説明

基地局装置及び該基地局装置のスリープ制御方法

【課題】端末局装置に送信禁止区間を設定することなく、スリープ状態に移行することを可能にする基地局装置及びスリープ制御方法を提供する。
【解決手段】本発明による基地局装置(501)は、スリープ状態の終了の際にアウェイク状態に移行してキャリアセンスを実施し、、無線チャネルがビジーでないときに再びスリープ状態に移行し、無線チャネルがビジーであるときにアウェイク状態を維持するための制御手段としての通信制御部(504)およびスリープ制御部(507)と、過去一定期間における端末局装置とのトラフィック総量および最小のパケット長を取得する情報取得手段としての通信制御部(504)を備える。ここで、前記制御手段は、トラフィック総量が閾値以下の場合に、端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを制限し、当該伝送レートと前記最小のパケット長の情報に基づいてスリープ状態の期間を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置及びそのスリープ制御方法に関し、更に詳しくは、無線通信システムにおける基地局装置の省電力化を実現するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE 802.11標準規格に準拠した無線LAN通信機能を搭載している装置が普及している。例えば、ノートPC、携帯電話、ゲーム機器等の端末局装置に無線LAN通信機能が搭載されおり、これらの端末局装置は、無線通信によって無線LANの基地局装置を介してインターネットにアクセスできるようになっている。
【0003】
非特許文献1では、上記のような電池で駆動される端末局装置の省電力モードが標準規格として規定されている。この省電力モードでは、端末局装置は自局の通信トラフィックが発生しないとき、基地局装置に対して自らがスリープ状態に遷移することを通知する。スリープ状態に移行する端末局装置は、当該端末局装置内の送受信回路の一部を休止させることにより、電池の消費電力を節約することが可能となる。また、端末局装置は一定周期でスリープ状態からトラフィックを送受信可能なアウェイク状態へ遷移し、基地局装置からビーコン信号を受信するように制御される。
【0004】
上記のビーコン信号には、その端末局装置宛の通信データの有無に関する情報が含まれているため、端末局装置はビーコン信号を受信することで自局宛ての通信データの有無を判断できる。端末局装置は自局宛ての通信データが存在する場合、基地局装置へPower Save-Poll (PS-poll)を送信し、基地局装置との通信が終了するまで、アウェイク状態を維持する。これに対し、ビーコンを受信して自局宛ての通信データが存在しない場合には、端末局装置は再びスリープ状態に戻り、消費電力の節約を図る。
【0005】
こうした端末局装置の省電力モードが標準規格で規定されている一方で、基地局装置の省電力モードは規定されていない。一般的な基地局装置は、電池駆動の端末局装置と異なり、ケーブル等で外部の電源と接続されているため、省電力化への要求は高くないと考慮されてきたからである。しかし、近年では電池のみで駆動する可搬型無線LAN基地局装置が普及しつつある。可搬型無線LAN基地局装置は、インフラモードとして動作し、端末局装置とのデータ通信をすることができるが、電池の蓄電残量により通信可能な時間が限られる。したがって、電池駆動の基地局装置の稼動時間を延長させるための省電力制御方法が必要となる。
【0006】
非特許文献2には、無線LAN基地局装置の省電力制御方法が示されている。図7を参照して、この省電力制御方法の動作概要を説明する。基地局装置(AP)がビーコン201を送信する時点で、送信バッファに下りの通信トラフィックがあるか否かを確認する。送信バッファに下りの通信トラフィックがない場合、基地局装置はビーコン201を送信した後、CTS-to-Selfまたはブロードキャスト信号等で制御信号203を送信し、端末局装置(STA)に対してNAV(Network Allocation Vector)により送信禁止期間を設定する。送信禁止期間内は、端末局装置においてトラフィックが発生しても、トラフィックはすぐ送信されず、設定された送信禁止期間が終了した後、上りの送信が可能となる。図7において、端末局装置の送信可能な期間は、時刻「A」〜時刻「B」の期間と、時刻「F」〜時刻「G」の期間である。
【0007】
一回の制御信号の送信では、基地局装置が設定可能な最大送信禁止期間が限られるため、更に送信禁止期間を設定し、スリープ制御を行うためには、基地局装置が複数回の制御信号を送信する必要がある。図7において、基地局装置は、端末局装置に対して制御信号203で送信禁止期間を設定した後、時刻「C」〜時刻「D」の期間においてスリープ制御を行う。その後、基地局装置は、制御信号204により時刻「E」〜時刻「F」で送信禁止期間を設定し、再びスリープ制御を行う。なお、制御信号の送信回数は、予め基地局装置に設定されている総スリープ期間によって定まる。送信禁止期間が一定のとき総スリープ期間が大きければ、制御信号の送信回数も大きくなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】IEEE Standard 802.11, Wireless LAN medium access control (MAC) and Physical layer (PHY) specification, 12 June, 2007.
【非特許文献2】「無線LAN基地局装置における省電力モードの性能評価」(小川、他), 電子情報通信学会信学技報MoMoMuC2009-13.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の非特許文献2に記載のスリープ制御技術によれば、ビーコン送信前に基地局装置のバッファにデータが蓄積されている場合は、基地局装置がスリープ状態に移行しないように制御される。この制御では、基地局装置がスリープ状態に移行するかどうかはビーコン送信時点でのみ判断される。従って、ビーコンインターバル内で、基地局装置がバッファに蓄積したデータの送受信を完了した後、送受信するトラフィックがない場合でも、基地局装置は不必要なアウェイク状態を維持することがある。また、この従来技術によれば、基地局装置に接続している端末局装置がいない状態、またはネットワーク内のトラフィックが発生していないときのみに基地局装置がスリープ制御を行ない、トラフィックが送受信される場合では、基地局装置はスリープ状態に移行できなくなるので、大きな省電力化効果を期待できない。
【0010】
上記の問題を緩和するため、基地局装置が不必要なアウェイク状態を削減し、一定以上のトラフィックがある場合でも基地局装置をスリープ状態へ移行させる手法として、短周期でスリープ状態への移行を判断する手法が考えられる。例えば、ビーコン周期を短く設定し、ビーコン送信タイミングでスリープモードへの移行を判断する方法である。この方法によれば、短い周期でスリープ移行判断が可能となるので、蓄積トラフィックの送信を完了した後の不要なアウェイク状態を維持する時間が短くなり、アウェイク状態を削減することができる。また、スリープ中に基地局装置または端末局装置で通信トラフィックが発生しても、基地局装置は即座にアウェイク状態に復帰するため、通信品質の劣化も少ないと考えられる。
【0011】
しかしながら、ビーコン周期を短くすることには、以下の問題点が考えられる。第一に、CTS等のスリープ制御パケットやビーコン等の送信頻度が高くなるため、ビーコン送信に要する消費電力が大きくなる点である。第二に、各ビーコン送信時点でスリープ移行判断を実施するためには、端末局装置からのアップリンクの送信の有無を判断する必要があり、ビーコン送信前に一定のアウェイク時間(図7の時刻「F」から時刻「G」の期間)を設定しなければならない。これにより、ビーコン送信頻度が増加する度にアウェイク状態になる時間が増加するため、スリープ制御による消費電力削減には限界がある。
従って、スリープ制御技術によって省電力化効果を向上させるためには、基地局装置がCTS-to-self等によって送信禁止区間を設定することなく、スリープ状態に移行することを可能にする技術が必要である。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、端末局装置に送信禁止区間を設定することなく、スリープ状態に移行することを可能にする基地局装置及び該基地局装置のスリープ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決達成するため、本発明による基地局装置は、アウェイク状態とスリープ状態とを遷移しながら無線チャネルを介して端末局装置との通信を行う基地局装置において、前記端末局装置に対して送信禁止期間を通知することなく前記アウェイク状態から前記スリープ状態に移行し、前記スリープ状態の終了の際に前記アウェイク状態に移行してキャリアセンスを実施し、前記キャリアセンスの結果、前記無線チャネルがビジーでないときに再び前記スリープ状態に移行し、前記無線チャネルがビジーであるときに前記アウェイク状態を維持するための制御手段と、過去一定期間における前記端末局装置とのトラフィック総量および最小のパケット長を取得する情報取得手段とを備え、前記制御手段は、前記トラフィック総量が閾値以下の場合に、前記端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを制限し、当該伝送レートを用いて前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間に基づいて前記スリープ状態の期間を設定することを特徴とする基地局装置の構成を有する。
上記基地局装置において、例えば、前記制御手段は、前記端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを、過去に受信したパケットの伝送レートよりも低い伝送レートに決定することを特徴とする。
上記基地局装置において、例えば、前記制御手段は、前記スリープ状態の期間を、前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間よりも小さく設定することを特徴とする。
上記基地局装置において、例えば、前記制御手段は、前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間を参照して、前記端末局装置の連続送信可能な期間(TXOP, Transmission opportunity)の上限値を設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による基地局装置のスリープ制御方法は、アウェイク状態とスリープ状態とを遷移しながら端末局装置との通信を行う基地局装置におけるスリープ制御方法において、前記端末局装置に対して送信禁止期間を通知することなく前記アウェイク状態から前記スリープ状態に移行し、前記スリープ状態の終了の際に前記アウェイク状態に移行してキャリアセンスを実施し、前記キャリアセンスの結果、無線チャネルがビジーでないときに再び前記スリープ状態に移行し、前記無線チャネルがビジーであるときに前記アウェイク状態を維持する制御ステップと、過去一定期間における前記端末局装置とのトラフィック総量および最小のパケット長を取得する情報取得ステップとを備え、前記制御ステップでは、前記トラフィック総量が閾値以下の場合に、前記端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを制限し、当該伝送レートを用いて前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間に基づいて前記スリープ状態の期間を設定することを特徴とする基地局装置のスリープ制御方法の構成を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基地局装置はビーコン信号やCTS等によって端末局装置に送信禁止期間を通知することなく、スリープ状態に移行することが可能となり、また、端末局装置との接続性及び通信品質に与える影響を回避しつつ、アウェイク状態になる時間を従来技術に比べて低減することが可能となる。従って、基地局装置における省電力化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態による基地局装置のスリープ制御技術の概要を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態による基地局装置のスリープ制御課題(端末局装置との接続性の劣化に関する課題)を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態による基地局装置のスリープ制御課題(ペイロード長の長いデータパケットによる省電力効果の低減に関する課題)を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態による基地局装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態による基地局装置のスリープ期間の設定手順の一例を示す図である。
【図6】(A)は、IEEE802.11規格EDCAパラメータセットエレメントの構成を示す図であり、(B)は、EDCAパラメータセットエレメントのうち、AC_BE,AC_BK,AC_VI,AC_VOパラメータレコードフィールドの構成を示す図である。
【図7】従来技術による基地局装置のスリープ制御の概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<概要>
一般には、CTS-to-self等によって送信禁止期間を端末局装置に設定せずに基地局装置がスリープ状態に移行した場合、端末局装置のパケットロスが発生する可能性がある。すなわち、基地局装置がスリープ状態の期間中に、端末局装置が上りのデータを送信することがあるが、基地局装置はスリープ状態であるため、到達確認信号であるACK信号を送信することはない。この場合、端末局装置はACK信号を受信しないため、データの再送を行う。端末局装置はACK信号を受信するまで、もしくはデータ送信の再送回数が上限値に達するまで、同一データの再送を繰り返す。そして、端末局装置による再送回数が上限値に達した場合にはパケットロスが発生する。そこで、本実施形態では、一定周期で無線チャネルの状態をモニタし、そのチャネルの状態に応じてスリープ制御を行うかどうかを判定すると共に、過去の通信履歴を参照してスリープ期間を設定する。これにより、送信禁止期間を端末局装置に設定することなくスリープ状態への移行を可能としつつ、パケットロスの発生を防止する。
【0018】
図1に、本発明による基地局装置のスリープ制御の概要を示す。
基地局装置は、スリープ状態に移行すると、一定周期でアウェイク状態に移行し、アウェイク状態とスリープ状態とを遷移する。図1において、例えばスリープ状態103−1からアウェイク状態に移行すると、基地局装置は、キャリアセンス104−1を実施する。キャリアセンス104−1では、無線信号の受信強度が所定の閾値以上であるかどうかを判断し、閾値以上であれば無線チャネルがビジーであると判断し、閾値以下ならビジーでないと判断する。
【0019】
無線チャネルがビジーであると判断した場合、基地局装置はスリープ制御を中断し、アウェイク状態に移行する。無線チャネルがビジーでないと判断した場合、即ち、無線チャネルから信号が検出されなかった場合、基地局装置は再びスリープ状態103−2に移行し、その後、再びアウェイク状態に戻り、キャリアセンス104−2を実施する。
【0020】
このように、基地局装置は、アウェイク状態とスリープ状態とを遷移する過程で周期的にキャリアセンスを実施してスリープ移行判断を繰り返す。この場合、基地局装置がスリープ状態のときに端末局装置がデータを送信する場合があり得るが、この場合、基地局装置によるキャリアセンスによって端末局装置によるデータ送信を検出することができれば、基地局装置は即座にアウェイクモードに復旧し、端末局装置が再送するデータを受信することが可能になる。従って、図1に示すスリープ制御によりキャリアセンスを繰り返すことで、端末局装置のパケットロスを改善することが可能になる。
【0021】
上記のスリープ制御では、基地局装置は、キャリアセンス104−1等を実施する必要上、スリープ状態からアウェイク状態に復帰するが、キャリアセンスはデータを受信するためのものでなく、スリープ制御を継続するか否かの判断手段である。このため、キャリアセンス期間を短く設定することが可能であり、例えば、802.11b規格の1スロットタイムの長さである20μsecに設定することができ、これによりキャリアセンスを含む全体のアウェイク時間を小さくすることができる。または、キャリアセンスによる信号検出に必要な最小時間を設定すれば、さらに省電力効果が増大する。
【0022】
また、上記のスリープ制御では、スリープ期間の長さによって省電力化効果、通信品質及び端末局装置との接続性が大きく左右される。例えば、スリープ期間を長くすれば、全体のアウェイク時間を削減することができ、省電力化効果を改善することが可能である。しかし、この場合には図2に示すように、通信品質及び端末局装置との接続性が劣化する可能がある。すなわち、スリープ期間長が長くキャリアセンス頻度が低い場合、かつ端末局装置が送信するデータ105−1〜105−3の長さが短い場合、キャリアセンス104−1〜104−3のタイミングが端末局装置による待機送信時間109と重複する確率が高まる。
【0023】
キャリアセンス104−1〜104−3のタイミングが端末局装置による待機送信時間(109)と重複すると、基地局装置は無線チャネルをビジーと判断することはなく、スリープを繰り返すことになる。この重複が続けば、パケットの遅延が増大するのみならず、再送の繰り返しによってパケットロスが発生する。そのため、通信品質及び端末局装置との接続性の観点からは、端末局装置の再送回数が小さいうちにパケットを受信できることが望ましい。これを考慮すると、標準スリープ期間を設定できる。例えば、IEEE802.11bのデータパケットの大きさは最低でも218μsec(伝送レート11Mbps、ペイロード0bit)である。従ってこの場合、標準スリープ期間を200μsecにすれば、端末局装置によるパケットの初回送信で、基地局装置が無線チャネルをビジーと判定してスリープ状態を停止し、1回目の再送パケットを基地局装置で受信することが可能となる。
【0024】
ここで、端末局装置が送信する伝送レートを低く設定し、パケットの送信時間を長く設定することができれば、それに合せて基地局装置のスリープ期間を長く設定することが可能となり、通信品質及び端末局装置との接続性の両方を害することなく省電力化効果を有効に高めることができる。
【0025】
しかし、データパケットのペイロード長は端末局装置及びアプリケーション等によって異なるため、伝送レートを低く設定すると不必要にペイロード長の長いデータパケットが発生し、省電力効果を低減させる可能性も存在する。これについて図3を用いて説明する。ここでは、基地局装置がスリープ期間103からアウェイク状態に戻り、キャリアセンス104によって無線チャネルの占有状態を把握する。図3の例では、スリープ期間103−2で端末局装置からデータ105−1が送信され、このデータ105−1の一部は、スリープ期間103−2の後のキャリアセンス104−2により検出される。これにより、基地局は、無線チャネルがビジーであると判断する。
【0026】
キャリアセンス104−2から無線チャネルがビジーと判断した基地局装置はアウェイク状態に移行し、データの再送を待ち受ける。端末局装置によるデータ送信に要する時間105−1が大きい場合、基地局装置では、スリープ期間103−2のあと、再送データ105−2が受信されるまでのアウェイク期間108が長くなることがある。アウェイク期間108は、データ送信の一部106と端末局装置の再送待機時間107の和に相当する。このように不要なアウェイク期間が存在すると、省電力効果を低減させる可能性がある。
【0027】
従って、端末局装置が送信するトラフィックの伝送レートに加え、端末局装置からのデータの送信時間を制御すると共に、スリープ期間を長く設定すれば、省電力化効果を有効に改善することが可能となる。
【0028】
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、端末局装置が送信するトラフィックが閾値より小さい場合に、基地局装置のスリープ期間を延ばすことができるように、端末局装置が使用する伝送レートは低く制限される。そして、当該伝送レートを用いたときに端末局装置がチャネルを占有する期間がデータパケットのペイロード長等の情報に基づいて算出され、この算出により得られた端末局装置のチャネル占有期間に基づいて基地局装置のスリープ期間が設定される。基地局装置は、上記チャネル占有期間において上記スリープ期間に従ってスリープ状態になる。
【0029】
<装置構成>
図4に、本発明の実施形態による基地局装置501の機能ブロックの一例を示す。
基地局装置501は、アウェイク状態とスリープ状態とを遷移しながら無線チャネルを介して端末局装置(図示なし)との通信を行う基地局装置であって、アンテナ502、送受信部503、通信制御部504、バッファ部505、インタフェース部506、スリープ制御部507、通信履歴情報部508と電源管理部509から構成される。
【0030】
ここで、送受信部503は、無線チャネル(無線回線)を介した通信のための信号処理を行うものである。通信制御部504は、データの送受信に関する全体動作を制御するものである。バッファ部505は、送受信の過程でデータを一時的に蓄積するものである。インタフェース部506は、基地局装置501と外部(有線LAN等)との間でデータパケットの入出力を担うものである。スリープ制御部507は、基地局装置501のスリープ状態を制御するものである。通信履歴情報部508は、スリープ制御部507による制御に必要な情報を格納するものである。電源管理部509は、スリープ制御部507の制御の下、基地局装置501の回路を一時的に休止させるための電源管理を担うものである。
【0031】
以下に説明するように、上記構成要素のうち、通信制御部504とスリープ制御部507は、端末局装置に対して無線アクセス禁止期間を通知することなくアウェイク状態からスリープ状態に移行し、スリープ状態の終了の際にアウェイク状態に移行してキャリアセンスを実施し、このキャリアセンスの結果、無線チャネルがビジーでないときに再びスリープ状態に移行し、無線チャネルがビジーであるときにアウェイク状態を維持するための制御手段(本願請求項1)として機能する。また、通信制御部504は、過去一定期間における端末局装置とのトラフィック総量および最小のパケット長を取得する情報取得手段(本願請求項1)として機能する。更に、スリープ制御部507は、トラフィック総量が閾値以下の場合に、前記端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを制限し、当該伝送レートを用いて前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間に基づいて前記スリープ状態の期間を設定する制御手段(本願請求項1)として機能する。
【0032】
<装置動作>
次に、基地局装置501の全体動作を説明する。
基地局装置501は、アウェイク状態において無線チャネルを介した信号をアンテナ502で受信する。送受信部503は、アンテナ502で受信された信号に対して、帯域外信号のフィルタリング、ローノイズアンプによる信号増幅、RF周波数からベースバンド帯への周波数変換、アナログ信号からデジタル信号へのA/D変換等の処理を行ない、さらにデジタル化されたベースバンド信号に対して、タイミング検出、物理レイヤに関するヘッダ情報の終端、復調処理、誤り訂正などの一連の信号処理を実施する。送受信部503から出力される復調処理等がされた信号は通信制御部504に入力される。受信した信号がデータパケットである場合は、通信制御部504は、バッファ部505を介してインタフェース部506にそのデータパケットを出力する。インタフェース部506は、基地局装置501と外部とのデータパケットの入出力を行う。
【0033】
一方、外部の有線LAN等からインタフェース部506を介してデータパケットが入力されると、このデータパケットはバッファ部505に蓄積される。このデータパケットが、通信制御部504の制御によって無線チャネルを介して送信されるときは、通信制御部504は、このデータパケットを送受信部503に出力する。、送受信部503は、送信すべきデータパケットに各種変調処理を施してベースバンド信号を生成し、このベースバンド信号に対して、デジタル信号からアナログ信号に変換するD/A変換、周波数変換、帯域外信号のフィルタリング、信号増幅などを行った後、アンテナ502より送信する。
【0034】
ここで、前記の手順により、基地局装置501が、図示しない端末局装置から無線チャネルを介してデータパケットを受信した場合、通信制御部504は、そのデータパケットに含まれるペイロード長の情報、及びそのデータパケットの送信に用いられた伝送レートを取得して通信履歴情報部508へ出力する。また、通信制御部504は、過去一定期間に端末局装置と通信したトラフィック総量に関する情報も取得して通信履歴情報部508へ出力する。
【0035】
スリープ制御部507は、周期的または任意のタイミングで、通信履歴情報部508からスリープ制御のためのトラフィック総量とデータペイロード長に関する情報を取得する。また、スリープ制御部507は、データパケットの送信に用いられた伝送レートから端末局装置との通信を制限する伝送レートを決定し、また、その伝送レート、及びデータパケットのペイロード長からスリープ期間を計算する機能を有している。この伝送レートの決定手法とスリープ期間の計算の詳細については後述する。
【0036】
スリープ制御部507で計算されたスリープ期間、及び伝送レート等のパラメータは通信制御部504に出力される。また、スリープ制御部507で計算されたスリープ期間は、電源管理部509へ出力される。電源管理部509は、スリープ制御部507で計算されたスリープ期間において基地局装置501の回路を休止させることにより基地局装置501をスリープ状態に移行させ、これにより消費電力の低減を図る。
【0037】
また、電源管理部509は、スリープ期間が終了する前に、基地局装置501内のキャリアセンスを実施するための回路をアウェイク状態に遷移させる機能を有している。このキャリアセンスの実施結果として、通信制御部504は、無線チャネルがビジーか否かの結果を、スリープ制御部507に報知する。無線チャネルがビジーであるとき、スリープ制御部507はスリープ制御を中断し、基地局装置501をアウェイク状態に維持する旨の情報を電源管理部509に通知する。電源管理部509は、スリープ制御を中断する旨の通知を受けたあと、基地局装置501内のすべての回路をアウェイク状態に移行する機能を有している。
【0038】
<スリープ期間の設定方法>
次に、上述のスリープ制御部507によるスリープ制御で用いられる通信履歴情報の取得方法、及び基地局装置501におけるスリープ期間の設定方法について述べる。なお、説明で用いているパラメータは、IEEE 802.11b規格に準拠したものである。
【0039】
基地局装置501のスリープ期間を設定する手順を図5に示す。まず、スリープ制御部507は、前記のように通信履歴情報部508に格納された通信履歴を参照し、通信履歴情報として、過去一定期間におけるトラフィック総量、端末局装置から受信したデータのペイロード長、及びデータ送信で用いられた伝送レートの情報を取得する(S202)。この過去一定期間は任意に設定できる期間であり、ビーコンインターバルの1周期またはそれ以上の周期に設定してもよい。続いて、スリープ制御部507は、上記のトラフィック総量を用いて単位時間(例えば1秒)あたりの平均トラフィック量を計算する(S203)。この平均トラフィック量が小さい程、基地局装置がスリープ状態に移行できる期間が長いことを示す。この場合に、スリープ期間を大きく設定することにより、省電力効果が大きくなる。
【0040】
そこで、スリープ制御部507は、平均トラフィック量と閾値とを比較し、平均トラフィック量が閾値以上であるか否かを判定する(S204)。ここで、上記の閾値は、スリープ制御において伝送レートを制限するか否かの判断の基準を与えるものである。このように平均トラフィック量を判定する理由は、平均トラフィック量が多い場合に本発明によるスリープ制御に従って伝送レートを制限すると、端末局装置のスループットを圧迫してしまう上に、端末局装置によるデータ送信に要する時間がビーコンインターバルの大半を占めることによって基地局装置がスリープに移行可能な期間が減少し、却って省電力効果を損なう可能性があるからである。
【0041】
上記の閾値の選定方法として、例えば、その基地局装置がサポートする最大の物理伝送レートに沿って設定することが可能であり、一例として、最大伝送レートが11Mbpsの場合は平均トラフィック量の閾値を11Mbpsの半分の5.5Mbpsに設定する。なお、閾値の設定方法は上記に限るものではなく、本発明の省電力化効果を最大限に得るために他の基準値を適用してもよい。
【0042】
平均トラフィック量が閾値未満である場合(S204;NO)、基地局装置501が過去に受信したデータパケットの伝送レートに応じて、次のスリープ制御期間において端末局装置に使用させる物理レイヤの伝送レートを決定する。ここで、伝送レートが低い程、端末局装置が1回のパケット送信にかかる時間が長くなり、基地局装置がこれに応じスリープ期間を長くすることが可能で、スリープ制御による省電力の効果が大きい。
【0043】
そこで、過去の通信に用いられた伝送レートに比べ低い伝送レートを選択する。例えば、或る端末局装置との過去の通信に用いられた伝送レートが11Mbpsの場合、この端末局装置との新しい通信に用いられる伝送レートとして、11Mbpsより低い伝送レート5.5Mbpsまたは2Mbpsを選択する(S205)。また、異なる伝送レートを用いた複数の端末局装置との通信履歴がある場合、そのうちの最も低いレートと同一又はそれ以下の伝送レートを選択する。なお、過去の一定時間内、通信が発生せず伝送レートに関する情報がない場合、複数の伝送レートから最も低い伝送レートを選択すればよい。
【0044】
なお、本実施形態では、トラフィック総量から単位時間(例えば1秒)あたりの平均トラフィック量を計算し、この平均トラフィック量と閾値を比較するものとしているが、これに限定されることなく、過去一定期間のトラフィック総量そのものと閾値を比較してもよい。この場合の閾値は、平均トラフィック量と比較される閾値とは異なり、「過去一定期間」の長さに応じた値に設定される。本発明において、「トラフィック総量が閾値以下である」という表現は、過去一定期間のトラフィック総量そのものと閾値を比較する概念と、単位時間あたりの平均トラフィック量と閾値を比較する概念の双方を含む。
【0045】
続いて、スリープ制御部507は、通信履歴情報を参照して、過去一定期間に端末局装置から受信したデータペイロード長の最小値(最小のパケット長)を取得する。このデータペイロードの最小値とステップS205で設定した伝送レートにより、パケットを伝送するために必要な最小時間を計算する(S206)。また、過去の一定時間内に通信が発生せず、データペイロード長に関する情報がない場合には、例えば、標準規格に従いプローブ(Probe)信号等の初期接続用の信号のパケット長から、パケットを伝送するために必要な最小時間を計算する。スリープ期間はパケットを伝送するために必要な最小時間より小さく設定すれば、図2に示したパケットの連続送信・再送失敗の課題を防ぐことが可能である。
【0046】
続いて、スリープ制御部507は、ステップS206で得られたパケットを伝送するための最小時間を参照して、スリープ期間、及び端末局装置の連続送信可能な期間(TXOP, Transmission opportunity)の上限値を設定する(S207)。端末局装置に対してTXOPを設定することによって、端末局装置はパケットを伝送の際に、TXOPを超えないよう送信パケットのペイロードの長さをフラグメントするので、図3に示したスリープ期間の後で不要なアウェイク期間の増大を回避することが可能となる。なお、ここでは、スリープ期間後のキャリアセンス時間を考慮して、スリープ期間はパケットを伝送するための最小時間からキャリアセンス時間を減算した値に設定する。また、TXOPはパケットを伝送するために必要な最小時間として設定する。
【0047】
最後に、基地局装置501は、ビーコン信号、又はプローブ応答信号のSupported RatesとEDCA parameter setのフィールドに伝送レート及びTXOPの上限値の情報を記載し、ビーコン信号又はプローブ応答信号でこれらのパラメータ変更を端末局装置に通知する(S208)。ビーコン信号またはプローブ応答信号のSupported Ratesのフィールドを用い、全ての端末局装置に対して通信に使用できる物理レイヤの伝送レートを通知することが可能である。
【0048】
図6(A)に、IEEE 802.11規格のEDCAパラメータセットの構成を示す。このEDCAパラメータセットには、ベストエフォート、バックグランド、音声とビデオの4種類のアクセスカテゴリ(AC)のトラフィックの通信品質制御を行うためのパラメータが含まれている。図6(B)に、そのパラメータの記載フィールドを示す。TXOP Limitのフィールドには、そのACの最大連続送信可能な時間に関するパラメータが記載されている。上記のステップS208では全てのアクセスカテゴリ(AC)にTXOP Limitを設定する。
【0049】
基地局装置501は、上記のステップS201〜S208を実行し、計算したスリープ期間の長さを用いてスリープ制御を行う。図示しない端末局装置は、ビーコンまたはプローブ応答信号を受信した後、記載された伝送レート及びTXOPの上限値に従い、通信用のパラメータを変更する。その後、端末局装置が変更後のパラメータを用い、基地局装置501と通信する。
【0050】
以下では、IEEE 802.11b規格のパラメータを用いたスリープ期間の設定方法の一例を説明する。例えば、平均トラフィック量が閾値以下であり、受信したデータペイロード長は3種類で、それぞれ200、800、1500byteとする。また、過去の通信に用いられた伝送レートは2Mbpsとする。伝送レートが低い程、データ伝送にかかる時間が長くなる。この場合、基地局装置がデータ伝送にかかる時間に合わせてスリープ期間を長く設定することにより、省電力化効果が高くなる。そこで、基地局装置501が伝送レートを1Mbpsとして指定する。次に、データペイロードの最小値200byteを用い、伝送レート1Mbpsのときの、伝送の所要時間を計算する。
【0051】
データパケットの伝送時間(200byte)=PHY header + MAC header + ペイロード(200byte@1Mbps)= 2.08msec=2080μsec
【0052】
基地局装置501がこの数値から、キャリアセンスに必要な時間を引いて、スリープ期間を設定する。例えば、キャリアセンス時間を802.11bの規格で1タイムスロット時間20μsecに設定するとき、一回のスリープ期間は2080 - 20 = 2060μsecに設定する。
この設定によって図2のようにスリープ期間がデータパケットの伝送時間より大きく、キャリアセンスによりデータを検出できない課題が回避できる。
【0053】
また、ペイロード=1500byteのデータパケットを伝送するための時間は以下の通りである。
【0054】
データパケット伝送時間(1500byte) = PHY header + MAC header + ペイロード(1500byte@1Mbps)= 12.48msec = 12480μsec
【0055】
この数値は、設定したスリープ期間=2060μsecより大きいため、図3のような、スリープ期間後のアウェイク期間が増大する問題が発生しうる。こうした問題を回避するため、基地局装置501がEDCAパラメータを変更し、連続送信可能な時間TXOPの上限値を上記の計算結果2.08msecに指定する。標準規格では、端末局装置が一回の送信で、指定されたTXOPを超えないように、送信データのペイロードを分割させる必要があると規定されている。したがって、1500byteのペイロードを持つ端末局装置は、データを送信する前に長いペイロードを短いフラグメントに分割する。指定された伝送レートでTXOPの上限値を超えないため、一回のデータパケットで送信可能な最大ペイロード長は200byteとなる。端末局装置は、最大ペイロード長に従い、データペイロードを分割して送信する。
【0056】
上述のように端末局装置の伝送レート及びデータパケット長を制御することで、図2および図3に示した課題を回避しつつ、基地局装置501のスリープ期間を大きく設定することが可能となる。
【0057】
一方、平均トラフィック量が閾値以上となる場合(S204:YES)、基地局装置501と端末局装置との通信が頻繁に発生しているため、基地局装置501が端末局装置の伝送レートや連続送信時間(TXOP)を制限することによって端末局装置における通信品質の劣化が生じうる。通信品質を大幅に劣化させないように、ここでは、基地局装置501がスリープ期間を標準スリープ期間に設定する(S210)。この標準スリープ期間は、802.11規格に従いデータ送信の際に必要最小な物理レイヤ及びMACレイヤのヘッダ長に合わせ設定することができる。例えば、802.11b規格のパラメータでは、1つのデータパケットのヘッダ長218μsecに合わせ設定する。ただし、標準スリープ期間の設定は上記に限らず、本発明の省電力効果を最大限に得るための他の方法に従い設定してもよい。
【0058】
基地局装置501は、前記の手法により、適宜にスリープ期間を制御することでできる。スリープ期間を制御するタイミングは、定期的にもしくは不定期的に行うことが可能である。例えば、30秒間隔で、基地局装置501が上記の制御によって、端末局装置との通信トラフィックを把握し、スリープ期間、端末局装置との伝送レート及び端末局装置のTXOP上限値等のパラメータを更新し、この変更を端末局装置に報知すればよい。また、基地局装置501に新規の端末局装置が初期接続したとき、もしくは端末局装置がとのアソシエーションを切断したとき等、接続端末局装置数が増減することに応じて、上記と同じ手法でスリープ期間の制御を行ってもよい。
【符号の説明】
【0059】
501…基地局装置、502…アンテナ、503…送受信部、504…通信制御部、505…バッファ部、506…インタフェース部、507…スリープ制御部、508…通信履歴情報部、509…電源管理部、S202〜S208,S210…ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウェイク状態とスリープ状態とを遷移しながら無線チャネルを介して端末局装置との通信を行う基地局装置において、
前記端末局装置に対して送信禁止期間を通知することなく前記アウェイク状態から前記スリープ状態に移行し、前記スリープ状態の終了の際に前記アウェイク状態に移行してキャリアセンスを実施し、前記キャリアセンスの結果、前記無線チャネルがビジーでないときに再び前記スリープ状態に移行し、前記無線チャネルがビジーであるときに前記アウェイク状態を維持するための制御手段と、
過去一定期間における前記端末局装置とのトラフィック総量および最小のパケット長を取得する情報取得手段とを備え、
前記制御手段は、
前記トラフィック総量が閾値以下の場合に、前記端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを制限し、当該伝送レートを用いて前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間に基づいて前記スリープ状態の期間を設定する
ことを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを、過去に受信したパケットの伝送レートよりも低い伝送レートに設定することを特徴とする請求項1に記載された基地局装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記スリープ状態の期間を、前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間よりも小さく設定することを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載された基地局装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間を参照して、前記端末局装置の連続送信可能な期間(TXOP, Transmission opportunity)の上限値を設定することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載された基地局装置。
【請求項5】
アウェイク状態とスリープ状態とを遷移しながら端末局装置との通信を行う基地局装置のスリープ制御方法において、
前記端末局装置に対して送信禁止期間を通知することなく前記アウェイク状態から前記スリープ状態に移行し、前記スリープ状態の終了の際に前記アウェイク状態に移行してキャリアセンスを実施し、前記キャリアセンスの結果、無線チャネルがビジーでないときに再び前記スリープ状態に移行し、前記無線チャネルがビジーであるときに前記アウェイク状態を維持する制御ステップと、
過去一定期間における前記端末局装置とのトラフィック総量および最小のパケット長を取得する情報取得ステップとを備え、
前記制御ステップでは、
前記トラフィック総量が閾値以下の場合に、前記端末局装置が送信するときに使用する伝送レートを制限し、当該伝送レートを用いて前記最小のパケット長のデータを伝送するために必要な時間に基づいて前記スリープ状態の期間を設定する
ことを特徴とする基地局装置のスリープ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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