説明

地中熱ヒートポンプ装置

【課題】蒸発器側の冷媒配管が氷結することによる冷媒配管や機能部品の損傷、騒音の発生を未然に防止することができる地中熱ヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】圧縮機4、負荷側熱交換器5、減圧手段6、熱源側熱交換器7を冷媒配管8で環状に接続したヒートポンプ回路9と、地中熱交換器12と熱源側熱交換器7とを環状に接続した地中熱循環回路14とを備え、地中熱交換器12により地中熱を採熱し、熱源側熱交換器7を蒸発器として機能させると共に、負荷側熱交換器5を凝縮器として機能させて負荷側を加熱する負荷運転を行う地中熱ヒートポンプ装置において、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結を判断する氷結判断手段22を設け、負荷運転中に、氷結判断手段22によって熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結していると判断された場合は、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に高温冷媒を流して解氷する解氷運転を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、年間を通じて温度が比較的安定している地中熱をヒートポンプを介して利用する地中熱ヒートポンプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の地中熱ヒートポンプ装置においては、図18に示すように、圧縮機101、負荷側熱交換器102、膨張弁103、熱源側熱交換器104を冷媒配管105で環状に接続したヒートポンプ回路106と、地盤G中に埋設された地中熱交換器107と、地中熱交換器107と熱源側熱交換器104との間を熱媒配管108で環状に接続した地中熱循環回路109と、地中熱循環回路109に熱媒として不凍液を循環させる地中熱循環ポンプ110とを備え、年間を通じて温度が比較的安定している地中熱を地中熱交換器107により採熱し、熱源側熱交換器104を蒸発器、負荷側熱交換器102を凝縮器として機能させて、負荷側で被空調空間の空気を加熱する暖房運転や給湯水を加熱する沸き上げ運転等の負荷運転を行うものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−236403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来の地中熱ヒートポンプ装置は、前記負荷運転を継続して行い、地中熱交換器107により地盤G中からの採熱を続けると、時間の経過に伴い地盤G中の温度が低下していく。特に、寒冷地で冬場に24時間暖房運転を行うような場合には、それが顕著に現れる。
【0005】
前記負荷運転が継続して行われ、地盤G中の温度が低下し、それにより地中熱交換器107から熱源側熱交換器104に流入する不凍液の温度が低くなり、例えば2℃程度になった場合、熱源側熱交換器104を流れる冷媒の温度は0℃またはマイナス域になっている。
【0006】
そうすると、膨張弁103から圧縮機101に至るまでの熱源側熱交換器104側の冷媒配管105、つまり、低圧側の冷媒配管105も同じくマイナス域となり、低圧側の冷媒配管105の表面に外気中の水分が氷結し、時間の経過に伴い徐々に氷が成長して積層していくこととなる。
【0007】
ところが、低圧側の冷媒配管105が氷結し、氷が成長して積層したとしても、熱源側熱交換器104での熱交換能力は低下することがなく、前記負荷運転を継続することについては何ら問題が生じることはなかった。
【0008】
しかし、低圧側の冷媒配管105が氷結し、その氷が成長し積層し過ぎると、氷がヒートポンプ回路106を内蔵している筐体や筐体内の仕切板等に干渉し、それによる押力が低圧側の冷媒配管105にかかって冷媒配管105が損傷するおそれがあり、また、膨張弁103等の機能部品も氷結して損傷するおそれがあり、さらに、成長した氷が筐体に筐体内の仕切板等に接触すると、圧縮機101の振動が氷を介して筐体に伝わり、騒音を発生するという問題が生じることを本願出願人は知見した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路と、地中に埋設された地中熱交換器と、該地中熱交換器と前記熱源側熱交換器との間を熱媒配管で環状に接続した地中熱循環回路と、該地中熱循環回路に熱媒を循環させる地中熱循環ポンプとを備え、前記地中熱交換器により地中熱を採熱し、前記熱源側熱交換器を蒸発器として機能させると共に、前記負荷側熱交換器を凝縮器として機能させて負荷側を加熱する負荷運転を行う地中熱ヒートポンプ装置において、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段を設け、前記負荷運転中に、前記氷結判断手段によって前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断された場合は、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管に高温冷媒を流して解氷する解氷運転を行うものとした。
【0010】
また、請求項2では、請求項1記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記熱源側熱交換器側の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記負荷運転中に、前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度より高い時の時間を計測する計測手段とを設け、前記氷結判断手段は、前記計測手段での計測時間が予め設定した第1設定時間に到達したら、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断するものとした。
【0011】
また、請求項3では、請求項1記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記熱源側熱交換器側の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記負荷運転中に、前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段とを設け、前記氷結判断手段は、前記積算手段での積算時間が予め設定した第2設定時間に到達したら、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断するものとした。
【0012】
また、請求項4では、請求項3記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットする第1積算リセット手段を設け、該第1積算リセット手段は、前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットするものとした。
【0013】
また、請求項5では、請求項3記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間を減算する第1減算手段を設け、該第1減算手段は、前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記積算手段に記憶された積算時間を減算するものとした。
【0014】
また、請求項6では、請求項3記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記負荷運転を停止した時に、前記積算手段により積算された積算時間が予め設定した第3設定時間に到達していない時は、前記積算手段に積算された積算時間をクリアーする積算クリアー手段を設けたものとした。
【0015】
また、請求項7では、請求項6記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットする第2積算リセット手段を設け、前記負荷運転を停止した時に、前記積算手段により積算された積算時間が前記第3設定時間に到達しており、その後の前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記第2積算リセット手段は、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットするものとした。
【0016】
また、請求項8では、請求項6記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間を減算する第2減算手段を設け、前記負荷運転を停止した時に、前記積算手段により積算された積算時間が前記第3設定時間に到達しており、その後の前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記第2減算手段は、前記積算手段に記憶された積算時間を減算するものとした。
【0017】
また、請求項9では、請求項2から8の何れか一項に記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記冷媒温度検出手段の代わりに、前記熱源側熱交換器から流出し前記地中熱交換器に流入する熱媒の温度を検出する地中往き温度検出手段を設けたものとした。
【発明の効果】
【0018】
この発明の請求項1によれば、負荷運転中に、氷結判断手段によって熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断された場合は、熱源側熱交換器側の冷媒配管に高温冷媒を流して解氷する解氷運転を行うので、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結に起因する冷媒配管や膨張弁等の機能部品の損傷を未然に防止することができると共に、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結に起因する騒音の発生を未然に防止することができるものである。
【0019】
また、請求項2によれば、負荷運転中に、冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度検出手段の検出する外気温度が冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度より高い時の時間を計測する計測手段を設けたことで、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結条件がそろった場合の時間だけを計測でき、氷結判断手段は、計測手段での計測時間が予め設定した第1設定時間に到達したら、熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断するので、無駄な解氷運転を行うことがなく、また、設定時間を設けて熱源側熱交換器側の冷媒配管に氷が積層し過ぎる前に解氷運転を行うことができるものである。
【0020】
また、請求項3によれば、負荷運転中に、冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度検出手段の検出する外気温度が冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段を設けたことで、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結条件がそろった場合の時間だけを積算し、氷結判断手段は、積算手段での積算時間が予め設定した第2設定時間に到達したら、熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断するので、第2設定時間に到達する直前で負荷運転が停止して、熱源側熱交換器側の冷媒配管に氷が張っていたとしても、積算時間が第2設定時間に到達したら解氷運転が行われるので、設定時間を設けて熱源側熱交換器側の冷媒配管に氷が積層し過ぎる前に解氷運転を行うことができ、氷が解け残ることがないものである。
【0021】
また、請求項4によれば、第1積算リセット手段は、負荷運転停止中に、外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、積算手段に記憶された積算時間をリセットすることで、負荷運転を停止している時に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷は自然に解氷され、その時は記憶された積算時間をリセットして零とするので、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。
【0022】
また、請求項5によれば、第1減算手段は、負荷運転停止中に、外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、積算手段に記憶された積算時間を減算することで、負荷運転を停止している時に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷は多少なりとも自然に解氷され、その時は記憶された積算時間を減算するので、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷の解け残りを考慮しつつ、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。
【0023】
また、請求項6によれば、負荷運転を停止した時に、積算手段により積算された積算時間が予め設定した第3設定時間に到達していない時は、負荷運転を停止した際に惰性で熱源側熱交換器側の冷媒配管に流れる高温の冷媒により熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷は解氷されるので、その場合は、積算クリアー手段により積算手段に積算された積算時間をクリアーして零とするので、積算する必要のない時間を積算手段に積算することがなく、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。
【0024】
また、請求項7によれば、負荷運転を停止した時に、積算手段により積算された積算時間が第3設定時間に到達しており、その後の負荷運転停止中に、外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、第2積算リセット手段は、積算手段に記憶された積算時間をリセットすることで、負荷運転を停止して惰性により熱源側熱交換器側の冷媒配管に高温の冷媒が流れた際、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷が解け残ったとしても、負荷運転を停止している時に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器側の冷媒配管に解け残った氷は自然に解氷され、その時は記憶された積算時間をリセットして零とするので、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。
【0025】
また、請求項8によれば、負荷運転を停止した時に、積算手段により積算された積算時間が第3設定時間に到達しており、その後の負荷運転停止中に、外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、第2減算手段は、積算手段に記憶された積算時間を減算することで、負荷運転を停止して惰性により熱源側熱交換器側の冷媒配管に高温の冷媒が流れた際、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷が解け残ったとしても、負荷運転を停止している時に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器側の冷媒配管に解け残った氷は多少なりとも自然に解氷され、その時は記憶された積算時間を減算するので、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷の解け残りを考慮しつつ、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。
【0026】
また、請求項9によれば、冷媒温度検出手段の代わりに、熱源側熱交換器から流出し地中熱交換器に流入する熱媒の温度を検出する地中往き温度検出手段を設け、熱源側熱交換器の冷媒温度と近似した温度である熱源側熱交換器から流出した熱媒の温度を検出することで、地中往き温度検出手段の検出する熱媒の温度から熱源側熱交換器側の冷媒温度を推定でき、熱源側熱交換器側の冷媒配管の氷結の判断を確実に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の第1の実施形態の概略構成図。
【図2】同第1の実施形態の要部ブロック図。
【図3】同第1の実施形態の解氷運転時の動作を示すフローチャート。
【図4】同第2の実施形態の要部ブロック図。
【図5】同第2の実施形態の解氷運転時の動作を示すフローチャート。
【図6】同第2の実施形態の暖房運転停止中の動作を示すフローチャート。
【図7】同第3の実施形態の要部ブロック図。
【図8】同第3の実施形態の暖房運転停止中の動作を示すフローチャート。
【図9】同第4の実施形態の要部ブロック図。
【図10】同第4の実施形態の暖房運転停止中の動作を示すフローチャート。
【図11】同第5の実施形態の要部ブロック図。
【図12】同第5の実施形態の暖房運転停止中の動作を示すフローチャート。
【図13】同第6の実施形態の要部ブロック図。
【図14】同第6の実施形態の暖房運転停止中の動作を示すフローチャート。
【図15】この発明の第1から第6の実施形態における他のヒートポンプ回路概略図。
【図16】この発明の第1から第6の実施形態におけるさらに他のヒートポンプ回路概略図。
【図17】この発明の第1から第6の実施形態における他の概略構成図。
【図18】従来の地中熱ヒートポンプ装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、この発明の第1の実施形態の地中熱ヒートポンプ装置を図1および図2に基づき説明する。
図1のように、本実施形態の地中熱ヒートポンプ装置は、大きく分けてヒートポンプユニット1と、地中熱交換部2と、負荷熱交換部3とから構成されるものである。
【0029】
前記ヒートポンプユニット1は、冷媒を圧縮する能力可変の圧縮機4と、圧縮機4から吐出された高温冷媒を流通させこの高温冷媒と負荷熱交換部3の負荷側の熱媒との熱交換を行う凝縮器としての負荷側熱交換器5と、負荷側熱交換器5から流出する冷媒を減圧する減圧手段としての膨張弁6と、膨張弁6からの減圧した低温冷媒を流通させこの低温冷媒と地中熱交換部2の熱源側の熱媒との熱交換を行う蒸発器としての熱源側熱交換器7とを備え、これらを冷媒配管8で環状に接続しヒートポンプ回路9を形成しているものである。なお、ヒートポンプユニット1の冷媒としては、二酸化炭素冷媒やHFC冷媒等の任意の冷媒を用いることができるものである。また、10は膨張弁6から圧縮機4に至るまでの熱源側熱交換器7側の冷媒配管8、つまり低圧側の冷媒配管8に設けられ、低圧側の冷媒配管8の表面温度または低圧側の冷媒配管8を流れる冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段としての冷媒温度センサであり、11は外気温度を検出する外気温度検出手段としての外気温度センサである。ここでの外気温度とは、ヒートポンプユニット1外の外気温度およびヒートポンプユニット1内の雰囲気温度を含む表現とする。
【0030】
前記地中熱交換部2は、熱源側熱交換器7と、熱源側熱交換器7の冷媒を加熱する熱源として地盤G中に埋設され互いに並列に接続された複数の地中熱交換器12と、熱源側熱交換器7と地中熱交換器12との間を熱媒配管13で環状に接続する地中熱循環回路14と、地中熱循環回路14に熱媒である不凍液を循環させる回転数可変の地中熱循環ポンプ15とを備えているものである。
【0031】
ここで、前記地中熱交換部2では、後述する負荷運転を行う際に、地中熱交換器12によって地盤G中から地中熱を採熱し、その熱を帯びた熱媒が地中熱循環ポンプ15により熱源側熱交換器7に供給される。そして、熱源側熱交換器7にて冷媒と熱媒とが対向して流れて熱交換が行われ、地中熱交換器12にて採熱された地中熱がヒートポンプユニット1の冷媒側に汲み上げられ、熱源側熱交換器7は蒸発器として機能するものとなる。
【0032】
前記負荷熱交換部3は、負荷側に熱を与える負荷側熱交換器5と、被空調空間を加熱する床暖房パネル等の負荷端末16と、負荷側熱交換器5と負荷端末16を循環可能に環状に接続する負荷側循環回路17と、負荷側循環回路17に加熱用循環液を循環させる負荷側循環ポンプ18と、負荷端末16毎に分岐した負荷側循環回路17に各々設けられ、その開閉により負荷端末16への加熱用循環液の供給を制御する熱動弁19(19a、19b)とを備えているものである。なお、20は負荷側循環回路17に設けられ負荷側熱交換器5から負荷端末16に流入する加熱用循環液の温度を検出する負荷往き温度センサである。
【0033】
前記負荷端末16によって加熱される被空調空間には、リモコン(図示せず)が各々設置されており、このリモコンにより被空調空間の加熱の指示がなされると、圧縮機4及び及び地中熱循環ポンプ15及び負荷側循環ポンプ18の駆動が開始され、熱源側熱交換器7を蒸発器として機能させると共に、負荷側熱交換器5を凝縮器として機能させて負荷側を加熱する負荷運転としての暖房運転が行われる。この暖房運転の際、負荷側熱交換器5では冷媒と加熱用循環液とが対向して流れて熱交換が行われ、負荷側熱交換器5にて加熱された加熱用循環液は、熱動弁19を介して負荷端末16に送られ、リモコンにより指示を受けた被空調空間を加熱するものである。
【0034】
21は冷媒温度センサ10、外気温度センサ11、負荷往き温度センサ20の入力や前記リモコンからの信号を受けて、圧縮機4、膨張弁6、地中熱循環ポンプ15、負荷側循環ポンプ18の各アクチュエータの駆動を制御するマイコンを有する制御手段である。
【0035】
前記制御手段21は、前記暖房運転中に熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段22と、前記暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いという氷結条件が成立するか否かを判定する氷結条件判定手段23と、前記暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高い時の時間を計測する計測手段24と、前記暖房運転を中断し後述する解氷運転を開始する基準となる第1設定時間を記憶する第1記憶手段25とを備えているものである。なお、第1設定時間は予め試験等により導き出し設定された時間であり、秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば30時間といった長い時間が設定されているものである。
【0036】
ここで、前記氷結判断手段22は、暖房運転中に計測手段24により計測された前記氷結条件が成立している間の計測時間と第1記憶手段25により記憶された第1設定時間とを比較し、その計測時間が第1設定時間に到達した時に、膨張弁6から圧縮機4に至るまでの熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結している、つまり、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に氷が積層していると判断するものであり、氷結判断手段22が熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結していると判断すると、前記制御手段21は、地中熱循環ポンプ15および負荷側循環ポンプ18を停止して、暖房運転を一時中断し、膨張弁6の開度を全開または暖房運転時よりも大きくして圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7側の冷媒配管8内に流して熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷を解氷する解氷運転を行うものである。なお、解氷運転は一定時間行われ、この一定時間は熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷を解かすのに必要な時間を予め試験等により導き出し設定したものである。
【0037】
次に、図1および図2に示す第1の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作について図3に示すフローチャートに基づき説明する。
前記リモコンにより負荷端末16による被空調空間の暖房の指示がなされると、前記制御手段21は圧縮機4、地中熱循環ポンプ15、負荷側循環ポンプ18の駆動を開始させ、暖房運転が開始される。ここで、暖房運転開始時において、地中熱循環ポンプ15は予め設定された一定回転数で駆動を開始させるものである。暖房運転が開始されると、負荷側熱交換器5では負荷側循環ポンプ18により循環される加熱用循環液と圧縮機4から吐出された高温高圧の冷媒とが熱交換され、加熱された加熱用循環液が負荷端末16に供給され被空調空間を加熱すると共に、熱源側熱交換器7では、地中熱循環ポンプ15により循環され地中熱交換器12を介して地中熱を採熱した熱媒と膨張弁6から吐出された低温低圧の冷媒とが熱交換され、地中熱により冷媒を加熱し蒸発させるものである。
【0038】
前記暖房運転中に、氷結条件判定手段23は、冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いか否か、つまり前記氷結条件が成立するか否かを判定し(ステップS1)、氷結条件が成立すると判定したら、計測手段24により時間を計測させ、氷結判断手段22は、計測手段24で計測された計測時間と第1記憶手段25により記憶された第1設定時間とを比較し、その計測時間が第1設定時間、例えば30時間に到達したか否かを判断し(ステップS2)、計測時間が第1設定時間に到達していないと判断した場合、再び前記ステップS1の処理に戻るものである。
【0039】
そして、ステップS1でYES→ステップS2でNO→ステップS1でYES→ステップS2でNO→…を繰り返して、ステップS2の処理において、氷結判断手段22が、前記ステップS1の氷結条件が連続して成立する間に計測手段24で計測された計測時間が第1記憶手段25により記憶された第1設定時間に到達したと判断した場合、制御手段21は、地中熱循環ポンプ15および負荷側循環ポンプ18を停止して、暖房運転を一時中断し、膨張弁6の開度を例えば全開にして圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7側の冷媒配管8内に流して熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷を解氷する解氷運転を開始するものである(ステップS3)。
【0040】
前記ステップS3で、制御手段21は解氷運転を開始すると、一定時間、例えば5分が経過したか否かを判断し(ステップS4)、一定時間が経過したと判断すると、解氷運転を終了し(ステップS5)、解氷運転が終了すると計測手段24の計測時間が零にクリアーされると共に、地中熱循環ポンプ15および負荷側循環ポンプ18の駆動を開始させ暖房運転を再開するものである。
【0041】
一方、前記ステップS1で、氷結条件判定手段23により氷結条件が成立しないと判定された場合は、計測手段24の計測時間を零とし(ステップS6)、再び前記ステップS1の処理に戻るものであり、上記のステップS1でYES→ステップS2でNOの繰り返し処理の途中に、前記ステップS1で、氷結条件判定手段23により氷結条件が成立しないと判定された場合も、前記ステップS6で、計測手段24の計測時間を零とし、再び前記ステップS1の処理に戻るものである。なお、暖房運転が停止された場合は、計測手段24の計測時間はクリアーされ零となるものである。
【0042】
以上説明した暖房運転中の解氷運転において、暖房運転中に、氷結判断手段22によって熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結していると判断された場合は、解氷運転を行うので、氷結に起因する冷媒配管8や膨張弁6等の機能部品の損傷を未然に防止することができると共に、氷結に起因する騒音の発生を未然に防止することができるものである。
【0043】
また、前記ステップS1で、氷結条件判定手段23の判定により、計測手段24は熱源側熱交換器7の冷媒配管8表面に氷が張る氷結条件が成立する間の時間だけを計測することができ、前記ステップS2で、氷結判断手段22は計測手段24での計測時間が予め設定した第1設定時間に到達したら、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結していると判断するので、無駄な解氷運転を行うことがなく、また、設定時間を設けて熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に氷が積層し過ぎる前に適切に解氷運転を行うことができるものである。また、無駄な解氷運転を行わないことにより、暖房出力を安定させることができ、COPの低下を抑制することができるものである。
【0044】
なお、制御手段21は、前記ステップS4で予め設定した一定時間が経過したと判断したら、前記ステップS5で解氷運転を終了するようにしてしているが、制御手段21は、解氷運転中に冷媒温度センサ10の検出する検出温度が、予め試験等により導き出し設定された所定温度に達したら、解氷運転を終了するようにしてもよい。これは、冷媒温度センサ10が低圧側の冷媒配管8の表面温度を検出するものであった場合、解氷運転中に低圧側の冷媒配管8に氷が張っている状態だと、冷媒温度センサ10の検出する検出温度はあまり上昇せず、低圧側の冷媒配管8の氷が解けてくると、徐々に冷媒温度センサ10の検出する検出温度が上昇するからであり、解氷運転を終了する所定温度を予め試験等により導き出し設定しておけば、低圧側の冷媒配管8表面に氷が解け残ることなく解氷運転を終了することができるものである。
【0045】
次に、図1および図4に示す本発明の第2の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第1の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を一部省略し、相違する構成や動作について説明する。
【0046】
前記制御手段21は、暖房運転中に熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段22と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いという氷結条件が成立するか否かを判定する氷結条件判定手段23と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段26と、暖房運転を中断し解氷運転を開始する基準となる第2設定時間を記憶する第2記憶手段27と、暖房運転を停止した時に積算手段26に積算時間が記憶された状態であって、且つ、暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、積算手段26に記憶された積算時間をリセットする第1積算リセット手段28とを備えているものである。なお、前記第2記憶手段27に記憶された第2設定時間は予め試験等により導き出し設定された時間であり、秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば30時間といった長い時間が設定されているものである。
【0047】
ここで、前記氷結判断手段22は、暖房運転中に積算手段26により積算された積算時間と第2記憶手段27により記憶された第2設定時間とを比較し、その積算時間が第2設定時間に到達した時に、膨張弁6から圧縮機4に至るまでの熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結している、つまり、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に氷が積層していると判断するものであり、氷結判断手段22が熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結していると判断すると、制御手段21は、地中熱循環ポンプ15および負荷側循環ポンプ18を停止して、暖房運転を一時中断し、膨張弁6の開度を全開または暖房運転時よりも大きくして圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7側の冷媒配管8内に流して熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷を解氷する解氷運転を行うものである。なお、解氷運転は一定時間行われ、この一定時間は熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷を解かすのに必要な時間を予め試験等により導き出し設定したものである。
【0048】
次に、図1および図4に示す第2の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作について図5に示すフローチャートに基づき説明する。
前記リモコンにより負荷端末16による被空調空間の暖房の指示がなされると、前記制御手段21は圧縮機4、地中熱循環ポンプ15、負荷側循環ポンプ18の駆動を開始させ、暖房運転が開始される。ここで、暖房運転開始時において、地中熱循環ポンプ15は予め設定された一定回転数で駆動を開始させるものである。暖房運転が開始されると、負荷側熱交換器5では負荷側循環ポンプ18により循環される加熱用循環液と圧縮機4から吐出された高温高圧の冷媒とが熱交換され、加熱された加熱用循環液が負荷端末16に供給され被空調空間を加熱すると共に、熱源側熱交換器7では、地中熱循環ポンプ15により循環され地中熱交換器12を介して地中熱を採熱した熱媒と膨張弁6から吐出された低温低圧の冷媒とが熱交換され、地中熱により冷媒を加熱し蒸発させるものである。
【0049】
前記暖房運転中に、氷結条件判定手段23は、冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いか否か、つまり前記氷結条件が成立するか否かを判定し(ステップS7)、氷結条件が成立すると判定したら、積算手段26により時間を積算させ、氷結判断手段22は、積算手段26で積算された積算時間と第2記憶手段27により記憶された第2設定時間とを比較し、その積算時間が第2設定時間、例えば30時間に到達したか否かを判断し(ステップS8)、積算時間が第2設定時間に到達していないと判断した場合、再び前記ステップS7の処理に戻るものである。
【0050】
そして、ステップS7でYES→ステップS8でNO→ステップS7でYES→ステップS8でNO→…を繰り返して、ステップS8の処理において、氷結判断手段22が、前記ステップS8で積算手段26で積算された積算時間が第2記憶手段27により記憶された第2設定時間に到達したと判断した場合、制御手段21は、地中熱循環ポンプ15および負荷側循環ポンプ18を停止して、暖房運転を一時中断し、膨張弁6の開度を例えば全開にして圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7側の冷媒配管8内に流して熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷を解氷する解氷運転を開始するものである(ステップS9)。
【0051】
前記ステップS9で、制御手段21は解氷運転を開始すると、一定時間、例えば5分が経過したか否かを判断し(ステップS10)、一定時間が経過したと判断すると、解氷運転を終了し(ステップS11)、解氷運転が終了すると積算手段26の積算時間が零にクリアーされると共に、地中熱循環ポンプ15および負荷側循環ポンプ18の駆動を開始させ暖房運転を再開するものである。
【0052】
一方、前記ステップS7で、氷結条件判定手段23により氷結条件が成立しないと判定された場合は、積算手段26はそれまで積算した積算時間を保持記憶し(ステップS12)、再び前記ステップS7の処理に戻るものであり、上記のステップS7でYES→ステップS8でNOの繰り返し処理の途中に、前記ステップS7で、氷結条件判定手段23により氷結条件が成立しないと判定された場合も、前記ステップS12で積算手段26はそれまで積算した積算時間を保持記憶し、再び前記ステップS7の処理に戻るものである。
【0053】
なお、暖房運転が停止された場合は、積算手段26はそれまで積算した積算時間を保持記憶し、再び暖房運転が開始された時は、積算手段26に保持記憶した積算時間から積算を開始するものである。
【0054】
以上説明した暖房運転中の解氷運転において、前記ステップS7で、氷結条件判定手段23の判定により、氷結条件が成立する時は積算手段26により時間を積算し、氷結条件が成立しない時は、前記ステップS12で、積算手段26はそれまで積算した積算時間を保持記憶し、前記ステップS8で、氷結判断手段22は積算手段26での積算時間が予め設定した第2設定時間に到達したら、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結していると判断することで、例えば、積算時間が第2設定時間に到達する直前で暖房運転が停止した時に、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に氷が張ったままだとしても、積算時間が第2設定時間に到達したら解氷運転が行われるので、設定時間を設けて熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に氷が積層し過ぎる前に適切に解氷運転を行うことができ、且つ、氷が解け残ることがないものである。また、無駄な解氷運転を行わないことにより、暖房出力を安定させることができ、COPの低下を抑制することができるものである。
【0055】
なお、制御手段21は、前記ステップS10で予め設定した一定時間が経過したと判断したら、前記ステップS11で解氷運転を終了するようにしてしているが、制御手段21は、解氷運転中に冷媒温度センサ10の検出する検出温度が、予め試験等により導き出し設定された所定温度に達したら、解氷運転を終了するようにしてもよい。これは、冷媒温度センサ10が低圧側の冷媒配管8の表面温度を検出するものであった場合、解氷運転中に低圧側の冷媒配管8に氷が張っている状態だと、冷媒温度センサ10の検出する検出温度はあまり上昇せず、低圧側の冷媒配管8の氷が解けてくると、徐々に冷媒温度センサ10の検出する検出温度が上昇するからであり、解氷運転を終了する所定温度を予め試験等により導き出し設定しておけば、低圧側の冷媒配管8表面に氷が解け残ることなく解氷運転を終了することができるものである。
【0056】
次に、図1および図4に示す第2の実施形態の暖房運転停止中の動作を図6に示すフローチャートに基づき説明する。
暖房運転が停止されると、第1積算リセット手段28は、積算手段26に記憶された積算時間が零時間より大きいか否か、つまり積算手段26に積算時間が記憶されている状態か否かを判断し(ステップS13)、積算手段26に記憶された積算時間が零時間より大きいと判断すると、外気温度センサ11で検出する外気温度が零度より高い所定温度、例えば5℃より高いか否かを判断し(ステップS14)、外気温度センサ11で検出する外気温度が所定温度より高いと判断すると、時間を計測し、計測時間と予め設定された所定時間とを比較し、その計測時間が所定時間、例えば30分に到達したか否かを判断し(ステップS15)、計測時間が所定時間に到達していないと判断した場合、再び前記ステップS13の処理に戻るものである。
【0057】
そして、ステップS14でYES→ステップS15でNO→ステップS14でYES→ステップS15でNO→…を繰り返して、ステップS15の処理において、第1積算リセット手段28が、前記ステップS14の条件が連続して成立する間に計測された計測時間が所定時間に到達したと判断した場合、積算手段26に記憶されている積算時間を零にリセットするものである(ステップS16)。
【0058】
一方、前記ステップS13で、第1積算リセット手段28が、積算手段26に記憶された積算時間が零時間であると判断すると、第1積算リセット手段28は何の動作も行わず終了するものである。また、前記ステップS14で、第1積算リセット手段28により条件が成立しないと判定された場合は、計測時間を零とし、再び前記ステップS14の処理に戻るものであり、上記のステップS14でYES→ステップS15でNOの繰り返し処理の途中に、前記ステップS14で、第1積算リセット手段28により条件が成立しないと判定された場合も計測時間を零とし、再び前記ステップS14の処理に戻るものである。
【0059】
なお、暖房運転停止中に、第1積算リセット手段28により、積算手段26に記憶された積算時間が零にリセットされる前に、再び暖房運転が開始されるような場合、積算手段26は、暖房運転を停止した時に積算手段26に記憶されていた積算時間から積算を開始するものである。
【0060】
以上説明した暖房運転停止中の動作において、積算手段26に積算時間が記憶された状態であって、且つ、暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、第1積算リセット手段28により積算手段26に記憶された積算時間をリセットするようにしたことで、暖房運転を停止している時に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に氷が張っていたとしても、その氷は自然に解氷され、その時は記憶された積算時間をリセットして零とするので、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。また、無駄な解氷運転を行わないことにより、暖房出力を安定させることができ、COPの低下を抑制することができるものである。
【0061】
次に、図1および図7に示す本発明の第3の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第2の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を一部省略し、相違する構成や動作について説明する。
【0062】
前記制御手段21は、暖房運転中に熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段22と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いという氷結条件が成立するか否かを判定する氷結条件判定手段23と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段26と、暖房運転を中断し解氷運転を開始する基準となる第2設定時間を記憶する第2記憶手段27と、積算手段26に積算時間が記憶された状態であって、且つ、暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、積算手段26に記憶された積算時間を減算する第1減算手段29とを備えているものである。なお、前記第2記憶手段27に記憶された第2設定時間は予め試験等により導き出し設定された時間であり、秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば30時間といった長い時間が設定されているものである。
【0063】
ここで、前記氷結判断手段22は、暖房運転中に積算手段26により積算された積算時間と第2記憶手段27により記憶された第2設定時間とを比較し、その積算時間が第2設定時間に到達した時に、膨張弁6から圧縮機4に至るまでの熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結している、つまり、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に氷が積層していると判断するものであり、氷結判断手段22が熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結していると判断すると、制御手段21は、地中熱循環ポンプ15および負荷側循環ポンプ18を停止して、暖房運転を一時中断し、膨張弁6の開度を全開または暖房運転時よりも大きくして圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7側の冷媒配管8内に流して熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷を解氷する解氷運転を行うものである。なお、解氷運転は一定時間行われ、この一定時間は熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷を解かすのに必要な時間を予め試験等により導き出し設定したものである。
【0064】
次に、図1および図7に示す第3の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作については、図5に示した上述の第2の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作と同様の動作をするため説明を省略し、暖房運転停止中の動作を図8に示すフローチャートに基づき説明する。
【0065】
前記暖房運転が停止されると、第1減算手段29は、積算手段26に記憶された積算時間が零時間より大きいか否か、つまり積算手段26に積算時間が記憶されている状態か否かを判断し(ステップS17)、積算手段26に記憶された積算時間が零時間より大きいと判断すると、外気温度センサ11で検出する外気温度が零度より高い所定温度、例えば5℃より高いか否かを判断し(ステップS18)、外気温度センサ11で検出する外気温度が所定温度より高いと判断すると、時間を計測し、計測時間と予め設定された所定時間とを比較し、その計測時間が所定時間、例えば30分に到達したか否かを判断し(ステップS19)、計測時間が所定時間に到達していないと判断した場合、再び前記ステップS18の処理に戻るものである。
【0066】
そして、ステップS18でYES→ステップS19でNO→ステップS18でYES→ステップS19でNO→…を繰り返して、ステップS19の処理において、第1減算手段29が、前記ステップS18の条件が連続して成立する間に計測された計測時間が所定時間に到達したと判断した場合、積算手段26に保持記憶されている積算時間を所定量、例えば1時間分減算し(ステップS20)、計測時間を零として前記ステップS17の処理に戻り、前記ステップS17で積算手段26に記憶された減算後の積算時間が零時間より大きいと判断した場合は、再び前記ステップS18の処理に進むものである。
【0067】
一方、前記ステップS17で、第1減算手段29が、積算手段26に記憶された積算時間が零時間であると判断すると、第1減算手段29は何の動作も行わず終了するものである。また、前記ステップS18で、第1減算手段29により条件が成立しないと判定された場合は、計測時間を零とし、再び前記ステップS18の処理に戻るものであり、上記のステップS18でYES→ステップS19でNOの繰り返し処理の途中に、前記ステップS18で、第1減算手段29により条件が成立しないと判定された場合も計測時間を零とし、再び前記ステップS18の処理に戻るものである。
【0068】
なお、暖房運転停止中に、第1減算手段29により、積算手段26に記憶された積算時間が減算される前に、再び暖房運転が開始されるような場合、積算手段26は暖房運転を停止した時に記憶されていた積算時間から積算を開始するものであり、また、暖房運転停止中に、第1減算手段29により、積算手段26に記憶された積算時間が減算された後に、再び暖房運転が開始されるような場合は、積算手段26は積算手段26に記憶されている減算後の積算時間から積算を開始するものである。
【0069】
以上説明した暖房運転停止中の動作において、積算手段26に積算時間が記憶された状態であって、且つ、暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、第1減算手段29により積算手段26に記憶された積算時間を所定量減算するようにしたことで、暖房運転を停止している時に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に氷が張っていたとしても、その氷は多少なりとも自然に解氷され、その時は記憶された積算時間を減算するので、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷の解け残りを考慮しつつ、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。また、無駄な解氷運転を行わないことにより、暖房出力を安定させることができ、COPの低下を抑制することができるものである。
【0070】
次に、図1および図9に示す本発明の第4の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第2の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を一部省略し、相違する構成や動作について説明する。
【0071】
前記制御手段21は、暖房運転中に熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段22と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いという氷結条件が成立するか否かを判定する氷結条件判定手段23と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段26と、暖房運転を中断し解氷運転を開始する基準となる第2設定時間と暖房運転を停止した時に積算手段26に保持記憶された積算時間を零にクリアーするか否かを決定する基準となる第3設定時間を記憶する第2記憶手段27と、暖房運転を停止した時に、積算手段26により積算された積算時間が第3設定時間に到達していない時は、積算手段26に積算された積算時間をクリアーする積算クリアー手段30とを備えているものである。なお、前記第2記憶手段27に記憶された第2設定時間および第3設定時間は予め試験等により導き出し設定された時間であり、第2設定時間は秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば30時間といった長い時間が設定され、第3設定時間は秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば15時間といった長い時間が設定されるものであり、第2設定時間と第3設定時間とは、第2設定時間>第3設定時間の関係を有するものである。
【0072】
次に、図1および図9に示す第4の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作については、図5に示した上述の第2の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作と同様の動作をするため説明を省略し、暖房運転停止中の動作を図10に示すフローチャートに基づき説明する。
【0073】
前記暖房運転が停止されると、積算クリアー手段30は、暖房運転を停止した時に積算手段26に保持記憶された積算時間が前記第2設定時間より短く設定された前記第3設定時間に到達したか否かを判断し(ステップS21)、積算時間が前記第3設定時間に到達したと判断すると、何の動作も行わず終了し、前記ステップS21において、積算クリアー手段30が、積算時間が前記第3設定時間に到達したと判断すると、積算手段26に積算された積算時間をクリアーして零にするものである(ステップS22)。
【0074】
以上説明した暖房運転停止中の動作において、暖房運転を停止した時に、積算手段26に記憶された積算時間が、第3設定時間に到達しない短い時間の場合は、暖房運転を停止した際に惰性で熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に流れる高温の冷媒により熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷は解氷されるので、その場合は、積算クリアー手段30により、その積算時間をクリアーして零とすることで、積算手段26に積算する必要のない時間を積算することがなく、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結の判断をより正確に行うことができ、無駄な解氷運転を行うことがないものである。また、無駄な解氷運転を行わないことにより、暖房出力を安定させることができ、COPの低下を抑制することができるものである。
【0075】
次に、図1および図11に示す本発明の第5の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第4の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を一部省略し、相違する構成や動作について説明する。
【0076】
前記制御手段21は、暖房運転中に熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段22と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いという氷結条件が成立するか否かを判定する氷結条件判定手段23と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段26と、暖房運転を中断し解氷運転を開始する基準となる第2設定時間および暖房運転を停止した時に積算手段26に保持記憶された積算時間を零にクリアーするか否かを決定する基準となる第3設定時間を記憶する第2記憶手段27と、暖房運転を停止した時に、積算手段26により積算された積算時間が第3設定時間に到達していない時は、積算手段26に積算された積算時間をクリアーする積算クリアー手段30と、暖房運転を停止した時に、積算手段26により積算された積算時間が前記第3設定時間に到達しており、その後再び暖房運転が開始されるまでの暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、積算手段26に記憶された積算時間をリセットする第2積算リセット手段31とを備えているものである。なお、前記第2記憶手段27に記憶された第2設定時間および第3設定時間は予め試験等により導き出し設定された時間であり、第2設定時間は秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば30時間といった長い時間が設定され、第3設定時間は秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば15時間といった長い時間が設定されるものであり、第2設定時間と第3設定時間とは、第2設定時間>第3設定時間の関係を有するものである。
【0077】
次に、図1および図11に示す第5の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作については、上述の第4の実施形態と同じく、図5に示した上述の第2の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作と同様の動作をするため説明を省略し、暖房運転停止中の動作を図12に示すフローチャートに基づき説明する。
【0078】
前記暖房運転が停止されると、積算クリアー手段30は、暖房運転を停止した時に積算手段26に保持記憶された積算時間が前記第2設定時間より短く設定された前記第3設定時間に到達したか否かを判断し(ステップS23)、積算時間が前記第3設定時間に到達していないと判断すると、積算手段26に積算された積算時間をクリアーして零にするものである(ステップS24)。
【0079】
前記ステップS23で、積算クリアー手段30が、積算手段26に保持記憶された積算時間が第3設定時間に到達している、つまり、積算手段26に記憶された積算時間が第3設定時間より長く、第2設定時間より短い時間であると判断すると、第2積算リセット手段31は、外気温度センサ11で検出する外気温度が零度より高い所定温度、例えば5℃より高いか否かを判断し(ステップS25)、外気温度センサ11で検出する外気温度が所定温度より高いと判断すると、時間を計測し、計測時間と予め設定された所定時間とを比較し、その計測時間が所定時間、例えば30分に到達したか否かを判断し(ステップS26)、計測時間が所定時間に到達していないと判断した場合、再び前記ステップS25の処理に戻るものである。
【0080】
そして、ステップS25でYES→ステップS26でNO→ステップS25でYES→ステップS26でNO→…を繰り返して、ステップS26の処理において、第2積算リセット手段31が、前記ステップS25の条件が連続して成立する間に計測された計測時間が所定時間に到達したと判断した場合、積算手段26に記憶されている積算時間を零にリセットするものである(ステップS27)。
【0081】
一方、前記ステップS25で、第2積算リセット手段31により条件が成立しないと判断された場合は、計測時間を零とし、再び前記ステップS25の処理に戻るものであり、上記のステップS25でYES→ステップS26でNOの繰り返し処理の途中に、前記ステップS25で、第2積算リセット手段31により条件が成立しないと判定された場合も計測時間を零とし、再び前記ステップS25の処理に戻るものである。
【0082】
なお、暖房運転を停止した時に、積算手段26に保持記憶された積算時間が第3設定時間より長く、第2設定時間より短い時間であり、その後の暖房運転停止中に、第2積算リセット手段31によって、積算手段26に記憶された積算時間が零にリセットされる前に、再び暖房運転が開始されるような場合は、積算手段26は暖房運転を停止した時に積算手段26に記憶されていた積算時間から積算を開始するものである。
【0083】
以上説明した暖房運転停止中の動作において、暖房運転を停止した時に、積算手段26に記憶された積算時間が、第3設定時間に到達しない短い時間の場合は、暖房運転を停止した際に惰性で熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に流れる高温の冷媒により熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷は解氷されるので、その場合は、積算クリアー手段30により、その積算時間をクリアーして零とすることで、積算手段26に積算する必要のない時間を積算することがなく、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結の判断をより正確に行うことができ、無駄な解氷運転を行うことがないものであり、さらに、暖房運転を停止した時に、積算手段26により積算された積算時間が前記第3設定時間に到達しており、その後再び暖房運転が開始されるまでの暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、第2積算リセット手段31により積算手段26に記憶された積算時間をリセットするようにしたことで、暖房運転を停止して惰性により熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に高温の冷媒が流れた際、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に氷が解け残ったとしても、暖房運転を停止している時に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に解け残った氷は自然に解氷され、その時は、第2積算リセット手段31により積算手段26に記憶された積算時間をリセットして零とするので、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。また、無駄な解氷運転を行わないことにより、暖房出力を安定させることができ、COPの低下を抑制することができるものである。
【0084】
次に、図1および図13に示す本発明の第6の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第4の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を一部省略し、相違する構成や動作について説明する。
【0085】
前記制御手段21は、暖房運転中に熱源側熱交換器7側の冷媒配管8が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段22と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高いという氷結条件が成立するか否かを判定する氷結条件判定手段23と、暖房運転中に冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、外気温度センサ11の検出する外気温度が冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段26と、暖房運転を中断し解氷運転を開始する基準となる第2設定時間と暖房運転を停止した時に積算手段26に保持記憶された積算時間を零にクリアーするか否かを決定する基準となる第3設定時間を記憶する第2記憶手段27と、暖房運転を停止した時に、積算手段26により積算された積算時間が第3設定時間に到達していない時は、積算手段26に積算された積算時間をクリアーする積算クリアー手段30と、暖房運転を停止した時に、積算手段26により積算された積算時間が前記第3設定時間に到達しており、その後再び暖房運転が開始されるまでの暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、積算手段26に記憶された積算時間を減算する第2減算手段32とを備えているものである。なお、前記第2記憶手段27に記憶された第2設定時間および第3設定時間は予め試験等により導き出し設定された時間であり、第2設定時間は秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば30時間といった長い時間が設定され、第3設定時間は秒単位または分単位ではなく、時間単位の例えば15時間といった長い時間が設定されるものであり、第2設定時間と第3設定時間とは、第2設定時間>第3設定時間の関係を有するものである。
【0086】
次に、図1および図13に示す第6の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作については、上述の第4の実施形態と同じく、図5に示した上述の第2の実施形態の暖房運転中の解氷運転の動作と同様の動作をするため説明を省略し、暖房運転停止中の動作を図14に示すフローチャートに基づき説明する。
【0087】
前記暖房運転が停止されると、積算クリアー手段30は、暖房運転を停止した時に積算手段26に保持記憶された積算時間が前記第2設定時間より短く設定された前記第3設定時間に到達したか否かを判断し(ステップS28)、積算時間が前記第3設定時間に到達していないと判断すると、積算手段26に積算された積算時間をクリアーして零にするものである(ステップS29)。
【0088】
前記ステップS28で、積算クリアー手段30が、積算手段26に保持記憶された積算時間が第3設定時間に到達している、つまり、積算手段26に記憶された積算時間が第3設定時間より長く、第2設定時間より短い時間であると判断すると、第2減算手段32は、積算手段26に記憶された積算時間が零時間より大きいか否か、つまり積算手段26に積算時間が記憶されている状態か否かを判断し(ステップS30)、積算手段26に記憶された積算時間が零時間より大きいと判断すると、外気温度センサ11で検出する外気温度が零度より高い所定温度、例えば5℃より高いか否かを判断し(ステップS31)、外気温度センサ11で検出する外気温度が所定温度より高いと判断すると、時間を計測し、計測時間と予め設定された所定時間とを比較し、その計測時間が所定時間、例えば30分に到達したか否かを判断し(ステップS32)、計測時間が所定時間に到達していないと判断した場合、再び前記ステップS31の処理に戻るものである。
【0089】
そして、ステップS31でYES→ステップS32でNO→ステップS31でYES→ステップS32でNO→…を繰り返して、ステップS32の処理において、第2減算手段32が、前記ステップS31の条件が連続して成立する間に計測された計測時間が所定時間に到達したと判断した場合、積算手段26に記憶されている積算時間を所定量、例えば1時間分減算し(ステップS33)、計測時間を零として前記ステップS30の処理に戻り、前記ステップS30で積算手段26に記憶された減算後の積算時間が零時間より大きいと判断した場合は、再び前記ステップS31の処理に進むものである。
【0090】
一方、前記ステップS30で、第2減算手段32が、積算手段26に記憶された積算時間が零時間であると判断すると、第2減算手段32はその動作を終了するものである。また、前記ステップS31で、第2減算手段32により条件が成立しないと判断された場合は、計測時間を零とし、再び前記ステップS31の処理に戻るものであり、上記のステップS31でYES→ステップS32でNOの繰り返し処理の途中に、前記ステップS31で、第2減算手段32により条件が成立しないと判断された場合も計測時間を零とし、再び前記テップS31の処理に戻るものである。
【0091】
なお、暖房運転を停止した時に、積算手段26に保持記憶された積算時間が第3設定時間より長く第2設定時間より短い時間であり、その後の暖房運転停止中に、第2減算手段32により、積算手段26に記憶された積算時間が減算される前に、再び暖房運転が開始されるような場合、積算手段26は暖房運転を停止した時に記憶されていた積算時間から氷結条件時の積算を開始するものであり、また、暖房運転停止中に、第2減算手段32により、積算手段26に記憶された積算時間が減算された後に、再び暖房運転が開始されるような場合、積算手段26は積算手段26に記憶された減算後の積算時間から積算を開始するものである。
【0092】
以上説明した暖房運転停止中の動作において、暖房運転を停止した時に、積算手段26に記憶された積算時間が、第3設定時間に到達しない短い時間の場合は、暖房運転を停止した際に惰性で熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に流れる高温の冷媒により熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に積層した氷は解氷されるので、その場合は、積算クリアー手段30により、その積算時間をクリアーして零とすることで、積算手段26に積算する必要のない時間を積算することがなく、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結の判断をより正確に行うことができ、無駄な解氷運転を行うことがないものであり、さらに、暖房運転を停止した時に、積算手段26に記憶された積算時間が、第3設定時間に到達しており、その後再び暖房運転が開始されるまでの暖房運転停止中に、外気温度センサ11の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出した時に、第2減算手段32により積算手段26に記憶された積算時間を所定量減算するようにしたことで、暖房運転を停止して惰性により熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に高温の冷媒が流れた際、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8表面に氷が解け残ったとしても、暖房運転停止中に、外気温度が高く、その状態が所定時間継続するような場合は、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8に解け残った氷は多少なりとも自然に解氷され、その時は第2減算手段32により積算手段26に記憶された積算時間を減算するので、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷の解け残りを考慮しつつ、熱源側熱交換器7側の冷媒配管8の氷結の判断をより正確にし、無駄な解氷運転を行うことがないものである。また、無駄な解氷運転を行わないことにより、暖房出力を安定させることができ、COPの低下を抑制することができるものである。
【0093】
なお、本発明は先に説明した第1から第6の実施形態に限定されるものでなく、第1から第6の実施形態では、解氷運転時に膨張弁6を全開にして圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7に流すようにしたが、図15に示すように、ヒートポンプ回路9に負荷側熱交換器5および膨張弁6をバイパスするバイパス管33と、そのバイパス管33を開閉する開閉弁34とを設け、解氷運転時に開閉弁34を開弁して、圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7に直接流入させて、熱源側熱交換器7に高温冷媒を流すようにしてもよく、さらに、図16に示すように、ヒートポンプ回路9に、暖房運転時は熱源側熱交換器7を蒸発器として機能させると共に、負荷側熱交換器5を凝縮器として機能させ負荷側を加熱し、解氷運転時は熱源側熱交換器7を凝縮器として機能させると共に、負荷側熱交換器5を蒸発器として機能させ熱源側を加熱するように切り換える四方弁35を設け、解氷運転時に熱源側熱交換器7を凝縮器として機能させるように四方弁35を切り換え、図中の点線矢印で示したように、圧縮機4から吐出される高温冷媒を熱源側熱交換器7に直接流入させて、熱源側熱交換器7に高温冷媒を流すようにしてもよいものである。
【0094】
また、本発明は先に説明した第1から第6の実施形態に限定されるものでなく、第1から第6の実施形態では、地盤G中に埋設された複数の地中熱交換器12は互いに並列に接続されているが、複数の地中熱交換器12を互いに直列に接続してもよく、さらに、地中熱交換器12を複数埋設せず、地盤G中から所望の採熱ができるのであれば、地中熱交換器12を1本だけ埋設したものであってもよい。
【0095】
また、本発明は先に説明した第1から第6の実施形態に限定されるものでなく、第1から第6の実施形態では、床暖房パネル等の負荷端末16により被空調空間である室内を加熱する熱媒循環式の暖房運転を負荷運転としたが、被空調空間である室内に負荷側熱交換器5を有する室内機(図示せず)を設け、この室内機内で圧縮機4から吐出された高温冷媒を室内空気と直接熱交換し、送風により室内を加熱する暖房運転を負荷運転としてもよいものであり、また、負荷端末16を給湯等に使用する湯水を貯湯する貯湯タンク(図示せず)とし、貯湯タンク内の湯水を沸き上げる沸き上げ運転を負荷運転としてもよいものであり、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な変形が可能であり、これを妨げるものではない。
【0096】
また、本発明は先に説明した第1から第6の実施形態に限定されるものでなく、第1から第6の実施形態では、氷結判断手段22は、冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度に基づき、熱源側熱交換器7の冷媒配管8が氷結しているか否かの判断を行っているが、図17に示すように、冷媒温度センサ10の代わりに、熱源側熱交換器7から流出し地中熱交換器12に流入する熱媒の温度を検出する地中往き温度検出手段としての地中往き温度センサ36を設け、氷結判断手段22は、この地中往き温度センサ36の検出する熱媒温度と外気温度センサ11の検出する外気温度に基づき、熱源側熱交換器7の冷媒配管8が氷結しているか否かの判断を行うようにしてもよい。これは、熱源側熱交換器7から流出する熱媒の温度が熱源側熱交換器7に流入する冷媒温度に近似した温度であり、その熱媒温度から熱源側熱交換器7側の冷媒温度を推定できるためであり、氷結判断手段22は、地中往き温度センサ36の検出する熱媒温度を利用して、熱源側熱交換器7の冷媒配管8の氷結の判断を確実に行うことができるものである。
【符号の説明】
【0097】
4 圧縮機
5 負荷側熱交換器
6 膨張弁
7 熱源側熱交換器
8 冷媒配管
9 ヒートポンプ回路
10 冷媒温度センサ
11 外気温度センサ
12 地中熱交換器
13 熱媒配管
14 地中熱循環回路
15 地中熱循環ポンプ
22 氷結判断手段
24 計測手段
26 積算手段
28 第1積算リセット手段
29 第1減算手段
30 積算クリアー手段
31 第2積算リセット手段
32 第2減算手段
36 地中往き温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路と、地中に埋設された地中熱交換器と、該地中熱交換器と前記熱源側熱交換器との間を熱媒配管で環状に接続した地中熱循環回路と、該地中熱循環回路に熱媒を循環させる地中熱循環ポンプとを備え、前記地中熱交換器により地中熱を採熱し、前記熱源側熱交換器を蒸発器として機能させると共に、前記負荷側熱交換器を凝縮器として機能させて負荷側を加熱する負荷運転を行う地中熱ヒートポンプ装置において、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結しているか否かを判断する氷結判断手段を設け、前記負荷運転中に、前記氷結判断手段によって前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断された場合は、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管に高温冷媒を流して解氷する解氷運転を行うようにしたことを特徴とする地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項2】
請求項1記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記熱源側熱交換器側の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記負荷運転中に、前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度より高い時の時間を計測する計測手段とを設け、前記氷結判断手段は、前記計測手段での計測時間が予め設定した第1設定時間に到達したら、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断するようにした地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項3】
請求項1記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記熱源側熱交換器側の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記負荷運転中に、前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度が零度以下、且つ、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が前記冷媒温度検出手段の検出する冷媒温度より高い時の時間を積算する積算手段とを設け、前記氷結判断手段は、前記積算手段での積算時間が予め設定した第2設定時間に到達したら、前記熱源側熱交換器側の冷媒配管が氷結していると判断するようにした地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項4】
請求項3記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットする第1積算リセット手段を設け、該第1積算リセット手段は、前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットするようにした地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項5】
請求項3記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間を減算する第1減算手段を設け、該第1減算手段は、前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記積算手段に記憶された積算時間を減算するようにした地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項6】
請求項3記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記負荷運転を停止した時に、前記積算手段により積算された積算時間が予め設定した第3設定時間に到達していない時は、前記積算手段に積算された積算時間をクリアーする積算クリアー手段を設けた地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項7】
請求項6記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットする第2積算リセット手段を設け、前記負荷運転を停止した時に、前記積算手段により積算された積算時間が前記第3設定時間に到達しており、その後の前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記第2積算リセット手段は、前記積算手段に記憶された積算時間をリセットするようにした地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項8】
請求項6記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記積算手段に記憶された積算時間を減算する第2減算手段を設け、前記負荷運転を停止した時に、前記積算手段により積算された積算時間が前記第3設定時間に到達しており、その後の前記負荷運転停止中に、前記外気温度検出手段の検出する外気温度が零度より高い所定温度を所定時間検出したら、前記第2減算手段は、前記積算手段に記憶された積算時間を減算するようにした地中熱ヒートポンプ装置。
【請求項9】
請求項2から8の何れか一項に記載の地中熱ヒートポンプ装置において、前記冷媒温度検出手段の代わりに、前記熱源側熱交換器から流出し前記地中熱交換器に流入する熱媒の温度を検出する地中往き温度検出手段を設けた地中熱ヒートポンプ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate