説明

地図表示装置及びプログラム

【課題】電子地図上に、アイコンなどの図形を表示して利用者に情報を伝達する地図表示装置において、多数の対象についての情報を迅速に表示する。
【解決手段】縮尺レベル算出部131が表示地図の縮尺に基づいて縮尺レベルを算出する。集計実行判定部133が、縮尺レベルに変更があった場合に、集計処理実行と判定する。集計処理実行と判定した場合に、集計地域算出部134が表示地図の表示地域よりも広い範囲を集計地域とし、領域分割部136が集計地域を分割領域に分割し、対象数集計部137が分割領域内の表示対象の数を集計し、集約図形選択部138が集計した表示対象の数に基づいて集約図形を選択する。集約図形描画部150が集約図形選択部138が選択した集約図形を描画した集約表示図を生成し、地図表示部180が地図に重ねて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子地図上に表示対象を示す図形を表示する地図表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子地図上に、アイコンなどの図形を表示し、その図形の表示位置に対応する地理上の位置に存在する対象についての情報を、電子地図を見る利用者に伝達する装置がある。
縮尺が大きい場合は、アイコンなどの図形が個々に判別できるが、縮尺を小さくすると、図形が重なり、情報の視認が困難になるので、情報の利便性・視認性が悪くなる。
また、縮尺が小さくなると、1枚の地図上に表示される表示地域が広くなり、そこに表示すべき対象の数が多くなるので、地図を表示する処理に時間がかかり、迅速な情報伝達ができなくなる。
そのため、アイコンなどの図形が重なる場合に、複数の図形を1つにまとめて表示したり、間引いて表示したりする技術がある。
【特許文献1】特開2003−337041号公報
【特許文献2】特開2005−283630号公報
【特許文献3】特開2002−372427号公報
【特許文献4】特開2003−288005号公報
【特許文献5】特開2004−69561号公報
【特許文献6】特開2004−163592号公報
【特許文献7】特開2005−266094号公報
【特許文献8】特開2006−155603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
間引いて表示する方式は、間引かれた図形に対応する対象についての情報が切り捨てられてしまうので、利用者に伝達される情報の欠落が大きい。特に、災害発生時の被災状況を表示する場合には、このような情報の欠落により、重要な情報が見落とされてしまう危険がある。
また、図形の重なりを判定する方式は、多数の対象について表示しなければならない場合に、判定に時間がかかり、迅速に地図を表示できない場合がある。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、多数の対象についての情報を迅速に伝達しなければならない場合において、情報の欠落が少ない地図を、迅速に表示することができる地図表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明にかかる地図表示装置は、
情報を記憶する記憶装置と、情報を処理する処理装置と、情報を表示する表示装置と、表示対象データベース記憶部と、集約図形設定部と、集約図形描画部と、地図表示部とを有し、
上記表示対象データベース記憶部は、
上記記憶装置を用いて、地図上に表示すべき表示対象の地理上の位置を示す位置データを記憶し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、集計処理を実行するか否かを判定し、
集計処理実行と判定した場合に、上記処理装置を用いて、地図に表示すべき表示地域を含み上記表示地域よりも広い集計地域を、複数の分割領域に分割し、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データに基づいて、分割領域内に位置する表示対象の数を集計し、上記処理装置を用いて、集計した表示対象の数に対応する図形を選択し、上記記憶装置を用いて、選択した図形を示す選択図形データを記憶し、
上記集約図形描画部は、
上記処理装置を用いて、上記複数の分割領域のそれぞれについて、上記分割領域の地理上の位置に対応する図上の位置に上記集約図形設定部が記憶した選択図形データが示す図形を描画して、集約表示図を生成し、
上記地図表示部は、
上記処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、上記集約図形描画部が生成した集約表示図を重ね合わせて、表示地図を生成し、上記表示装置を用いて、生成した表示地図を表示することを特徴とする。
【0005】
この発明にかかる地図表示装置は、更に、情報を入力する入力装置と、縮尺入力部とを有し、
上記縮尺入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、上記縮尺入力部が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、上記記憶装置を用いて、算出した縮尺レベルを記憶し、上記処理装置を用いて、算出した縮尺レベルに変更があったか否かを判断し、
縮尺レベルに変更があったと判断した場合に、上記処理装置を用いて、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0006】
この発明にかかる地図表示装置は、更に、情報を入力する入力装置と、縮尺入力部と、個別図形描画部とを有し、
上記縮尺入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、上記縮尺入力部が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、
上記個別図形描画部は、
上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データに基づいて、上記位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に所定の図形を描画して、個別表示図を生成し、
上記地図表示部は、
上記集約図形設定部が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合に、上記処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、上記個別図形描画部が生成した個別表示図を重ね合わせて、表示地図を生成することを特徴とする。
【0007】
この発明にかかる地図表示装置は、
上記表示対象データベース記憶部が、更に、
上記記憶装置を用いて、上記表示対象の緊急対応の必要性を示す緊急度データを記憶し、
上記個別図形描画部は、
上記集約図形設定部が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合に、上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した緊急度データに基づいて、表示対象の緊急対応の必要性が高いか否かを判断し、上記処理装置を用いて、緊急対応の必要性が高いと判断した表示対象について、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データに基づいて、上記位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に所定の図形を描画して、個別表示図を生成し、
上記地図表示部は、
上記集約図形設定部が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合に、上記処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、上記集約図形描画部が生成した集約表示図を重ね合わせ、更に、その上に、上記個別図形描画部が生成した個別表示図を重ね合わせて、表示地図を生成することを特徴とする。
【0008】
この発明にかかる地図表示装置は、更に、情報を入力する入力装置と、縮尺入力部と、中心入力部とを有し、
上記縮尺入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力し、
上記中心入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の中心点の座標を入力し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、上記縮尺入力部が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、
集計処理実行と判定した場合に、上記処理装置を用いて、算出した縮尺レベルに基づいて、上記集計地域の広さを算出し、上記処理装置を用いて、上記中心入力部が入力した中心点の座標と、算出した集計地域の広さとに基づいて、集計地域を算出することを特徴とする。
【0009】
この発明にかかる地図表示装置は、
上記集約図形設定部が、
上記記憶装置を用いて、算出した集計地域を示す集計地域データを記憶し、
上記処理装置を用いて、上記中心入力部が入力した中心点の座標と、記憶した集計地域データとに基づいて、上記表示地域が集計地域内に収まるか否かを判断し、
上記表示地域が集計地域内に収まらないと判断した場合に、上記処理装置を用いて、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0010】
この発明にかかる地図表示装置は、
上記集約図形設定部が、
上記記憶装置を用いて、算出した集計地域を示す集計地域データを記憶し、
上記処理装置を用いて、上記中心入力部が入力した中心点の座標と、記憶した集計地域データとに基づいて、上記表示地域が集計地域の端に近いか否かを判断し、
上記表示地域が集計地域の端に近いと判断した場合に、上記処理装置を用いて、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0011】
この発明にかかる地図表示装置は、
上記表示対象データベース記憶部が、更に、
上記記憶装置を用いて、上記表示対象の状態を示す状態データを記憶し、
上記集約図形設定部は、更に、
集計処理実行と判定した場合に、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データと状態データとに基づいて、分割領域内に位置する表示対象のうち、所定の状態にある所定状態表示対象の数を集計し、上記処理装置を用いて、集計した表示対象の数と所定状態表示対象の数とに基づいて、対応する図形を選択することを特徴とする。
【0012】
この発明にかかる地図表示装置は、
上記集約図形設定部が、
上記処理装置を用いて、集計した所定状態表示対象の数を、集計した表示対象の数で除して、所定状態率を算出し、上記処理装置を用いて、集計した表示対象の数に対応する形状と、算出した所定状態率に対応する色彩とを有する図形を選択することを特徴とする。
【0013】
この発明にかかる地図表示装置は、更に、表示対象データベース更新部を有し、
上記表示対象データベース更新部は、
上記表示対象データベース記憶部が記憶したデータを更新し、
上記集約図形設定部は、
上記表示対象データベース更新部がデータを更新した場合に、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0014】
この発明にかかる地図表示装置は、
上記表示対象データベース更新部が、
上記表示対象データベース記憶部が記憶したデータを所定の周期で更新し、
上記集約図形設定部は、
上記所定の周期が経過した場合に、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0015】
この発明にかかるプログラムは、
情報を入力する入力装置と、情報を記憶する記憶装置と、情報を処理する処理装置と、情報を表示する表示装置とを有するコンピュータを、この発明にかかる地図表示装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明にかかる地図表示装置によれば、例えば、集約図形設定部が集計処理を実行するか否かを判定し、集計処理実行と判定した場合にのみ、集計処理を実行するので、地図表示部が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施の形態1.
実施の形態1を、図1〜図9を用いて説明する。
【0018】
図1は、この実施の形態における地図表示装置100の外観の一例を示す図である。
地図表示装置100は、システムユニット910、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(Key・Board:K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット910は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク942(LAN)、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
【0019】
図2は、この実施の形態における地図表示装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
図2において、地図表示装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信装置915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信装置915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信装置915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力部、出力装置の一例である。
【0020】
通信装置915は、ファクシミリ機932、電話器931、LAN942等に接続されている。通信装置915は、LAN942に限らず、インターネット940、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。インターネット940或いはISDN等のWANに接続されている場合、ゲートウェイ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0021】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明する情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリになどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disc)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0022】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、以下に述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以下に述べる「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0023】
図3は、この実施の形態における地図表示装置100を利用した災害情報システム200の全体構成の一例を示すシステム構成図である。
地図情報提供サーバ装置201は、例えばインターネット940などのネットワークを介して、地図表示装置100からの要求を受けて、要求された地域を表わした地図を示すデータを生成して、地図表示装置100に対して送信する装置である。地図情報提供サーバ装置201は、例えば、ASP(Application Service Provider)型のサービス(地図情報提供ASPサービス)を提供する。
なお、地図表示装置100が自ら地図を生成する場合には、地図情報提供サーバ装置201がなくてもよい。
センサー203は、例えば、建物803などに設置されたセンサーである。センサー202は、例えば、地震の発生を感知する震度センサー、火災の発生を感知する火災センサー、停電を感知する停電センサーなど、対象となる災害を検知する装置である。センサー203は、災害を検知した場合、例えばインターネット940などのネットワークを介して、地図表示装置100に対して、検知した災害の内容を示す災害情報を送信する。
携帯端末装置202は、作業員802が携帯する端末装置である。作業員802は、災害発生時に現場に赴いて、被災状況を確認したり、必要な措置を講じたりする。作業員802が携帯端末装置202に、被災状況や復旧作業の進捗状況などを入力すると、携帯端末装置202は、例えばインターネット940などのネットワークを介して、地図表示装置100に対して、入力した情報を送信する。
また、地図表示装置100が表示した地図を見た管制官などの利用者が、作業員802に対する指示(例えば、次の作業現場や把握している被災状況など)を地図表示装置100に入力し、地図表示装置100が、例えばインターネット940を介して携帯端末装置202に対して、入力した指示を示す情報を送信し、携帯端末装置202が表示してもよい。
地図表示装置100は、例えばインターネット940を介して、携帯端末装置202やセンサー203が送信した情報を受信する。
【0024】
図4は、この実施の形態における地図表示装置100の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図である。
地図表示装置100は、縮尺入力部111、中心入力部112、地図取得部120、集約図形設定部130、表示対象データベース記憶部140、集約図形描画部150、個別図形描画部160、アイコン記憶部170、地図表示部180、表示対象データベース更新部190を有する。
【0025】
縮尺入力部111は、マウス903などの入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力する。縮尺とは、例えば「五千分の1」「二十万分の1」などの分数で表わされるもので、分母が大きい(縮尺が小さい)ほど広域の地図を表わし、分母が小さい(縮尺が大きい)ほど狭域の詳細な地図を表わす。
利用者は、例えば、地図表示部180が地図の近傍に表示している縮尺を示すスクロールバーを操作することにより、地図表示部180が表示する地図の縮尺を指定する。縮尺入力部111は、CPU911などの処理装置を用いて、利用者が指定した縮尺を算出する。
縮尺入力部113は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、縮尺データを記憶する。縮尺データとは、縮尺入力部113が入力した縮尺を示すデータである。
【0026】
中心入力部112は、マウス903などの入力装置を用いて、表示すべき地図の中心座標を入力する。中心座標とは、地図表示部180が表示する地図の中心点の座標を示すものであり、例えば、中心点の緯度と、中心点の経度とによって表わされる。
利用者は、例えば、地図表示部180が表示している地図上の一点をクリックすることにより、クリックした地点を、表示する地図の中心点として指定する。中心入力部112は、CPU911などの処理装置を用いて、利用者がクリックした画面上の位置に対応する中心座標を算出する。
中心入力部112は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、中心データを記憶する。中心データとは、中心入力部112が入力した中心座標を示すデータである。
【0027】
地図取得部120は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺入力部111が記憶した縮尺データと、中心入力部112が記憶した中心データとを入力する。
地図取得部120は、CPU911などの処理装置を用いて、中心データが示す中心点の座標と、縮尺データが示す縮尺とに基づいて、地図表示部180が表示する地図の表示地域を算出する。例えば、表示地域が長方形の場合、地図取得部120は、表示地域の四隅の緯度・経度を求めることにより、表示地域を算出する。
地図取得部120は、CPU911などの処理装置を用いて、算出した表示地域を表わす地図を生成する。
例えば、地図取得部120は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、地図情報データを記憶しておき、CPU911などの処理装置を用いて、記憶した地図情報データに基づいて、地図を生成する。地図情報データとは、表示すべき地図の元となるデータであって、例えば、地形、行政界、道路、建物などを示す地図のイメージデータやベクトルデータなどである。
地図取得部120は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、地図データを記憶する。地図データとは、地図取得部120が生成した地図を示すデータである。
【0028】
なお、地図取得部120は、地図を生成するのではなく、例えば、通信装置915を用いて、地図情報提供サーバ装置201に対して縮尺データや中心データを送信し、地図情報提供サーバ装置201が生成した地図を示す地図データを、通信装置915を用いて受信することにより、地図を取得してもよい。
これにより、地図表示装置100が記憶した地図情報データを更新する手間が省け、常に最新情報に基づく地図を表示できるので、好ましい。また、これにより、地図表示装置100の維持費を削減することもできる。
【0029】
表示対象データベース記憶部140は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、地図表示部180が表示する地図上に表示すべき表示対象についての情報を集めたデータベースを記憶する。
【0030】
表示対象データベース記憶部140が記憶するデータベースは、例えば、表示対象である建物803の建物番号、建物名、建物のある地点の緯度・経度、災害発生時刻、被災の種類、復旧時刻などの情報を含む。
【0031】
災害発生時刻とは、災害発生時に、その建物803に設置されたセンサー203が災害発生を検知した時刻である。センサー203が災害発生を検知すると、地図表示装置100に対して、そのことを通知する情報を送信する。地図表示装置100がこれを受信し、表示対象データベース記憶部140が記憶するデータベースに反映する。
【0032】
被災の種類とは、災害発生時に、その建物803にどのような被害が出たかを示すものである。例えば、その建物803が停電したことを示す「停電」、その建物803が浸水したことを示す「水害」、地震を検知してエレベータが自動で停止したことを示す「停止」、エレベータが故障して動かなくなったことを示す「故障」、停止したエレベータ内に人が閉じ込められていることを示す「救出要」などがある。
これも、その建物803に設置されたセンサー203が検出し、地図表示装置100に対して検出した被害状況を示す災害情報を送信し、センサー203が送信した災害情報を地図表示装置100が受信して、表示対象データベース記憶部140が記憶するデータベースに反映する。
【0033】
被災の種類によって、すぐに緊急対応が必要な状況である場合と、そうでない場合とがある。例えば、「救出要」の場合は、すぐに緊急対応が必要である。
地震などの災害時には、同一地域内の多数の建物で被害が同時に発生するので、緊急対応にあたる作業員が不足する。したがって、緊急対応の必要性に応じて優先順位を定めて、対応する必要がある。
【0034】
復旧時刻とは、緊急対応にあたる作業員802が現場に到着し、対応を済ませた時刻である。作業員802は、緊急対応終了後、携帯端末装置202に、復旧完了したことを入力する。携帯端末装置202は、地図表示装置100に対して復旧完了を示す復旧情報を送信し、携帯端末装置202が送信した復旧情報を地図表示装置100が受信して、表示対象データベース記憶部140が記憶するデータベースに反映する。
【0035】
表示対象データベース記憶部140は、位置記憶部141、緊急度記憶部142、状態記憶部143を有する。
【0036】
位置記憶部141は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、位置データを記憶する。位置データとは、表示対象の位置を示すデータである。例えば、表示対象がある地点の緯度を示す緯度データ、経度を示す経度データなどを含む。上記説明した例でいえば、建物803のある地点の緯度・経度を示す情報が、位置データに相当する。
建物のように移動しない表示対象の場合、位置記憶部141は、あらかじめ入力された位置データを記憶している。しかし、表示対象は移動するものであってもよい。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)により表示対象の位置を測定して、地図表示装置100に対して送信し、位置記憶部141が記憶してもよい。
【0037】
緊急度記憶部142は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、緊急度データを記憶する。緊急度データとは、緊急対応の必要性を示すデータである。上記説明した例でいえば、被災の種類を示す情報が、緊急度データに相当する。
【0038】
状態記憶部143は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、状態データを記憶する。状態データとは、表示対象の状態を示すデータである。例えば、表示対象が被災したか否か、復旧したか否かなどを示すデータを含む。上記説明した例でいえば、災害発生時刻・復旧時刻などを示す情報が、状態データに相当する。
【0039】
表示対象データベース更新部190は、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースを更新する。
表示対象データベース更新部190は、例えば、現場に設置されたセンサー203などからの情報を受信するたびに、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースを更新してもよいし、更新情報を一定期間溜めておき、所定の周期で更新することとしてもよい。
【0040】
集約図形設定部130は、CPU911などの処理装置を用いて、地図表示部180が表示する地図に重ねて表示する集約図形(集約アイコン)を設定する。
集約図形とは、地図表示部180が表示する地図の縮尺が小さい(広域地図である)場合、個々の表示対象に対応するアイコンを表示すると、アイコンが重なって視認性が悪くなり、また、表示対象の数が多い場合に表示に時間がかかってしまうため、複数のアイコンを一つにまとめて表示するものである。
この実施の形態では、緯線及び経線により分割されたメッシュ状の分割領域を設け、各分割領域内に存在する表示対象の数に応じた集約図形を表示する。
集約図形設定部130は、アイコン貼り付け計算部ともいう。
【0041】
集約図形設定部130は、縮尺レベル算出部131、縮尺レベル記憶部132、集計実行判定部133、集計地域算出部134、集計地域記憶部135、領域分割部136、対象数集計部137、集約図形選択部138、選択図形記憶部139を有する。
【0042】
縮尺レベル算出部131は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺入力部111が記憶した縮尺データを入力する。
縮尺レベル算出部131は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺データが示す縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出する。
縮尺レベルとは、地図表示部180が表示する地図が、日本全図や地方図のような広域地図であるか、都道府県図や市区町村図のような中域地図であるか、住宅地図のような詳細地図であるかを数段階程度の段階で表わすものである。
例えば、縮尺が五十万分の1未満であれば縮尺レベル「0」、五十万分の1以上三十万分の一未満であれば縮尺レベル「1」、三十万分の一以上三万分の一未満であれば縮尺レベル「2」、三万分の一以上一万分の一未満であれば縮尺レベル「3」、一万分の一以上五百分の一未満であれば縮尺レベル「4」、五百分の一以上であれば縮尺レベル「5」のように、地図表示部180が表示する地図の縮尺に対応する縮尺レベルを定めておく。この実施の形態において、縮尺レベルは、縮尺が大きくなるにしたがって、大きくなるものとする。なお、縮尺レベルは6段階に限らず、もっと多くてもよいし少なくてもよい。また、縮尺レベルの閾値は、あらかじめ定めておいた固定値でもよいし、利用者が好みに合わせて変更できるものとしてもよい。
縮尺レベル算出部131は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、あらかじめ定めた(または利用者が入力した)閾値を記憶しておき、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺データが示す縮尺を、閾値と比較することにより、縮尺レベルを算出する。
縮尺レベル算出部131は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺レベルデータを出力する。縮尺レベルデータは、縮尺レベル算出部131が算出した縮尺レベルを示すデータである。
【0043】
縮尺レベル記憶部132は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺レベル算出部131が出力した縮尺レベルデータを入力する。
縮尺レベル記憶部132は、RAM914などの記憶装置を用いて、入力した縮尺レベルデータを記憶する。
これにより、縮尺レベル記憶部132は、縮尺レベル算出部131が算出した縮尺レベルを示すデータを記憶する。
【0044】
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、集計処理を実行するか否かを判定する。
集計実行判定部133は、縮尺レベル記憶部132が新しい縮尺レベルデータを記憶する前に、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺レベル記憶部132が記憶した古い縮尺レベルデータを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺レベル算出部131が出力した新しい縮尺レベルデータを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、古い縮尺レベルデータと新しい縮尺レベルデータとを比較し、縮尺レベルに変更があったか否かを判断する。
集計実行判定部133は、縮尺レベルに変更があったと判断した場合、CPU911などの処理装置を用いて、集計処理実行と判定する。
ここで、「集計処理実行と判定」とは、集計処理を実行すると判定することである。
なお、縮尺レベル記憶部132が古い縮尺レベルデータを記憶していない場合、すなわち、地図表示装置100が起動直後で、まだ地図を表示していない状態である場合にも、集計実行判定部133は、集計処理実行と判定する。
【0045】
表示対象の数が何千件、何万件とある場合、集約表示するために分割領域内の表示対象の数を集計する集計処理にかかる処理時間も無視できない。そこで、この実施の形態では、縮尺レベルに変更がない場合には、集計処理をせず、前回の集計結果を利用して、集約表示を行う。
【0046】
なお、この実施の形態では、後述するように、縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合、集約表示をしないこととしている。したがって、縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合には、縮尺レベルに変更があっても、集計実行判定部133は、集計処理を実行しないと判定する。
【0047】
集計地域算出部134は、集計実行判定部133が集計処理実行と判定した場合に、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域を算出する。集計地域とは、表示対象の数を集計する地域のことである。集計地域は、複数の分割領域に分割し、分割した分割領域ごとに、その領域内に位置する表示対象の数を集計する。
集計地域は、地図表示部180が表示する地図の表示地域を含み、表示地域より広い地域とする。
これは、利用者が地図の縮尺を変更せず、中心点を移動した場合(すなわち、地図をスクロールした場合)に、集計処理をせずに済ませるためである。
【0048】
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺レベル記憶部132が記憶した(新しい)縮尺レベルデータを入力する。
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺レベルデータが示す縮尺レベルに基づいて、集計地域の広さを算出する。
例えば、縮尺レベルが「0」の場合には、緯度差10度・経度差10度の範囲を集計地域とする。縮尺レベルが「1」の場合には、緯度差2度・経度差2度の範囲を集計地域とする。縮尺レベルが「2」の場合には、緯度差0.4度・経度差0.4度の範囲を集計地域とする。縮尺レベルが「3」以上の場合には、集計実行判定部133が集計処理を実行しないと判定するので、集計地域算出部134が集計地域を算出することはない。
【0049】
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、中心入力部112が記憶した中心データを入力する。
集計地域算出部134は、入力した中心データが示す中心点の座標と、算出した集計地域の広さとに基づいて、集計地域を算出する。
例えば、縮尺レベルが「1」または「2」の場合には、中心点を中心とし、算出した広さをもつ範囲を集計地域とする。縮尺レベルが「0」の場合には、中心点の位置にかかわらず、東経130度〜140度、北緯25度〜35度の範囲を集計地域とする。
【0050】
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域データを出力する。集計地域データとは、集計地域算出部134が算出した集計地域を示すデータである。
この実施の形態では、二本の経線及び二本の緯線に囲まれた地域を、集計地域としている。したがって、集計地域データには、例えば、集計地域の東側の境界線である東端経線の経度を示す東端経度データと、集計地域の西側の境界線である西端経線の経度を示す西端経度データと、集計地域の北側の境界線である北端緯線の緯度を示す北端緯度データと、集計地域の南側の境界線である南端緯線の緯度を示す南端緯度データとが含まれる。
【0051】
なお、集計地域の形状は、二本の経線及び二本の緯線に囲まれた形状ではなく、異なる形状であってもよい。例えば、中心点を中心とする円形の地域を集計地域としてもよい。また、集計地域は、中心点や縮尺にかかわらず固定であってもよく、表示対象が位置し得る全範囲(例えば、日本全国)であってもよい。集計地域が固定である場合には、集計地域算出部134はなくてもよい。
【0052】
集計地域記憶部135は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域算出部134が出力した集計地域データを入力する。
集計地域記憶部135は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、入力した集計地域データを記憶する。
【0053】
領域分割部136は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域を複数の分割領域に分割する。分割領域とは、そのなかに位置する表示対象の数を集計する単位となる領域である。
例えば、領域分割部136は、集計地域を東西100等分・南北100等分して、一万個の分割領域に分割する。なお、分割数は、もっと多くても少なくてもよいし、可変であってもよい。分割数を可変とする場合、領域分割部136は、縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルに基づいて、分割数を算出してもよい。あるいは、利用者が所望の分割数を入力して、領域分割部136が磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて記憶しておいてもよい。また、分割領域の形状はメッシュ状でなくてもよいし、各分割領域の広さが同じでなくてもよい。例えば、中心点に近い地域は細かく分割し、中心点から遠い地域は粗く分割することとしてもよい。
【0054】
領域分割部136は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域算出部134が出力した集計地域データを入力する。
領域分割部136は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した集計地域データが示す集計地域を、複数の分割領域に分割する。
領域分割部136は、CPU911などの処理装置を用いて、分割領域データを出力する。分割領域データとは、領域分割部136が分割した分割領域を示すデータである。分割領域データは、例えば、分割領域の境界となる経線の経度を示す分割経度データや、分割領域の境界となる緯線の緯度を示す分割緯度データなどを含む。あるいは、単に分割数を示す分割数データだけを含むものであってもよい。
【0055】
図5は、この実施の形態における表示地域・集計地域・分割領域の関係の一例を示す図である。
表示地域501は、中央の太枠で囲まれた部分である。地図表示部180がこの表示地域501を表わす地図を表示する。
集計地域510は、破線メッシュ状の全体である。この例では、集計地域510は、表示地域501の中心点を中心とし、表示地域501を含んで、表示地域501よりも広い範囲である。
分割領域511は、破線で囲まれた小さい四角形の部分である。この例では、集計地域510が東西10等分、南北10等分され、合計100の分割領域511に分割されている。
【0056】
図4に戻り、地図表示装置100の機能ブロックの説明を続ける。
【0057】
対象数集計部137は、領域分割部136が分割した複数の分割領域のそれぞれについて、CPU911などの処理装置を用いて、その領域内に位置する表示対象の数を集計する。
なお、対象数集計部137が集計する表示対象は、表示対象データベース記憶部140が記憶した表示対象すべてであってもよいし、特定の条件を満たす表示対象についてであってもよい。以下の説明では、被災した建物であることを条件とし、被災した建物について、表示対象の数を集計する場合について説明する。
【0058】
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域記憶部135が記憶した集計地域データを入力する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、分割領域の数と同数の表示対象数を記憶するための記憶領域を、磁気ディスク装置920などの記憶装置上に確保する。対象数集計部137は、例えば、100×100の配列を生成する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、すべての表示対象数を初期化して、0にする。
【0059】
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、一つの表示対象について、位置記憶部141が記憶した位置データと、状態記憶部143が記憶した状態データとを入力する。
対象数集計部137は、入力した状態データが「被災」を示す場合、CPU911などの処理装置を用いて、入力した位置データが示す地理上の位置が集計地域内であるか否かを判断する。
状態データが「被災」を示す場合とは、例えば、「停電」「水害」など被災したことを示すデータである場合のことである。
対象数集計部137は、例えば、位置データに含まれる経度データが示す経度が、集計地域データに含まれる東端経度データが示す経度以下であり、集計地域データに含まれる西端経度データが示す経度以上であり、かつ、位置データに含まれる緯度データが示す緯度が、集計地域データに含まれる北端緯度データが示す緯度以下であり、集計地域データに含まれる南端緯度データが示す緯度以上である場合に、対象数集計部137は、集計地域内であると判断する。
対象数集計部137は、集計地域内であると判断した場合、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象が位置する分割領域を算出し、算出した分割領域に対応する対象数を1増やす。
以上をすべての表示対象について繰り返すことにより、対象数集計部137は、表示対象の数を集計する。
【0060】
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、対象数データを出力する。対象数データは、対象数集計部137が集計した表示対象の数を示すデータである。なお、対象数集計部137は、対象数データの代わりに、対象数集計部137が集計した表示対象の数を記憶した配列などの記憶領域を示すデータ(参照、ポインタ、アドレス、ファイル名など)であってもよい。
【0061】
集約図形選択部138は、領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、CPU911などの処理装置を用いて、対象数集計部137が集計した表示対象の数に対応する集約図形(集約アイコン)を選択する。
【0062】
図6は、この実施の形態における集約図形選択部138が選択する集約図形の一例を示す図である。
その領域内の表示対象の数が0である場合、集約図形選択部138は、集約図形を選択しない。すなわち、その領域に対応する位置には、集約図形を表示しない。
その領域内の表示対象の数が1以上、所定の閾値(この例では21)未満の場合、集約図形選択部138は、表示対象の数が少ない場合の集約図形(集約アイコン1)を選択する。
その領域内の表示対象の数が所定の閾値以上、第二の閾値(この例では51)未満の場合、集約図形選択部138は、表示対象の数が中間である場合の集約図形(集約アイコン2)を選択する。
その領域内の表示対象の数が第二の閾値以上の場合、集約図形選択部138は、表示対象の数が多い場合の集約図形(集約アイコン3)を選択する。
この例では、集約図形はすべて円錐形であり、表示対象の数が多いほど円錐の高さが高くなることにより、利用者がその領域内に位置する表示対象の数を直感的に把握できるようにしている。
なお、閾値は、固定ではなく、利用者の好みに応じて変更できるよう構成してもよい。
また、縮尺レベルに応じて異なる閾値を用いてもよい。縮尺レベルが大きくなれば、分割領域の面積が狭くなるので、1つの分割領域内に位置する表示対象の数が少なくなる。そのため、縮尺レベルが大きい場合には閾値を小さくし、縮尺レベルが小さい場合には閾値を大きくすることが好ましい。
更に、縮尺レベルに応じて、表示する集約図形を変更してもよい。特に、縮尺レベルに応じて閾値を変更する場合には、集約図形も変更するほうが、利用者がその領域内に位置する表示対象の数を直感的に把握できるので、好ましい。閾値が変わっても同じ集約図形を表示すると、利用者は、その領域内に位置する表示対象の数が同程度であると勘違いしてしまう危険があるからである。
【0063】
図4に戻り、地図表示装置100の機能ブロックの説明を続ける。
【0064】
集約図形選択部138は、領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、CPU911などの処理装置を用いて、選択図形データを出力する。選択図形データとは、集約図形選択部138が選択した集約図形を示すデータである。例えば、選択した集約図形の図形名称や番号、集約図形の画像データを記憶したファイルのファイル名などである。あるいは、選択した集約図形の画像データそのものであってもよい。
なお、対象数集計部137が集計した表示対象の数と同様、集約図形選択部138が選択した集約図形も、領域分割部136が分割した分割領域の数と同数あるので、例えば、集約図形選択部138が、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、100×100の配列を生成して、選択図形データを記憶し、その配列(記憶領域)を示すデータ(参照、ポインタ、アドレス、ファイル名など)を出力することとしてもよい。
【0065】
選択図形記憶部139は、CPU911などの処理装置を用いて、集約図形選択部138が出力した選択図形データを入力する。
選択図形記憶部139は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、入力した選択図形データを記憶する。
選択図形記憶部139が記憶する選択図形データは、集計実行判定部133が集計処理実行と判定して、集約図形設定部130が集計処理を行った場合に更新される。集計実行判定部133が集計処理を実行しないと判定した場合には更新されず、選択図形記憶部139は、前回の集計結果による選択図形データを保持している。
【0066】
アイコン記憶部170は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、集約図形(集約アイコン)や個別図形(個別アイコン)などの複数の図形データを記憶している。個別図形とは、個々の表示対象を示す図形であって、表示すべき地図の縮尺が大きく、集約表示をしない場合に、地図表示部180が表示するものである。
【0067】
集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、集約表示図を生成する。集約表示図とは、地図取得部120が取得した地図の表示地域と同一の地域を表わす図であって、分割領域に対応する位置に集約図形を描画した図のことである。地図表示部180が、地図取得部120が取得した地図の上に、集約表示図を重ねて表示することにより、利用者は、表示した集約図形がどの分割領域についてのものかを理解する。
【0068】
集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、初期化処理を行い、何も描画されていない(透明の)集約表示図を示すデータを用意する。
集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、領域分割部136が分割した分割領域のうち、表示地域と重なりを持つ分割領域のそれぞれについて、選択図形記憶部139が記憶した選択図形データを入力する。
集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、アイコン記憶部170が記憶した複数の図形データのなかから、入力した選択図形データが示す集約図形である図形データを入力する。
集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、集約表示図の上に、入力した図形データが示す集約図形を、分割領域の地理上の位置に対応する図上の位置に描画する。分割領域の地理上の位置に対応する図上の位置とは、例えば、地図取得部120が取得した地図上において、分割領域の中心点の地理上の位置を表わす位置のことである。
以上を表示地域と重なるすべての分割領域について繰り返すことにより、集約図形描画部150は、集約表示図を生成する。
集約図形描画部150は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、集約表示図データを記憶する。集約表示図データとは、集約図形描画部150が生成した集約表示図を示すデータである。
【0069】
なお、この実施の形態では、縮尺レベルが所定のレベルより大きい場合には、集約表示をしないこととしている。そのため、集約図形描画部150は、縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合に、以上の処理を行い、縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合には、以上の処理をしない。
【0070】
個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、個別表示図を生成する。個別表示図とは、地図取得部120が取得した地図の表示地域と同一の地域を表わす図であって、表示対象に対応する位置に個別図形を描画した図のことである。地図表示部180が、地図取得部120が取得した地図の上に、個別表示図を重ねて表示することにより、利用者は、表示対象の正確な位置を知ることができる。
【0071】
なお、この実施の形態では、縮尺レベルが所定のレベルより小さい場合には、集約表示をし、個別表示をしないこととしている。そのため、個別図形描画部160は、縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合に、以下の処理を行う。
【0072】
個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、初期化処理を行い、何も描かれていない(透明の)個別表示図を示すデータを用意する。
【0073】
個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、一つの表示対象について、位置記憶部141が記憶した位置データと、状態記憶部143が記憶した状態データとを入力する。
個別図形描画部160は、入力した状態データが「被災」を示す場合、CPU911などの処理装置を用いて、入力した位置データが示す地理上の位置が表示地域内であるか否かを判断する。
個別図形描画部160は、表示地域内であると判断した場合、CPU911などの処理装置を用いて、アイコン記憶部170が記憶した複数の図形データのなかから、表示対象に対応する個別図形である図形データを入力する。
個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した図形データが示す個別図形を、位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に描画する。
以上をすべての表示対象について繰り返すことにより、個別図形描画部160は、個別表示図を生成する。
個別図形描画部160は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、個別表示図データを記憶する。個別表示図データとは、個別図形描画部160が生成した個別表示図を示すデータである。
【0074】
地図表示部180は、CRTなどの表示装置901を用いて、表示地図を表示する。表示地図とは、地図取得部120が取得した地図の上に、集約図形描画部150が生成した集約表示図や、個別図形描画部160が生成した個別表示図を重ね合わせたものである。
【0075】
縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合には、地図表示部180は、地図取得部120が取得した地図の上に、集約図形描画部150が生成した集約表示図を重ねて、表示地図を生成する。
すなわち、地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、地図取得部120が記憶した地図データと、集約図形描画部150が記憶した集約表示図データとを入力する。
地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した地図データが示す地図の上に、入力した集約表示図データが示す集約表示図を重ね合わせる処理をして、表示地図を生成する。
地図表示部180は、CRTなどの表示装置901を用いて、生成した表示地図を表示する。
【0076】
縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合には、地図表示部180は、地図取得部120が取得した地図の上に、個別図形描画部160が生成した個別表示図を重ねて、表示地図を生成する。
表示地図生成の詳しい内容については、集約表示図を重ねる場合と同様なので、説明を省略する。
【0077】
図7は、この実施の形態における地図表示部180が表示する表示地図の一例を示す図である。
対象数データ637は、対象数集計部137が集計した表示対象の数を示す対象数データである。対象数集計部137は、領域分割部136が分割した分割領域(この例では10×10=100個)それぞれについて、その領域内に位置する表示対象の数を集計する。
選択図形データ638は、集約図形選択部138が選択した集約図形を示す選択図形データである。集約図形選択部138は、領域分割部136が分割した分割領域それぞれについて、集約図形を選択する。この例では、選択図形データ638として選択した集約図形の番号を用いている。なお、選択図形データ638のうち、表示地域に相当する部分を太枠で示している。
【0078】
集約表示図650は、集約図形描画部150が生成した集約表示図である。
地図620は、地図取得部120が取得した地図である。
表示地図680は、地図表示部180が、地図620の上に集約表示図650を重ね合わせて生成した表示地図である。地図表示部180は、CRTなどの表示装置901を用いて、表示地図680を表示する。
【0079】
次に、動作について説明する。
【0080】
図8は、この実施の形態における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0081】
S11において、縮尺入力部111は、マウス903などの入力装置を用いて、表示する地図の縮尺を入力する。
縮尺入力部111は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、入力した縮尺を示す縮尺データを記憶する。
【0082】
S12において、中心入力部112は、マウス903などの入力装置を用いて、表示する地図の中心座標を入力する。
中心入力部112は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、入力した中心座標を示す中心データを記憶する。
【0083】
S13において、地図取得部120は、CPU911などの処理装置を用いて、S11で縮尺入力部111が記憶した縮尺データを入力する。
地図取得部120は、CPU911などの処理装置を用いて、S12で中心入力部112が記憶した中心データを入力する。
地図取得部120は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺データが示す縮尺を有し、入力した中心データが示す中心座標の地点を中心とする表示地域を表わす地図を取得する。
地図取得部120は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、取得した地図を示す地図データを記憶する。
【0084】
S14において、縮尺レベル算出部131は、CPU911などの処理装置を用いて、S11で縮尺入力部111が記憶した縮尺データを入力する。
縮尺レベル算出部131は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺データが示す縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出する。
縮尺レベル算出部131は、CPU911などの処理装置を用いて、算出した縮尺レベルを示す縮尺レベルデータを出力する。
【0085】
S15において、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルデータを入力する。
この時点においてはまだ、S14で縮尺レベル算出部131が出力した縮尺レベルデータを、縮尺レベル記憶部132が記憶していないので、縮尺レベル記憶部132は、前回の地図表示処理において記憶した縮尺レベルデータを記憶している。以下、これを「更新前縮尺レベルデータ」、更新前縮尺レベルデータが示す(古い)縮尺レベルを「更新前縮尺レベル」と呼ぶ。これに対して、今回の地図表示処理において縮尺レベル算出部131が算出した(新しい)縮尺レベルを「更新後縮尺レベル」、更新後縮尺レベルを示すデータを「更新後縮尺レベルデータ」と呼んで、両者を区別する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、縮尺レベル算出部131が出力した更新後縮尺レベルデータを入力する。
また、縮尺レベル記憶部132は、CPU911などの処理装置を用いて、同じく、縮尺レベル算出部131が出力した更新後縮尺レベルデータを入力する。
縮尺レベル記憶部132は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、入力した更新後縮尺レベルデータを記憶する。
集計実行判定部133は、入力した更新後縮尺レベルデータが示す更新後縮尺レベルを、所定の縮尺レベルと比較して、どちらが大きいか判断する。
更新後縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きいと判断した場合、S16へ進む。
更新後縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さいと判断した場合、S17へ進む。
【0086】
S16において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、個別表示図を生成する。
個別図形描画部160は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、生成した個別表示図を示す個別表示図データを記憶する。
その後、S25へ進む。
【0087】
S17において、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、S15で入力した更新後縮尺レベルデータが示す更新後縮尺レベルと、S15で入力した更新前縮尺レベルデータが示す更新前縮尺レベルとを比較して、縮尺レベルに変更があったか判断する。
縮尺レベルに変更があったと判断した場合、S18へ進む。
縮尺レベルに変更がないと判断した場合、S24へ進む。
【0088】
S18において、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、集計処理実行と判定する。
【0089】
S19において、集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、S15で縮尺レベル記憶部132が記憶した縮尺レベルデータを入力する。
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺レベルデータが示す縮尺レベルに基づいて、集計地域の広さを算出する。
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、S12で中心入力部112が記憶した中心データを入力する。
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した中心データが示す中心座標と、算出した集計地域の広さとに基づいて、集計地域を算出する。
集計地域算出部134は、CPU911などの処理装置を用いて、算出した集計地域を示す集計地域データを出力する。
集計地域記憶部135は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域算出部134が出力した集計地域データを入力する。
集計地域記憶部135は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、入力した集計地域データを記憶する。
【0090】
S20において、領域分割部136は、CPU911などの処理装置を用いて、S19で集計地域算出部134が出力した集計地域データを入力する。
領域分割部136は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した集計地域データを複数の分割領域に分割する。
領域分割部136は、CPU911などの処理装置を用いて、分割した分割領域を示す分割領域データを出力する。
【0091】
S21において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S19で集計地域算出部134が出力した集計地域データを入力する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S20で領域分割部136が出力した分割領域データを入力する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶した表示対象についてのデータ(位置データ、状態データなど)を入力する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、入力したデータのうち、状態データが「被災」を示し、位置データが示す地理上の位置が、入力した集計地域データが示す集計地域内である表示対象についてのデータを抽出する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、抽出した表示対象について、位置データが示す地理上の位置が、入力した分割領域データが示す分割領域のうちどの分割領域内であるかを判断し、分割領域内に位置する表示対象の数を集計する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S20で領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、集計した表示対象の数を示す対象数データを出力する。
【0092】
S22において、集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、S20で領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、S21で対象数集計部137が出力した対象数データを入力する。
集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、S20で領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、アイコン記憶部170が記憶した複数の図形データが示す複数の集約図形のなかから、入力した対象数データに対応する集約図形を選択する。
集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、S20で領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、選択した集約図形を示す選択図形データを出力する。
【0093】
S23において、選択図形記憶部139は、CPU911などの処理装置を用いて、S20で領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、S22で集約図形選択部138が出力した選択図形データを入力する。
選択図形記憶部139は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、S20で領域分割部136が分割した分割領域のそれぞれについて、入力した選択図形データを記憶する。
【0094】
S24において、集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、選択図形記憶部139が記憶した選択図形データのうち、表示地域と重なる分割領域についての選択図形データを入力する。
集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、表示地域と重なる分割領域のそれぞれについて、アイコン記憶部170が記憶した図形データのなかから、入力した選択図形データが示す図形データを入力する。
集約図形描画部150は、CPU911などの処理装置を用いて、1枚の集約表示図に、表示地域と重なる分割領域のそれぞれについて、入力した図形データが示す集約図形を描画して、集約表示図を生成する。
集約図形描画部150は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、生成した集約表示図を示す集約表示図データを記憶する。
【0095】
S25において、地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、S13で地図取得部120が記憶した地図データを入力する。
地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、S16で個別図形描画部160が記憶した個別表示図データ、及び、S24で集約図形描画部150が記憶した集約表示図データのいずれかを入力する。
地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した地図データが示す地図の上に、入力した個別表示図データが示す個別表示図、及び、入力した集約表示図データが示す集約表示図のいずれかを重ね合わせて、表示地図を生成する。
地図表示部180は、CRTなどの表示装置901を用いて、生成した表示地図を表示する。
【0096】
なお、図7を用いて説明した地図表示処理の中でステップS21の「表示対象数の集計」処理は、状態データが「被災」であるものを抽出、集計するものとした。上記説明したように、状態データが「被災」であるものは、「停電」、「水害」など被災したことを示している。また、状態データにその被災内容を具体的に示す「停電」、「水害」等を記憶するように構成し、ステップS21の処理を、状態データ「停電」だけを対象とするように構成することが可能である。その場合は、CPU911などの処理装置を用いて、管制官などの利用者から状態データの指定を受付けるように構成し、表示装置901、キーボード902、マウス903を用いて利用者から指定された、状態データを「表示対象数の集計」処理の対象とする。それにより、具体的な被災内容に対する状態把握が可能となる。
【0097】
なお、地図表示処理は、利用者が表示地図の縮尺を変更する操作をするなどのイベントが発生した場合に実行することとしてもよい。
【0098】
次に、この実施の形態における地図表示装置100が以上のような構成を有することにより、利用者の操作に対してどのように動作するかを説明する。
【0099】
図9は、この実施の形態における利用者による操作と地図表示装置100の動作との関係の一例を示す図である。
この図において、長円は利用者の操作を示す。細線四角形は地図表示装置100の動作を示す。太線四角形は地図表示部180がCRTなどの表示装置901を用いて表示する表示地図を示す。
【0100】
最初に、利用者が地図表示装置100の電源を投入し、地図表示装置100を起動すると、地図表示装置100は、初期設定により定められた縮尺、初期設定により定められた中心点の表示地図を表示する。初期設定の縮尺が集約表示をすべき縮尺だった場合、表示に先立って、地図表示装置100は、集計処理を実行する。
地図表示装置100が起動してから、表示地図の表示が完了するまでの時間には、集計処理の実行にかかる時間と、集約表示図の生成にかかる時間とが含まれる。
これに対して、同じ表示領域について個別表示をした場合、表示地図の表示が完了するまでの時間には、個別表示図の生成にかかる時間が含まれる。
【0101】
集約表示図の生成にかかる時間と個別表示図の生成にかかる時間とを比較すると、集約表示図を生成する場合のほうが、描画しなければならない図形の数が少ないので、個別表示図の生成にかかる時間よりも集約表示図の生成にかかる時間のほうが短い。集計処理の実行にかかる時間を加味しても、集約表示の場合のほうが、表示地図の表示が完了するまでの時間が短くて済む。
【0102】
次に、利用者が地図の中心点を移動する操作をしたとする。
この場合、地図表示装置100は、集計処理を実行しない。最初の集計処理において、表示地域外についても集計を行っているので、再度集計をする必要がないからである。したがって、表示地図の表示が完了するまでにかかる時間には、集約表示図の生成にかかる時間が含まれるが、集計処理の実行にかかる時間は含まれない。そのため、表示地図の表示が完了するまでにかかる時間が短くて済む。
【0103】
次に、利用者が地図の縮尺を大きくして、地図を拡大する操作をしたとする。
縮尺が変化しても、縮尺レベルが変わらない範囲内であれば、地図表示装置100は、集計処理を実行しない。この場合、表示画面上において、1つの分割領域を表わす範囲が大きくなるので、集約図形の間隔が広くなる。したがって、表示地図の表示が完了するまでにかかる時間には、集約表示図の生成にかかる時間が含まれるが、集計処理の実行にかかる時間は含まれない。そのため、表示地図の表示が完了するまでにかかる時間が短くて済む。
【0104】
利用者が更に地図の縮尺を大きくして、縮尺レベルが変わった場合には、地図表示装置100は、集計処理を実行する。したがって、表示地図の表示が完了するまでにかかる時間には、集計処理の実行にかかる時間と、集約表示図の生成にかかる時間が含まれる。しかし、縮尺が大きくなり、縮尺レベルが大きくなったことに伴い、集計地域が狭くなっているので、集計処理の実行にかかる時間は短くて済む。そのため、表示地図の表示が完了するまでにかかる時間が短くて済む。
【0105】
この実施の形態における地図表示装置100は、
情報を記憶する磁気ディスク装置920などの記憶装置と、情報を処理するCPU911などの処理装置と、情報を表示するCRTなどの表示装置901と、表示対象データベース記憶部140と、集約図形設定部130と、集約図形描画部150と、地図表示部180とを有することを特徴とする。
表示対象データベース記憶部140は、
磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、地図上に表示すべき表示対象の地理上の位置を示す位置データを記憶することを特徴とする。
集約図形設定部130は、
CPU911などの処理装置を用いて、集計処理を実行するか否かを判定し、
集計処理実行と判定した場合に、CPU911などの処理装置を用いて、地図に表示すべき表示地域を含み上記表示地域よりも広い集計地域を、複数の分割領域に分割し、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶した位置データに基づいて、分割領域内に位置する表示対象の数を集計し、CPU911などの処理装置を用いて、集計した表示対象の数に対応する集約図形を選択し、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、選択した集約図形を示す選択図形データを記憶することを特徴とする。
集約図形描画部150は、
CPU911などの処理装置を用いて、上記複数の分割領域のそれぞれについて、上記分割領域の地理上の位置に対応する図上の位置に集約図形設定部130が記憶した選択図形データが示す集約図形を描画して、集約表示図を生成することを特徴とする。
地図表示部180は、
CPU911などの処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、集約図形描画部150が生成した集約表示図を重ね合わせて、表示地図を生成し、CRTなどの表示装置901を用いて、生成した表示地図を表示することを特徴とする。
【0106】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約図形設定部130が集計処理を実行するか否かを判定し、集計処理実行と判定した場合にのみ、集計処理を実行するので、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
また、集計処理を実行する場合には、集約図形設定部130が、表示地図が表わす表示地域よりも広い集計地域内について、集計処理をするので、利用者が表示地図をスクロールするなど、表示地図の表示地域が変化した場合であっても、集計処理を再実行する必要がなく、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
また、集計処理を実行する場合には、集約図形設定部130が、集計地域を複数の分割領域に分割し、分割した分割領域内に位置する表示対象の数を集計して、集計した表示対象の数に対応する集約図形を選択するので、集約図形描画部150が描画すべき図形の数が少なく、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0107】
この実施の形態における地図表示装置100は、更に、
情報を入力するマウス903などの入力装置と、縮尺入力部111とを有することを特徴とする。
縮尺入力部111は、
マウス903などの入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力することを特徴とする。
集約図形設定部130は、
CPU911などの処理装置を用いて、縮尺入力部111が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、算出した縮尺レベルを記憶し、CPU911などの処理装置を用いて、算出した縮尺レベルに変更があったか否かを判断し、
縮尺レベルに変更があったと判断した場合に、CPU911などの処理装置を用いて、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0108】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約図形設定部130が、入力した表示地図の縮尺に基づいて縮尺レベルを算出し、縮尺レベルに変更があった場合に集計処理実行と判定するので、縮尺が変更された場合でも、一定範囲内であれば縮尺レベルは変わらず、集計処理を実行しないので、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0109】
この実施の形態における地図表示装置100は、更に、
情報を入力するマウス903などの入力装置と、縮尺入力部111と、個別図形描画部160とを有することを特徴とする。
縮尺入力部111は、
マウス903などの入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力することを特徴とする。
集約図形設定部130は、
CPU911などの処理装置を用いて、縮尺入力部111が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出することを特徴とする。
個別図形描画部160は、
CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶した位置データに基づいて、上記位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に個別図形を描画して、個別表示図を生成することを特徴とする。
地図表示部180は、
集約図形設定部130が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合に、CPU911などの処理装置を用いて、表示地域を表わした地図の上に、個別図形描画部160が生成した個別表示図を重ね合わせて、表示地図を生成することを特徴とする。
【0110】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きく、表示地図が狭い地域を表わした詳細地図である場合に、表示対象の数を集計した集約表示ではなく、表示対象それぞれに対応する個別図形を描画した個別表示をするので、情報の劣化がなく、利用者が、地図表示部180が表示した表示地図から、必要な情報を取得することができるという効果を奏する。
また、表示地域が狭い場合にのみ、個別表示をするので、個別図形描画部160が描画すべき図形の数が少なく、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
また、縮尺を変更するだけで、自動的に集約表示と個別表示とが切り替わるので、利用者は表示切替操作をする必要がなく、操作性が向上するという効果を奏する。
【0111】
この実施の形態における地図表示装置100は、更に、
情報を入力するマウス903などの入力装置と、縮尺入力部111と、中心入力部112とを有することを特徴とする。
縮尺入力部111は、
マウス903などの入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力することを特徴とする。
中心入力部112は、
マウス903などの入力装置を用いて、表示すべき地図の中心点の座標を入力することを特徴とする。
集約図形設定部130は、
CPU911などの処理装置を用いて、縮尺入力部111が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、
集計処理実行と判定した場合に、CPU911などの処理装置を用いて、算出した縮尺レベルに基づいて、上記集計地域の広さを算出し、CPU911などの処理装置を用いて、中心入力部112が入力した中心点の座標と、算出した集計地域の広さとに基づいて、集計地域を算出することを特徴とする。
【0112】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約図形設定部130が、縮尺レベルに基づいて集計地域の広さを算出するので、縮尺レベルが大きいときには集計地域を狭く、縮尺レベルが小さいときには集計地域を広くするなど、集計処理を効率的に実行することができ、集計処理にかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0113】
この実施の形態における地図表示装置100は、コンピュータを地図表示装置100として機能させるプログラムを、コンピュータが実行することにより、実現することが可能である。
この実施の形態におけるプログラムは、
情報を入力するマウス903などの入力装置と、情報を記憶する磁気ディスク装置920などの記憶装置と、情報を処理するCPU911などの処理装置と、情報を表示するCRTなどの表示装置901とを有するコンピュータを、地図表示装置100として機能させることを特徴とする。
【0114】
この実施の形態におけるプログラムによれば、集約図形設定部130が集計処理を実行するか否かを判定し、集計処理実行と判定した場合にのみ、集計処理を実行するので、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができる地図表示装置100を、コンピュータにより実現することができるという効果を奏する。
【0115】
以上説明した地図表示装置100は、地図画面にて縮尺変更を実施すると、縮尺変更イベントを集約図形設定部130(アイコン貼り付け計算部)が検知し、現在の縮尺と現在位置を取得する。設定情報から縮尺に対するカウント対象範囲と建物数を、アイコン設定情報から地図上の建物数を取得する。縮尺から個別表示か集約表示かを判定し、表示アイコンの決定、地図上への貼り付けを行う。
【0116】
以上説明した地図表示装置100は、地図縮尺範囲によって、ビルなどの表示対象を個別表示または集約表示することを特徴とする。
個別表示と集約表示の切替えは、縮尺の変更に伴って、自動的に行う。
個別表示とは、ビルの東経北緯情報そのままに地図上にアイコンを表示するものであり、情報劣化がないアイコン表示方式である。
集約表示とは、ある東経北緯の範囲内に存在するビルの数を集計し、その集計値によってアイコンの種類を変えて表示するものである。集約表示は、情報劣化を伴うアイコン表示方式であるが、集計値によりアイコンの種類を変えて、ビルの数が多い・少ないことを表わすことが可能であり、視認性が高いので、情報量の欠落は少ない。
また、表示するアイコンの数を抑えられるので、画面更新時の処理が減り、地図表示装置100の処理性能を向上することができる。すなわち、地図表示装置100は、処理すべき表示対象が多くなっても、利用者の操作性に影響を与えない時間内で、表示地図を表示することができる。
【0117】
以上説明した地図表示装置100によれば、縮尺が小さい場合であっても、アイコン同士が重ならないので、情報の利便性、有用性を確保できる。
また、アイコン同士が重なるか否かを判定するのではなく、縮尺に基づいて分割領域の範囲を決定し、集計処理を実行する。
分割領域の範囲は、設定により変更することが可能であり、縮尺によって段階的に座標範囲を指定することができるので、地図表示装置100の処理能力にしたがって、アイコン表示のために必要なリソースと、表示されるアイコン情報量とのバランスをきめ細かく設定することができる。
これにより、アイコン表示に必要なリソースを低減することができる。
【0118】
地震などの災害発生時においては、広範囲にわたって同時に多数の被害が発生する。そのため、地図表示装置100の利用者が、全体的な状況を容易に理解できるとともに、個別の表示対象についての詳細な情報を取得できる必要がある。
そのため、利用者は、広域地図を表示して全体状況を把握し、詳細地図を表示して個別の状況を把握するという操作を繰り返すことが想定され、地図表示装置100は、縮尺が大きく変化した場合でも、迅速に表示地図を表示できる必要がある。
【0119】
以上説明した地図表示装置100によれば、CPU911などの処理装置の処理量が少なくて済むので、リアルタイムに表示地図を表示することができる。
【0120】
実施の形態2.
実施の形態2について、図10を用いて説明する。
この実施の形態における地図表示装置100の外観、ハードウェア資源、機能ブロック構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0121】
実施の形態1では、縮尺の変更に伴って、集計処理を再実行する場合について説明したが、この実施の形態では、中心点の移動に伴って、集計処理を再実行する場合について説明する。
【0122】
図10は、この実施の形態における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
なお、実施の形態1で図8を用いて説明した地図表示処理の工程と共通する工程については、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0123】
S17において、縮尺レベルに変更がないと集計実行判定部133が判断した場合、S31へ進む。
【0124】
S31において、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、S11で縮尺入力部111が記憶した縮尺データを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、S12で中心入力部112が記憶した中心データを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺データと、入力した中心データに基づいて、表示地域の四隅の緯度及び経度を算出する。
なお、集計実行判定部133は、地図取得部120から表示地域の四隅の緯度及び経度を取得してもよい。
【0125】
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域記憶部135が記憶した集計地域データを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、算出した表示地域の四隅の緯度及び経度と、入力した集計地域データが示す集計地域とに基づいて、表示地域が集計地域内に収まるか否かを判断する。
具体的には、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、表示地域の左上隅の緯度と、集計地域データに含まれる北端緯度データが示す緯度とを比較し、表示地域の左上隅の緯度のほうが大きい場合に、表示地域が集計地域内に収まらないと判断する。
また、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、表示地域の左上隅の経度と、集計地域データに含まれる西端緯度データが示す経度とを比較し、表示地域の左上隅の経度のほうが小さい場合に、表示地域が集計地域内に収まらないと判断する。
集計実行判定部133は、同様に、四隅の緯度・経度について判断して、表示地域が集計地域内に収まるか否かを判断する。
表示地域が集計地域内に収まると判断した場合、S24へ進む。すなわち、集計処理を行わない。
表示地域が集計地域内に収まらないと判断した場合、S18へ進む。すなわち、集計処理を実行する。
【0126】
利用者は通常、ある地域の表示地図を地図表示装置100に表示させ、その地域の状況を把握したら、表示地図の縮尺を小さくして、全体の状況を把握し、その後、他の地域を拡大して見るという動作を行うことが想定される。
そのため、利用者が縮尺を変更せず、中心点の移動だけで、ある地域から別の地域へと表示地図の表示地域を変更することは稀である。
利用者がそのような操作をした場合、実施の形態1では集計処理をしないので、表示地域が集計地域外にはみ出すと、集約図形の表示ができない。
そのため、実施の形態1では、集計地域を比較的広くして、表示地域が集計地域外にはみ出さないようにしておく必要がある。
【0127】
この実施の形態では、利用者が表示地図の中心点を移動して、表示地域が集計地域内に収まらなくなった場合に、自動的に集計地域を変更して、集計処理を実行する。その結果、表示地図の表示地域は、常に、集計地域内に収まることとなり、集約図形を正しく表示することができる。
【0128】
この実施の形態における地図表示装置100は、
集約図形設定部130が、
磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、算出した集計地域を示す集計地域データを記憶し、
CPU911などの処理装置を用いて、中心入力部112が入力した中心点の座標と、記憶した集計地域データとに基づいて、上記表示地域が集計地域内に収まるか否かを判断し、
上記表示地域が集計地域内に収まらないと判断した場合に、CPU911などの処理装置を用いて、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0129】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、表示地図の表示地域が集計地域内に収まる場合には、集計処理を実行しないので、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
また、表示地図の表示地域が集計地域内に収まらない場合には、縮尺レベルに変更がなくても集計処理を実行するので、地図表示部180が表示する表示地図に、正しく集約図形を表示することができるという効果を奏する。
更に、表示地図の表示地域が集計地域内に収まらない場合に集計地域を変更して集計処理を実行するので、集計地域を比較的狭い地域としても、正しく集約図形を表示できる。集計地域を狭くできることにより、集計処理の実行にかかる時間を短縮でき、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0130】
実施の形態3.
実施の形態3について、図11を用いて説明する。
この実施の形態における地図表示装置100の外観、ハードウェア資源、機能ブロック構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0131】
実施の形態2では、表示地域が集計地域内に収まらなくなってから、集計処理を実行する。この実施の形態では、表示地域がまだ集計地域内に収まっているうちに、集計処理を実行する場合について説明する。
【0132】
図11は、この実施の形態における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
なお、実施の形態1で図8を用いて説明した地図表示処理の工程と共通する工程については、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0133】
S17において、縮尺レベルに変更がないと集計実行判定部133が判断した場合、処理を2つに分岐して、S24の処理とS36の処理とを並行して実行する。
すなわち、集約図形描画部150が集約表示図を生成する一方で、それと並行して以下の処理を行う。
【0134】
S36において、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、S11で縮尺入力部111が記憶した縮尺データを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、S12で中心入力部112が記憶した中心データを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した縮尺データと、入力した中心データに基づいて、表示想定地域の四隅の緯度及び経度を算出する。
表示想定地域とは、近い将来、利用者が表示地域の中心点を移動することにより、表示地域になる可能性のある地域のことである。例えば、表示地域と同一の中心点を中心とし、表示地域よりも距離にして2倍、面積にして4倍広い範囲を表示想定地域とする。
【0135】
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域記憶部135が記憶した集計地域データを入力する。
集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、算出した表示想定地域の四隅の緯度及び経度と、入力した集計地域データが示す集計地域とに基づいて、表示想定地域が集計地域内に収まるか否かを判断する。
これにより、集計実行判定部133は、表示地域が集計地域の端に近いか否かを判断することができる。
【0136】
表示地域が集計地域の端に近いと判断した場合、S18へ進む。すなわち、集計処理を実行する。
【0137】
実施の形態2では、表示地域が集計地域内に収まらなくなってから、集計処理を実行するので、集計処理が完了するまでは、集約図形描画部150が集約表示図を生成することができず、地図表示部180が表示地図を表示するまでの間にタイムラグが生じる。
この実施の形態では、表示地域が集計地域の端に近くなった時点で、集計処理を実行する。表示地域はまだ集計地域内に収まっているので、集計処理と並行して、集約図形描画部150が集約表示図を生成できる。そのため、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができる。
【0138】
なお、集約表示図の生成と集計処理とを並行して実行するのではなく、集約表示図の生成が終わってから、集計処理を実行することとしてもよい。
【0139】
この実施の形態における地図表示装置100は、
集約図形設定部130が、
磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、算出した集計地域を示す集計地域データを記憶し、
CPU911などの処理装置を用いて、中心入力部112が入力した中心点の座標と、記憶した集計地域データとに基づいて、上記表示地域が集計地域の端に近いか否かを判断し、
上記表示地域が集計地域の端に近いと判断した場合に、CPU911などの処理装置を用いて、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0140】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、中心点が移動して、表示地図の表示地域が集計地域の端に近くなった場合に集計処理を実行するので、集計処理の終了を待たずに、集約図形描画部150が集約表示図を生成することができ、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0141】
実施の形態4.
実施の形態4について、図12を用いて説明する。
この実施の形態における地図表示装置100の外観、ハードウェア資源、機能ブロック構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0142】
この実施の形態では、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースが更新されたとき、更新内容を表示地図に反映させる構成について説明する。
【0143】
図12は、この実施の形態における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
なお、実施の形態1で図8を用いて説明した地図表示処理の工程と共通する工程については、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0144】
S17において、縮尺レベルに変更がないと集計実行判定部133が判断した場合、S41へ進む。
【0145】
S41において、集計実行判定部133は、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースを、表示対象データベース更新部190が更新したか否かを判断する。
例えば、表示対象データベース更新部190がデータベースを更新した際に、更新したことを示すフラグをセットして、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて記憶しておき、集計実行判定部133は、そのフラグを見て、表示対象データベース更新部190がデータベースを更新したか否かを判断する。
あるいは、表示対象データベース更新部190が所定の周期で定期的に、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースを更新する構成であれば、集計実行判定部133は、その所定の周期が経過したか否かを判断することにより、表示対象データベース更新部190がデータベースを更新したか否かを判断してもよい。
【0146】
表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースが更新されたと判断した場合、S18へ進む。すなわち、集計処理を実行する。
表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースが更新されていないと判断した場合、S24へ進む。すなわち、集計処理を実行しない。
【0147】
このように、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースを表示対象データベース更新部190が更新した場合には、縮尺レベルや中心点が変わらなくても、集計処理を実行し、地図表示部180が、最新の情報に基づく表示地図を表示する。これにより、利用者が新たに発生した重要な情報を見逃さずに済む。
【0148】
なお、データベース更新時の集計処理は、通常の集計処理と同じ処理でもよいが、変更があった部分だけを集計して、表示対象数の増減を集計し、対象数集計部137が前に集計した集計結果を増減することとしてもよい。
【0149】
この実施の形態における地図表示装置100は、更に、
表示対象データベース更新部190を有することを特徴とする。
表示対象データベース更新部190は、
表示対象データベース記憶部140が記憶したデータを更新することを特徴とする。
集約図形設定部130は、
表示対象データベース更新部190がデータを更新した場合に、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0150】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、表示対象データベース更新部190がデータを更新した場合に、集約図形設定部130が集計処理を実行するので、地図表示部180が最新の情報を表示することができるという効果を奏する。
【0151】
この実施の形態における地図表示装置100は、
表示対象データベース更新部190が、
表示対象データベース記憶部140が記憶したデータを所定の周期で更新することを特徴とする。
集約図形設定部130は、
上記所定の周期が経過した場合に、集計処理実行と判定することを特徴とする。
【0152】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、表示対象データベース更新部190が所定の周期でデータを更新し、集約図形設定部130がその更新周期と同じ周期で、集計処理を実行するので、五月雨式にデータが更新されることがなく、したがって、集計処理が頻発して地図表示装置100全体の処理時間に影響することがないという効果を奏する。
【0153】
なお、この実施の形態では、実施の形態1で説明した構成に、データベースの更新を判断する構成を追加する場合について説明したが、実施の形態2及び実施の形態3で説明した構成に、データベースの更新を判断する構成を追加してもよい。
【0154】
実施の形態5.
実施の形態5について、図13〜図15を用いて説明する。
この実施の形態における地図表示装置100の外観、ハードウェア資源、機能ブロックの構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0155】
この実施の形態では、集約表示の際に、分割領域内の表示対象の数だけではなく、他の付加的な情報も表示する場合について説明する。
【0156】
図13は、この実施の形態における集約図形設定部130が表示対象の数を集計をする対象数集計処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
なお、この図が示す処理は、実施の形態1で図8を用いて説明した地図表示処理のうち、S21に相当する処理である。
【0157】
S51において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、集計地域算出部134が出力した集計地域データを入力する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、領域分割部136が出力した分割領域データを入力する。
対象数集計部137は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、入力した分割領域データが示す分割領域それぞれについて、被災対象数(表示対象の数の一例)と復旧対象数(所定状態表示対象の数の一例)とを記憶するための記憶領域を確保する。
対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、確保した記憶領域を初期化して、0とする。
【0158】
S52において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースから、一つの表示対象についてのデータを入力する。すなわち、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、位置記憶部141が記憶した位置データ、緊急度記憶部142が記憶した緊急度データ、状態記憶部143が記憶した状態データなどを入力する。
【0159】
S53において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S52で入力した位置データが示す位置と、S51で入力した集計地域データが示す集計地域とを比較して、その表示対象が集計地域内に位置するか否かを判断する。
集計地域内に位置すると判断した場合、S54へ進む。
集計地域外に位置すると判断した場合、S59へ進む。
【0160】
S54において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S52で入力した状態データが示す状態に基づいて、その表示対象が「被災」したか否かを判断する。
被災したと判断した場合、S55へ進む。
被災していないと判断した場合、S59へ進む。
【0161】
S55において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S52で入力した位置データが示す位置と、S51で入力した分割領域データが示す分割領域とを比較して、その表示対象が位置する分割領域を算出する。
【0162】
S56において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S55で算出した分割領域についての被災対象数を1増やす。
【0163】
S57において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S52で入力した状態データが示す状態に基づいて、その表示対象が「復旧」したか否かを判断する。
復旧したと判断した場合、S58へ進む。
復旧していないと判断した場合、S59へ進む。
【0164】
S58において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S55で算出した分割領域についての復旧対象数を1増やす。
【0165】
S59において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースから、すべての表示対象についてのデータを入力して処理したか否かを判断する。
未処理の表示対象があると判断した場合、S52に戻る。
すべての表示対象について処理が完了したと判断した場合、S60へ進む。
【0166】
S60において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、分割領域のそれぞれについて、被災対象数データと復旧対象数データとを出力する。被災対象数データとは、集計した被災対象数を示すデータであり、表示対象数データの一例である。復旧対象数データとは、集計した復旧対象数を示すデータであり、所定状態表示対象数データの一例である。
【0167】
図14は、この実施の形態における集約図形選択部138が選択する集約図形の一例を示す図である。
集約図形選択部138は、被災対象数と、復旧率とに基づいて、集約図形(集約アイコン)を選択する。復旧率とは、被災した表示対象のうち、緊急対応を終えて復旧完了した表示対象の割合であり、計算式「(復旧率)=(復旧対象数)÷(被災対象数)」で算出される値である。復旧率は、所定状態率の一例である。
この例では、被災対象数が同じ場合は、復旧率にかかわらず同じ形状の集約図形を選択する。また、復旧率が同じ場合は、被災対象数にかかわらず同じ色彩の集約図形を選択する。例えば、復旧率が40%未満の場合は集約図形の色彩を「赤」とし、復旧率が40%以上70%未満の場合は「オレンジ」、70%以上100%未満の場合は「黄」、100%の場合は「緑」というように、色彩を割り当てる。
これにより、利用者は、被災状況を直感的に把握できるとともに、どの地域の現場対応が遅れているかについても、直感的に把握することができ、作業員の配置指示など適切な処置を講じることができる。
【0168】
集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、分割領域のそれぞれについて、対象数集計部137が出力した被災対象数データと復旧対象数データとを入力する。
集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した復旧対象数データが示す復旧対象数を、入力した被災対象数データが示す被災対象数で除して、復旧率を算出する。
集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した被災対象数データが示す被災対象数と、算出した復旧率とに基づいて、対応する集約図形を選択する。
集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、選択した集約図形を示す選択図形データを出力する。
【0169】
なお、集約図形選択部138が選択する集約図形は、任意の形状・模様・色彩であってもよく、この例のような統一があってもよいし、なくてもよい。
【0170】
この実施の形態における地図表示装置100は、
表示対象データベース記憶部140が、更に、
磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、上記表示対象の状態を示す状態データを記憶することを特徴とする。
集約図形設定部130は、更に、
集計処理実行と判定した場合に、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶した位置データと状態データとに基づいて、分割領域内に位置する表示対象のうち、所定の状態にある所定状態表示対象の数を集計し、CPU911などの処理装置を用いて、集計した表示対象の数と所定状態表示対象の数とに基づいて、対応する集約図形を選択することを特徴とする。
【0171】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約表示時に地図表示部180が表示する集約図形を、表示対象の数と所定状態表示対象の数とに基づいて、集約図形設定部130が選択するので、地図表示部180が表示した表示地図を見る利用者に対して、分割領域内の表示対象の数だけでなく、他の付加的な情報を知らせることができるという効果を奏する。
【0172】
この実施の形態における地図表示装置100は、
集約図形設定部130が、
CPU911などの処理装置を用いて、集計した所定状態表示対象の数を、集計した表示対象の数で除して、所定状態率を算出し、CPU911などの処理装置を用いて、集計した表示対象の数に対応する形状と、算出した所定状態率に対応する色彩とを有する集約図形を選択することを特徴とする。
【0173】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約表示時に地図表示部180が表示する集約図形が、表示対象の数に対応する形状と、所定状態率に対応する色彩とを有しているので、地図表示部180が表示した表示地図を見る利用者に対して、わかりやすく情報を提示できるという効果を奏する。
【0174】
この実施の形態における地図表示装置100の表示対象データベース記憶部140は、更に、
磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、上記表示対象が被災したか否か及び、被災した場合に復旧したか否かを示す状態データを記憶することを特徴とする。
集約図形設定部130は、更に、
集計処理実行と判定した場合に、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶した位置データと状態データとに基づいて、分割領域内に位置する表示対象のうち、被災した表示対象の数を被災表示対象数として集計し、復旧した表示対象の数を復旧表示対象数として集計し、CPU911などの処理装置を用いて、集計した復旧表示対象数を、集計した被災表示対象数で除して、復旧率を算出し、CPU911などの処理装置を用いて、集計した被災対象数と、算出した復旧率とに基づいて、対応する集約図形を選択することを特徴とする。
【0175】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約表示時に地図表示部180が表示する集約図形が、分割領域内の被災表示対象数と、復旧率とを表わすので、利用者が、地図表示部180が表示する表示地図を見て、作業員の配置など適切な処置を迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0176】
なお、復旧率は、付加的な情報の一例であって、他の付加的な情報を表示する構成としてもよい。
例えば、分割領域内の表示対象のうち、緊急対応の必要性がもっとも高い表示対象の緊急度を、付加的な情報として表示する構成であってもよい。
【0177】
図15は、この実施の形態における集約図形設定部130が表示対象の数を集計する対象数集計処理の流れの別の例を示すフローチャート図である。
なお、図13を用いて説明した対象数集計処理の工程と共通する工程については、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
これは、緊急対応の必要性がもっとも高い表示対象の緊急度を、付加的な情報として表示する場合における対象数集計処理の例である。
【0178】
S71において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、S52で入力した緊急度データが示す緊急度に基づいて、その表示対象の緊急度が、その分割領域の緊急度より高いか否かを判断する。
なお、分割領域の緊急度とは、その分割領域内に位置する表示対象のうち、もっとも緊急対応の必要性が高い表示対象の緊急度のことであり、初期化処理(S51)において、0にセットされている。
表示対象の緊急度が分割領域の緊急度より高いと判断した場合、S72へ進む。
表示対象の緊急度が分割領域の緊急度より低いと判断した場合、S59へ進む。
【0179】
S72において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、その表示対象の緊急度を、その分割領域の緊急度とする。すなわち、対象数集計部137は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、その表示対象の緊急度を示す緊急度データを、その分割領域の緊急度を示す緊急度データとして記憶する。
【0180】
S73において、対象数集計部137は、CPU911などの処理装置を用いて、分割領域のそれぞれについて、被災対象数データと、分割領域緊急度データとを出力する。分割領域緊急度データとは、集計によって求められた、その分割領域の緊急度を示すデータであって、その分割領域内に位置する表示対象のうち、緊急対応の必要性がもっとも高い表示対象の緊急度を示すデータである。
【0181】
集約図形選択部138は、CPU911などの処理装置を用いて、被災対象数データと分割領域緊急度データとを入力し、対応する集約図形を選択する。
これにより、地図表示部180が表示する表示地図を見る利用者に、その分割領域内に、緊急対応が必要な表示対象があるか否かという情報を知らせることができる。
【0182】
この実施の形態における地図表示装置100の表示対象データベース記憶部140は、更に、
磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、上記表示対象の緊急対応の必要性を示す緊急度データを記憶することを特徴とする。
集約図形設定部130は、更に、
集計処理実行と判定した場合に、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶した位置データと緊急度データとに基づいて、分割領域内に位置する表示対象のうち、緊急対応の必要性がもっとも高い表示対象についての緊急対応の必要性を算出して分割領域緊急度とし、CPU911などの処理装置を用いて、集計した表示対象の数と分割領域緊急度とに基づいて、対応する集約図形を選択することを特徴とする。
【0183】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約表示時に地図表示部180が表示する集約図形を、表示対象の数と分割領域緊急度とに基づいて、集約図形設定部130が選択するので、地図表示部180が表示した表示地図を見る利用者に対して、分割領域内の表示対象の数だけでなく、分割領域内に緊急対応が必要な表示対象があるか否かを知らせることができるという効果を奏する。
【0184】
このように、アイコンなどの図形の種類を増やし、分割領域内の表示対象の数だけでなく、他の付加的な情報に基づいて図形を変更することにより、利用者が必要とする情報を効率的に伝達することが可能である。
【0185】
実施の形態6.
実施の形態6について、図16〜図18を用いて説明する。
この実施の形態における地図表示装置100の外観、ハードウェア資源、機能ブロック構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0186】
この実施の形態では、集約表示時であっても、緊急対応の必要性が高い表示対象については個別表示をする構成について説明する。
【0187】
図16は、この実施の形態における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
なお、実施の形態1で図8を用いて説明した地図表示処理の工程と共通する工程については同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0188】
S81において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、個別表示図を生成し、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、個別表示図データを記憶する。
ここで生成する個別表示図は、S16で生成するものと違い、緊急対応の必要性が高い表示対象だけについてのものである。
【0189】
S25において、地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、表示地図を生成し、CRTなどの表示装置901を用いて、生成した表示地図を表示する。
【0190】
縮尺レベルが所定の縮尺レベルよりも小さい場合、地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、地図取得部120が記憶した地図データを入力する。
地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、集約図形描画部150が記憶した集約表示図データを入力する。
地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、個別図形描画部160が記憶した個別表示図データを入力する。
地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、入力した地図データが示す地図の上に、入力した集約表示図データが示す集約表示図を重ね合わせる処理を実行し、更にその上に、入力した個別表示図データが示す個別表示図を重ね合わせる処理を実行して、表示地図を生成する。
地図表示部180は、CRTなどの表示装置901を用いて、生成した表示地図を表示する。
【0191】
図17は、この実施の形態における地図表示部180が表示する表示地図の一例を示す図である。
地図620は、地図取得部120が記憶した地図データが示す地図である。
集約表示図650は、集約図形描画部150が記憶した集約表示図データが示す集約表示図である。
個別表示図660は、個別図形描画部160が記憶した個別表示図データが示す個別表示図である。
地図表示部180は、CPU911などの処理装置を用いて、地図620の上に、集約表示図650を重ね合わせ、更にその上に、個別表示図660を重ね合わせて、表示地図680を生成する。
【0192】
このように、緊急対応の必要性が高い表示対象については、集約表示の縮尺レベルであっても、個別図形(個別アイコン)を表示するので、分割領域内の表示対象の数だけでなく、緊急対応が必要な表示対象があるか否かを、利用者が迅速に知ることができる。
更に、個別図形をクリックすることにより、その表示対象についての詳細情報を表示する構成とした場合には、集約表示の縮尺レベルのままで、緊急対応の必要性が高い表示対象についての詳細情報を表示させることが可能となるので、利用者が迅速な対応をすることができる。
【0193】
図18は、この実施の形態における個別図形描画部160が緊急度の高い表示対象についての個別表示図を生成する緊急表示図生成処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
緊急表示図生成処理は、図16のS81に相当する処理である。
【0194】
S91において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、初期化処理を行い、何も描かれていない(透明の)個別表示図を示す個別表示図データを用意して、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて記憶する。
【0195】
S92において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースから、一つの表示対象についてのデータを入力する。すなわち、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、位置記憶部141が記憶した位置データ、緊急度記憶部142が記憶した緊急度データ、状態記憶部143が記憶した状態データなどを入力する。
【0196】
S93において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、S92で入力した位置データが示す位置に基づいて、その表示対象が表示地域内に位置するか否かを判断する。
表示地域内に位置すると判断した場合、S94へ進む。
表示地域外に位置すると判断した場合、S96へ進む。
【0197】
S94において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、S52で入力した緊急度データが示す緊急度を、所定の緊急度と比較して、緊急度が高いか否かを判断する。
緊急度が高いと判断した場合、S95へ進む。
緊急度が低いと判断した場合、S96へ進む。
【0198】
S95において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、個別図形を、S52で入力した位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に描画する。
【0199】
S96において、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶したデータベースから、すべての表示対象についてのデータを入力して処理したか否かを判断する。
未処理の表示対象があると判断した場合、S92に戻る。
すべての表示対象について処理が完了したと判断した場合、S97へ進む。
【0200】
S97において、個別図形描画部160は、磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、生成した個別表示図を示す個別表示図データを記憶する。
【0201】
このようにして、個別図形描画部160は、表示地域内に位置する表示対象のうち、緊急対応の必要性が高い表示対象についての個別図形だけを描画した個別表示図を生成する。
【0202】
なお、この例では、所定の緊急度よりも緊急度が高い表示対象をすべて個別表示することとしているが、例えば、表示地域内で緊急度が上位のものを個別表示することとしてもよい。
すなわち、個別図形描画部160は、CPU911などの処理装置を用いて、表示地域内の表示対象を、緊急度が高い順に並べ替え、緊急度が高いほうから順に、所定の数の表示対象について、個別図形を描画する。
【0203】
また、この例では、集約表示図の生成が終わったあとで個別表示図を生成しているが、集約表示図の生成あるいは集計処理と並行して、個別表示図を生成してもよい。
【0204】
この実施の形態における地図表示装置100は、
表示対象データベース記憶部140が、更に、
磁気ディスク装置920などの記憶装置を用いて、上記表示対象の緊急対応の必要性を示す緊急度データを記憶することを特徴とする。
個別図形描画部160は、
集約図形設定部130が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合に、CPU911などの処理装置を用いて、表示対象データベース記憶部140が記憶した緊急度データに基づいて、表示対象の緊急対応の必要性が高いか否かを判断し、CPU911などの処理装置を用いて、緊急対応の必要性が高いと判断した表示対象について、表示対象データベース記憶部140が記憶した位置データに基づいて、上記位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に所定の図形を描画して、個別表示図を生成することを特徴とする。
地図表示部180は、
集約図形設定部130が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合に、CPU911などの処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、集約図形描画部150が生成した集約表示図を重ね合わせ、更に、その上に、個別図形描画部160が生成した個別表示図を重ね合わせて、表示地図を生成することを特徴とする。
【0205】
この実施の形態における地図表示装置100によれば、集約表示の縮尺レベルであっても、緊急対応の必要性が高い表示対象については個別表示をするので、利用者が広範囲にわたる全体的な状況を把握するのと同時に、緊急対応が必要な表示対象についての詳細情報を得ることができ、迅速な対応が可能になるという効果を奏する。
また、個別表示する表示対象は、緊急対応の必要性が高い表示対象だけであり、すべての表示対象を個別表示する場合と比較して、表示すべき図形の数が少ないので、個別表示図の生成にかかる時間を短縮でき、地図表示部180が表示地図を表示するまでにかかる時間を短縮できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】実施の形態1における地図表示装置100の外観の一例を示す図。
【図2】実施の形態1における地図表示装置100のハードウェア資源の一例を示す図。
【図3】実施の携帯1における地図表示装置100を利用した災害情報システム200の全体構成の一例を示すシステム構成図。
【図4】実施の形態1における地図表示装置100の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図。
【図5】実施の形態1における表示地域・集計地域・分割領域の関係の一例を示す図。
【図6】実施の形態1における集約図形選択部138が選択する集約図形の一例を示す図。
【図7】実施の形態1における地図表示部180が表示する表示地図の一例を示す図。
【図8】実施の形態1における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図9】実施の形態1における利用者による操作と地図表示装置100の動作との関係の一例を示す図。
【図10】実施の形態2における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図11】実施の形態3における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図12】実施の形態4における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図13】実施の形態5における集約図形設定部130が表示対象の数を集計をする対象数集計処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図14】実施の形態5における集約図形選択部138が選択する集約図形の一例を示す図。
【図15】実施の形態5における集約図形設定部130が表示対象の数を集計する対象数集計処理の流れの別の例を示すフローチャート図。
【図16】実施の形態6における地図表示装置100が表示地図を表示する地図表示処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図17】実施の形態6における地図表示部180が表示する表示地図の一例を示す図。
【図18】実施の形態6における個別図形描画部160が緊急度の高い表示対象についての個別表示図を生成する緊急表示図生成処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0207】
100 地図表示装置、111 縮尺入力部、112 中心入力部、120 地図取得部、130 集約図形設定部、131 縮尺レベル算出部、132 縮尺レベル記憶部、133 集計実行判定部、134 集計地域算出部、135 集計地域記憶部、136 領域分割部、137 対象数集計部、138 集約図形選択部、139 選択図形記憶部、140 表示対象データベース記憶部、141 位置記憶部、142 緊急度記憶部、143 状態記憶部、150 集約図形描画部、160 個別図形描画部、170 アイコン記憶部、180 地図表示部、190 表示対象データベース更新部、200 災害情報システム、201 地図情報提供サーバ装置、202 携帯端末装置、203 センサー、802 作業員、803 建物、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信装置、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 ファクシミリ機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶する記憶装置と、情報を処理する処理装置と、情報を表示する表示装置と、表示対象データベース記憶部と、集約図形設定部と、集約図形描画部と、地図表示部とを有し、
上記表示対象データベース記憶部は、
上記記憶装置を用いて、地図上に表示すべき表示対象の地理上の位置を示す位置データを記憶し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、集計処理を実行するか否かを判定し、
集計処理実行と判定した場合に、上記処理装置を用いて、地図に表示すべき表示地域を含み上記表示地域よりも広い集計地域を、複数の分割領域に分割し、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データに基づいて、分割領域内に位置する表示対象の数を集計し、上記処理装置を用いて、集計した表示対象の数に対応する図形を選択し、上記記憶装置を用いて、選択した図形を示す選択図形データを記憶し、
上記集約図形描画部は、
上記処理装置を用いて、上記複数の分割領域のそれぞれについて、上記分割領域の地理上の位置に対応する図上の位置に上記集約図形設定部が記憶した選択図形データが示す図形を描画して、集約表示図を生成し、
上記地図表示部は、
上記処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、上記集約図形描画部が生成した集約表示図を重ね合わせて、表示地図を生成し、上記表示装置を用いて、生成した表示地図を表示する
ことを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
上記地図表示装置は、更に、情報を入力する入力装置と、縮尺入力部とを有し、
上記縮尺入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、上記縮尺入力部が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、上記記憶装置を用いて、算出した縮尺レベルを記憶し、上記処理装置を用いて、算出した縮尺レベルに変更があったか否かを判断し、
縮尺レベルに変更があったと判断した場合に、上記処理装置を用いて、集計処理実行と判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
上記地図表示装置は、更に、情報を入力する入力装置と、縮尺入力部と、個別図形描画部とを有し、
上記縮尺入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、上記縮尺入力部が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、
上記個別図形描画部は、
上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データに基づいて、上記位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に所定の図形を描画して、個別表示図を生成し、
上記地図表示部は、
上記集約図形設定部が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより大きい場合に、上記処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、上記個別図形描画部が生成した個別表示図を重ね合わせて、表示地図を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項4】
上記表示対象データベース記憶部は、更に、
上記記憶装置を用いて、上記表示対象の緊急対応の必要性を示す緊急度データを記憶し、
上記個別図形描画部は、
上記集約図形設定部が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合に、上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した緊急度データに基づいて、表示対象の緊急対応の必要性が高いか否かを判断し、上記処理装置を用いて、緊急対応の必要性が高いと判断した表示対象について、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データに基づいて、上記位置データが示す地理上の位置に対応する図上の位置に所定の図形を描画して、個別表示図を生成し、
上記地図表示部は、
上記集約図形設定部が算出した縮尺レベルが所定の縮尺レベルより小さい場合に、上記処理装置を用いて、上記表示地域を表わした地図の上に、上記集約図形描画部が生成した集約表示図を重ね合わせ、更に、その上に、上記個別図形描画部が生成した個別表示図を重ね合わせて、表示地図を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の地図表示装置。
【請求項5】
上記地図表示装置は、更に、情報を入力する入力装置と、縮尺入力部と、中心入力部とを有し、
上記縮尺入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の縮尺を入力し、
上記中心入力部は、
上記入力装置を用いて、表示すべき地図の中心点の座標を入力し、
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、上記縮尺入力部が入力した縮尺に基づいて、縮尺レベルを算出し、
集計処理実行と判定した場合に、上記処理装置を用いて、算出した縮尺レベルに基づいて、上記集計地域の広さを算出し、上記処理装置を用いて、上記中心入力部が入力した中心点の座標と、算出した集計地域の広さとに基づいて、集計地域を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項6】
上記集約図形設定部は、
上記記憶装置を用いて、算出した集計地域を示す集計地域データを記憶し、
上記処理装置を用いて、上記中心入力部が入力した中心点の座標と、記憶した集計地域データとに基づいて、上記表示地域が集計地域内に収まるか否かを判断し、
上記表示地域が集計地域内に収まらないと判断した場合に、上記処理装置を用いて、集計処理実行と判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
【請求項7】
上記集約図形設定部は、
上記記憶装置を用いて、算出した集計地域を示す集計地域データを記憶し、
上記処理装置を用いて、上記中心入力部が入力した中心点の座標と、記憶した集計地域データとに基づいて、上記表示地域が集計地域の端に近いか否かを判断し、
上記表示地域が集計地域の端に近いと判断した場合に、上記処理装置を用いて、集計処理実行と判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
【請求項8】
上記表示対象データベース記憶部は、更に、
上記記憶装置を用いて、上記表示対象の状態を示す状態データを記憶し、
上記集約図形設定部は、更に、
集計処理実行と判定した場合に、分割した複数の分割領域のそれぞれについて、上記処理装置を用いて、上記表示対象データベース記憶部が記憶した位置データと状態データとに基づいて、分割領域内に位置する表示対象のうち、所定の状態にある所定状態表示対象の数を集計し、上記処理装置を用いて、集計した表示対象の数と所定状態表示対象の数とに基づいて、対応する図形を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項9】
上記集約図形設定部は、
上記処理装置を用いて、集計した所定状態表示対象の数を、集計した表示対象の数で除して、所定状態率を算出し、上記処理装置を用いて、集計した表示対象の数に対応する形状と、算出した所定状態率に対応する色彩とを有する図形を選択する
ことを特徴とする請求項8に記載の地図表示装置。
【請求項10】
上記地図表示装置は、更に、表示対象データベース更新部を有し、
上記表示対象データベース更新部は、
上記表示対象データベース記憶部が記憶したデータを更新し、
上記集約図形設定部は、
上記表示対象データベース更新部がデータを更新した場合に、集計処理実行と判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項11】
上記表示対象データベース更新部は、
上記表示対象データベース記憶部が記憶したデータを所定の周期で更新し、
上記集約図形設定部は、
上記所定の周期が経過した場合に、集計処理実行と判定する
ことを特徴とする請求項10に記載の地図表示装置。
【請求項12】
情報を入力する入力装置と、情報を記憶する記憶装置と、情報を処理する処理装置と、情報を表示する表示装置とを有するコンピュータを、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の地図表示装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−102252(P2008−102252A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283569(P2006−283569)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【特許番号】特許第4077858号(P4077858)
【特許公報発行日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】