培養物管理システム
【課題】提供者の情報と培養物との関連付けを確実に行うことが可能な培養物管理システムを提供する。
【解決手段】培養物を収容した培養容器と、培養容器に貼付され、培養物あるいは培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、識別情報を読み取る読取手段と、培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、取得した生体情報と読み取った識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてデータベースに記憶するデータベース記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】培養物を収容した培養容器と、培養容器に貼付され、培養物あるいは培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、識別情報を読み取る読取手段と、培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、取得した生体情報と読み取った識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてデータベースに記憶するデータベース記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人工的に培養した細胞や組織を用いて、病気や怪我などによって失われた臓器や組織を修復・再生する医療である再生医療は、従来の治療法では十分な治療ができなかった疾患に対して、治療の選択肢を広げるという意味で大いに期待されている。
【0003】
例えば、関節軟骨を損傷した患者から関節鏡手術で少量の軟骨組織を採取し、軟骨細胞を培養した後、患者自身の軟骨欠損部へ移植する治療方法は、再生医療を軟骨治療に応用したもので、交通事故による外傷やスポーツによるケガ、変形性関節症などの軟骨損傷に対する根本的な治療の可能性を示している。
【0004】
ところで、上述した試みを実現しようとした場合、細胞や組織が十分に増殖するまでには、数々の培養工程,検査を経る必要がある。また、当然のことながら、培養した骨芽細胞は、その骨芽細胞を形成する元となった骨髄の提供者である患者へ戻す必要がある。したがって、常に各培養細胞がどの患者のものであるかを厳格に管理することが必要となる。
【0005】
そこで、常に、培養細胞とその細胞の提供者との関連付けを正確かつ簡易に管理するとともに、培養細胞と患者との照合を迅速に行うために、幹細胞を含む細胞を固有の識別情報が付された搬入容器に収容して搬入し、搬入された細胞を固有の識別情報が付された培養容器に移し替えて培養し、培養した細胞を固有の識別情報が付された搬出容器に移し替えて搬出する細胞培養システムにおいて、容器を移し替える毎に、移し替え前後の容器に付されているID番号をバーコードリーダから入力して、入力されたID番号を管理サーバ内に設けられているデータベースに互いに関連付けて記憶する細胞培養システムが考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−000119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構成では、容器に貼付されたバーコードに水滴が付着すると、読み取りを正しく行うことができないという問題がある。また、バーコードリーダに容器(すなわちバーコード)をかざさなければならないという問題もある。さらに、容器を移し替えたときに、バーコードの読み取りミスが発生する可能性もある。
【0008】
また、容器に付されているID番号(すなわちバーコード)を管理サーバ内に設けられているデータベースに互いに関連付けて記憶する方法では、培養物(培養細胞)とその細胞の提供者(例えば患者)の氏名やカルテ番号等を含む患者情報とを関連付ける際、患者情報の入力は手作業となるため、入力間違いが起きる可能性がある。また、患者に意識がないときには、患者の確認が難航することもある。さらに、患者情報を診察券から読み取る方法もあるが、写真入りの診察券があったとしても、入力間違いが起きる可能性は少なからずある。
【0009】
上記問題を背景として、本発明の課題は、提供者の情報と培養物との関連付けを確実に行うことが可能な培養物管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の培養物管理システムは、培養物を収容した培養容器と、培養容器に貼付され、培養物あるいは培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、識別情報を読み取る読取手段と、培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、取得した生体情報と読み取った識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてデータベースに記憶するデータベース記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成によって、培養容器に貼付されたRFIDラベルに記憶された識別情報と、培養物の提供者(例えば患者)の生体情報とが関連付けられてデータベースに記憶されるので、提供者の情報を手入力する工程を省くことができ、提供者を間違えて登録することを防止できる。また、RFIDラベルを用いることで、ラベルに水滴が付着しても、読み取りを正しく行うことができるという利点がある。また、提供者の生体情報を取得する際には、当然のことながら、提供者が目の前にいるので、入力間違いを起こす確率は格段に低くなる。
【0012】
また、本発明の培養物管理システムは、識別情報として、RFIDチップに割り当てられているユニークコードを用いる。
【0013】
RFIDチップには、世界で唯一のコード(すなわちユニークコード)が記憶されている。上記構成によって、新たに識別情報を設定・登録しなくても、培養物を識別・管理することができる。
【0014】
また、本発明の培養物管理システムは、培養物を複数個の培養容器に分割する際、読取手段は、複数個の培養容器に貼付されるRFIDラベルに含まれるRFIDチップに記憶された識別情報を読み取り、データベース記憶手段は、読み取った識別情報と分割の対象となる培養物に対応する生体情報とを関連付けて、データベースに追加記憶する。
【0015】
上記構成によって、培養物を複数個の培養容器に分割し、培養容器が増加しても、培養容器(培養物)の管理を確実に行うことができる。
【0016】
また、本発明の培養物管理システムは、培養物の提供者を特定する提供者情報を取得する提供者情報取得手段を備え、データベース記憶手段は、提供者情報を培養物管理情報に含めてデータベースに記憶する。
【0017】
上記構成によって、識別情報,生体情報に加えて提供者情報を培養物管理情報に含めることで、さらに確実に培養容器(培養物)の管理を行うことができる。この場合、手入力を行う工程が発生しても、生体情報によって提供者が特定されている(提供者が目の前にいる)ので、入力間違いを起こす確率は格段に低くなる。
【0018】
また、本発明の培養物管理システムは、読取手段によりRFIDチップから読み取られた識別情報に基づいて、データベース上の培養物管理情報を検索し、RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者を特定する提供者特定手段を備える。
【0019】
提供者の確認をする場合、提供者に意識がない等の理由で、提供者が問いかけに答えられない状況も考えられる。上記構成によって、提供者や培養容器の取り違えを防止することができる。
【0020】
また、本発明の培養物管理システムは、読取手段によりRFIDチップから読み取られた識別情報と、生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とに基づいて、データベース上の培養物管理情報を検索し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える。
【0021】
上記構成によって、さらに確実に、提供者や培養容器の取り違えを防止することができる。
【0022】
また、上記の課題を解決するために、本発明の培養物管理システムは、培養物を収容した培養容器と、培養容器に貼付され、培養物あるいは培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、取得した生体情報と読み取った識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてRFIDチップに記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
上記構成によって、データベースを必要とすることなく、培養物管理情報を記憶することができ、低コストで本発明の構成を実現することが可能となる。
【0024】
また、本発明の培養物管理システムは、RFIDチップに記憶された生体情報を読み取る読取手段を備え、RFIDチップから読み取られた生体情報と、生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とを照合し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える。
【0025】
上記構成によって、ネットワークやホストコンピュータ等のインフラを必要とすることなく、例えば医療現場において、患者や培養容器の取り違えを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】培養物管理システムの構成例を示す図。
【図2】培養容器の構成を示す図。
【図3】培養物管理情報登録処理を説明するフロー図。
【図4】培養物管理情報登録時の表示例を示す図。
【図5】ホストコンピュータのデータベースにおける培養物管理情報の記憶内容の一例を示す図。
【図6】培養物を分割した場合の培養物管理について説明する図。
【図7】培養物分割時の培養物管理情報追加処理を説明するフロー図。
【図8】追加する培養容器に貼付するRFIDラベルの識別情報を読み取ったときの表示例を示す図。
【図9】培養物管理情報検索処理を説明するフロー図。
【図10】培養物管理情報登録処理の別例を説明するフロー図。
【図11】培養物管理情報照合処理を説明するフロー図。
【図12】検索あるいは照合が一致したときの表示例を示す図。
【図13】検索あるいは照合が一致しなかったときの表示例を示す図。
【図14】ICチップに書き込まれた培養物管理情報の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1に、本発明に係る培養物管理システムの構成図を示す。培養物管理システム1は、通信可能にネットワーク接続された端末10およびホストコンピュータ20を主な要素として構成される。なお、本実施例では、提供者を「患者」と表記することもある。
【0028】
端末10は、例えばパーソナルコンピュータとして構成され、LCD表示器等の表示部10a,キーボード等の入力部10b,ハードディスク装置(HDD)10c等の記憶媒体,およびこれらを制御する制御部10dを含む。PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)のような他の情報通信端末を用いてもよい。端末10には、生体情報読取部11,提供者情報読取部12,RFIDリーダ/ライタ13が接続されている。なお、制御部10dが本発明の提供者特定手段,患者判定手段に相当する。また、入力部10bが本発明の提供者情報取得手段に相当する。
【0029】
生体情報読取部11は、培養物の提供者である患者を特定するためのもので、以下のうちの少なくとも一つを用いる。なお、生体情報読取部11が本発明の生体情報取得手段に相当する。
・指紋:周知の指紋センサで、提供者の指紋を読み取り、読み取った情報を患者の生体情報として記憶する。
・静脈:赤外線カメラにより提供者の手や指を撮影し、掌,手の甲,あるいは指の静脈のパターンを抽出し、抽出した情報を患者の生体情報として記憶する。
・虹彩:カメラにより眼球を撮影し、虹彩のパターンを抽出し、抽出した情報を患者の生体情報として記憶する。
・網膜:カメラにより眼球を撮影し、目の網膜の毛細血管のパターンを抽出し、抽出した情報を患者の生体情報として記憶する。
・顔:カメラにより顔を撮影し、顔の形や目鼻などの位置関係を示す特徴的な点や輪郭線等を画像認識技術により抽出し、特徴点間の距離や角度、輪郭線の曲率等や、顔表面の色や濃淡等の特徴量を患者の生体情報として記憶する。
・音声:マイクから入力された音声信号を、時間と周波数の分布で表したサウンドスペクトログラムあるいはこれと等価な情報を持ったパターンに変換し、それを患者の生体情報として記憶する。
【0030】
提供者情報読取部12は、例えば磁気カードリーダ,ICカードリーダ,あるいはカルテに貼付されたバーコードの内容を読み取るバーコードリーダのうちの1つ以上を含んで構成される。近年、診察券やカルテの電子化が進み、磁気カードやICカードに患者の氏名等が記憶されている。また、バーコードは、診察券やカルテに印刷され、患者(すなわち提供者)を特定できるようになっている。これら磁気カード,ICカード,バーコードの情報(すなわち提供者情報)を読み取って、端末10で一時記憶する。なお、提供者情報読取部12が本発明の提供者情報取得手段に相当する。
【0031】
上述の方法の他に、端末10の入力部10bから患者の情報を入力してもよい。
【0032】
読み取った提供者情報を基に、端末10で所定の操作を行うことで、端末10あるいは他の情報処理装置に含まれる患者情報データベースを検索し、その検索結果を提供者情報に含めてもよい。この方法で、磁気カード,ICカード,バーコードには患者の氏名のみしか記憶されてない場合でも、ホストコンピュータ20から培養およびその後の培養物を用いた治療に必要な情報(付加情報)を取得して、提供者情報に含めることができる。また、電子化された診察券には、患者の氏名の他に、身長,体重,血液型,病歴等の情報も記憶されるようになりつつある。これらの情報を付加情報として読み取って提供者情報に含めてもよい。
【0033】
なお、提供者情報は、カルテ番号や診察券番号のみでも患者を特定するためには十分であるが、上述の付加情報が含まれている方がより正確に患者を特定することができる。
【0034】
RFIDリーダ/ライタ13は、培養容器40(図2参照)に貼付されるRFIDラベル30との間でデータ通信を行うためのもので、図示しない周知のRFID通信部(送信部/受信部),全体を制御する制御部,端末10とのデータの遣り取りを行う通信I/F(インターフェース)を含んで構成される。また、培養物管理システム1の構成によっては、RFIDリーダとしての機能のみを有するものとしてもよい。なお、RFIDリーダ/ライタ13が本発明の読取手段,記憶手段に相当する。
【0035】
RFIDラベル30は、周知のICチップであるRFIDチップ31およびアンテナ等の周辺回路(図示せず)を含んで構成される。RFIDチップ31には、動作を制御する制御部31aやRFIDチップ31に割り当てられたユニークコードを記憶する記憶部31bを含んでいる。RFIDリーダ/ライタ13からの電波の照射を受けると、その電波のエネルギーが電気エネルギーに変換されて制御部31aが動作し、RFIDリーダ/ライタ13からの電波に含まれる制御指令に基づいて、記憶部31bからユニークコードを読み出してRFIDリーダ/ライタ13へ送信する。
【0036】
また、記憶部31bが書き換え可能な領域を含む場合には、RFIDリーダ/ライタ13からの電波に含まれる制御指令に基づいて、制御部31aがRFIDリーダ/ライタ13から送信されてきたデータを記憶部31bに書き込むことができる。
【0037】
ホストコンピュータ20は、周知のパーソナルコンピュータあるいはワークステーションとして構成され、HDD等の記憶媒体にデータベース(DB)21が構築されている。このDB21に培養物管理情報が記憶される。なお、ホストコンピュータ20が本発明のデータベース記憶手段に相当する。
【0038】
ホストコンピュータ20と端末10とは、ネットワーク接続されていれば、設置位置に制約はない。例えば、培養物を管理・使用する施設(病院等)にホストコンピュータ20および端末10が設置され、培養物を培養する施設に端末10が設置される。また、端末10内にDB21が構築されていてもよい。
【0039】
図2に培養容器40の構成を示す。培養容器40の内部には、患者から提供された、例えば皮膚,軟骨等の培養物41,培養物41を培養するための培地42が入っている。また、培養容器40の外側の表面には、RFIDラベル30が貼付されている。
【0040】
図3を用いて、生体情報とRFIDチップ31のユニークコード(すなわち識別情報)とを関連付けて、ホストコンピュータ20データベースDBに登録する培養物管理情報登録処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラム(図示せず)に含まれ、制御部10dにより実行される。
【0041】
まず、提供者情報読取部12から、上述のような方法で培養物の提供者の提供者情報(以下、「患者情報」ともいう)を取得する(S11)。取得した患者情報は、表示部10aに表示するとともに、HDD10cに一時記憶する。
【0042】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で患者の生体情報を取得する(S12)。取得した生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0043】
次に、RFIDリーダ/ライタ13により、患者が提供した培養物が入っている培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるRFIDチップ31の記憶部31bから、識別情報を読み取る(S13)。読み取った識別情報は、HDD10cに一時記憶する。また、表示部10aに、どのような生体情報を取得したかを表示してもよい。
【0044】
上述の各情報を取得すると(S14:Yes)、端末10の表示部10aに図4のような画面が表示される。ここで、「登録」ボタンをクリックすると、識別情報に生体情報,患者情報を関連付けて培養物管理情報とし、ホストコンピュータ20へ送り、DB21に登録する(S15)。ホストコンピュータ20では、DB21の培養物管理情報記憶領域に、端末から送られてきた培養物管理情報を記憶する(ホストコンピュータ20に記憶されたアプリケーションプログラムでの処理)。
【0045】
「修正」ボタンをクリックして、識別情報,患者番号生体情報,のいずれかを選択(クリック)すると、該当箇所の再読み込み(修正)を行うことができる。
【0046】
図5に、ホストコンピュータ20のDB21における培養物管理情報の記憶内容の一例を示す。識別情報(右端)に、生体情報と患者番号(例えば診察券番号,カルテ番号でもよい)とが関連付けられて記憶されている。
【0047】
なお、培養物管理情報に、患者情報を含まない構成としてもよい。
【0048】
患者の皮膚を培養する場合、患者の傷病の程度により、多くの皮膚を必要とするときには、培養物を分割して上述の培養容器40から別の培養容器に移しかえる必要がある。この場合の培養物管理について、図6を用いて説明する。図6の例では、最初に患者から提供された培養物41(例えば皮膚)を分割して、別の培養容器45〜48において培養する例を示している。
【0049】
患者(すなわち患者番号)毎に、患者に関する情報が記載された培養物管理シート50が準備され、この培養物管理シート50には1個以上のRFIDラベル35〜38が貼付されている。貼付されるRFIDラベルの数は、患者の傷病の程度(例えば、必要とする培養物の量)により変動する。また、RFIDラベルを新たに追加したり、不要となったRFIDラベルを剥がすこともできる。
【0050】
図7を用いて、培養物分割時の培養物管理情報追加処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラムに含まれ、制御部10dにより実行される。
【0051】
まず、RFIDリーダ/ライタ13により、分割元の培養容器40に貼付されたRFIDチップ31の記憶部31bから、識別情報を読み取る(S91)。読み取った識別情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0052】
次に、読み取った識別情報を検索キーワードとして、ホストコンピュータ20のDB21に含まれる培養物管理情報記憶領域から、該識別情報に対応する培養物管理情報を検索するよう、ホストコンピュータ20に検索要求を送る(S92)。
【0053】
ホストコンピュータ20では、受信した検索要求に基づいて、DB21の培養物管理情報記憶領域を対象として検索を行い、検索結果(すなわち該識別情報に対応する培養物管理情報)を端末10に送る。
【0054】
端末10では、受信した培養物管理情報を、HDD10cに一時記憶する。また、培養物管理情報の内容を表示器10aに表示する(S93)。続いて、追加する培養容器45に貼付するRFIDラベル35の識別情報を読み取る(S94)。図8に、このときの表示器10aの表示画面例を示す。このように,今までに登録されている培養物管理情報の内容に加えて、新たに読み取ったRFIDラベルの識別情報(10101011)が表示される。
【0055】
図8の状態において、「登録」ボタンをクリックすると、新たにみ取ったRFIDラベルの識別情報が、一時記憶されている培養物管理情報に追加され、その内容がホストコンピュータ20に送られて、DB21に今までに登録されている培養物管理情報に追加登録される(S95,図5参照)。そして、RFIDラベル35を培養容器45に貼付する。RFIDラベルを複数読み取るときには、「追加」ボタンをクリックして、次のRFIDラベルを読み取る。
【0056】
培養が完了した培養物を培養施設から例えば医療施設のような培養物を実際に治療等で使用する施設へ搬送・納入する場合、培養物を培養用の容器から納入用の容器へ移し換え、所定の滅菌処理を行ってから納入することがある。このときには、それぞれの培養容器に貼付されているRFIDラベルを、培養用の容器から納入用の容器へ貼り換える。これにより、RFIDラベルの再読込・再登録を行う必要がなくなる。
【0057】
図9を用いて、培養物管理情報検索処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラムに含まれ、10dにより実行される。まず、RFIDリーダ/ライタ13により、培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるRFIDチップ31の記憶部31bから、識別情報を読み取る(S31)。読み取った識別情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0058】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で培養物を提供した患者の生体情報を取得する(S32)。読み取った生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0059】
次に、上述で読み取った識別情報および生体情報を、検索用データとしてホストコンピュータ20へ送る(S33)。ホストコンピュータ20では、端末10から送られた識別情報および生体情報を検索条件とし、この検索条件に合致するものがあるかDB21を検索して、検索結果を端末10へ送る。
【0060】
なお、端末10からホストコンピュータ20へ送る検索用データは、識別情報および生体情報のいずれか一方のみでもよい。
【0061】
端末10では、検索結果に応じて、一致するものがある場合には(S34:Yes)、一致するものがある旨を表示部10aに表示し(S35,図12参照)、一致するものがない場合には(S34:No)、一致するものがない旨を表示部10a表示する(S36,図13参照)。
【0062】
上述の処理において、端末10からホストコンピュータ20へ、検索用データとして識別情報を送り、ホストコンピュータ20で、端末10から送られた識別情報を検索条件とし、この検索条件に合致するものがあるかDB21を検索して、関連付けられている生体情報あるいは患者情報を端末10へ送るようにしてもよい。このとき、図9のステップS35では、生体情報,患者番号(DB21に登録されている場合)が識別情報とともに表示され、ステップS36では、識別情報に関連付けられた生体情報あるいは患者情報が存在しない旨のメッセージが表示される。
【0063】
図10を用いて、図3の培養物管理情報登録処理の別例について説明する。まず、提供者情報読取部12から、上述のような方法で培養物を提供した患者(すなわち提供者)の患者情報(すなわち提供者情報)を取得する(S51)。端末10に含まれるキーボード10b等の入力部から患者情報を入力してもよい。取得した患者情報は、表示部10aに表示するとともに、HDD10cに一時記憶する。
【0064】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で患者の生体情報を取得する(S52)。取得した生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0065】
上述の各情報を取得すると(S53:Yes)、RFIDリーダ/ライタ13により、患者が提供した培養物が入っている培養容器40に貼付されたRFIDラベル30のRFIDチップ31の記憶部31bに、上記で取得した生体情報および患者情報を書き込む(S54)。
【0066】
RFIDチップ31の記憶部31bに書き込む情報は、生体情報のみでもよい。
【0067】
図14に、RFIDチップ31の記憶部31bに書き込まれた情報の一例を示す。図14の例では、生体情報に加えて患者情報も書き込まれている。
【0068】
また、図6のように、培養物41を他の培養容器に分割して培養する場合には、分割元の培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるICチップ31の記憶部31bから生体情報(必要であれば患者情報も)を読み出して、これらの情報を分割先の培養容器に添付されるRFIDラベルのICチップに書き込む。
【0069】
図11を用いて、図10の構成における、培養物管理情報照合処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラムに含まれ、端末10の制御部10dにより実行される。まず、RFIDリーダ/ライタ13により、培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるRFIDチップ31の記憶部31bから、生体情報を取得する(S71)。読み取った生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0070】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で培養物を提供した患者の生体情報を取得する(S72)。読み取った生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0071】
次に、RFIDチップ31の記憶部31bから取得した生体情報と、生体情報読取部11から取得した生体情報とを照合する(S73)。照合の結果、両者が一致したときには(S74:Yes)、一致した旨を表示部10aに表示し(S75,図12参照)、一致しない場合には(S74:No)、一致しない旨を表示部10a表示する(S76,図13参照)。
【0072】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 培養物管理システム
10 端末
10b 入力部(提供者情報取得手段)
10d 制御部(提供者特定手段,患者判定手段)
11 生体情報読取部(生体情報取得手段)
12 提供者情報読取部(提供者情報取得手段)
13 RFIDリーダ/ライタ(読取手段,記憶手段)
20 ホストコンピュータ(データベース記憶手段)
21 データベース(DB)
30 RFIDラベル
31 RFIDチップ
31b 記憶部
40 培養容器
41 培養物
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人工的に培養した細胞や組織を用いて、病気や怪我などによって失われた臓器や組織を修復・再生する医療である再生医療は、従来の治療法では十分な治療ができなかった疾患に対して、治療の選択肢を広げるという意味で大いに期待されている。
【0003】
例えば、関節軟骨を損傷した患者から関節鏡手術で少量の軟骨組織を採取し、軟骨細胞を培養した後、患者自身の軟骨欠損部へ移植する治療方法は、再生医療を軟骨治療に応用したもので、交通事故による外傷やスポーツによるケガ、変形性関節症などの軟骨損傷に対する根本的な治療の可能性を示している。
【0004】
ところで、上述した試みを実現しようとした場合、細胞や組織が十分に増殖するまでには、数々の培養工程,検査を経る必要がある。また、当然のことながら、培養した骨芽細胞は、その骨芽細胞を形成する元となった骨髄の提供者である患者へ戻す必要がある。したがって、常に各培養細胞がどの患者のものであるかを厳格に管理することが必要となる。
【0005】
そこで、常に、培養細胞とその細胞の提供者との関連付けを正確かつ簡易に管理するとともに、培養細胞と患者との照合を迅速に行うために、幹細胞を含む細胞を固有の識別情報が付された搬入容器に収容して搬入し、搬入された細胞を固有の識別情報が付された培養容器に移し替えて培養し、培養した細胞を固有の識別情報が付された搬出容器に移し替えて搬出する細胞培養システムにおいて、容器を移し替える毎に、移し替え前後の容器に付されているID番号をバーコードリーダから入力して、入力されたID番号を管理サーバ内に設けられているデータベースに互いに関連付けて記憶する細胞培養システムが考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−000119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構成では、容器に貼付されたバーコードに水滴が付着すると、読み取りを正しく行うことができないという問題がある。また、バーコードリーダに容器(すなわちバーコード)をかざさなければならないという問題もある。さらに、容器を移し替えたときに、バーコードの読み取りミスが発生する可能性もある。
【0008】
また、容器に付されているID番号(すなわちバーコード)を管理サーバ内に設けられているデータベースに互いに関連付けて記憶する方法では、培養物(培養細胞)とその細胞の提供者(例えば患者)の氏名やカルテ番号等を含む患者情報とを関連付ける際、患者情報の入力は手作業となるため、入力間違いが起きる可能性がある。また、患者に意識がないときには、患者の確認が難航することもある。さらに、患者情報を診察券から読み取る方法もあるが、写真入りの診察券があったとしても、入力間違いが起きる可能性は少なからずある。
【0009】
上記問題を背景として、本発明の課題は、提供者の情報と培養物との関連付けを確実に行うことが可能な培養物管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の培養物管理システムは、培養物を収容した培養容器と、培養容器に貼付され、培養物あるいは培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、識別情報を読み取る読取手段と、培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、取得した生体情報と読み取った識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてデータベースに記憶するデータベース記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成によって、培養容器に貼付されたRFIDラベルに記憶された識別情報と、培養物の提供者(例えば患者)の生体情報とが関連付けられてデータベースに記憶されるので、提供者の情報を手入力する工程を省くことができ、提供者を間違えて登録することを防止できる。また、RFIDラベルを用いることで、ラベルに水滴が付着しても、読み取りを正しく行うことができるという利点がある。また、提供者の生体情報を取得する際には、当然のことながら、提供者が目の前にいるので、入力間違いを起こす確率は格段に低くなる。
【0012】
また、本発明の培養物管理システムは、識別情報として、RFIDチップに割り当てられているユニークコードを用いる。
【0013】
RFIDチップには、世界で唯一のコード(すなわちユニークコード)が記憶されている。上記構成によって、新たに識別情報を設定・登録しなくても、培養物を識別・管理することができる。
【0014】
また、本発明の培養物管理システムは、培養物を複数個の培養容器に分割する際、読取手段は、複数個の培養容器に貼付されるRFIDラベルに含まれるRFIDチップに記憶された識別情報を読み取り、データベース記憶手段は、読み取った識別情報と分割の対象となる培養物に対応する生体情報とを関連付けて、データベースに追加記憶する。
【0015】
上記構成によって、培養物を複数個の培養容器に分割し、培養容器が増加しても、培養容器(培養物)の管理を確実に行うことができる。
【0016】
また、本発明の培養物管理システムは、培養物の提供者を特定する提供者情報を取得する提供者情報取得手段を備え、データベース記憶手段は、提供者情報を培養物管理情報に含めてデータベースに記憶する。
【0017】
上記構成によって、識別情報,生体情報に加えて提供者情報を培養物管理情報に含めることで、さらに確実に培養容器(培養物)の管理を行うことができる。この場合、手入力を行う工程が発生しても、生体情報によって提供者が特定されている(提供者が目の前にいる)ので、入力間違いを起こす確率は格段に低くなる。
【0018】
また、本発明の培養物管理システムは、読取手段によりRFIDチップから読み取られた識別情報に基づいて、データベース上の培養物管理情報を検索し、RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者を特定する提供者特定手段を備える。
【0019】
提供者の確認をする場合、提供者に意識がない等の理由で、提供者が問いかけに答えられない状況も考えられる。上記構成によって、提供者や培養容器の取り違えを防止することができる。
【0020】
また、本発明の培養物管理システムは、読取手段によりRFIDチップから読み取られた識別情報と、生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とに基づいて、データベース上の培養物管理情報を検索し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える。
【0021】
上記構成によって、さらに確実に、提供者や培養容器の取り違えを防止することができる。
【0022】
また、上記の課題を解決するために、本発明の培養物管理システムは、培養物を収容した培養容器と、培養容器に貼付され、培養物あるいは培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、取得した生体情報と読み取った識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてRFIDチップに記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
上記構成によって、データベースを必要とすることなく、培養物管理情報を記憶することができ、低コストで本発明の構成を実現することが可能となる。
【0024】
また、本発明の培養物管理システムは、RFIDチップに記憶された生体情報を読み取る読取手段を備え、RFIDチップから読み取られた生体情報と、生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とを照合し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える。
【0025】
上記構成によって、ネットワークやホストコンピュータ等のインフラを必要とすることなく、例えば医療現場において、患者や培養容器の取り違えを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】培養物管理システムの構成例を示す図。
【図2】培養容器の構成を示す図。
【図3】培養物管理情報登録処理を説明するフロー図。
【図4】培養物管理情報登録時の表示例を示す図。
【図5】ホストコンピュータのデータベースにおける培養物管理情報の記憶内容の一例を示す図。
【図6】培養物を分割した場合の培養物管理について説明する図。
【図7】培養物分割時の培養物管理情報追加処理を説明するフロー図。
【図8】追加する培養容器に貼付するRFIDラベルの識別情報を読み取ったときの表示例を示す図。
【図9】培養物管理情報検索処理を説明するフロー図。
【図10】培養物管理情報登録処理の別例を説明するフロー図。
【図11】培養物管理情報照合処理を説明するフロー図。
【図12】検索あるいは照合が一致したときの表示例を示す図。
【図13】検索あるいは照合が一致しなかったときの表示例を示す図。
【図14】ICチップに書き込まれた培養物管理情報の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1に、本発明に係る培養物管理システムの構成図を示す。培養物管理システム1は、通信可能にネットワーク接続された端末10およびホストコンピュータ20を主な要素として構成される。なお、本実施例では、提供者を「患者」と表記することもある。
【0028】
端末10は、例えばパーソナルコンピュータとして構成され、LCD表示器等の表示部10a,キーボード等の入力部10b,ハードディスク装置(HDD)10c等の記憶媒体,およびこれらを制御する制御部10dを含む。PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)のような他の情報通信端末を用いてもよい。端末10には、生体情報読取部11,提供者情報読取部12,RFIDリーダ/ライタ13が接続されている。なお、制御部10dが本発明の提供者特定手段,患者判定手段に相当する。また、入力部10bが本発明の提供者情報取得手段に相当する。
【0029】
生体情報読取部11は、培養物の提供者である患者を特定するためのもので、以下のうちの少なくとも一つを用いる。なお、生体情報読取部11が本発明の生体情報取得手段に相当する。
・指紋:周知の指紋センサで、提供者の指紋を読み取り、読み取った情報を患者の生体情報として記憶する。
・静脈:赤外線カメラにより提供者の手や指を撮影し、掌,手の甲,あるいは指の静脈のパターンを抽出し、抽出した情報を患者の生体情報として記憶する。
・虹彩:カメラにより眼球を撮影し、虹彩のパターンを抽出し、抽出した情報を患者の生体情報として記憶する。
・網膜:カメラにより眼球を撮影し、目の網膜の毛細血管のパターンを抽出し、抽出した情報を患者の生体情報として記憶する。
・顔:カメラにより顔を撮影し、顔の形や目鼻などの位置関係を示す特徴的な点や輪郭線等を画像認識技術により抽出し、特徴点間の距離や角度、輪郭線の曲率等や、顔表面の色や濃淡等の特徴量を患者の生体情報として記憶する。
・音声:マイクから入力された音声信号を、時間と周波数の分布で表したサウンドスペクトログラムあるいはこれと等価な情報を持ったパターンに変換し、それを患者の生体情報として記憶する。
【0030】
提供者情報読取部12は、例えば磁気カードリーダ,ICカードリーダ,あるいはカルテに貼付されたバーコードの内容を読み取るバーコードリーダのうちの1つ以上を含んで構成される。近年、診察券やカルテの電子化が進み、磁気カードやICカードに患者の氏名等が記憶されている。また、バーコードは、診察券やカルテに印刷され、患者(すなわち提供者)を特定できるようになっている。これら磁気カード,ICカード,バーコードの情報(すなわち提供者情報)を読み取って、端末10で一時記憶する。なお、提供者情報読取部12が本発明の提供者情報取得手段に相当する。
【0031】
上述の方法の他に、端末10の入力部10bから患者の情報を入力してもよい。
【0032】
読み取った提供者情報を基に、端末10で所定の操作を行うことで、端末10あるいは他の情報処理装置に含まれる患者情報データベースを検索し、その検索結果を提供者情報に含めてもよい。この方法で、磁気カード,ICカード,バーコードには患者の氏名のみしか記憶されてない場合でも、ホストコンピュータ20から培養およびその後の培養物を用いた治療に必要な情報(付加情報)を取得して、提供者情報に含めることができる。また、電子化された診察券には、患者の氏名の他に、身長,体重,血液型,病歴等の情報も記憶されるようになりつつある。これらの情報を付加情報として読み取って提供者情報に含めてもよい。
【0033】
なお、提供者情報は、カルテ番号や診察券番号のみでも患者を特定するためには十分であるが、上述の付加情報が含まれている方がより正確に患者を特定することができる。
【0034】
RFIDリーダ/ライタ13は、培養容器40(図2参照)に貼付されるRFIDラベル30との間でデータ通信を行うためのもので、図示しない周知のRFID通信部(送信部/受信部),全体を制御する制御部,端末10とのデータの遣り取りを行う通信I/F(インターフェース)を含んで構成される。また、培養物管理システム1の構成によっては、RFIDリーダとしての機能のみを有するものとしてもよい。なお、RFIDリーダ/ライタ13が本発明の読取手段,記憶手段に相当する。
【0035】
RFIDラベル30は、周知のICチップであるRFIDチップ31およびアンテナ等の周辺回路(図示せず)を含んで構成される。RFIDチップ31には、動作を制御する制御部31aやRFIDチップ31に割り当てられたユニークコードを記憶する記憶部31bを含んでいる。RFIDリーダ/ライタ13からの電波の照射を受けると、その電波のエネルギーが電気エネルギーに変換されて制御部31aが動作し、RFIDリーダ/ライタ13からの電波に含まれる制御指令に基づいて、記憶部31bからユニークコードを読み出してRFIDリーダ/ライタ13へ送信する。
【0036】
また、記憶部31bが書き換え可能な領域を含む場合には、RFIDリーダ/ライタ13からの電波に含まれる制御指令に基づいて、制御部31aがRFIDリーダ/ライタ13から送信されてきたデータを記憶部31bに書き込むことができる。
【0037】
ホストコンピュータ20は、周知のパーソナルコンピュータあるいはワークステーションとして構成され、HDD等の記憶媒体にデータベース(DB)21が構築されている。このDB21に培養物管理情報が記憶される。なお、ホストコンピュータ20が本発明のデータベース記憶手段に相当する。
【0038】
ホストコンピュータ20と端末10とは、ネットワーク接続されていれば、設置位置に制約はない。例えば、培養物を管理・使用する施設(病院等)にホストコンピュータ20および端末10が設置され、培養物を培養する施設に端末10が設置される。また、端末10内にDB21が構築されていてもよい。
【0039】
図2に培養容器40の構成を示す。培養容器40の内部には、患者から提供された、例えば皮膚,軟骨等の培養物41,培養物41を培養するための培地42が入っている。また、培養容器40の外側の表面には、RFIDラベル30が貼付されている。
【0040】
図3を用いて、生体情報とRFIDチップ31のユニークコード(すなわち識別情報)とを関連付けて、ホストコンピュータ20データベースDBに登録する培養物管理情報登録処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラム(図示せず)に含まれ、制御部10dにより実行される。
【0041】
まず、提供者情報読取部12から、上述のような方法で培養物の提供者の提供者情報(以下、「患者情報」ともいう)を取得する(S11)。取得した患者情報は、表示部10aに表示するとともに、HDD10cに一時記憶する。
【0042】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で患者の生体情報を取得する(S12)。取得した生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0043】
次に、RFIDリーダ/ライタ13により、患者が提供した培養物が入っている培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるRFIDチップ31の記憶部31bから、識別情報を読み取る(S13)。読み取った識別情報は、HDD10cに一時記憶する。また、表示部10aに、どのような生体情報を取得したかを表示してもよい。
【0044】
上述の各情報を取得すると(S14:Yes)、端末10の表示部10aに図4のような画面が表示される。ここで、「登録」ボタンをクリックすると、識別情報に生体情報,患者情報を関連付けて培養物管理情報とし、ホストコンピュータ20へ送り、DB21に登録する(S15)。ホストコンピュータ20では、DB21の培養物管理情報記憶領域に、端末から送られてきた培養物管理情報を記憶する(ホストコンピュータ20に記憶されたアプリケーションプログラムでの処理)。
【0045】
「修正」ボタンをクリックして、識別情報,患者番号生体情報,のいずれかを選択(クリック)すると、該当箇所の再読み込み(修正)を行うことができる。
【0046】
図5に、ホストコンピュータ20のDB21における培養物管理情報の記憶内容の一例を示す。識別情報(右端)に、生体情報と患者番号(例えば診察券番号,カルテ番号でもよい)とが関連付けられて記憶されている。
【0047】
なお、培養物管理情報に、患者情報を含まない構成としてもよい。
【0048】
患者の皮膚を培養する場合、患者の傷病の程度により、多くの皮膚を必要とするときには、培養物を分割して上述の培養容器40から別の培養容器に移しかえる必要がある。この場合の培養物管理について、図6を用いて説明する。図6の例では、最初に患者から提供された培養物41(例えば皮膚)を分割して、別の培養容器45〜48において培養する例を示している。
【0049】
患者(すなわち患者番号)毎に、患者に関する情報が記載された培養物管理シート50が準備され、この培養物管理シート50には1個以上のRFIDラベル35〜38が貼付されている。貼付されるRFIDラベルの数は、患者の傷病の程度(例えば、必要とする培養物の量)により変動する。また、RFIDラベルを新たに追加したり、不要となったRFIDラベルを剥がすこともできる。
【0050】
図7を用いて、培養物分割時の培養物管理情報追加処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラムに含まれ、制御部10dにより実行される。
【0051】
まず、RFIDリーダ/ライタ13により、分割元の培養容器40に貼付されたRFIDチップ31の記憶部31bから、識別情報を読み取る(S91)。読み取った識別情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0052】
次に、読み取った識別情報を検索キーワードとして、ホストコンピュータ20のDB21に含まれる培養物管理情報記憶領域から、該識別情報に対応する培養物管理情報を検索するよう、ホストコンピュータ20に検索要求を送る(S92)。
【0053】
ホストコンピュータ20では、受信した検索要求に基づいて、DB21の培養物管理情報記憶領域を対象として検索を行い、検索結果(すなわち該識別情報に対応する培養物管理情報)を端末10に送る。
【0054】
端末10では、受信した培養物管理情報を、HDD10cに一時記憶する。また、培養物管理情報の内容を表示器10aに表示する(S93)。続いて、追加する培養容器45に貼付するRFIDラベル35の識別情報を読み取る(S94)。図8に、このときの表示器10aの表示画面例を示す。このように,今までに登録されている培養物管理情報の内容に加えて、新たに読み取ったRFIDラベルの識別情報(10101011)が表示される。
【0055】
図8の状態において、「登録」ボタンをクリックすると、新たにみ取ったRFIDラベルの識別情報が、一時記憶されている培養物管理情報に追加され、その内容がホストコンピュータ20に送られて、DB21に今までに登録されている培養物管理情報に追加登録される(S95,図5参照)。そして、RFIDラベル35を培養容器45に貼付する。RFIDラベルを複数読み取るときには、「追加」ボタンをクリックして、次のRFIDラベルを読み取る。
【0056】
培養が完了した培養物を培養施設から例えば医療施設のような培養物を実際に治療等で使用する施設へ搬送・納入する場合、培養物を培養用の容器から納入用の容器へ移し換え、所定の滅菌処理を行ってから納入することがある。このときには、それぞれの培養容器に貼付されているRFIDラベルを、培養用の容器から納入用の容器へ貼り換える。これにより、RFIDラベルの再読込・再登録を行う必要がなくなる。
【0057】
図9を用いて、培養物管理情報検索処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラムに含まれ、10dにより実行される。まず、RFIDリーダ/ライタ13により、培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるRFIDチップ31の記憶部31bから、識別情報を読み取る(S31)。読み取った識別情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0058】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で培養物を提供した患者の生体情報を取得する(S32)。読み取った生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0059】
次に、上述で読み取った識別情報および生体情報を、検索用データとしてホストコンピュータ20へ送る(S33)。ホストコンピュータ20では、端末10から送られた識別情報および生体情報を検索条件とし、この検索条件に合致するものがあるかDB21を検索して、検索結果を端末10へ送る。
【0060】
なお、端末10からホストコンピュータ20へ送る検索用データは、識別情報および生体情報のいずれか一方のみでもよい。
【0061】
端末10では、検索結果に応じて、一致するものがある場合には(S34:Yes)、一致するものがある旨を表示部10aに表示し(S35,図12参照)、一致するものがない場合には(S34:No)、一致するものがない旨を表示部10a表示する(S36,図13参照)。
【0062】
上述の処理において、端末10からホストコンピュータ20へ、検索用データとして識別情報を送り、ホストコンピュータ20で、端末10から送られた識別情報を検索条件とし、この検索条件に合致するものがあるかDB21を検索して、関連付けられている生体情報あるいは患者情報を端末10へ送るようにしてもよい。このとき、図9のステップS35では、生体情報,患者番号(DB21に登録されている場合)が識別情報とともに表示され、ステップS36では、識別情報に関連付けられた生体情報あるいは患者情報が存在しない旨のメッセージが表示される。
【0063】
図10を用いて、図3の培養物管理情報登録処理の別例について説明する。まず、提供者情報読取部12から、上述のような方法で培養物を提供した患者(すなわち提供者)の患者情報(すなわち提供者情報)を取得する(S51)。端末10に含まれるキーボード10b等の入力部から患者情報を入力してもよい。取得した患者情報は、表示部10aに表示するとともに、HDD10cに一時記憶する。
【0064】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で患者の生体情報を取得する(S52)。取得した生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0065】
上述の各情報を取得すると(S53:Yes)、RFIDリーダ/ライタ13により、患者が提供した培養物が入っている培養容器40に貼付されたRFIDラベル30のRFIDチップ31の記憶部31bに、上記で取得した生体情報および患者情報を書き込む(S54)。
【0066】
RFIDチップ31の記憶部31bに書き込む情報は、生体情報のみでもよい。
【0067】
図14に、RFIDチップ31の記憶部31bに書き込まれた情報の一例を示す。図14の例では、生体情報に加えて患者情報も書き込まれている。
【0068】
また、図6のように、培養物41を他の培養容器に分割して培養する場合には、分割元の培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるICチップ31の記憶部31bから生体情報(必要であれば患者情報も)を読み出して、これらの情報を分割先の培養容器に添付されるRFIDラベルのICチップに書き込む。
【0069】
図11を用いて、図10の構成における、培養物管理情報照合処理について説明する。なお、本処理は、端末10のHDD10cに記憶されたアプリケーションプログラムに含まれ、端末10の制御部10dにより実行される。まず、RFIDリーダ/ライタ13により、培養容器40に貼付されたRFIDラベル30に含まれるRFIDチップ31の記憶部31bから、生体情報を取得する(S71)。読み取った生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0070】
次に、生体情報読取部11から、上述のような方法で培養物を提供した患者の生体情報を取得する(S72)。読み取った生体情報は、HDD10cに一時記憶する。
【0071】
次に、RFIDチップ31の記憶部31bから取得した生体情報と、生体情報読取部11から取得した生体情報とを照合する(S73)。照合の結果、両者が一致したときには(S74:Yes)、一致した旨を表示部10aに表示し(S75,図12参照)、一致しない場合には(S74:No)、一致しない旨を表示部10a表示する(S76,図13参照)。
【0072】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 培養物管理システム
10 端末
10b 入力部(提供者情報取得手段)
10d 制御部(提供者特定手段,患者判定手段)
11 生体情報読取部(生体情報取得手段)
12 提供者情報読取部(提供者情報取得手段)
13 RFIDリーダ/ライタ(読取手段,記憶手段)
20 ホストコンピュータ(データベース記憶手段)
21 データベース(DB)
30 RFIDラベル
31 RFIDチップ
31b 記憶部
40 培養容器
41 培養物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養物を収容した培養容器と、
前記培養容器に貼付され、前記培養物あるいは前記培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、
前記識別情報を読み取る読取手段と、
前記培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
取得した前記生体情報と読み取った前記識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてデータベースに記憶するデータベース記憶手段と、
を備えることを特徴とする培養物管理システム。
【請求項2】
前記識別情報として、前記RFIDチップに割り当てられているユニークコードを用いる請求項1に記載の培養物管理システム。
【請求項3】
前記培養物を複数個の培養容器に分割する際、
前記読取手段は、前記複数個の培養容器に貼付されるRFIDラベルに含まれるRFIDチップに記憶された前記識別情報を読み取り、
前記データベース記憶手段は、読み取った前記識別情報と分割の対象となる培養物に対応する前記生体情報とを関連付けて、前記データベースに追加記憶する請求項1または請求項2に記載の培養物管理システム。
【請求項4】
前記培養物の提供者を特定する提供者情報を取得する提供者情報取得手段を備え、
前記データベース記憶手段は、前記提供者情報を前記培養物管理情報に含めて前記データベースに記憶する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の培養物管理システム。
【請求項5】
前記読取手段により前記RFIDチップから読み取られた前記識別情報に基づいて、前記データベース上の前記培養物管理情報を検索し、前記RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者を特定する提供者特定手段を備える請求項4に記載の培養物管理システム。
【請求項6】
前記読取手段により前記RFIDチップから読み取られた前記識別情報と、前記生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とに基づいて、前記データベース上の前記培養物管理情報を検索し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と前記患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える請求項4または請求項5に記載の培養物管理システム。
【請求項7】
培養物を収容した培養容器と、
前記培養容器に貼付され、前記培養物あるいは前記培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、
前記培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
取得した前記生体情報と読み取った前記識別情報とを関連付けて、培養物管理情報として前記RFIDチップに記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする培養物管理システム。
【請求項8】
前記RFIDチップに記憶された前記生体情報を読み取る読取手段を備え、
前記RFIDチップから読み取られた生体情報と、前記生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とを照合し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と前記患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える請求項7に記載の培養物管理システム。
【請求項1】
培養物を収容した培養容器と、
前記培養容器に貼付され、前記培養物あるいは前記培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、
前記識別情報を読み取る読取手段と、
前記培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
取得した前記生体情報と読み取った前記識別情報とを関連付けて、培養物管理情報としてデータベースに記憶するデータベース記憶手段と、
を備えることを特徴とする培養物管理システム。
【請求項2】
前記識別情報として、前記RFIDチップに割り当てられているユニークコードを用いる請求項1に記載の培養物管理システム。
【請求項3】
前記培養物を複数個の培養容器に分割する際、
前記読取手段は、前記複数個の培養容器に貼付されるRFIDラベルに含まれるRFIDチップに記憶された前記識別情報を読み取り、
前記データベース記憶手段は、読み取った前記識別情報と分割の対象となる培養物に対応する前記生体情報とを関連付けて、前記データベースに追加記憶する請求項1または請求項2に記載の培養物管理システム。
【請求項4】
前記培養物の提供者を特定する提供者情報を取得する提供者情報取得手段を備え、
前記データベース記憶手段は、前記提供者情報を前記培養物管理情報に含めて前記データベースに記憶する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の培養物管理システム。
【請求項5】
前記読取手段により前記RFIDチップから読み取られた前記識別情報に基づいて、前記データベース上の前記培養物管理情報を検索し、前記RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者を特定する提供者特定手段を備える請求項4に記載の培養物管理システム。
【請求項6】
前記読取手段により前記RFIDチップから読み取られた前記識別情報と、前記生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とに基づいて、前記データベース上の前記培養物管理情報を検索し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と前記患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える請求項4または請求項5に記載の培養物管理システム。
【請求項7】
培養物を収容した培養容器と、
前記培養容器に貼付され、前記培養物あるいは前記培養容器の少なくとも一方を識別するための識別情報を記憶したRFIDチップを含むRFIDラベルと、
前記培養物の提供者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
取得した前記生体情報と読み取った前記識別情報とを関連付けて、培養物管理情報として前記RFIDチップに記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする培養物管理システム。
【請求項8】
前記RFIDチップに記憶された前記生体情報を読み取る読取手段を備え、
前記RFIDチップから読み取られた生体情報と、前記生体情報取得手段により取得された患者の生体情報とを照合し、該RFIDチップが貼付された培養容器内の培養物の提供者と前記患者とが一致するか否かを判定する患者判定手段を備える請求項7に記載の培養物管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−45259(P2011−45259A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194320(P2009−194320)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(591037476)株式会社岩田レーベル (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(591037476)株式会社岩田レーベル (32)
【Fターム(参考)】
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