説明

地中構造物およびそれに使用するセグメント

【課題】製造コストの上昇を抑えながら、地中構造物の断面サイズ(大小)の多様化に対応することができる地中構造物を提供する。
【解決手段】地中構造物1は、角部セグメント100の側面130、140と直線部セグメント200の側面240、230とが接合されてなる環状体10が積層されたものであって、角部セグメント100が平面視において非対称で、下方の環状体10における側面同士の下方接合位置と、これに積層された上方の環状体10における側面同士の上方接合位置とが相違して、下方接合位置と上方接合位置との間に、環状体10同士を上下方向で接合する継手ボルトが配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地中構造物、特に、複数のセグメントによって筒状に形成され、地中に設置される地中構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に縦方向に設置される縦坑や横方向に設置される横坑(本発明において両者を「地中構造物」と総称している)は、複数のセグメントを接合してなる環状体を積層することによって形成されている。
そして、地中構造物の断面形状の多様化(L字形、T字形、十字等)に対応するため、発明者等は、両端面の延長面が直交関係にあるL字状の第一セグメントピースと、両端面が平行関係にある直線状の第二セグメントピースとを有するセグメントピースを開示している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−193685号公報(第5−6頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、地中構造物の断面形状の多様化に対応することができるという顕著な効果を奏するものの、断面サイズ(大小)の多様化に必ずしも十分に対応することができなかった。特に、断面円形の場合には、断面サイズに応じた曲率半径に形成されたセグメントを必要としていた。
このため、様々な曲率半径のセグメントを製造する必要があり、製造に工期がかかることや、RCセグメントについては型枠費用の上昇、スチールセグメントについては治具費用の上昇や原板から採取する部材の歩留まりの低下等、の問題があった。
【0005】
本発明は、前記問題を解決するものであって、製造コストの上昇を抑えながら、地中構造物の断面サイズ(大小)の多様化、共通のセグメントピースを使用し、かつ強固な千鳥構造を構築することができる地中構造物、および該地中構造物に使用するセグメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る地中構造物は、積層された環状体を有し、地中に設置される地中構造物であって、
前記環状体は直線部セグメントおよび角部セグメントがそれぞれの側面において接合されてなり、
前記角部セグメントが平面視において非対称であることを特徴とする。
【0007】
(2)また、積層された環状体を有し、地中に設置される地中構造物であって、
前記環状体は直線部セグメントおよび角部セグメントがそれぞれの側面において接合されてなり、
前記環状体である下方環状体の上に、前記環状体である上方環状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方環状体における前記直線部セグメントと前記角部セグメントの接合位置と、前記上方環状体における前記直線部セグメントと前記角部セグメントの接合位置とが、相違していることを特徴とする。
【0008】
(3)前記(1)または(2)において、前記所定の環状体である下方環状体の上に、前記環状体である上方環状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方環状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である下方接合位置と、前記上方環状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である下方接合位置とが、周方向で相違し、
前記下方接合位置とこれに最も近い前記上方接合位置との間に、前記下方環状体と前記上方環状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする。
【0009】
(4)前記(3)において、前記継手手段が複数であって、
前記下方環状体および前記上方環状体は、それぞれ前記角部セグメントの左側に前記直線部セグメントが配置されたとき、
前記角部セグメントの左側面に最も近い前記一方の継手手段と左側面との距離(L1)と、
前記角部セグメントの右側面に最も近い前記他方の継手手段と右側面との距離(R1)と、
前記角部セグメントの前記一方の継手手段と前記他方の継手手段との距離(C1)と、
前記直線部セグメントの左側面に最も近い前記一方の継手手段と左側面との距離(L2)と、
前記直線部セグメントの右側面に最も近い前記他方の継手手段と右側面との距離(R2)と、
前記直線部セグメントの前記一方の継手手段と前記他方の継手手段との距離(C2)との間に、
C1=L2+R1・・・・・(式1)
C2=L1+R2・・・・・(式2)
の関係があることを特徴とする。
【0010】
(5)前記(2)乃至(4)の何れかにおいて、前記直線部セグメントの両側面および両端面のそれぞれに、互いに連通した凹溝が形成され、
前記セグメントの両側面および両端面のそれぞれに、互いに連通した凹溝が形成され、
前記直線部セグメントの一方の側面に形成された凹溝と、前記直線部セグメントに接合された前記角部セグメントの他方の側面に形成された凹溝とが、連通し、
前記下方環状体における前記直線部セグメントの上方の端面に形成された凹溝および前記角部セグメントの上方の端面に形成された凹溝と、前記上方環状体における前記直線部セグメントの下方の端面に形成された凹溝および前記角部セグメントの下方の端面に形成された凹溝と、が連通することを特徴とする。
【0011】
(6)さらに、積層された8字状体を有し、地中に設置される地中構造物であって、
前記8字状体が、直線部セグメントおよび角部セグメントが接合されてなる第1C字状体と、直線部セグメントおよび角部セグメントが接合されてなる第2C字状体と、前記第1C字状体と前記第2C字状体とを連結する中間体とを有し、
前記中間体が、中間体直線部セグメントと、該中間体直線部セグメントの一方の側面に接合された第1分岐セグメントと、該中間体直線部セグメントの他方の側面に接合された第2分岐セグメントと、から形成され、
前記第1分岐セグメントの一方の側面と、前記第2分岐セグメントの一方の側面と、が前記第1C字状体の側面にそれぞれ接合され、且つ、前記第1分岐セグメントの他方の側面と、前記第2分岐セグメントの他方の側面と、が前記第2C字状体の側面にそれぞれ接合されていることを特徴とする。
【0012】
(7)前記(6)において、前記所定の8字状体である下方8字状体の上に、前記8字状体である上方8字状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である下方接合位置と、前記上方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である上方接合位置とが、相違し、
前記下方接合位置とこれに最も近い前記上方接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする。
【0013】
(8)前記(6)または(7)において、前記所定の8字状体である下方8字状体の上に、前記8字状体である上方8字状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である下方第1中間接合位置と、前記上方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である上方第2中間接合位置とが、相違し、
前記下方第1中間接合位置とこれに最も近い前記上方第2中間接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置され、
前記下方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である下方第2中間接合位置と、前記上方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である上方第1中間接合位置とが、相違し、
前記下方第2中間接合位置とこれに最も近い前記上方第1中間接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする。
【0014】
(9)前記(6)乃至(8)の何れかにおいて、前記所定の8字状体である下方8字状体の上に、前記8字状体である上方8字状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である下方第1分岐接合位置と、前記上方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である上方第2分岐接合位置とが、相違し、
前記下方第1分岐接合位置とこれに最も近い前記上方第2分岐接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置され、
前記下方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である下方第2分岐接合位置と、前記上方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である上方第1分岐接合位置とが、相違し、
前記下方第2分岐接合位置とこれに最も近い前記上方第1分岐接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする。
【0015】
(10)前記(3)、(4)、(7)、(8)又は(9)の何れかにおいて、前記継手手段がボルトであることを特徴とする。
【0016】
(11)前記(1)乃至(10)の何れかにおいて、前記角部セグメントの両側面のなす角度が60°であることを特徴とする。
(12)前記(1)乃至(11)の何れかにおいて、前記直線部セグメントおよび角部セグメントが鉄筋コンクリートによって形成されることを特徴とする。
(13)前記(7)乃至(10)の何れかにおいて、前記中間体直線部セグメント、前記第1分岐セグメントおよび前記第2分岐セグメントが鉄筋コンクリートによって形成されることを特徴とする。
【0017】
(14)さらに、本発明に係る角部セグメントは、前記(1)乃至(13)の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする。
(15)さらに、本発明に係る中間体直線部セグメントは、前記(7)乃至(10)の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする。
(16)さらに、本発明に係る第1分岐セグメントは、前記(7)乃至(10)の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする。
(17)さらに、本発明に係る第2分岐セグメントは、前記(7)乃至(10)の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
(i)本発明に係る地中構造物は、積層された環状体によって形成され、環状体は直線部セグメントの側面と平面視において非対称の角部セグメントの側面とが、互いに接合されてなる。このとき、角部セグメントの両側面がなす角度を変更することによって、所望の多角形の地中構造物を形成することができる。しかも、所定の多角形の地中構造物において、角部セグメントは1種類で済むから、量産化によって安価になる。また、角部セグメントに挟まれた直線部セグメントは、その長さ(あるいは、互いに連結された数量)を変更するだけで、断面多角形のサイズ(大小)を容易に変更することができるから、緊急のサイズ変更に対しても、迅速且つ安価に対応することができる。さらに、後記する「千鳥構造」を可能にするから、堅固な構造の地中構造物が得られる。
【0019】
(ii)また、本発明に係る地中構造物は、積層された8字状体を有するから、中間体を共通にした2連の断面多角形の地中構造物を提供することができる。
したがって、断面多角形の地中構造物を並べて設置するためには、通常、両者の間に所定の距離を設ける必要があるものの、本発明に係る地中構造物では、両者に共通する中間体によって両者を一体化しているから、前記両者間の距離は不要となり、施工スペースを狭くすることが可能になる。すなわち、狭い施工スペースであっても、本発明に係る地中構造物を設置することが可能になるから、設置場所の自由度が増す。
また、共通する中間体に相当する部分の部材が共通化されるので、一部の部材が不要になるから、地中構造物の製造コストが安価になる。環状体を上下に反転して積層すれば、共通部材で強固な千鳥構造となる。
そして、前記(i)と同様に、第1の分岐セグメントおよび第2の分岐セグメントは、それぞれ1種類で済み、直線部セグメントの長さ(あるいは、互いに連結される数量)を変更するだけで、いろいろなサイズ(大小)の地中構造物が得られる。さらに、後記する「千鳥構造」を可能にするから、堅固な構造の地中構造物が得られる。
【0020】
(iii)さらに、角部セグメントの両端面のなす角度が60°であるから、様々な大きさの断面が六角形(正確には、円弧状の角部を有する)の地中構造物を提供することができる。
【0021】
(iv)さらに、直線部セグメント等がRCによって形成されるため、たとえば、角部セグメントを形成する型枠と、直線部セグメントを形成するスライド型枠とを準備しておけば、直線部セグメントの長さを安価且つ容易に調整することができるから、所望の多角形(四角形、五角形、六角形等)で各種サイズの地中構造物を形成するセグメントを、最少数の型枠によって製造することが可能になり、型枠費用が削減でき、地中構造物の製造コストが安価になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に係る地中構造物を説明する施工状況を示す正面図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る地中構造物をを形成する環状体を示す平面図、非対称を説明するための環状体の一部を示す平面図。
【図3】図2に示す環状体を形成する角部セグメントを示す背面図、平面図、正面図。
【図4】図2に示す環状体を形成する角部セグメントを示す側面図、断面図。
【図5】図2に示す環状体を形成する直線部セグメントを示す平面図、正面図。
【図6】図2に示す環状体を形成する直線部セグメントを示す側面図。
【図7】図2に示す環状体の積層状況を模式的に示す正面図。
【図8】本発明の実施の形態1における四角形体を模式的に示す平面図。
【図9】本発明の実施の形態1における五角形体を模式的に示す平面図。
【図10】本発明の実施の形態2に係る地中構造物を説明する地中構造物の平面図(地中構造物を形成する8字状体を示す平面図)。
【図11】図10に示す8字状体を形成する分岐セグメントを示す平面図。
【図12】図10に示す8字状体を形成する分岐セグメントを示す平面図。
【図13】図10に示す8字状体を形成する中間体直線部セグメントを示す平面図。
【図14】実施の形態2における3連体を模式的に示す平面図。
【図15】実施の形態2における6連体の形態を模式的に示す平面図。
【図16】実施の形態2における4連体の形態を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施の形態1]
(縦坑その1)
図1〜図7は本発明の実施の形態1に係る地中構造物を説明するものであって、図1は施工状況を模式的に示す正面図、図2の(a)はこれを形成する環状体を示す平面図、図2の(b)は非対称を説明するための環状体の一部を示す平面図、図3および図4は図2に示す環状体を形成する角部セグメントを示す平面図等、図5および図6は図2に示す環状体を形成する直線部セグメントを示す平面図等、図7は環状体の積層状況を模式的に示す正面図である。なお、以下の各図において同じ部分または対応する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図1において、地中構造物1(以下、「縦坑」と称す)は、地中9に圧入沈設装置8によって設置されたものであって、環状体10が上下方向に積層され互いに固定された筒状体である。
【0024】
圧入沈設装置8は地中9に浮き上がり不能に固定された装置スタンド8aと、装置スタンド8aに案内されて昇降する昇降アーム8bと、昇降アーム8bに設置され環状体10を地中9に圧入する圧入ジャッキ8cと、昇降アーム8bや圧入ジャッキ8c等を駆動する油圧ユニット8dと、を有している。
そして、以下の説明の便宜上、最上層の環状体10を「環状体10k」と、「環状体k」の直下の環状体10を「環状体10j」と称呼する。すなわち、環状体10jが所定の距離だけ沈下した(圧入された)ところで、昇降アーム8bを持ち上げ、環状体10jの上に環状体10kを載せて両者を固定し、さらに、環状体10kを所定の距離だけ沈下させる(圧入する)ている。なお、共通する内容の説明においては、符号の添え字「j、k」の記載を省略する。
【0025】
(環状体)
図2において、環状体10は、複数のセグメント(角部セグメント100または直線部セグメント200の一方または両方を総称する)を接合したものであるから、環状体10jに環状体10kを固定する要領は、環状に形成された環状体10kを環状体10jに載せても、環状体10jの上にセグメントを載せて固定しながら環状体10kを形成するようにしてもよい。
環状体10は、6点の角部セグメント100と6点の直線部セグメント200とが接合され、六角形(正確には、角部が直線状に面取りされているから、十二角形)を呈している。なお、本発明は六角形に限定されるものではなく、五、七、八角形等の多角形であってもよい。
【0026】
(角部セグメント)
図3の(a)は背面図、図3の(b)は平面図、図3の(c)は正面図、図4の(a)は左側面図、図4の(b)は右側面図、図4の(c)は側面視の断面図である。
図3および図4において、角部セグメント100は鉄筋コンクリート(以下、「RC」と称す)によって形成され、平面視(断面)で左右の辺長が異なる略へ字状を呈し、非対称(これについては別途詳細に説明する)としている。
なお、本発明は角部セグメント100を形成する材質を限定するものではなく、たとえば、鉄鋼(圧延鋼板)、鋳鋼あるいは鋳鉄であってもよい。
すなわち、それぞれ矩形状の平面である第1内面110aと、第2内面110bと、第3内面110cと所定の鈍角で接合され凹面を呈する内面110と、それぞれ矩形状の平面である第1外面120aと、第2外面120bと、矩形状の第3外面120cとが、所定の鈍角で接合され凸面を呈する外面120と、を有している。
そして、第1内面110aの一方の側縁(第2内面110bが接合されていない側縁)と第1外面120aの他方の側縁(第2外面120bが接合されていない側縁)とが、右側面140によって形成され、連続となり、第3内面110cの他方の側縁(第2内面110bが接合されていない側縁)と第3外面120cの他方の側縁(第2外面120bが接合されていない側縁)とが、左側面130によって形成され、連続となっている。
このとき、左側面130と右側面140とがなす角度(図2において「θ」にて示す)は「60°」になっている。
【0027】
したがって、内面110と外面120と左側面130と右側面140との、それぞれの上端縁を接合する上端面150と、それぞれの下端縁を接合する下端面160と、を有している。
さらに、左側面130、右側面140、上端面150および下端面160には、シール部材(図示しない)を設置するための左凹溝131、右凹溝141、上凹溝151および下凹溝161がそれぞれ形成されている。このとき、左凹溝131、右凹溝141、上凹溝151および下凹溝161は連通して、環状の凹溝(以下、「凹溝101」と称す場合がある)を形成している。
なお、荷重条件に応じて、肉厚化や応力集中を低減させるために、第2内面110bや第2外面120bを、図2に示すように曲面にしてもよい。さらに、前記「上、下、あるいは左、右」は説明の便宜であって、角部セグメント100が実際に施工される際の姿勢とは無関係である。たとえば、上端面150が鉛直方向の下側や水平方向の右側になったり、右側面140が水平方向の左側や鉛直方向の上側に見えたりすることがある。
【0028】
(左右接合用継手ボックス)
左側面130には、同一面を形成する左継手板134a、134bが所定の間隔を空けて設置されている。左継手板134a、134bは角部セグメント100の内部に配置された配筋(図示しない)に接続されている。
そして、左継手板134a、134bには、左に配置される直線部セグメント200に角部セグメント100を接合(固定)するための継手ボルト(図示しない)が挿入される左継手ボルト孔132a、132bが形成されている。
さらに、左継手板134a、134bの本体側には、継手ボルトを挿入するためのスペース、あるいは挿入された継手ボルトにナット(図示しない)を螺合して締め付けるためのスペースとなる凹部(以下「左継手ボックス」と称す)133a、133bが、第3外面120cに形成されている。
【0029】
同様に、右側面140には、右に配置される直線部セグメント200に角部セグメント100を接合(固定)するための、継手ボルト(図示しない)が挿入される。すなわち、右継手ボルト孔142a、142bが形成された右継手板144a、144bが設置され、右継手板144a、144bの本体側には、右継手ボックス143a、143bが、第1外面120aに形成されている。
このとき、左継手ボルト孔132aと上端面150との距離、左継手ボルト孔132bと下端面160との距離、右継手ボルト孔142aと上端面150との距離、右継手ボルト孔142bと下端面160との距離は、それぞれ等しくなっている(図中、「H」にて示す)。
【0030】
(上下接合用継手ボックス)
また、上端面150には、同一面を形成する第1上継手板154aおよび第2上継手板154bが、所定の間隔を空けて設置されている。これらの継手板は角部セグメント100の内部に配置された配筋(図示しない)に接続されている。
そして、角部セグメント100を上に配置される角部セグメント100に接合(固定)するための継手ボルト(図示しない)が挿入される、第1上継手ボルト孔152aおよび第2上継手ボルト孔152bが、それぞれ第1上継手板154aおよび第2上継手板154bに設けられている。さらに、第1上継手ボルト孔152aに継手ボルトを挿入して、これに固定ナット(図示しない)を螺合する作業をするための凹部(以下、「第1上継手ボックス」と称す)153aが第3外面120cに形成され、同様に、第2上継手ボックス153bが第1外面120aに形成されている。
【0031】
また、下端面160には、上端面150と面対称の位置に、第1下継手板164aおよび第2下継手板164b、第1下継手ボルト孔162aおよび第2下継手ボルト孔162b、第1下継手ボックス163aおよび第2下継手ボックス163b、それぞれ設けられている。
なお、第1上継手ボルト孔152a(第1下継手ボルト孔162aに同じ)の中心と右側面140との距離を「R1」とし、第2上継手ボルト孔152b(第2下継手ボルト孔162bに同じ)の中心と左側面130との距離(第2上継手ボルト孔152bの中心と左側面130を含む仮想面との最短距離に同じ)を「L1」と、第1上継手ボルト孔152aと第2上継手ボルト孔152bとの距離(直線距離)を「C1」としている。
【0032】
(直線部セグメント)
図5の(a)平面図、図5の(b)は正面図、図6の(a)は左側面図、図6の(b)は右側面図である。
図5および図6において、直線部セグメント200はRCによって形成された直方体(平板状)であって、角部セグメント100の内面110および外面120をそれぞれ平面にしたものに相当している。したがって、以下の説明において、角部セグメント100の部位に相当する直線部セグメント200部位については、前者の符号の3桁目「1」を後者の符号では「2」に変更している。
すなわち、それぞれ矩形状の内面210と、外面220と、左側面230と、右側面240と、上端面250と、下端面260とを有している。このとき、左側面230と右側面240は平行であって、上端面250と下端面260との距離(高さに同じ)は、角部セグメント100の上端面150と下端面160との距離(高さに同じ)に等しくなっている。
【0033】
さらに、左側面230、右側面240、上端面250および下端面260には、シール部材(図示しない)を設置するための左凹溝231、右凹溝241、上凹溝251および下凹溝261がそれぞれ形成されている。このとき、左凹溝231、右凹溝241、上凹溝251および下凹溝261は連通して、環状の凹溝(以下、「凹溝201」と称す場合がある)を形成している。
ここで、図2の(b)を参照して「非対称」について説明する。角部セグメント100の左側面130および右側面140にはそれぞれ直線部セグメント200が接合されている。それぞれの直線部セグメント200において、内面210と外面220との中央を「中央面200c」とし、一対の中央面200cの交点を「角部中心C」とする。また、中央面200cと角部セグメント100の左側面130との交点を「左側面中心A」と、中央面200cと角部セグメント100の右側面140との交点を「右側面中心B」とする。このとき、「左側面中心Aと角部中心Cとの距離(A1)」と「右側面中心Bと角部中心Cとの距離(B1)」とが相違すること(A1≠B1)を本発明では「非対称」と定義している。
なお、図2の(b)において、中央面200cが左側面130および右側面140にそれぞれ直角に交わっているが、傾斜して交差する(直交しない)場合についても、同様に定義されるものである。
さらに、角部セグメント100は略へ字状であるが、略Y字状や略T字状のセグメント(後記する西分岐セグメント300、東分岐セグメント400等)についても「非対称」は同様に定義されるものである。すなわち、接合された3つの直線部セグメント200の内の何れか一対について中心面を定め、該中心面との交点として、左側面中心、角部中心および右側面中心を求め、左側面中心と角部中心との距離が、角部中心と右側面中心との距離に相違することを「非対称」とする。
なお、前記「上、下、あるいは左、右」は説明の便宜であって、直線部セグメント200が実際に施工される際の姿勢とは無関係である。たとえば、上端面250が鉛直方向の下側や水平方向の右側になったり、右側面240が水平方向の左側や鉛直方向の上側に見えたりすることがある。
【0034】
(左右接合用継手ボックス)
左側面230および右側面240には、左継手板234a、234bおよび右継手板244a、244bが、それぞれ配置され、左右に配置される角部セグメント100または直線部セグメント200に接合(固定)するための継手ボルト(図示しない)が挿入される左継手ボルト孔232a、232bおよび右継手ボルト孔242a、242bが、それぞれ設けられている。
このとき、左継手ボルト孔232aと上端面250との距離、左継手ボルト孔232bと下端面260との距離、右継手ボルト孔242aと上端面250との距離、右継手ボルト孔242bと下端面260との距離は、それぞれ等しく、さらに、当該距離は角部セグメント100における左継手ボルト孔132aと上端面150との距離に等しい(図中、「H」にて示す)。
そして、左継手ボルト孔232a、232bおよび右継手ボルト孔242a、242bに対して、左継手ボックス233a、233bおよび右継手ボックス243a、243bが、外面220にそれぞれ形成されている。
【0035】
(上下接合用継手ボックス)
また、上端面250には、同一面を形成する第1上継手板254aおよび第2上継手板254bが、所定の間隔を空けて設置されている。これらの継手板は直線部セグメント200の内部に配置された配筋(図示しない)に接続されている。
そして、直線部セグメント200を上に配置される直線部セグメント200に接合(固定)するための継手ボルト(図示しない)が挿入される、第1上継手ボルト孔252aおよび第2上継手ボルト孔252bが、それぞれ第1上継手板254aおよび第2上継手板254bに設けられている。さらに、第1上継手ボルト孔252aに継手ボルトを挿入して、これに固定ナット(図示しない)を螺合する作業をするための凹部(以下、「第1上継手ボックス」と称す)253aが外面220に形成され、同様に、第2上継手ボックス253bが外面220に形成されている。
【0036】
また、下端面260には、上端面250と面対称の位置に、第1下継手板264aおよび第2下継手板264b、第1下継手ボルト孔262aおよび第2下継手ボルト孔262b、第1下継手ボックス263aおよび第2下継手ボックス263b、それぞれ設けられている。
なお、第1上継手ボルト孔252a(第1下継手ボルト孔262aに同じ)の中心と右側面140との距離を「R2」とし、第2上継手ボルト孔252b(第2下継手ボルト孔262bに同じ)の中心と左側面130との距離を「L2」としている。第1上継手ボルト孔252aと第2上継手ボルト孔252bとの距離(直線距離)を「C2」としている。
【0037】
そして、角部セグメント100における寸法「L1」、「C1」および「R1」と直線部セグメント200における寸法「L2」、「C2」および「R2」との間には、
C1=L1+R2・・・・・(式1)
C2=L2+R1・・・・・(式2)
の関係がある。このとき、「L1>0、L2>0、R1>0、R2>0」であるから、後記「千鳥構造」が可能になっている。
【0038】
(環状体の組立)
図7において、地中構造物1は環状体10jの上に環状体10kが設置されている。
そして、環状体10jおよび環状体10kは、角部セグメント100と直線部セグメント200とが交互に連結されている。すなわち、角部セグメント100の左側面130に他方の直線部セグメント200の右側面240が接合され、角部セグメント100の右側面140に一方の直線部セグメント200の左側面230が接合されている。
このとき、角部セグメント100の左継手ボルト孔132a、132bおよび右継手ボルト孔142a、142bと、直線部セグメント200の左継手ボルト孔232a、232bおよび右継手ボルト孔242a、242bは、それぞれ同じ位相(上端面150、下端面160、上端面250または下端面260からの距離「H」にある)に位置しているから、それぞれ対向する継手ボルト孔に継手ボルト(図示しない)が挿入されている。継手手段を継手ボルトとしたが、ボルトにかえて、片側締結ボルト(ワンサイドボルト)でも良いし、ワンタッチ式の継手でも良い。
【0039】
そして、角部セグメント100における寸法「L1」および「R1」と直線部セグメント200における寸法「L2」および「R2」との間には、式1、式2の関係があることから、環状体10jの上面(角部セグメント100の上端面150に同じ)に、環状体10kの下面(角部セグメント100の上端面150に同じ)が当接している。すなわち、環状体10jと環状体10kとは上下が反対(反転された状態)になっている。
このため、各環状体10における角部セグメント100と直線部セグメント200との鉛直方向の接合面は、上下の環状体10の左右方向で千鳥状に「ズレて」配置されている。よって、地中構造物1は、かかる接合面が左右方向で千鳥状に配置されるから、より堅固な構造になっている。なお、前記のように、環状体10j、10kに穿設された継手ボルト孔の孔ピッチが同じであるので、不具合なく構成される。
角部セグメント100は、左右の辺長が異なる略ヘ字状を呈し、非対称としていることから、同一の角部セグメント100を上下反転して積層すれば、上下環状体10の接合面は、左右方向で千鳥状に「ズレて」配置される。したがって、千鳥状を構成するのに、異なる角部セグメントを使用せずに、共通の角部セグメント100を使用することができる。
【0040】
すなわち、環状体10jの上に環状体10kが設置され、環状体10jを形成する角部セグメント100の上端面150と環状体10kを形成する角部セグメント100の下端面160とが当接し、前者の第1上継手ボルト孔152aおよび第2上継手ボルト孔152bと、後者の第2下継手ボルト孔162bおよび第1下継手ボルト孔162aとが、それぞれ対向し、対向した継手ボルト孔に継手ボルトが挿入されている。
また、環状体10jを形成する直線部セグメント200の上端面250と環状体10kを形成する直線部セグメント200の下端面260とが当接し、前者の第1上継手ボルト孔252aおよび第2上継手ボルト孔252bと、後者の第2下継手ボルト孔262bおよび第1下継手ボルト孔262aとが、それぞれ対向し、対向した継手ボルト孔に継手ボルトが挿入されている。
【0041】
(千鳥構造)
ここで、説明の便宜上、環状体10j(下方環状体に相当する)において、所定の角部セグメント100の左側面130と直線部セグメント200との接合位置を下方左接合位置13jとし、角部セグメント100jの右側面240と直線部セグメント200との接合位置を下方右接合位置14jとする。
そして、環状体10k(上方環状体に相当する)においても、これに準じて上方左接合位置13kと上方右接合位置14kとを定義する。
そして、下方の環状体10jを構成する部材または部位については名称に「下方」、符号に添え字「j」を付し、上方の環状体10kを構成する部材または部位については名称に「上方」、符号に添え字「k」を付す。
そうすると、上方に配置される上方環状体10kは、下方環状体10jに対して、上下が反転しているから、下方左接合位置13jに最も近い位置には上方右接合位置14kが配置され、下方右接合位置14jに最も近い位置には上方左接合位置13kが配置される。
【0042】
そして、下方左接合位置13jと上方右接合位置14kとの間には、下方直線部セグメント200jの第1上ボルト孔252aと上方角部セグメント100kの第1上ボルト孔152aとが位置し、これに挿入された継手ボルト(図示しない)によって、下方直線部セグメント200jと上方角部セグメント100kとは接合(固定)される。
同様に、下方右接合位置14jと上方左接合位置13kとの間には、下方角部セグメント100jの第1上ボルト孔152aと上方直線部セグメント200kの第1上ボルト孔252aとが位置し、これに挿入された継手ボルト(図示しない)によって、下方角部セグメント100jと上方直線部セグメント200kとは接合(固定)される。
また、下方角部セグメント100jの第2上ボルト孔152bと上方角部セグメント100kの第2上ボルト孔252bとが一致し、これに挿入された継手ボルト(図示しない)によって、下方角部セグメント100jと上方角部セグメント100kとは接合(固定)される。
【0043】
すなわち、下方左接合位置13j、下方右接合位置14j、上方左接合位置13kおよび上方右接合位置14k(以下、それぞれを「継手位置」と称す場合がある)は、何れも、下方角部セグメント100jと上方角部セグメント100kとを接合(固定)する継手ボルトに挟まれ、しかも、一対の継手ボルトの間には継手位置が1箇所に限られている(複数の継手位置が存在することがない)。このため、それぞれの継手位置の接合(固定)が確実になっている。なお、本発明において、このような継手ボルトを伴った接合位置の配置形態を「千鳥構造」と称する。
【0044】
そして、角部セグメント100および直線部セグメント200の素材は限定するものではなく、鉄鋼材料や鋳物材料であってもよい。特に、RC製にしておけば、角部セグメント100は一種類の型枠で製造し、直線部セグメント200は一種類のスライド型枠を用いて、所望の長さに製造することが容易にできる。
したがって、いろいろなサイズ毎(曲率半径毎)に型枠を製造する必要がなくなるため、その製造期間の大幅な短縮や、製造コストの大幅な低減を図ることが可能になる。
【0045】
また、角部セグメント100の左側面130と右側面140とがなす角度を変更することによって、たとえば、72°あるいは45°にすれば、五角形あるいは八角形の筒状体を形成することができる。
さらに、角部セグメント100の左側面130と右側面140とがなす角度が相違する複数種類の角部セグメント100を用いれば、正多角形や面対称形状でない異形状の筒状体を形成することができる。
なお、以上は、環状体10kを一旦形成した後、これを環状体10jに固定する要領を説明しているが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、環状体10kを構成する角部セグメント100を、まず環状体10jを構成する角部セグメント100に固定した後、これに環状体10kを構成する直線部セグメント200に接合して環状体10kを完成させてもよい。
【0046】
(その他の形態)
図8は、実施の形態1における他の形態を模式的に示す平面図である。何れの環状体も平面視で四角形であって、環状体10と同様に、上下を反転して積層することによって、千鳥構造を有する地中構造物を形成することができるものである。
図8の(a)において、四角形体10aを形成する直線部セグメント200aは、外側の辺の長さが内側の辺の長さよりも長くなっている。一方、角部セグメント100aは平面視において非対称であって、両側面がなす角度が鋭角である。
図8の(b)において、四角形体10bを形成する直線部セグメント200bは、外側の辺の長さと内側の辺の長さが同じになっている(平面視、矩形状に同じ)。一方、角部セグメント100bは平面視において非対称であって、両側面がなす角度が直角である。
図8の(c)において、四角形体10cを形成する直線部セグメント200cは、外側の辺の長さが内側の辺の長さよりも短くなっている。一方、角部セグメント100cは平面視において非対称であって、両側面がなす角度が鈍角である。
【0047】
図9は、実施の形態1における他の形態を模式的に示す平面図である。何れの環状体も平面視で五角形であって、環状体10と同様に、上下を反転して積層することによって、千鳥構造を有する地中構造物を形成することができるものである。
図9の(a)において、角部セグメント100a(図8の(a))と、外側の辺の長さが内側の辺の長さよりも長くなっている直線部セグメント200dによって、五角形体10dが形成されている。なお、直線部セグメント200a(図8の(a))を用いて、角部セグメントの両側面がなす角度を変更しても、五角形を形成することができる。
図9の(b)において、角部セグメント100b(図8の(b))と、外側の辺の長さが内側の辺の長さよりも短くなっている直線部セグメント200eによって、五角形体10eが形成されている。なお、直線部セグメント200b(図8の(b))を用いて、角部セグメントの両側面がなす角度を変更しても、五角形を形成することができる。
図9の(c)において、角部セグメント100c(図8の(c))と、外側の辺の長さが内側の辺の長さよりも短くなっている直線部セグメント200fによって、五角形体10fが形成されている。なお、直線部セグメント200c(図8の(c))を用いて、角部セグメントの両側面がなす角度を変更しても、五角形を形成することができる。
【0048】
[実施の形態2]
(縦坑その2)
図10〜図13は本発明の実施の形態2に係る地中構造物を説明するものであって、図10は地中構造物の平面図(地中構造物を形成する8字状体を示す平面図に同じ)、図11および図12は図10に示す8字状体を形成する分岐セグメントを示す平面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
地中構造物2は、8字状体50を積層して形成された2連の筒状空間を具備するものである。積層の要領は実施の形態1に示す環状体10の積層に準じる。
【0049】
図10〜図13において、説明の便宜上、紙面の上側を「北」、下側を「南」、左側を「西」、右側を「東」とするが、8字状体50の実際の設置姿勢とは関係がない。
8字状体50は、角部セグメント100および直線部セグメント200が接合されてなる北C字状体(第1のC字状体に相当する)20と、角部セグメント100および直線部セグメント200が接合されてなる南C字状体(第2のC字状体に相当する)30と、北C字状体20と南C字状体30とを連結する中間体40と、から形成されている。
北C字状体20および南C字状体30は、実施の形態1に説明した環状体10の一部を欠いたものに同じである。
【0050】
(中間体)
中間体40は、中間体直線部セグメント500と、中間体直線部セグメント500の西端(他方の端面に同じ)に接合された西分岐セグメント(第1分岐セグメントに同じ)300と、直線部セグメント200の東端(一方の端面に同じ)に接合された東分岐セグメント(第2分岐セグメントに同じ)400と、から形成されている。
【0051】
(西分岐セグメント)
図11において、西分岐セグメント(第1分岐セグメントに相当する)300は、平面視形状が略V字状の柱体であって、中間体40を構成する中間体直線部セグメント500の左側面530に接合される東端面340と、北C字状体20の直線部セグメント200の右側面240に接合される西北端面370と、南C字状体30の直線部セグメント200の左側面230に接合される西南端面380と、を有している。
そして、上端面350には、西側の略中央に第1上継手板354aが、西南端面380寄りの位置に第2上継手板354bが設置され、それぞれには第1上継手ボルト孔352a、第2上継手ボルト孔352b、および第1上端面継手ボックス353a、第2上端面継手ボックス353bが形成されている。
また、上端面350には、シール用の上凹溝351a、351bが設けられ、両者は東端面34において連結されている。。
なお、東端面340、西北端面370および西南端面380にも、実施の形態1に準じた、継手ボルト孔等が形成されている。
【0052】
(東分岐セグメント)
図12において、東分岐セグメント(第2分岐セグメントに相当する)400は、平面視形状が略Y字状の柱体であって、中間体40を構成する中間体直線部セグメント500の右側面540に接合される西端面430と、北C字状体20の直線部セグメント200の左側面230に接合される東北端面470と、南C字状体30の直線部セグメント200の右側面240に接合される東南端面480と、を有している。
そして、上端面450には、東北端面470寄りの位置に第1上継手板454a、東側の略中央に第2上継手板454b、西端面430寄りの位置に第3上継手板454cが設置されている。そして、それぞれには第1上継手ボルト孔452a、第2上継手ボルト孔452bおよび第3上継手ボルト孔452c、や第1上端面継手ボックス453a、第2上端面継手ボックス453bおよび第3上端面継手ボックス453cが形成されている(図示しない下天面についても同じ)。
また、上端面450には、シール用の上凹溝451a、451bが設けられ、両者は西端面430において連結され(図示しない下天面に同じ)。
なお、西端面440、東北端面470および東南端面480にも、実施の形態1に準じた、継手ボルト孔等が形成されている。
【0053】
(中間体直線部セグメント)
図13において、中間体直線部セグメント500は、シール部材(図示しない)を設置するための左凹溝等が厚さ方向の中央に形成されている点を除き、直線部セグメント200と同じである。したがって、各部位の名称は、それぞれが対応する直線部セグメント200の部位の名称の3桁目(百の位)を「2」から「5」に変更している。
【0054】
(環状体の組立)
図10において、地中構造物2は、実施の形態1における地中構造物1と同様に、8字状体50を積層したものである。
このとき、説明の便宜上、下方に配置された所定位置の8字状体50を「下方8字状体50j」と、下方8字状体50jの上に設置される8字状体50を「上方8字状体50k」とし、前者を構成する部材または部位の符号には「j」を、後者を構成する部材または部位の符号には「k」を付し、継手板や継手ボックスについては符号の記載を省略する。
そうすると、上方8字状体50kは下方8字状体50jに対して、上下方向が反転し、南北および東西方向が反対になっている(一方が鉛直線を中心に180°回転した状態に同じ)。すなわち、下方8字状体50jの第1C字状体20jおよび西分岐セグメント300jの上に、上方8字状体50kの第2C字状体30kおよび東分岐セグメント400kが配置され、下方8字状体50jの第2C字状体30jおよび東分岐セグメント400jの上に、上方8字状体50kの第1C字状体20kおよび西分岐セグメント300kが配置されている。
【0055】
そして、下方8字状体50jにおける中間体直線部セグメント500jの側面と西分岐セグメント300jの側面との接合位置である下方第1中間接合位置16jと、上方8字状体50kにおける中間体直線部セグメント500kの側面と東分岐セグメント400kの側面との接合位置である上方第2中間接合位置17kとが、相違し、下方第1中間接合位置16jとこれに最も近い上方第2中間接合位置17kとの間に、下方8字状体50jと上方8字状体50kとを積層方向で接合する継手ボルトが配置されている。
また、下方8字状体50jにおける中間体直線部セグメント500jの側面と東分岐セグメント400jの側面との接合位置である下方第2中間接合位置17jと、上方8字状体50kにおける中間体直線部セグメント500kの側面と西分岐セグメント300kの側面との接合位置である上方第1中間接合位置16kとが、相違し、下方第2中間接合位置17jとこれに最も近い上方第1中間接合位置16kとの間に、下方8字状体50jと上方8字状体50kとを積層方向で接合する継手ボルトが配置されている。
【0056】
さらに、下方8字状体50jにおける直線部セグメント200jの側面と西分岐セグメント300jの側面との接合位置である下方第1分岐接合位置15jと、上方8字状体50kにおける直線部セグメント200kの側面と東分岐セグメント400kの側面との接合位置である上方第2分岐接合位置18kとが、相違し、下方第1分岐接合位置15jとこれに最も近い上方第2分岐接合位置18kとの間に、下方8字状体50jと上方8字状体50kとを積層方向で接合する継手ボルトが配置されている。
また、下方8字状体50jにおける直線部セグメント200jの側面と東分岐セグメント400jの側面との接合位置である下方第2分岐接合位置18jと、上方8字状体50kにおける直線部セグメント200kの側面と西分岐セグメント200kの側面との接合位置である上方第1分岐接合位置15kとが、相違し、下方第2分岐接合位置18jとこれに最も近い上方第1分岐接合位置15kとの間に、下方8字状体50jと上方8字状体50kとを積層方向で接合する継手ボルトが配置されている。
【0057】
したがって、地中構造物2においても、地中構造物1と同様に、各セグメント同士が当接する鉛直方向の接合面(接合位置)が、上下方向で「ズレて」配置され、上下方向を接合する継手ボルトの間には、接合面が1箇所だけ配置されている。すなわち、地中構造物2においても、千鳥構造が形成されるから、地中構造物2はより堅固な構造になっている。
【0058】
以上のように、地中構造物2は、積層された8字状体50を有するから、中間体40を共通にした2連の断面六角形の地中構造物になっている。そうすると、通常、断面六角形の地中構造物を並べて設置するためには、両者の間に所定の距離を設ける必要があるものの、地中構造物2では共通する中間体40によって一体化しているから、前記両者間の距離は不要となり、施工スペースを狭くすることが可能になる。すなわち、狭い施工スペースであっても、地中構造物2を設置することが可能になるから、設置場所の自由度が増す。
【0059】
また、共通する中間体40(少なくとも中間体40を形成する直線部セグメント200)に相当する部分の部材が不要になるから、地中構造物2の製造コストが安価になる。
そして、西分岐セグメント300および東分岐セグメント400をそれぞれ1種類に抑え、直線部セグメントの長さ(あるいは、互いに連結される数量)を変更するだけで、いろいろなサイズ(大小)の地中構造物が得られる。なお、北C字状体20と南C字状体30のサイズ(大小)は相違してもよい。
特に、直線部セグメント200をRC製にしておけば、これを製造するスライド型枠を調整するだけで、所望のサイズ(長さ)の直線部セグメント200を製造することができる。したがって、地中構造物2のサイズ(直径等)に対応した型枠を、サイズ毎に製造する必要がなくなるから、角部セグメント100、西分岐セグメント300、東分岐セグメント400、を製造する型枠をそれぞれ一種類にして、直線部セグメント200を製造するスライド型枠を一種類に抑えることが可能になる。よって、地中構造物2のサイズに関わらず、その製造期間の短縮や製造コストの大幅な低減を図ることが可能になる。
【0060】
(その他の形態)
図14〜図15は、実施の形態2における他の形態を模式的に示す平面図である。何れも、8字状体50と同様に、上下および左右を反転して積層することによって、千鳥構造を有する地中構造物を形成することができるものである。
図14において、3連体70aは3連の断面六角形の筒状空間を形成したものであって、中央に位置する中間筒状体60aと、これに接合された第1C字状体20および第2C字状体30と、から形成されている。中間筒状体60aは、2つの中間体40と、4つの直線部セグメント200と、2つの角部セグメント100とから、形成されている。
なお、本発明において、連結する筒状体の数量は限定されるものではないから、4連体、あるいはそれ以上の中間筒状体60aを連結した多連体であってもよい。
【0061】
図15において、6連体70bは6連の断面六角形の筒状空間とこれに包囲された断面六角形の1つの筒状空間を形成したものであって、6角形の環状体10の2辺を欠く環状体10b(正確には環状になっていない)と、6角形の環状体10の2辺を中間体40に変更した中間筒状体60b、とを交互に接続したものである。
なお、6連体70bの各辺には2連の断面六角形空間が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、中間筒状体60bの中央に、中間筒状体60a(図13参照)を挿入して、各辺に3連または3連以上の断面六角空間を形成するようにしてもよい。
【0062】
図16において、4連体70cは4連の断面矩形の筒状空間を形成したものである。4連体70cは、2つの中間筒状体60cと、2つのコ字状体60dとから形成されている。中間筒状体60cは、平面視でT字状の第1分岐セグメント300bと、平面視でT字状の第2分岐セグメント400bと、中間壁の一部を形成する中間体直線部セグメント500bと、側壁の一部を形成する直線部セグメント200b(図8の(b)参照)と、から形成されている。また、コ字状体60dは、2つの角部セグメント100bと3つの直線部セグメント200b(図8の(b)参照)とを有している。
なお、4連体70cは2つの中間筒状体60cと2つのコ字状体60dとから形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、中間筒状体60cの数量を1つにして3連体、3つ(4以上)にして5連体(多連体)にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は以上の構成であるため、環状体を上下反転させて積層することで強固な千鳥構造とすることができ、かつ各角部セグメントと各直線部セグメントとは共通のものが使用できる。また、直線部セグメントの長さを変更するだけで、所望のサイズ(大小)の地中構造物を形成することができるから、施工の迅速化および施工コストの低減化を図ることができる。よって、縦坑やトンネル(斜坑、横坑を含む)等の各種地中構造物として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 地中構造物(実施の形態1)
2 地中構造物(実施の形態2)
8 圧入沈設装置
8a 装置スタンド
8b 昇降アーム
8c 圧入ジャッキ
8d 油圧ユニット
9 地中
10 環状体
20 北C字状体
30 南C字状体
40 中間体
50 8字状体
60a 中間筒状体
60b 中間筒状体
60c 中間筒状体
60d コ字状体
70a 3連体
70b 6連体
70c 4連体
100 角部セグメント
101 凹溝
110 内面
120 外面
130 左側面
131 左凹溝
132a 左継手ボルト孔
132b 左継手ボルト孔
133a 左継手ボックス
133b 左継手ボックス
134a 左継手板
134b 左継手板
140 右側面
141 右凹溝
142a 右継手ボルト孔
142b 右継手ボルト孔
143a 右継手ボックス
143b 右継手ボックス
144a 右継手板
144b 右継手板
150 上端面
151 上凹溝
152a 第1上継手ボルト孔
152b 第2上継手ボルト孔
153a 第1上継手ボックス
153b 第2上継手ボックス
154a 第1上継手板
154b 第2上継手板
160 下端面
161 下凹溝
162a 第1下継手ボルト孔
162b 第2下継手ボルト孔
163a 第1下継手ボックス
163b 第2下継手ボックス
164a 第1下継手板
164b 第2下継手板
200 直線部セグメント
201 凹溝
210 内面
220 外面
230 左側面
231 左凹溝
232a 左継手ボルト孔
232b 左継手ボルト孔
233a 左継手ボックス
233b 左継手ボックス
234a 左継手板
234b 左継手板
240 右側面
241 右凹溝
242a 右継手ボルト孔
242b 右継手ボルト孔
243a 右継手ボックス
243b 右継手ボックス
244a 右継手板
244b 右継手板
250 上端面
251 上凹溝
252a 第1上継手ボルト孔
252b 第2上継手ボルト孔
253a 第1上継手ボックス
253b 第2上継手ボックス
254a 第1上継手板
254b 第2上継手板
260 下端面
261 下凹溝
262a 第1下継手ボルト孔
262b 第2下継手ボルト孔
263a 第1下継手ボックス
263b 第2下継手ボックス
264a 第1下継手板
264b 第2下継手板
300 西分岐セグメント
340 東端面
350 上端面
351a 上凹溝
351b 上凹溝
352a 第1上継手ボルト孔
352b 第2上継手ボルト孔
352c 第3上継手ボルト孔
354a 第1上継手板
354b 第2上継手板
354c 第3上継手板
370 西北端面
380 西南端面
400 東分岐セグメント
430 西端面
440 西端面
450 上端面
451a 上凹溝
451b 上凹溝
452a 第1上継手ボルト孔
452b 第2上継手ボルト孔
452c 第3上継手ボルト孔
452d 第4上継手ボルト孔
454a 第1上継手板
454b 第2上継手板
454c 第3上継手板
454d 第4上継手板
470 東北端面
480 東南端面
500 中間体直線部セグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された環状体を有し、地中に設置される地中構造物であって、
前記環状体は直線部セグメントおよび角部セグメントがそれぞれの側面において接合されてなり、
前記角部セグメントが平面視において非対称であることを特徴とする地中構造物。
【請求項2】
積層された環状体を有し、地中に設置される地中構造物であって、
前記環状体は直線部セグメントおよび角部セグメントがそれぞれの側面において接合されてなり、
前記環状体である下方環状体の上に、前記環状体である上方環状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方環状体における前記直線部セグメントと前記角部セグメントの接合位置と、前記上方環状体における前記直線部セグメントと前記角部セグメントの接合位置とが、相違していることを特徴とする地中構造物。
【請求項3】
前記所定の環状体である下方環状体の上に、前記環状体である上方環状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方環状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である下方接合位置と、前記上方環状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である下方接合位置とが、周方向で相違し、
前記下方接合位置とこれに最も近い前記上方接合位置との間に、前記下方環状体と前記上方環状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の地中構造物。
【請求項4】
前記継手手段が複数であって、
前記下方環状体および前記上方環状体は、それぞれ前記角部セグメントの左側に前記直線部セグメントが配置されたとき、
前記角部セグメントの左側面に最も近い前記一方の継手手段と左側面との距離(L1)と、
前記角部セグメントの右側面に最も近い前記他方の継手手段と右側面との距離(R1)と、
前記角部セグメントの前記一方の継手手段と前記他方の継手手段との距離(C1)と、
前記直線部セグメントの左側面に最も近い前記一方の継手手段と左側面との距離(L2)と、
前記直線部セグメントの右側面に最も近い前記他方の継手手段と右側面との距離(R2)と、
前記直線部セグメントの前記一方の継手手段と前記他方の継手手段との距離(C2)との間に、
C1=L1+R2・・・・・(式1)
C2=L2+R1・・・・・(式2)
の関係があることを特徴とする請求項3記載の地中構造物。
【請求項5】
前記直線部セグメントの両側面および両端面のそれぞれに、互いに連通した凹溝が形成され、
前記角部セグメントの両側面および両端面のそれぞれに、互いに連通した凹溝が形成され、
前記直線部セグメントの一方の側面に形成された凹溝と、前記直線部セグメントに接合された前記角部セグメントの他方の側面に形成された凹溝とが、連通し、
前記下方環状体における前記直線部セグメントの上方の端面に形成された凹溝および前記角部セグメントの上方の端面に形成された凹溝と、前記上方環状体における前記直線部セグメントの下方の端面に形成された凹溝および前記角部セグメントの下方の端面に形成された凹溝と、が連通することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の地中構造物。
【請求項6】
積層された8字状体を有し、地中に設置される地中構造物であって、
前記8字状体が、直線部セグメントおよび角部セグメントが接合されてなる第1C字状体と、直線部セグメントおよび角部セグメントが接合されてなる第2C字状体と、前記第1C字状体と前記第2C字状体とを連結する中間体とを有し、
前記中間体が、中間体直線部セグメントと、該中間体直線部セグメントの一方の側面に接合された第1分岐セグメントと、該中間体直線部セグメントの他方の側面に接合された第2分岐セグメントと、から形成され、
前記第1分岐セグメントの一方の側面と、前記第2分岐セグメントの一方の側面と、が前記第1C字状体の側面にそれぞれ接合され、且つ、前記第1分岐セグメントの他方の側面と、前記第2分岐セグメントの他方の側面と、が前記第2C字状体の側面にそれぞれ接合されていることを特徴とする地中構造物。
【請求項7】
前記所定の8字状体である下方8字状体の上に、前記8字状体である上方8字状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である下方接合位置と、前記上方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記角部セグメントの側面との接合位置である上方接合位置とが、相違し、
前記下方接合位置とこれに最も近い前記上方接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする請求項6記載の地中構造物。
【請求項8】
前記所定の8字状体である下方8字状体の上に、前記8字状体である上方8字状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である下方第1中間接合位置と、前記上方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である上方第2中間接合位置とが、相違し、
前記下方第1中間接合位置とこれに最も近い前記上方第2中間接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置され、
前記下方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である下方第2中間接合位置と、前記上方8字状体における前記中間体直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である上方第1中間接合位置とが、相違し、
前記下方第2中間接合位置とこれに最も近い前記上方第1中間接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする請求項6または7記載の地中構造物。
【請求項9】
前記所定の8字状体である下方8字状体の上に、前記8字状体である上方8字状体が上下方向を反転して積層され、
前記下方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体の第2C字状体および第2分岐セグメントの上に、前記上方8字状体の第1C字状体および第1分岐セグメントが配置され、
前記下方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である下方第1分岐接合位置と、前記上方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である上方第2分岐接合位置とが、相違し、
前記下方第1分岐接合位置とこれに最も近い前記上方第2分岐接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置され、
前記下方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第2分岐セグメントの側面との接合位置である下方第2分岐接合位置と、前記上方8字状体における前記直線部セグメントの側面と前記第1分岐セグメントの側面との接合位置である上方第1分岐接合位置とが、相違し、
前記下方第2分岐接合位置とこれに最も近い前記上方第1分岐接合位置との間に、前記下方8字状体と前記上方8字状体とを積層方向で接合する継手手段が配置されていることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の地中構造物。
【請求項10】
前記継手手段がボルトであることを特徴とする請求項3、4、7、8又は9の何れかに記載の地中構造物。
【請求項11】
前記角部セグメントの両側面のなす角度が60°であることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の地中構造物。
【請求項12】
前記直線部セグメントおよび角部セグメントが鉄筋コンクリートによって形成されることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の地中構造物。
【請求項13】
前記中間体直線部セグメント、前記第1分岐セグメントおよび前記第2分岐セグメントが鉄筋コンクリートによって形成されることを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の地中構造物。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする角部セグメント。
【請求項15】
請求項7乃至10の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする中間体直線部セグメント。
【請求項16】
請求項7乃至10の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする第1分岐セグメント。
【請求項17】
請求項7乃至10の何れかに記載の地中構造物に使用されることを特徴とする第2分岐セグメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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