説明

均一な孔大きさを有する大細孔径メソポーラス金属の製造方法

【課題】孔径大きさが4nmを越えてもっと大きく、しかも均一な孔大きさを有する大細孔径メソポーラス金属を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の方法は、次の工程を含む。
(1)大きさ(粒径)が5nm〜50nmの範囲内で、しかも均一な周期性を有するリオトロピック液晶を形成できる界面活性剤と、水溶性金属塩と、揮発性有機溶媒と、水とを、混合する(前駆体溶液の調製);
(2)前記前駆体溶液から揮発性有機溶媒を優先的に揮散させて、大きさ(粒径)が5nm〜50nmの範囲内で、しかも均一な大きさのリオトロピック液晶を形成させる;
(3)液晶中に溶存する金属イオンを還元することで、前記リオトロピック液晶の周囲に金属を析出させる;
(4)更に水性溶媒で処理してリオトロピック液晶を洗い去り、空隙を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新たな触媒材料、吸着材料、電極材料等としての応用が期待される大細孔径メソポーラス金属の製造方法に関する。また、本発明は、その製造方法により得られた(均一な孔大きさを有する)大細孔径メソポーラス金属にも関する。
【背景技術】
【0002】
ナノメータスケールの金属構造体は、金属のバルク状態では発現しないプラズモンをはじめとする特異な機能性が期待でき、また適切な金属組成やナノ構造を精密に制御することにより、その機能性を操作することができる。金属のナノ構造を構築させる主な方法として、元の鋳型の精密な構造を最終生成物に転写させるレプリカの手法が挙げられる。この手法を用いると、元の鋳型と最終生成物の構造は、ネガポジの関係になる。従来は、種々のナノ構造の金属〔例えば、ナノワイヤアレー(Z.Liu et al, 2000)、連続的ナノワイヤネットワーク(H.Shin et al, 2001)、ナノ粒子アレー(Y.Kumai et al, 2006)等〕が、メソポーラスシリカなどの硬鋳型を用いて合成されている。
最近、C(EO)型の非イオン性界面活性剤を自己集合させることによって形成するリオトロピック液晶(LLC)が軟鋳型として提案され、蜂の巣状に充填されたシリンダー状メソ空間(二次元ヘキサゴナル構造)をもつメソポーラス金属・半導体が調製されている(G. S. Attardら:非特許文献1、Y. Yamauchiら:非特許文献2)。このリオトロピック液晶(LLC)を用いた場合では、均一な大きさをもつ金属ナノ粒子が連続的に堆積して、ナノ粒子結合からなる特殊な細孔壁を形成し、これは硬鋳型を用いる方法によっては達成できない珍しい磁性、フォトニック及び触媒性状を示している(P.N.Bartlett et al, 2001; I.S.Nndhakumahr et al, 2004; A.Saramat et al, 2007)。
【0003】
一方、黒田らは、リオトロピック液晶相中に、金属イオン源及びアミノボラン系還元剤を加え、化学還元によりリオトロピック液晶の周りに金属を析出させ、その後、エタノール等でリオトロピック液晶を除去することを特徴とするメソポーラス金属(細孔径約4nm)の製造方法を提案している(特許文献1)。
また、山内・黒田らは、微細な溝や孔にメソポーラス金属膜を形成させる方法として、リオトロピック液晶を形成する界面活性剤に、純水に溶解した金属イオン源を加えた溶液をつくり、その溶液を水溶性の揮発性有機溶媒で希釈し、その希釈した溶液を基板に塗布した後に、前記溶媒を揮発させ、リオトロピック液晶を形成させ、形成させたリオトロピック液晶の周囲に電析法により金属を析出させ、その後、リオトロピック液晶を除去することを特徴とするメソポーラス金属膜(細孔径は約3nm)の製造方法を提案している(特許文献2)。
【0004】
しかし、驚くべきことに、従来報告されたメソポーラス金属は、細孔の大きさは4nm以下であり、構造も二次元ヘキサゴナル構造に限定されている。
【0005】
【非特許文献1】G. S. Attard et al:Angew. Chem. Int. Ed. 1997, vol.36, 1315
【非特許文献2】Y. Yamauchi et al: Chem. Lett. 2004, vol.33, 542
【特許文献1】特開2004−263242号公報
【特許文献2】特開2006−233272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
細孔の大きさが4nm以下と小さく限定された従来のメソポーラス金属においては、多孔空間ネットワークにおけるゲスト物質の効果的移動が妨げられやすく、そのメソポーラス金属の利点を著しく損なう難点がある。
孔径の大きさが4nmを越えてもっと大きく、しかも均一な孔大きさを有する大細孔径のメソポーラス金属では、マトリックス中への生物巨大分子などの取込が可能となり、また、ゲスト分子の取込により引き起こされる容量変化の効果的緩和も期待できる。そのため、孔径大きさを制御することやメソ構造を多彩に制御することは、ナノ構造制御された金属を更に探求する上で極めて重要である。
本発明の課題は、孔径大きさが4nmを越えてもっと巨大で、しかも均一な孔大きさを有する大細孔径メソポーラス金属を、制御された細孔径で、かつ、簡単に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔発明の概要〕
本発明者らは、上で述べたリオトロピック液晶を鋳型とする手法では、リオトロピック液晶の構造が、最終生成物であるメソポーラス金属の構造に直接反映される点に注目した。そして、従来とは異なる液晶系を導入し、リオトロピック液晶自体の構造や周期性を幅広い範囲で変化させることにより、メソポーラス金属のナノ構造を自由に制御することが可能になった。また、従来のC(EO)型の非イオン性界面活性剤とは異なり、分子量が大きく、かつ、その組成がよく設計されたブロックコポリマーを用いることを検討し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次の工程を含むことを特徴とする、均一な孔大きさを有する大細孔径メソポーラス金属の製造方法、である。
(1)大きさ(粒径)が5nm〜50nm(好ましくは10nm〜30nm、更に好ましくは10nm〜20nm)の範囲内で、しかも均一な周期性を有するリオトロピック液晶を形成できる界面活性剤と、水溶性金属塩と、揮発性有機溶媒と、水とを、混合する(前駆体溶液の調製);
(2)前記前駆体溶液から揮発性有機溶媒を優先的に揮散させて、大きさ(粒径)が5nm〜50nm(好ましくは10nm〜30nm、更に好ましくは10nm〜20nm)の範囲内で、しかも均一な大きさのリオトロピック液晶を形成させる;
(3)液晶中に溶存する金属イオンを還元することで、前記リオトロピック液晶の周囲に金属を析出させる;
(4)更に水性溶媒で処理してリオトロピック液晶を洗い去り、空隙を形成させる。
【0009】
また、本発明は、上記製造方法を用いて製造された大細孔径メソポーラス金属、すなわち、その孔径の平均値は5nm〜50nm(好ましくは10nm〜30nm、更に好ましくは10nm〜20nm)の範囲内、その孔径大きさのバラツキ、すなわち変動係数(標準偏差/平均値×100)は30%を越えない均一な孔大きさを有する大細孔径メソポーラス金属、にも関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の、大細孔径メソポーラス金属の製造方法によれば、界面活性剤を適宜に選ぶことにより、簡単に、リオトロピック液晶の周期性を制御でき、最終生成物であるメソポーラス金属の細孔の大きさを自由に制御できる。
本発明の大細孔径メソポーラス金属は、その孔径の平均値は従来のものよりも大きく、5nm〜50nm(好ましくは10nm〜30nm、更に好ましくは10nm〜20nm)の範囲内であり、また、その孔径は均一(孔径の変動係数は30%以下)である。そのため、従来の細孔径メソポーラス金属よりもゲスト物質の移動が妨げられず効果的である。メソポーラス金属中への生物巨大分子の取込が容易となり、また、ゲスト分子の取込により引き起こされる容量変化の緩和も効果的に起こると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔発明の更に詳しい説明〕
上で述べたように、本発明の、大細孔径メソポーラス金属の製造方法は、次の工程を含む。
(1)大きさが5nm〜50nm(好ましくは10nm〜30nm、更に好ましくは10nm〜20nm)の範囲内で、しかも均一な大きさのリオトロピック液晶を形成できる界面活性剤と、水溶性金属塩と、揮発性有機溶媒と、水とを、混合する工程(前駆体溶液の調製);
(2)前記前駆体溶液から揮発性有機溶媒を優先的に揮散させて、大きさが5nm〜50nm(好ましくは10nm〜30nm、更に好ましくは10nm〜20nm)の範囲内で、しかも均一な大きさのリオトロピック液晶を形成させる工程;
(3)液晶相中に溶存する金属イオンを還元処理して、前記リオトロピック液晶の周囲に金属を析出させる工程;
(4)更に水性溶媒で処理してリオトロピック液晶を洗い去り、空隙を形成させる工程。
【0012】
<上記工程(1)について>
ここで、リオトロピック液晶を形成できる界面活性剤としては、ポリスチレン−b−ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−b−ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−b−ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド−b−ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリスチレン−b−ポリメチルメタクリレート等のジブロックコポリマーが好ましく用いられ、その分子量としては所望のリオトロピック液晶の大きさ(5nm〜50nm、好ましくは10nm〜30nm、更に好ましくは10nm〜20nm)を考慮して、2500〜25000(好ましくは5000〜15000、更に好ましくは5000〜10000)の範囲のものから適宜選んで用いる。また、ジブロックコポリマーに限らず、上記の構成部位を有するトリブロックコポリマーなどのブロックコポリマーを用いることもできる。
【0013】
水溶性金属塩としては、金属源の金属を含む水溶性金属塩を用いる。金属源の金属としては、白金、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、ルテニウム等があるが、決してこれらに限定されるものではない。金属源の金属が白金の場合には、ヘキサクロロ水素プラチネート(IV)、アセチルアセトン白金(II)、塩化白金(II)酸カリウム、塩化白金(II)酸アンモニウム等があり、金属が金の場合には、塩化金酸(III)、シアン化金(I)カリウム等があり、金属が銀の場合には、塩化銀、硝酸銀、シアン化銀(I)カリウム等があり、金属が銅の場合には、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅等がある。用いる水溶性金属塩が一種類でなく、例えば、白金塩とルテニウム塩の2種類を用いれば、白金とルテニウムの合金の大細孔径メソポーラス金属を得ることができる。
【0014】
揮発性有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、エタノール、ジエチルエーテル等を用いることができる。
【0015】
ここで、用いる界面活性剤と、水溶性金属塩と、揮発性有機溶媒と、水との量比(重量比)は、界面活性剤を100とするとき、水溶性金属塩は50〜500、揮発性有機溶媒は500〜50000、水は10〜500、とする。水溶性金属塩が50未満では、リオトロピック液晶の周期性が低下し、500を越えると金属析出の速度が速くなり、生成物の構造秩序性が低下する。揮発性有機溶媒が500未満では、前駆体溶液の粘性が高くなり基板に均一な厚さでLLCを塗布することができない等の不都合が生じ、50000を越えると形成するLLCの膜厚が薄すぎて、還元時に金属を析出させることができず、回収することが困難となる。水が10未満では、前駆体溶液中に金属塩が溶解しない不都合が生じ、500を越えるとリオトロピック液晶が形成しにくい。
【0016】
界面活性剤、水溶性金属塩、揮発性有機溶媒及び水を混合する混合方法としては、これらが十分に混じり合う方法であればよく、例えば、撹拌、加熱、エージング等がある。上記材料の混合により前駆体溶液が得られる。
【0017】
<上記工程(2)及び(3)について>
次に、得られた前駆体溶液をITO基板や金属基板をはじめとする導電性基板等に塗布・展延し、室温で揮発性有機溶媒を優先的に揮散させる。そうすると、前記基板表面にLLC薄膜が形成される。LLC薄膜中のLLCは均一大きさの球状であり、その大きさ(直径)は5nm〜50nmの範囲内となる。得られた基板上のLLCフィルムを電析法により処理(還元)すると、前記LLCの周囲に金属を析出させることができる。これは大細孔径メソポーラス金属膜の調製に適している。
得られた前駆体溶液をITO基板等の基板に塗布・展延させないで、前記前駆体溶液からそのまま揮発性有機溶媒を優先的に揮散させて、大きさが5nm〜50nmの範囲内で、しかも均一な大きさのLLCを形成させ、その後、アミノボラン系還元剤等の化学還元剤を用いて化学反応させて、前記LLCの周囲に金属を析出させることもできる(無電解めっき)。これはバルク状(粉末状)の大細孔径メソポーラス金属の調製に適している。
【0018】
<上記工程(4)について>
上記工程(3)で得られたものを、更に水性溶媒で処理してリオトロピック液晶を洗い去り、空隙を形成させて、必要に応じて乾燥させ、目的物の大細孔径メソポーラス金属を得る。ここで、水性溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、THF等を用いることができる。
【実施例】
【0019】
〔実施例1〕
蒸留水0.75g、ヘキサクロロ水素プラチネート(IV)・6水塩0.75g、PS3800−b−PEO4800ブロックコポリマー(ポリ(スチレン−b−エチレンオキサイド))0.25g、及び揮発性溶剤としてのテトラヒドロフラン(THF)12.5gを混合することにより、先ず、前駆体溶液を調製した。次いで、その前駆体溶液をインジウム−錫オキサイド(ITO、表面抵抗は10Ω/cm)基板上に塗布した。THFの優先的蒸発の後、基板全表面に亘り、黄色く着色したLLCフィルムが形成された。Ptが堆積する前のLLCフィルムを、低角XRD測定により評価した(図1)。強いシングルピーク(d=15.5nm)が観察されたが、これは規則的ナノ構造の形成を示している。
【0020】
揮発性有機溶媒の揮発を行う本願発明のプロセスは、加熱−熟成プロセスなしで、前駆体溶液からのLLCの直接的形成を可能にする。Pt電析のために、カウンター電極としてのPt板をLLC修飾ITO基板の上に配置し、そのLLCを挟み込んだ。参照電極としては、塩ブリッジを用いることでLLCに接続させたAg/AgCl電極を使用した。電解析出では、ポテンシォスタットを用いて、室温で、一定電圧(Ag/AgClに対して、−0.01V)で行なった。Pt析出後に、ジブロックコポリマーの抽出を完全にするために、THF、エタノール及び水で洗った。
【0021】
図2は、ジブロックコポリマー抽出後のサンプルのSEM像である。球状粒子が全領域に観察された。その粒子の大きさは、100nmから1000nmの範囲である。高度に拡大できるSEM及びTEMにより、更にそのメソ構造を検討した。開いている大きなメソ細孔は、各々の粒子の表面に存在している。その骨格は、多数のPtナノ粒子の結合によって構築されている。TEM像はまた、スポンジ様のメソポーラス構造の形成も示している(図3)。3〜4nmのナノ粒子一個は、完全な“単一の結晶状態”とみなすことができる。50nm領域のEDパターンは、fccPtに帰属できる強いスポットをもつ環状パターンである。この強いスポットの存在は、格子縞がいくつかのナノ粒子をこえて同一の方向性持っていることを示している(図3(b))。
【0022】
サンプルを角度±70°の範囲で傾けることにより3Dトモグラフィー像を構築させ、BF(Bright Field)-STEM像をとった(図4)。その3D像では、粒子の外部メソポアと同様に内部メソ細孔が、うまく視覚化できる。更には、サンプルのある断面に関してのスライス像も、構築された3Dトモグラフィー像から得ることができる。均一なサイズをもつ球状の大きなメソ細孔(メソケージ)が実際に形成されており、その粒子内部ではそれらが密に充填されている。なお、孔50個につき、その径を実測した結果は、平均値が15nmで、標準偏差(σ)は1nm(したがって、変動係数は6.7%)であった。
図4cは、図4bの中心高さにおけるスライス像を示す。これから、大きなメソ細孔は小さなトンネル(穴)によって互いに連通されていることが証明される。隣同士のメソケージ間の距離は約15nmであり、これはXRDで測定された元の鋳型であるLLCの周期と一致するものである。
【0023】
1.0M硫酸溶液中におけるメソポーラスなPtのサイクリック・ボルタモグラム(図5)は、きれいなPt表面であることを証明する典型的特徴を示している。電位−0.09〜0.06V(対Ag/AgCl)での三つの陰極ピークは、Ptの多結晶性質の電位と一致する。水素の単層は吸着電荷210μC/cmに対応すると仮定すれば、電気化学的に活性なPtの表面積は、約74m/gと評価できる。この値は、互いに繋がらずによく分散したナノ粒子(3nmの大きさを想定)で粗く計算した約93m/gの値に近く、これは内部の大きなメソ細孔も電気化学的に活性に働いていることの証明である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1における、ジブロックコポリマーを含むLLCフィルム(Pt堆積前)の低角XRD測定パターン。
【図2】実施例1で得られた大細孔径メソポーラス白金膜のSEM像で、(a)は低倍率のもの、(b)は高倍率のもの。
【図3】実施例1で得られた大細孔径メソポーラス白金膜のTEM像で、(上左)は低倍率のものであり、(上右)は50nm領域のEDパターン、(下左、下右)は各々高倍率のTEM像。
【図4】(a)は実施例1で得られた大細孔径メソポーラス白金膜のSF−STEM像、(b)は3Dトモグラフィー像、(c)は(b)で示す切断線で水平に切ったスライス像。
【図5】実施例1で得られた大細孔径メソポーラス白金膜の1.0M硫酸溶液中における300mV/sでのサイクリック・ボルタモグラム。Ha:水素吸着、Hd:水素脱着、Oa:Pt−Oの形成、Od:白金酸化物の還元。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程を含むことを特徴とする、均一な孔大きさを有する大細孔径メソポーラス金属の製造方法。
(1)大きさ(粒径)が5nm〜50nmの範囲内で、しかも均一な大きさのリオトロピック液晶を形成できる界面活性剤と、水溶性金属塩と、揮発性有機溶媒と、水とを、混合する(前駆体溶液の調製);
(2)前記前駆体溶液から揮発性有機溶媒を優先的に揮散させて、大きさ(粒径)が5nm〜50nmの範囲内で、しかも均一な大きさのリオトロピック液晶を形成させる;
(3)これを還元処理して、前記リオトロピック液晶の周囲に金属を析出させる;
(4)更に水性溶媒で処理してリオトロピック液晶を洗い去り、空隙を形成させる。
【請求項2】
均一な孔大きさを有する大細孔径メソポーラス金属であって、その孔径の平均値は5nm〜50nmの範囲内、その孔径の変動係数(標準偏差/平均値×100)は30%以下であるメソポーラス金属。
【請求項3】
金属は白金である、請求項2に記載のメソポーラス金属。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−280892(P2009−280892A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137184(P2008−137184)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【出願人】(390001421)学校法人早稲田大学 (14)
【Fターム(参考)】