
土の抵抗は、孔の経路を所期の経路より互いに近づけるようにそらせる傾向がある可能性がある力を係留ケーブルに形成する。係留ケーブルの拘束もまた、パイプ間の間隔が広くなりすぎないようにする。パイプが共に近くに引き寄せられることは、上述したように、不平衡なジェット推力により、またはジェッティングパイプの先端のさらに上に係留ケーブルを配置することによって、最小限に抑えられる可能性があり、その結果、この力は、ジェッティングパイプ先端を所期の平行な経路から偏向させない。ジェットオリフィスは、係留ケーブルの上または下の任意の場所に位置付けられてもよいが、(実施形態に応じて)好ましくは係留ケーブルの上または下に可能な限り近い。水平傾斜掘り用途において、このことは、ジェットオリフィスが掘削装置から孔の中へわずかに遠いことを意味することになる。パイプの円錐の先端もまた、地面に打ち込まれるときに、互いに引き離しがちにするために、わずかに非対称に構成されてもよく、または中心からずれた先端を有してもよい。図4も参照のこと。ジェッティングパイプの望ましくない偏向もまた、土壌に傾斜掘り穿孔を予め掘削することによって防止されてもよい。予め掘削することは、ジェッティングパイプを移動している間の過度の摩擦を回避するために、水平傾斜掘り穿孔にとって最も有益である。
【0056】
図13a、図13bおよび図13cは、予め掘削された孔が用いられるときの水平障壁概念に関して用いられてもよいケーブル取り付けの実施形態を示す。これが、先端が欠けている理由である。パイプの任意の2本の接合部の間に設置されてもよい。これにより、ケーブルにパイプ間の土を切開させるために、パイプがいずれかの端部から引っ張られることまたは押し進めることを可能にする。この「ケーブルサブ」59は、取り付けられるパイプのように、両端部にねじ山63を有する。ケーブル60は、任意の適切な方法によって取り付けられるが、好ましくは、ケーブルをねじることなく引っ張りから押し進めに移行することができるように、ケーブルをパイプの長さに沿って、ピン62の周囲に上下に枢動させることを可能にする方法によって取り付けられる。ケーブルは、他のパイプの取り付けられる他のケーブルサブまで延在する。ケーブルのいずれかの側にあるポート61は任意に、土のジェット支援による切開のために高圧で、またはグラウトで切開部を充填するために低圧でグラウトを注入するために用いられてもよい。
【0057】
トレンチおよび孔の構造
孔は、地面にある簡単な開口部であり、ケーブルループが所定の位置に配置され、土を切開するために引っ張られることを可能にする。実施形態に応じて、地面にあるこれらの開口部は、掘削穿孔、水平傾斜掘り孔または打ち込まれるパイプによって機械的に造られた孔であってもよい。開口部は、予め掘削されてもよく、または所定の場所に形成されてもよい。これらの開口部は、ケーブルが土壌を通って引っ張られることができるように、パイプを所望の断面の縁に沿って配置することを可能にする。孔は、土壌を通って、水平であってもよく、垂直であってもよく、または湾曲していてもよい。
【0058】
水平の窪地形状の障壁は、現場の下の土壌の中に下向きに角度を成し、次に、現場の他方の側に戻る一連の傾斜掘り孔から形成されることができる。ケーブルまたはパイプであっても、土壌における湾曲経路を通って引っ張られるとき、その長さに対して垂直方向に土に力がかかる。この力の大きさは、曲線の総弧度と、動きに対する摩擦の関数となる。単位面積当たりのこの力が土、ケーブルまたはパイプの剪断強度を超える場合には、ケーブルは、土に食い込む。列におけるそのような孔または経路の多くを結合して、より小さなパネルまたは部分の多くから構成される大きな障壁を形成してもよい。
【0059】
また、一定の水平障壁の構成の場合には、孔を開放トレンチまたは裏込めトレンチと置き変えることが可能であることも想定される。ケーブルが2つのトレンチの間の土壌に食い込むように引っ張られることを可能にする幾何構成を形成するために、パイプは、2つの平行なトレンチにあってもよい。トレンチは、重いグラウトで充填されることが可能であり、ケーブルが引っ張られる場合には、重力が、グラウトを水平切開部に流れ込ませる。
【0060】
地面の下で水平方向に土壌を切開することが可能であるが、切開部の上の土の覆土圧が、切開部を近づけて、切開部に配置され得るグラウト材料を挟みつぶす傾向がある。土壌において切開部を掘削することによって形成される垂直障壁はまた、土から横方向の土圧によって近寄る可能性がある。これを回避するために、切開部の寸法および構造の特性は、構造にかかる圧力が切開部に沿った構造の機械的強度未満であるようにしなければならない。1つの手法は、崩壊しないほど十分に小さいか、または狭い切開部を構成し、隣接領域を切開する前に、硬化する材料で充填することである。採鉱作業は通常、岩の強度のほか、切開部を開放し続けるための機械的支持材の強度に左右され、これは、土では非実用的である。
【0061】
現場の下に円弧を描く一連の傾斜掘り孔から水平障壁を形成する際には、目的は、孔の間の経路を切開することであるが、切開部に関して孔の元の経路に従い、孔の間の切開部が構成されている地点以外では、孔の側面を切開しないことが望ましい。これは、掘削孔の場合には、比較的小さな総弧度を用い、パイプに対して垂直なその力が、土の剪断強度を決して超えないように、孔では比較的大きなパイプを延ばすことによって達成されてもよい。たとえば、掘削は、水平から15から20°で地面に入り、所定深さまで下降し、類似の角度で地表面まで戻ってもよい。孔の中にベントナイトベースのグラウトなどの高潤滑性の泥を有することは、パイプにおける摩擦をさらに削減し、したがって、パイプをまっすぐにし、孔の壁に食い込もうとする力を最小限にする。ケーブルは、パイプに比べて、直径が比較的小さい。比較的小さいケーブルは、比較的高い程度の摩擦を有し、土の中を切開するように、180°までの円弧を通過することができる。
【0062】
他方のジェッティングパイプが下向きに同時に移動中である間に、一方のジェッティングパイプの上方向の動きによって作成される任意の往復運動は、係留ケーブルをケーブルソーのように作用させ、経路における任意の障害物を機械的に摩耗させる。
【0063】
2本の隣接パイプに取り付けられるケーブルループは、ジェットによる支援がない状態で、ナイフのように土を切開するために用いられてもよい。工程は、ジェット支援型切開の上記の記述ときわめて類似であるが、土を通過するときに、ケーブルによって形成される切開部を充填するためだけに、圧力がほとんどないか、または全くない状態で、流体グラウトが適用されることができる点が異なる。流体グラウトはまた、パイプと同一の穿孔を通って地表面から適用されてもよい。
【0064】
好ましい一実施形態において、2本の垂直掘削ユニットが、並んで配置され、回転を制限する係留ケーブルがユニット間に取り付けられる。ドリル先端は、ケーブルおよび土を切開するその引きずりが共に維持される傾向がある間、パイプが地面に打ち付けられるか、または地面の中で加振されるときに、互いから離れる傾向があるように、好ましくは角度をなす。パイプが土壌に打ち付けられるとき、ケーブルは、グラウトによって静水圧的に充填されるパイプ間の経路を切開する。
【0065】
明快な例示のためであって、本発明をなんら限定するわけではないが、衝撃振動、または共鳴加振を利用する掘削装置は、「ソニックドリル」として知られており、正味40,000ポンドを超える押し下げ力を有し、40,000ポンド最小の破損強度を有する直径5/8”の高強度ケーブルを用いて3”から4”の直径のパイプを用いて、500psi最大強度の土を切開するために、10フィート間隔で用いられることになることが想定される。
【0066】
パイプ特性
用語「パイプ」は、パイプを所定の位置に打ち込むかまたは掘削することによって、孔が予め掘削されているか、または所定の場所に形成されているかどうかに関係なく、孔の中の細長い部材を指す。「パイプ」は、中空である必要はなく、金属または複合材料から構成される中実ロッド、Iビームまたは平坦なバーであってもよい。垂直用途では、パイプは、下向きに押し込まれるが、孔が反対側の端部で地表面に戻る水平用途では、パイプは、取り付けたケーブルを土に食い込ませるために、いずれかの端部から引っ張られてもよい。パイプの経路は、孔が予め掘削されているか、または所定の場所に形成されているかどうかに関係なく、または孔がまっすぐであるか、または傾斜掘り技術によって案内されるかどうかに関係なく、または孔が土壌を通って水平であるか、垂直であるかまたは湾曲しているかに関係なく、「孔」と呼ばれる。
【0067】
列におけるそのような孔または経路の多くを結合して、より小さな部分またはパネルの多くから構成される大きな障壁を形成してもよい。新しい各障壁部分は、一方のパイプが前の孔に入り、一方のパイプが新しい孔に入った状態で形成される。あるいは、2つの部分は、次にその間に間隙を有するように形成されることが可能であり、次に、第3の部分が、前の部分の最も近い孔のそれぞれに1つのパイプを用いて結合するように形成されることも可能である。
【0068】
ジェットグラウティングパイプまたは「ジェッティングパイプ」は本質的に、ドリルビットまたは振動または直接の押し込みによって、機械的に地面に打ち込まれる先端部のみを有するパイプである。パイプの回転は、必要ではない。したがって、回転掘削装置および高圧旋回台は、必要ではない。図2aに示されているように、1つ以上の油圧ハンマが、トラックまたは掘削機に装着されてもよい。あるいは、パイプが、従来の掘削技術を用いて、地面に掘削されてもよい。パイプの前進もまた、実質的にパイプの前進方向をさす流体のジェットによって支援されてもよい。パイプの前進もまた機械的または油圧ドリルビットによって改善されてもよい。
【0069】
ケーブル特性
引張部材(または係留ケーブル)の長さは、実験データまたは公称の動作圧力およびジェッティングパイプ直線速度で土における通常の浸透距離に関する実験に基づいている。係留ケーブルは好ましくは、土を機械的に切開するほど十分に強い鋼ワイヤロープケーブルであり、パイプ操作機器の後退パワーは好ましくは、この作用を容易にするほど十分に強い。
【0070】
ジェット浸透およびグラウトの用途(図12および図5)
図12は、相互連結されるジェットグラウト式コラムに係留ケーブルを適用する手段を示す。係留によって、2本のジェッティングパイプを共に取り付ける概念もまた、予め掘削された孔の湾曲水平経路に沿って、または回転掘削によって形成される孔の場合には、きわめて深く相互に連結される垂直コラム(複数可)を形成する際に有用である可能性がある。そのような実施形態において、係留ケーブルの取り付けにより、ジェッティングパイプの回転を可能にする。ジェッティングパイプは、ジェッティングパイプで自由に回転するが、パイプの長さに沿ってその位置に固締される回転カラーまたはリングを備える。
【0071】
図12において、ケーブルまたは他の引張部材56は、従来の回転ジェットグラウティングパイプ54を、ジェット式コラムの直径53より少なくともわずかに小さい心出しばね52を有する第2のパイプ51に取り付けるために用いられ、したがって、土/セメントまたは他のグラウト混合物で充填される前の孔を見つけ出すことを可能にする。ベアリング55および57は、シャフトにおける制限された垂直距離内で、上下に移動することを可能にするほか、ジェットグラウティングパイプがケーブルを包むことなく自在に回転することを可能にするように回転することができる。ケーブルは、パイプが遠くに離れすぎないようにするのを避け、ジェット58の噴出が前のジェットグラウト式コラム53までの完全な経路を切開することを確保する。ジェッティングは望ましくは、上への途中ではなく、下への途中で行われる。
【0072】
取り付けの1つの方法は、ジェッティングパイプの低減した直径の首部分の周囲に緩く適合する鋼カラーリングから構成される。封止ベアリングもまた、用いられることが可能である。パイプは、リングの内側で回転自在であり、ケーブルは、リングに取り付けられることになる。回転パイプにおけるジェットは、はるかに大きな直径のコラムを形成するため、取り付け手段およびカラー自体は任意に、パイプより直径が大きくてもよい。係留ケーブルは、パイプの1つのみが回転する場合であっても、両方のパイプのカラーに取り付けられる。係留ケーブルは、ワイヤロープケーブル、チェーン、ばねまたは剛性バー部材でさえあってもよい。上述したように、係留ケーブルは、パイプ間の離隔距離を制限し、連続壁を形成するために、パイプ間の土が妨害されずに、グラウトと混合される場合には、さらに下への移動も防止する。係留ケーブルは、可撓性ケーブルである必要はないが、2つの対向する垂直側面に沿って、平行に溶接されるチューブと共に垂直に向けられる剛性の矩形鋼プレートから構成されることも可能である。2本のジェッティングパイプは、自在な回転を可能にするために、十分なクリアランスを有する平行なチューブを通って、垂直に延在する。これは、扱いやすいという利点と、パイプが共に近づきすぎることを制限するという利点を有する。本明細書に記載される他の係留式パイプ概念と同様に、この方法は、係留ケーブルに関して地表面まで完全に延在するために、少なくとも狭い切開を必要とする。
【0073】
この係留式パイプの方法に関する別の変形において、予め掘削された孔に降下されるか、または地中に押し込まれるジェッティングパイプ54に対して係留されている間、高圧でグラウトを排出し、地面に下降するときに回転しながら、弓状ばねまたは単なる屈曲端部などの心出し手段52または縁案内手段を備えるパイロットパイプ51は、前に形成されたジェットグラウト式コラム53の中に降下される。少なくともジェッティングパイプが回転することを可能にする係留ケーブル56は、2本のパイプを連結する。ジェッティングパイプ55への連結により、ジェッティングパイプが自在に回転することを可能にすると同時に、ケーブル取り付け部がパイプの軸に沿って移動しないようにする。パイロットパイプ51は、流体を伝導することはできず、または回転もしないため、掘削装置からのウインチラインによって固化しないコラムの中に単に下降する重鋼バーと大差ない可能性がある。パイロットパイプ心出しばねは、ジェット式コラムのサイズより小さくてもよいため、形成されたコラムの最も近い側に下りる。
【0074】
図5によって示されているように、本発明の種々の実施形態によれば、ジェット噴流の土切開浸透距離は、当該技術分野は知られているように、2相ジェットグラウティングのジェットノズルの近くで、流体に空気を導入することによって増大されてもよい。10フィートを超える浸透距離は、従来のセメントグラウトを用いて達成されている。空気は、溶融ワックスノズル212の周囲を覆う同心的なノズル213から流れて、溶融ワックス22のジェットの周囲に空気の境界層23を形成し、土/ワックス混合物と溶融ワックスの摩擦を低減してもよい。より大きな浸透もまた、ジェットが土の面に達するために通過しなければならない土/ワックス混合物の混入された空気24により、少なくとも部分的に量の削減したことによる結果である。溶融ワックスグラウトを用いるときには、この空気は好ましくは、加熱空気またはエンジン排気であってもよい。ジェットノズルを出るとさらに急速にジェット噴流を分散させる流体の乱流を削減するために、ジェットの浸透もまた、ジェットノズルの直前またはジェットノズルを通って、溶融ワックスの流れをまっすぐにすることによって強化されてもよい。より大きな直径のジェットおよびより高い圧力もまた、浸透距離を増大する。適切な流体の実施例としては、所望の密度を達成するために、砂、ヘマタイトまたはバライト増量剤などを添加した遅延凝固セメント系グラウトまたは前水和ベントナイトスラリが挙げられる。
【0075】
ジェット浸透距離はまた、注入前に、水の沸点を超える温度まで溶融ワックスを加熱することによって、増大されてもよい。高温ワックスは次に、土の中の水を沸騰させて、ジェットの経路における土/ワックス混合物の密度を低下する流れを生じさせ、グラウト土混合物の密度の低下により、ジェットをさらに浸透させることを可能にする。ワックスのより高い温度もまた、ワックスが未掘削土壌に達することができる浸透距離を増大する。溶融ワックスにさらに熱を加えるために、瞬間加熱器システムが、溶融ワックスタンカと注入地点との間に位置決めされてもよい。タンク車から来るワックスは通常、200°F未満であることから、地面への熱伝導を最大限にするため、または土壌水分を沸騰させるために、送出温度とワックスの通常の500°Fの引火点との間の温度にワックスを加熱するために、瞬間加熱器が、用いられてもよい。
【0076】
浸透効果は、濡れているか、またはきわめて浸透性の低い土の構造においても生じると考えられる。この隣接土が機械的に未掘削であるため、パネルの内部より大きな密度の土粒子を有し、より強固にして、寸法的にもより安定にするべきである。未掘削土壌への浸透距離は、土に導入される総熱エネルギの増大から判断して増大されてもよい。総熱エネルギを増大する主要な方法は、より多くの溶融ワックスがパネルに導入され、したがって、たとえ、このことが過剰な溶融ワックスが廃棄物として地表面に戻らせる原因となる可能性があったとしても、より多くの熱を蓄積するため、垂直移動を減速することである。これを行う別の方法は、温水、高温空気または蒸気によって、土を前処理することである。温水を用いてジェッティング作業を行うことはまた、土を通る経路を予め切開し、溶融ワックスのジェットにとって、土に噴出することを容易にすると同時に、ワックスがさらに浸透するように土も温めることになる。
【0077】
土のような非剛性土壌材料は、土壌の垂直切開部を近づける傾向があるなんらかの横方向の力を受ける。しかしながら、土の切開部が、十分に高密度の流体グラウトまたは粘土スラリで充填される場合には、流体の静水圧が、横方向の土壌の圧力の平衡を保つことを助け、切開部が近づかないようにする。地表面におけるグラウトの加圧もまた、この必要な平衡を保つ力を供給するが、流体が漏れ経路を見つけて逃れる場合には、孔が崩壊する可能性があるため、あまり好ましくない。適切な流体の実施例としては、所望の密度を達成するために、砂、ヘマタイトまたはバライト増量剤などを添加した遅延凝固セメント系グラウトまたは前水和ベントナイトスラリが挙げられる。
【0078】
別の手法は、切開部の表面に浸透し、すべての空洞を充填し、その表面を不浸透性にする流体で、切開部を充填することである。切開部が閉鎖されている場合であっても、不浸透性の表面は、障壁を形成する。これは、テキサス州ヒューストンのCarter Technologies Co.によって製造されているWAXFIX(TM)125などの溶融熱浸透性ワックスグラウト、Avanti InternationalによるAV100(TM)などのポリアクリルアミドゲルグラウトまたは弱酸性または酸性のピロリン酸ナトリウムなどの適切な一般的時間遅延活性剤を有する一般的なナトリウムケイ酸ゲルグラウトなどの材料を用いて、行われてもよい。界面活性剤が、グラウトに存在してもよい。これらのうちで、溶融熱浸透性ワックスグラウトが、その浸透が土の元の浸透性だけではなく、主に熱損失によって制御されることから、土にさらに浸透し、さらに一様であるために、好ましい。
【0079】
利用される流体グラウトのタイプに関係なく、障壁を形成することができる前には、切開部は、閉鎖されていないため、切開部が形成されると直ちに、グラウトが切開部に送出されることが一般に望ましい。これを行うための1つの方法は、パイプに沿って切開部の領域から地表面に戻る流体グラウトの連続静水圧コラムを有することである。流体グラウトはまた、パイプ自体を通って運搬され、切開部の領域、好ましくはケーブルがパイプに取り付けられる場所にきわめて近い領域に放出されてもよい。流体が2000psiから10,000psiの十分な高圧下で運搬され、「ジェット」として知られている小さなオリフィスを通って放出される場合には、パイプ間の完全な経路の切開に役立つために、有用な切開エネルギを加えるために、流体グラウトもまた、利用されてもよい。流体グラウトを用いたジェット切開は、土およびグラウトの流体スラリ混合物で充填される「切開部」を生成する。一般に、土粒子の間の間質空間または空洞に実際に適合することができるより多くの流体グラウトが、切開を行うために利用されることから、過剰な土/グラウト混合物が、廃棄物として地表面に戻るように流される。溶融ワックスは、従来のグラウトより高価である。したがって、溶融ワックスグラウトを用いる場合には、この廃棄物は、好ましくは捕捉されて、再利用のために土を除去してワックスを再加熱することによって、再利用される。
【0080】
流体グラウトは、圧力下で送出されてもよく、または、十分な密度からなってもよく、その静水圧頭のみが、切開部を開放状態に保つために十分な力を提供する。切開部にグラウトを封止する必要がないため、水平障壁の場合には、密度に依存することが好ましい。垂直障壁の場合には、地面は一般に、ある程度横方向の強度を有するため、流体グラウトがこの力の一部を供給するのに必要であるに過ぎない。しかしながら、水平障壁の場合には、相対的な密度のみによって、表土を浮遊させるためには、グラウト密度は一般に、土材料より高密度でなければならない。地表の一部が周囲のグレードより盛り上がっている場合には、より高いグラウト密度が必要とされる可能性があることを留意されたい。含まれることになっている場所が凹部であるか、または水域を含む場合には、低減したグラウト密度で十分である可能性がある。流体グラウトはあるいは、切開部の側面に染み込み、切開部が閉鎖されている場合であっても土を不浸透性にする溶融ワックスなどの浸透性物質であってもよい。
【0081】
パイプ間に係留される取り付けケーブルを用いた隣接パネルの連続性の確実性を期すことに加えて、改善したグラウト材料が用いられてもよい。溶融ワックスグラウトは、さらに不浸透性であり、土壌の移動を許容することができ、ジェットによって実際には掘削されない隣接土の浸透性もまた削減することができる。溶融ワックスグラウトはまた、土の崩壊およびグラウトの挟みつぶしによって生じる障壁における欠陥を防止することもできる。
【0082】
一部の実施形態において、「切開部」または「経路」は、高圧ジェットによる液圧切開と組み合わせたケーブルの切開行為によって形成されてもよい。これらのジェットは、水による切開を行ってもよいが、好ましくは障壁も形成する流体グラウトによる切開である。
【0083】
ジェッティングパイプにおける圧力は好ましくは、2,000psiから50,000psiであるが、種々の用途では、より高くてもよく、またはより低くてもよい。セメントスラリに対してワックスの密度がより低いために、同一のエネルギ伝達を達成するためにはより高い圧力が必要とされる。溶融ワックスは、高い運動エネルギでジェットノズルから出て、その経路においてある程度の距離から土を分解して浸食する。掘削パイプが、回転することなく地中にまたは地面から移動するときには、ジェットノズルからの噴流は、掘削パイプから数フィート伸びる可能性がある掘削した土材料と共にワックスの壁のようなパネルを形成する。溶融ワックスは、このパネルに沿って、およびこのパネルに隣接して、土に浸透し、この経路における固体物体をカプセル化し、その結果、ワックスが染み込んだパネルの厚さは、ジェット噴流によって切開される経路より十分に厚い。ワックスは、冷却して凝固するまで、土に浸透する傾向がある。一般的なタンク車が、200°Fまでの溶融ワックスを送出することができ、任意の電気瞬間加熱器ユニットが300°Fから400°Fに流れを加熱することができ、熱の利用可能性を増大し、それにより、土へのワックスの浸透を増大させる。
【0084】
溶融ワックスグラウトの圧力頭は、横方向の地面圧力によるパネルの崩壊を防止し、凝固前に地下水がワックスの上向きに移動するのを防止するために、地表面で浅いトレンチの中に維持されてもよい。地下水面が地表面付近に達する領域では、溶融ワックスの静水圧頭がジェット式パネル全体にわたる地下水頭に少なくとも等しいことを確保するために、地表面は、充填土砂またはグレードの上に設置される地表面パイプで高くしてもよい。地表面パイプは、各孔の一番上に詰め込まれ、次に、封止としてパイプのベースにわたって冷たい土を配置した後で、溶融ワックスで満杯にしてもよい。
【0085】
あるいは、金属プレートまたは冷水を保持するパイプなどの冷却手段が、封止として、切開部の上数フィートを凝固するために用いられることが可能である。圧力が静水圧頭を維持するために用いられてもよく、切開部の圧力および表面封止を必要としないように、より大きな密度を与えるために、ワックスと混合されるバライト、ベントナイト、乾燥ポルトランドセメント、シリカヒュームまたはヘマタイトなどの1つ以上の増量剤を用いることも可能である。10ミクロンから0.05ミクロンの多様な粒子サイズを用いることも可能である。長鎖ポリマーなどの懸濁化剤もまた、ワックスに追加されてもよいが、これらは、ワックスの浸透品質に影響を及ぼす。
【0086】
種々の実施形態において、パネルのジェッティングは、地中への途中または地面からの途中または地中への途中または地面からの途中の両方で行われてもよい。ケーブルなどの取り付けられる可撓性引張部材を用いて、ジェッティングは、少なくとも地中への途中で行われなければならない。
【0087】
グラウト
溶融ワックスのジェットを用いた薄いダイヤフラム隔壁の障壁を形成することは、ジェットグラウティングの態様と浸透グラウティングの態様を組み合わせることが多く、さらに、機械的な切開も用いる。そのようなワックスの強固な壁は、さらに経済的にするために、結合されたコラムを構成するために必要な溶融ワックスの容量の一部のみを用いる。グラウトの浸透品質は、ワックス壁が包囲して、障害物をカプセル化することを可能にし、ジェット噴流を遮断する。本明細書において、用語「溶融ワックス」は、その融点を超えるまで加熱されるワックスを表し、水またはベントナイトスラリ中の固体ワックスの大気温度エマルジョンではないことを留意されたい。好ましい溶融ワックスは、周囲地面温度で、可鍛プラスチックの固体であり、亀裂を生じることなく、土壌の移動に対して変形することができるが、あらゆるタイプの土に対して浸透する能力も有する。ある実施形態において、含水土と混合し、水を移動することが可能な界面活性剤特性を有するように、ワックスを化学的に改質することが望ましい場合がある。好ましいワックスの浸透性は、セメントおよびベントナイト系グラウトより数桁低い。したがって、厚さ1から2インチの薄い障壁が、セメント質のジェットグラウト式コラムから構成される2から4フィートの厚い障壁の油圧性能と等しいか、または超える可能性がある。
【0088】
パラフィン、鉱油、αオレフィン、セレシン、オゾラケイト(地ろう)およびモンタン亜炭石炭由来のワックス、植物の葉のワックス、蜜ろう、ポリエチレン、ホットメルト接着剤または他のワックスまたはワックスのブレンドを含み、90°Fから220°Fの温度で固体から液体に変化する明確な相転移をし、200°Fで300センチポイズ未満の粘度を有する溶融ワックスが、望ましい。ワックスは、タールまたはアスファルトの場合と同様に、広い温度範囲にわたって徐々に軟化するのではなく、明確な融点によって特徴付けられる。好ましいワックスは、50°Fから70°Fの通常の地温で可鍛性であり、180°Fを超える温度で、低粘性の液体である。
【0089】
記載したように、溶融ワックスは、水を移動して含水土と混合するその能力を改善する界面活性剤特性を与えるように化学的に改質されてもよい。界面活性剤特性は、土に対する溶融ワックスの接触角および湿潤特性を変化させ、一般に湿気および含水土への溶融ワックスのウィッキング浸透を向上する。染料、印刷およびコーティングなどの当該技術分野で知られている溶融ワックスの界面活性剤特性を改質することができる化学添加物は多くある。土壌材料への溶融ワックスの浸透は、熱伝達、粘性および毛管作用ウィッキング特性によって左右される。化学グラウトとは異なり、溶融ワックスは、熱損失がその凝固温度まで冷却させるまで、土に浸透し続け、粘性になる。溶融ワックスは、ガソリンまたはディーゼル燃料などの軽質炭化水素液体に匹敵する粘性を有する。予熱された土において、溶融ワックスは、長時間土の中に浸透し続け、したがって、進むことができる距離がはるかに増大する。
【0090】
溶融ワックスはまた、そのコストを削減し、ワックスの密度を増大させるために、ベントナイト、細砂、ポルトランドセメントまたはヒュームドシリカなどの1つ以上の微粉化した充填剤材料とブレンドされてもよい。これを行う別の手段は、ジェッティングパイプが引き抜かれるとすぐに、パネルに予熱微粒子材料を流し込むことである。これは潜在的に、障壁パネルの下部まで落下する粒子が、切開部を機械的に開放状態に維持するのに役立つ垂直障壁において有用である。溶融ワックススラリのより高い密度は、柔らかい土が近寄ることを液圧によって防止し、溶融ワックスが地表面に戻る際に有用である場合がある。より高密度のワックスもまた、水が壁に浸入しないようにするために水飽和土において、有用である場合がある。
【0091】
本発明の種々の基本的な実施形態において、溶融ワックスは、所定の場所の土と混合し、土粒子を充填した連続相結合剤材料となる。セメントなどの微粒子を含むグラウトスラリは、きわめて特殊な耐摩耗性高圧ポンプを必要とする。固体を添加してない純粋な相の溶融ワックスを用いることは、50,000psiまでの高圧水供給のために設計されるそれほど高価ではない高圧ポンプの使用を可能にする。固体粒子を含まないことにより、摩耗を削減し、ジェットオリフィスの詰まりの防止にも役立つ。
【0092】
グラウトは、障壁材料を形成するために、必要な密度を得るために十分なヘマタイトを充填し、それを硬化する前水和ベントナイトスラリなどのエンジニアリング材料であってもよい。そのようなグラウトは、数ヶ月にわたって土に対する水が徐々に消失する可能性があり、時間の経過と共に、粘性および不浸透性が増すが、常にある程度の可塑性を保持する。グラウトに乾燥土であっても湿度を維持させるために、グラウトはまた、その蒸気圧を減少させ、水消失平衡点を変化させる添加剤によって改質されてもよい。
【0093】
また、この構成において、従来のセメントグラウトを用いたジェッティングは、ジェットノズルがセメント固体またはホースおよびポンプからのデブリで頻繁に詰まる傾向があるため、常に注意する必要がある。溶融ワックスは、真の液体であり、ジェッティングノズルに詰まる微粒子またはホースおよびポンプの封止パッキングにおける摩耗を生じる微粒子を含まない。このことは、信頼性を増大する可能性があり、研磨材粒子グラウトを扱わなくて済む廉価なポンプシステムまたはより高圧のポンプシステムの使用を可能にする。
【0094】
埋立地水平障壁用のグラウト
埋立地障壁用のグラウトは、複数の要因に基づいて選択されてもよい。特殊な高比重掘削泥水が、高濃度の前水和高級ワイオミング等級ベントナイトで構成され、実際に、浸透性のきわめて低い障壁グラウトである。その半液体状態において、グラウトは実際に、活性液圧勾配障壁を形成する。その流体は、その流体を障壁の上ならびに下の構造に押し付けようとする静水圧力を受けている。数ヶ月にわたって、泥水は、地面にある程度の湿気を与え、ピーナッツバターの稠度(consistency)に達するまで、さらに粘性が増すようになる。グラウトの浸透性はまた、この平衡化工程が進行するにつれて、著しく減少し、毎秒1×10−9センチメートルに容易に達することができる。
【0095】
埋立地が多くの塩素系溶剤を含む場合には、グラウトは、著しい量のゼロ価鉄で改質されることが可能である。これは、地下水改善のために現在用いられる浸透切開反応障壁と同様に、溶剤と反応し、脱塩素反応を生じる。しかしながら、この障壁の浸透性はきわめて低いため、鉄は使い尽くされるのではなく、数百年にわたって機能し続ける。
【0096】
底部障壁厚さの監視および計算
図17は、グラウト対土の相対密度、トレンチの充填高さおよび下部切開部の深さに基づき、特定の地点で、底部障壁厚さを計算する方法を記述している。地面に立つと、地形観察者は実際には、ブロックの水中の厚さ(TS)を見ることはできない。図17において、ブロックの厚さ(Tb)とブロックの水中部分の厚さ(TS)との間の差は、底部障壁厚さ(TBB)に「余裕高」(F)またはトレンチにおける地面の高さから流体までの深さに等しい。
底部障壁厚さ
TBB=[Tb−{(Db/Dg)×Tb}]−F
以下の参照符号は、図17によって示される寸法を指す。
100=Tb=土壌のブロックの垂直厚さ
101=TS=グラウトに沈められた土壌のブロックの部分の垂直厚さ
102=Dg=グラウトの密度
103=Db=土壌のブロックの密度
104=F=余裕高(トレンチにおけるグラウトの高さの上の元の地面までの高度)
105=TBB=底部障壁の厚さ
106=F+TBB=浮力による土ブロックの高度の増大分
107=TBB=底部障壁の厚さ
107および106が常に等しいことは留意されたい。
【0097】
任意の所与の地点における泥水層の厚さは、泥水と埋立地の土との間の密度の差にその地点における切開部の深さを乗じたものの関数である。したがって、泥水層は、最も必要な場所である埋立地の中央ではさらに厚く、HDD孔が地表面まで戻るように曲線を描く縁で各側に沿ってより薄くなっている。多くの埋立地はまた、中心領域で土を盛り上げている。グレードの土の上のこの余分な重量は、この領域における障壁の厚さを削減する。実施例において、土がグレードの上に10フィートまで盛り上げられ、立方フィート当たり105ポンドの嵩密度を有し、グラウトは立方フィート当たり131ポンドの密度を有すると仮定する。深さ60フィートの障壁の上の土壌の余分な10フィートは、評価する地点において70フィート厚の土ブロックを構成する。地表面の3フィート以内までトレンチを充填する場合には、この地点における障壁の厚さは、0.89フィートである。
底部障壁の厚さ=TBB=[70ft−{(105pcf/131pcf)×70ft}]−13dt=.89ft
【0098】
障壁が深さ20フィートしかない縁付近では、地表面はグレードの高さであり、
底部障壁の厚さ=TBB=[20ft−{(105pcf/131pcf)×20ft}]−3dt=0.96ft
【0099】
より多くのグラウトでトレンチを充填することによって、この底部障壁の厚さは、同一の高度まで増大する。工事前に、水平傾斜掘り孔の深さ輪郭を適切に設計するために、初期の地形測量に基づいて、上記の式は、多くの地点を解析するために、簡単な表計算プログラムで用いられてもよい。この設計ステップは、ユーザが、所望の一様な障壁の厚さを達成することを可能にする。
【0100】
現場の自然高度が、一方の側から他方の側に傾斜している場合には、高い側は、低い側を溢れさせることなく、地表面まで完全に充填されることはできない。埋立地が本質的に、グラウトで浮遊しているため、高い端部におけるこの余分な重量を補償することが必要である。これを行う1つの方法は、元のHDD孔の深さ、したがって土切開部を形成し、表面上昇およびグレードの任意のキャッピングを補償するために、高い側では著しく深くする。これは、土壌のブロックが高さを浮遊し、比較的一様な底部障壁の厚さを有するようにするのに役立つ。これはまた、上記の同一の式から計算されることもできる。あるいは、現場の一方の側から他方の側への高度の変化は、作業を開始する前に、一様な周囲の高度を実現するために、地表面を再整形することによって単に排除されてもよい。
【0101】
水平障壁におけるグラウト密度ではなく圧力の使用(さらなる実施形態)
既存の埋立地の下に水平障壁を構成することはまた、グラウトを加圧することによって、セメント/ベントナイトグラウトなどのより低密度のグラウトを用いて行われてもよい。この動機は、高密度グラウトが比較的高価であり、水を多く含むセメント/ベントナイトグラウトが比較的安価であることにある。障壁を形成するための工程は、液体障壁が地表面になんらかの封止手段がないと地表面まで戻るように延在することができない点を除き、本質的に同一である。
【0102】
傾斜掘り孔は、高密度グラウトによる方法の場合と全く同じように、底部障壁の輪郭を形成するために、現場の下に設置される。現場の同一の側に沿って掘削されるトレンチは、10から20フィートの深さで、傾斜掘り孔の経路と交差し、このトレンチからの分岐は、パイプに沿って外向きに延在する。取り付けられたケーブルによるショートサブは、パイプの端部に取り付けられ、少量の高密度流体グラウトと共に、トレンチの底部に置かれる。ゴムワイパまたは詰め物箱装置などの封止手段は、ショートサブの外側でパイプの周囲に設置される。この装置は、グラウトが地表面までパイプの外側に流れ出ないようにするための封止を提供する。トレンチは次に、翌日まで、少なくとも元の土の強度および浸透性まで硬化する土/セメント混合物で裏込めされる。現場の反対側で、出口孔には、セメントのケーシングおよび類似の環状封止手段が用意され、現場の外側における圧力を保持する。
【0103】
裏込めが硬化した後、パイプは、セメント/ベントナイトグラウトと共に加圧され、現場の下の土を通って、ケーブルループを引っ張るために孔の中を移動し、他端の地面から引き出される前に停止する。切開部が完成した後、地表面の地形測量が行われ、必要に応じて、土が再度起伏を付けられて、所望の障壁の厚さを生成する。グラウト圧力もまた、所望の障壁の厚さを得るために調整される。グラウト圧力は通常、深さ1フィート当たり、1ポンド/平方インチ未満である。パイプおよびケーブルは、少なくともグラウトが硬化するまで所定の位置に残される。
【0104】
開放トレンチを掘る必要性を回避するより簡素な技術もまた実行可能であってもよく、さらにコスト効果がある可能性がある。この別の方法において、パイプおよびケーブル取り付けサブは、高密度グラウト方法の場合と同様に配置される。しかしながら、パイプは、鉱油またはグリースなどの粘性の潤滑剤からなる厚い層でコーティングされる。孔は、少なくとも土と同程度の強度まで、一晩で硬化するセメント/ベントナイトグラウトで充填される。ケーブルは、短距離で地面から引っ張られ、グラウトは硬化可能である。翌日、ケーブルは、切開部を形成するために、現場の下に引っ張られるが、ケーブルが他方の側で地面の表面付近に達する前に停止される。ケーブルが引っ張られているため、セメント/ベントナイト障壁グラウトは、ケーブルが取り付けられる場所付近のオリフィスから出るパイプを通じて注入され、構成されている切開経路に流れ込む。パイプにおける粘性潤滑剤コーティングにより、パイプは移動することが可能であるが、グラウトの漏れに対して低圧の封止を提供する。グラウトは、切開部を解放状態で維持し、上の土の表土重量を支えるほど十分な圧力下で注入される。この加圧グラウトは、その圧力が深さと共に増大するため、高密度グラウトとは異なる揚力特性を有し、2倍の密度であるグラウトで1フィート当たりわずか2分の1である。圧力によって生成される揚力の部分は、深さに関係がないため、浅い切開部にわたる土は、より深い切開部にわたる土と同程度に持ち上げる。しかしながら、グラウト密度がそれ自体で土を浮遊させるのに不十分である場合であっても、揚力の少なくとも一部は、グラウトの浮力から生じる。したがって、設計者は、所望の一様な揚力特性を達成するために、グラウト密度および圧力の最良の組み合わせを選択してもよい。
【0105】
上記の方法で用いられることが可能である低コストのセメント/ベントナイトグラウトの実施例は、粘性を低減するために、セメントを少量添加した前水和ベントナイトスラリおよびリグノスルホン酸ナトリウムを添加したスラグセメントである。適切に調合されたスラリは、8から24時間の硬化時間を有し、毎秒1×10−7センチメートルの浸透性で50psiの圧縮強度まで硬化することができる。
【0106】
また、予め掘削された孔は、ベントナイトまたは他の標準的な掘削泥水タイプで掘削可能であり、直接押す方法によって形成されてもよく、または空気によって掘削された乾燥孔であってもよい。孔が掘削泥水で充填される場合には、この流体は、溶融ワックスによって孔から急速に排出される。溶融ワックスは、泥水と接触して冷却し、部分的に凝固し、孔から泥水を一掃するのに役立つために、境界で詰まりを形成する。
【0107】
その上、係留ケーブルは任意に、2本の隣接孔の間の経路を切開する一次的な手段として用いられることができる。ジェットノズルは、先導するのではなく、係留ケーブルの後に従って位置決めされることが可能である。グラウトは次に、所定の場所でポンプで送り込まれることも可能であり、係留ケーブルの通過によって形成される空洞を充填するために加えられることも可能である。溶融ワックスまたは他のグラウト材料は、パイプによって送り込まれるのではなく、各パイプの周囲の開放孔の中に送り込まれてもよい。横方向の土の圧力による経路の近づきを防止するために、十分な圧力頭がグラウトに加えられることが可能である。地表面のトレンチから高密度グラウトを加えられることは、加圧グラウトによって障壁を形成する際の複雑さを最小限に抑えるが、グラウトがより高コストであることは、場合によっては、この利点を上回る可能性がある。
【0108】
埋立地用途
本発明の方法は、6インチより大きい岩がほとんどない砂土の地質学的環境に位置している約400フィート×600フィートの仮説的既存の地方自治による埋立地の下に簡素な前水和ベントナイトグラウト障壁を構成するために適用されてもよい。寸法に関するすべての参照は一例であり、理解を明確にするために過ぎず、本発明または好ましい実施形態に対する限定を構成するわけではない。この実施形態の方法は、現場の下に、水平から15から18°の角度で、最大深さ60フィートまでの地面に入る一列の水平傾斜掘り(HDD)穿孔を準備することから始まり、次に、図11の場合と同様に、類似の15から18°の角度で出るように地表面に向かって湾曲する。穿孔は、図12の場合と同様に互いに略平行であるが、総円弧が約36°の埋立地の下に、浅い円弧で20から40フィート離れるように容易に変更することは可能である。孔は、現場の一方の側で浅い溝から始まる。孔は、直径8インチまで掘削され、高比重掘削泥水で安定化される。この泥水は、最終的な障壁を形成するグラウトでもある。泥水の比重は、公称では、土の平均密度を20%超える。掘削泥水は、一方の側でHDD孔に泥水を追加し、それを他方の側まで孔に流し込むことによって、孔を通って循環されてもよい。各孔が構成された後、直径4インチの鋼パイプが、各孔に残される。湾曲した孔を通ってチュービングを引っ張るときに、摩擦を最小限に抑えるために、パイプは、好ましくはその長さにわたって一様な外径である。HYDRIL(TM)外部平張り油井掘削パイプ、チュービングおよびケーシングが、ねじ接続のこの種の実施例であり、長さは約30フィートに達する。必要に応じて、孔の中にさらなるパイプを引っ張るために、パイプが用いられてもよく、切開部を構成するために、パイプに取り付けられるケーブルを有する。
【0109】
高強度ワイヤロープの懸垂線長さは、「ケーブルサブ」によって連結される。これは、図13aから図13cに類似の特殊な工具接合部である。このケーブルサブは、孔の外側の2本の隣接パイプのそれぞれに連結される。ケーブルサブは、一端にピンねじを有し、他端に箱ねじを有する30フィートのパイプに類似の短いパイプであり、任意に、ケーブル取り付け地点付近にグラウト送出オリフィスを有してもよい。連結点は、パイプの移動が逆転するときに、ワイヤロープが損傷することなく、パイプに対して長手方向に旋回することを可能にするように設計される。水平傾斜掘り装置のような静止ウインチまたはラックアンドピニオン駆動などの機械的装置は、ワイヤロープが2本のHDD孔の間の土に食い込むように、孔を通って2本のパイプを引っ張る。適切な掘削装置の実施例は、American Auger Companyによって製作されたDD−210である。この装置は、200,000ポンドを超える引張力または押す力を加えることができる。ケーブルが地面に食い込むため、重力は、高比重掘削泥水を切開部の中に流れ込ませ、経路を通ってケーブルを引っ張ることによって形成された経路を拡張するために、浮揚力を提供する。パイプの部分は、出口端部から連続的に除去され、入口端部に追加される。したがって、パイプは常に、切開が完了した後であっても、HDD孔の中に依然として存在する。この工程は次に、一方の側から同一のパイプを用い、隣接孔から次のパイプを用いて、次の隣接部分に関して反復される。パイプは、一度に1つ以上のパイプ部分を引っ張る。
【0110】
孔の中に4インチのパイプが、HDD孔の36°の円弧曲線に対して支持されるが、より大きな支持表面積および比較的小さな接触角により、土を切開するほど十分な力を有していない。掘削泥水の潤滑性もまた、孔の中にパイプが容易に摺動することに役立つ。しかしながら、ワイヤロープケーブルの懸垂線ループは、180°の接触角を有し、土に食い込むほど十分な張力を受ける。直径3/4”のワイヤロープケーブルにおける通常の引張力は、ケーブル最小破損強度の約15%から80%または約15,000から80,000ポンドの力である。ケーブルの経路における岩は、周囲の土の抵抗に対する岩の強度に応じて、破壊されるか、または押し出される。きわめて大きな岩と結合したきわめて硬い土は、より大きくてより強いケーブルおよびウインチを必要とする可能性がある。158,000ポンドの強度を有する直径1−1/4”ケーブルが、必要とされる場合もある。パイプ間の間隔もまた、調整されてもよい。使用中のケーブルが、破損した場合には、別のケーブルがパイプに設置され、再び引っ張られる。所望であれば、反対方向に引っ張ることもできる。パイプにおける交互の引張りは、障害物に鋸引き作用を生じる可能性がある。ケーブルによるスライスまたは鋸引きのみでは障害物を破壊できない場合には、パイプにおけるジェットが、障害物の地点まで引き出され、障害物を切開するように作動させることも可能である。土に食い込む際には、鋼ケーブルは、チーズを切開するチーズスライサワイヤのように機能するように理論化される。鋸引き作用とは異なり、廃棄物または切開部がスライスによって生じない。
【0111】
様々に結合された部分が切開された後、埋立地は、その下に重い泥水からなる底部障壁層を有する。これは、実際には、ゆっくり硬化するグラウトであり、2つの端部で地表面付近まで上昇するが、側部は依然として切開も封止もされていない。窪地を完成するために、段階的により浅い深さを有するさらなるHDD孔が、図12bの場合のように、地表面付近まで側部に延在するように設置される。障壁の水平部分の側がアクセス制約のために地表面まで戻るように延在しないことになっている場合には、さらなる垂直障壁または急峻な角度をなす障壁が設置されてもよい。これらの垂直側切開部は、最も外側の傾斜掘り孔における1本のパイプと、地表面でトレンチに配置される1本のパイプを用いた場合と本質的に同一の方法によって形成されてもよい。パイプの引張りは、次に、他の部分の場合と同様に、ケーブルを引っ張る。地表面に比較的近いことが必要であるパイプの場合には、トレンチは、別の傾斜掘り孔より経済的である。任意に、この最後の部分は、底部障壁グラウトが完全に硬化され、もはや流れることができなくなった後まで、待つことも可能である。
【0112】
高密度流体グラウトは、水平切開部を開放状態に保つだけでなく、所期の位置から表土を上向に浮遊させることによって拡張するために用いられてもよい。作業者は、切開中、初期の泥水層厚さを数インチにしようとする。高比重掘削泥水の層の厚さは、埋立地の地表面に予め設置されたマーカから地形測量を行うことによって、容易に測定される。高度が増大すると、同様の距離だけ泥水の層の厚さが増大する。土は、埋立地における高度の変化を可能な限り一様に達成するために、再度起伏を付けられる。水平切開部の上の埋立地の土は、高密度の泥水に浮遊していることを留意されたい。このステップが完了した後、溝における泥水の高さは、必要に応じて増大してもよく、泥水層の厚さを増大し、上げ潮ですべてのボートが等しく持ち上がるように、埋立地全体を上昇させる。大部分の場合には、厚さ数インチの重いベントナイトグラウトが、十分に長い期間の障壁を提供するが、場合によっては、高密度ポリエチレン押出成形(HDPE)などの合成裏打ち材料を用いて、この障壁を強化することが望ましい場合がある。高密度流体グラウトと依然として所定の場所にあるパイプの上に浮遊する埋立地の場合には、障壁の経路に裏打ち材料のストリップを延伸することが可能である必要がある。複数の隣接切開部が構成され、底部障壁グラウトが著しい厚さまで増大した後、裏打ちのシートは、複数の地点で懸垂線ケーブルループに連結されてもよい。ケーブルが曲げられるとき、パイプ間の間隔における変化を許容することができるようになっているように、裏打ちは、好ましくはその長さに沿ってわずかにしわが寄せられる。裏打ちストリップは、巻かれて、トレンチにわたって懸架されるか、またはトレンチに置かれる。連結されるケーブルループは、パイプに取り付けられ、現場の下で、流体グラウトを通って引っ張られる。裏打ちストリップは、好ましくは縁で重なるようにするために、ケーブルループの後のパイプ間隔より少し広い。グラウトは、これらの重なった縁の間に封止を形成する。所望であれば、裏打ち材料のより広いシートが、シートの100%の重なりを達成するために、すべての第2のパイプのみを用いる所定の位置に引っ張られてもよい。
【0113】
実験の摩擦試験
切開部の曲線の周囲を通過するケーブルの摩擦は、総接触角および摩擦係数に関して、指数関数的に増大する。摩擦因子は、土との接触角に摩擦係数を乗じたものの指数関数である。抵抗摩擦は、地面において水平に置かれるケーブルの重量に摩擦係数を乗じたものである。この抵抗摩擦は、摩擦因子を適用した後に残っている切開力から減算され、きわめて広い切開部の場合には、ゼロ以下まで減少させることができ、これは、ぴんと張ったケーブルをさす。
ポンド総摩擦=eλα+Wh×λ
式中、λは、摩擦係数であり、
αはラジアン単位の接触角であり、
Whは、地面の表面および水平切開部に置かれているケーブルの重量である。
【0114】
鋼ケーブルおよび土などの表面間の摩擦の複雑さのために、これらの式が試験されたことは歴史的には知られていない。羽根車用の鋼ケーブルに関する試験スレッドが、構築され、種々のウエイトで装着され、3つの異なる土のタイプを引っ張った。3つの異なるタイプのグラウトは、乾燥したものと、濡れているものの両方であった。記録された摩擦係数の値は、0.5から1.0の範囲であり、上記の式は、実地試験の結果を予測することが実証された。
【0115】
直径1インチの鋼ケーブルが、幅24フィートの弓形の溝に配置され、土の間をケーブルが摺動し、土を専断するためにも必要な力を測定するために、機器搭載ブルドーザで引っ張る別の実地実験が行われた。ブルドーザは、ワイヤレスで遠隔読み出しするディジタルロードセルを装備していた。両方のブルドーザが協働して引っ張る場合に、種々の接触角で、直接剪断応力または「食い込み」において摩擦損失も測定された。また、一方のブルドーザによって測定された抵抗を保持し、他方のブルドーザによって引っ張ることによって、土壌を通るケーブルの鋸引き直線運動を生成した。類似の湾曲したトレンチが、土より約20%密度の高いグラウトを作成するために十分なヘマタイトを備える水和ベントナイトから構成された高密度流体グラウトで充填された。ケーブルは、半径約12フィートの180°の円弧の周囲に、トレンチの底部に位置決めされた。ブルドーザが引っ張ると、ケーブルは土および盛り上げた土に食い込み、グラウトに浮遊させた。ケーブルが延び、破損するときに大きなエネルギを解放することから、地表面において長さの長いケーブルを引っ張ることは、危険である。したがって、本発明において、ケーブルの引張部分は、地面の下にあり、今度は地表面から引っ張ったり押したりするパイプに取り付けられる。
【0116】
ベントナイトグラウトにおける実地試験―土ブロックの浮遊
直径3/4”のワイヤロープケーブルの引張ループを用いて、50トンの土壌ブロックの下で切開部を構成する実地試験が行われた。側面に沿い、切開部の経路に連結されたトレンチは、切開部が構成される前に、高密度のベントナイトグラウトで充填された。ケーブルループが引っ張られると、土ブロックの下で、土壌に食い込み、すべての側において土壌を自在に切開した。グラウトは、土ブロックの下でケーブルに即座に従った。土ブロックは次に、周囲の土より約4インチ高い高密度流体グラウトで浮遊された。トレンチを完全に充填するために、グラウトがさらに18インチ追加され、土ブロックの頂上は、18インチ高くなった。ブロックのより深い側がブロックのより浅い側より高く浮遊され、したがって、以下の浮力の公式が確認されたことに留意した。グラウトおよび浮遊ブロックは次に、覆われて、硬化するために放置された。6ヵ月後、障壁におけるグラウトは、湿潤粘土の稠度となり、掘削され、サンプルが収集された。ベントナイトグラウト材料は、6ヵ月後、1×10−9cm/秒の浸透性に達した。
【0117】
したがって、本発明は、記載された目的および利点のほか、本発明に固有である目的および利点を得るためによく適合している。上記で開示された特定の実施形態は、例示に過ぎず、本発明が異なるが等価な方法に修正されて実行される場合には、本発明の教示の利点を有することは当業者には明白である。さらに、以下の請求項に記載したもの以外は、本明細書において示された構成または設計の詳細に対する制限は、意図していない。したがって、上記で開示された具体的な例示の実施形態は、変更または修正されてもよく、そのような変形のすべてが本発明の範囲および精神に包含されると見なされることは明白である。下限および上限を有する数値範囲が開示されている限り、その範囲内に収まる任意の数字が、具体的に開示される。さらに、不定冠詞「a」または「an」は、請求項で用いるとき、導入される要素の1つまたは2つ以上を意味するために、本明細書において定義される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下構造に障壁を形成するための方法であって、
引張部材によって互いに2本のパイプを連結することと、
パイプおよび引張部材を用いて、地下構造を通る連続経路を切開することと、
グラウトを経路に提供することとを含む、方法。
【請求項2】
地下構造において孔を予め掘削することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
地下構造において前に掘削された孔の中に2本のパイプのうちの少なくとも1本を挿入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
グラウトが、地下構造を通る経路を充填して、パイプの経路に対応する側にパネルを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数のパネルを形成することをさらに含み、隣接パネルが、互いと少なくとも1つの側を共有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
パイプの少なくとも一方を回転して長手方向に移動すると同時に、土の中にグラウトを提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
グラウトを土の中に噴射すると同時に、パイプが回転して長手方向に移動するときに、取り付け地点が、パイプの軌跡に対して静止したままであってもよいような方法で、第1の端部における引張部材を回転ジェッティングパイプに取り付けることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
可撓性引張部材の第2の端部が、隣接する新しく形成された土/グラウトコラムの中にとどまる第2のパイプに取り付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
2本のパイプの少なくとも1本が、少なくとも1つのジェットオリフィスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの流体ジェットが、1つの孔のパイプから別の隣接孔におけるパイプに向けられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
2本のパイプが、ジェットオリフィスの位置に近い地点で、引張部材によって共に連結される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
グラウトの静水圧頭が、経路が形成されるときに、経路を充填するために維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
グラウトが、経路のいずれかの側で地下構造に浸透する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
グラウトが、経路を閉鎖しないようにするために十分な圧力で提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
グラウトが、経路を閉鎖しないようにするために十分な力を提供する静水圧頭の圧力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
地下構造に障壁を形成するための装置が、
可撓性引張部材と、
少なくとも2本のパイプとを備え、パイプが、可撓性引張部材に連結され、パイプが、グラウトを地下構造に送出するように構成され、さらに
少なくとも1つの掘削装置を備え、掘削装置、パイプおよびケーブルが、地下構造を通る経路を切開するように構成される、装置。
【請求項17】
グラウトが、少なくとも部分的に不浸透性である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
パイプに送り込まれる空気または流体によって駆動されることができるダウンホール回転掘削モータビットをさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
地下構造の一部の下の障壁の厚さを監視するための方法であって、
地形測量ポストを設置し、切開部を構成する前に地形測量を行って、障壁を形成することと、
請求項5に記載の方法による障壁を設置することと、
地形測量を行い、経路の上の土の垂直上昇を測定することと、
必要に応じて、土を移動して土の表面に再度起伏をつけ、表土の重量分散を調整することとを含む、方法。
【請求項1】
地下構造に障壁を形成するための方法であって、
引張部材によって互いに2本のパイプを連結することと、
パイプおよび引張部材を用いて、地下構造を通る連続経路を切開することと、
グラウトを経路に提供することとを含む、方法。
【請求項2】
地下構造において孔を予め掘削することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
地下構造において前に掘削された孔の中に2本のパイプのうちの少なくとも1本を挿入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
グラウトが、地下構造を通る経路を充填して、パイプの経路に対応する側にパネルを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数のパネルを形成することをさらに含み、隣接パネルが、互いと少なくとも1つの側を共有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
パイプの少なくとも一方を回転して長手方向に移動すると同時に、土の中にグラウトを提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
グラウトを土の中に噴射すると同時に、パイプが回転して長手方向に移動するときに、取り付け地点が、パイプの軌跡に対して静止したままであってもよいような方法で、第1の端部における引張部材を回転ジェッティングパイプに取り付けることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
可撓性引張部材の第2の端部が、隣接する新しく形成された土/グラウトコラムの中にとどまる第2のパイプに取り付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
2本のパイプの少なくとも1本が、少なくとも1つのジェットオリフィスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの流体ジェットが、1つの孔のパイプから別の隣接孔におけるパイプに向けられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
2本のパイプが、ジェットオリフィスの位置に近い地点で、引張部材によって共に連結される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
グラウトの静水圧頭が、経路が形成されるときに、経路を充填するために維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
グラウトが、経路のいずれかの側で地下構造に浸透する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
グラウトが、経路を閉鎖しないようにするために十分な圧力で提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
グラウトが、経路を閉鎖しないようにするために十分な力を提供する静水圧頭の圧力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
地下構造に障壁を形成するための装置が、
可撓性引張部材と、
少なくとも2本のパイプとを備え、パイプが、可撓性引張部材に連結され、パイプが、グラウトを地下構造に送出するように構成され、さらに
少なくとも1つの掘削装置を備え、掘削装置、パイプおよびケーブルが、地下構造を通る経路を切開するように構成される、装置。
【請求項17】
グラウトが、少なくとも部分的に不浸透性である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
パイプに送り込まれる空気または流体によって駆動されることができるダウンホール回転掘削モータビットをさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
地下構造の一部の下の障壁の厚さを監視するための方法であって、
地形測量ポストを設置し、切開部を構成する前に地形測量を行って、障壁を形成することと、
請求項5に記載の方法による障壁を設置することと、
地形測量を行い、経路の上の土の垂直上昇を測定することと、
必要に応じて、土を移動して土の表面に再度起伏をつけ、表土の重量分散を調整することとを含む、方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2010−529332(P2010−529332A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510375(P2010−510375)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/007023
【国際公開番号】WO2008/150531
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(509327932)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/007023
【国際公開番号】WO2008/150531
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(509327932)
【Fターム(参考)】
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