説明

地中変位計測装置

【課題】地下水位が高い地中内に設置した場合であっても、耐水性に優れているために長期間の使用にも耐え、しかも精度よく計測できる地中変位計測装置を提供することを目的とする。
【解決手段】地中変位計測装置であって、筒状収納部材と、上端部を閉塞する上端閉塞部と、下端部を閉塞する下端閉塞部と、筒状収納部材に収納される計測部形成部とを有し、計測部形成部は、FBGによって構成された検出部と、検出された検出信号を伝送する単一の伝送用光ファイバケーブルと、検出部と伝送用光ファイバケーブルとを被覆保護する被覆保護部と、下端と下端閉塞部とを連結し、被覆保護部に張力を付加する張力付加部材とを有し、 光ファイバケーブルは、外部から筒状収納部へ挿入され、検出部を設置後に折り返されて外部へ退出するよう構成された、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定地盤内の地中変位を計測する地中変位計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、地中変位計測装置とは、地盤地中内の変位・変動が予測される地中内に設置され、当該地盤の地表面や地表面近傍位置に設置した構造物などの隆起・変形を招来する地中変位量を計測する装置と指標されている。
ここで、従来、地中変位計測装置としては、地中の変位量を電気信号へ変換する計測装置、電気抵抗の変化から地中の伸縮量を計算する計測装置などいわゆる電気式計測装置が一般に知られている。
【0003】
しかし、このような従来の電気式計測装置では、以下の様な課題が生じていた。
すなわち、地中内変動が起きる地盤内では地下水位が高く、従来の電気式地中変位計測装置では、電線、その他金属部材で形成された計測装置構成部材の腐食、絶縁不良やショートなどが起こりやすく、もって計測装置の耐久性に限界が認められ、長期間の使用ができないとの課題があった。
また、複数個の電気式地中変位計測装置を同時に用いる際には、通常、電気信号の伝送を行うにつき、1個の地中変位計測装置で1本のケーブルが必要となるため、複数本の伝送用ケーブルを用意しなければならないこととなり、その結果、ケーブルの材料費と設置費用がきわめて高価になってしまうとの課題があった。
さらに、電気式の地中変位計測装置であると、電気信号が通常の状態で伝送できる距離は最大1km程度とされており、それ以上の距離の場合は増幅装置が必要となるので、この点からも機械費用や設置費用が割高になるとの課題があった。
【0004】
そこで近年、光ファイバセンサを利用した地中変位計測装置が開発されるに至った(特開2004−163294号公報参照)。
しかして、この装置により従来の電気式地中変位計測装置の課題はほとんどが解決されるものとなった。
【0005】
すなわち、いわゆるFBG式光ファイバセンサを利用することにより、伝送信号の減衰が激しい電線を用いる必要がない。また、FBG式光ファイバセンサは電気信号ではなく光信号を用いて計測を行うもので、単一の、すなわち1本の光ファイバケーブルで多数の地中計測装置を同時に接続し、計測可能となるため、伝送用光ケーブルの本数は伝送用電線に比較し圧倒的に少なくてすむものとなる。
さらに、光信号は長距離の伝送でも減衰が少なく、最大約9kmまで増幅装置を用いずに伝送可能とされる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−163294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして、本発明はいわゆるFBG式光ファイバセンサを利用した地中変位計測装置に、さらに改良を加え、品質を向上させたものであって、特に、地中内変動が起きる地盤内では地下水位が高く、耐水性の高い装置が要請されていることに応え開発されたものである。
すなわち、地下水位が高い地中内に設置した場合であっても、耐水性に優れているために長期間の使用にも耐え、しかも精度よく計測できる地中変位計測装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による地中変位計測装置は、
筒状収納部材と、前記筒状収納部材の上端部を閉塞する上端閉塞部と、筒状閉塞部の下端部を閉塞する下端閉塞部と、該筒状収納部材に収納される計測部形成部と、を有し、
前記計測部形成部は、FBGによって構成された検出部と、該検出部が取り付けられると共に、検出された検出信号を伝送する単一の伝送用光ファイバケーブルと、前記検出部と伝送用光ファイバケーブルとを被覆保護する被覆保護部と、前記被覆保護部の下端と前記下端閉塞部とを連結し、被覆保護部に張力を付加する張力付加部材と、を有し、
前記単一の検出部つき光ファイバケーブルは、外部から前記筒状収納部へ挿入され、前記検出部を設置後に折り返されて、外部へ退出するよう構成された、
ことを特徴とし、
または、
筒状収納部材と、前記筒状収納部材の上端部を閉塞する上端閉塞部と、筒状閉塞部の下端部を閉塞する下端閉塞部と、該筒状収納部材に収納される計測部形成部と、を有し、
前記計測部形成部は、FBGによって構成された検出部と、該検出部が取り付けられると共に、検出された検出信号を伝送する単一の伝送用光ファイバケーブルと、前記検出部と伝送用光ファイバケーブルとを被覆保護する被覆保護部と、前記被覆保護部下端と前記下端閉塞部とを連結し、前記検出部及び伝送用光ファイバケーブルに張力を付加する張力付加部材と、張力が付加されない光ファイバケーブル部分に設けられたFBGよりなる温度検出部と、を有し、
前記単一の検出部つき光ファイバケーブルは、外部から前記筒状収納部へ挿入され、前記検出部を設置後に折り返されて、外部へ退出するよう構成された、
ことを特徴とし、
または、
合成樹脂製の筒状収納部材と、前記筒状収納部材の上端部を閉塞する合成樹脂製上端閉塞部と、筒状閉塞部の下端部を閉塞する合成樹脂製下端閉塞部と、該筒状収納部材に収納される計測部形成部と、を有し、
前記計測部形成部は、FBGによって構成された検出部と、該検出部が取り付けられると共に、検出された検出信号を伝送する単一の伝送用光ファイバケーブルと、前記検出部つき伝送用光ファイバケーブルを被覆保護する繊維強化プラスチック材製の被覆保護部と、前記被覆保護部下端と前記下端閉塞部とを連結し、前記検出部及び伝送用光ファイバケーブルに張力を付加する繊維強化プラスチック製の張力付加部材と、張力が付加されない光ファイバケーブル部分に設けられたFBGよりなる温度検出部と、を有し、
前記単一の検出部つき光ファイバケーブルは、外部から前記筒状収納部へ挿入され、前記検出部を設置後に折り返されて、外部へ退出するよう構成された、
ことを特徴とし、
または、
前記筒状収納部材を長手方向に向かい複数個接続して構成した、
ことを特徴とし、
または、
前記筒状収納部材を並列に複数個設置して構成した、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による地中変位計測装置によれば、いわゆるFBG式光ファイバセンサを利用した地中変位計測装置にさらに改良を加え、特に、地中内変動が起きる地盤内では地下水位が高く、耐水性の高い装置が要請されるが、このような地下水位の高い箇所での計測であっても、充分に耐水性に優れているために長期間の使用にも耐えられ、しかも精度のよい計測ができるとの優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図に示す発明を実施するための最良の形態に基づいて説明する。
【0011】
まず、図1から理解されるように、本発明による地中変位計測装置1は、筒状収納部材2と、前記筒状収納部材2の上端部を閉塞する上端閉塞部3と、筒状閉塞部2の下端部を閉塞する下端閉塞部4と、該筒状収納部材2に収納される計測部形成部5とを有して構成されている。
【0012】
そして、前記計測部形成部5は、検出信号伝送用光ファイバケーブル7が1本用いられ、かつこの伝送用光ファイバケーブル7の所定箇所にはファイバグーティング(FBG)20により構成された検出部6が設けられている。
しかして、該検出部6つき伝送用光ファイバケーブル7は、前記筒状収納部材2内へ挿入されると共に、検出部6を内部へ設置した後、折り返されて外部へむけて退出する構成とされている。
そして、当該検出部6及び伝送用光ファイバケーブル7を被覆保護する被覆保護部8と、該被覆保護部8の下端と下端閉塞部4とを連結し、検出部6及び伝送用光ファイバケーブル7に一定の張力を付加する弾性係数の大きい張力付加部材9をも有している。
【0013】
ここで、図1に示すように、筒状収納部材2は、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂材で構成するとよい。該筒状収納部2は、内部に収納される検出部6や伝送用光ファイバケーブル7を地下水の浸水などから保護する保護管となるものだからである。
【0014】
下端閉塞部4は、前記筒状収納部2の下端開口を塞ぐもので、図1から理解されるように、略栓状に形成されている。また、上端閉塞部3は前記筒状収納部2の上端開口を塞ぐよう略円盤状の形状になっている。
【0015】
これら上端閉塞部3及び下端閉塞部4についても筒状収納部2と同様に塩化ビニル樹脂などの合成樹脂材で構成するとよい。
【0016】
次に、被覆保護部8の構成につき、図1,図2,図3などを参照して説明すると、まず、該被覆保護部8は、2つの構成ユニット10,10を挟みあわせて、検出部6や伝送用の光ファイバケーブル7を外部から完全に遮蔽し被覆保護するように構成されている。この被覆保護部8の構成ユニット10は、図から理解されるように、上下の膨出部とその中間の棒状被覆保護部とにより形成されており、前記の棒状被覆保護部内部に検出部6が配置される構成となっている。
【0017】
ここで、一方側の構成ユニット10には検出部6つき伝送用光ファイバケーブル7を導入する導入溝11が設けてある場合があり、該導入溝11内に沿って検出部6つき光ファイバケーブル7を前記棒状被覆保護部に配置する。そして、その両端側は上下の膨出部によって被覆保護されると共に、挟み込まれて固定される。
【0018】
この様に、検出部6つき光ファイバケーブル7が導入溝11に沿って配設された前記一方側の構成ユニット10には、図2に示すように他方側の構成ユニット10が貼り付けられ、検出部6つき光ファイバケーブル7は挟み合わされて密閉状態とされ、完全に被覆保護されるものとなる。よって、地下水位の高い地中内にあっても、地下水の浸水を完全に防護でき、もって長期間の使用ができるものとされた。
【0019】
ここで、2つの構成ユニット10,10を貼り合わせて固定する方法については何ら限定されるものではないが、例えば、接着剤で接着するなど、両構成ユニット10,10を貼り合わせ固着し、密閉することが考えられる。
【0020】
そして、前記被覆保護部8を繊維強化プラスチック(FRP)で形成しておけば、該繊維強化プラスチック(FRP)はきわめて耐水性が高い材質であり、もって密閉性もよく、たとえ地下水位の高い地中内で使用されたとしても、内部に浸水することがなく、長期間の使用に充分耐えうるものとなる。 また、被覆保護部8の下端からは前記張力付加部材9が接続される。
この張力付加部材9としては、比較的弾性係数の大きい繊維強化プラスチック部材(FRP)などで形成した棒状のコード部材が好ましい。そして、この張力付加部材9の下端を前記の下端閉塞部4に固着するものとなる。
【0021】
以上において次に、本発明による計測装置の組み立て及び設置につき説明する。
まず、検出部6つき光ファイバケーブル7を被覆して保護する被覆保護部8を構成する構成ユニット10の導入溝11内に配置し、2つの構成ユニット10,10を貼り合わせ固着する。
【0022】
ここで、前記のように、検出部6は被覆保護部8の略中間位置に設置され、また被覆保護部8の先端側から挿入された伝送用光ファイバケーブル7は被覆保護部8の後端側に設けられた例えば円柱状の突起により構成された折り返し部12で折り返し、再度前記被覆保護部8の先端側から退出するよう構成される。
【0023】
しかして、検出部6と伝送用光ファイバ7が配置された被覆保護部8は筒状収納部材2内に収納され、収納された被覆保護部8の後端側には、下端閉塞部4に接続された棒状の張力付加部材9が連結される。
【0024】
その後、上端閉塞部3を上下に貫通するボルト部材13を収納されている被覆保護部8の先端側に連結し、前記ボルト部材13を螺合することにより、筒状収納部材2内において、一定の張力をもって被覆保護部8を配置する。
【0025】
しかして、筒状収納部材2の内部は上端閉塞部3と可鍛閉塞部4とによって密閉されると共に、さらに、検出部6と伝送用光ファイバケーブル7とは被覆保護部8によって厳重に遮蔽、密閉され、もって地下水によって浸水するおそれが全くないものとなる。
【0026】
このように組み立てられ、作成された地中変位計測装置1は、たとえば図5に示すような箇所の地中内に設置される。
【0027】
図5に示す地盤は、例えば変形しない堅牢な地盤部分14と、その上に位置する塑性圧により隆起し、変質する地盤部分15とよりなる。そして当該地盤は地下水位の高い地盤となっている。
【0028】
このような地盤上にトンネル23などが形成された場合、地盤の隆起などの地中変位がダイレクトにインバート16の隆起に直結する。よって、絶えず当該地盤の変位を計測し、監視する必要があるのである。
【0029】
そこで、トンネル23のインバート16を掘削し、この掘削孔に前記地中変位計測装置1を設置するのである。
【0030】
すると、被覆保護部8の上部膨出部と下部膨出部との中間位置に設置された棒状被覆保護部内の検出部6が、地中の変化により、例えば棒状被覆保護部と共に伸縮してひずみを生じ、該ひずみを検出することにより地中変位を計測することになる。
本発明では、検出部6の構成につき、図4に示すような、ファイバグレーティング型光ファイバセンサ、すなわちファイバグレーティング(FBG)をセンサとして使用している、
ここで、FBGタイプのセンサ原理につき、若干説明しておく。
【0031】
まず、図4に示すように、光ファイバケーブル7のコア21内に複数のブラッグ回折格子17を形成する。
そして、ブラッグ回折格子17に入射光18が入射されると、ブラッグ回折格子17の間隔xとコア21の屈折率の積に比例する周波数を持つ反射光19が発生する。
【0032】
しかして、光ファイバケーブル7にひずみが生じると、ブラッグ回析格子17の間隔xが変化するため、反射光19の周波数も変化する。そして、ファイバグレーティング(FBG)20を利用したセンサ、すなわちファイバグレーティングセンサは、この変化量をもとにひずみを計算するものとなる。
【0033】
FBG、すなわちファイバグレーティング20は光ファイバケーブル7のコア内ブラッグ回析格子17を入射光18を用いてGeドープ領域に形成されたもので、格子間隔xで決まる特定の波長λの光を反射する特徴を有する。
【0034】
今、長さLの光ファイバケーブル7が張力を受けてΔLだけ伸張したとき、ひずみをεとして
【0035】
【数1】

と定義し、ファイバグレーティング20の格子間隔xも同じ比率でのびると仮定すれば、温度が一定のもとでは波長も同じ比率
【数2】

で変化することとなる。
従って、反射光19の波長を計測することでひずみεが得られることとなる。
【0036】
しかして、ファイバグレーティング20を検出部6として構成すれば、その物体の歪みをファイバグレーティング20の歪みとして検出することができるのである。
【0037】
また、ファイバグレーティング20の透過光22は反射成分が欠落したスペクトルとなるので、欠落した波長を計測しても同様の計測が可能となる。
【0038】
このように、ファイバグレーティング20は、光ファイバケーブル7のコア21内の屈折率を周期的に変化させたブラッグ回折格子17を有して構成されており、該ファイバグレーティング波長選択性をひずみ測定に応用したものと言える。
【0039】
また、ファイバグレーティング型光ファイバセンサの前記ファイバグレーティング20には1mmあたり約2000個のブラッグ回折格子17が配置可能と言われているのである。
【0040】
なお、図2に示すように、張力付加部材9によって張力が付加されない光ファイバケーブル部分、換言すれば被覆保護部8が伸縮しない部分、すなわち例えば、被覆保護部8の上方部分膨出部にファイバグレーティング(FBG)20よりなる温度検出部24を設けておくことが考えられる。
【0041】
ファイバグレーティング(FBG)20は温度によっても変化するものであり、この温度検出部24によって温度変化の部分のひずみだけ計測できれば、それを本来のひずみ計測値の補正に使用することができるからである。
また、本発明の様に光ファイバケーブル7を使用する計測装置の場合は、1本の光ファイバケーブル7の長さ方向各箇所に間隔をあけて複数の検出部6を装着し、該光ファイバケーブル7を複数個の筒状収納部材2内に直列状態にして長手方向に接続し、長尺な計測装置を構成すれば、地中内深い箇所から地表面まで複数層からなる地盤の変位をそれぞれの検出部6で計測できる装置とすることができる(図10参照)。
さらに、図5に示すようなトンネル23内において、その長手方向へ向け、所定間隔をあけた状態で本発明による計測装置を設置することもでき、もって精度の高い地中変位計測、監視ができるものとなる(図9参照)。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明による地中変位計測装置は、地中内の地下水位が高い箇所であって、供用中のトンネル23の変状監視や変状が継続的に進行している供用中のトンネル23におけるインバートの盤ぶくれ、さらには供用中のトンネル23における側壁・アーチ部の変形の長期監視など計測箇所が坑口から離れており、長距離の信号伝送が必要な変状監視にきわめて有効である。
さらには、地中内の地下水位が高い箇所であって、遠隔地の地すべり斜面の防災監視、地すべり斜面と、信号を受信し地すべりを監視する場所が離れている場合の地すべり斜面の防災監視などにもきわめて有効なものとなる(図11参照)。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明実施例の概略構成を説明する構成説明図(その1)である。
【図2】本発明実施例の概略構成を説明する構成説明図(その2)である。
【図3】本発明実施例の概略構成を説明する構成説明図(その3)である。
【図4】ファイバブラッググレーティングセンサの原理を説明する説明図である
【図5】本発明の使用状態を説明する説明図である。
【図6】本発明による計測装置の組み立て状態を説明する構成説明図(その1)である。
【図7】本発明による計測装置の組み立て状態を説明する構成説明図(その2)である。
【図8】本発明による計測装置の組み立て状態を説明する構成説明図(その3)である。
【図9】本発明による計測装置の設置例を説明する説明図(その1)である。
【図10】本発明による計測装置の設置例を説明する説明図(その2)である。
【図11】本発明による計測装置の設置例を説明する説明図(その3)である。
【符号の説明】
【0044】
1 地中変位計測装置
2 筒状収納部
3 上端閉塞部
4 下端閉塞部
5 計測部形成部
6 検出部
7 伝送用光ファイバケーブル
8 被覆保護部
9 張力付加部材
10 構成ユニット
11 導入溝
12 折り返し部
13 ボルト部材
14 変形しない堅牢な地盤部分
15 塑性圧により隆起し、変質する地盤
16 インバート
17 ブラッグ回析格子
18 入射光
19 反射光
20 ファイバグレーティング
21 コア
22 透過光
23 トンネル
24 温度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状収納部材と、前記筒状収納部材の上端部を閉塞する上端閉塞部と、筒状閉塞部の下端部を閉塞する下端閉塞部と、該筒状収納部材に収納される計測部形成部と、を有し、
前記計測部形成部は、FBGによって構成された検出部と、該検出部が取り付けられると共に、検出された検出信号を伝送する単一の伝送用光ファイバケーブルと、前記検出部と伝送用光ファイバケーブルとを被覆保護する被覆保護部と、前記被覆保護部の下端と前記下端閉塞部とを連結し、被覆保護部に張力を付加する張力付加部材と、を有し、
前記単一の検出部つき光ファイバケーブルは、外部から前記筒状収納部へ挿入され、前記検出部を設置後に折り返されて、外部へ退出するよう構成された、
ことを特徴とする地中変位計測装置。
【請求項2】
筒状収納部材と、前記筒状収納部材の上端部を閉塞する上端閉塞部と、筒状閉塞部の下端部を閉塞する下端閉塞部と、該筒状収納部材に収納される計測部形成部と、を有し、
前記計測部形成部は、FBGによって構成された検出部と、該検出部が取り付けられると共に、検出された検出信号を伝送する単一の伝送用光ファイバケーブルと、前記検出部と伝送用光ファイバケーブルとを被覆保護する被覆保護部と、前記被覆保護部下端と前記下端閉塞部とを連結し、前記検出部及び伝送用光ファイバケーブルに張力を付加する張力付加部材と、張力が付加されない光ファイバケーブル部分に設けられたFBGよりなる温度検出部と、を有し、
前記単一の検出部つき光ファイバケーブルは、外部から前記筒状収納部へ挿入され、前記検出部を設置後に折り返されて、外部へ退出するよう構成された、
ことを特徴とする地中変位計測装置。
【請求項3】
合成樹脂製の筒状収納部材と、前記筒状収納部材の上端部を閉塞する合成樹脂製上端閉塞部と、筒状閉塞部の下端部を閉塞する合成樹脂製下端閉塞部と、該筒状収納部材に収納される計測部形成部と、を有し、
前記計測部形成部は、FBGによって構成された検出部と、該検出部が取り付けられると共に、検出された検出信号を伝送する単一の伝送用光ファイバケーブルと、前記検出部つき伝送用光ファイバケーブルを被覆保護する繊維強化プラスチック材製の被覆保護部と、前記被覆保護部下端と前記下端閉塞部とを連結し、前記検出部及び伝送用光ファイバケーブルに張力を付加する繊維強化プラスチック製の張力付加部材と、張力が付加されない光ファイバケーブル部分に設けられたFBGよりなる温度検出部と、を有し、
前記単一の検出部つき光ファイバケーブルは、外部から前記筒状収納部へ挿入され、前記検出部を設置後に折り返されて、外部へ退出するよう構成された、
ことを特徴とする地中変位計測装置。
【請求項4】
前記筒状収納部材を長手方向に向かい複数個接続して構成した、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の地中変位計測装置。
【請求項5】
前記筒状収納部材を並列に複数個設置して構成した、
ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の地中変位計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−185498(P2008−185498A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20412(P2007−20412)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)
【Fターム(参考)】