説明

基地局制御装置および基地局の帯域制御方法ならびに通信システム

【課題】 移動局が帰属しない基地局のエリアに存在する場合に、そのエリアでの帯域を考慮することが可能な基地局制御装置の提供。
【解決手段】 基地局制御装置1は、第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局により受信される第1移動局の受信信号強度および第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合とを乗算して得られる第1移動局の移動局使用帯域11と、第1移動局の移動局使用帯域および第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計が格納される第1基地局の基地局使用帯域12と、第1移動局の移動局使用帯域および第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計が格納される第2基地局の基地局使用帯域13と、第1移動局の移動局使用帯域および第1、第2基地局の基地局使用帯域を基に第1、第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御部14とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局制御装置および基地局の帯域制御方法に関し、特にIP(Internet Protocol)ネットワークを介して音声通信を行う無線LAN(Local Area Network)移動局を収容する無線LAN基地局の帯域を制御する基地局制御装置および基地局の帯域制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LANの普及による端末と無線LAN基地局の増加が著しい。無線LAN基地局毎に移動局が使用する音声通話帯域を管理する無線LANシステムの一例が特許文献1に開示されている。これは、同一アクセスポイント配下のVoIP(Voice Over IP )通信数を限定し、アクセスポイントが通信を開始するVoIPの発信コマンドや着信コマンドを検出してVoIP通信数を制御することにより、予め限定した通信数を超えるVoIP通信を開始する際に無線LANのVoIP端末にDis-Association パケットを送信する、というものである。
【0003】
一方、無線LAN基地局を設置する際、既に同チャネルを使用している無線LAN基地局が他にある場合、チャネル干渉の軽減を目的として無線LAN基地局にエリアの空きチャネルを割り当てることが一般的に行われている。
【0004】
しかしながらIEEE802.11b/gの周波数帯は使用できるチャネルが限られるため、設置できる無線LAN基地局のチャネルも次第に限定されていくことになり、移動局の増加の原因からも、限られたチャネルで無線LAN帯域を有効利用することが求められている。
【0005】
図11は本発明に関連する通信システムの一例の構成図である。同図を参照すると、本発明に関連する通信システムの一例は、基地局102と、基地局102がサービスを提供するエリア(地域)112と、基地局103と、基地局103がサービスを提供するエリア(地域)113と、基地局102と通信する移動局104とを含んでいる。
【0006】
いま、移動局104は基地局102に帰属するものとし、かつ移動局104は基地局102と基地局103の境界付近に存在し、基地局103との通信も可能な状態となっている。このような状況において、基地局102と基地局103とが同一チャネルを使用して通信すると、基地局102と基地局103間でチャネル間干渉を生じるおそれがある。そこで、このチャネル間干渉を回避するために、基地局102と基地局103とをできる限り離して配置することが一般に行われている。
【0007】
一方、本発明に関連する通信システムの他の一例として、個々のパケットの伝送に供される帯域を効率的かつ柔軟に割り付ける伝送帯域割り付け装置が特許文献2に開示されている。これは、先行して割り付けられた帯域の積算値が小さい端末ほど優先的に帯域が割り付けられる、というものである。
【0008】
また、本発明に関連する通信システムの他の一例として、移動局と基地局と制御局とからなる無線通信システムにおいて、移動局から基地局へ第1のリソースを用いた第1のデータおよび第2のリソースを用いた第2のデータを送信し、基地局からリソースを測定して、制御局へ通知し、第1のリソースは伝送レートであり、リソースとして周波数帯域を用いる発明が特許文献3に開示されている。また、この発明には、HSUPA判定部が受信電力とセル毎の使用割合を保持することも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−005298号公報
【特許文献2】再特WO2004−084505号公報
【特許文献3】特開2008−258956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、図11を参照すると、同一チャネルを使用している基地局102と基地局103が隣接する場所に配置されている場合、基地局102において移動局104が音声通話を開始した際、関連技術の通話数の管理では基地局102の通話帯域を確保することのみ可能で、移動局104が基地局103がサービスを提供するエリア113に存在する場合でも、基地局103のエリアの帯域を考慮することができず、よって同一チャネルの干渉による音声通話品質の低下を生じるという課題がある。
【0011】
上記理由のため、一般的に関連技術の設置方法では、エリア間で干渉が発生することを予め考慮し、無線LAN基地局1台当たりの帯域を低く見積もる必要がある。また基地局102を配置する際、同一チャネルを使用する隣接基地局103との干渉を考慮し、同一チャネルの隣接する基地局102,103同士を同一のグループに静的に割り当てる、等の設置を行う必要がある。
【0012】
一方、特許文献1に記載の発明には無線LAN基地局毎に移動局が使用する音声通話帯域を管理する手段しか記載されておらず、したがって特許文献1に記載の発明により、上記課題を解決することはできない。
【0013】
同様に、特許文献2および3に帯域を効率的かつ柔軟に割り付ける方法が記載されているが、制御局が移動局の帰属情報の帯域使用量に帯域干渉テーブルの使用割合と、移動局の現在の通信レートを考慮した帯域使用割合と、移動局のチャネル間隔に対応する隣接チャネルの帯域使用割合と、移動局の下り方向平均再送回数とから、基地局の使用帯域を算出し、移動局の移動局使用帯域を求める、という本願特有の構成は記載されていない。
【0014】
したがって特許文献2および3に記載の発明によっても、上記課題を解決することはできない。
【0015】
そこで、本発明の目的は、移動局が帰属しない基地局のエリアに存在する場合に、そのエリアでの帯域を考慮することができ、よって同一チャネルの干渉による音声通話品質の低下を防止することが可能な基地局制御装置および基地局の帯域制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本発明による基地局制御装置は、第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して得られる前記第1移動局の移動局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計が格納される前記第1基地局の基地局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計が格納される前記第2基地局の基地局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1および第2基地局の基地局使用帯域を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明による基地局制御装置における基地局の帯域制御方法は、第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して前記第1移動局の移動局使用帯域を計算する第1の計算ステップと、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計を計算して前記第1基地局の基地局使用帯域へ格納する第2の計算ステップと、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計を計算して前記第2基地局の基地局使用帯域へ格納する第3の計算ステップと、前記第1〜第3の計算ステップでの計算結果を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明による通信システムは、第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して得られる前記第1移動局の移動局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計が格納される前記第1基地局の基地局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計が格納される前記第2基地局の基地局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1および第2基地局の基地局使用帯域を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御部とを含む基地局制御装置と、前記第1および第2基地局と、前記第1移動局とを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明による基地局制御装置における基地局の帯域制御方法のプログラムは、基地局制御装置のコンピュータに、第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して前記第1移動局の移動局使用帯域を計算する第1の計算ステップと、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計を計算して前記第1基地局の基地局使用帯域へ格納する第2の計算ステップと、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計を計算して前記第2基地局の基地局使用帯域へ格納する第3の計算ステップと、前記第1〜第3の計算ステップでの計算結果を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御ステップとを実行させるためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、移動局が帰属しない基地局のエリアに存在する場合に、そのエリアでの帯域を考慮することができ、よって同一チャネルの干渉による音声通話品質の低下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る基地局制御装置の動作原理を説明するための基地局制御装置の一例の構成図である。
【図2】本発明に係る通信システムの一例の構成図である。
【図3】移動局帰属情報201の一例の構成図である。
【図4】移動局出現情報701および702の一例の構成図である。
【図5】帯域干渉テーブル601の一例の構成図である。
【図6】隣接チャネルテーブル602の一例の構成図である。
【図7】本発明に係る基地局制御装置における基地局の帯域制御方法(第1の実施の形態)の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る基地局制御装置における基地局の帯域制御方法(第1の実施の形態)の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る基地局制御装置における基地局の帯域制御方法(第2の実施の形態)の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る基地局制御装置における基地局の帯域制御方法(第2の実施の形態)の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明に関連する通信システムの一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の動作原理について説明する。図1は本発明に係る基地局制御装置の動作原理を説明するための基地局制御装置の一例の構成図である。同図を参照すると、基地局制御装置1は第1移動局の移動局使用帯域11と、第1基地局の基地局使用帯域12と、第2基地局の基地局使用帯域13と、制御部14とを含んで構成される。
【0023】
第1移動局の移動局使用帯域11は、第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される第1移動局の受信信号強度および第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して得られる。第1基地局の基地局使用帯域12は、第1移動局の移動局使用帯域および第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計が格納される。第2基地局の基地局使用帯域13は、第1移動局の移動局使用帯域および第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計が格納される。制御部14は、第1移動局の移動局使用帯域および第1および第2基地局の基地局使用帯域を基に第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する。
【0024】
すなわち、第2基地局の基地局使用帯域13には、第2基地局によって受信される第1移動局の受信信号強度およびチャネル間隔に応じた帯域使用割合を含めた使用帯域が格納される。このため、本発明によれば第1移動局が、第2基地局がサービスを提供するエリアに存在する場合でも、第2基地局は第1移動局の使用帯域を考慮することができ、よって同一チャネルの干渉による音声通話品質の低下を防止することが可能となる。したがって、基地局1台当たりの帯域を低く見積もること、および同一チャネルの隣接する基地局同士を同一のグループに静的に割り当てることが不要となる。
【0025】
次に、本発明の基本構成および動作の概要について説明する。図2は本発明に係る通信システムの一例の構成図である。同図を参照すると、本発明に係る通信システムの一例は、無線移動局104と、無線移動局104を収容する無線LAN基地局102と、基地局102の隣接エリアに配置される、同一チャネルを使用する無線LAN基地局103と、基地局103の隣接エリアに配置される、別チャネルを使用する無線LAN基地局105と、無線LAN基地局105に帰属している移動局106と、無線LAN基地局102,103を含む複数の無線LAN基地局および移動局104を含む複数の移動局の帯域使用状況を管理する基地局制御装置(以下、「コントローラ装置」と表示する)101とを含んで構成される。
【0026】
一方、コントローラ装置101は移動局使用帯域情報901と、平均再送回数情報202と、移動局帰属情報201と、基地局102の移動局出現情報701と、基地局102の基地局使用帯域情報501と、帯域干渉割合テーブル601と、隣接チャネルテーブル602と、基地局103の移動局出現情報702と、基地局103の基地局使用帯域情報502と、上記各部位を制御する制御部301と、後述する基地局の帯域制御方法のプログラムが格納されるプログラム格納部302とを含んで構成される。
【0027】
また、基地局102はアンテナ801および802と、走査部810とを含んで構成される。アンテナ801は基地局102に帰属する移動局との通信に使用され、アンテナ802は基地局102に帰属しない移動局との通信に使用される。また走査部810はアンテナ802を用いて受信チャネルを走査する。
【0028】
同様に、基地局103はアンテナ803および804と、走査部811とを含んで構成される。アンテナ803は基地局103に帰属する移動局との通信に使用され、アンテナ804は基地局103に帰属しない移動局との通信に使用される。また走査部811はアンテナ804を用いて受信チャネルを走査する。
【0029】
移動局104の帰属先の基地局102は移動局104の帰属情報をコントローラ装置101に通知する。コントローラ装置101は移動局104のMAC(Media Access Control)アドレスと、帰属先基地局のBSSID(Basic Service Set Identifier )を移動局帰属情報201に記録する。
【0030】
基地局102は下り方向の無線フレーム(frame)の単位時間当たりの再送回数の累積を記録する。基地局102は単位時間毎に下り方向の無線フレームの再送回数の累積から平均を算出する。移動局104の帰属先の基地局102は移動局104の帯域使用量と、通信レートと、下り方向の無線フレームの単位時間当たりの再送回数の平均をコントローラ装置101に通知する。
【0031】
コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201に、移動局104の通信レートを記録する。コントローラ装置101は移動局104の平均再送回数202に、基地局102がコントローラ装置101に通知した移動局104の下り方向の無線フレームの再送回数の平均を記録する。
【0032】
一般的に無線フレームの再送回数は増加するほど無線帯域を占有するため、コントローラ装置101は移動局104の平均再送回数が高くなるにつれ、無線帯域を多く見積もる必要がある。
【0033】
移動局104は音声通話を開始した際、無線帯域を確保するために基地局102に帯域を要求する。基地局102は移動局104の無線帯域の要求をコントローラ装置101へ通知する。コントローラ装置101は、移動局104が要求した帯域の分だけ基地局102の基地局使用帯域501に空きが有れば、帯域が空いている旨、基地局102を介し移動局104に通知する。コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201に、移動局104が音声通話を開始した際、移動局104の帯域使用量を記録する。
【0034】
ここで、移動局帰属情報201について説明する。図3は移動局帰属情報201の一例の構成図である。同図を参照すると、移動局帰属情報201の一例には各移動局(各局に便宜上1,2,3の番号を付している)毎にMACアドレス、帰属先BSSID、RSSI(Receive Signal Strength Indicator:受信信号強度) 、通信レート、帯域使用量の情報が格納されている。
【0035】
基地局102と、移動局104が帰属していない同一チャネルの隣接エリアに位置する基地局103は、移動局104が送受信する無線フレームを受信し、移動局104のRSSIをコントローラ装置101に通知する。コントローラ装置101は基地局102から通知された移動局104のMACアドレスと、移動局104のRSSIと、基地局102のBSSIDを、基地局102の移動局出現情報701に記録する。
【0036】
ここで、基地局102および103の移動局出現情報701および702について説明する。図4は移動局出現情報701および702の一例の構成図である。同図を参照すると、移動局出現情報701および702の一例には移動局名(便宜上、1の番号を付している)と、MACアドレスと、BSSIDと、RSSIの情報が格納されている。
【0037】
コントローラ装置101は基地局103から通知された移動局104のMACアドレスと、移動局104のRSSIと、基地局103のBSSIDを、基地局103の移動局出現情報702に記録する。
【0038】
コントローラ装置101は予め帯域干渉テーブル601を定義する。図5は帯域干渉テーブル601の一例の構成図である。同図を参照すると、移動局のRSSIの所定範囲毎の帯域使用割合(パーセント)の情報が格納されている。
【0039】
コントローラ装置101は予め隣接チャネルテーブル602を定義する。図6は隣接チャネルテーブル602の一例の構成図である。同図を参照すると、隣接チャネルテーブル602は隣接基地局102との干渉を予測したチャネル間隔毎のチャネル間隔と、各チャネル間隔毎の帯域使用割合(パーセント)の情報が格納されている。
【0040】
コントローラ装置101において、基地局102と基地局103のチャネルが同一でなく隣接している場合、基地局103に移動局が帰属するアンテナ803とは別に、モニタ用のアンテナ804を設け、同一周波数帯の全てのチャネル1から5までの範囲の隣接チャネルを一定時間毎にスキャン(Scan)し、移動局104が送信した無線フレームのRSSIを検出し、基地局103の移動局出現情報702に格納することで、隣接の別チャネルに存在する移動局の検出を行う。
【0041】
コントローラ装置101は基地局103の移動局出現情報702を参照し、移動局104が移動局帰属情報201に存在していない基地局103を、移動局104が帰属していない基地局と見なし、基地局毎に帯域干渉テーブル601のRSSIと、基地局103の移動局出現情報702の、移動局104のRSSIを比較し、対応する帯域使用割合を求める。
【0042】
コントローラ装置101は移動局104の移動局出現情報702のRSSIが帯域干渉テーブル601のRSSI範囲のどのレコードに該当するかを調べる。そして、該当するレコードのRSSI範囲に対応する帯域使用割合を得る。
【0043】
そして、コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201の帯域使用量に、帯域干渉テーブル601の帯域使用割合と、移動局104の現在の通信レートを考慮した帯域使用割合と、移動局104とのチャネル間隔に対応する隣接チャネルテーブル602の帯域使用割合と、移動局104の下り方向の平均再送回数202に対応した係数を乗じ、移動局104の移動局使用帯域901を算出する。
【0044】
移動局104の現在の通信レートを考慮した帯域使用割合は、一般的に通信レートが低下すると使用する帯域が増加するため、通信レートが低下すると割合が増加する計算式が望ましい。また、コントローラ装置101に通信レート毎のテーブルを用意しても良い。
【0045】
また、下り方向の平均再送回数202を考慮した係数は、一般的に下り方向の再送回数が増加するほど使用する帯域が増加するため、下り方向の再送回数の増加に伴い増加する式や、コントローラ装置101に、下り方向の再送回数毎に増加する定数を有するテーブルを設けることが望ましい。
【0046】
コントローラ装置101は基地局102に帰属している全ての移動局の移動局使用帯域901を合算し、基地局102の基地局使用帯域501を求める。また、コントローラ装置101は基地局103に帰属している全ての移動局の移動局使用帯域901と、RSSIを観測している全ての移動局の移動局使用帯域901を合算し、基地局103の基地局使用帯域502を求める。
【0047】
コントローラ装置101は基地局毎に基地局に帰属する全ての移動局の帯域使用量を合計し、各基地局の基地局使用帯域が帯域閾値を上回った場合、他の空き状態の移動局の新たな通話の開始を禁止する。
【0048】
基地局103において他の移動局の新たな音声通話の開始が行われた場合、コントローラ装置101は基地局103の基地局使用帯域502が基地局103の帯域の閾値を上回る場合、他の空き状態の移動局の新たな通話の開始を禁止する。
【0049】
コントローラ装置101は基地局毎に移動局の帯域使用量を合計し、基地局の帯域の閾値を上回った場合、他の基地局で通話中の移動局の、基地局への帰属を禁止する。
【0050】
基地局103において、他の通話中の移動局の、基地局103への帰属の試みが行われた場合、コントローラ装置101は通話中移動局の帯域と基地局103の基地局使用帯域502の合計と、基地局103の帯域閾値を比較し、帯域の合計が帯域閾値を上回る場合、基地局105配下で通話中の移動局106の基地局103への帰属を禁止する。
【0051】
例えば隣接エリア、同一チャネルに基地局102と基地局103が存在し、移動局104が基地局102の隣接エリア、基地局103の近接エリアに位置した場合でも、移動局104の通話帯域を隣接エリアの基地局全てで確保することが出来る。
【0052】
例えばIEEE802.11Gの環境で基地局102および移動局104がチャネル1,5,9,13を使用する場合、各チャネル間で若干の干渉を生じるため、帯域の確保が必要となる場合がある。関連技術では隣接チャネルの干渉を考慮し1台分低い通話帯域を静的に割り当てる必要があるが、本発明により自動的に帯域を割り当てることが出来る。
【0053】
すなわち、本発明によれば、同一チャネルの通話帯域を確保することで、例えばチャネル1にて移動局が音声通話を行った場合、移動局が干渉する隣接エリアの基地局102の帯域を同時に確保し、移動局が通話を行っていない平常時には無線LANの帯域を効率的に割り当てることができる。
【0054】
また、移動局が通話を行い干渉が発生している際には、例えば隣接エリアの同一チャネルにて移動局が複数のエリアに跨る位置にある場合は現在帰属中の基地局102以外の基地局102の帯域を生じさせ、隣接する同一チャネルの基地局の帯域を十分に管理することが出来る。
【0055】
例えばチャネル5において移動局が音声通話を行った際、チャネル1とチャネル9に一定割合の帯域を生じさせ、他チャネルの帯域を減少させることで、隣接チャネルの帯域を十分に管理することが出来る。
【0056】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では基地局102、基地局103および移動局104がチャネル1のみを使用する場合について説明する。図7および図8は本発明に係る基地局制御装置における基地局の帯域制御方法の手順を示すフローチャートである。なお、以下の動作(特に、ステップS2以降)はコントローラ装置101内の制御部301が、コントローラ装置101内の他の部位を制御することにより実行される。
【0057】
コントローラ装置101の各テーブルは図5、図6の通り構成されているものとする。隣接エリア、同一チャネルに基地局102と基地局103が存在し、移動局104が基地局102に帰属しているものとする。
【0058】
基地局103は定期的に移動局104が送信する無線フレームを監視し(ステップS1)、コントローラ装置101に移動局のMACアドレスとRSSIを通知する(ステップS2)。この時、基地局103は移動局104のRSSIを−72(dB)と測定しているものとする。
【0059】
基地局102はコントローラ装置101へ移動局104の通信レートを送信する(ステップS3)。コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201に移動局104の現在の通信レートを記録する(ステップS4)。基地局102は1秒おきに移動局104への下り方向の無線フレーム再送回数の平均を算出する(ステップS5)。
【0060】
基地局102は定期的に移動局104の下り方向の平均再送回数をコントローラ装置101へ送信する(ステップS6)。コントローラ装置101は移動局104の下り方向の平均再送回数を移動局104の下り方向の平均再送回数202へ格納する(ステップS7)。
【0061】
移動局104が通話を開始した際、基地局102はコントローラ装置101へ移動局104の帯域使用量を送信する(ステップS8)。コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201に移動局104の現在の帯域使用量を記録する(ステップS9)。この時の移動局104の帯域使用量は100(Kb/s)、通信レートは5Mb、移動局104の現在の平均再送回数は4とする。
【0062】
コントローラ装置101は移動局104の移動局出現情報702のRSSIが帯域干渉テーブル601のRSSI範囲のどのレコードに該当するかを調べる。そして、該当するレコードのRSSI範囲に対応する帯域使用割合を得る。
【0063】
そして、コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201の帯域使用量に、帯域干渉テーブル601の帯域使用割合と、移動局104の現在の通信レートを考慮した帯域使用割合と、移動局104とのチャネル間隔に対応する隣接チャネルテーブル602の帯域使用割合と、移動局104の下り方向の平均再送回数202に対応した係数を乗じ、移動局104の移動局使用帯域901を算出する(ステップS10)。
【0064】
コントローラ装置101は移動局104の移動局使用帯域901の100%を、基地局102の基地局使用帯域501に格納することで、移動局104が使用中の帯域を基地局102に割り当てる(ステップS11)。
【0065】
コントローラ装置101は移動局104の移動局使用帯域901を、基地局103の移動局出現情報702に、帯域干渉テーブル601と、隣接チャネルテーブル602に掛けて算出する(ステップS12)。
【0066】
下り方向の平均再送回数202に対応した係数は、平均再送回数202が1から4の範囲では1とし、平均再送回数202が5以上の場合は平均再送回数202から4を引いた値を指定する。帯域干渉テーブル601の割合は100%となる。隣接チャネルテーブル602の割合は100%となる。下り方向の平均再送回数202の現在の値4に対応した係数は1となる。
【0067】
コントローラ装置101は移動局104の移動局使用帯域901を、基地局103の基地局使用帯域502に加算する(ステップS13)。コントローラ装置101は基地局103に移動局104の帯域を100(Kb/s)割り当てる(ステップS14)。コントローラ装置101における移動局104に対する移動局使用帯域901の割合の計算例を下記に示す。
【0068】
移動局使用帯域901=移動局帰属情報201の帯域使用量(kb/s)*帯域干渉テーブル601の対応する割合(%)*500(%)÷移動局104の現在の通信レート[Mbps]*隣接チャネル間隔に対応する隣接チャネルテーブル602の帯域使用割合(%)*(下り方向の平均再送回数202−4)
【0069】
ただし、下り方向の平均再送回数が5以下の場合は、最後の項は(下り方向の平均再送回数202−1)とする。
【0070】
例えば、基地局103で既に他の移動局の通話により基地局103の基地局使用帯域502が500(Kb/s)使用している場合、基地局103の基地局使用帯域502は600(Kb/s)となる。
【0071】
例えばコントローラ装置101における基地局またはSSIDあたりの通話帯域の上限が600(Kb/s)の場合、基地局103の基地局使用帯域502は600(Kb/s)であるため、基地局103に帰属している移動局が通話を開始した際、通話の開始は基地局103により拒否される(ステップS15)。
【0072】
また、基地局105配下で通話中の移動局106が、通話を行いながら基地局103のエリアに移動し、基地局103への帰属を試みた場合、基地局103は、移動局106の無線LAN帰属時のアソシエーション・リクエスト(Association Request)パケットに対して失敗応答を返すことで、移動局106の通話中の基地局103への帰属を禁止する。
【0073】
以上説明したように本発明の第1の実施の形態によれば、基地局102、基地局103および移動局104がチャネル1のみを使用する場合に、帯域干渉テーブル601および隣接チャネルテーブル602(特に帯域干渉テーブル601)に示す帯域使用割合等を基に移動局104の移動局使用帯域を算出し、その算出結果を基に基地局103に移動局104の帯域を確保させる構成であるため、移動局104が帰属しない基地局103のエリアに存在する場合に、そのエリアでの帯域を確保することが可能となる。よって同一チャネルの干渉による音声通話品質の低下を防止することが可能となる。
【0074】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では基地局102と移動局104がチャネル1,基地局103がチャネル5を使用する場合について説明する。図9および図10は本発明に係る基地局制御装置における基地局の帯域制御方法の手順を示すフローチャートである。なお、以下の動作(特に、ステップS22以降)はコントローラ装置101内の制御部301が、コントローラ装置101内の他の部位を制御することにより実行される。
【0075】
コントローラ装置101の各テーブルは図5,図6の通り構成されているものとする。隣接エリア、同一チャネルに基地局102と基地局103が存在し、移動局104が基地局102に帰属しているものとする。
【0076】
基地局103はアンテナ804を介し定期的に移動局104が送信する無線frameを監視し(ステップS21)、コントローラ装置101に移動局のMACアドレスとRSSIを通知する(ステップS22)。この時、基地局103は移動局104のRSSIを−72(dB)と測定しているものとする。
【0077】
基地局102はコントローラ装置101へ移動局104の通信レートを送信する(ステップS23)。コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201に移動局104の現在の通信レートを記録する(ステップS24)。基地局102は定期的に移動局104の下り方向の無線フレーム再送回数をコントローラ装置101へ送信する(ステップS25)。コントローラ装置101は移動局104の下り方向の無線フレーム再送回数を移動局104の平均再送回数202へ格納する(ステップS26)。
【0078】
移動局104が通話を開始した際、基地局102はコントローラ装置101へ移動局104の帯域使用量を送信する(ステップS27)。コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201に移動局104の現在の帯域使用量を記録する(ステップS28)。この時の移動局104の帯域使用量は100(Kb/s)、通信レートは5Mb、移動局104の現在の平均再送回数は4とする。
【0079】
コントローラ装置101は移動局104の移動局出現情報702のRSSIが帯域干渉テーブル601のRSSI範囲のどのレコードに該当するかを調べる。そして、該当するレコードのRSSI範囲に対応する帯域使用割合を得る。
【0080】
そして、コントローラ装置101は移動局104の移動局帰属情報201の帯域使用量に、帯域干渉テーブル601の帯域使用割合と、移動局104の現在の通信レートを考慮した帯域使用割合と、移動局104とのチャネル間隔に対応する隣接チャネルテーブル602の帯域使用割合と、移動局104の下り方向の平均再送回数202に対応した係数を乗じ、移動局104の移動局使用帯域901を算出する(ステップS29)。
【0081】
コントローラ装置101は移動局104の使用帯域の100%を、基地局102の基地局使用帯域501に格納することで、移動局104が使用中の帯域を基地局102に割り当てる(ステップS30)。
【0082】
コントローラ装置101は移動局104の移動局使用帯域901を、基地局103の移動局出現情報702に、帯域干渉テーブル601と、隣接チャネルテーブル602に掛けて算出する(ステップS31)。
【0083】
下り方向の平均再送回数202に対応した係数は、下り方向の平均再送回数202が1から4の範囲では100%とし、下り方向の平均再送回数202が5以上の場合は下り方向の平均再送回数202から4を引いた値を指定する。
【0084】
帯域干渉割合テーブル601の割合は100%となる。隣接チャネルテーブル602の割合は5%となる。下り方向の平均再送回数202の現在の値4に対応した係数は1となる。
【0085】
コントローラ装置101は移動局104の移動局使用帯域901を、基地局103の基地局使用帯域502に加算する(ステップS32)。コントローラ装置101は基地局103に移動局104の帯域を5(Kb/s)割り当てる(ステップS33)。
【0086】
例えばコントローラ装置101における基地局またはSSIDあたりの通話帯域の上限が600(Kb/s)の場合、基地局103の基地局使用帯域502は505(Kb/s)であるため、基地局103に帰属している移動局が通話を開始した際、通話の開始は基地局103により拒否される(ステップS34)。
【0087】
以上説明したように本発明の第2の実施の形態によれば、基地局102と移動局104がチャネル1、基地局103がチャネル5を使用する場合に、帯域干渉テーブル601および隣接チャネルテーブル602(特に隣接チャネルテーブル602)に示す帯域使用割合等を基に移動局104の移動局使用帯域を算出し、その算出結果を基に基地局103に移動局104の帯域を確保させる構成であるため、移動局104が帰属しない基地局103のエリアに存在する場合に、そのエリアでの帯域を確保することが可能となる。よって同一チャネルの干渉による音声通話品質の低下を防止することが可能となる。
【0088】
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は基地局制御装置における基地局の帯域制御方法のプログラムに関するものである。前述したように、コントローラ装置101は制御部301と、プログラム格納部302とを含んでいる。プログラム格納部302には図7〜図10に示す基地局制御装置における基地局の帯域制御方法のプログラムが格納されている。
【0089】
制御部301はプログラム格納部302からそれらのプログラムを読み出し、それらのプログラムにしたがってコントローラ装置101内のその他の部位を制御する。なお、その制御の内容については既に述べたのでここでの説明は省略する。
【0090】
以上説明したように本発明の第3の実施の形態によれば、移動局が帰属しない基地局のエリアに存在する場合に、そのエリアでの帯域を確保することが可能となり、よって同一チャネルの干渉による音声通話品質の低下を防止することが可能となる。したがって、無線LAN基地局1台当たりの帯域を低く見積もる必要がなく、かつ同一チャネルの隣接する基地局同士を同一のグループに静的に割り当てる必要がない基地局制御装置における基地局の帯域制御方法のプログラムが得られる。
【符号の説明】
【0091】
1 基地局制御装置
11 第1移動局の移動局使用帯域
12 第1基地局の基地局使用帯域
13 第2基地局の基地局使用帯域
14 制御部
101 基地局制御装置(コントローラ装置)
102 無線LAN基地局
103 無線LAN基地局
104 無線移動局
105 無線LAN基地局
106 移動局
201 移動局帰属情報
202 平均再送回数情報
301 制御部
302 プログラム格納部
501 基地局102の基地局使用帯域情報
502 基地局103の基地局使用帯域情報
601 帯域干渉割合テーブル
602 隣接チャネルテーブル
701 基地局102の移動局出現情報
702 基地局103の移動局出現情報
801,802 アンテナ
803,804 アンテナ
810,811 走査部
901 移動局使用帯域情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して得られる前記第1移動局の移動局使用帯域と、
前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計が格納される前記第1基地局の基地局使用帯域と、
前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計が格納される前記第2基地局の基地局使用帯域と、
前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1および第2基地局の基地局使用帯域を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御部とを含むことを特徴とする基地局制御装置。
【請求項2】
前記第1および第2基地局の基地局使用帯域に対し個別の閾値が設定され、
前記制御部は各々の基地局の基地局使用帯域と対応する閾値とを比較し、比較結果に応じて新たな移動局の通話を許可あるいは禁止することを特徴とする請求項1記載の基地局制御装置。
【請求項3】
前記第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度と、その受信信号強度に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される帯域干渉テーブルを含むことを特徴とする請求項1または2記載の基地局制御装置。
【請求項4】
前記第1基地局で使用中のチャネルと前記第2基地局で使用中のチャネルのチャネル間隔と、そのチャネル間隔に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される隣接チャネルテーブルを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の基地局制御装置。
【請求項5】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが同一であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の基地局制御装置。
【請求項6】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが異なり、前記第2基地局は前記第1基地局で使用中のチャネルを走査する走査部を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の基地局制御装置。
【請求項7】
第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して前記第1移動局の移動局使用帯域を計算する第1の計算ステップと、
前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計を計算して前記第1基地局の基地局使用帯域へ格納する第2の計算ステップと、
前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計を計算して前記第2基地局の基地局使用帯域へ格納する第3の計算ステップと、
前記第1〜第3の計算ステップでの計算結果を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御ステップとを含むことを特徴とする基地局制御装置における基地局の帯域制御方法。
【請求項8】
前記第1および第2基地局の基地局使用帯域に対し個別の閾値が設定され、
前記制御ステップは各々の基地局の基地局使用帯域と対応する閾値とを比較し、比較結果に応じて新たな移動局の通話を許可あるいは禁止することを特徴とする請求項7記載の帯域制御方法。
【請求項9】
前記第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度と、その受信信号強度に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される帯域干渉テーブルを含むことを特徴とする請求項7または8記載の帯域制御方法。
【請求項10】
前記第1基地局で使用中のチャネルと前記第2基地局で使用中のチャネルのチャネル間隔と、そのチャネル間隔に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される隣接チャネルテーブルを含むことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の帯域制御方法。
【請求項11】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが同一であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の帯域制御方法。
【請求項12】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが異なり、前記第2基地局は前記第1基地局で使用中のチャネルを走査する走査部を含むことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の帯域制御方法。
【請求項13】
第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して得られる前記第1移動局の移動局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計が格納される前記第1基地局の基地局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計が格納される前記第2基地局の基地局使用帯域と、前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1および第2基地局の基地局使用帯域を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御部とを含む基地局制御装置と、
前記第1および第2基地局と、
前記第1移動局とを含むことを特徴とする通信システム。
【請求項14】
前記第1および第2基地局の基地局使用帯域に対し個別の閾値が設定され、
前記制御部は各々の基地局の基地局使用帯域と対応する閾値とを比較し、比較結果に応じて新たな移動局の通話を許可あるいは禁止することを特徴とする請求項13記載の通信システム。
【請求項15】
前記第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度と、その受信信号強度に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される帯域干渉テーブルを含むことを特徴とする請求項13または14記載の通信システム。
【請求項16】
前記第1基地局で使用中のチャネルと前記第2基地局で使用中のチャネルのチャネル間隔と、そのチャネル間隔に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される隣接チャネルテーブルを含むことを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の通信システム。
【請求項17】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが同一であることを特徴とする請求項13から16のいずれかに記載の通信システム。
【請求項18】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが異なり、前記第2基地局は前記第1基地局で使用中のチャネルを走査する走査部を含むことを特徴とする請求項13から16のいずれかに記載の通信システム。
【請求項19】
基地局制御装置のコンピュータに、
第1基地局に帰属する第1移動局により使用される帯域使用量と、第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度および前記第1、第2基地局間のチャネル間隔に応じた帯域使用割合(パーセント)とを乗算して前記第1移動局の移動局使用帯域を計算する第1の計算ステップと、
前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第1基地局に帰属する他の移動局の使用帯域の合計を計算して前記第1基地局の基地局使用帯域へ格納する第2の計算ステップと、
前記第1移動局の移動局使用帯域および前記第2基地局に帰属する移動局の使用帯域の合計を計算して前記第2基地局の基地局使用帯域へ格納する第3の計算ステップと、
前記第1〜第3の計算ステップでの計算結果を基に前記第1および第2基地局に割り当てる帯域を制御する制御ステップとを実行させるための基地局制御装置における基地局の帯域制御方法のプログラム。
【請求項20】
前記第1および第2基地局の基地局使用帯域に対し個別の閾値が設定され、
前記制御ステップは各々の基地局の基地局使用帯域と対応する閾値とを比較し、比較結果に応じて新たな移動局の通話を許可あるいは禁止することを特徴とする請求項19記載のプログラム。
【請求項21】
前記第2基地局によって受信される前記第1移動局の受信信号強度と、その受信信号強度に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される帯域干渉テーブルを含むことを特徴とする請求項19または20記載のプログラム。
【請求項22】
前記第1基地局で使用中のチャネルと前記第2基地局で使用中のチャネルのチャネル間隔と、そのチャネル間隔に対応する帯域使用割合(パーセント)の一覧が記録される隣接チャネルテーブルを含むことを特徴とする請求項19から21のいずれかに記載のプログラム。
【請求項23】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが同一であることを特徴とする請求項19から22のいずれかに記載のプログラム。
【請求項24】
前記第1基地局で使用中のチャネルと、前記第2基地局で使用中のチャネルとが異なり、前記第2基地局は前記第1基地局で使用中のチャネルを走査する走査部を含むことを特徴とする請求項19から22のいずれかに記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−29736(P2011−29736A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170671(P2009−170671)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】