説明

地図表示態様調整方法、地図情報出力装置及び地図情報提供システム

【課題】地図上において閲覧された頻度の高い地域の表示態様を調整することにより、人気の高い地域に関する情報を提供することができる地図表示態様調整方法を提供する。
【解決手段】コンピュータが、予め前記コンピュータに記憶され、通信ネットワーク上に配信される地図を構成する素領域毎に、該素領域に関連付けて記憶されている表示可能領域と、前記地図において閲覧された領域を示す閲覧領域と、が一致した回数を示す閲覧回数をカウントし、該閲覧回数に応じて該表示可能領域の表示属性を変更することにより、前記地図の表示態様を調整する表示態様調整ステップを、少なくとも実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク上に配信される地図の表示態様を調整する地図表示態様調整方法、地図情報出力装置及び地図情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の地図情報提供サイトが存在しており、これらの地図情報提供サイトの中には、目的とする地域の地図情報だけでなく、当該地域にあるお店や病院等の情報を提供しているものもある。
【非特許文献1】[online]、Yahoo!地図、[2008年6月4日検索]、インターネット<URL:http://map.yahoo.co.jp/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来例の地図情報提供サイトにおいても、人気の高い地域に関する情報を提供するものはない。すなわち、現時点で最も閲覧されている地域がどこであるかを一見して把握できるユーザインターフェースは提供されていない。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮して提案されるものであり、地図上において閲覧された頻度の高い地域の表示態様を調整することにより、人気の高い地域に関する情報を提供することができる地図表示態様調整方法、地図情報出力装置及び地図情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明者は、通信ネットワーク上に配信される地図の表示態様を所定のルールによって調整する仕組みを見出し、本発明を想到するに至った。
【0006】
本発明に係る地図表示態様調整方法は、予め定められた一定のルールに従って地図上において閲覧された頻度の高い地域の表示態様を調整することにより、人気の高い地域に関する情報を提供するものである。
【0007】
(1)コンピュータが、
予め前記コンピュータに記憶され、通信ネットワーク上に配信される地図を構成する素領域毎に、該素領域に関連付けて記憶されている表示可能領域と、前記地図において閲覧された領域を示す閲覧領域と、が一致した回数を示す閲覧回数をカウントし、該閲覧回数に応じて該表示可能領域の表示属性を変更することにより、前記地図の表示態様を調整する表示態様調整ステップを、少なくとも実行することを特徴とする地図表示態様調整方法。
【0008】
(1)の発明によれば、閲覧回数に応じて地図を構成する素領域に関連付けて記憶されている表示可能領域の表示属性を変更することにより、地図の表示態様を調整するので、以下の効果を奏する。
【0009】
すなわち、前記閲覧回数が多い素領域は人気のある地域と判断して、その素領域に対応する地域の表示態様を変更することができる。この場合の表示態様としては、例えば、閲覧回数に応じて明度、色彩等を変更する態様が考えられる。また、閲覧回数に応じて、閲覧回数に応じた棒グラフ等のアイコンを表示するようにしてもよい。
【0010】
一方、前記閲覧回数が少ない素領域については人気のない地域と判断して、その素領域に対応する地域の表示態様を変更してもよい。この場合、当該人気のない地域の地図情報を更新する頻度を低くして地図情報のメンテナンスコストを低く押さえることもできる。
【0011】
(2)前記表示可能領域の外延との所定の近傍に前記閲覧領域の外延が含まれる場合に、前記閲覧回数をカウントすることを特徴とする(1)に記載の地図表示態様調整方法。ここで、外延との所定の近傍としては、例えば、外延を構成する曲線からの距離が所定の閾値以内にある領域が該当する。
【0012】
(2)の発明によれば、地図を構成する素領域に関連付けて記憶されている表示可能領域の外延との所定の近傍に閲覧領域の外延が含まれる場合に、閲覧回数をカウントするので、素領域に関連付けられた表示可能領域と閲覧領域とにずれが生じても閲覧回数をカウントすることができる。このため、閲覧回数のカウントの精度を変更することができる。
【0013】
(3)前記素領域は、前記地図に対する縮尺毎に所定のレイヤーに配置されていることを特徴とする(1)記載の地図表示態様調整方法。
【0014】
(3)の発明によれば、地図を構成する素領域が、この地図に対する縮尺毎に所定のレイヤーに配置されているので、縮尺が同一の素領域の表示態様をレイヤーの属性を変更することにより一括して変更することができる。
【0015】
(4)通信ネットワーク上に配信される地図において閲覧された領域を示す閲覧領域を記憶する閲覧ログ記憶手段と、
前記地図の閲覧要求を受付ける閲覧要求受付手段と、
前記地図を構成する素領域の表示可能領域を、前記素領域に関連付けて記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶されている前記素領域毎に、該素領域と関連付けられた表示可能領域と、前記閲覧ログ記憶手段に記憶された閲覧領域と、が一致した回数を示す閲覧回数をカウントし、該閲覧回数に応じて該素領域に関連付けられた前記表示可能領域の表示属性を変更することにより、前記閲覧要求のあった地図の表示態様を調整する表示態様調整手段と、
前記表示態様調整手段で調整した地図を送信する地図送信手段と、
を備えることを特徴とする地図情報出力装置。
【0016】
(5)提供する地図において閲覧された領域を示す閲覧領域を記憶する閲覧ログ記憶手段と、
前記地図の閲覧要求を受付ける閲覧要求受付手段と、
前記地図を構成する素領域の表示可能領域を、前記素領域に関連付けて記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶されている前記素領域毎に、該素領域と関連付けられた表示可能領域と、前記閲覧ログ記憶手段に記憶された閲覧領域と、が一致した回数を示す閲覧回数をカウントし、該閲覧回数に応じて該素領域に関連付けられた前記表示可能領域の表示属性を変更することにより、前記閲覧要求のあった地図の表示態様を調整する表示態様調整手段と、
前記表示態様調整手段で調整したものを出力する地図出力手段と、
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、閲覧回数に応じて地図を構成する素領域に関連付けて記憶されている表示可能領域の表示属性を変更するため、閲覧回数の高い地域を視覚的に判別することができ、人気の高い地域に関する情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0019】
[地図情報出力装置と関連要素の全体構成]
図1は、本実施形態に係る地図情報出力装置1と関連要素の全体構成を示す図である。
【0020】
本実施形態に係る地図情報出力装置1及びユーザ端末2は、インターネット等の通信ネットワークNに接続されている。ネットワークNとの接続は有線であると無線であるとを問わない。
【0021】
地図情報出力装置1は、通信ネットワークN上に接続されたユーザ端末2から、閲覧する地域、縮尺等の指定を含む閲覧要求を受付けて、指定された地域及び縮尺の地図の画像を少なくとも含む地図情報を返信する。
【0022】
ユーザ端末2は、地図情報を閲覧するユーザが利用する情報処理装置であって、一般的なコンピュータが該当する。
【0023】
[地図情報出力装置の機能構成]
図2は、本実施形態に係る地図情報出力装置1の機能構成の概要を示す図である。本実施形態に係る地図情報出力装置1は、閲覧ログ記憶手段11と、閲覧要求受付手段12と、地図情報記憶手段16と、表示態様調整手段13と、地図送信手段14と、を備える。
【0024】
閲覧ログ記憶手段11は、閲覧要求受付手段12が受付けた閲覧要求に含まれる地域及び縮尺の指定に基づいて、ユーザ端末2で閲覧されることとなる地図の領域を「閲覧領域」として記憶する。例えば、地図の目標(中心)地点の座標が(X,Y)であって、縮尺が1/Sである場合に(X,Y)∈{(X,Y)||X−lS|≦0、|Y−lS|≦0}(l:定数)で定められる領域を閲覧領域として記憶する。ここで、使用する座標系は直交座標系のみならず、球座標系、円筒座標系等の様々な座標系を用いることができる。また、閲覧要求に含まれる地域及び縮尺の指定は、緯度:La1〜La2、経度:Lo1〜Lo2のように指定することもできる。この方法によると、縮尺の指定をする必要がなくなる利点がある。以下、説明の便宜上、緯度及び経度の範囲を指定することにより、閲覧領域が決定されるものする。表示態様調整手段13は、後述する所定のルールに基づいて閲覧ログ記憶手段11に記憶された閲覧領域の閲覧回数をカウントする。ここで、地図閲覧ログデータベース15は、閲覧ログ記憶手段11の一部を構成している。地図閲覧ログデータベース15の詳細については後述する。
【0025】
閲覧要求受付手段12は、ユーザ端末2から閲覧要求を受付けて、当該閲覧要求を閲覧ログ記憶手段11と表示態様調整手段13に渡す。
【0026】
地図情報記憶手段16は、地図を構成する素領域の表示可能領域を予め記憶している。表示態様調整手段13は、閲覧要求受付手段12が受付けた閲覧要求に対応する地図であって地図情報記憶手段16に記憶された表示可能領域の表示態様を所定のルールに基づいて調整したものを生成し、地図送信手段14に渡す。ここで、地図データベースは地図情報記憶手段16の一部を構成している。地図データベースの詳細については後述する。
【0027】
表示態様調整手段13は、閲覧要求受付手段12が受付けた閲覧要求に対応する地図であって所定のルールに基づいてその表示態様を調整したものを地図送信手段14に渡す。ここで、表示態様設定データベース17は、表示態様調整手段13の一部を構成している。表示態様設定データベース17の詳細については後述する。
【0028】
地図送信手段14は、表示態様調整手段13から受け取った地図を閲覧要求のあったユーザ端末2に送信する。
【0029】
[各種データベースと関連要素の構成]
図3は、地図閲覧ログデータベース15、地図データベース16及び表示態様設定データベース17と関連要素の構成の概要を示す図である。
【0030】
地図閲覧ログデータベース15は、閲覧IDとユーザ端末2で閲覧された地図の閲覧領域とを対応付けて記憶している。閲覧領域は、緯度及び経度の範囲として記憶されている。
【0031】
地図データベース16は、予め地図を構成する素領域の情報を記憶した地図テーブル161と、素領域が閲覧された回数を記憶するカウンターテーブル162と、を備える。
【0032】
地図テーブル161は、予めページIDと素領域としてのページファイルとを対応付けて記憶している。また、地図テーブル161は、ページIDと、素領域を配置するレイヤー、素領域としてのページファイル及び素領域の表示可能領域とをそれぞれ対応付けて記憶している。ここで、レイヤーは縮尺毎に予め決められており、本実施形態では、基本スケールの1/Sの縮尺の素領域はS番目のレイヤーの要素となっている。また、素領域としてのページファイルは、地図の一部を構成する画像ファイルである。図4は、地図を構成する素領域の地図上における位置関係を示す図である。
【0033】
カウンターテーブル162は、後述する地図情報出力処理において、ページID毎に、すなわち、ページIDに関連付けられた素領域としてのページファイル毎に、この素領域の閲覧回数を記憶している。
【0034】
表示態様設定データベース17は、予め設定IDと素領域を閲覧した回数の範囲としての「閲覧回数」とを対応付けて記憶している。また、表示態様設定データベース17は、予め設定IDと、素領域がこの設定IDに関連付けられた閲覧回数になった場合においてこの素領域に関連付けられた表示可能領域の「表示態様」とを対応付けて記憶している。表示態様としては、例えば、閲覧回数に応じて明度、色彩等を変更する態様が考えられる。すなわち、閲覧回数が多いほど、明度、色彩等に対応する値を増加又は減少させるような表示態様を割り当てる。また、閲覧回数に応じて、閲覧回数に応じた棒グラフ等のアイコンを表示するようにしてもよい。
【0035】
[地図情報出力装置のハードウェア構成図]
図5は、本実施形態に係る地図情報出力装置1のハードウェア構成を示す図である。
地図情報出力装置1は、制御部300を構成するCPU(Central Processing Unit)310(マルチプロセッサ構成ではCPU320等複数のCPUが追加されてもよい)、バスライン200、通信I/F(I/F:インタフェース)330、メインメモリ340、BIOS(Basic Input Output System)350、I/Oコントローラ360、ハードディスク370、光ディスクドライブ380、並びに半導体メモリ390を備える。尚、ハードディスク370、光ディスクドライブ380、並びに、半導体メモリ390はまとめて記憶装置410と呼ばれる。
【0036】
制御部300は、地図情報出力装置1を統括的に制御する部分であり、ハードディスク370(後述)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0037】
通信I/F330は、地図情報出力装置1が、インターネットN(図1)を介してユーザ端末2(#1)〜2(#N)等(図1)と情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F330は、モデム、ケーブル・モデム及びイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0038】
BIOS350は、地図情報出力装置1の起動時にCPU310が実行するブートプログラムや、地図情報出力装置1がハードウェアに依存するプログラム等を記録する。
【0039】
I/Oコントローラ360には、ハードディスク370、光ディスクドライブ380、及び半導体メモリ390等の記憶装置410を接続することができる。
【0040】
ハードディスク370は、本ハードウェアを地図情報出力装置1として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラム及び後述するテーブル及びレコードを記憶する。なお、地図情報出力装置1は、外部に別途設けたハードディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0041】
光ディスクドライブ380としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この場合は各ドライブに対応した光ディスク400を使用する。光ディスク400から光ディスクドライブ380によりプログラムまたはデータを読み取り、I/Oコントローラ360を介してメインメモリ340またはハードディスク370に提供することもできる。
【0042】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、地図情報出力装置1は、記憶装置410、制御部300等を備えた情報処理装置により構成され、この情報処理装置は、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0043】
この地図情報出力装置1では、制御部300が主として表示態様調整手段13に対応し、記憶装置410が主として閲覧ログ記憶手段11及び地図情報記憶手段16に対応し、通信I/F330が主として閲覧要求受付手段12及び地図送信手段14に対応する。
【0044】
[ユーザ端末のハードウェア構成]
ユーザ端末2も、上述の地図情報出力装置1と同様な構成を持つ。
【0045】
[本発明の実施形態に係るフローチャート]
図6及び図7は、本発明の実施形態に係る地図情報出力処理のフローチャートを示している。
【0046】
S1:閲覧要求受付手段12は、ユーザ端末2から地図の閲覧要求を受付ける。閲覧要求には、少なくとも、閲覧領域を指定する緯度及び経度の範囲が含まれる。
【0047】
S2:閲覧要求受付手段12は、ユーザ端末2から受付けた閲覧要求を閲覧ログ記憶手段11及び表示態様調整手段13にそれぞれ渡す。
【0048】
S3:閲覧ログ記憶手段11は、閲覧要求受付手段12から受け取った閲覧要求に含まれる緯度及び経度の範囲を「閲覧領域」とし、自動生成したログIDとこの閲覧領域とを対応付けて閲覧ログデータベース15に記憶する。
【0049】
S4:表示態様調整手段13は、地図テーブル161において、閲覧要求受付手段12から受け取った閲覧要求に含まれる緯度及び経度の範囲(「閲覧領域」)と、表示可能領域とが一致するレコードを検索する。ここで、閲覧領域としての緯度及び経度の範囲を緯度:La1〜La2、経度:Lo1〜Lo2とし、表示可能領域を緯度:A1〜A2、経度:B1〜B2とすると、表示態様調整手段13は、|La1−A1|≦δ、|La2−A2|≦δ、|Lo1−B1|≦δ、|Lo2−B2|≦δ(δ:定数)の場合に閲覧領域と表示可能領域とが一致したと判断してもよい。
【0050】
S5:表示態様調整手段13は、閲覧領域と表示可能領域とが一致した場合に、この表示可能領域が属するレコードのページIDを地図テーブル161から抽出する。
【0051】
S6:表示態様調整手段13は、地図テーブル161から抽出したページIDと一致するページIDを持つレコードをカウンターテーブル162から検索する。
【0052】
S7:表示態様調整手段13は、地図テーブル161から抽出したページIDと一致するページIDを持つレコードが見つかった場合に、そのレコードの閲覧回数を1だけインクリメントする。また、表示態様調整手段13はこのようなレコードが見つからなかった場合に、ページIDが地図テーブル161から抽出したページIDと同一であり、かつ、閲覧回数が1となるレコードを新たにカウンターテーブル162に追加する。
【0053】
S8:表示態様調整手段13は、閲覧要求受付手段12から受け取った閲覧要求に含まれる経度及び緯度に対応する地図を地図テーブル161に記憶された素領域を組み合せて生成する。地図の作成方法としては、例えば、同一のレイヤー(縮尺)に属する素領域であって、隣接する位置関係にある素領域を組み合せた後、閲覧要求に含まれる緯度及び経度に対応する部分のみを表示するフレームを生成するようにしてもよい。
【0054】
S9:表示態様調整手段13は、カウンターテーブル162に記憶されたページIDと同一のページIDに関連付けられた表示可能領域を地図テーブル161から抽出する。
【0055】
S10:表示態様調整手段13は、S9のページIDに関連付けられた閲覧回数をカウンターテーブル162から抽出する。
【0056】
S11:表示態様調整手段13は、抽出した閲覧回数に関連付けられた表示態様を表示態様設定データベース17から抽出する。
【0057】
S12:表示態様調整手段13は、S8で生成した地図において、S9で抽出した表示可能領域を、S11で抽出した表示態様に変更する。具体的には、表示態様調整手段13は、S8で生成した地図が属するレイヤーと異なるレイヤーに、S9で抽出した表示可能領域と同じ形状のHTMLエレメントを配置し、そのエレメントの明度、色彩等を、レイヤーの属性を変更することによって変更する。
【0058】
S13:表示態様調整手段13は、表示態様を変更した地図を地図送信手段14に渡す。
【0059】
S14:地図送信手段14は、表示態様調整手段13から受け取った地図を閲覧要求のあったユーザ端末2に送信する。図8は、ユーザ端末のディスプレイに表示された地図の一例を示す図である。この図によると、ユーザは一見して「池袋」地区の閲覧回数が多いことを視認することができ、特に「池袋」地区の北西部に人気があることを視認することができる。
【0060】
以上説明したように、表示態様調整手段13は、閲覧回数に応じて地図を構成する素領域に関連付けて記憶されている表示可能領域の表示属性を変更するので、閲覧回数の高い地域を視覚的に判別することができ、人気の高い地域に関する情報を提供することができる。また、地図情報提供サイトを運営する業者は、人気のない地域の地図情報を更新する頻度を低くして地図情報のメンテナンスコストを低く押さえることもできる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。例えば、本実施形態では、表示態様調整手段13は、閲覧要求受付手段12から閲覧要求を受け取る度に、カウンターテーブル162を更新するが、所定の時間が経過した後に地図閲覧ログデータベース15に記憶された閲覧領域を一括して抽出し、カウンターテーブル162を更新するようにしてもよい。カウンターテーブル162の更新を夜間にバッチ処理するようにすれば、アクセスが集中する昼間において地図情報出力装置1にかかる負荷を軽減することができる。
【0062】
また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係る地図情報出力装置と関連要素の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る地図情報出力装置の機能構成の概要を示す図である。
【図3】本実施形態に係る地図閲覧ログデータベース、地図データベース及び表示態様設定データベースと関連要素の構成の概要を示す図である。
【図4】本実施形態に係る地図を構成する素領域の地図上における位置関係を示す図である。
【図5】本実施形態に係る地図情報出力装置のハードウェア構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る地図情報出力処理のフローチャートを示している。
【図7】図6のフローチャートの続きである。
【図8】ユーザ端末のディスプレイに表示された地図の一例を示す図である
【符号の説明】
【0064】
1 地図情報出力装置
2 ユーザ端末
11 閲覧ログ記憶手段
12 閲覧要求受付手段
13 表示態様調整手段
14 地図送信手段
15 地図閲覧ログデータベース
16 地図データベース(地図情報記憶手段)
17 表示態様設定データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
予め前記コンピュータに記憶され、通信ネットワーク上に配信される地図を構成する素領域毎に、該素領域に関連付けて記憶されている表示可能領域と、前記地図において閲覧された領域を示す閲覧領域と、が一致した回数を示す閲覧回数をカウントし、該閲覧回数に応じて該表示可能領域の表示属性を変更することにより、前記地図の表示態様を調整する表示態様調整ステップを、少なくとも実行することを特徴とする地図表示態様調整方法。
【請求項2】
前記表示可能領域の外延との所定の近傍に前記閲覧領域の外延が含まれる場合に、前記閲覧回数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載の地図表示態様調整方法。
【請求項3】
前記素領域は、前記地図に対する縮尺毎に所定のレイヤーに配置されていることを特徴とする請求項1記載の地図表示態様調整方法。
【請求項4】
通信ネットワーク上に配信される地図において閲覧された領域を示す閲覧領域を記憶する閲覧ログ記憶手段と、
前記地図の閲覧要求を受付ける閲覧要求受付手段と、
前記地図を構成する素領域の表示可能領域を、前記素領域に関連付けて記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶されている前記素領域毎に、該素領域と関連付けられた表示可能領域と、前記閲覧ログ記憶手段に記憶された閲覧領域と、が一致した回数を示す閲覧回数をカウントし、該閲覧回数に応じて該素領域に関連付けられた前記表示可能領域の表示属性を変更することにより、前記閲覧要求のあった地図の表示態様を調整する表示態様調整手段と、
前記表示態様調整手段で調整した地図を送信する地図送信手段と、
を備えることを特徴とする地図情報出力装置。
【請求項5】
提供する地図において閲覧された領域を示す閲覧領域を記憶する閲覧ログ記憶手段と、
前記地図の閲覧要求を受付ける閲覧要求受付手段と、
前記地図を構成する素領域の表示可能領域を、前記素領域に関連付けて記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶されている前記素領域毎に、該素領域と関連付けられた表示可能領域と、前記閲覧ログ記憶手段に記憶された閲覧領域と、が一致した回数を示す閲覧回数をカウントし、該閲覧回数に応じて該素領域に関連付けられた前記表示可能領域の表示属性を変更することにより、前記閲覧要求のあった地図の表示態様を調整する表示態様調整手段と、
前記表示態様調整手段で調整したものを出力する地図出力手段と、
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−2861(P2010−2861A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163681(P2008−163681)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】