説明

地盤注入装置および方法

【課題】内管吐出口から固結材を外管吐出口を通して地盤中に注入するに当り、地盤中への注入圧力を正確に把握し得る。
【解決手段】外管1と、この外管1内に挿入された内管2とを備え、地盤3中に固結材を注入して該地盤3を固結する地盤注入装置Aおよびこの装置Aを用いた注入工法であって、外管1に内管2を挿入するに当り、隣接する内管パッカ5、5間に外管吐出口4が位置し、かつ外管1内の内管パッカ5、5間に空間7が形成されるように挿入され、空間7内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材8を注入装置A内に設置し、この圧力伝達部材を通して空間内で感知された圧力を圧力計に伝達し、測定して内管吐出口6の正確な注入圧力を把握する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入装置および地盤注入工法に係り、特に、軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有する外管と、複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ、互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有する、前記外管内に挿入される内管とからなる地盤注入装置およびこれを用いた地盤注入工法に係り、詳細には、内管パッカ間に位置する内管吐出口から固結材を外管吐出口を通して地盤中に注入するに当り、地盤中への注入圧力を正確に把握し得る地盤注入装置および地盤注入工法に関する。
【背景技術】
【0002】
外管および外管内に挿入された内管からなる地盤注入装置を用いて地盤中に固結材を注入するに際して、従来、注入管路中の注入圧力を地表面に位置する圧力計で測定していた。
【0003】
しかし、この注入圧力は実際には、注入管路の抵抗圧や内管吐出口の抵抗圧が土粒子間に浸透する本来の地盤注入圧力に加算されたものであって、正確に地盤注入圧力を示すものではない。特に、内管吐出口が細孔からなる噴射口の場合、噴射口の抵抗力により内管内圧力は高くなり、実際の地盤中における圧力は把握出来ず、したがって、注入が地盤中でどのように行われているかの判断は注入圧力の変化によって確認することができないという問題があった。
【0004】
すなわち、この圧力は単に地上部における送液圧力と内管流路と吐出口の抵抗圧力が大きく影響しているため、注入ステージで適切な土粒子間浸透がなされているかどうか、あるいは圧力がかかり過ぎて地盤を破壊し、注入液が逸脱してしまっているかどうか、不明である。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は内管パッカ間に位置する内管吐出口から固結材を外管吐出口を通して地盤中に注入するに当り、吐出口からの地盤中への注入圧力を直接、正確に把握し、上述の公知技術に存する欠点を改良した地盤注入装置および地盤注入工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明の地盤注入装置によれば、外管と、この外管内に挿入された内管とを備え、地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入装置であって、前記外管は外管表面に外管吐出口を有し、前記内管は複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有し、前記外管内に前記内管を挿入するに際して、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置し、かつ、前記外管内の内管パッカ間に空間が形成されるように挿入してなる地盤注入装置において、前記空間内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材を注入装置内に設置し、この圧力伝達部材を通して前記空間内で感知された圧力を伝達して測定し、正確な地盤注入圧力を把握することを特徴とする。
【0007】
さらに、上述の課題を解決するため、本発明の地盤注入装置によれば、外管と、この外管内に挿入された内管とを備え、地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入装置であって、前記外管は外管表面に一個、あるいは軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有し、前記内管は複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有し、前記外管内に前記内管を挿入するに際し、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置するように挿入し、これにより前記外管内の内管パッカ間には空間が形成されてなる地盤注入装置において、前記空間内に配置されたひずみ抵抗式圧力センサーと、このひずみ抵抗式圧力センサーに信号ケーブルを介して接続されたアンプと、このアンプに信号ケーブルを介して接続された地盤上の圧力表示装置とからなる圧力伝達部材を注入装置内に設置し、前記圧力センサーが空間内圧力を感知し、この感知された空間内圧力をアンプを介し、信号ケーブルを通して電気信号として圧力表示装置に伝達して測定し、地盤の正確な注入圧力を把握することを特徴とする。
【0008】
さらに、上述の課題を解決するため、本発明の地盤注入装置によれば、外管と、この外管内に挿入された内管とを備え、地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入装置であって、前記外管は外管表面に一個、あるいは軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有し、前記内管は複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間に内管吐出口を有し、前記外管内に前記内管を挿入するに際し、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置するように挿入し、これにより前記外管内の内管パッカ間に空間が形成されてなる地盤注入装置において、前記空間内にチューブを介して接続されたひずみ抵抗式圧力センサーと、この圧力センサーに連結されたアンプと、該アンプに信号ケーブルを介して連結された地盤上の圧力表示装置とからなる圧力伝達部材を地盤注入装置内に設置し、前記空間内に位置するチューブの一端が空間内圧力を感知し、この感知された圧力を圧力センサーおよびアンプを介して圧力表示装置に伝達して測定し、内管吐出口の正確な注入圧力を把握することを特徴とする。
【0009】
さらにまた、上述の課題を解決するため、本発明の地盤注入工法によれば、地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入工法において、表面に一個の外管吐出口を有するか、軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有する外管と、該外管に挿入され、複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有する内管とからなる地盤注入装置を用い、前記外管内に前記内管を挿入するに際して、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置し、かつ、前記外管内の内管パッカ間に空間が形成されるように挿入し、さらに、前記注入装置内に空間内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材を設置し、この圧力伝達部材を通して前記空間内で感知された圧力を伝達し、この伝達された圧力を測定して内管吐出口の正確な注入圧力を把握することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述の本発明は外管と、この外管内に挿入された内管とを備えた地盤注入装置を用い、前記外管は外管表面に一個の外管吐出口、あるいは軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有し、前記内管は複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有し、前記外管内に前記内管を挿入するに際して、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置し、かつ前記外管内の内管パッカ間に空間が形成されるように挿入し、さらに前記注入装置内に、空間内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材を設置することにより、圧力伝達部材を通して前記空間内で感知された圧力を伝達し、この伝達された圧力を測定して内管吐出口の正確な注入圧力を直接把握する。
【0011】
さらに、上述の本発明は前述注入装置内に前記空間内に位置するひずみ抵抗式圧力センサーと、一端がアンプを介して前記圧力センサーに連結し、他端が地盤上の圧力表示装置に連結した信号ケーブルとからなる圧力伝達部材を設置し、前記圧力センサーが空間内圧力を感知し、この感知された空間内圧力をアンプを介して信号ケーブルを通して電気信号として圧力表示装置に伝達し、内管吐出口の正確な注入圧力を直接把握する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を添付図面を用いて詳述する。
【0013】
図1は本発明にかかる地盤注入装置の一具体例の断面図であり、図2は本発明にかかる地盤注入装置の他の具体例の一部断面図であり、図3は本発明にかかる地盤注入装置のさらに他の具体例の断面図であり、図4は本発明にかかる地盤注入装置さらに他の具体例の断面図である。
【0014】
図1において、本発明にかかる地盤注入装置Aは外管1と、この外管1内に挿入された内管2とを備えて構成され、地盤3中に固結材(地盤注入液)を注入して地盤3を固結する。
【0015】
外管1は軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口4を有し、また、内管2は複数の内管パッカ5を間隔をあけて備え、かつ、互いに隣接する内管パッカ5、5間には内管吐出口6を有して構成される。内管吐出口6は細孔からなる噴射口である。
【0016】
そして、上述の外管1内に内管2を挿入するに際して、隣接する内管パッカ5、5間に外管吐出口4が位置し、かつ、外管1内の内管パッカ5、5間に空間7が形成されるように挿入する。
【0017】
本発明の特徴は上述の本発明注入装置Aにおいて、空間7内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材8を地盤注入装置A内に設置し、この圧力伝達部材8を通して空間7内で感知された圧力を伝達して測定し、内管吐出口6の正確な注入圧力を把握することに存する。
【0018】
具体的には、圧力伝達部材8はチューブ8であって、一端11が空間7内の圧力検出部12に位置して空間7内の圧力を感知するとともに、他端13が内管2を通して地盤3上の圧力計14に連結され、感知された空間7内圧力を圧力計14で測定し、内管吐出口6の外側の外管1と内管2の間の空間7の圧力を測定する。この空間7は外管吐出口4のゴムスリーブ19を介して所定のステージの注入領域に通じており、ゴムスリーブ19はゆるく外管吐出口4を覆っているに過ぎないから、空間7内圧力がその注入ステージにおける注入液の注入地盤の注入圧力に外ならない
【0019】
すなわち、貯留槽15からの注入材は注入ポンプ16、流量計17、圧力計18および内管2を通し、さらに、内管吐出口6から空間7を通し、外管吐出口4を経て、ゴムスリーブ19を押し拡げて地盤3に注入される。このときの内管吐出口6から出た注入液の注入地盤における注入圧力は空間7内の圧力をチューブ8を介し、地盤3上の圧力計14で直接測定することにより正確な注入状況を把握できる。もちろん、ゲル化時間が長い注入液を注入する場合には、チューブ8内は空間7を満たす注入液がそのまま填充されてその圧力を直接圧力計14で測定して注入圧力を知ることができる。ゲル化時間が長ければ、チューブ8内でゲル化する恐れがないが、ゲル化する恐れがある場合には、チューブ8内を時々、手押しポンプ20で水洗すれば良い。
【0020】
従来の注入装置では、注入ポンプ16の注入圧力は圧力計18で地盤注入圧を測定していたが、その表示圧力は注入管内の抵抗圧、内管吐出口からの抵抗圧が本来の地盤への注入液の注入圧力に加算されたもので、実際の地盤における圧力は不明である。特に、内管吐出口6が細管からなる噴射ノズルの場合、その噴射口の抵抗圧が大きいため、地盤注入圧の変化を把握することは困難である。本発明装置は直接、地盤注入圧を測定するため、注入ステージにおける注入圧の変化を知り、これにより土粒子間浸透しているか、その状況変化を知り、割裂注入した場合の変化も知り得る。
【0021】
上記において、空間7内に位置するチューブ8の一端11は図示しない膜で被覆することもできる。この場合、空間7内の圧力は手押しポンプ20によりチューブ8内に水等の液体を充填しておけば、膜で感知された空間7内の地盤内注入圧力を液体を介して圧力計14に伝達し、この圧力を読み取ることにより測定される。上記膜は薄膜であって、好ましくは膨縮膜である。
【0022】
なお、空間7が複数の場合、図2に示されるように、内管2に分岐内管2aを分岐し、それぞれチューブ8、8を内管2および分岐内管2aを通して圧力検出部12から圧力計14、14aに伝達し、それぞれの圧力計14、14での別々の空間7内圧力を測定することもできる。
【0023】
さらに、圧力伝達部材8として、図3に示されるように、外管1と、この外管1内に挿入された内管2とを備え、地盤3中に固結材を注入して地盤3を固結する地盤注入装置Aであって、外管1は軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口4を有し、前記内管2は複数の内管パッカ5を間隔をあけて備え、かつ、互いに隣接する内管パッカ5、5間には内管吐出口6を有し、外管1内に内管2を挿入するに際し、隣接する内管パッカ5、5間に外管吐出口4が位置するように挿入し、これにより外管1内の内管パッカ5、5間に空間7が形成されてなる地盤注入装置Aにおいて、空間7内に配置されたひずみ抵抗式圧力センサー21と、このひずみ抵抗式圧力センサー21に信号ケーブル26を介して接続されたアンプ24と、このアンプ24に信号ケーブル26を介して接続された地盤3上の圧力表示装置25とからなる圧力伝達部材8を地盤注入装置A内に設置することもできる。
【0024】
この場合、圧力センサー21が空間7内圧力を感知し、この感知された空間7内圧力をアンプ24を介し、信号ケーブル26を通して電気信号として圧力表示装置25に伝達し、正確な地盤注入圧力を把握することができる。
【0025】
また、圧力伝達部材8として、図4に示されるように、外管1と、外管1内に挿入された内管2とを備え、地盤3中に固結材を注入して地盤3を固結する地盤注入装置Aであって、外管1は軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口4を有し、内管2は複数の内管パッカ5を間隔をあけて備え、かつ、互いに隣接する内管パッカ5、5間に内管吐出口6を有し、外管1内に内管2を挿入するに際し、隣接する内管パッカ5、5間に外管吐出口4が位置するように挿入し、これにより外管1内の内管パッカ5、5間に空間7が形成されてなる地盤注入装置Aにおいて、空間内にチューブ8を介して接続されたひずみ抵抗式圧力センサー21、この圧力センサー21に連結されたアンプ24と、該アンプ24に信号ケーブル26を介して連結された地盤3上の圧力表示装置25とからなる圧力伝達部材8を地盤注入装置A内に設置することもできる。
【0026】
この場合、空間7内に位置するチューブ8の一端11が空間7内圧力を感知し、この感知された圧力を圧力センサー21およびアンプ24を介して圧力表示装置25に伝達して測定し、正確な地盤注入圧力を把握する。
【0027】
上述のように構成される本発明地盤注入装置Aを用い、隣接する内管パッカ5、5間に外管吐出口4が位置し、かつ、外管1内の内管パッカ間5、5に空間7が形成されるように挿入し、さらに、注入装置A内に空間7内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材8を設置し、この圧力伝達部材8を通して前期空間7内で感知された圧力を伝達して測定し、正確な地盤注入圧力を把握する。
【0028】
上述の本発明地盤注入装置Aは例えば、図5(a)乃至図5(d)に示されるように地盤3に設置される。これを詳述すると、まず、図5(a)に示されるように、地盤3をボーリングし、この中にケーシング27を挿入する。次いで、図5(b)に示されるように、ケーシング27の中に外管1を挿入する。この外管1には、管壁1a軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口4、4・・4が所定の間隔をあけて開口され、これら外管吐出口4、4・・4はそれぞれゴムスリーブ19で覆われている。
【0029】
さらに、図5(b)に示されるようにケーシング27にシールグラウト28を注入した後、図5(c)に示されるように、ケーシング27を引き抜く。これにより外管1はシールグラウト28でシールされる。
【0030】
次いで、図5(d)に示されるように、外管1内に内管2を挿入する。外管1は軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口4を有し、内管2は複数の内管パッカ5を間隔をあけて備え、互いに隣接する内管パッカ5、5間には内管吐出口6を有して構成される。
【0031】
そして、外管1内に内管2を挿入するに際して、隣接する内管パッカ5、5間に外管吐出口4が位置し、かつ、外管1内の内管パッカ5、5間には空間7が形成されるように挿入される。
【0032】
さらに、注入装置Aの内管2内には圧力伝達部材としてチューブ8を設置する。このチューブ8は一端11が空間7内に位置して空間7内圧力を感知するとともに、他端が図示しない地盤3上の圧力計に連結され、感知された空間7内圧力をこの圧力計で測定する。
【0033】
内管パッカ5は図示しないが、注入液用の内管2通路とは独立したパッカ専用の流体流路を内管2内に設置し、この流体流路を通して内管パッカ5を膨縮する。この場合、パッカ専用の流路を通し、空気等の気体、あるいは水等の流体を内管パッカ5内に圧入してパッカを膨張させ、空間7を形成の後、注入液を内管2を通し、内管吐出口6から外管吐出口4を通して地盤3中に注入する。このとき、空間7内の圧力は圧力伝達部材としてのチューブ8を通して地盤3上の圧力計で正確に測定される。
【0034】
さらに、本発明にかかる地盤注入装置Aとして図6に示す構造のものも用いられる。図6において、外管1は外管吐出口4をはさむように複数の外管パッカ29を備え、外管パッカ29内に外管パッカ内吐出口30を通して固結材を、ゴムスリーブ31を押し拡げて填充し、膨張させて地盤3中に定着、設置する。そして、内管2を外管1内に挿入し、内管2の流路に注入液を送液することにより、膨縮性の内管パッカ5が注入液の送液圧力によって膨張して上下に隣接する複数の内管パッカ5、5間に外管1内の空間7を形成する。
【0035】
注入液はさらに、内管吐出口6から外管1内の空間7および外管吐出口4を通して外管1外空間32に吐出され、ここから地盤3中に注入される。さらに、内管2を移動し、注入を繰り返す。この外管外空間32は大きな表面積を有する柱状の注入源となるので、多量の注入速度で注入しても、注入源の単位面積からの注入速度は小さいので、低圧で土粒子間注入でき、急速浸透注入が可能になる。なお、外管パッカ29は透水性袋体であって、外管パッカ29内に固結材を填充し、削孔33の径よりも大きな径に膨張させて土中にパッカを形成し、外管1を地盤3に定着、設置する。図6中、34は締め金具である。
【0036】
また、本発明において、内管2の流路は図7に示すように、内管2を複数本備えることにより複数本とすることもできる。この場合、各内管吐出口6、6・・・6はそれぞれ異なる外管内空間7に開口するようにする。これにより、複数の注入ステージを同時に注入して長尺の注入区間の急速施工が可能であるのみならず、浸透性や強度の異なる注入材を土層の状態に合わせて注入でき、かつ主材を注入した注入ステージに反応剤を重ね合わせて注入することもでき、あるいは懸濁液を注入した領域に溶液型グラウトを重ね合わせて注入することもできる。このとき、図示しないが、複数の内管吐出口を同一の外管内空間に開口させておけば、2種類の注入液、たとえば主剤配合液(A液)と反応剤配合液(B液)が空間7で混合され、この混合液が外管吐出口4から地盤3に注入することになる。なお、複数の内管は並列管でもよく、多重管でもよい。
【0037】
さらに、内管吐出口6は次の(a)乃至(c)のいずれかを満たすように形成される。
(a)内管吐出口6を細孔に形成する。この状態を図8(a)に示す。
(b)内管吐出口6を内管パッカ5内吐出口10よりも細孔に形成する。この状態を図8 (a)、(b)に示す。
(c)内管吐出口の面積を内管2流路の断面積よりも小さく形成する。この状態を図8 (a)、(b)に示す。
【0038】
なお、内管吐出口6は図8(c)に示されるように、ゴムスリーブ31などの抵抗体で覆うか、図8(d)に示されるように、逆止弁35を取り付ける。逆止弁35は例えば、内管吐出口6に外側からボール36を当てがい、このボール36をバネ37で押えつけるように構成される。また、細孔は噴射ノズルとして形成される。
【0039】
さらに、内管2流路には図9に示されるように、脱圧装置38を設けることができる。さらに、内管2は図10に示されるように、フレキシブルジョイントで連結して形成してもよい。図10において、図10(a)は一本の内管をフレキシブルジョイントで連結した例であり、図10(b)は複数本の内管をフレキシブルジョイントで連結した例である。
【0040】
内管パッカ5は不透水性で弾力性に富んだ合成ゴムの袋体で形成される。したがって、内管パッカ5内に注入液による内圧が作用すると、内管パッカ5は膨張して外管1の内壁に密着し、パッカを形成する。しかし、注入液の送液を中止したり、あるいは注入液の圧力を図9に示すような内管流路に設けられた脱圧装置38により減圧すると、パッカ5の弾性によって収縮し、外管1の内壁から離れる。したがって、所定ステージで所定量の注入を完了したのち、直ちに次の注入ステージに移向できる。脱圧装置38は注入ポンプより下流側にあればよく、図中の三方コック等、バルブだけでもよい。内管の加圧された注入液はバルブが開けば外部に排出されて、内管パッカは収縮する。さらに、吸水ポンプで内管内の注入液を吸い上げてしまえば、注入ステージを移向する際に、内管内の注入液が外管内に漏出するのを最小限におさえることができる。
【0041】
注入深度が大きくなったり、水平方向の注入管設置長が長くなると、外管1は土圧によって変形する。したがって内管2の挿入や移動が困難になる。しかし、図10(a)、図10(b)に示されるように内管2の所定の位置に合成ゴムのホース状フレキシブルジョイント39を設けることにより、内管2は外管1の変形に対応して外管1内を移向し得る。また、内管パッカ5はゴムパッカであって、所定のステージでの注入完了時に収縮する。このため、内管2は容易に外管1内で移向できる。さらに、従来のようなエアパッカが不用なため、内管2の径を細くすることができ、この点からも外管の変形に順応する。また、本発明において、内管は硬質パイプで形成してもよいが、内管吐出口が存在する範囲よりも手前側の内管をホースで形成することにより、捲取装置つきの昇降装置で自由に外管内を移動することが可能である。
【0042】
本発明に使用される注入材は内管パッカ5内でゲル化すると、パッカが機能しなくなるため、ゲル化時間が長く、かつ詰まりにくい材料が望ましい。したがって、気中のゲル化時間が土中のゲル化時間よりも長いものが良い。このような注入材は土中に注入した注入液がゲル化したあとでも、内管流路や内管パッカ中ではゲル化が生じておらず、このため所定ステージで所定量注入後、次の注入ステージに移向して注入するまで、パッカの収縮、膨張を繰り返してパッカ機能を継続することができる。また、チューブ内を通ってもゲル化することなく、外管内空間7の圧力を圧力計14に伝達することができる。この種の注入材としては、非アルカリ性水ガラスグラウト、あるいは水ガラスをイオン交換樹脂や、イオン交換膜で脱アルカリして得られた活性シリカを主材とするグラウトが挙げられる。これらのグラウトは気中で10時間以上のゲル化時間を有するが、土中では数時間のゲル化時間を保持する。したがって、これらは長時間、広範囲の注入を可能とする。また、ゲル化時間が1時間以上のアルカリ系水ガラスグラウトも用いることができる。
【0043】
ここで、上述パッカ機能の基本原理を図9を用いて説明する。図9は外管1およびその中に遊挿された内管2を備えた実験装置の説明であって、吐出バルブ40を閉じて外管1と、内管2と、内管パッカ5と、外管内空間7と、外管吐出口4とからなる本発明装置Aの最小単位に関して圧力の関係を説明する。
【0044】
まず、内管2の内管流路から注入液を圧力Pおよび流量Fで送液する。圧力Pは圧力計41により、流量Fは流量計42によりそれぞれ測定される。内管2と膨張性の内管パッカ5は内管パッカ内吐出口10を通じて連通しており、内管パッカ5は膨張する。この内圧は注入液の圧力Pと同じである。
【0045】
一方、外管1の外管吐出口4には流量圧力調整装置43が備えられる。この装置43の圧力調整弁44を開放しておけば、外管内空間7の圧力Pは空間7が外部に開放された状態にあるから、当然Pよりも低くなる。このときの圧力および流量は流量圧力調整装置43の圧力計45および流量計46で測定される。したがって、内管2内に注入液の送液圧力が加わっている限り、内管パッカ5は膨張してパッカとして形成され、内管吐出口6から吐出された注入液は外管内空間7を経て外管吐出口4から外部に吐出される。
【0046】
圧力調整弁44を徐々に閉じてその開口度を低くすると、圧力計45の圧力は上昇する(P11)。この際、送液流量Fを同一にすると、内管圧力Pは圧力Pよりも高くなる。この場合、圧力P11は地盤の浸透抵抗圧に相当する。しかし、地盤に注入が行われている限り、圧力Pは圧力P11よりも高いわけであるから、当然、内管パッカ5内圧力は圧力Pとなって、外管内空間7内の圧力P11よりも高く維持されるので注入が継続することになる。
【0047】
しかるに、内管2内の注入液が内管吐出口6から出て、外管吐出口4を経て地盤に注入されるまでの間に内管パッカ5が膨張し、内管パッカ5が形成される前は外管内空間7が充分に形成されないので、注入液が外管内を上下方向に移動してしまう。したがって、外管内を注入液が移動し、不特定の外管吐出口4から地盤中に注入されることになるので、所定の注入領域に注入されず、好ましくない。このため、内管吐出口6から外管内空間7に吐出される時点ですでに内管パッカ5が形成されていることが好ましい。そのためには内管2からの吐出に際して、加圧状態になっていることが好ましい。すなわち初期圧が生じていることが望ましい。
【0048】
初期圧とは空気中で注入液を吐出口から吐出した時に生じる管内圧を言う。普通、1ステージ当たりの注入、すなわち、上下のパッカ間の1注入区間からの注入速度は2〜30リットル/分で行われるが、そのような注入速度に対して初期圧が0.1kgf/cm以上になるのが好ましく、その場合、内管吐出口から注入液が吐出する際に内管パッカがすでに膨張している。
【0049】
初期圧として0.1kgf/cm以上の管内圧力を生じれば、パッカが外管管壁に密着する。その場合の吐出口径は0.1〜3mm程度の細孔が好ましい。実際には1ステージ当たりの注入速度に対応して一つの吐出口径と、吐出口数と、膨縮性パッカの弾力性とを適切に設計することによって初期圧を任意に設定でき、また、注入圧力に耐える強度のパッカを形成できる。したがって、本発明は以下の方法を行えることにより初期圧が容易に形成され、内管パッカを内管吐出口からの吐出よりも早く膨張しやすくすることができる。
【0050】
(a)内管吐出口を噴射孔等の細孔にする。
(b)内管吐出口の面積は内管流路の断面積よりも小さい。
(c)内管パッカ内吐出口を内管吐出口よりも大きくする。
(d)内管吐出口に逆止弁を設ける。図8(d)はバネ37の力よりも内管内の注入液の圧力が大きくなってはじめて外管内空間に注入液が吐出される。
(e)内管吐出口を吐出抵抗体で覆う。図8(c)において、ゴムスリーブ31を用い、吐出口を覆っておけば、ゴムスリーブ31の弾力性に対応した内管内注入液の圧力が高まった時点で注入液が外管内空間に吐出される。
以上の基本原理に基づいて本発明は完成された。図9中、38は脱圧装置であって、送液バルブ47、三方コック48、吸水ポンプ49から構成される。50は排水管であり、三方コック51を備える。
【0051】
図9からわかるように、注入圧力は圧力計41によって測定される。したがって、内管吐出口6から吐出された後、地盤中における注入圧力を知るには、空気中における吐出圧力を差し引いて算出すればよいことになるが、注入中における実際の地盤注入圧力を知るには、上述の本発明にしたがって、外管内空間7にストレインゲージに相当するひずみ抵抗圧力センサーまたは間隙水圧計に相当するチューブ(圧力伝達部材)のいずれかを設置して外管内空間7における注入液の液圧を計算し、その情報をリアルタイムで有線または無線により地上部の管理室に集め、その情報に基づき、注入速度や、注入圧力や、注入の中断、完了等の注入管操作を管理することにより、最適の注入を行うことができる。もちろん、本発明のように、空間に圧力伝達部材を設け、その情報を得ることによって内管内圧力と外部浸透圧力の変動や、圧力の差の情報を得ることによって内管の吐出口の状況や外部のゲル化の状況を正確に把握して注入管理にフィードバックすることができる。
【0052】
これらの計測センサーは通常、図8(d)あるいは図9の内管吐出口6の出口流路に設置することもできるが、さらに内管のパッカ間の外側壁にストレインゲージや土圧計をはりつけることもできる。もちろん、外管内側の壁面に埋め込むこともできる。そして、その情報は内管を通して、または外管に設けた溝等に沿って、有線または無線により地上に送られる。
【0053】
なお、本発明装置において、内管として内管パッカ流路と注入液流路を独立して構成した内管を用い、注入液を多数の内管パッカ間に設けた内管吐出口の噴射ノズルから複数の外管吐出口を通してシールグラウトを破って地盤内に同時注入することもできる。この場合も複数の外管内空間にひずみ抵抗圧力計あるいは圧力伝達部材としてのチューブの一端を設けることにより正確に複数の注入ステージにおける注入圧力を同時に計測することができる。
【0054】
さらに、本発明の他の注入装置を図11および図12に示す。図11および図12の装置は注入液そのものの内圧によって膨張してパッカを形成する袋状の内管パッカ5の代わりに硬質の弾力性のある合成樹脂パッカ5を用いた例である。この場合、図11、図12に示されるように、合成樹脂の内管パッカ5は内管2の外壁に間隔をあけて複数個備えられ、内管2から導入された注入液は内管吐出口6を通じ、空間7および外管吐出口4を経て、ゴムスリーブ31を押し拡げ、地盤3に同時注入される。このとき、空間7内の圧力は圧力伝達部材(ホース)8の圧力検出部12内に突き出た一端11によって感知され、図示しない圧力計で測定されて内管吐出口6の正確な注入圧力把握する。又、図11、図12の内管パッカは膨縮性のゴムまたは合成樹脂製の袋パッカであって、内管内の注入液流路とは独立したパッカ流体の流路と連通し、気体、水等の流体圧の有無によって膨縮してパッカ機能を生じるものであってもよい。(図示せず)
【0055】
図13および図14は図9の実験装置において内管吐出口6として噴射ノズルを用いた場合、注入ポンプ16の圧力と、ノズル口径と、地盤の圧力に相当する圧力計45の圧力に対応する抵抗圧力(kg/cm)との関係を示したグラフである。この場合の圧力計45の圧力は、本発明によれば、外管内空間32の注入液の圧力を地上部で直接計測することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
上述の本発明は空間内圧力を感知して伝達する圧力伝達部材を注入装置内に設置し、この圧力伝達部材を通して前記空間内で感知した圧力を圧力計に伝達し、この伝達された圧力を地盤上の圧力計で測定することにより、内管パッカ間に位置する内管吐出口から注入液(固結材)を外管吐出口を通して地盤中に注入するに当り、地盤中への注入圧力を地盤上で正確に把握し得、地盤注入分野において利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明にかかる地盤注入装置の一具体例の断面図である。
【図2】本発明にかかる地盤注入装置の他の具体例の部分断面図である。
【図3】本発明にかかる地盤注入装置のさらに他の具体例の断面図である。
【図4】本発明にかかる地盤注入装置のさらに他の具体例の断面図である。
【図5(a)】本発明注入装置の地盤への設置工程の一工程図を表す。
【図5(b)】本発明注入装置の地盤への設置工程の一工程図を示す。
【図5(c)】本発明注入装置の地盤への設置工程の一工程図を示す。
【図5(d)】本発明注入装置の地盤への設置工程の完成図を表す。
【図6】本発明にかかる地盤注入装置のさらに他の具体例の断面図である。
【図7】内管を複数本備えた本発明注入装置の説明図である。
【図8(a)】内管パッカ内吐出口と内管吐出口を表した説明図であって、大きさの関係を表す。
【図8(b)】内管パッカ内吐出口と内管吐出口を表した説明図であって、大きさの関係を表す。
【図8(c)】内管吐出口に覆われるゴムスリーブを表す。
【図8(d)】内管吐出口に取りつけられた逆止弁の説明図である。
【図9】本発明のパッカ機能の原理を説明するための実験装置の説明図である。
【図10(a)】内管をフレキシブルジョイントで連結した状態の説明図である。
【図10(b)】内管をフレキシブルジョイントで連結した状態の説明図である。
【図11】本発明にかかる地盤注入装置の他の具体例の断面図である。
【図12】本発明にかかる地盤注入装置のさらに他の具体例の断面図である。
【図13】ノズル口径1.0mmの抵抗圧力(kg/cm)とノズルからの流量(l/分)との関係を表したグラフである。
【図14】ノズル口径2.5mmの抵抗圧力(kg/cm)とノズルからの流量(l/分)との関係を表したグラフである。
【符号の説明】
【0058】
A 地盤注入装置
1 外管
1a 管壁
2 内管
2a 分枝内管
3 地盤
4 外管吐出口
5 内管パッカ
6 内管吐出口
7 空間
8 圧力伝達部材(チューブ)
9 削孔
10 パッカ内吐出口
11 一端
12 圧力検出部
13 他端
14 圧力計
14a 圧力計
19 ゴムスリーブ
20 手押しポンプ
21 ひずみ抵抗式圧力センサー
22 一端
23 他端
24 アンプ
25 圧力表示装置
26 信号ケーブル
29 外管パッカ
30 外管パッカ内吐出口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管と、この外管内に挿入された内管とを備え、地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入装置であって、前記外管は表面に外管吐出口を有し、前記内管は複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有し、前記外管内に前記内管を挿入するに際して、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置し、かつ、前記外管内の内管パッカ間に空間が形成されるように挿入してなる地盤注入装置において、前記空間内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材を注入装置内に設置し、この圧力伝達部材を通して前記空間内で感知された圧力を圧力計に伝達し、この伝達された圧力を測定して地盤注入圧力を把握することを特徴とする地盤注入装置。
【請求項2】
請求項1において、前記圧力伝達部材はチューブであって、一端が前記空間内に位置して空間内圧力を感知するとともに、他端が地盤上の圧力計に連結され、感知された空間内圧力を圧力計で測定する請求項1に記載の地盤注入装置。
【請求項3】
請求項2において、前記チューブは内管を通して設置される請求項2に記載の地盤注入装置。
【請求項4】
請求項2において、空間内に位置するチューブの一端を膜で被覆してなる請求項2に記載の地盤注入装置。
【請求項5】
請求項4において、前記チューブ内に液体を充填し、膜で感知された空間内圧力を液体を介して圧力計で測定する請求項4に記載の地盤注入装置。
【請求項6】
請求項1において、内管吐出口が噴射口である請求項1に記載の地盤注入装置。
【請求項7】
外管と、この外管内に挿入された内管とを備え、地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入装置であって、前記外管は軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有し、前記内管は複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有し、前記外管内に前記内管を挿入するに際し、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置するように挿入し、これにより前記外管内の内管パッカ間には空間が形成されてなる地盤注入装置において、前記空間内に配置されたひずみ抵抗式圧力センサーと、このひずみ抵抗式圧力センサーに信号ケーブルを介して接続されたアンプと、このアンプに信号ケーブルを介して接続された地盤上の圧力表示装置とからなる圧力伝達部材を地盤注入装置内に設置し、前記圧力センサーが空間内圧力を感知し、この感知された空間内圧力をアンプを介し、信号ケーブルを通して電気信号として圧力表示装置に伝達し、地盤注入圧力を把握することを特徴とする地盤注入装置。
【請求項8】
外管と、この外管内に挿入された内管とを備え、地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入装置であって、前記外管は軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有し、前記内管は複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ、互いに隣接する内管パッカ間に内管吐出口を有し、前記外管内に前記内管を挿入するに際し、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置するように挿入し、これにより前記外管内の内管パッカ間に空間が形成されてなる地盤注入装置において、前記空間内にチューブを介して接続されたひずみ抵抗式圧力センサーと、この圧力センサーに連結されたアンプと、該アンプに信号ケーブルを介して連結された地盤上の圧力表示装置とからなる圧力伝達部材を地盤注入装置内に設置し、前記空間内に位置するチューブの一端が空間内圧力を感知し、この感知された圧力を圧力センサーおよびアンプを介して圧力表示装置に伝達して測定し、地盤注入圧力を把握することを特徴とする地盤注入装置。
【請求項9】
請求項8において、アンプと連結するひずみ抵抗式圧力センサーは内管先端に配置されてなる請求項8に記載の地盤注入装置。
【請求項10】
地盤中に固結材を注入して該地盤を固結する地盤注入工法において、軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口を有する外管と、該外管に挿入され、複数の内管パッカを間隔をあけて備え、かつ互いに隣接する内管パッカ間には内管吐出口を有する内管とからなる地盤注入装置を用い、前記外管内に前記内管を挿入するに際して、隣接する内管パッカ間に外管吐出口が位置し、かつ、前記外管内の内管パッカ間に空間が形成されるように挿入し、さらに、前記注入装置内に空間内の圧力を感知して伝達する圧力伝達部材を設置し、この圧力伝達部材を通して前記空間内で感知された圧力を伝達して測定し、地盤の注入圧力を把握することを特徴とする地盤注入工法。
【請求項11】
請求項10において、前記圧力伝達部材はチューブであって、一端が前記空間内に位置して空間内圧力を感知するとともに、他端が地盤上の圧力計に連結され、感知された空間内圧力を測定する請求項10に記載の地盤注入工法。
【請求項12】
請求項10において、前記チューブ内は内管を通して設置される請求項10に記載の地盤注入工法。
【請求項13】
請求項10において、空間内に位置するチューブの一端を膜で被覆してなる請求項10に記載の地盤注入工法。
【請求項14】
請求項13において、前記チューブ内に液体を充填し、膜で感知された空間内圧力を液体を介して圧力計で測定する請求項13に記載の地盤注入工法。
【請求項15】
請求項10において、圧力伝達部材が前記空間内に位置するひずみ抵抗式圧力センサーと、一端がアンプを介して前記圧力センサーに連結し、他端が地盤上の圧力表示装置に連結した信号ケーブルとからなり、前記圧力センサーが空間内圧力を感知し、この感知された空間内圧力をアンプを介し、信号ケーブルを通して電気信号として圧力表示装置に伝達し、地盤の注入圧力を把握するようにした請求項10に記載の地盤注入工法。
【請求項16】
請求項10において、内管吐出口が噴射口である請求項10に記載の地盤注入工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図6】
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【図7】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図8(d)】
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【図9】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−46320(P2007−46320A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231527(P2005−231527)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000162652)強化土エンジニヤリング株式会社 (116)
【出願人】(391019740)三信建設工業株式会社 (59)
【Fターム(参考)】