説明

埋め込み可能な心臓コントロール方法

【解決手段】心臓コントロールを調節する方法および装置が提供される。本方法は,身体の器官の機能を表す,記憶領域からの波形を選択することを含む。選択された波形は処理部材に伝送され,その処理部材は,内部または外部から身体に直接接触させるもので,心臓コントロールを調節するために,身体の内の心臓コントロール統制領域に波形を一斉に知らせるものである。コントロール・モジュールは,選択され処理部材に伝送される波形を含み,コンピュータの記憶部は,波形の記憶および操作のために設けられる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は,“移植可能な心臓コントロール方法”と題する,2003年3月10日出願の米国出願第60/453,267号に基づく。
【0002】
豪州の医者および物理学者が,新生児の心臓を,皮膚上の電極および新生児の心臓に突き刺した針状電極でもって回復したことが報告された。それは最初にうまくいった除細動の試みであった。1932年,アルバート・ハイマン(ニューヨークの心臓内科医)は,低体温の患者を一時的に電気的にシミュレートし,患者にショックを与えるように自ら設計した装置に対して,“ペースメーカー”という言葉を作った。1947年には,オハイオ州,クリーブランドの大学病院で,外科医,クラウド・エス・ベックは,14歳の少年に対して,深刻な胸郭の変形を修正するために,実験的な除細動装置を使用した。胸郭が再生した後,胸壁部を縫合したとき,患者の心臓は細動し始めた。ベック医師は,細動している心臓を露出するために再度開胸した。医師は,ふたつの電極を使用して,心臓に1500ボルトの交流電流でショックを与えた。少年は回復した。
【0003】
1950年,ボストン,マサチューセッツの医師、ポール・ゾールが,装置が心臓を一時的にコントロールすることができるように,電線を皮膚を貫通して心臓に至らしめた時から,心臓の除細動を行うため,歩調取りのために電気的手段を使用する分野がはじまった。ベック医師により使用された交流電流ではなく,直流電流がゾール医師により使用された。皮膚を貫通する電線のまわりにおける感染症がゾール医師の装置の使用を長い間,妨げていた。ゾールは,ゾール・メディカル・コーポレイションを設立し,外部からのペースメーカー,除細動のための手段を多数開発し,使用に提供した。それらの多くは,単純な高電圧波形を使用しており,どのモデルも自然のコードを使用していない。
【0004】
1957年,シー・ウォルトン・リレヘイとアール・ベッケンは,バッテリー式の装置(これは,心臓の上の皮膚または皮膚から心臓に至る二つの電極をもつ)を保持するスリングをもつ着用式ペースメーカーを開発した。1958年,スエーデン,ストックホルムのカロリンスカ研究所で,アーン・ラーセンという名の患者が,最初の埋め込み式ペースメーカーを利用した。耐久性は数日程度のもの,数週間程度のものであった。発明家,ルーン・エルクビストはLarsonの心拍を維持する改良モデルをいくつも発明した。いろいろな製造会社による改良したペースメーカーが埋め込まれ,患者は80歳代まで生きるようになった。すべて,高電圧の不自然な電気的波形を使用していた。
【0005】
今日,多くの企業により製造されている,小さな埋め込み可能なペースメーカー/除細動装置の多くのモデルは,心臓の活動を検知し,ペースおよび除細動の両方のために,心臓への電気的な出力を調節する。体内装置のための電気的信号のすべては直流電流を駆動し,一般的には除細動のために,350ボルトから750ボルトで,最初は低電圧で開始し,連続した三ないし四回のショックの間に増加する。除細動装置の各ショックで,電圧は心臓が応答するまで,またはプログラムが最も高い出力電圧に達するまで増加する。何回かの除細動装置のショックの適用後,心筋に埋め込まれた電極は心臓の筋肉を熱くし,電極の位置を外の領域へと移動させなければならないほど,組織を実質的に焦がす。この電極の移動は,好ましいことではないが,心臓の筋肉を有効な状態にはする。長年,患者は,除細動がうまくいっていると,または全く有効的であるとは思っていない。
【0006】
歩調取り(pacing)は,他の心臓が確実な脈拍を維持するためにより強烈なショックを必要な状態で,ペースメーカーが比較的低電圧にしたがって,ある心臓を刺激するために低電圧を使用する場合は,多少複雑である。表面上は,埋め込み可能なペースメーカーは約5から44ボルトを伝えることができる変化範囲でプログラム可能である。しかし,電圧または電流の実際に伝えるレベルがどうであるか,製造会社の主張からは不明である。これら装置の全ては,心臓を自然に操作する実際の信号に似ていない単純な電気的波形を使用する。歩調取りのレートを制御する自然の信号の全ては1ボルトに満たない。インピーダンスや電流もまた一役を買うことから電圧が全てではない。最新の市販ペースメーカーでは,アンペア数で示した電流は自然の電流よりも非常に高い。自然のアンペア数は,神経といっているニューロンの信号を生成するストリングでは,ミリまたはマイクロアンペアのオーダーである。
【0007】
一般に,医療用製品の製造会社は,埋め込み可能な心臓処理装置を操作する電流および電圧データを保護している。製造会社が,公的機関,医療専門家が電圧および電流のレベルの詳細を知らないことを望んでいる。市販の埋め込み可能な除細動装置/ペースメーカーで使用されている波形は単純なもので,人間や動物の心臓血管システムでの,実際の神経コード化信号と似ていない。胸部埋め込み可能な除細動装置の波形は,非減衰コンデンサー放電波形,または臨界的な減衰コンデンサー放電(Edmark)もしくは低減衰コンデンサー放電(Lown)タイプである。これらの波形のどれも,生命の開始から,自然に心臓の働きを操作し,統制する自然の神経コード化信号と似ていない。
【0008】
本発明は心臓のコントロール,特に埋め込み可能な装置により除細動,歩調取りおよび心臓麻痺のコントロールに関する。
【0009】
心臓の不整脈を処置する既存の装置は,患者に怪我をさせかねない(現実にしばしは起こる)高電圧を必要とする。本発明は低電圧を可能とし,患者に怪我を負わすリスクを顕著に減らすものである。たとえば,細胞組織または他のバリアーを通しての実際のコードを進める電圧は,7ボルト程度であってもよいが,実際のコードは,1ボルト未満の範囲で,典型的に心臓または心臓を制御する神経により受信される。
【0010】
不整脈が心臓の異常な電気的な収縮である。特別な不整脈にはつぎのものがある。心停止(脈拍がない。モニターの線が平坦となる。),除脈(脈拍がゆっくりで,一分間で60回未満。),頻脈(脈拍が早く,一分間で100回を越える。),細動(心臓が切り替わり,急激に振動し,ポンプ作用が十分には働かず,命にかかわる無秩序な状態)
【0011】
細動の間,循環する血液がなく,人,動物の体の全てのシステムが危険な状態にある。細動がチェックされず長く続くと,死に至る。細動は,一分経過するごとに,生存が10%減少し,10分では殆ど死ぬ。細動の間,心臓の電気的システムは乱れ,異常なものとなる。正常なリズミカルな脈動は全体として失われる。生命にかかわる厳しい状態となる。呼吸が異常になり,電気的な破綻が始まると,停止する。直後に,不十分な血流のために,器官,細胞組織が酸欠状態となり,細胞が死に始める。脳,心臓の筋肉の酸素不足は危険な状態となり,ついには体全体が死に始める。その時点,心臓の細動は可逆的でなく,人間,動物の死となる。細動を停止させ,同じレベルの心臓の収縮を再開させ,回復させて,体全体に適切に酸素を供給することが重要である。
【0012】
今日,典型的に,二つの手持ち式のパドルでショックを伝える電子的な除細動装置により,細動を処置している。このプロセスは,テレビの医療番組で映し出している,体全体がジャンプするようなショックと似ている。このショックは外部除細動に対しては約1,800から600ボルト,内部除細動に対しては310から750ボルトのショックである。このような強烈な電気ショックが繰り返して使用されると,神経システムにダメージを与えかねず,患者が生きていても障害が残りかねない。よくある誤解は,除細動装置が心臓の拍動を止まった状態にするということである。実際,除細動装置は,振動する心臓を停止し,常にではないが心臓はゆっくりとした拍動(除脈)を再開する。患者を病院に搬送する間,救命救急士は,心臓を促進するために薬剤を使用し,さらに/または救急用外部ペースメーカーを管理することができる。
【0013】
筋電図検査の分野では,単相,二相,三相のスパイク(通常振幅が25から100マイクロボルト,持続期間が2ミリ秒以下)により影響を受けた心臓の筋肉について,細動が視覚モニターでグラフ表示される。この表示は,心臓の筋肉(心筋)繊維の不調和な収縮を表す。このことは,機能の低下,危険な状態を示し,心臓の脈拍を安定化し,または回復するように,電気的な手段の適用および酸素および心臓薬剤の投与を必要とする。心臓発作の患者のおそらく40%が救命救急士が到着するとき,細動状態にある。他の40%が除脈,頻脈または心停止状態にある。他の20%は,心臓の血管が詰まり,出血し,または心臓の電気的な機能に関連していない他の状態にある。
【0014】
身体の個々の器官の全ては電気化学的状態にあり,それぞれの機能を果たすために約1ボルトに基づいて働いている。確かに,一生の間に約十億回収縮する心筋(心臓の筋肉収縮体)の活動もまた,約1ボルトの電気を使用して,血液へのポンプ作用を実行している。各拍動は,心臓の四つの室から血液を圧搾し,つぎのサイクルの間,血液の細充填を受け入れる,連続した心筋の収縮活動である。
【0015】
心臓は,血管の全ネットワークにわたって,酸素を豊富にもつ血液を循環させるための機能をもち,動脈と静脈とから成る,閉じたシステムに関連するポンプである。酸素を豊富にもつ血液は,赤血球といわれる細胞に酸素が豊富に取り込むと赤くなる。血液は,二酸化炭素(CO2),老廃物が赤い細胞に取り込まれると青く(“青い細胞”)なる。戻ってきた青い血液は,CO2および他のガス状の老廃物を放出するために肺へと送り込まれる。赤い細胞は酸素を直ちに摂取し,心臓を経て血管へと送り込まれ,このことが周期的に繰り返される。
【0016】
救命救急士が心臓発作の患者の現場に到着したとき,出くわす細動,振動を停止するために,従来の医療上の電気適用では,電圧は1,800から5,600ボルト,電流は27から75アンペアである。心臓に到達する実際の電圧,電流は人,動物の体の抵抗,体への電極の接触の完全さによりオームの法則の下,変化する。オームの法則は,電圧は電流(I)と抵抗(R)の積に等しいこと,すなわちV=IRであることを示す。電極の下の皮膚の水和作用もまた,電気を使った治療の効率を良くするように働く。生きている細胞組織の水和作用に依存して,体の抵抗は約50から150オームである。しかし,乾燥した肌の最も外側の薄い層は1,000から30,000オームまたはそれ以上である。高い電圧は,その皮膚の層を通して壊す。明らかに,細胞組織は金属製電線と比べてよい導電体ではない。しかし,人,動物の体のイオン化性のため,筒底の波形を生成し,生物の細胞組織に入り,効果をもたらすことは可能である。外部除細動装置の設計者は,50オームの抵抗の負荷を予測しているが,それは多少より高いことは知っている。内部埋め込み可能な除細動装置/ペースメーカーは皮膚の内側の非常に伝導性の高いところで動作する。
【0017】
一般的な認識にもかかわらず,心臓の欠陥で倒れた人の多くは救命救急士の到着が間に合っていないことである。早期の除細動を受けて生きている人々も心肺機能蘇生(CPR)プロセスからまたは胸部へ適用される高電圧エネルギーにより障害が残る。開胸しない胸部への,1,800から5,600ボルトの範囲にある電圧の使用はリスクのあるものである。患者と完全に接触を絶たなければならず,自ら感電死の危険性のある医療関係者もリスクがある。患者は,体全体で大きなショックに耐えなければならず,末梢神経が焦げるリスク,器官やシステムに損傷を受けるリスクもある。このような大きな電圧によるショックが医療として行われても,心臓発作の患者のわずかなものしか助からないという問題がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は心臓の歩調取り(pacing)を調整する方法を提供する。体内で形成され,伝達される波形を表す,記憶された波形が記憶領域から選択される。選択された波形はつぎに,身体と直接接触する処理部材に伝えられる。処理部材はつぎに,体の器官に選択された波形を一斉に知らせる。
【0019】
波形は科学コンピュータのようなコンピュータの記憶領域から選択されてもよい。選択された波形の伝送プロセスは遠隔的に行っても,あるいはコントロール・モジュールに接続された処理部材でもって行ってもよい。伝送は振動によるもの,電子的によるもの,または他の適切な方法によってもよい。
【0020】
本発明はさらに,心臓の歩調取りを調整する装置を提供する。本装置は,身体の機能を示す,集められた波形源と,身体に直接接触するように形成された処理部材,処理部材に集められた波形を伝送する手段,および処理部材から身体の器官へ,集められた波形を一斉に知らせる手段を含む。
【0021】
伝送手段はデジタル・アナログ変換器を含んでもよい。集められた波形源は好適に,デジタル形式で記憶された,集められた波形を有するコンピュータからなる。コンピュータは,いろいろなカテゴリーの,集められた波形のために個々の記憶領域を含むでもよい。
【0022】
処理部材は,アンテナもしくは電極,またはひとつ以上の波形を身体に一斉に知らせる他の手段からなってもよい。処理部材は身体内に埋め込み可能である。
【0023】
本発明の好適な実施例が図面に関連して記述した説明において詳細に説明されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の原理の理解のために,図に示した実施例が参照される。しかし,本発明の範囲を制限するためのものと理解すべきではなく,図示の装置の変形,変更,本発明の原理の適用例が,当業者であれば考え得る。
【0025】
本発明は心臓システムを自然に動作させる実際の神経コード化信号を利用する,埋め込み可能で電池式の心臓処理装置を提供する。
【0026】
本発明は心臓の不整脈(異常な電気的な収縮)を処理する方法である。本方法は,寿命にわたって心臓を動作させ調整する実際の神経信号を使用する。このことは,除細動,頻脈,除脈その他の電気的な乱れに対する態様を含む。本方法はまた,心停止(ある種の組織的な脈拍がない)を再開するのに有用である。
【0027】
埋め込み可能な電極または検知装置のための取り付け点は,右心房に血液を与える大静脈の基部に近くに位置する心筋(心臓の筋肉)上の洞結節(sinus node)を含む。他の取り付け点は心筋内に位置するHisの神経束および房室結節(atrioventricular node)であってもよい。
【0028】
埋め込み可能な方法のために更に重要な電気的接続は,首のところにある頸動脈分岐領域である。自然のコード化信号を送るための接続が頸動脈体および頸動脈洞構造(この構造から出て,脳幹内の延髄命令運動介在ニューロンに至る求心神経の連結部を含んでもよい)で必要となる。
【0029】
埋め込み可能な装置への接続は代わりとして,あるいはそれもまた脳橋および脳幹の延髄のレベルでなされてもよい。これらの接続のひとつは吻状腹側両面延髄の前交感神経性の血管運動神経のところでなされても。他の接続は孤束核のところでなされてもよく,また延髄に位置してもよい。埋め込み可能な処理装置への接続は,選択された迷走脳神経(延髄から胸部と通っていく)の求心性または遠心性繊維または領域でなされてもよい。埋め込み可能な装置のニューロコードプログラミングは心臓を処理または調整するのに必要な信号のセットを提供する。
【0030】
ここで開示する本発明は,現在の状況を解明にすべく(明らかにする)神経信号を処理するため,そして患者のために心臓コントロールを変更すべく新たな指示を伝送するために,波形受信器および発生器を含む。本発明は心臓の統制に関連して内分泌および神経入力を調節することができる。本発明は,最初薬剤と協力して働くことを意味するが,しかし本発明は,前もって決められた薬剤を,処理の相様として減らし,またはなくすという方向に基本的な心臓歩調取りをセットし直すことを可能とする。
【0031】
本発明は電気的な波形により心臓コントロールを調整する装置および方法の両方を包含する。図1に示されているように,電気的な波形により心臓コントロールを調節するために使用される一態様の装置10は,少なくともひとつの処理部材12,およびコントロール・モジュール14を含む。本発明で使用される装置は,特許文献1(2003年1月20日に発行された“電気的な波形により血圧を調節する方法”と題する米国特許)に開示されている。
【特許文献1】米国特許第6,681,136号明細書
【0032】
図2に示され,特許文献1に詳説されている装置10の他の実施例において,コントロール・モジュール14’および処理部材12’が接続されている。図面において,同じ部材については同じ符号が付されている。さらに,図2は,コンピュータ20(波形信号を記憶することができる)に接続されている他の実施例の装置10’を示す。コンピュータ20は,複雑で,各器官,器官の機能特有の,唯一の波形信号を記憶するために使用される。
【0033】
本発明はさらに,図3に示されているように,電気的波形により心臓コントロールを調節するための装置10,10’を使用する方法を含む。本方法は,図4に示されているように,心臓統制領域40(耳42のところのあご44の角部から鎖骨切痕46(鎖骨46が胸骨48に出合うところ)に至る間の頸動脈小体および頸動脈洞のまわりの領域を含む)上に処理部材12,12’を配置する工程から始まる。また,心臓コントロール統制領域40は大動脈弓に接続した適切な求心性または遠心性神経を含んでもよい。処理部材12,12’が工程32で,ターゲットの領域40に配置されると,ひとつ以上の,記憶されていた電気的な波形が波形信号の一覧メニューから選択される。
【0034】
波形信号およびその形成は,特許文献2(2001年11月20日に出願された“身体の器官の機能を調節するための特定の脳波形を記録し,記憶し,一斉に知らせる装置および方法”と題する米国出願,ここの参考文献として組み込まれる)に詳説されている。この文献は,人間または動物の心臓歩調取りついて,作用する代表的なタイプの波形を含む。上記文献の出願の仮出願に示された波形または波形の一部の組み合わせが脳の延髄橋領域から発する神経細胞回路とともに作用する信号の種類を表す。これら波形は,心臓の歩調取りの微調整またはコントロールに機能する求心性神経または遠心性神経を調節するために使用される。これら波形は,特許文献2に詳説されているように,心臓歩調取りを調節するための脳幹構造により自然に形成されるものと似ている。
【特許文献2】米国特許出願第10/000,0005号明細書
【0035】
一度選択されると,波形信号は,身体の心臓歩調取りの調節に関する特定の機能を遂行するために工程34において,調整されてもよい。実際の調整は,本発明の範囲外である。また,波形信号を調整する必要がないと決定されると,工程34は工程36へ直ちに進む。工程36では,波形信号は装置10,10’の処理部材12,12’に伝送される。
【0036】
波形信号を受信すると,処理部材12,12’は,工程38で,ターゲットの領域40に波形信号を一斉に知らせる。処理部材12,12’は従前のものでもよく,唯一の波形信号を伝送するために特に開発されたものでもよい。装置10,10’はターゲットの領域40へ電気的な信号を伝導または一斉知らせにより心臓歩調取りを調節するために適切な波形信号を利用する。
【0037】
本発明の一実施例では,処理部材12,12’による一斉知らせのプロセスは,損傷のない皮膚を通してターゲットの領域40へ直接伝導または伝送により達成される。ターゲットの領域40はほぼ,信号が入る神経または神経叢に近い位置である。処理部材12,12’は,ターゲットの神経に信号を伝達することができるターゲットの領域40と接触させられる。
【0038】
本発明の他の実施例では,波形の一斉知らせのプロセスは,受信神経または神経叢に電極を接続して直接伝導することにより実行される。このことは,選択された,ターゲットの神経に電極を物理的に接続することを必要とする外科的な処理を必要とする。
【0039】
さらに,本発明の他の実施例では,一斉知らせは,振動形式で波形を伝達すること(適切な神経が振動信号をコード化して指示を受信し従うことができるようにして,ターゲットの領域40に送られる)により実行される。処理部材12,12’は伝送を補助するために電極伝導性ジェルまたはペースト媒体を使用して,損傷のない皮膚に押し付けられる。
【0040】
本発明のいろいろな特徴は特に,本発明の図示の例に関連して説明されている。しかし,これら方法および装置は図示のためであり,本発明は特許請求の範囲内で解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は本発明にしたがった方法を実施する装置の一態様の略示ブロック図である。
【図2】図2は本発明にしたがった方法を実施する装置の他の態様の略示ブロック図である。
【図3】図3は本発明にしたがった方法のフローチャートである。
【図4】図4は本発明により処理された,心臓歩調取りの統制領域の一つの略示ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓コントロールを調節するための方法であって,
a. 身体で形成され,身体の神経細胞により伝えられる波形を表すひとつ以上の波形を,記憶領域から選択する工程と,
b. 選択された波形を,身体に接触する処理部材に伝送または伝導する工程と,
c. 処理部材からの選択された波形を身体の心臓の統制領域に一斉に知らせる工程と,
を含む方法。
【請求項2】
前記工程aがさらに,前記波形をコンピュータの記憶領域から選択することを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程bがさらに,選択された波形を,処理部材に遠隔的に伝送する工程を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記工程bがさらに,選択された波形の振動による伝送を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記工程bの処理部材が身体内に埋め込まれる,請求項1に記載の方法。
【請求項6】
心臓コントロールを調節する装置であって,
a. 身体の器官の機能を示す,収集された波形源と,
b. 身体に直接接触するように形成された処理部材と,
c. 収集された波形のひとつ以上を処理部材に伝送する手段と,
d. 心臓コントロールを調節するために,処理部材からの収集された波形を血圧統制領域に一斉に知らせる手段と,
を含む装置。
【請求項7】
前記伝送手段がデジタル・アナログ変換器を含む,請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記波形源が,収集された波形をデジタル形式で記憶するコンピュータを含む,請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記コンピュータは,種々の心臓コントロール機能カテゴリーの波形を収集する別個の領域を含む,請求項7に記載の装置。
【請求項10】
処理部材が心臓コントロール信号を一斉に知らせるアンテナを含む,請求項5に記載の装置。
【請求項11】
処理部材が電極である,請求項5に記載の装置。
【請求項12】
処理部材が身体内に埋め込まれる,請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−524432(P2007−524432A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507080(P2006−507080)
【出願日】平成16年3月10日(2004.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/007443
【国際公開番号】WO2004/080530
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505310367)サイエンス・メディカス・インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】SCIENCE MEDICUS, INC.
【住所又は居所原語表記】539 Oliver Ross Drive NW,Albuquerque,NM 87121 U.S.A.
【Fターム(参考)】